特許第6339067号(P6339067)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6339067直交下層ダミーフィルを有するオーバレイターゲット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6339067
(24)【登録日】2018年5月18日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】直交下層ダミーフィルを有するオーバレイターゲット
(51)【国際特許分類】
   G03F 9/00 20060101AFI20180528BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20180528BHJP
【FI】
   G03F9/00 H
   G01B11/00 C
【請求項の数】17
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-514130(P2015-514130)
(86)(22)【出願日】2013年5月21日
(65)【公表番号】特表2015-520377(P2015-520377A)
(43)【公表日】2015年7月16日
(86)【国際出願番号】US2013042089
(87)【国際公開番号】WO2013177208
(87)【国際公開日】20131128
【審査請求日】2016年5月18日
(31)【優先権主張番号】61/650,269
(32)【優先日】2012年5月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー−テンカー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アミル ヌリエル
(72)【発明者】
【氏名】コーエン ガイ
(72)【発明者】
【氏名】レヴィンスキ ウラジミール
(72)【発明者】
【氏名】アデル ミカエル
【審査官】 植木 隆和
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−503897(JP,A)
【文献】 特開2002−124458(JP,A)
【文献】 特開平07−226369(JP,A)
【文献】 特開2001−297958(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
G03F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オーバレイターゲットであって、
少なくとも1つのオーバレイターゲット構造を形成する1つまたは複数のセグメント化されたオーバレイパターン要素と、
少なくとも1つのダミーフィルターゲット構造を形成する1つまたは複数の不活性パターン要素とを備え、前記1つまたは複数の不活性パターン要素のそれぞれは、少なくとも1つの近位に配設されるオーバレイパターン要素のセグメンテーション軸に直交する軸に沿ってセグメント化されたダミーフィルを含み、
前記1つまたは複数のオーバレイパターン要素は、前記1つまたは複数の不活性パターン要素によって画定される境界内で前記1つまたは複数の不活性パターン要素を覆って後続のプロセス層上に形成され、
前記境界と前記1つまたは複数のオーバレイパターン要素との間の距離は、ダミーフィルセグメンテーション軸に平行な軸に沿って所定の光排除ゾーンより長いオーバレイターゲット。
【請求項2】
オーバレイターゲットであって、
少なくとも1つのオーバレイターゲット構造を形成する1つまたは複数のセグメント化されたオーバレイパターン要素と、
少なくとも1つのダミーフィルターゲット構造を形成する1つまたは複数の不活性パターン要素とを備え、前記1つまたは複数の不活性パターン要素のそれぞれは、少なくとも1つの近位に配設されるオーバレイパターン要素のセグメンテーション軸に直交する軸に沿ってセグメント化されたダミーフィルを含み、
前記1つまたは複数のオーバレイパターン要素は、前記1つまたは複数の不活性パターン要素によって画定される境界内で前記1つまたは複数の不活性パターン要素を覆って後続のプロセス層上に形成され、
前記境界と前記1つまたは複数のオーバレイパターン要素との間の距離は、ダミーフィルセグメンテーション軸に垂直な軸に沿って所定の光排除ゾーンより長いオーバレイターゲット。
【請求項3】
オーバレイターゲットであって、
少なくとも1つのオーバレイターゲット構造を形成する1つまたは複数のセグメント化されたオーバレイパターン要素と、
少なくとも1つのダミーフィルターゲット構造を形成する1つまたは複数の不活性パターン要素とを備え、前記1つまたは複数の不活性パターン要素のそれぞれは、少なくとも1つの近位に配設されるオーバレイパターン要素のセグメンテーション軸に直交する軸に沿ってセグメント化されたダミーフィルを含み、
前記1つまたは複数のオーバレイパターン要素は、前記1つまたは複数の不活性パターン要素によって画定される境界内で前記1つまたは複数の不活性パターン要素を覆って後続のプロセス層上に形成され、
前記境界と前記1つまたは複数のオーバレイパターン要素との間の選択された距離は、ダミーフィルセグメンテーション軸に平行な軸に沿ってまたダミーフィルセグメンテーション軸に垂直な軸に沿って所定の光排除ゾーンより長いオーバレイターゲット。
【請求項4】
オーバレイターゲットであって、
少なくとも1つのオーバレイターゲット構造を形成する1つまたは複数のセグメント化されたオーバレイパターン要素と、
少なくとも1つのダミーフィルターゲット構造を形成する1つまたは複数の不活性パターン要素とを備え、前記1つまたは複数の不活性パターン要素のそれぞれは、少なくとも1つの近位に配設されるオーバレイパターン要素のセグメンテーション軸に直交する軸に沿ってセグメント化されたダミーフィルを含み、
前記1つまたは複数のオーバレイパターン要素は、前記1つまたは複数の不活性パターン要素によって画定される境界内で前記1つまたは複数の不活性パターン要素を覆って後続のプロセス層上に形成され、
前記1つまたは複数の不活性パターン要素は、2回以上のサイドバイサイド露光によって印刷されるオーバレイターゲット。
【請求項5】
オーバレイターゲットであって、
少なくとも1つのオーバレイターゲット構造を形成する1つまたは複数のセグメント化されたオーバレイパターン要素と、
少なくとも1つのダミーフィルターゲット構造を形成する1つまたは複数の不活性パターン要素とを備え、前記1つまたは複数の不活性パターン要素のそれぞれは、少なくとも1つの近位に配設されるオーバレイパターン要素のセグメンテーション軸に直交する軸に沿ってセグメント化されたダミーフィルを含み、
前記1つまたは複数のオーバレイパターン要素は、前記1つまたは複数の不活性パターン要素によって画定される境界内で前記1つまたは複数の不活性パターン要素を覆って後続のプロセス層上に形成され、
前記1つまたは複数のオーバレイパターン要素は、少なくとも1つのパターン要素の場所推定を可能にする内部エッジを有するアパーチャを含むオーバレイターゲット。
【請求項6】
オーバレイターゲットであって、
少なくとも1つのオーバレイターゲット構造を形成する1つまたは複数のセグメント化されたオーバレイパターン要素と、
少なくとも1つのダミーフィルターゲット構造を形成する1つまたは複数の不活性パターン要素とを備え、前記1つまたは複数の不活性パターン要素のそれぞれは、少なくとも1つの近位に配設されるオーバレイパターン要素のセグメンテーション軸に直交する軸に沿ってセグメント化されたダミーフィルを含み、
前記1つまたは複数の不活性パターン要素は、別個の露光によって印刷されかつリソグラフィックオーバレイ公差に従って整列された一定間隔のダミーフィルセグメントを含むオーバレイターゲット。
【請求項7】
オーバレイターゲットであって、
少なくとも1つのオーバレイターゲット構造を形成する1つまたは複数のセグメント化されたオーバレイパターン要素と、
少なくとも1つのダミーフィルターゲット構造を形成する1つまたは複数の不活性パターン要素とを備え、前記1つまたは複数の不活性パターン要素のそれぞれは、少なくとも1つの近位に配設されるオーバレイパターン要素のセグメンテーション軸に直交する軸に沿ってセグメント化されたダミーフィルを含み、
前記1つまたは複数の不活性パターン要素は、後続のプロセス層上に形成された一定間隔のダミーフィルセグメントを含み、前記ダミーフィルセグメントは、別個の露光によって印刷されかつリソグラフィックオーバレイ公差に従って整列されるオーバレイターゲット。
【請求項8】
オーバレイターゲットであって、
少なくとも1つのオーバレイターゲット構造を形成する1つまたは複数のセグメント化されたオーバレイパターン要素と、
少なくとも1つのダミーフィルターゲット構造を形成する1つまたは複数の不活性パターン要素とを備え、前記1つまたは複数の不活性パターン要素のそれぞれは、少なくとも1つの近位に配設されるオーバレイパターン要素のセグメンテーション軸に直交する軸に沿ってセグメント化されたダミーフィルを含み、
前記1つまたは複数のオーバーレイパターン要素および前記1つまたは複数の不活性パターン要素は、第2のターゲット構造上にオーバレイされる少なくとも第1のターゲット構造を形成し、前記オーバレイされたターゲット構造の各象限は、
ダミーフィルセグメンテーション軸に直交する第1の軸に沿ってオーバレイ測定を可能にするように配列されるセグメント化されたダミーフィルから形成された2つの不活性パターン要素と、
少なくとも2つの不活性パターン要素に近接してその後配設される2つのセグメント化されたオーバレイパターン要素とを含むオーバレイターゲット。
【請求項9】
前記第1のターゲット構造および前記第2のターゲット構造は4回転対称である請求項8に記載のオーバレイターゲット。
【請求項10】
前記2つのオーバレイパターン要素は、前記第1の軸に直交する第2の軸に沿ってオーバレイ測定を可能にするように配列される請求項8に記載のオーバレイターゲット。
【請求項11】
前記2つのオーバレイパターン要素は、前記第1の軸に平行な第2の軸に沿ってオーバレイ測定を可能にするように配列される請求項8に記載のオーバレイターゲット。
【請求項12】
オーバレイターゲットであって、
少なくとも1つのオーバレイターゲット構造を形成する1つまたは複数のセグメント化されたオーバレイパターン要素と、
少なくとも1つのダミーフィルターゲット構造を形成する1つまたは複数の不活性パターン要素とを備え、前記1つまたは複数の不活性パターン要素のそれぞれは、少なくとも1つの近位に配設されるオーバレイパターン要素のセグメンテーション軸に直交する軸に沿ってセグメント化されたダミーフィルを含み、
前記1つまたは複数のオーバーレイパターン要素および前記1つまたは複数の不活性パターン要素は、第2の4回転対称のターゲット構造上にオーバレイされる少なくとも第1の4回転対称のターゲット構造を形成し、前記オーバレイされたターゲット構造の各象限は、
セグメント化されたダミーフィルから形成された不活性パターン要素であって、ダミーフィルセグメンテーション軸に平行な少なくとも1つの方向における少なくとも1つのパターン要素の場所推定を可能にする内部エッジを有するアパーチャを含む各象限の部分を除いて、各象限を実質的に充填する、不活性パターン要素と、
少なくとも2つの不活性パターン要素に近接してその後配設されるセグメント化されたオーバレイパターン要素であって、前記ダミーフィルセグメンテーション軸に平行な前記少なくとも1つの方向における少なくとも1つのパターン要素の場所推定を可能にする1つまたは複数のエッジを含む、セグメント化されたオーバレイパターン要素とを含むオーバレイターゲット。
【請求項13】
オーバレイターゲットであって、
少なくとも1つのオーバレイターゲット構造を形成する1つまたは複数のセグメント化されたオーバレイパターン要素と、
少なくとも1つのダミーフィルターゲット構造を形成する1つまたは複数の不活性パターン要素とを備え、前記1つまたは複数の不活性パターン要素のそれぞれは、少なくとも1つの近位に配設されるオーバレイパターン要素のセグメンテーション軸に直交する軸に沿ってセグメント化されたダミーフィルを含み、
前記1つまたは複数のオーバーレイパターン要素および前記1つまたは複数の不活性パターン要素は、第2の2回転対称のターゲット構造上にオーバレイされる少なくとも第1の2回転対称のターゲット構造を形成し、前記オーバレイされたターゲット構造の各象限は、
セグメント化されたダミーフィルから形成された4つの不活性パターン要素であって、4つの不活性パターン要素のそれぞれは各軸に沿ってオーバレイ測定を可能にするように配列される、4つの不活性パターン要素と、
前記4つの不活性パターン要素に近接してその後配設される12のセグメント化されたオーバレイパターン要素であって、12のオーバレイパターン要素のそれぞれは各軸に沿ってオーバレイ測定を可能にするように配列される、12のセグメント化されたオーバレイパターン要素とを含むオーバレイターゲット。
【請求項14】
オーバレイ測定を実施するためのシステムであって、
基板であって、オーバレイターゲットが基板上に配設される、基板を支持するように構成されるサンプルステージであって、前記オーバレイターゲットは、少なくとも1つのオーバレイターゲット構造を形成する1つまたは複数のセグメント化されたオーバレイパターン要素を含み、前記オーバレイターゲットは、少なくとも1つのダミーフィルターゲット構造を形成する1つまたは複数の不活性パターン要素をさらに含み、前記1つまたは複数の不活性パターン要素のそれぞれは、少なくとも1つの近位に配設されるオーバレイパターン要素のセグメンテーション軸に直交する軸に沿ってセグメント化されるダミーフィルを含む、サンプルステージと、
前記オーバレイターゲットを照明するように構成される少なくとも1つの照明源と、
前記オーバレイターゲットから反射される、散乱させる、または放射される照明を受取るように構成される少なくとも1つの検出器と、
前記検出器に通信可能に結合し、また、前記オーバレイターゲットから反射される、散乱させる、または放射される前記照明に関連する情報を利用して、前記基板上に配設される少なくとも2つの層の間のミスアライメントを決定するように構成される少なくとも1つのコンピューティングシステムとを備え、
前記1つまたは複数の不活性パターン要素は、少なくとも1つのパターン要素の場所推定を可能にするための、前記1つまたは複数の不活性パターン要素のエッジ領域に近接して配設されるダミーフィルセグメントを含むシステム。
【請求項15】
回折ベースのオーバレイターゲットであって、
基板に印刷され、第1の複数のセグメント化されたパターン要素を含む第1のオーバレイターゲット構造と、
基板に印刷され、第2の複数のセグメント化されたパターン要素を含み、第2の複数のセグメント化されたパターン要素の一部は第1の複数のセグメント化されたパターン要素の一部にオーバラップするように配置された、第2のオーバレイターゲット構造と、
を有し、第1のオーバレイターゲット構造と第2のオーバレイターゲット構造の配置は4回転対称であり、少なくとも第1の複数のセグメント化されたパターン要素の一部あるいは少なくとも第2のセグメント化されたパターン要素の一部は、2回以上のサイドバイサイド露光で基板上に形成される、
回折ベースのオーバレイターゲット。
【請求項16】
オーバレイターゲットであって、
少なくとも1つのオーバレイターゲット構造を形成する1つまたは複数のセグメント化されたオーバレイパターン要素と、
少なくとも1つのダミーフィルターゲット構造を形成する1つまたは複数の不活性パターン要素とを備え、前記1つまたは複数の不活性パターン要素のそれぞれは、少なくとも1つの近位に配設されるオーバレイパターン要素のセグメンテーション軸に直交する軸に沿ってセグメント化されたダミーフィルを含み、
前記1つまたは複数の不活性パターン要素は、少なくとも1つのパターン要素の場所推定を可能にするための、前記1つまたは複数の不活性パターン要素のエッジ領域に近接して配設されるダミーフィルセグメントを含むオーバレイターゲット。
【請求項17】
オーバレイ測定を実施する方法であって、
基板上に配設されるオーバレイターゲットを照明することであって、前記オーバレイターゲットは、少なくとも1つのオーバレイターゲット構造を形成する1つまたは複数のセグメント化されたオーバレイパターン要素を含み、前記オーバレイターゲットは、少なくとも1つのダミーフィルターゲット構造を形成する1つまたは複数の不活性パターン要素をさらに含み、前記1つまたは複数の不活性パターン要素のそれぞれは、少なくとも1つの近位に配設されるオーバレイパターン要素のセグメンテーション軸に直交する軸に沿ってセグメント化されたダミーフィルを含む、照明すること、
前記オーバレイターゲットから反射される、散乱させる、または放射される照明を検出すること、および、
前記検出された照明に関連する情報を利用して、前記基板上に配設される少なくとも2つの層の間のミスアライメントを決定することを含み、
前記1つまたは複数の不活性パターン要素は、少なくとも1つのパターン要素の場所推定を可能にするための、前記1つまたは複数の不活性パターン要素のエッジ領域に近接して配設されるダミーフィルセグメントを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、オーバレイ計測のためのオーバレイターゲットの分野に関し、より詳細には、直交下層ダミーフィルを有するオーバレイターゲットを設計し使用することに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスは、シリコンウェハなどの基板上に配設される複数の層を生成することによって製造されることが多い。種々のプロセス層間のアライメントは、通常、結果として得られるデバイスの適切な機能および性能を保証するように制御される。2つ以上の連続する層内に形成されるデバイスフィーチャまたは構造間のミスアライメントは、オーバレイエラーと呼ばれることが多い。ウェハ上のパターン化された層間のオーバレイエラーを検出し補正する能力は、集積回路および他の半導体デバイスの製造にとって非常に重要である。
【0003】
オーバレイ計測は、通常、1つまたは複数の関心デバイス層に近接して配設されるオーバレイ「ターゲット(target)」または「マスク(mask)」を解析することによって、パターン化されたデバイス層間のミスアライメントまたはオーバレイエラーを決定するための知られている技法である。たとえば、オーバレイ測定は、ウェハ上の種々のパターン化されたデバイス層と共に印刷された試験パターン(すなわち、1つまたは複数のオーバレイターゲット構造)によって実施することができる。オーバレイ計測システムは、画像フレームを収集するように構成される撮像ツールを含むことができ、画像フレームは、処理ユニットによって解析されて、デバイスおよびターゲット層を構成するパターン要素の相対的な変位またはミスアライメントが決定される。
【0004】
オーバレイターゲットを支持する基板のプロセス適合性を維持または改善するために、いくつかの技法が現在適用される。たとえば、ダミーフィル(すなわち、非機能的構造またはフィーチャ)の1つまたは複数のパターン化層が基板上に配設されて、ある半導体製造機器または半導体試験機器用の設計ルールの下で必要とされる空間的属性または物理的特徴を達成することができる。さらに、計測ターゲットのターゲット構造または層を形成するパターン要素は、プロセス適合性を改善するために、選択されたセグメンテーションまたはサブパターンより名目上は小さいフィーチャから構築することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2012/018673号
【特許文献2】米国出願公開第2007/0096094号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
既存の解決策があるが、当技術分野内の欠点は、オーバレイ計測ターゲットに対するプロセス損傷または半導体製造上の設計ルールに関するターゲット適合性の欠如をもたらし続ける。当技術分野の現在の状態におけるいくつかの欠点は、化学機械的研磨によるターゲット内またはその近傍におけるディッシング、不適合パターン密度によるターゲットの近傍におけるエッチバイアス、ターゲットにおける設計ルール違反による製造済みデバイスにおけるその後の寄生容量、オーバレイ測定において計測バイアスをもたらすターゲットのリソグラフィ的不適合、過剰なターゲットサイズに対するレチクルおよびウェハ上の計測フットプリントの増加を含む。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、当技術分野の現在の状態における1つまたは複数の欠点を取除くための、直交下層ダミーフィルを含むオーバレイターゲット設計を対象とする。
【0008】
一態様では、本開示は、少なくとも1つのオーバレイターゲット構造を形成する1つまたは複数のセグメント化されたオーバレイパターン要素を含むオーバレイターゲットを対象とする。オーバレイターゲットは、少なくとも1つのダミーフィルターゲット構造を形成する1つまたは複数の不活性パターン要素をさらに含む。1つまたは複数の不活性パターン要素のそれぞれは、少なくとも1つの近位に配設されるオーバレイパターン要素のセグメンテーション軸に直交する軸に沿ってセグメント化されたダミーフィルを含むことができる。いくつかの実施形態によれば、ターゲット構造または層のそれぞれは、シリコンウェハなどの基板上に連続して配設される別個のプロセス層から形成することができる。
【0009】
別の態様では、本開示は、基板上でオーバレイ測定を実施するためのオーバレイ計測システムを対象とする。システムは、基板であって、オーバレイターゲットが基板上に配設される、基板を支持するように構成されるサンプルステージを含むことができ、オーバレイターゲットは、少なくとも1つのオーバレイターゲット構造を形成する1つまたは複数のセグメント化されたオーバレイパターン要素を含み、オーバレイターゲットは、少なくとも1つのダミーフィルターゲット構造を形成する1つまたは複数の不活性パターン要素をさらに含み、1つまたは複数の不活性パターン要素のそれぞれは、少なくとも1つの近位に配設されるオーバレイパターン要素のセグメンテーション軸に直交する軸に沿ってセグメント化されるダミーフィルを含む。システムは、オーバレイターゲットを照明するように構成される少なくとも1つの照明源と、オーバレイターゲットから反射される、散乱させる、または放射される照明を受取るように構成される少なくとも1つの検出器とをさらに含むことができる。少なくとも1つの検出器に通信可能に結合したコンピューティングシステムは、オーバレイターゲットから反射される、散乱させる、または放射される照明に関連する情報(たとえば、1つまたは複数の画像フレームあるいはコントラストデータ)を利用して、基板上に配設される少なくとも2つの層の間のミスアライメントを決定するように構成することができる。いくつかの実施液体では、オーバレイおよびダミーフィルターゲット構造は、製造上のまたは計測上の一定の利点を可能にするために、2回転対称または4回転対称とすることができる。しかし、2回転対称または4回転対称は、散乱計測オーバレイ(scatterometry overlay)(SCOL)または回折ベースオーバレイ(diffraction based overlay)(DBO)計測ターゲットを使用するような全ての用途によって必要とされるわけではない。
【0010】
さらに別の態様では、本開示は、基板上でオーバレイ測定を実施する方法を対象とし、方法は、少なくとも以下のステップ、すなわち、基板上に配設されるオーバレイターゲットを照明するステップであって、オーバレイターゲットは、少なくとも1つのオーバレイターゲット構造を形成する1つまたは複数のセグメント化されたオーバレイパターン要素を含み、オーバレイターゲットは、少なくとも1つのダミーフィルターゲット構造を形成する1つまたは複数の不活性パターン要素をさらに含み、1つまたは複数の不活性パターン要素のそれぞれは、少なくとも1つの近位に配設されるオーバレイパターン要素のセグメンテーション軸に直交する軸に沿ってセグメント化されたダミーフィルを含む、照明するステップと、オーバレイターゲットから反射される、散乱させる、または放射される照明を検出するステップと、検出された照明に関連する情報を利用して、基板上に配設される少なくとも2つの層の間のミスアライメントを決定するステップとを含む。
【0011】
先の一般的な説明および以下の詳細な説明が、単に例示でかつ説明であり、必ずしも本開示を制限するわけではないことが理解される。本明細書に組込まれかつ本明細書の一部を構成する添付図面は、本開示の主題を示す。説明および図面は共に、本開示の原理を説明するのに役立つ。
【0012】
本開示のいくつかの利点を、添付図を参照して当業者がよりよく理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】本開示の実施形態によるオーバレイターゲットを示す図である。
図1B】本開示の実施形態による、ダミーフィルパターンのセグメンテーション軸がオーバレイパターン要素のセグメンテーション軸に直交するオーバレイターゲットの一部分を示す図である。
図2A】本開示の実施形態による2回対称/4回対称オーバレイターゲットを示す図である。
図2B】本開示の実施形態による2回対称/4回対称オーバレイターゲットのダミーフィルターゲット構造およびオーバレイターゲット構造を示す図である。
図3A】本開示の実施形態による2回対称/4回対称オーバレイターゲットを示す図である。
図3B】本開示の実施形態による2回対称/4回対称オーバレイターゲットのダミーフィルターゲット構造およびオーバレイターゲット構造を示す図である。
図4A】本開示の実施形態による2回対称/4回対称オーバレイターゲットを示す図である。
図4B】本開示の実施形態による、ターゲット構造のそれぞれが複数のパターン要素を含む2回対称/4回対称オーバレイターゲットのダミーフィルターゲット構造およびオーバレイターゲット構造を示す図である。
図5A】本開示の実施形態による、オーバレイパターン要素の第1の部分が、1回目の露光に応じてダミーフィルを覆って印刷される2回対称オーバレイターゲットを示す図である。
図5B】本開示の実施形態による、オーバレイパターン要素の第2の部分が、2回目の露光に応じてダミーフィルを覆って印刷される2回対称オーバレイターゲットを示す図である。
図6】本開示の実施形態によるオーバレイターゲットを示す図である。
図7】本開示の実施形態によるオーバレイ計測システムを示すブロック図である。
図8】本開示の実施形態によるオーバレイ計測を実施する方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで、添付図面に示される、開示される主題が詳細に言及される。
【0015】
図1Aから図8は、一般に、本開示の種々の実施形態による直交下層ダミーフィルを有するオーバレイの設計および使用を示す。米国特許出願シリアル番号第13/186,144号は、少なくとも部分的に、ダミーフィルと、ダミーフィルの下またはその上に配設されたオーバレイターゲット構造との直交アライメントを述べる。さらに、米国特許出願シリアル番号第12/455,640号は、ダミーフィイル(その出願では、「ダミーフィールド(dummy field)」と呼ばれる)を少なくとも部分的に含む計測ターゲットを述べる。米国特許出願シリアル番号第13/186,144号およびシリアル番号第12/455,640号は、あたかも本明細書中に完全に記載されているように参照により組込まれる。以下の実施形態は、例証のために提供され、また、以下で述べる特徴および配置構成が組合されて、さらなる実施形態を生成することができることが理解されるべきである。たとえば、以下の実施形態の複数の部分が組合されて、製造設計ルールのセットに適合しかつ選択されたレベルのプロセス適合性を満たす、オーバレイターゲットまたはオーバレイ計測システムを達成することができることを当業者は認識するであろう。
【0016】
図1Aは、本開示の実施形態によるオーバレイ計測ターゲット100を示す。オーバレイターゲット100は、複数のターゲット構造を含む。いくつかの実施形態では、ターゲット構造は、別個のプロセス層から製造され、シリコンウェハなどの基板上に連続して配設される。ターゲット100は、セグメント化されたダミーフィルから本質的になる不活性パターン要素102a〜102dの1つまたは複数を含むことができる。不活性パターン要素102a〜102dは、少なくとも第1の「ダミーフィル(dummyfill)」ターゲット構造を形成することができる。ターゲット100は、米国特許出願シリアル番号第13/186,144号および/またはシリアル番号第12/455,640号に記載されるかまたは参照されるような当技術分野で知られているオーバレイフィーチャから形成される1つまたは複数のオーバレイパターン要素104a〜104dをさらに含むことができる。
【0017】
オーバレイパターン要素104a〜104dは、ダミーフィルターゲット構造に近接して配設された少なくとも第2の「ダミーフィル」ターゲット構造を形成することができる。たとえば、オーバレイターゲット構造を、ダミーフィルターゲット構造を覆って基板上にその後配設することができる。したがって、ダミーフィルターゲット構造を、「ダミーフィル下層(dummyfill underlayer)」と呼ぶことができる。ダミーフィル102a〜102dおよび/またはオーバレイパターン要素104a〜104dを、製造/試験設計ルールに従ってあるいは設計ツールからの選択された範囲または選択された偏差に従ってセグメント化することができる。図1Bによって示すように、各ダミーフィルパターン要素102は、ダミーフィルパターン要素の上または下に配設された少なくとも1つのセグメント化されたオーバレイパターン要素104に対応する第2の「オーバレイ(overlay)」セグメンテーション軸108に直交する第1の「ダミーフィル」セグメンテーション軸106に沿ってセグメント化することができる。さらに、いくつかの実施形態では、1つまたは複数のダミーフィルパターン要素102a、102cの少なくとも第1のセットは、1つまたは複数のダミーフィルパターン要素102b、102dの第2のセットのセグメンテーション方向に直交する方向にセグメント化される。
【0018】
セグメント化されたダミーフィルパターン要素102は、基板の1つまたは複数の連続するプロセス層に応じてその後配設される、デバイスなどのパターン要素またはオーバレイパターン要素のために確保される空き領域上に配設されるダミーフィルを含むことができる。ダミーフィルパターン要素102は、オーバレイターゲット100の一部分を構成する少なくとも1つのオーバレイまたはダミーフィルパターン要素の場所推定を可能にする内側エッジ(すなわち、1つまたは複数の長方形アパーチャ)をさらに含むことができる。図2Aおよび図2Bは、複数のオーバレイパターン要素204a〜204dから形成されるオーバレイターゲット構造203に近接して配設される、複数のダミーフィルパターン要素202a〜202dから形成されるダミーフィルターゲット構造201を含む2回対称/4回対称オーバレイターゲット200を示す。いくつかの実施形態では、各ターゲット構造201および203は、2回転対称または4回転対称であり、それにより、ダミーフィルターゲット構造201を覆うオーバレイターゲット構造203の配設から形成される結果として得られるターゲット構造200は、相応して2回転対称または4回転対称である。いくつかの実施形態では、たとえば、ターゲット200は4回転対称である。さらに、ダミーフィルパターン要素202a〜202dのそれぞれは、2回転対称サブパターンを形成する単一軸セグメンテーションダミーフィルを含むことができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、ダミーフィルサブパターン202a〜202dは、選択された軸に沿ってセグメント化され、セグメンテーション軸に沿うダミーフィルセグメントのサイズおよび間隔は、ダミーフィルパターン要素202a〜202dを覆って印刷されるオーバレイパターン要素204a〜204dの空間的または物理的特徴に応じて選択される。たとえば、ダミーフィルセグメンテーションが、その後印刷されるオーバレイパターン要素204a〜204dのフィーチャのサイズ、間隔、および/またはセグメンテーションに応じて選択されて、ダミーフィルセグメントに直交する、基板上に配設されるオーバレイフィーチャに関連する計測信号の汚染を回避することができる。いくつかの実施形態では、ダミーフィルセグメンテーションのピッチおよび/またはフィーチャサイズは、ダミーフィルサブパターンがその上で露光される(すなわち、基板の表面上で印刷または配設される)リソグラフィック露光ツールなどの露光ツールについての最低限の設計ルールより実質的に大きい。過大のセグメンテーションは、有利には、ライン端のプルバック(たとえば、非対称プルバック)を低減することができる。
【0020】
図3Aに示すように、オーバレイ計測ターゲット300は、近位に配設されたオーバレイパターン要素304a〜304dを有する、単一軸でセグメント化されたダミーフィルパターン要素302a〜302dを含むことができる。図3Bは、ダミーフィルパターン要素302a〜302dから形成されたダミーフィルターゲット構造301およびオーバレイパターン要素304a〜304dから形成されたオーバレイターゲット構造303をさらに示す。いくつかの実施形態では、ダミーフィルサブパターンの境界とオーバレイされたサブパターンの境界との間の選択された距離は、所定の光排除ゾーンより大きい。境界間の距離は、ダミーフィルセグメンテーションに平行な軸または垂直な軸に沿ってだけ、あるいは、平行方向と垂直方向の両方で所定の光排除ゾーンより大きい。
【0021】
図4Aおよび図4Bに示すように、2回転対称/4回転対称のオーバレイターゲット400は、各象限に複数のオーバレイおよびダミーフィルサブパターンを含むことができる。たとえば、オーバレイターゲット400の各象限は、ダミーフィルターゲット構造401を形成する6つのダミーフィルパターン要素402a〜402dを含むことができる。各象限は、ダミーフィルターゲット構造401の上部に配設されるオーバレイターゲット構造403を形成する5つのオーバレイパターン要素404a〜404dをさらに含むことができる。2回転対称オーバレイターゲットは、複数のオーバレイおよびダミーフィルサブパターンが上半分と下半分または左半半分と右半分のそれぞれにある状態で同様に設計することができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、ダミーフィルまたはオーバレイサブパターンの複数の部分が、2回以上のサイドバイサイド(side-by-side)露光で基板上に別々に印刷される。たとえば、図5Aおよび図5Bに示すオーバレイターゲット500の実施形態では、オーバレイパターン要素504aおよび504bは、1回目の露光(図5A参照)と2回目の露光(図5B参照)に応じてダミーフィル下層502aおよび502bを覆って印刷される。セグメント化されたダミーフィルサブパターンを、オーバレイサブパターン間に排除ゾーンが全く存在しない別個の露光で印刷することができる。さらに、ダミーフィルセグメンテーションは、ダミーフィルサブパターンのそれぞれについて同一であり、また、リソグラフィックオーバレイ公差に従って整列することができる。いくつかの実施形態では、オーバレイターゲットは、同一のセグメンテーションを有しかつリソグラフィックオーバレイ公差内で整列した、その後オーバレイされたセグメント化ダミーフィルサブパターンをさらに含むことができる。
【0023】
図2Aおよび図2Bに示す例示的な実施形態などのいくつかの実施形態では、オーバレイターゲット200は、オーバレイまたはダミーフィルサブパターンを画定する少なくとも1つのパターン要素の場所を推定するために測定することができる内部エッジを有する(すなわち、長方形開口または「窓(window)」を含む)オーバレイサブパターン204a〜204dおよび/またはダミーフィルサブパターン202a〜202dをさらに含むことができる。したがって、オーバレイターゲット200は、各オーバレイまたはダミーフィルパターン要素のセグメンテーション軸に平行なおよび/または垂直な方向へのサブパターン場所推定を可能にする配置構成を含むことができる。いくつかの実施形態では、サブパターン場所推定は、ダミーフィルセグメンテーションラインに垂直な方向にだけ実施されて、特にスキャナ焦点の関数としての、エッジ場所におけるスキャナ収差感度の増大を回避することができる。代替的に、サブパターン場所推定は、ダミーフィルセグメンテーションラインに平行な方向にだけ実施されて、設計ルール違反を回避することができる。
【0024】
オーバレイターゲットのある実施形態は、特定の計測またはプロセス適合性要件にとって有利である場合がある。一実施形態では、たとえば、4回転対称オーバレイターゲットは、複数の層(たとえば、4層)を含むことができる。オーバレイターゲットの各象限は、ダミーフィルセグメンテーションに垂直な第1の軸に沿うオーバレイの測定を可能にする2つのセグメント化されたダミーフィルサブパターンを含むことができる。各象限は、ダミーフィルパターン要素を覆ってその後配設される2つのセグメント化されたオーバレイサブパターンをさらに含むことができる。オーバレイされたサブパターンは、第1の軸(すなわち、ダミーフィルサブパターン用の測定軸)に直交する第2の軸に沿うオーバレイの測定を可能にするように配置することができる。代替的に、オーバレイされたサブパターンは、第1の軸に平行な第2の軸に沿うオーバレイの測定を可能にするように配置することができる。
【0025】
別の例示的な実施形態では、(2層)4回転対称オーバレイターゲットの各象限は、内部エッジを有する開口(または窓)を除いて、各象限を実質的に充填する単一軸セグメント化ダミーフィルサブパターンを含むことができる。開口の内側エッジは、ダミーフィルセグメンテーションに平行な方向へのサブパターン場所推定のために測定することができる。ターゲットは、ダミーフィルサブパターンを覆ってその後配設されるセグメント化されたオーバレイサブパターンをさらに含むことができる。オーバレイサブパターンは、製造設計ルールに従ってセグメント化することができる。さらに、オーバレイサブパターンのエッジは、ダミーフィルセグメンテーション軸に平行な方向へのサブパターン場所推定のために測定することができる。
【0026】
別の例示的な実施形態では、2回転対称(4層)オーバレイターゲットは、4つのセグメント化されたダミーフィルサブパターンを含むことができる(2つはX方向、2つはY方向)。ダミーフィルサブパターンのそれぞれは、各測定軸に沿うオーバレイの測定を可能にするように配列することができる。オーバレイターゲットは、12のセグメント化されたオーバレイサブパターンをさらに含むことができる(6つはX方向、6つはY方向)。ダミーフィルサブパターンを覆ってその後印刷されるオーバレイサブパターンのそれぞれは、各測定軸に沿うオーバレイの測定をさらに可能にするように配列することができる。
【0027】
当業者は、先の実施形態の例示的な特質を認識することになり、したがって、本明細書で述べる実施形態は、例証であり、本開示をいずれの点でも制限することを意図しないものであるとして理解されるべきである。いくつかの実施形態では、セグメンテーションは、最低限の設計ルールを超えるデバイスまたはオーバレイ層のフィーチャサイズに基づき、それにより、結果として得られるデバイスのプロセス窓より大きくなるようサブパターンのプロセス窓を増加させる。さらに、セグメンテーションは、サブパターン自体の幾何形状と比較して、比較的小さいとすることができる。種々の実施形態によれば、セグメント化された単一軸ダミーフィル下層は、計測性能およびプロセス適合性を改善するためにプロセス層の少なくとも50%を覆うことができる。
【0028】
種々の変更が、セグメンテーションの間隔/ピッチ、プロセス層の数、対称性、および計測ターゲットの他の属性において企図される。上述した実施形態は、種々の特徴を示すが、本開示をいずれの点でも制限することを意図されない。たとえば、本明細書の種々の実施形態は、2回転対称または4回転対称オーバレイ計測ターゲットを述べるが、2回対称/4回対称は、全ての用途で必要とされるわけではない。図6に示すいくつかの実施形態では、オーバレイ計測ターゲット600は、全体として2回転対称でもなく4回転対称でもない。しかし、個々のサブパターンまたは2つ以上のサブパターンの群などのオーバレイターゲット600の種々の部分は、少なくとも2回対称とすることができる。
【0029】
SCOLまたはDBO計測などのいくつかの用途は、2回対称/4回対称ターゲットを必要としない。たとえば、オーバレイターゲット600は、第1のオーバレイターゲット構造を形成する第1の複数のオーバレイパターン要素602a〜602dおよび第2のオーバレイターゲット構造を形成する第2の複数のオーバレイパターン要素604a〜604dを含むことができ、両方のターゲット構造は、直交して整列した不活性パターン要素606a〜606dを含むダミーフィル下層を覆って連続して形成される。図6にさらに示すように、第1(X)の方向へのダミーフィルセグメンテーション(すなわち、間隔およびピッチ)は、第2(Y)の方向へのダミーフィルセグメンテーションと異なるとすることができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、ターゲット600は、第1の複数のオーバレイパターン要素602a〜602dによって画定される第1のターゲット構造または層に応じて第1の方向へのオーバレイ測定を可能にする。さらに、オーバレイは、第2の複数のオーバレイパターン要素604a〜604dによって画定される第2のターゲット構造または層に応じて少なくとも第2の方向に測定することができる。層およびタイプ(たとえば、デバイス、ダミーフィル、またはオーバレイ層)の数が、本開示の範囲から逸脱することなく変動する場合があることを当業者は認識するであろう。
【0031】
図7は、本開示の実施形態によるオーバレイ計測システム700を示すブロック図である。オーバレイ計測システム700は、米国特許出願シリアル番号第13/186,144号に記載されるかまたは参照されるシステムなどの光学計測システムを含むことができる。システム700は、基板706上に配設されたオーバレイ計測ターゲット704を照明するように構成される少なくとも1つの照明源702を含むことができ、オーバレイターゲット704は先の実施形態によるターゲットを含む。基板706はサンプルステージ708によって支持することができ、サンプルステージ708は、選択された位置に基板を並進または回転させるための少なくとも1つの直線または回転アクチュエータを含むことができる。
【0032】
システムは、照明源702から発する照明を、オーバレイターゲット704に至る少なくとも第1(オブジェクト)経路に沿って、また、参照ミラーなどの参照光学部品716によって描写される第2(参照)経路に沿って方向付けるように構成される少なくとも1つのビームスプリッタ712を含むことができる。オーバレイターゲット704を含む基板706の表面から反射される、散乱される、または放射される照明を、対物レンズ714によって収集し、収集経路に沿って少なくとも1つの検出器710に方向付けることができる。検出器とつながっている少なくとも1つのコンピューティングシステム718は、基板706の表面から受取られる照明に関連する撮像用データを収集するように構成することができる。コンピューティングシステム718は、オーバレイターゲット704について収集された撮像用データに関連する情報(たとえば、画像フレームまたはコントラストデータ)を利用して基板706上に形成される少なくとも2つの層間のオーバレイエラーまたは空間的ミスアライメントを決定するように構成することができる。
【0033】
本開示全体を通して述べる種々のステップおよび機能を、単一コンピューティングシステムによってまたは複数のコンピューティングシステムによって実施することができることが認識されるべきである。たとえば、コンピューティングシステム718は、パーソナルコンピューティングシステム、メインフレームコンピューティングシステム、ワークステーション、イメージコンピュータ、並列プロセッサ、または当技術分野で知られている任意の他のデバイスを含むことができるが、それに限定されない。一般に、コンピューティングシステム718は、少なくとも1つのキャリア媒体720からのプログラム命令722を実行するように構成される、少なくとも1つの単一コアまたは複数コアプロセッサを含むことができる。
【0034】
図8は、オーバレイ計測システム700によるオーバレイ計測を実施する方法800を一般的に示す。しかし、方法800の1つまたは複数のステップを、本開示の本質から逸脱することなく、システム700の先の実施形態から変動するシステムまたはデバイスによって実行することができることが認識される。ある実施形態では、方法800は、少なくとも以下のステップを含むことができる。ステップ802にて、基板上に配設されたオーバレイ計測ターゲット704が照明される。ステップ804にて、ターゲットによって反射される、散乱される、または放射される照明は、対物レンズ714などの光学部品によって収集され、TDIカメラなどの少なくとも1つの撮像用検出器710に方向付けられる。ステップ806にて、撮像用データは、処理されて、基板上に配設された少なくとも2つの層間のミスアライメントが決定される。撮像用データを、当技術分野で知られている任意のオーバレイ計測アルゴリズムに従って処理することができることが本明細書で留意される。たとえば、デバイスフィーチャから形成されるターゲット構造および/またはパターンを形成するパターン要素間の空間的比較を、相対的変位(すなわち、オーバレイエラー)を決定するために実施することができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、ダミーフィルパターン要素の内側エッジだけが、研磨損傷を回避するために測定される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのダミーフィルパターン要素の場所が、第1の方向における測定によって決定され、基板706上にその後配設された少なくとも1つのオーバレイパターン要素の場所が、第2の方向における(たとえば、第1の方向に直交する軸に沿う)測定によって決定される。さらに、測定方向に平行であると共に垂直である、セグメント化されたオーバレイまたはダミーフィルサブパターンのエッジの場所が測定されて、セグメンテーションの方向に起因する測定のバイアスを決定することができる。
【0036】
本明細書で述べるプロセスおよび/またはシステムおよび/または他の技術がそれによって実施されうる種々の担体(たとえば、ハードウェア、ソフトウェア、および/または、ファームウェア)が存在すること、および、プロセスおよび/またはシステムおよび/または他の技術がそこに配備される状況と共に、好ましい担体が変動することになることを当業者は認識するであろう。本明細書で述べるような方法を実装するプログラム命令を、キャリア媒体を通じて送信するかまたはキャリア媒体上に記憶することができる。キャリア媒体は、ワイヤ、ケーブル、または無線送信リンクなどの伝送媒体を含むことができる。キャリア媒体はまた、読出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気または光ディスク、あるいは磁気テープを含むことができる。
【0037】
本明細書で述べる方法の全ては、方法の実施形態の1つまたは複数のステップの結果を記憶媒体に記憶することを含む。その結果は、本明細書で述べる結果の任意の結果を含むことができ、また、当技術分野で知られている任意の方法で記憶されることができる。記憶媒体は、本明細書で述べる任意の記憶媒体または当技術分野で知られている任意の他の適した記憶媒体を含むことができる。結果が記憶された後、その結果は、本明細書で述べる方法またはシステムの実施形態の任意の実施形態によって記憶媒体内でアクセスされ使用され、ユーザに対する表示のためにフォーマットされ、別のソフトウェアモジュール、方法、またはシステムなどによって使用されうる。さらに、その結果を、「永久的に(permanently)」、「半永久的に(semi-permanently)」、一時的に、またはある期間の間、記憶することができる。たとえば、記憶媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)とすることができ、その結果は、必ずしも記憶媒体内で無期限に存続するわけではない。
【0038】
本発明の特定の実施形態が示されたが、本発明の種々の変更形態および実施形態を、先の開示の範囲および精神から逸脱することなく、当業者によって行うことができることが明らかである。したがって、本発明の範囲は、添付特許請求の範囲によってだけ制限させるべきである。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8