特許第6349670号(P6349670)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6349670
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】レンズ鏡筒及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/02 20060101AFI20180625BHJP
   H01R 12/77 20110101ALI20180625BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20180625BHJP
   G03B 17/00 20060101ALI20180625BHJP
   G03B 17/14 20060101ALI20180625BHJP
【FI】
   G03B17/02
   H01R12/77
   H04N5/225 100
   G03B17/00 P
   G03B17/14
【請求項の数】22
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-212004(P2013-212004)
(22)【出願日】2013年10月9日
(65)【公開番号】特開2015-75642(P2015-75642A)
(43)【公開日】2015年4月20日
【審査請求日】2016年10月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】戸川 久憲
【審査官】 渡邉 勇
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−101725(JP,A)
【文献】 特開2001−203432(JP,A)
【文献】 特開2000−151151(JP,A)
【文献】 特開2002−076560(JP,A)
【文献】 特開平08−094899(JP,A)
【文献】 特開2001−203431(JP,A)
【文献】 特開2000−200993(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0216022(US,A1)
【文献】 特開2008−051922(JP,A)
【文献】 特開2003−322787(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02 − 7/105
G02B 7/12 − 7/16
G03B 17/00 −17/02
G03B 17/14
G03B 17/22
H01R 12/77
H04N 5/222− 5/257
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのレンズを有する収容部と、
前記収容部の内側であって、前記レンズの光軸と交差するように配置される実装基板と、
前記実装基板に実装され、第1挿入口を有する第1コネクタと、
前記実装基板に実装され、前記第1挿入口と少なくとも一部が向かい合う位置に第2挿入口を有する第2コネクタと、
前記第1挿入口に挿入された第1配線基板と、
前記第2挿入口に挿入され、前記第1挿入口と前記第2挿入口との間で前記第1配線基板と少なくとも一部が重なって配置された第2配線基板と
を備え
前記実装基板は、
前記光軸側に位置する内側縁部と、
前記内側縁部より前記光軸から離れた側に位置する外側縁部と
を有し、
前記第1コネクタおよび前記第2コネクタの一方は、前記第1コネクタおよび前記第2コネクタの他方が実装された位置より前記内側縁部側の位置に実装される
レンズ鏡筒。
【請求項2】
前記第1配線基板および前記第2配線基板は、フレキシブルプリント基板である
請求項1に記載のレンズ鏡筒。
【請求項3】
前記第1配線基板は、前記第1挿入口に着脱可能であり、
前記第2配線基板は、前記第2挿入口に着脱可能である
請求項1または2に記載のレンズ鏡筒。
【請求項4】
前記第2配線基板は、
前記第1配線基板と前記実装基板との間に配置され、
前記第2挿入口に挿入されるコネクタ部と、
前記第1挿入口と前記第2挿入口との間の間隔より狭い幅を有し、前記第1挿入口と前記第2挿入口との間を通過する配線部と
を有する請求項3に記載のレンズ鏡筒。
【請求項5】
前記第2コネクタは、非ZIFタイプのコネクタである
請求項4に記載のレンズ鏡筒。
【請求項6】
前記第1コネクタは、ZIFタイプのコネクタである
請求項5に記載のレンズ鏡筒。
【請求項7】
前記実装基板上の前記第1挿入口と前記第2挿入口との間で、前記第1配線基板と前記第2配線基板との間に設けられたシールド部
をさらに有する請求項1から6のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項8】
前記第1配線基板が前記第1コネクタに挿入され、前記第2配線基板が前記第2コネクタに挿入された場合、前記第1配線基板の一部と前記第2配線基板の一部とが、前記光軸方向に重なる
請求項1からのいずれか一項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項9】
前記レンズを駆動するレンズ駆動部
をさらに備え、
前記第2配線基板は、前記レンズ駆動部に接続されている
請求項1からのいずれか一項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項10】
前記レンズ駆動部は、前記レンズを前記光軸方向に駆動する
請求項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項11】
前記レンズ鏡筒を撮像装置に取り付けるためのマウント
をさらに備え、
前記第1配線基板は、前記マウントに接続されている
請求項1から10のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項12】
前記実装基板には、前記第1配線基板及び前記第2配線基板を介して信号を取得するMPUが実装されている
請求項1から11のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項13】
前記実装基板は、略円環状の形状を有する
請求項1から12のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項14】
前記内側縁部と前記外側縁部とが、それぞれ略円弧の形状を有する
請求項1から13のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項15】
前記第1配線基板と前記第2配線基板とが重なる領域において、前記第2配線基板は前記第1配線基板より前記実装基板側に配置され、
前記第2コネクタは、非ZIFタイプのコネクタである
請求項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項16】
前記第2配線基板は、前記光軸方向において、前記レンズを通過する光が進む方向とは反対方向に延伸する部分を有し、前記第1配線基板は、前記光軸方向において、前記レンズを通過する光が進む方向に延伸する部分を有する
請求項1から15のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項17】
前記第1配線基板及び前記第2配線基板は、前記外側縁部に向けて前記実装基板上を引き回される
請求項1から16のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項18】
前記第1配線基板及び前記第2配線基板は、少なくとも一部が重なった状態で前記実装基板上を引き回される
請求項1から17のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項19】
前記第1挿入口と前記第2挿入口とは平行に設けられる
請求項1から18のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項20】
前記光軸方向において前記実装基板は前記レンズの少なくとも一部と重なる位置に設けられる
請求項1から19のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項21】
前記第1挿入口は前記第2挿入口より長い
請求項1から20のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項22】
請求項1から21のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒を備える撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
鏡筒から延出されたフレキシブル基板を、電気基板の正面側から背面側に回り込ませて、電気基板の背面側に設けられたコネクタに接続した電子カメラが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開平11−298769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
フレキシブルプリント基板等の配線基板を挿入するコネクタの挿入口の近傍に実装部品を実装すると、例えばコネクタに配線基板を挿入する場合に、配線基板と実装部品とが干渉する場合がある。複数のコネクタが実装される実装基板において、コネクタの挿入口の近傍に部品を実装しないようにすると、例えば実装基板を小型化できない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様においては、電子機器は、実装基板と、実装基板に実装され、第1挿入口を有する第1コネクタと、実装基板に実装され、第1挿入口と向かい合う位置に第2挿入口を有する第2コネクタと、第1挿入口に挿入された第1配線基板と、第2挿入口に挿入され、第1挿入口と第2挿入口との間で第1配線基板と少なくとも一部が重なって配置された第2配線基板とを備える。
【0005】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】カメラ10の要部を示す模式的な断面図を示す。
図2】鏡筒部21および実装基板30を光軸AXに沿う方向に見た場合の配置例を模式的に示す。
図3】実装基板30、コネクタ100およびコネクタ200を示す正面図である。
図4】フレキシブルプリント基板110をコネクタ100に挿入した状態を示す正面図である。
図5】フレキシブルプリント基板210がコネクタ200に挿入された状態を示す斜視図である。
図6】フレキシブルプリント基板110がコネクタ100に挿入され、フレキシブルプリント基板210がコネクタ200に挿入された状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0008】
図1は、カメラ10の要部を示す模式的な断面図を示す。カメラ10は、撮像装置の一例としてのレンズ交換式カメラである。カメラ10は、カメラ本体80と、レンズ鏡筒の一例としてのレンズユニット20とを備える。レンズユニット20は、カメラ本体80の被写体側に装着される。レンズユニット20は、交換レンズであり、カメラ本体80に対して着脱可能である。図1では、レンズユニット20がカメラ本体80に装着された状態を示す。
【0009】
レンズユニット20は、レンズ系15、鏡筒部21、レンズ側マウント40、レンズ側MPU24、レンズ駆動部28、実装基板30、コネクタ100、コネクタ200、フレキシブルプリント基板110、フレキシブルプリント基板210を備える。鏡筒部21は、略円筒状の形状を有し、内部にレンズ系15を保持する。
【0010】
レンズ側マウント40は、カメラ本体80が備えるカメラ側マウント50に取り付けられる。レンズ側マウント40およびカメラ側マウント50は、いわゆるマウントリングである。レンズ側マウント40は例えばバヨネット式のマウント構造によりカメラ側マウント50と係合して、レンズユニット20がカメラ本体80と一体化する。レンズ側マウント40およびカメラ側マウント50はそれぞれ、機械的な係合部の他に電気的な接続部も備え、カメラ本体80からレンズユニット20への電力の供給および相互の通信を実現する。
【0011】
レンズ系15は、光軸AXに沿って配列された複数のレンズ11、レンズ12、レンズ13およびレンズ14を有する。レンズ11、レンズ12、レンズ13、レンズ14は、それぞれ複数のレンズにより構成されたレンズ群であってもよい。
【0012】
カメラ本体80は、カメラ側マウント50、撮像ユニット60、フレキシブルプリント基板68およびメイン基板70を有する。メイン基板70にはカメラ側MPU71、ASIC72等の電子部品が実装されている。カメラ側MPU71は、フレキシブルプリント基板68を介して、撮像ユニット60を制御する制御信号を撮像ユニット60に出力する。
【0013】
レンズ11、レンズ12、レンズ13、レンズ14を通過した被写体光は、撮像ユニット60が有する撮像素子に入射する。撮像素子が被写体光を受光することによって生成した撮像信号は、フレキシブルプリント基板68を介してメイン基板70に伝送される。ASIC72は、フレキシブルプリント基板68を通じて取得した撮像信号に基づき、画像処理を行って被写体像の画像データを生成する。
【0014】
レンズ11、レンズ12およびレンズ13は、光軸AX方向に可動に設けられる。レンズ11、レンズ12およびレンズ13は、レンズユニット20に設けられたレンズ駆動部28が有するモータの駆動力によって、光軸AX方向に駆動される。当該モータは、後述するレンズ側MPU24によって制御される。レンズ11、レンズ12、レンズ13が光軸AX方向に移動することにより、光学系の画角調整やフォーカス位置の調整が実現される。
【0015】
例えば、カメラ側MPU71は、カメラ本体80においてレリーズボタンが半押し操作された場合に、フォーカス位置を制御する制御信号をレンズユニット20に出力する。レンズ側MPU24は、カメラ側MPU71からの制御信号を取得すると、レンズ駆動部28にモータ制御信号を出力して、レンズ11、レンズ12およびレンズ13のうちフォーカス調節を担うレンズを光軸AX方向に移動させる。
【0016】
また、カメラ本体80において画角を調節する操作がなされた場合に、カメラ側MPU71は、画角を制御する制御信号をレンズユニット20に出力する。レンズ側MPU24は、カメラ側MPU71からの制御信号を取得すると、レンズ駆動部28にモータ制御信号を出力して、レンズ11、レンズ12およびレンズ13のうち画角調節を担うレンズを光軸AX方向に移動させる。
【0017】
レンズユニット20の実装基板30には、コネクタ100およびコネクタ200と、後述するレンズ側MPU24が実装される。フレキシブルプリント基板110は、コネクタ100に装着される。フレキシブルプリント基板210は、コネクタ200に装着される。
【0018】
レンズ側MPU24は、フレキシブルプリント基板210を介してカメラ側MPU71と通信する。フレキシブルプリント基板210は、レンズ側MPU24とカメラ側MPU71との間でやりとりされる信号を伝送する。例えば、レンズ側MPU24は、画角制御やフォーカス制御の制御信号を、フレキシブルプリント基板210を通じてカメラ側MPU71から取得する。また、レンズ側MPU24は、レンズユニット20の状態や制御結果等を示す信号を、フレキシブルプリント基板210を通じてカメラ側MPU71に出力する。また、フレキシブルプリント基板210は、カメラ本体80から供給される電力を受け取る配線を有する。
【0019】
レンズ側MPU24は、フレキシブルプリント基板110を介してレンズ駆動部28と通信する。フレキシブルプリント基板110は、レンズ駆動部28と通信IF21との間でやりとりされる信号を伝送する。例えば、レンズ側MPU24は、レンズ駆動部28が有するモータを制御する御信号を、フレキシブルプリント基板110を通じてレンズ駆動部28に出力する。また、レンズ側MPU24は、レンズ駆動部28の状態やレンズ駆動部28の制御結果等を示す信号を、フレキシブルプリント基板110を通じてレンズ駆動部28から取得する。また、フレキシブルプリント基板110は、カメラ本体80から供給される電力をレンズ駆動部28に供給する配線を有する。
【0020】
フレキシブルプリント基板110およびフレキシブルプリント基板210は、可撓性を有する絶縁性の樹脂シートに配線パターンが形成された帯状の部材である。フレキシブルプリント基板110は、コネクタ100に着脱可能である。フレキシブルプリント基板210は、コネクタ200に着脱可能である。
【0021】
コネクタ100およびコネクタ200は、コネクタ100の挿入口とコネクタ200の挿入口とが向かい合うように、実装基板30に実装される。フレキシブルプリント基板110がコネクタ100に挿入され、フレキシブルプリント基板210がコネクタ200に挿入された場合、フレキシブルプリント基板110の一部とフレキシブルプリント基板210の一部とが、光軸AX方向に重なる。そのため、実装基板30上の実装面のうち、フレキシブルプリント基板110とフレキシブルプリント基板210と干渉する領域の面積を低減することができる。例えば、コネクタ100およびコネクタ200の挿入口付近に電子部品の実装を禁止する実装禁止エリアを設ける場合でも、コネクタの挿入口が向かい合わない位置にコネクタを実装する場合と比較して、電子部品が実装できない面積を小さくして、実装基板30上の領域を有効に活用することができる。
【0022】
図2は、鏡筒部21および実装基板30を光軸AXに沿う方向に見た場合の配置例を、フレキシブルプリント基板110およびフレキシブルプリント基板210とともに模式的に示す。図2では、フレキシブルプリント基板110およびフレキシブルプリント基板210が挿入される前の状態を示す。
【0023】
実装基板30は、鏡筒部21の収容部22内に配置される。鏡筒部21は、レンズ系15を通過する被写体光束が通過する開口部23を有する。収容部22は、全体として略円環状の形状を有しており、開口部23を囲うように設けられる。実装基板30は、全体として略円環状の収容部22に沿う外形を有しており、収容部22内に配置される。
【0024】
コネクタ100、コネクタ200およびレンズ側MPU24は、実装基板30の一方の主面である実装面35に実装される。実装基板30は、実装面35が光軸AXに略直交するように配置される。実装面35は、光軸AX側に位置する内側縁部31と、内側縁部31より光軸AXから離れた側に位置する外側縁部32とを有する。
【0025】
コネクタ100は、コネクタ200が実装された位置より内側縁部31側の位置に実装される。コネクタ200は、コネクタ100が実装された位置よりも外側縁部32に実装される。このように、コネクタ100は、コネクタ200が実装された位置より光軸AX側の位置に実装され、コネクタ200は、コネクタ100が実装された位置より光軸AXから離れた位置に実装される。内側縁部31および外側縁部32は、それぞれ略円弧の形を持つ。
【0026】
コネクタ100は、フレキシブルプリント基板110が挿入される挿入口102を有する。フレキシブルプリント基板110は、挿入口102に着脱可能である。コネクタ100は、NON−ZIF(無挿入力:Zero Intersion Force)タイプのコネクタである。
【0027】
コネクタ200は、フレキシブルプリント基板210が挿入される挿入口202を有する。コネクタ200は、挿入口102と向かい合う位置に挿入口202を有する。フレキシブルプリント基板210は、挿入口202に着脱可能である。コネクタ200は、ZIFタイプのコネクタである。
【0028】
図2には、実装面35上に定めたuvw座標系の座標軸を示す。uvw座標系は、直交座標系であり、u軸、v軸およびw軸は互いに直交する。w軸は、光軸AXに沿う方向の座標軸である。したがって、実装基板30の実装面35はuv平面に略平行である。また、被写体光束が進む方向をw軸のマイナス方向と定める。レンズユニット20がカメラ本体80に装着されている場合、カメラ本体80から離れる方向がw軸プラス方向となる。u軸は、挿入口102および挿入口202がそれぞれuw平面に平行になるように定める。uvw座標系は、右手系の座標系である。
【0029】
フレキシブルプリント基板110は、コネクタ部120と、配線部130とを有する。コネクタ部120は、コネクタ100の挿入口102に挿入される。コネクタ部120の全体が挿入口102からコネクタ100内まで差し込まれることにより、フレキシブルプリント基板110がコネクタ100に装着される。
【0030】
配線部130は、コネクタ部120に続く屈曲部131と、屈曲部131に続く直進部132と、直進部132に続く屈曲部133と、屈曲部133に続く直進部134とを有する。フレキシブルプリント基板110がコネクタ100に装着された場合の屈曲部131、直進部132、屈曲部133、直進部134、縁部141および縁部141の位置関係については、後述する。
【0031】
フレキシブルプリント基板210は、コネクタ部220と、配線部230とを有する。コネクタ部220は、コネクタ200の挿入口202に挿入される。コネクタ部220の全体が挿入口202からコネクタ200内まで差し込まれることにより、フレキシブルプリント基板210がコネクタ200に装着される。
【0032】
配線部230は、コネクタ部220に続く屈曲部231と、屈曲部231に続く直進部232と、直進部232に続く屈曲部233と、屈曲部233に続く直進部234とを有する。フレキシブルプリント基板210がコネクタ200に装着された場合の屈曲部231、直進部232、屈曲部233、直進部234、縁部241および縁部242の位置関係については、後述する。
【0033】
コネクタ200は、挿入口102と向かい合う位置に挿入口202を有する。図1に示されるように、フレキシブルプリント基板110は、挿入口102と挿入口202との間で、フレキシブルプリント基板210と実装基板30の実装面35との間に配置される。このように、フレキシブルプリント基板110とフレキシブルプリント基板210とが重ねて配置される。そのため、図2の斜線部に示すように、挿入口102の近傍および挿入口202の近傍に実装禁止エリア300を設ける場合でも、実装禁止エリア300の面積を小さくして、実装基板30上の領域を有効に活用することができる。
【0034】
図3は、実装基板30、コネクタ100およびコネクタ200を具体的に示す正面図である。図4は、フレキシブルプリント基板110をコネクタ100に挿入した状態を示す正面図である。図5は、フレキシブルプリント基板210がコネクタ200に挿入された状態を示す斜視図である。図6は、フレキシブルプリント基板110がコネクタ100に挿入され、フレキシブルプリント基板210がコネクタ200に挿入された状態を示す斜視図である。
【0035】
図3に示されるように、コネクタ100は、コネクタ200からv軸方向に距離Dだけ離間して実装されている。すなわち、挿入口102と挿入口202との間隔は、距離Dである。
【0036】
図4に示されるように、フレキシブルプリント基板110がコネクタ100に装着されている場合、配線部130は、コネクタ100の挿入口102からv軸マイナス方向に延伸し、屈曲部131おいて、配線部130内の配線の延伸方向は略直交する方向に曲げられる。具体的には、フレキシブルプリント基板110が有する配線の延伸方向は、コネクタ部120におけるv軸方向から、屈曲部131においてu軸方向に曲げられて、直進部132に続く。配線部130は、直進部132においてu軸マイナス方向に延伸し、屈曲部133において主としてv軸マイナス方向に沿う方向に曲げられ、直進部134において外側縁部32に向かう。なお、図1、6等に示されるように、配線部130は、外側縁部32を超えた後、w軸プラス方向に延伸し、レンズ駆動部28に設けられたコネクタまで延伸する。
【0037】
配線部130は、直進部132において幅d1を有する。配線部130の幅は、配線部130内の配線によって信号が伝送される方向に直交する方向の長さで定義する。幅d1は、直進部132における、縁部141と縁部142との間の距離である。幅d1は距離Dより小さく、直進部132の一部は、挿入口102と挿入口202との間に位置する。距離Dは、幅d1の配線部130を挿入口102と挿入口202との間に配置できる程度の値に設計される。
【0038】
フレキシブルプリント基板110の直進部132において、縁部141は縁部142よりv軸マイナス側に位置する。配線部130の屈曲部131および直進部132において、縁部141は、挿入口202よりv軸プラス側に位置し、挿入口102よりv軸マイナス側に位置する。すなわち、配線部130は、屈曲部131および直進部132の一部において、挿入口102と挿入口202との間に配置される。このように、配線部130は、屈曲部131および直進部132の一部において、挿入口102と挿入口202との間の間隔Dより狭い幅を有し、挿入口102と第2挿入口202との間を通過する。
【0039】
配線部130は、屈曲部131および直進部132の一部において挿入口102と第2挿入口202との間を通過しているので、配線部130がコネクタ100から抜けにくくなる。そのため、コネクタ100に非ZIFタイプのコネクタを使用しても、配線部130がコネクタ100から抜けにくい。
【0040】
フレキシブルプリント基板210がコネクタ200に装着されている場合、配線部230は、コネクタ200の挿入口202からv軸プラス方向に延伸し、屈曲部231おいて、配線部230内の配線の延伸方向は略直交する方向に曲げられる。具体的には、フレキシブルプリント基板210が有する配線の延伸方向は、コネクタ部220におけるv軸方向から、屈曲部231においてu軸方向に曲げられて、直進部232に続く。配線部230は、直進部232においてu軸マイナス方向に延伸し、屈曲部233において主としてv軸マイナス方向に沿う方向に曲げられ、直進部234において外側縁部32に向かう。なお、図1等に示されるように、配線部130は、直進部234に続いて、レンズ側マウント40に設けられた通信および受電用の接続部に接続されたコネクタまで延伸する。
【0041】
配線部230は、直進部232において幅d2を有する。幅d2は、直進部232における、縁部241と縁部242との間の距離である。幅d2は距離Dより小さく、直進部232の一部は、挿入口102と挿入口202との間に位置する。距離Dは、幅d2の配線部230を挿入口102と挿入口202との間に配置できる程度の値に設計される。
【0042】
フレキシブルプリント基板210の直進部232において、縁部241は縁部242よりv軸マイナス側に位置する。配線部230の屈曲部231および直進部232において、縁部241は、挿入口202よりv軸プラス側に位置し、挿入口102よりv軸マイナス側に位置する。すなわち、配線部230は、屈曲部231および直進部232の一部において、挿入口102と挿入口202との間に配置される。このように、配線部230は、屈曲部231および直進部232の一部において、挿入口102と挿入口202との間の間隔Dより狭い幅を有し、挿入口102と第2挿入口202との間を通過する。
【0043】
配線部230は、屈曲部231および直進部232の一部において挿入口102と第2挿入口202との間を通過しているので、配線部230がコネクタ200から抜けにくくなる。なお、配線部230の屈曲部231および直進部232は、配線部130よりw軸プラス側にある。しかし、コネクタ200にZIFタイプのコネクタを使用しているので、フレキシブルプリント基板210がコネクタ200から容易に抜けることがない。
【0044】
以上に説明したように、対向する挿入口を有するコネクタ100およびコネクタ200を実装基板30に配置したので、実装基板30上の実装禁止エリアが大きくなることを抑制できる。そのため、実装基板30に実装する電子部品等の実装密度を高めることができる。また、実装基板30を小型化することができる。
【0045】
なお、挿入口102と挿入口202との間において、フレキシブルプリント基板110とフレキシブルプリント基板210との間に、シールド部材を設けてよい。シールド部材を設けることにより、フレキシブフレキシブルプリント基板110で伝送される電気信号とフレキシブルプリント基板210で伝送される電気信号との間のクロストークを低減することができる。
【0046】
本実施形態において、フレキシブルプリント基板110およびフレキシブルプリント基板210は、配線基板の一例である。対向する挿入口を有する複数のコネクタに挿入される配線部材としては、フレキシブルプリント基板の他に、フレキシブルフラットケーブル等の平板状の配線部材を適用できる。
【0047】
本実施形態のレンズユニット20は、対向する挿入口を有する複数のコネクタを実装基板に実装した電子機器の一例である。同様に、カメラ10も、対向する挿入口を有する複数のコネクタを実装基板に実装した電子機器の一例である。なお、本実施形態におけるメイン基板70に、対向する挿入口を持つ複数のコネクタを実装してもよい。例えば、メイン基板70に、フレキシブルプリント基板68が挿入される挿入口を有するコネクタと、当該挿入口に対向する挿入口を有するコネクタとを実装してよい。この場合、カメラ本体80は、対向する挿入口を有する複数のコネクタを実装基板に実装した電子機器の一例である。
【0048】
また、本実施形態において、撮像装置の一例として、レンズ交換式のカメラ10を取り上げて説明した。しかし、撮像装置は、一眼レフレッククカメラ等のレンズ交換式のカメラ以外のカメラを含む概念である。例えば、撮像装置は、レンズ非交換式カメラ、ビデオカメラなど、撮像機能を有する種々の機器を含む概念である。撮像装置は、電子機器の一例である。撮像機能の有無にかかわらず、対向する挿入口を有する複数のコネクタを実装基板に実装する構成を種々の電子機器に適用できる。
【0049】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0050】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0051】
10 カメラ
11、12、13、14 レンズ
15 レンズ系
20 レンズユニット
21 鏡筒部
22 収容部
23 開口部
24 レンズ側MPU
28 レンズ駆動部
30 実装基板
31 内側縁部
32 外側縁部
35 実装面
40 レンズ側マウント
50 カメラ側マウント
60 撮像ユニット
68 フレキシブルプリント基板
70 メイン基板
71 カメラ側MPU
72 ASIC
80 カメラ本体
100 コネクタ
102 挿入口
110 フレキシブルプリント基板
120 コネクタ部
130 配線部
131 屈曲部
132 直進部
133 屈曲部
134 直進部
141 縁部
142 縁部
200 コネクタ
202 挿入口
210 フレキシブルプリント基板
220 コネクタ部
230 配線部
231 屈曲部
232 直進部
233 屈曲部
234 直進部
241 縁部
242 縁部
300 実装禁止エリア
図1
図2
図3
図4
図5
図6