(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2の不純物層を形成する工程後であって前記ドリフト層の前記ポリシリコン膜と前記ゲート酸化膜とを除去する工程前に、第1導電型の第3の不純物を前記第2の不純物層の不純物濃度より高くなるように注入して、前記第2の不純物層下で接する第3の不純物層を形成する工程をさらに有し、
前記ボディ層を形成する工程では、前記ボディ層を形成するとともに、前記第3の不純物を熱拡散させて、前記ボディ層下に前記ボディ層よりも不純物濃度が高いボディ埋め込み層を形成する請求項1または請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
前記第2の領域を露出させる工程後であって前記第2の不純物層を形成する工程前に、第1導電型の第3の不純物を前記第2の不純物層の不純物濃度より高くなるように注入して、第3の不純物層を形成する工程をさらに有し、
前記第2の不純物層を形成する工程では、前記第3の不純物層上に前記第2の不純物層を形成し、
前記ボディ層を形成する工程では、前記ボディ層を形成するとともに、前記第3の不純物を熱拡散させて、前記ボディ層下に前記ボディ層よりも不純物濃度が高いボディ埋め込み層を形成する請求項1または請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
前記第2の不純物層を形成する工程後であって前記ドリフト層の前記ポリシリコン膜と前記ゲート酸化膜とを除去する工程前に、第1導電型の第3の不純物を前記第2の不純物層の不純物濃度より高くなるように注入して、前記第2の不純物層内に埋め込まれる第3の不純物層を形成する工程をさらに有し、
前記ボディ層を形成する工程では、前記ボディ層を形成するとともに、前記第3の不純物を熱拡散させて、前記ボディ層よりも不純物濃度が高いボディ埋め込み層を前記ボディ層内に形成する請求項1または請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
前記第2の領域を露出させる工程後であって前記第2の不純物層を形成する工程前に、第1導電型の第3の不純物を前記第2の不純物層の不純物濃度より高くなるように注入して、第3の不純物層を形成する工程をさらに有し、
前記第2の不純物層を形成する工程では、前記第3の不純物層を囲むように前記第2の不純物層を形成し、
前記ボディ層を形成する工程では、前記ボディ層を形成するとともに、前記第3の不純物を熱拡散させて、前記ボディ層よりも不純物濃度が高いボディ埋め込み層を前記ボディ層内に形成する請求項1または請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
前記第2の不純物層を形成する工程後に、前記ドリフト層の前記素子分離膜を形成した領域以外の領域であって前記素子分離膜を挟んで前記第2の領域とは反対側の領域及び前記素子分離膜の前記第2の領域とは反対側の一部上面に形成した前記ポリシリコン膜と前記ゲート酸化膜とを除去する請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
前記第2の不純物層を形成する工程後に前記ポリシリコン膜と前記ゲート酸化膜とを除去する工程では、前記素子分離膜上に形成したレジストパターンをマスクにして、前記ポリシリコン膜と前記ゲート酸化膜とを除去する請求項1から8のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以下、特許文献1に開示されている半導体装置の製造方法について、
図9から
図11を参照しつつ、簡単に説明する。
特許文献1に開示されている半導体装置(以下、「従来技術に係る半導体装置」ともいう。)の製造方法では、まず、第1導電型(例えば、p型)の半導体基板1上に、シリコン酸化膜41を介して、レジストパターン43を形成する。次に、レジストパターン43をマスクにして、ドリフト層21を形成するための第2導電型(例えば、n型)の不純物を半導体基板1に注入する(
図9(a)を参照)。なお、
図9(a)では、この第2導電型の不純物が注入された部分(層)を「第1の不純物層21a」と表記している。
【0005】
次に、レジストパターン43とシリコン酸化膜41と順次除去し、第1の不純物層21aを熱拡散させて形成したドリフト層21内に素子分離膜3を形成する(
図9(b)を参照)。続いて、少なくともドリフト層21を覆うように、半導体基板1上にレジストパターン44を形成する。そして、そのレジストパターン44をマスクにして、後述するボディ層31及びボディ埋め込み層33を形成するための第1導電型の不純物を半導体基板1にそれぞれ注入する(
図10(a)を参照)。なお、
図10(a)では、ボディ層31を形成するための第1導電型の不純物が注入された部分(層)を「第2の不純物層31a」と表記し、ボディ埋め込み層33を形成するための第1導電型の不純物が注入された部分(層)を「第3の不純物層33a」と表記している。
【0006】
その後、レジストパターン44を除去し、半導体基板1に注入した第1導電型の不純物を熱拡散させることで、ボディ層31及びボディ埋め込み層33を形成する(
図10(b)を参照)。
次に、半導体基板1にゲート酸化膜5とポリシリコン膜7aとをこの順に形成して積層する。その後、ポリシリコン膜7a上にレジストパターン46を形成し、このレジストパターン46をマスクにして、ポリシリコン膜7aとゲート酸化膜5とを順次パターニングする(
図11(a)を参照)。こうして、半導体基板1上に、ゲート酸化膜5と、ポリシリコン膜7aからなるゲート電極7とを形成する。
【0007】
その後、レジストパターン46を除去し、第2導電型のソース11及びドレイン13、第1導電型のピックアップ層23、層間絶縁膜60、コンタクト電極71、72、配線層81、82、保護膜90を順次形成する。こうして、従来技術に係る半導体装置200は製造される(
図11(b)を参照)。
ところで、上記製造方法で半導体装置200を製造すると、ドリフト層21またはボディ層31に対するゲート電極7の位置が相対的にずれる(いわゆる、位置ずれが生じる)ことがある。より詳しくは、
図12(a)及び
図12(b)に示すように、第2の不純物層31a及び第3の不純物層33aの位置が、
図10(a)に示した場合と比較してドリフト層21から離れる方向(図面左方向)にずれる場合やドリフト層21に近づく方向(図面右方向)にずれる場合がある。このずれは、フォトレジスト44の位置ずれ(いわゆる、製造ばらつき)に起因するものである。なお、図中の破線は、
図10(a)に示したフォトレジスト44、第2の不純物層31a及び第3の不純物層33aの位置をそれぞれ示している。
【0008】
同様に、
図13(a)及び
図13(b)に示すように、ゲート電極7が、
図11(a)に示した場合と比較してボディ層31との重なりがより大きくなるように(図面左方向に向かって)ずれる場合や素子分離膜3との重なりがより大きくなるように(図面右方向に向かって)ずれる場合がある。このずれは、フォトレジスト46の製造ばらつきに起因するものである。なお、図中の破線は、
図11(a)に示したゲート酸化膜5、ゲート電極7及びフォトレジスト46の位置をそれぞれ示している。
【0009】
上述のように、ドリフト層21またはボディ層31に対するゲート電極7の位置が相対的にずれると、
図14(a)に示すように、チャネル長Lcが予定値(つまり、予め設定した最適値)よりも長くなり、且つはみ出し幅Laが予定値よりも狭くなる場合がある。この場合には、短チャンネル効果により、半導体装置の閾値電圧(V
th)が上昇することがある。また、はみ出し幅Laが狭くなると、チャネル領域からドリフト層21への電流の流れ込みが抑制されて、いわゆるオン抵抗が上昇することがある。さらには、ドリフト層21において局所的に電流密度が高くなり、いわゆるオン耐圧の低下やホットキャリア寿命が悪化することがある。
【0010】
これとは逆に、
図14(b)に示すように、チャネル長Lcが予定値よりも短くなり、且つはみ出し幅Laが予定値よりも広くなる場合がある。この場合には、短チャンネル効果により、V
thが下降することがある。また、はみ出し幅Laが広くなると、チャネル領域からドリフト層21への電流の流れ込みが促進されて、オン抵抗が下降することがある。さらには、電流量自体が増加することで、オン耐圧の低下やホットキャリア寿命が悪化することがある。
【0011】
このように、従来技術に係る半導体装置の製造方法には、ドリフト層21及びボディ層31の少なくともいずれか一方に対するゲート電極7の相対的な位置ずれに起因して、製造した半導体装置の特性にばらつき(いわゆる、特性ばらつき)が生じることがあるといった課題がある。
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ドリフト層及びボディ層の少なくともいずれか一方に対するゲート電極の相対的な位置ずれを低減することで、半導体装置の特性ばらつきを低減した半導体素子の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法は、第1導電型の半導体基板における第1の領域に、第2導電型の第1の不純物を注入して第1の不純物層を形成する工程と、前記第1の不純物を熱拡散させてドリフト層を形成する工程と、前記第1の不純物層または前記ドリフト層の一部に素子分離膜を形成する工程と、前記ドリフト層と前記素子分離膜とを形成した前記半導体基板を覆うように、ゲート酸化膜とポリシリコン膜とを順に形成して積層する工程と、前記半導体基板の前記第1の領域から離れて位置する第2の領域に形成した前記ポリシリコン膜と前記ゲート酸化膜とを除去して前記第2の領域を露出させる工程と、露出させた前記第2の領域に、第1導電型の第2の不純物を注入して第2の不純物層を形成する工程と、前記第2の不純物層を形成する工程後に、少なくとも、前記ドリフト層の前記素子分離膜を形成した領域以外の領域であって前記素子分離膜を挟んで前記第2の領域とは反対側の領域に形成した前記ポリシリコン膜と前記ゲート酸化膜とを除去する工程と、前記ドリフト層の前記ポリシリコン膜と前記ゲート酸化膜とを除去する工程後に、前記第2の不純物を熱拡散させてボディ層を形成する工程と、を有
し、前記第2の不純物層を形成する工程において、前記第2の不純物層に含まれる前記第2の不純物の不純物濃度が前記ドリフト層の不純物濃度よりも高くなるように前記第2の不純物を注入し、前記ゲート酸化膜に対する前記ドリフト層の相対位置がばらついた場合に、前記ボディ層を形成する工程において、前記ドリフト層の一部を、熱拡散された前記第2の不純物によって第1導電型に反転させることを特徴とする。
【0013】
また、上記半導体装置の製造方法において、前記第2の領域を露出させる工程では、前記ポリシリコン膜上に形成したレジストパターンをマスクにして、前記ポリシリコン膜と前記ゲート酸化膜とを除去し、前記第2の不純物層を形成する工程では、前記レジストパターンを前記ポリシリコン膜上に備えた状態で、前記第2の不純物を注入することを特徴としてもよい。
【0014】
また、上記半導体装置の製造方法において、前記第2の不純物層を形成する工程後であって前記ドリフト層の前記ポリシリコン膜と前記ゲート酸化膜とを除去する工程前に、第1導電型の第3の不純物を前記第2の不純物層の不純物濃度より高くなるように注入して、前記第2の不純物層下で接する第3の不純物層を形成する工程をさらに有し、前記ボディ層を形成する工程では、前記ボディ層を形成するとともに、前記第3の不純物を熱拡散させて、前記ボディ層下に前記ボディ層よりも不純物濃度が高いボディ埋め込み層を形成することを特徴としてもよい。
【0015】
また、上記半導体装置の製造方法において、前記第2の領域を露出させる工程後であって前記第2の不純物層を形成する工程前に、第1導電型の第3の不純物を前記第2の不純物層の不純物濃度より高くなるように注入して、第3の不純物層を形成する工程をさらに有し、前記第2の不純物層を形成する工程では、前記第3の不純物層上に前記第2の不純物層を形成し、前記ボディ層を形成する工程では、前記ボディ層を形成するとともに、前記第3の不純物を熱拡散させて、前記ボディ層下に前記ボディ層よりも不純物濃度が高いボディ埋め込み層を形成することを特徴としてもよい。
【0016】
また、上記半導体装置の製造方法において、前記第2の不純物層を形成する工程後であって前記ドリフト層の前記ポリシリコン膜と前記ゲート酸化膜とを除去する工程前に、第1導電型の第3の不純物を前記第2の不純物層の不純物濃度より高くなるように注入して、前記第2の不純物層内に埋め込まれる第3の不純物層を形成する工程をさらに有し、前記ボディ層を形成する工程では、前記ボディ層を形成するとともに、前記第3の不純物を熱拡散させて、前記ボディ層よりも不純物濃度が高いボディ埋め込み層を前記ボディ層内に形成することを特徴としてもよい。
【0017】
また、上記半導体装置の製造方法において、前記第2の領域を露出させる工程後であって前記第2の不純物層を形成する工程前に、第1導電型の第3の不純物を前記第2の不純物層の不純物濃度より高くなるように注入して、第3の不純物層を形成する工程をさらに有し、前記第2の不純物層を形成する工程では、前記第3の不純物層を囲むように前記第2の不純物層を形成し、前記ボディ層を形成する工程では、前記ボディ層を形成するとともに、前記第3の不純物を熱拡散させて、前記ボディ層よりも不純物濃度が高いボディ埋め込み層を前記ボディ層内に形成することを特徴としてもよい。
【0018】
また、上記半導体装置の製造方法において、
前記第2の領域を露出させる工程では、前記ポリシリコン膜上に形成したレジストパターンをマスクにして、前記ポリシリコン膜と前記ゲート酸化膜とを除去し、前記第3の不純物層を形成する工程では、前記レジストパターンを前記ポリシリコン膜上に備えた状態で、前記第3の不純物を注入することを特徴としてもよい。
また、上記半導体装置の製造方法において、前記第2の不純物層を形成する工程後に、前記ドリフト層の前記素子分離膜を形成した領域以外の領域であって前記素子分離膜を挟んで前記第2の領域とは反対側の領域及び前素子分離膜の前記第2の領域とは反対側の一部上面に形成した前記ポリシリコン膜と前記ゲート酸化膜とを除去することを特徴としてもよい。
【0019】
また、上記半導体装置の製造方法において、前記第2の不純物層を形成する工程後に前記ポリシリコン膜と前記ゲート酸化膜とを除去する工程では、前記素子分離膜上に形成したレジストパターンをマスクにして、前記ポリシリコン膜と前記ゲート酸化膜とを除去することを特徴としてもよい。
また、本発明の別の態様に係る半導体装置の製造方法は、第1導電型の半導体基板における第1の領域に、第2導電型の第1の不純物を注入して第1の不純物層を形成する工程と、前記第1の不純物を熱拡散させてドリフト層を形成する工程と、前記第1の不純物層または前記ドリフト層の一部に素子分離膜を形成する工程と、前記ドリフト層と前記素子分離膜とを形成した前記半導体基板を覆うように、ゲート酸化膜とポリシリコン膜とを順に形成して積層する工程と、ソース側の前記ポリシリコン膜と前記ゲート酸化膜とを除去する工程と、前記ソース側の前記ポリシリコン膜と前記ゲート酸化膜とを除去する工程後に、ソース領域に、第1導電型の第2の不純物を注入して第2の不純物層を形成する工程と、前記第2の不純物層を形成する工程後に、前記素子分離膜上においてドレイン側の前記ポリシリコン膜と前記ゲート酸化膜とを除去する工程と、前記ドレイン側の前記ポリシリコン膜と前記ゲート酸化膜とを除去する工程後に、前記第2の不純物を熱拡散させてボディ層を形成する工程と、を有
し、前記第2の不純物層を形成する工程において、前記第2の不純物層に含まれる前記第2の不純物の不純物濃度が前記ドリフト層の不純物濃度よりも高くなるように前記第2の不純物を注入し、前記ゲート酸化膜に対する前記ドリフト層の相対位置がばらついた場合に、前記ボディ層を形成する工程において、前記ドリフト層の一部を熱拡散された前記第2の不純物によって第1導電型に反転させることを特徴とする。
【0020】
また、上記半導体装置の製造方法において、前記素子分離膜は、LOCOS法を用いて
形成した酸化膜であることを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一態様によれば、ドリフト層及びボディ層の少なくともいずれか一方に対するゲート電極の相対的な位置ずれを低減し、半導体装置の特性ばらつきを低減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第1実施形態)
以下、本発明に係る第1実施形態を、図面を用いて説明する。なお、以下に説明する各図において、同一の構成を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0024】
(構造)
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置100の構成例を示す断面図である。
図1に示すように、この半導体装置100は、例えば、p型のシリコン基板(p−sub)1と、このシリコン基板1に形成されたnチャネル型のLDMOSトランジスタ50と、シリコン基板1上に配置されてLDMOSトランジスタ50を覆う層間絶縁膜60と、層間絶縁膜60を貫いてLDMOSトランジスタ50に接続するコンタクト電極71、72と、層間絶縁膜60上に配置されてコンタクト電極71、72に接続する配線層81、82と、層間絶縁膜60上に配置されて配線層81、82を覆う保護膜90と、を備えている。
【0025】
LDMOSトランジスタ50は、シリコン基板1上に形成された素子分離膜3と、シリコン基板1上に配置されたゲート絶縁膜5と、ゲート絶縁膜5上から素子分離膜3上にかけて配置されたゲート電極7と、ゲート電極7の両側下のシリコン基板1に配置されたn型のソース(n+)11及びドレイン(n+)13と、シリコン基板1のうちのチャネル領域15とドレイン13との間に配置されたn型のドリフト層(n drift)21と、シリコン基板1に配置されたピックアップ層(p+)23と、ソース11とドリフト層21との間に配置されたp型のボディ層31(pbody)と、ボディ層31下に配置されたp型のボディ埋め込み層33(p+body)とを有する。
【0026】
より詳しくは、LDMOSトランジスタ50は、シリコン基板1の一部に形成されたn型のドリフト層21を備えている。このドリフト層21には、シリコン基板1とドリフト層21との境界部から離れて位置する素子分離膜3と、その境界部から離れて素子分離膜3と接するn型のドレイン13とが形成されている。ここで、素子分離膜3は、フィールド酸化膜とも呼ばれる膜であり、例えばLOCOS法を用いて形成された酸化膜である。
【0027】
また、シリコン基板1の一部には、ドリフト層21に接するp型のボディ層31と、ボディ層31下に位置するp型のボディ埋め込み層33とが形成されている。ボディ層31の一部には、ドリフト層21側に形成されたn型のソース11と、ドリフト層21とは反対側でソース11と接するp型のピックアップ層23とが形成されている。そして、このソース11及びピックアップ層23は、ボディ埋め込み層33とオーミックにそれぞれ接続されている。つまり、ボディ埋め込み層33は、ソース11の下部及びピックアップ層23の下部で電気的に接触している。なお、ボディ埋め込み層33は、ボディ層31よりも不純物濃度が高い層である。
【0028】
シリコン基板1上にはゲート絶縁膜5が形成されており、このゲート絶縁膜5は、ソース11のボディ層31側の端部と、ボディ層31と、ドリフト層21のボディ層31側の端部とを連続的に覆っている。そして、このゲート絶縁膜5上から素子分離膜3上にかけてゲート電極7が形成されている。
【0029】
(製造方法)
次に、半導体装置100の製造方法について、
図2から
図4を参照しつつ説明する。
図2から
図4は、本発明の実施形態に係る半導体装置100の製造方法を工程順に示す製造工程断面図である。
図2(a)に示すように、まず始めに、p型のシリコン基板1を例えば熱酸化して、その表面上にシリコン酸化膜41を形成する。次に、フォトリソグラフィ技術を用いて、ドリフト層21を形成する領域(第1の領域)の上方を開口し、それ以外の領域を覆う形状のレジストパターン43をシリコン酸化膜41上に形成する。そして、このレジストパターン43をマスクに、シリコン基板1に例えばリン等のn型不純物(第1の不純物)をイオン注入する。このイオン注入工程は、
図1に示したn型のドリフト層21を形成するための、ドリフト・イオン注入工程である。こうして、シリコン基板1にn型不純物を含んだ第1の不純物層21aを形成する。
【0030】
その後、レジストパターン43とシリコン酸化膜41とを順次除去する。なお、このドリフト・イオン注入工程の前またはその後に、シリコン基板1にウェル拡散層を形成するためのイオン注入を行ってもよい。好ましくは、ウェル拡散層を形成後に、ドリフト・イオン注入を行う。
次に、
図2(b)に示すように、例えばLOCOS法を用いて、第1の不純物層21aの一部に、素子分離膜3を形成する。より詳しくは、第1の不純物層21aであって、シリコン基板1と第1の不純物層21aとの境界部(つまり、界面)から離れた領域に素子分離膜3を形成する。この素子分離膜3の形成と同時またはその前後に、シリコン基板1に熱処理を施して、シリコン基板1中でn型不純物を拡散させる。これにより、シリコン基板1にドリフト層21や、図示しないウェル拡散層を形成する。
【0031】
次に、
図2(c)に示すように、シリコン基板1を例えば熱酸化して、素子分離膜3下から露出しているシリコン基板1の表面に、ゲート絶縁膜5を形成する。続いて、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法により、ゲート絶縁膜5上にポリシリコン膜7aを形成する。つまり、ドリフト層21と素子分離膜3とを形成した半導体基板1を覆うように、ゲート酸化膜5とポリシリコン膜7aとをこの順に形成して積層する。
【0032】
次に、
図3(a)に示すように、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、ポリシリコン膜7a上にレジストパターン44を形成する。より詳しくは、フォトリソグラフィ技術を用いて、ボディ層31及びボディ埋め込み層33を形成する領域(第2の領域)の上方を開口し、それ以外の領域を覆う形状のレジストパターン44を形成する。そして、このレジストパターン44をマスクに、ポリシリコン膜7a及びゲート絶縁膜5を順次エッチングして除去する。こうして、ボディ層31及びボディ埋め込み層33を形成する領域を露出させる。
【0033】
次に、レジストパターン44、ポリシリコン膜7a及びゲート絶縁膜5をマスクに用いて、シリコン基板1のうちのボディ層31を形成する領域に、ボロン等のp型不純物(第2の不純物)をイオン注入する(ボディ・イオン注入工程)。続いて、ポリシリコン膜7a及びゲート絶縁膜5をマスクに用いるとともに、ボディ・イオン注入工程で用いたレジストパターン44をそのままマスクに用いて(つまり、レジストパターン44を残存させた状態で)、シリコン基板1のうちのボディ埋め込み層33を形成する領域に、ボロン等のp型不純物(第3の不純物)をイオン注入する(高濃度ボディ埋め込み・イオン注入工程)。こうして、シリコン基板1に第2の不純物層31a及び第3の不純物層33aを形成する。なお、ボディ・イオン注入工程でのp型不純物(第2の不純物)のドーズ量をD1、注入エネルギーをE1とし、高濃度ボディ埋め込み・イオン注入工程でのp型不純物(第3の不純物)のドーズ量をD2、注入エネルギーをE2としたとき、D1<D2、且つE1<E2とする。
【0034】
なお、ボディ・イオン注入工程と、高濃度ボディ埋め込み・イオン注入工程は、その実行する順を逆にしてもよい(即ち、高濃度ボディ埋め込み・イオン注入工程を先に行い、その後で、ボディ・イオン注入工程を行ってもよい。)。
上述のボディ・イオン注入工程と、高濃度ボディ埋め込み・イオン注入工程とを行った後、レジストパターン44を除去する。
【0035】
次に、
図3(b)に示すように、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、ポリシリコン膜7a上にレジストパターン45を形成する。より詳しくは、フォトリソグラフィ技術を用いて、ドレイン13を形成する領域及びその領域に接する素子分離膜3の一部の上方を開口し、それ以外の領域を覆う形状のレジストパターン45を形成する。そして、このレジストパターン45をマスクに、ポリシリコン膜7a及びゲート絶縁膜5を順次エッチングして除去する。こうして、ポリシリコン膜7aからなるゲート電極7を形成する。なお、レジストパターン45と、上述のレジストパターン44とは、同一材質のフォトマスク(即ち、同一の材質で形成されたフォトマスク)を用いて形成してもよい。
【0036】
ゲート電極7の形成後、ゲート電極7上に残存するレジストパターン45を除去する。
次に、シリコン基板1に熱処理を施し、
図4(a)に示すように、シリコン基板1にイオン注入したp型不純物(つまり、第2の不純物層31a及び第3の不純物層33aに含まれるp型不純物)を拡散させる。なお、上述のように、D1<D2、且つE1<E2とすることで、p型のボディ層31を形成するとともに、ボディ層31の直下に、ボディ層31よりもp型の不純物濃度が高いボディ埋め込み層33を形成することができる。
【0037】
次に、フォトリソグラフィ技術及びイオン注入技術を用いて、シリコン基板1のソース11及びドレイン13を形成する領域に、リン又はヒ素等のn型不純物をイオン注入する。イオン注入後、図示しないレジストパターンを除去する。そして、シリコン基板1に熱処理を施す。これにより、シリコン基板1中で不純物を拡散させて、
図4(b)に示すように、n型のソース11及びドレイン13を形成する。
【0038】
次に、フォトリソグラフィ技術及びイオン注入技術を用いて、シリコン基板1のピックアップ層23を形成する領域に、ボロン等のp型不純物をイオン注入する。イオン注入後、図示しないレジストパターンを除去する。そして、シリコン基板1に熱処理を施す。これにより、シリコン基板1中で不純物を拡散させて、
図4(b)に示すように、ピックアップ層23を形成する。
【0039】
次に、シリコン基板1上に層間絶縁膜60を形成する。層間絶縁膜60は例えばシリコン酸化膜であり、その形成は例えばCVD法で行う。次に、コンタクト電極71、72を形成する。ここで、コンタクト電極71を、例えばソース11及びピックアップ層23に跨るように形成することにより、ソース11及びピックアップ層23を同じ電位(例えば、接地電位)に固定することができる。次に、層間絶縁膜60上に配線層81、82を形成し、保護膜90を形成する。以上の工程を経て、
図4(b)に示すように、LDMOSトランジスタ50を備える半導体装置100が完成する。
【0040】
(第2実施形態)
以下、本発明に係る第2実施形態を、図面を用いて説明する。
(構造)
図5は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置101の構成例を示す断面図である。
本実施形態に係る半導体装置101の構造と、第1実施形態に係る半導体装置100の構成とは、概ね同じであるが、ボディ層31及びボディ埋め込み層33の形状と位置が異なっている。そこで、以下、この異なる部分であるボディ層31及びボディ埋め込み層33について説明し、その他の部分については説明を省略する。
【0041】
本実施形態に係るボディ層31は、チャネル領域15からソース11下にかけて配置されている。また、本実施形態に係るボディ埋め込み層33は、ボディ層31に埋め込まれるように配置されている。また、本実施形態では、ソース11のシリコン基板1表面からの深さd1は、ドリフト層21のシリコン基板1表面からの深さd2よりも浅い。即ち、d1<d2となっている。また、ボディ層31の厚さ(層厚)は、ドリフト層21の厚さよりも厚くなっている。
【0042】
また、ボディ埋め込み層33におけるp型の不純物濃度のピーク位置について、このピーク位置のシリコン表面からの深さd3は、ソース11のシリコン基板1表面からの深さd1よりも深く、且つ、ドリフト層21のシリコン基板1表面からの深さd3よりも浅い。即ち、d1<d3<d2となっている。また、ボディ埋め込み層33は、ソース11下からチャネル領域15下まで延出している。
【0043】
(製造方法)
次に、半導体装置101の製造方法について、
図6及び
図7を参照しつつ説明する。
図6及び
図7は、本発明の実施形態に係る半導体装置101の製造方法における製造工程の一部を示す製造工程断面図である。
本実施形態に係る半導体装置101の製造方法において、ドリフト層21と素子分離膜3とを形成した半導体基板1を覆うように、ゲート酸化膜5とポリシリコン膜7aとをこの順に形成して積層する工程までは、第1実施形態で説明した工程(つまり、
図2(c)で説明した工程)と同じである。そのため、上記工程までの説明については、ここでは省略する。
【0044】
ゲート酸化膜5とポリシリコン膜7aとをこの順に形成して積層した後、
図6(a)に示すように、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、ポリシリコン膜7a上にレジストパターン44を形成する。より詳しくは、フォトリソグラフィ技術を用いて、ボディ層31及びボディ埋め込み層33を形成する領域(第2の領域)の上方を開口し、それ以外の領域を覆う形状のレジストパターン44を形成する。そして、このレジストパターン44をマスクに、ポリシリコン膜7a及びゲート絶縁膜5を順次エッチングして除去する。こうして、ボディ層31及びボディ埋め込み層33を形成する領域を露出させる。
【0045】
次に、レジストパターン44、ポリシリコン膜7a及びゲート絶縁膜5をマスクに用いて、シリコン基板1のうちのボディ層31を形成する領域に、ボロン等のp型不純物(第2の不純物)をイオン注入する(ボディ・イオン注入工程)。続いて、レジストパターン44を除去して、シリコン基板1に熱処理を施し、シリコン基板1にイオン注入したp型不純物(つまり、第2の不純物層31aに含まれるp型不純物)を一旦熱拡散させる。
【0046】
続いて、
図6(b)に示すように、新たにレジストパターン44’をポリシリコン膜7a上に形成し、ポリシリコン膜7a及びゲート絶縁膜5をマスクに用いるとともに、シリコン基板1のうちのボディ埋め込み層33を形成する領域に、ボロン等のp型不純物(第3の不純物)をイオン注入する(高濃度ボディ埋め込み・イオン注入工程)。
こうして、シリコン基板1に第2の不純物層31a及び第2の不純物層31aに埋め込まれた第3の不純物層33aを形成する。なお、ボディ・イオン注入工程でのp型不純物(第2の不純物)のドーズ量をD1とし、高濃度ボディ埋め込み・イオン注入工程でのp型不純物(第3の不純物)のドーズ量をD2としたとき、D1<D2とする。
【0047】
なお、ボディ・イオン注入工程と、高濃度ボディ埋め込み・イオン注入工程は、その実行する順を逆にしてもよい。
上述の高濃度ボディ埋め込み・イオン注入工程を行った後、レジストパターン44’を除去する。
次に、
図6(c)に示すように、ポリシリコン膜7a上にレジストパターン45を形成する。そして、このレジストパターン45をマスクに、ポリシリコン膜7a及びゲート絶縁膜5を順次エッチングして除去する。こうして、ポリシリコン膜7aからなるゲート電極7を形成する。
【0048】
ゲート電極7の形成後、ゲート電極7上に残存するレジストパターン45を除去する。
次に、シリコン基板1に熱処理を施し、
図7(a)に示すように、シリコン基板1にイオン注入したp型不純物(つまり、第2の不純物層31a及び第3の不純物層33aに含まれるp型不純物)を拡散させる。なお、上述のように、D1<D2とすることで、p型のボディ層31を形成するとともに、ボディ層31内に埋め込まれ、且つボディ層31よりもp型の不純物濃度が高いボディ埋め込み層33を形成することができる。
【0049】
その後の工程、即ち、ソース11、ドレイン13、ピックアップ層23、層間絶縁膜60、コンタクト電極71、72、配線層81、82、保護膜90を形成する工程は、第1実施形態で説明した工程と同じであるので、ここではその説明を省略する。
以上の工程を経て、
図7(b)に示すように、LDMOSトランジスタ50を備える半導体装置101が完成する。
【0050】
(第1及び第2実施形態の効果)
上述した第1及び第2実施形態は、以下の効果を奏する。
(1)上記実施形態では、ゲート絶縁膜5及びポリシリコン膜7aのエッチングを、ソース11側とドレイン13側とで別々に実施している。また、ソース11側で上記エッチングを実施した後に、ボディ層31及びボディ埋め込み層33を形成する領域にp型不純物をイオン注入している。
【0051】
このような構成とすることで、上記p型不純物をイオン注入する際にゲート絶縁膜5及びゲート電極7がマスクとなり、ゲート絶縁膜5及びゲート電極7に対してセルフアラインでボディ層31及びボディ埋め込み層33を形成することができる。セルフアラインで形成したボディ層31及びボディ埋め込み層33は、ゲート絶縁膜5及びゲート電極7に対する相対位置のずれの度合いが小さい(つまり、位置ずれが少ない)ためで、半導体装置の特性ばらつきを低減することができる。ここで、「セルフアライン」とは、一般に、基板上に形成される構造体をマスクとして不純物注入やエッチングを行う方法をいう。このセルフアラインで不純物注入やエッチングを行った場合には、マスクの構造体に対して位置がずれることなく層形成を行うことができる。
【0052】
(2)また、上記実施形態では、ポリシリコン膜7a上にレジストパターン44を残存させた状態で、ボディ層31及びボディ埋め込み層33を形成する領域にp型不純物をイオン注入している。
このような構成とすることで、ゲート絶縁膜5の厚みと、ポリシリコン膜7aの厚みと、レジストパターン44の厚みの合計値が、上記イオン注入におけるブロック層(マスク)の総厚となるため、上記p型不純物が、上記ブロック層を突き抜けてブロック領域(例えば、ドリフト層21が形成された領域)に進入するのを抑制することができる。したがって、ブロック領域にp型不純物がイオン注入されることで発生する半導体装置の製造ばらつきを低減することができる。
【0053】
(3)また、上記実施形態では、第2の不純物層31a下に、第2の不純物層31aよりも不純物濃度が高い第3の不純物層33aを形成している。
このような構成であるため、第2の不純物層31a及び第3の不純物層33aに含まれるp型不純物を熱拡散させることで、ボディ層31下に、ボディ層31よりも不純物濃度が高いボディ埋め込み層33を形成することができる。このため、LDMOSトランジスタのオン時に、ドリフト層21内でのインパクトイオン化によって発生した正孔の多くを、ボディ埋め込み層33に効率良く取り込むことができる。そして、ボディ埋め込み層33に取り込んだ正孔を、正孔電流として、ボディ埋め込み層33を経由してLDMOSトランジスタの外部に排出することができる。
【0054】
また、インパクトイオン化によって発生した正孔がドレイン端や、チャネル領域15の近傍に蓄積することを防止することができるので、これらの領域(即ち、ソース11をエミッタとし、チャネル領域15をベースとし、ドレイン13をコレクタとする寄生バイポーラトランジスタにおいて、ベースに相当する領域)での電位上昇を抑制することができる。これにより、寄生バイポーラ効果を抑制することができ、例えば、LDMOSトランジスタのオン状態のドレイン耐圧を高めたり、ドレインからソースへ流れる飽和電流の急激な上昇、所謂キンク(Kink)現象を抑制したりすることができる。
【0055】
(4)また、上記実施形態では、第2の不純物層31a内に、第2の不純物層31aよりも不純物濃度が高い第3の不純物層33aを形成している。
このような構成であるため、第2の不純物層31a及び第3の不純物層33aに含まれるp型不純物を熱拡散させることで、ボディ層31内に、ボディ層31よりも不純物濃度が高いボディ埋め込み層33を形成することができる。このため、LDMOSトランジスタのオン時に、ドリフト層21内でのインパクトイオン化によって発生した正孔の多くを、ボディ埋め込み層33に効率良く取り込むことができる。そして、ボディ埋め込み層33に取り込んだ正孔を、正孔電流として、ボディ埋め込み層33を経由してLDMOSトランジスタの外部に排出することができる。
【0056】
また、インパクトイオン化によって発生した正孔がドレイン端や、チャネル領域15の近傍に蓄積することを防止することができるので、これらの領域での電位上昇を抑制することができる。これにより、寄生バイポーラ効果を抑制することができ、例えば、LDMOSトランジスタのオン状態のドレイン耐圧を高めたり、ドレインからソースへ流れる飽和電流の急激な上昇、所謂キンク現象を抑制したりすることができる。
【0057】
(5)また、上記実施形態では、ボディ層31(第2の不純物層31a)及びボディ埋め込み層33(第3の不純物層33a)に含まれるp型不純物のイオン濃度を、ドリフト層21に含まれるn型不純物のイオン濃度と比較して、十分に高くしている。
このような構成とすることで、第2の不純物層31a及び第3の不純物層33aに含まれるp型不純物を熱拡散させた際に、熱拡散した上記p型不純物でドリフト層21のn型領域をp型に反転させることができる。この点について、
図2及び
図8を参照しつつ、簡単に説明する。
【0058】
図2(a)及び
図2(b)に示すように、ドリフト層21(第1の不純物層21a)は、レジストパターン43をマスクにして形成されている。このため、レジストパターン43の製造ばらつきに起因して、
図8(a)に示すように、ゲート電極7に対するドリフト層21の相対位置がばらつくことがある。なお、
図8(a)の矢印は、このばらつきの範囲を模式的に示すものである。また、
図8(a)では、第1実施形態に係る半導体装置100の場合を例に挙げているが、第2実施形態に係る半導体装置101の場合であっても、ゲート電極7に対するドリフト層21の相対位置がばらつくことがある。
【0059】
この場合において、第2の不純物層31a及び第3の不純物層33aに含まれるp型不純物のイオン濃度がドリフト層21に含まれるn型不純物のイオン濃度と比較して十分に高い(例えば、10倍程度)と、ドリフト層21のn型領域の一部は拡散した上記p型不純物によってp型に反転する。このため、
図8(b)に示すように、上記p型不純物が熱拡散して広がった位置でPNジャンクションの位置が決定される。
【0060】
このように、ボディ層31(第2の不純物層31a)及びボディ埋め込み層33(第3の不純物層33a)に含まれるp型不純物のイオン濃度が、ドリフト層21に含まれるn型不純物のイオン濃度と比較して十分に高い場合には、実質的には上記p型不純物の拡散量でPNジャンクションの位置が決定される。したがって、ドリフト層21を形成する際に位置ずれが生じたとしても、その位置ずれに起因する半導体装置の特性への影響を低減することができる。
【0061】
(6)また、上記実施形態では、素子分離膜3を、LOCOS法を用いて形成した酸化膜としている。
このような構成とすることで、より確実性を高めて素子分離膜3を形成することができる。
【0062】
(変形例)
(1)上記の実施形態では、LDMOSトランジスタ50と他の素子(例えば、pMOSトランジスタ、抵抗素子またはキャパシタ等)とを同一のシリコン基板1に混載して、半導体装置を構成してもよい。このような場合であっても、上記の実施形態と同様の効果を奏する。
【0063】
(2)また、上記の実施形態では、LDMOSトランジスタ50がnチャネル型の場合を示したが、LDMOSトランジスタ50はpチャネル型であってもよい。即ち、上記の実施形態において、n型をp型に、p型をn型にそれぞれ入れ替えてもよい。このような場合であっても、pチャネル型のLDMOSトランジスタ50において、上記の実施形態と同様の効果を奏する。
【0064】
(3)また、上記の実施形態では、ボディ・イオン注入工程と、高濃度ボディ埋め込み・イオン注入工程とを実施する際、レジストパターン44、ポリシリコン膜7a及びゲート絶縁膜5をマスクとして用いているが、レジストパターン44を用いることなく、ポリシリコン膜7a及びゲート絶縁膜5をマスクとして用いてもよい。このような場合であっても、上記の実施形態と同様の効果を奏する。
【0065】
<その他>
本発明は、以上に記載した各実施形態に限定されるものではない。当業者の知識に基づいて各実施形態に設計の変更等を加えてもよく、そのような変更等が加えられた態様も本発明の範囲に含まれる。