特許第6350025号(P6350025)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6350025含油スカム又は含油排水の油水分離方法、並びに油水分離剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6350025
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】含油スカム又は含油排水の油水分離方法、並びに油水分離剤
(51)【国際特許分類】
   B01D 17/05 20060101AFI20180625BHJP
   B01D 17/00 20060101ALI20180625BHJP
   C09K 3/32 20060101ALI20180625BHJP
【FI】
   B01D17/05 501M
   B01D17/00 503B
   C09K3/32 J
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-131596(P2014-131596)
(22)【出願日】2014年6月26日
(65)【公開番号】特開2016-7600(P2016-7600A)
(43)【公開日】2016年1月18日
【審査請求日】2017年3月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001063
【氏名又は名称】栗田工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078732
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 保
(74)【代理人】
【識別番号】100089185
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100131635
【弁理士】
【氏名又は名称】有永 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100118050
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 将之
(72)【発明者】
【氏名】村上 駿輔
(72)【発明者】
【氏名】吉川 たかし
【審査官】 目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】 特公平01−019439(JP,B2)
【文献】 特開昭50−111865(JP,A)
【文献】 特開昭58−084891(JP,A)
【文献】 特許第4625894(JP,B2)
【文献】 特公平04−010397(JP,B2)
【文献】 特開2015−054308(JP,A)
【文献】 特開昭58−095527(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D17/00−17/12
C02F1/00−1/78
C10G1/00−99/00
C09K3/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属の圧延処理工程で生じる含油スカムに対して、エチレンオキサイド付加モル数が1〜3のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩を添加する、含油スカムの油水分離方法。
【請求項2】
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が、下記一般式(1)に示されるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩である、請求項1に記載の含油スカムの油水分離方法。
【化1】
[式中、Rは炭素数が8〜18のアルキル基を示し、Rは炭素数2のアルキレン基を示し、nは1〜3の数を示し、Xは1価の陽イオンを示す。]
【請求項3】
前記含油スカム中の前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩の含有割合が0.1〜10質量%となるようにして前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩を添加する、請求項1又は2に記載の含油スカムの油水分離方法。
【請求項4】
エチレンオキサイド付加モル数が1〜3のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩を含有してなる、金属の圧延処理工程で生じる含油スカム用の油水分離剤。
【請求項5】
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が、下記一般式(1)に示されるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩である、請求項4に記載の金属の圧延処理工程で生じる含油スカム用の油水分離剤。
【化3】
[式中、Rは炭素数が8〜18のアルキル基を示し、Rは炭素数2のアルキレン基を示し、nは1〜3の数を示し、Xは1価の陽イオンを示す。]
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、含油スカム又は含油排水の油水分離方法、並びに油水分離剤に関する。
【背景技術】
【0002】
冷間圧延等の金属の圧延処理では、潤滑性のための油、冷却のための水が必要であり、含油排水が発生する。このように金属の圧延処理等で生じた含油排水は、油水分離槽において、水分と油分とに分離される。分離した水分は、回収して冷間圧延等で再利用するか、排水処理設備に送られる。油分は油水分離の際にスカムとして浮上する。油分を含むスカム(以下、「含油スカム」と称する)は、熱量を持つが、水分を30〜70%程度含むため燃料としての再利用は難しい。このため含油スカムは、産業廃棄物として焼却処分されることが多い。
【0003】
含油スカムを燃料として再利用するには、含油スカム中の水分を減らす必要がある。含油排水又は含油スカムの油水分離処理としては、特許文献1〜3の技術が提案されている。
【0004】
特許文献1には、金属表面処理工程の脱脂工程後に発生したエマルション油等の水分含量の多い油分に対して、塩酸等の鉱酸を添加し、撹拌、静置して油水分離し、油分を燃料として再利用する方法が開示されている。
特許文献2には、ノニオン系界面活性剤を含む含油排水に対し、該界面活性剤よりHLB値の低いノニオン系界面活性剤を添加することにより、排水を加温することなく、油相と清澄な水相とを分離する方法が開示されている。
特許文献3には、含油廃水から油分離槽にて浮上油を分離した後、無薬注で加圧浮上槽にてさらに浮上油を分離して浮上油を2段階で除去し、その後エマルジョンブレークし凝集剤を添加して、分離された油分を凝集加圧浮上濃縮槽にてスカムとして浮上させ、浮上させたスカムを焼却処理する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭58−84891号公報
【特許文献2】特許第4625894号公報
【特許文献3】特公平4−10397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の手法は、酸を添加するため処理設備を耐酸性とする必要があり、現有設備を使用した処理が困難であるという問題がある。
特許文献2の手法は、含油排水に含まれている乳化剤の種類が特定できていない場合に対応が困難であるという問題がある。言い換えると、特許文献2の手法は、様々な工程から排出される含油排水に対しての迅速な対応が困難である。また、特許文献2の手法は、含油排水の油水分離のみを考慮しており、含油排水に比べて粘度が高く、含油排水とは性状が異なる含油スカムの油水分離を全く考慮していない。
特許文献3の手法は、三段階の処理が必要であり、設備を増設する必要があるという問題がある。また、特許文献3の手法は、含油スカムを燃料としての再利用するような高度な油水分離を考慮していない。
【0007】
本発明は、このような状況下になされたものであり、耐酸設備を必要とすることなく、様々な工程から排出される含油スカム又は含油排水に対して、簡易な処理方法により油水分離可能な含油スカム又は含油排水の油水分離方法を提供することを目的とする。また、本発明は、前記方法に用いられる油水分離剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、次の[1]〜[8]を提供する。
[1]含油スカムに対して、アルキレンオキサイド付加モル数が1〜3のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩を添加する、含油スカムの油水分離方法。
[2]前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が、下記一般式(1)に示されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩である、上記[1]に記載の含油スカムの油水分離方法。
【化1】
[式中、R1は炭素数が8〜18のアルキル基を示し、R2は炭素数2〜3のアルキレン基を示し、nは1〜3の数を示し、Xは1価の陽イオンを示す。]
[3]前記含油スカム中の前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩の含有割合が0.1〜10質量%となるようにして前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩を添加する、上記[1]又は[2]に記載の油水分離方法。
【0009】
[4]含油排水に対して、アルキレンオキサイド付加モル数が1〜3のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩を添加する、含油排水の油水分離方法。
[5]前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が、下記一般式(1)に示されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩である、上記[4]に記載の含油排水の油水分離方法。
【化2】
[式中、R1は炭素数が8〜18のアルキル基を示し、R2は炭素数2〜3のアルキレン基を示し、nは1〜3の数を示し、Xは1価の陽イオンを示す。]
[6]前記含油排水中の前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩の含有割合が0.1〜10質量%となるようにして前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩を添加する、上記[4]又は[5]に記載の油水分離方法。
【0010】
[7]アルキレンオキサイド付加モル数が1〜3のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩を含有してなる、油水分離剤。
[8]前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が、下記一般式(1)に示されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩である、上記[7]に記載の油水分離剤。
【化3】
[式中、R1は炭素数が8〜18のアルキル基を示し、R2は炭素数2〜3のアルキレン基を示し、nは1〜3の数を示し、Xは1価の陽イオンを示す。]
【発明の効果】
【0011】
本発明の含油スカム又は含油排水の油水分離方法、並びに油水分離剤は、耐酸設備を必要とすることなく、様々な工程から排出される含油排水に対して、簡易な処理方法により含油スカム又は含油排水を油水分離することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[含油スカムの油水分離方法]
本発明の含油スカムの油水分離方法は、含油スカムに対して、アルキレンオキサイド付加モル数が1〜3のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩を添加するものである。
アルキレンオキサイド付加モル数が1〜3のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩(以下、「本発明の硫酸エステル塩」と称する場合がある。)は、含油スカムの元となる含油排水の種類に関わりなく、含油スカムの油水分離性に優れるものである。
一方、本発明の硫酸エステル塩と類似する構造であっても、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、及びアルキレンオキサイド付加モル数が3を超えるポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩は、含油スカムの油水分離性に劣るものである。
本発明の硫酸エステル塩は、アルキレンオキサイド付加モル数が2〜3であることが好ましい。
【0013】
なお、本発明でいう含油スカムとは、少なくとも油水分離槽で分離した油分(浮上油)を含むものであり、さらに場合により、油水分離時に油分とともに同時に取り出される水分等の油分以外の成分、及び含油スカムに散布する水分等の油水分離後に添加される成分を含むものである。
本発明の含油スカムの油水分離方法に適用可能な含油スカムは特に制限されない。含油スカムの由来としては、冷間圧延等の金属の圧延処理等で生じる含油排水が挙げられる。
含油スカム中の油分は特に限定されないが、通常30〜70質量%である。
【0014】
本発明の硫酸エステル塩としては、下記一般式(1)で表されるものが挙げられる。
【化4】
[式中、R1は炭素数が8〜18のアルキル基を示し、R2は炭素数2〜3のアルキレン基を示し、nは1〜3の数を示し、Xは1価の陽イオンを示す。]
本発明の硫酸エステル塩は、上記一般式(1)で表されるものの1種又は2種以上を用いることが好ましい。
式(1)中の1価の陽イオンとしては、Na、K、NH4、NH(CH2CH2OH)3等が挙げられ、これらの中でもNaが好適である。また、式(1)中のR1は炭素数11〜14のアルキル基であることが好ましい。また、式(1)中のR2は炭素数2のアルキレン基(エチレン基)であることが好ましい。また、式(1)中のnは2〜3の数であることが好ましい。
【0015】
本発明の硫酸エステル塩は、含油スカム中の本発明の硫酸エステル塩の含有割合が0.1〜10質量%となるように添加することが好ましく、0.5〜2質量%となるように添加することがより好ましい。本発明の硫酸エステル塩を2種類以上用いる場合、本発明の硫酸エステル塩の合計添加量を前記範囲とすればよい。
【0016】
本発明の硫酸エステル塩を添加する際の形態は、固体でも良いし、溶剤や水等の溶媒で希釈して液体として添加してもよい。対象とする含油スカムに対して均一に混合する観点からは、液体として添加することが好ましい。液体品の本発明の硫酸エステル塩の濃度は、処理コスト及び粘度の観点から、10〜90質量%とすることが好ましく、30〜70質量%とすることがより好ましい。後述する含油排水の油水分離方法においても同様である。
【0017】
含油スカムに本発明の硫酸エステル塩を添加する箇所は特に制限されない。添加箇所としては、例えば、加圧浮上槽、加圧浮上槽から含油スカムを移送する配管、加圧浮上槽から移送した含油スカムを貯留する槽等が挙げられる。
【0018】
含油スカムに本発明の硫酸エステル塩を添加した後は、撹拌を行い静置する。攪拌後にすぐに油水分離する場合もあり、静置は数分程度でもよいが、大抵は1日程度静置すれば油水分離は完了する。
【0019】
本発明の硫酸エステル塩を添加する際の含油スカムの温度及びpHは特に制限されない。温度は5〜70℃が好ましく、25〜35℃がより好ましく、30℃が特に好ましい。pHは5〜9が好ましく、6〜7がより好ましく、6.5がさらに好ましい。
【0020】
<任意添加成分>
なお、本発明の目的が損なわれない範囲で、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等の本発明の硫酸エステル塩以外の成分を添加することできる。これらの添加成分は一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。後述する含油排水の油水分離方法においても同様である。
【0021】
[含油排水の油水分離方法]
本発明の含油排水の油水分離方法は、含油排水に対して、アルキレンオキサイド付加モル数が1〜3のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩を添加するものである。
アルキレンオキサイド付加モル数が1〜3のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩(本発明の硫酸エステル塩)の実施形態、及びその好適な実施形態は、上述した本発明の含油スカムの油水分離方法の実施形態と同様である。
本発明の硫酸エステル塩は、含油排水の油水分離性に優れることから、後の油水分離工程で含油スカムを抽出した際に、含油スカム中の水分含有率を低下させることができる。一方、本発明の硫酸エステル塩と類似する構造であっても、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、及びアルキレンオキサイド付加モル数が3を超えるポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩は、含油排水の油水分離性に劣るものである。
【0022】
本発明の含油排水の油水分離方法に適用可能な含油排水は特に制限されない。含油排水としては、冷間圧延等の金属の圧延処理等で生じる排水が挙げられる。
含油排水中の油分は特に限定されないが、金属の圧延処理の排水の場合、通常油分は50〜500ppmである。
【0023】
本発明の硫酸エステル塩は、含油排水中の本発明の硫酸エステル塩の含有割合が0.1〜10質量%となるように添加することが好ましく、0.2〜5質量%となるように添加することがより好ましい。本発明の硫酸エステル塩を2種類以上用いる場合、本発明の硫酸エステル塩の合計添加量を前記範囲とすればよい。
【0024】
含油排水に本発明の硫酸エステル塩を添加する箇所は、含油スカムの抽出前であれば特に制限されない。
含油排水に本発明の硫酸エステル塩を添加した後は、油水分離して含油スカムを抽出する。油水分離装置としては、加圧浮上槽、遠心分離装置、ろ過装置等が挙げられ、含油排水の濃度等により適宜使い分ければよい。金属の圧延処理で生じた含油排水の場合、加圧浮上槽が好適である。
本発明の硫酸エステル塩を添加する際の含油排水の温度及びpHは特に制限されない。温度は5〜70℃が好ましく、25〜35℃がより好ましく、30℃が特に好ましい。pHは5〜9が好ましく、6〜7がより好ましく、6.5がさらに好ましい。
【0025】
[油水分離剤]
本発明の油水分離剤は、アルキレンオキサイド付加モル数が1〜3のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩である。
本発明の油水分離剤の実施形態、及びその好適な実施形態は、本発明の含油スカムの油水分離方法、及び本発明の含油排水の油水分離方法で説明した通りである。
【実施例】
【0026】
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
【0027】
1.油水分離効果の確認
1−1.油水分離前の含油スカム中の水分濃度の算出
JIS K−2275の蒸留法に準拠して、含油スカム中の水分量を測定し、水分濃度を算出した。
1−2.油水分離後の含油スカムの水分濃度の算出
含油スカムを入れた缶を30〜40回撹拌混合した。攪拌後の含油スカムを100mlの試験管に100ml注ぎ、薬剤の濃度が1質量%となるように薬剤を添加した。試験管内の試料をスパーテルで60秒攪拌し、含油スカムと薬剤とを混合した。30℃の恒温槽で24時間静置後、水相の高さから分離した水分量を測定し、含油スカムに残存している水分濃度を算出した。
1−3.油水分離処理による含油スカムの水分低減率の算出
油水分離前の含油スカム中の水分濃度を「A%」、油水分離後の含油スカムの水分濃度を「B%」とし、下記式により油水分離処理による含油スカムの水分低減率を算出した。水分低減率が50%以上のものを「〇」、30%以上50%未満のものを「△」、30%未満のものを「×」とした。結果を表1に示す。
含油スカムの水分低減率(%)=[(A−B)/A]×100
【0028】
2.使用薬剤
薬剤1:ポリオキシアルキレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(アルキレンオキサイド付加モル数2、アルキレン基炭素数2、アルキル基炭素数12)
薬剤2:ポリオキシアルキレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(アルキレンオキサイド付加モル数2.5、アルキレン基炭素数2、アルキル基炭素数12)
薬剤3:ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(アルキレンオキサイド付加モル数3、アルキレン基炭素数2、アルキル基炭素数8〜18[アルキル基の平均炭素数13.5])
薬剤4:ポリオキシアルキレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン(アルキレンオキサイド付加モル数4、アルキレン基炭素数2、アルキル基炭素数12)
薬剤5:ポリオキシアルキレンアルキルスルホコハク酸二ナトリウム(アルキレンオキサイド付加モル数8、アルキレン基炭素数2、アルキル基炭素数8)
薬剤6:ポリオキシアルキレンアルキルスルホコハク酸二ナトリウム(アルキレンオキサイド付加モル数10、アルキレン基炭素数2、アルキル基炭素数10)
薬剤7:ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(アルキレンオキサイド付加モル数3.7、アルキレン基炭素数2、アルキル基炭素数14.5)
薬剤8:ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(アルキレンオキサイド付加モル数2.5、アルキレン基炭素数2、アルキル基炭素数10)
薬剤9:ポリオキシアルキレンオレイルエーテル及びポリオキシアルキレンセチルエーテルの混合物(アルキレンオキサイド付加モル数3.4、アルキレン基炭素数2、アルキル基炭素数16又は18[アルキル基の平均炭素数17])
【0029】
【表1】
【0030】
表1の結果から明らかなように、含油スカムに対してアルキレンオキサイド付加モル数が1〜3のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩を添加した実施例1〜3は、含油スカムの油水分離効果に優れることが分かる。