(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
光学部材の射出面から射出される露光光に対して基板を走査方向に移動しつつ、前記射出面と前記基板との間の液体を介して前記露光光で前記基板の複数のショット領域のそれぞれを順次露光する露光装置であって、
前記液体を供給する供給部を有し前記光学部材の周囲の少なくとも一部に配置される第1部材と、前記液体の少なくとも一部を回収する回収部を有し前記光学部材の周囲の一部に配置される第2部材と、を含み、前記液体の液浸空間を形成可能な液浸部材と、
前記第1部材に対して前記第2部材を移動可能な駆動装置と、
前記駆動装置を制御する制御装置と、を備え、
前記基板において一の列に含まれる前記走査方向と交差する方向に配置される複数のショット領域のそれぞれが順次露光される前又は露光された後に、前記一の列とは異なる列のショット領域の露光が行われ、
前記制御装置は、同じ列に含まれる第1ショット領域の露光終了から第2ショット領域の露光開始までの前記基板の第1移動期間における前記第2部材の第1動作と、ある列の第3ショット領域の露光終了から別の列の第4ショット領域の露光開始までの前記基板の第2移動期間における前記第2部材の第2動作とが異なるように、前記駆動装置を制御する露光装置。
光学部材の射出面から射出される露光光に対して基板を走査方向に移動しつつ、前記射出面と前記基板との間の液体を介して前記露光光で前記基板の複数のショット領域のそれぞれを順次露光する露光装置であって、
前記液体を供給する供給部、及び第1下面を有し、前記光学部材の周囲の少なくとも一部に配置される第1部材と、前記液体の少なくとも一部を回収する回収部、前記第1下面と間隙を介して対向する第2上面、及び前記基板が対向可能な第2下面を有し、前記露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される第2部材と、を含み、前記液体の液浸空間を形成可能な液浸部材と、
前記第1部材に対して前記第2部材を移動可能な駆動装置と、
前記駆動装置を制御する制御装置と、を備え、
前記基板において一の列に含まれる前記走査方向と交差する方向に配置される複数のショット領域のそれぞれが順次露光される前又は露光された後に、前記一の列とは異なる列のショット領域の露光が行われ、
前記制御装置は、同じ列に含まれる第1ショット領域の露光終了から第2ショット領域の露光開始までの前記基板の第1移動期間における前記第2部材の第1動作と、ある列の第3ショット領域の露光終了から別の列の第4ショット領域の露光開始までの前記基板の第2移動期間における前記第2部材の第2動作とが異なるように、前記駆動装置を制御する露光装置。
前記第1ショット領域の露光開始から露光終了までの第1露光期間、前記第1移動期間、及び前記第2ショット領域の露光開始から露光終了までの第2露光期間において、前記第2部材は、移動し続ける
請求項19又は20に記載の露光装置。
前記第3ショット領域の露光開始から露光終了までの第3露光期間、前記第2移動期間、及び前記第4ショット領域の露光開始から露光終了までの第4露光期間において、前記第2部材は、移動し続ける
請求項22又は23に記載の露光装置。
前記第3ショット領域の露光開始から露光終了までの第3露光期間、及び前記第4ショット領域の露光開始から露光終了までの第4露光期間において、前記第2部材は、移動し続ける
請求項25〜27のいずれか一項に記載の露光装置。
光学部材の射出面から射出される露光光に対して基板を走査方向に移動しつつ、前記射出面と前記基板との間の液体を介して前記露光光で前記基板の複数のショット領域のそれぞれを順次露光する露光装置であって、
前記光学部材の周囲の少なくとも一部に配置される第1部材と、前記光学部材の周囲の一部に配置される第2部材と、を含み、前記液体の液浸空間を形成可能な液浸部材と、
前記第1部材に対して前記第2部材を移動可能な駆動装置と、
前記駆動装置を制御する制御装置と、を備え、
前記走査方向に関して第1寸法の第1、第2ショット領域が順次露光される前又は露光された後に、前記走査方向に関して前記第1寸法とは異なる第2寸法の第3、第4ショット領域が順次露光され、
前記制御装置は、前記第1ショット領域の露光終了から前記第2ショット領域の露光開始までの前記基板の第1移動期間における前記第2部材の第1動作と、前記第3ショット領域の露光終了から前記第4ショット領域の露光開始までの前記基板の第2移動期間における前記第2部材の第2動作とが異なるように、前記駆動装置を制御する露光装置。
光学部材の射出面から射出される露光光に対して基板を走査方向に移動しつつ、前記射出面と前記基板との間の液体を介して前記露光光で前記基板の複数のショット領域のそれぞれを順次露光する露光装置であって、
第1下面を有し、前記光学部材の周囲の少なくとも一部に配置される第1部材と、前記第1下面と間隙を介して対向する第2上面、及び前記基板が対向可能な第2下面を有し、前記露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される第2部材と、を含み、前記液体の液浸空間を形成可能な液浸部材と、
前記第1部材に対して前記第2部材を移動可能な駆動装置と、
前記駆動装置を制御する制御装置と、を備え、
前記走査方向に関して第1寸法の第1、第2ショット領域が順次露光される前又は露光された後に、前記走査方向に関して前記第1寸法とは異なる第2寸法の第3、第4ショット領域が順次露光され、
前記制御装置は、前記第1ショット領域の露光終了から前記第2ショット領域の露光開始までの前記基板の第1移動期間における前記第2部材の第1動作と、前記第3ショット領域の露光終了から前記第4ショット領域の露光開始までの前記基板の第2移動期間における前記第2部材の第2動作とが異なるように、前記駆動装置を制御する露光装置。
光学部材の射出面から射出される露光光に対して基板を走査方向に移動しつつ、前記射出面と前記基板との間の液体を介して前記露光光で前記基板の複数のショット領域のそれぞれを順次露光する露光装置であって、
前記光学部材の周囲の少なくとも一部に配置される第1部材と、前記光学部材の周囲の一部に配置される第2部材と、を含み、前記液体の液浸空間を形成可能な液浸部材と、
前記第1部材に対して前記第2部材を移動可能な駆動装置と、
前記駆動装置を制御する制御装置と、を備え、
前記走査方向に関してそれぞれ第1、第2寸法の第1、第2ショット領域が順次露光される前又は露光された後に、前記走査方向に関して第3寸法の第3、第4ショット領域が順次露光され、
前記制御装置は、前記第1ショット領域の露光終了から前記第2ショット領域の露光開始までの前記基板の第1移動期間における前記第2部材の第1動作と、前記第3ショット領域の露光終了から前記第4ショット領域の露光開始までの前記基板の第2移動期間における前記第2部材の第2動作とが異なるように、前記駆動装置を制御する露光装置。
光学部材の射出面から射出される露光光に対して基板を走査方向に移動しつつ、前記射出面と前記基板との間の液体を介して前記露光光で前記基板の複数のショット領域のそれぞれを順次露光する露光装置であって、
第1下面を有し、前記光学部材の周囲の少なくとも一部に配置される第1部材と、前記第1下面と間隙を介して対向する第2上面、及び前記基板が対向可能な第2下面を有し、前記露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される第2部材と、を含み、前記液体の液浸空間を形成可能な液浸部材と、
前記第1部材に対して前記第2部材を移動可能な駆動装置と、
前記駆動装置を制御する制御装置と、を備え、
前記走査方向に関してそれぞれ第1、第2寸法の第1、第2ショット領域が順次露光される前又は露光された後に、前記走査方向に関して第3寸法の第3、第4ショット領域が順次露光され、
前記制御装置は、前記第1ショット領域の露光終了から前記第2ショット領域の露光開始までの前記基板の第1移動期間における前記第2部材の第1動作と、前記第3ショット領域の露光終了から前記第4ショット領域の露光開始までの前記基板の第2移動期間における前記第2部材の第2動作とが異なるように、前記駆動装置を制御する露光装置。
前記第1移動期間において、前記基板が前記走査方向と交差する方向の一側に第1速度で移動する第1状態において、前記第2部材が前記走査方向と交差する方向の一側に第1加速度で移動され、
前記基板が前記走査方向と交差する方向の一側に前記第1速度よりも高い第2速度で移動する第2状態において、前記第2部材が前記走査方向と交差する方向の一側に前記第1加速度よりも低い第2加速度で移動される
請求項1〜47のいずれか一項に記載の露光装置。
前記第2移動期間において、前記基板が前記走査方向と交差する方向の一側に第3速度で移動する第3状態において、前記第2部材が前記走査方向と交差する方向の一側に第3加速度で移動され、
前記基板が前記走査方向と交差する方向の一側に前記第3速度よりも高い第4速度で移動する第4状態において、前記第2部材が前記走査方向と交差する方向の一側に前記第3加速度よりも低い第4加速度で移動される
請求項1〜48のいずれか一項に記載の露光装置。
光学部材の射出面から射出される露光光に対して基板を走査方向に移動しつつ、前記射出面と前記基板との間の液体を介して前記露光光で前記基板の複数のショット領域のそれぞれを順次露光する露光装置であって、
前記液体を供給する供給部を有し前記光学部材の周囲の少なくとも一部に配置される第1部材と、前記液体の少なくとも一部を回収する回収部を有し前記光学部材の周囲の一部に配置される第2部材と、を含み、前記液体の液浸空間を形成可能な液浸部材と、
前記第1部材に対して前記第2部材を移動可能な駆動装置と、
前記駆動装置を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、第1ショット領域の露光終了から第2ショット領域の露光開始までの前記基板の第1移動期間において前記第2部材が前記走査方向と交差する方向の一側に第1移動条件で移動され、前記第2ショット領域の露光開始から露光終了までの前記基板の第2露光期間において前記第2部材が前記走査方向と交差する方向の他側に前記第1移動条件とは異なる第2移動条件で移動されるように、前記駆動装置を制御する露光装置。
光学部材の射出面から射出される露光光に対して基板を走査方向に移動しつつ、前記射出面と前記基板との間の液体を介して前記露光光で前記基板の複数のショット領域のそれぞれを順次露光する露光装置であって、
前記液体を供給する供給部、及び第1下面を有し、前記光学部材の周囲の少なくとも一部に配置される第1部材と、前記液体の少なくとも一部を回収する回収部、前記第1下面と間隙を介して対向する第2上面、及び前記基板が対向可能な第2下面を有し、前記露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される第2部材と、を含み、前記液体の液浸空間を形成可能な液浸部材と、
前記第1部材に対して前記第2部材を移動可能な駆動装置と、
前記駆動装置を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、第1ショット領域の露光終了から第2ショット領域の露光開始までの前記基板の第1移動期間において前記第2部材が前記走査方向と交差する方向の一側に第1移動条件で移動され、前記第2ショット領域の露光開始から露光終了までの前記基板の第2露光期間において前記第2部材が前記走査方向と交差する方向の他側に前記第1移動条件とは異なる第2移動条件で移動されるように、前記駆動装置を制御する露光装置。
光学部材の射出面から射出される露光光に対して基板を走査方向に移動しつつ、前記射出面と前記基板との間の液体を介して前記露光光で前記基板の複数のショット領域のそれぞれを順次露光する露光装置であって、
前記液体を供給する供給部を有し前記光学部材の周囲の少なくとも一部に配置される第1部材と、前記液体の少なくとも一部を回収する回収部を有し前記光学部材の周囲の一部に配置される第2部材と、を含み、前記液体の液浸空間を形成可能な液浸部材と、
前記第1部材に対して前記第2部材を移動可能な駆動装置と、
前記駆動装置を制御する制御装置と、を備え、
前記基板において一の列に含まれる前記走査方向と交差する方向に配置される複数のショット領域のそれぞれが順次露光される前又は露光された後に、前記一の列とは異なる列のショット領域の露光が行われ、
前記制御装置は、前記駆動装置を制御して、ある列のショット領域の露光終了から、次に露光される、別の列のショット領域の露光開始までの前記基板の移動期間に前記第1部材に対して前記第2部材を移動する露光装置。
光学部材の射出面から射出される露光光に対して基板を走査方向に移動しつつ、前記射出面と前記基板との間の液体を介して前記露光光で前記基板の複数のショット領域のそれぞれを順次露光する露光装置であって、
前記液体を供給する供給部、及び第1下面を有し、前記光学部材の周囲の少なくとも一部に配置される第1部材と、前記液体の少なくとも一部を回収する回収部、前記第1下面と間隙を介して対向する第2上面、及び前記基板が対向可能な第2下面を有し、前記露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される第2部材と、を含み、前記液体の液浸空間を形成可能な液浸部材と、
前記第1部材に対して前記第2部材を移動可能な駆動装置と、
前記駆動装置を制御する制御装置と、を備え、
前記基板において一の列に含まれる前記走査方向と交差する方向に配置される複数のショット領域のそれぞれが順次露光される前又は露光された後に、前記一の列とは異なる列のショット領域の露光が行われ、
前記制御装置は、前記駆動装置を制御して、ある列のショット領域の露光終了から、次に露光される、別の列のショット領域の露光開始までの前記基板の移動期間に前記第1部材に対して前記第2部材を移動する露光装置。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
【0037】
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態に係る露光装置EXの一例を示す概略構成図である。本実施形態の露光装置EXは、液体LQを介して露光光ELで基板Pを露光する液浸露光装置である。本実施形態においては、基板Pに照射される露光光ELの光路Kが液体LQで満たされるように液浸空間LSが形成される。液浸空間LSとは、液体で満たされた部分(空間、領域)をいう。基板Pは、液浸空間LSの液体LQを介して露光光ELで露光される。本実施形態においては、液体LQとして、水(純水)を用いる。
【0038】
本実施形態の露光装置EXは、例えば米国特許第6897963号、及び欧州特許出願公開第1713113号等に開示されているような、基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置である。
【0039】
図1において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ1と、基板Pを保持して移動可能な基板ステージ2と、基板Pを保持せずに、露光光ELを計測する計測部材(計測器)Cを搭載して移動可能な計測ステージ3と、基板ステージ2及び計測ステージ3の位置を計測する計測システム4と、マスクMを露光光ELで照明する照明系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、液体LQの液浸空間LSを形成する液浸部材5と、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置6と、制御装置6に接続され、露光に関する各種の情報を記憶する記憶装置7とを備えている。
【0040】
また、露光装置EXは、投影光学系PL、及び計測システム4を含む各種の計測システムを支持する基準フレーム8Aと、基準フレーム8Aを支持する装置フレーム8Bと、基準フレーム8Aと装置フレーム8Bとの間に配置され、装置フレーム8Bから基準フレーム8Aへの振動の伝達を抑制する防振装置10とを備えている。防振装置10は、ばね装置などを含む。本実施形態において、防振装置10は、気体ばね(例えばエアマウント)を含む。なお、基板Pのアライメントマークを検出する検出システム及び基板Pなどの物体の表面の位置を検出する検出システムの一方又は両方が基準フレーム8Aに支持されてもよい。
【0041】
また、露光装置EXは、露光光ELが進行する空間CSの環境(温度、湿度、圧力、及びクリーン度の少なくとも一つ)を調整するチャンバ装置9を備えている。空間CSには、少なくとも投影光学系PL、液浸部材5、基板ステージ2、及び計測ステージ3が配置される。本実施形態においては、マスクステージ1、及び照明系ILの少なくとも一部も空間CSに配置される。
【0042】
マスクMは、基板Pに投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。マスクMは、例えばガラス板等の透明板と、その透明板上にクロム等の遮光材料を用いて形成されたパターンとを有する透過型マスクを含む。なお、マスクMとして、反射型マスクを用いることもできる。
【0043】
基板Pは、デバイスを製造するための基板である。基板Pは、例えば半導体ウエハ等の基材と、その基材上に形成された感光膜とを含む。感光膜は、感光材(フォトレジスト)の膜である。また、基板Pが、感光膜に加えて別の膜を含んでもよい。例えば、基板Pが、反射防止膜を含んでもよいし、感光膜を保護する保護膜(トップコート膜)を含んでもよい。
【0044】
照明系ILは、照明領域IRに露光光ELを照射する。照明領域IRは、照明系ILから射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。照明系ILは、照明領域IRに配置されたマスクMの少なくとも一部を均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明系ILから射出される露光光ELとして、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、及びF
2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)等が用いられる。本実施形態においては、露光光ELとして、紫外光(真空紫外光)であるArFエキシマレーザ光を用いる。
【0045】
マスクステージ1は、マスクMを保持した状態で移動可能である。マスクステージ1は、例えば米国特許第6452292号に開示されているような平面モータを含む駆動システム11の作動により移動する。本実施形態において、マスクステージ1は、駆動システム11の作動により、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。なお、駆動システム11は、平面モータを含まなくてもよい。駆動システム11は、リニアモータを含んでもよい。
【0046】
投影光学系PLは、投影領域PRに露光光ELを照射する。投影領域PRは、投影光学系PLから射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。投影光学系PLは、投影領域PRに配置された基板Pの少なくとも一部に、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で投影する。本実施形態において、投影光学系PLは、縮小系である。投影光学系PLの投影倍率は、1/4である。なお、投影光学系PLの投影倍率は、1/5、又は1/8等でもよい。なお、投影光学系PLは、等倍系及び拡大系のいずれでもよい。本実施形態において、投影光学系PLの光軸は、Z軸と平行である。投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれでもよい。投影光学系PLは、倒立像及び正立像のいずれを形成してもよい。
【0047】
投影光学系PLは、露光光ELが射出される射出面12を有する終端光学素子13を含む。終端光学素子13は、投影光学系PLの一部を構成する光学部材である。射出面12は、投影光学系PLの像面に向けて露光光ELを射出する。終端光学素子13は、投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い光学素子である。投影領域PRは、射出面12から射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。本実施形態において、射出面12は、−Z軸方向を向いている。射出面12から射出される露光光ELは、−Z軸方向に進行する。射出面12は、XY平面と平行である。なお、−Z軸方向を向いている射出面12は、凸面でもよいし、凹面でもよい。なお、射出面12は、XY平面に対して傾斜してもよいし、曲面を含んでもよい。本実施形態において、終端光学素子13の光軸は、Z軸と平行である。
【0048】
終端光学素子13の光軸と平行な方向に関して、射出面12側が−Z側であり、入射面側が+Z側である。投影光学系PLの光軸と平行な方向に関して、投影光学系PLの像面側が−Z側であり、投影光学系PLの物体面側が+Z側である。
【0049】
基板ステージ2は、基板Pを保持した状態で、射出面12からの露光光ELが照射可能な位置(投影領域PR)を含むXY平面内を移動可能である。計測ステージ3は、計測部材(計測器)Cを搭載した状態で、射出面12からの露光光ELが照射可能な位置(投影領域PR)を含むXY平面内を移動可能である。基板ステージ2及び計測ステージ3のそれぞれは、ベース部材14のガイド面14G上を移動可能である。ガイド面14GとXY平面とは実質的に平行である。
【0050】
基板ステージ2は、例えば米国特許出願公開第2007/0177125号、米国特許出願公開第2008/0049209号等に開示されているような、基板Pをリリース可能に保持する第1保持部と、第1保持部の周囲に配置され、カバー部材Tをリリース可能に保持する第2保持部とを有する。第1保持部は、基板Pの表面(上面)とXY平面とが実質的に平行となるように、基板Pを保持する。第1保持部に保持された基板Pの上面と、第2保持部に保持されたカバー部材Tの上面とは、実質的に同一平面内に配置される。
Z軸方向に関して、射出面12と第1保持部に保持された基板Pの上面との距離は、射出面12と第2保持部に保持されたカバー部材Tの上面との距離と実質的に等しい。なお、Z軸方向に関して、射出面12と基板Pの上面との距離が射出面12とカバー部材Tの上面との距離と実質的に等しいとは、射出面12と基板Pの上面との距離と射出面12とカバー部材Tの上面との距離との差が、基板Pの露光時における射出面12と基板Pの上面との距離(所謂、ワーキングディスタンス)の例えば10%以内であることを含む。なお、第1保持部に保持された基板Pの上面と、第2保持部に保持されたカバー部材Tの上面とは、同一平面内に配置されなくてもよい。例えば、Z軸方向に関して、基板Pの上面との位置とカバー部材Tの上面の位置とが異なってもよい。例えば、基板Pの上面とカバー部材Tの上面との間に段差があってよい。なお、基板Pの上面に対してカバー部材Tの上面が傾斜してもよいし、カバー部材Tの上面が曲面を含んでもよい。
【0051】
基板ステージ2及び計測ステージ3は、例えば米国特許第6452292号に開示されているような平面モータを含む駆動システム15の作動により移動する。駆動システム15は、基板ステージ2に配置された可動子2Cと、計測ステージ3に配置された可動子3Cと、ベース部材14に配置された固定子14Mとを有する。基板ステージ2及び計測ステージ3のそれぞれは、駆動システム15の作動により、ガイド面14G上において、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。なお、駆動システム15は、平面モータを含まなくてもよい。駆動システム15は、リニアモータを含んでもよい。
【0052】
計測システム4は、干渉計システムを含む。干渉計システムは、基板ステージ2の計測ミラー及び計測ステージ3の計測ミラーに計測光を照射して、その基板ステージ2及び計測ステージ3の位置を計測するユニットを含む。なお、計測システムが、例えば米国特許出願公開第2007/0288121号に開示されているようなエンコーダシステムを含んでもよい。なお、計測システム4が、干渉計システム及びエンコーダシステムのいずれか一方のみを含んでもよい。
【0053】
基板Pの露光処理を実行するとき、あるいは所定の計測処理を実行するとき、制御装置6は、計測システム4の計測結果に基づいて、基板ステージ2(基板P)、及び計測ステージ3(計測部材C)の位置制御を実行する。
【0054】
次に、本実施形態に係る液浸部材5について説明する。なお、液浸部材を、ノズル部材、と称してもよい。
図2は、XZ平面と平行な液浸部材5の断面図である。
図3は、
図2の一部を拡大した図である。
図4は、液浸部材5の動作の一例を示す図である。
図5は、液浸部材5を下側(−Z側)から見た図である。
図6及び
図7は、液浸部材5の分解斜視図である。
【0055】
液浸部材5は、終端光学素子13の下方で移動可能な物体上に液体LQの液浸空間LSを形成する。
【0056】
終端光学素子13の下方で移動可能な物体は、射出面12と対向する位置を含むXY平面内を移動可能である。その物体は、射出面12と対向可能であり、投影領域PRに配置可能である。その物体は、液浸部材5の下方で移動可能であり、液浸部材5と対向可能である。本実施形態において、その物体は、基板ステージ2の少なくとも一部(例えば基板ステージ2のカバー部材T)、基板ステージ2(第1保持部)に保持された基板P、及び計測ステージ3の少なくとも一つを含む。基板Pの露光において、終端光学素子13の射出面12と基板Pとの間の露光光ELの光路Kが液体LQで満たされるように液浸空間LSが形成される。基板Pに露光光ELが照射されているとき、投影領域PRを含む基板Pの表面の一部の領域だけが液体LQで覆われるように液浸空間LSが形成される。
【0057】
以下の説明においては、物体が基板Pであることとする。なお、上述のように、物体は、基板ステージ2及び計測ステージ3の少なくとも一方でもよいし、基板P、基板ステージ2、及び計測ステージ3とは別の物体でもよい。
【0058】
液浸空間LSは、2つの物体を跨ぐように形成される場合がある。例えば、液浸空間LSは、基板ステージ2のカバー部材Tと基板Pとを跨ぐように形成される場合がある。液浸空間LSは、基板ステージ2と計測ステージ3とを跨ぐように形成される場合がある。
【0059】
液浸空間LSは、終端光学素子13の射出面12から射出される露光光ELの光路Kが液体LQで満たされるように形成される。液浸空間LSの少なくとも一部は、終端光学素子13と基板P(物体)との間の空間に形成される。液浸空間LSの少なくとも一部は、液浸部材5と基板P(物体)との間の空間に形成される。
【0060】
液浸部材5は、終端光学素子13の周囲の少なくとも一部に配置される第1部材21と、第1部材21の下方において光路Kの周囲の少なくとも一部に配置される第2部材22とを備えている。第2部材22は、第1部材21に対して可動である。
【0061】
第1部材21は、第2部材22よりも基板P(物体)から離れた位置に配置される。第2部材22の少なくとも一部は、第1部材21と基板P(物体)との間に配置される。第2部材22の少なくとも一部は、終端光学素子13と基板P(物体)との間に配置される。なお、第2部材22は、終端光学素子13と基板P(物体)との間に配置されなくてもよい。
【0062】
第1部材21は、−Z軸方向を向く下面23と、下面23の周囲の少なくとも一部に配置され、液体LQを回収可能な液体回収部24とを有する。なお、液体回収部24を、流体(液体LQ及び気体の一方又は両方)を回収可能な流体回収部と呼んでもよい。第2部材22は、+Z軸方向を向く上面25と、−Z軸方向を向く下面26と、下面26の周囲の少なくとも一部に配置された流体回収部27とを有する。液体回収部24は、液浸空間LSの液体LQの少なくとも一部を回収する。流体回収部27は、液浸空間LSの液体LQの少なくとも一部を回収する。なお、下面23を第1下面と呼んでもよい。また、上面25を第2上面と呼んでもよい。また、下面26を第2下面と呼んでもよい。
【0063】
第1部材21は、終端光学素子13の側面13Fと対向する内側面28と、光路K(終端光学素子13の光軸)に対して外側を向く外側面29とを有する。第2部材22は、外側面29と間隙を介して対向する内側面30を有する。なお、第1部材21の内側面28を対向面と呼んでもよい。
【0064】
第1部材21の内側面28は、終端光学素子13の側面13Fと間隙を介して対向する。
【0065】
第2部材22は、下面23に対向可能である。第2部材22は、液体回収部24に対向可能である。第2部材22の上面25の少なくとも一部は、下面23と間隙を介して対向する。上面25の少なくとも一部は、射出面12と間隙を介して対向する。なお、上面25が射出面12と対向しなくてもよい。
【0066】
基板P(物体)は、下面26に対向可能である。基板P(物体)は、流体回収部27の少なくとも一部に対向可能である。基板Pの上面の少なくとも一部は、下面26と間隙を介して対向する。基板Pの上面の少なくとも一部は、射出面12と間隙を介して対向する。
【0067】
Z軸方向において、基板P(物体)の上面と射出面12との間隙の寸法は、基板Pの上面と下面26との間隙の寸法よりも大きい。なお、基板P(物体)の上面と射出面12との間隙の寸法が、基板Pの上面と下面26との間隙の寸法と実質的に等しくてもよい。なお、基板P(物体)の上面と射出面12との間隙の寸法が、基板Pの上面と下面26との間隙の寸法よりも小さくてもよい。
【0068】
下面23と上面25との間に第1空間SP1が形成される。下面26と基板P(物体)の上面との間に第2空間SP2が形成される。側面13Fと内側面28との間に第3空間SP3が形成される。
【0069】
上面25は、液体LQに対して撥液性である。本実施形態において、上面25は、フッ素を含む樹脂の膜の表面を含む。上面25は、PFA(Tetra fluoro ethylene-perfluoro alkylvinyl ether copolymer)の膜の表面を含む。なお、上面25が、PTFE(Poly tetra fluoro ethylene)の膜の表面を含んでもよい。液体LQに対する上面25の接触角は、90度よりも大きい。なお、液体LQに対する上面25の接触角が、100度よりも大きくてもよいし、110度よりも大きくてもよいし、120度よりも大きくてもよい。
【0070】
上面25が液体LQに対して撥液性であるため、第1空間SP1の液体LQに気体部分が生成されたり、液体LQに気泡が混入したりすることが抑制される。
【0071】
なお、液体LQに対する上面25の接触角が、液体LQに対する基板Pの上面の接触角よりも大きくてもよい。なお、液体LQに対する上面25の接触角が、液体LQに対する基板Pの上面の接触角よりも小さくてもよい。なお、液体LQに対する上面25の接触角が、液体LQに対する基板Pの上面の接触角と実質的に等しくてもよい。
【0072】
なお、上面25が液体LQに対して親液性でもよい。液体LQに対する上面25の接触角が、90度よりも小さくてもよいし、80度よりも小さくてもよいし、70度よりも小さくてもよい。これにより、第1空間SP1において液体LQが円滑に流れる。
【0073】
なお、下面23が液体LQに対して撥液性でもよい。例えば、下面23及び上面25の両方が液体LQに対して撥液性でもよい。液体LQに対する下面23の接触角は、90度よりも大きくてもよいし、100度よりも大きくてもよいし、110度よりも大きくてもよいし、120度よりも大きくてもよい。
【0074】
なお、下面23が液体LQに対して撥液性で、上面25が液体LQに対して親液性でもよい。液体LQに対する下面23の接触角が、液体LQに対する上面25の接触角よりも大きくてもよい。
【0075】
なお、下面23が液体LQに対して親液性でもよい。例えば、下面23及び上面25の両方が液体LQに対して親液性でもよい。液体LQに対する下面23の接触角は、90度よりも小さくてもよいし、80度よりも小さくてもよいし、70度よりも小さくてもよい。
【0076】
なお、下面23が液体LQに対して親液性で、上面25が液体LQに対して撥液性でもよい。液体LQに対する下面23の接触角が、液体LQに対する上面25の接触角よりも小さくてもよい。
【0077】
本実施形態において、下面26は、液体LQに対して親液性である。液体LQに対する下面26の接触角が、90度よりも小さくてもよいし、80度よりも小さくてもよいし、70度よりも小さくてもよい。本実施形態において、液体LQに対する下面26の接触角は、液体LQに対する基板Pの上面の接触角よりも小さい。なお、液体LQに対する下面26の接触角は、液体LQに対する基板Pの上面の接触角よりも大きくてもよいし、実質的に等しくてもよい。
【0078】
終端光学素子13の側面13Fは、射出面12の周囲に配置される。側面13Fは、露光光ELを射出しない非射出面である。露光光ELは、射出面12を通過し、側面13Fを通過しない。
【0079】
第1部材21の下面23は、液体LQを回収しない。下面23は、非回収部であり、液体LQを回収不可能である。第1部材21の下面23は、第2部材22との間で液体LQを保持可能である。
【0080】
第2部材22の上面25は、液体LQを回収しない。上面25は、非回収部であり、液体LQを回収不可能である。第2部材22の上面25は、第1部材21との間で液体LQを保持可能である。
【0081】
第2部材22の下面26は、液体LQを回収しない。下面26は、非回収部であり、液体LQを回収不可能である。第2部材22の下面26は、基板P(物体)との間で液体LQを保持可能である。
【0082】
内側面28、外側面29、及び内側面30は、液体LQを回収しない。内側面28、外側面29、及び内側面30は、非回収部であり、液体LQを回収不可能である。
【0083】
本実施形態において、下面23は、XY平面と実質的に平行である。上面25も、XY平面と実質的に平行である。下面26も、XY平面と実質的に平行である。すなわち、下面23と上面25とは、実質的に平行である。上面25と下面26とは、実質的に平行である。
【0084】
なお、下面23が、XY平面に対して非平行でもよい。下面23は、XY平面に対して傾斜してもよいし、曲面を含んでもよい。
【0085】
なお、上面25が、XY平面に対して非平行でもよい。上面25は、XY平面に対して傾斜してもよいし、曲面を含んでもよい。
【0086】
なお、下面26が、XY平面に対して非平行でもよい。下面26は、XY平面に対して傾斜してもよいし、曲面を含んでもよい。
【0087】
なお、下面23と上面25とは、平行でもよいし、非平行でもよい。上面25と下面26とは、平行でもよいし、非平行でもよい。下面23と下面26とは、平行でもよいし、非平行でもよい。
【0088】
第1部材21は、射出面12から射出された露光光ELが通過可能な開口34を有する。第2部材22は、射出面12から射出された露光光ELが通過可能な開口35を有する。なお、開口34を第1開口、開口35を第2開口と呼んでもよい。開口34の内側に終端光学素子13の少なくとも一部が配置される。開口34の下端の周囲に下面23が配置される。開口35の上端の周囲に上面25が配置される。開口35の下端の周囲に下面26が配置される。
【0089】
本実施形態において、第2部材22の内面35Uの少なくとも一部は、光路Kに対する放射方向に関して外側に向かって上方に傾斜する。第2部材22の内面35Uの少なくとも一部は、光路Kに面する開口35を規定する。これにより、第2部材22の内面35Uが液浸空間LSに配置されている状態で、第2部材22は円滑に移動可能である。また、第2部材22の内面35Uが液浸空間LSに配置されている状態で第2部材22が移動しても、液浸空間LSの液体LQの圧力が変動することが抑制される。
【0090】
XY平面内における開口34の寸法は、開口35の寸法よりも大きい。X軸方向に関して、開口34の寸法は、開口35の寸法よりも大きい。Y軸方向に関して、開口34の寸法は、開口35の寸法よりも大きい。本実施形態において、射出面12の直下に第1部材21は配置されない。第1部材21の開口34は、射出面12の周囲に配置される。開口34は、射出面12より大きい。終端光学素子13の側面13Fと第1部材21との間に形成された間隙の下端は、第2部材22の上面25に面する。第2部材22の開口35は、射出面12と対向するように配置される。本実施形態において、XY平面内における開口35の形状は、長方形状である。開口35は、X軸方向に長い。なお、開口35の形状は、X軸方向に長い楕円形でもよいし、X軸方向に長い多角形でもよい。
【0091】
なお、開口34の寸法が開口35の寸法よりも小さくてもよい。なお、開口34の寸法が開口35の寸法と実質的に等しくてもよい。
【0092】
第1部材21は、終端光学素子13の周囲に配置される。第1部材21は、環状の部材である。第1部材21は、終端光学素子13に接触しないように配置される。第1部材21と終端光学素子13との間に間隙が形成される。第1部材21は、射出面12と対向しない。なお、第1部材21の一部が、射出面12と対向してもよい。すなわち、第1部材21の一部が、射出面12と基板P(物体)の上面との間に配置されてもよい。なお、第1部材21は環状でなくてもよい。例えば、第1部材21は、終端光学素子13(光路K)の周囲の一部に配置されてもよい。例えば、第1部材21は、終端光学素子13(光路K)の周囲において複数配置されてもよい。
【0093】
第2部材22は、光路Kの周囲に配置される。第2部材22は、環状の部材である。第2部材22は、第1部材21に接触しないように配置される。第2部材22と第1部材21との間に間隙が形成される。
【0094】
第1部材21は、支持部材21Sを介して装置フレーム8Bに支持される。なお、第1部材21が支持部材を介して基準フレーム8Aに支持されてもよい。
【0095】
第2部材22は、支持部材22Sを介して装置フレーム8Bに支持される。支持部材22Sは、光路Kに対して第1部材21の外側で第2部材22に接続される。なお、第1部材21が支持部材を介して基準フレーム8Aに支持されていてもよい。
【0096】
第2部材22は、第1部材21に対して移動可能である。第2部材22は、終端光学素子13に対して移動可能である。第2部材22と第1部材21との相対位置は、変化する。第2部材22と終端光学素子13との相対位置は、変化する。
【0097】
第2部材22は、終端光学素子13の光軸と垂直なXY平面内を移動可能である。第2部材22は、XY平面と実質的に平行に移動可能である。
図4に示すように、本実施形態において、第2部材22は、少なくともX軸方向に移動可能である。なお、第2部材22が、X軸方向に加えて、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの少なくとも一つの方向に移動可能でもよい。
【0098】
本実施形態において、終端光学素子13は、実質的に移動しない。第1部材21も、実質的に移動しない。
【0099】
第2部材22は、第1部材21の少なくとも一部の下方で移動可能である。第2部材22は、第1部材21と基板P(物体)との間において移動可能である。
【0100】
第2部材22がXY平面内において移動することにより、第1部材21の外側面29と第2部材22の内側面30との間隙の寸法が変化する。換言すれば、第2部材22がXY平面内において移動することによって、外側面29と内側面30との間の空間の大きさが変化する。例えば、
図4に示す例では、第2部材22が−X軸方向に移動することにより、終端光学素子13に対して+X側における外側面29と内側面30との間隙の寸法が小さくなる(外側面29と内側面30との間の空間が小さくなる)。第2部材22が+X軸方向に移動することにより、終端光学素子13に対して+X側における外側面29と内側面30との間隙の寸法が大きくなる(外側面29と内側面30との間の空間が大きくなる)。
本実施形態においては、第1部材21(外側面29)と第2部材22(内側面30)とが接触しないように、第2部材22の移動可能範囲(可動範囲)が定められる。
【0101】
本実施形態において、第2部材22は、駆動装置32によって移動する。駆動装置32は、第1部材21に対して第2部材22を移動可能である。駆動装置32は、制御装置6に制御される。
【0102】
本実施形態において、駆動装置32は、支持部材22Sを移動する。支持部材22Sが駆動装置32により移動されることにより、第2部材22が移動する。駆動装置32は、例えばモータを含み、ローレンツ力を使って第2部材22を移動する。
【0103】
駆動装置32は、支持部材32Sを介して、装置フレーム8Bに支持される。第2部材22は、支持部材22S、駆動装置32、及び支持部材32Sを介して、装置フレーム8Bに支持される。第2部材22の移動により振動が発生しても、防振装置10によって、その振動が基準フレーム8Aに伝達されることが抑制される。
【0104】
第2部材22は、射出面12から露光光ELが射出される期間の少なくとも一部と並行して移動されてもよい。第2部材22は、液浸空間LSが形成されている状態で射出面12から露光光ELが射出される期間の少なくとも一部と並行して移動されてもよい。
【0105】
第2部材22は、基板P(物体)が移動する期間の少なくとも一部と並行して移動されてもよい。第2部材22は、液浸空間LSが形成されている状態で基板P(物体)が移動する期間の少なくとも一部と並行して移動されてもよい。
【0106】
第2部材22は、基板P(物体)の移動方向に移動されてもよい。例えば、基板Pが移動される期間の少なくとも一部において、第2部材22は、基板Pの移動方向に移動されてもよい。例えば、基板PがXY平面内における一方向(例えば+X軸方向)に移動されるとき、第2部材22は、その基板Pの移動と同期して、XY平面内における一方向(+X軸方向)に移動されてもよい。
【0107】
液浸部材5は、液浸空間LSを形成するための液体LQを供給する液体供給部31を有する。液体供給部31は、第1部材21に配置される。
【0108】
なお、液体供給部31は、第1部材21及び第2部材22の両方に配置されてもよい。
なお、液体供給部31は、第1部材21に配置され、第2部材22に配置されなくてもよい。なお、液体供給部31は、第2部材22に配置され、第1部材21に配置されなくてもよい。なお、液体供給部31は、第1部材21及び第2部材22とは異なる部材に配置されてもよい。
【0109】
液体供給部31は、光路K(終端光学素子13の光軸)に対する放射方向に関して液体回収部24及び流体回収部27の内側に配置される。本実施形態において、液体供給部31は、第1部材21の内側面28に配置される開口(液体供給口)を含む。液体供給部31は、側面13Fに対向するように配置される。液体供給部31は、側面13Fと内側面28との間の第3空間SP3に液体LQを供給する。本実施形態において、液体供給部31は、光路K(終端光学素子13)に対して+X側及び−X側のそれぞれに配置される。
なお、液体供給部31は、光路K(終端光学素子13)に対してY軸方向に配置されてもよいし、X軸方向及びY軸方向を含む光路K(終端光学素子13)の周囲に複数配置されてもよい。液体供給部31は、一つでもよい。なお、液体供給部31のかわりに、あるいは液体供給部31に加えて、液体LQを供給可能な液体供給部が下面23に設けられてもよい。
【0110】
本実施形態において、液体供給部(液体供給口)31は、第1部材21の内部に形成された供給流路31Rを介して、液体供給装置31Sと接続される。液体供給装置31Sは、クリーンで温度調整された液体LQを液体供給部31に供給可能である。液体供給部31は、液浸空間LSを形成するために、液体供給装置31Sからの液体LQを供給する。
【0111】
下面23の内側のエッジと上面25との間に、開口40が形成される。射出面12と基板P(物体)との間の光路Kを含む光路空間SPKと、下面23と上面25との間の第1空間SP1とは、開口40を介して結ばれる。光路空間SPKは、射出面12と基板P(物体)との間の空間、及び射出面12と上面25との間の空間を含む。開口40は、光路Kに面するように配置される。側面13Fと内側面28との間の第3空間SP3と、第1空間SP1とは、開口40を介して結ばれる。
【0112】
液体供給部31からの液体LQの少なくとも一部は、開口40を介して、下面23と上面25との間の第1空間SP1に供給される。液浸空間LSを形成するために液体供給部31から供給された液体LQの少なくとも一部は、開口34及び開口35を介して、射出面12と対向する基板P(物体)上に供給される。これにより、光路Kが液体LQで満たされる。液体供給部31からの液体LQの少なくとも一部は、下面26と基板P(物体)の上面との間の第2空間SP2に供給される。
【0113】
Z軸方向に関して、第1空間SP1の寸法は、第2空間SP2の寸法よりも小さい。なお、Z軸方向に関して、第1空間SP1の寸法が、第2空間SP2の寸法と実質的に等しくてもよいし、第2空間SP2の寸法よりも大きくてもよい。
【0114】
液体回収部24は、光路K(終端光学素子13の光軸)に対して下面23の外側に配置される。液体回収部24は、下面23の周囲に配置される。液体回収部24は、露光光ELの光路Kの周囲に配置される。なお、液体回収部24は、下面23の周囲の一部に配置されてもよい。例えば、液体回収部24は、下面23の周囲において複数配置されてもよい。液体回収部24は、第1空間SP1に面するように配置される。液体回収部24は、第1空間SP1の液体LQの少なくとも一部を回収する。
【0115】
流体回収部27は、光路K(終端光学素子13の光軸)に対して下面26の外側に配置される。流体回収部27は、下面26の周囲に配置される。流体回収部27は、露光光ELの光路Kの周囲に配置される。なお、流体回収部27は、下面26の周囲の一部に配置されてもよい。例えば、流体回収部27は、下面26の周囲において複数配置されてもよい。流体回収部27は、第2空間SP2に面するように配置される。流体回収部27は、第2空間SP2の液体LQの少なくとも一部を回収する。
【0116】
流体回収部27は、光路K(終端光学素子13の光軸)に対して第1部材21の外側に配置される。流体回収部27は、光路K(終端光学素子13の光軸)に対して第1空間SP1の外側に配置される。
【0117】
本実施形態においては、上面25側の第1空間SP1及び下面26側の第2空間SP2の一方から他方への液体LQの移動が抑制されている。第1空間SP1と第2空間SP2とは、第2部材22によって仕切られている。第1空間SP1の液体LQは、開口35を介して第2空間SP2に移動できる。第1空間SP1の液体LQは、開口35を介さずに第2空間SP2に移動できない。光路Kに対して開口35よりも外側の第1空間SP1に存在する液体LQは、第2空間SP2に移動できない。第2空間SP2の液体LQは、開口35を介して第1空間SP1に移動できる。第2空間SP2の液体LQは、開口35を介さずに第1空間SP1に移動できない。光路Kに対して開口35よりも外側の第2空間SP2に存在する液体LQは、第1空間SP1に移動できない。すなわち、本実施形態において、液浸部材5は、開口35以外に、第1空間SP1と第2空間SP2とを流体的に接続する流路を有しない。
【0118】
本実施形態において、流体回収部27は、第2空間SP2の液体LQの少なくとも一部を回収し、第1空間SP1の液体LQを回収しない。液体回収部24は、第1空間SP1の液体LQの少なくとも一部を回収し、第2空間SP2の液体LQを回収しない。なお、液体回収部24の下に、第2部材22の上面25が存在しない場合に、物体(基板P)上の液体LQを液体回収部24で回収してもよい。
【0119】
また、光路Kに対して第1空間SP1の外側(外側面29の外側)に移動した液体LQは、内側面30によって、基板P上(第2空間SP2)に移動することが抑制される。
【0120】
液体回収部24は、第1部材21の下面23の周囲の少なくとも一部に配置される開口(流体回収口)を含む。液体回収部24は、上面25に対向するように配置される。液体回収部24は、第1部材21の内部に形成された回収流路(空間)24Rを介して、液体回収装置24Cと接続される。液体回収装置24Cは、液体回収部24と真空システム(不図示)とを接続可能である。液体回収部24は、第1空間SP1の液体LQの少なくとも一部を回収可能である。第1空間SP1の液体LQの少なくとも一部は、液体回収部24を介して回収流路24Rに流入可能である。なお、終端光学素子13の側面13Fと第1部材21の内側面との間の第3空間SP3から、第1部材21の上面を経て、第1部材21の外側面29と第2部材22の内側面30との間の空間を介して、第2部材22の上面25上に流れた液体LQを、液体回収部24で回収してもよい。すなわち、液体回収部24を、開口40を介さずに空間SP3から第2部材22の上面25上に流れた液体LQを回収する回収部として使ってもよい。もちろん、空間SP3からの液体LQを回収する回収部を、第1部材21の上面に設けてもよいし、第2部材22の上面25と内側面30の少なくとも一方に設けてもよい。
【0121】
本実施形態において、液体回収部24は、多孔部材36を含み、流体回収口は、多孔部材36の孔を含む。本実施形態において、多孔部材36は、メッシュプレートを含む。多孔部材36は、上面25が対向可能な下面と、回収流路24Rに面する上面と、下面と上面とを結ぶ複数の孔とを有する。液体回収部24は、多孔部材36の孔を介して液体LQを回収する。液体回収部24(多孔部材36の孔)から回収された第1空間SP1の液体LQは、回収流路24Rに流入し、その回収流路24Rを流れて、液体回収装置24Cに回収される。
【0122】
本実施形態においては、液体回収部24を介して実質的に液体LQのみが回収され、気体の回収が制限されている。制御装置6は、第1空間SP1の液体LQが多孔部材36の孔を通過して回収流路24Rに流入し、気体は通過しないように、多孔部材36の下面側の圧力(第1空間SP1の圧力)と上面側の圧力(回収流路24Rの圧力)との差を調整する。なお、多孔部材を介して液体のみを回収する技術の一例が、例えば米国特許第7292313号などに開示されている。
【0123】
なお、多孔部材36を介して液体LQ及び気体の両方が回収(吸引)されてもよい。すなわち、液体回収部24が、液体LQを気体とともに回収してもよい。また、液体回収24の下に液体LQが存在しないときに、液体回収部24から気体だけを回収してもよい。なお、第1部材21に多孔部材36が設けられなくてもよい。すなわち、多孔部材を介さずに第1空間SP1の流体(液体LQ及び気体の一方又は両方)が回収されてもよい。
【0124】
本実施形態において、液体回収部24の下面は、多孔部材36の下面を含む。液体回収部24の下面は、下面23の周囲に配置される。本実施形態において、液体回収部24の下面は、XY平面と実質的に平行である。本実施形態において、液体回収部24の下面と下面23とは、同一平面内に配置される(面一である)。
【0125】
なお、液体回収部24の下面が下面23よりも+Z側に配置されてもよいし、−Z側に配置されてもよい。なお、液体回収部24の下面が下面23に対して傾斜してもよいし、曲面を含んでもよい。
【0126】
なお、第1空間SP1の流体(液体LQ及び気体の一方又は両方)を回収するための液体回収部24が、第1空間SP1に面するように第2部材22に配置されてもよい。液体回収部24は、第1部材21及び第2部材22の両方に配置されてもよい。液体回収部24は、第1部材21に配置され、第2部材22に配置されなくてもよい。液体回収部24は、第2部材22に配置され、第1部材21に配置されなくてもよい。
【0127】
流体回収部27は、第2部材22の下面26の周囲の少なくとも一部に配置される開口(流体回収口)を含む。流体回収部27は、基板P(物体)の上面に対向するように配置される。流体回収部27は、第2部材22の内部に形成された回収流路(空間)27Rを介して、液体回収装置27Cと接続される。液体回収装置27Cは、流体回収部27と真空システム(不図示)とを接続可能である。流体回収部27は、第2空間SP2の液体LQの少なくとも一部を回収可能である。第2空間SP2の液体LQの少なくとも一部は、流体回収部27を介して回収流路27Rに流入可能である。
【0128】
本実施形態において、流体回収部27は、多孔部材37を含み、流体回収口は、多孔部材37の孔を含む。本実施形態において、多孔部材37は、メッシュプレートを含む。多孔部材37は、基板P(物体)の上面が対向可能な下面と、回収流路27Rに面する上面と、下面と上面とを結ぶ複数の孔とを有する。液体回収部27は、多孔部材37の孔を介して流体(液体LQ及び気体の一方又は両方)を回収する。流体回収部27(多孔部材37の孔)から回収された第2空間SP2の液体LQは、回収流路27Rに流入し、その回収流路27Rを流れて、液体回収装置27Cに回収される。
【0129】
回収流路27Rは、光路K(終端光学素子13の光軸)に対して内側面30の外側に配置される。回収流路27Rは、液体回収部27の上方に配置される。第2部材22が移動することにより、第2部材22の流体回収部27及び回収流路27Rが、第1部材21の外側面29の外側で移動する。
【0130】
流体回収部27を介して液体LQとともに気体が回収される。なお、多孔部材37を介して液体LQのみが回収され、多孔部材37を介した気体の回収が制限されてもよい。なお、第2部材22に多孔部材37が設けられなくてもよい。すなわち、多孔部材を介さずに第2空間SP2の流体(液体LQ及び気体の一方又は両方)が回収されてもよい。
【0131】
本実施形態において、流体回収部27の下面は、多孔部材37の下面を含む。流体回収部27の下面は、下面26の周囲に配置される。本実施形態において、流体回収部27の下面は、XY平面と実質的に平行である。本実施形態において、流体回収部27の下面は、下面26よりも+Z側に配置される。
【0132】
なお、流体回収部27の下面と下面26とが同一平面内に配置されてもよい(面一でもよい)。流体回収部27の下面が下面26よりも−Z側に配置されてもよい。なお、流体回収部27の下面が下面26に対して傾斜してもよいし、曲面を含んでもよい。例えば、流体回収部27(多孔部材37)の下面が、光路Kに対する放射方向に関して外側に向かって上方に傾斜していてもよい。また、流体回収部27(多孔部材37)の下面が、開口35の周囲の全周に渡って、高さ(Z軸方向の位置)が同じでなくてもよい。例えば、開口35のY軸方向両側に位置する流体回収部27(多孔部材37)の下面の一部が、開口35のX軸方向両側に位置する流体回収部27(多孔部材37)の下面の一部より低くてもよい。例えば、第2部材22の流体回収部27(多孔部材37)の下面が基板Pの表面と対向しているときに、露光光の光路Kに対してY軸方向の一側に形成される、流体回収部27(多孔部材37)の下面と基板Pの表面とのギャップの寸法(Z軸方向の距離)が、露光光の光路Kに対してX軸方向の一側に形成される、流体回収部27(多孔部材37)の下面と基板Pの表面とのギャップの寸法(Z軸方向の距離)より小さくなるように、流体回収部27(多孔部材37)の下面の形状を決めてもよい。
【0133】
本実施形態においては、液体供給部31からの液体LQの供給動作と並行して、流体回収部27からの液体LQの回収動作が実行されることによって、一方側の終端光学素子13及び液浸部材5と、他方側の基板P(物体)との間に液体LQで液浸空間LSが形成される。
【0134】
また、本実施形態においては、液体供給部31からの液体LQの供給動作、及び流体回収部27からの流体の回収動作と並行して、液体回収部24からの流体の回収動作が実行される。
【0135】
本実施形態において、液浸空間LSの液体LQの界面LGの一部は、第2部材22と基板P(物体)との間に形成される。
【0136】
本実施形態において、液浸空間LSの液体LQの界面LGの一部は、第1部材21と第2部材22との間に形成される。
【0137】
本実施形態において、液浸空間LSの液体LQの界面LGの一部は、終端光学素子13と第1部材21との間に形成される。
【0138】
以下の説明において、第1部材21と第2部材22との間に形成される液体LQの界面LGを適宜、第1界面LG1、と称する。第2部材22と基板P(物体)との間に形成される界面LGを適宜、第2界面LG2、と称する。終端光学素子13と第1部材21との間に形成される界面LGを適宜、第3界面LG3、と称する。
【0139】
本実施形態において、第1界面LG1は、液体回収部24の下面と上面25との間に形成される。第2界面LG2は、液体回収部27の下面と基板P(物体)の上面との間に形成される。
【0140】
本実施形態においては、第1界面LG1が液体回収部24の下面と上面25との間に形成され、第1空間SP1の液体LQが液体回収部24の外側の空間(例えば外側面29と内側面30との間の空間)に移動することが抑制されている。外側面29と内側面30との間の空間には液体LQが存在しない。外側面29と内側面30との間の空間は気体空間である。
【0141】
外側面29と内側面30との間の空間は、空間CSと接続される。換言すれば、外側面29と内側面30との間の空間は、雰囲気に開放される。空間CSの圧力が大気圧である場合、外側面29と内側面30との間の空間は、大気開放される。そのため、第2部材22は円滑に移動可能である。なお、空間CSの圧力は、大気圧よりも高くてもよいし、低くてもよい。
【0142】
図8は、第1部材21を下面23側から見た図である。本実施形態においては、第1部材21の下面23に、液体供給部31からの液体LQの少なくとも一部を誘導する誘導部38が配置される。誘導部38は、下面23に設けられた凸部である。誘導部38は、液体供給部31からの液体LQの少なくとも一部を液体回収部24に誘導する。
【0143】
誘導部38の形状は、第2部材22の移動方向に基づいて定められる。誘導部38は、第2部材22の移動方向と平行な方向の液体LQの流れを促進するように設けられる。
【0144】
例えば、第2部材22がX軸方向に移動する場合、第1空間SP1において液体LQがX軸方向と平行な方向に流れて液体回収部24に到達されるように、誘導部38の形状が定められる。例えば、第2部材22が+X軸方向に移動する場合、誘導部38によって、第1空間SP1の液体LQの少なくとも一部は、+X軸方向に流れる。第2部材22が−X軸方向に移動する場合、誘導部38によって、第1空間SP1の液体LQの少なくとも一部は、−X軸方向に流れる。
【0145】
本実施形態においては、誘導部38は、開口34の周囲の少なくとも一部に配置される壁部38Rと、その壁部38Rの一部に形成されるスリット(開口)38Kとを有する。
壁部38は、開口34を囲むように配置される。スリット38Kは、X軸方向と平行な方向の液体LQの流れが促進されるように、光路Kに対して+X側及び−X側のそれぞれに形成される。
【0146】
誘導部38により、第2部材22の移動方向と平行な方向に関して、第1空間SP1における液体LQの流速が高められる。本実施形態においては、誘導部38により、第1空間SP1におけるX軸方向に関する液体LQの流速が高められる。すなわち、液体回収部24の下面と上面25との間の空間に向かって流れる液体LQの速度が高められる。これにより、第1部材21に対する第1界面LG1の位置が変動したり、第1界面LG1の形状が変化したりすることが抑制される。そのため、第1空間SP1の液体LQが、第1空間SP1の外側に流出することが抑制される。
【0147】
なお、スリット38Kが形成される位置は、光路Kに対して+X側及び−X側に限定されない。例えば、第2部材22がY軸と平行にも移動する場合、光路Kに対して+Y側及び−Y側に、スリット38Kが追加されてもよい。第2部材22がY軸と平行に移動しない場合でも、光路Kに対して+Y側及び−Y側に、スリット38Kが追加されてもよい。
【0148】
また、第2部材22の移動方向に基づいて、誘導部38の形状(スリット38Kの位置など)が定められなくてもよい。例えば、光路Kの全周囲において、光路Kに対して放射状に液体LQが流れるように、誘導部38の形状が定められてもよい。
【0149】
本実施形態において、第2部材22は、下面23の全部と対向可能である。例えば
図2に示すように、終端光学素子13の光軸と開口35の中心とが実質的に一致する原点に第2部材22が配置されているときに、下面23の全部と第2部材22の上面25とが対向する。また、第2部材22が原点に配置されているときに、射出面12の一部と第2部材22の上面25とが対向する。また、第2部材22が原点に配置されているときに、液体回収部24の下面と第2部材22の上面25とが対向する。
【0150】
また、本実施形態においては、第2部材22が原点に配置されているときに、開口34の中心と開口35の中心とが実質的に一致する。
【0151】
次に、第2部材22の動作の一例について説明する。第2部材22は、基板P(物体)の移動と協調して移動可能である。第2部材22は、基板P(物体)と独立して移動可能である。第2部材22は、基板P(物体)の移動の少なくとも一部と並行して移動可能である。第2部材22は、液浸空間LSが形成された状態で移動可能である。第2部材22は、第1空間SP1及び第2空間SP2に液体LQが存在する状態で移動可能である。
【0152】
第2部材22は、第2部材22と基板P(物体)とが対向しないときに移動してもよい。例えば、第2部材22は、その第2部材22の下方に物体が存在しないときに移動してもよい。なお、第2部材22は、第2部材22と基板P(物体)との間の空間に液体LQが存在しないときに移動してもよい。例えば、第2部材22は、液浸空間LSが形成されていないときに移動してもよい。
【0153】
第2部材22は、例えば基板P(物体)の移動条件に基づいて移動する。制御装置6は、例えば基板P(物体)の移動条件に基づいて、基板P(物体)の移動の少なくとも一部と並行して第2部材22を移動する。制御装置6は、液浸空間LSが形成され続けるように、液体供給部31からの液体LQの供給と流体回収部27及び液体回収部24からの液体LQの回収とを行いながら、第2部材22を移動する。
【0154】
本実施形態において、第2部材22は、基板P(物体)との相対移動が小さくなるように移動可能である。また、第2部材22は、基板P(物体)との相対移動が、第1部材21と基板P(物体)との相対移動よりも小さくなるように移動可能である。例えば、第2部材22は、基板P(物体)と同期して移動してもよい。
【0155】
相対移動は、相対速度、及び相対加速度の少なくとも一方を含む。例えば、第2部材22は、液浸空間LSが形成されている状態で、すなわち、第2空間SP2に液体LQが存在している状態で、基板P(物体)との相対速度が小さくなるように移動してもよい。また、第2部材22は、液浸空間LSが形成されている状態で、すなわち、第2空間SP2に液体LQが存在している状態で、基板P(物体)との相対加速度が小さくなるように移動してもよい。また、第2部材22は、液浸空間LSが形成されている状態で、すなわち、第2空間SP2に液体LQが存在している状態で、基板P(物体)との相対速度が、第1部材21と基板P(物体)との相対速度よりも小さくなるように移動してもよい。また、第2部材22は、液浸空間LSが形成されている状態で、すなわち、第2空間SP2に液体LQが存在している状態で、基板P(物体)との相対加速度が、第1部材21と基板P(物体)との相対加速度よりも小さくなるように移動してもよい。
【0156】
第2部材22は、例えば基板P(物体)の移動方向に移動可能である。例えば、基板P(物体)が+X軸方向(または−X軸方向)に移動するとき、第2部材22は+X軸方向(または−X軸方向)に移動可能である。また、基板P(物体)が+X軸方向に移動しつつ、+Y軸方向(又は−Y軸方向)に移動するとき、第2部材22は+X軸方向に移動可能である。また、基板P(物体)が−X軸方向に移動しつつ、+Y軸方向(又は−Y軸方向)に移動するとき、第2部材22は−X軸方向に移動可能である。すなわち、本実施形態においては、基板P(物体)がX軸方向の成分を含むある方向に移動する場合、第2部材22はX軸方向に移動する。
例えば、X軸方向の成分を含むある方向への基板P(物体)の移動の少なくとも一部と並行して、第2部材22がX軸方向に移動してもよい。
【0157】
なお、第2部材22がY軸方向に移動可能でもよい。基板P(物体)がY軸方向の成分を含むある方向に移動する場合、第2部材22がY軸方向に移動してもよい。例えば、Y軸方向の成分を含むある方向への基板P(物体)の移動の少なくとも一部と並行して、基板P(物体)との相対速度差が小さくなるように、第2部材22がY軸方向に移動してもよい。
【0158】
図9は、第2部材22が移動する状態の一例を示す図である。
図9は、液浸部材5を下側(−Z側)から見た図である。
【0159】
以下の説明においては、第2部材22はX軸方向に移動することとする。なお、上述のように、第2部材22は、Y軸方向に移動してもよいし、X軸方向(又はY軸方向)の成分を含むXY平面内における任意の方向に移動してもよい。
【0160】
基板P(物体)がX軸方向(又はX軸方向の成分を含むXY平面内における所定方向)に移動する場合、第2部材22は、
図9(A)〜
図9(C)に示すように、X軸方向に移動する。
【0161】
本実施形態において、第2部材22は、X軸方向に関して規定された移動可能範囲(可動範囲)を移動可能である。
図9(A)は、移動可能範囲の最も−X側の端に第2部材22が配置された状態を示す。
図9(B)は、移動可能範囲の中央に第2部材22が配置された状態を示す。
図9(C)は、移動可能範囲の最も+X側の端に第2部材22が配置された状態を示す。
【0162】
以下の説明において、
図9(A)に示す第2部材22の位置を適宜、第1端部位置、と称し、
図9(B)に示す第2部材22の位置を適宜、中央位置、と称し、
図9(C)に示す第2部材22の位置を適宜、第2端部位置、と称する。なお、
図9(B)に示すように、第2部材22が中央位置に配置される状態は、第2部材22が原点に配置される状態を含む。
【0163】
本実施形態においては、射出面12からの露光光ELが開口35を通過するように、第2部材22の移動可能範囲の寸法に基づいて開口35の寸法が定められる。第2部材22の移動可能範囲の寸法は、X軸方向に関する第1端部位置と第2端部位置との距離を含む。第2部材22がX軸方向に移動しても、射出面12からの露光光ELが第2部材22に照射されないように、開口35のX軸方向の寸法が定められる。
【0164】
図9において、X軸方向に関する開口35の寸法W35は、露光光EL(投影領域PR)の寸法Wprと、第2部材22の移動可能範囲の寸法(Wa+Wb)との和よりも大きい。寸法W35は、第2部材22が第1端部位置と第2端部位置との間において移動した場合でも、射出面12からの露光光ELを遮らない大きさに定めされる。これにより、第2部材22が移動しても、射出面12からの露光光ELは、第2部材22に遮られずに基板P(物体)に照射可能である。
【0165】
次に、上述の構成を有する露光装置EXを用いて基板Pを露光する方法について説明する。
【0166】
液浸部材5から離れた基板交換位置において、露光前の基板Pを基板ステージ2(第1保持部)に搬入(ロード)する処理が行われる。基板ステージ2が液浸部材5から離れている期間の少なくとも一部において、計測ステージ3が終端光学素子13及び液浸部材5と対向するように配置される。制御装置6は、液体供給部31からの液体LQの供給と、流体回収部27からの液体LQの回収とを行って、計測ステージ3上に液浸空間LSを形成する。
【0167】
露光前の基板Pが基板ステージ2にロードされ、計測ステージ3を用いる計測処理が終了した後、制御装置6は、終端光学素子13及び液浸部材5と基板ステージ2(基板P)とが対向するように、基板ステージ2を移動する。終端光学素子13及び液浸部材5と基板ステージ2(基板P)とが対向する状態で、液体供給部31からの液体LQの供給と並行して流体回収部27からの液体LQの回収が行われることによって、光路Kが液体LQで満たされるように、終端光学素子13及び液浸部材5と基板ステージ2(基板P)との間に液浸空間LSが形成される。
【0168】
本実施形態においては、液体供給部31からの液体LQの供給及び流体回収部27からの液体LQの回収と並行して、液体回収部24からの液体LQの回収が行われる。
【0169】
制御装置6は、基板Pの露光処理を開始する。制御装置6は、基板P上に液浸空間LSが形成されている状態で、照明系ILから露光光ELを射出する。照明系ILはマスクMを露光光ELで照明する。マスクMからの露光光ELは、投影光学系PL及び射出面12と基板Pとの間の液浸空間LSの液体LQを介して基板Pに照射される。これにより、基板Pは、終端光学素子13の射出面12と基板Pとの間の液浸空間LSの液体LQを介して射出面12から射出された露光光ELで露光され、マスクMのパターンの像が基板Pに投影される。
【0170】
本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。本実施形態においては、基板Pの走査方向(同期移動方向)をY軸方向とし、マスクMの走査方向(同期移動方向)もY軸方向とする。制御装置6は、基板Pを投影光学系PLの投影領域PRに対してY軸方向に移動するとともに、その基板PのY軸方向への移動と同期して、照明系ILの照明領域IRに対してマスクMをY軸方向に移動しつつ、投影光学系PLと基板P上の液浸空間LSの液体LQとを介して基板Pに露光光ELを照射する。
【0171】
図10は、基板ステージ2に保持された基板Pの一例を示す図である。本実施形態においては、基板Pに露光対象領域であるショット領域Sがマトリクス状に複数配置される。
制御装置6は、終端光学素子13の射出面12から射出される露光光ELに対して、第1保持部に保持されている基板PをY軸方向(走査方向)に移動しつつ、射出面12と基板Pとの間の液浸空間LSの液体LQを介して、射出面12から射出された露光光ELで、基板Pの複数のショット領域Sのそれぞれを順次露光する。
【0172】
例えば基板Pの1つのショット領域Sを露光するために、制御装置6は、液浸空間LSが形成されている状態で、射出面12から射出される露光光EL(投影光学系PLの投影領域PR)に対して基板PをY軸方向に移動するとともに、その基板PのY軸方向への移動と同期して、照明系ILの照明領域IRに対してマスクMをY軸方向に移動しつつ、投影光学系PLと基板P上の液浸空間LSの液体LQとを介してそのショット領域Sに露光光ELを照射する。これにより、マスクMのパターンの像がそのショット領域Sに投影され、そのショット領域Sが射出面12から射出された露光光ELで露光される。
【0173】
そのショット領域Sの露光が終了した後、制御装置6は、次のショット領域Sの露光を開始するために、液浸空間LSが形成されている状態で、基板PをXY平面内においてY軸と交差する方向(例えばX軸方向、あるいはXY平面内においてX軸及びY軸方向に対して傾斜する方向等)に移動し、次のショット領域Sを露光開始位置に移動する。その後、制御装置6は、そのショット領域Sの露光を開始する。
【0174】
制御装置6は、基板P(基板ステージ2)上に液浸空間LSが形成されている状態で、射出面12からの露光光ELが照射される位置(投影領域PR)に対してショット領域をY軸方向に移動しながらそのショット領域を露光する動作と、そのショット領域の露光後、基板P(基板ステージ2)上に液浸空間LSが形成されている状態で、次のショット領域が露光開始位置に配置されるように、XY平面内においてY軸方向と交差する方向(例えばX軸方向、あるいはXY平面内においてX軸及びY軸方向に対して傾斜する方向等)に基板Pを移動する動作とを繰り返しながら、基板Pの複数のショット領域のそれぞれを順次露光する。
【0175】
以下の説明において、ショット領域を露光するために、基板P(基板ステージ2)上に液浸空間LSが形成されている状態で、射出面12からの露光光ELが照射される位置(投影領域PR)に対して基板P(ショット領域)をY軸方向に移動する動作を適宜、スキャン移動動作、と称する。また、あるショット領域の露光終了後、基板P(基板ステージ2)上に液浸空間LSが形成されている状態で、次のショット領域の露光が開始されるまでの間に、XY平面内において基板Pを移動する動作を適宜、ステップ移動動作、と称する。
【0176】
本実施形態において、スキャン移動動作は、あるショット領域Sが露光開始位置に配置されている状態から露光終了位置に配置される状態になるまで基板PがY軸方向に移動する動作を含む。ステップ移動動作は、あるショット領域Sが露光終了位置に配置されている状態から次のショット領域Sが露光開始位置に配置される状態になるまで基板PがXY平面内においてY軸方向と交差する方向に移動する動作を含む。
【0177】
露光開始位置は、あるショット領域Sの露光のために、そのショット領域SのY軸方向に関する一端部が投影領域PRを通過する時点の基板Pの位置を含む。露光終了位置は、露光光ELが照射されたそのショット領域SのY軸方向に関する他端部が投影領域PRを通過する時点の基板Pの位置を含む。
【0178】
ショット領域Sの露光開始位置は、そのショット領域Sを露光するためのスキャン移動動作開始位置を含む。ショット領域Sの露光開始位置は、そのショット領域Sを露光開始位置に配置するためのステップ移動動作終了位置を含む。
【0179】
ショット領域Sの露光終了位置は、そのショット領域Sを露光するためのスキャン移動動作終了位置を含む。ショット領域Sの露光終了位置は、そのショット領域Sの露光終了後、次のショット領域Sを露光開始位置に配置するためのステップ移動動作開始位置を含む。
【0180】
以下の説明において、あるショット領域Sの露光のためにスキャン移動動作が行われる期間を適宜、スキャン移動期間、と称する。以下の説明において、あるショット領域Sの露光終了から次のショット領域Sの露光開始のためにステップ移動動作が行われる期間を適宜、ステップ移動期間、と称する。
【0181】
スキャン移動期間は、あるショット領域Sの露光開始から露光終了までの露光期間を含む。ステップ移動期間は、あるショット領域Sの露光終了から次のショット領域Sの露光開始までの基板Pの移動期間を含む。
【0182】
スキャン移動動作において、射出面12から露光光ELが射出される。スキャン移動動作において、基板P(物体)に露光光ELが照射される。ステップ移動動作において、射出面12から露光光ELが射出されない。ステップ移動動作において、基板P(物体)に露光光ELが照射されない。
【0183】
制御装置6は、スキャン移動動作とステップ移動動作とを繰り返しながら、基板Pの複数のショット領域Sのそれぞれを順次露光する。なお、スキャン移動動作は、主にY軸方向に関する等速移動である。ステップ移動動作は、加減速度移動を含む。例えば、あるショット領域Sの露光終了から次のショット領域Sの露光開始までの間のステップ移動動作は、Y軸方向に関する加減速移動及びX軸方向に関する加減速移動の一方又は両方を含む。
【0184】
なお、スキャン移動動作及びステップ移動動作の少なくとも一部において、液浸空間LSの少なくとも一部が、基板ステージ2(カバー部材T)上に形成される場合がある。スキャン移動動作及びステップ移動動作の少なくとも一部において、液浸空間LSが基板Pと基板ステージ2(カバー部材T)とを跨ぐように形成される場合がある。基板ステージ2と計測ステージ3とが接近又は接触した状態で基板Pの露光が行われる場合、スキャン移動動作及びステップ移動動作の少なくとも一部において、液浸空間LSが基板ステージ2(カバー部材T)と計測ステージ3とを跨ぐように形成される場合がある。
【0185】
制御装置6は、基板P上の複数のショット領域Sの露光条件に基づいて、駆動システム15を制御して、基板P(基板ステージ2)を移動する。複数のショット領域Sの露光条件は、例えば露光レシピと呼ばれる露光制御情報によって規定される。露光制御情報は、記憶装置7に記憶されている。
【0186】
露光条件(露光制御情報)は、複数のショット領域Sの配列情報(基板Pにおける複数のショット領域Sそれぞれの位置)を含む。また、露光条件(露光制御情報)は、複数のショット領域Sのそれぞれの寸法情報(Y軸方向に関する寸法情報)を含む。
【0187】
図10に示すように、基板Pには、ショット領域Sの列が設けられる。本実施形態において、ショット領域Sの列は、基板PにおいてX軸方向に配置される複数のショット領域Sによって形成される。1つの列は、X軸方向に配置される複数のショット領域Sを含む。
【0188】
基板Pには、ショット領域Sの列が複数設けられる。ショット領域Sの列は、基板PにおいてY軸方向に複数配置される。
図10に示す例では、基板Pにショット領域Sの列Ga〜列Gjが設けられる。列Gaは、複数の列Ga〜Gjのうち最も−Y側に配置される。Y軸方向に関して、列Gbは、列Gaの隣に配置される。列Gbは、列Gaの+Y側に配置される。Y軸方向に関して、列Gcは、列Gbの隣に配置される。列Gcは、列Gbの+Y側に配置される。同様に、列Gd〜GjがY軸方向に配置される。
【0189】
図10に示す例では、列Ga、Gjはそれぞれ、基板PにおいてX軸方向に配置される6個のショット領域Sを含む。列Gb、Giはそれぞれ、基板PにおいてX軸方向に配置される10個のショット領域Sを含む。列Gc、Gd、Ge、Gf、Gg、Ghはそれぞれ、基板PにおいてX軸方向に配置される12個のショット領域Sを含む。
【0190】
制御装置6は、記憶装置7に記憶されている露光条件(露光制御情報)に基づいて、所定の移動条件で基板Pを移動しながら、複数のショット領域Sのそれぞれを順次露光する。基板P(物体)の移動条件は、移動速度、加速度、移動距離、移動方向、及びXY平面内における移動軌跡の少なくとも一つを含む。
【0191】
一例として、本実施形態においては、基板Pの複数のショット領域Sのうち、最初に、列Gaのショット領域Sの露光が行われる。本実施形態においては、最初に、列Gaに含まれる複数のショット領域Sのそれぞれが順次露光される。列Gaに含まれる複数のショット領域Sのそれぞれを順次露光するとき、制御装置6は、投影光学系PLの投影領域PRと基板Pとが、
図10中、矢印Srに示す移動軌跡に沿って相対的に移動するように基板ステージ2を移動しつつ投影領域PRに露光光ELを照射して、液体LQを介して列Gaの複数のショット領域Sのそれぞれを露光光ELで順次露光する。制御装置6は、スキャン移動動作とステップ移動動作とを繰り返しながら、列Gaに含まれる複数のショット領域Sのそれぞれを順次露光する。
【0192】
本実施形態においては、列Gaに含まれる複数のショット領域Sのそれぞれが順次露光された後に、列Gbのショット領域Sの露光が行われる。制御装置6は、液浸空間LSが形成されている状態で、スキャン移動動作とステップ移動動作とを繰り返しながら、列Gbに含まれる複数のショット領域Sのそれぞれを順次露光する。
【0193】
列Gbに含まれる複数のショット領域Sのそれぞれが順次露光された後に、列Gcのショット領域Sのそれぞれの露光が行われる。同様に、列Gd〜列Gjのそれぞれに含まれる複数のショット領域Sのそれぞれが順次露光される。
【0194】
列Gjに含まれる複数のショット領域Sのそれぞれが順次露光された後、基板ステージ2が基板交換位置に移動され、露光後の基板Pを基板ステージ2(第1保持部)から搬出(アンロード)する処理が行われる。
【0195】
以下、上述の処理が繰り返され、複数の基板Pが順次露光される。
【0196】
本実施形態において、第2部材22は、基板Pの露光処理の少なくとも一部において移動する。第2部材22は、例えば液浸空間LSが形成されている状態で基板P(基板ステージ2)のステップ移動動作の少なくとも一部と並行して移動する。第2部材22は、例えば液浸空間LSが形成されている状態で基板P(基板ステージ2)のスキャン移動動作の少なくとも一部と並行して移動する。第2部材22の移動と並行して、射出面12から露光光ELが射出される。なお、スキャン移動動作中に第2部材22が移動しなくてもよい。すなわち、射出面12からの露光光ELの射出と並行して第2部材22が移動しなくてもよい。第2部材22は、例えば基板P(基板ステージ2)がステップ移動動作を行うとき、基板P(基板ステージ2)との相対移動(相対速度、相対加速度)が小さくなるように、移動してもよい。また、第2部材22は、基板P(基板ステージ2)がスキャン移動動作を行うとき、基板P(基板ステージ2)との相対移動(相対速度、相対加速度)が小さくなるように、移動してもよい。
【0197】
図11は、基板Pを+X軸方向の成分を含むステップ移動を行いながら、ある列Gに含まれるショット領域S1、ショット領域S2、及びショット領域S3のそれぞれを順次露光するときの基板Pの移動軌跡の一例を模式的に示す図である。ショット領域S1、S2、S3は、X軸方向に配置される。
【0198】
図11に示すように、ショット領域S1、S2、S3が露光されるとき、基板Pは、終端光学素子13の下において、位置d1からその位置d1に対して+Y側に隣り合う位置d2までの経路Tp1、位置d2からその位置d2に対して+X側に隣り合う位置d3までの経路Tp2、位置d3からその位置d3に対して−Y側に隣り合う位置d4までの経路Tp3、位置d4からその位置d4に対して+X側に隣り合う位置d5までの経路Tp4、及び位置d5からその位置d5に対して+Y側に隣り合う位置d6までの経路Tp5を順次移動する。位置d1、d2、d3、d4、d5、d6は、XY平面内における位置である。
【0199】
経路Tp1の少なくとも一部は、Y軸と平行な直線である。経路Tp3の少なくとも一部は、Y軸と平行な直線である。経路Tp5の少なくとも一部は、Y軸と平行な直線を含む。経路Tp2は、位置d2.5を経由する曲線を含む。経路Tp4は、位置d4.5を経由する曲線を含む。位置d1は、経路Tp1の始点を含み、位置d2は、経路Tp1の終点を含む。位置d2は、経路Tp2の始点を含み、位置d3は、経路Tp2の終点を含む。位置d3は、経路Tp3の始点を含み、位置d4は、経路Tp3の終点を含む。位置d4は、経路Tp4の始点を含み、位置d5は、経路Tp4の終点を含む。位置d5は、経路Tp5の始点を含み、位置d6は、経路Tp5の終点を含む。経路Tp1は、基板Pが+Y軸方向に移動する経路である。経路Tp3は、基板Pが−Y軸方向に移動する経路である。経路Tp5は、基板Pが+Y軸方向に移動する経路である。経路Tp2及び経路Tp4は、基板Pが+X軸方向を主成分とする方向に移動する経路である。
【0200】
液浸空間LSが形成されている状態で基板Pが経路Tp1を移動するとき、液体LQを介してショット領域S1に露光光ELが照射される。液浸空間LSが形成されている状態で基板Pが経路Tp3を移動するとき、液体LQを介してショット領域S2に露光光ELが照射される。液浸空間LSが形成されている状態で基板Pが経路Tp5を移動するとき、液体LQを介してショット領域S3に露光光ELが照射される。基板Pが経路Tp2及び経路Tp4を移動するとき、露光光ELは照射されない。
【0201】
基板Pが経路Tp1を移動する動作、経路Tp3を移動する動作、及び経路Tp5を移動する動作のそれぞれは、スキャン移動動作を含む。また、基板Pが経路Tp2を移動する動作、及び経路Tp4を移動する動作のそれぞれは、ステップ移動動作を含む。
【0202】
すなわち、基板Pが経路Tp1を移動する期間、経路Tp3を移動する期間、及び経路Tp5を移動する期間のそれぞれは、スキャン移動期間(露光期間)である。基板Pが経路Tp2を移動する期間、及び経路Tp4を移動する期間のそれぞれは、ステップ移動期間である。
【0203】
図12は、第2部材22の動作の一例を示す模式図である。
図12は、第2部材22を上面25側から見た図である。基板Pが、
図11における位置d1にあるとき、第2部材22は、投影領域PR(露光光ELの光路K)に対して
図12(A)に示す位置に配置される。基板Pが位置d2にあるとき、第2部材22は、投影領域PR(露光光ELの光路K)に対して
図12(B)に示す位置に配置される。すなわち、基板Pの位置d1から位置d2へのスキャン移動動作中に、第2部材22は、基板Pのステップ移動の方向(+X軸方向)とは逆の−X軸方向に移動する。基板Pが位置d2.5にあるとき、第2部材22は、投影領域PR(露光光ELの光路K)に対して
図12(C)に示す位置に配置される。基板Pが位置d3にあるとき、第2部材22は、投影領域PR(露光光ELの光路K)に対して
図12(D)に示す位置に配置される。すなわち、基板Pの位置d2から位置d3へのステップ移動動作中に、第2部材22は、基板Pのステップ移動の方向(+X軸方向)と同じ+X軸方向に移動する。基板Pが位置d4にあるとき、第2部材22は、投影領域PR(露光光ELの光路K)に対して
図12(E)に示す位置に配置される。すなわち、基板Pの位置d3から位置d4へのスキャン移動動作中に、第2部材22は、基板Pのステップ移動の方向(+X軸方向)とは逆の−X軸方向に移動する。基板Pが位置d4.5にあるとき、第2部材22は、投影領域PR(露光光ELの光路K)に対して
図12(F)に示す位置に配置される。基板Pが位置d5にあるとき、第2部材22は、投影領域PR(露光光ELの光路K)に対して
図12(G)に示す位置に配置される。すなわち、基板Pの位置d4から位置d5へのステップ移動動作中に、第2部材22は、基板Pのステップ移動の方向(+X軸方向)と同じ+X軸方向に移動する。基板Pが位置d6にあるとき、第2部材22は、投影領域PR(露光光ELの光路K)に対して
図12(H)に示す位置に配置される。すなわち、基板Pの位置d5から位置d6へのスキャン動作移動中に、第2部材22は、基板Pのステップ移動の方向(+X軸方向)とは逆の−X軸方向に移動する。
【0204】
本実施形態において、
図12(A)、
図12(D)、
図12(G)に示す第2部材22の位置は、第2端部位置を含む。
図12(B)、
図12(E)、
図12(H)に示す第2部材22の位置は、第1端部位置を含む。
図12(C)、
図12(F)に示す第2部材22の位置は、中央位置を含む。
【0205】
以下の説明においては、
図12(A)、
図12(D)、
図12(G)に示す第2部材22の位置が、第2端部位置であることとし、
図12(B)、
図12(E)、
図12(H)に示す第2部材22の位置が、第1端部位置であることとし、
図12(C)、
図12(F)に示す第2部材22の位置が、中央位置であることとする。
【0206】
基板Pが経路Tp1を移動するとき、第2部材22は、
図12(A)に示す状態から
図12(B)に示す状態に変化するように、−X軸方向に移動する。すなわち、第2部材22は、第2端部位置から中央位置を経て第1端部位置へ移動する。基板Pが経路Tp2を移動するとき、第2部材22は、
図12(B)に示す状態から
図12(C)に示す状態を経て
図12(D)に示す状態に変化するように、+X軸方向に移動する。すなわち、第2部材22は、第1端部位置から中央位置を経て第2端部位置へ移動する。基板Pが経路Tp3を移動するとき、第2部材22は、
図12(D)に示す状態から
図12(E)に示す状態に変化するように、−X軸方向に移動する。すなわち、第2部材22は、第2端部位置から中央位置を経て第1端部位置へ移動する。基板Pが経路Tp4を移動するとき、第2部材22は、
図12(E)に示す状態から
図12(F)に示す状態を経て
図12(G)に示す状態に変化するように、+X軸方向に移動する。すなわち、第2部材22は、第1端部位置から中央位置を経て第2端部位置へ移動する。基板Pが経路Tp5を移動するとき、第2部材22は、
図12(G)に示す状態から
図12(H)に示す状態に変化するように、−X軸方向に移動する。すなわち、第2部材22は、第2端部位置から中央位置を経て第1端部位置へ移動する。
【0207】
すなわち、本実施形態において、第2部材22は、基板Pが経路Tp2に沿って移動する期間の少なくとも一部において、基板Pとの相対移動が小さくなるように、+X軸方向に移動する。換言すれば、第2部材22は、基板Pが+X軸方向の成分を含むステップ移動動作する期間の少なくとも一部に、X軸方向に関する基板Pとの相対速度が小さくなるように、+X軸方向に移動する。同様に、第2部材22は、基板Pが経路Tp4に沿って移動する期間の少なくとも一部において、X軸方向に関する基板Pとの相対速度が小さくなるように、+X軸方向に移動する。
【0208】
また、本実施形態において、第2部材22は、基板Pが経路Tp3に沿って移動する期間の少なくとも一部において、−X軸方向に移動する。これにより、基板Pの経路Tp3の移動後、経路Tp4の移動において、第2部材22が+X軸方向に移動しても露光光ELは開口35を通過可能である。基板Pが経路Tp1、Tp5を移動する場合も同様である。
【0209】
すなわち、基板Pがスキャン移動動作と+X軸方向の成分を含むステップ移動動作とを繰り返す場合、ステップ移動動作中に、基板Pとの相対速度が小さくなるように第2部材22が第1端部位置から第2端部位置へ+X軸方向に移動し、スキャン移動動作中に、次のステップ移動動作において第2部材22が再度+X軸方向に移動できるように、第2部材22が第2端部位置から第1端部位置へ戻る。すなわち、基板Pがスキャン移動動作する期間の少なくとも一部において、第2部材22が−X軸方向に移動するので、開口35の寸法が必要最小限に抑えられる。
【0210】
また、本実施形態においては、第2部材22が第1端部位置(第2端部位置)に配置されても、流体回収部27の少なくとも一部は、基板P(物体)と対向し続ける。これにより、例えばステップ移動動作において、流体回収部27は、基板P(物体)上の液体LQを回収することができる。
なお、上述の説明においては、+Y軸方向へ基板Pを移動しながらショット領域(例えばS1)を走査露光した後のステップ移動動作における第2部材22の動きと、−Y軸方向へ基板Pを移動しながらショット領域(例えばS2)を走査露光した後のステップ移動動作における第2部材22の動きとが同じであるが異なっていてもよい。上述の説明においては、例えば、基板Pが経路Tp2を移動するときの第2部材22の動き(
図12(B)〜
図12(C)〜
図12(D))と、基板Pが経路Tp4を移動するときの第2部材22の動き(
図12(E)〜
図12(F)〜
図12(G))とは同じであるが、異なっていてもよい。例えば、基板Pが経路Tp2を移動するときの第2部材22の+X軸方向への移動距離と、基板Pが経路Tp4を移動するときの第2部材22の+X軸方向への移動距離とが異なっていてもよい。例えば、+Y軸方向へ基板Pを移動しながらショット領域(例えばS1)を走査露光した後のステップ移動動作においては、第2部材22を+X軸方向へ動かさない、あるいは、+Y軸方向へ基板Pを移動しながらショット領域(例えばS1)を走査露光した後のステップ移動動作における第2部材22の+X軸方向への移動距離を、−Y軸方向へ基板Pを移動しながらショット領域(例えばS2)を走査露光した後のステップ移動動作における第2部材22の+X軸方向への移動を小さくしてもよい。
また、上述の説明においては、+Y軸方向へ基板Pが移動するスキャン移動動作における第2部材22の動きと、−Y軸方向へ基板Pが移動するスキャン移動動作における第2部材22の動きとが同じであるが、異なっていてもよい。例えば、基板Pが経路Tp1を移動するときの第2部材22の動き(
図12(A)〜
図12(B))と、基板Pが経路Tp3を移動するときの第2部材22の動き(
図12(G)〜
図12(H))とは同じであるが、異なっていてもよい。
【0211】
図13は、終端光学素子13(投影領域PR)に対する第2部材22の位置の一例を示す図である。
図13(A)は、第2部材22が第2端部位置に配置される例を示す。
図13(B)は、第2部材22が第2端部位置と中央位置との間の位置に配置される例を示す。
図13(C)は、第2部材22が中央位置に配置される例を示す。
図13(D)は、第2部材22が第1端部位置と中央位置との間の位置に配置される例を示す。
図13(E)は、第2部材22が第1端部位置に配置される例を示す。
【0212】
以下の説明において、
図13(A)に示す第2部材22の位置を適宜、位置Jr、と称する。
図13(B)に示す第2部材22の位置を適宜、位置Jrm、と称する。
図13(C)に示す第2部材22の位置を適宜、位置Jm、と称する。
図13(D)に示す第2部材22の位置を適宜、位置Jsm、と称する。
図13(E)に示す第2部材22の位置を適宜、位置Js、と称する。
【0213】
制御装置6は、駆動装置32を制御して、定められた移動条件で第2部材22を移動可能である。第2部材22の移動条件は、移動方向、移動速度、加速度、及び移動距離の少なくとも一つを含む。制御装置6は、第2部材22の移動方向、移動速度、加速度、及び移動距離の少なくとも一つを制御可能である。
【0214】
制御装置6は、駆動装置32を制御して、終端光学素子13(投影領域PR)に対する第2部材22の位置を異ならせることができる。制御装置6は、位置Jr、位置Jrm、位置Jm、位置Jsm、及び位置Jsの少なくとも一つにおいて第2部材22を停止可能である。制御装置6は、位置Jr、位置Jrm、位置Jm、位置Jsm、及び位置Jsのうち選択された2つの位置の間において第2部材22を移動可能である。制御装置6は、位置Jr、位置Jrm、位置Jm、位置Jsm、及び位置Jsに限らず、それ以外の任意の位置において、第2部材22を停止可能であってもよい。
【0215】
第2部材22は、X軸方向に関して定められた移動可能範囲(可動範囲)を移動する。
図13(A)に示す第2部材22の位置Jrは、第2部材22の可動範囲において最も+X側の端の位置(第2端部位置)である。
図13(E)に示す第2部材22の位置Jsは、第2部材22の可動範囲において最も−X側の端の位置(第1端部位置)である。
図13(C)に示す第2部材22の位置Jmは、第2部材22の可動範囲において中央の位置(中央位置)である。
図13(B)に示す第2部材22の位置Jrmは、第2部材22の可動範囲において位置Jrと位置Jmとの間の位置である。
図13(D)に示す第2部材22の位置Jsmは、第2部材22の可動範囲において位置Jsと位置Jmとの間の位置である。
【0216】
位置Jmと位置Jrとの間の第2部材22の移動距離は、位置Jmと位置Jrmとの間の第2部材22の移動距離よりも長い。位置Jmと位置Jsとの間の第2部材22の移動距離は、位置Jmと位置Jsmとの間の第2部材22の移動距離よりも長い。
【0217】
なお、
図11及び
図12を用いて説明した例においては、基板Pが位置d1、d3、d5にあるときに、第2部材22が位置Jr(第2端部位置)に配置されることとした。基板Pが位置d1、d3、d5にあるときに、第2部材22が、位置Jrmに配置されてもよいし、位置Jm(中央位置)に配置されてもよい。
【0218】
なお、
図11及び
図12を用いて説明した例においては、基板Pが位置d2、d4、d6にあるときに、第2部材22が位置Js(第1端部位置)に配置されることとした。基板Pが位置d2、d4、d6にあるときに、第2部材22が、位置Jsmに配置されてもよいし、位置Jm(中央位置)に配置されてもよい。
【0219】
また、本実施形態において、基板Pが位置d2.5、d4.5にあるときに、第2部材22が、位置Jm(中央位置)とは異なる位置に配置されてもよい。すなわち、基板Pが位置d2.5、d4.5にあるときに、第2部材22が、例えば位置Jsmに配置されてもよいし、位置Jrmに配置されてもよい。
【0220】
上述したように、本実施形態においては、基板Pにおいて一の列(例えば列Gc)に含まれるX軸方向に配置される複数のショット領域Sのそれぞれが順次露光された後に、その列(例えば列Gc)とは異なる列(例えば列Gd)のショット領域Sの露光が行われる。また、基板Pにおいて一の列(例えば列Gc)に含まれるX軸方向に配置される複数のショット領域Sのそれぞれが順次露光される前に、その列(例えば列Gc)とは異なる列(例えば列Gb)のショット領域Sの露光が行われる。
【0221】
本実施形態において、制御装置6は、同じ列(例えば列Gc)に含まれるあるショット領域Sの露光終了から、その列(例えば列Gc)に含まれる別のショット領域Sの露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の動作(動き方)と、ある列(例えば列Gc)のあるショット領域Sの露光終了から、別の列(例えば列Gd)のショット領域Sの露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の動作(動き方)とが異なるように、駆動装置32を制御する。
【0222】
以下の説明において、同じ列(例えば列Ga)に含まれるあるショット領域(例えばショット領域Sa3)の露光終了からその列(列Ga)に含まれる別のショット領域(例えばショット領域Sa4)の露光開始までの基板Pのステップ移動期間を適宜、ショット領域Sa3、Sa4間の第1ステップ移動期間、と称する。また、以下の説明において、ある列(例えば列Ge)のあるショット領域(例えばショット領域Se12)の露光終了から別の列(例えば列Gf)のあるショット領域(例えばショット領域Sf1)の露光開始までの基板Pのステップ移動期間を適宜、ショット領域Se12、Sf1間の第2ステップ移動期間、と称する。
【0223】
第1ステップ移動期間は、所謂、Xステップ移動期間を含む。すなわち、第1ステップ移動期間に行われるステップ移動動作は、所謂、Xステップ移動動作を含む。第2ステップ移動期間は、所謂、Yステップ移動期間を含む。すなわち、第2ステップ移動期間に行われるステップ移動動作は、所謂、Yステップ移動動作を含む。Yステップ移動期間におけるXY平面内における基板P(基板ステージ2)の移動距離は、Xステップ移動期間におけるXY平面内における基板P(基板ステージ2)の移動距離よりも長い場合が多い。
【0224】
なお、Yステップ移動期間における基板P(基板ステージ2)の移動距離は、Xステップ移動期間における基板P(基板ステージ2)の移動距離よりも短くてもよい。なお、Yステップ移動期間における基板P(基板ステージ2)の移動距離は、Xステップ移動期間における基板P(基板ステージ2)の移動距離と実質的に等しくてもよい。
【0225】
図14は、同じ列(例えば列Gc)に含まれる複数のショット領域Sc1〜Sc4のそれぞれが順次露光される状態の一例を模式的に示す図である。X軸方向に関して、ショット領域Sc4は、ショット領域Sc3の隣に配置される。X軸方向に関して、ショット領域Sc3は、ショット領域Sc2の隣に配置される。X軸方向に関して、ショット領域Sc2は、ショット領域Sc1の隣に配置される。ショット領域Sc4は、ショット領域Sc3よりも+X側に配置される。ショット領域Sc3は、ショット領域Sc2よりも+X側に配置される。ショット領域Sc2は、ショット領域Sc1よりも+X側に配置される。
【0226】
制御装置6は、液体LQの液浸空間LSが形成されている状態で、投影光学系PLの投影領域PRに対して基板Pが、
図14中、矢印Sraに示す移動軌跡に沿って相対的に移動するように、スキャン移動動作とステップ移動動作とを繰り返しながら、列Gcに含まれる複数のショット領域Sc1〜Sc4のそれぞれを、液体LQを介して順次露光する。
【0227】
図15は、ショット領域Sc1〜Sc4のそれぞれが順次露光されるときの第2部材22の動作(動き方)の一例を模式的に示す図である。
【0228】
図15(A)は、基板Pがショット領域Sc1の露光終了位置(ショット領域Sc1のスキャン移動動作終了位置、ショット領域Sc1、Sc2間のステップ移動動作開始位置)に配置されている状態を示す。
【0229】
図15(B)は、基板Pがショット領域Sc2の露光開始位置(ショット領域Sc2のスキャン移動動作開始位置、ショット領域Sc1、Sc2間のステップ移動動作終了位置)に配置されている状態を示す。
【0230】
図15(C)は、基板Pがショット領域Sc2の露光終了位置(ショット領域Sc2のスキャン移動動作終了位置、ショット領域Sc2、Sc3間のステップ移動動作開始位置)に配置されている状態を示す。
【0231】
図15(D)は、基板Pがショット領域Sc3の露光開始位置(ショット領域Sc3のスキャン移動動作開始位置、ショット領域Sc2、Sc3間のステップ移動動作終了位置)に配置されている状態を示す。
【0232】
ショット領域Sc1の露光について説明する。ショット領域Sc1の露光のために、制御装置6は、ショット領域Sc1の露光開始からそのショット領域Sc1の露光終了までの間に、少なくとも−Y軸方向への移動を含む基板Pのスキャン移動動作を行う。ショット領域Sc1の露光のための基板Pのスキャン移動期間において、第2部材22は、位置Jsから位置Jrに移動する。
図15(A)に示すように、ショット領域Sc1の露光終了において、第2部材22は、位置Jrに配置される。ショット領域Sc1の露光のための基板Pのスキャン移動期間において、第2部材22は、位置Jsからの移動を開始し、位置Jrに到達するまで、+X軸方向に移動する。
【0233】
次に、ショット領域Sc1、Sc2間のステップ移動について説明する。ショット領域Sc1の露光のための基板Pのスキャン移動動作終了後、ショット領域Sc1、Sc2間の基板Pのステップ移動動作が行われる。本実施形態において、ショット領域Sc1の露光終了からショット領域Sc2の露光開始までの間に、制御装置6は、少なくとも−X軸方向への移動を含む基板Pのステップ移動動作を行う。ショット領域Sc1、Sc2間の基板Pのステップ移動期間の少なくとも一部において、第2部材22は、基板Pの移動方向(−X軸方向)に移動される。第2部材22は、基板Pとの相対速度が小さくなるように移動される。本実施形態においては、ショット領域Sc1、Sc2間の基板Pのステップ移動期間(第1ステップ移動期間)において、第2部材22は、位置Jrから位置Jsに移動する。
図15(B)に示すように、ショット領域Sc1、Sc2間のステップ移動終了において、第2部材22は、位置Jsに配置される。ショット領域Sc1、Sc2間の基板Pのステップ移動期間(第1ステップ移動期間)において、第2部材22は、位置Jrからの移動を開始し、位置Jsに到達するまで、−X軸方向に移動する。
【0234】
次に、ショット領域Sc2の露光について説明する。ショット領域Sc1、Sc2間の基板Pのステップ移動動作終了後、ショット領域Sc2の露光のための基板Pのスキャン移動動作が行われる。ショット領域Sc2の露光のために、制御装置6は、ショット領域Sc2の露光開始からそのショット領域Sc2の露光終了までの間に、少なくとも+Y軸方向への移動を含む基板Pのスキャン移動動作を行う。ショット領域Sc2の露光のための基板Pのスキャン移動期間において、第2部材22は、位置Jsから位置Jrに移動する。
図15(C)に示すように、ショット領域Sc2の露光終了において、第2部材22は、位置Jrに配置される。ショット領域Sc2の露光のための基板Pのスキャン移動期間において、第2部材22は、位置Jsからの移動を開始し、位置Jrに到達するまで、+X軸方向に移動する。
【0235】
次に、ショット領域Sc2、Sc3間のステップ移動について説明する。ショット領域Sc2の露光のための基板Pのスキャン移動動作終了後、ショット領域Sc2、Sc3間の基板Pのステップ移動動作が行われる。本実施形態において、ショット領域Sc2の露光終了からショット領域Sc3の露光開始までの間に、制御装置6は、少なくとも−X軸方向への移動を含む基板Pのステップ移動動作を行う。ショット領域Sc2、Sc3間の基板Pのステップ移動期間の少なくとも一部において、第2部材22は、基板Pの移動方向(−X軸方向)に移動される。第2部材22は、基板Pとの相対速度が小さくなるように移動される。本実施形態においては、ショット領域Sc2、Sc3間の基板Pのステップ移動期間(第1ステップ移動期間)において、第2部材22は、位置Jrから位置Jsに移動する。
図15(D)に示すように、ショット領域Sc2、Sc3間のステップ移動終了において、第2部材22は、位置Jsに配置される。ショット領域Sc2、Sc3間の基板Pのステップ移動期間(第1ステップ移動期間)において、第2部材22は、位置Jrからの移動を開始し、位置Jsに到達するまで、−X軸方向に移動する。
【0236】
次に、ショット領域Sc3の露光について説明する。本実施形態において、ショット領域Sc3の露光のための基板Pのステップ移動動作、及び第2部材22の動作(動き方)は、ショット領域Sc1の露光のための基板Pのステップ移動動作、及び第2部材22の動作(動き方)と同様である。すなわち、ショット領域Sc3の露光開始からそのショット領域Sc3の露光終了までの間に、少なくとも−Y軸方向への移動を含む基板Pのスキャン移動動作が行われる。また、ショット領域Sc3の露光のための基板Pのスキャン移動期間において、第2部材22は、位置Jsから位置Jrに移動する。
【0237】
次に、ショット領域Sc3、Sc4間のステップ移動について説明する。本実施形態において、ショット領域Sc3、Sc4間のステップ移動動作、及び第2部材22の動作(動き方)は、ショット領域Sc1、Sc2間のステップ移動動作、及び第2部材22の動作(動き方)と同様である。すなわち、ショット領域Sc3の露光終了からショット領域Sc4の露光開始までの間に、少なくとも−X軸方向への移動を含む基板Pのステップ移動動作が行われる。また、ショット領域Sc3、Sc4間の基板Pのステップ移動期間において、第2部材22は、位置Jrから位置Jsに移動する。
【0238】
次に、ショット領域Sc4の露光について説明する。本実施形態において、ショット領域Sc4の露光のための基板Pのステップ移動動作、及び第2部材22の動作(動き方)は、ショット領域Sc2の露光のための基板Pのステップ移動動作、及び第2部材22の動作(動き方)と同様である。すなわち、ショット領域Sc4の露光開始からそのショット領域Sc4の露光終了までの間に、少なくとも+Y軸方向への移動を含む基板Pのスキャン移動動作が行われる。また、ショット領域Sc4の露光のための基板Pのスキャン移動期間において、第2部材22は、位置Jsから位置Jrに移動する。
【0239】
以下、同じ列Gcに含まれる複数のショット領域Scのそれぞれを順次露光する場合において、基板P(基板ステージ2)及び第2部材22について、制御装置6は、
図15(A)〜
図15(D)を参照して説明した動作と同様の動作を行う。
【0240】
上述のように、本実施形態においては、同じ列Gcに含まれるショット領域Sc、Sc間の基板Pの第1ステップ移動期間において、第2部材22は、X軸方向に関して一側(+X側)に移動する。また、第1ステップ移動期間において、基板Pは、少なくともX軸方向に関して一側(+X側)に移動する。
【0241】
本実施形態において、同じ列Gcに含まれるショット領域Sc、Sc間の基板Pの第1ステップ移動期間において、第2部材22は、移動し続けてもよい。すなわち、基板Pが列Gcのショット領域Sc(例えばSc1)の露光終了位置から次のショット領域Sc(例えばSc2)の露光開始位置まで移動する期間において、終端光学素子13(第1部材21)に対する第2部材22の移動速度は零にならなくてもよい。換言すれば、第1ステップ移動期間において、終端光学素子13(第1部材21)に対して第2部材22は停止しなくてもよい。
【0242】
本実施形態において、ショット領域Sc(例えばSc1)の露光開始からそのショット領域Sc(Sc1)の露光終了までの露光期間(ショット領域Scの露光のためのスキャン移動期間)において、第2部材22は、移動し続けてもよい。
【0243】
本実施形態において、ショット領域Sc(例えばSc1)の露光開始からそのショット領域Sc(Sc1)の露光終了までの露光期間(ショット領域Scの露光のためのスキャン移動期間)、ショット領域Sc、Sc間(例えばSc1、Sc2間)の基板Pの第1ステップ移動期間、及び次のショット領域Sc(例えばSc2)の露光開始から露光終了までの露光期間(ショット領域Sc2の露光のためのスキャン移動期間)のそれぞれにおいて、第2部材22は、移動し続けてもよい。
【0244】
なお、ショット領域Scの露光期間の少なくとも一部において、終端光学素子13(第1部材21)に対して第2部材22が停止してもよい。
【0245】
なお、ある列(例えば列Gc)に含まれるショット領域Sc、Sc間の基板Pの第1ステップ移動期間の少なくとも一部において、終端光学素子13(第1部材21)に対して第2部材22が停止してもよい。
【0246】
図16は、ある列(例えば列Gc)のショット領域S(例えばショット領域Sc4)が露光された後に、その列とは別の列(例えば列Gd)のショット領域S(例えばショット領域Sd1)の露光が行われる状態の一例を模式的に示す図である。Y軸方向に関して、ショット領域Sd1を含む列Gdは、ショット領域Sc4を含む列Gcの隣に配置される。列Gdは、列Gcよりも+Y側に配置される。
【0247】
Y軸方向に関して、ショット領域Sd1の位置とショット領域Sc4の位置とは異なる。ショット領域Sd1は、ショット領域Sc4よりも、+Y側に配置される。X軸方向に関して、ショット領域Sd1の位置とショット領域Sc4の位置とは異なる。ショット領域Sd1は、ショット領域Sc4よりも、+X側に配置される。なお、X軸方向に関して、ショット領域Sd1の位置とショット領域Sc4の位置とが同じでもよいし、ショット領域Sd1が、ショット領域Sc4よりも、−X側に配置されてもよい。
【0248】
X軸方向に関して、ショット領域Sd2は、ショット領域Sd1の隣に配置される。X軸方向に関して、ショット領域Sd3は、ショット領域Sd2の隣に配置される。ショット領域Sd2は、ショット領域Sd1よりも−X側に配置される。ショット領域Sd3は、ショット領域Sd2よりも−X側に配置される。
【0249】
制御装置6は、液体LQの液浸空間LSが形成されている状態で、投影光学系PLの投影領域PRに対して基板Pが、
図16中、矢印Srbに示す移動軌跡に沿って相対的に移動するように、スキャン移動動作とステップ移動動作とを繰り返しながら、列Gcに含まれるショット領域Sc4を液体LQを介して露光した後、列Gdに含まれるショット領域Sd1を液体LQを介して露光する。また、列Gdに含まれるショット領域Sd1が露光された後、その列Gdに含まれる複数のショット領域Sd2、Sd3が、液体LQを介して順次露光される。
【0250】
図17は、列Gcに含まれるショット領域Sc4が露光された後、列Gdに含まれるショット領域Sd1が露光されるときの第2部材22の動作(動き方)の一例を模式的に示す図である。
【0251】
図17(A)は、基板Pがショット領域Sc4の露光終了位置(ショット領域Sc4のスキャン移動動作終了位置、ショット領域Sc4、Sd1間のステップ移動動作開始位置)に配置されている状態を示す。
【0252】
図17(B)は、基板Pがショット領域Sc4の露光終了位置からショット領域Sd1の露光開始位置(ショット領域Sd1のスキャン移動動作開始位置)に移動する途中の状態を示す。
【0253】
図17(C)は、基板Pがショット領域Sd1の露光開始位置(ショット領域Sd1のスキャン移動動作開始位置、ショット領域Sc4、Sd1間のステップ移動動作終了位置)に配置されている状態を示す。
【0254】
図17(D)は、基板Pがショット領域Sd1の露光終了位置(ショット領域Sd1のスキャン移動動作終了位置、ショット領域Sd1、Sd2間のステップ移動動作開始位置)に配置されている状態を示す。
【0255】
図17(E)は、基板Pがショット領域Sd2の露光開始位置(ショット領域Sd2のスキャン移動動作開始位置、ショット領域Sd1、Sd2間のステップ移動動作終了位置)に配置されている状態を示す。
【0256】
ショット領域Sc4の露光について説明する。例えば
図15を参照して説明したように、ショット領域Sc4の露光開始からそのショット領域Sc4の露光終了までの間に、少なくとも+Y軸方向への移動を含む基板Pのスキャン移動動作が行われる。ショット領域Sc4の露光のための基板Pのスキャン移動期間において、第2部材22は、位置Jsから位置Jrに移動する。
図17(A)に示すように、ショット領域Sc4の露光終了において、第2部材22は、位置Jrに配置される。ショット領域Sc4の露光のためのスキャン移動期間において、第2部材22は、移動し続けてもよい。なお、ショット領域Sc4の露光のためのスキャン移動期間の少なくとも一部において、第2部材22は、停止してもよい。
【0257】
次に、ショット領域Sc4、Sd1間のステップ移動について説明する。ショット領域Sc4の露光のための基板Pのスキャン移動動作終了後、ショット領域Sc4、Sd1間の基板Pのステップ移動動作が行われる。
【0258】
本実施形態においては、列Gcのショット領域Sc4の露光終了から列Gdのショット領域Sd1の露光開始までの基板Pのステップ移動期間(第2ステップ移動期間)は、同じ列Gcに含まれるショット領域Sc(例えばショット領域Sc2)の露光終了から次のショット領域Sc(例えばショット領域Sc3)の露光開始までの基板Pのステップ移動期間(第1ステップ移動期間)よりも長い。
【0259】
また、本実施形態においては、列Gcのショット領域Sc4の露光終了位置から列Gdのショット領域Sd1の露光開始位置までの基板Pのステップ移動距離は、同じ列Gcに含まれるショット領域Sc(例えばショット領域Sc2)の露光終了位置から次のショット領域Sc(例えばショット領域Sc3)の露光開始位置までの基板Pのステップ移動距離よりも長い。
【0260】
本実施形態において、ショット領域Sc4の露光終了からショット領域Sd1の露光開始までの間に、制御装置6は、少なくとも−X軸方向及び−Y軸方向への移動を含む基板Pのステップ移動動作を行う。本実施形態において、ショット領域Sc4、Sd1間の基板Pのステップ移動動作は、
図17(A)及び
図17(B)に示すように、基板Pが少なくともX軸方向に移動する第1動作と、
図17(B)及び
図17(C)に示すように、基板Pが主にY軸方向に移動する第2動作とを含む。第1動作において、
図17(A)に示す状態から
図17(B)に示す状態に変化する。第2動作において、
図17(B)に示す状態から
図17(C)に示す状態に変化する。第1動作は、基板Pが少なくともX軸方向へ移動することを含む。本実施形態において、第1動作は、基板Pが−X軸方向へ移動しつつ、+Y軸方向及び−Y軸方向の一方又は両方に移動することを含む。第2動作は、基板PがY軸方向に移動することを含む。第2動作は、第1動作よりもX軸方向に関する基板Pの動き(移動距離、移動速度、及び加速度の少なくとも一つ)が小さいことを含む。本実施形態において、第2動作は、基板Pが−Y軸方向に移動し、X軸方向には実質的に移動しないことを含む。なお、第2動作において、基板Pは、Y軸方向に移動しつつ、X軸方向に移動してもよい。例えば、第2動作におけるX軸方向に関する基板Pの動きが、第1動作におけるX軸方向に関する基板Pの動きよりも小さくなるように、基板Pを動かしてもよい。
【0261】
すなわち、本実施形態においては、ショット領域Sc4の露光終了からショット領域Sd1の露光開始までの基板Pのステップ移動期間(第2ステップ移動期間)において、制御装置6は、基板Pを少なくとも−X軸方向へ移動させる第1動作と、基板Pを主に−Y軸方向に移動させる第2動作とを行う。
【0262】
本実施形態においては、ショット領域Sc4、Sd1間の基板Pのステップ移動期間(第2ステップ移動期間)のうち基板Pの第1動作が行われる期間において、第2部材22は、基板Pの移動方向(−X軸方向)に移動される。第2部材22は、基板Pとの相対速度が小さくなるように移動される。本実施形態においては、ショット領域Sc4、Sd1間の基板Pのステップ移動期間(第2ステップ移動期間)のうち基板Pの第1動作が行われる期間において、第2部材22は、位置Jrから位置Jsに移動する。
図17(B)に示すように、ショット領域Sc4、Sd1間のステップ移動動作の途中(第1動作の終了)において、第2部材22は、位置Jsに配置される。換言すれば、ショット領域Sc4の露光終了後、ショット領域Sd1の露光開始前において、第2部材22は、位置Jsに配置される。基板Pの第1動作が行われる期間において、第2部材22は、位置Jrからの移動を開始し、位置Jsに到達するまで、−X軸方向に移動する。
【0263】
本実施形態においては、ショット領域Sc4、Sd1間の基板Pのステップ移動期間(第2ステップ移動期間)のうち基板Pの第2動作が行われる期間において、第2部材22は、移動しない。換言すれば、基板Pの第2動作が行われる期間において、第2部材22は、終端光学素子13(第1部材21)に対して停止する。基板Pの第2動作が行われる期間において、終端光学素子13(第1部材21)に対する第2部材22の相対速度が零になる。すなわち、基板Pのステップ移動期間(第2ステップ移動期間)のうち、基板PがX軸方向に実質的に移動しない(あるいはX軸方向への動きが小さい)期間においては、第2部材22は、X軸方向に移動しない。第2動作が行われる期間において、第2部材22の位置は、位置Jsに維持される。
【0264】
なお、基板Pの第1動作が行われる期間の少なくとも一部において、第2部材22が停止してもよい。なお、基板Pの第2動作が行われる期間の少なくとも一部において、第2部材22が移動してもよい。
【0265】
なお、ショット領域Sc4、Sd1間の基板Pのステップ移動期間(第2ステップ移動期間)において、基板Pの第1動作の後、第2動作が行われてもよいし、基板Pの第2動作の後、第1動作が行われてもよい。なお、ショット領域Sc4、Sd1間の基板Pのステップ移動期間(第2ステップ移動期間)において、基板Pの第1動作と第2動作とが交互に行われてもよい。
また、第2ステップ移動期間において、基板Pの動作を第1動作と第2動作に分けなくてもよい。例えば、第2ステージ移動期間において、基板PをX軸方向とY軸方向とに動かし続け出てもよい。この場合、例えば
図17(A)の状態から
図17(C)の状態へ変化する期間において、第2部材22を−X軸方向に動かし続けてもよい。
【0266】
次に、ショット領域Sd1の露光について説明する。ショット領域Sc4、Sd1間の基板Pのステップ移動動作終了後、ショット領域Sd1の露光のための基板Pのスキャン移動動作が行われる。ショット領域Sd1の露光のために、制御装置6は、ショット領域Sd1の露光開始からそのショット領域Sd1の露光終了までの間に、少なくとも−Y軸方向への移動を含む基板Pのスキャン移動動作を行う。
【0267】
本実施形態においては、ショット領域Sd1の露光のための基板Pのスキャン移動期間において、第2部材22は、移動しない。換言すれば、ショット領域Sd1の露光のための基板Pのスキャン移動期間において、第2部材22は、終端光学素子13(第1部材21)に対して停止する。ショット領域Sd1の露光のための基板Pのスキャン移動期間において、終端光学素子13(第1部材21)に対する第2部材22の相対速度が零になる。すなわち、基板PがX軸方向に実質的に移動しないショット領域Sd1の露光のための基板Pのスキャン移動期間においては、第2部材22は、X軸方向に移動しない。
図17(C)に示すように、ショット領域Sd1の露光開始において、第2部材22は、位置Jsに配置される。
図17(D)に示すように、ショット領域Sd1の露光終了において、第2部材22は、位置Jsに配置される。すなわち、ショット領域Sd1の露光のための基板Pのスキャン移動期間において、第2部材22の位置は、位置Jsに維持される。
【0268】
なお、ショット領域Sd1の露光のための基板Pのスキャン移動期間の少なくとも一部において、第2部材22は移動してもよい。
【0269】
次に、ショット領域Sd1、Sd2間のステップ移動について説明する。ショット領域Sd1の露光のための基板Pのスキャン移動動作終了後、ショット領域Sd1、Sd2間の基板Pのステップ移動動作が行われる。本実施形態において、ショット領域Sd1の露光終了からショット領域Sd2の露光開始までの間に、制御装置6は、少なくとも+X軸方向への移動を含む基板Pのステップ移動動作を行う。ショット領域Sd1、Sd2間の基板Pのステップ移動期間の少なくとも一部において、第2部材22は、基板Pの移動方向(+X軸方向)に移動される。第2部材22は、基板Pとの相対速度が小さくなるように移動される。本実施形態においては、ショット領域Sd1、Sd2間の基板Pのステップ移動期間(第1ステップ移動期間)において、第2部材22は、位置Jsから位置Jrに移動する。
図17(E)に示すように、ショット領域Sd1、Sd2間のステップ移動終了において、第2部材22は、位置Jrに配置される。ショット領域Sd1、Sd2間の基板Pのステップ移動期間(第1ステップ移動期間)において、第2部材22は、位置Jsからの移動を開始し、位置Jrに到達するまで、+X軸方向に移動する。
【0270】
次に、ショット領域Sd2の露光について説明する。ショット領域Sd1、Sd2間の基板Pのステップ移動動作終了後、ショット領域Sd2の露光のための基板Pのスキャン移動動作が行われる。ショット領域Sd2の露光開始からそのショット領域Sd2の露光終了までの間に、少なくとも+Y軸方向への移動を含む基板Pのスキャン移動動作が行われる。また、ショット領域Sd2の露光のための基板Pのスキャン移動期間において、第2部材22は、位置Jrから位置Jsに移動する。
【0271】
次に、ショット領域Sd2、Sd3間のステップ移動について説明する。ショット領域Sd2の露光終了からショット領域Sd3の露光開始までの間に、少なくとも+X軸方向への移動を含む基板Pのステップ移動動作が行われる。また、ショット領域Sd2、Sd3間の基板Pのステップ移動期間において、第2部材22は、位置Jsから位置Jrに移動する。
【0272】
以下、同じ列Gdに含まれる複数のショット領域Sdのそれぞれを順次露光する場合において、基板P(基板ステージ2)及び第2部材22について、制御装置6は、
図17(C)〜
図17(E)を参照して説明した動作と同様の動作を行う。
【0273】
図15〜
図17を参照して説明したように、本実施形態においては、ある列(例えば列Gc)に含まれるショット領域S(例えばショット領域Sc2)の露光終了からその列と同じ列(列Gc)に含まれる次のショット領域S(例えばショット領域Sc3)の露光開始までの基板Pの第1ステップ移動期間における第2部材22の動作(動き方)と、ある列(例えば列Gc)のショット領域S(例えばショット領域Sc4)の露光終了からその列とは別の列(例えば列Gd)のショット領域S(例えばショット領域Sd1)の露光開始までの基板Pの第2ステップ移動期間における第2部材22の動作(動き方)とが異なる。
【0274】
本実施形態においては、一例として、第1ステップ移動期間においては、第2部材22は移動し続け、第2ステップ移動期間の一部の期間(第2動作が行われる期間)においては、第2部材22の移動が停止する。
【0275】
また、本実施形態においては、ショット領域Sc4、Sd1間のステップ移動期間(第2ステップ移動期間)の開始とショット領域Sd1、Sd2間のステップ移動期間(第1ステップ移動期間)の開始とにおいて、終端光学素子13(第1部材21)に対する第2部材22の位置が異なる。本実施形態においては、
図17(A)に示すように、ショット領域Sc4、Sd1間のステップ移動期間(第2ステップ移動期間)の開始において、第2部材22は、位置Jrに配置される。
図17(D)に示すように、ショット領域Sd1、Sd2間のステップ移動期間(第1ステップ移動期間)の開始において、第2部材22は、位置Jsに配置される。
【0276】
また、本実施形態においては、ショット領域Sc4、Sd1間のステップ移動期間(第2ステップ移動期間)の終了とショット領域Sd1、Sd2間のステップ移動期間(第1ステップ移動期間)の終了とにおいて、終端光学素子13(第1部材21)に対する第2部材22の位置が異なる。本実施形態においては、
図17(C)に示すように、ショット領域Sc4、Sd1間のステップ移動期間(第2ステップ移動期間)の終了において、第2部材22は、位置Jsに配置される。
図17(E)に示すように、ショット領域Sd1、Sd2間のステップ移動期間(第1ステップ移動期間)の終了において、第2部材22は、位置Jrに配置される。
【0277】
また、本実施形態においては、ショット領域Sc4、Sd1間のステップ移動期間(第2ステップ移動期間)とショット領域Sd1、Sd2間のステップ移動期間(第1ステップ移動期間)とにおいて、第2部材22の移動方向が異なる。本実施形態においては、
図17(A)、
図17(B)、及び
図17(C)に示すように、ショット領域Sc4、Sd1間のステップ移動期間(第2ステップ移動期間)において、第2部材22は、位置Jrから位置Jsに移動する。すなわち、第2ステップ移動期間において、第2部材22は、−X軸方向に移動する。
図17(D)及び
図17(E)に示すように、ショット領域Sd1、Sd2間のステップ移動期間(第1ステップ移動期間)において、第2部材22は、位置Jsから位置Jrに移動する。すなわち、第1ステップ移動期間において、第2部材22は、+X軸方向に移動する。
【0278】
本実施形態において、ショット領域Sc4、Sd1間のステップ移動期間(第2ステップ移動期間)とショット領域Sd1、Sd2間のステップ移動期間(第1ステップ移動期間)とにおいて、第2部材22の移動距離が実質的に等しくてもよいし、異なってもよい。第1ステップ移動期間における第2部材22の移動距離が、第2ステップ移動期間における第2部材22の移動距離よりも長くてもよいし、短くてもよい。例えば、第1ステップ移動期間において第2部材22が位置Jsと位置Jrとの間を移動する場合、第2ステップ移動期間において、第2部材22は、位置Jrと位置Jsmとの間を移動してもよいし、位置Jrと位置Jmとの間を移動してもよいし、位置Jrと位置Jrmとの間を移動してもよい。また、第2ステップ移動期間において、第2部材22は、位置Jrmと位置Jsとの間を移動してもよいし、位置Jrmと位置Jsmとの間を移動してもよいし、位置Jrmと位置Jmとの間を移動してもよい。また、例えば、第2ステップ移動期間において第2部材22が位置Jrと位置Jsとの間を移動する場合、第1ステップ移動期間において、第2部材22は、位置Jsと位置Jrmとの間を移動してもよいし、位置Jsと位置Jmとの間を移動してもよいし、位置Jsと位置Jsmに移動してもよい。また、第2ステップ移動期間において、第2部材22は、位置Jsmと位置Jrとの間を移動してもよいし、位置Jsmと位置Jrmとの間を移動してもよいし、位置Jsmと位置Jmとの間を移動してもよい。
【0279】
また、本実施形態において、ショット領域Sc4、Sd1間のステップ移動期間(第2ステップ移動期間)とショット領域Sd1、Sd2間のステップ移動期間(第1ステップ移動期間)とにおいて、第2部材22の移動速度が実質的に等しくてもよいし、異なってもよい。第1ステップ移動期間における第2部材22の移動速度が、第2ステップ移動期間における第2部材22の移動速度よりも高くてもよいし、低くてもよい。
【0280】
また、本実施形態において、ショット領域Sc4、Sd1間のステップ移動期間(第2ステップ移動期間)とショット領域Sd1、Sd2間のステップ移動期間(第1ステップ移動期間)とにおいて、第2部材22の加速度(減速度)が実質的に等しくてもよいし、異なってもよい。第1ステップ移動期間における第2部材22の加速度が、第2ステップ移動期間における第2部材22の加速度よりも高くてもよいし、低くてもよい。
【0281】
本実施形態において、第2部材22は、X軸方向に移動可能であり、第1、第2ステップ移動期間における第2部材22の移動方向は、X軸方向に関する第2部材22の移動方向を含む。同様に、本実施形態において、第1、第2ステップ移動期間における第2部材22の移動距離は、X軸方向に関する第2部材22の移動距離を含む。第1、第2ステップ移動期間における第2部材22の移動速度は、X軸方向に関する第2部材22の移動速度を含む。第1、第2ステップ移動期間における第2部材22の加速度は、X軸方向に関する第2部材22の加速度を含む。
【0282】
なお、第2部材22は、XY平面内における少なくとも2つの方向に移動可能でもよい。例えば、第2部材22は、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに移動可能でもよい。第1ステップ移動期間と第2ステップ移動期間とにおいて、XY平面内における終端光学素子13に対する第2部材22の移動方向が異なってもよいし、移動距離が異なってもよいし、移動速度が異なってもよいし、加速度(減速度)が異なってもよい。
【0283】
なお、第2部材22は、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つの方向に移動可能でもよい。第1ステップ移動期間と第2ステップ移動期間とにおいて、その6つの方向における終端光学素子13に対する第2部材22の移動方向が異なってもよいし、移動距離が異なってもよいし、移動速度が異なってもよいし、加速度(減速度)が異なってもよい。
【0284】
なお、第2ステップ移動期間において、第2部材22は、移動し続けてもよい。すなわち、第2ステップ移動期間において、終端光学素子13(第1部材21)に対する第2部材22の移動速度は零にならなくてもよい。換言すれば、第2ステップ移動期間において、終端光学素子13(第1部材21)に対して第2部材22は停止しなくてもよい。
【0285】
また、第1ステップ移動期間及び第2ステップ移動期間の両方において、第2部材22は、移動し続けてもよい。
【0286】
また、本実施形態において、ショット領域Sc4の露光開始から露光終了までの露光期間(ショット領域Sc4の露光のための露光期間)、及びショット領域Sc4、Sd1間の第2ステップ移動期間において、第2部材22は、移動し続けてもよい。また、ショット領域Sc4の露光開始から露光終了までの露光期間(ショット領域Sc4の露光のための露光期間)、ショット領域Sc4、Sd1間の第2ステップ移動期間、及びショット領域Sd1の露光開始から露光終了までの露光期間(ショット領域Sd1の露光のための露光期間)において、第2部材22は、移動し続けてもよい。
【0287】
なお、第1ステップ移動期間の少なくとも一部において第2部材22の移動が停止され、第2ステップ移動期間の少なくとも一部において第2部材22の移動が停止されてもよい。第1ステップ移動期間における第2部材22の移動停止時間と、第2ステップ移動期間における第2部材22の移動停止時間とが異なってもよい。例えば、第2ステップ移動期間における第2部材22の移動停止時間が、第1ステップ移動期間における第2部材22の移動停止時間よりも長くてもよい。なお、第2ステップ移動期間における第2部材22の移動停止時間が、第1ステップ移動期間における第2部材22の移動停止時間よりも短くてもよい。
【0288】
なお、本実施形態において、同じ列Gcに含まれるショット領域Sc、Sc間の基板Pの第1ステップ移動期間においては、第2部材22は、−X軸方向に移動する。また、同じ列Gdに含まれるショット領域Sd、Sd間の基板Pの第1ステップ移動期間においては、第2部材22は、+X軸方向に移動する。列Gcのショット領域Sc4の露光終了から列Gdのショット領域Sd1の露光開始までの基板Pの第2ステップ移動期間において、第2部材22は、例えば−X軸方向に移動してもよいし、−X軸方向及び+X軸方向の両側に移動してもよい。
【0289】
以上説明したように、本実施形態によれば、第1部材21の下方において移動可能な第2部材22を設けたので、液浸空間LSが形成されている状態で基板P等の物体がXY平面内において移動しても、例えば液体LQが液浸部材5と物体との間の空間から流出したり、物体上に液体LQが残留したりすることが抑制される。また、液浸空間LSの液体LQに気泡(気体部分)が発生することも抑制される。
【0290】
また、本実施形態においては、同じ列に含まれるショット領域Sの露光終了からその列に含まれるショット領域Sの露光開始までの基板Pの第1ステップ移動期間における第2部材22の動作(動き方)と、ある列のショット領域Sの露光終了からその列とは別の列のショット領域Sの露光開始までの基板Pの第2ステップ移動期間における第2部材22の動作(動き方)とが異なるため、液浸空間LSから液体LQが流出すること、基板P(物体)上に液体LQが残留すること、及び液体LQに気泡が発生することの少なくとも一つが抑制される。基板Pの第1ステップ移動動作(第1ステップ移動期間における基板Pの動き方)と、第2ステップ移動動作(第2ステップ移動期間における基板Pの動き方)とが異なる場合、その基板Pの動き方に基づいて、第2部材22の動作(動き方)を定めることによって、液体LQの流出などが抑制される。
【0291】
したがって、露光不良の発生、及び不良デバイスの発生を抑制することができる。
【0292】
また、本実施形態においては、第2部材22は、流体回収部27を有するため、液体回収部27の下面と基板P(物体)の上面との間に形成される第2界面LG2の形状変化を抑制することができる。これにより、液浸空間LSの液体LQが液浸部材5と基板P(物体)との間の空間から流出したり、基板P(物体)上に液体LQが残留したりすることが抑制される。
【0293】
また、本実施形態においては、基板P(物体)との相対移動(相対速度、相対加速度)が小さくなるように第2部材22を移動することにより、液浸空間LSが形成されている状態で物体が高速度で移動しても、液浸空間LSから液体LQが流出したり、基板P(物体)上に液体LQが残留したり、液体LQに気泡が発生したりすることが抑制される。
【0294】
また、本実施形態においては、第1部材21は終端光学素子13の周囲の少なくとも一部に配置されているので、液浸空間LSが形成されている状態で物体が移動したり、第2部材22が移動したりした場合においても、終端光学素子13と第1部材21との間において圧力が変動したり、液体LQの第3界面LG3の形状が大きく変動したりすることが抑制される。したがって、例えば液体LQに気泡が発生したり、終端光学素子13に過剰な力が作用したりすることが抑制される。また、本実施形態においては、第1部材21は実質的に移動しないため、終端光学素子13と第1部材21との間において圧力が大きく変動したり、液体LQの第1界面LG1の形状が大きく変動したりすることが抑制される。
【0295】
なお、第1部材21が移動可能であってもよい。なお、第1部材21は、終端光学素子13に対して移動してもよい。第1部材21は、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つの方向のうちの少なくとも一つの方向に移動してもよい。例えば、終端光学素子13と第1部材21との位置関係を調整したり、第1部材21と第2部材22との位置関係を調整したりするために、第1部材21を移動してもよい。また、基板P(物体)の移動の少なくとも一部と並行して、第1部材21を移動してもよい。例えば、XY平面内において第2部材22よりも短い距離だけ移動してもよい。また、第1部材21は、第2部材22よりも低速度で移動してもよい。また、第1部材21は、第2部材22よりも低加速度で移動してもよい。
【0296】
また、本実施形態においては、液浸空間LSを形成するための液体LQを供給する液体供給部31が第1部材21に配置され、基板P(物体)上の液体LQを回収する流体回収部27が、第1部材21と間隙を介して配置される第2部材22に配置される。これにより、流体回収部27から流体(液体LQ及び気体の一方又は両方)が回収されることによって、第2部材22の温度が変化しても、第1部材21の温度が変化することが抑制される。したがって、液体供給部31から供給される液体LQの温度が変化することが抑制される。
【0297】
また、本実施形態においては、液体供給部31から供給された液体LQは、第1部材21の内側面28及び下面23に接触するように流れる。その液体LQによって、第1部材21の温度変化が抑制される。また、その液体LQによって、第1部材21の温度が調整される。また、液体供給部31から供給された液体LQは、第2部材22の上面25及び下面26に接触するように流れる。その液体LQによって、第2部材22の温度変化が抑制される。また、その液体LQによって、第2部材22の温度が調整される。
【0298】
なお、第1部材21の温度を調整する第1温度調整装置が配置されてもよい。第1温度調整装置は、例えば第1部材21の外面に配置されるペルチェ素子を含んでもよい。第1温度調整装置は、第1部材21の内部に形成された流路に温度調整用の流体(液体及び気体の一方又は両方)を供給する供給装置を含んでもよい。なお、第2部材22の温度を調整する第2温度調整装置が配置されてもよい。第2温度調整装置は、第2部材22の外面に配置されるペルチェ素子を含んでもよいし、第2部材22の内部に形成された流路に温度調整用の流体を供給する供給装置を含んでもよい。
【0299】
なお、本実施形態において、第2部材22の移動条件に基づいて、液体供給部31からの液体供給量が調整されてもよい。また、第2部材22の位置に基づいて液体供給部31からの液体供給量が調整されてもよい。例えば、第2部材22が第1端部位置及び第2端部位置の少なくとも一方に配置されるときの液体供給部31からの液体供給量が、第2部材22が中央位置に配置されるときの液体供給部31からの液体供給量よりも多くなるように調整されてもよい。また、第2部材22が第2端部位置から第1端部位置へ移動するとき、光路Kに対して+X側に配置されている液体供給部31からの液体供給量を、−X側に配置されている液体供給部31からの液体供給量よりも多くしてもよい。また、第2部材22が第1端部位置から第2端部位置へ移動するとき、光路Kに対して−X側に配置されている液体供給部31からの液体供給量を、+X側に配置されている液体供給部31からの液体供給量よりも多くしてもよい。こうすることにより、液体LQに気泡が発生することが抑制される。
【0300】
なお、本実施形態においては、基板Pのステップ移動動作に起因する液体LQの残留、流出などを抑えるために、基板Pのステップ移動動作に対して、第2部材22をステップ方向(X軸方向)に移動するようにしている。しかし、基板Pのスキャン移動動作及びステップ移動動作の少なくとも一方において、スキャン方向(Y軸方向)における基板P(物体)との相対速度差が小さくなるように、第2部材22をスキャン方向(Y軸方向)に移動するようにしてもよい。
【0301】
<第2実施形態>
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0302】
図18は、ある列(例えば列Ge)のショット領域S(例えばショット領域Se2)が露光された後に、その列とは別の列(例えば列Gf)のショット領域S(例えばショット領域Sf1)の露光が行われる状態の一例を模式的に示す図である。Y軸方向に関して、ショット領域Sf1を含む列Gfは、ショット領域Se2を含む列Geの隣に配置される。列Gfは、列Geよりも+Y側に配置される。
【0303】
Y軸方向に関して、ショット領域Sf1の位置とショット領域Se2の位置とは異なる。ショット領域Sf1は、ショット領域Se2よりも、+Y側に配置される。X軸方向に関して、ショット領域Sf1の位置とショット領域Se2の位置とは異なる。ショット領域Sf1は、ショット領域Se2よりも、+X側に配置される。本実施形態においては、ショット領域Se2の+X側のエッジとショット領域Sf1の−X側のエッジとのX軸方向に関する距離は、ショット領域Sf2(ショット領域Se2、Sf1)のX軸方向に関する寸法よりも大きい。
【0304】
X軸方向に関して、ショット領域Sf2は、ショット領域Sf1の隣に配置される。X軸方向に関して、ショット領域Sf3は、ショット領域Sf2の隣に配置される。X軸方向に関して、ショット領域Sf4は、ショット領域Sf3の隣に配置される。ショット領域Sf2は、ショット領域Sf1よりも−X側に配置される。ショット領域Sf3は、ショット領域Sf2よりも−X側に配置される。ショット領域Sf4は、ショット領域Sf3よりも−X側に配置される。
【0305】
制御装置6は、液体LQの液浸空間LSが形成されている状態で、投影光学系PLの投影領域PRに対して基板Pが、
図18中、矢印Srcに示す移動軌跡に沿って相対的に移動するように、スキャン移動動作とステップ移動動作とを繰り返しながら、列Geに含まれるショット領域Se1、Se2を、液体LQを介して露光した後、列Gfに含まれるショット領域Sf1を、液体LQを介して露光する。また、列Gfに含まれるショット領域Sf1が露光された後、その列Gfに含まれる複数のショット領域Sf2、Sf3、Sf4が、液体LQを介して順次露光される。なお、投影光学系PLの投影領域PRに対して基板Pが、
図18中、矢印Src2に示す移動軌跡に沿って相対的に移動してもよい。
【0306】
図19は、列Geに含まれるショット領域Se2が露光された後、列Gfに含まれるショット領域Sf1が露光されるときの第2部材22の動作(動き方)の一例を模式的に示す図である。
【0307】
図19(A)は、基板Pがショット領域Se2の露光終了位置(ショット領域Se2のスキャン移動動作終了位置、ショット領域Se2、Sf1間のステップ移動動作開始位置)に配置されている状態を示す。
【0308】
図19(B)は、基板Pがショット領域Se2の露光終了位置からショット領域Sf1の露光開始位置(ショット領域Sf1のスキャン移動動作開始位置)に移動する途中の状態を示す。
【0309】
図19(C)は、基板Pがショット領域Sf1の露光開始位置(ショット領域Sf1のスキャン移動動作開始位置、ショット領域Se2、Sf1間のステップ移動動作終了位置)に配置されている状態を示す。
【0310】
図19(D)は、基板Pがショット領域Sf1の露光終了位置(ショット領域Sf1のスキャン移動動作終了位置、ショット領域Sf1、Sf2間のステップ移動動作開始位置)に配置されている状態を示す。
【0311】
ショット領域Se2の露光について説明する。ショット領域Se2の露光のために、制御装置6は、ショット領域Se2の露光開始からそのショット領域Se2の露光終了までの間に、少なくとも+Y軸方向への移動を含む基板Pのスキャン移動動作を行う。ショット領域Se2の露光のための基板Pのスキャン移動期間において、第2部材22は、位置Jsから位置Jrに移動する。
図19(A)に示すように、ショット領域Se2の露光終了において、第2部材22は、位置Jrに配置される。
【0312】
次に、ショット領域Se2、Sf1間のステップ移動について説明する。ショット領域Se2、Sf1間の基板Pのステップ移動動作は、ショット領域Se2の露光のための基板Pのスキャン移動動作終了後に行われる。
【0313】
列Geのショット領域Se2の露光終了から列Gfのショット領域Sf1の露光開始までの基板Pのステップ移動期間(第2ステップ移動期間)は、同じ列Geに含まれるショット領域Se(例えばショット領域Se1)の露光終了から次のショット領域Se(例えばショット領域Se2)の露光開始までの基板Pのステップ移動期間(第1ステップ移動期間)よりも長い。
【0314】
また、列Geのショット領域Se2の露光終了位置から列Gfのショット領域Sf1の露光開始位置までの基板Pのステップ移動距離は、同じ列Geに含まれるショット領域Se(例えばショット領域Se1)の露光終了位置から次のショット領域Se(例えばショット領域Se2)の露光開始位置までの基板Pのステップ移動距離よりも長い。
【0315】
ショット領域Se2、Sf1間の基板Pのステップ移動動作は、基板Pが少なくともX軸方向に移動する動作を含む。ショット領域Se2、Sf1間の基板Pのステップ移動動作は、基板Pが−X軸方向へ移動しつつ+Y軸方向へ移動する動作と、基板Pが−X軸方向へ移動しつつ−Y軸方向へ移動する動作とを含む。
【0316】
ショット領域Se2、Sf1間の基板Pのステップ移動期間(第2ステップ移動期間)の少なくとも一部において、第2部材22は、基板Pの移動方向(−X軸方向)に移動される。第2部材22は、基板Pとの相対速度が小さくなるように移動される。本実施形態においては、ショット領域Se2、Sf1間の基板Pのステップ移動期間(第2ステップ移動期間)において、第2部材22は、位置Jrから位置Jsに移動する。基板Pのステップ移動期間(第2ステップ移動期間)において、第2部材22は、位置Jrからの移動を開始し、位置Jsに到達するまで、−X軸方向に移動する。
【0317】
本実施形態においては、ショット領域Se2、Sf1間の基板Pのステップ移動動作は、
図19(A)及び
図19(B)に示すように、基板Pが主にY軸方向に移動する第2動作と、
図19(B)及び
図19(C)に示すように、基板PがX軸方向及びY軸方向の両方に移動する第1動作とを含む。第2動作は、基板Pが主に+Y軸方向へ移動する動作を含む。第1動作は、基板Pが−X軸方向へ移動しつつ−Y軸方向へ移動する動作を含む。第1動作におけるX軸方向に関する基板Pの移動距離は、第2動作におけるX軸方向に関する基板Pの移動距離よりも大きい。
図19(B)に示すように、ショット領域Se2、Sf1間のステップ移動動作の途中(第2動作の終了)において、第2部材22は、位置Jrに配置される。
図19(C)に示すように、ショット領域Se2、Sf1間のステップ移動動作の終了(ショット領域Sf1の露光開始)において、第2部材22は、位置Jsに配置される。
【0318】
なお、ショット領域Se2、Sf1間の基板Pのステップ移動動作が、基板Pが−X軸方向へ移動しつつ+Y軸方向及び−Y軸方向の一方又は両方へ移動する動作と、基板Pが+X軸方向へ移動しつつ+Y軸方向及び−Y軸方向の一方又は両方へ移動する動作とを含んでもよい。
ショット領域Se2、Sf1間の第2ステップ移動期間において基板Pが−X軸方向及び+X軸方向に移動する場合、第2部材22は、−X軸方向のみに移動してもよいし、−X軸方向及び+X軸方向の両方に移動してもよい。例えば、ショット領域Se2、Sf1間の第2ステップ移動期間において基板Pが−X軸方向及び+X軸方向に移動する場合、第2部材22は、基板Pとの相対速度が小さくなるように、−X軸方向及び+X軸方向の両方に移動してもよい。
【0319】
ショット領域Se2、Sf1間の基板Pのステップ移動期間(第2ステップ移動期間)において、第2部材22は、移動し続けてもよい。ショット領域Se2、Sf1間の基板Pのステップ移動期間(第2ステップ移動期間)の少なくとも一部において、第2部材22の移動が停止されてもよい。
【0320】
次に、ショット領域Sf1の露光について説明する。ショット領域Sf1の露光のために、制御装置6は、ショット領域Sf1の露光開始からそのショット領域Sf2の露光終了までの間に、少なくとも−Y軸方向への移動を含む基板Pのスキャン移動動作を行う。
【0321】
本実施形態においては、ショット領域Sf1の露光のための基板Pのスキャン移動期間において、第2部材22は、移動しない。ショット領域Sf1の露光のための基板Pのスキャン移動期間において、第2部材22の位置は、位置Jsに維持される。
図19(C)に示すように、ショット領域Sf1の露光開始において、第2部材22は、位置Jsに配置される。
図19(D)に示すように、ショット領域Sf1の露光終了においても、第2部材22は、位置Jsに配置される。
【0322】
なお、ショット領域Sf1の露光のための基板Pのスキャン移動期間の少なくとも一部において、第2部材22は移動してもよい。なお、ショット領域Sf1の露光のための基板Pのスキャン移動期間において、第2部材22は移動し続けてもよい。制御装置6は、ショット領域Sf1の露光のための基板Pのスキャン移動期間において第2部材22がX軸方向に関して移動され、ショット領域Sf1の露光終了において第2部材22が位置Jsに配置されるように、駆動装置32を制御してもよい。
【0323】
次に、ショット領域Sf1、Sf2間のステップ移動について説明する。ショット領域Sf1の露光終了からショット領域Sf2の露光開始までの間に、少なくとも+X軸方向への移動を含む基板Pのステップ移動動作が行われる。また、ショット領域Sf1、Sf2間の基板Pのステップ移動期間において、第2部材22は、位置Jsから位置Jrに移動する。
【0324】
次に、ショット領域Sf2の露光について説明する。ショット領域Sf1、Sf2間の基板Pのステップ移動動作終了後、ショット領域Sf2の露光のための基板Pのスキャン移動動作が行われる。ショット領域Sf2の露光開始からそのショット領域Sf2の露光終了までの間に、少なくとも+Y軸方向への移動を含む基板Pのスキャン移動動作が行われる。また、ショット領域Sf2の露光のための基板Pのスキャン移動期間において、第2部材22は、位置Jrから位置Jsに移動する。
【0325】
以下、同じ列Gfに含まれる複数のショット領域Sfのそれぞれを順次露光する場合において、基板P(基板ステージ2)及び第2部材22について、上述の動作と同様の動作が行われる。
【0326】
本実施形態においても、ショット領域Se2、Sf1間のステップ移動期間(第2ステップ移動期間)の開始とショット領域Sf1、Sf2間のステップ移動期間(第1ステップ移動期間)の開始とにおいて、終端光学素子13(第1部材21)に対する第2部材22の位置が異なる。本実施形態においては、
図19(A)に示すように、ショット領域Se2、Sf1間のステップ移動期間(第2ステップ移動期間)の開始において、第2部材22は、位置Jrに配置される。
図19(D)に示すように、ショット領域Sf1、Sf2間のステップ移動期間(第1ステップ移動期間)の開始において、第2部材22は、位置Jsに配置される。
【0327】
また、本実施形態においては、ショット領域Se2、Sf1間のステップ移動期間(第2ステップ移動期間)の終了とショット領域Sf1、Sf2間のステップ移動期間(第1ステップ移動期間)の終了とにおいて、終端光学素子13(第1部材21)に対する第2部材22の位置が異なる。本実施形態においては、
図19(C)に示すように、ショット領域Se2、Sf1間のステップ移動期間(第2ステップ移動期間)の終了において、第2部材22は、位置Jsに配置される。ショット領域Sf1、Sf2間のステップ移動期間(第1ステップ移動期間)の終了において、第2部材22は、位置Jrに配置される。
【0328】
本実施形態においても、ある列Gfに含まれるショット領域Sf1の露光終了からその列と同じ列Gfに含まれる次のショット領域Sf2の露光開始までの基板Pの第1ステップ移動期間における第2部材22の動作(動き方)と、ある列Geのショット領域Se2の露光終了からその列とは別の列Gfのショット領域Sf1の露光開始までの基板Pの第2ステップ移動期間における第2部材22の動作(動き方)とが異なる。
【0329】
例えば、第1ステップ移動期間において第2部材22は移動し続け、第2ステップ移動期間の少なくとも一部において第2部材22の移動が停止されてもよい。
【0330】
また、第1ステップ移動期間と第2ステップ移動期間とにおいて、第2部材22の移動方向が異なってもよい。本実施形態においては、ショット領域Se2、Sf1間のステップ移動期間(第2ステップ移動期間)において、第2部材22は、位置Jrから位置Jsに移動する。すなわち、第2ステップ移動期間において、第2部材22は、−X軸方向に移動する。ショット領域Sf1、Sf2間のステップ移動期間(第1ステップ移動期間)において、第2部材22は、位置Jsから位置Jrに移動する。すなわち、第1ステップ移動期間において、第2部材22は、+X軸方向に移動する。
【0331】
また、第1ステップ移動期間と第2ステップ移動期間とにおいて、第2部材22の移動距離が異なってもよい。第2ステップ移動期間における終端光学素子13に対する第2部材22の移動距離が、第1ステップ移動期間における終端光学素子13に対する第2部材22の移動距離よりも長くてもよいし、短くてもよい。例えば、第2ステップ移動期間において第2部材22が位置Jrと位置Jsとの間において移動され、第1ステップ移動期間において第2部材22が位置Jrmと位置Jsmとの間において移動されてもよい。第2ステップ移動期間において第2部材22が位置Jrmと位置Jsmとの間において移動され、第1ステップ移動期間において第2部材22が位置Jrと位置Jsとの間において移動されてもよい。
【0332】
また、第1ステップ移動期間と第2ステップ移動期間とにおいて、第2部材22の移動速度が異なってもよい。第2ステップ移動期間における終端光学素子13に対する第2部材22の移動速度が、第1ステップ移動期間における終端光学素子13に対する第2部材22の移動速度よりも高くてもよいし、低くてもよい。
【0333】
また、第1ステップ移動期間と第2ステップ移動期間とにおいて、第2部材22の加速度(減速度)が異なってもよい。第2ステップ移動期間における終端光学素子13に対する第2部材22の加速度が、第1ステップ移動期間における終端光学素子13に対する第2部材22の加速度よりも高くてもよいし、低くてもよい。
【0334】
また、ショット領域Se1、Se2間の第1ステップ移動期間において、第2部材22は、移動し続けてもよい。また、ショット領域Se2、Sf1間の第2ステップ移動期間において、第2部材22は、移動し続けてもよい。また、ショット領域Sf1、Sf2間の第1ステップ移動期間において、第2部材22は、移動し続けてもよい。また、第1ステップ移動期間及び第2ステップ移動期間の両方において、第2部材22は、移動し続けてもよい。
【0335】
また、ショット領域Se2の露光開始から露光終了までの露光期間と、ショット領域Se2、Sf1間の第2ステップ移動期間とにおいて、第2部材22は、移動し続けてもよい。
【0336】
また、ショット領域Se2の露光開始から露光終了までの露光期間(スキャン移動動作期間)と、ショット領域Se2、Sf1間の第2ステップ移動期間と、ショット領域Sf1の露光開始から露光終了までの露光期間(スキャン移動動作期間)とにおいて、第2部材22は、移動し続けてもよい。
【0337】
また、ショット領域Se1、Se2間の第1ステップ移動期間の少なくとも一部において、第2部材22の移動が停止されてもよい。また、ショット領域Se2、Sf1間の第2ステップ移動期間の少なくとも一部において、第2部材22の移動が停止されてもよい。また、ショット領域Sf1、Sf2間の第1ステップ移動期間の少なくとも一部において、第2部材22の移動が停止されてもよい。
【0338】
また、ショット領域Se2、Sf1間の第2ステップ移動期間の少なくとも一部において第2部材22の移動が停止される場合、その第2ステップ移動期間のうち基板PがY軸方向に移動される期間の少なくとも一部において、第2部材22の移動が停止されてもよい。
【0339】
また、ショット領域Se2の露光開始から露光終了までの露光期間(スキャン移動期間)において、第2部材22が移動し続け、ショット領域Se2、Sf1間の第2ステップ移動期間の少なくとも一部において第2部材22の移動が停止されてもよい。
【0340】
また、ショット領域Se2の露光開始から露光終了までの露光期間(スキャン移動期間)、及びショット領域Sf1の露光開始から露光終了までの露光期間(スキャン移動期間)において、第2部材22が移動し続け、ショット領域Se2、Sf1間の第2ステップ移動期間の少なくとも一部において第2部材22の移動が停止されてもよい。
【0341】
以上説明したように、本実施形態においても、基板Pの第1ステップ移動期間における第2部材22の動作(動き方)と基板Pの第2ステップ移動期間における第2部材22の動作(動き方)とが異なるように駆動装置32が制御されることによって、液浸空間LSからの液体LQの流出などが抑制される。したがって、露光不良の発生、及び不良デバイスの発生を抑制することができる。
【0342】
<第3実施形態>
第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0343】
図20は、ある列(例えば列Ge)のショット領域S(例えばショット領域Se2)が露光された後に、その列とは別の列(例えば列Gf)のショット領域S(例えばショット領域Sf1)の露光が行われる状態の一例を模式的に示す図である。Y軸方向に関して、ショット領域Sf1を含む列Gfは、ショット領域Se2を含む列Geの隣に配置される。
列Gfは、列Geよりも+Y側に配置される。
【0344】
制御装置6は、液体LQの液浸空間LSが形成されている状態で、投影光学系PLの投影領域PRに対して基板Pが、
図20中、矢印Srdに示す移動軌跡に沿って相対的に移動するように、スキャン移動動作とステップ移動動作とを繰り返しながら、列Geに含まれるショット領域Se1、Se2を、液体LQを介して露光した後、列Gfに含まれるショット領域Sf1を、液体LQを介して露光する。また、列Gfに含まれるショット領域Sf1が露光された後、その列Gfに含まれる複数のショット領域Sf2、Sf3、Sf4が、液体LQを介して順次露光される。
【0345】
図21は、列Geに含まれるショット領域Se2が露光された後、列Gfに含まれるショット領域Sf1が露光されるときの第2部材22の動作(動き方)の一例を模式的に示す図である。
【0346】
図21(A)は、基板Pがショット領域Se2の露光終了位置(ショット領域Se2のスキャン移動動作終了位置、ショット領域Se2、Sf1間のステップ移動動作開始位置)に配置されている状態を示す。
【0347】
図21(B)は、基板Pがショット領域Sf1の露光開始位置(ショット領域Sf1のスキャン移動動作開始位置、ショット領域Se2、Sf1間のステップ移動動作終了位置)に配置されている状態を示す。
【0348】
図21(C)は、基板Pがショット領域Sf1の露光終了位置からショット領域Sf2の露光開始位置(ショット領域Sf2のスキャン移動動作開始位置)に移動する途中の状態を示す。
【0349】
図21(D)は、基板Pがショット領域Sf2の露光開始位置(ショット領域Sf2のスキャン移動動作開始位置、ショット領域Sf1、Sf2間のステップ移動動作終了位置)に配置されている状態を示す。
【0350】
ショット領域Se2の露光について説明する。ショット領域Se2の露光のために、制御装置6は、ショット領域Se2の露光開始からそのショット領域Se2の露光終了までの間に、少なくとも+Y軸方向への移動を含む基板Pのスキャン移動動作を行う。ショット領域Se2の露光のための基板Pのスキャン移動期間において、第2部材22は、位置Jsから位置Jrに移動する。
図21(A)に示すように、ショット領域Se2の露光終了において、第2部材22は、位置Jrに配置される。
【0351】
次に、ショット領域Se2、Sf1間の基板Pのステップ移動について説明する。ショット領域Se2、Sf1間の基板Pのステップ移動動作は、ショット領域Se2の露光のための基板Pのスキャン移動動作終了後に行われる。
【0352】
列Geのショット領域Se2の露光終了から列Gfのショット領域Sf1の露光開始までの基板Pのステップ移動期間(第2ステップ移動期間)は、同じ列Geに含まれるショット領域Se(例えばショット領域Se1)の露光終了から次のショット領域Se(例えばショット領域Se2)の露光開始までの基板Pのステップ移動期間(第1ステップ移動期間)よりも長い。
【0353】
また、列Geのショット領域Se2の露光終了位置から列Gfのショット領域Sf1の露光開始位置までの基板Pのステップ移動距離は、同じ列Geに含まれるショット領域Se(例えばショット領域Se1)の露光終了位置から次のショット領域Se(例えばショット領域Se2)の露光開始位置までの基板Pのステップ移動距離よりも長い。
【0354】
ショット領域Se2、Sf1間の基板Pのステップ移動動作は、基板Pが少なくともX軸方向に移動する動作を含む。ショット領域Se2、Sf1間の基板Pのステップ移動動作は、基板Pが−X軸方向へ移動しつつ+Y軸方向へ移動する動作と、基板Pが−X軸方向へ移動しつつ−Y軸方向へ移動する動作とを含む。
【0355】
ショット領域Se2、Sf1間の基板Pのステップ移動期間(第2ステップ移動期間)の少なくとも一部において、第2部材22は、基板Pの移動方向(−X軸方向)に移動される。第2部材22は、基板Pとの相対速度が小さくなるように移動される。本実施形態においては、ショット領域Se2、Sf1間の基板Pのステップ移動期間(第2ステップ移動期間)において、第2部材22は、位置Jrから位置Jsに移動する。
図21(B)に示すように、ショット領域Se2、Sf1間のステップ移動終了(ショット領域Sf1の露光開始)において、第2部材22は、位置Jsに配置される。
【0356】
なお、ショット領域Se2、Sf1間の基板Pのステップ移動動作が、基板Pが−X軸方向へ移動しつつ+Y軸方向及び−Y軸方向の一方又は両方へ移動する動作と、基板Pが+X軸方向へ移動しつつ+Y軸方向及び−Y軸方向の一方又は両方へ移動する動作とを含んでもよい。
ショット領域Se2、Sf1間の第2ステップ移動期間において基板Pが−X軸方向及び+X軸方向へ移動する場合、第2部材22は、−X軸方向のみに移動してもよいし、−X軸方向及び+X軸方向の両方に移動してもよい。例えば、ショット領域Se2、Sf1間の第2ステップ移動期間において基板Pが−X軸方向及び+X軸方向に移動する場合、第2部材22は、基板Pとの相対速度が小さくなるように、−X軸方向及び+X軸方向の両方に移動してもよい。
【0357】
ショット領域Se2、Sf1間の基板Pのステップ移動期間(第2ステップ移動期間)において、第2部材22は、移動し続けてもよい。ショット領域Se2、Sf1間の基板Pのステップ移動期間(第2ステップ移動期間)の少なくとも一部において、第2部材22の移動が停止されてもよい。
【0358】
次に、ショット領域Sf1の露光について説明する。ショット領域Sf1の露光のために、制御装置6は、ショット領域Sf1の露光開始からそのショット領域Sf1の露光終了までの間に、少なくとも+Y軸方向への移動を含む基板Pのスキャン移動動作を行う。ショット領域Sf1の露光のための基板Pのスキャン移動期間において、第2部材22は、移動しない。ショット領域Sf1の露光のための基板Pのスキャン移動期間において、第2部材22の位置は、位置Jsに維持される。
図21(B)及び
図21(C)に示すように、ショット領域Sf1の露光開始及び露光終了の両方において、第2部材22は、位置Jsに配置される。
【0359】
なお、ショット領域Sf1の露光のための基板Pのスキャン移動期間の少なくとも一部において、第2部材22は移動してもよい。なお、ショット領域Sf1の露光のための基板Pのスキャン移動期間において、第2部材22は移動し続けてもよい。制御装置6は、ショット領域Sf1の露光のための基板Pのスキャン移動期間において第2部材22がX軸方向に関して移動され、ショット領域Sf1の露光終了において第2部材22が位置Jsに配置されるように、駆動装置32を制御してもよい。
【0360】
次に、ショット領域Sf1、Sf2間の基板Pのステップ移動について説明する。ショット領域Sf1、Sf2間の基板Pのステップ移動動作は、ショット領域Sf1の露光のための基板Pのスキャン移動動作終了後に行われる。
【0361】
ショット領域Sf1の露光終了からショット領域Sf2の露光開始までの間に、制御装置6は、少なくとも+X軸方向への移動を含む基板Pのステップ移動動作を行う。ショット領域Sf1、Sf2間の基板Pのステップ移動期間の少なくとも一部において、第2部材22は、基板Pの移動方向(+X軸方向)に移動される。第2部材22は、基板Pとの相対速度が小さくなるように移動される。本実施形態においては、
図21(C)及び
図21(D)に示すように、ショット領域Sf1、Sf2間の基板Pのステップ移動期間(第1ステップ移動期間)において、第2部材22は、位置Jsから位置Jrに移動する。
【0362】
次に、ショット領域Sf2の露光について説明する。
図21(D)に示すように、ショット領域Sf2の露光開始において、第2部材22は、位置Jrに配置される。ショット領域Sf2の露光開始からそのショット領域Sf2の露光終了までの間に、制御装置6は、少なくとも−Y軸方向への移動を含む基板Pのスキャン移動動作を行う。本実施形態においては、ショット領域Sf2の露光のための基板Pのスキャン移動期間において、第2部材22は、位置Jrから位置Jsに移動する。
【0363】
以下、同じ列Gfに含まれる複数のショット領域Sfのそれぞれを順次露光する場合において、制御装置6は、基板P(基板ステージ2)及び第2部材22について、上述と同様の動作を行う。
【0364】
本実施形態においても、ショット領域Se2、Sf1間のステップ移動期間(第2ステップ移動期間)の開始とショット領域Sf1、Sf2間のステップ移動期間(第1ステップ移動期間)の開始とにおいて、終端光学素子13(第1部材21)に対する第2部材22の位置が異なる。本実施形態においては、
図21(A)に示すように、ショット領域Se2、Sf1間のステップ移動期間(第2ステップ移動期間)の開始において、第2部材22は、位置Jrに配置される。
図21(C)に示すように、ショット領域Sf1、Sf2間のステップ移動期間(第1ステップ移動期間)の開始において、第2部材22は、位置Jsに配置される。
【0365】
また、ショット領域Se2、Sf1間のステップ移動期間(第2ステップ移動期間)の終了とショット領域Sf1、Sf2間のステップ移動期間(第1ステップ移動期間)の終了とにおいて、終端光学素子13(第1部材21)に対する第2部材22の位置が異なる。本実施形態においては、
図21(B)に示すように、ショット領域Se2、Sf1間のステップ移動期間(第2ステップ移動期間)の終了において、第2部材22は、位置Jsに配置される。
図21(D)に示すように、ショット領域Sf1、Sf2間のステップ移動期間(第1ステップ移動期間)の終了において、第2部材22は、位置Jrに配置される。
【0366】
本実施形態においても、ある列Gfに含まれるショット領域Sf1の露光終了からその列と同じ列Gfに含まれる次のショット領域Sf2の露光開始までの基板Pの第1ステップ移動期間における第2部材22の動作(動き方)と、ある列Geのショット領域Se2の露光終了からその列とは別の列Gfのショット領域Sf1の露光開始までの基板Pの第2ステップ移動期間における第2部材22の動作(動き方)とが異なる。
【0367】
なお、第1ステップ移動期間においては第2部材22が移動し続け、第2ステップ移動期間の少なくとも一部においては、第2部材22の移動が停止されてもよい。
【0368】
また、第1ステップ移動期間と第2ステップ移動期間とにおいて、第2部材22の移動方向が同じでもよいし、異なってもよい。本実施形態においては、ショット領域Se2、Sf1間の第2ステップ移動期間において、第2部材22は、少なくとも−X軸方向に移動する。ショット領域Se1、Se2間の第1ステップ移動期間において、第2部材22は、−X軸方向に移動する。ショット領域Sf1、Sf2間の第1ステップ移動期間において、第2部材22は、+X軸方向に移動する。
【0369】
また、第1ステップ移動期間と第2ステップ移動期間とにおいて、第2部材22の移動距離が異なってもよい。第2ステップ移動期間における終端光学素子13に対する第2部材22の移動距離が、第1ステップ移動期間における終端光学素子13に対する第2部材22の移動距離よりも長くてもよいし、短くてもよい。
【0370】
また、第1ステップ移動期間と第2ステップ移動期間とにおいて、第2部材22の移動速度が異なってもよい。第2ステップ移動期間における終端光学素子13に対する第2部材22の移動速度が、第1ステップ移動期間における終端光学素子13に対する第2部材22の移動速度よりも高くてもよいし、低くてもよい。
【0371】
また、第1ステップ移動期間と第2ステップ移動期間とにおいて、第2部材22の加速度(減速度)が異なってもよい。第2ステップ移動期間における終端光学素子13に対する第2部材22の加速度が、第1ステップ移動期間における終端光学素子13に対する第2部材22の加速度よりも高くてもよいし、低くてもよい。
【0372】
また、ショット領域Se1、Se2間の第1ステップ移動期間において、第2部材22は、移動し続けてもよい。また、ショット領域Se2、Sf1間の第2ステップ移動期間において、第2部材22は、移動し続けてもよい。また、ショット領域Sf1、Sf2間の第1ステップ移動期間において、第2部材22は、移動し続けてもよい。また、第1ステップ移動期間及び第2ステップ移動期間の両方において、第2部材22は、移動し続けてもよい。
【0373】
また、ショット領域Se2の露光開始から露光終了までの露光期間と、ショット領域Se2、Sf1間の第2ステップ移動期間とにおいて、第2部材22は、移動し続けてもよい。
【0374】
また、ショット領域Se2の露光開始から露光終了までの露光期間(スキャン移動動作期間)と、ショット領域Se2、Sf1間の第2ステップ移動期間と、ショット領域Sf1の露光開始から露光終了までの露光期間(スキャン移動動作期間)とにおいて、第2部材22は、移動し続けてもよい。
【0375】
また、ショット領域Se1、Se2間の第1ステップ移動期間の少なくとも一部において、第2部材22の移動が停止されてもよい。また、ショット領域Se2、Sf1間の第2ステップ移動期間の少なくとも一部において、第2部材22の移動が停止されてもよい。また、ショット領域Sf1、Sf2間の第1ステップ移動期間の少なくとも一部において、第2部材22の移動が停止されてもよい。
【0376】
また、ショット領域Se2、Sf1間の第2ステップ移動期間の少なくとも一部において第2部材22の移動が停止される場合、その第2ステップ移動期間のうち基板PがY軸方向に移動される期間の少なくとも一部において、第2部材22の移動が停止されてもよい。
【0377】
また、ショット領域Se2の露光開始から露光終了までの露光期間(スキャン移動期間)において、第2部材22が移動し続け、ショット領域Se2、Sf1間の第2ステップ移動期間の少なくとも一部において第2部材22の移動が停止されてもよい。
【0378】
また、ショット領域Se2の露光開始から露光終了までの露光期間(スキャン移動期間)、及びショット領域Sf1の露光開始から露光終了までの露光期間(スキャン移動期間)において、第2部材22が移動し続け、ショット領域Se2、Sf1間の第2ステップ移動期間の少なくとも一部において第2部材22の移動が停止されてもよい。
【0379】
以上説明したように、本実施形態においても、基板Pの第1ステップ移動期間における第2部材22の動作(動き方)と基板Pの第2ステップ移動期間における第2部材22の動作(動き方)とが異なるように駆動装置32が制御されることによって、液浸空間LSからの液体LQの流出などが抑制される。したがって、露光不良の発生、及び不良デバイスの発生を抑制することができる。
なお、上述の第2および第3実施形態においては、ショット領域Se2、Sf1間の基板Pのステップ移動動作において、第2部材22が露光光ELの光路を遮るように、第2部材22を動かしてもよい。上述の第2および第3実施形態においては、ショット領域Se2、Sf1間の基板Pのステップ移動動作において、基板Pの−X軸方向への移動距離が長いので、第2部材22の開口35の+X側端部が、投影領域PRの+X側端部よりも、−X側に位置するように、第2部材22を動かしてもよい。ただし、ショット領域Sf1の露光を開始するときまでに、露光光ELの光路を遮らない位置に第2部材22を移動しなければならない。
【0380】
<第4実施形態>
第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0381】
図22は、ある列(例えば列Gi)のショット領域S(例えばショット領域Si2)が露光された後に、その列とは別の列(例えば列Gj)のショット領域S(例えばショット領域Sj1)の露光が行われる状態の一例を模式的に示す図である。Y軸方向に関して、ショット領域Sj1を含む列Gjは、ショット領域Si2を含む列Giの隣に配置される。列Gjは、列Giよりも+Y側に配置される。
【0382】
Y軸方向に関して、ショット領域Sj1の位置とショット領域Si2の位置とは異なる。ショット領域Sj1は、ショット領域Si2よりも、+Y側に配置される。X軸方向に関して、ショット領域Sj1の位置とショット領域Si2の位置とは異なる。ショット領域Sj1は、ショット領域Si2よりも、+X側に配置される。本実施形態においては、ショット領域Si2の+X側のエッジとショット領域Sj1の−X側のエッジとのX軸方向に関する距離は、ショット領域Sj2(ショット領域Si2、Sj1)のX軸方向に関する寸法よりも大きい。
【0383】
X軸方向に関して、ショット領域Sj2は、ショット領域Sj1の隣に配置される。X軸方向に関して、ショット領域Sj3は、ショット領域Sj2の隣に配置される。X軸方向に関して、ショット領域Sj4は、ショット領域Sj3の隣に配置される。ショット領域Sj2は、ショット領域Sj1よりも−X側に配置される。ショット領域Sj3は、ショット領域Sj2よりも−X側に配置される。ショット領域Sj4は、ショット領域Sj3よりも−X側に配置される。
【0384】
制御装置6は、液体LQの液浸空間LSが形成されている状態で、投影光学系PLの投影領域PRに対して基板Pが、
図22中、矢印Sreに示す移動軌跡に沿って相対的に移動するように、スキャン移動動作とステップ移動動作とを繰り返しながら、列Giに含まれるショット領域Si1、Si2を、液体LQを介して順次露光した後、列Gjに含まれるショット領域Sj1を、液体LQを介して露光する。また、列Gjに含まれるショット領域Sj1が露光された後、その列Gjに含まれる複数のショット領域Sj2、Sj3、Sj4が、液体LQを介して順次露光される。
【0385】
本実施形態においては、Y軸方向に関する列Giのショット領域Si(Si1、Si2)の寸法Wiは、Y軸方向に関する列Gjのショット領域Sj(Sj1〜Sj4)の寸法Wjとは異なる。本実施形態において、寸法Wjは、寸法Wiよりも小さい。寸法Wiのショット領域Si(Si1、Si2)が順次露光された後に、寸法Wjのショット領域Sj(ショット領域Sj1〜Sj4)が順次露光される。
【0386】
本実施形態において、制御装置6は、ショット領域Si1の露光終了からショット領域Si2の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の動作(動き方)と、ショット領域Sj1の露光終了からショット領域Sj2の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の動作(動き方)とが異なるように、駆動装置32を制御する。
【0387】
また、本実施形態において、制御装置6は、ショット領域Si1の露光終了からショット領域Si2の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の動作(動き方)と、ショット領域Si2の露光終了からショット領域Sj1の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の動作(動き方)とが異なるように、駆動装置32を制御する。
【0388】
また、本実施形態において、制御装置6は、ショット領域Si2の露光終了からショット領域Sj1の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の動作(動き方)と、ショット領域Sj1の露光終了からショット領域Sj2の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の動作(動き方)とが異なるように、駆動装置32を制御する。
【0389】
図23は、列Giに含まれるショット領域Si1、Si2が露光された後、列Gjに含まれるショット領域Sj1〜Sj4が露光されるときの第2部材22の動作(動き方)の一例を模式的に示す図である。
【0390】
図23(A)は、基板Pがショット領域Si2の露光終了位置(ショット領域Si2のスキャン移動動作終了位置、ショット領域Si2、Sj1間のステップ移動動作開始位置)に配置されている状態を示す。
【0391】
図23(B)は、基板Pがショット領域Sj1の露光開始位置(ショット領域Sj1のスキャン移動動作開始位置、ショット領域Si2、Sj1間のステップ移動動作終了位置)に配置されている状態を示す。
【0392】
図23(C)は、基板Pがショット領域Sj1の露光終了位置(ショット領域Sj1のスキャン移動動作終了位置、ショット領域Sj1、Sj2間のステップ移動動作開始位置)に配置されている状態を示す。
【0393】
図23(D)は、基板Pがショット領域Sj2の露光開始位置(ショット領域Sj2のスキャン移動動作開始位置、ショット領域Sj1、Sj2間のステップ移動動作終了位置)に配置されている状態を示す。
【0394】
図23(E)は、基板Pがショット領域Sj2の露光終了位置(ショット領域Sj2のスキャン移動動作終了位置、ショット領域Sj2、Sj3間のステップ移動動作開始位置)に配置されている状態を示す。
【0395】
図23(F)は、基板Pがショット領域Sj3の露光開始位置(ショット領域Sj3のスキャン移動動作開始位置、ショット領域Sj2、Sj3間のステップ移動動作終了位置)に配置されている状態を示す。
【0396】
ショット領域Si1の露光について説明する。ショット領域Si1の露光のために、制御装置6は、ショット領域Si1の露光開始からそのショット領域Si1の露光終了までの間に、少なくとも−Y軸方向への移動を含む基板Pのスキャン移動動作を行う。ショット領域Si1の露光のための基板Pのスキャン移動期間において、第2部材22は、位置Jsから位置Jrに移動する。
【0397】
次に、ショット領域Si1、Si2間のステップ移動動作について説明する。ショット領域Si1、Si2間の基板Pのステップ移動動作は、ショット領域Si1の露光のための基板Pのスキャン移動動作終了後に行われる。
【0398】
ショット領域Si1、Si2間の基板Pのステップ移動動作は、基板Pが少なくともX軸方向に移動する動作を含む。ショット領域Si1、Si2間の基板Pのステップ移動動作は、基板Pが−X軸方向へ移動しつつ−Y軸方向へ移動する動作と、基板Pが−X軸方向へ移動しつつ+Y軸方向へ移動する動作とを含む。
【0399】
ショット領域Si1、Si2間の基板Pのステップ移動期間(第2ステップ移動期間)の少なくとも一部において、第2部材22は、基板Pの移動方向(−X軸方向)に移動される。第2部材22は、基板Pとの相対速度が小さくなるように移動される。ショット領域Si1、Si2間の基板Pのステップ移動期間(第2ステップ移動期間)において、第2部材22は、位置Jrから位置Jsに移動する。
【0400】
次に、ショット領域Si2の露光について説明する。ショット領域Si2の露光のために、制御装置6は、ショット領域Si2の露光開始からそのショット領域Si2の露光終了までの間に、少なくとも+Y軸方向への移動を含む基板Pのスキャン移動動作を行う。ショット領域Si2の露光のための基板Pのスキャン移動期間において、第2部材22は、位置Jsから位置Jrに移動する。
図23(A)に示すように、ショット領域Si2の露光終了において、第2部材22は、位置Jrに配置される。
【0401】
次に、ショット領域Si2、Sj1間のステップ移動について説明する。ショット領域Si2の露光のための基板Pのスキャン移動動作終了後、ショット領域Si2、Sj1間の基板Pのステップ移動動作が行われる。
【0402】
列Giのショット領域Si2の露光終了から列Gjのショット領域Sj1の露光開始までの基板Pのステップ移動期間(第2ステップ移動期間)は、同じ列Giに含まれるショット領域Si(例えばショット領域Si1)の露光終了から次のショット領域Si(例えばショット領域Si2)の露光開始までの基板Pのステップ移動期間(第1ステップ移動期間)よりも長い。
【0403】
また、列Giのショット領域Si2の露光終了から列Gjのショット領域Sj1の露光開始までの基板Pのステップ移動期間(第2ステップ移動期間)は、同じ列Gjに含まれるショット領域Sj(例えばショット領域Sj1)の露光終了から次のショット領域Sj(例えばショット領域Sj2)の露光開始までの基板Pのステップ移動期間(第1ステップ移動期間)よりも長い。
【0404】
また、列Giのショット領域Si2の露光終了位置から列Gjのショット領域Sj1の露光開始位置までの基板Pのステップ移動距離は、同じ列Giに含まれるショット領域Si(例えばショット領域Si1)の露光終了位置から次のショット領域Si(例えばショット領域Si2)の露光開始位置までの基板Pのステップ移動距離よりも長い。
【0405】
また、列Giのショット領域Si2の露光終了位置から列Gjのショット領域Sj1の露光開始位置までの基板Pのステップ移動距離は、同じ列Gjに含まれるショット領域Sj(例えばショット領域Sj1)の露光終了位置から次のショット領域Sj(例えばショット領域Sj2)の露光開始位置までの基板Pのステップ移動距離よりも長い。
【0406】
ショット領域Si2、Sj1間の基板Pのステップ移動動作は、基板Pが少なくともX軸方向に移動する動作を含む。ショット領域Si2、Sj1間の基板Pのステップ移動動作は、基板Pが−X軸方向へ移動しつつ+Y軸方向へ移動する動作と、基板Pが−X軸方向へ移動しつつ−Y軸方向へ移動する動作とを含む。
【0407】
ショット領域Si2、Sj1間の基板Pのステップ移動期間(第2ステップ移動期間)の少なくとも一部において、第2部材22は、基板Pの移動方向(−X軸方向)に移動される。第2部材22は、基板Pとの相対速度が小さくなるように移動される。ショット領域Si2、Sj1間の基板Pのステップ移動期間(第2ステップ移動期間)において、第2部材22は、位置Jrから位置Jsに移動する。
図23(B)に示すように、ショット領域Si2、Sj1間のステップ移動終了(ショット領域Sj1の露光開始)において、第2部材22は、位置Jsに配置される。
【0408】
なお、ショット領域Si2、Sj1間の基板Pのステップ移動動作が、基板Pが−X軸方向へ移動しつつ+Y軸方向及び−Y軸方向の一方又は両方へ移動する動作と、基板Pが+X軸方向へ移動しつつ+Y軸方向及び−Y軸方向の一方又は両方へ移動する動作とを含んでもよい。
ショット領域Si2、Sj1間の第2ステップ移動期間において基板Pが−X軸方向及び+X軸方向に移動する場合、第2部材22は、−X軸方向のみに移動してもよいし、−X軸方向及び+X軸方向の両方に移動してもよい。例えば、ショット領域Si2、Sj1間の第2ステップ移動期間において基板Pが−X軸方向及び+X軸方向に移動する場合、第2部材22は、基板Pとの相対速度が小さくなるように、−X軸方向及び+X軸方向の両方に移動してもよい。
【0409】
ショット領域Si2、Sj1間の基板Pのステップ移動期間(第2ステップ移動期間)において、第2部材22は、移動し続けてもよい。ショット領域Si2、Sj1間の基板Pのステップ移動期間(第2ステップ移動期間)の少なくとも一部において、第2部材22の移動が停止されてもよい。
なお、本実施形態においては、ショット領域Si2、Sj1間の基板Pのステップ移動動作において、第2部材22が露光光ELの光路を遮るように、第2部材22を動かしてもよい。本実施形態においては、ショット領域Si2、Sj1間の基板Pのステップ移動動作において、基板Pの−X軸方向への移動距離が長いので、第2部材22の開口35の+X側端部が、投影領域PRの+X側端部よりも、−X側に位置するように、第2部材22を動かしてもよい。ただし、ショット領域Sj1の露光を開始するときまでに、露光光ELの光路を遮らない位置に第2部材22を移動しなければならない。
【0410】
次に、ショット領域Sj1の露光について説明する。ショット領域Sj1の露光のための基板Pのスキャン移動動作は、ショット領域Si2、Sj1間の基板Pのステップ移動動作終了後に行われる。
【0411】
列Gjのショット領域Sj(例えばショット領域Sj1)の露光開始からそのショット領域Sj(ショット領域Sj1)の露光終了までの基板Pのスキャン移動期間は、列Giに含まれるショット領域Si(例えばショット領域Si1)の露光開始からそのショット領域Si(ショット領域Si1)の露光終了までの基板Pのスキャン移動期間よりも短い。
【0412】
また、列Gjのショット領域Sj(例えばショット領域Sj1)の露光開始位置からそのショット領域Sj(ショット領域Sj1)の露光終了位置までの基板Pのスキャン移動距離は、列Giに含まれるショット領域Si(例えばショット領域Si1)の露光開始位置からそのショット領域Si(ショット領域Si1)の露光終了位置までの基板Pのスキャン移動距離よりも短い。
【0413】
本実施形態においては、ショット領域Sj1の露光のための基板Pのスキャン移動期間において、第2部材22は、移動しない。換言すれば、ショット領域Sj1の露光のための基板Pのスキャン移動期間において、第2部材22は、終端光学素子13(第1部材21)に対して停止する。ショット領域Sj1の露光のための基板Pのスキャン移動期間において、終端光学素子13(第1部材21)に対する第2部材22の相対速度が零になる。すなわち、基板PがX軸方向に実質的に移動しないショット領域Sj1の露光のための基板Pのスキャン移動期間においては、第2部材22は、X軸方向に移動しない。ショット領域Sj1の露光のための基板Pのスキャン移動期間において、第2部材22の位置は、位置Jsに維持される。
図23(B)及び
図23(C)に示すように、ショット領域Sj1の露光開始及び露光終了の両方において、第2部材22は、位置Jsに配置される。
【0414】
なお、ショット領域Sj1の露光のための基板Pのスキャン移動期間の少なくとも一部において、第2部材22は移動してもよい。なお、ショット領域Sj1の露光のための基板Pのスキャン移動期間において、第2部材22は移動し続けてもよい。制御装置6は、ショット領域Sj1の露光のための基板Pのスキャン移動期間において第2部材22がX軸方向に関して移動され、ショット領域Sj1の露光終了において第2部材22が位置Jsに配置されるように、駆動装置32を制御してもよい。
【0415】
次に、ショット領域Sj1、Sj2間の基板Pのステップ移動について説明する。本実施形態において、ショット領域Sj1の露光終了からショット領域Sj2の露光開始までの間に、制御装置6は、少なくとも+X軸方向への移動を含む基板Pのステップ移動動作を行う。ショット領域Sj1、Sj2間の基板Pのステップ移動期間の少なくとも一部において、第2部材22は、基板Pの移動方向(+X軸方向)に移動される。第2部材22は、基板Pとの相対速度が小さくなるように移動される。
【0416】
図23(C)に示すように、ショット領域Sj1、Sj2間のステップ移動動作開始において、第2部材22は、位置Jsに配置される。本実施形態においては、ショット領域Sj1、Sj2間の基板Pのステップ移動期間(第1ステップ移動期間)において、第2部材22は、位置Jsから位置Jrmに移動する。
図23(D)に示すように、ショット領域Sj1、Sj2間のステップ移動動作終了において、第2部材22は、位置Jrmに配置される。ショット領域Sj1、Sj2間の基板Pのステップ移動期間(第1ステップ移動期間)において、第2部材22は、位置Jsからの移動を開始し、位置Jrmに到達するまで、+X軸方向に移動する。
【0417】
次に、ショット領域Sj2の露光について説明する。ショット領域Sj1、Sj2間の基板Pのステップ移動動作終了後、ショット領域Sj2の露光のための基板Pのスキャン移動動作が行われる。本実施形態において、ショット領域Sj2の露光開始からそのショット領域Sj2の露光終了までの間に、制御装置6は、少なくとも+Y軸方向への移動を含む基板Pのスキャン移動動作を行う。
【0418】
本実施形態においては、ショット領域Sj2の露光のための基板Pのスキャン移動期間において、第2部材22は、位置Jrmから位置Jsmに移動する。
図23(E)に示すように、ショット領域Sj2の露光終了において、第2部材22は、位置Jsmに配置される。ショット領域Sj2の露光のための基板Pのスキャン移動期間において、第2部材22は、位置Jrmからの移動を開始し、位置Jsmに到達するまで、−X軸方向に移動する。
【0419】
ショット領域Sj2の露光のための基板Pのスキャン移動期間において、第2部材22は、移動し続けてもよい。ショット領域Sj2の露光のための基板Pのスキャン移動期間の少なくとも一部において、第2部材22の移動が停止されてもよい。
【0420】
次に、ショット領域Sj2、Sj3間の基板Pのステップ移動について説明する。本実施形態において、ショット領域Sj2の露光終了からショット領域Sj3の露光開始までの間に、制御装置6は、少なくとも+X軸方向への移動を含む基板Pのステップ移動動作を行う。ショット領域Sj2、Sj3間の基板Pのステップ移動期間の少なくとも一部において、第2部材22は、基板Pの移動方向(+X軸方向)に移動される。第2部材22は、基板Pとの相対速度が小さくなるように移動される。
【0421】
本実施形態においては、ショット領域Sj2、Sj3間の基板Pのステップ移動期間(第1ステップ移動期間)において、第2部材22は、位置Jsmから位置Jrmに移動する。
図23(F)に示すように、ショット領域Sj2、Sj3間のステップ移動終了(ショット領域Sj3の露光開始)において、第2部材22は、位置Jrmに配置される。ショット領域Sj2、Sj3間の基板Pのステップ移動期間(第1ステップ移動期間)において、第2部材22は、位置Jsmからの移動を開始し、位置Jrmに到達するまで、+X軸方向に移動する。
【0422】
次に、ショット領域Sj3の露光について説明する。ショット領域Sj3の露光のための基板Pのスキャン移動動作は、ショット領域Sj2、Sj3間の基板Pのステップ移動動作終了後に行われる。本実施形態において、ショット領域Sj3の露光開始からそのショット領域Sj3の露光終了までの間に、制御装置6は、少なくとも−Y軸方向への移動を含む基板Pのスキャン移動動作を行う。
【0423】
本実施形態においては、ショット領域Sj3の露光のための基板Pのスキャン移動期間において、第2部材22は、位置Jrmから位置Jsmに移動する。ショット領域Sj3の露光のための基板Pのスキャン移動期間において、第2部材22は、位置Jrmからの移動を開始し、位置Jsmに到達するまで、−X軸方向に移動する。
【0424】
次に、ショット領域Sj3、Sj4間の基板Pのステップ移動について説明する。ショット領域Sj3、Sj4間のステップ移動動作開始において、第2部材22は、位置Jsmに配置される。ショット領域Sj3、Sj4間のステップ移動動作終了において、第2部材22は、位置Jrmに配置される。
【0425】
ショット領域Sj3の露光終了からショット領域Sj4の露光開始までの間に、制御装置6は、少なくとも+X軸方向への移動を含む基板Pのステップ移動動作を行う。ショット領域Sj3、Sj4間の基板Pのステップ移動期間の少なくとも一部において、第2部材22は、基板Pの移動方向(+X軸方向)に移動される。第2部材22は、基板Pとの相対速度が小さくなるように移動される。
【0426】
ショット領域Sj3、Sj4間の基板Pのステップ移動期間(第1ステップ移動期間)において、第2部材22は、位置Jsmから位置Jrmに移動する。ショット領域Sj3、Sj4間の基板Pのステップ移動期間(第1ステップ移動期間)において、第2部材22は、位置Jsmからの移動を開始し、位置Jrmに到達するまで、+X軸方向に移動する。
【0427】
以下、同じ列Gjに含まれる複数のショット領域Sjのそれぞれを順次露光する場合において、制御装置6は、基板P(基板ステージ2)及び第2部材22について、上述と同様の動作をさせる。
【0428】
本実施形態において、ショット領域Si1、Si2間のステップ移動期間(第1ステップ移動期間)の開始とショット領域Sj2、Sj3間のステップ移動期間(第1ステップ移動期間)の開始とにおいて、終端光学素子13(第1部材21)に対する第2部材22の位置が異なる。本実施形態においては、ショット領域Si1、Si2間のステップ移動期間(第1ステップ移動期間)の開始において、第2部材22は、位置Jrに配置される。ショット領域Sj2、Sj3間のステップ移動期間(第1ステップ移動期間)の開始において、第2部材22は、位置Jsmに配置される。本実施形態においては、ショット領域Si1、Si2間のステップ移動期間(第1ステップ移動期間)の開始とショット領域Sj2、Sj3間のステップ移動期間(第1ステップ移動期間)の開始とにおいて、原点(中心位置Jm)と第2部材22との距離が異なる。
【0429】
また、本実施形態において、ショット領域Si1、Si2間のステップ移動期間(第1ステップ移動期間)の終了とショット領域Sj2、Sj3間のステップ移動期間(第1ステップ移動期間)の終了とにおいて、終端光学素子13(第1部材21)に対する第2部材22の位置が異なる。本実施形態においては、ショット領域Si1、Si2間のステップ移動期間(第1ステップ移動期間)の終了において、第2部材22は、位置Jsに配置される。ショット領域Sj2、Sj3間のステップ移動期間(第1ステップ移動期間)の終了において、第2部材22は、位置Jrmに配置される。本実施形態においては、ショット領域Si1、Si2間のステップ移動期間(第1ステップ移動期間)の開始とショット領域Sj2、Sj3間のステップ移動期間(第1ステップ移動期間)の開始とにおいて、原点(中心位置Jm)と第2部材22との距離が異なる。
【0430】
また、本実施形態において、ショット領域Si2、Sj1間のステップ移動期間(第2ステップ移動期間)の開始とショット領域Sj2、Sj3間のステップ移動期間(第1ステップ移動期間)の開始とにおいて、終端光学素子13(第1部材21)に対する第2部材22の位置が異なる。本実施形態においては、ショット領域Si2、Sj1間のステップ移動期間(第2ステップ移動期間)の開始において、第2部材22は、位置Jrに配置される。ショット領域Sj2、Sj3間のステップ移動期間(第1ステップ移動期間)の開始において、第2部材22は、位置Jsmに配置される。本実施形態においては、ショット領域Si2、Sj1間のステップ移動期間(第2ステップ移動期間)の開始とショット領域Sj2、Sj3間のステップ移動期間(第1ステップ移動期間)の開始とにおいて、原点(中心位置Jm)と第2部材22との距離が異なる。
【0431】
また、本実施形態において、ショット領域Si2、Sj1間のステップ移動期間(第2ステップ移動期間)の終了とショット領域Sj2、Sj3間のステップ移動期間(第1ステップ移動期間)の終了とにおいて、終端光学素子13(第1部材21)に対する第2部材22の位置が異なる。本実施形態においては、ショット領域Si2、Sj1間のステップ移動期間(第2ステップ移動期間)の終了において、第2部材22は、位置Jsに配置される。ショット領域Sj2、Sj3間のステップ移動期間(第1ステップ移動期間)の終了において、第2部材22は、位置Jrmに配置される。本実施形態においては、ショット領域Si2、Sj1間のステップ移動期間(第2ステップ移動期間)の終了とショット領域Sj2、Sj3間のステップ移動期間(第1ステップ移動期間)の終了とにおいて、原点(中心位置Jm)と第2部材22との距離が異なる。
【0432】
上述のように、本実施形態においては、寸法Wiのショット領域Si1の露光終了から寸法Wiのショット領域Si2の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の動作(動き方)と、寸法Wjのショット領域Sj1(又はSj2)の露光終了から寸法Wjのショット領域Sj2(又はSj3)の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の動作(動き方)とが異なる。
【0433】
また、本実施形態においては、寸法Wiのショット領域Si2の露光終了から寸法Wjのショット領域Sj1の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の動作(動き方)と、寸法Wjのショット領域Sj1(又はSj2)の露光終了から寸法Wjのショット領域Sj2(又はSj3)の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の動作(動き方)とが異なる。
【0434】
本実施形態においては、寸法Wiのショット領域Si1の露光終了から寸法Wiのショット領域Si2の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の移動距離と、寸法Wjのショット領域Sj1(又はSj2)の露光終了から寸法Wjのショット領域Sj2(又はSj3)の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の移動距離とが異なる。本実施形態においては、寸法Wiのショット領域Si1の露光終了から寸法Wiのショット領域Si2の露光開始までの基板Pのステップ移動期間において、第2部材22は、位置Jrと位置Jmとの間を移動する。寸法Wjのショット領域Sj2の露光終了から寸法Wjのショット領域Sj3の露光開始までの基板Pのステップ移動期間において、第2部材22は、位置Jrmと位置Jsmとの間を移動する。本実施形態において、本実施形態においては、寸法Wjのショット領域Sj1(又はSj2)の露光終了から寸法Wjのショット領域Sj2(又はSj3)の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の移動距離は、寸法Wiのショット領域Si1の露光終了から寸法Wiのショット領域Si2の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の移動距離よりも短い。なお、ショット領域Sj1、Sj2間(Sj2、Sj3間)のステップ移動期間における第2部材22の移動距離が、ショット領域Si1、Si2間のステップ移動期間における第2部材22の移動距離よりも長くてもよいし、実質的に等しくてもよい。
【0435】
また、本実施形態においては、寸法Wiのショット領域Si2の露光終了から寸法Wjのショット領域Sj1の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の移動距離と、寸法Wjのショット領域Sj1(又はSj2)の露光終了から寸法Wjのショット領域Sj2(又はSj3)の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の移動距離とが異なる。本実施形態においては、寸法Wiのショット領域Si2の露光終了から寸法Wjのショット領域Sj1の露光開始までの基板Pのステップ移動期間において、第2部材22は、位置Jrと位置Jmとの間を移動する。寸法Wjのショット領域Sj2の露光終了から寸法Wjのショット領域Sj3の露光開始までの基板Pのステップ移動期間において、第2部材22は、位置Jrmと位置Jsmとの間を移動する。本実施形態においては、寸法Wjのショット領域Sj1(又はSj2)の露光終了から寸法Wjのショット領域Sj2(又はSj3)の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の移動距離は、寸法Wiのショット領域Si2の露光終了から寸法Wjのショット領域Sj1の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の移動距離よりも短い。なお、ショット領域Sj1、Sj2間(Sj2、Sj3間)のステップ移動期間における第2部材22の移動距離が、ショット領域Si2、Sj1間のステップ移動期間における第2部材22の移動距離よりも長くてもよいし、実質的に等しくてもよい。
【0436】
なお、第2部材22がX軸方向のみならず、X軸方向及びY軸方向に移動可能でもよい。第2部材22の移動距離は、そのXY平面内における移動距離でもよい。また、第2部材22が、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つの方向に移動可能な場合、第2部材22の移動距離は、その6つの方向の移動距離でもよい。
【0437】
また、本実施形態において、ショット領域Si1の露光終了からショット領域Si2の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の移動方向と、ショット領域Sj1(又はSj2)の露光終了からショット領域Sj2(又はSj3)の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の移動方向とが異なってもよい。
【0438】
また、本実施形態において、ショット領域Si2の露光終了からショット領域Sj1の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の移動方向と、ショット領域Sj1(又はSj2)の露光終了からショット領域Sj2(又はSj3)の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の移動方向とが異なってもよい。
【0439】
また、本実施形態において、ショット領域Si1の露光終了からショット領域Si2の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の移動速度と、ショット領域Sj1(又はSj2)の露光終了からショット領域Sj2(又はSj3)の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の移動速度とが異なってもよい。
例えば、ショット領域Si1、Si2間のステップ移動期間における第2部材22の移動速度が、ショット領域Sj2、Sj3間のステップ移動期間における第2部材22の移動速度よりも低くてもよいし、高くてもよい。
【0440】
また、本実施形態において、ショット領域Si2の露光終了からショット領域Sj1の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の移動速度と、ショット領域Sj1(又はSj2)の露光終了からショット領域Sj2(又はSj3)の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の移動速度とが異なってもよい。
例えば、ショット領域Si2、Sj1間のステップ移動期間における第2部材22の移動速度が、ショット領域Sj2、Sj3間のステップ移動期間における第2部材22の移動速度よりも低くてもよいし、高くてもよい。
【0441】
なお、第2部材22がX軸方向のみならず、X軸方向及びY軸方向に移動可能でもよい。第2部材22の移動速度は、そのXY平面内における移動速度でもよい。また、第2部材22が、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つの方向に移動可能な場合、第2部材22の移動速度は、その6つの方向の移動速度でもよい。
【0442】
また、本実施形態において、ショット領域Si1の露光終了からショット領域Si2の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の加速度(減速度)と、ショット領域Sj1(又はSj2)の露光終了からショット領域Sj2(又はSj3)の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の加速度(減速度)とが異なってもよい。例えば、ショット領域Si1、Si2間のステップ移動期間における第2部材22の加速度(減速度)が、ショット領域Sj2、Sj3間のステップ移動期間における第2部材22の加速度(減速度)よりも低くてもよいし、高くてもよい。
【0443】
また、本実施形態において、ショット領域Si2の露光終了からショット領域Sj1の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の加速度(減速度)と、ショット領域Sj1(又はSj2)の露光終了からショット領域Sj2(又はSj3)の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の加速度(減速度)とが異なってもよい。例えば、ショット領域Si2、Sj1間のステップ移動期間における第2部材22の加速度(減速度)が、ショット領域Sj2、Sj3間のステップ移動期間における第2部材22の加速度(減速度)よりも低くてもよいし、高くてもよい。
【0444】
なお、第2部材22がX軸方向のみならず、X軸方向及びY軸方向に移動可能でもよい。第2部材22の加速度(減速度)は、そのXY平面内における加速度(減速度)でもよい。また、第2部材22が、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つの方向に移動可能な場合、第2部材22の加速度(減速度)は、その6つの方向の加速度(減速度)でもよい。
【0445】
なお、ショット領域Si1、Si2間のステップ移動期間、及びショット領域Sj2、Sj3間のステップ移動期間の一方のステップ移動期間において、第2部材22が移動し続け、他方のステップ移動期間の少なくとも一部において、第2部材22の移動が停止されてもよい。
【0446】
なお、ショット領域Si2、Sj1間のステップ移動期間、及びショット領域Sj2、Sj3間のステップ移動期間の一方のステップ移動期間において、第2部材22が移動し続け、他方のステップ移動期間の少なくとも一部において、第2部材22の移動が停止されてもよい。
【0447】
以上説明したように、本実施形態においては、寸法Wiのショット領域Si1の露光終了から寸法Wiのショット領域Si2の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の動作(動き方)と、寸法Wjのショット領域Sj1の露光終了から寸法Wjのショット領域Sj2の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の動作(動き方)とが異なるように駆動装置32が制御されることによって、液浸空間LSからの液体LQの流出などが抑制される。したがって、露光不良の発生、及び不良デバイスの発生が抑制される。
【0448】
また、本実施形態においては、寸法Wiのショット領域Si2の露光終了から寸法Wjのショット領域Sj1の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の動作(動き方)と、寸法Wjのショット領域Sj1の露光終了から寸法Wjのショット領域Sj2の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の動作(動き方)とが異なるように駆動装置32が制御されることによって、液浸空間LSからの液体LQの流出などが抑制される。したがって、露光不良の発生、及び不良デバイスの発生が抑制される。
【0449】
図24は、Y軸方向に関して寸法Wmのショット領域Sm1、Sm2が順次露光され、Y軸方向に関して寸法Wnのショット領域Sn1、Sn2が順次露光される例を模式的に示す。
図24において、寸法Wnは、寸法Wmよりも小さい。ショット領域Sm1、Sm2は、列Gmに含まれる。ショット領域Sn1、Sn2は、列Gnに含まれる。列Gnは、列Gmの+Y側に配置される。なお、列Gnは、列Gmの−Y側に配置されてもよい。
列Gmのショット領域Sm1、Sm2が順次露光された後、列Gnのショット領域Sn1、Sn2が順次露光される。なお、列Gnのショット領域Sn1、Sn2が順次露光された後、列Gmのショット領域Sm1、Sm2が順次露光されてもよい。
【0450】
図24に示す例においては、ショット領域Sm1の露光終了からショット領域Sm2の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の動作(動き方)と、ショット領域Sn1の露光終了からショット領域Sn2の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の動作(動き方)とが異なるように、駆動装置32が制御される。
【0451】
図25は、Y軸方向に関して寸法Wmのショット領域Sm1、Sm2が順次露光され、Y軸方向に関して寸法Wnのショット領域Sn1、Sn2が順次露光される例を模式的に示す。
図25において、寸法Wnは、寸法Wmよりも小さい。ショット領域Sm1、Sm2、及びショット領域Sn1、Sn2は、列Gmnに含まれる。ショット領域Sm1、Sm2が順次露光された後、ショット領域Sn1、Sn2が順次露光される。なお、ショット領域Sn1、Sn2が順次露光された後、ショット領域Sm1、Sm2が順次露光されてもよい。
【0452】
図25に示す例においては、ショット領域Sm1の露光終了からショット領域Sm2の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の動作(動き方)と、ショット領域Sn1の露光終了からショット領域Sn2の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の動作(動き方)とが異なるように、駆動装置32が制御される。
【0453】
図26は、Y軸方向に関して寸法Wmのショット領域Sm1、Sm2が順次露光され、Y軸方向に関して寸法Wnのショット領域Sn1、Sn2が順次露光される例を模式的に示す。
図26において、寸法Wnは、寸法Wmよりも小さい。ショット領域Sm1は、列Gm1に含まれる。ショット領域Sm2は、列Gm2に含まれる。列Gm1と列Gm2とは異なる。列Gm2は、列Gm1の+Y側に配置される。なお、列Gm2は、列Gm1の−Y側に配置されてもよい。ショット領域Sn1は、列Gn1に含まれる。ショット領域Sn2は、列Gn2に含まれる。列Gn1と列Gn2とは異なる。列Gn2は、列Gn1の+Y側に配置される。なお、列Gn2は、列Gn1の−Y側に配置されてもよい。
図26に示す例においても、スキャン移動方向は、Y軸方向である。ショット領域Sm1、Sm2が順次露光された後、ショット領域Sn1、Sn2が順次露光される。なお、列Gnのショット領域Sn1、Sn2が順次露光された後、列Gmのショット領域Sm1、Sm2が順次露光されてもよい。
【0454】
図26に示す例においては、ショット領域Sm1の露光終了からショット領域Sm2の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の動作(動き方)と、ショット領域Sn1の露光終了からショット領域Sn2の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の動作(動き方)とが異なるように、駆動装置32が制御される。
【0455】
図24、
図25、及び
図26に示す例において、例えば、ショット領域Sm1、Sm2間のステップ移動期間における第2部材22の移動距離が、ショット領域Sn1、Sn2間のステップ移動期間における第2部材22の移動距離よりも長くてもよい。例えば、ショット領域Sm1、Sm2間のステップ移動期間において、第2部材22は、位置Jrと位置Jsとの間を移動し、ショット領域Sn1、Sn2間のステップ移動期間において、第2部材22は、位置Jrmと位置Jsmとの間を移動してもよい。
【0456】
図27は、Y軸方向に関してそれぞれ寸法Wp、Wqのショット領域Sp、Sqが順次露光され、Y軸方向に関して寸法Wrのショット領域Sr1、Sr2が順次露光される例を模式的に示す。
図27において、寸法Wqは、寸法Wpよりも小さい。なお、寸法Wqは、寸法Wpよりも大きくてもよい。
図27に示す例において、寸法Wrは、寸法Wpと実質的に等しい。なお、寸法Wrは、寸法Wqと実質的に等しくてもよい。なお、寸法Wrは、寸法Wp、Wqと異なってもよい。寸法Wrは、寸法Wp、Wqよりも小さくてもよいし、大きくてもよい。寸法Wrは、寸法Wp及び寸法qの一方よりも大きく、他方よりも小さくてもよい。
【0457】
ショット領域Sp、Sqは、列Gpqに含まれる。ショット領域Sr1、Sr2は、列Grに含まれる。列Gpqは、列Grの+Y側に配置される。なお、列Gpqは、列Grの−Y側に配置されてもよい。列Gpqのショット領域Sp、Sqが順次露光された後、列Grのショット領域Sr1、Sr2が順次露光される。なお、列Grのショット領域Sr1、Sr2が順次露光された後、列Gpqのショット領域Sp、Sqが順次露光されてもよい。
【0458】
図27に示す例においては、ショット領域Spの露光終了からショット領域Sqの露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の動作(動き方)と、ショット領域Sr1の露光終了からショット領域Sr2の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の動作(動き方)とが異なるように、駆動装置32が制御される。
【0459】
図28は、Y軸方向に関してそれぞれ寸法Wp、Wqのショット領域Sp、Sqが順次露光され、Y軸方向に関して寸法Wrのショット領域Sr1、Sr2が順次露光される例を模式的に示す。
図28において、寸法Wqは、寸法Wpよりも小さい。なお、寸法Wqは、寸法Wpよりも大きくてもよい。
図28に示す例において、寸法Wrは、寸法Wpと実質的に等しい。なお、寸法Wrは、寸法Wqと実質的に等しくてもよい。なお、寸法Wrは、寸法Wp、Wqと異なってもよい。寸法Wrは、寸法Wp、Wqよりも小さくてもよいし、大きくてもよい。寸法Wrは、寸法Wp及び寸法qの一方よりも大きく、他方よりも小さくてもよい。
【0460】
ショット領域Sp、Sq、及びショット領域Sr1、Sr2は、列Gpqrに含まれる。列Gpqrは、ショット領域Sp、Sqが順次露光された後、ショット領域Sr1、Sr2が順次露光される。なお、ショット領域Sr1、Sr2が順次露光された後、ショット領域Sp、Sqが順次露光されてもよい。
【0461】
図28に示す例においては、ショット領域Spの露光終了からショット領域Sqの露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の動作(動き方)と、ショット領域Sr1の露光終了からショット領域Sr2の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の動作(動き方)とが異なるように、駆動装置32が制御される。
【0462】
図29は、Y軸方向に関してそれぞれ寸法Wp、Wqのショット領域Sp、Sqが順次露光され、Y軸方向に関して寸法Wrのショット領域Sr1、Sr2が順次露光される例を模式的に示す。
図29において、寸法Wqは、寸法Wpよりも小さい。なお、寸法Wqは、寸法Wpよりも大きくてもよい。
図29に示す例において、寸法Wrは、寸法Wpと実質的に等しい。なお、寸法Wrは、寸法Wqと実質的に等しくてもよい。なお、寸法Wrは、寸法Wp、Wqと異なってもよい。寸法Wrは、寸法Wp、Wqよりも小さくてもよいし、大きくてもよい。寸法Wrは、寸法Wp及び寸法qの一方よりも大きく、他方よりも小さくてもよい。
【0463】
ショット領域Spは、列Gpに含まれる。ショット領域Sqは、列Gqに含まれる。列Gpと列Gqとは異なる。列Gqは、列Gpの+Y側に配置される。なお、列Gqは、列Gpの−Y側に配置されてもよい。ショット領域Sr1は、列Gr1に含まれる。ショット領域Sr2は、列Gr2に含まれる。列Gr1と列Gr2とは異なる。列Gr2は、列Gr1の+Y側に配置される。なお、列Gr2は、列Gr1の−Y側に配置されてもよい。
図29に示す例において、スキャン移動方向は、Y軸方向である。ショット領域Sp、Sqが順次露光された後、ショット領域Sr1、Sr2が順次露光される。なお、ショット領域Sr1、Sr2が順次露光された後、ショット領域Sp、Sqが順次露光されてもよい。
【0464】
図29に示す例においては、ショット領域Spの露光終了からショット領域Sqの露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の動作(動き方)と、ショット領域Sr1の露光終了からショット領域Sr2の露光開始までの基板Pのステップ移動期間における第2部材22の動作(動き方)とが異なるように、駆動装置32が制御される。
【0465】
図27、
図28、及び
図29に示す例において、例えば、ショット領域Sr1、Sr2間のステップ移動期間における第2部材22の移動距離が、ショット領域Sp、Sq間のステップ移動期間における第2歩合22の移動距離よりも長くてもよい。例えば、ショット領域Sr1、Sr2間のステップ移動期間において、第2部材22は、位置Jrと位置Jsとの間を移動し、ショット領域Sp、Sq間のステップ移動期間において、第2部材22は、位置Jrmと位置Jsmとの間を移動してもよい。
【0466】
<第5実施形態>
第5実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0467】
図30は、X軸方向に関する基板P(基板ステージ2)の速度及び第2部材22の速度と時間との関係の一例を示す図である。
図30に示すグラフにおいて、横軸は時間、縦軸は速度である。
図30において、ラインLPは、基板P(基板ステージ2)の速度を示し、ラインL22は、第2部材22の速度を示す。ラインLRは、基板P(基板ステージ2)と第2部材22との相対速度を示す。
【0468】
図30において、期間Tcは、スキャン移動動作が行われている期間である。例えば
図11に示した例において、期間Tc1は、基板Pの位置d1から位置d2へのスキャン移動期間に対応し、期間Tc2は、基板Pの位置d3から位置d4へのスキャン移動期間に対応し、期間Tc3は、基板Pの位置d5から位置d6へのスキャン移動期間に対応する。また、期間Tsは、ステップ移動動作が行われている期間である。例えば
図11に示した例において、期間Ts1は、基板Pの位置d2から位置d3へのステップ移動期間に対応し、期間Ts2は、基板Pの位置d4から位置d5へのステップ移動期間に対応する。
【0469】
図30に示すように、本実施形態においては、ステップ移動期間TsにおけるX軸方向に関する第2部材22の移動速度は、基板P(基板ステージ2)の移動速度よりも低い。
なお、第2部材22の移動速度が、基板P(基板ステージ2)の移動速度と実質的に等しくてもよいし、基板P(基板ステージ2)の移動速度よりも高くてもよい。すなわち、基板P(基板ステージ2)は、第2部材22よりも高速で移動してもよいし、低速で移動してもよいし、同じ速度で移動してもよい。
【0470】
また、
図30に示すように、本実施形態においては、ステップ移動期間TsにおけるX軸方向に関する第2部材22の加速度は、基板P(基板ステージ2)の加速度よりも低い。なお、第2部材22の加速度が、基板P(基板ステージ2)の加速度と等しくてもよいし、基板P(基板ステージ2)の加速度よりも高くてもよい。
【0471】
また、
図30に示すように、本実施形態において、制御装置6は、ショット領域S(例えばショット領域S1)の露光終了から、次のショット領域S(例えばショット領域S2)の露光開始までの基板Pのステップ移動期間において第2部材22が+X軸方向に第1移動条件で移動され、ショット領域S2の露光開始から露光終了までの基板Pの露光期間(スキャン移動期間)において第2部材22が−X軸方向に第1移動条件とは異なる第2移動条件で移動されるように、駆動装置32を制御する。
【0472】
第1、第2移動条件は、第2部材22の移動速度を含む。本実施形態において、第1、第2移動条件は、X軸方向に関する第2部材22の移動速度を含む。
【0473】
また、第1、第2移動条件は、第2部材22の加速度(減速度)を含む。本実施形態において、第1、第2移動条件は、X軸方向に関する第2部材22の加速度(減速度)を含む。
【0474】
例えば、
図30に示すように、ステップ移動期間Tsにおいて、第2部材22は、速度(最高速度)Vaで移動する。スキャン移動期間(露光期間)Tcにおいて、第2部材22は、速度(最高速度)Vbで移動する。
【0475】
本実施形態において、スキャン移動期間(露光期間)Tcにおける第2部材22の移動速度Vbは、ステップ移動期間Tsにおける第2部材22の移動速度Vaよりも低い。なお、本実施形態において、第2部材22の移動速度は、終端光学素子13に対する速度(相対速度)の絶対値を含む。
【0476】
また、本実施形態において、スキャン移動期間(露光期間)Tcにおける第2部材22の加速度は、ステップ移動期間Tsにおける第2部材22の加速度よりも低い。なお、本実施形態において、第2部材22の加速度は、終端光学素子13に対する加速度の絶対値を含む。
【0477】
本実施形態においては、スキャン移動期間(露光期間)Tcの少なくとも一部において、第2部材22は、一定速度で移動される。本実施形態においては、第2部材22は、スキャン移動期間(露光期間)Tcの一部において、一定の速度Vbで移動する。ステップ移動期間Tsの少なくとも一部において、第2部材22は、一定速度で移動されてもよい。スキャン移動期間(露光期間)Tcにおいて第2部材22が一定速度で移動する時間Tccは、ステップ移動期間Tsにおいて第2部材22が一定速度で移動する時間よりも長い。
【0478】
なお、ステップ移動期間Tsにおいて、第2部材22は一定速度で移動しなくてもよい。なお、スキャン移動期間(露光期間)Tcにおいて、第2部材22は一定速度で移動しなくてもよい。
【0479】
また、本実施形態においては、ステップ移動期間TsにおけるX軸方向に関する第2部材22の移動距離は、基板P(基板ステージ2)の移動距離よりも短い。例えば、ステップ移動期間Tsにおける第2部材22の移動距離は、基板P(基板ステージ2)の移動距離の45〜65%でもよい。例えば、第2部材22の移動距離は、基板P(基板ステージ2)の移動距離の45%、50%、55%、60%、65%のいずれかでもよい。本実施形態において、ステップ移動期間Tsにおける第2部材22の移動距離は、位置Jrと位置Jmとの距離である。また、本実施形態において、ステップ移動期間TsにおけるX軸方向に関する第2部材22の移動距離は、あるショット領域Sの中心とそのショット領域Sに対してX軸方向に関して隣り合うショット領域Sの中心との距離(距離A)よりも短い。例えば、ステップ移動期間Tsにおける第2部材22の移動距離は、距離Aの45〜65%でもよい。例えば、ステップ移動期間Tsにおける第2部材22の移動距離は、距離Aの45%、50%、55%、60%、65%のいずれかでもよい。また、ステップ移動期間TsにおけるX軸方向に関する第2部材22の移動距離は、X軸方向に関する1つのショット領域Sの寸法(寸法B)よりも短い。例えば、ステップ移動動作における第2部材22の移動距離は、寸法Bの45〜65%でもよい。例えば、ステップ移動動作における第2部材22の移動距離は、寸法Bの45%、50%、55%、60%、65%のいずれかでもよい。例えば、X軸方向に関するショット領域Sの寸法(寸法B)が26mmである場合、第2部材22の移動距離は、約14mmでもよい。
【0480】
第2部材22の移動距離は、例えば基板Pの表面条件に基づいて定めてもよい。基板Pの表面条件は、基板Pの表面を形成する感光膜の表面における液体LQの接触角(後退接触角など)を含む。また、基板Pの表面条件は、基板Pの表面を形成する保護膜(トップコート膜)の表面における液体LQの接触角(後退接触角など)を含む。なお、基板Pの表面が、例えば反射防止膜で形成されてもよい。なお、第2部材22の移動距離は、ステップ移動動作において液浸空間LSからの液体LQの流出(残留)が抑制されるように、予備実験あるいはシミュレーションによって求めてもよい。
【0481】
以上説明したように、本実施形態によれば、ステップ移動期間Tsにおける第2部材22の移動条件とスキャン移動期間(露光期間)Tcにおける第2部材22の移動条件とが異なるように、第2部材22が移動されるので、液浸空間LSからの液体LQの流出などを抑制することができる。
【0482】
本実施形態においては、ステップ移動期間Tsにおける基板P(基板ステージ2)の動きと、スキャン移動期間(露光期間)Tcにおける基板P(基板ステージ2)の動きとは異なる。そのため、その基板P(基板ステージ2)の動きに基づいて、第2部材22の移動条件を定めることによって、液体LQの流出などが抑制される。したがって、露光不良の発生、及び不良デバイスの発生が抑制される。
【0483】
図31A〜
図31Cは、ステップ移動期間Tsにおける、X軸方向に関する基板P(基板ステージ2)の速度及び第2部材22の速度と時間との関係の一例を示す図である。
図31A〜
図31Cに示すグラフにおいて、横軸は時間、縦軸は速度である。
図31A〜
図31Cにおいて、ラインLPは、基板P(基板ステージ2)の速度を示し、ラインL22は、第2部材22の速度を示す。
【0484】
図31Aは、ステップ移動期間Tsにおいて、基板PがX軸方向の一側(例えば+X軸方向)に速度Vcで移動する状態、及び速度Vdで移動する状態の一例を示す。速度Vdは、速度Vcよりも高い。
図31Aに示す例では、基板Pが+X軸方向に速度Vcで移動する状態において、第2部材22は、+X軸方向に加速度Acで移動する。基板Pが+X軸方向に速度Vdで移動する状態において、第2部材22は、+X軸方向に加速度Adで移動する。加速度Adは、加速度Acよりも高い。
図31Aは、基板Pの低速移動領域においては、第2部材22は低い加速度で移動し、基板Pの高速移動領域においては、第2部材22は高い加速度で移動する例を示す。
【0485】
図31Bは、ステップ移動期間Tsにおいて、基板PがX軸方向の一側(例えば+X軸方向)に速度Veで移動する状態、及び速度Vfで移動する状態の一例を示す。速度Vfは、速度Veよりも高い。
図31Bに示す例では、基板Pが+X軸方向に速度Veで移動する状態において、第2部材22は、+X軸方向に加速度Aeで移動する。基板Pが+X軸方向に速度Vfで移動する状態において、第2部材22は、+X軸方向に加速度Afで移動する。加速度Afは、加速度Aeよりも低い。
図31Bは、基板Pの低速移動領域においては、第2部材22は高い加速度で移動し、基板Pの高速移動領域においては、第2部材22は低い加速度で移動する例を示す。
【0486】
図31Cは、ステップ移動期間Tsにおいて、基板PがX軸方向の一側(例えば+X軸方向)に速度Vgで移動する状態、及び速度Vhで移動する状態の一例を示す。速度Vhは、速度Vgよりも高い。
図31Cに示す例では、基板Pが+X軸方向に速度Vgで移動する状態において、第2部材22は、+X軸方向に加速度Agで移動する。基板Pが+X軸方向に速度Vhで移動する状態において、第2部材22は、+X軸方向に加速度Ahで移動する。本実施形態において、加速度Agと加速度Ahとは実質的に等しい。本実施形態において、第2部材22は、X軸方向に関する速度が零の状態及び最速値(最高速度)の状態の一方から他方になるまで、実質的に等加速度で移動する。
【0487】
なお、
図31A〜
図31Cに示した基板P(基板ステージ2)の速度及び第2部材22の速度と時間との関係は、
図11、
図14、及び
図15を参照して説明したステップ移動期間のみならず、
図16〜
図21を参照して説明したステップ移動期間(第1、第2ステップ移動期間)、及び
図22〜
図29を参照して説明したステップ移動期間のそれぞれについて適用することができる。
【0488】
例えば、
図16〜
図21を参照して説明した実施形態の第2ステップ移動期間において、基板Pが例えば+X軸方向に速度Vjからその速度Vjよりも高い速度Vkに変化するように移動する場合、基板Pが+X軸方向に速度Vjで移動する状態において、第2部材22が+X軸方向に加速度Ajで移動され、基板Pが+X軸方向に速度Vkで移動する状態において、第2部材22が+X軸方向に加速度Ajよりも低い加速度Akで移動されてもよい。なお、加速度Akは加速度Ajよりも高くてもよい。また、例えば
図22及び
図23を参照して説明した、ショット領域Si2,Sj1間のステップ移動期間、及びショット領域Sj2、Sj3間のステップ移動期間の一方又は両方において、
図31A〜
図31Cを参照して説明した基板P(基板ステージ2)の速度及び第2部材22の速度と時間との関係を適用することができる。
【0489】
図32A及び
図32Bは、スキャン移動期間Tcにおける、X軸方向に関する第2部材22の速度と時間との関係の一例を示す図である。
図32A及び
図32Bに示すグラフにおいて、横軸は時間、縦軸は速度である。
図32A及び
図32Bにおいて、ラインL22は、第2部材22の速度を示す。
【0490】
図32Aは、スキャン移動期間Tcの一部の期間において、第2部材22が一定速度Vmで移動する例を示す。スキャン移動期間Tcの一部の期間において、第2部材22は、速度Vmで等速移動する。本実施形態において、速度Vmは、スキャン移動期間Tcにおける第2部材22の最高速度である。
図32Aに示す例において、第2部材22は、X軸方向に関する速度が零の状態及び最速値(最高速度)の状態の一方から他方になるまで、実質的に等加速度で移動する。なお、スキャン移動期間Tcの一部の期間において、第2部材22は、そのスキャン移動期間Tcにおける最高速度よりも低い速度で等速移動してもよい。
【0491】
図32Bは、スキャン移動期間Tcの一部の期間において、第2部材22が一定速度Vnで移動する例を示す。スキャン移動期間Tcの一部の期間において、第2部材22は、速度Vnで等速移動する。本実施形態において、速度Vnは、スキャン移動期間Tcにおける第2部材22の最高速度である。
図32Bに示す例において、第2部材22は、X軸方向に関して速度Vn1で移動する状態から速度Vn2で移動する状態を経て、速度(最高速度)Vnで移動する状態に変化する。速度Vn1は、速度Vn2よりも低い。本実施形態においては、第2部材22が速度Vn2で移動する期間における第2部材22の加速度An2は、第2部材22が速度Vn1で移動する期間における第2部材22の加速度An1よりも低い。換言すれば、第2部材22は、低速移動領域においては高い加速度で移動し、高速移動領域においては、低い加速度で移動する。
【0492】
なお、上述の第1〜第5実施形態において、
図33に示すように、第1部材21の少なくとも一部が、終端光学素子13の射出面12と対向してもよい。
図33に示す変形例において、第1部材21は、開口34の周囲に配置された上面44を有する。開口34の上端の周囲に上面44が配置される。開口34の下端の周囲に下面23が配置される。上面44の一部が、射出面12と対向する。また、
図33に示す例では、第2部材22の上面25の一部も、射出面12と対向する。
【0493】
なお、
図34に示すように、第1部材の下面23が、射出面12よりも+Z側に配置されてもよい。なお、Z軸方向に関する下面23の位置(高さ)と射出面12の位置(高さ)とが実質的に等しくてもよい。第1部材の下面23が、射出面12よりも−Z側に配置されてもよい。
【0494】
なお、上述の各実施形態においては、液浸部材5は開口35以外に第1空間SP1と第2空間SP2とを流体的に接続する流路を有しないこととした。しかし、例えば、光路Kに対して開口35よりも外側に、第1空間SP1と第2空間SP2とを流体的に接続する開口(孔)が形成されてもよい。
【0495】
なお、上述の各実施形態において、液浸部材5は、第2部材22の+Z軸方向を向く上面25が、第1部材21の開口34の周囲に拡がる、−Z軸方向 を向く下面23と間隙を介して対向する構成を有する。変形例において、液浸部材5Sは、上記以外の構成を有することができる。一例において、液浸部材5Sは、光学部材(終端光学素子13)の周囲の少なくとも一部に配置される第1部材21Sと、光学部材(終端光学素子13)の周囲の少なくとも一部に配置され、流体回収部27Sを有する可動の第2部材22Sとを含み、
図35に示すように、第1部材21Sの露光光ELが通過可能な第1部材21Sの開口34Sの周囲であって、開口34Sの近くに拡がる下面23Sが第2部材22Sと対向しないように、第1部材21Sと第2部材22Sを配置することができる。他の一例において、液浸部材5Tは、光学部材(終端光学素子13)の周囲の少なくとも一部に配置され、流体回収部27Tを有する第1部材21Tと、光学部材(終端光学素子13)の周囲の少なくとも一部に配置された可動の第2部材22Tとを含み、
図36に示すように、第1部材21Tの露光光ELが通過可能な第1部材21Tの開口34Tの周囲であって、開口34Sの近くに拡がる下面23Sが第2部材22Tの上面25Tと対向するように、第1部材21Sと第2部材22Sを配置することができる。
図36の例においては、第1部材21Tの下面23Tとの間の空間からの液体LQ、および第2部材22Tの下面26Tと物体(基板P)との間の空間からの液体LQを、第1部材21Tの流体回収部27Tから回収する。他の例において、液浸部材5は、下面23及び/又は上面25がZ軸に対して傾斜する面を含む構成を有してもよい。
【0496】
なお、上述の各実施形態において、第1部材21と終端光学素子13との間の空間から液体LQと気体の少なくとも一方を吸引する吸引口を第1部材21に設けてもよい。
【0497】
なお、上述の各実施形態において、第1空間SP1に液体LQを供給する供給口を第1部材21及び第2部材22の少なくとも一方に設けてもよい。例えば、開口34と液体回収部24との間における第1部材21の下面23に、液体LQを供給する供給口を設けてもよい。
【0498】
なお、上述の各実施形態において、制御装置6は、CPU等を含むコンピュータシステムを含む。また、制御装置6は、コンピュータシステムと外部装置との通信を実行可能なインターフェースを含む。記憶装置7は、例えばRAM等のメモリ、ハードディスク、CD−ROM等の記録媒体を含む。記憶装置7には、コンピュータシステムを制御するオペレーティングシステム(OS)がインストールされ、露光装置EXを制御するためのプログラムが記憶されている。
【0499】
なお、制御装置6に、入力信号を入力可能な入力装置が接続されていてもよい。入力装置は、キーボード、マウス等の入力機器、あるいは外部装置からのデータを入力可能な通信装置等を含む。また、液晶表示ディスプレイ等の表示装置が設けられていてもよい。
【0500】
記憶装置7に記録されているプログラムを含む各種情報は、制御装置(コンピュータシステム)6が読み取り可能である。記憶装置7には、制御装置6に、露光光が射出される光学部材の射出面と基板との間の露光光の光路に満たされた液体を介して露光光で基板を露光する液浸露光装置の制御を実行させるプログラムが記録されている。
【0501】
記憶装置7に記録されているプログラムは、上述の実施形態に従って、制御装置6に、第1下面を有し光学部材の周囲の少なくとも一部に配置される第1部材と、第1下面と間隙を介して対向する第2上面及び基板が対向可能な第2下面を有し露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される第2部材と、を含む液浸部材を用いて、液体の液浸空間を形成することと、液浸空間の液体を介して、射出面から射出される露光光で、基板において一の列に含まれる走査方向と交差する方向に配置される複数のショット領域のそれぞれを順次露光することと、一の列に含まれるショット領域を露光する前又は露光した後に、液浸空間の液体を介して、一の列とは異なる列のショット領域を露光することと、同じ列に含まれる第1ショット領域の露光終了から第2ショット領域の露光開始までの基板の第1移動期間における第2部材の第1動作と、ある列の第3ショット領域の露光終了から別の列の第4ショット領域の露光開始までの基板の第2移動期間における第2部材の第2動作とが異なるように、基板の露光の少なくとも一部において、第1部材に対して第2部材を移動することと、を実行させてもよい。
【0502】
また、記憶装置7に記録されているプログラムは、上述の実施形態に従って、制御装置6に、第1下面を有し光学部材の周囲の少なくとも一部に配置される第1部材と、第1下面と間隙を介して対向する第2上面及び基板が対向可能な第2下面を有し露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される第2部材と、を含む液浸部材を用いて、液体の液浸空間を形成することと、液浸空間の液体を介して、射出面から射出される露光光で、走査方向に関して第1寸法の第1、第2ショット領域を順次露光することと、第1、第2ショット領域を露光する前又は露光した後に、液浸空間の液体を介して、射出面から射出される露光光で、走査方向に関して第1寸法とは異なる第2寸法の第3、第4ショット領域を順次露光することと、第1ショット領域の露光終了から第2ショット領域の露光開始までの基板の第1移動期間における第2部材の第1動作と、第3ショット領域の露光終了から第4ショット領域の露光開始までの基板の第2移動期間における第2部材の第2動作とが異なるように、基板の露光の少なくとも一部において、第1部材に対して第2部材を移動することと、を実行させてもよい。
【0503】
また、記憶装置7に記録されているプログラムは、上述の実施形態に従って、制御装置6に、第1下面を有し光学部材の周囲の少なくとも一部に配置される第1部材と、第1下面と間隙を介して対向する第2上面及び基板が対向可能な第2下面を有し露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される第2部材と、を含む液浸部材を用いて、液体の液浸空間を形成することと、液浸空間の液体を介して、射出面から射出される露光光で、走査方向に関してそれぞれ第1、第2寸法の第1、第2ショット領域を順次露光することと、第1、第2ショット領域を露光する前又は露光した後に、液浸空間の液体を介して、射出面から射出される露光光で、走査方向に関して第3寸法の第3、第4ショット領域を順次露光することと、第1ショット領域の露光終了から第2ショット領域の露光開始までの基板の第1移動期間における第2部材の第1動作と、第3ショット領域の露光終了から第4ショット領域の露光開始までの基板の第2移動期間における第2部材の第2動作とが異なるように、基板の露光の少なくとも一部において、第1部材に対して第2部材を移動することと、を実行させてもよい。
【0504】
また、記憶装置7に記録されているプログラムは、上述の実施形態に従って、制御装置6に、第1下面を有し光学部材の周囲の少なくとも一部に配置される第1部材と、第1下面と間隙を介して対向する第2上面及び基板が対向可能な第2下面を有し露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される第2部材と、を含む液浸部材を用いて、液体の液浸空間を形成することと、液浸空間の液体を介して、射出面から射出される露光光で、基板の第1、第2ショット領域を順次露光することと、第1ショット領域の露光終了から第2ショット領域の露光開始までの基板の第1移動期間において第2部材が走査方向と交差する方向の一側に第1移動条件で移動され、第2ショット領域の露光開始から露光終了までの基板の第2露光期間において第2部材が走査方向と交差する方向の他側に第1移動条件とは異なる第2移動条件で移動されるように、基板の露光の少なくとも一部において、第1部材に対して第2部材を移動することと、を実行させてもよい。
【0505】
また、記憶装置7に記録されているプログラムは、上述の実施形態に従って、制御装置6に、第1下面を有し光学部材の周囲の少なくとも一部に配置される第1部材と、第1下面と間隙を介して対向する第2上面及び基板が対向可能な第2下面を有し露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される第2部材と、を含む液浸部材を用いて、液体の液浸空間を形成することと、液浸空間の液体を介して、射出面から射出される露光光で、基板において一の列に含まれる走査方向と交差する方向に配置される複数のショット領域のそれぞれを順次露光することと、一の列に含まれるショット領域を露光する前又は露光した後に、液浸空間の液体を介して、一の列とは異なる列のショット領域を露光することと、ある列のショット領域の露光終了から、次に露光される、別の列のショット領域の露光開始までの基板の移動期間に、第1部材に対して第2部材を移動することと、を実行させてもよい。
【0506】
記憶装置7に記憶されているプログラムが制御装置6に読み込まれることにより、基板ステージ2、計測ステージ3、及び液浸部材5等、露光装置EXの各種の装置が協働して、液浸空間LSが形成された状態で、基板Pの液浸露光等、各種の処理を実行する。
【0507】
なお、上述の各実施形態においては、投影光学系PLの終端光学素子13の射出面12側(像面側)の光路Kが液体LQで満たされている。しかし、投影光学系PLが、例えば国際公開第2004/019128号パンフレットに開示されているような、終端光学素子13の入射側(物体面側)の光路も液体LQで満たされる投影光学系でもよい。
【0508】
なお、上述の各実施形態においては、液体LQが水であることとしたが、水以外の液体でもよい。液体LQは、露光光ELに対して透過性であり、露光光ELに対して高い屈折率を有し、投影光学系PLあるいは基板Pの表面を形成する感光材(フォトレジスト)等の膜に対して安定なものが好ましい。例えば、液体LQが、ハイドロフロロエーテル(HFE)、過フッ化ポリエーテル(PFPE)、フォンブリンオイル等のフッ素系液体でもよい。また、液体LQが、種々の流体、例えば、超臨界流体でもよい。
【0509】
なお、上述の各実施形態においては、基板Pが、半導体デバイス製造用の半導体ウエハを含むこととした。しかし、基板Pは、例えばディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等を含んでもよい。
【0510】
なお、上述の各実施形態においては、露光装置EXが、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)であることとした。しかし、露光装置EXは、例えばマスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)でもよい。
【0511】
また、露光装置EXが、ステップ・アンド・リピート方式の露光において、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第1パターンの縮小像を基板P上に転写した後、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第2パターンの縮小像を第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光する露光装置(スティッチ方式の一括露光装置)でもよい。また、スティッチ方式の露光装置が、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置でもよい。
【0512】
また、露光装置EXが、例えば米国特許第6611316号に開示されているような、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置でもよい。また、露光装置EXが、プロキシミティ方式の露光装置、ミラープロジェクション・アライナー等でもよい。
【0513】
また、上述の各実施形態において、露光装置EXが、米国特許第6341007号、米国特許第6208407号、米国特許第6262796号等に開示されているような、複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置でもよい。例えば、
図37に示すように、露光装置EXが2つの基板ステージ2001、2002を備えている場合、射出面12と対向するように配置可能な物体は、一方の基板ステージ、その一方の基板ステージの第1保持部に保持された基板、他方の基板ステージ、及びその他方の基板ステージの第1保持部に保持された基板の少なくとも一つを含む。
【0514】
また、露光装置EXが、複数の基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置でもよい。
【0515】
露光装置EXが、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置でもよいし、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置でもよいし、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置でもよい。
【0516】
なお、上述の実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いた。しかし、このマスクに代えて、例えば米国特許第6778257号に開示されているような、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する可変成形マスク(電子マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれる)を用いてもよい。また、非発光型画像表示素子を備える可変成形マスクに代えて、自発光型画像表示素子を含むパターン形成装置を備えるようにしてもよい。
【0517】
上述の各実施形態においては、露光装置EXが投影光学系PLを備えることとしたが、投影光学系PLを用いない露光装置及び露光方法に、上述の各実施形態で説明した構成要素を適用してもよい。例えば、レンズ等の光学部材と基板との間に液浸空間を形成し、その光学部材を介して、基板に露光光を照射する露光装置及び露光方法に、上述の各実施形態で説明した構成要素を適用してもよい。
【0518】
また、露光装置EXが、例えば国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているような、干渉縞を基板P上に形成することによって基板P上にライン・アンド・スペースパターンを露光する露光装置(リソグラフィシステム)でもよい。
【0519】
上述の実施形態の露光装置EXは、上述の各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了した後、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0520】
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、
図38に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、上述の実施形態に従って、マスクのパターンからの露光光で基板を露光すること、及び露光された基板を現像することを含む基板処理(露光処理)を含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
【0521】
なお、上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態及び変形例で引用した露光装置等に関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。