(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6346405
(24)【登録日】2018年6月1日
(45)【発行日】2018年6月20日
(54)【発明の名称】感染予防剤
(51)【国際特許分類】
A61K 38/17 20060101AFI20180611BHJP
A23K 20/147 20160101ALI20180611BHJP
A23L 33/19 20160101ALI20180611BHJP
A61P 31/16 20060101ALI20180611BHJP
【FI】
A61K38/17
A23K20/147
A23L33/19
A61P31/16
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-46737(P2013-46737)
(22)【出願日】2013年3月8日
(65)【公開番号】特開2014-172862(P2014-172862A)
(43)【公開日】2014年9月22日
【審査請求日】2016年2月12日
【審判番号】不服2017-7319(P2017-7319/J1)
【審判請求日】2017年5月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】711002926
【氏名又は名称】雪印メグミルク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000774
【氏名又は名称】特許業務法人 もえぎ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浦園 浩司
(72)【発明者】
【氏名】高橋 朋樹
(72)【発明者】
【氏名】水野 友葵
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 孝一郎
(72)【発明者】
【氏名】小林 敏也
(72)【発明者】
【氏名】加藤 健
【合議体】
【審判長】
關 政立
【審判官】
渡邉 潤也
【審判官】
冨永 みどり
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2009/001805(WO,A1)
【文献】
特開2008−31156(JP,A)
【文献】
国際公開第2007/026669(WO,A1)
【文献】
国際公開第2011/151341(WO,A1)
【文献】
Lancet,1998,Vol.351,No.9110,pp.1160−1164
【文献】
J.Dairy Sci.,Vol.93,pp.868−876
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 38/00-38/58
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/BIOSIS/EMBASE/WPIDS(STN)
G−Search
Thomson Innovation
CiNii
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
精製されたラクトアドヘリン及び/又はその分解物を有効成分とするインフルエンザウイルスに対する感染防御用組成物。
【請求項2】
前記ラクトアドヘリン及び/又はその分解物が牛乳由来であることを特徴とする請求項1に記載のインフルエンザウイルスに対する感染防御用組成物。
【請求項3】
前記ラクトアドヘリン分解物が、ラクトアドヘリンをタンパク質分解酵素を用いて分解したものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインフルエンザウイルスに対する感染防御用組成物。
【請求項4】
前記タンパク質分解酵素が、トリプシン、パンクレアチン、キモトリプシン、ペプシン、パパインからなる群から選択される少なくとも1種である請求項3に記載のインフルエンザウイルスに対する感染防御用組成物。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載のインフルエンザウイルスに対する感染防御用組成物を含むことを特徴とする感染防御用飲食品、感染防御用栄養組成物又は感染防御用飼料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インフルエンザウイルスに対する感染防御効果に優れ、インフルエンザの予防や治療に有用で、安定性及び安全性に優れた感染防御剤に関する。本発明は、さらに感染防御剤を含有する、感染防御用飲食品、感染防御用栄養組成物又は感染防御用飼料に関する。
【背景技術】
【0002】
インフルエンザウイルスは空気中から人に感染し、毎年のように流行を引き起こしている。近年では衛生面の改善や医学の進歩によってその脅威が減退しているものの、依然として死者を発生させるケースもある。インフルエンザウイルスにはA型、B型、C型の3つの種類があるが、このうち、A型ウイルスは変異を起こしやすく、パンデミックと呼ばれる世界的な大流行を引き起こしやすい。インフルエンザウイルス感染に対する予防は主としてワクチンの接種により行われている。しかし、インフルエンザウイルスは抗原シフトや抗原ドリフトといった変異を起こしやすいため、流行しているウイルスと、ワクチンの抗原が一致しないことが多く、ワクチンによる予防の効果は、からなずしも満足の行くものではないのが現状である。このため、現在、我が国では児童へのワクチンの予防接種も義務化されていない。また、インフルエンザの治療薬としてはアマンタジンやオセルタミビル、ザナミビル等が挙げられるが、幻覚や睡眠障害などの副作用や耐性菌の出現といった問題を考慮する必要があり、その使用には十分な注意が必要である。こういった状況から、日常的に安全に摂取することが可能で、インフルエンザの予防や治療が期待できるような飲食品や飼料の開発が望まれている。
これまで、インフルエンザウイルスに対する感染防御効果を有する食品成分として、スフィンゴミエリンやラクトフェリン、κ−カゼインにレンネット又はペプシンを作用させた時に生成するペプチドであるκ−カゼイングリコマクロペプチドが知られている。また、発酵乳等に含まれる乳酸菌の1種であるラクトバチルスブルガリクス1073R−1が菌体外に産生する多糖が、腸管に作用してIgAの産生量を増加させるとともに、パイエル板を介してNK活性を上昇させ、インフルエンザウイルスに対する感染防御効果を有することも知られている。
【0003】
ラクトアドヘリンは、乳の脂肪球膜を構成する糖タンパク質のひとつであり、牛乳では、脂肪球膜に含まれるタンパク質の約10%を占める。その分子量は43〜53kDa、等電点は7.0であり、上皮成長因子様の2つのドメインを有する。また、ラクトアドヘリンは、ウシでは、PAS−VI−VII(PAS6/7)とも呼ばれ、マウスの乳に含まれるラクトアドヘリンは、MFG−E8とも表現される。さらに、ラクトアドヘリンは、新生児の消化管機能を整える役割を担っていると考えられており、新生児のロタウイルスへの感染防止を目的として育児用人工粉乳に配合されている。しかしながら、ラクトアドヘリン及び/又はその分解物に、インフルエンザウイルスに対する感染防御効果があることは知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−37788
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Bioscience, Biotechnology and Biochemistry, 57, 1214-1215, 1993
【非特許文献2】International Immunopharmacology, 11, 2246-2250, 2011
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、インフルエンザウイルスに対する感染防御効果を有し、インフルエンザの予防や治療に有用な感染防御剤、及び該感染防御剤を配合した感染防御用飲食品、感染防御用栄養組成物又は感染防御用飼料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討を進めたところ、ラクトアドヘリン及び/又はその分解物に、優れたインフルエンザウイルスに対する感染防御効果があることを見出した。
すなわち本発明は、以下の様態を含むものである。
(1)ラクトアドヘリン及び/又はその分解物を有効成分とするインフルエンザウイルスに対する感染防御剤。
(2)前記ラクトアドヘリン及び/又はその分解物が牛乳由来であることを特徴とする(1)に記載のインフルエンザウイルスに対する感染防御剤。
(3)前記ラクトアドヘリン分解物が、ラクトアドヘリンをタンパク質分解酵素を用いて分解したものであることを特徴とする(1)または(2)に記載のインフルエンザウイルスに対する感染防御剤。
(4)前記タンパク質分解酵素が、トリプシン、パンクレアチン、キモトリプシン、ペプシン、パパインからなる群から選択される少なくとも1種である(3)に記載のインフルエンザウイルスに対する感染防御剤。
(5)(1)から(4)のいずれかに記載のインフルエンザウイルスに対する感染防御剤を含むことを特徴とする感染防御用飲食品、感染防御用栄養組成物又は感染防御用飼料。
(6)(1)から(4)のいずれかに記載の感染防御剤を経口摂取することによるインフルエンザウイルスに対する感染防御方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の感染防御剤は、インフルエンザウイルスに対する感染防御効果が顕著であり、インフルエンザの予防や治療に有用である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の感染防御剤の有効成分であるラクトアドヘリンは、例えば、生乳からバターを製造する際に生ずる水相成分であるバターミルクや、生乳のセパレーター分離で得られる脂肪分40〜50%のクリームを再度セパレーターで分離することで得られる60%以上の高脂肪クリームに対し加熱処理又は剪断処理を行い、高脂肪クリームが転相した際に排出される水相成分、あるいは、バターを加熱溶解した際に分離する水相成分であるバターゼラムを限外濾過(UF)膜や精密濾過(MF)膜、逆浸透膜(RO)膜、イオン交換樹脂等を用いて脱塩や濃縮することにより、得ることができる。また、バターゼラムに塩酸を添加してpHを4.4に調整した後、塩化カルシウムを添加し、50℃で30分間保持して分離した沈殿を、再度、水等に溶解、または懸濁した後、限外濾過(UF)膜や精密濾過(MF)膜、逆浸透膜(RO)膜、イオン交換樹脂等を用いて脱塩や濃縮することにより、得ることができる。さらに、本発明の感染防御剤の有効成分であるラクトアドヘリン分解物は、上記のラクトアドヘリンを任意のタンパク質分解酵素で分解して得ることができる。タンパク質分解酵素としては、プロテアーゼA「アマノ」SD(商品名)、サモアーゼPC10F(商品名)、プロチンSD−AY10(商品名)等の市販の食品・工業用プロテアーゼ剤のほか、トリプシン、パンクレアチン、キモトリプシン、ペプシン、パパイン等を例示することができ、またこれらを複数組み合わせて使用してもよい。上記のように調製したラクトアドヘリン及び/又はその分解物は、凍結乾燥や噴霧乾燥等により乾燥することも可能である。
【0010】
本発明のラクトアドヘリン及び/又はその分解物は、ヒト、ウシ、水牛、ヤギ、ヒツジ等の哺乳類の乳から調製されるものや遺伝子工学的手法により生産されるもの、血液や臓器から精製されたもの等が使用可能である。また、精製され、市販されているラクトアドヘリン及び/又はその分解物の試薬を使用することも可能である。
【0011】
本発明のラクトアドヘリン及び/又はその分解物は、そのまま感染防御剤として使用してもよいが、必要に応じて、常法に従い、粉末剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、ドリンク剤等に製剤化して用いることも出来る。また、凍結乾燥や噴霧乾燥等により乾燥したラクトアドヘリン及び/又はその分解物についても、そのまま感染防御剤として使用することも可能であり、常法に従い、製剤化して用いることもできる。
さらに、これらを製剤化した後に、これを栄養剤やヨーグルト、飲料、ウエハース等の飲食品、栄養組成物又は飼料に配合することも可能である。
【0012】
本発明の感染防御用飲食品、感染防御用栄養組成物及び感染防御用飼料とは、このラクトアドヘリン及び/又はその分解物の他に、安定剤や糖類、脂質、フレーバー、ビタミン、ミネラル、フラボノイド、ポリフェノール等、他の飲食品、飼料に通常含まれる原材料等を含有することができる。また、本発明の有効成分であるラクトアドヘリン及び/又はその分解物に加えて、感染防御作用を示す成分、例えば、スフィンゴミエリンやラクトフェリン等とともに使用することも可能である。
【0013】
感染防御用飲食品、感染防御用栄養組成物及び感染防御用飼料におけるラクトアドヘリン及び/又はその分解物の配合量については、特に制限はないが、本発明でインフルエンザウイルスに対する感染防御効果を発揮させるためには、成人一人一日あたり本発明のラクトアドヘリン及び/又はその分解物を0.1mg以上経口摂取できように、医薬品や飲食品、飼料への配合量を調整することが好ましい。
【0014】
本発明の感染防御剤は、上記の有効成分であるクトアドヘリン及び/又はその分解物に適当な助剤を添加して任意の形態に製剤化することができる。製剤化に際して、通常使用される充填剤、増量剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤等の希釈剤又は賦形剤を用いることができる。賦形剤としては、例えばショ糖、乳糖、デンプン、結晶性セルロース、マンニット、軽質無水珪酸、アルミン酸マグネシウム、合成珪酸アルミニウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素カルシウム、カルボキシルメチルセルロースカルシウム等の1種又は2種以上を組み合わせて加えることができる。
【0015】
以下に実施例、試験例を示し、本発明について詳細に説明するが、これらは単に例示するのみであり、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0016】
凍結乾燥した未殺菌のバターミルク粉末10kgにアセトン100kgを添加した後、クワルクセパレーターで処理することにより、沈殿を完全に除去して上清を得た。エバポレーターを用いて、上清からアセトンを除去して脱イオン水に再度溶解した後、分画分子量60kDaの限外濾過膜で処理し、透過液を回収した。次に、この透過液を分画分子量30kDaの限界濾過膜で不純物を除去し、脱塩、濃縮した後、凍結乾燥して本発明のラクトアドヘリンの粉末(実施例品1)68gを得た。このラクトアドヘリンの粉末には、ラクトアドヘリンが、78%含まれていた。このようにして得られたラクトアドヘリンは、そのまま本発明の感染防御剤として使用可能である。
【実施例2】
【0017】
実施例1で調製したラクトアドヘリンの粉末500mgを精製水100mlに溶解し、重曹を用いてpHを8に調整した。その後、最終濃度0.01%となるようにタンパク質分解酵素であるトリプシン(シグマ社製)を加え、37℃で1時間酵素処理した。そして、85℃で10分間加熱処理して酵素を失活させた後、凍結乾燥してラクトアドヘリン分解物の粉末(実施例品2)463mgを得た。このようにして得られたラクトアドヘリン分解物の分子量は5kDa以下であり、そのまま本発明の感染防御剤として使用可能である。
【実施例3】
【0018】
実施例1で調製したラクトアドヘリンの粉末10gを精製水200mlに溶解した後、45℃に保持して、2gのプロテアーゼA「アマノ」SD(天野エンザイム社製)を加え、2時間酵素処理した。そして、80℃で10分間加熱処理して酵素を失活させた後、凍結乾燥してラクトアドヘリン分解物の粉末(実施例品3)8.2gを得た。このようにして得られたラクトアドヘリン分解物の分子量は5kDa以下であり、そのまま本発明の感染防御剤として使用可能である。
【0019】
[試験例1]
(インフルエンザウイルスに対する感染予防効果の確認)
A型インフルエンザウイルスとしてA/Guinzhouウイルスを、B型インフルエンザウイルスとしてB/Ibarakiウイルスをマウス(Balb/c、雄、6週齢)に経鼻感染させ、同時に実施
例品1をラクトアドヘリンが100μg/mlになるように溶解した溶液と実施例品2のラクトアドヘリン分解物が100μg/mlになるように溶解した溶液を、それぞれ1μl/鼻腔内投与量(投与量:0.1μg)で経鼻投与し、インフルエンザウイルスに対する感染予防効果を、それぞれのインフルエンザウイルスに単独経鼻感染した群(コントロール)と鼻腔内洗浄液中のウイルス価を用いて比較検証した。なお、判定にはMDCK細胞を用いたプラーク法を用いた。その結果を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
表1の結果から、ラクトアドヘリンとその分解物の鼻腔内投与により、A型、B型ともに感染予防効果が確認され、特に、A型インフルエンザウイルスに対する効果は顕著であった。
【0022】
[試験例2]
(経口投与におけるインフルエンザウイルスの感染予防効果の確認)
インフルエンザウイルスPR8(H1N1)を1×10
3pfuのウイルス量でマウス(Balb/c、雄、6週齢)に感染させた。感染前に、実施例品1と実施例品3を用いて、マウス体重1kgあたり、ラクトアドヘリン又はその分解物を0.1mg経口投与する群と、ラクトアドヘリン又はその分解物を10mg経口投与する群に分け、インフルエンザウイルスに対する感染予防効果をウイルス感染3日後の鼻腔洗浄液中のウイルス価で判定した。また、陽性対象として、感染前に、ラクトフェリンを10mg経口投与する群を設定し、溶媒である水のみを経口投与する群(コントロール)と、MDCK細胞を用いたプラーク法を用いて比較検証した。その結果を表2に示す。
【0023】
【表2】
【0024】
表2の結果から、ラクトアドヘリン又はその分解物の経口投与により、コントロールと比較して、有意に鼻腔内ウイルス価が低下した。また、その効果は、同様に経口投与したラクトフェリンより、有意に高かった。この結果から、本発明のラクトアドヘリンとその分解物にはインフルエンザウイルスに対する優れた感染防御効果があることがわかった。また、この作用は、マウス体重1kg当たり0.1mg以上経口投与した場合に認められることが明らかとなった。
【実施例4】
【0025】
(インフルエンザウイルス感染予防用カプセル剤の調製)
表3に示す配合で原材料を混合後、常法により造粒し、カプセルに充填して、本発明のインフルエンザウイルス感染予防用カプセル剤を製造した。
【0026】
【表3】
【実施例5】
【0027】
(インフルエンザウイルス感染予防用錠剤の調製)
表4に示す配合で原材料を混合後、常法により1gに成型、打錠して本発明のインフルエンザウイルス感染予防用錠剤を製造した。
【0028】
【表4】
【実施例6】
【0029】
(インフルエンザウイルス感染予防用液状栄養組成物の調製)
実施例品1、50gを4,950gの脱イオン水に溶解し、50℃まで加熱後、TKホモミクサー(TK ROBO MICS;特殊機化工業社製)にて、6,000rpmで30分間撹拌混合してラクトアドヘリン含量39g/5kgのラクトアドヘリン溶液を得た。このラクトアドヘリン溶液5.0kgに、カゼイン5.0kg、大豆タンパク質5.0kg、魚油1.0kg、シソ油3.0kg、デキストリン17.0kg、ミネラル混合物6.0kg、ビタミン混合物1.95kg、乳化剤2.0kg、安定剤4.0kg、香料0.05kgを配合し、200mlのレトルトパウチに充填し、レトルト殺菌機 (第1種圧力容器、TYPE: RCS−4CRTGN、日阪製作所製)で121℃、20分間殺菌して、本発明のインフルエンザウイルス感染予防用液状栄養組成物50kgを製造した。
【実施例7】
【0030】
(インフルエンザウイルス感染予防用飲料の調製)
脱脂粉乳300gを409gの脱イオン水に溶解した後、実施例品2、1gを溶解し、50℃まで加熱後、ウルトラディスパーサー(ULTRA−TURRAX T−25;IKAジャパン社製)にて、9,500rpmで30分間撹拌混合した。マルチトール100g、酸味料2g、還元水飴20g、香料2g、脱イオン水166gを添加した後、100mlのガラス瓶に充填し、95℃、15秒間殺菌後、密栓し、本発明のインフルエンザウイルス感染予防用飲料10本(100ml入り)を調製した。
【実施例8】
【0031】
(イヌ用インフルエンザウイルス感染予防用飼料の調製)
実施例品1、2kgを98kgの脱イオン水に溶解し、50℃まで加熱後、TKホモミクサー(MARK II 160型;特殊機化工業社製)にて、3,600rpmで40分間撹拌混合してラクトアドヘリン含量1.56g/100gのラクトアドヘリン溶液を得た。このラクトアドヘリン溶液10kgに大豆粕12kg、脱脂粉乳14kg、大豆油4kg、コーン油2kg、パーム油23.2kg、トウモロコシ澱粉14kg、小麦粉9kg、ふすま2kg、ビタミン混合物5kg、セルロース2.8kg、ミネラル混合物2kgを配合し、120℃、4分間殺菌して、本発明のインフルエンザウイルス感染予防用飼料100kgを製造した。