【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、シリアル・データ・リンク分析に関する複数のSパラメータをリサンプリングする方法に関する。この方法は、複数のSパラメータ・セットを記憶することを含み、このとき、各Sパラメータ・セットは、1つのサブシステムに関連し、関連する複数のインパルス応答と1つの時間インターバルを有している。Sパラメータ・セットに関連する時間インターバルに基
づいて、増加した時間インターバルを求める。Sパラメータ・セット夫々において、任意の折り返されたリップルを維持し、時間インターバルを増加させるために、インパルス応答にゼロが充填される。複数のリサンプルされたSパラメータ・セットが、その増加した時間インターバルをカバーするように、更に高い周波数分解能で生成される。
【0007】
各Sパラメータ・セット中の複数のインパルス応答は、リップルしきい値に基づくゼロ充填位置にゼロが充填されるようにしても良い。各Sパラメータ・セット中の複数のインパルス応答は、各Sパラメータ・セットに関連する時間インターバルのパーセントに基づくゼロ充填位置にゼロが充填されるようにしても良い。DC値を持たない全てのSパラメータ・セットについて、DCまで各Sパラメータ・セットを外挿するようにしても良い。この方法は、全てのSパラメータ・セットに関する最大共通周波数を求めることと、この最大共通周波数を超えて各Sパラメータ・セットを外挿することとを更に含んでいても良い。
【0008】
外挿された周波数領域Sパラメータを、逆高速フーリエ変換(IFFT)を用いて時間領域インパルス応答へ変換しても良い。実際の共通サンプル期間は、複数のSパラメータ・セットの夫々と関連するサンプル・レートに基づき、インパルス応答とインパルス応答の間に定めても良い。時間領域ゼロ充填Sパラメータ・インパルスを、高速フーリエ変換(FFT)を用いて、周波数領域に変換しても良い。外挿された低周波数ポイント及び高周波数ポイントは、切り捨てても良い。外挿とは、一般的に、推定値が既知の値から論理的に続くと仮定し、既知の範囲外の変数の値を既知の範囲内の値から推定することであることに注意されたい。
【0009】
シリアル・データ・リンク分析装置も開示される。この装置は、複数のSパラメータ・セットを記憶するように構成されるメモリを含み、各Sパラメータ・セットは、1つのサブシステムと関連し、関連するインパルス応答及び時間インターバルを有している。この装置は、各Sパラメータ・セットに関連する時間インターバルに基づく増加させた時間インターバルを求めるよう構成されたプロセッサも含んでいる。このプロセッサは、また、折り返された任意のリップルを維持し、時間インターバルを増加させるために各Sパラメータ・セット中の複数のインパルス応答にゼロを充填し、そして、増加した時間インターバルをカバーする更に高い周波数分解能を有する複数のリサンプルされたSパラメータ・セットを生成するように構成される。
【0010】
プロセッサは、リップルしきい値に基づくゼロ充填位置において、各Sパラメータ・セット中のインパルス応答にゼロを充填するよう構成されても良い。プロセッサは、各Sパラメータ・セットに関連する時間インターバルのパーセントに基づくゼロ充填位置において、各Sパラメータ・セット中のインパルス応答にゼロを充填するよう構成されても良い。プロセッサは、DC値を持たない全てのSパラメータ・セットについて、DCまで各Sパラメータ・セットを外挿するようにしても良い。プロセッサは、全てのSパラメータ・セットに関する最大共通周波数を求め、この最大共通周波数を超えて各Sパラメータ・セットを外挿するように構成されていても良い。
【0011】
プロセッサは、逆高速フーリエ変換(IFFT)を用いて外挿された周波数領域Sパラメータを時間領域インパルス応答に変換するよう構成されていても良い。プロセッサは、複数のSパラメータ・セットの夫々に関連するサンプル・レートに基
づいて、インパルス応答とインパルス応答の間に実際の共通サンプル期間を求めるよう構成されても良い。プロセッサは、高速フーリエ変換(FFT)を用いて、時間領域ゼロ充填Sパラメータ・インパルスを周波数領域に変換するよう構成されていても良い。プロセッサは、外挿された低周波数ポイント及び高周波数ポイントを切り捨てるように構成されていても良い。
【0012】
より具体的には、本発明の概念1は、シリアル・データ・リンク分析用の複数のSパラメータをリサンプリングする方法であって、
夫々が1つのサブシステムと関連し、関連するインパルス応答及び時間インターバルを有する複数のSパラメータ・セットを記憶することと、
上記Sパラメータ・セットの夫々と関連する上記時間インターバルに基
づいて、増加した時間インターバルを求めることと、
折り返された全てのリップルを維持し、上記時間インターバルを増加させるために上記Sパラメータ・セット夫々のインパルス応答にゼロを充填し、上記増加した時間インターバルをカバーする更に高い周波数分解能のリサンプルされた複数のSパラメータ・セットを生成することとを具えている。
【0013】
本発明の概念2は、上記概念1の方法であって、上記Sパラメータ・セットの夫々中のインパルス応答は、リップルしきい値に基づくゼロ充填位置でゼロが充填されることを特徴としている。
【0014】
本発明の概念3は、上記概念1の方法であって、上記Sパラメータ・セットの夫々中のインパルス応答は、上記Sパラメータ・セットの夫々に関連する上記時間インターバルのパーセントに基づくゼロ充填位置でゼロが充填されることを特徴としている。
【0015】
本発明の概念4は、上記概念1の方法であって、DC値を持たない全てのSパラメータ・セットについて、上記Sパラメータ・セットの夫々をDCまで外挿することを更に具えている。
【0016】
本発明の概念5は、上記概念1の方法であって、
上記Sパラメータ・セットの全てに関する最大共通周波数を求めることと、
上記最大共通周波数を超えて上記Sパラメータ・セットの夫々を外挿することとを更に具えている。
【0017】
本発明の概念6は、上記概念5の方法であって、
逆高速フーリエ変換(IFFT)を用いて、外挿された周波数領域Sパラメータを時間領域インパルス応答に変換することを更に具えている。
【0018】
本発明の概念7は、上記概念1の方法であって、
複数の上記Sパラメータ・セットの夫々に関連するサンプル・レートに基いて、複数のインパルス応答の中から現実の共通サンプル期間を求めることを更に具えている。
【0019】
本発明の概念8は、上記概念1の方法であって、高速フーリエ変換(FFT)を用いて、時間領域ゼロ充填Sパラメータ・インパルスを周波数領域に変換することを更に具えている。
【0020】
本発明の概念9は、上記概念5の方法であって、外挿された低周波数ポイント及び高周波数ポイントを切り捨てることを更に具えている。
【0021】
本発明の概念10は、シリアル・データ・リンク分析装置であって、
夫々が1つのサブシステムと関連し、関連するインパルス応答及び時間インターバルを有する複数のSパラメータ・セットを記憶するよう構成されたメモリと、
上記Sパラメータ・セットの夫々と関連する上記時間インターバルに基
づいて、増加した時間インターバルを求めるよう構成されたプロセッサとを具え、
該プロセッサは、折り返された全てのリップルを維持し、上記時間インターバルを増加させるために上記Sパラメータ・セット夫々のインパルス応答にゼロを充填し、上記増加した時間インターバルをカバーする更に高い周波数分解能のリサンプルされた複数のSパラメータ・セットを生成するよう構成されていることを特徴としている。
【0022】
本発明の概念11は、上記概念10の装置であって、このとき、上記Sパラメータ・セットの夫々中のインパルス応答は、リップルしきい値に基づくゼロ充填位置でゼロが充填されることを特徴としている。
【0023】
本発明の概念12は、上記概念10の装置であって、このとき、上記Sパラメータ・セットの夫々中のインパルス応答は、上記Sパラメータ・セットの夫々に関連する上記時間インターバルのパーセントに基づくゼロ充填位置でゼロが充填されることを特徴としている。
【0024】
本発明の概念13は、上記概念10の装置であって、このとき、上記プロセッサが、DC値を持たない全てのSパラメータ・セットについて、上記Sパラメータ・セットの夫々をDCまで外挿するよう構成されることを特徴としている。
【0025】
本発明の概念14は、上記概念10の装置であって、このとき、上記プロセッサが、上記Sパラメータ・セットの全てに関する最大共通周波数を求め、上記最大共通周波数を超えて上記Sパラメータ・セットの夫々を外挿するよう構成されることを特徴としている。
【0026】
本発明の概念15は、上記概念14の装置であって、このとき、上記プロセッサが、逆高速フーリエ変換(IFFT)を用いて、外挿された周波数領域Sパラメータを時間領域インパルス応答に変換するよう構成されることを特徴としている。
【0027】
本発明の概念16は、上記概念10の装置であって、このとき、上記プロセッサが、複数の上記Sパラメータ・セットの夫々に関連するサンプル・レートに基
づいて、複数のインパルス応答の中から現実の共通サンプル期間を求めるよう構成されることを特徴としている。
【0028】
本発明の概念17は、上記概念10の装置であって、このとき、上記プロセッサが、高速フーリエ変換(FFT)を用いて、時間領域ゼロ充填Sパラメータ・インパルスを周波数領域に変換するよう構成されることを特徴としている。
【0029】
本発明の概念18は、上記概念14の装置であって、このとき、上記プロセッサが、外挿された低周波数ポイント及び高周波数ポイントを切り捨てるよう構成されることを特徴としている。
【0030】
本発明の概念19は、シリアル・データ・リンク分析に関する複数のSパラメータをリサンプリングする方法を実施するためのプロセッサで実行されるコンピュータ・プログラムが記憶されたコンピュータ読み出し可能メディアであって、上記方法が、
夫々が1つのサブシステムと関連し、関連するインパルス応答及び時間インターバルを有する複数のSパラメータ・セットを記憶することと、
上記Sパラメータ・セットの夫々と関連する上記時間インターバルに基
づいて、増加した時間インターバルを求めることと、
折り返された全てのリップルを維持し、上記時間インターバルを増加させるために上記Sパラメータ・セット夫々のインパルス応答にゼロを充填し、上記増加した時間インターバルをカバーする更に高い周波数分解能のリサンプルされた複数のSパラメータ・セットを生成することとを具えている。
【0031】
本発明の概念20は、上記概念19のコンピュータ読み出し可能メディアであって、このとき、上記Sパラメータ・セットの夫々中のインパルス応答は、リップルしきい値に基づくゼロ充填位置でゼロが充填されることを特徴としている。
【0032】
本発明の概念21は、上記概念19のコンピュータ読み出し可能メディアであって、上記Sパラメータ・セットの夫々中のインパルス応答は、上記Sパラメータ・セットの夫々に関連する上記時間インターバルのパーセントに基づくゼロ充填位置でゼロが充填されることを特徴としている。