(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
スポーツモードが選択されており、ボディ制御部において、レリーズ釦の一気押し信号を受信した場合に、ボディ制御部は、ブレ補正動作が継続中か否かを判断し、継続中であれば、露光を開始させるまでの準備時間(T10)を、0秒以上の第1準備時間に設定して出力し、前記ブレ補正部がロックされている状態であると判断した場合には、前記準備時間(T10)を、第2準備時間に設定して出力し、
前記第2準備時間が前記第1準備時間よりも長い請求項6〜11に記載のカメラボディ。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は本発明に係るブレ補正装置を一眼レフカメラに応用したブレ補正カメラの実施形態を示すブロック図である。本実施形態のカメラは、カメラボディ1と、それに着脱可能なブレ補正機能を有するレンズ鏡筒(交換レンズ)2とにより構成される。なお、以下の説明では、ブレの検出、補正レンズの位置検出、駆動等のメカ、および、回路等でヨーイング方向とピッチング方向で2方向必要なものがあるが各方向で同様の構成となるため、以下の説明では1方向のみの説明を行い他の方向の説明は省略する。
【0010】
カメラボディ1内には、ワンチップマイクロコンピュータなどで構成してあるボディ制御部20があり、カメラ側の全動作を制御する。ボディ制御部20には、レリーズ釦(不図示)の半押しによりオンする半押しスイッチ23、および、レリーズ釦の全押しによりオンする全押しスイッチ24が接続してある。また、ボディ制御部20には、オン状態でブレ補正関連の動作を含めたほぼ全てのカメラボディ側の動作が許可され、オフ状態ではほぼ全てのカメラ側の動作を禁止するためのメインスイッチ22が接続してある。さらにボディ制御部20には、撮像素子28で撮像された画像などを表示するための表示部25、撮像素子28へ向かう被写体光とファインダへ向かう被写体光とを切り替えるミラーの動きを制御するミラー駆動回路26、および、レンズ間通信回路(ボディ側通信部)21などが接続されている。
【0011】
さらにまたボディ制御部20には、ユーザが操作することができる操作部27が接続してある。ユーザは、操作部27を操作することにより、撮影モード等の情報を入力(設定)可能である。ボディ制御部20は、ユーザにより設定された撮影モード等の情報を、表示部25に表示可能である。操作部27は、表示部25とは別の操作部である場合もあるが、表示部25がタッチパネル式の表示部(たとえばタッチパネル式LCD表示装置)である場合には、表示部25は、操作部27を兼ねることも可能である。
【0012】
ボディ制御部20は、メインスイッチ22、半押しスイッチ23、全押しスイッチ24の状態を認識可能で、また、レンズ間通信回路21を通じて、レンズ鏡筒2が装着された状態でレンズ鏡筒2と通信を行うことができる。また、ボディ制御部20は、ミラー駆動回路26を通じてミラー駆動モータ(不図示)を制御し、ミラー29をアップ、あるいはダウンさせることができる。
【0013】
撮像素子28は、たとえばCCDやCMOSなどで構成され、被写体像を撮像し撮像信号(撮影結果)を出力する。ボディ制御部20は、撮像素子28から得られた撮像信号に画像処理を実行し、撮影画像を得る。ボディ制御部20は撮影画像等を表示部25に表示すると共に、必要に応じて撮影画像を記憶媒体(図示省略)に記憶、あるいは、記憶媒体から記憶された撮影画像の読み出しを行う。
【0014】
その他、カメラボディ1には、撮像素子28に露光させるシャッタ機構(不図示)があり、駆動回路を用いてボディ制御部20により制御がなされる。また、各回路を動作させるため、および、レンズ鏡筒2に供給すための電源、その他電気的な回路等が必要であるが、詳細な説明は省略する。
【0015】
一方、レンズ鏡筒2は、たとえば以下のように構成される。図示する符号3,4、5は、撮影レンズで、その内の4は補正レンズであり、ブレ補正光学系駆動手段34によりブレ補正の動作を行うために光軸Zと直行する平面内でその可動範囲内でシフト可能なよう構成される。符号13は、補正レンズ位置検出回路であり、補正レンズ4の位置を検出する。
【0016】
符号14は、補正レンズ駆動回路であり、ブレ補正の動作時、および、補正レンズ4をその可動範囲の概中央付近に繋止する場合に補正レンズ4を駆動するための回路である。後述のレンズ制御部10からの補正レンズ目標位置信号と補正レンズ位置検出回路13からの補正レンズ位置信号とにより、補正レンズ4を補正レンズ目標位置に保つ様にフィードバック制御する。
【0017】
補正レンズ4のその可動範囲の概中央に繋止するロック手段としては、たとえば
図2に示されるロック機構が例示される。
図1に図示する符号15は、電磁ロック駆動回路であり、
図2に示されるラッチソレノイドを構成するコイル33の通電を制御する。なお、ラッチソレノイドは、磁化されたロックピン31とコイル33と吸着板32とで構成され、コイル33に電流を所定の方向に通電、あるいはそれと逆の方向に通電することでロックピン31が移動する。
【0018】
図1に示す符号12は、ブレ検出回路であり、レンズ鏡筒2に生じたブレを検出する。たとえば、レンズ鏡筒2に生じたブレによる角速度を検出し、それをブレ信号として出力する。
【0019】
図1に示す符号16は、書き換え可能な不揮発性記憶手段としてのEEPROMであり、ブレ補正関連の調整値、あるいは、本発明に関わる所定のパラメタなどを記憶する。また、レンズ鏡筒2には、
図3に示される通り、ブレ補正モードスイッチ17が取り付けられている。ブレ補正モードスイッチ17には、ユーザが操作する部材で、ブレ補正モードを常時停止させたり(OFF)、ブレ補正のモードをノーマル(Normal)、アクティブ(Active)、スポーツ(Sports)などのモードに切り替えて選択可能になっている。
【0020】
ノーマルモードのブレ補正モードは、通常の手ぶれによるファインダー像や撮影画像のブレを効果的に低減する常用に適したモードである。構図の変更など意図的な動きと手ぶれを区別し、手ぶれのみを補正が可能になっている。また、流し撮り検知機能を持たせても良く、モードを切り替えることなく流し撮りにも対応させても良い。
【0021】
アクティブモードのブレ補正モードは、自動車や船舶、ヘリコプターなどの揺れる乗り物の上で撮影するときのブレ補正モードである。ノーマルモードでは、大きくゆっくり動くブレは構図変更の動作と判断し、自動的にファインダー像などの補正効果を制御する。しかし、揺れる乗り物上で撮影するときなどには、意図的な構図変更とは無関係に大きくゆっくりした動きがカメラに伝わる。そこで、このような撮影状況では、アクティブモードを選択すると、大きくゆっくりとした動きもブレとして認識して的確なブレ補正動作を行う。
【0022】
スポーツモードのブレ補正モードは、スポーツしている競技者などを撮影するときのブレ補正モードであり、本実施形態により始めて導入された概念である。スポーツモードのブレ補正モードと他のモードとの違いについては後述する。
【0023】
図3に示すブレ補正モードスイッチ17は、
図1に示すブレ補正モード選択回路18に連動する。ブレ補正モード選択回路18は、レンズ制御部10に接続してあり、レンズ制御部10では、ブレ補正モードスイッチ17によりユーザが選択したブレ補正モードを、ブレ補正モード選択回路18を介して認識し、そのモードに応じたブレ補正制御を行う。また、ブレ補正モード選択回路18で選択してあるブレ補正モードのデータは、レンズ制御部10、ボディ間通信回路(レンズ側通信部)11およびレンズ間通信回路21を通して、ボディ制御部20に通信され、表示部25で、表示させても良い。その表示部25での表示の一例を
図4に示す。
【0024】
図4に示すように、
図3に示すレンズ鏡筒2のブレ補正モードスイッチ17でユーザが設定してあるブレ補正モードを、表示部25に表示することができる。なお、本実施形態のカメラボディ1では、表示部25に表示してあるブレ補正モードを、タッチパネル式の操作部27を操作してユーザが選択することも可能である。なお、表示部25に表示してあるブレ補正モードを、タッチパネル式の操作部27を操作してユーザが選択することが可能なように構成する場合には、
図3に示すブレ補正モードスイッチ17をレンズ鏡筒2に設けないレンズ鏡筒2aであっても良い。
【0025】
ただし、
図3に示すブレ補正モードスイッチ17をレンズ鏡筒2に設けないレンズ鏡筒2aであっても、
図1に示すブレ補正モード選択回路18を有することが好ましい。その場合には、カメラボディ1の操作部27に手設定されたブレ補正モードが通信回路21および11を通して、ブレ補正モード選択回路に記憶され、そのモードに応じて、レンズ制御部10は、ブレ補正制御を行う。
【0026】
レンズ制御部10は、たとえばワンチップマイクロコンピュータなどで構成され、ブレ補正モード選択回路18の状態を認識すると共に、レンズ内の全ての回路を制御し、また、レンズ鏡筒2がカメラボディ1に装着された状態で、ボディ間通信回路11を通じてカメラボディ1との通信を行う。また、レンズ鏡筒内の回路の電源は、カメラボディ1から供給されるものとする。
【0027】
次に、ノーマルモードおよびスポーツモードにおけるブレ補正について説明する。まず、カメラボディ1側の動作を記す。カメラボディ1の動作は、全てボディ制御部20により行われ、以下ボディ制御部20の動作を示す。ボディ制御部20は、メインスイッチ22、半押しスイッチ23、全押しスイッチ24の状態を認識し、本実施形態では、
図5に示すように、メインスイッチ22は既にオン状態となっていて、タイミングt10に於いて半押しスイッチ23がオンしたことを認識する。
【0028】
ボディ制御部20は、タイミングt10で半押しスイッチ23がオンしていることを認識すると、レンズ間通信回路21を通じてレンズ鏡筒2に”ブレ補正開始指示”を行う。また、ボディ制御部20は、半押しスイッチ23がオフしたタイミングt14にて、レンズ鏡筒2にレンズ間通信回路21を通じて”ブレ補正終了指示”をする。
【0029】
一方、ボディ制御部20の上記の指示に対してレンズ鏡筒2は以下のように動作を行う。レンズ鏡筒2の全ての動作は、レンズ制御部10によりその動作が行われる。
図5の動作が開始されるタイミングで、補正レンズ4は、既に電磁ロック駆動回路15、および、
図2で示される電磁ロック機構により、その可動範囲の概中央に繋止、つまりは、電磁ロックされた状態であるものとする。
【0030】
レンズ制御部10は、タイミングt11に於いて、ボディ間通信回路11を通じてボディ制御部20からの”ブレ補正開始指示”を受けると、タイミングt12において補正レンズ駆動回路14に、電磁ロックを解除しやすいよう、現在の補正レンズ位置より若干、その位置を浮かせた位置に保持するよう指示する。具体的には、レンズ制御部10は、タイミングt11の於ける補正レンズ4の位置を補正レンズ位置検出回路13からの信号により認識し、それより若干、浮かせた位置を補正レンズ目標位置として補正レンズ駆動回路14に指示する。
【0031】
これにより、補正レンズ駆動回路14は、指示された補正レンズ目標位置に補正レンズ4が位置するようフィードバック制御する。次に、レンズ制御部10は、タイミングt12から所定時間T4(t12〜t13)だけ経過したタイミングt13まで電磁ロック駆動回路15を通じて電磁ロック用ラッチソレノイドのコイル33に電磁ロックが解除される方向(
図5の例では+方向に通電している)に通電を行う。
【0032】
このことにより、
図2で示される電磁ロック機構により、電磁ロックピン31が、ロック板30の電磁ロック穴30aから抜かれ、補正レンズ4は、その定められた可動範囲内で自由に可動可能な状態となる。
図5に示された”補正レンズ可動範囲上限”、および、”補正レンズ可動範囲下限”は、
図2で示される”電磁ロックされた状態”でのロック穴30aのガタ量分の補正レンズの可動範囲から、”電磁ロックが解除された状態”での補正レンズ4の可動範囲が広がるのを模式的に示したものである。
【0033】
次に、タイミングt11からタイミングt13までの電磁ロック解除動作が終了すると、レンズ制御部10は、タイミングt13からブレ検出回路12により検出されたレンズ鏡筒2に生じたブレ量信号に応じて、像面、あるいは、撮像面でのブレを補正するよう補正レンズ4を駆動すべく、補正レンズ目標位置を補正レンズ駆動回路14に指示する。補正レンズ駆動回路14は、指示された補正レンズ目標位置と、補正レンズ位置検出回路13からの補正レンズ位置信号を元に補正レンズ4を駆動し、像面、あるいは、撮像面の手ブレによるブレが補正される。
【0034】
次に、レンズ制御部10は、タイミングt14に於いて、ボディ間通信回路11を通じてボディ制御部20からの”ブレ補正終了指示”を受けると、t15に於いてEEPROMなどの記憶手段16から第1所定時間T1(t16〜t17)、および、第2所定時間T2(t17〜t18)を読み込み、EEPROMの読み込みの終了したタイミングt16から読み込まれたT1時間が経過したタイミングt17までの間は、タイミングt13から開始されたブレ補正の動作を引き続き行い、タイミングt17から時間T1が経過したタイミングt17から補正レンズ目標位置を数1により算出する。
【0035】
補正レンズ目標位置=W×LC+(W−1)×LC0 … (数1)
【0036】
ここで、Wは数2で算出される補正レンズ目標位置重み付け比率であり、タイミングt17からの経過時間tに比例して減少する関数であり、タイミングt17にてW=1、タイミングt18にてW=0となる。
【0037】
W=(T2−t)/T2 … (数2)
【0038】
なお、LCは、ブレ補正量であり、ブレ検出回路12の出力から算出され、補正レンズ駆動回路14に、この量を補正レンズ目標位置として指示した場合には、タイミングt13からタイミングt17まで行われているブレ補正の動作と同様、像面、あるいは、撮像面の手ブレが適正に行われる。
【0039】
また、LC0は、
図2に示される電磁ロック機構により、補正レンズ4が電磁ロックする時の目標位置となる電磁ロックセンタ位置であり、
図2に於けるロック穴30aのガタの中心位置とする。T2は、たとえばタイミングt15からタイミングt16でEEPROMなどの記憶手段16から読み込まれた値である。このことにより、タイミングt17からタイミングt18までの間、補正レンズ目標位置は、タイミングt17からの経過時刻に応じて徐々にブレ補正のゲインが減少し、かつ、次第に電磁ロックセンタ位置LC0に近づいて行き、タイミングt18にて電磁ロックセンタ位置LC0となり、補正レンズ駆動回路14により、補正レンズ目標位置に補正レンズ4が制御される。T2の間に、メインスイッチ22がオフとならない限りは、このT2間の制御(ブレ補正センタリング動作)が行われる。
【0040】
次に、タイミングt18からは、補正レンズ目標位置を電磁ロックセンタ位置LC0に保ち、補正レンズ位置検出回路13により検出された補正レンズ位置が所定範囲に、具体的には、電磁ロックセンタ位置LC0を基準に±所定値ΔLlock1の範囲に所定時間T3(t18〜t19)継続して位置したか否かを判定し、タイミングt19にてそれを満たしたため、電磁ロック駆動回路15を通じて電磁ロック用ラッチソレノイドのコイル33に電磁ロックがかかる方向(
図5の例では−方向に通電している)に通電を所定時間T5(t19〜t20)だけ行う。このことにより、
図2で示される電磁ロック機構により、ロックピン31が、ロック穴30aに挿入され、補正レンズ4はその可動範囲の概中央に電磁ロックされる。
【0041】
なお、所定値ΔLlock1は、少なくとも
図2で示されるロック穴39aの片側のガタ量よりも小さい値に設定し、また補正レンズ4の位置が所定時間T3の間連続してこの範囲に位置することで、タイミングt19からの電磁ロック用ラッチソレノイドのコイル33への通電により確実にロックピン31がロック穴30aに挿入されることを判断している。
【0042】
以上、
図5を用いて述べた通り、レリーズ釦の半押しによりオンする半押しスイッチ23のオンにてブレ補正動作が開始され、また、半押しを解除し、半押しスイッチ23がオフすると、第1所定時間T1間、ブレ補正を継続し、その後、第2所定時間T2間、ブレ補正のゲインが時間と共に減少すると共に補正レンズ4がその可動範囲の概中央の電磁ロックセンタ位置にセンタリングされ、電磁ロック機構により補正レンズ4は、その可動範囲の概中央に電磁ロックされる。
【0043】
なお、従来技術では、ブレ補正の終了時、ブレ補正のゲインをそのまま時間と共に減少させるだけであったが、本実施形態では、所定時間T1間にブレ補正を継続し、その後、所定時間T2をかけてブレ補正のゲインを減少させるようにしたため、従来技術によるものより、ファインダ像にて観測するユーザに違和感を与えない。
【0044】
本実施形態では、
図1に示すレンズ鏡筒2のレンズ制御部2は、ボディ間通信回路11がブレ補正終了指示(第1信号)を受信した後の第1所定期間T1で通常のブレ補正制御(第1制御)を行い、第1所定期間T1内に通信回路11がブレ補正開始指示(第2信号)を受信しなかった場合には第2所定期間(T2)でゲイン減少のブレ補正制御(第2制御)を行うようになっている。しかも本実施形態では、複数の防振モードが、少なくともノーマルモード(Normal)とスポーツモード(Sports)を含み、スポーツモードでは、ノーマルモードに比較して、第1所定期間T1および/または第2所定期間T2が異なる。
【0045】
たとえば表1に示すように、ノーマルモードでは、第1所定期間T1、第2所定期間T2およびこれらのトータル時間T0が、それぞれT1n,T2n,T0nに設定してある。スポーツモードでは、第1所定期間T1、第2所定期間T2およびこれらのトータル時間T0が、それぞれT1s,T2s,T0sに設定してある。なお、アクティブモードでは、第1所定期間T1、第2所定期間T2およびこれらのトータル時間T0が、それぞれT1a,T2a,T0aに設定してある。T1n,T2n,T0nは、それぞれT1a,T2a,T0aと同じ値に設定してあっても良いが、T1s,T2s,T0sは、それぞれT1n,T2n,T0nに比較して、少なくとも1つ以上を異ならせることが好ましい。
【0047】
スポーツ競技者を被写体として撮影するスポーツモードの撮影においては、メインのスイッチを入れた状態で、半押しスイッチを繰り返し押す機会が、ノーマルモードの撮影よりも多くなる。ノーマルモードでは、第1所定期間T1および第2所定期間T2を、たとえばそれぞれ0.5秒程度に短く設定しておいても、半押し終了から半押しの再開始時に、ブレ補正部の電磁ロックを解除してからブレ補正が開始されるが、動きの少ない被写体に対してはほとんど問題が無い。
【0048】
しかしながら、スポーツモードの撮影では、被写体競技者の動きに合わせて、半押し終了から半押し開始時間までの時間が短い場合などがある。その場合に、半押しの再開時にブレ補正部がロックされていると、ブレ補正動作の開始が微妙に遅れることになる。
【0049】
本実施形態では、スポーツモードにおいて、たとえば第1所定期間T1および/または第2所定期間T2を、ノーマルモードよりも長く(たとえば1.1倍から無限大)設定しておくことで、半押しの再開時には、ブレ補正部がロックされている状態を避けることが可能となる。そのため、半押しの再開時には、素早くブレ補正動作を再開することができ、素早い動きの被写体を、手ブレなどを生じさせることなく撮影することが可能になる。
【0050】
なお、これらの第1所定時間T1、第2所定時間T2およびそれらのトータル時間T0は、たとえば
図1に示す記憶手段16に、ブレ補正モード毎に記憶されていても良い。しかも、ユーザは、たとえば
図4に示す表示部25の画面から
図6に示す画面を選択でき、各モード(スポーツモード、ノーマルモード、アクティブモード)における第1所定時間T1、第2所定時間T2およびそれらのトータル時間T0などを変更できるようにしても良い。
【0051】
次に、
図7を用いて、本実施形態のレンズ鏡筒2およびカメラボディ1において、半押し状態から全押し状態を選択した場合における制御の一例を説明する。
図7は、露光時のカメラボディ1のレンズ鏡筒2への指示とその指示に対するレンズ鏡筒2の動作を示すタイミングチャートである。
【0052】
まず、カメラボディ1側の動作を記す。カメラボディ1の動作は、全てボディ制御部20により行われ、以下ボディ制御部20の動作を示す。ボディ制御部20は、半押しスイッチ23、全押しスイッチ24の状態を認識し、本実施形態では、半押しスイッチ23は既にオン状態となっていて、タイミングt100に於いて全押しスイッチ24がオンしたことを認識すると、レンズ間通信回路21を通じてレンズ鏡筒2に”ブレ補正停止指示”を指示した後、所定時間T13経過した後、ミラーアップのためにミラー駆動回路26を通じてミラー駆動用モータ(図示省略)の駆動を開始する。
【0053】
続いて、そのタイミングから少なくともミラー駆動用モータの駆動開始により電池電圧への影響が概略おさまるだけの所定時間T14経過したタイミングt102に於いて、レンズ鏡筒2にレンズ間通信回路21を通じて”露光時ブレ補正開始指示”をすると共に、本タイミングt102から露光開始までの時間、
図7の例では所定時間T10をレンズ鏡筒2にレンズ間通信回路21を通じて指示する。
【0054】
次に、
図1に示すボディ制御部20は、ミラーアップがほぼ終了するタイミングでミラー駆動回路26を通じてミラー駆動モータを逆通電し、
図7に示すタイミングt105にてシャッタを開閉し露光を行う。その後、タイミングt106にてシャッタの開閉が終了すると、タイミングt107にてレンズ間通信回路21を通じてレンズ鏡筒2に”ブレ補正停止指示”を指示した後、所定時間T15経過したタイミングt109にて、ミラーダウンのためにミラー駆動回路26を通じてミラー駆動を開始する。
【0055】
その後、ボディ制御部20は、ミラーダウンの動作をタイミングt110にて終了すると、タイミングt111にてレンズ間通信回路21を通じてレンズ鏡筒2に”ブレ補正開始指示”を指示する。なお、
図7の例では、露光終了後のミラーダウンの動作終了時にそれぞれミラー駆動用モータに逆通電を所定時間印加し、急激にブレーキをかけるようにしてる。これにより、カメラボディ1の電源電圧は、急激にその電圧が降下している。
【0056】
また、このタイミングとブレ補正の開始とが重ならないようにタイミングt110でミラー駆動用モータの通電が終了した後のタイミングt111にてブレ補正の開始をレンズ鏡筒2に指示するようにしている。なお、ミラーダウンの動作終了時にミラー駆動用モータに逆通電を用いたブレーキを施さない場合には、ミラーダウンのためのミラー駆動用モータの通電終了のタイミングにてブレ補正の開始をレンズ鏡筒2に指示するようにしても構わない。
【0057】
一方、ボディ制御部20の上記の指示に対してレンズ鏡筒2は以下のように動作を行う。レンズ鏡筒2の全ての動作は、レンズ制御部10によりその動作が行われる。
図7の動作が開始されるタイミングで、既にカメラボディ1からの指示により、ブレ補正の動作を行っているものとする。
【0058】
レンズ制御部10は、タイミングt100に於いて、ボディ間通信回路11を通じてボディ制御部20からの”ブレ補正停止指示”を受けると、タイミングt101に於いて補正レンズ駆動回路15に、現在の補正レンズ位置を維持するよう指示する。具体的には、レンズ制御部10は、タイミングt101に於ける補正レンズ4の位置を補正レンズ位置検出回路13からの信号により認識し、その位置を補正レンズ目標位置として補正レンズ駆動回路14に指示する。これにより、補正レンズ駆動回路14は、指示された補正レンズ目標位置に補正レンズ4が位置するようフィードバック制御する。
【0059】
次に、レンズ制御部10は、タイミングt102に於いて、ボディ間通信回路11を通じてボディ制御部20からの”露光時ブレ補正開始指示”、および、”露光開始までの時間T10”を受けると、タイミングt103から、時間T10で示される露光時刻(タイミングt105に相当する)に対して露光時のためのブレ補正の動作が少なくとも安定するのに必要な所定時間T11を残したタイミングt104までの間、補正レンズ4をその可動範囲のセンタ位置へとセンタリングする。
【0060】
具体的には、補正レンズ駆動回路14に、補正レンズ4の可動範囲の中央位置を補正レンズ目標位置としてレンズ制御部10が指示する。あるいは、
図7に示すように、補正レンズ目標位置をタイミングt103の補正レンズ位置を起点に、補正レンズ4の可動範囲中央位置を終点とした直線状に変化させることで、補正レンズ4をセンタリングしても構わない。これにより、補正レンズ駆動回路14は、指示された補正レンズ目標位置に補正レンズ4が位置するようフィードバック制御し、タイミングt103からタイミングt104までの時間が十分にあれば補正レンズ4は、その可動範囲の概中央にセンタリングされ、また、タイムラグが短いカメラボディが装着された場合にも、極力、補正レンズ4は、その可動範囲の概中央にセンタリングされることとなる。
【0061】
次に、レンズ制御部10は、カメラボディ1から指示された露光開始タイミングのタイミングt105の所定時間T11前のタイミングt104から露光のためのブレ補正を開始し、具体的には、ブレ検出回路12により検出されたレンズ鏡筒2に生じたブレ量信号に応じて、像面、あるいは、撮像面でのブレを補正するよう補正レンズ4を駆動すべく、補正レンズ目標位置を補正レンズ駆動回路14に指示する。補正レンズ駆動回路14は、指示された補正レンズ目標位置と、補正レンズ位置検出回路13からの補正レンズ位置信号を元に補正レンズ4を駆動し、像面、あるいは、撮像面の手ブレによるブレが補正される。
【0062】
次に、レンズ制御部10は、タイミングt107に於いて、ボディ間通信回路11を通じてボディ制御部20からの”ブレ補正停止指示”を受けると、タイミングt108に於いて補正レンズ駆動回路14に、現在の補正レンズ位置を維持するよう指示する。具体的には、レンズ制御部10は、タイミングt108に於ける補正レンズ4の位置を補正レンズ位置検出回路13からの信号により認識し、その位置を補正レンズ目標位置として補正レンズ駆動回路14に指示する。これにより、補正レンズ駆動回路14は、指示された補正レンズ目標位置に補正レンズ4が位置するようフィードバック制御する。
【0063】
次に、レンズ制御部10は、タイミングt111に於いて、ボディ間通信回路11を通じてボディ制御部20からの”ブレ補正開始指示”を受けると、タイミングt112に於いて補正レンズ駆動回路15に、ブレ検出回路12により検出されたレンズ鏡筒2に生じたブレ量信号に応じて、像面、あるいは、撮像面でのブレを補正するよう補正レンズ4を駆動すべく、補正レンズ目標位置を補正レンズ駆動回路14に指示する。補正レンズ駆動回路14は、指示された補正レンズ目標位置と、補正レンズ位置検出回路13からの補正レンズ位置信号を元に補正レンズ4を駆動し、像面、あるいは、撮像面の手ブレによるブレが補正される。
【0064】
以上、
図7に示されるカメラボディ1、および、それに装着されたレンズ鏡筒2の動作により、補正レンズ4は、露光直前でセンタリングされ、その可動範囲のほぼ中央からブレ補正が開始されるため、ブレ補正可能なブレの量が大きく保てる。また、露光時のブレ補正の可能な補正レンズの範囲をメカ的に大きくすることも、コストアップすることも無しに実現できる。
【0065】
また、レリーズスイッチの全押しから露光までのタイムラグを変化させず、かつ、カメラボディによりこのタイムラグが異なってもそのタイムラグの時間に合わせ、補正レンズ4を露光前にその可動範囲の概中央位置にセンタリングされる。たとえば、タイムラグが短いカメラボディが装着された場合には、少なくとも露光時刻にブレ補正が安定するまの時間T11を確保した上でできる限り補正レンズ4を可動範囲の概中央位置にセンタリングすることができ、タイムラグが長いカメラボディが装着された場合には、無論、補正レンズ4は、可動範囲の概中央位置にセンタリングされる。
【0067】
なお、以上説明した
図7に示す動作は、表2に示すように、
図1に示すブレ補正モード選択回路18においてブレ補正モードがノーマルモードとアクティブモードが選択されている場合である。
図3に示すように、ブレ補正モードスイッチ17が取り付けられている本実施形態のレンズ鏡筒2、またはスイッチ17は取り付けられていないがスポーツモードに対応しているレンズ鏡筒2aと、スポーツモードに対応している実施形態のカメラボディ1との組み合わせにおいては、表2のスポーツモードに示すように、露光前中央寄せ動作(露光前のセンタリング動作)は行わない。また、スポーツモードでは、露光後に半押し状態が継続されている場合には、ブレ補正を終了させることなく、ブレ補正を継続させる。
【0068】
具体的には、
図7を用いて、以下のような制御が行われる。前述したノーマルモードおよびアクティブモードと異なる部分のみについて説明し、重複する部分の説明は一部省略する。まず、カメラボディ1側の動作を記す。
【0069】
ボディ制御部20は、半押しスイッチ23、全押しスイッチ24の状態を認識し、本実施形態では、半押しスイッチ23は既にオン状態となっていて、タイミングt100に於いて全押しスイッチ24がオンしたことを認識すると、レンズ間通信回路21を通じてレンズ鏡筒2に”ブレ補正停止指示”を指示した後、所定時間T13経過した後、ミラーアップのためにミラー駆動回路26を通じてミラー駆動用モータ(図示省略)の駆動を開始する。ただし、スポーツモードでは、”ブレ補正停止指示”を指示することなく、露光時ブレ補正開始指示を出しても良く、同時に、ミラーアップのためにミラー駆動回路26を通じてミラー駆動用モータ(図示省略)の駆動を開始してもよい。
【0070】
また、レンズ鏡筒2にレンズ間通信回路21を通じて”露光時ブレ補正開始指示”をすると共に、タイミングt100またはt102から露光開始までの時間、
図7の例では所定時間T10をレンズ鏡筒2にレンズ間通信回路21を通じて指示する。スポーツモードでは、露光を開始させるまでの準備時間T10を、0秒以上の第1準備時間に設定して出力しても良い。スポーツモードにおける準備期間T10は、ノーマルモードまたはアクティブモードにおける準備期間T10よりも短く設定しても良い。特にミラーレスカメラの場合には、ミラーの駆動に要する時間を考慮しなくても良いため、T10は0秒でも良い。
【0071】
次に、
図1に示すボディ制御部20は、ミラーアップがほぼ終了するタイミングでミラー駆動回路26を通じてミラー駆動モータを逆通電し、
図7に示すタイミングt105にてシャッタを開閉し露光を行う。その後、タイミングt106にてシャッタの開閉が終了すると、ノーマルモード(アクティブモードも同じで以下同様)では、タイミングt107にてレンズ間通信回路21を通じてレンズ鏡筒2に”ブレ補正停止指示”を指示した後、所定時間T15経過したタイミングt109にて、ミラーダウンのためにミラー駆動回路26を通じてミラー駆動を開始する。これに対して、スポーツモードでは、タイミングt107にてレンズ間通信回路21を通じてレンズ鏡筒2に”ブレ補正停止指示”を指示することなく、露光後の”ブレ補正開始指示”を指示した後、所定時間T15経過したタイミングt109にて、ミラーダウンのためにミラー駆動回路26を通じてミラー駆動を開始する。
【0072】
一方、ボディ制御部20の上記の指示に対してレンズ鏡筒2は以下のように動作を行う。レンズ鏡筒2の全ての動作は、レンズ制御部10によりその動作が行われる。
図7の動作が開始されるタイミングで、既にカメラボディ1からの指示により、ブレ補正の動作を行っているものとする。
【0073】
レンズ制御部10は、タイミングt100に於いて、ボディ間通信回路11を通じてボディ制御部20からの”露光時ブレ補正開始指示”、および、”露光開始までの時間T10”を受けると、露光前センタリング動作を行うことなく、露光時のブレ補正動作を開始する。
【0074】
具体的には、補正レンズ駆動回路14に、露光時ブレ補正動作を行うように、レンズ制御部10が指示する。具体的には、ブレ検出回路12により検出されたレンズ鏡筒2に生じたブレ量信号に応じて、像面、あるいは、撮像面でのブレを補正するよう補正レンズ4を駆動すべく、補正レンズ目標位置を補正レンズ駆動回路14に指示する。補正レンズ駆動回路14は、指示された補正レンズ目標位置と、補正レンズ位置検出回路13からの補正レンズ位置信号を元に補正レンズ4を駆動し、像面、あるいは、撮像面の手ブレによるブレが補正される。
【0075】
次に、レンズ制御部10は、タイミングt107に於いて、ボディ間通信回路11を通じてボディ制御部20からの露光後の”ブレ補正開始指示”を受けると、補正レンズ駆動回路15に、ブレ検出回路12により検出されたレンズ鏡筒2に生じたブレ量信号に応じて、像面、あるいは、撮像面でのブレを補正するよう補正レンズ4を駆動すべく、補正レンズ目標位置を補正レンズ駆動回路14に指示する。補正レンズ駆動回路14は、指示された補正レンズ目標位置と、補正レンズ位置検出回路13からの補正レンズ位置信号を元に補正レンズ4を駆動し、像面、あるいは、撮像面の手ブレによるブレが補正される。
【0076】
すなわち、本実施形態では、表2に示すように、スポーツモードの場合には、露光前の中央寄せ動作(露光前センタリング動作)を行わない。また、スポーツモードの場合には、露光後には、露光時ブレ補正動作停止を行うことなく、露光後ブレ補正動作を開始する。このように制御することで、スポーツモードでは、被写体の素早い動きに対応して良好なブレ補正動作を実現することが可能になる。
【0078】
なお、
図3に示す本実施形態のレンズ鏡筒2または2aは、本実施形態のカメラボディ1のみでなく、スポーツモードに対応していない従来のカメラボディ1bに連結しても良い。その場合には、表3に示すように、ノーマルモードおよびアクティブモードでは、表2に示すこれらのモードと同じように動作し、スポーツモードでは、以下のように動作する。
【0079】
すなわち、
図1に示すレンズ制御部10が、そのレンズ鏡筒10が連結されたカメラボディが、スポーツモードの防振モードに対応していないカメラボディであると制御部10が判断し、スポーツモードが選択されている場合には、以下のような制御を行う。たとえば
図3に示す従来のカメラボディ1bから露光前センタリング動作(露光前中央寄せ動作)の指示を、
図1に示すレンズ制御部10が受けたとしても、レンズ制御部10は、カメラボディ1bからの指示信号を無視し、ブレ補正モード選択回路18で選択してあるスポーツモードに基づき、露光前センタリング動作を行わない。また、露光後には、
図3に示す従来のカメラボディ1bからの露光時ブレ補正停止信号を無視して、露光時ブレ補正の停止を行うことなく、露光後のブレ補正を開始する。
【0080】
なお、露光時ブレ補正と露光後ブレ補正(露光前ブレ補正も同様)とでは、ブレ補正の度合いを変化させている。露光後ブレ補正(露光前ブレ補正も同様)では、被写体を捕らえやすくするために、ブレ補正の度合いを弱めに設定してあり、露光時のブレ補正では、被写体のブレを最大限に低減するためにブレ補正の度合いを強めに設定してある。
【0082】
また、
図3に示す本実施形態のカメラボディ1は、本実施形態のスポーツモードに対応したレンズ鏡筒2または2a以外に、スポーツモードに対応していない従来のレンズ鏡筒2bにも連結することができる。その場合には、カメラボディ1の表示部25および操作部27を用いて、
図4に示すような表示画面から、防振モードを選択することになる。選択された防振モードが、ノーマルモードまたはアクティブモードの場合には、表4に示すように、表2および表3と同様な動作を行う。
【0083】
操作部27で選択された防振モードが、スポーツモードの場合には、
図1に示すボディ制御部20からレンズ制御部10に指令信号を送り、レンズ制御部10では、表4に示すように露光前中央寄せ動作を行うことなく、露光時ブレ補正動作を開始させる。また、スポーツモードにおいて露光後には、
図1に示すボディ制御部20からレンズ制御部10に露光時ブレ補正終了指示を出すことなく露光後ブレ補正開始指令信号を送り、レンズ制御部10では、表4に示すように露光後ブレ補正動作を開始する。
【0084】
なお、
図7では、半押しスイッチ23が押されている状態で、全押しスイッチ24が押された場合を示しているが、次に、スポーツモードにおいて、半押しスイッチ23と全押しスイッチ24とが同時に押された場合(一気押しレリーズ)について説明する。
【0086】
図1に示すボディ制御部20が、スポーツモードにおいて、半押しスイッチ23と全押しスイッチ24とが同時に押された場合(一気押しレリーズ/一気押し信号)を検知した場合には、レンズ間通信回路21を通して、レンズ制御部10が既にブレ補正を開始しているかを判断する。すなわち、ボディ制御部20は、ブレ補正動作が継続中か否かを判断し、継続中であれば、
図7に示す露光を開始させるまでの準備時間T10を、表5に示すように、0秒以上の第1準備時間に設定して出力する。
【0087】
また、ボディ制御部20は、レンズ間通信回路21を通して、ブレ補正部が電磁ロックされている状態(
図2(b)に示す状態)であると判断した場合には、準備時間T10を、表5に示すように、所定時間Tr以上の第2準備時間に設定して出力する。所定時間Trは0よりも大きく、電磁ロックを解除することを考慮したロック解除準備時間に対応し、第2準備時間は第1準備時間よりも長くしてある。
【0089】
図1に示すレンズ鏡筒2では、スポーツモードにおいて、レンズ制御部10が、カメラボディ1からのレリーズ釦の一気押し信号と、露光を開始させるまでの準備時間T10とを受信した場合に、レンズ制御部10は、その準備時間T10が、ロックを解除することを考慮したロック解除準備時間よりも長いか否かを判断する。準備時間T10が、ロック解除準備時間Trよりも短く、しかもブレ補正部がロック状態(
図2(b)の状態)であるとレンズ制御部10が判断した場合には、表6に示すように、カメラボディ1からの命令信号を無視して、ロック解除準備時間Trよりも長い時間を準備時間T10として、露光を開始させる。
【0090】
なお、露光時ブレ補正の開始は、レンズ制御部10が、カメラボディ1からのレリーズ釦の一気押し信号を受け取った時点からで良い。あるいは、
図7と同様に、カメラボディ1からのレリーズ釦の一気押し信号を受け取った時点から所定時間T13およびT14の経過後でも良い。
【0091】
また、
図1に示すレンズ鏡筒2では、スポーツモードにおいて、レンズ制御部10が、準備時間T10がロック解除準備時間Trよりも短く、しかもブレ補正部が既にブレ補正動作中である場合には、表6に示すように、カメラボディ1からの命令信号に基づき露光を開始させる。
【0092】
さらに、
図1に示すレンズ鏡筒2では、スポーツモードにおいて、レンズ制御部10が、準備時間T10がロック解除準備時間Trよりも長く、しかもブレ補正部がロック状態(
図2(b)の状態)であるとレンズ制御部10が判断した場合には、表6に示すように、電磁ロックを解除してから露光時ブレ補正動作を開始させる。
【0093】
本実施形態のレンズ鏡筒2および/またはカメラボディ1、あるいは本実施形態のブレ補正装置を有するカメラでは、スポーツモードに適した防振モードでブレ補正制御を行うために、スポーツ競技者の素早い動きに適した防振動作を行うことができる。
【0094】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
【0095】
たとえば、上述した実施形態では、ブレ補正部のロック機構として、
図2(a)および
図2(b)に示す電磁ロック機構を用いたが、図示するロック機構以外のロック機構を用いても良い。また、上述した実施形態では、本発明のブレ補正装置を、レンズ4が光軸Zと垂直方向に移動してブレ補正を行う方式に適用したが、撮像素子が光軸Zと垂直方向に移動してブレ補正を行う方式に適用してもよい。また、上述した実施形態では、本発明のブレ補正装置を、ミラー付きの一眼レフカメラに適用したが、本発明のブレ補正装置は、ミラーレスカメラにも適用が可能である。
【0096】
また、本発明のブレ補正装置は、一眼レフカメラ以外のコンパクトカメラや、携帯電話のカメラなどにも適用することができる。さらに、本発明のブレ補正装置は、フィルム式カメラまたはカメラボディにも適用が可能である。さらにまた、本発明のブレ補正装置は、カメラ以外の光学機器にも適用することができる。