(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の第1のラインパターンの一部をエッチングによって除去するときに、前記複数の第1のラインパターンの長手方向の共通の範囲を除去する請求項1乃至5のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
前記複数の第1のラインパターンの一部をエッチングによって除去するときに、前記複数の第1のラインパターン中で第1の矩形領域内又は前記第1の矩形領域の外側の部分を除去する請求項1乃至5のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
前記複数の第2のラインパターンの一部をエッチングによって除去するときに、前記複数の第2のラインパターンの長手方向の共通の範囲を除去する請求項1乃至7のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
前記複数の第2のラインパターンの一部をエッチングによって除去するときに、前記複数の第2のラインパターン中で第2の矩形領域内又は前記第2の矩形領域の外側の部分を除去する請求項1乃至7のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
前記基板の前記第1層の上で前記第2層と異なる第3層に、前記第1方向と直交する第2方向を長手方向とする複数の第3のラインパターンを形成して第2のマスク層を形成し、
前記第1層を加工するときに、前記第1のマスク層及び前記第2のマスク層を介して前記第1層を加工する請求項3乃至5のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
一部が除去された前記第2パターンを介して前記第1パターンの一部を除去することを含むことを特徴とする請求項18乃至21のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
前記複数の第1のラインパターンの一部をエッチングによって除去するときに、前記複数の第1のラインパターンの長手方向の共通の範囲を除去する請求項25乃至30のいずれか一項に記載のパターンン形成方法。
前記複数の第1のラインパターンの一部をエッチングによって除去するときに、前記複数の第1のラインパターン中で第1の矩形領域内又は前記第1の矩形領域の外側の部分を除去する請求項25乃至31のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
前記複数の第2のラインパターンの一部をエッチングによって除去するときに、前記複数の第2のラインパターンの長手方向の共通の範囲を除去する請求項25乃至32のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
前記複数の第2のラインパターンの一部をエッチングによって除去するときに、前記複数の第2のラインパターン中で第2の矩形領域内又は前記第2の矩形領域の外側の部分を除去する請求項25乃至33のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
前記第1層を加工するときに、前記第1のマスク層及び前記第2のマスク層を介して前記第1層を加工する請求項27乃至30のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の好ましい実施形態の一例につき
図1〜
図11を参照して説明する。まず、本実施形態において半導体素子等の電子デバイス(マイクロデバイス)の回路パターンを形成するために使用されるパターン形成システムの一例につき説明する。
図1(A)は、本実施形態のパターン形成システムの要部を示し、
図1(B)は、
図1(A)中のスキャニングステッパー(スキャナー)よりなる走査型の露光装置(投影露光装置)100の概略構成を示す。
図1(A)において、パターン形成システムは、露光装置100、ウエハ(基板)に対するフォトレジスト(感光材料)の塗布及び現像を行うコータ・デベロッパ200、薄膜形成装置300、ウエハに対するドライ及びウエットのエッチングを行うエッチング装置400、これらの装置間でウエハの搬送を行う搬送系500、及びホストコンピュータ(不図示)等を含んでいる。
【0012】
図1(B)において、露光装置100は、照明系10、照明系10からの露光用の照明光(露光光)ILにより照明されるレチクルR(マスク)を保持するレチクルステージRST、レチクルRから射出された照明光ILをウエハW(基板)の表面に投射する投影光学系PLを含む投影ユニットPU、ウエハWを保持するウエハステージWST、及び装置全体の動作を統括的に制御するコンピュータよりなる主制御装置(不図示)等を備えている。以下、
図1(B)において、投影光学系PLの光軸AXと平行にZ軸を取り、これに直交する平面(ほぼ水平面)内でレチクルRとウエハWとが相対走査される方向に沿ってY軸を、Z軸及びY軸に直交する方向に沿ってX軸を取り、X軸、Y軸、及びZ軸の回りの回転(傾斜)方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行う。
【0013】
照明系10は、例えば米国特許出願公開第2003/025890号明細書などに開示されるように、照明光ILを発生する光源、及び照明光ILでレチクルRを照明する照明光学系を含む。照明光ILとしては、一例としてArFエキシマレーザ光(波長193nm)が用いられている。なお、照明光ILとしては、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)、YAGレーザ若しくは固体レーザ(半導体レーザなど)の高調波、又は水銀ランプの輝線(i線等)なども使用できる。
【0014】
照明光学系は、偏光制御光学系、光量分布形成光学系(回折光学素子又は空間光変調器など)、オプティカルインテグレータ(フライアイレンズ又はロッドインテグレータ(内面反射型インテグレータ)など)等を含む照度均一化光学系、及びレチクルブラインド(可変視野絞り)等(いずれも不図示)を有する。照明系10は、レチクルブラインドで規定されたレチクルRのパターン面(下面)のX方向に細長いスリット状の照明領域IARを、2極照明、4極照明、輪帯照明、コヒーレンスファクタ(σ値)の小さい照明、又は通常照明等の照明条件で、所定の偏光状態の照明光ILによりほぼ均一な照度分布で照明する。
【0015】
また、レチクルRを真空吸着等により保持するレチクルステージRSTは、レチクルベース(不図示)のXY平面に平行な上面に、Y方向に一定速度で移動可能に、かつX方向、Y方向の位置、及びθz方向の回転角が調整可能に載置されている。レチクルステージRSTの位置情報は、複数軸のレーザ干渉計を含むレチクル干渉計18によって、移動鏡14(又はステージの鏡面加工された側面)を介して例えば0.5〜0.1nm程度の分解能で常時検出される。レチクル干渉計18の計測値に基づいてリニアモータ等を含むレチクルステージ駆動系(不図示)を制御することで、レチクルステージRSTの位置及び速度が制御される。
【0016】
また、レチクルステージRSTの下方に配置された投影ユニットPUは、鏡筒24と、該鏡筒24内に所定の位置関係で保持された複数の光学素子を有する投影光学系PLとを含む。投影光学系PLは、例えば両側テレセントリックで所定の投影倍率β(例えば1/4倍、1/5倍などの縮小倍率)を有する。レチクルRを通過した照明光ILにより、投影光学系PLを介してレチクルRの照明領域IAR内の回路パターンの像が、ウエハWの一つのショット領域内の露光領域IA(照明領域IARと共役な領域)に形成される。本実施形態の基板としてのウエハWは、例えばシリコン(又はSOI(silicon on insulator)等でもよい)からなる直径が200mm、300mm、又は450mm程度の円板状の基材の表面にパターン形成用の薄膜(酸化膜、金属膜、ポリシリコン膜等)を形成したものを含む。さらに、露光対象のウエハWの表面には、フォトレジスト(感光材料)が所定の厚さ(例えば数10nm〜200nm程度)で塗布される。
【0017】
また、露光装置100は、液浸法を適用した露光を行うため、投影光学系PLを構成する最も像面側(ウエハW側)の光学素子である先端レンズ26を保持する鏡筒24の下端部周囲を取り囲むように、先端レンズ26とウエハWとの間に液体Lqを供給するための局所液浸装置30の一部を構成するノズルユニット32が設けられている。ノズルユニット32の液体Lqの供給口は、供給流路及び供給管34Aを介して液体供給装置(不図示)に接続されている。ノズルユニット32の液体Lqの回収口は、回収流路及び回収管34Bを介して液体回収装置(不図示)に接続されている。局所液浸装置30の詳細な構成は、例えば米国特許出願公開第2007/242247号明細書等に開示されている。
【0018】
また、ウエハステージWSTは、ベース盤12のXY平面に平行な上面12aに、X方向、Y方向に移動可能に載置されている。ウエハステージWSTは、ステージ本体20、ステージ本体20の上面に搭載されたウエハテーブルWTB、並びにステージ本体20内に設けられて、ステージ本体20に対するウエハテーブルWTB(ウエハW)のZ方向の位置(Z位置)、及びθx方向、θy方向のチルト角を相対的に駆動するZ・レベリング機構を備えている。ウエハテーブルWTBには、ウエハWを真空吸着等によってほぼXY平面に平行な吸着面上に保持するウエハホルダ(不図示)が設けられている。ウエハテーブルWTBの上面のウエハホルダ(ウエハW)の周囲には、ウエハWの表面(ウエハ面)とほぼ同一面となる、液体Lqに対して撥液化処理された表面を有する平板状のプレート(撥液板)28が設けられている。
【0019】
また、例えば米国特許第5,448,332号明細書等に開示されるものと同様の構成で、ウエハ面の複数の計測点のZ位置を計測する斜入射方式のオートフォーカスセンサ(不図示)が設けられている。露光中に、このオートフォーカスセンサの計測値に基づいて、ウエハ面が投影光学系PLの像面に合焦されるように、ウエハステージWSTのZ・レベリング機構が駆動される。
【0020】
また、ウエハテーブルWTBのY方向及びX方向の端面には、それぞれ鏡面加工によって反射面が形成されている。ウエハ干渉計16を構成する複数軸のレーザ干渉計からその反射面(移動鏡でもよい)にそれぞれ干渉計ビームを投射することで、ウエハステージWSTの位置情報(少なくともX方向、Y方向の位置、及びθz方向の回転角を含む)が例えば0.5〜0.1nm程度の分解能で計測されている。この計測値に基づいてリニアモータ等を含むウエハステージ駆動系(不図示)を制御することで、ウエハステージWSTの位置及び速度が制御される。なお、ウエハステージWSTの位置情報は、回折格子状のスケールと検出ヘッドとを有するエンコーダ方式の検出装置で計測してもよい。
【0021】
また、露光装置100は、ウエハWの所定のアライメントマークの位置を計測するウエハアライメント系AL、及びレチクルRのアライメントマークの投影光学系PLによる像の位置を計測するために、ウエハステージWSTに内蔵された空間像計測系(不図示)を備えている。これらの空間像計測系(レチクルアライメント系)及びウエハアライメント系ALを用いて、レチクルRとウエハWの各ショット領域とのアライメントが行われる。
【0022】
ウエハWの露光時には、ウエハステージWSTをX方向、Y方向に移動(ステップ移動)することで、ウエハWの露光対象のショット領域が露光領域IAの手前に移動する。さらに、局所液浸装置30から投影光学系PLとウエハWとの間に液体Lqが供給される。そして、レチクルRのパターンの一部の投影光学系PLによる像をウエハWの一つのショット領域に投影しつつ、レチクルステージRST及びウエハステージWSTを介してレチクルR及びウエハWをY方向に同期して移動することで、当該ショット領域にレチクルRのパターンの像が走査露光される。そのステップ移動と走査露光とを繰り返すことによって、ステップ・アンド・スキャン方式及び液浸方式で、ウエハWの各ショット領域にそれぞれレチクルRのパターンの像が露光される。
【0023】
次に、本実施形態で製造対象とする回路パターンは、一例として、
図2(A)の部分拡大図で示すように、半導体素子としてのSRAM(Static RAM)のゲートセル用の回路パターン70である。なお、以下では、ライン・アンド・スペースパターンをL&Sパターンとも呼ぶ。回路パターン70は、ウエハの基材36の表面において、線幅d/2のラインパターン72及び幅d/2のスペース部73を周期方向であるX方向にピッチ(周期)dで配列して構成される第1のL&Sパターン71において、複数のラインパターン72からX方向に直交するY方向(ラインパターン72の長手方向)にそれぞれ幅eの部分を除去して複数列75A,75B,75C,75Dのホールパターン74,74A,74C(非周期的な部分)を形成したものである。
図2(B)は、
図2(A)中の複数のホールパターン74,74A,74Cの配列を示す。一例として、ホールパターン74は、1本のラインパターン72上に形成されたX方向の幅がdの最も小さいパターンであり、ホールパターン74Aは隣接する複数本(ここでは2本)のラインパターン72上に形成されたX方向の幅が2dのパターンであり、ホールパターン74Cは隣接する5本のラインパターン72上に形成されたX方向に細長いパターンである。
【0024】
同じラインパターン72に沿って配列された2つのホールパターン74のY方向の周期はf(間隔は(f−e))であり、X方向に配列された2つのホールパターン74(又は74,74A等)のX方向の間隔は(m+1)d(m=0,1,2,…)である。従って、複数のホールパターン74,74A,74Cの配列は千鳥格子状又は市松格子状の不規則な部分を含んでいる。また、一例として周期fは幅eの2倍から数倍程度であり、近接する2つのホールパターン74,74A,72CのX方向及びY方向の最小の間隔はそれぞれd及び(f−e)である。なお、ホールパターン74,74A,74Cの形状及び配置は任意である。
図2(A)のX軸及びY軸の方向は、
図2(A)の回路パターン70が形成されるウエハWを
図1(B)の露光装置100のウエハステージWSTに載置した場合の、露光装置100におけるX軸及びY軸の方向に平行である。
【0025】
本実施形態では、一例として、ラインパターン72のX方向の線幅(d/2)よりもホールパターン74の幅eの方が長い(幅eは例えばd/2〜d程度)。具体的に例えば線幅(d/2)が10〜13nm程度であるとすると、幅eは例えば15〜20nm程度である。また、線幅(d/2)及び幅eは、液浸型の露光装置100の解像限界(周期的パターンの場合のハーフピッチ)よりも微細であるとする。従って、L&Sパターン71の線幅(d/2)は、露光装置100の解像限界よりも微細であるとともに、回路パターン70は、露光装置100の解像限界よりも微細な間隔で非周期的(半周期的)に配置された幅eの複数のホールパターン74,74A,74C(非周期的な部分)を含むパターンでもある。
【0026】
この場合、L&Sパターン71(ラインパターン72)のX方向の位置、及び各ホールパターン74等のY方向の位置は、例えばL&Sパターン71を形成する際に使用されるアライメントマーク(不図示)に基づいて設定(計測)される。一例として、線幅(d/2)は露光装置100の解像限界のほぼ1/4であるとすると、露光装置100の解像限界はほぼ2dである。露光装置100の解像限界が例えば40〜60nm程度であるとき、これに応じて線幅(d/2)は10〜15nm程度になる。
【0027】
以下、本実施形態のパターン形成システムを用いて回路パターン70を形成するためのパターン形成方法の一例につき
図3のフローチャートを参照して説明する。本実施形態では、スペーサ・ダブルパターニング法(Spacer Double Patterning Process, Spacer transfer Process 又は Sidewall transfer Process)を実質的に2回繰り返す4倍パターン形成法(Quadruple Patterning Process)を用いて、露光装置100の解像限界よりも微細なパターンを形成する。
【0028】
まず、
図3のステップ102において、薄膜形成装置300を用いて
図4(B)に示すように、ウエハWの例えばシリコンよりなる基材36の平坦な表面に、例えば二酸化ハフニウム(HfO
2)とチタンナイトライド(TiN)の薄膜よりなるデバイス層38を形成する。なお、デバイス層38の底面(基材36の表面)には、酸化膜又は窒化膜等が形成されていてもよい。次のステップ104において、デバイス層38に、一例として上記の4倍パターン形成法を用いて、
図4(A)に示すように、X方向の線幅d/2でY方向に伸びた複数のラインパターン38AをX方向にピッチdで配列した第1のL&Sパターン71を形成する。ラインパターン38Aは
図2のラインパターン72に対応するが、この段階ではホールパターン74は形成されていない。なお、4倍パターン形成法は、後述のスペーサ・ダブルパターニング法(以下、2倍パターン形成法ともいう。)を2回繰り返すものである(詳細後述)。また、L&Sパターン71は、露光装置100を用いることなく、例えばそれぞれオン/オフが可能で微小量の偏向が可能な微小なドットパターンを描画可能な多数の電子ビームに対して露光対象の基板を移動しながら、この基板表面に任意の微細な回路パターンを露光可能な電子ビーム露光装置を用いて形成してもよい。この場合には、L&Sパターン71のラインパターン38Aの線幅(d/2)は、露光装置100の解像限界(ハーフピッチ)の1/4よりも微細にすることが可能である。
【0029】
次のステップ106において、デバイス層38を覆うように、例えばテトラエチルオルトケイ酸(Tetra Ethyl Ortho Silicate: TEOS)よりなる第1中間層40(デバイス層38の保護膜)を形成する(
図4(B)参照)。なお、TEOS膜の代わりに酸化ケイ素(SiO
2)なども使用可能である。さらに、
図5(B)に示すように、第1中間層40上に例えば炭素を含む材料(有機系材料)からなる第2マスク層42を形成する。その有機系材料としては、例えばACL(Amorphous Carbon Layer)が使用できる。
【0030】
次のステップ108において第2マスク層42に、2倍パターン形成法を用いて、
図5(G)の拡大平面図に示すように、Y方向の線幅(f−e)でX方向に伸びた複数のラインパターン42AをY方向にピッチfで配列してなる第2のL&Sパターン43を形成する。後述のように第2のL&Sパターン43のスペース部42Bによって、最終的に形成される
図2(A)のホールパターン74等の±Y方向のエッジ部(幅e)が規定されるため、スペース部42BのY方向の幅はe(ホールパターン74等の幅と同じ)である。また、ウエハWの各ショット領域に形成される回路パターンは、
図2(A)又は
図5(G)のパターンと同じ大きさの部分をX方向及びY方向に周期的に繰り返したパターンである。さらに、後述の
図5(B)〜(F)等のY軸に沿った拡大断面図は、
図2(A)又は
図5(G)に示す部分の正面図に対応し、後述の
図6(B)〜(D)等のX軸に沿った拡大断面図は、
図2(A)又は
図5(G)に示す部分を+Y方向から見た側面図に対応している。
【0031】
本実施形態のステップ108の動作(2倍パターン形成法)は、ステップ130〜146に分かれている。即ち、ステップ130において、
図5(B)に示すように、薄膜形成装置300を用いてウエハWの第2マスク層42の表面に第2中間層44Aを形成し、コータ・デベロッパ200において、その中間層44Aの表面に例えばポジ型のフォトレジスト層46Aを塗布する。なお、第2中間層44Aとしては、反射防止膜であるBARC(Bottom Anti-Reflection Coating)を使用してもよい。そして、ステップ132において、ウエハWを
図1(B)の液浸型の露光装置100のウエハステージWSTに載置する。露光装置100のレチクル(レチクルR1とする)のパターンは、
図5(A)の拡大図で示すように、線幅がf/β(βは投影倍率)の遮光膜よりなるラインパターンR1aをY方向にピッチ2f/βで配列したL&Sパターンである。そして、露光装置100でウエハWの各ショット領域にレチクルR1のパターンの像47Y(Y方向にピッチ2fの像)を露光する。像47Yの線幅(ハーフピッチ)はf(ほぼ解像限界の1倍〜2倍程度)であるため、像47Yは露光装置100によって高精度に投影可能である。この際に、ウエハWのデバイス層38にあるアライメントマーク(不図示)及びレチクルR1のアライメントマーク(不図示)を用いて、像47YのX方向及びY方向の位置決めが行われている。
【0032】
次のステップ134において、コータ・デベロッパ200でウエハWのフォトレジスト層46Aを現像し、現像で形成された各レジストパターンRP1(
図5(B)参照)のスリミングを行って線幅が(f−e)のレジストパターンRP2を形成する。なお、スリミングを行う代わりに、露光時に、1ピッチ分の像47Yのうちで、露光量が感光レベル以下となる部分(未露光部分)のY方向の幅が(f−e)となるように設定しておいてもよい。その後、エッチング装置400でウエハWの第2中間層44A、第2マスク層42のエッチングを行い、レジスト剥離等を行うことで、線幅(f−e)の第2マスク層のラインパターン42aをY方向にピッチ2fで配列したL&Sパターンが形成される(
図5(C)参照)。このL&Sパターン上に第1スペーサ層48Aが堆積される(
図5(D)参照)。
【0033】
次のステップ136において、エッチング装置400においてウエハWのスペーサ層48Aに対して表面に垂直な方向に異方性エッチングを行った後、第2マスク層のラインパターン42aを除去する。これにより、
図5(E)に示すように、第1中間層40の表面に線幅eの複数のスペーサ部(サイドウォール部)48ASaをY方向にピッチfで配列したL&Sパターンが形成される。このようにして最初のピッチ2fを1/2にしたL&Sパターンが形成される。ステップ134,136の動作は2倍パターン形成法のうちのピッチ分割法でもある。上記のステップ104では、
図5(E)の上にさらにスペーサ層を堆積してその2倍パターン形成法を繰り返して実行することによって、4倍パターン形成法でピッチが最初のパターンのピッチの1/4のパターンが形成されることになる。
【0034】
そして、ステップ138で
図5(E)のL&Sパターンを覆うように別の第2マスク層の材料を堆積した後、スペーサ部48ASaが現れるようにCMP(Chemical MechanicalPolishing)を行い、ステップ140でスペーサ部48ASaをエッチングによって除去する。これにより、
図5(F)に示すように、第1中間層40の表面に第2マスク層の線幅(f−e)のラインパターン42Aを幅eのスペース部42Bを挟んでピッチfでY方向に配置した第2のL&Sパターン43が形成される。その後、ステップ146で、第2のL&Sパターン43のスペース部42Bに例えばシリコン(Si)又はポリシリコン(ハードマスク層50と同じ材料)を充填する。なお、ステップ104を露光装置100を用いて実行する場合には、X方向に線幅4d/βでピッチ8d/βのL&Sパターンが形成されたレチクルを用いて、ステップ130〜136と同様の動作が2回実行される。
【0035】
ステップ108に続くステップ110において、ステップ108で形成された第2L&Sパターン43(第2マスク層42)を覆うように、例えばシリコン(Si)又はポリシリコンよりなるハードマスク層50が形成される(
図6(B)参照)。その後、ステップ112において、ハードマスク層50上に有機系材料からなる中間層51、第3中間層44B(例えばBARCでもよい)、及びフォトレジスト層46Bを形成する。そして、ウエハWを露光装置100のウエハステージWSTに載置する。露光装置100のレチクルステージRSTにはレチクルR1の代わりに第2のレチクルR2がロードされている。レチクルR2のパターンは、
図6(A)の拡大図で示すように、線幅が2d/β(βは投影倍率)の遮光膜よりなるラインパターンR2aをX方向にピッチ4d/βで配列したL&Sパターンである。そして、レチクルR2のアライメントマーク(不図示)を用いてレチクルR2のアライメントを行った後、露光装置100でウエハWの各ショット領域にレチクルR2のパターンの像47X(X方向にピッチ4dの像)を露光する。像47Yの線幅(ハーフピッチ)はほぼ解像限界であるため、像47Yは露光装置100によって高精度に結像可能である。露光後のウエハWは現像される。
【0036】
そして、ステップ114において、ウエハWの線幅4dのレジストパターンRP3をスリミングして得られる線幅dのレジストパターンRP3をマスクとして第3中間層44B及び中間層51をエッチングする。なお、スリミングの代わりに、レジストの感光レベルに応じて露光量を制御してレジストパターンの線幅をdに合わせてもよい。さらに、レジストパターン及び第3中間層44Bを剥離することで、中間層51のX方向の線幅dのラインパターン51AをX方向にピッチ4dで配列したL&Sパターンが形成される(
図6(C)参照)。この上に第3スペーサ層としての窒化ケイ素(SiN)よりなる第3L&Sパターン用の薄膜52を堆積し、残存する薄膜52の厚さがラインパターン51Aと同じ厚さになるように薄膜52のエッチングを行う(
図7(A)参照)。そして、ラインパターン51Aを除去することで、X方向に線幅dの薄膜52のラインパターン52A(ここではY方向に伸びたラインパターン)をX方向にピッチ2dで配列したL&Sパターンが形成される(
図7(B)参照)。
【0037】
次のステップ116において、ラインパターン52Aを覆うように二酸化ケイ素(SiO
2)よりなる第4L&Sパターン用のスペーサ層としての薄膜54を堆積し、薄膜54の表面がラインパターン52Aの表面と同じ高さになるようにCMPを行う。この結果、
図7(C)に示すように、ラインパターン52AのX方向の間のスペース部を埋めるように、薄膜54のラインパターン54Aが堆積されて残される。以下では、複数のラインパターン52AをX方向にピッチ2dで配列したパターンを第3のL&Sパターン53と呼び、複数のラインパターン54AをX方向にピッチ2dで配列したパターンを第4のL&Sパターン55と呼ぶものとする(
図7(E)参照)。このように第3のL&Sパターン53は、実質的に2倍パターン形成法(ダブルパターニング法)で形成されている。
【0038】
この第3のL&Sパターン53のX方向の位置決め精度(アライメント精度)δXは、実質的に
図6(A)の第2のレチクルR2の像の位置決め精度であり、その位置決め精度δX(
図7(B)参照)は、
図2(A)の第1のL&Sパターン71に対して±d/4程度以下であればよいため、位置決めは容易である。さらに、本実施形態では、第3のL&Sパターン53のラインパターン52Aは窒化ケイ素、第4のL&Sパターン55のラインパターン54Aは二酸化ケイ素であり、ラインパターン52A及び54Aは互いにエッチング特性が異なっている。
【0039】
次のステップ118において、ウエハWの第3、第4のL&Sパターン53,55を覆うように、
図7(D)に示すように、例えばACL(Amorphous Carbon Layer)のような炭素を含む材料からなる有機膜58、BARC(Bottom Anti-Reflection Coating)膜60A、及び例えばポジ型のフォトレジスト層46Cを形成する。さらに、ウエハWを露光装置100に搬送し、
図8(A)の斜線部が施された部分を遮光部とする第3のレチクルのパターンの像R3PをウエハWに露光する。像R3Pは、第3のL&Sパターン53(ラインパターン52A)のうちで残しておく部分を覆う形状であればよい。このため、像R3Pの解像度はX方向がほぼ2d(ハーフピッチ)でY方向がほぼ3e(ハーフピッチ)程度であればよく、露光装置EXで高精度に露光することができる。さらに、像R3PのX方向及びY方向のアライメント精度はそれぞれ±d/2及び±e/2以下であればよく、露光時のアライメントは容易である。また、
図7(E)及び
図8(A)〜(D)等中には、
図2(B)のホールパターン74,74A,74Cの位置を点線で示している。
【0040】
その後、露光後のウエハWをコータ・デベロッパ200で現像し、残されたレジストパターンをマスクとしてBARC膜60Aをエッチングし、さらに有機膜58をエッチングしてBARC膜60A等を除去することで、
図8(B)に示すように、像R3Pに対応する部分に有機膜58のパターンである保護パターン58Aが残される。この際に、保護パターン58A以外の部分で第3L&Sパターンのラインパターン52A及び第4L&Sパターンのラインパターン54Aが露出される。
【0041】
さらに、第3L&Sパターン53(SiNよりなるラインパターン52A)のみをエッチングして、第4L&Sパターン55(SiO
2よりなるラインパターン54A)、有機膜部58及びハードマスク層50はエッチングしないエッチング液(又はプラズマエッチング相)を用いて、保護パターン58Aをマスクとして第3L&Sパターン53(ラインパターン52A)のみをエッチングする。例えばプラズマエッチングを用いる場合、SiNよりなるラインパターン52Aのみをエッチングするエッチングガスとして、六フッ化ガス(CF
6)をヘリウム(He)ガスで希釈したものを使用できる。これにより、
図8(C)に示すように、第3L&Sパターン53の一部が除去され、ラインパターン52Aのうち保護パターン58Aの底部にある部分パターン52A1が残される。その後、保護パターン58Aをエッチングにより除去することで、
図8(D)に示すように、部分パターン52A1が露出される。
【0042】
次のステップ120において、
図8(D)のウエハWの表面を覆うように、
図9(A)に示すように、例えばACLのような炭素を含む材料からなる有機膜59、BARC膜60B、及び例えばポジ型のフォトレジスト層46Dを形成する。さらに、ウエハWを露光装置100に搬送し、
図9(A)の斜線部が施された部分を遮光部とする第4のレチクルのパターンの像R4PをウエハWに露光する。像R4Pは、第4のL&Sパターン55(ラインパターン54A)のうちで残しておく部分を覆う形状であればよい。このため、像R4Pの解像度はX方向がほぼ2d(ハーフピッチ)でY方向がほぼ3e(ハーフピッチ)程度であればよく、露光装置EXで高精度に露光することができる。さらに、像R4PのX方向及びY方向のアライメント精度はそれぞれ±d/2及び±e/2以下であればよく、露光時のアライメントは容易である。
【0043】
その後、露光後のウエハWをコータ・デベロッパ200で現像し、残されたレジストパターンをマスクとしてBARC膜60Bをエッチングし、さらに有機膜59をエッチングしてBARC膜60B等を除去することで、
図9(B)に示すように、像R4Pに対応する部分に有機膜59のパターンである保護パターン59Aが残される。この際に、保護パターン59A以外の部分で部分パターン52A1(ラインパターン52Aの一部)及び第4L&Sパターンのラインパターン54Aが露出される。
【0044】
さらに、有機膜59、部分パターン52A1(SiNよりなるラインパターン52A)及びハードマスク層50をエッチングすることなく、第4L&Sパターン55(SiO
2よりなるラインパターン54A)のみをエッチングするエッチング液(又はプラズマエッチング相)を用いて、保護パターン59Aをマスクとして第4L&Sパターン55(ラインパターン54A)のみをエッチングする。例えばプラズマエッチングを用いる場合、SiO
2よりなるラインパターン54Aのみをエッチングするエッチングガスとして、三フッ化メタン(CHF
3)、又は四フッ化炭素(CF
4)などのC−F系ガス(フッ素系ガス)をアルゴン(Ar)ガスで希釈したものを使用できる。これにより、
図9(C)に示すように、ラインパターン54Aの一部が除去される。その後、保護パターン59Aを除去する。このとき、
図9(D)に示すように、ラインパターン54Aのうち保護パターン59Aの底面にあった部分パターン54A1のみが残される。
図9(D)から分かるように、残された部分パターン52A1及び54A1は、ホールパターン74等のX方向のエッジ部の位置を規定している。
【0045】
次のステップ122において、
図10(A)に示すように、ウエハWのハードマスク層50上の部分パターン52A1,54A1間に、第2マスク層42と同じ有機系材料からなる第1マスク層の材料56を充填し、その表面をCMPによって平坦化する。そして、ステップ124において、
図10(B)に示すように、ウエハWの部分パターン52A1(第3L&Sパターン53)、部分パターン54A1(第4L&Sパターン55)、及びハードマスク層50(第2L&Sパターン43のライン部42Bの材料を含み、これらのうち、部分パターン52A1,54A1の底部にあった部分)を順次エッチングによって除去する。これによって、第1マスク層の材料56のうちで、部分パターン52A1,54A1があった部分がそれぞれホールパターン74等のX方向のエッジ部の位置を規定する開口部56aとなる。この結果、デバイス層38の上方に第2L&Sパターン43(第2マスク層42)と、開口部56aが設けられた材料56(第1マスク層)とが積み重ねるように形成されたことになる。
【0046】
この場合、開口部56aが設けられた材料56は、
図11(A)に示すように、複数の開口部56aの部分でエッチングが可能な第1のマスクパターンMP1とみなすことができる。また、第2L&Sパターン43は、
図11(B)に示すように、ラインパターン42Aの間のスペース部42B(開口部)でエッチングが可能な第2のマスクパターンMP2とみなすことができる。ただし、実際には、マスクパターンMP2のスペース部42Bのうち、マスクパターンMP1の材料56が残っている部分の底部では、ハードマスク層50の材料が残っている。この結果、マスクパターンMP1及びMP2を介して下層の材料をエッチングする場合、マスクパターンMP1及びMP2は、
図10(C)に示すように、マスクパターンMP1の開口部56aとマスクパターンMP2の開口部(スペース部42B)とが重なった部分がX方向の幅d、2d等でY方向の幅eの複数の開口部MP3a,MP3b,MP3cとなっている合成マスクパターンMP3として作用する。合成マスクパターンMP3の複数の開口部MP3a等は
図2(A)の回路パターン70中の複数のホールパターン74等と同じ配列である。
【0047】
そして、ステップ126において、
図11(D)に示すように、第1マスク層及び第2マスク層よりなる合成マスクパターンMP3を介して第1中間層40をエッチングして、第1中間層40のホールパターン74等に対応する位置にそれぞれ開口40a等を形成する。また、ステップ128において、第1中間層40を介してデバイス層38のラインパターン38A(72)をエッチングすることによって、
図11(E)に示すように、各ラインパターン38Aに非周期的な配列でホールパターン74等が形成された回路パターン70が形成される。
【0048】
このように本実施形態によれば、ステップ104,108で4倍パターン形成法又は2倍パターン形成法を用いてL&Sパターン71及び43(第2マスク層のパターン)を形成しているため、露光装置100の解像限界よりも微細な周期的なパターンを、露光装置100を用いてウエハWに高精度に形成できる。また、ステップ112〜116では、実質的に2倍パターン形成法を用いて第3L&Sパターン53及び第4L&Sパターン55(第1マスク層のパターン)を形成しているため、露光装置100の解像限界よりも微細な線幅のパターンを、エッジ部が隣接するように高精度に形成することができる。また、ステップ118,120で、第3L&Sパターン53及び第4L&Sパターン55のエッチング特性の相違を利用して、L&Sパターン53,55の一部を順次選択的に除去している。従って、形成対象の露光装置100の解像限界よりも微細な間隔で不規則に配列されたホールパターン74等に対応する開口部56aを形成するためのパターン(部分パターン52A1,54A1)を、露光装置100(リソグラフィー工程)を用いて形成できる。従って、最終的に形成される合成マスクパターンMP3を用いて第1中間層40及びデバイス層38をエッチングすることによって(ステップ126,128)、露光装置100の解像限界よりも微細な非周期的な部分(ホールパターン74)を含む回路パターン70を高精度に形成できる。
【0049】
本実施形態の効果等は以下の通りである。
本実施形態の露光装置100を含むパターン形成システムを用いたパターン形成方法は、ウエハW(基板)にX方向に配列された複数の第1ラインパターン38A(72)を有する第1のL&Sパターン71(第1パターン)を形成するステップ104と、第1のL&Sパターン71を覆うように第1中間層40(第1層)を形成するステップ106と、第1中間層40(第1層)上の第1マスク層(第2層)に、Y方向(第1方向)を長手方向とする複数のラインパターン52Aと、Y方向を長手方向とするとともにラインパターン52A(第1のラインパターン)とエッチング特性が異なる複数のラインパターン54A(第2のラインパターン)とを、少なくとも一方のエッジ部が隣接するように形成するステップ112〜116と、複数のラインパターン52Aの一部をエッチングによって除去するステップ118と、複数のラインパターン54Aの一部をエッチングによって除去するステップ120と、その第1マスク層のラインパターン52A,54Aが抜けている部分に材料56(第1マスク層の材料)を堆積するステップ122と、材料56(第1マスク層)中の部分パターン52A1,54A1を除去して第1のマスクパターンMP1を形成するステップ124と、第1のマスクパターンMP1を介して第1中間層40を加工するステップ126と、を有する。
【0050】
本実施形態によれば、露光装置100を用いて形成したレジストパターンRP3(又はRP4)よりなるラインパターンに基づいて、微細な線幅の複数のラインパターン52Aを形成でき、この複数のラインパターン52Aに基づいて複数のラインパターン54Aを形成できる。さらに、ラインパターン52A,54Aのエッチング特性の相違を利用して、ラインパターン52A,54Aの一部を順次除去することによって、非周期的な部分(開口部56aに対応する部分)が形成できる。そして、その非周期的な部分を開口部とする第1のマスクパターンMP1を介して第1中間層40を加工することで、微細な間隔で非周期的に配列されたホールパターン74,74A,74Cを高精度に形成できる。
【0051】
従って、露光装置100の解像限界よりも微細な非周期的な部分(ホールパターン74,74A,74C)を含む回路パターン70を、露光装置100による露光を含むリソグラフィー工程を用いて高精度に形成できる。
また、ステップ102,108,及びステップ112〜116では、実質的に4倍又は2倍パターン形成法を用いているため、露光装置100の解像限界よりも微細な周期的なパターンを高精度に形成できる。なお、形成する対象のホールパターン74,74A,74Cの大きさ及び間隔が例えば露光装置100の解像限界の1/2以下よりも大きい場合には、ステップ102,108,及びステップ112〜116では、実質的にダブルパターニング法(例えばスペーサ・ダブルパターニング法)を用いることができる。さらに、スペーサ・ダブルパターニング法の代わりに、二重露光法(Double Exposure Process)、LELE(Litho-Etch-Litho-Etch)法、又はLPLE(Litho-Process-Litho-Etch)法等によるダブルパターニング法(ピッチ分割法)を用いることも可能である。
【0052】
なお、上記の実施形態において、SiN部(ラインパターン52A)をSiO
2部(ラインパターン54A)に対して選択的にドライエッチングするには、例えば特開平08−264510号公報に開示される如き、フッ素ラジカルと水素ラジカルを使用するケミカルドライエッチングを採用してもよい。
また、SiN部(ラインパターン52A)とSiO
2部(ラインパターン54A)とを選択的にエッチングする条件として、例えば特開平05−160077号公報に開示されるように、SiN(窒化ケイ素)のドライエッチング時にエッチングガスとしてCHF
3,CF
4,Ar及び酸素(O
2)を用い、SiO
2部(二酸化ケイ素)のドライエッチング時にエッチングガスとしてCHF
3,CF
4,及びArを用いてもよい。
さらに、例えばラインパターン52Aをアルミニウム等の金属膜から形成し、ラインパターン54AをSiNから形成し、ラインパターン52Aのエッチングを塩素系ガスを用いて行い、ラインパターン54Aのエッチングを上記のフッ素系ガスを用いて行うようにしてもよい。
【0053】
また、上記の実施形態では、例えば4倍パターン形成法で元になるL&Sパターン(レチクルのパターンの像)からピッチが1/4のL&Sパターンを形成している。しかしながら、元になるパターンに対してスペーサ・ダブルパターニング法をk回(kは3以上の整数)繰り返すことによって、その元のパターンのピッチに対して1/(2
k)のピッチを持つL&Sパターン(これが第1のL&Sパターン71、第2L&Sパターン43、第3L&Sパターン53,53A、及び/又は第4L&Sパターン55,55Aになる)を形成することも可能である。これによって、露光装置100の解像限界の1/4よりも微細な周期的及び非周期的な構造を持つ回路パターンを形成可能である。
【0054】
また、上記の各実施形態では、周期的なパターン(第1のL&Sパターン71)の一部を除去しているが、非周期的なパターンの一部を除去する場合にも上記の実施形態のパターン形成方法が適用可能である。また、周期的なパターン又は非周期的なパターンに非周期的なパターンを付加する場合にも上記のパターン形成方法が適用可能である。
また、上記の各実施形態では、第1及び第2のラインパターン(第3のL&Sパターン53及び第4のL&Sパターン55)が抜けている部分に第1のマスク材料56を充填して第1マスク層を形成したが、第1及び第2のラインパターンが残されている部分を利用して、その下層の一部をエッチングしてもよい。
【0055】
また、上記の各実施形態では、互いにエッチング特性が異なる第1及び第2のラインパターン(第3のL&Sパターン53及び第4のL&Sパターン55)を用いたが、これら第1及び第2のラインパターンの一方だけを用いてもよい。
次に、上記の各実施形態のパターン形成方法を用いてSRAM等の半導体デバイス(電子デバイス)を製造する場合、半導体デバイスは、
図12に示すように、半導体デバイスの機能・性能設計を行うステップ221、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ222、半導体デバイス用の基板(又はウエハの基材)を製造するステップ223、基板処理ステップ224、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)225、及び検査ステップ226等を経て製造される。また、その基板処理ステップ224は、上記の実施形態のパターン形成方法(
図3のステップ102〜128)を含み、そのパターン形成方法は、露光装置でレチクルのパターンを基板に露光する工程、露光した基板を現像する工程、並びに現像した基板の加熱(キュア)及びエッチングを行う工程などを含んでいる。
【0056】
言い換えると、このデバイス製造方法は、基板処理ステップ224を含み、この基板処理ステップ224は、上記の実施形態のパターン形成方法を用いて基板(ウエハW)上にホールパターン74,74A,74Cを形成する工程を含んでいる。また、一例として、基板上に形成されるパターンは、周期的パターン(第1のL&Sパターン71)の一部を除去したパターンである。
【0057】
このデバイスの製造方法によれば、露光装置の解像限界よりも微細な非周期的な部分を含む回路パターンを含む半導体デバイスを、露光装置を用いて高精度に製造できる。
なお、上記の実施形態で製造対象のデバイスは、SRAM以外のDRAM、CPU、DSP等の任意の半導体デバイスが可能である。さらに、半導体デバイス以外の撮像素子、MEMS(Microelectromechanical Systems)等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造する際にも上記の実施形態のパターン形成方法が適用可能である。
【0058】
また、上記の実施形態において、露光装置としては、液浸型でないドライ型の露光装置を使用してもよい。また、紫外光を露光光とする露光装置以外に、露光光として波長が数nm〜数10nm程度のEUV光(Extreme Ultraviolet Light)を用いるEUV露光装置、又は電子ビームを露光光とする電子ビーム露光装置等を用いてもよい。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。