特許第6338411号(P6338411)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6338411
(24)【登録日】2018年5月18日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】液状調味料
(51)【国際特許分類】
   A23L 27/60 20160101AFI20180528BHJP
   A23L 27/00 20160101ALI20180528BHJP
【FI】
   A23L27/60 A
   A23L27/00 D
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-56471(P2014-56471)
(22)【出願日】2014年3月19日
(65)【公開番号】特開2015-177756(P2015-177756A)
(43)【公開日】2015年10月8日
【審査請求日】2016年9月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227009
【氏名又は名称】日清オイリオグループ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 康信
【審査官】 柴原 直司
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/178138(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/178139(WO,A1)
【文献】 特開2012−111704(JP,A)
【文献】 花王 エコナドレッシングソース グレープフルーツ, [online], (2016.10.04), INTERNET ARCHIVE, [2016.10.04検索], インターネット, <http://web.archive.org/web/20090211075313/http://kao.com/jp/econa/ecn_dre_grape_00.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 27/00−27/60
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
糖類、油脂、及び食酢を含有する液調味料であって、該糖類の固形分及び該油脂の合計含有量が30〜50質量%、該液体調味料100g当たりのナトリウム含有量が1450mg以下、酢酸換算酸度が1.00〜1.75該糖類の固形分と該油脂の含有量の比率が、質量比として0.8:1〜2.5:1であることを特徴とする液状調味料(ただし、砂糖10%、食用植物油脂20.2%、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル1%、食酢(酢酸酸度4%換算)24%、食酢(有機酸4%、水分96%)5.9%、食塩3.1%、グルタミン酸ナトリウム0.8%を含有するW/O/W型乳化調味料、及び、砂糖10%、食用植物油脂20.2%、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル1%、食酢(有機酸4%、水分96%)30%、食塩3.1%、グルタミン酸ナトリウム0.8%を含有する複合乳化調味料を除く)
【請求項2】
前記糖類が、還元澱粉糖化物、異性化液糖、及び砂糖から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の液状調味料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナトリウム含有量が低減された液状調味料に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、生活習慣病の予防等への関心から、消費者の健康志向が高まっている。そのため、例えばドレッシング等の液状調味料について、塩分(ナトリウム)が低減されたものに対するニーズがある。
しかし、液状調味料(ナトリウム)の塩分を減らしていくと、風味が物足りなくなったり、風味のバランスが悪くなる傾向があり、さらに液状調味料が微生物汚染を受けやすくなるため、ナトリウム含有量が低減されていながら、風味と微生物耐性を両立した液状調味料を製造することは困難であった。
【0003】
低塩(低ナトリウム)の液状調味料としては低甘度甘味料と高甘度甘味料とを含有するドレッシング類(特許文献1)や減塩醤油、ポリフェノール類、塩化カリウムを含有する液体調味料(特許文献2)等が提案されているが、これらの技術は、ナトリウム含有量が低減されたことによる、液状調味料の風味と微生物耐性について十分に検討されたものであるとは言えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−219834号公報
【特許文献2】特開2004−194515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、風味が良好で、微生物耐性に優れ、且つナトリウム含有量が低減された液状調味料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねたところ、液状調味料中の糖類の固形分と油脂の合計含量と、液状調味料の酢酸換算酸度を特定の範囲に規定することで、風味と微生物耐性が両立できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
【0007】
(1)糖類、油脂、及び食酢を含有する液体調味料であって、該糖類の固形分及び該油脂の合計含有量が20〜60質量%、該液体調味料100g当たりのナトリウム含有量が1450mg以下、酢酸換算酸度が0.75〜2.00であることを特徴とする液状調味料。
(2)前記糖類が、還元澱粉糖化物、異性化液糖、及び砂糖から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする(1)に記載の液状調味料。
(3)前記糖類の固形分と油脂の含有量の比率が、質量比として0.25:1〜3:1であることを特徴とする(1)又は(2)記載の液状調味料。
(4)前記糖類の固形分及び該油脂の合計含有量が30〜50質量%であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1つに記載の液状調味料。
(5)前記酢酸換算酸度が1.00〜1.75であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1つに記載の液状調味料。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、風味が良好で、微生物耐性に優れ、且つナトリウム含有量が低減された液状調味料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。
【0010】
[液状調味料]
本発明の液状調味料とは、ドレッシング、タレ、ソース、又はその他これらに類する食品を指す。本発明の液状調味料の好ましい態様としてはドレッシングが挙げられる。また、ドレッシングには、分離液状ドレッシングや乳化液状ドレッシングが含まれる。さらには、加熱殺菌しない生タイプドレッシングも含まれる。
【0011】
その他、前記ドレッシングは、風味に応じてフレンチドレッシング、イタリアンドレッシング、ス
パイスドレッシング、醤油ドレッシング、ゴマ風味ドレッシング、サウザンアイランドドレッシング、ルシアンドレッシング、サワークリームドレッシング、マスタードドレッシング、チリソース風味ドレッシング、ヨーグルト風味ドレッシング等に分けることができる。
【0012】
本発明の液状調味料は、100g当たりのナトリウム含有量が1450mg以下であり、好ましくは1350mg以下である。また、風味向上の観点から100g当たりのナトリウム含有量は700mg以上であることが好ましく、1000mg以上であることが更に好ましい。
なお、五訂日本食品標準成分表によれば、ドレッシングタイプ和風調味料のナトリウム含有量は100g当たり2900mgであり、特別用途食品申請の手引き(財団法人 日本健康・栄養食品協会 平成11年2月発行)によれば、前記日本食品標準成分表に記載の半分以下のものが低ナトリウム食品であると定義されている。現在、市販されているドレッシング類のナトリウム含有量は、100g当たり2000mg〜3200mg程度である。
なお、本明細書におけるナトリウム含有量は常法の原子吸光法により求めた値である。
【0013】
本発明の液状調味料は、液状調味料中の酢酸換算酸度が0.75〜2.00であり、好ましくは1.00〜1.75であり、さらに好ましくは1.00〜1.60である。酢酸換算酸度が上記の範囲内にあると、酸味の強さの点で良好な風味が得られ、且つ、液状調味料を保存中に、液状調味料中に微生物が繁殖することを抑制することができる。
【0014】
次に、本明細書における酢酸換算酸度の測定方法を以下に説明する。
試料25mlを正確にとり、水で10倍に希釈する。希釈された試料25mlをとり、フラスコに入れ、指示薬としてフェノールフタレインを2滴加え、力価既知の0.1N−水酸化ナトリウム溶液で滴定し、下記式により求める。
酢酸酸度(%)=0.006×V×F×(希釈液全量(250ml))/(希釈試料採取量(25ml))×(1/試料採取量(25ml))×100
V:0.1N−NaOH標準液の平均滴定量(ml)
F:0.1N−NaOH標準液の力価
【0015】
本発明の液状調味料は、糖類の固形分と油脂の合計含有量が20〜60質量%であり、好ましくは、30〜50質量%であり、さらに好ましくは30〜45質量%である。糖類の固形分と油脂の含有量の合計が上記の範囲内にあると、風味にボディー感を与え、酸味と塩味と甘味のバランスを良好に保ち、且つ、液状調味料を保存中に、液状調味料中に微生物が繁殖することを抑制することができる。
なお、糖類の固形分は、常法の乾燥減量法により求めることができる。
【0016】
また、本発明の液状調味料は、糖類の固形分と油脂の含有量の比率が、質量比(糖類の固形分:油脂)として0.25:1〜3:1であることが好ましく、0.5:1〜3:1であることがさらに好ましく、0.8:1〜2.5:1であることがよりさらに好ましい。糖類の固形分と油脂の含有量の比率が上記の範囲内にあると、風味にボディー感を与え、酸味と塩味と甘味のバランスを良好に保つことができる。
【0017】
以下、本発明の液状調味料中に含まれる各成分について詳述する。
(糖類)
本発明の液状調味料中に含まれる糖類は、特に限定されないが、砂糖(グラニュー糖)、ショ糖、異性化液糖、果糖、ぶどう糖、麦芽糖、水飴、蜂蜜等、転化糖、乳糖、シロップ、オリゴ糖、糖アルコール類等をいう。ここで、砂糖は黒糖等の含蜜糖、上白糖、三温糖等の分蜜糖を、異性化液糖は高果糖液糖、果糖ぶどう糖液糖、ぶどう糖果糖液糖を、糖アルコール類はソルビトール、ラクチトール、還元パラチノース、マンニトール、還元澱粉糖化物等を含む。これらのうち、砂糖(グラニュー糖)、ショ糖、異性化液糖、果糖、ぶどう糖、水飴、及び還元澱粉糖化物が好ましく、砂糖(グラニュー糖)、異性化液糖、及び還元澱粉糖化物が特に好ましく用いられる。
【0018】
(油脂)
本発明の液状調味料中に含まれる油脂は、食用油であれば特に限定されないが、大豆油、菜種油、コーン油、ヤシ油、パーム油、中鎖脂肪酸油、米油、ゴマ油、綿実油、ひまわり油、紅花油、亜麻仁油、シソ油、オリーブ油、落花生油、ブドウ種子油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、カボチャ種子油、クルミ油、椿油、茶実油、エゴマ油、ボラージ油、米糠油、小麦胚芽油、及び香味オイル(ハーブオイル、ガーリックオイル等)等から選択される1種の油脂又はこれらのうち2種以上を組み合わせた混合油脂が挙げられる。また、これらの油脂の分別油、硬化油、エステル交換油等を用いることもできる。
【0019】
(食酢)
本発明の液状調味料中に含まれる食酢は、特に限定されないが、醸造酢(穀物酢、果実酢)、合成酢等が挙げられる。
【0020】
[液状調味料の製造方法]
本発明の液状調味料は、通常の液状調味料の製造方法に従って製造できる。また、本発明の液状調味料には、液体調味料100g当たりのナトリウム含有量が1450mg以下であれば、食塩、醤油、果汁、酸味料、うま味調味料、たんぱく加水分解物、糖類、甘味料、エキス類、香料、酸化防止剤、具材(キザミ野菜、すりおろし野菜等)、粉末チーズ、トマトペースト、コーンペースト、ごま等を使用してもよい。このような原料等を使用することにより、本発明の液状調味料に所望の風味や食感を与えることができる。
【0021】
以下、本発明の液状調味料の一つの態様である、ドレッシングの製造方法の一例を説明する。
本発明のドレッシングの製造は、油脂以外の原料(例えば、糖類、増粘多糖類、酢酸、食塩、水等)を加熱撹拌して原料を均一に分散させる。加熱攪拌は加圧、減圧又は常圧下で可能であり、通常は常圧下で行われる。加熱温度に特に制限はなく、原材料が溶解、殺菌がなされる温度であればよく、通常は40〜95℃の温度で、好ましくは60〜95℃の温度で行われる。攪拌は原料の均一な分散等がなされるものであればどのようなものでも実施することができ、例えば、プロペラ、ホモミキサー、ブレンダー、ディスパー、パドルミキサー、コロイドミル、連続ミキサー、スタティックミキサー、超音波等の攪拌機又は方法を用いることができる。その後、常温程度まで冷却し、得られたものに油脂を加えて重層したり、混合乳化することによってドレッシングを得る。
【0022】
本発明の液状調味料は、ホットパック殺菌又はレトルト殺菌されていてもよい。液状調味料をホットパック殺菌する方法及びホットパックの材質等に特に制限はなく、従来公知の方法及び材質のものを用いることができる。ホットパック充填条件についても特に制限はなく、従来公知の条件でよく、例えば45℃以上の温度、好ましくは60℃以上の温度で行うことができる。また、液状調味料をレトルト殺菌する方法及びレトルト殺菌に用いる容器に特に制限はなく、従来公知の方法等を用いることができる。レトルト殺菌の方法としては、例えば120℃、30〜60分等でよい。また、105〜115℃の温度でのセミレトルト、130℃以上の温度のハイレトルト等であってもよい。
【実施例】
【0023】
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0024】
[実施例1〜5、比較例1〜4;青じそドレッシング(分離タイプ)の製造]
還元澱粉糖化物(製品名;スイートNT、物産フードサイエンス(株)製(固形分70%))、異性化液糖(製品名;ニューフラクト55、昭和産業(株)製(固形分75.5%))、醸造酢(製品名;MHV−310、(株)ミツカンナカノス製)、濃口醤油、食塩、シソフレーバー、グルタミン酸ナトリウム、増粘多糖類、及び水を、表1及び2に記載の配合量で撹拌機付きの加温可能な容器に投入し、100rpmで撹拌しながら品温が90℃になるまで加熱保持しながら原料を溶解した。次に、品温が20℃になるまで冷却して水相部を調製し、食用油(製品名;日清キャノーラ油、日清オイリオグループ(株)製)を重層し、青じそドレッシングを製造した。
【0025】
なお、表1及び2中、「糖類の固形分と油脂の合計含有量」は、糖類を固形分換算した含有量と食用油の含有量の合計を指す。また、以下、表中の「%」は「質量%」を示す。
また、表1及び2中、「酢酸換算酸度」は、上記の酢酸換算酸度の測定方法に従って測定した。
【0026】
青じそドレッシングのナトリウム含有量は、食塩、濃口醤油、グルタミン酸ナトリウムの原料に由来するが、実施例1〜5、及び比較例1〜4における前記原料の配合量は同一であるため、実施例1についてのみ、分析をおこなった。実施例1の青じそドレッシング100g当たりのナトリウム含有量は、原子吸光法で測定した結果、1292mgであった。
【0027】
<評価>
製造した各ドレッシングについて、下記の指標に基づき、評価を行った。
【0028】
(風味評価)
パネラー5名を参加させ、各ドレッシング(2ml)を口に含んだ後の風味を点数化した。点数化の基準は下記の通りである。
2点:1点のものよりもさらに風味(酸味、塩味、甘味のバランス)が良好である
1点:風味(酸味、塩味、甘味のバランス)が良好である
0点:異味がある、かつ/又は風味(酸味、塩味、甘味のバランス)が悪い
【0029】
点数化された風味について、パネラー5名分の評価点に基づいて平均値を算出し、下記の基準によって評価を行った。
◎:1.8〜2
○:1.2〜1.6
△:0.8〜1
×:0.8未満
【0030】
(微生物耐性評価)
無菌室内で、各ドレッシング100gに耐酸耐塩性の強い酵母及び乳酸菌を、それぞれ10〜10個/gとなるように接種して混合した。次いで、酵母及び乳酸菌を混合したドレッシングを25℃の温度で保存し、経時的に菌数を測定した。ドレッシングの微生物静菌性の評価は下記評価基準に従って行った。
○:酵母、乳酸菌ともに菌数が経時的に減少する
×:酵母、乳酸菌の両方又は一方の菌数が経時的に増加するか、または菌数が減少しない
【0031】
(総合判定)
上記の各種評価に基づき、各ドレッシングについて総合的な評価を行った。評価基準は下記の通りである。
◎:微生物耐性評価が○であり、かつ、風味評価が◎又は○である
○:微生物耐性評価が○であり、かつ、風味評価が△である
×:微生物耐性評価、及び風味評価のいずれかが×である
【0032】
各青じそドレッシングについての評価結果を表1及び2に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
表1及び2に示される通り、本発明の液状調味料は、ナトリウム含有量が低減されているにもかかわらず、風味が良好で、微生物耐性に優れていた。
【0036】
[実施例6〜9、比較例5、6;ごまドレッシング(乳化タイプ)−1の製造]
還元澱粉糖化物、異性化液糖、上白糖、醸造酢、醤油、すりごま、食塩、乳化剤、グルタミン酸ナトリウム、増粘多糖類、及び水を、表3に記載の配合量で撹拌機付きの加温可能な容器に投入し、100rpmで撹拌しながら品温が90℃になるまで加熱した。
次いで、品温を90℃に保持しながら原料を溶解させ、品温が20℃になるまで冷却した。次いで、これに食用油及びごま油を投入しながら、卓上ホモミキサーで6500rpm、10分の条件で乳化を行い、ごまドレッシングを製造した。
なお、上記青じそドレッシングと共通の原料は、青じそドレッシングの製造に使用した原料と同様の原料を使用した。
【0037】
なお、表3中、「糖類の固形分と油脂の合計含有量」は、糖類を固形分換算した含有量と食用油の含有量の合計を指す。また、以下、表中の「%」は「質量%」を示す。
また、表3中、「酢酸換算酸度」は、上記の酢酸換算酸度の測定方法に従って測定した。
【0038】
ごまドレッシング−1のナトリウム含有量は、食塩、濃口醤油、グルタミン酸ナトリウムの原料に由来するが、実施例6〜9、比較例5、6における前記原料の配合量は同一であるため、実施例6についてのみ、分析をおこなった。実施例6のごまドレッシング100g当たりのナトリウム含有量は、原子吸光法で測定した結果、1318mgであった。
【0039】
<評価>
製造した各ドレッシングについて、上記青じそドレッシングと同様の指標に基づき、評価を行った。その評価結果を表3に示す。
【0040】
【表3】
【0041】
表3に示される通り、本発明の液状調味料は、ナトリウム含有量が低減されているにもかかわらず、風味が良好で、微生物耐性に優れていた。
【0042】
[実施例10;和風ドレッシング(分離タイプ)の製造]
表4に記載の原料を使用して、上記青じそドレッシングと同様の方法によって和風ドレッシングを製造した。
なお、上記青じそドレッシングと共通の原料は、青じそドレッシングの製造に使用した原料と同様の原料を使用した。
【0043】
なお、表4中、「糖類の固形分と油脂の合計含有量」は、糖類を固形分換算した含有量と食用油の含有量の合計を指す。また、以下、表中の「%」は「質量%」を示す。
表4中、「酢酸換算酸度」は、上記の酢酸換算酸度の測定方法に従って測定した。
また、実施例10の和風ドレッシング100g当たりのナトリウム含有量は、原子吸光法で測定した結果、1214mgであった。
【0044】
<評価>
製造したドレッシングについて、上記青じそドレッシングと同様の指標に基づき、評価を行った。その評価結果を表4に示す。
【0045】
【表4】
【0046】
表4に示される通り、本発明の液状調味料は、ナトリウム含有量が低減されているにもかかわらず、風味が良好で、微生物耐性に優れていた。
【0047】
[実施例11;ごまドレッシング(乳化タイプ)−2の製造]
グラニュー糖、醸造酢、濃口醤油、食塩、グルタミン酸ナトリウム、増粘多糖類、及び水を、表5に記載の配合量で撹拌機付きの加温可能な容器に投入し、100rpmで撹拌しながら品温が90℃になるまで加熱し原料を溶解させた。その後、品温を65℃まで冷却し、卵黄を加えて5分間撹拌し水相を調製した。
次いで、水相に食用油及びごま油を投入しながら、卓上ホモミキサーで6500rpm、10分の条件で乳化を行い、ごまドレッシング−2を製造した。
なお、上記青じそドレッシングと共通の原料は、青じそドレッシングの製造に使用した原料と同様の原料を使用した。
【0048】
なお、表5中、「糖類の固形分と油脂の合計含有量」は、糖類を固形分換算した含有量と食用油の含有量の合計を指す。また、以下、表中の「%」は「質量%」を示す。
表5中、「酢酸換算酸度」は、上記の酢酸換算酸度の測定方法に従って測定した。
また、実施例11のごまドレッシング100g当たりのナトリウム含有量は、原子吸光法で測定した結果、1206mgであった。
【0049】
<評価>
製造したドレッシングについて、上記青じそドレッシングと同様の指標に基づき、評価を行った。その評価結果を表5に示す。
【0050】
【表5】
【0051】
表5に示される通り、本発明の液状調味料は、ナトリウム含有量が低減されているにもかかわらず、風味が良好で、微生物耐性に優れていた。