【実施例】
【0062】
次に、本発明を実施例および比較例により詳細に説明する。実施例および比較例で得られた両面粘着シートの各特性の評価方法は以下のとおりである。
【0063】
[樹脂フィルム基材の厚さの測定方法]
樹脂フィルム基材を長さ50mm、幅50mmの正方形に裁断したものの厚さを、マイクロメータ[(株)ミツトヨ製、型式:MDH−25M]を用い、JIS C 2151に従い測定した。
【0064】
[両面粘着シートの全光線透過率の測定方法]
実施例及び比較例で得た両面粘着シートを、長さ50mm、幅50mmの正方形に裁断したものを試験片とした。両面の離型ライナーを剥がしたのち、前記試験片の全光線透過率を反射・透過率計HR−100型[(株)村上色彩技術研究所製]を用い、JIS K 7136に従い測定した。
【0065】
[ゲル分率の測定方法]
実施例及び比較例で得た両面粘着シートを、長さ50mm×幅40mmの大きさ(面積20cm
2)に切断したものを試験片とした。なお、前記両面粘着シートの製造する前に、その製造に使用した樹脂フィルム基材の質量(G
0)を予め測定した。
【0066】
次に、上記試験片の質量(G
1)を測定した。次に、上記試験片をトルエンに25℃の環境下で24時間浸漬した後、それを300メッシュの金網で濾過することにより、トルエンに不溶であった残渣を分離し、105℃で1時間乾燥して得た残渣の質量(G2)を測定した。前記樹脂フィルム基材の質量(G
0)と、前記浸漬前の試験片の質量(G
1)と、前記残渣の質量(G
2)の値と、下記式に従って、ゲル分率を算出した。
【0067】
ゲル分率(質量%)=[(G
2−G
0)/(G
1−G
0)]×100
【0068】
[遮光性の評価]
前記両面粘着シートを長さ50mm、幅50mmの大きさに切断し、一方の離型ライナーを剥がしたものを、フォントMS明朝体及びフォントサイズ11で印刷された黒色文字「DIC株式会社」の上面に貼付した。
次に、照度500ルクスの環境下、他方の離型ライナーを剥がし、その粘着剤層の表面から、前記黒色文字を視認できるか否か、観察した。
前記観察の結果、前記黒色文字を全く識別できなかった両面粘着シートを遮光性に優れるものとして「◎」と評価し、前記黒色文字の存在は認識できたものの、その文字の内容を認識できなかったものを「○」と評価し、前記黒色文字の内容を認識できたものを「×」と評価した。前記評価結果が、◎または○であったものを実用上優れた遮光性を有するものと評価した。
【0069】
[樹脂フィルム基材と粘着剤層との密着強度]
実施例及び比較例で得た両面粘着シートを、長さ100mm×幅20mmの大きさに切断し、離型ライナーを剥がしたのち、両面の粘着剤層に厚さ50μm×長さ120mm×幅25mmの大きさに切断したアルミニウム箔を貼付したものを試験片とした。
次に、23℃及び50%RHの環境下、テンシロン引張試験機[株式会社エーアンドデイ製、型式:RTM−100]を用い、前記試験片の各粘着剤層に貼付されたアルミニウム箔の両端部を掴み、50mm/minの速度で引き剥がした際の、樹脂フィルム基材から粘着剤層が剥がれる強度を測定した。測定値が高いほど、樹脂フィルム基材と粘着剤層との密着性が高いことを示す。
【0070】
[接着力(180°ピール接着力)の測定方法]
180°ピール粘着力は、JIS Z 0237に従い測定した。
実施例及び比較例で得た両面粘着シートの片面の粘着剤層に、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを貼付することで裏打ちし、長さ300mm、幅20mmの大きさに切断したものを試験片とした。
次に、前記試験片の他方の粘着剤層を、ステンレス板(SUS304鋼板)に貼り合わせ、23℃・50%RHの環境下で、2kgローラーにて1往復し、それらを加圧した。23℃及び50%RHの環境下に1時間放置した後、テンシロン引張試験機[株式会社エーアンドデイ製、型式:RTM−100]を用い、試験片を被着体から、180度方向に300m/minの速度で引き剥がした際の接着力を測定した。測定値が高いほど、接着性能に優れていることを示す。
【0071】
[90度方向の定荷重保持力の測定方法]
実施例及び比較例で得た両面粘着シートの片面の粘着剤層に、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを貼付することで裏打ちし、長さ100mm、幅10mmの大きさに切断したものを試験片とした。
次に、23℃・50%RHの環境下で、前記試験片の他方の粘着剤層を、ステンレス板(SUS304鋼板)に貼付面積が長さ50mm、幅10mmになるように貼り合わせ、2kgローラーを用いて8往復しそれらを加圧した。
次に、23℃及び50%RHの環境下に1時間放置した後、試験片の端部に0.3kgの重りを取り付け、定荷重保持力計[テスター産業(株)製]を用い、試験片が前記ステンレス板から90度方向に剥がれるように設置した。試験片がすべて剥離し、重りが落下するまでの時間を計測した。90度方向の定荷重保持力は、下記基準にしたがって評価した。前記評価結果が、◎または○であったものを実用上優れた定荷重保持力を有するものと評価した。
【0072】
◎:180分以上、保持した
○:60分以上保持し、180分未満で落下した
△:30分以上保持し、60分未満で落下した
×:30分未満で落下した
【0073】
[せん断方向の保持力の測定方法]
上記保持力は、JIS Z 0237に従い測定した。
実施例及び比較例で得た両面粘着シートの片面の粘着剤層に、厚さ50μmのアルミニウム箔を貼付することで裏打ちし、長さ100mm、幅20mmの大きさに切断したものを試験片とした。続いて、23℃・50%RHの環境下で、前記試験片の他方の粘着剤層の表面に、ステンレス板(SUS304鋼板)を、その貼付面積が20mm×20mmとなるように貼り合わせ、2kgローラーを用いて1往復加圧した。
次に、23℃・50%RHの環境下に1時間放置した後、70℃環境下、恒温槽付き保持力計[テスター産業(株)製]を用い、試験片のせん断方向(長さ方向)に対して、試験片の端部に0.5kgの重りを取り付けた。前記試験片が前記ステンレス板から落下するまでの時間を計測した。なお、1440分を経過しても落下しなかった試験片は、1440<と表記した。せん断方向の保持力は、下記基準にしたがって評価した。
◎:1440分以上、保持した
○:720分以上保持し、1440分未満で落下した
△:360分以上保持し、720分未満で落下した
×:360分未満で落下した
【0074】
[耐衝撃性の測定方法]
長さ40mm、幅5mmの2枚の両面粘着テープを、厚さ2mm、長さ50mm×幅50mmのアクリル樹脂板(三菱レイヨン(株)製、アクリライトL、色相:透明)に、
図1で示すように貼付した。次に、前記貼付物を、厚さ2mm、長さ150mm×幅100mmのABS樹脂板(住友ベークライト(株)製、タフエースR、色相:ナチュラル、シボなし)に、
図2に示すように貼付した。
次に、前記貼付物を、2kgローラーを1往復させることで加圧したのち、23℃で1時間静置したものを試験片とした。
次に、デュポン式衝撃試験機(テスター産業株式会社製)の台座の上に、長さ150mm、幅100mm、高さ45mmのコの字型測定台(厚さ5mmのアルミニウム製)を設置し、その上に、前記試験片を、前記試験版を構成する前記ABS樹脂板が上向きとなるように載せた(
図3)。
次に、前記ABS樹脂板の中心部に、直径25mm、質量300gのステンレス製の撃芯(先端径12.7mm)を、前記ABS樹脂板の表面から高さ30cmの距離から、10秒間隔で、5回落下させた。前記落下後、前記試験片を構成する粘着シートの剥がれが認められなかった場合、より10cm高い位置(40cm)から前記撃芯を落下させ、前記同様に試験を行った。前記撃芯を落下させる高さが90cmとなるまで前記試験を繰り返し行った。耐衝撃性は、下記基準にしたがって評価し、◎または○であったものを実用上優れた耐衝撃性を有するものと評価した。
◎:落下させる高さが70cmであっても、試験片を構成する粘着シートの剥離等を確認できなかった。
○:落下させる高さが60cmであっても、試験片を構成する粘着シートの剥離等を確認できなかった。
△:落下させる高さが40cmであっても、試験片を構成する粘着シートの剥離等を確認できなかった。
×:落下させる高さが30cmであっても、試験片を構成する粘着シートの剥離等を確認できなかった。
【0075】
(実施例1)
<乳化液の調製>
容器にイオン交換水75gと、界面活性剤としてアクアロンKH−1025[第一工業製薬(株)製;有効成分25質量%]20gとラテムルPD−104[花王(株)製;有効成分20質量%]37.5gとを入れ、均一に溶解した。そこに、n−ブチルアクリレート230g、2−エチルヘキシルアクリレート230g、メチルメタクリレート25g、アクリル酸15g、ラウリルメルカプタン0.2gを加えて乳化し、乳化液632.7gを得た。
【0076】
<水分散型アクリル系重合体の水分散液の調製>
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器に、イオン交換水333.5gを入れ、窒素を吹き込みながら60℃まで昇温した。攪拌下、前記で調製した乳化液の一部[7.59g]、過硫酸アンモニウム水溶液2.5g[有効成分6質量%]、亜硫酸水素ナトリウム水溶液2.5g[有効成分6質量%]を添加し、60℃を保ちながら1時間で重合させた。引き続き、残りの乳化液625.11gと、過硫酸アンモニウム水溶液50g[有効成分1質量%]を別々の漏斗を使用して、反応容器を60℃に保ちながら6時間かけて滴下した。滴下終了後は、反応容器を60℃に保ちながら1時間攪拌した。次に、エリソルビン酸ナトリウム水溶液5g[有効成分2質量%]を別の漏斗を用いて1時間かけて滴下重合した後、反応容器を60℃に保ちながら1時間撹拌した。そして、内容物を冷却し、pHが7.5になるようにアンモニア水(有効成分10質量%)で調整した。これを200メッシュ金網で濾過し、水分散型アクリル系重合体の水分散液(1)[固形分濃度50質量%]を得た。前記水分散型アクリル系重合体の平均粒子径は330nm、重量平均分子量は70万であった。
【0077】
<水分散型アクリル系粘着剤の調製>
前記の水分散型アクリル系重合体の水分散液(1)1000gに、粘着付与樹脂としてスーパーエステルE−865NT[荒川化学工業(株)製;エマルジョン型重合ロジンエステル系粘着付与樹脂、軟化点160℃、固形分濃度50質量%]200g、レベリング剤としてサーフィノールPSA−336[エアー・プロダクツ・ジャパン(株)製]2.5g、消泡剤としてサーフィノールDF−110D[エアー・プロダクツ・ジャパン(株)製]2.5gを添加した。
それらを混合した後、架橋剤として、テトラッドC[三菱瓦斯化学(株)製、エポキシ化合物]の10質量%エタノール溶液1.5gを添加し、1時間撹拌した。続いて、カーボンブラックの水分散液であるPSM BLACK C[御国色素(株)製、カーボンブラック含有量25質量%、固形分濃度31質量%]6gを添加し、1時間撹拌し、水分散型アクリル系粘着剤(1)を得た。
【0078】
<両面粘着シートの製造>
前記の水分散型アクリル系粘着剤(1)を、シリコーン系剥離剤で剥離処理した厚さが75μmのポリエステル製離型ライナー上に、乾燥後の厚さが44μmになるように塗工して、100℃環境下で5分間乾燥することによって、離型ライナー上に粘着剤層を備えた粘着シート2枚を得た。
次に、厚さが12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの両面をコロナ放電処理したのち、得られたポリエチレンテレフタレートフィルムの両面に、前記粘着シートが有する粘着剤層を転写し、40℃環境下で72時間養生することによって、両面粘着シートを得た。前記養生後の両面粘着シートのゲル分率は、32.2質量%であった。また、前記両面粘着シートの全光線透過率は、9.1%であった。
【0079】
(実施例2)
カーボンブラックの水分散液であるPSM BLACK Cの配合量を、6gから10gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、水分散型アクリル系粘着剤(2)を得た。前記水分散型アクリル系粘着剤(2)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、両面粘着シートを得た。得られた養生後の両面粘着シートのゲル分率は、33.8質量%であった。また、前記両面粘着シートの全光線透過率は、1.3%であった。
【0080】
(実施例3)
カーボンブラックの水分散液であるPSM BLACK Cの配合量を、6gから20gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、水分散型アクリル系粘着剤(3)を得た。前記水分散型アクリル系粘着剤(3)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、両面粘着シートを得た。得られた養生後の両面粘着シートのゲル分率は、34.7質量%であった。また、前記両面粘着シートの全光線透過率は、0.1%であった。
【0081】
(実施例4)
カーボンブラックの水分散液であるPSM BLACK Cの配合量を、6gから60gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、水分散型アクリル系粘着剤(4)を得た。前記水分散型アクリル系粘着剤(4)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、両面粘着シートを得た。得られた養生後の両面粘着シートのゲル分率は、32.9質量%であった。また、前記両面粘着シートの全光線透過率は、0.0%であった。
【0082】
(実施例5)
カーボンブラックの水分散液であるPSM BLACK Cを、SBP BLACK 11766[御国色素(株)製、カーボンブラック含有量20質量%、固形分濃度30質量%]25gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、水分散型アクリル系粘着剤(5)を得た。前記水分散型アクリル系粘着剤(5)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、両面粘着シートを得た。得られた養生後の両面粘着シートのゲル分率は、34.1質量%であった。また、前記両面粘着シートの全光線透過率は、0.1%であった。
【0083】
(実施例6)
カーボンブラックの水分散液であるPSM BLACK Cを、SA BLACK 0077[御国色素(株)製、カーボンブラック含有量7.5質量%、固形分濃度12質量%]66.7gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、水分散型アクリル系粘着剤(6)を得た。前記水分散型アクリル系粘着剤(6)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、両面粘着シートを得た。得られた養生後の両面粘着シートのゲル分率は、32.2質量%であった。また、前記両面粘着シートの全光線透過率は、0.0%であった。
【0084】
(実施例7)
カーボンブラックの水分散液であるPSM BLACK Cを、SP BLACK AS−1192[御国色素(株)製、カーボンブラック含有量13.5質量%、固形分濃度18質量%]37gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、水分散型アクリル系粘着剤(7)を得た。前記水分散型アクリル系粘着剤(7)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、両面粘着シートを得た。得られた養生後の両面粘着シートのゲル分率は、33.5質量%であった。また、前記両面粘着シートの全光線透過率は、0.0%であった。
【0085】
(実施例8)
カーボンブラックの水分散液であるPSM BLACK Cを、PSM BLACK AS−1193[御国色素(株)製、カーボンブラック含有量8.2質量%、固形分濃度17質量%]61gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、水分散型アクリル系粘着剤(8)を得た。前記水分散型アクリル系粘着剤(8)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、両面粘着シートを得た。得られた養生後の両面粘着シートのゲル分率は、36.9質量%であった。また、前記両面粘着シートの全光線透過率は、0.1%であった。
【0086】
(実施例9)
カーボンブラックの水分散液であるPSM BLACK Cを、GP BLACK 4613[御国色素(株)製、カーボンブラック含有量8質量%、固形分濃度11.5質量%]62.5gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、水分散型アクリル系粘着剤(9)を得た。前記水分散型アクリル系粘着剤(9)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、両面粘着シートを得た。得られた養生後の両面粘着シートのゲル分率は、34.2質量%であった。また、前記両面粘着シートの全光線透過率は、0.1%であった。
【0087】
(実施例10)
カーボンブラックの水分散液であるPSM BLACK Cを、PSM BLACK 6285[御国色素(株)製、カーボンブラック含有量7.7質量%、固形分濃度16質量%]65gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、水分散型アクリル系粘着剤(10)を得た。前記水分散型アクリル系粘着剤(10)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、両面粘着シートを得た。得られた養生後の両面粘着シートのゲル分率は、34.3質量%であった。また、前記両面粘着シートの全光線透過率は、0.0%であった。
【0088】
(実施例11)
カーボンブラックの水分散液であるPSM BLACK Cを、DISPERSE COA BLACK 908[DIC(株)製、カーボンブラック含有量20質量%、固形分濃度45質量%]25gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、水分散型アクリル系粘着剤(11)を得た。前記水分散型アクリル系粘着剤(11)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、両面粘着シートを得た。得られた養生後の両面粘着シートのゲル分率は、34.3質量%であった。また、前記両面粘着シートの全光線透過率は、0.0%であった。
【0089】
(実施例12)
カーボンブラックの水分散液であるPSM BLACK Cを、DISPERSE BLACK ES 9001[DIC(株)製、カーボンブラック含有量30質量%、固形分濃度45質量%]16.7gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、水分散型アクリル系粘着剤(12)を得た。前記水分散型アクリル系粘着剤(12)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、両面粘着シートを得た。得られた養生後の両面粘着シートのゲル分率は、34.3質量%であった。また、前記両面粘着シートの全光線透過率は、0.1%であった。
【0090】
(実施例13)
粘着付与樹脂であるスーパーエステルE−865NTの配合量を、200gから100gに変更した以外は、実施例3と同様の方法で、水分散型アクリル系粘着剤(13)を得た。前記水分散型アクリル系粘着剤(13)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、両面粘着シートを得た。得られた養生後の両面粘着シートのゲル分率は、34.1質量%であった。また、前記両面粘着シートの全光線透過率は、0.1%であった。
【0091】
(実施例14)
粘着付与樹脂であるスーパーエステルE−865NTの配合量を、200gから50gに変更した以外は、実施例3と同様の方法で、水分散型アクリル系粘着剤(14)を得た。前記水分散型アクリル系粘着剤(14)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、両面粘着シートを得た。得られた養生後の両面粘着シートのゲル分率は、34.4質量%であった。また、前記両面粘着シートの全光線透過率は、0.1%であった。
【0092】
(実施例15)
架橋剤であるテトラッドCの10質量%エタノール溶液の配合量を、1.5gから1gに変更した以外は、実施例3と同様の方法で、水分散型アクリル系粘着剤(15)を得た。前記水分散型アクリル系粘着剤(15)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、両面粘着シートを得た。得られた養生後の両面粘着シートのゲル分率は、23.7質量%であった。また、前記両面粘着シートの全光線透過率は、0.1%であった。
【0093】
(実施例16)
架橋剤であるテトラッドCの10質量%エタノール溶液の配合量を、1.5gから2gに変更した以外は、実施例3と同様の方法で、水分散型アクリル系粘着剤(16)を得た。前記水分散型アクリル系粘着剤(16)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、両面粘着シートを得た。得られた養生後の両面粘着シートのゲル分率は、42.5質量%であった。また、前記両面粘着シートの全光線透過率は、0.1%であった。
【0094】
(実施例17)
水分散型アクリル系重合体を構成するモノマーであるn−ブチルアクリレートを230gから275gに変更し、2−エチルヘキシルアクリレートを230gから185gに変更した以外は、実施例3と同様の方法で、水分散型アクリル系粘着剤(17)を得た。前記水分散型アクリル系粘着剤(17)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、両面粘着シートを得た。得られた養生後の両面粘着シートのゲル分率は、32.8質量%であった。また、前記両面粘着シートの全光線透過率は、0.1%であった。
【0095】
(実施例18)
水分散型アクリル系重合体を構成するモノマーであるn−ブチルアクリレートを230gから0gに変更し、2−エチルヘキシルアクリレートを230gから460gに変更した以外は、実施例3と同様の方法で、水分散型アクリル系粘着剤(18)を得た。前記水分散型アクリル系粘着剤(18)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、両面粘着シートを得た。得られた養生後の両面粘着シートのゲル分率は、34.2質量%であった。また、前記両面粘着シートの全光線透過率は、0.1%であった。
【0096】
(実施例19)
厚さが12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの代わりに、厚さが6μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた以外は、実施例3と同様の方法で、両面粘着シートを得た。得られた養生後の両面粘着シートのゲル分率は、34.7質量%であった。また、前記両面粘着シートの全光線透過率は、0.1%であった。
【0097】
(実施例20)
厚さが12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの代わりに、厚さが16μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた以外は、実施例3と同様の方法で、両面粘着シートを得た。得られた養生後の両面粘着シートのゲル分率は、34.7質量%であった。また、前記両面粘着シートの全光線透過率は、0.1%であった。
【0098】
(実施例21)
厚さが12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの代わりに、厚さが25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた以外は、実施例3と同様の方法で、両面粘着シートを得た。得られた養生後の両面粘着シートのゲル分率は、34.7質量%であった。また、前記両面粘着シートの全光線透過率は、0.1%であった。
【0099】
(実施例22)
乾燥後の粘着剤層の厚さを、44μmから22μmに変更した以外は、実施例19と同様の方法で、両面粘着シートを得た。得られた養生後の両面粘着シートのゲル分率は、33.9質量%であった。また、前記両面粘着シートの全光線透過率は、3.1%であった。
【0100】
(実施例23)
乾燥後の粘着剤層の厚さを、44μmから57μmに変更した以外は、実施例19と同様の方法で、両面粘着シートを得た。得られた養生後の両面粘着シートのゲル分率は、34.4質量%であった。また、前記両面粘着シートの全光線透過率は、0.0%であった。
【0101】
(実施例24)
乾燥後の粘着剤層の厚さを、44μmから22μmに変更した以外は、実施例3と同様の方法で、両面粘着シートを得た。得られた養生後の両面粘着シートのゲル分率は、33.9質量%であった。また、前記両面粘着シートの全光線透過率は、2.7%であった。
【0102】
(実施例25)
乾燥後の粘着剤層の厚さを、44μmから57μmに変更した以外は、実施例3と同様の方法で、両面粘着シートを得た。得られた養生後の両面粘着シートのゲル分率は、34.4質量%であった。また、前記両面粘着シートの全光線透過率は、0.0%であった。
【0103】
(比較例1)
カーボンブラックの水分散液であるPSM BLACK Cの配合量を、6gから0gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、水分散型アクリル系粘着剤(H1)を得た。前記水分散型アクリル系粘着剤(H1)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、両面粘着シートを得た。得られた養生後の両面粘着シートのゲル分率は、32.1質量%であった。また、前記両面粘着シートの全光線透過率は、90.0%であった。
【0104】
(比較例2)
カーボンブラックの水分散液であるPSM BLACK Cの配合量を、6gから2gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、水分散型アクリル系粘着剤(H2)を得た。前記水分散型アクリル系粘着剤(H2)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、両面粘着シートを得た。得られた養生後の両面粘着シートのゲル分率は、32.1質量%であった。また、前記両面粘着シートの全光線透過率は、43.0%であった。
【0105】
(比較例3)
カーボンブラックの水分散液であるPSM BLACK Cの配合量を、6gから120gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、水分散型アクリル系粘着剤(H3)を得た。前記水分散型アクリル系粘着剤(H3)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、両面粘着シートを得た。得られた養生後の両面粘着シートのゲル分率は、33.1質量%であった。また、前記両面粘着シートの全光線透過率は、0.0%であった。
【0106】
(比較例4)
カーボンブラックの水分散液であるPSM BLACK Cの配合量を、6gから200gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、水分散型アクリル系粘着剤(H4)を得た。前記水分散型アクリル系粘着剤(H4)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、両面粘着シートを得た。得られた養生後の両面粘着シートのゲル分率は、33.9質量%であった。また、前記両面粘着シートの全光線透過率は、0.0%であった。
【0107】
(比較例5)
カーボンブラックの水分散液であるPSM BLACK Cを、黒色酸化鉄の水分散液であるGP BLACK MW−323[御国色素(株)製、黒色酸化鉄含有量50質量%、固形分濃度52質量%]10gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、水分散型アクリル系粘着剤(H5)を得た。前記水分散型アクリル系粘着剤(H5)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、両面粘着シートを得た。得られた養生後の両面粘着シートのゲル分率は、34.2質量%であった。また、前記両面粘着シートの全光線透過率は、47.5%であった。
【0108】
(比較例6)
黒色酸化鉄の水分散液であるGP BLACK MW−323の配合量を10gから、30gに変更した以外は、比較例5と同様の方法で、水分散型アクリル系粘着剤(H6)を得た。前記水分散型アクリル系粘着剤(H6)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、両面粘着シートを得た。得られた養生後の両面粘着シートのゲル分率は、34.4質量%であった。また、前記両面粘着シートの全光線透過率は、13.9%であった。
【0109】
(比較例7)
黒色酸化鉄の水分散液であるGP BLACK MW−323の配合量を10gから、60gに変更した以外は、比較例5と同様の方法で、水分散型アクリル系粘着剤(H7)を得た。前記水分散型アクリル系粘着剤(H7)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、両面粘着シートを得た。得られた養生後の両面粘着シートのゲル分率は、34.7質量%であった。また、前記両面粘着シートの全光線透過率は、4.5%であった。
【0110】
(比較例8)
黒色酸化鉄の水分散液であるGP BLACK MW−323の配合量を10gから、100gに変更した以外は、比較例5と同様の方法で、水分散型アクリル系粘着剤(H8)を得た。前記水分散型アクリル系粘着剤(H8)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、両面粘着シートを得た。得られた養生後の両面粘着シートのゲル分率は、34.9質量%であった。また、前記両面粘着シートの全光線透過率は、0.3%であった。
【0111】
(比較例9)
架橋剤であるテトラッドCの10質量%エタノール溶液の配合量を、1.5gから0gに変更した以外は、実施例3と同様の方法で、水分散型アクリル系粘着剤(H9)を得た。前記水分散型アクリル系粘着剤(H9)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、両面粘着シートを得た。得られた養生後の両面粘着シートのゲル分率は、3.9質量%であった。また、前記両面粘着シートの全光線透過率は、0.1%であった。
【0112】
(比較例10)
厚さが12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの代わりに、厚さが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた以外は、実施例3と同様の方法で、両面粘着シートを得た。得られた養生後の両面粘着シートのゲル分率は、34.7質量%であった。また、前記両面粘着シートの全光線透過率は、0.1%であった。
(比較例11)
厚さが12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの代わりに、厚さが100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた以外は、実施例3と同様の方法で、両面粘着シートを得た。得られた養生後の両面粘着シートのゲル分率は、34.7質量%であった。また、前記両面粘着シートの全光線透過率は、0.1%であった。
【0113】
上記実施例の配合表を下表に示す。表中のモノマー組成の「質量%」は、アクリル系共重合体を構成する単量体成分の全量に対する各単量体の使用量を表し、粘着付与樹脂の「質量部」は、アクリル系重合体100質量部に対する粘着付与樹脂の質量部を表し、架橋剤の「質量部」は、アクリル系重合体100質量部に対する架橋剤の質量部を表し、カーボンブラックの「質量部」は、アクリル系重合体100質量部に対するカーボンブラックの質量部を表し、カーボンブラックの「含有量」は、粘着剤層に含まれる樹脂(アクリル系重合体と粘着付与樹脂)の全量に対するカーボンブラックの使用量を表し、黒色酸化鉄の「質量部」は、アクリル系重合体100質量部に対する黒色酸化鉄の質量部を表し、黒色酸化鉄の「含有量」は、粘着剤層に含まれる樹脂(アクリル系重合体と粘着付与樹脂)の全量に対する黒色酸化鉄の使用量を表す。
【0114】
【表1】
【0115】
【表2】
【0116】
【表3】
【0117】
【表4】
【0118】
【表5】
【0119】
【表6】
【0120】
【表7】
【0121】
上記表から明らかなように、実施例1〜25に示した本発明の粘着シートは、良好な遮光性を有し、かつ、接着力、耐衝撃性、定荷重保持力、保持力に優れた接着性能を確保した。一方、比較例1、2及び比較例5、6の粘着シートは、遮光性に乏しく、比較例3、4及び7〜11の粘着シートは、接着性能が乏しい結果であった。