特許第6348022号(P6348022)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6348022
(24)【登録日】2018年6月8日
(45)【発行日】2018年6月27日
(54)【発明の名称】薄膜シート材の回収装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 29/70 20060101AFI20180618BHJP
【FI】
   B65H29/70
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-177568(P2014-177568)
(22)【出願日】2014年9月1日
(65)【公開番号】特開2016-50098(P2016-50098A)
(43)【公開日】2016年4月11日
【審査請求日】2017年8月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000178011
【氏名又は名称】山九株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000000044
【氏名又は名称】旭硝子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098017
【弁理士】
【氏名又は名称】吉岡 宏嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100120053
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 哲明
(72)【発明者】
【氏名】古賀 久之
(72)【発明者】
【氏名】五反 伸一
(72)【発明者】
【氏名】本村 英雄
【審査官】 大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭62−021671(JP,A)
【文献】 特開平06−127798(JP,A)
【文献】 特開2007−168380(JP,A)
【文献】 特開平10−305956(JP,A)
【文献】 特開平08−188292(JP,A)
【文献】 特開平05−139625(JP,A)
【文献】 特開平04−296851(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3104853(JP,U)
【文献】 特開平02−221051(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 18/00−18/28
B65H 19/30
B65H 29/70
B65H 31/00−31/40
B65H 75/00−75/32
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄膜シート材を送り出すピンチローラと、該ピンチローラから送り出される前記薄膜シート材の先端が臨む位置に形成された開口部を有し、該開口部から進入される前記薄膜シート材を内周面に沿って案内する円筒状のガイド筒と、該ガイド筒の内側に配置される回転部材と、該回転部材を支持して回転駆動する駆動機構とを備え、
前記ガイド筒は、該ガイド筒の軸方向に沿って2分割された上筒壁と下筒壁とからなり、前記上筒壁と前記下筒壁は対向する一方の端部がヒンジにより回動可能に連結され、他方の対向する端部に前記開口部が形成されてなり、
前記開口部は、前記下筒壁の他方の端部を該下筒壁の内周面の接線方向に伸延して形成された案内面と前記上筒壁の他方の端部との間に形成され、
前記回転部材は、前記内周面の内側に延在して配置される複数のアームからなり、
前記駆動機構は、前記複数のアームを前記ガイド筒の軸芯の周方向に回転可能に支持する支持部材と、該支持部材を前記軸芯に沿って進退させて前記複数のアームを前記ガイド筒に進入及び前記ガイド筒から後退させる進退機構と、前記複数のアームを前記軸芯の径方向に開閉させる開閉機構とを備えてなる薄膜シート材の回収装置。
【請求項2】
前記ガイド筒は、前記内周面に沿って前記ガイド筒の軸芯方向に回転軸が延在する複数のローラが配列されてなる請求項1に記載の薄膜シート材の回収装置。
【請求項3】
前記駆動機構は、前記複数のアームを支持する位置を前記ガイド筒の軸芯の径方向に移動させるスライド手段を備えてなる請求項1又は2に記載の薄膜シート材の回収装置。
【請求項4】
前記ガイド筒は、該ガイド筒の軸芯方向で複数に分割されて一列に配置され、
前記駆動機構は、前記複数のガイド筒の両端に位置するガイド筒のうち、隣合うガイド筒と対向しない側面の開口にそれぞれ前記複数のアームが挿入可能に設けられてなる請求項1乃至3のいずれかに記載の薄膜シート材の回収装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品同士の間に挟んで用いられる薄膜シート材をロール状に丸めて回収する薄膜シート材の回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、硝子板や高級鋼板等の平坦な製品同士の間には、製品同士の接触による傷の発生防止や製品を剥がし易くするため、合紙やセロファンフィルム等の薄膜シート材が挟まれている。このため、例えば、硝子工場では、硝子とほぼ同じ大きさの合紙が硝子の表面から人手或いは機械で自動的に取り除かれた後、回収箱に入れられて処分される。
【0003】
ところで、近年の硝子製品は大型化が進み、矩形状の合紙の大きさも一辺が例えば3mを超えるものがある。このような合紙を収容する回収箱の多くは、工場内のスペースの問題から、例えば、横幅が合紙の一辺ほどの長さ(約3m)であるのに対し、縦幅が横幅の半分以下(約1〜1.5m)の長さになっている。そのため、回収箱に合紙を広げたまま入れることができず、手作業で折り畳むかロール状に丸めてから回収箱に入れられていた。
【0004】
しかし、このように大きな合紙を折り畳むかロール状に丸める作業は複数の人手が必要となり、また、工場内の狭いスペースで行われるため、作業者にとって大きな負担となっている。そのため、この種の作業については、自動化が望まれている。
【0005】
ここで、例えば、複写機などの分野では、ロール紙を円筒状に形成されたガイド部材に開口部から進入させてガイド部材の内周面に沿って案内し、円弧状のアーム部材によってガイド部材の軸に沿って延在する巻取り軸にロール紙を巻き取らせる巻取り装置が開示されている(特許文献1参照)。この種の技術を利用すれば、合紙をロール状に丸めて回収することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平4−296851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の巻取り装置は、ロール紙を巻取り軸に巻き付けて回収しているため、この種の技術で合紙をロール状に丸めた場合、合紙を巻取り軸に巻き付けたまま廃棄することになる。そのため、回収箱に収容可能な合紙の量が少なくなり、廃棄効率が低下することに加え、廃材の容積が増えるため、廃棄コストが高くなるという問題がある。
【0008】
本発明は、薄膜シート材をロール状に丸める作業の効率を高めるとともに、廃材の減容化を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の薄膜シート材の回収装置は、薄膜シート材を送り出すピンチローラと、このピンチローラから送り出される薄膜シート材の先端が臨む位置に形成された開口部を有し、この開口部から進入される薄膜シート材を内周面に沿って案内する円筒状のガイド筒と、このガイド筒の内側に配置される回転部材と、この回転部材を支持して回転駆動する駆動機構とを備えている。ガイド筒は、当該ガイド筒の軸方向に沿って2分割された上筒壁と下筒壁とからなり、上筒壁と下筒壁は対向する一方の端部がヒンジにより回動可能に連結され、他方の対向する端部に開口部が形成されている。開口部は、下筒壁の他方の端部を下筒壁の内周面の接線方向に伸延して形成された案内面と上筒壁の他方の端部との間に形成されている。回転部材は、内周面の内側に延在して配置される複数のアームからなっている。駆動機構は、複数のアームをガイド筒の軸芯の周方向に回転可能に支持する支持部材と、支持部材を軸芯に沿って進退させて複数のアームをガイド筒に進入及びガイド筒から後退させる進退機構と、複数のアームを軸芯の径方向に開閉させる開閉機構とを備えている。
【0010】
これによれば、回転部材をピンチローラと同じ送り方向に回転させることにより、ピンチローラから開口部に送り出された薄膜シート材は、ガイド筒の内周面に沿って案内されるとともに、回転するアームとの摩擦によってアームに巻き付き、或いは、アームの回転方向に押し出される。これにより、薄膜シート材は、内周面とアームとの間を移動しながらロール状に丸められる。
【0011】
次に、ピンチローラとアームの回転を停止させた後、アームを軸芯の径方向に閉じることにより、薄膜シート材がアームに巻き付いていても、アームをロール状の薄膜シート材から簡単に抜き出すことができる。こうしてロール状に成形された薄膜シート材は、ヒンジを介して上筒壁と下筒壁の端部同士を開放させることにより、ガイド筒から取り出すことができる。これによれば、薄膜シート材を自動的にロール状に丸めた状態に成形できるため、省人化を図りつつ、作業効率を高めることができる。また、薄膜シート材を巻き付ける巻取り軸を必要としないため、丸められた薄膜シート材だけを廃棄することができ、廃材の減容化を図ることができる。さらに、薄膜シート材が薄くて腰がない場合は、ロール状を保持できずに潰れるが、回収した薄膜シート材は廃棄するので問題はない。また、薄膜シート材は複数枚単位で重ね、ロール状に丸めて回収することができる。
【0012】
この場合において、ガイド筒は、内周面に沿ってガイド筒の軸芯方向に回転軸が延在する複数のローラが配列されてなるものとする。
【0013】
これによれば、薄膜シート材がローラと接触すると、薄膜シート材が案内される方向にローラが回転するため、薄膜シート材を内周面に沿って滑らせながら案内することができる。
【0014】
また、駆動機構は、複数のアームを支持する位置をガイド筒の軸芯の径方向に移動させるスライド手段を備えてなるものとする。
【0015】
これによれば、薄膜シート材の厚みや腰の強さ等によってガイド筒の内周面とアームとの距離を適宜調整することができるため、種々の薄膜シート材を巻き取ることが可能になる。
【0016】
また、ガイド筒は、このガイド筒の軸芯方向で複数に分割されて一列に配置され、駆動機構は、複数のガイド筒の両端に位置するガイド筒のうち、隣合うガイド筒と対向しない側面の開口にそれぞれ複数のアームが挿入可能に設けられてなるものとする。
【0017】
これによれば、薄膜シート材の大きさに応じて使用するガイド筒の数を適宜増減させることができるため、種々の大きさの薄膜シート材の処理が可能になる。また、ガイド筒同士を所定の隙間を開けて配列し、その隙間に薄膜シート材の取出機を設けることにより、露出された状態の薄膜シート材を掴んで持ち上げることが容易になるため、持ち上げるときに上筒壁が邪魔することなく、設計自由度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、薄膜シート材をロール状に丸める作業の効率を高めるとともに、回収効率の低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明を適用してなる回収装置の全体構成を示す上面図である。
図2】本発明を適用してなる回収装置の要部を示す側面図である。
図3図1の回転部材の駆動装置を拡大して示す図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。
図4図1の回転部材の動作を説明する図である。
図5図1の回転部材がガイド筒に挿入された状態を示す図である。
図6】本発明を適用してなる回収装置の動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明が適用される薄膜シート材の回収装置の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態では、薄膜シート材として合紙を用いる例を説明するが、これに限られるものではなく、ロール状に形成できる材質のものであれば、紙以外のセロファンフィルム等の樹脂製シートについても適用することができる。なお、以下の説明で用いる前、後の各方向は、図1の矢印で示す通りである。
【0021】
本実施形態の回収装置1は、図1に示すように、ピンチローラ3と、ガイド筒5と、回転部材7と、駆動装置9を備えて構成される。ピンチローラ3は、図2に示すように、ゴムライニングを施したローラ3a,3bが上下に対向して設けられている。上方のローラ3aの回転軸はバネ11の弾性力により下方に押し付けられた状態で軸支され、送りコンベア13から供給される合紙をローラ3a,3bの間に挟んで所定の送り速度で送り出すようになっている。ローラ3a,3bは、電動モータ15の駆動力が伝達されて回転駆動するようになっている。
【0022】
ガイド筒5は、同一形状をなして形成される円筒状の4つのガイド筒5a〜5dからなり、各ガイド筒5a〜5dは、互いに軸芯を直線状に揃えて配列され、この軸芯がピンチローラ3の回転軸と平行になるように配置されている。図2に示すように、ガイド筒5は、円筒状の筒壁の一部に合紙が進入する開口部17が形成され、開口部17は、ピンチローラ3から送り出される合紙の先端が臨む位置に設けられている。ガイド筒5は、当該ガイド筒5の軸方向に沿って上下に分割された上筒壁19と下筒壁21とからなり、上筒壁19と下筒壁21は対向する後方の端部がヒンジ23によって回動可能に連結され、前方の対向する端部、つまり上筒壁19の前方端部と下筒壁21の前方端部の内周面の接線方向に延在する案内面25との間に開口部17が設けられている。
【0023】
ガイド筒5は、ヒンジ23を介して上筒壁19の前方が持ち上げられることにより、上半分が開放されるようになっている。また、筒壁の内周面は、案内面25を含む下筒壁21の内周面と上筒壁19の内周面との全域に渡って筒壁の軸芯方向を回転軸とする複数のローラ27が所定の間隔で配列されている。
【0024】
駆動装置9は、回転部材7を回転軸の軸芯周りに回転させる回転機構と、回転部材7を回転軸の軸芯方向に前進及び後退させる進退機構と、回転部材7を回転軸の軸芯の径方向に開閉させる開閉機構とを有し、ガイド筒5aの隣り合うガイド筒5bと対向しない側面の開口、及び、ガイド筒5dの隣り合うガイド筒5cと対向しない側面の開口にそれぞれ回転部材7を挿入した状態で回転部材7を回転させるようになっている。
【0025】
回転部材7は、回転軸の軸芯に対して周方向に等間隔で配置された4本のアーム29からなっている。図3(a)に示すように、アーム29は、基端部31と先端部33とからなり、基端部31と先端部33はヒンジ35によって回動可能に連結されている。アーム29は、基端部31が円板状の支持部材37に支持され、先端部33の表面には図示しない滑り止めのゴム等が貼り付けられている。
【0026】
図3(b)に示すように、支持部材37には、支持部材37の径方向に延在する略矩形の貫通孔39が周方向に等間隔で4つ設けられている。各貫通孔39には、アーム29の基端部31が挿入されてナット41が締め付けられることで、基端部31が支持部材37に支持された状態となる。貫通孔39は、基端部31を支持部材37の径方向にスライド可能に形成されるため、基端部31を貫通孔39に沿って適宜スライドさせることにより、アーム29の回転軸の軸芯に対する径方向の位置を調整できるようになっている。
【0027】
駆動装置9の回転機構は、図3に示すように、各アーム29を支持する支持部材37と、サポート台43に固定された軸受45に支持される回転軸47と、回転軸47を回転させる電動モータ49を備えて構成される。支持部材37は回転軸47と連結されるとともに回転軸47によって回転自在に支持されている。サポート台43は、断面がL字状に形成され、外向きの一方の面に軸受45が取り付けられ、外向きの他方の面に電動モータ49が取り付けられている。電動モータ49の回転軸にはプーリ51が取り付けられ、回転軸47に取り付けられたプーリ53との間にベルト55が渡されている。
【0028】
駆動装置9の進退機構は、サポート台43の内向きに配置されてサポート台43を支持しながら案内するガイドレール57と、サポート台43をガイドレール57に沿って移動させるエアシリンダ58を備えて構成される。サポート台43に支持される回転軸47の軸芯はガイド筒5の軸芯と同じ方向に延在するように配置されている。このため、エアシリンダ58を作動させ、サポート台43をガイドレール57に沿って移動させることにより、各アーム29がガイド筒5内に挿入され、或いは、抜き出されるようになっている。
【0029】
駆動装置9の開閉機構は、アーム29に接続されるリンク61と、リンク61を駆動させるエアシリンダ63を備えて構成される。アーム29の先端部33には、それぞれジョイント59を介してリンク61が連結されている。各リンク61は、支持部材37に固定されたエアシリンダ63のプランジャ65にジョイント67を介して連結されている。このため、図4に示すように、プランジャ65を進退させることにより、基端部31に対し、先端部33を回転軸の軸芯の径方向(矢印の方向)に窄ませたり広げたり(基端部31と先端部33とを直状に揃え、互いに平行な状態)することができるようになっている。
【0030】
ガイド筒5aと5bとの間、及び、ガイド筒5cと5dとの間には、ロール状に丸められた合紙を取り出すための取出機69が設けられている。この取出機69は、図2に示すように、合紙を掴むチャック71と、チャック71を支持して案内する支柱73と、チャック71の駆動装置75を備えている。チャック71は、上爪77と下爪79からなり、上爪77と下爪79はヒンジを介して回動可能に連結されている。上爪77と下爪79は、エアシリンダ81の駆動により開閉するようになっている。チャック71は、上爪77と下爪79及びこれらを駆動させるエアシリンダ81を支持する基端部に複数の駆動輪83が設けられている。駆動輪83が支柱の案内溝に嵌合された状態で、駆動装置75が起動して駆動輪83が回転することで、チャック71が支柱73に沿って上下に移動し、前後に反転することが可能になっている。
【0031】
次に、このようにして構成される回収装置1の動作について説明する。
【0032】
まず、回収装置1が起動する前の時点では、回転部材7の各アーム29が基端部31と先端部33を直状に揃え、互いに平行な状態となっている。さらに、各アーム29は、先端部33がガイド筒5に挿入されたときに、先端部33とガイド筒5の内周面との間で所定のクリアランスが保持されるように基端部31が支持部材37の貫通孔39の適切な位置に固定されている。
【0033】
一方、合紙85は、製品間に挟まれた状態又は製品の表面上に載せられた状態から1枚ずつ剥がされ、広げた状態でピンチローラ3の前方の送りコンベア13の上に重ねられていく。合紙85が所定量(例えば20枚程度)重ねられると、駆動装置9のエアシリンダ58を作動させ、図5に示すように、回転部材7の各アーム29をガイド筒5a,5d内の適切な位置、つまり合紙85を確実に巻き付けることができる位置まで挿入する。なお、取出機69で合紙を回収する場合は、取出機69のチャック71を所定の高さ、例えばガイド筒5内の丸まった合紙を掴める高さまで移動させておき、上爪77と下爪79を開いた状態で待機させておく。
【0034】
次に、送りコンベア13を駆動させ、或いは、ピンチローラ3の入口部分に合紙85をセットした状態で、回収装置1のスイッチを入れる。これにより、ピンチローラ3が回転を始めるとともに、支持部材37に支持されている4本のアーム29が回転軸47の回転に伴って回転を始め、重ねられた合紙85は、ピンチローラ3a,3b間に挟まれて各ガイド筒5a〜5dの開口部17まで送り出される(図6(a))。
【0035】
続いて、開口部17まで送り出された合紙85は、さらにピンチローラ3によって各ガイド筒5a〜5dの案内面25まで押し出される。そして、案内面25を通過した合紙85は、下筒壁21の内周面、上筒壁19の内周面に沿って案内されるとともに、回転するアーム29に巻き付き、或いは、アーム29の回転方向に押し出される。特に、本実施形態では、アーム29に滑り止めが施され、下筒壁21と上筒壁19の内周面に摩擦の小さいローラ27が設けられているため、合紙85は、内周面とアーム29との間をスムーズに移動しながらロール状に丸められる(図6(b))。
【0036】
次に、合紙85がすべてガイド筒5に巻き取られたことをセンサで検知すると、ピンチローラ3とアーム29の回転が停止される。合紙85がすべて巻き取られたことの判断は、例えばピンチローラ3の出口付近に設置したセンサが合紙85の通過を検知することで判断できる。
【0037】
続いて、予め所定の高さまで移動させていた取出機69を作動させ、ガイド筒5aと5bの間、及び、ガイド筒5cと5dの間で露出される丸まった合紙85をそれぞれチャック71で挟む。このように合紙85がチャック71で挟まれた状態で、駆動装置9は、エアシリンダ63のプランジャ65を後退させることにより、各アーム29について、基端部31に対して先端部33を回転軸の軸芯の径方向で窄ませる。これにより、アーム29による合紙85の固定が解かれ、さらに丸まった合紙85の両端からアーム29が引き抜かれる。
【0038】
次に、手動又は自動で、各ガイド筒5a〜5dの上筒壁19を上方に持ち上げて開く。この状態で、取出機69のチャック71を上方に移動させることにより、丸まった合紙85をガイド筒5から取り出すことができる。続いて、取出機69は、チャック71を上方に移動させた後、駆動輪83を回転させることで、図2の矢印の方向にチャック71を反転させて後方に向ける。この状態で、後方に向けたチャック71を開放することにより、丸まった合紙85は、回収箱87の中に落下させることができる。
【0039】
以上が取出機69を用いた場合の合紙85の回収手順であるが、取出機69を用いない場合は、例えば、図6(c)、(d)に示すように、各ガイド筒5a〜5dの下筒壁19を下方に開放できるように構成し、丸まった合紙85を下方に落下させるようにする。地面に落とした合紙85は、合紙85の自重によって潰れる。この場合、落とした合紙85を人手で回収箱87に入れる必要がある。
【0040】
本実施形態によれば、ガイド筒5の筒壁の内周面にローラ27を設けて摩擦を減らしているため、合紙85はガイド筒5の内周面に沿って滑りやすく、また、ガイド筒5の軸芯と回転軸としてアーム29を回転させているため、合紙85は回転するアーム29に巻き取られ、或いは、アーム29の回転方向に押し出される。したがって、合紙85を詰まらせることなく、スムーズに丸めることが可能になる。なお、本実施形態では、ガイド筒5の筒壁の内周面にローラ27を設ける例を説明したが、この例に限られるものではなく、例えばステンレス等の滑りやすく摩擦の少ない平滑な面で形成することもできる。
【0041】
また、本実施形態によれば、アーム29がガイド筒5に挿入されたときのガイド筒5の内周面とアーム29との隙間の大きさを調整することができるため、合紙85に代表される薄膜シート材の厚みや腰の強さに応じて適切なクリアランスを保つことができる。そのため、薄膜シート材を詰まらせることなく、スムーズに丸めることが可能になる。
【0042】
また、本実施形態によれば、各アーム29について、基端部31に対し、先端部33を回転軸の軸芯の径方向で窄ませることができるため、合紙85の巻き付きを緩めることができ、合紙85がアーム29にきつく巻き付いたとしても、アーム29を丸まった合紙85から簡単に抜き出すことができる。
【0043】
また、本実施形態によれば、複数のガイド筒5を同軸に並べた状態で処理することができるため、薄膜シート材の大きさに応じてガイド筒5の数や間隔を適宜調整することが可能になる。このようにすることで、様々な大きさの薄膜シート材の回収が可能となるため、回収装置1としての汎用性を高めることができる。なお、各ガイド筒5の内径の大きさは、薄膜シート材を丸めたときの外径や回収箱に入れるときの大きさを考慮して決定することができる。
【0044】
本実施形態の回収装置1を用いることにより、複数枚重なった合紙を自動的にロール状の丸まった合紙に成形することができ、しかも、一人の作業者が回収箱に入れられる大きさに成形することができるため、これまで複数の作業者が共同で行っていた作業を例えば一人で行うことが可能となり、或いは自動取出機を使えば無人化が可能になるなど、省人化に加えて作業効率を格段に高めることができる。また、本実施形態の回収装置1によれば、合紙を巻取り軸等に巻き付けて廃棄する必要がないため、廃材の減容化を図ることができ、廃棄コストの低廉化を実現できる。また、本実施形態の回収装置1は、コンパクトで、かつ、複雑な構造を有していないため、工場内の狭いスペースでも設置することができ、しかも、故障が少なく、メンテナンスが容易になるという利点がある。
【0045】
以上、本発明の実施形態を図面により詳述してきたが、上記実施形態は本発明の例示にしか過ぎないものであり、本発明は上記実施形態の構成にのみ限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、本発明に含まれることは勿論である。
【0046】
例えば、複数のアーム29について、基端部31に対し、先端部33を回転軸の軸芯の径方向で窄ませる機構については、リンク61をプランジャ65の動きに連動させることで先端部33を動かす機構を採用しているが、先端部33を軸芯の径方向で窄ませる機能が同じであれば、他の機構を用いても構わない。
【符号の説明】
【0047】
1 回収装置
3 ピンチローラ
5 ガイド筒
7 回転部材
9 駆動装置
17 開口部
19 上筒壁
21 下筒壁
23 ヒンジ
27 ローラ
29 アーム
37 支持部材
39 貫通孔
47 回転軸
57 ガイドレール
85 合紙
87 回収箱
図1
図2
図3
図4
図5
図6