特許第6348021号(P6348021)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6348021測定器のパラメータ設定方法及び測定器のパラメータ設定プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6348021
(24)【登録日】2018年6月8日
(45)【発行日】2018年6月27日
(54)【発明の名称】測定器のパラメータ設定方法及び測定器のパラメータ設定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0484 20130101AFI20180618BHJP
   G01B 21/00 20060101ALI20180618BHJP
【FI】
   G06F3/0484 170
   G01B21/00 Z
【請求項の数】16
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-176859(P2014-176859)
(22)【出願日】2014年9月1日
(65)【公開番号】特開2016-51363(P2016-51363A)
(43)【公開日】2016年4月11日
【審査請求日】2017年8月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000137694
【氏名又は名称】株式会社ミツトヨ
(74)【代理人】
【識別番号】100166545
【弁理士】
【氏名又は名称】折坂 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】辻本 康裕
(72)【発明者】
【氏名】木和田 健史
【審査官】 星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−005247(JP,A)
【文献】 特開2000−293333(JP,A)
【文献】 特開2014−032195(JP,A)
【文献】 特開2009−288116(JP,A)
【文献】 特開2000−075989(JP,A)
【文献】 特開2009−075763(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0032413(US,A1)
【文献】 特開2001−067203(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048
G01B 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定器とコンピュータとを接続し、前記コンピュータの画面上で操作を受け付けて前記測定器の測定に関するパラメータを設定する方法であって、
前記測定器に記憶された機種情報、測定に関する設定項目及び前記設定項目に対応したパラメータを読み出して、前記コンピュータの記憶部に一時的に記憶する工程と、
前記機種情報に対応した前記測定器の外観画像を前記画面に表示するとともに、前記画面上で操作を選択するためのアイコンを前記画面上の前記外観画像の所定位置に対応付けして表示する工程と、
前記アイコンの選択を受け付けた場合、前記アイコンに対応付けされた前記所定位置と関連する前記測定器での操作によって選択可能となる前記設定項目を前記画面に表示する工程と、
前記設定項目に対応した前記パラメータの変更を前記コンピュータで受け付ける工程と、
変更後の前記パラメータを前記コンピュータから前記測定器へ送信する工程と、
を備え
前記パラメータの変更を受け付ける工程では、変更後の前記パラメータを前記記憶部に一時的に記憶した後、取消指示を受け付けた場合、前記記憶部に記憶された変更後の前記パラメータを元のパラメータに戻すことを特徴とする測定器のパラメータ設定方法。
【請求項2】
前記パラメータの変更を受け付ける工程では、変更後の前記パラメータを前記記憶部に一時的に記憶し、
変更後の前記パラメータを前記測定器へ送信する工程では、前記記憶部に記憶された変更後の前記パラメータを読み出して前記測定器へ送信することを特徴とする請求項1記載の測定器のパラメータ設定方法。
【請求項3】
変更後の前記パラメータを前記測定器へ送信する工程では、前記記憶部に記憶された全ての前記設定項目に対応した前記パラメータを読み出して一括して前記測定器へ送信することを特徴とする請求項2記載の測定器のパラメータ設定方法。
【請求項4】
前記設定項目を前記画面に表示する工程では、前記測定器に取り付けられるアタッチメントの種類を選択する項目を表示し、
前記パラメータの変更を受け付ける工程では、前記アタッチメントの種類に対応した寸法を受け付けて、前記アタッチメントを用いて測定する際に用いる演算の係数を前記寸法から算出することを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の測定器のパラメータ設定方法。
【請求項5】
前記コンピュータでのみ前記パラメータを変更可能とする前記設定項目に対応したアイコンを前記画面に表示する工程をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の測定器のパラメータ設定方法。
【請求項6】
前記設定項目と対応して前記パラメータの変更を禁止するか否かを前記コンピュータでのみ選択可能とする禁止可否選択項目を前記画面に表示する工程と、
前記禁止可否選択項目において前記パラメータの変更を禁止する設定を受け付けた場合、前記禁止可否選択項目と対応する前記設定項目の前記パラメータの変更を前記測定器で禁止する旨の情報を前記コンピュータから前記測定器へ送信する工程と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の測定器のパラメータ設定方法。
【請求項7】
前記記憶部に一時的に記憶された前記設定項目及び前記設定項目に対応した前記パラメータを前記画面に一覧表示する一覧表示アイコンを前記画面に表示する工程をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の測定器のパラメータ設定方法。
【請求項8】
前記パラメータの変更を受け付ける工程では、変更された前記パラメータの前記設定項目を、前記パラメータの変更されていない前記設定項目とは異なる態様で前記画面に表示することを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の測定器のパラメータ設定方法。
【請求項9】
測定器とコンピュータとを接続し、前記コンピュータの画面上で操作を受け付けて前記測定器の測定に関するパラメータを設定するプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記測定器に記憶された機種情報、測定に関する設定項目及び前記設定項目に対応したパラメータを読み出して、前記コンピュータの記憶部に一時的に記憶する手段、
前記機種情報に対応した前記測定器の外観画像を前記画面に表示するとともに、前記画面上で操作を選択するためのアイコンを前記画面上の前記外観画像の所定位置に対応付けして表示する手段、
前記アイコンの選択を受け付けた場合、前記アイコンに対応付けされた前記所定位置と関連する前記測定器での操作によって選択可能となる前記設定項目を前記画面に表示する手段、
前記設定項目に対応した前記パラメータの変更を受け付ける手段、
変更後の前記パラメータを前記測定器へ送信する手段、
として機能させ
前記パラメータの変更を受け付ける手段では、変更後の前記パラメータを前記記憶部に一時的に記憶した後、取消指示を受け付けた場合、前記記憶部に記憶された変更後の前記パラメータを元のパラメータに戻すことを特徴とする測定器のパラメータ設定プログラム。
【請求項10】
前記パラメータの変更を受け付ける手段では、変更後の前記パラメータを前記記憶部に一時的に記憶し、
変更後の前記パラメータを前記測定器へ送信する手段では、前記記憶部に記憶された変更後の前記パラメータを読み出して前記測定器へ送信することを特徴とする請求項記載の測定器のパラメータ設定プログラム。
【請求項11】
変更後の前記パラメータを前記測定器へ送信する手段では、前記記憶部に記憶された全ての前記設定項目に対応した前記パラメータを読み出して一括して前記測定器へ送信することを特徴とする請求項10記載の測定器のパラメータ設定プログラム。
【請求項12】
前記設定項目を前記画面に表示する手段では、前記測定器に取り付けられるアタッチメントの種類を選択する項目を表示し、
前記パラメータの変更を受け付ける手段では、前記アタッチメントの種類に対応した寸法を受け付けて、前記アタッチメントを用いて測定する際に用いる演算の係数を前記寸法から算出することを特徴とする請求項10または11に記載の測定器のパラメータ設定プログラム。
【請求項13】
前記コンピュータでのみ前記パラメータを変更可能とする前記設定項目に対応したアイコンを前記画面に表示する手段をさらに備えたことを特徴とする請求項10〜12のいずれか1つに記載の測定器のパラメータ設定プログラム。
【請求項14】
前記設定項目と対応して前記パラメータの変更を禁止するか否かを前記コンピュータでのみ選択可能とする禁止可否選択項目を前記画面に表示する手段と、
前記禁止可否選択項目において前記パラメータの変更を禁止する設定を受け付けた場合、前記禁止可否選択項目と対応する前記設定項目の前記パラメータの変更を前記測定器で禁止する旨の情報を前記コンピュータから前記測定器へ送信する手段と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項10〜13のいずれか1つに記載の測定器のパラメータ設定プログラム。
【請求項15】
前記記憶部に一時的に記憶された前記設定項目及び前記設定項目に対応した前記パラメータを前記画面に一覧表示する一覧表示アイコンを前記画面に表示する手段をさらに備えたことを特徴とする請求項10〜14のいずれか1つに記載の測定器のパラメータ設定プログラム。
【請求項16】
前記パラメータの変更を受け付ける手段では、変更された前記パラメータの前記設定項目を、前記パラメータの変更されていない前記設定項目とは異なる態様で前記画面に表示することを特徴とする請求項10〜15のいずれか1つに記載の測定器のパラメータ設定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定器に記憶される各種のパラメータの設定を行う測定器のパラメータ設定方法及び測定器のパラメータ設定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
測定子の変位量によって対象物の高さなどを測定する測定器においては、近年、測定値を液晶パネルなどに表示するデジタル式が多く用いられている。デジタル式の測定器においては、様々な測定モードに応じた測定条件、表示設定など、各種のパラメータを設定することで、ユーザの選択した測定モードで正確かつ容易な測定を行うことができるようになっている。
【0003】
特許文献1には、変位検出測定機からコンピュータへ測定データを入力し、コンピュータのモニタに測定データと変位検出測定機のモデル画像とを表示して、変位検出測定機の状態を常にモニタ上で確認できるシステムが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、可搬式測定ゲージとリモート装置とを接続して、可搬式測定ゲージのディスプレイ表示を、外部のリモート装置で行う構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−233801号公報
【特許文献2】特開2014−032195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、例えば手で持てるような小型の測定器においては、液晶パネル等の表示部の大きさが小さく、ボタンの配置や数にも制限がある。このため、測定器で各種パラメータを設定するには、操作性が劣るという問題がある。特に、豊富な機能を備えた測定器では、事前に多くのパラメータを設定しておく必要がある。また、一旦設定したパラメータを変更したい場合もある。このような場合、何回もボタンを操作しなければならない。このように、ボタン操作によってパラメータの設定や変更を行うことはできるものの、小さな表示部を参照しながらでは、操作しにくいという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、測定器のパラメータ設定を容易に行うことができる測定器のパラメータ設定方法及び測定器のパラメータ設定プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の測定器のパラメータ設定方法は、測定器とコンピュータとを接続し、コンピュータの画面上で操作を受け付けて測定器の測定に関するパラメータを設定する方法であって、測定器に記憶された機種情報、測定に関する設定項目及び設定項目に対応したパラメータを読み出して、コンピュータの記憶部に一時的に記憶する工程と、機種情報に対応した測定器の外観画像を画面に表示するとともに、画面上で操作を選択するためのアイコンを画面上の外観画像の所定位置に対応付けして表示する工程と、アイコンの選択を受け付けた場合、アイコンに対応付けされた所定位置と関連する測定器での操作によって選択可能となる設定項目を画面に表示する工程と、設定項目に対応したパラメータの変更をコンピュータで受け付ける工程と、変更後のパラメータをコンピュータから測定器へ送信する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
このような構成によれば、測定器に記憶された機種情報、設定項目及びパラメータをコンピュータで読み取り、コンピュータの画面上の操作によってパラメータの変更を行うことができる。本発明では、コンピュータの画面上に測定器の外観画像が表示され、この外観画像の所定位置に対応してアイコンを表示している。ユーザは、コンピュータの画面に表示されたアイコンを選択することで、実際の測定器を操作した場合と同様な動作の流れによって設定項目を選択でき、画面を参照しながらパラメータを変更することができる。
【0010】
本発明の測定器のパラメータ設定方法において、パラメータの変更を受け付ける工程では、変更後のパラメータを記憶部に一時的に記憶することを含み、変更後のパラメータを測定器へ送信する工程は、記憶部に記憶された変更後のパラメータを読み出して測定器へ送信するようにしてもよい。このような構成によれば、変更後のパラメータを記憶部に一時的に記憶しておき、所定の指示を待ってから測定器へ送信することができる。
【0011】
本発明の測定器のパラメータ設定方法において、変更後のパラメータを測定器へ送信する工程では、記憶部に記憶された全ての設定項目に対応したパラメータを読み出して一括して測定器へ送信するようにしてもよい。このような構成によれば、変更後のパラメータを所定の指示を待ってから一括して測定器へ送信することができる。
【0012】
本発明の測定器のパラメータ設定方法において、パラメータの変更を受け付ける工程では、変更後のパラメータを記憶部に一時的に記憶した後、取消指示を受け付けた場合、記憶部に記憶された変更後のパラメータを元のパラメータに戻すようにしてもよい。このような構成によれば、記憶部に一時的に記憶した変更後のパラメータについて、取消指示があった場合には、元のパラメータに戻すことができる。
【0013】
本発明の測定器のパラメータ設定方法において、設定項目を画面に表示する工程では、測定器に取り付けられるアタッチメントの種類を選択する項目を表示し、パラメータの変更を受け付ける工程では、アタッチメントの種類に対応した寸法を受け付けて、アタッチメントを用いて測定する際に用いる演算の係数を前記寸法から算出してもよい。
【0014】
このような構成によれば、測定器に取り付けたアタッチメントの種類に対応して、このアタッチメントを用いて測定する際の演算の係数を自動的に算出することができる。これにより、アタッチメントを取り替えた場合でも、容易に演算の係数を設定することができる。
【0015】
本発明の測定器のパラメータ設定方法において、コンピュータでのみパラメータを変更可能とする設定項目に対応したアイコンを画面に表示する工程をさらに備えていてもよい。このような構成によれば、測定器では変更できないパラメータをコンピュータでのみ変更することができようになる。
【0016】
本発明の測定器のパラメータ設定方法において、設定項目と対応してパラメータの変更を禁止するか否かをコンピュータでのみ選択可能とする禁止可否選択項目を画面に表示する工程と、禁止可否選択項目においてパラメータの変更を禁止する設定を受け付けた場合、禁止可否選択項目と対応する設定項目のパラメータの変更を測定器で禁止する旨の情報をコンピュータから測定器へ送信する工程と、をさらに備えていてもよい。
【0017】
このような構成によれば、コンピュータで禁止可否選択項目に対応した設定項目のパラメータ変更を禁止する設定を行うと、測定器でのパラメータの変更を不可能にする、すなわちパラメータの変更に関してロックをかけることができる。
【0018】
本発明の測定器のパラメータ設定方法において、記憶部に一時的に記憶された設定項目及び設定項目に対応したパラメータを画面に一覧表示する一覧表示アイコンを画面に表示する工程をさらに備えていてもよい。このような構成によれば、測定器の設定項目及びパラメータの一覧をコンピュータの画面に表示させることができる。
【0019】
本発明の測定器のパラメータ設定方法において、パラメータの変更を受け付ける工程では、変更されたパラメータの設定項目を、パラメータの変更されていない設定項目とは異なる態様で画面に表示するようにしてもよい。このような構成によれば、パラメータが変更された設定項目を画面表示で容易に把握することができる。
【0020】
本発明の測定器のパラメータ設定プログラムは、測定器とコンピュータとを接続し、コンピュータの画面上で操作を受け付けて測定器の測定に関するパラメータを設定するプログラムであって、コンピュータを、測定器に記憶された機種情報、測定に関する設定項目及び設定項目に対応したパラメータを読み出して、コンピュータの記憶部に一時的に記憶する手段、機種情報に対応した測定器の外観画像を画面に表示するとともに、画面上で操作を選択するためのアイコンを画面上の外観画像の所定位置に対応付けして表示する手段、アイコンの選択を受け付けた場合、アイコンに対応付けされた所定位置と関連する測定器での操作によって選択可能となる設定項目を画面に表示する手段、設定項目に対応したパラメータの変更を受け付ける手段、変更後のパラメータを測定器へ送信する手段、として機能させることを特徴とする。
【0021】
このような構成によれば、コンピュータで実行されるプログラムによって、測定器に記憶された機種情報、設定項目及びパラメータを読み取り、コンピュータの画面上の操作によってパラメータの変更を行うことができる。本発明では、コンピュータの画面上に測定器の外観画像が表示され、この外観画像の所定位置に対応してアイコンを表示している。ユーザは、コンピュータの画面に表示されたアイコンを選択することで、実際の測定器を操作した場合と同様な動作の流れによって設定項目を選択でき、画面を参照しながらパラメータを変更することができる。
【0022】
本発明の測定器のパラメータ設定プログラムにおいて、パラメータの変更を受け付ける手段では、変更後のパラメータを記憶部に一時的に記憶し、変更後のパラメータを測定器へ送信する手段では、記憶部に記憶された変更後のパラメータを読み出して測定器へ送信してもよい。このような構成によれば、変更後のパラメータを記憶部に一時的に記憶しておき、所定の指示を待ってから測定器へ送信することができる。
【0023】
本発明の測定器のパラメータ設定プログラムにおいて、変更後のパラメータを測定器へ送信する手段では、記憶部に記憶された全ての設定項目に対応したパラメータを読み出して一括して測定器へ送信するようにしてもよい。このような構成によれば、変更後のパラメータを所定の指示を待ってから一括して測定器へ送信することができる。
【0024】
本発明の測定器のパラメータ設定プログラムにおいて、パラメータの変更を受け付ける手段では、変更後のパラメータを記憶部に一時的に記憶した後、取消指示を受け付けた場合、記憶部に記憶された変更後のパラメータを元のパラメータに戻すようにしてもよい。このような構成によれば、記憶部に一時的に記憶した変更後のパラメータについて、取消指示があった場合には、元のパラメータに戻すことができる。
【0025】
本発明の測定器のパラメータ設定プログラムにおいて、設定項目を画面に表示する手段では、測定器に取り付けられるアタッチメントの種類を選択する項目を表示し、パラメータの変更を受け付ける手段では、アタッチメントの種類に対応した寸法を受け付けて、アタッチメントを用いて測定する際に用いる演算の係数を寸法から算出するようにしてもよい。
【0026】
このような構成によれば、測定器に取り付けたアタッチメントの種類に対応して、このアタッチメントを用いて測定する際の演算の係数を自動的に算出することができる。これにより、アタッチメントを取り替えた場合でも、容易に演算の係数を設定することができる。
【0027】
本発明の測定器のパラメータ設定プログラムにおいて、コンピュータでのみパラメータを変更可能とする設定項目に対応したアイコンを画面に表示する手段をさらに備えていてもよい。このような構成によれば、測定器では変更できないパラメータをコンピュータでのみ変更することができようになる。
【0028】
本発明の測定器のパラメータ設定プログラムにおいて、設定項目と対応してパラメータの変更を禁止するか否かをコンピュータでのみ選択可能とする禁止可否選択項目を画面に表示する手段と、禁止可否選択項目においてパラメータの変更を禁止する設定を受け付けた場合、禁止可否選択項目と対応する設定項目のパラメータの変更を測定器で禁止する旨の情報をコンピュータから測定器へ送信する手段と、をさらに備えていてもよい。
【0029】
このような構成によれば、コンピュータで禁止可否選択項目に対応した設定項目のパラメータ変更を禁止する設定を行うと、測定器でのパラメータの変更を不可能にする、すなわちパラメータの変更に関してロックをかけることができる。
【0030】
本発明の測定器のパラメータ設定プログラムにおいて、記憶部に一時的に記憶された設定項目及び設定項目に対応したパラメータを画面に一覧表示する一覧表示アイコンを画面に表示する手段をさらに備えていてもよい。このような構成によれば、測定器の設定項目及びパラメータの一覧をコンピュータの画面に表示させることができる。
【0031】
本発明の測定器のパラメータ設定プログラムにおいて、パラメータの変更を受け付ける手段では、変更されたパラメータの設定項目を、パラメータの変更されていない設定項目とは異なる態様で画面に表示するようにしてもよい。このような構成によれば、パラメータが変更された設定項目を画面表示で容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本実施形態に係る測定器のパラメータ設定方法を説明する図である。
図2】測定器のパラメータ設定プログラムの流れを例示するフローチャートである。
図3】(a)〜(c)は、外観画像の表示例を示す図である。
図4】(a)〜(c)は、「MENU」アイコンが選択された場合の表示例を示す図である。
図5】(a)〜(c)は、「OTHER」アイコンが選択された場合の表示例を示す図である。
図6】具体的な画面遷移の例と、パラメータ設定の例を示す図である。
図7】具体的な画面遷移の例と、パラメータ設定の例を示す図である。
図8】具体的な画面遷移の例と、パラメータ設定の例を示す図である。
図9】具体的な画面遷移の例と、パラメータ設定の例を示す図である。
図10】具体的な画面遷移の例と、パラメータ設定の例を示す図である。
図11】具体的な画面遷移の例と、パラメータ設定の例を示す図である。
図12】具体的な画面遷移の例と、パラメータ設定の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0034】
図1は、本実施形態に係る測定器のパラメータ設定方法を説明する図である。図1(a)には測定器10及びコンピュータ20の接続状態が表され、図1(b)にはコンピュータ20のブロック構成図が表される。
【0035】
図1(a)に表したように、本実施形態に係る測定器10のパラメータ設定方法は、測定器10とコンピュータ20とを接続し、コンピュータ20のモニタ22上で操作を受け付けて測定器10の測定に関するパラメータを設定する方法である。測定器10とコンピュータ20とは、例えばケーブル30によって接続される。なお、測定器10とコンピュータ20との間に変換器(図示せず)を設けてもよい。変換器は、測定器10とコンピュータ20との間のデータ構造及び通信規格を整合させる機能を有する。また、測定器10とコンピュータ20とは無線通信によって接続されてもよい。
【0036】
測定器10は、測定子15の変位量に基づく測定値を表示部12に表示するインジケータである。測定器10は、略円形の正面を有する本体筐体11を備える。本体筐体11の下側には、本体筐体11に対して進退可能に設けられたスピンドル16が延出している。このスピンドル16の先端には測定子15が取り付けられる。測定子15を対象物の測定点に接触させることで測定点の高さに応じてスピンドル16が縮むことになる。このスピンドル16の縮む量、すなわち測定子15の変位量に応じた測定値や演算によって求められる値が表示部12に表示される。
【0037】
本体筐体11の正面には複数のボタン13が設けられる。複数のボタン13を適宜操作することで、測定モードや設定モードなどの切り替えや、測定に関する各種のパラメータの設定(新たな設定及び変更を含む。)を行うことができる。
【0038】
本実施形態では、測定器10と接続したコンピュータ20によって、測定器10のパラメータを設定することができる。コンピュータ20は、本体21及びモニタ22を有する。図1(b)に表したように、コンピュータ20は、CPU(Central Processing Unit)211、インタフェース212、出力部213、入力部214、主記憶部215及び副記憶部216を備える。
【0039】
CPU211は、各種プログラムの実行によって各部を制御する。インタフェース212は、外部機器との情報入出力を行う部分である。本実施形態では、測定器10から送られる情報をインタフェース212を介してコンピュータ20に取り込む。また、コンピュータ20からインタフェース212を介して情報を測定器10へ送る。インタフェース212は、コンピュータ20をLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)に接続する部分でもある。
【0040】
出力部213は、コンピュータ20で処理した結果を出力する部分である。出力部213には、例えば、図1(a)に示すモニタ22や、プリンタなどが用いられる。入力部214は、ユーザから情報を受け付ける部分である。入力部214には、キーボードやマウスなどが用いられる。また、入力部214は、記録媒体MMに記録された情報を読み取る機能を含む。
【0041】
主記憶部215には、例えばRAM(Random Access Memory)が用いられる。主記憶部215の一部として、副記憶部216の一部が用いられてもよい。副記憶部216には、例えばHDD(Hard disk drive)やSSD(Solid State Drive)が用いられる。副記憶部216は、ネットワークを介して接続された外部記憶装置であってもよい。
【0042】
本実施形態に係る測定器10のパラメータ設定方法は、先ず、測定器10とコンピュータ20とを接続し、測定器10に記憶された機種情報、測定に関する設定項目及びこの設定項目に対応したパラメータを読み出し、コンピュータ20の記憶部(例えば、主記憶部215)に一時的に記憶する。
【0043】
次に、コンピュータ20において、測定器10から読み出した機種情報に基づき、測定器10の外観画像Gをモニタ22に表示する。モニタ22に表示される外観画像Gのデータは、予めコンピュータ20の副記憶部216等に機種情報と対応付けして記憶されている。コンピュータ20は、機種情報と対応する外観画像Gのデータを副記憶部216から読み出してモニタ22に表示させる。なお、外観画像Gのデータは、機種情報をキーとして外部のサーバ(ネットワークサーバ等)からコンピュータ20へダウンロードするようにしてもよい。
【0044】
モニタ22には、コンピュータ20と接続された測定器10の外観と同等な外観画像Gが表示される。説明の都合上、図1(a)のモニタ22に表示される外観画像Gの大きさは、測定器10の大きさよりも小さく表されているが、実際には測定器10よりも大きな外観画像Gがモニタ22に表示される。また、モニタ22上での外観画像Gの大きさは任意に拡大縮小することができる。
【0045】
コンピュータ20は、モニタ22に外観画像Gを表示するとともに、ユーザがモニタ22上で操作を選択するためのアイコンGCを表示する。アイコンGCは、モニタ22に表示された外観画像Gの所定位置と対応付けされている。アイコンGCは、そのアイコンGCと対応付けされた所定位置における実際の測定器10の位置と関連した操作を選択できるようになっている。
【0046】
例えば、アイコンGC131が外観画像Gのボタン画像G131を示す場合、そのアイコンGC131は、ボタン画像G131と対応する実際の測定器10のボタン131によって操作可能な動作が割り当てられている。これにより、ユーザは、実際の測定器10を操作するのと同様な位置に対応付けされたアイコンGCを選択することで、実際の測定器10と同様な動作をモニタ22上で得られることになる。
【0047】
次に、コンピュータ20は、ユーザによるアイコンGCの選択を受け付けた場合、そのアイコンGCに対応付けされた所定位置と関連する測定器10での操作によって選択可能となる設定項目をモニタ22に表示させる。
【0048】
そして、コンピュータ20は、モニタ22に表示された設定項目に対応したパラメータの設定を受け付けて、変更後のパラメータを測定器10へ送信する。これにより、ユーザは、コンピュータ20のモニタ22に表示されたアイコンGCを選択することで、実際の測定器10を操作した場合と同様な動作の流れによって設定項目を選択でき、モニタ22を参照しながら所望のパラメータを変更して測定器10に送ることができる。ユーザは、測定器10の表示部12よりも大きなモニタ22を参照しながら、アイコンGCの選択によって容易にパラメータの設定を行うことができることになる。
【0049】
本実施形態に係る測定器10のパラメータ設定方法は、例えば、コンピュータ20で実行されるプログラム(パラメータ設定プログラム)によって実現される。
【0050】
図2は、測定器のパラメータ設定プログラムの流れを例示するフローチャートである。
先ず、ステップS101に表した情報の読み込みでは、コンピュータ20と接続された測定器10から、測定器10に記憶された機種情報、設定項目及びパラメータをコンピュータ20に読み込む処理を行う。コンピュータ20は、インタフェース212を介して測定器10に指示を与え、測定器10から送られる情報をインタフェース212を介して読み込む。
【0051】
次に、ステップS102に表した情報の一時記憶では、測定器10から読み出した機種情報、設定項目及びパラメータをコンピュータ20の記憶部に一時的に記憶する処理を行う。コンピュータ20は、インタフェース212を介して読み込んだこれらの情報を、例えば主記憶部215に一時的に記憶する。
【0052】
次に、ステップS103に表した外観画像の表示では、機種情報に対応した測定器10の外観画像Gをモニタ22に表示する処理を行う。また、ステップS104に表したアイコンの表示では、外観画像Gの表示とともに、モニタ22上で操作を選択するためのアイコンGCを、外観画像Gの所定位置に対応付けして表示する処理を行う。これにより、図1(a)に表したように、実際の測定器10に対応した外観画像G及びアイコンGCがモニタ22に表示される。
【0053】
次に、ステップS105に表したアイコン選択の受け付けでは、モニタ22に表示されたアイコンGCのユーザによる選択を受け付ける処理を行う。ユーザは、モニタ22の表示を参照しながら、所望のアイコンGCをマウス等の操作(ボタンクリック等)によって選択する。コンピュータ20は、このアイコンGCの選択を受け付ける。
【0054】
次に、ステップS106に表した設定項目の表示では、選択されたアイコンGCに対応付けされた所定位置と関連する測定器10での操作によって選択可能となる設定項目をモニタ22に表示する処理を行う。ユーザは、所望のアイコンGCをマウス等によって選択することで、実際の測定器10を操作したのと同様な設定項目をモニタ22上に表示させることができる。
【0055】
次に、ステップS107に表したパラメータの受け付けでは、モニタ22に表示された設定項目に対応したパラメータの変更を受け付ける処理を行う。ユーザは、モニタ22の表示を参照しながら、所望の設定項目に対応したパラメータの設定を行う。コンピュータ20は、ユーザの設定したパラメータを受け付ける。
【0056】
次に、ステップS108に表したパラメータの一時記憶では、ユーザの設定したパラメータを、例えば主記憶部215に一時的に記憶する処理を行う。なお、新たなパラメータを一時的に記憶した後、ユーザによってキャンセルの指示があった場合、元のパラメータに戻すようにしてもよい。
【0057】
次に、ステップS109に表したパラメータの送信では、一時的に記憶した新たなパラメータを測定器10に送信する処理を行う。コンピュータ20は、インタフェース212を介して例えば主記憶部215に記憶された新たなパラメータを測定器10へ送信する。測定器10は、コンピュータ20から送信された新たなパラメータを受信して記憶する。
【0058】
このようなプログラムによって、ユーザはモニタ22に表示された内容を参照しながら、所望の設定項目のパラメータを容易に設定することが可能になる。また、モニタ22には、実際の測定器10と同様な外観画像Gが表示され、実際の測定器10の操作と同様な操作をアイコンGCの選択によって行うことができる。したがって、優れたGUI(Graphical User Interface)によって、ユーザは違和感なくパラメータを設定していくことができる。
【0059】
なお、図2に示したフローチャートでは、ステップS108に示す設定したパラメータの一時記憶を行っているが、このステップS108を行わず、ステップS107に示すパラメータの受け付けを行った後、ステップS109の送信により、新たなパラメータを迅速に測定器10へ送信するようにしてもよい。
【0060】
次に、具体的なモニタ22の画面遷移について説明する。
図3(a)〜(c)は、外観画像の表示例を示す図である。図3(a)には機種ID1の外観画像G1が表され、図3(b)には機種ID2の外観画像G2が表され、図3(c)には機種ID3の外観画像G3が表される。
【0061】
コンピュータ20は、測定器10の機種情報を読み込み、この機種情報に基づいて測定器10の外観画像Gをモニタ22に表示する。例えば、図3(a)に表した機種ID1は、測定値に基づき演算を行うことができる演算型である。また、図3(b)に表した機種ID2は、測定値のピークを検出するピーク検出型である。また、図3(c)に表した機種ID3は、内径や外径を測定するシリンダゲージ型である。
【0062】
また、コンピュータ20は、機種情報に基づき、測定器10の機種に応じて必要なアイコンGCをモニタ22に表示する。機種毎に設定項目が異なることから、モニタ22には機種に応じた外観画像G1〜G3及びその機種に必要なアイコンGCが表示されることになる。
【0063】
図3(a)〜(c)に示すアイコンGCの表示は、外観画像G1〜G3のそれぞれのボタンの位置に対応している。したがって、モニタ22上で所望のアイコンGCを選択すると、そのアイコンGCと対応する測定器10のボタン13が選択された場合と同様な動作がモニタ22上で行われることになる。
【0064】
また、モニタ22には、メニューMを表示させてもよい。メニューMにも機能を選択するアイコンMCが表示される。メニューMには、アプリケーションで共通の機能を実行させるためのアイコンMCが表示される。
【0065】
図4(a)〜(c)は、「MENU」アイコンが選択された場合の表示例を示す図である。図4(a)には機種ID1の表示例が表され、図4(b)には機種ID2の表示例が表され、図4(c)には機種ID3の表示例が表される。
【0066】
「MENU」アイコンを選択することで、モニタ22には外観画像G1〜G3のそれぞれに対応した設定項目のアイコンGCが表示される。モニタ22に表示されるアイコンGCは、外観画像G1〜G3のそれぞれの機種において選択可能な設定項目だけである。
【0067】
図5(a)〜(c)は、「OTHER」アイコンが選択された場合の表示例を示す図である。図5(a)には機種ID1の表示例が表され、図5(b)には機種ID2の表示例が表され、図5(c)には機種ID3の表示例が表される。
【0068】
「OTHER」アイコンを選択することで、モニタ22には外観画像G1〜G3のそれぞれに対応したその他の設定項目のアイコンGCが表示される。モニタ22には、外観画像G1〜G3のそれぞれの機種において選択可能なその他の設定項目のアイコンGCのみが表示される。「OTHER」アイコンの選択によって、主要な設定項目以外の設定項目のアイコンGCが表示される。
【0069】
次に、具体的な画面遷移に沿ったパラメータの設定について説明する。
図6図12は、具体的な画面遷移の例と、パラメータ設定の例を示す図である。
【0070】
先ず、コンピュータ20でパラメータ設定プログラムを起動すると、図6(a)に表したように、基本画面が立ち上がる。基本画面では、メニューMに「測定器と接続」のアイコンMCが表示される。
【0071】
次に、メニューMの「測定器と接続」のアイコンMCを選択すると、図6(b)に表したように、測定器10との接続を促すウィンドウがポップアップ表示される。測定器10とコンピュータ20とを例えばケーブル30で接続した状態で、「OK」ボタンを選択すると、コンピュータ20に測定器10から送られる機種情報、設定項目及びパラメータが読み込まれる。
【0072】
そして、図6(c)に表したように、コンピュータ20に読み込まれた機種情報に基づき外観画像G及びその機種に応じたアイコンGCがモニタ22に表示される。また、外観画像G及びアイコンGCの表示とともに、メニューMの各種アイコンMCが表示される。
【0073】
機種ID1では、外観画像G1のボタンの位置に対応して、「MENU」、「PEAK」、「PRESET」、「in/mm」、「ZERO,ABS」のアイコンGCが表示される。また、メニューMとして、「測定器と接続」のアイコンMCのほか、「全項目確認」、「設定情報保存」、「設定情報呼出」、「通信終了」のアイコンMCが表示される。
【0074】
なお、以下の説明では、演算型である機種ID1における画面遷移及びパラメータ設定を例とするが、適宜、機種ID2及び機種ID3における画面遷移及びパラメータ設定の例についても示す。機種ID2の場合、測定器10をコンピュータ20に接続すると、図3(b)に例示する外観画像G2が表示され、機種ID3の場合、図3(c)に例示する外観画像G3が表示されることになる。
【0075】
次に、代表的なアイコンGC及びMCを選択した場合の画面遷移について説明する。
図6(c)に示す「MENU」アイコンGCを選択すると、図7(a)に表したような画面が表示される。機種ID1の場合、「TOL」、「RES」、「CALC」、「SCALE」、「LOCK」、「OTHER」、「戻る」のアイコンGCが表示される。
【0076】
どの画面であっても、「戻る」のアイコンGCを選択した場合には、一つ前の画面表示へ戻ることができる。「OTHER」のアイコンGCを選択すると、図7(b)に表したような画面が表示される。機種ID1では、「無単位表示設定(UNIT)」、「オリジンオフセット設定(OFFSET)」、「アナログバー表示設定(RULER)」、「高速サンプリングモード設定(FAST)」、「パラメータロック」のアイコンGCが表示される。
【0077】
ここで、メニューMから「通信終了」のアイコンMCを選択すると、図7(c)に表したような通信終了を確認するウィンドウがポップアップ表示される。このウィンドウにおいて「OK」のアイコンGCを選択すると、通信終了となる。一方、「CANCEL」のアイコンGCを選択すると、通信終了せず、ポップアップしたウィンドウが閉じる。
【0078】
図6(c)に表した「PEAK」のアイコンGCを選択すると、図8(a)に表したようなピーク設定のためのウィンドウがポップアップ表示される。ピーク設定のためのウィンドウには、測定モードを選択するためのラジオボタンが表示される。所望の測定モードを示すラジオボタンを選択した後、「確定」のアイコンGCを選択すると、設定したパラメータ(測定モード)が測定器10へ送信される。コンピュータ20から測定器10へパラメータを送信することで、測定器10では新たなパラメータの設定が行われる。
【0079】
また、「一時保存」のアイコンGCを選択すると、設定したパラメータ(測定モード)をコンピュータ20の記憶部(例えば、主記憶部215)に一時的に記憶しつつ、ウィンドウが閉じられる。ここで、一時的な記憶だけでは、パラメータは測定器10へ送信されない。「CANCEL」のアイコンGCを選択した場合には、何もせずにウィンドウを閉じる。この場合、設定項目は元のパラメータのまま維持される。
【0080】
図6(c)に表した「PRESET」のアイコンGCを選択すると、図8(b)に表したようなプリセット設定のためのウィンドウがポップアップ表示される。プリセット設定のためのウィンドウには、プリセット番号(PRESET No.)を選択するためのラジオボタンと、プリセット値(PRESET値)を入力するためのテキストボックスとが表示される。ここで、単位の表示は、測定器10からコンピュータ20にパラメータを読み込んだ際の設定に合わせられている。読み込んだ後に単位のパラメータが変更された場合には、変更後の単位で表示される。
【0081】
プリセット設定のためのウィンドウでプリセットのパラメータを設定した後は、「確定」、「一時保存」、「CANCEL」のいずれかを選択する。「確定」、「一時保存」、「CANCEL」のアイコンGCを選択した場合の処理は、先と同様である。
【0082】
ここで、図3(b)に例示する機種ID2の外観画像G2において、「+/−」のアイコンGCを選択すると、図8(c)に表したような計数方向を設定するためのウィンドウがポップアップ表示される。ウィンドウには、計数値をプラスカウントする測定子の方向を選択するためのラジオボタンが表示される。プラスカウントしたい方向のラジオボタンを選択した後は、「確定」、「一時保存」、「CANCEL」のいずれかを選択する。「確定」、「一時保存」、「CANCEL」のアイコンGCを選択した場合の処理は、先と同様である。
【0083】
図7(a)に表した「LOCK」のアイコンGCを選択すると、図9(a)に表したようなキーロックを設定するためのウィンドウがポップアップ表示される。このウィンドウには、キーロックの有効/無効を選択するためのラジオボタンが表示される。また、機種に応じた外観画像Gと、外観画像Gのボタンの位置と対応したボタン表示BCとが表示される。各ボタン表示BCの横にはチェックボックスが表示される。チェックボックスによって選択されたボタン表示BCの示すボタンは、キーロックの有効/無効の設定に従ってキーロックの設定が行われることになる。
【0084】
キーロックを設定のためのウィンドウでキーロックのパラメータを設定した後は、「確定」、「一時保存」、「CANCEL」のいずれかを選択する。「確定」、「一時保存」、「CANCEL」のアイコンGCを選択した場合の処理は、先と同様である。測定器10において、キーロックを有効に設定されたボタンは押下されても反応しないことになる。
【0085】
なお、キーロックの設定を行うボタンに対応したボタン表示BCは、機種によって相違する。また、ここでキーロックの設定が行われたボタンについては、測定器10側の所定の操作によってキーロックの解除が可能である。
【0086】
図7(b)に表した「パラメータロック」のアイコンGCを選択すると、図9(b)に表したようなパラメータロックを設定するためのウィンドウがポップアップ表示される。このウィンドウには、パラメータロックの有効/無効を選択するためのラジオボタンが表示される。また、機種に応じたパラメータロックの対象となるパラメータのチェックボックスが表示される。
【0087】
このパラメータロックは、先に説明したキーロックとは異なり、コンピュータ20でのみパラメータの変更可否を決定するための設定である。コンピュータ20でパラメータロックを指定されたパラメータについては、測定器10側でパラメータロックを解除することはできない。パラメータロックを設定することで、測定器10側で誤ってパラメータが変更されることを防止したり、測定器10側で変更されたくないパラメータを保護したりすることができる。
【0088】
図7(a)に表した「CALC」のアイコンGCを選択すると、図10に表したような演算機能を設定するためのウィンドウがポップアップ表示される。このウィンドウには、演算機能の有効/無効を選択するためのラジオボタンが表示される。また、演算係数A、B及びCのテキストボックスが表示される。演算係数A、B及びCのそれぞれの値は、「係数算出」のアイコンGCを選択し、所定の設定を行うことで自動算出させてもよい。
【0089】
「係数算出」のアイコンGCを選択すると、図11(a)に表したような治具を選択するためのウィンドウがポップアップ表示される。なお、治具は、本発明におけるアタッチメントの一例である。演算型の測定器10では、測定器10に装着する治具によって演算係数A、B及びCを設定し、治具を用いた測定内容によって所望の演算結果を得られるようにしている。
【0090】
図11(a)に表したウィンドウには、測定内容に応じて測定器10に取り付けられる治具のイメージIMG1〜IMG6と、選択のためのラジオボタンが表示される。
【0091】
治具のイメージIMG1で表される測定内容は、穴径Dの測定である。この測定では、円錐型の測定子を有する治具が測定器10に取り付けられる。ここで、測定子の円錐型が拡がる角度をθ、円錐型の測定子を穴の口元に当接させた際の基準位置から測定子の先端までの距離をxとした場合、穴径Dは以下の計算式で求められる。
D=A×x
演算係数Aは、A=−2tan(θ/2)
【0092】
治具のイメージIMG2で表される測定内容は、皿モミの口元の穴径Dの測定である。この測定では、球型の測定子を有する治具が測定器10に取り付けられる。ここで、測定子の球型の半径をr、皿モミの角度をθ、球型の測定子を皿モミ内に当接させた際の基準位置から測定子の先端までの距離をxとした場合、穴径Dは以下の計算式で求められる。
D=Ax+B
演算係数Aは、A=−2tan(θ/2)
演算係数Bは、B=2r(1/(cos(θ/2))−tan(θ/2))
【0093】
治具のイメージIMG3で表される測定内容は、皿モミの深さHの測定である。この測定では、球型の測定子を有する治具が測定器10に取り付けられる。ここで、測定子の球型の半径をr、皿モミの角度をθ、皿モミの奥穴の穴径をd、球型の測定子を皿モミ内に当接させた際の基準位置から測定子の先端までの距離をxとした場合、深さHは以下の計算式で求められる。
【0094】
H=Ax+B
演算係数Aは、A=−1
演算係数Bは、B=r(1/(cos(θ/2))−1)−d/2tan(θ/2))
【0095】
治具のイメージIMG4及びIMG5で表される測定内容は、丸物の外径(半径)である。測定の対象物によって好適な治具の形状が相違する。ここで、治具のイメージIMG4でのV字のアームの角度をθ、基準位置から測定子の先端までの距離をx、丸物の半径をRとした場合、半径Rは以下の計算式で求められる。
【0096】
R=Ax
演算係数Aは、A=−(sin(θ/2))/(1−sin(θ/2))
【0097】
また、治具のイメージIMG5での左右2つの接触球体の距離を2L、接触球体の半径をr、測定子が丸物の表面と当接した際の測定子と接触球体との距離をxとした場合、丸物の半径Rは以下の計算式で求められる。
【0098】
R=Ax+B+Cx−1
演算係数Aは、1/2
演算係数Bは、−r
演算係数Cは、L/2
【0099】
治具のイメージIMG6で表される測定内容は、丸物の内径(半径)である。この測定で用いられる治具は、イメージIMG5の測定で用いられた治具と同じである。ここで、治具のイメージIMG6での左右2つの接触球体の距離を2L、接触球体の半径をr、測定子が丸物の表面と当接した際の測定子と接触球体との距離をxとした場合、丸物の半径Rは以下の計算式で求められる。
【0100】
R=Ax+B+Cx−1
演算係数Aは、−1/2
演算係数Bは、r
演算係数Cは、−L/2
【0101】
このように、選択する治具及び測定内容によって演算係数A、B及びCが異なるため、適用する測定内容に応じた演算係数A、B及びCを設定しておく必要がある。図11(a)に表したウィンドウにおいて、例えば、治具のイメージIMG1のラジオボタンを選択し、「OK」のアイコンGCを選択すると、図11(b)に表したようなウィンドウがポップアップ表示される。
【0102】
このウィンドウには、ラジオボタンで選択されたイメージIMG1が表示される。これにより、そのイメージIMG1の治具による測定内容が選択されたことを容易に認識できる。また、イメージIMG1の治具によって測定する内容に応じて、演算係数A、B及びCの計算に必要なパラメータ(ここでは、θの値)を入力するためのテキストボックスが表示される。選択した測定内容の治具によって、このテキストボックスの表示項目は変わる。
【0103】
このテキストボックスにθの値を入力して、「計算」のアイコンGCを選択すると、ウィンドウ内の演算係数A、B及びCのテキストボックスに自動的に値が入力される。イメージIMG1の治具では、円錐型の角度θの値を入力すれば、測定内容に対応した演算係数Aを示す式(ここでは、A=−2tan(θ/2))によって自動的に演算係数Aが計算され、テキストボックスに自動入力される。なお、計算式に用いられない係数(ここでは、演算係数B及びC)については、”0”が自動的に入力される。
【0104】
演算係数A、B及びCの計算を行った後、図11(b)に表したウィンドウにおいて「OK」のアイコンGCを選択すると、図10に表したウィンドウ表示に戻る。計算後には、このウィンドウの演算係数A、B及びCに先の計算結果が入力されることになる。
【0105】
図6(c)に表したメニューMの「設定情報保存」のアイコンMCを選択すると、コンピュータ20の記憶部(例えば、主記憶部215)に一時保存されたパラメータを、例えばテキストデータ(パラメータセット)としてコンピュータ20の記憶部(例えば、副記憶部216)に保存することができる。
【0106】
また、「設定情報保存」のアイコンMCを選択してコンピュータ20に保存したパラメータセットを呼び出すには、図6(c)に表したメニューMの「設定情報呼出」のアイコンMCを選択すればよい。読み出したパラメータセットの各種パラメータを参照、変更及び送信するには、先に説明したアイコンMCの選択によって行えばよい。また、後述する一覧表示を利用して行ってもよい。
【0107】
このような「設定情報保存」及び「設定情報呼出」の機能を用いると、複数台ある同じ機種の測定器10について、同じパラメータを容易に設定することができる。例えば、ある1台の測定器10についてパラメータの設定を行った状態で、パラメータセットをコンピュータ20に保存しておく。その後、別の測定器10をコンピュータ20に接続し、先に保存しておいたパラメータセットを呼び出して、そのパラメータセットによる各種パラメータをコンピュータ20に接続された測定器10に送信し、記憶させる。さらに別の測定器10にも同じパラメータを設定する場合には、その測定器10をコンピュータ20に接続して、呼び出し済みのパラメータセットによる各種パラメータを送信する。これを繰り返すことで、複数台の測定器10に同じパラメータを設定する作業工数が大幅に低減される。
【0108】
図6(c)に表したメニューMの「全項目確認」のアイコンMCを選択すると、図12に表したような設定項目の一覧を表示するウィンドウがポップアップ表示される。このウィンドウには、機種ごとの設定項目と、その設定項目に対応したパラメータの内容が、例えば表形式で表示される。
【0109】
この一覧表示では、測定器10からコンピュータ20に読み出した設定項目及びそれに対応したパラメータが表示される。また、コンピュータ20によってユーザがパラメータを変更し、一時保存した場合には、一時保存された変更後のパラメータが表示される。
【0110】
パラメータが変更された設定項目については、変更されていない設定項目とは異なる表示にしてもよい。例えば、変更された設定項目に特定の色を付けて表示させる。これにより、どの設定項目が変更されたか、変更されていないかを容易に見つけ出すことができる。
【0111】
また、一覧表示において、各設定項目をアイコンGCで表示してもよい。ユーザは、一覧表示から所望の設定項目のアイコンGCを選択すると、その設定項目のパラメータを変更するためのウィンドウをポップアップ表示させることができる。そして、このポップアップ表示からパラメータを設定し、「OK」のアイコンGCを選択することで、一覧表示に戻る。この一覧表示では、変更したパラメータが反映されていることになる。
【0112】
また、一覧表示において、「一括送信」のアイコンGCを選択すると、一覧表示されている全ての設定項目に対応したパラメータを一括して測定器10へ送信することができる。例えば、変更後のパラメータを一時保存した場合には、一覧表示で確認した後、「一括送信」のアイコンGCを選択することで、個別に設定し、一時保存しておいたパラメータを一回の処理でまとめて測定器10へ送信することができる。コンピュータ20から測定器10へパラメータを送信することで、測定器10では新たなパラメータへの設定が行われる。なお、測定器10において、コンピュータ20から送信されたパラメータを正常に受信した場合に確認音などの報知を行ってもよい。
【0113】
また、一覧表示において、変更があった設定項目の例えばパラメータの欄に、「キャンセル」のアイコンGCを設けてもよい。この「キャンセル」のアイコンGCを選択すると、変更後のパラメータを変更前のパラメータに戻す処理を設定項目ごとに行うことができる。
【0114】
また、一覧表示において、「一括キャンセル」のアイコンGCを設けてもよい。この「一括キャンセル」のアイコンGCを選択すると、変更され一時保存された設定項目の全てについて、変更後のパラメータを変更前のパラメータに一括して戻す処理を行うことができる。
【0115】
このように、ユーザはコンピュータ20のモニタ22に表示される外観画像G等を参照し、モニタ22上のアイコンGC及びMCを操作することで、複雑なボタン操作を必要とせず簡単に測定器10のパラメータを設定することが可能になる。
【0116】
なお、上記説明した本実施形態に係る測定器10のパラメータ設定プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体MMに記録されていてもよい。すなわち、図2に示すステップS101〜ステップS109の一部または全部を、コンピュータ20に読み取り可能な形式で記録媒体MMに記録してもよい。また、本実施形態に係る測定器10のパラメータ設定プログラムは、ネットワークを介して配信されてもよい。
【0117】
以上説明したように、本実施形態によれば、測定器10のパラメータ設定を容易に行うことができる測定器10のパラメータ設定方法及び測定器10のパラメータ設定プログラムを提供することが可能となる。
【0118】
なお、上記に本実施形態及びその具体例を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。例えば、測定器10の種別、設定項目、画面表示については、これらに限定されるものではない。また、前述の実施形態またはその具体例に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含有される。
【産業上の利用可能性】
【0119】
以上のように、本発明は、インジケータのほか、ハイトゲージ、デジタルノギス、デジタルマイクロメータ、リニアスケールなどに好適に利用できる。
【符号の説明】
【0120】
10…測定器
11…本体筐体
12…表示部
15…測定子
16…スピンドル
20…コンピュータ
21…本体
22…モニタ
30…ケーブル
211…CPU
212…インタフェース
213…出力部
214…入力部
215…主記憶部
216…副記憶部
G…外観画像
GC…アイコン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12