(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の液晶組成物は、一般式(a)で表される化合物を1種又は2種以上含有する。
【0022】
一般式(a)で表される化合物は、Δεが負でその絶対値が3よりも大きな化合物であることが好ましい。
【0023】
一般式(a)において、R
a1は炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数2〜5のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数1〜3のアルキル基又は炭素原子数2〜4のアルケニル基が更に好ましく、直鎖状であることが好ましい。R
a2は炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数2〜5のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜4のアルコキシ基が更に好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が更に好ましく、直鎖状であることが好ましい。
【0024】
アルケニル基としては、式(R1)から式(R9)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましく、式(R8)又は式(R9)であることが特に好ましい。(各式中の黒点はR
a1又はR
a2が結合する環構造中の炭素原子を表す。)
【0026】
アルケニルオキシ基としては、式(OR1)から式(OR9)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい(各式中の黒点はR
a1またはR
a2が結合する環構造中の炭素原子を表す。)。
【0028】
Z
a1又はZ
a2において、1個又は2個以上のZ
a1又はZ
a2は−CH
2CH
2−を表す。m
a1が2又は3を表す場合、複数存在するZ
a1は単結合又は−CH
2CH
2−を表すことが好ましく、1個のZ
a1が−CH
2CH
2−を表し、残る1個又は2個のZ
a1が単結合を表すことが好ましい。m
a2が2を表す場合、複数存在するZ
a2は単結合又は−CH
2CH
2−を表すことが好ましく、1個のZ
a2が−CH
2CH
2−を表し、残る1個のZ
a2が単結合を表すことが好ましい。1個又は2個以上のZ
a1が−CH
2CH
2−を表すことがより好ましい。
【0029】
M
a1又はM
a2は以下の基を表すことが好ましい。
【0031】
中でも、M
a1又はM
a2の1個又は2個以上は1,4−シクロヘキシレン基、無置換の1,4−フェニレン基又は無置換のナフタレン−2,6−ジイル基を表すことが好ましく、M
a1又はM
a2が複数存在する場合は全てのM
a1又はM
a2が、1,4−シクロヘキシレン基、無置換の1,4−フェニレン基又は無置換のナフタレン−2,6−ジイル基を表すことがより好ましい。また、M
a1又はM
a2の1個又は2個以上が1,4−シクロヘキシレン基又は1,4−フェニレン基を表すことがより好ましく、1,4−シクロヘキシレン基を表すことがより好ましく、M
a1又はM
a2が複数存在する場合は全てのM
a1又はM
a2が1,4−シクロヘキシレン基又は1,4−フェニレン基を表すことがより好ましく、存在する全てのM
a1又はM
a2が1,4−シクロヘキシレン基を表すことが特に好ましい。
【0032】
m
a1は1又は2を表すことが好ましい。m
a2は0又は1を表すことが好ましく、0を表すことがより好ましい。
【0033】
一般式(a)で表される化合物は、以下の一般式(a0)又は一般式(a1)で表される化合物であることが好ましい。
【0035】
(式中、X
a1及びX
a2はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表すが、X
a1及びX
a2の少なくともいずれか一方は水素原子を表し、R
a1、R
a2、Z
a1及びm
a1はそれぞれ独立して一般式(a)におけるR
a1、R
a2、Z
a1及びm
a1と同じ意味を表す。)
X
a1及びX
a2は水素原子であることがより好ましい。
【0036】
また、一般式(a0)で表される化合物として一般式(a01)で表される化合物であり、一般式(a1)で表される化合物として、一般式(a11)で表される化合物であることが好ましい。
【0038】
(式中、R
a3は炭素原子数1から8のアルキル基を表し、X
a1及びX
a2はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表すが、X
a1及びX
a2の少なくともいずれか一方は水素原子を表し、R
a1、Z
a1及びm
a1はそれぞれ独立して一般式(a)におけるR
a1、Z
a1及びm
a1と同じ意味を表す。)
また、一般式(a)で表される化合物は、以下の一般式(a2)で表される化合物であることが好ましい。
【0040】
(式中、M
a21及びM
a22はそれぞれ独立して1,4−シクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基、又はナフタレン−2,6−ジイル基を表すが、該基中に存在する1個の水素原子はそれぞれ独立してフッ素原子又は塩素原子に置換されても良く、Z
a2は単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−COO−、−OCO−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−又は−CF
2O−を表し、m
i1は0又は1を表し、R
a1及びR
a2はそれぞれ独立して一般式(a)におけるR
a1及びR
a2と同じ意味を表す。)
一般式(a)で表される化合物としてより具体的には、以下の一般式(a−1)〜(a−14)で表される化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。
【0043】
(式中、R
a1及びR
a2はそれぞれ独立して一般式(a)におけるR
a1及びR
a2と同じ意味を表す。)
本発明の液晶組成物は、一般式(a)で表される化合物を1種又は2種以上含有するが、2種から10種含有することが好ましい。
【0044】
一般式(a)で表される化合物の含有量の総量は、組成物中に下限値として、0.1質量%(以下組成物中の%は質量%を表す。)以上含有することが好ましく、0.5%以上含有することが好ましく、1%以上含有することが好ましく、3%以上含有することが好ましく、4%以上含有することが好ましく、5%以上含有することが好ましく、7%以上含有することが好ましく、10%以上含有することが好ましく、13%以上含有することが好ましく、15%以上含有することが好ましく、18%以上含有することが好ましく、20%以上含有することが好ましく、23%以上含有することが好ましく、25%以上含有することが好ましく、28%以上含有することが好ましく、30%以上含有することが好ましく、33%以上含有することが好ましく、35%以上含有することが好ましく、38%以上含有することが好ましく、40%以上含有することが好ましい。また、上限値として、90%以下含有することが好ましく、80%以下含有することが好ましく、75%以下含有することが好ましく、70%以下含有することが好ましく、68%以下含有することが好ましく、65%以下含有することが好ましく、63%以下含有することが好ましく、60%以下含有することが好ましく、55%以下含有することが好ましく、50%以下含有することが好ましく、40%以下含有することが好ましく、38%以下含有することが好ましく、35%以下含有することが好ましく、33%以下含有することが好ましく、30%以下含有することが好ましく、28%以下含有することが好ましく、25%以下含有することが好ましく、23%以下含有することが好ましく、20%以下含有することが好ましく、18%以下含有することが好ましく、15%以下含有することが好ましく、10%以下含有することが好ましい。
【0045】
一般式(a)で表される化合物として、一般式(a−1)、一般式(a−3)、一般式(a−11)及び一般式(a−12)から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。これらの化合物の好ましい含有量の下限値は、0.1質量%(以下組成物中の%は質量%を表す。)以上含有することが好ましく、0.5%であり、1%であり、3%であり、4%であり、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。また、これらの化合物の好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、35%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%である。
【0046】
本発明の液晶組成物は、一般式(i)で表される化合物を含有する。
【0048】
一般式(i)中、R
i1は、炭素原子数1から5のアルキル基、炭素原子数1から5のアルコキシル基、炭素原子数2から5のアルケニル基又は炭素原子数2から5のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1から5のアルキル基又は炭素原子数2から5のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数2から5のアルキル基又は炭素原子数2から3のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数3のアルケニル基(プロペニル基)が特に好ましい。R
i2は、炭素原子数1から5のアルキル基、炭素原子数1から5のアルコキシル基、炭素原子数2から5のアルケニル基又は炭素原子数2から5のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1から4のアルコキシル基が更に好ましい。
【0049】
R
i1及びR
i2がアルケニル基の場合、式(R1)から式(R9)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい。(各式中の黒点は環との連結点を表す。)
【0051】
一般式(i)中、A
i1はトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表すが、トランス−1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基が好ましい。
Z
i1は、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−又は−CF
2O−を表すが、−CH
2O−又は−CF
2O−が好ましく、−CH
2O−が更に好ましい。
Z
i2は、単結合、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−又は−CF
2O−を表すが、−CH
2O−、−CF
2O−又は単結合が好ましく、−CH
2O−又は単結合が更に好ましい。但し、R
i1と直接結合するZ
i2は、単結合を表す。
m
i1は1、2又は3を表すが、1又は2を表すことが好ましい。
【0052】
一般式(i)で表される化合物は、一般式(i−1A)又は一般式(i−1B)で表される化合物であることが好ましい。
【0054】
(式中、R
i1、R
i2、A
i1及びZ
i1は、それぞれ独立的に一般式(ii)におけるR
i1、R
i2、A
i1及びZ
i1と同じ意味を表す。)
【0056】
(式中、B
i1はトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表す。R
i1、R
i2、A
i1及びZ
i1は、それぞれ独立的に一般式(ii)におけるR
i1、R
i2、A
i1及びZ
i1と同じ意味を表す。)
一般式(i−1A)で表される化合物としては、下記一般式(i−1A−1)及び一般式(i−1A−2)で表される化合物が好ましく、一般式(i−1A−1)で表される化合物が更に好ましい。また、一般式(i−1B)で表される化合物としては、下記一般式(i−1B−1)〜一般式(i−1B−3)で表される化合物であることが好ましく、一般式(i−1B−1)及び一般式(i−1B−3)で表される化合物であることが更に好ましい。
【0058】
(式中、R
i1及びR
i2は、それぞれ独立的に一般式(ii−1)におけるR
i1及びR
i2と同じ意味を表す。)
さらに、一般式(i−1A)で表される化合物は、式(i−1A−10.1)から式(i−1A−10.15)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(i−1A−10.1)〜(i−1A−10.6)で表される化合物であることが好ましく、式(i−1A−10.1)、(i−1A−10.2)、(i−1A−10.5)及び式(i−1A−10.6)で表される化合物が好ましい。
【0060】
式(i−1A−10.1)及び式(i−1A−10.2)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、本発明の組成物の総量に対しての単独又はこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、0.1%であり、1%であり、3%であり、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。
好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、35%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%である。
【0061】
さらに、一般式(i−1B)で表される化合物は、式(i−1B−11.1)から式(i−1B−11.15)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(i−1B−11.1)〜(i−1B−11.15)で表される化合物であることが好ましく、式(i−1B−11.2)及び式(i−1B−11.4)で表される化合物が好ましい。
【0063】
式(i−1B−11.2)及び式(i−1B−11.4)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、本発明の組成物の総量に対しての単独又はこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、0.1%であり、1%であり、3%であり、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、35%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%である。
【0064】
本発明の液晶組成物は、一般式(i−1A)及び一般式(i−1B)で表される化合物のうちいずれか一方を少なくとも1種以上含有してもよいし、一般式(i−1A)及び一般式(i−1B)で表される化合物の両方をそれぞれ1種以上含有してもよい。本発明の液晶組成物は、一般式(i−1A)及び一般式(i−1B)で表される化合物を1種又は2種以上含有することが好ましく、2種から10種含有することがより好ましい。
【0065】
更に詳述すると、一般式(i−1A)及び一般式(i−1B)は一般式(i−1A−1)及び一般式(i−1B−1)で表される化合物群から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有することが好ましく、一般式(i−1A−1)で表される化合物及び一般式(i−1B−1)で表される化合物の組み合わせであることがより好ましい。
【0068】
で表される基を1個又は2個以上有する化合物の総量のうち、一般式(i)で表される化合物の含有量の総量が、0.1〜40質量%(以下組成物中の%は質量%を表す。)である。より好ましくは、液晶組成物中の負の誘電率異方性を有する化合物の総量のうち一般式(i)で表される化合物の含有量の総量として、下限値は0.2%であり、0.3%であり、0.5%であり、0.8%であり、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、15%であり、20%である。また、上限値は、39%であり、37%であり、35%であり、33%であり、32%であり、30%であり、28%であり、25%であり、24%であり、22%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。なお、分子内に
【0070】
で表される基を1個又は2個以上有する化合物の総量とは、一般式(a)で表される化合物、一般式(i)で表される化合物、及び一般式(N−1)〜一般式(N−3)で表される化合物群から選ばれる化合物の総量と略等しくなる。
【0071】
また、液晶組成物の総量のうち、一般式(i)で表される化合物の含有量は0.01から40質量%であることが好ましい。より具体的には、一般式(i)で表される化合物の含有量として、組成物中の下限値は、0.1%であり、0.5%であり、1%であり、5%であり、10%であり、15%である。また、上限値は、40%であり、39%であり、37%であり、35%であり、33%であり、32%であり、30%であり、28%であり、25%であり、24%であり、22%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0072】
本発明の液晶組成物は、更に、一般式(N−1)〜一般式(N−3)で表される化合物群から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。
【0074】
(式中、R
N11、R
N12、R
N21、R
N22、R
N31及びR
N32はそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH
2−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、
A
N11、A
N12、A
N21、A
N22、A
N31及びA
N32はそれぞれ独立して
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH
2−又は隣接していない2個以上の−CH
2−は−O−に置き換えられてもよい。)
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい。)
(c) 1,4−シクロヘキセニル基(この基中に存在する1個の−CH
2−又は隣接していない2個以上の−CH
2−は−O−に置き換えられてもよい。)及び(d)ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられても良い。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)及び基(c)はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
Z
N11及びZ
N12はそれぞれ独立して単結合、−(CH
2)
4−、−OCH
2−、−CH
2O−、−COO−、−OCO−、−OCF
2−、−CF
2O−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−を表し、 Z
N21、Z
N22、Z
N31及びZ
N32はそれぞれ独立して単結合、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCH
2−、−CH
2O−、−COO−、−OCO−、−OCF
2−、−CF
2O−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−を表し、
X
N21は水素原子又はフッ素原子を表し、
T
N31は−CH
2−又は酸素原子を表し、
n
N11、n
N12、n
N21、n
N22、n
N31及びn
N32はそれぞれ独立して0〜3の整数を表すが、n
N11+n
N12、n
N21+n
N22及びn
N31+n
N32はそれぞれ独立して1、2又は3であり、A
N11〜A
N32、Z
N11〜Z
N32が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良い。ただし、一般式(N−1)及び一般式(N−2)において、一般式(a)で表される化合物は除き、また、一般式(N−2)及び一般式(N−3)において一般式(N−1)で表される化合物は除き、更に一般式(N−3)において一般式(N−1)で表される化合物は除く。)
一般式(N−1)、(N−2)及び(N−3)中、R
N11、R
N12、R
N21、R
N22、R
N31及びR
N32はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数2〜5のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数2〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜3のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数3のアルケニル基(プロペニル基)が特に好ましい。
【0075】
また、それが結合する環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び炭素原子数4〜5のアルケニル基が好ましく、それが結合する環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。ネマチック相を安定化させるためには炭素原子及び存在する場合酸素原子の合計が5以下であることが好ましく、直鎖状であることが好ましい。
【0076】
アルケニル基としては、式(R1)から式(R5)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい。(各式中の黒点は環構造中の炭素原子を表す。)
【0078】
A
N11、A
N12、A
N21、A
N22、A
N31及びA
N32はそれぞれ独立してΔnを大きくすることが求められる場合には芳香族であることが好ましく、応答速度を改善するためには脂肪族であることが好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表すことが好ましく、下記の構造を表すことがより好ましく、
【0080】
トランス−1,4−シクロへキシレン基、又は1,4−フェニレン基を表すことがより好ましい。
【0081】
Z
N11、Z
N12、Z
N21、Z
N22、Z
N31及びZ
N32はそれぞれ独立して−CH
2O−、−CF
2O−、−CH
2CH
2−、−CF
2CF
2−又は単結合を表すことが好ましく、−CH
2O−、−CH
2CH
2−又は単結合が更に好ましく、−CH
2O−又は単結合が特に好ましい。
【0084】
n
N11+n
N12、n
N21+n
N22及びn
N31+n
N32は1又は2が好ましく、n
N11が1でありn
N12が0である組み合わせ、n
N11が2でありn
N12が0である組み合わせ、n
N11が1でありn
N12が1である組み合わせ、n
N11が2でありn
N12が1である組み合わせ、n
N21が1でありn
N22が0である組み合わせ、n
N21が2でありn
N22が0である組み合わせ、n
N31が1でありn
N32が0である組み合わせ、n
N31が2でありn
N32が0である組み合わせ、が好ましい。
【0085】
本発明の組成物の総量に対しての式(N−1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、0%であり、1%であり、3%であり、5%であり、10%であり、20%であり、30%であり、40%であり、50%であり、55%であり、60%であり、65%であり、70%であり、75%であり、80%である。好ましい含有量の上限値は、95%であり、85%であり、75%であり、65%であり、55%であり、50%であり、45%であり、35%であり、25%であり、20%である。
【0086】
本発明の組成物の総量に対しての式(N−2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、0%であり、1%であり、3%であり、10%であり、20%であり、30%であり、40%であり、50%であり、55%であり、60%であり、65%であり、70%であり、75%であり、80%である。好ましい含有量の上限値は、95%であり、85%であり、75%であり、65%であり、55%であり、45%であり、35%であり、25%であり、20%である。
【0087】
本発明の組成物の総量に対しての式(N−3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、0%であり、1%であり、3%であり、10%であり、20%であり、30%であり、40%であり、50%であり、55%であり、60%であり、65%であり、70%であり、75%であり、80%である。好ましい含有量の上限値は、95%であり、85%であり、75%であり、65%であり、55%であり、45%であり、35%であり、25%であり、20%である。
【0088】
本発明の組成物の総量に対しての式(N−1)から式(N−3)で表される化合物の含有量の総量が液晶組成物において50質量%以下であることが好ましい。より具体的には、本発明の組成物の総量に対しての式(N−1)から式(N−3)から選択される化合物の好ましい含有量の下限値は、0%であり、1%であり、3%であり、5%であり、10%であり、20%であり、30%であり、40%であり、50%であり、55%であり、60%であり、65%であり、70%であり、75%であり、80%である。好ましい含有量の上限値は、95%であり、85%であり、75%であり、65%であり、55%であり、50%であり、45%であり、35%であり、25%であり、20%である。 本発明の組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値が低く上限値が低いことが好ましい。さらに、本発明の組成物のTniを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値が低く上限値が低いことが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高く上限値が高いことが好ましい。
【0089】
一般式(N−1)で表される化合物として、一般式(N−i)で表される化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。
【0091】
(式中、R
N11、R
N12、A
N11及びA
N12はそれぞれ独立して一般式(N−1)中のR
N11、R
N12、A
N11及びA
N12と同じ意味を表し、m
Ni1は1〜3の整数を表し、m
Ni2は0〜3の整数を表し、m
Ni1+m
Ni2は1、2又は3であり、A
Ni1及びA
Ni2が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていてもよい。)
m
Ni1は1又は2を表し、m
Ni2は0又は1を表し、m
Ni1+m
Ni2は1又は2であることが好ましい。本発明の液晶組成物は、一般式(N−i)で表される化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。
【0092】
一般式(N−1)及び一般式(N−i)で表される化合物は一般式(N−1−1)〜(N−1−7)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0093】
一般式(N−1−1)で表される化合物は下記の化合物である。
【0095】
(式中、R
N111及びR
N112はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
R
N111は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、プロピル基又はペンチル基が好ましい。R
N112は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基又はブトキシ基が好ましい。
【0096】
一般式(N−1−1)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0097】
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、T
NIを重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0098】
本発明の組成物の総量に対しての式(N−1−1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、0%であり、1%であり、3%であり、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%であり、23%であり、25%であり、27%であり、30%であり、33%であり、35%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、50%であり、40%であり、38%であり、35%であり、33%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、7%であり、6%であり、5%であり、3%である。
【0099】
さらに、一般式(N−1−1)で表される化合物は、式(N−1−1.1)から式(N−1−1.14)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−1.1)〜(N−1−1.6)で表される化合物であることが好ましく、式(N−1−1.1)、(N−1−1.3)、(N−1−1.5)及び式(N−1−1.6)で表される化合物が好ましい。
【0101】
式(N−1−1.1)〜(N−1−1.6)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、本発明の組成物の総量に対しての単独又はこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、0%であり、1%であり、3%であり、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%であり、23%であり、25%であり、27%であり、30%であり、33%であり、35%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、50%であり、40%であり、38%であり、35%であり、33%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、7%であり、6%であり、5%であり、3%である。
【0102】
一般式(N−1−2)で表される化合物は下記の化合物である。
【0104】
(式中、R
N121及びR
N122はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
R
N121は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基、ブチル基又はペンチル基が好ましい。R
N122は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基又はプロポキシ基が好ましい。
【0105】
一般式(N−1−2)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0106】
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高く、T
NIを重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0107】
本発明の組成物の総量に対しての式(N−1−2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、0%であり、1%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%であり、23%であり、25%であり、27%であり、30%であり、33%であり、35%であり、37%であり、40%であり、42%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、50%であり、48%であり、45%であり、43%であり、40%であり、38%であり、35%であり、33%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、7%であり、6%であり、5%である。
【0108】
さらに、一般式(N−1−2)で表される化合物は、式(N−1−2.1)から式(N−1−2.13)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−2.3)から式(N−1−2.11)及び式(N−1−2.13)で表される化合物であることが好ましく、Δεの改良を重視する場合には式(N−1−2.3)から式(N−1−2.7)で表される化合物が好ましく、T
NIの改良を重視する場合には式(N−1−2.10)、式(N−1−2.11)及び式(N−1−2.13)で表される化合物であることが好ましい。
【0110】
式(N−1−2.1)から式(N−1−2.13)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、本発明の組成物の総量に対しての単独又はこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、0%であり、1%であり、3%であり、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%であり、23%であり、25%であり、27%であり、30%であり、33%であり、35%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、50%であり、40%であり、38%であり、35%であり、33%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、7%であり、6%であり、5%であり、3%である。
【0111】
一般式(N−1−3)で表される化合物は下記の化合物である。
【0113】
(式中、R
N131及びR
N132はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
R
N131は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。R
N132は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
【0114】
一般式(N−1−3)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0115】
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、T
NIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0116】
本発明の組成物の総量に対しての式(N−1−3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、0%であり、1%であり、3%であり、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、35%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%である。
【0117】
さらに、一般式(N−1−3)で表される化合物は、式(N−1−3.1)から式(N−1−3.11)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−3.1)〜(N−1−3.7)で表される化合物であることが好ましく、式(N−1−3.1)、式(N−1−3.2)、式(N−1−3.3)、式(N−1−3.4)及び式(N−1−3.6)で表される化合物が好ましい。
【0119】
式(N−1−3.1)〜式(N−1−3.4)及び式(N−1−3.6)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、式(N−1−3.1)及び式(N−1−3.2)の組み合わせ、式(N−1−3.3)、式(N−1−3.4)及び式(N−1−3.6)から選ばれる2種又は3種の組み合わせが好ましい。本発明の組成物の総量に対しての単独又はこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、0%であり、1%であり、3%であり、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、35%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%である。
【0120】
一般式(N−1−4)で表される化合物は下記の化合物である。
【0122】
(式中、R
N141及びR
N142はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
R
N141及びR
N142はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メチル基、プロピル基、エトキシ基又はブトキシ基が好ましい。
【0123】
一般式(N−1−4)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0124】
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、T
NIを重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0125】
本発明の組成物の総量に対しての式(N−1−4)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、0%であり、1%であり、3%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、35%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、11%であり、10%であり、8%である。
【0126】
さらに、一般式(N−1−4)で表される化合物は、式(N−1−4.1)から式(N−1−4.14)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−4.1)〜(N−1−4.4)で表される化合物であることが好ましく、式(N−1−4.1)及び式(N−1−4.2)で表される化合物が好ましい。
【0128】
式(N−1−4.1)〜(N−1−4.4)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、本発明の組成物の総量に対しての単独又はこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、0%であり、1%であり、3%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、35%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、11%であり、10%であり、8%である。
【0129】
一般式(N−1−5)で表される化合物は下記の化合物である。
【0131】
(式中、R
N151及びR
N152はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
R
N151及びR
N152はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましくエチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。
【0132】
一般式(N−1−5)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0133】
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高く、T
NIを重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0134】
本発明の組成物の総量に対しての式(N−1−5)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、0%であり、1%であり、3%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、35%であり、33%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%である。
【0135】
さらに、一般式(N−1−5)で表される化合物は、式(N−1−5.1)から式(N−1−5.6)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−3.2及び式(N−1−3.4)で表される化合物が好ましい。
【0137】
式(N−1−5.2)及び式(N−1−5.4)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、本発明の組成物の総量に対しての単独又はこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、0%であり、1%であり、3%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、35%であり、33%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%である。
【0138】
一般式(N−1−6)で表される化合物は下記の化合物である。
【0140】
(式中、R
N111及びR
N112はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
R
N111は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、プロピル基又はペンチル基が好ましい。R
N112は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基又はブトキシ基が好ましい。
【0141】
一般式(N−1−6)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0142】
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、T
NIを重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0143】
本発明の組成物の総量に対しての式(N−1−6)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、0%であり、1%であり、3%であり、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%であり、23%であり、25%であり、27%であり、30%であり、33%であり、35%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、50%であり、40%であり、38%であり、35%であり、33%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、7%であり、6%であり、5%であり、3%である。
【0144】
さらに、一般式(N−1−6)で表される化合物は、式(N−1−6.1)から式(N−1−6.14)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−6.1)〜(N−1−6.6)で表される化合物であることが好ましく、式(N−1−6.1)、(N−1−6.3)、(N−1−6.5)及び式(N−1−6.6)で表される化合物が好ましい。
【0146】
一般式(N−1−7)で表される化合物は下記の化合物である。
【0148】
(式中、R
N111及びR
N112はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
R
N111は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、プロピル基又はペンチル基が好ましい。R
N112は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基又はブトキシ基が好ましい。
【0149】
一般式(N−1−7)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0150】
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、T
NIを重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0151】
本発明の組成物の総量に対しての式(N−1−7)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、0%であり、1%であり、3%であり、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%であり、23%であり、25%であり、27%であり、30%であり、33%であり、35%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、50%であり、40%であり、38%であり、35%であり、33%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、7%であり、6%であり、5%であり、3%である。
【0152】
さらに、一般式(N−1−7)で表される化合物は、式(N−1−7.1)から式(N−1−7.13)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−7.3)から式(N−1−7.11)及び式(N−1−7.13)で表される化合物であることが好ましく、Δεの改良を重視する場合には式(N−1−7.3)から式(N−1−7.9)で表される化合物が好ましく、T
NIの改良を重視する場合には式(N−1−7.9)から、式(N−1−7.11)及び式(N−1−7.13)で表される化合物であることが好ましい。
【0154】
また、一般式(N−1)で表される化合物として、一般式(N−iii)で表される化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。
【0156】
(式中、R
N11、R
N12、A
N11、A
N12、Z
N11及びZ
N12はそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数2〜10のアルケニル基を表し、該基中の1つ又は2つ以上の−CH
2−又は隣接していない2個以上の−CH
2−はそれぞれ独立して−O−又は−S−に置換されてもよく、また、該基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立してフッ素原子又は塩素原子に置換されてもよく、A
Niii1及びA
Niii2はそれぞれ独立して一般式(N−1)中の
N11、R
N12、A
N11、A
N12、Z
N11及びZ
N12と同じ意味を表し、m
Niii1は1〜3の整数を表し、A
N11及びZ
N11が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていてもよい。)
一般式(N−1)及び一般式(N−ii)で表される化合物は一般式(N−1−20)〜(N−1−31)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0157】
一般式(N−1−20)で表される化合物は下記の化合物である。
【0159】
(式中、R
N1201及びR
N1202はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
一般式(N−1−21)で表される化合物は下記の化合物である。
【0161】
(式中、R
N1211及びR
N1212はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
一般式(N−1−22)〜一般式(N−1−31)で表される化合物は下記の化合物である。
【0163】
(式中、R
N11及びR
N12はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
一般式(N−2)で表される化合物は一般式(N−2−1)〜(N−2−3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0164】
一般式(N−2−1)で表される化合物は下記の化合物である。
【0166】
(式中、R
N211及びR
N212はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
一般式(N−2−2)で表される化合物は下記の化合物である。
【0168】
(式中、R
N221及びR
N222はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
一般式(N−2−3)で表される化合物は下記の化合物である。
【0170】
(式中、R
N231及びR
N232はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
一般式(N−3)で表される化合物は一般式(N−3−1)〜(N−3−2)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0171】
一般式(N−3−1)で表される化合物は下記の化合物である。
【0173】
(式中、R
N311及びR
N312はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
一般式(N−3−2)で表される化合物は下記の化合物である。
【0175】
(式中、R
N321及びR
N322はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
本発明における液晶組成物は、更に一般式(L)で表される化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。一般式(L)で表される化合物は誘電的にほぼ中性の化合物(Δεの値が−2〜2)に該当する。
【0177】
(式中、R
L1及びR
L2はそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH
2−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、
n
L1は0、1、2又は3を表し、
A
L1、A
L2及びA
L3はそれぞれ独立して
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH
2−又は隣接していない2個以上の−CH
2−は−O−に置き換えられてもよい。)
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい。)及び
(c) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)及び基(c)はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよく、
Z
L1及びZ
L2はそれぞれ独立して単結合、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCH
2−、−CH
2O−、−COO−、−OCO−、−OCF
2−、−CF
2O−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−を表し、
A
L2及びZ
L3が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていてもよい。ただし、一般式(L)において、一般式(a)、一般式(i)、一般式(N−1)、一般式(N−2)及び一般式(N−3)で表される化合物は除く。)
一般式(L)で表される化合物は単独で用いてもよいが、組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類であり、6種類であり、7種類であり、8種類であり、9種類であり、10種類以上である。
【0178】
本発明の組成物において、一般式(L)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0179】
本発明の組成物の総量に対しての一般式(L)で表される化合物の含有量が液晶組成物において3質量%から50質量%であることが好ましい。具体的には、本発明の組成物の総量に対しての一般式(L)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、3%であり、10%であり、20%であり、30%であり、40%であり、50%であり、55%であり、60%であり、65%であり、70%であり、75%であり、80%である。好ましい含有量の上限値は、95%であり、85%であり、75%であり、65%であり、55%であり、50%であり、45%であり、35%であり、25%である。
【0180】
本発明の組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値が高く上限値が高いことが好ましい。さらに、本発明の組成物のTniを高く保ち、温度安定性のよい組成物が必要な場合は上記の下限値が高く上限値が高いことが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を低く上限値が低いことが好ましい。
【0181】
信頼性を重視する場合にはR
L1及びR
L2はともにアルキル基であることが好ましく、化合物の揮発性を低減させることを重視する場合にはアルコキシ基であることが好ましく、粘性の低下を重視する場合には少なくとも一方はアルケニル基であることが好ましい。
【0182】
R
L1及びR
L2は、それが結合する環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び炭素原子数4〜5のアルケニル基が好ましく、それが結合する環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。ネマチック相を安定化させるためには炭素原子及び存在する場合酸素原子の合計が5以下であることが好ましく、直鎖状であることが好ましい。
【0183】
アルケニル基としては、式(R1)から式(R9)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい。(各式中の黒点は環構造中の炭素原子を表す。)
【0185】
n
L1は応答速度を重視する場合には0が好ましく、ネマチック相の上限温度を改善するためには2又は3が好ましく、これらのバランスをとるためには1が好ましい。また、組成物として求められる特性を満たすためには異なる値の化合物を組み合わせることが好ましい。
【0186】
A
L1、A
L2及びA
L3はΔnを大きくすることが求められる場合には芳香族であることが好ましく、応答速度を改善するためには脂肪族であることが好ましく、それぞれ独立してトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表すことが好ましく、下記の構造を表すことがより好ましく、
【0188】
トランス−1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基を表すことがより好ましい。
【0189】
Z
L1及びZ
L2は応答速度を重視する場合には単結合であることが好ましい。
【0190】
分子内のハロゲン原子数は0個又は1個が好ましい。
【0191】
一般式(L)で表される化合物は一般式(L−1)〜(L−7)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0192】
一般式(L−1)で表される化合物は下記の化合物である。
【0194】
(式中、R
L11及びR
L12はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるR
L1及びR
L2と同じ意味を表す。)
R
L11及びR
L12はそれぞれ独立して、粘度を低下させる為には直鎖状の炭素原子数直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。
【0195】
R
L11及びR
L12のいずれか1個又は両方が、直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基であることがより好ましい。R
L11及びR
L12のいずれか一方が直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基であり、他方が直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基を表すことがより好ましい。
【0196】
一般式(L−1)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。好ましい含有量の下限値は、本発明の組成物の総量に対して、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%であり、21%であり、23%であり、25%であり、28%であり、30%であり、35%であり、36%であり、37%であり、38%であり、39%であり、40%であり、45%であり、50%であり、55%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、95%であり、90%であり、85%であり、80%であり、75%であり、70%であり、65%であり、60%であり、55%であり、50%であり、45%であり、40%であり、35%であり、30%であり、25%である。
【0197】
本発明の組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値が高く上限値が高いことが好ましい。さらに、本発明の組成物のTniを高く保ち、温度安定性のよい組成物が必要な場合は上記の下限値が中庸で上限値が中庸であることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値が低く上限値が低いことが好ましい。
【0198】
一般式(L−1)で表される化合物は、一般式(ii−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0200】
(式中、R
ii11は水素原子又はメチル基を表し、R
ii2は一般式(L−1)中のR
L21と同じ意味を表す。)
本発明の組成物の総量に対しての式(ii−1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、5%であり、10%であり、15%であり、17%であり、20%であり、23%であり、25%であり、27%であり、30%であり、35%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、60%であり、55%であり、50%であり、45%であり、42%であり、40%であり、38%であり、35%であり、33%であり、30%である。
【0201】
一般式(ii−1)で表される化合物は、式(ii−1.11)〜式(ii−1.13)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(ii−1.12)又は式(ii−1.13)で表される化合物であることが好ましく、特に、式(ii−1.13)で表される化合物であることが好ましい。
【0203】
本発明の組成物の総量に対しての式(ii−1.13)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%13%であり、15%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、30%であり、25%であり、20%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、7%であり、6%であり、5%であり、3%である。
【0204】
また、一般式(ii−1)で表される化合物は、式(ii−1.21)から式(ii−1.24)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(ii−1.22)から式(ii−1.24)で表される化合物であることが好ましい。特に、式(ii−1.22)で表される化合物は本発明の組成物の応答速度を特に改善するため好ましい。また、応答速度よりも高いTniを求めるときは、式(ii−1.23)又は式(ii−1.24)で表される化合物を用いることが好ましい。式(ii−1.23)及び式(ii−1.24)で表される化合物の含有量は、低温での溶解度をよくするために30%以上にすることは好ましくない。
【0206】
本発明の組成物の総量に対しての式(ii−1.22)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、10%であり、15%であり、16%であり、17%であり、18%であり、20%であり、21%であり、22%であり、23%であり、25%であり、27%であり、30%であり、33%であり、35%であり、38%であり、40%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、60%であり、55%であり、50%であり、45%であり、43%であり、40%であり、38%であり、35%であり、32%であり、30%であり、27%であり、25%であり、22%である。
【0207】
また、一般式(ii−1)で表される化合物は、式(ii−1.31)及び式(ii−1.41)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0209】
一般式(ii−1)で表される化合物を少なくとも1種以上含有してもよいし、一般式(ii−i)においてR
ii11が水素原子を表す化合物及びR
ii11がメチル基を表す化合物の両方をそれぞれ1種以上含有してもよい。更に具体的には、低い粘度又は低い回転粘性を得るためにはR
ii11が水素原子を表す化合物をより多く含有することが好ましく、大きな弾性定数を得るためにはR
ii11がメチル基を表す化合物をより多く含有することが好ましく、応答速度の速い液晶表示素子を得るためには、これらを同時にできる限り多く含有することが好ましい。
【0210】
本発明の組成物は、式(ii−1.13)で表される化合物及び式(ii−1.22)で表される化合物を含有することが好ましく、本発明の組成物の総量に対しての式(ii−1.13)で表される化合物及び式(ii−1.22)で表される化合物の合計の好ましい含有量の下限値は、10%であり、15%であり、20%であり、25%であり、27%であり、30%であり、33%であり、35%であり、37%であり、40%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、60%であり、55%であり、50%であり、45%であり、43%であり、40%であり、38%であり、35%であり、32%であり、30%であり、27%であり、25%であり、22%である。
【0211】
一般式(L−1)で表される化合物は一般式(ii−2)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0213】
(式中R
ii21及びR
ii22はそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルコキシ基を表す。)
R
ii21及びR
ii22は、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基及び直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましい。
【0214】
本発明の組成物の総量に対しての式(ii−2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%であり、23%であり、25%であり、30%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、60%であり、55%であり、50%であり、45%であり、40%であり、37%であり、35%であり、33%であり、30%であり、27%であり、25%であり、23%であり、20%であり、17%であり、15%であり、13%であり、10%である。
【0215】
さらに、一般式(ii−2)で表される化合物は、式(ii−2.1)から式(ii−2.12)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(ii−2.1)、式(ii−2.3)又は式(ii−2.4)で表される化合物であることが好ましい。特に、式(ii−2.1)で表される化合物は本発明の組成物の応答速度を特に改善するため好ましい。また、応答速度よりも高いTniを求めるときは、式(ii−2.3)、式(ii−2.4)、式(ii−2.11)及び式(ii−2.12)で表される化合物を用いることが好ましい。式(ii−2.3)、式(ii−2.4)、式(ii−2.11)及び式(ii−2.12)で表される化合物の合計の含有量は、低温での溶解度をよくするために20%以上にすることは好ましくない。
【0217】
本発明の組成物の総量に対しての式(ii−2.1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、20%であり、17%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、7%であり、6%である。
【0218】
一般式(L−1)で表される化合物は一般式(ii−3)及び/又は(ii−4)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0220】
(式中R
ii31及びR
ii41はそれぞれ独立して一般式(L−1)中のR
L12と同じ意味を表す。)
R
ii31及びR
ii32は、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。
【0221】
本発明の組成物の総量に対しての式(ii−3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、25%であり、23%であり、20%であり、17%であり、15%であり、13%であり、10%である。
【0222】
本発明の組成物の総量に対しての式(ii−4)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、25%であり、23%であり、20%であり、17%であり、15%であり、13%であり、10%である。
【0223】
さらに、一般式(ii−3)及び(ii−4)で表される化合物は、式(ii−3.1)から式(ii−4.3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(ii−3.2)又は式(ii−4.2)で表される化合物であることが好ましい。
【0225】
本発明の組成物の総量に対しての式(ii−3.2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、20%であり、17%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、7%であり、6%である。
【0226】
式(ii−1.13)、式(ii−1.22)、式(ii−2.1)、式(ii−2.3)、式(ii−2.4)、式(ii−2.11)及び式(ii−2.12)で表される化合物から選ばれる2種以上の化合物を組み合わせることが好ましく、式(ii−1.13)、式(ii−1.22)、式(ii−2.1)、式(ii−2.3)、式(ii−2.4)及び式(ii−3.2)で表される化合物から選ばれる2種以上の化合物を組み合わせることが好ましく、これら化合物の合計の含有量の好ましい含有量の下限値は、本発明の組成物の総量に対して、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%であり、23%であり、25%であり、27%であり、30%であり、33%であり、35%であり、上限値は、本発明の組成物の総量に対して、80%であり、70%であり、60%であり、50%であり、45%であり、40%であり、37%であり、35%であり、33%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%である。組成物の信頼性を重視する場合には、式(ii−2.1)、式(ii−2.3)及び式(ii−2.4))で表される化合物から選ばれる2種以上の化合物を組み合わせることが好ましく、組成物の応答速度を重視する場合には、式(ii−1.13)、式(ii−1.22)で表される化合物から選ばれる2種以上の化合物を組み合わせることが好ましい。
【0227】
一般式(L−2)で表される化合物は下記の化合物である。
【0229】
(式中、R
L21及びR
L22はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるR
L1及びR
L2と同じ意味を表す。)
R
L21は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、R
L22は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましい。
【0230】
一般式(L−2)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0231】
低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、反対に、応答速度を重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0232】
本発明の組成物の総量に対しての式(L−2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、20%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、7%であり、6%であり、5%であり、3%である。
【0233】
さらに、一般式(L−2)で表される化合物は、式(L−2.1)から式(L−2.6)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L−2.1)、式(L−2.3)、式(L−2.4)及び式(L−2.6)で表される化合物であることが好ましい。
【0235】
一般式(L−3)で表される化合物は下記の化合物である。
【0237】
(式中、R
L31及びR
L32はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるR
L1及びR
L2と同じ意味を表す。)
R
L31及びR
L32はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましい。
【0238】
一般式(L−3)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0239】
本発明の組成物の総量に対しての式(L−3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、20%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、7%であり、6%であり、5%であり、3%である。
【0240】
高い複屈折率を得る場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、反対に、高いTniを重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0241】
さらに、一般式(L−3)で表される化合物は、式(L−3.1)から式(L−3.9)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L−3.1)から式(L−3.7)で表される化合物であることが好ましく、式(L−3.1)、式(L−3.2)、式(L−3.6)及び(L−3.7)で表される化合物であることが好ましい。
【0243】
一般式(L−4)で表される化合物は下記の化合物である。
【0245】
(式中、R
L41及びR
L42はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるR
L1及びR
L2と同じ意味を表す。)
R
L41は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、R
L42は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましい。)
一般式(L−4)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0246】
本発明の組成物において、一般式(L−4)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0247】
本発明の組成物の総量に対しての式(L−4)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、14%であり、16%であり、20%であり、23%であり、26%であり、30%であり、35%であり、40%である。本発明の組成物の総量に対しての式(L−4)で表される化合物の好ましい含有量の上限値は、50%であり、40%であり、35%であり、30%であり、20%であり、15%であり、10%であり、5%である。
【0248】
一般式(L−4)で表される化合物は、例えば式(L−4.1)から式(L−4.3)で表される化合物であることが好ましい。
【0250】
低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、式(L−4.1)で表される化合物を含有していても、式(L−4.2)で表される化合物を含有していても、式(L−4.1)で表される化合物と式(L−4.2)で表される化合物との両方を含有していてもよいし、式(L−4.1)から式(L−4.3)で表される化合物を全て含んでいてもよい。本発明の組成物の総量に対しての式(L−4.1)又は式(L−4.2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、3%であり、5%であり、7%であり、9%であり、11%であり、12%であり、13%であり、18%であり、21%であり、好ましい上限値は、45であり、40%であり、35%であり、30%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%である。
【0251】
式(L−4.1)で表される化合物と式(L−4.2)で表される化合物との両方を含有する場合は、本発明の組成物の総量に対しての両化合物の好ましい含有量の下限値は、15%であり、19%であり、24%であり、30%であり、好ましい上限値は、45であり、40%であり、35%であり、30%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%である。
【0252】
一般式(L−4)で表される化合物は、例えば式(L−4.4)から式(L−4.6)で表される化合物であることが好ましく、式(L−4.4)で表される化合物であることが好ましい。
【0254】
低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、式(L−4.4)で表される化合物を含有していても、式(L−4.5)で表される化合物を含有していても、式(L−4.4)で表される化合物と式(L−4.5)で表される化合物との両方を含有していてもよい。
【0255】
本発明の組成物の総量に対しての式(L−4.4)又は式(L−4.5)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、3%であり、5%であり、7%であり、9%であり、11%であり、12%であり、13%であり、18%であり、21%である。好ましい上限値は、45であり、40%であり、35%であり、30%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%である。
【0256】
式(L−4.4)で表される化合物と式(L−4.5)で表される化合物との両方を含有する場合は、本発明の組成物の総量に対しての両化合物の好ましい含有量の下限値は、15%であり、19%であり、24%であり、30%であり、好ましい上限値は、45であり、40%であり、35%であり、30%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%である。
【0257】
一般式(L−4)で表される化合物は、式(L−4.7)から式(L−4.10)で表される化合物であることが好ましく、特に、式(L−4.9)で表される化合物が好ましい。
【0259】
一般式(L−5)で表される化合物は下記の化合物である。
【0261】
(式中、R
L51及びR
L52はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるR
L1及びR
L2と同じ意味を表す。)
R
L51は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、R
L52は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましい。
【0262】
一般式(L−5)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0263】
本発明の組成物において、一般式(L−5)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0264】
本発明の組成物の総量に対しての式(L−5)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、14%であり、16%であり、20%であり、23%であり、26%であり、30%であり、35%であり、40%である。本発明の組成物の総量に対しての式(L−5)で表される化合物の好ましい含有量の上限値は、50%であり、40%であり、35%であり、30%であり、20%であり、15%であり、10%であり、5%である
一般式(L−5)で表される化合物は、式(L−5.1)又は式(L−5.2)で表される化合物であることが好ましく、特に、式(L−5.1)で表される化合物であることが好ましい。
【0265】
本発明の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%である。これら化合物の好ましい含有量の上限値は、20%であり、15%であり、13%であり、10%であり、9%である。
【0267】
一般式(L−5)で表される化合物は、式(L−5.3)又は式(L−5.4)で表される化合物であることが好ましい。
【0268】
本発明の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%である。これら化合物の好ましい含有量の上限値は、20%であり、15%であり、13%であり、10%であり、9%である。
【0270】
一般式(L−5)で表される化合物は、式(L−5.5)から式(L−5.7)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、特に式(L−5.7)で表される化合物であることが好ましい。
【0271】
本発明の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%である。これら化合物の好ましい含有量の上限値は、20%であり、15%であり、13%であり、10%であり、9%である。
【0273】
一般式(L−6)で表される化合物は下記の化合物である。
【0275】
(式中、R
L61及びR
L62はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるR
L1及びR
L2と同じ意味を表し、X
L61及びX
L62はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表す。)
R
L61及びR
L62はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、X
L61及びX
L62のうち一方がフッ素原子他方が水素原子であることが好ましい。
【0276】
一般式(L−6)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0277】
本発明の組成物の総量に対しての式(L−6)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、14%であり、16%であり、20%であり、23%であり、26%であり、30%であり、35%であり、40%である。本発明の組成物の総量に対しての式(L−6)で表される化合物の好ましい含有量の上限値は、50%であり、40%であり、35%であり、30%であり、20%であり、15%であり、10%であり、5%である。Δnを大きくすることに重点を置く場合には含有量を多くした方が好ましく、低温での析出に重点を置いた場合には含有量は少ない方が好ましい。
【0278】
一般式(L−6)で表される化合物は、式(L−6.1)から式(L−6.9)で表される化合物であることが好ましい。
【0280】
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、これらの化合物の中から1種〜3種類含有することが好ましく、1種〜4種類含有することがさらに好ましい。また、選ぶ化合物の分子量分布が広いことも溶解性に有効であるため、例えば、式(L−6.1)又は(L−6.2)で表される化合物から1種類、式(L−6.4)又は(L−6.5)で表される化合物から1種類、式(L−6.6)又は式(L−6.7)で表される化合物から1種類、式(L−6.8)又は(L−6.9)で表される化合物から1種類の化合物を選び、これらを適宜組み合わせることが好ましい。その中でも、式(L−6.1)、式(L−6.3)式(L−6.4)、式(L−6.6)及び式(L−6.9)で表される化合物を含むことが好ましい。
【0281】
さらに、一般式(L−6)で表される化合物は、例えば式(L−6.10)から式(L−6.17)で表される化合物であることが好ましく、その中でも、式(L−6.11)で表される化合物であることが好ましい。
【0283】
本発明の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%である。これら化合物の好ましい含有量の上限値は、20%であり、15%であり、13%であり、10%であり、9%である。
【0284】
一般式(L−7)で表される化合物は下記の化合物である。
【0286】
(式中、R
L71及びR
L72はそれぞれ独立して一般式(L)におけるR
L1及びR
L2と同じ意味を表し、A
L71及びA
L72はそれぞれ独立して一般式(L)におけるA
L2及びA
L3と同じ意味を表すが、A
L71及びA
L72上の水素原子はそれぞれ独立してフッ素原子によって置換されていてもよく、Z
L71は一般式(L)におけるZ
L2と同じ意味を表し、X
L71及びX
L72はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表す。)
式中、R
L71及びR
L72はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、A
L71及びA
L72はそれぞれ独立して1,4−シクロヘキシレン基又は1,4−フェニレン基が好ましく、A
L71及びA
L72上の水素原子はそれぞれ独立してフッ素原子によって置換されていてもよく、Q
L71は単結合又はCOO−が好ましく、単結合が好ましく、X
L71及びX
L72は水素原子が好ましい。
【0287】
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて組み合わせる。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類である。
【0288】
本発明の組成物において、一般式(L−7)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0289】
本発明の組成物の総量に対しての式(L−7)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、14%であり、16%であり、20%である。本発明の組成物の総量に対しての式(L−7)で表される化合物の好ましい含有量の上限値は、30%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、10%であり、5%である。
【0290】
本発明の組成物が高いTniの実施形態が望まれる場合は式(L−7)で表される化合物の含有量を多めにすることが好ましく、低粘度の実施形態が望まれる場合は含有量を少なめにすることが好ましい。
【0291】
さらに、一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.1)から式(L−7.4)で表される化合物であることが好ましく、式(L−7.2)で表される化合物であることが好ましい。
【0293】
さらに、一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.11)から式(L−7.13)で表される化合物であることが好ましく、式(L−7.11)で表される化合物であることが好ましい。
【0295】
さらに、一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.21)から式(L−7.23)で表される化合物である。式(L−7.21)で表される化合物であることが好ましい。
【0297】
さらに、一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.31)から式(L−7.34)で表される化合物であることが好ましく、式(L−7.31)又は/及び式(L−7.32)で表される化合物であることが好ましい。
【0299】
さらに、一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.41)から式(L−7.44)で表される化合物であることが好ましく、式(L−7.41)又は/及び式(L−7.42)で表される化合物であることが好ましい。
【0301】
本発明の液晶組成物において、一般式(a)で表される化合物及び一般式(i)で表される化合物の含有量は、組成物中に下限値として、0.5%以上含有することが好ましく、1%以上含有することが好ましく、3%以上含有することが好ましく、4%以上含有することが好ましく、5%以上含有することが好ましく、7%以上含有することが好ましく、10%以上含有することが好ましく、13%以上含有することが好ましく、15%以上含有することが好ましく、18%以上含有することが好ましく、20%以上含有することが好ましく、23%以上含有することが好ましく、25%以上含有することが好ましく、28%以上含有することが好ましく、30%以上含有することが好ましく、33%以上含有することが好ましく、35%以上含有することが好ましく、38%以上含有することが好ましく、40%以上含有することが好ましい。また、上限値として、90%以下含有することがこのましく、80%以下含有することがこのましく、70%以下含有することがこのましく、60%以下含有することが好ましく、55%以下含有することが好ましく、50%以下含有することが好ましく、40%以下含有することが好ましく、38%以下含有することが好ましく、35%以下含有することが好ましく、33%以下含有することが好ましく、30%以下含有することが好ましく、28%以下含有することが好ましく、25%以下含有することが好ましく、23%以下含有することが好ましく、20%以下含有することが好ましく、18%以下含有することが好ましく、15%以下含有することが好ましく、10%以下含有することが好ましい。
【0302】
本発明の液晶組成物は、一般式(a)、一般式(i)及び一般式(N−1)〜一般式(N−3)で表される化合物を含有することが好ましく、組成物中に下限値として、5%以上含有することが好ましく、10%以上含有することが好ましく、13%以上含有することが好ましく、15%以上含有することが好ましく、18%以上含有することが好ましく、20%以上含有することが好ましく、23%以上含有することが好ましく、25%以上含有することが好ましく、28%以上含有することが好ましく、30%以上含有することが好ましく、33%以上含有することが好ましく、35%以上含有することが好ましく、38%以上含有することが好ましく、40%以上含有することが好ましい。また、上限値として、95%以下含有することが好ましく、90%以下含有することが好ましく、88%以下含有することが好ましく、85%以下含有することが好ましく、83%以下含有することが好ましく、80%以下含有することが好ましく、78%以下含有することが好ましく、75%以下含有することが好ましく、73%以下含有することが好ましく、70%以下含有することが好ましく、68%以下含有することが好ましく、65%以下含有することが好ましく、63%以下含有することが好ましく、60%以下含有することが好ましく、55%以下含有することが好ましく、50%以下含有することが好ましく、40%以下含有することが好ましい。
【0303】
本発明の液晶組成物は、一般式(a)、一般式(i)及び一般式(N−i)で表される化合物を含有することが好ましく、これらの化合物の合計の含有量は、組成物中に下限値として、5%以上含有することが好ましく、10%以上含有することが好ましく、13%以上含有することが好ましく、15%以上含有することが好ましく、18%以上含有することが好ましく、20%以上含有することが好ましく、23%以上含有することが好ましく、25%以上含有することが好ましく、28%以上含有することが好ましく、30%以上含有することが好ましく、33%以上含有することが好ましく、35%以上含有することが好ましく、38%以上含有することが好ましく、40%以上含有することが好ましい。また、上限値として、 100%以下含有することが好ましく、99%以下含有することが好ましく、95%以下含有することが好ましく、90%以下含有することが好ましく、85%以下含有することが好ましく、80%以下含有することが好ましく、75%以下含有することが好ましく、70%以下含有することが好ましく、65%以下含有することが好ましく、60%以下含有することが好ましく、55%以下含有することが好ましく、50%以下含有することが好ましく、40%以下含有することが好ましく、38%以下含有することが好ましく、35%以下含有することが好ましく、33%以下含有することが好ましく、30%以下含有することが好ましく、28%以下含有することが好ましく、25%以下含有することが好ましく、23%以下含有することが好ましく、20%以下含有することが好ましく、18%以下含有することが好ましく、15%以下含有することが好ましく、10%以下含有することが好ましい。
【0304】
本発明の液晶組成物において、一般式(a)、一般式(i)及び一般式(L)で表される化合物を含有することが好ましく、これらの化合物の含有量は、組成物中に下限値として、5%以上含有することが好ましく、10%以上含有することが好ましく、13%以上含有することが好ましく、15%以上含有することが好ましく、18%以上含有することが好ましく、20%以上含有することが好ましく、23%以上含有することが好ましく、25%以上含有することが好ましく、28%以上含有することが好ましく、30%以上含有することが好ましく、33%以上含有することが好ましく、35%以上含有することが好ましく、38%以上含有することが好ましく、40%以上含有することが好ましい。また、上限値として、80%以下含有することが好ましく、78%以下含有することが好ましく、75%以下含有することが好ましく、73%以下含有することが好ましく、70%以下含有することが好ましく、68%以下含有することが好ましく、65%以下含有することが好ましく、63%以下含有することが好ましく、60%以下含有することが好ましく、55%以下含有することが好ましく、50%以下含有することが好ましく、40%以下含有することが好ましい。
【0305】
本発明の液晶組成物は、一般式(a)、一般式(i)及び一般式(L−1)で表される化合物を含有することが好ましく、これらの化合物の合計の含有量は、組成物中に下限値として、5%(以下組成物中の%は質量%を表す。)以上含有することが好ましく、10%以上含有することが好ましく、13%以上含有することが好ましく、15%以上含有することが好ましく、18%以上含有することが好ましく、20%以上含有することが好ましく、23%以上含有することが好ましく、25%以上含有することが好ましく、28%以上含有することが好ましく、30%以上含有することが好ましく、33%以上含有することが好ましく、35%以上含有することが好ましく、38%以上含有することが好ましく、40%以上含有することが好ましい。また、上限値として、80%以下含有することが好ましく、78%以下含有することが好ましく、75%以下含有することが好ましく、73%以下含有することが好ましく、70%以下含有することが好ましく、68%以下含有することが好ましく、65%以下含有することが好ましく、63%以下含有することが好ましく、60%以下含有することが好ましく、55%以下含有することが好ましく、50%以下含有することが好ましく、40%以下含有することが好ましい。
【0306】
本発明の液晶組成物において、一般式(a)、一般式(i)、一般式(N−1)〜一般式(N−3)及び一般式(L)で表される化合物の合計の含有量は、組成物中に下限値として、5%以上含有することが好ましく、80%以上含有することが好ましく、85%以上含有することが好ましく、88%以上含有することが好ましく、90%以上含有することが好ましく、92%以上含有することが好ましく、95%以上含有することが好ましく、97%以上含有することが好ましく、98%以上含有することが好ましく、99%以上含有することが好ましく、実質的に他の化合物を含有しないことが好ましい。また、上限値として、90%以下含有することが好ましく、95%以下含有することが好ましく、98%以下含有することが好ましく、99%以下含有することが好ましく、実質的に他の化合物を含有しないことが好ましい。実質的にとは、製造時に不可避的に生成する不純物等の意図せず含有する化合物を除くという意味である。
【0307】
本発明の液晶組成物は、一般式(a)、一般式(i)、一般式(N−1)及び一般式(L)で表される化合物の合計の含有量は、組成物中に下限値として、5%以上含有することが好ましく、80%以上含有することが好ましく、85%以上含有することが好ましく、88%以上含有することが好ましく、90%以上含有することが好ましく、92%以上含有することが好ましく、95%以上含有することが好ましく、97%以上含有することが好ましく、98%以上含有することが好ましく、99%以上含有することが好ましく、実質的に他の化合物を含有しないことが好ましい。また、上限値として、90%以下含有することが好ましく、95%以下含有することが好ましく、98%以下含有することが好ましく、99%以下含有することが好ましく、実質的に他の化合物を含有しないことが好ましい。
【0308】
本発明の液晶組成物は、20℃における屈折率異方性(Δn)が0.08から0.14であるが、0.09から0.13がより好ましく、0.09から0.12が特に好ましい。更に詳述すると、薄いセルギャップに対応する場合は0.10から0.13であることが好ましく、厚いセルギャップに対応する場合は0.08から0.10であることが好ましい。
【0309】
本発明の液晶組成物は、20℃における粘度(η)が10から30mPa・sであるが、10から25mPa・sであることがより好ましく、10から22mPa・sであることが特に好ましい。
【0310】
本発明の液晶組成物は、20℃における回転粘性(γ
1)が60から130mPa・sであるが、60から110mPa・sであることがより好ましく、60から100mPa・sであることが特に好ましい。
【0311】
本発明の液晶組成物は、ネマチック相−等方性液体相転移温度(T
ni)が60℃から120℃であるが、70℃から100℃がより好ましく、70℃から85℃が特に好ましい。
【0312】
本発明の液晶組成物は、上述の化合物以外に、通常のネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、重合性モノマー又は光安定剤等を含有してもよい。
【0313】
本発明の液晶組成物を用いた液晶表示素子は、基板に対して水平方向に発生する電界を利用する横電界型の表示素子である。以下、
図1〜7を参照にして、FFS型及びIPS型の液晶表示素子の例を説明する。
【0314】
図1は、液晶表示素子の構成を模式的に示す図である。
図1では、説明のために便宜上各構成要素を離間して記載している。本発明に係る液晶表示素子10の構成は、
図1に記載するように、対向に配置された第一の透明絶縁基板2と、第二の透明絶縁基板7との間に挟持された液晶組成物(または液晶層5)を有するFFSモードの液晶表示素子であって、該液晶組成物として前記本発明の液晶組成物を用いたことに特徴を有するものである。第一の透明絶縁基板2は、液晶層5側の面に電極層3が形成されている。また、液晶層5と、第一の透明絶縁基板2及び第二の透明絶縁基板7のそれぞれの間に、液晶層5を構成する液晶組成物と直接当接してホモジニアス配向を誘起する一対の配向膜4を有し、該液晶組成物中の液晶分子は、電圧無印加時に前記基板2,7に対して略平行になるように配向されている。
図1および
図3に示すように、前記第一の基板2および前記第二の基板7は、一対の偏光板1,8により挟持されてもよい。さらに、
図1では、前記第二の基板7と配向膜4との間にカラーフィルタ6が設けられている。
【0315】
すなわち、本発明に係る液晶表示素子10は、第一の偏光板1と、第一の基板2と、薄膜トランジスタを含む電極層3と、配向膜4と、液晶組成物を含む液晶層5と、配向膜4と、カラーフィルタ6と、第二の基板7と、第二の偏光板8と、が順次積層された構成である。第一の基板2と第二の基板7はガラス又はプラスチックの如き柔軟性をもつ透明な材料を用いることができ、一方はシリコン等の不透明な材料でも良い。2枚の基板2、7は、周辺領域に配置されたエポキシ系熱硬化性組成物等のシール材及び封止材によって貼り合わされていて、その間には基板間距離を保持するために、例えば、ガラス粒子、プラスチック粒子、アルミナ粒子等の粒状スペーサーまたはフォトリソグラフィー法により形成された樹脂からなるスペーサー柱が配置されていてもよい。
【0316】
図2は、
図1における基板2上に形成された電極層3のII線で囲まれた領域を拡大した平面図である。
図3は、
図2におけるIII−III線方向に
図1に示す液晶表示素子を切断した断面図である。
図2に示すように、第一の基板2の表面に形成されている薄膜トランジスタを含む電極層3は、走査信号を供給するための複数のゲートバスライン26と表示信号を供給するための複数のデータバスライン25とが、互いに交差してマトリクス状に配置されている。なお、
図2には、一対のゲートバスライン25及び一対のデータバスライン24のみが示されている。
【0317】
複数のゲートバスライン26と複数のデータバスライン25とにより囲まれた領域により、液晶表示装置の単位画素が形成され、該単位画素内には、画素電極21及び共通電極22が形成されている。ゲートバスライン26とデータバスライン25が互いに交差している交差部近傍には、ソース電極27、ドレイン電極24およびゲート電極28を含む薄膜トランジスタが設けられている。この薄膜トランジスタは、画素電極21に表示信号を供給するスイッチ素子として、画素電極21と連結している。また、ゲートバスライン26と並行して、共通ライン29が設けられる。この共通ライン29は、共通電極22に共通信号を供給するために、共通電極22と連結している。
【0318】
薄膜トランジスタの構造の好適な一態様は、例えば、
図3で示すように、基板2表面に形成されたゲート電極11と、当該ゲート電極11を覆い、且つ前記基板2の略全面を覆うように設けられたゲート絶縁層12と、前記ゲート電極11と対向するよう前記ゲート絶縁層12の表面に形成された半導体層13と、前記半導体層17の表面の一部を覆うように設けられた保護膜14と、前記保護層14および前記半導体層13の一方の側端部を覆い、かつ前記基板2表面に形成された前記ゲート絶縁層12と接触するように設けられたドレイン電極16と、前記保護膜14および前記半導体層13の他方の側端部を覆い、かつ前記基板2表面に形成された前記ゲート絶縁層12と接触するように設けられたソース電極17と、前記ドレイン電極16および前記ソース電極17を覆うように設けられた絶縁保護層18と、を有している。ゲート電極11の表面にゲート電極との段差を無くす等の理由により陽極酸化被膜(図示せず)を形成してもよい。
【0319】
前記半導体層13には、アモルファスシリコン、多結晶ポリシリコンなどを用いることができるが、ZnO、IGZO(In−Ga−Zn−O)、ITO等の透明半導体膜を用いると、光吸収に起因する光キャリアの弊害を抑制でき、素子の開口率を増大する観点からも好ましい。
【0320】
さらに、ショットキー障壁の幅や高さを低減する目的で半導体層13とドレイン電極16またはソース電極17との間にオーミック接触層15を設けても良い。オーミック接触層には、n型アモルファスシリコンやn型多結晶ポリシリコン等のリン等の不純物を高濃度に添加した材料を用いることができる。
【0321】
ゲートバスライン26やデータバスライン25、共通ライン29は金属膜であることが好ましく、Al、Cu、Au、Ag、Cr、Ta、Ti、Mo、W、Ni又はその合金がより好ましく、Al又はその合金の配線を用いる場合が特に好ましい。また、絶縁保護層18は、絶縁機能を有する層であり、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、ケイ素酸窒化膜等で形成される。
【0322】
図2及び
図3に示す実施の形態では、共通電極22はゲート絶縁層12上のほぼ全面に形成された平板状の電極であり、一方、画素電極21は共通電極22を覆う絶縁保護層18上に形成された櫛形の電極である。すなわち、共通電極22は画素電極21よりも第一の基板2に近い位置に配置され、これらの電極は絶縁保護層18を介して互いに重なりあって配置される。画素電極21と共通電極22は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、IZTO(Indium Zinc Tin Oxide)等の透明導電性材料により形成される。画素電極21と共通電極22が透明導電性材料により形成されるため、単位画素面積で開口される面積が大きくなり、開口率及び透過率が増加する。
【0323】
画素電極21と共通電極22とは、これらの電極間にフリンジ電界を形成するために、画素電極21と共通電極22との間の基板に水平方向の電極間距離:Rが、第一の基板2と第二の基板7との距離:Gより小さくなるように形成されている。ここで、電極間距離:Rは各電極間の基板に水平方向の距離を表す。
図3には、平板状の共通電極22と櫛形の画素電極21とが重なり合っているため、電極間距離:R=0となる例が示されており、電極間距離:Rが第一の基板2と第二の基板7との距離(すなわち、セルギャップ):Gよりも小さくなるため、フリンジの電界Eが形成される。したがって、FFS型の液晶表示素子は、画素電極21の櫛形を形成するラインに対して垂直な方向に形成される水平方向の電界(横電界)と、放物線状の電界を利用することができる。画素電極21の櫛状部分の電極幅:l、及び、画素電極21の櫛状部分の間隙の幅:mは、発生する電界により液晶層5内の液晶分子が全て駆動され得る程度の幅に形成することが好ましい。
【0324】
カラーフィルタ6は、光の漏れを防止する観点で、薄膜トランジスタおよびストレイジキャパシタ23に対応する部分にブラックマトリックス(図示せず)を形成することが好ましい。
【0325】
電極層3、及び、カラーフィルタ6上には、液晶層5を構成する液晶組成物と直接当接してホモジニアス配向を誘起する一対の配向膜4が設けられている。配向膜4は、例えば、ラビング処理されたポリイミド膜であり、各配向膜の配向方向は平行である。ここで、
図4を用いて、本実施形態における配向膜4のラビング方向(液晶組成物の配向方向)について説明する。
図4は、配向膜4により誘起された液晶の配向方向を模式的に示す図である。本発明においては、負の誘電率異方性を有する液晶組成物が用いられる。したがって、画素電極21の櫛形を形成するラインに対して垂直な方向(水平電界が形成される方向)をx軸としたときに、該x軸と液晶分子30の長軸方向とのなす角θが、概ね0〜45°となるように配向されることが好ましい。
図3に示す例では、x軸と液晶分子30の長軸方向とのなす角θが、概ね0°の例が示されている。このように液晶の配向方向を誘起するのは、液晶表示装置の最大透過率を高めるためである。
【0326】
また、偏光板1及び偏光板8は、各偏光板の偏光軸を調整して視野角やコントラストが良好になるように調整することができ、それらの透過軸がノーマリブラックモードで作動するように、互いに直行する透過軸を有することが好ましい。特に、偏光板1及び偏光板8のうちいずれかは、液晶分子30の配向方向と平行な透過軸を有するように配置することが好ましい。また、コントラストが最大になるように液晶の屈折率異方性Δnとセル厚dとの積を調整することが好ましい。更に、視野角を広げるための位相差フィルムも使用することもできる。
【0327】
上記のような構成のFFS型の液晶表示装置10は、薄膜TFTを介して画素電極21に画像信号(電圧)を供給することで、画素電極21と共通電極22との間にフリンジ電界を生じさせ、この電界によって液晶を駆動する。すなわち、電圧を印加しない状態では、液晶分子30は、その長軸方向が、配向膜4の配向方向と平行になるように配置している。電圧を印加すると、画素電極21と共通電極22との間に放物線形の電界の等電位線が画素電極21と共通電極22の上部にまで形成され、液晶層5内の液晶分子30は、形成された電界に沿って液晶層5内を回転する。本発明では、負の誘電率異方性を有する液晶分子30を用いるため、液晶分子30の長軸方向が、発生した電界方向に直行するように回転する。画素電極21の近くに位置する液晶分子30はフリンジ電界の影響を受けやすいものの、負の誘電率異方性を有する液晶分子30は分極方向が分子の短軸にあることから、その長軸方向が配向膜4に対して直行する方向に回転することはなく、液晶層5内の全ての液晶分子30の長軸方向は、配向膜4に対して平行方向を維持できる。したがって、正の誘電率異方性を有する液晶分子30を用いたFFS型の液晶表示素子に比べて、優れた透過率特性を得ることができる。
【0328】
図1〜
図4を用いて説明したFFS型の液晶表示素子は一例であって、本発明の技術的思想から逸脱しない限りにおいて、他の様々な形態で実施することが可能である。例えば、
図5は、
図1における基板2上に形成された電極層3のII線で囲まれた領域を拡大した平面図の他の例である。
図5に示すように、画素電極21がスリットを有する構成としてもよい。また、スリットのパターンを、ゲートバスライン26又はデータバスライン25に対して傾斜角を持つようにして形成してもよい。
【0329】
また、
図6は、
図2におけるIII−III線方向に
図1に示す液晶表示素子を切断した断面図の他の例である。
図6に示す例では、櫛形あるいはスリットを有する共通電極22を用いており、画素電極21と共通電極22との電極間距離はR=αとなる。さらに、
図3では共通電極22がゲート絶縁膜12上に形成されている例が示されていたが、
図6に示されるように、共通電極22を第一の基板2上に形成して、ゲート絶縁膜12を介して画素電極21を設けるようにしてもよい。画素電極21の電極幅:l、共通電極22の電極幅:n、及び、電極間距離:Rは、発生する電界により液晶層5内の液晶分子が全て駆動され得る程度の幅に適宜調整することが好ましい。
【0330】
IPS型の液晶表示素子は画素電極と共通電極との間の基板に水平方向の電極間距離:Rが、対向する第一の基板と第二の基板との距離:Gより小さくなるように形成される。従って、IPS型の液晶表示素子は、
図6のように画素電極が共通電極より液晶層側に設けられてもよいし、また、
図7のように画素電極41及び共通電極42が同一面上に離間して噛合した状態で設けられていてもよい。
【0331】
また、FFSモードの液晶表示素子は、第一の基板2と第二の基板7との間に液晶層5を注入する際、例えば、真空注入法又は滴下注入(ODF:One Drop Fill)法等の方法が行われるが、本願発明においては、ODF法において、液晶組成物を基板に滴下した際の滴下痕の発生を抑えることができる。なお、滴下痕とは、黒表示した場合に液晶組成物を滴下した痕が白く浮かび上がる現象と定義する。
【0332】
滴下痕の発生は、注入される液晶材料に大きな影響を受けるものであるが、さらに、表示素子の構成によってもその影響は避けられない。FFSモードの液晶表示素子においては、表示素子中に形成される薄膜トランジスター、及び、櫛形やスリットを有する画素電極21等は、薄い配向膜4、あるいは薄い配向膜4と薄い絶縁保護層18等しか液晶組成物を隔てる部材が無いことから、イオン性物質を遮断しきれない可能性が高く、電極を構成する金属材料と液晶組成物の相互作用による滴下痕の発生を避けることができなかったが、FFS型の液晶表示素子において本願発明の液晶組成物を組み合わせて用いることにより、滴下痕の発生が抑えられる。
【0333】
また、ODF法による液晶表示素子の製造工程においては、液晶表示素子のサイズに応じて最適な液晶注入量を滴下する必要があるが、本願発明の液晶組成物は、例えば、液晶滴下時に生じる滴下装置内の急激な圧力変化や衝撃に対する影響が少なく、長時間にわたって安定的に液晶を滴下し続けることが可能であるため、液晶表示素子の歩留まりを高く保持することもできる。特に、最近流行しているスマートフォンに多用される小型液晶表示素子は、最適な液晶注入量が少ないために最適値からのずれを一定範囲内に制御すること自体が難しいが、本願発明の液晶組成物を用いることにより、小型液晶表示素子においても安定した液晶材料の吐出量を実現できる。
【0334】
本発明の液晶組成物を、FFS型、IPS型のような横電界型の表示素子に適用すると、ちらつき(フリッカー)が低減し、液晶表示素子の透過率が向上する。これは、Δεが負の液晶組成物を横電界型の液晶表示素子に適用する場合、ホモジニアス配向を誘起する配向膜等を用いて、液晶分子が基板面 に対して平行になるように配向させるが、当該液晶組成物を用いると、電圧印加時に起こる、フレクソ分極による液晶分子の配向の変化が少なくなるためであると考えられる。すなわち、本発明の液晶組成物を用いると、フレクソ分極による液晶分子の配向の変化が少なり、その結果、ちらつき(フリッカー)が低減し、また、透過率が向上する。
【実施例】
【0335】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味する。
実施例において化合物の記載について以下の略号を用いる。なお、nは自然数を表す。
(側鎖)
−n −C
nH
2n+1 炭素原子数nの直鎖状のアルキル基
n− C
nH
2n+1− 炭素原子数nの直鎖状のアルキル基
−On −OC
nH
2n+1 炭素原子数nの直鎖状のアルコキシル基
nO− C
nH
2n+1O− 炭素原子数nの直鎖状のアルコキシル基
−V −CH=CH
2
V− CH
2=CH−
−V1 −CH=CH−CH
3
1V− CH
3−CH=CH−
−2V −CH
2−CH
2−CH=CH
3
V2− CH
2=CH−CH
2−CH
2−
−2V1 −CH
2−CH
2−CH=CH−CH
3
1V2− CH
3−CH=CH−CH
2−CH
2
(連結基)
−n− −C
nH
2n−
−nO− −C
nH
2n−O−
−On− −O−C
nH
2n−
−COO− −C(=O)−O−
−OCO− −O−C(=O)−
−CF2O− −CF
2−O−
−OCF2− −O−CF
2−
(環構造)
【0336】
【化83】
【0337】
実施例中、測定した特性は以下の通りである。
【0338】
T
ni :ネマチック相−等方性液体相転移温度(℃)
Δn :20℃における屈折率異方性
Δε :20℃における誘電率異方性
最高透過率:液晶表示素子における透過率は、液晶組成物注入前の素子の透過率を100%として、液晶組成物注入後の素子の透過率を測定した際の値である。またΔnが大きく異なる組成物の場合、セル厚を調整し、Δndがほぼ同じになるように調整した。
【0339】
ちらつき(フリッカ)評価:FFS型の表示素子の場合、印加電圧は、6V、周波数60Hzの矩形波を印加し、またIPS型の表示素子の場合、印加電圧は、40V、周波数60Hzの矩形波を印加して、電圧印加時の透過光量の変化をフォトマルで受光し、フォトマルの出力電圧をアンプを介して、オシロスコープに入力した。オシロスコープにより透過光量の変化を測定した。
【0340】
印加波形の1/2フレーム間における透過率の変化を、1/2フレーム間の最大透過率で除し、パーセントで表した値をフリッカー率とした。
【0341】
◎:フリッカ率 1.5%未満(非常に良好)
○:フリッカ率 1.5〜2.5%(許容できるレベル)
△:フリッカ率 2.5〜5%(許容できないレベル)
×:フリッカ率 5以上(かなり劣悪)
焼き付き評価:液晶表示素子の焼き付き評価は、表示エリア内に所定の固定パターンを1000時間表示させた後に、全画面均一な表示を行ったときの固定パターンの残像のレベルを目視にて以下の4段階評価で行った。
【0342】
◎残像無し
○残像ごく僅かに有るも許容できるレベル
△残像有り許容できないレベル
×残像有りかなり劣悪
滴下痕:液晶表示装置の滴下痕の評価は、全面黒表示した場合における白く浮かび上がる滴下痕を目視にて以下の4段階評価で行った。
【0343】
◎残像無し
○残像ごく僅かに有るも許容できるレベル
△残像有り許容できないレベル
×残像有りかなり劣悪
(実施例1〜3及び比較例1〜3)
以下の表1及び表2に示す実施例1〜10、比較例1〜3の液晶組成物を調製し、その物性値を測定した。液晶組成物の構成とその物性値の結果は表1のとおりであった。なお、表中の「(i)/〔(N)+(i)〕」は、分子内に
【0344】
【化84】
【0345】
で表される基を1個又は2個以上有する化合物の総量(〔(N)+(i)〕)に対する、一般式(i)で表される化合物の割合を示す。
【0346】
また、各液晶組成物を、
図1〜
図4に示すFFS型の液晶表示素子用パネルに注入し、FFS型の液晶表示素子を作製し、最高透過率、ちらつき、焼き付き評価及び滴下痕評価を行った。
【0347】
【表1】
【0348】
【表2】
【0349】
実施例1〜11に示すように、本発明の液晶表示素子は、T
niが小さく、Δn及びΔεが十分に大きい値を示す液晶組成物を用いて、ちらつきが抑えられ、優れた最高透過率を有し、また、焼き付き及び滴下痕の発生が抑えることができ、優れた表示特性を有する液晶表示素子を得られた。
(実施例12〜14及び比較例4)
以下の表3に示す実施例11〜13及び比較例4の液晶組成物を調製し、各液晶組成物を、
図1〜
図4に示すFFS型の液晶表示素子用パネルに注入し、FFS型の液晶表示素子を作製し、最高透過率、ちらつき、焼き付き評価及び滴下痕評価を行った。
【0350】
【表3】
【0351】
実施例12〜14に示すように、本発明の液晶表示素子は、ちらつきが抑えられ、優れた最高透過率を有し、また、焼き付き及び滴下痕の発生が抑えることができ、優れた表示特性を有する液晶表示素子を得られた。
(実施例15〜16,及び比較例5)
実施例2、実施例3、比較例1で用いた液晶組成物をラインアンドスペースが5/5μmのIPSセルに注入し、同様に評価を行った。
【0352】
【表4】
【0353】
実施例15、16に示すように、本発明の液晶表示素子は、ちらつきが抑えられ、優れた最高透過率を有し、また、焼き付き及び滴下痕の発生が抑えることができ、優れた表示特性を有する液晶表示素子を得られた。