(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記研磨ヘッドが前記所定位置に到達する前、または到達したときに、前記シャッタを前記リリースノズルの上方に移動させて該リリースノズルを覆うことを特徴とする請求項9に記載の研磨方法。
前記基板を前記研磨ヘッドから離脱させた後、前記研磨ヘッドに洗浄流体を噴射することにより前記研磨ヘッドを洗浄することを特徴とする請求項13に記載の研磨方法。
前記基板を前記研磨ヘッドから離脱させた後、前記研磨ヘッドに洗浄流体を噴射することにより前記研磨ヘッドを洗浄する研磨ヘッド洗浄ノズルをさらに備えたことを特徴とする請求項17に記載の研磨装置。
前記基板を前記研磨ヘッドから離脱させた後、前記研磨ヘッドに洗浄流体を噴射することにより前記研磨ヘッドを洗浄する研磨ヘッド洗浄ノズルをさらに備えたことを特徴とする請求項21に記載の研磨装置。
前記研磨ヘッド洗浄ノズルが前記研磨ヘッドに洗浄流体を噴射している間、前記リリースノズル洗浄ノズルは前記リリースノズルに向かって流体を噴射することを特徴とする請求項22に記載の研磨装置。
前記研磨ヘッドが前記所定位置に到達する前、または到達したときに、前記リリースノズル洗浄ノズルからの流体の噴射を開始することを特徴とする請求項21に記載の研磨装置。
前記基板を前記研磨ヘッドから離脱させた後、前記研磨ヘッドに洗浄流体を噴射することにより前記研磨ヘッドを洗浄する研磨ヘッド洗浄ノズルをさらに備えたことを特徴とする請求項25に記載の研磨装置。
前記研磨ヘッド洗浄ノズルが前記研磨ヘッドに洗浄流体を噴射している間、前記シャッタは前記隔離位置で前記リリースノズルを覆うように構成されていることを特徴とする請求項26に記載の研磨装置。
前記研磨ヘッドが前記所定位置に到達する前、または到達したときに、前記シャッタは前記待機位置から前記隔離位置に移動することを特徴とする請求項25に記載の研磨装置。
前記基板を前記研磨ヘッドから離脱させた後、前記研磨ヘッドに洗浄流体を噴射することにより前記研磨ヘッドを洗浄する研磨ヘッド洗浄ノズルをさらに備えたことを特徴とする請求項29に記載の研磨装置。
前記研磨ヘッド洗浄ノズルが前記研磨ヘッドに洗浄流体を噴射する前に、前記アクチュエータは、前記リリースノズルを前記シャワー位置から前記待避位置に移動させることを特徴とする請求項30に記載の研磨装置。
前記研磨ヘッドが前記所定位置に到達する前、または到達したときに、前記アクチュエータは、前記リリースノズルを前記シャワー位置から前記待避位置に移動させることを特徴とする請求項29に記載の研磨装置。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体デバイスの高集積化・高密度化に伴い、回路の配線がますます微細化し、多層配線の層数も増加している。回路の微細化を図りながら多層配線を実現しようとすると、下側の層の表面凹凸を踏襲しながら段差がより大きくなるので、配線層数が増加するに従って、薄膜形成における段差形状に対する膜被覆性(ステップカバレッジ)が悪くなる。したがって、多層配線するためには、このステップカバレッジを改善し、然るべき過程で平坦化処理しなければならない。また光リソグラフィの微細化とともに焦点深度が浅くなるため、半導体デバイスの表面の凹凸段差が焦点深度以下に収まるように半導体デバイス表面を平坦化処理する必要がある。
【0003】
従って、半導体デバイスの製造工程においては、半導体デバイス表面の平坦化技術がますます重要になっている。この平坦化技術のうち、最も重要な技術は、化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing)である。この化学機械研磨(以下、CMPという)は、シリカ(SiO
2)等の砥粒を含んだ研磨液を研磨パッド上に供給しつつウェーハなどの基板を研磨パッドに摺接させて研磨を行うものである。
【0004】
CMPを行うための研磨装置は、研磨面を有する研磨パッドを支持する研磨テーブルと、ウェーハを保持するための研磨ヘッド又はトップリング等と称される基板保持装置とを備えている。このような研磨装置を用いてウェーハの研磨を行う場合には、研磨液(スラリ)を研磨テーブル上の研磨パッドに供給しながら、研磨テーブルと研磨ヘッドとを相対運動させ、研磨ヘッドによりウェーハを研磨パッドの研磨面に対して所定の圧力で押圧する。研磨液の存在下でウェーハは研磨面に摺接し、ウェーハの表面が平坦かつ鏡面に研磨される。
【0005】
このような研磨装置において、研磨中のウェーハと研磨パッドの研磨面との間の相対的な押圧力がウェーハの全面に亘って均一でない場合には、ウェーハの各部分に与えられる押圧力に応じて研磨不足や過研磨が生じてしまう。そこで、ウェーハに対する押圧力を均一化するために、研磨ヘッドの下部に弾性膜(メンブレン)から形成される圧力室を設け、この圧力室に空気などの流体を供給することでメンブレンを介して流体圧によりウェーハを研磨パッドの研磨面に押圧して研磨することが行われている。
【0006】
上記研磨パッドは弾性を有するため、研磨中のウェーハの外周縁に加わる押圧力が不均一になり、ウェーハの外周縁のみが多く研磨される、いわゆる「縁だれ」を起こしてしまう場合がある。このような縁だれを防止するため、ウェーハの外周縁を保持するリテーナリングでウェーハの外周縁側に位置する研磨パッドの研磨面を押圧するようにしている。
【0007】
研磨テーブルの近傍にはプッシャと呼ばれる基板受け渡し装置が設置されている。このプッシャは、搬送ロボット等の搬送装置によって搬送されてきたウェーハを持ち上げて、プッシャの上方位置に移動してきた研磨ヘッドにウェーハを渡す機能を有する。プッシャは、さらに、研磨ヘッドから受け取ったウェーハを搬送ロボット等の搬送装置に渡す機能も有している。
【0008】
上述の構成を有する研磨装置において、研磨パッド上で研磨されたウェーハは、研磨ヘッドにより、プッシャの上方に移動される。そして、ウェーハ洗浄工程、ウェーハリリース工程、および研磨ヘッド洗浄工程がプッシャの上方で行われる。
【0009】
ウェーハ洗浄工程では、研磨ヘッドに保持されているウェーハの被研磨面に、純水などの洗浄流体を噴射することによって、ウェーハの被研磨面を洗浄する。ウェーハ洗浄工程の後、研磨ヘッドからウェーハを離脱させるウェーハリリース工程が行われる。研磨ヘッドから離脱したウェーハは、プッシャによって受け止められ、さらに搬送装置により次工程(例えば、ウェーハ洗浄)に搬送される。ウェーハを離脱させた後、研磨ヘッドの外面に純水などの洗浄流体を噴射して研磨ヘッドを洗浄し、かつ研磨ヘッドのメンブレンに洗浄流体を噴射してメンブレンのウェーハ保持面を洗浄する研磨ヘッド洗浄工程が行われる。これにより、メンブレンを含む研磨ヘッド全体が洗浄される。
【0010】
ウェーハリリース工程におけるウェーハの離脱は、圧力室に流体を供給してメンブレンのウェーハ保持面を変形させることによって行われる。しかしながら、メンブレンの形状変化が小さい場合は、ウェーハがメンブレンから剥離しない場合がある。そこで、ウェーハを研磨ヘッドから確実に離脱させるために、特許文献1乃至3で開示されているように、プッシャにリリースノズルが設けられる。このリリースノズルは、ウェーハとメンブレンとの隙間に流体(リリースシャワー)を噴射することによりウェーハの離脱を補助する機構である。
【0011】
上記したウェーハ洗浄工程および研磨ヘッド洗浄工程では、研磨ヘッドがプッシャの上方に位置しているときに、洗浄流体が研磨ヘッドに噴射される。したがって、研磨ヘッドおよびウェーハの被研磨面に接触した洗浄流体がプッシャに流れ落ちることになる。この洗浄流体は、研磨ヘッドやウェーハに付着した砥粒や研磨屑などの汚染物質を含んでいる。そのため、洗浄流体がリリースノズルに接触して、リリースノズルを汚染することがある。特に、砥粒や研磨屑を含んだ洗浄流体がリリースノズルの開口からリリースノズル内部に毛細管現象により吸い込まれて、リリースノズルの内部を汚染しまうことがある。
【0012】
リリースノズルの内部や表面に砥粒や研磨屑が付着していると、リリースシャワーとともに砥粒や研磨屑が次のウェーハに付着し、その結果、次のウェーハが汚染されてしまうことがあった。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について
図1乃至
図25を参照して詳細に説明する。なお、
図1から
図25において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態に係る研磨装置の全体構成を示す概略図である。
図1に示すように、研磨装置は、研磨パッド20を支持するための研磨テーブル10と、基板の一例であるウェーハWを保持して研磨テーブル10上の研磨パッド20に押圧する研磨ヘッド(基板保持装置)1とを備えている。
【0027】
研磨テーブル10は、テーブル軸10aを介してその下方に配置されるモータ(図示せず)に連結されており、そのテーブル軸10a周りに回転可能になっている。研磨テーブル10の上面には研磨パッド20が貼付されており、研磨パッド20の表面20aがウェーハWを研磨する研磨面を構成している。研磨テーブル10の上方には研磨液供給ノズル62が設置されており、この研磨液供給ノズル62によって研磨パッド20上に研磨液Qが供給されるようになっている。
【0028】
研磨ヘッド1は、ウェーハWを研磨面20aに対して押圧するヘッド本体2と、ウェーハWを保持してウェーハWが研磨ヘッド1から飛び出さないようにするリテーナリング3とから基本的に構成されている。
【0029】
研磨ヘッド1は、研磨ヘッドシャフト65に接続されており、この研磨ヘッドシャフト65は、上下動機構81により研磨ヘッドアーム64に対して上下動するようになっている。この研磨ヘッドシャフト65の上下動により、研磨ヘッドアーム64に対して研磨ヘッド1の全体を昇降させ位置決めすることができるようになっている。研磨ヘッドシャフト65の上端にはロータリージョイント82が取り付けられている。
【0030】
研磨ヘッドシャフト65および研磨ヘッド1を上下動させる上下動機構81は、軸受83を介して研磨ヘッドシャフト65を回転可能に支持するブリッジ84と、ブリッジ84に取り付けられたボールねじ88と、支柱86により支持された支持台85と、支持台85上に設けられたサーボモータ90とを備えている。サーボモータ90を支持する支持台85は、支柱86を介して研磨ヘッドアーム64に固定されている。
【0031】
ボールねじ88は、サーボモータ90に連結されたねじ軸88aと、このねじ軸88aが螺合するナット88bとを備えている。研磨ヘッドシャフト65は、ブリッジ84と一体となって上下動するようになっている。したがって、サーボモータ90を駆動すると、ボールねじ88を介してブリッジ84が上下動し、これにより研磨ヘッドシャフト65および研磨ヘッド1が上下動する。
【0032】
また、研磨ヘッドシャフト65はキー(図示せず)を介して回転筒66に連結されている。この回転筒66はその外周部にタイミングプーリ67を備えている。研磨ヘッドアーム64には研磨ヘッド回転モータ68が固定されており、上記タイミングプーリ67は、タイミングベルト69を介して研磨ヘッド回転モータ68に設けられたタイミングプーリ70に接続されている。したがって、研磨ヘッド回転モータ68を駆動することによってタイミングプーリ70、タイミングベルト69、およびタイミングプーリ67を介して回転筒66および研磨ヘッドシャフト65が一体に回転し、研磨ヘッド1が回転する。研磨ヘッドアーム64は、フレーム(図示せず)に回転可能に支持されたアームシャフト80によって支持されている。研磨装置は、研磨ヘッド回転モータ68、サーボモータ90をはじめとする装置内の各機器を制御する制御部(図示せず)を備えている。
【0033】
研磨ヘッド1は、その下面にウェーハWを真空吸引により保持できるように構成されている。アームシャフト80はアームモータ96に連結されており、このアームモータ96によって研磨ヘッドアーム64はアームシャフト80を中心として旋回可能に構成されている。下面にウェーハWを保持した研磨ヘッド1は、研磨ヘッドアーム64の旋回により基板受け渡し装置(後述する)の上方位置と研磨テーブル10の上方位置との間を移動される。本実施形態では、研磨ヘッド1を移動させる研磨ヘッド移動機構は、アームシャフト80、アームモータ96、研磨ヘッドアーム64から構成されている。
【0034】
ウェーハWの研磨は次のようにして行われる。研磨ヘッド1および研磨テーブル10をそれぞれ回転させ、研磨テーブル10の上方に設けられた研磨液供給ノズル62から研磨パッド20上に研磨液Qを供給する。この状態で、研磨ヘッド1でウェーハWを研磨パッド20の研磨面20aに押圧し、ウェーハWを研磨パッド20の研磨面20aに摺接させる。ウェーハWの表面は研磨液Qの存在下で研磨パッド20により研磨される。
【0035】
次に、研磨ヘッド1について説明する。
図2は、研磨対象物であるウェーハWを保持して研磨テーブル10上の研磨パッド20にウェーハWを押圧する研磨ヘッド1の模式的な断面図である。
【0036】
図2に示すように、研磨ヘッド1は、ウェーハWを研磨パッド20に対して押圧するメンブレン(弾性膜)4と、メンブレン4を保持するヘッド本体(キャリアとも称する)2と、研磨パッド20を直接押圧するリテーナリング3とを備えている。ヘッド本体2は概略円盤状の部材からなり、リテーナリング3はヘッド本体2の外周部に取り付けられている。ヘッド本体2は、エンジニアリングプラスティック(例えば、PEEK)などの樹脂により形成されている。ヘッド本体2の下面には、ウェーハWの裏面に当接するメンブレン4が取り付けられている。メンブレン4は、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ポリウレタンゴム、シリコンゴム等の強度および耐久性に優れたゴム材によって形成されている。
【0037】
メンブレン4は同心状の複数の環状の隔壁4aを有し、これら隔壁4aによって、メンブレン4の上面とヘッド本体2の下面との間に複数の圧力室、すなわち、円形状のセンター室5、環状のリプル室6、環状のアウター室7、環状のエッジ室8が形成されている。ヘッド本体2の中心部にセンター室5が形成され、中心から外周方向に向かって、同心状に、リプル室6、アウター室7、エッジ室8が形成されている。
【0038】
ウェーハWはメンブレン4で構成されたウェーハ保持面(基板保持面)4b上に保持される。メンブレン4は、リプル室6に対応する位置にウェーハ吸着用の複数の孔4hを有している。本実施例では孔4hはリプル室6の位置に設けられているが、リプル室6以外の位置に設けてもよい。ヘッド本体2内には、センター室5に連通する流路11、リプル室6に連通する流路12、アウター室7に連通する流路13、エッジ室8に連通する流路14がそれぞれ形成されている。そして、流路11,13,14は、ロータリージョイント82を介して流路21,23,24にそれぞれ接続されている。そして、流路21,23,24は、それぞれバルブV1−1,V3−1,V4−1および圧力レギュレータR1,R3,R4を介して流体供給源30に接続されている。また、流路21,23,24は、それぞれバルブV1−2,V3−2,V4−2を介して真空源31に接続されるとともに、バルブV1−3,V3−3,V4−3を介して大気に連通可能になっている。
【0039】
リプル室6に連通する流路12は、ロータリージョイント82を介して流路22に接続されている。そして、流路22は、気水分離槽35、バルブV2−1および圧力レギュレータR2を介して流体供給源30に接続されている。また、流路22は、気水分離槽35およびバルブV2−2を介して真空源87に接続されるとともに、バルブV2−3を介して大気に連通可能になっている。
【0040】
リテーナリング3の直上には弾性膜から形成された環状のリテーナリング圧力室9が配置されている。このリテーナリング圧力室9は、ヘッド本体2内に形成された流路15およびロータリージョイント82を介して流路26に接続されている。そして、流路26は、バルブV5−1および圧力レギュレータR5を介して流体供給源30に接続されている。また、流路26は、バルブV5−2を介して真空源31に接続されるとともに、バルブV5−3を介して大気に連通可能になっている。
【0041】
圧力レギュレータR1,R2,R3,R4,R5は、それぞれ流体供給源30からセンター室5、リプル室6、アウター室7、エッジ室8、およびリテーナリング圧力室9に供給される流体(空気または窒素などの気体)の圧力を調整する圧力調整機能を有している。圧力レギュレータR1,R2,R3,R4,R5および各バルブV1−1〜V1−3、V2−1〜V2−3,V3−1〜V3−3,V4−1〜V4−3,V5−1〜V5−3は、図示しない制御部に接続されていて、それらの動作が制御されるようになっている。
【0042】
流路21,22,23,24,26にはそれぞれ圧力センサP1,P2,P3,P4,P5および流量センサF1,F2,F3,F4,F5が設置されている。センター室5、リプル室6、アウター室7、エッジ室8、およびリテーナリング圧力室9内の圧力は圧力センサP1,P2,P3,P4,P5によってそれぞれ測定され、センター室5、リプル室6、アウター室7、エッジ室8、およびリテーナリング圧力室9に供給される加圧流体の流量は流量センサF1,F2,F3,F4,F5によってそれぞれ測定される。
【0043】
センター室5、リプル室6、アウター室7、エッジ室8、およびリテーナリング圧力室9に供給する流体の圧力は、圧力レギュレータR1,R2,R3,R4,R5によってそれぞれ独立に調整することができる。このような構造により、ウェーハWを研磨パッド20に押圧する押圧力をウェーハの領域毎に調整でき、かつリテーナリング3が研磨パッド20を押圧する押圧力を調整できる。
【0044】
次に、
図1および
図2に示すように構成された研磨装置による一連の研磨工程について説明する。研磨ヘッド1は、プッシャ(後述する)からウェーハWを受け取り、真空吸引により保持する。ウェーハWの真空吸引は真空源87により複数の孔4h内に真空を形成することによって行われる。
【0045】
ウェーハWを保持した研磨ヘッド1は、予め設定した研磨位置まで下降する。この研磨位置では、リテーナリング3は研磨パッド20の研磨面20aに接触しているが、研磨前では研磨ヘッド1でウェーハWを保持しているので、ウェーハWの下面(被研磨面)と研磨パッド20の研磨面20aとの間には、わずかな間隙(例えば、約1mm)がある。このとき、研磨テーブル10および研磨ヘッド1は、ともに回転されている。この状態で、ウェーハWの裏面側にあるセンター室5、リプル室6、アウター室7、エッジ室8に加圧流体を供給してメンブレン4を膨らませ、ウェーハWの下面を研磨パッド20の研磨面20aに当接させる。研磨パッド20とウェーハWとを相対運動させることにより、ウェーハWの表面が研磨される。
【0046】
ウェーハWの研磨工程の終了後、ウェーハWは、研磨ヘッド1に再度保持される。ウェーハWを保持した研磨ヘッド1は、上下動機構81により上昇され、さらに研磨ヘッドアーム64の旋回動作によりプッシャの上方の所定位置に移動させられる。この所定位置で、ウェーハWは、研磨ヘッド1から離脱させられ、プッシャに渡される。
【0047】
図3は、ウェーハWをプッシャ50へ渡すために、研磨ヘッド1がプッシャ50の上方の所定位置へ移動してきた直後の状態を示す概略図である。
図4は、ウェーハWを研磨ヘッド1からプッシャ50へ渡すために、プッシャ50を上昇させた状態を示す概略図である。プッシャ50は、研磨すべきウェーハWを研磨ヘッド1に渡し、研磨されたウェーハWを研磨ヘッド1から受け取るウェーハ受け渡し装置(基板受け渡し装置)である。このプッシャ50は、研磨テーブル10の横に位置しており、ウェーハWは研磨ヘッド1に保持されたままプッシャ50の上方の所定位置に移動される。
【0048】
図3および
図4に示すように、プッシャ50は、研磨ヘッド1の位置決めを行うためにリテーナリング3の外周面が嵌合可能な環状段部51aを有する研磨ヘッドガイド51と、研磨ヘッド1とプッシャ50との間でウェーハWを受け渡しする際に、ウェーハWを支持するためのプッシャステージ52と、プッシャステージ52を上下動させるためのエアシリンダ(図示せず)と、プッシャステージ52と研磨ヘッドガイド51とを上下動させるためのエアシリンダ(図示せず)とを備えている。
【0049】
プッシャ50には、研磨ヘッドガイド51内に形成され、流体(リリースシャワー)を噴射するためのリリースノズル53が設けられている。リリースノズル53は、研磨ヘッドガイド51の円周方向に沿って所定間隔を置いて複数個設けられている。各リリースノズル53は、加圧窒素と純水の混合流体からなるリリースシャワーを研磨ヘッドガイド51の半径方向内方に噴射するようになっている。
【0050】
次に、ウェーハWを研磨ヘッド1からプッシャ50に渡すウェーハリリース工程(基板リリース工程)を説明する。研磨ヘッド1がプッシャ50の上方の所定位置へ移動した後、プッシャ50が上昇し、
図4に示すように、リテーナリング3の外周面が研磨ヘッドガイド51の環状段部51aに嵌合して研磨ヘッド1とプッシャ50とが一直線上に並ぶ。このとき、研磨ヘッドガイド51は、リテーナリング3を押し上げ、同時にリテーナリング圧力室9を真空にすることにより、リテーナリング3の上昇を速やかに行うようにしている。
【0051】
プッシャ50の上昇完了時、リテーナリング3の底面はメンブレン4の下面よりも上方に押し上げられているので、ウェーハWとメンブレン4が露出された状態となっている。その後、研磨ヘッド1によるウェーハWの真空吸引を止め、ウェーハリリース動作を行う。なお、プッシャ50が上昇する代わりに研磨ヘッド1が下降することによってプッシャ50に接触してもよい。
【0052】
ウェーハリリース動作を行う際には、メンブレン4の圧力室(例えば、リプル室6)内を低い圧力(例えば、0.1MPa以下)で加圧し、メンブレン4を膨らませる。これにより、ウェーハWの外周縁とメンブレン4との間に隙間を形成させる。そして、この隙間に、加圧窒素と純水の混合流体からなるリリースシャワーをリリースノズル53から噴射し、メンブレン4からウェーハWを離脱させる。ウェーハWは、プッシャステージ52に受け止められ、該プッシャステージ52から、搬送ロボット等の搬送装置に渡される。本実施形態ではリリースシャワーとして加圧窒素と純水の混合流体が使用されるが、リリースシャワーは加圧気体のみ、または加圧液体のみであってもよいし、他の組合せの加圧流体であってもよい。
【0053】
本実施形態の研磨装置では、研磨パッド20上での研磨工程の終了後、上述したウェーハリリース工程を含む以下の4つの工程が行われる。これら4つの工程について、
図5乃至
図8を用いて説明する。
【0054】
図5は、研磨工程後のウェーハWを保持した研磨ヘッド1を、プッシャ50の上方の所定位置に移動させる研磨ヘッド移動工程を示す概略図である。
図5では、所定位置に移動した研磨ヘッド1が示されている。
図6は、研磨ヘッド1に保持されているウェーハWの被研磨面を洗浄するウェーハ洗浄工程(基板洗浄工程)を示す概略図である。
図7は、研磨ヘッド1に保持されているウェーハWをプッシャ50に渡すウェーハリリース工程(基板リリース工程)を示す概略図である。
図8は、ウェーハWをプッシャ50に渡した後で、研磨ヘッド1を洗浄する研磨ヘッド洗浄工程を示す概略図である。
【0055】
図5に示されるように、研磨されたウェーハWを保持した研磨ヘッド1は、プッシャ50の上方の所定位置に移動され、次いで、ウェーハ洗浄工程が行われる。
図6に示されるように、研磨装置は、プッシャ50上方の所定位置にある研磨ヘッド1に保持されたウェーハWの被研磨面に向けて流体を噴射する複数の(図示した例では、2本の)ウェーハ洗浄ノズル(基板洗浄ノズル)60を有している。ウェーハ洗浄ノズル60は、研磨ヘッド1の下方に配置されている。ウェーハ洗浄ノズル60は、斜め上方に向けられており、研磨ヘッド1の斜め下方からウェーハWの被研磨面に流体を噴射する。ウェーハ洗浄ノズル60から噴射される流体は、例えば、純水である。
【0056】
図6に示されるウェーハ洗浄工程は、
図5に示される研磨ヘッド移動工程の後に行われる。ウェーハ洗浄工程では、ウェーハ洗浄ノズル60から流体が噴射され、ウェーハWの被研磨面が洗浄される。これにより、ウェーハWの被研磨面に付着した砥粒や研磨屑などが洗い流される。
【0057】
図6に示されるウェーハ洗浄工程の後に、
図7に示されるウェーハリリース工程が行われる。このウェーハリリース工程では、上述したように、メンブレン4を膨らませて、ウェーハWの外周縁とメンブレン4との間に隙間を形成させる。そして、この隙間に、リリースノズル53からリリースシャワーを噴射し、ウェーハWを研磨ヘッド1から離脱させる。研磨ヘッド1からプッシャ50に渡されたウェーハWは、その後、搬送ロボットなどの搬送装置に渡され、ウェーハ洗浄などの次工程に搬送される。
【0058】
ウェーハWが次工程に搬送されると、
図8に示される研磨ヘッド洗浄工程が行われる。
図8に示されるように、研磨装置は、メンブレン4を含む研磨ヘッド1の全体を洗浄する複数の研磨ヘッド洗浄ノズル61,63を有している。これらの研磨ヘッド洗浄ノズル61,63は、プッシャ50の上方で、かつウェーハ洗浄ノズル60の上方に配置されている。
【0059】
研磨ヘッド洗浄ノズル61,63は、例えば、研磨ヘッド1の上方に配置された4本の上側研磨ヘッド洗浄ノズル61と、研磨ヘッド1の横に配置された4本の下側研磨ヘッド洗浄ノズル63とで構成される。上側研磨ヘッド洗浄ノズル61は、斜め下方に向けられており、研磨ヘッド1の斜め上方から研磨ヘッド1に洗浄流体を噴射する。上側研磨ヘッド洗浄ノズル61は、研磨ヘッド1の周方向に沿って等間隔で配置されている。下側研磨ヘッド洗浄ノズル63は、斜め上方に向けられており、研磨ヘッド1の斜め下方から研磨ヘッド1に洗浄流体を噴射する。下側研磨ヘッド洗浄ノズル63は、研磨ヘッド1の周方向に沿って等間隔で配置されている。研磨ヘッド洗浄ノズル61,63から噴射される洗浄流体は、例えば、純水である。
【0060】
研磨ヘッド洗浄工程では、研磨ヘッド洗浄ノズル61,63のみならず、ウェーハ洗浄ノズル60からも洗浄流体が噴射される。研磨ヘッド1からウェーハWを離脱させた後で、ウェーハ洗浄ノズル60から洗浄流体を噴射すると、メンブレン4のウェーハ保持面4bを洗浄することができる。ウェーハ洗浄ノズル60および研磨ヘッド洗浄ノズル61,63から噴射される洗浄流体により、研磨ヘッド1から砥粒や研磨屑などを洗い流すことができる。
【0061】
ウェーハ洗浄ノズル60および研磨ヘッド洗浄ノズル61,63から流体を噴射するとき、研磨ヘッド1の下方には、プッシャ50が存在している。したがって、ウェーハWおよび研磨ヘッド1に接触した流体が、プッシャ50上に落下してしまう。上記洗浄工程に使用された流体は、ウェーハWおよび研磨ヘッド1に付着した砥粒や研磨屑などの汚染物質を含んでいる。そのため、この汚染物質により、プッシャ50に配置されたリリースノズル53が汚染されてしまう。特に、砥粒や研磨屑を含んだ流体が、リリースノズル53の開口からリリースノズル53の内部に毛細管現象により吸い込まれてしまうことがある。リリースノズル53に付着した砥粒や研磨屑は、次のウェーハのリリース時に、リリースシャワーと共にウェーハに向けて噴射され、次のウェーハを汚染してしまうことがあった。
【0062】
このようなウェーハ汚染を防止するために、本実施形態では、ウェーハ洗浄工程でウェーハ洗浄ノズル60から洗浄流体が噴射される間、
図6に示すように、リリースノズル53から流体が吐出される。さらに、研磨ヘッド洗浄工程で研磨ヘッド洗浄ノズル61,63およびウェーハ洗浄ノズル60から洗浄流体が噴射される間、
図8に示すように、リリースノズル53から流体が吐出される。リリースノズル53から吐出される流体は、例えば、純水であり、以下では内部セルフクリーニング流体と称する。内部セルフクリーニング流体として、窒素と純水の混合流体を用いてもよい。あるいは、内部セルフクリーニング流体として、窒素を用いてもよい。窒素の代わりに、圧縮空気を用いてもよい。
【0063】
このように、ウェーハ洗浄工程および研磨ヘッド洗浄工程において、リリースノズル53から内部セルフクリーニング流体を吐出することにより、砥粒や研磨屑などの汚染物質を含む洗浄流体がリリースノズル53に接触しても、リリースノズル53の内部に汚染物質が侵入することがない。その結果、リリースノズル53の内部の汚染を防止することができる。さらに、リリースシャワーが噴射される次のウェーハの汚染を防止することができる。
【0064】
研磨ヘッド1が研磨パッド20からプッシャ50の上方の所定位置に移動した直後は、洗浄流体をウェーハWに噴射する前であっても、研磨液が自然に落下してリリースノズル53を汚染することがある。そこで、このようなリリースノズル53の汚染を防止するために、本実施形態では、
図5に示すように、研磨ヘッド1がプッシャ50の上方の所定位置に到達する前、または到達したときに、リリースノズル53からの内部セルフクリーニング流体の吐出を開始する。好ましくは、研磨ヘッド1がプッシャ50の上方の所定位置に到達する直前に、リリースノズル53からの内部セルフクリーニング流体の吐出を開始する。
【0065】
本実施形態によれば、研磨ヘッド1がプッシャ50上方の所定位置に到達する前、または到達したときに、リリースノズル53から内部セルフクリーニング流体の吐出が開始され、ウェーハ洗浄工程が終了した後に、内部セルフクリーニング流体の吐出が停止される。内部セルフクリーニング流体は、研磨液の砥粒や研磨屑がリリースノズル53の内部に入り込むことを防止することができる。
【0066】
図9は、上述した4つの工程の動作を示すフローチャートである。
図9を参照して、ウェーハWの研磨後の研磨装置の動作フローを説明する。まず、研磨されたウェーハWを保持した研磨ヘッド1をプッシャ50の上方の所定位置に移動させる(ステップ1)。研磨ヘッド1が所定位置に到達する前、または到達したときに、リリースノズル53から内部セルフクリーニング流体の吐出が開始される(ステップ2)。研磨ヘッド1の移動が完了した後、ウェーハ洗浄ノズル60からウェーハWの被研磨面に向けて洗浄流体が噴射される(ステップ3:ウェーハ洗浄工程)。このウェーハ洗浄工程中は、リリースノズル53からは、内部セルフクリーニング流体が吐出され続けている。ウェーハ洗浄ノズル60からの洗浄流体の噴射が停止されると(ステップ4)、ウェーハ洗浄工程が完了する。
【0067】
ステップ4の後、リリースノズル53からの内部セルフクリーニング流体の吐出が停止される(ステップ5)。ステップ5の後で、ウェーハリリース工程が開始される。具体的には、プッシャ50が上昇すると共に(ステップ6)、メンブレン4の圧力室に加圧流体を供給することによりメンブレン4を膨らませ(ステップ7)、メンブレン4とウェーハWとの間に隙間を形成する。メンブレン4とウェーハWとの間の隙間に、リリースシャワーが噴射され、ウェーハWが研磨ヘッド1から離脱される(ステップ8)。ウェーハWは、プッシャ50に受け止められ、プッシャ50がウェーハWとともに下降する(ステップ9)。プッシャ50の下降が完了すると、ウェーハリリース工程が完了し、その後、下降したプッシャ50に保持されているウェーハWは、搬送ロボットなどの搬送装置に渡され、次工程に搬送される(ステップ10)。
【0068】
ステップ10の後で、リリースノズル53から内部セルフクリーニング流体の吐出が再び開始され(ステップ11)、これと同時またはその後に研磨ヘッド洗浄ノズル61,63およびウェーハ洗浄ノズル60から洗浄流体が研磨ヘッド1に向けて噴射される(ステップ12:研磨ヘッド洗浄工程)。所定時間経過後、研磨ヘッド洗浄ノズル61,63およびウェーハ洗浄ノズル60からの洗浄流体の噴射が停止され(ステップ13)、その後、研磨ヘッド洗浄工程が終了する。その後、リリースノズル53からの内部セルフクリーニング流体の吐出が停止される(ステップ14)。
【0069】
次に、本発明の他の実施形態に係る研磨装置を説明する。
図10は、他の実施形態に係る研磨ヘッド移動工程を示す概略図であり、研磨ヘッド1がプッシャ50の上方の所定位置への移動を完了した状態を示している。
図11は、他の実施形態に係るウェーハ洗浄工程(基板洗浄工程)を示す概略図である。
図12は、他の実施形態に係る研磨ヘッド洗浄工程を示す概略図である。
【0070】
図10乃至
図12に示すように、本実施形態に係る研磨装置では、リリースノズル53をその外部から洗浄するリリースノズル洗浄ノズル71が設けられる。リリースノズル洗浄ノズル71は、リリースノズル53に向けられており、リリースノズル53の配置個数と同じ数だけ設けられる。リリースノズル洗浄ノズル71からは、流体がリリースノズル53に向けて噴射される。以下では、この流体を外部クリーニング流体と称する。外部クリーニング流体によって、リリースノズル53の外部が洗浄される。外部クリーニング流体としては、例えば、純水が用いられる。本実施形態のその他の構成は、
図5乃至
図8に示した実施形態と同様であるため、対応する構成要素には同じ符号を付すことで、その詳細な説明は省略する。
【0071】
外部クリーニング流体の噴射を開始および停止するタイミングは、内部セルフクリーニング流体の吐出を開始および停止するタイミングと同じである。すなわち、
図10に示されるように、研磨ヘッド移動工程において研磨ヘッド1がプッシャ50の上方の所定位置に到達する前、または到達したときに、リリースノズル洗浄ノズル71からリリースノズル53に向けて外部クリーニング流体の噴射が開始される。好ましくは、研磨ヘッド1がプッシャ50の上方の所定位置に到達する直前に、リリースノズル洗浄ノズル71からリリースノズル53に向けて外部クリーニング流体の噴射が開始される。また、
図11および
図12に示されるように、ウェーハ洗浄工程および研磨ヘッド洗浄工程中は、リリースノズル洗浄ノズル71からリリースノズル53に向けて外部クリーニング流体が噴射される。
【0072】
本実施形態では、内部セルフクリーニング流体に代えて、外部クリーニング流体が使用されるが、リリースノズル53の内部への砥粒や研磨屑などの汚染物質の侵入を確実に防止するために、外部クリーニング流体の噴射と並行して内部セルフクリーニング流体をリリースノズル53から吐出してもよい。以下に説明する
図13のフローチャートは、外部クリーニング流体の噴射と並行して内部セルフクリーニング流体を吐出する一実施形態の動作を示している。
【0073】
図13の動作フローチャートに示すように、まず、研磨されたウェーハWを保持した研磨ヘッド1をプッシャ50の上方の所定位置に移動させる(ステップ1)。研磨ヘッド1がプッシャ50の上方の所定位置に到達する前、または到達したときに、リリースノズル53からの内部セルフクリーニング流体の吐出が開始され(ステップ2)、さらにリリースノズル洗浄ノズル71からの外部クリーニング流体の噴射が開始される(ステップ3)。そして、ウェーハ洗浄ノズル60から洗浄流体が噴射されることによりウェーハ洗浄工程が行われる(ステップ4)。ウェーハ洗浄工程の間は、内部セルフクリーニング流体は吐出され続け、同様に外部クリーニング流体も噴射され続けている。ウェーハ洗浄ノズル60からの洗浄流体の噴射が停止されると(ステップ5)、ウェーハ洗浄工程が終了する。その後、内部セルフクリーニング流体の吐出が停止され(ステップ6)、外部クリーニング流体の噴射も停止される(ステップ7)。
【0074】
外部クリーニング流体の噴射が停止された後、プッシャ50を上昇させる(ステップ8)。メンブレン4の圧力室に加圧流体を供給することによりメンブレン4を膨らませ(ステップ9)、メンブレン4とウェーハWとの間に隙間を形成する。メンブレン4とウェーハWとの間の隙間に、リリースシャワーが噴射され、ウェーハWが研磨ヘッド1から離脱される(ステップ10)。ウェーハWは、プッシャ50に受け止められ、プッシャ50がウェーハWとともに下降する(ステップ11)。プッシャ50の下降が完了すると、ウェーハリリース工程が完了し、その後、下降したプッシャ50に保持されているウェーハWは、搬送ロボットなどの搬送装置に渡され、次工程に搬送される(ステップ12)。
【0075】
次に、内部セルフクリーニング流体の吐出が再び開始される(ステップ13)と共に、外部クリーニング流体の噴射が再び開始される(ステップ14)。これと同時またはその後に、研磨ヘッド洗浄ノズル61,63およびウェーハ洗浄ノズル60から洗浄流体が研磨ヘッド1に向けて噴射されて、研磨ヘッド洗浄工程が開始される(ステップ15)。所定時間経過後、研磨ヘッド洗浄ノズル61,63およびウェーハ洗浄ノズル60からの洗浄流体の噴射が停止され(ステップ16)、その後、内部セルフクリーニング流体の吐出が停止される(ステップ17)と共に、外部クリーニング流体の噴射が停止される(ステップ18)。
【0076】
このように、リリースノズル洗浄ノズル71から外部クリーニング流体を噴射してリリースノズル53を洗浄することにより、リリースノズル53に付着した砥粒や研磨屑を洗い流すことができる。さらに、内部セルフクリーニング流体と外部クリーニング流体との組み合わせを使用することにより、リリースノズル53の清浄度をさらに高めることができる。
【0077】
次に、さらに他の実施形態に係る研磨装置を説明する。
図14は、さらに他の実施形態に係る研磨ヘッド移動工程を示す概略図である。
図15は、さらに他の実施形態に係るウェーハ洗浄工程を示す概略図である。
図16は、さらに他の実施形態に係るウェーハリリース工程を示す概略図である。
図17は、さらに他の実施形態に係る研磨ヘッド洗浄工程を示す概略図である。
【0078】
図14乃至
図17に示した実施形態では、ウェーハ受け渡し装置(基板受け渡し装置)として、プッシャ50の代わりに、リテーナリングステーション75と搬送ステージ76が用いられる。本実施形態のその他の構成は、
図10乃至
図12に示した実施形態と同様であるため、対応する構成要素には同じ符号を付すことで、その詳細な説明は省略する。
【0079】
リテーナリングステーション75の位置は固定であるが、搬送ステージ76は上下方向に移動可能となっている。リテーナリングステーション75は、研磨ヘッド1のリテーナリング3を押し上げる複数の押し上げ機構77を備えている。押し上げ機構77の鉛直方向の位置は、研磨ヘッド1と搬送ステージ76との間にある。また、押し上げ機構77と搬送ステージ76とは、互いに接触しないように配置されている。
【0080】
押し上げ機構77は、リテーナリング3に接触する押し上げピン78と、押し上げピン78を上方に押す押圧機構としてのばね(図示せず)と、押し上げピン78およびばねを収容するケーシング79とを備えている。押し上げ機構77は、押し上げピン78がリテーナリング3の下面に対向する位置に配置される。研磨ヘッド1が下降すると、リテーナリング3の下面が押し上げピン78に接触する。ばねは、リテーナリング3を押し上げるのに十分な押圧力を有している。したがって、
図16に示すように、リテーナリング3は押し上げピン78に押し上げられ、ウェーハWよりも上方の位置まで移動される。
【0081】
リテーナリングステーション75には、複数のリリースノズル89が設けられている。リリースノズル89は、リテーナリングステーション75の円周方向に沿って所定間隔を置いて複数個設けられており、加圧窒素と純水の混合流体(リリースシャワー)をリテーナリングステーション75の半径方向内方に噴射するようになっている。
【0082】
次に、リテーナリングステーション75と搬送ステージ76を用いたウェーハリリース動作について説明する。
図14に示されるように、研磨されたウェーハWを保持している研磨ヘッド1は、リテーナリングステーション75の上方の所定位置に移動する。次いで、研磨ヘッド1が下降し、
図16に示すようにリテーナリング3がリテーナリングステーション75の押し上げ機構77により押し上げられる。研磨ヘッド1が下降しているとき、搬送ステージ76が上昇し、リテーナリング3に接触することなく研磨ヘッド1の真下まで移動する。
【0083】
この状態で、メンブレン4の圧力室内を低い圧力(例えば、0.1MPa以下)で加圧し、メンブレン4を膨らませる。これにより、ウェーハWの外周縁とメンブレン4との間に隙間を形成させる。そして、この隙間に、加圧窒素と純水の混合流体からなるリリースシャワーをリリースノズル89から噴射し、メンブレン4からウェーハWを離脱させる。ウェーハWは、搬送ステージ76に受け止められ、搬送ステージ76はウェーハWとともに下降される。本実施形態ではリリースシャワーとして加圧窒素と純水の混合流体が使用されるが、リリースシャワーは加圧気体のみ、または加圧液体のみであってもよいし、他の組合せの加圧流体であってもよい。
【0084】
リテーナリングステーション75を用いた本実施形態でも、リリースノズル89の汚染を防止するために、研磨ヘッド1がリテーナリングステーション75の上方の所定位置に到達する前、または到達したときに、リリースノズル89からの内部セルフクリーニング流体の吐出が開始される(
図14参照)。好ましくは、研磨ヘッド1がリテーナリングステーション75の上方の所定位置に到達する直前に、リリースノズル89からの内部セルフクリーニング流体の吐出が開始される。内部セルフクリーニング流体は、例えば、純水である。内部セルフクリーニング流体として、窒素と純水の混合流体を用いてもよい。あるいは、内部セルフクリーニング流体として、窒素を用いてもよい。窒素の代わりに、圧縮空気を用いてもよい。
【0085】
さらに、ウェーハ洗浄工程でウェーハ洗浄ノズル60からウェーハに向けて洗浄流体が噴射される間、および研磨ヘッド洗浄工程で研磨ヘッド洗浄ノズル61,63およびウェーハ洗浄ノズル60から研磨ヘッド1に向けて洗浄流体が噴射される間、リリースノズル89の内部の汚染を防止するために、リリースノズル89から内部セルフクリーニング流体を吐出する(
図15および
図17参照)。
【0086】
次に、
図18を参照して、本実施形態の動作フローについて説明する。
図18に示されるように、まず、研磨されたウェーハWを保持した研磨ヘッド1をリテーナリングステーション75の上方の所定位置に移動させる(ステップ1)。研磨ヘッド1が所定位置に到達する前、または到達したときに、リリースノズル89から内部セルフクリーニング流体の吐出が開始される(ステップ2)。研磨ヘッド1の移動が完了した後、ウェーハ洗浄ノズル60からウェーハWの被研磨面に向けて洗浄流体が噴射される(ステップ3:ウェーハ洗浄工程)。このウェーハ洗浄工程中は、リリースノズル89からは、内部セルフクリーニング流体が吐出され続けている。ウェーハ洗浄ノズル60からの洗浄流体の噴射が停止されると(ステップ4)、ウェーハ洗浄工程が完了する。
【0087】
ステップ4の後、リリースノズル89からの内部セルフクリーニング流体の吐出が停止される(ステップ5)。ステップ5の後で、ウェーハリリース工程が開始される。具体的には、リテーナリング3がリテーナリングステーション75に接触するまで研磨ヘッド1がウェーハWとともに下降し(ステップ6)、メンブレン4の圧力室に加圧流体を供給することによりメンブレン4を膨らませ(ステップ7)、メンブレン4とウェーハWとの間に隙間を形成する。さらに、搬送ステージ76が上昇する(ステップ8)。そして、メンブレン4とウェーハWとの間の隙間に、リリースシャワーが噴射され、ウェーハWが研磨ヘッド1から離脱される(ステップ9)。ウェーハWは、搬送ステージ76に受け止められ、搬送ステージ76がウェーハWとともに下降する(ステップ10)。搬送ステージ76の下降が完了すると、ウェーハリリース工程が完了し、その後、ウェーハWは、搬送ステージ76により次工程に搬送される(ステップ11)。
【0088】
ステップ11の後で、リリースノズル89から内部セルフクリーニング流体の吐出が再び開始され(ステップ12)、これと同時またはその後に研磨ヘッド洗浄ノズル61,63およびウェーハ洗浄ノズル60から洗浄流体が研磨ヘッド1に向けて噴射される(ステップ13:研磨ヘッド洗浄工程)。研磨ヘッド洗浄工程が終了した後、つまり研磨ヘッド洗浄ノズル61,63およびウェーハ洗浄ノズル60からの洗浄流体の噴射が停止された(ステップ14)後に、リリースノズル89からの内部セルフクリーニング流体の吐出が停止される(ステップ15)。
【0089】
図19に示すように、リリースノズル89を洗浄するためのリリースノズル洗浄ノズル98を設けてもよい。リリースノズル洗浄ノズル98は、リリースノズル89に向けられており、リリースノズル89の配置個数と同じ数だけ設けられる。リリースノズル洗浄ノズル98からは、外部クリーニング流体がリリースノズル89に向けて噴射され、外部クリーニング流体によって、リリースノズル89の外部が洗浄される。外部クリーニング流体としては、例えば、純水が用いられる。
【0090】
図19に示される実施形態では、内部セルフクリーニング流体をリリースノズル89から吐出させずに、外部クリーニング流体をリリースノズル89に向けて噴射してもよいし、内部セルフクリーニング流体をリリースノズル89から吐出させながら、外部クリーニング流体をリリースノズル89に向けて噴射してもよい。外部クリーニング流体の噴射を開始および停止するタイミングは、内部セルフクリーニング流体の吐出を開始および停止するタイミングと同じであるので、その詳細な説明を省略する。
【0091】
次に、
図20および
図21を参照して、さらに他の実施形態に係る研磨装置を説明する。
図20および
図21に示される実施形態は、
図5乃至
図8に示す実施形態の変形例である。本実施形態では、リリースノズル53が内部セルフクリーニング流体を吐出する代わりに、リリースノズル53の上方の隔離位置と、リリースノズル53の横の待機位置との間を移動可能なシャッタ92が設けられる。
図20は、シャッタ92が待機位置にある状態を示した模式図であり、
図21は、シャッタ92が隔離位置にある状態を示した模式図である。
図21では、ウェーハ洗浄ノズル60および研磨ヘッド洗浄ノズル61,63から洗浄流体が噴射されている状態が示されている。
図21から分かるように、隔離位置にあるシャッタ92は、プッシャ50上方の所定位置に移動した研磨ヘッド1とリリースノズル53との間に位置している。
【0092】
図20および
図21に示すように、本実施形態では、リリースノズル53を含むプッシャ50の全体を覆うことが可能なシャッタ92が設けられる。シャッタ92は、アクチュエータ93に接続され、該アクチュエータ93により、シャッタ92がリリースノズル53を覆う隔離位置と、リリースノズル53の上方空間を開放する待機位置との間を移動される。アクチュエータ93は、例えば、エアシリンダである。シャッタ92は、例えば、プッシャ50の直径よりも大きな直径を有する円板形状を有している。シャッタ92が隔離位置にあるとき、シャッタ92は、リリースノズル53およびプッシャ50の上方に位置して、これらリリースノズル53およびプッシャ50を覆い、研磨ヘッド1からリリースノズル53およびプッシャ50を隔離する。
【0093】
シャッタ92は、研磨ヘッド1がプッシャ50の上方の所定位置に到達する前、または到達したときに、待機位置から隔離位置に移動し、リリースノズル53を覆う。リリースノズル53の上方に配置されたシャッタ92は、研磨ヘッド1およびウェーハWから落下する砥粒や研磨屑などの汚染物質からリリースノズル53を保護することができる。その結果、リリースシャワーが噴射される次のウェーハの汚染を防止することができる。
【0094】
また、シャッタ92は、ウェーハ洗浄工程でウェーハ洗浄ノズル60から洗浄流体がウェーハWの被研磨面に噴射される間、隔離位置に位置したままであり、リリースノズル53を覆っている。加えて、研磨ヘッド洗浄工程で、研磨ヘッド洗浄ノズル61,63およびウェーハ洗浄ノズル60から洗浄流体が噴射される前に、シャッタ92は待機位置から隔離位置に移動し、リリースノズル53を覆う。このように、ウェーハ洗浄工程および研磨ヘッド洗浄工程の間、シャッタ92は、砥粒や研磨屑などの汚染物質を含む洗浄流体からリリースノズル53を保護することができる。
【0095】
次に、
図22を参照して、本実施形態におけるウェーハWの研磨後の研磨装置の動作フローを説明する。まず、研磨されたウェーハWを保持した研磨ヘッド1をプッシャ50の上方の所定位置に移動させる(ステップ1)。研磨ヘッド1が所定位置に到達する前、または到達したときに、シャッタ92が
図20に示す待機位置から
図21に示す隔離位置まで移動し(ステップ2)、リリースノズル53およびプッシャ50を覆う。研磨ヘッド1の移動が完了した後、ウェーハ洗浄ノズル60からウェーハWの被研磨面に向けて洗浄流体が噴射される(ステップ3:ウェーハ洗浄工程)。ウェーハ洗浄工程中は、シャッタ92は、隔離位置に留まっている。ウェーハ洗浄ノズル60からの洗浄流体の噴射が停止されると(ステップ4)、ウェーハ洗浄工程が終了する。
【0096】
ステップ4の後、シャッタ92が隔離位置から待機位置に移動する(ステップ5)。ステップ5の後で、ウェーハリリース工程が開始される。具体的には、プッシャ50が上昇すると共に(ステップ6)、メンブレン4の圧力室に加圧流体を供給することによりメンブレン4を膨らませ(ステップ7)、メンブレン4とウェーハWとの間に隙間を形成する。そして、メンブレン4とウェーハWとの間の隙間にリリースシャワーが噴射され、ウェーハWが研磨ヘッド1から離脱される(ステップ8)。ウェーハWは、プッシャ50に受け止められ、プッシャ50がウェーハWとともに下降する(ステップ9)。プッシャ50の下降が完了すると、ウェーハリリース工程が完了する。その後、下降したプッシャ50に保持されているウェーハWは、搬送ロボットなどの搬送装置に渡され、次工程に搬送される(ステップ10)。
【0097】
ステップ10の後で、シャッタ92が待機位置から隔離位置まで移動する(ステップ11)。シャッタ92がリリースノズル53およびプッシャ50の上方に位置した状態で、研磨ヘッド洗浄ノズル61,63およびウェーハ洗浄ノズル60から洗浄流体が研磨ヘッド1に向けて噴射される(ステップ12:研磨ヘッド洗浄工程)。研磨ヘッド洗浄ノズル61,63およびウェーハ洗浄ノズル60からの洗浄流体の噴射が停止される(ステップ13)と、研磨ヘッド洗浄工程が終了する。その後、シャッタ92は、隔離位置から待機位置に移動する(ステップ14)。
【0098】
次に、さらに他の実施形態に係る研磨装置を説明する。
図23および
図24に示される実施形態は、
図14乃至
図17に示す実施形態の変形例である。本実施形態では、リリースノズル89は、内部セルフクリーニング流体を吐出しない。また、リリースノズル洗浄ノズル98は設けられていない。本実施形態のリリースノズル89は、ウェーハWとメンブレン4との隙間にリリースシャワーを噴射するシャワー位置と、リテーナリングステーション75から離れた待避位置との間を移動可能に構成される。
図23は、リリースノズル89がシャワー位置にある状態を示した模式図である。
図24は、リリースノズル89が待避位置にある状態を示した模式図であり、
図24では、ウェーハ洗浄ノズル60および研磨ヘッド洗浄ノズル61,63から洗浄流体が研磨ヘッド1に向けて噴射されている状態が示されている。
【0099】
図23および
図24に示すように、本実施形態では、リリースノズル89が、ウェーハWとメンブレン4との間の隙間にリリースシャワーを噴射するシャワー位置と、シャワー位置から離れた待避位置との間を移動可能であるように構成される。リリースノズル89は、アクチュエータ95に接続され、該アクチュエータ95により、リリースノズル89は、シャワー位置と待避位置との間を移動される。アクチュエータ95は、例えば、エアシリンダである。リリースノズル89が待避位置にあるとき、ウェーハ洗浄ノズル60および研磨ヘッド洗浄ノズル61,63から噴射された洗浄流体は、リリースノズル89に接触しない。
【0100】
研磨ヘッド1がリテーナリングステーション75の上方の所定位置に到達する前、または到達したときに、リリースノズル89は、シャワー位置から待避位置に移動する。研磨ヘッド1およびウェーハWから落下した砥粒や研磨屑などの汚染物質は、待避位置にあるリリースノズル89に接触することがない。結果として、リリースシャワーが噴射される次のウェーハの汚染を防止することができる。
【0101】
リリースノズル89は、ウェーハ洗浄工程でウェーハ洗浄ノズル60から洗浄流体がウェーハWの被研磨面に噴射される間、待避位置に位置したままである。加えて、研磨ヘッド洗浄工程で、研磨ヘッド洗浄ノズル61,63およびウェーハ洗浄ノズル60から洗浄流体が噴射される前に、リリースノズル89はシャワー位置から待避位置に移動される。このように、ウェーハ洗浄工程および研磨ヘッド洗浄工程の間、リリースノズル89は待避位置にあるので、砥粒や研磨屑などの汚染物質を含む洗浄流体がリリースノズル89に接触しない。その結果、リリースノズル89の汚染を防止することができる。さらに、リリースシャワーが噴射される次のウェーハの汚染を防止することができる。
【0102】
次に、
図25を参照して、本実施形態におけるウェーハWの研磨後の研磨装置の動作フローを説明する。まず、研磨されたウェーハWを保持した研磨ヘッド1をリテーナリングステーション75の上方の所定位置に移動させる(ステップ1)。研磨ヘッド1が所定位置に到達する前、または到達したときに、リリースノズル89が
図23に示すシャワー位置から
図24に示す待避位置まで移動する(ステップ2)。研磨ヘッド1の移動が完了した後、ウェーハ洗浄ノズル60からウェーハWの被研磨面に向けて洗浄流体が噴射される(ステップ3:ウェーハ洗浄工程)。このとき、リリースノズル89は、待避位置に留まっている。ウェーハ洗浄ノズル60からの洗浄流体の噴射が停止されると(ステップ4)、ウェーハ洗浄工程が終了する。
【0103】
ステップ4の後、リリースノズル89は待避位置からリテーナリングステーション75に向かって移動し、シャワー位置に到達する(ステップ5)。ステップ5の後で、ウェーハリリース工程が開始される。具体的には、研磨ヘッド1がウェーハWとともに下降し(ステップ6)、メンブレン4の圧力室に加圧流体を供給することによりメンブレン4を膨らませ(ステップ7)、メンブレン4とウェーハWとの間に隙間を形成する。さらに、搬送ステージ76が上昇する(ステップ8)。そして、メンブレン4とウェーハWとの間の隙間にリリースシャワーが噴射され、ウェーハWが研磨ヘッド1から離脱される(ステップ9)。ウェーハWは、搬送ステージ76に受け止められ、搬送ステージ76がウェーハWとともに下降する(ステップ10)。搬送ステージ76の下降が完了すると、ウェーハリリース工程が完了し、その後、ウェーハWは、搬送ステージ76により次工程に搬送される(ステップ11)。
【0104】
ステップ11の後で、リリースノズル89がシャワー位置から待避位置まで移動し(ステップ12)、研磨ヘッド洗浄ノズル61,63およびウェーハ洗浄ノズル60から洗浄流体が研磨ヘッド1に向けて噴射される(ステップ13:研磨ヘッド洗浄工程)。研磨ヘッド洗浄ノズル61,63およびウェーハ洗浄ノズル60からの洗浄流体の噴射が停止される(ステップ14)と、研磨ヘッド洗浄工程が終了する。
【0105】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。