特許第6341702号(P6341702)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6341702
(24)【登録日】2018年5月25日
(45)【発行日】2018年6月13日
(54)【発明の名称】ポンプ、およびポンプシステム
(51)【国際特許分類】
   F04D 7/06 20060101AFI20180604BHJP
   F04D 29/60 20060101ALI20180604BHJP
   C23F 13/22 20060101ALI20180604BHJP
   G01B 11/06 20060101ALI20180604BHJP
   G01N 21/88 20060101ALI20180604BHJP
   G01N 17/02 20060101ALI20180604BHJP
【FI】
   F04D7/06 D
   F04D29/60 B
   C23F13/22
   G01B11/06 H
   G01N21/88 K
   G01N17/02
【請求項の数】15
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-51386(P2014-51386)
(22)【出願日】2014年3月14日
(65)【公開番号】特開2015-175267(P2015-175267A)
(43)【公開日】2015年10月5日
【審査請求日】2016年12月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100114487
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 幸作
(74)【代理人】
【識別番号】100146710
【弁理士】
【氏名又は名称】鐘ヶ江 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100117411
【弁理士】
【氏名又は名称】串田 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100167243
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 充
(72)【発明者】
【氏名】千葉 真
(72)【発明者】
【氏名】内田 義弘
(72)【発明者】
【氏名】中塩 雄二
(72)【発明者】
【氏名】高嶋 道雄
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 新吾
【審査官】 谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭54−048021(JP,U)
【文献】 特開2006−002223(JP,A)
【文献】 特開2006−161790(JP,A)
【文献】 特開2003−166477(JP,A)
【文献】 特開2007−309097(JP,A)
【文献】 特開平09−125268(JP,A)
【文献】 特開2015−063734(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 7/06
F04D 29/60
C23F 13/22
G01B 11/06
G01N 17/02
G01N 21/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
立軸ポンプからなる液体ポンプであって、
前記液体ポンプの内部に設置される犠牲陽極と、
前記犠牲陽極を設置するための犠牲陽極設置部と、
前記犠牲陽極と前記犠牲陽極設置部との間に配置された、蛍光性または蓄光性を有する光反応平面部を有する第1の光反応部とを備え、
前記光反応平面部は、前記犠牲陽極または前記犠牲陽極設置部の表面に形成された塗装膜、またはシート状部材である
液体ポンプ
【請求項2】
請求項1に記載の液体ポンプであって、
前記犠牲陽極と前記犠牲陽極設置部との間には、空間が形成されており、
前記空間を形成する前記犠牲陽極設置部の表面に前記第1の光反応部が配置されている
液体ポンプ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の液体ポンプであって、
前記犠牲陽極は、単一の犠牲陽極が複数積層された構造を有しており、
前記単一の犠牲陽極間には、蛍光性または蓄光性を有する第2の光反応部が配置され、
前記第1の光反応部と前記第2の光反応部とは、色が異なる
液体ポンプ。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の液体ポンプであって、
前記犠牲陽極は、単一の犠牲陽極が複数積層された構造を有しており、
前記液体ポンプの内部から見て、第2層目以降の前記単一の犠牲陽極には、蛍光性または蓄光性を有する第2の光反応部が埋め込まれており、
前記第1の光反応部と前記第2の光反応部とは、色が異なる
液体ポンプ。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の液体ポンプであって、
前記犠牲陽極は、前記単一の犠牲陽極が3層以上積層された構造を有しており、
前記第2の光反応部は、前記積層の方向において複数配置され、
前記複数の第2の光反応部の各々は、相互に色が異なる
液体ポンプ。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載の液体ポンプであって、
前記犠牲陽極を前記犠牲陽極設置部に固定するために前記犠牲陽極を貫通する取付部材を備え、
前記取付部材の表面には、蛍光性または蓄光性を有する第2の光反応部が形成されており、
前記第1の光反応部と前記第2の光反応部とは、色が異なる
液体ポンプ。
【請求項7】
液体ポンプシステムであって、
請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の液体ポンプと、
前記犠牲陽極の設置個所を撮像するためのカメラであって、光源を有するカメラと、
前記カメラの撮像結果を表示するためのモニタと、
前記カメラの撮像結果を記憶するためのメモリと、
前記メモリに記憶された前記撮像結果と、新たな撮像結果と、を比較可能に画像処理する画像処理部と
を備える液体ポンプシステム。
【請求項8】
立軸ポンプからなるポンプの維持管理方法であって、
蛍光性または蓄光性を有する光反応平面部を有する第1の光反応部を、犠牲陽極と、液体ポンプのケーシングの犠牲陽極設置部と、の間に配置する工程であり、前記光反応平面部は、前記犠牲陽極または前記犠牲陽極設置部の表面に形成された塗装膜、またはシート状部材である前記工程と、
カメラを前記液体ポンプ内部の前記犠牲陽極設置部付近に挿入すると共に、特定波長光を前記犠牲陽極設置部に向けて照射する工程と、
前記犠牲陽極の少なくとも局部的な消耗によって前記第1の光反応部が露出している場合に前記照射した特定波長光に反応して前記第1の光反応部が発光することの有無を前記カメラで確認することにより前記犠牲陽極の消耗の程度を確認する工程と
を備えるポンプ維持管理方法。
【請求項9】
請求項8に記載のポンプ維持管理方法であって、
さらに、前記犠牲陽極の前記犠牲陽極設置部と反対側の端面と前記第1の光反応部との間に、前記第1の光反応部と色が異なる第2の光反応部を配置する工程を備え、
前記消耗の程度を確認する工程は、前記第1の光反応部または前記第2の光反応部が露出している場合に前記照射した特定波長光に反応して前記第1の光反応部または前記第2の光反応部が発光することの有無を確認することによって行われる
ポンプ維持管理方法。
【請求項10】
請求項8又は請求項9記載のポンプ維持管理方法であって、
前記特定波長光は、ブラックライトである
ポンプ維持管理方法。
【請求項11】
液体ポンプであって、
前記液体ポンプの内部に設置される犠牲陽極と、
前記犠牲陽極を設置するための犠牲陽極設置部と、
前記犠牲陽極と前記犠牲陽極設置部との間に配置された、蛍光性または蓄光性を有する第1の光反応部と
を備え、
前記犠牲陽極は、単一の犠牲陽極が複数積層された構造を有しており、
前記単一の犠牲陽極間には、蛍光性または蓄光性を有する第2の光反応部が配置され、
前記第1の光反応部と前記第2の光反応部とは、色が異なる
液体ポンプ。
【請求項12】
液体ポンプであって、
前記液体ポンプの内部に設置される犠牲陽極と、
前記犠牲陽極を設置するための犠牲陽極設置部と、
前記犠牲陽極と前記犠牲陽極設置部との間に配置された、蛍光性または蓄光性を有する第1の光反応部と
を備え、
前記犠牲陽極は、単一の犠牲陽極が複数積層された構造を有しており、
前記液体ポンプの内部から見て、第2層目以降の前記単一の犠牲陽極には、蛍光性または蓄光性を有する第2の光反応部が埋め込まれており、
前記第1の光反応部と前記第2の光反応部とは、色が異なる
液体ポンプ。
【請求項13】
液体ポンプであって、
前記液体ポンプの内部に設置される犠牲陽極と、
前記犠牲陽極を設置するための犠牲陽極設置部と、
前記犠牲陽極と前記犠牲陽極設置部との間に配置された、蛍光性または蓄光性を有する第1の光反応部と、
前記犠牲陽極を前記犠牲陽極設置部に固定するために前記犠牲陽極を貫通する取付部材と、を備え、
前記取付部材の表面には、蛍光性または蓄光性を有する第2の光反応部が形成されており、
前記第1の光反応部と前記第2の光反応部とは、色が異なる
液体ポンプ。
【請求項14】
液体ポンプシステムであって、
請求項11ないし請求項13のいずれか一項に記載の液体ポンプと、
前記犠牲陽極の設置個所を撮像するためのカメラであって、光源を有するカメラと、
前記カメラの撮像結果を表示するためのモニタと、
前記カメラの撮像結果を記憶するためのメモリと、
前記メモリに記憶された前記撮像結果と、新たな撮像結果と、を比較可能に画像処理する画像処理部と
を備える液体ポンプシステム。
【請求項15】
ポンプの維持管理方法であって、
蛍光性または蓄光性を有する第1の光反応部を、犠牲陽極と、液体ポンプのケーシングの犠牲陽極設置部と、の間に配置する工程と、
前記犠牲陽極の前記犠牲陽極設置部と反対側の端面と前記第1の光反応部との間に、前記第1の光反応部と色が異なる第2の光反応部を配置する工程と、
カメラを前記液体ポンプ内部の前記犠牲陽極設置部付近に挿入すると共に、特定波長光を前記犠牲陽極設置部に向けて照射する工程と、
前記犠牲陽極の少なくとも局部的な消耗によって前記第1の光反応部または前記第2の
光反応部が露出している場合に前記照射した特定波長光に反応して前記第1の光反応部または前記第2の光反応部が発光することの有無を確認することにより、前記犠牲陽極の消耗の程度を確認する工程と
を備えるポンプ維持管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプにおいて犠牲陽極の消耗状況を確認するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
高潮対策などに用いられる立軸ポンプでは、海水を含んだ水をポンプアップすることにより、ポンプ羽根車(主にステンレス綱)とポンプケーシング(主に鋳鉄または鋼鉄)との間に電位差を生じ、電位が卑となる方のポンプケーシングが腐食してしまう。このため、防食対策として、ポンプケーシングよりも卑となる金属から成る犠牲陽極をポンプに設置することによりポンプケーシングの腐食を防ぐ犠牲陽極法が広く用いられている。この犠牲陽極法では、例えば、吊り下げケーシングの内部や、ポンプ羽根車よりも下方のベルマウスの内部に犠牲陽極が設置され、犠牲陽極が消耗して無くなった段階で新たな犠牲陽極が取り付けられる。
【0003】
かかる犠牲陽極法を採用した立軸ポンプでは、犠牲陽極の取り付け位置がポンプの内部にあるので、ポンプを分解しなければ犠牲陽極の消耗状況を確認することができない。特に、立軸ポンプは、ポンプ機場の床下の水槽内に配置されるので、簡易な分解(例えば、ハンドホールからの目視)程度では犠牲陽極の消耗状況を確認することができず、大がかりな分解作業が必要になってしまう。つまり、犠牲陽極の消耗具合を頻繁に確認することは現実的とは言えない。このため、一般的には、犠牲陽極の設計寿命(3〜5年程度)を目安にポンプの引き上げを行い、犠牲陽極の消耗具合に依らず、犠牲陽極の交換を一律に行う手法が採られている。
【0004】
かかる手法は、犠牲陽極の消耗具合に応じて犠牲陽極の交換を行うわけではないので、信頼性や経済性の面で改善の余地がある。具体的には、犠牲陽極の消耗具合は周囲の環境(例えば、水質変化、水位、ポンプの運転状況、塗装の劣化状態など)によって大きく左右される。このため、設計寿命に基づく犠牲陽極の交換は、犠牲陽極の消耗の進行が想定よりも速く、犠牲陽極が完全に消耗されてから相当程度時間が経過した後に行われる場合には、ポンプケーシングの腐食が進行してしまうことになる。逆に、犠牲陽極の消耗の進行が想定よりも遅く、必ずしも即刻交換が必要でないにもかかわらず、交換が行われる場合には、保守費用の増加が経済性を低下させることになる。このようなことから、光源を有する小型カメラをポンプの内部に挿入して、犠牲陽極の状況を撮像画像によって確認し、犠牲陽極の消耗具合に応じて適切な時期に犠牲陽極の交換を行う技術が開発されている(例えば、下記の特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−150262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、水中で撮像された画像は、必ずしも明瞭なものではない。例えば、水の透明度が低く濁っている場合には、撮像された画像によって犠牲陽極の消耗具合を確認することは困難になり得る。また、ポンプ内部のスペースの制約から、ポンプ内に挿入できるカメラや光源の大きさは限定されるので、光源不足となることもあり、犠牲陽極の消耗具合を十分に確認できない状況が生じ得る。しかも、犠牲陽極は、その全体が均一に消耗するとは限らないので、光源が不足した条件下では、犠牲陽極全体の腐食状況の確認がいっそう困難になる。このようなことから、犠牲陽極の消耗状況をより正確に確認できる技
術が求められる。かかる問題は、立軸ポンプに限らず、種々の液体ポンプに共通する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
【0008】
本発明の第1の形態によれば、液体ポンプが提供される。この液体ポンプは、液体ポンプの内部に設置される犠牲陽極と、犠牲陽極を設置するための犠牲陽極設置部と、犠牲陽極と犠牲陽極設置部との間に配置された、蛍光性または蓄光性を有する第1の光反応部と、を備える。
【0009】
かかる液体ポンプによれば、光源を有するカメラを液体ポンプの内部に挿入し、犠牲陽極の設置箇所に光を照射する。犠牲陽極が消耗して第1の光反応部が露出している場合には、第1の光反応部が蛍光または蓄光によって光を発するので、その光を撮像することによって、犠牲陽極が少なくとも局部的には完全に消耗していることを容易に確認することができる。
【0010】
本発明の第2の形態によれば、第1の形態において、犠牲陽極と犠牲陽極設置部との間には、空間が形成されており、空間を形成する犠牲陽極設置部の表面には光反応部が配置されている。かかる形態によれば、犠牲陽極を犠牲陽極設置部に取り付ける際に、第1の光反応部が犠牲陽極と接触することがない。したがって、第1の光反応部の損傷が抑制されるので、犠牲陽極の消耗具合の確認に対する信頼性が向上する。
【0011】
本発明の第3の形態によれば、第1または第2の形態において、犠牲陽極は、単一の犠牲陽極が複数積層された構造を有している。単一の犠牲陽極間には、蛍光性または蓄光性を有する第2の光反応部が配置される。第1の光反応部と第2の光反応部とは、色が異なる。かかる形態によれば、犠牲陽極の消耗途中において第2の光反応部が露出し、第1の光反応部とは異なる色の光を発することになるので、犠牲陽極が少なくとも局部的に完全に消耗して第1の光反応部が露出する前に、犠牲陽極の消耗量を把握することができる。その結果、液体ポンプの状態管理と、犠牲陽極の交換時期の予測と、が可能になり、点検・交換計画を的確に立案することができる。
【0012】
本発明の第4の形態によれば、第1または第2の形態において、犠牲陽極は、単一の犠牲陽極が複数積層された構造を有している。液体ポンプの内部から見て、第2層目以降の単一の犠牲陽極には、蛍光性または蓄光性を有する第2の光反応部が埋め込まれている。第1の光反応部と第2の光反応部とは、色が異なる。かかる形態によれば、第3の形態と同様の効果を奏する。
【0013】
本発明の第5の形態によれば、第3または第4の形態において、犠牲陽極は、単一の犠牲陽極が3層以上積層された構造を有している。第2の光反応部は、積層の方向において複数配置される。複数の第2の光反応部の各々は、相互に色が異なる。かかる形態によれば、犠牲陽極の消耗量を複数段階で把握することができる。したがって、点検・交換計画を的確に立案することができる。
【0014】
本発明の第6の形態によれば、第1または第2の形態において、液体ポンプは、犠牲陽極を犠牲陽極設置部に固定するために犠牲陽極を貫通する取付部材を備える。取付部材の表面には、蛍光性または蓄光性を有する第2の光反応部が形成されている。第1の光反応部と第2の光反応部とは、色が異なる。かかる形態によれば、第3または第4の形態と同様の効果を奏する。
【0015】
本発明の第7の形態によれば、液体ポンプシステムが提供される。この液体ポンプシステムは、第1ないし第6のいずれかの形態の液体ポンプと、犠牲陽極の設置個所を撮像するためのカメラであって、光源を有するカメラと、カメラの撮像結果を表示するためのモニタと、カメラの撮像結果を記憶するためのメモリと、メモリに記憶された撮像結果と、新たな撮像結果と、を比較可能に画像処理する画像処理部と、を備える。かかる液体ポンプシステムによれば、過去の撮像結果と新た撮像結果とを比較できるので、犠牲陽極の消耗具合を正確に確認できる。
【0016】
本発明の第8の形態によれば、ポンプの維持管理方法が提供される。この方法は、蛍光性または蓄光性を有する第1の光反応部を、犠牲陽極と、液体ポンプのケーシングの犠牲陽極設置部と、の間に配置する工程と、カメラを液体ポンプ内部の犠牲陽極設置部付近に挿入すると共に、特定波長光を犠牲陽極設置部に向けて照射する工程と、犠牲陽極の少なくとも局部的な消耗によって第1の光反応部が露出している場合に照射した特定波長光に反応して第1の光反応部が発光することの有無をカメラで確認することにより犠牲陽極の消耗の程度を確認する工程と、を備える。かかる方法によれば、請求項1と同様の効果を奏する。
【0017】
本発明の第9の形態によれば、第8の形態において、さらに、犠牲陽極の犠牲陽極設置部と反対側の端面と第1の光反応部との間に、第1の光反応部と色が異なる第2の光反応部を配置する工程を備える。消耗の程度を確認する工程は、第1の光反応部または第2の光反応部が露出している場合に照射した特定波長光に反応して第1の光反応部または第2の光反応部が発光することの有無を確認することによって行われる。かかる方法によれば、第3の形態と同様の効果を奏する。
【0018】
本発明の第10の形態によれば、第8または第9の形態において、特定波長光は、ブラックライトである。
【0019】
本発明は、上述の形態の他、液体ポンプの内部に設置された犠牲陽極の消耗具合を確認するための方法、などとしても実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施例としての立軸ポンプシステムの概略構成を示す断面図である。
図2】犠牲陽極の周辺の構成を示す概略図である。
図3】犠牲陽極の周辺の構成の代替構成を示す概略図である。
図4】犠牲陽極の周辺の構成の代替構成を示す概略図である。
図5】犠牲陽極の代替構成を示す概略図である。
図6】犠牲陽極の代替構成を示す概略図である。
図7】犠牲陽極の周辺の構成の代替構成を示す概略図である。
図8】本発明に関連する他の態様の立軸ポンプシステムの代替構成を部分的に示す概略図である。
図9】本発明に関連する他の態様の立軸ポンプシステムの概略構成を示す断面図である。
図10図9に示す態様における犠牲陽極の周辺の構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
A.実施例:
図1は、本発明の設備の一実施例としてのポンプシステム20の概略構成を示す。ポンプシステム20は、立軸ポンプ30と原動機39と、モニタ41,42と、カメラ43,44とを備えている。立軸ポンプ30は、吊下管31と、ポンプボウル32と、吸込ベルマウス33と、シャフト34と、外軸受35と、水中軸受36と、インペラ37とを備え
ている。鉛直方向に延在するシャフト34は、外軸受35と水中軸受36とによって支承されている。このシャフト34の下端には、ポンプボウル32の内部においてインペラ37が設けられている。シャフト34の上端には、原動機39が連結されている。原動機39は、原動機台39aに据え付けられている。
【0022】
ポンプ据付床90には、ポンプ据付床90を貫通するポンプ据付孔91が形成されており、その下方には、水槽92が配置されている。ポンプ据付孔91の上側の端部には、ベース93が周方向の全体に亘って形成されている。立軸ポンプ30は、吊下管31がポンプ据付孔91から水槽92内に吊り下げられるように、ベース93上に据え付けられている。かかるポンプシステム20では、原動機39によって提供される駆動力によってシャフト34が回転すると、同時にインペラ37も回転し吸込ベルマウス33から上方に水が汲み上げられる。図1では、水槽92の水位は、ポンプボウル32の付近に位置しているが、この水位は、状況によっては、ポンプ据付孔91のすぐ下方まで上昇する。
【0023】
かかる立軸ポンプ30において、吊下管31の内部および吸込ベルマウス33の内部には、犠牲陽極50,80が設けられている。かかる犠牲陽極50,80は、ケーシング(吊下管31、ポンプボウル32および吸込ベルマウス33)よりもイオン化傾向が大きい金属(亜鉛が代表的)で形成されており、ケーシングよりも先に腐食することによって、ケーシングの腐食を防止する。この犠牲陽極50,80は消耗部品であり、犠牲陽極50,80が腐食によって消耗すると、新たな犠牲陽極が設置される。この新たな犠牲陽極の設置の時期を判断するために、モニタ41,42およびカメラ43,44によって、犠牲陽極50,80の消耗具合が確認される。
【0024】
カメラ43,44は、光源を有しており、回動可能に構成されている。これらのカメラ43,44は、任意の方法によって立軸ポンプ30の内部に挿入される。例えば、カメラ43は、立軸ポンプ30の地上部分のケーシング(吐出曲管)に形成されたハンドホール38から犠牲陽極50の設置箇所まで挿入される。例えば、カメラ44は、ベース93の付近で立軸ポンプ30に設けられた点検口94から犠牲陽極80の設置箇所まで挿入される。立軸ポンプ30の内部または外部には、カメラ44,45を犠牲陽極50,80の付近まで案内する案内手段が設けられていてもよい。
【0025】
モニタ41,42は、それぞれ、カメラ43,44と通信可能に接続されており、カメラ43,44で撮像した画像を表示可能に構成されている。本実施例では、モニタ41,42には、カメラ44,45で撮像した画像を記憶するためのメモリと、当該メモリに記憶された撮像画像(以下、旧画像とも呼ぶ)と新たな撮像画像(以下、新画像とも呼ぶ)とを比較可能に画像処理する画像処理部と、が内蔵されている。画像処理部は、例えば、メモリに記憶されたプログラムを実行可能なCPUの機能として実現することができる。画像処理部は、例えば、旧画像と新画像とを同時に並べてモニタ41,42に表示するために旧画像と新画像との合成画像データを生成する機能とすることができる。
【0026】
図2は、犠牲陽極50の周辺の構成を示す概略図である。吊下管31には、孔部31aが形成されており、この孔部31aは、犠牲陽極50を設置するための犠牲陽極設置部70によって吊下管31の外側から塞がれている。この犠牲陽極設置部70は、例えば、吊下管31と同じ材質のプレートである。犠牲陽極設置部70は、例えば、ボルト(図示省略)によって吊下管31に固定される。犠牲陽極設置部70のポンプ内部側の面には、犠牲陽極50が設けられている。犠牲陽極50と犠牲陽極設置部70との間には、光反応部60が設けられている。光反応部60は、本実施例では、蛍光性を有する材料によって形成されている。光反応部60は、例えば、犠牲陽極設置部70または犠牲陽極50の表面に形成された塗装膜であってもよいし、犠牲陽極50と犠牲陽極設置部70とで挟持されたシート状部材であってもよい。犠牲陽極50、光反応部60および犠牲陽極設置部70
は、例えば、これらを貫通するボルト(図示省略)によって相互に固定される。このように、犠牲陽極設置部70と吊下管31とを別体構造とすることによって、犠牲陽極50の取り替え作業が容易になる。
【0027】
かかる犠牲陽極50が腐食によって少なくとも局部的に完全に消耗すると、光反応部60が露出した状態になる。かかる状態において、犠牲陽極50の設置箇所に向けて、カメラ43からブラックライト(波長が320〜400nm程度の不可視光)を照射すると、光反応部60は、蛍光反応によって発光する。この画像をカメラ43によって撮像すれば、犠牲陽極50の消耗箇所が非常に明るい撮像画像となって得ることができる。一方、犠牲陽極50が完全には消耗していない状態において犠牲陽極50にブラックライトを照射すると、光反応部60は露出していないので、このような発光した画像は得られず、比較的暗い画像が得られることになる。このように、犠牲陽極50が完全に消耗しているか否かに応じて、撮像画像に大きな明暗の差が生じるので、犠牲陽極50が完全に消耗しているか否かを正しく確認することができる。なお、説明を省略するが、犠牲陽極80は、犠牲陽極50と同じ構成を備えているため、犠牲陽極80の消耗状況についても、同様にカメラ44を使用して確認することができる。
【0028】
かかる犠牲陽極50の周辺の構成について、いくつかの代替構成について説明する。以下の説明およびそれに関連する図において、図2に示した構成要素に対応する構成要素には、図2で使用した符号の末尾に「a」などのアルファベットを付すことによって説明の重複を避け、図2と異なる点についてのみ説明する。
【0029】
図3は、犠牲陽極50の周辺の構成の代替構成を示す。この例では、犠牲陽極設置部70aは、平板状の基部71aと、基部71aから吊下管31の内側に向けてリング状に突出した突出部72aと、を備えている。犠牲陽極50aは、この突出部72aに取り付けられている、その結果、犠牲陽極50aと犠牲陽極設置部70aとの間には、空間73aが形成されている。そして、空間73aを形成する突出部72aの内面(水平方向の面)74aと、空間73aを形成する基部71aの内面(鉛直方向の面)75aには、光反応部60aが形成されている。
【0030】
かかる構成によれば、犠牲陽極50aを犠牲陽極設置部70aに取り付ける際に、光反応部60aが犠牲陽極50aと接触することがない。したがって、摩擦等によって光反応部60aが損傷することが抑制され、犠牲陽極50aの消耗具合の確認に対する信頼性が向上する。しかも、光反応部60aは、方向が異なる複数の面(内面74a,75a)上に形成されるので、カメラ43を犠牲陽極50aに向けて配置する際のカメラ43の向きの許容度が広がるので、カメラ43による視認性が向上する。
【0031】
図4は、犠牲陽極50の周辺の構成の他の代替構成を示す。この例では、犠牲陽極50bは、単一の犠牲陽極51b,52b,53bが積層された構造を有している。また、これらの犠牲陽極51b,52b,53bの各々の間には、光反応部61b,62bがそれぞれ配置されている。犠牲陽極50bと犠牲陽極設置部70との間には、図2と同様に光反応部63bが配置されている。光反応部61b,62b,63bの各々は、相互に色が異なる。
【0032】
かかる構成によれば、犠牲陽極50bの消耗途中において犠牲陽極51bまたは犠牲陽極52bが露出した状態で、カメラ43による撮像で犠牲陽極50bの消耗具合の確認を行えば、光反応部61bまたは光反応部62bが、光反応部63bとは異なる色の光を発するので、犠牲陽極50bが完全に消耗される前に、犠牲陽極50bの消耗量を段階的に把握することができる。その結果、立軸ポンプ30の状態管理と、犠牲陽極50bの交換時期の予測と、が可能になり、点検・交換計画を的確に立案することができる。なお、犠
牲陽極50bは3層構造となっているが、2層構造を有していてもよいし、4層以上の構造を有していてもよい。
【0033】
図5は、犠牲陽極50の他の代替構成を示す。この例では、犠牲陽極50cは、単一の犠牲陽極51c,52c,53cが積層された構造を有している。これらの単一の犠牲陽極51c,52c,53cのうち、立軸ポンプ30の内部から外側に向かって、第2層目以降の単一の犠牲陽極52c,53cには、それぞれ、光反応部61c,62cが埋め込まれている。光反応部61c,62cの各々は、相互に色が異なっている。図示は省略するが、図4と同様に、犠牲陽極50cと犠牲陽極設置部70との間にも、光反応部61c,62cと異なる色の光反応部が配置される。かかる構成によれば、図4に示した構成と同様の効果を奏する。
【0034】
図6は、犠牲陽極50の他の代替構成を示す。この例では、犠牲陽極50dは、単層構造を有している。犠牲陽極50dを犠牲陽極設置部70に固定するために犠牲陽極50dを厚み方向に貫通する取付部材55d(例えばボルトであり、簡略図示している)の表面には、それぞれ色が異なる光反応部61d,62d,63dが形成されている。ボルトはステンレス製を用いることが多いが、ボルトが腐食によって削れることはほぼ無い。犠牲陽極50dのみが減るので、ボルトに付着させた光反応部61d,62d,63dが次々に露出してくる。かかる構成によっても、図4に示した構成と同様の効果を奏する。
【0035】
図7は、犠牲陽極50の周辺の構成の他の代替構成を示す。この例では、ケーシング(ここでは、吊下管)31の内面に塗装によって光反応部60eが形成されており、さらにその表面に、塗装によって犠牲陽極50eが形成されている。この例では、ケーシング31は、上述の犠牲陽極設置部70(犠牲陽極50eを取り付けるための部材)として機能している。
【0036】
B.変形例:
B−1.変形例1:
上述の実施例では、ブラックライトを犠牲陽極に照射する態様を例示したが、ブラックライトに代えて、任意の波長の光を照射することもできる。この場合、光反応部には、照射する光によって蛍光反応または蓄光反応が生じる材料を使用することができる。例えば、照射する光は、可視光、例えば、照明光やLED照明であってもよい。この場合、光反応部には、蓄光性を有する材料を使用することができる。また、この場合、カメラから犠牲陽極の設置箇所に向けて光を照射し、その後、消灯して撮像することができる。犠牲陽極が消耗して光反応部が露出していれば、蓄光反応による発光がカメラで撮像される。ブルーライト(波長が380〜495nm程度の可視光)は、可視光の中で波長が短くエネルギーが高いので散乱しやすく、照射領域の壁面に傷がある場合には、いっそう散乱する。このため、傷の有無についても容易に確認できる。
【0037】
B−2.変形例2:
カメラ43,44が有する光源は、照射光の波長を調節できることが望ましい。例えば、ブラックライトの波長域内での波長の変更、ブラックライトからブルーライトへの変更などが行えることが望ましい。かかる構成によれば、発光をカメラ43,44で確認しにくい場合に、波長を調節して、確認精度を向上させることができる。また、波長の調節は、地上からの遠隔操作によって行えることが望ましく、例えば、モニタ41,42が波長調節用GUI(グラフィカルユーザインターフェース)を表示可能に構成されていてもよい。
【0038】
B−3.変形例3:
図4〜6に示した構成は、犠牲陽極と犠牲陽極設置部との間に光反応部が配置されてい
ない構成にも適用可能である。例えば、図4において、光反応部60bは、光反応部61bと光反応部62bのみから構成されていてもよい。かかる構成によれば、例えば、光反応部62bが露出していることが確認された段階で犠牲陽極50bを交換するなど、より安全側で立軸ポンプ30の管理を行うことができる。
【0039】
B−4.変形例4:
上述した種々の構成は、立軸ポンプ30に限らず、任意の液体ポンプ、例えば、水中ポンプにも適用可能である。
【0040】
C.他の態様:
C−1.態様1:
図8は、本発明に関連する他の態様の立軸ポンプシステムの代替構成を部分的に示す概略図である。この例では、ケーシング31の内面に塗装(下塗り)によって第1の塗料層58fが形成されており、その表面に塗装によって光反応部60fが形成されており、さらに、その表面に塗装(最終塗装)によって第2の塗料層57fが形成されている。この例では、犠牲陽極は使用されていない。かかる構成によれば、第2の塗料層57fが異物衝突などによって剥がれた場合に、上述と同様の方法によって、光反応部60fが露出していることを確認することができる。すなわち、塗装のダメージを容易に確認することができる。光反応部60fは、図4〜6に示したように、ケーシング31の厚み方向に離間する複数の層として形成されていてもよい。あるいは、図8に示した構成に加えて、または、代えて、光反応部がケーシング31の内壁面上に形成されていてもよい。
【0041】
C−2.態様2:
図9は、本発明に関連する他の態様の立軸ポンプシステム120の概略構成を示す断面図である。図9では、図1に示した構成要素と同一の構成要素に対して図1と同一の符号を付している。立軸ポンプシステム120は、光反応部60(図2参照)に代えて注入管110を備えている点が図1に示したポンプシステム20と異なっている。注入管110は、立軸ポンプ30の外部において、地上部から立軸ポンプ30に沿って水槽92に延在しており、途中で第1の注入管111と第2の注入管112とに分岐している。第1の注入管111は、犠牲陽極50が設けられた位置において立軸ポンプ30に接続されている。第2の注入管112は、犠牲陽極80が設けられた位置において立軸ポンプ30に接続されている。
【0042】
図10は、犠牲陽極50の周辺の構成を示す概略図である。図10(a)に示す構成要素のうち、図3に示す構成要素と同一の構成要素には、図3と同一の符号を付している。図10(a)に示すように、第1の注入管111は、犠牲陽極設置部70aの基部71aを貫通して、空間73aと連通している。説明は省略するが、第2の注入管112についても同様の態様で立軸ポンプ30に接続されている。かかる態様において、犠牲陽極50aの消耗具合は、以下のようにして確認される。まず、地上から注入管110に蛍光性または蓄光性を有する液体を注入する。注入された液体は、第1の注入管111および第2の注入管112に導かれる。
【0043】
この場合、消耗されずに残っている犠牲陽極50aが空間73aを完全に塞いでいれば、第1の注入管111に導かれた液体は、空間73aに滞留することになる。換言すれば、液体は、ケーシング31の内部には流入しない。一方、犠牲陽極50aが完全に消耗していれば、あるいは、犠牲陽極50aが局部的に消耗し、ケーシング31の内部と空間73aとを連通させる孔が形成されていれば、第1の注入管111に導かれた液体は、空間73aを通って、ケーシング31の内部に流入する。かかる流入の有無を、カメラ43を使用して上述の方法によって確認すれば、犠牲陽極50aの消耗具合を確認することができる。かかる構成によれば、立軸ポンプ30の初期設置時に光反応部60を設けておく必
要がなく、初期設置時からある程度期間が経過した後に、液体を注入してもよい。この場合、蛍光性または蓄光性を有する物質は経年劣化しにくいので、犠牲陽極50aの消耗具合の確認についての信頼性が向上する。説明は省略するが、第2の注入管112の接続箇所についても同様の手法で確認が可能である。
【0044】
消耗されずに残っている犠牲陽極50aが空間73aを完全に塞いでいる場合、注入管110に一度注入された液体は、そのまま注入管110に残留することになる。このため、電極式、フリクト式など任意の形式の液位計を注入管110内に設けてもよい。かかる構成によれば、犠牲陽極50aが消耗し、ケーシング31の内部と空間73aとが連通した場合に、注入管110の液位が低下するので、犠牲陽極50aの消耗が分かる。
【0045】
図10(b)には、代替の構成を示す。この例では、犠牲陽極150には、犠牲陽極設置部70側の表面に凹部が形成されており、その凹部に空間151が形成されている。第1の注入管111は、犠牲陽極設置部70を貫通して、空間151に連通している。なお、犠牲陽極と犠牲陽極設置部との間の空間は、犠牲陽極側および犠牲陽極設置部側のいずれの側に形成されてもよい。
【0046】
また、注入管110に注入する液体は、蛍光性または蓄光性を有する液体に限らず、任意の液体を使用することもできる。例えば、着色された液体を使用することでもよい。かかる構成によっても、液体がケーシング31の内部に流入していることをカメラ43,44によって容易に確認できる。あるいは、図9に示す犠牲陽極50の設置箇所のように、水槽92の水位が犠牲陽極の設置箇所よりも低下している場合には、注入管110に注入する液体は、単なる水であってもよい。かかる構成によれば、液体がケーシング31の内部の空間(水がない空間)に流入していることをカメラ43,44によって容易に確認できる。
【0047】
以上、いくつかの実施例に基づいて本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。
【符号の説明】
【0048】
20…ポンプシステム
30…立軸ポンプ
31…吊下管(ケーシング)
31a…孔部
32…ポンプボウル
33…吸込ベルマウス
34…シャフト
35…外軸受
36…水中軸受
37…インペラ
38…ハンドホール
39…原動機
39a…原動機台
41,42…モニタ
43,44…カメラ
50,50a〜50e,51b〜53b,51c〜53c,80…犠牲陽極
55d…取付部材
57f…第2の塗料層
58f…第1の塗料層
60,60a〜60f,61b〜63b,61c,62c,61d〜63d…光反応部
70,70a…犠牲陽極設置部
71a…基部
72a…突出部
73a…空間
74a…内面
90…ポンプ据付床
91…ポンプ据付孔
92…水槽
93…ベース
94…点検口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10