(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
周波数1Hzでの動的粘弾性スペクトルで測定される損失正接の極大値を示す温度領域が−40℃〜−10℃の範囲である粘着剤層(A)を有する粘着テープであって、前記粘着剤層(A)がゴム系ブロック共重合体(a)と粘着付与樹脂とを含有するものであり、かつ、前記粘着剤層(A)の厚さが、合計150μm以上であり、幅が5mm以下であることを特徴とする粘着テープ。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の粘着テープは、周波数1Hzでの動的粘弾性スペクトルで測定される損失正接の極大値を示す温度領域が−40℃〜−10℃の範囲である粘着剤層(A)を有する粘着テープであって、前記粘着剤層(A)がゴム系ブロック共重合体(a)を含有するものであり、かつ、前記粘着剤層(A)の厚さが、合計150μm以上であることを特徴とする。
【0012】
本発明の粘着テープを構成する粘着剤層(A)としては、周波数1Hzでの損失正接の極大値を示す温度領域が−40℃〜−10℃であるものを使用する。前記範囲の温度領域に損失正接の極大値を有する粘着剤層(A)を設けた粘着テープを使用することによって、前記粘着テープを貼付する領域(貼付部位)がきわめて狭い範囲に限られる部材であるため細幅の粘着テープを使用せざるを得ない場合であっても、前記部材を十分に固定できるレベルの接着力と、優れた耐衝撃性とを両立することができる。
【0013】
前記粘着剤層(A)としては、前記損失正接の極大値を示す温度領域が−35℃〜−20℃の範囲であるものを使用することが好ましく、−30℃〜−22℃の範囲であるものを使用することが、前記粘着テープを貼付する領域(貼付部位)がきわめて狭い範囲に限られる部材であるため細幅の粘着テープを使用せざるを得ない場合であっても、前記部材を十分に固定できるレベルの接着力と、優れた耐衝撃性とをより一層向上させるうえでより好ましい。
【0014】
また、前記粘着剤層(A)としては、前記温度範囲内にある損失正接の極大値が、0.5〜2.5の範囲であるものを使用することが、より一層優れた耐衝撃性を付与するうえで好ましい。
【0015】
なお、前記粘着テープを用いて2つの部材を貼付して得られた物品の解体は、例えば前記物品を落下等させた場合に、一方の部材から他方の部材へ落下によって生じた振動エネルギーが伝わることによって引き起こされる。
【0016】
したがって、前記粘着テープとしては、一方の部材に加わった振動エネルギーを、他の部材に伝達しにくい、すなわち、振動エネルギーの吸収性の高いものを使用することが、優れた耐衝撃性を付与するうえで好ましい。
【0017】
前記振動エネルギーの吸収性は、前記粘着テープの粘弾性の影響をうける。例えば前記粘性と弾性との関係を示す損失正接(=粘性/弾性)の極大値Xを有する粘着テープは、前記極大値Xに対応する振動数よりも低い振動数領域において、前記落下等によって生じうる振動エネルギーを好適に吸収でき、その結果、優れた耐衝撃性を発現できる。
【0018】
なお、前記振動エネルギーは、もっぱら温度と相関があり、例えば25℃の環境下で物品を落下等させた場合に生じる振動数は、通常、10
3Hz程度とされる。一方、前記損失正接は、通常、周波数1Hzでの動的粘弾性スペクトルで測定される。ここで、前記25℃で物品を落下等させた際の振動数10
3Hzを、1Hzに換算した場合の温度は、約−10℃である。したがって、粘着テープとしては、周波数1Hzでの動的粘弾性スペクトルで測定される損失正接の極大値を示す温度領域が、前記−10℃よりも低い領域、具体的には−40℃〜−10℃の範囲である粘着剤層を有するものを使用することが、優れた耐衝撃性を発現するうえで好適である。
【0019】
本発明の粘着テープとしては、例えば不織布基材や樹脂フィルム基材等の片面または両面に前記粘着剤層(A)を備えた粘着テープ、または、前記粘着剤層(A)のみから構成される、いわゆる基材レスの粘着テープが挙げられる。
【0020】
前記粘着テープとしては、その粘着剤層(A)の厚さの合計が150μm以上であるものを使用する。これにより、凝集力に優れ接着力に優れた効果を付与することができる。
【0021】
なお、前記厚さの合計は、例えば前記基材の両面に粘着剤層(A)を備えた粘着テープであれば、その粘着剤層(A)の合計の厚さを指し、前記基材レスの粘着テープであれば、それを構成する粘着剤層(A)単独の厚さを指す。
【0022】
前記粘着剤層(A)の厚さの合計は、150μm〜300μmの範囲であることが好ましく、180μm〜250μmの範囲であることが、前記粘着テープを貼付する領域(貼付部位)がきわめて狭い範囲に限られる部材であり、細幅の粘着テープを使用せざるを得ない場合であっても、前記部材を十分に固定できるレベルの接着力を付与することができるためより好ましい。
【0023】
また、前記基材の両面に粘着剤層(A)を有する粘着テープにおいては、その片面の粘着剤層(A)の厚さは70μm以上であることが好ましく、80μm〜120μmの範囲であることが、前記粘着テープを貼付する領域(貼付部位)がきわめて狭い範囲に限られる部材であるため細幅の粘着テープを使用せざるを得ない場合であっても、前記部材を十分に固定できるレベルの接着力を付与することができるためより好ましい。
【0024】
また、前記粘着剤層(A)としては、周波数1Hzで23℃における貯蔵弾性率G’が1.0×10
5以上であるものを使用することが好ましく、1.0×10
5を超え1.0×10
7以下であるものを使用することが、前記粘着テープを貼付する領域(貼付部位)がきわめて狭い範囲に限られる部材であり、細幅の粘着テープを使用せざるを得ない場合であっても、前記部材を十分に固定できるレベルの接着力を付与することができるためより好ましい。
【0025】
前記粘着剤層(A)は、ゴム系ブロック共重合体(a)を含有する粘着剤を用いて形成することができる。
【0026】
前記ゴム系ブロック共重合体(a)としては、いわゆるABAタイプのブロック共重合体(トリブロック共重合体)、ABタイプのブロック共重合体(ジブロック共重合体)、及び、それらの混合物を使用することができる。前記ゴム系ブロック共重合体(a)としては、前記トリブロック共重合体及びジブロック共重合体の混合物を使用することが、前記温度領域に損失正接の極大値を有し、その結果、優れた接着力と、被着体への良好な濡れ性とを両立した粘着剤層を形成するうえで好ましく、前記ジブロック共重合体を前記ゴム系ブロック共重合体(a)全体に対して30質量%〜80質量%の範囲で含有するものを使用することがより好ましく、30質量%〜60質量%の範囲で使用することがさらに好ましく、40質量%〜55質量%の範囲で使用することが特に好ましい。
【0027】
前記ゴム系ブロック共重合体(a)としては、スチレン系ブロック共重合体を使用することが好ましい。前記スチレン系ブロック共重合体は、ポリスチレン単位(a1)とポリオレフィン単位とを有するトリブロック共重合体、ジブロック共重合体、または、それらの混合物を指す。
【0028】
前記ポリスチレン単位(a1)は、粘着剤層(A)の弾性率を高め、優れた凝集力の発現に寄与する。
【0029】
一方、前記ポリオレフィン単位は、粘着剤層(A)の損失正接の極大値を示す温度領域を、所定の範囲に設定することに寄与する。これにより、優れた耐衝撃性を備えた粘着テープを得ることができる。
【0030】
前記ポリオレフィン単位としては、例えばポリイソプレン単位(a2)、ポリブタジエン単位、ポリ(ブタジエン−エチレン)単位等が挙げられ、ポリイソプレン単位(a2)を採用することが、粘着剤層(A)の損失正接の極大値を示す温度領域を、前記所定の範囲に調整し、その結果、優れた接着力と優れた耐衝撃性との両立を実現するうえで好ましい。
【0031】
前記ブロック共重合体に対する前記ポリスチレン単位(a1)の質量割合は、例えば前記ポリオレフィン単位としてポリイソプレン単位(a2)を採用する場合であれば、5質量%〜40質量%の範囲であることが好ましく、10質量%〜30質量%の範囲であることがより好ましく、10質量%〜25質量%の範囲で使用することが、被着体への濡れ性に優れ、かつ、接着力に優れた粘着テープを得るうえでより好ましい。
【0032】
一方、前記ポリオレフィン単位としてポリブタジエン単位またはポリ(ブタジエン−エチレン)単位を採用する場合であれば、前記質量割合は50質量%〜70質量%の範囲であることが、被着体への濡れ性に優れ、かつ、接着力に優れた粘着テープを得るうえで好ましい。
【0033】
前記ゴム系ブロック共重合体(a)としては、具体的にはスチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレンブロック共重合体等のスチレン系ブロック共重合体等を使用することができる。
【0034】
なかでも、前記ゴム系ブロック共重合体(a)としては、スチレン−イソプレンブロック共重合体を使用することが、優れた接着力と優れた耐衝撃性とを両立するうえで好ましい。
【0035】
前記ゴム系ブロック共重合体(a)としては、優れた接着力と優れた耐衝撃性とを両立するうえで、1万〜80万の範囲の重量平均分子量を有するものを使用することが好ましく、5万〜50万の範囲の重量平均分子量を有するものを使用することがより好ましく、15万〜35万の範囲の重量平均分子量を有するものを使用することがさらに好ましい。
【0036】
前記粘着剤層(A)の形成に使用可能な粘着剤としては、前記ゴム系ブロック共重合体(a)の他に、粘着付与樹脂を含有するものを使用することが好ましい。
【0037】
前記粘着付与樹脂としては、例えばロジン系粘着付与樹脂、重合ロジン系粘着付与樹脂、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂、ロジンフェノール系粘着付与樹脂、水添ロジンエステル系粘着付与樹脂、不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂、テルペン系粘着付与樹脂、テルペンフェノール系粘着付与樹脂、脂肪族(石油樹脂)系粘着付与樹脂、C5系石油系粘着付与樹脂を使用することができる。
【0038】
なかでも、前記粘着付与樹脂としては、被着面への濡れ性を向上するうえで、C5系石油系粘着付与樹脂を使用することが好ましい。
【0039】
上記C5系石油樹脂としては、一般にナフサの分解で得られるC5留分よりイソプレン及びシクロペンタジエンを抽出分離した残りを重合した樹脂を使用することができる。
【0040】
また、粘着付与樹脂としては、前記したもののほかに、室温で液状の粘着付与樹脂を使用することもできる。前記液状の粘着付与樹脂としては、例えばプロセスオイル、ポリエステル系粘着付与樹脂、ポリブテン等の低分子量の液状ゴムが挙げられる。
【0041】
前記液状の粘着付与樹脂は、前記粘着付与樹脂の全量に対して3質量%〜30質量%の範囲で使用することが、被着面への濡れ性をより一層向上させるうえで好ましい。
【0042】
また、前記粘着剤としては、前記したものの他に、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、充填剤、ガラスやプラスチック製の繊維、バルーン、ビーズ、金属粉末等の充填剤、顔料、増粘剤等を含有するものを使用することができる。
【0043】
本発明の粘着テープは、例えば基材の片面または両面に、ロールコーターやダイコーター等を用いて前記粘着剤を塗布し、乾燥することによって製造することができる。また、前記粘着テープは、予め離型ライナーの表面にロールコーター等を用いて前記粘着剤を塗布し、乾燥することによって粘着剤層を形成し、次いで、前記粘着剤層を基材の片面または両面に貼り合せる転写法によって製造することができる。
【0044】
また、前記基材レスの粘着テープは、予め離型ライナーの表面にロールコーター等を用いて前記粘着剤を塗布し、乾燥することによって製造することができる。
【0045】
前記粘着テープを構成する基材としては、例えば不織布、布、紙等の多孔質基材、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム等のプラスチックフィルム等の樹脂基材を使用することができる。
【0046】
前記樹脂基材としては、前記粘着剤層の投錨性を向上させるうえで、コロナ処理やアンカーコート処理が施されたものを使用することができる。
【0047】
前記基材としては、4μm〜100μmの厚さのものを使用することが好ましく、10μm〜75μmの厚さのものを使用することが、優れたテープの加工性と被着体への優れた追従性を付与する効果を奏するうえでより好ましい。
【0048】
本発明の粘着テープは、例えば遮光性を高めるための遮光層、可視光線等の反射性を向上させるための反射層を有していてもよい。
【0049】
本発明の粘着テープは、高い接着強度を有するため、例えば貼付部位が5mm以下の幅に限られる狭幅の部材の固定に使用することができる。
【0050】
前記狭幅の部材は、例えば携帯電話機等の電子端末、自動車、建材、OA、家電業界などの工業用途における部材として使用されることが多い。
【0051】
前記部材としては、具体的には電子端末を構成する2以上のきょう体、レンズ部材等が挙げられる。
【0052】
以下に実施例により具体的に説明する。
【0053】
(実施例1)
重量平均分子量20万のスチレン−イソプレンブロック共重合体S(トリブロック共重合体とジブロック共重合体との混合物。前記混合物の全量に対する前記ジブロック共重合体の占める割合は52質量%。前記スチレン−イソプレンブロック共重合体の全体に占めるポリスチレン単位の質量割合は15質量%、ポリイソプレン単位の質量割合は85質量%)100質量部、C5石油系粘着付与樹脂(軟化点100℃、数平均分子量885)40質量部、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂(軟化点125℃、数平均分子量880)30質量部、液状粘着付与樹脂としてHV−100(JX日鉱日石エネルギー株式会社製、低分子量ポリブテン)5質量部を混合したものを、トルエンに溶解することによって粘着剤を得た。
【0054】
前記粘着剤を、アプリケーターを用いて乾燥後の厚さが100μmとなるように、離型ライナーの表面に塗布し、85℃で5分間乾燥させることによって粘着剤層を形成した。前記粘着剤層を、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの両面に貼り合せた後、4kgf/cm
2で加圧しラミネートすることによって、粘着テープを作製した。
【0055】
(実施例2)
前記液状粘着付与樹脂を使用しないこと以外は、実施例1と同様の方法で粘着テープを作製した。
【0056】
(実施例3)
前記液状粘着付与樹脂及び前記重合ロジンエステル系粘着付与樹脂を使用しないこと以外は、実施例1と同様の方法で粘着テープを作製した。
【0057】
(実施例4)
前記厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの代わりに、坪量14g/m
2、厚さ50μmの不織布基材「ミキロン805」を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着テープを作製した。
【0058】
(実施例5)
実施例1で使用した前記スチレン−イソプレンブロック共重合体Sの代わりに、重量平均分子量30万のスチレン−イソプレンブロック共重合体T(トリブロック共重合体とジブロック共重合体との混合物。前記混合物の全量に対する前記ジブロック共重合体の占める割合は35質量%。前記スチレン−イソプレンブロック共重合体の全体に占めるポリスチレン単位の質量割合は20質量%、ポリイソプレン単位の質量割合は80質量%)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着テープを作製した。
【0059】
(比較例1)
実施例1で使用した前記スチレン−イソプレンブロック共重合体Sの代わりに、重量平均分子量30万のスチレン−ブタジエンブロック共重合体U(トリブロック共重合体とジブロック共重合体との混合物。前記混合物の全量に対する前記ジブロック共重合体の占める割合は20質量%。前記スチレン−ブタジエンブロック共重合体の全体に占めるポリスチレン単位の質量割合は20質量%、ポリブタジエン単位の質量割合は80質量%)を使用すること以外は、実施例3と同様の方法で粘着テープを作製した。
【0060】
(比較例2)
乾燥後の粘着剤層の厚さを100μmから40μmに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で粘着テープを作製した。
【0061】
(比較例3)
(粘着剤の調製)
攪拌機、寒流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、ブチルアクリレート44.9質量部、2−エチルヘキシルアクリレート50質量部、アクリル酸2質量部、酢酸ビニル3質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.1質量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.1質量部とを酢酸エチル100質量部に溶解し、70℃で10時間重合することによって、重量平均分子量80万のアクリル系共重合体溶液を得た。
【0062】
次に、アクリル系共重合体100質量部に対して、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂(軟化点125℃、数平均分子量880)30質量部を添加し、酢酸エチルを加えて混合することによって、不揮発分45質量%の粘着剤を得た。
【0063】
前記粘着剤100質量部に対し、日本ポリウレタン工業(株)製「コロネートL−45」
(イソシアネート系架橋剤、固形分45質量%)を1.1質量部添加し15分攪拌した後、アプリケーターを用いて、乾燥後の厚さが100μmになるように、セパレーター上に塗布し、85℃下で5分間乾燥した。
【0064】
次に、上記セパレーター上に塗布された粘着剤の層を二つ用意して、これらを厚さ38μmPETフィルムの両面に貼りあわせた後、4kgf/cm
2の加圧にてラミネートを行い、粘着テープを作製した。
【0065】
(1)粘着剤層の動的粘弾性測定
実施例及び比較例の粘着テープの製造に使用した粘着剤を、アプリケーターを用いて乾燥後の厚さが100μmとなるように、離型ライナーの表面に塗布し、85℃で5分間乾燥させることによって、厚さ100μmの粘着剤層を形成した。
【0066】
次に、前記粘着剤層を複数作成し、それを重ねあわせることによって、厚さ2mmの粘着剤層からなる試験片を作成した。
【0067】
ティ・エイ・インスツルメントジャパン社製の粘弾性試験機(アレス2kSTD)に、直径7.9mmのパラレルプレートを装着した。前記試験片を、前記パラレルプレートで圧縮荷重40〜60gで挟み込み、周波数1Hz、温度領域−60〜150℃、及び、昇温速度2℃/minの条件で、損失正接の極大値を示す温度[℃]とその温度における極大値、23℃下における貯蔵弾性率[Pa]を測定した。
【0068】
接着力の評価方法(面接着強度)
23℃の環境下、実施例及び比較例で得た粘着テープを、1辺(外形)の長さが14mmの正方形で、幅2mmの額縁状に裁断した。
【0069】
前記裁断した粘着テープ2を、長さ15mm、幅15mm及び厚さ2mmの直方体であるアクリル板1に貼付した。その際、前記裁断した粘着テープ2の1辺が、前記アクリル板1の1辺15mmに対応するように貼付したものを試験片1とした。
【0070】
次に、中心部に直径10mmの穴を有する縦20mm、横50mm及び厚さ1mmのSUS板3と、前記試験片1の粘着テープ側の面とを、それらの中心が一致するように貼付し、プレス機を用いて80N/cm
2で10秒加圧した後、前記加圧した状態を解き、23℃の環境下で1時間静置することによって試験片2を作製した。
【0071】
次に、直径8mmのステンレス製のプローブ4を備えた引張試験機(エイアンドディ社製テンシロンRTA−100、圧縮モード)を用意した。前記プローブ4が、前記試験片2を構成するSUS板3の穴をとおして、前記試験片2を構成する試験片1に力を加えた際に、前記試験片1がSUS板3からはがれた時の強度(N/cm
2)を測定した。なお、前記プローブ4が試験片1を押す速度は10mm/分に設定した。
【0072】
接着力の評価方法(180度引き剥がし接着力)
180度引き剥がし接着力は、JIS Z 0237に従い測定した。
【0073】
粘着テープの一方の面の離型ライナーを剥がし、その粘着剤層を、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)で裏打ちした。
【0074】
前記裏打ちした粘着テープを幅20mm幅に切断した後、他方の面の離型ライナーを剥がし、その粘着剤層にSUS板に貼り合わせたものを試験片3とした。
【0075】
前記試験片3を、23℃及び50%RH環境下で30分放置した後、同環境下で、テンシロン引張試験機[株式会社エーアンドデイ製、型式:RTM−100]を用い、前記試験片3を構成する両面粘着テープを、SUS板から、180度方向に300mm/分の速度で引き剥がした際の接着力を測定した。
【0076】
耐衝撃性の評価方法
23℃の環境下、実施例及び比較例で得た粘着テープを、長さ20mm及び幅2mmの長方形に裁断したものを2つ用意した。
【0077】
次に、長さ20mm、幅50mm及び厚さ2mmの直方体であるアクリル板5の表面に、前記2つの裁断した粘着テープ6を、44mmの間隔をあけて平行に貼付した。
【0078】
前記貼付面に、長さ50mm、幅50mm及び厚さ2mmの直方体であるアクリル板7を貼付し、プレス機を用いて80N/cm
2で10秒加圧した後、加圧された状態を解き、23℃の環境下で1時間静置することによって試験片4を作製した。
【0079】
次に、前記試験片4を構成する前記アクリル板5の表面に、300gのおもり8をテープ9を用いて固定したものを試験片5とした。
【0080】
前記試験片5を、デュポン衝撃試験機(テスター産業株式会社製)を用い、高さ10cmから落下させた。高さ10cmから試験片を5回落下させた後、試験片5を構成するアクリル板5とアクリル板7との剥離を確認できなかった場合、さらに10cm高い高さから試験片5を落下させ、再度、アクリル板5とアクリル板7との剥離の有無を確認した。この試験を、落下させる高さが80cmとなるまで繰り返し行った。
◎:落下させる高さが80cmであっても、剥離を確認できなかった。
○:落下させる高さが70cmであっても、剥離を確認できなかった。
×:落下させる高さが70cm未満であった場合に、剥離を確認できた。