(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記バインダーは、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)、ポリビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン(PVdF−HFP)共重合体、エチレンビニルアセテート(EVA)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアクリロニトリル、酢酸ビニル誘導体、ポリエチレングリコール、アクリル系ゴムおよびこれらの組み合わせからなる群より選択されたものを含む、請求項14に記載のリチウム二次電池。
前記無機層が前記第1面および前記第2面のうちの少なくとも一つに位置する場合、前記無機物は前記第1基材100重量部に対して20から200重量部の範囲内で含まれ、
前記無機層が前記第3面および前記第4面のうちの少なくとも一つに位置する場合、前記無機物は前記第2基材100重量部に対して20から200重量部の範囲内で含まれる、請求項1に記載のリチウム二次電池。
前記バインダーは、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)、ポリビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン(PVdF−HFP)共重合体、エチレンビニルアセテート(EVA)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアクリロニトリル、酢酸ビニル誘導体、ポリエチレングリコール、ポリアクリル系ゴムおよびこれらの組み合わせからなる群より選択されたものを含む、請求項20に記載のリチウム二次電池。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を詳しく説明する。ただし、これは例示として提示されるものであり、本発明はこれによって制限されず、後述する特許請求の範囲の範疇により定義される。
【0026】
本発明の一実施形態によるリチウム二次電池について
図1を参照して説明する。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態によるリチウム二次電池の分解斜視図である。一実施形態によるリチウム二次電池は、角型のものを例に挙げて説明するが、本発明がこれに制限されず、リチウムポリマー電池、円筒型電池など多様な形態の電池に適用され得る。
【0028】
図1に示されているように、本発明の一実施形態によるリチウム二次電池100は、正極110、第1セパレータ130、負極120、および第2セパレータ130’が順次に積層された電極組立体140と、前記電極組立体140が内蔵されるケース150とを備える。前記正極110および前記負極120と、前記第1セパレータ130および前記第2セパレータ130’とは、電解液(図示せず)に含浸されていてもよい。
【0029】
本発明の一実施形態による電極組立体は、正極および負極と二つのセパレータとが巻き取られて形成される。正極と負極との間に配置される第1セパレータは、接着力を有さなくてもよく、正極と負極との間に配置される第2セパレータは接着力を有してもよい。このように接着力を有するセパレータと接着力を有さないセパレータとを共に用いる場合、薄型のリチウム二次電池を形成することができる。リチウム二次電池を薄型に形成することによって、充放電サイクルの進行による電池の膨張を防ぐことができ、結果として縦圧縮に有利になるように電池の強度を調節して安全性を向上させることができる。電池の強度を低めると、縦圧縮が良好に行われて電池内部の電気的短絡をよく誘発するようになり、その結果、電池の過熱による爆発防止など、リチウム二次電池の安全性を向上させることができる。
【0030】
具体的には、前記第1セパレータは、前記正極と対面する第1面と、前記負極と対面する第2面とを有する第1基材を含むことができ、前記第2セパレータは、前記負極と対面する第3面と、前記正極と対面する第4面とを有する第2基材を含むことができる。前記第1面から前記第4面には、少なくとも一つの無機物と少なくとも一つの有機物とがコーティングされてもよく、このとき、前記無機物と前記有機物とは同一面にコーティングされることもでき、互いに異なる面にコーティングされることもできる。
【0031】
このうち、前記有機物でコーティングされたセパレータは接着力を有してもよく、前記無機物でコーティングされたセパレータと前記無機物及び前記有機物でコーティングされていないセパレータとは接着力を有さなくてもよい。したがって、一実施形態では、電極組立体が接着力を有する一方のセパレータと接着力を有していない他方のセパレータとを用いて巻き取られるように、前記有機物は前記第1面および前記第2面のうちの少なくとも一つ上に、または前記第3面および前記第4面のうちの少なくとも一つ上にコーティングされ得る。言い換えると、前記第1セパレータおよび前記第2セパレータのうちの一つのみが前記有機物でコーティングされて形成されたものであり得る。
【0032】
また、前記無機物は、前記第1面から前記第4面のうちの少なくとも一つにコーティングされてもよいが、一実施形態では、前記無機物が前記第2面および前記第3面のうちの少なくとも一つにコーティングされてもよい。言い換えると、前記無機物は、それぞれのセパレータでの負極と対面する基材の一面上にコーティングされてもよい。このように、前記無機物が負極と対面する基材の一面上にコーティングされる場合、相対的に無機物でコーティングされた部分に電解液の含有量が多くなることによって、負極に十分な量の電解液が供給されて反応抵抗を低め、副反応物などによる厚さ膨張を防ぐことができる。
【0033】
一実施形態によるリチウム二次電池の構造について具体的に
図2から
図5を参照して説明する。
図2から
図5は、一例を説明するためのものに過ぎず、本発明はこれに限定されない。
【0034】
図2は、一実施形態によるリチウム二次電池の構造を示す断面図である。
【0035】
図2に示されているように、一実施形態によるリチウム二次電池10は、正極11と、第1セパレータ13と、負極12と、第2セパレータ14とが順次に積層された電極組立体を備える。前記第1セパレータ13は、前記正極11と対面する第1面と、前記負極12と対面する第2面とを有する第1基材15を含み、前記第2セパレータ14は、前記負極12と対面する第3面と、前記正極11と対面する第4面とを有する第2基材16を含む。このとき、前記第2セパレータ14は、前記第3面上に設けられていると共に無機物を含む無機層17と、前記第3面および前記第4面上に設けられていると共に有機物を含む有機層18とをさらに有することができる。前記第3面上には、前記無機層17と、前記無機層17上の前記有機層18とが共に設けられていることができる。
【0036】
このような構造において、有機物でコーティングされていない前記第1セパレータ13は接着力を有さず、有機物でコーティングされた前記第2セパレータ14は接着力を有することができる。このように、接着力を有するセパレータと、接着力を有していないセパレータとを共に用いることによって、薄型のリチウム二次電池を形成することができる。薄型のリチウム二次電池の形成によって、充放電サイクルの進行による電池の膨張を防ぐことができ、結果として縦圧縮に有利になるように電池の強度を低めて電池の安全性を向上させることができる。
【0037】
また、前記無機物を含む前記無機層17を、前記負極12と対面する前記第3面上に設けることによって、負極に十分な量の電解液が供給されて反応抵抗を低め、副反応物などによる厚さ膨張を防ぐことができる。
【0038】
図3は、他の一実施形態によるリチウム二次電池の構造を示す断面図である。
【0039】
図3に示されているように、一実施形態によるリチウム二次電池20は、正極21と、第1セパレータ23と、負極22と、第2セパレータ24とが順次に積層された電極組立体を備える。前記第1セパレータ23は、前記正極21と対面する第1面と、前記負極22と対面する第2面とを有する第1基材25を含み、前記第2セパレータ24は、前記負極22と対面する第3面と、前記正極21と対面する第4面とを有する第2基材26を含む。このとき、前記第1セパレータ23は、前記第1面上に設けられていると共に無機物を含む無機層27をさらに有することができる。また、前記第2セパレータ24は、前記第3面上に設けられていると共に無機物を含む無機層27と、前記第3面上および前記第4面上に設けられていると共に有機物を含む有機層28とをさらに有することができる。前記第3面上には、前記無機層27と、前記無機層27の上の前記有機層28とが共に設けることができる。
【0040】
このような構造において、有機物でコーティングされていない前記第1セパレータ23は接着力を有さず、有機物でコーティングされた前記第2セパレータ24は接着力を有することができる。このように、接着力を有するセパレータと接着力を有していないセパレータとを共に用いることによって、薄型のリチウム二次電池を形成することができる。リチウム二次電池を薄型に形成することで、充放電サイクルの進行による電池の膨張を防ぐことができ、結果として縦圧縮に有利になるように電池の強度を低めて電池の安全性を向上させることができる。
【0041】
また、前記第1セパレータ23と前記第2セパレータ24のそれぞれに存在する前記無機層27のうちの少なくとも一つは、前記負極22と対面する前記第3面上に位置する。その結果、負極に十分な量の電解液が供給されて反応抵抗を低め、副反応物などによる厚さ膨張を防ぐことができる。
【0042】
図4は、さらに他の一実施形態によるリチウム二次電池の構造を示す断面図である。
【0043】
図4に示されているように、一実施形態によるリチウム二次電池30は、正極31と、第1セパレータ33と、負極32と、第2セパレータ34とが順次に積層された電極組立体を備える。前記第1セパレータ33は、前記正極31と対面する第1面と、前記負極32と対面する第2面とを有する第1基材35を含み、前記第2セパレータ34は、前記負極32と対面する第3面と、前記正極31と対面する第4面とを有する第2基材36を含む。このとき、前記第1セパレータ33は、前記第2面上に位置し、無機物を含む無機層37をさらに含むことができる。また、前記第2セパレータ34は、前記第3面上に位置すると共に無機物を含む無機層37と、前記第3面上および前記第4面上に位置すると共に有機物を含む有機層38とをさらに有することができる。前記第3面上には、前記無機層37と、前記無機層37上の前記有機層38とが共に設けられることができる。
【0044】
このような構造において、有機物でコーティングされていない前記第1セパレータ33は接着力を有さず、有機物でコーティングされた前記第2セパレータ34は接着力を有することができる。このように接着力を有するセパレータと接着力を有していないセパレータとを共に用いることによって、薄型のリチウム二次電池を形成することができる。リチウム二次電池を薄型に形成することによって、充放電サイクルの進行による電池の膨張を防ぐことができ、結果として縦圧縮に有利になるように電池の強度を低めて電池の安全性を向上させることができる。
【0045】
また、前記第1セパレータ33と前記第2セパレータ34のそれぞれに存在する前記無機層37のうちの少なくとも一つは、前記負極32と対面する前記第3面に位置する。その結果、負極に十分な量の電解液が供給されて反応抵抗を低め、副反応物などによる厚さ膨張を防ぐことができる。
【0046】
図5は、更なる他の一実施形態によるリチウム二次電池の構造を示す断面図である。
【0047】
図5に示されているように、一実施形態によるリチウム二次電池40は、正極41と、第1セパレータ43と、負極42と、第2セパレータ44とが順次に積層された電極組立体を備える。前記第1セパレータ43は、前記正極41と対面する第1面と、前記負極42と対面する第2面とを有する第1基材45を含み、前記第2セパレータ44は、前記負極42と対面する第3面と、前記正極41と対面する第4面とを有する第2基材46を含む。このとき、前記第1セパレータ43は、前記第2面上に位置すると共に無機物を含む無機層47をさらに有することができる。また、前記第2セパレータ44は、前記第4面上に設けられていると共に無機物を含む無機層47と、前記第3面上および前記第4面上に設けられていると共に有機物を含む有機層48とをさらに有することができる。前記第4面上には、前記無機層47と、前記無機層47上の前記有機層48とが共に設けられることができる。
【0048】
このような構造において、有機物でコーティングされていない前記第1セパレータ43は接着力を有さず、有機物でコーティングされた前記第2セパレータ44は接着力を有することができる。このように接着力を有するセパレータと接着力を有していないセパレータとを共に用いることによって、薄型のリチウム二次電池を形成することができる。リチウム二次電池を薄型に形成することによって、充放電サイクルの進行による電池の膨張を防ぐことができ、結果として縦圧縮に有利になるように電池の強度を低めて電池の安全性を向上させることができる。
【0049】
また、前記第1セパレータ43と前記第2セパレータ44のそれぞれに存在する前記無機層47のうちの少なくとも一つは、前記負極42と対面する前記第2面上に位置する。その結果、負極に十分な量の電解液が供給されて反応抵抗を低め、副反応物などによる厚さ膨張を防ぐことができる。
【0050】
前記第1基材および前記第2基材は、それぞれポリオレフィン系樹脂を含むことができる。前記ポリオレフィン系樹脂は、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂またはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0051】
前記第1基材および前記第2基材は、空隙を含むことができる。前記空隙を通じてリチウムイオンが移動することができる。
【0052】
前記空隙は、0.01から1μmの範囲内の大きさ、具体的には0.03から1μmの範囲内の大きさ、より具体的には0.1から1μmの範囲内の大きさを有することができる。前記空隙の大きさが前記範囲内である場合、リチウムデンドライト(dendrite)の形成による内部短絡を防止し、リチウムイオンの移動抵抗を最少化してリチウム二次電池の性能および安全性を確保することができる。
【0053】
前記第1基材および前記第2基材の厚さは、それぞれ6から25μmの範囲内、具体的には7から20μmの範囲内であり得る。前記基材の厚さが前記範囲内である場合、リチウム二次電池の容量を確保しながら、優れた物理的特性によって優れたリチウム二次電池の安全性を確保することができる。
【0054】
前記有機物は、ポリオレフィン、ポリオレフィン誘導体、ポリオレフィンワックス、アクリル系高分子およびこれらの組み合わせからなる群より選択されたものを含む粒子であり得る。
【0055】
前記有機物の重量平均分子量は、300から10,000g/molの範囲内であり、具体的には2,000から6,000g/molの範囲内であり得る。また、前記粒子の大きさは、100nmから5μmの範囲内であり、具体的には200nmから3μmの範囲内であり得る。前記有機物の重量平均分子量と前記粒子の大きさがそれぞれ前記範囲内である場合、リチウムイオンの移動抵抗を最少化してリチウム二次電池の性能を確保することができる。
【0056】
前記有機層が前記第1面および前記第2面のうちの少なくとも一つ上に位置する場合、前記有機物は、前記第1基材100重量部に対して1から80重量部の範囲内で含まれることができ、具体的には30から70重量部の範囲内で含まれ得る。また、前記有機層が前記第3面および前記第4面のうちの少なくとも一つに位置する場合、前記有機物は、前記第2基材100重量部に対して1から80重量部の範囲内で含まれ、具体的には30から70重量部の範囲内で含まれ得る。前記有機物が前記含有量範囲内に含まれる場合、充放電サイクルの進行による電池の膨張をさらに防ぐことができる。
【0057】
前記有機層の厚さは、1から6μmの範囲内であり、具体的には3から6μmの範囲内であり得る。前記有機層の厚さが前記範囲内である場合、厚さが薄いリチウム二次電池を確保することができ、充放電サイクルの進行による電池の膨張をさらに防ぐことができる。
【0058】
前記有機層は、前記有機物以外にバインダーをさらに含むことができる。
【0059】
前記バインダーは、前記有機物と異なる物質であり得る。前記バインダーの具体的な例としては、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)、ポリビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン(PVdF−HFP)共重合体、エチレンビニルアセテート(EVA)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアクリロニトリル、酢酸ビニル誘導体、ポリエチレングリコール、アクリル系ゴムまたはこれらの組み合わせが挙げられ、これらのうち、好ましくは前記スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、前記スチレン−ブタジエンゴム(SBR)と前記カルボキシメチルセルルールロオス(CMC)との混合物、前記エチレンビニルアセテート(EVA)、前記ポリビニルアルコール(PVA)、前記エチレン−アクリル酸共重合体、または前記アクリル系ゴムを使用することができる。
【0060】
前記バインダーを前記有機層に含む場合、正極および負極にそれぞれ存在するバインダーと物理的な架橋現象が発生してセパレータと電極との接着力が向上する。前記無機物は、SiO
2、Al
2O
3、Al(OH)
3、AlO(OH)、TiO
2、BaTiO
3、ZnO
2、Mg(OH)
2、MgO、Ti(OH)
4、ZrO
2、アルミニウムナイトライド、シリコンカーバイド、ボロンナイトライドまたはこれらの組み合わせからなる群より選択されたものを使用することができる。
【0061】
前記無機物は、粒子の大きさが0.1から5μmの範囲内であり、具体的には0.3から1μmの範囲内であり得る。前記無機物粒子の大きさが前記範囲内である場合、前記基材に均一にコーティングが可能であり、リチウムイオンの移動抵抗を最少化してリチウム二次電池の性能を確保することができる。
【0062】
前記無機層が前記第1面および前記第2面のうちの少なくとも一つに位置する場合、前記無機物は、前記第1基材100重量部に対して20から200重量部の範囲内で含まれ、具体的には80から150重量部の範囲内で含まれ得る。また、前記無機層が前記第3面および前記第4面のうちの少なくとも一つに位置する場合、前記無機物は、前記第2基材100重量部に対して20から200重量部の範囲内で含まれ、具体的には80から150重量部の範囲内で含まれ得る。前記無機物が前記含有量範囲内に含まれる場合、縦圧縮が良好に行われるように電池の強度をさらに低めることによって、電池の過熱による爆発防止など、リチウム二次電池の安全性を向上させることができる。
【0063】
前記無機層の厚さは、0.5から7μmの範囲内であり、具体的には1から6μmの範囲内であり得る。前記無機層の厚さが前記範囲内である場合、電池の強度をさらに低めることによってリチウム二次電池の安全性をさらに向上させることができる。
【0064】
前記無機層は、前記無機物以外にバインダーをさらに含むことができる。
【0065】
前記バインダーは、前記有機層に含有されている前記バインダーと同一の物質を使用することができる。
【0066】
前記正極は、正極集電体と、前記正極集電体の上に位置する正極活物質層とを含む。
【0067】
前記正極集電体は、アルミニウムを使用することができるが、これに限定されない。
【0068】
前記正極活物質層は、正極活物質を含む。
【0069】
前記正極活物質は、リチウムの可逆的なインターカレーションおよびデインターカレーションが可能な化合物(リチエイテッドインターカレーション化合物)を使用することができ、具体的にはリチウム金属酸化物を使用することができる。
【0070】
前記リチウム金属酸化物は、具体的にコバルト、マンガン、ニッケルおよびアルミニウムから選択される少なくとも一つの金属とリチウムを含む酸化物を使用することができる。より具体的には、下記の化学式のうちのいずれか一つで表される化合物を使用することができる。
【0071】
Li
aA
1−bX
bD
2(0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.5);Li
aA
1−bX
bO
2−cD
c(0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05);Li
aE
1−bX
bO
2−cD
c(0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05);Li
aE
2−bX
bO
4−cD
c(0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05);Li
aNi
1−b−cCo
bX
cD
α(0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、0<α≦2);Li
aNi
1−b−cCo
bX
cO
2−αT
α(0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、0<α<2);Li
aNi
1−b−cCo
bX
cO
2−αT
2(0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、0<α<2);Li
aNi
1−b−cMn
bX
cD
α(0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、0<α≦2);Li
aNi
1−b−cMn
bX
cO
2−αT
α(0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、0<α<2);Li
aNi
1−b−cMn
bX
cO
2−αT
2(0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、0<α<2);Li
aNi
bE
cG
dO
2(0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.9、0≦c≦0.5、0.001≦d≦0.1);Li
aNi
bCo
cMn
dG
eO
2(0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.9、0≦c≦0.5、0≦d≦0.5、0.001≦e≦0.1);Li
aNiG
bO
2(0.90≦a≦1.8、0.001≦b≦0.1);Li
aCoG
bO
2(0.90≦a≦1.8、0.001≦b≦0.1);Li
aMn
1−bG
bO
2(0.90≦a≦1.8、0.001≦b≦0.1);Li
aMn
2G
bO
4(0.90≦a≦1.8、0.001≦b≦0.1);Li
aMn
1−gG
gPO
4(0.90≦a≦1.8、0≦g≦0.5);QO
2;QS
2;LiQS
2;V
2O
5;LiV
2O
5;LiZO
2;LiNiVO
4;Li
(3−f)J
2(PO
4)
3(0≦f≦2);Li
(3−f)Fe
2(PO
4)
3(0≦f≦2);LiFePO
4
【0072】
前記化学式において、Aは、Ni、Co、Mn、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される。Xは、Al、Ni、Co、Mn、Cr、Fe、Mg、Sr、V、希土類元素およびこれらの組み合わせからなる群より選択される。Dは、O、F、S、P、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される。Eは、Co、Mn、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される。Tは、F、S、P、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される。Gは、Al、Cr、Mn、Fe、Mg、La、Ce、Sr、V、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される。Qは、Ti、Mo、Mn、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される。Zは、Cr、V、Fe、Sc、Y、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される。Jは、V、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0073】
前記リチウム金属酸化物は、より具体的に、リチウムニッケルコバルトマンガン酸化物、リチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物、またはこれらの組み合わせを使用することができ、これらのうち、好ましくは、前記リチウムニッケルコバルトマンガン酸化物と前記リチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物とを混合して使用することができる。
【0074】
前記正極活物質層は、前述した正極活物質以外に、バインダーと導電剤とをさらに含むことができる。
【0075】
前記バインダーは、正極活物質粒子を互いに良好に付着させ、また正極活物質を正極集電体に良好に付着させる役割を果たし、その代表的な例としては、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ジアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、カルボキシル化されたポリ塩化ビニル、ポリビニルフルオライド、エチレンオキシドを含むポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレン−ブタジエンラバー、アクリル化スチレン−ブタジエンラバー、エポキシ樹脂、ナイロンなどを使用することができるが、これに限定されない。
【0076】
前記導電剤は、電極に導電性を付与するために使用されるものであって、構成される電池において化学変化を招かない電子伝導性材料であれば如何なるものでも使用可能であり、その例として、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維などの炭素系物質;銅、ニッケル、アルミニウム、銀などの金属粉末または金属繊維などの金属系物質;ポリフェニレン誘導体などの導電性ポリマー;またはこれらの混合物を含む導電性材料を使用することができる。
【0077】
前記負極は、負極集電体と、前記負極集電体上に位置した負極活物質層とを含む。
【0078】
前記負極集電体は、銅箔を使用することができる。
【0079】
前記負極活物質層は、負極活物質と、バインダーと、選択的に導電剤とを含む。
【0080】
前記負極活物質としては、リチウムイオンを可逆的にインターカレーション/デインターカレーションすることができる物質、リチウム金属、リチウム金属の合金、リチウムをドープおよび脱ドープすることができる物質、または遷移金属酸化物を含む。
【0081】
前記リチウムイオンを可逆的にインターカレーション/デインターカレーションすることができる物質としては、炭素物質であって、リチウム二次電池で一般に使用される炭素系負極活物質は如何なるものでも使用可能であり、その代表的な例としては、結晶質炭素、非晶質炭素またはこれらを共に使用することができる。前記結晶質炭素の例としては、無定形、板状、鱗片状(flake)、球状または繊維状の天然黒鉛または人造黒鉛のような黒鉛が挙げられ、前記非晶質炭素の例としては、ソフトカーボン(soft carbon)またはハードカーボン(hard carbon)、メソフェーズピッチ炭化物、焼成されたコークスなどが挙げられる。
【0082】
前記リチウム金属の合金としては、リチウムとNa、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Si、Sb、Pb、In、Zn、Ba、Ra、Ge、AlおよびSnからなる群より選択される金属との合金を使用することができる。
【0083】
前記リチウムをドープおよび脱ドープすることができる物質としては、Si、SiO
x(0<x<2)、Si−C複合体、Si−Q合金(前記Qは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、13族から16族元素、遷移金属、希土類元素またはこれらの組み合わせであり、Siではない)、Sn、SnO
2、Sn−C複合体、Sn−R(前記Rは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、13族から16族元素、遷移金属、希土類元素またはこれらの組み合わせであり、Snではない)などが挙げられ、また、これらのうちの少なくとも一つとSiO
2とを混合して使用することもできる。前記QおよびRの具体的な元素としては、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、Rf、V、Nb、Ta、Db、Cr、Mo、W、Sg、Tc、Re、Bh、Fe、Pb、Ru、Os、Hs、Rh、Ir、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、B、Al、Ga、Sn、In、Tl、Ge、P、As、Sb、Bi、S、Se、Te、Poまたはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0084】
前記遷移金属酸化物としては、バナジウム酸化物、リチウムバナジウム酸化物などが挙げられる。
【0085】
前記バインダーは、負極活物質とアクリロニトリル系樹脂とを互いに良好に付着させ、また前記負極活物質とアクリロニトリル系樹脂を負極集電体に良好に付着させる役割を果たす。
【0086】
前記バインダーとしては、非水溶性バインダー、水溶性バインダーまたはこれらの組み合わせを使用することができる。
【0087】
前記非水溶性バインダーとしては、ポリ塩化ビニル、カルボキシル化されたポリ塩化ビニル、ポリビニルフルオライド、エチレンオキシドを含むポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドイミド、ポリイミドまたはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0088】
前記水溶性バインダーは、ゴム系バインダーまたは高分子樹脂バインダーであり得る。
【0089】
前記ゴム系バインダーは、スチレン−ブタジエンラバー、アクリル化スチレン−ブタジエンラバー(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンラバー、アクリルゴム、ブチルゴム、フッ素ゴムおよびこれらの組み合わせから選択されるものであり得る。
【0090】
前記高分子樹脂バインダーは、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレン共重合体、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリエピクロロヒドリン、ポリホスファゼン、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、エチレンプロピレンジエン共重合体、ポリビニルピリジン、クロロスルフォン化ポリエチレン、ラテックス、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコールおよびこれらの組み合わせから選択されるものであり得る。
【0091】
前記負極バインダーとして水溶性バインダーを使用する場合、粘性を付与できるセルロース系化合物をさらに含むことができる。このセルロース系化合物としては、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、またはこれらのアルカリ金属塩などを1種以上混合して使用することができる。前記アルカリ金属としては、Na、KまたはLiを使用することができる。このような増粘剤の使用含量は、負極活物質100重量部に対して0.1から3重量部の範囲内であり得る。
【0092】
前記導電剤は、電極に導電性を付与するために使用されるものであって、構成される電池において化学変化を招かない電子伝導性材料であれば如何なるものでも使用可能であり、その例として天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維などの炭素系物質;銅、ニッケル、アルミニウム、銀などの金属粉末または金属繊維などの金属系物質;ポリフェニレン誘導体などの導電性ポリマー;またはこれらの混合物を含む導電性材料を使用することができる。
【0093】
前記負極は、前記負極活物質、前記バインダーおよび前記導電剤を溶媒中で混合して負極活物質組成物を製造し、前記負極活物質組成物を前記負極集電体に塗布して製造する。この時、前記溶媒としては、N−メチルピロリドンなどを使用することができるが、これに限定されない。
【0094】
前記電解液は、非水性有機溶媒と、リチウム塩とを含む。
【0095】
前記非水性有機溶媒は、電池の電気化学的反応に関与するイオンが移動できる媒質の役割を果たす。前記非水性有機溶媒としては、カーボネート系、エステル系、エーテル系、ケトン系、アルコール系および非プロトン性溶媒から選択され得る。前記カーボネート系溶媒としては、例えば、ジメチルカーボネート(dimethylcarbonate、DMC)、ジエチルカーボネート(diethyl carbonate、DEC)、ジプロピルカーボネート(dipropyl carbonate、DPC)、メチルプロピルカーボネート(methylpropyl carbonate、MPC)、エチルプロピルカーボネート(ethylpropyl carbonate、EPC)、メチルエチルカーボネート(methylethyl carbonate、MEC)、エチルメチルカーボネート(ethylmethyl carbonate、EMC)、エチレンカーボネート(ethylene carbonate、EC)、プロピレンカーボネート(propylene carbonate、PC)、ブチレンカーボネート(butylene carbonate、BC)などを使用することができる。
【0096】
特に、鎖状カーボネート化合物および環状カーボネート化合物を混合して使用する場合、誘電率を高めると同時に粘性が小さい溶媒として製造されることができてよい。この場合、環状カーボネート化合物および鎖状カーボネート化合物は、約1:1から1:9の範囲内の体積比に混合して使用することができる。
【0097】
また、前記エステル系溶媒としては、例えば、メチルアセテート、酢酸エチル、n−プロピルアセテート、ジメチルアセテート、メチルプロピオネート、エチルプロピオネート、γ−ブチロラクトン、デカノライド(decanolide)、バレロラクトン、メバロノラクトン(mevalonolactone)、カプロラクトン(caprolactone)などを使用することができる。前記エーテル溶媒としては、例えば、ジブチルエーテル、テトラグライム、ジグライム、ジメトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフランなどを使用することができ、前記ケトン系溶媒としては、シクロヘキサノンなどを使用することができる。また、前記アルコール系溶媒としては、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどを使用することができる。
【0098】
前記非水性有機溶媒は、単独または一つ以上混合して使用することができ、一つ以上混合して使用する場合の混合比率は、目的とする電池性能に応じて適切に調節することができる。
【0099】
前記電解液は、エチレンカーボネート、ピロカーボネートなどの過充電防止剤のような添加剤をさらに含むこともできる。
【0100】
前記リチウム塩は、有機溶媒に溶解されて、電池内でリチウムイオンの供給源として作用して基本的なリチウム二次電池の作動を可能とし、正極と負極との間のリチウムイオンの移動を促進する役割を果たす物質である。
【0101】
前記リチウム塩の具体的な例としては、LiPF
6、LiBF
4、LiSbF
6、LiAsF
6、LiN(SO
3C
2F
5)
2、LiN(CF
3SO
2)
2、LiC
4F
9SO
3、LiClO
4、LiAlO
2、LiAlCl
4、LiN(C
xF
2x+1SO
2)(C
yF
2y+1SO
2)(ここで、xおよびyは、自然数である)、LiCl、LiI、LiB(C
2O
4)
2(リチウムビスオキサラトボレート(lithium bis(oxalato) borate;LiBOB)、またはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0102】
前記リチウム塩の濃度は、約0.1Mから約2.0Mの範囲内で使用することがよい。リチウム塩の濃度が前記範囲に含まれる場合、電解液が適切な伝導度および粘度を有するため、優れた電解液性能を示すことができ、リチウムイオンが効果的に移動することができる。
【実施例】
【0103】
以下、本発明の具体的な実施例を提示する。ただし、下記の実施例は、本発明を具体的に例示し、説明するためのものに過ぎず、本発明はこれによって制限されない。
【0104】
また、ここに記載されない内容は、当該技術分野で熟練者であれば十分に技術的に類推できるため、その説明を省略する。
(実施例1)
(正極の製造)
【0105】
LiCoO
298重量%、カーボンブラック1重量%およびポリビニリデンフルオライド1重量%をN−メチルピロリドン(NMP)溶媒に添加してスラリーを製造した。前記スラリーをアルミニウム(Al)薄膜に塗布および乾燥し、ロールプレス(roll press)を行って正極を製造した。
(負極の製造)
【0106】
黒鉛98重量%、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)1重量%およびカルボキシメチルセルロース(CMC)1重量%を水溶媒に添加してスラリーを製造した。前記スラリーを銅箔に塗布および乾燥し、ロールプレス(roll press)を行って負極を製造した。
(セパレータの製造)
【0107】
アクリル系高分子(Asahi社製、FA016A)97.5重量%をスチレン−ブタジエンゴム(SBR)2.5重量%と共に水に混合して有機層組成物を製造した。
【0108】
粒子の大きさが0.6μmであるAlO(OH)95重量%をスチレン−ブタジエンゴム(SBR)5重量%と共に水に混合して無機層組成物を製造した。
【0109】
0.1から1μmの大きさの空隙を有し、ポリエチレン材質の第1基材の一面に前記無機層組成物を塗布して無機層を形成することによって、第1セパレータを製造した。
【0110】
0.1から1μmの大きさの空隙を有し、ポリエチレン材質の第2基材の一面に前記無機層組成物を塗布して無機層を形成し、前記無機層が形成された第2基材の両面に前記有機層組成物を塗布して有機層を形成することによって、第2セパレータを製造した。
【0111】
このとき、前記第1基材および前記第2基材の厚さは、それぞれ9μmであり、前記第1基材および前記第2基材のそれぞれの一面に形成された前記無機層の厚さは、それぞれ5μmであり、前記有機層の断面厚さは、2μmになるように形成した。
(電解液の製造)
【0112】
エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネートおよびジメチルカーボネートを2:4:4の体積比に混合した混合溶媒に1.15MのLiPF
6を添加して、電解液を製造した。
(リチウム二次電池の作製)
【0113】
前記正極と、前記第1セパレータと、前記負極と、前記第2セパレータとを順次に積層して電極組立体を製造し、これに前記電解液を注入してリチウム二次電池を作製した。この時、前記第1セパレータの場合、前記第1基材の一面に形成された前記無機層は前記正極と対面するように、前記第2セパレータの場合、前記第2基材の一面に形成された前記無機層は前記負極と対面するように、
図3の構造のように位置させてリチウム二次電池を作製した。
(実施例2)
【0114】
実施例1で使用された第1セパレータの代わりに0.1から1μmの範囲内の大きさの空隙を有するポリエチレン材質の第1セパレータを使用したことを除いては、実施例1と同様な方法でリチウム二次電池を製造した。
(比較例1)
【0115】
実施例1におけるセパレータとリチウム二次電池を次のような方法で製造したことを除いては、実施例1と同様な方法でリチウム二次電池を製造した。
【0116】
0.1から1μmの大きさの空隙を有し、ポリエチレン材質の第1基材の一面に前記無機層組成物を塗布して無機層を形成し、前記無機層が形成された第1基材の両面に前記有機層組成物を塗布して有機層を形成することによって、第1セパレータを製造した。
【0117】
同様に、0.1から1μmの範囲内の大きさの空隙を有し、ポリエチレン材質の第2基材の一面に前記無機層組成物を塗布して無機層を形成し、前記無機層が形成された第2基材の両面に前記有機層組成物を塗布して有機層を形成することによって、第2セパレータを製造した。
【0118】
このとき、前記第1基材および前記第2基材の厚さは、それぞれ9μmであり、前記第1基材および前記第2基材のそれぞれの一面に形成された前記無機層の厚さは、それぞれ5μmであり、前記有機層の断面厚さは、2μmになるように形成した。
【0119】
前記正極と、前記第1セパレータと、前記負極と、前記第2セパレータとを順次に積層して電極組立体を製造し、これに前記電解液を注入してリチウム二次電池を作製した。このとき、前記第1セパレータの場合、前記第1基材の一面に形成された前記無機層は前記正極と対面するように、前記第2セパレータの場合、前記第2基材の一面に形成された前記無機層は前記正極と対面するように位置させてリチウム二次電池を作製した。
(比較例2)
【0120】
実施例1におけるセパレータとリチウム二次電池を次のような方法で製造したことを除いては、実施例1と同様な方法でリチウム二次電池を製造した。
【0121】
0.1から1μmの範囲内の大きさの空隙を有し、ポリエチレン材質の第1基材の一面に前記無機層組成物を塗布して無機層を形成することによって第1セパレータを製造した。また、0.1から1μmの範囲内の大きさの空隙を有するポリエチレン材質の第2セパレータを使用した。
【0122】
この時、前記第1基材および前記第2基材の厚さは、それぞれ9μmであり、前記第1基材の一面に形成された前記無機層の厚さは、それぞれ5μmになるように形成した。
【0123】
前記正極と、前記第1セパレータと、前記負極と、前記第2セパレータとを順次に積層して電極組立体を製造し、これに前記電解液を注入してリチウム二次電池を作製した。このとき、前記第1セパレータの場合、前記第1基材の一面に形成された前記無機層は前記正極と対面するように位置させてリチウム二次電池を作製した。
(評価1:電極組立体の厚さ測定)
【0124】
実施例1および2と比較例1および2で製造された電極組立体の厚さをハイトゲージ(height gauge)測定器を用いて測定し、その結果を下記表1に示した。
(評価2:電極組立体の強度測定)
【0125】
実施例1および2と比較例1および2で製造された電極組立体の強度を測定するために、万能測定器(AMETEK、LLOYD Instruments)を用いて圧縮限度テスト(compress limit test)を施し、その結果を下記表1に示した。
(評価3:リチウム二次電池の充電後の膨張(swelling)評価)
【0126】
実施例1および2と比較例1および2のリチウム二次電池を次のような条件で充放電し、充電以降の膨張程度を評価するためにセルを解体して正極、負極およびセパレータのそれぞれの厚さの変化を測定し、その結果を下記表1に示した。
【0127】
充電条件:CC−CV/4.35V/0.5C/0.1Cカットオフ
【0128】
放電条件:CC/1.0C/3.5Vカットオフ
【表1】
【0129】
前記表1によると、接着力を有するセパレータと接着力を有していないセパレータとを共に使用しながら、少なくとも一つの無機層が負極と対面するように設計された実施例1および2の場合、厚さが薄いリチウム二次電池を実現することができるだけでなく、充電後の電池の膨張が最少化し、電池の強度が顕著に低くなって電池の安全性が向上することが分かる。
【0130】
反面、二つのセパレータ共に接着力を有する比較例1は、充電後の電池の膨張が発生し、電池の強度が非常に高くて電池の安全性を確保することが困難であり、二つのセパレータ共に接着力を有していない比較例2は、充電後の電池の膨張が発生するだけでなく、電池の初期厚さが厚くて使用が困難であることが分かる。
【0131】
以上で、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。