特許第6352326号(P6352326)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特許6352326-下部ウエハ欠陥に対する保持リング 図000002
  • 特許6352326-下部ウエハ欠陥に対する保持リング 図000003
  • 特許6352326-下部ウエハ欠陥に対する保持リング 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6352326
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】下部ウエハ欠陥に対する保持リング
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20180625BHJP
   B24B 37/10 20120101ALI20180625BHJP
   B24B 37/32 20120101ALI20180625BHJP
【FI】
   H01L21/304 622G
   H01L21/304 621D
   B24B37/10
   B24B37/32 Z
【請求項の数】15
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-56050(P2016-56050)
(22)【出願日】2016年3月18日
(65)【公開番号】特開2016-178304(P2016-178304A)
(43)【公開日】2016年10月6日
【審査請求日】2016年5月18日
(31)【優先権主張番号】62/135,677
(32)【優先日】2015年3月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ヨンチ フー
(72)【発明者】
【氏名】サイモン ヤヴェルバーグ
(72)【発明者】
【氏名】ガンガダール シーラヴァント
(72)【発明者】
【氏名】カドサラ アール ナレンドルナス
【審査官】 石丸 昌平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−034745(JP,A)
【文献】 特開2007−158135(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/114854(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304−463
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨システムに対する保持リングであって、
リング状の本体を備え、前記本体が、
溝が中に形成された底面と、
外径壁と、
半導体基板を収容するように選択された直径を有する内径壁とを有し、前記内径壁が、30マイクロインチ(μin)未満の粗さ平均(Ra)まで研磨され、
前記リング状の本体が、
研磨された下部内径を有し、前記溝が中に形成された下部部分と、
研磨された上部内径を有する上部部分であって、該上部部分の底面に沿ったスペーサを有し、前記下部部分に同心円状に結合された上部部分とをさらに含む、保持リング。
【請求項2】
前記上部部分は、約10マイクロインチ(μin)から約15マイクロインチ(μin)の粗さ平均(Ra)まで研磨され、前記保持リングの前記下部部分は、約8マイクロインチ(μin)から約10マイクロインチ(μin)の粗さ平均(Ra)まで研磨される前記内径壁を有する、請求項1に記載の保持リング。
【請求項3】
前記研磨された下部内径に対する粗さ平均が、2μinである、請求項1に記載の保持リング。
【請求項4】
前記内径に対する粗さ平均が、8μin〜15μinである、請求項1に記載の保持リング。
【請求項5】
前記上部部分が金属から構成され、前記下部部分がプラスチックから構成される、請求項2に記載の保持リング。
【請求項6】
前記研磨された上部内径に対する粗さ平均が、8μin〜10μinである、請求項1に記載の保持リング。
【請求項7】
前記研磨された上部内径に対する粗さ平均が、10μin〜15μinである、請求項1に記載の保持リング。
【請求項8】
前記外径が、約30μin未満の粗さ平均まで研磨される、請求項1に記載の保持リング。
【請求項9】
前記上部部分が、前記下部部分の剛性より大きい剛性を有する材料から製造される、請求項2に記載の保持リング。
【請求項10】
研磨パッドを支持するように構成された回転可能なプラテンと、
研磨中に前記研磨パッドに基板を押し付けるように構成された研磨ヘッドと、
保持リングとを備え、前記保持リングが、
リング状の本体を備え、前記本体が、
溝が中に形成された底面と、
外径壁と、
内径壁とを有し、前記内径壁が、30マイクロインチ(μin)未満の粗さ平均(Ra)まで研磨され、
前記リング状の本体が、
研磨された下部内径を有し、前記溝が中に形成された下部部分と、
研磨された上部内径を有する上部部分であって、該上部部分の底面に沿ったスペーサを有し、前記下部部分に同心円状に結合された上部部分とをさらに含む、
CMPシステム。
【請求項11】
前記上部部分は、約10マイクロインチ(μin)から約15マイクロインチ(μin)の粗さ平均(Ra)まで研磨され、前記保持リングの前記下部部分は、約8マイクロインチ(μin)から約10マイクロインチ(μin)の粗さ平均(Ra)まで研磨される前記内径壁を有する、請求項10に記載のCMPシステム。
【請求項12】
前記研磨された下部内径に対する粗さ平均が、2μinである、請求項10に記載のCMPシステム。
【請求項13】
前記研磨された上部内径に対する粗さ平均が、8μin〜10μinである、請求項10に記載のCMPシステム。
【請求項14】
前記外径が、約30μin未満の粗さ平均まで研磨される、請求項10に記載のCMPシステム。
【請求項15】
前記上部部分が、前記下部部分の剛性より大きい剛性を有する材料から製造される、請求項11に記載のCMPシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体基板などの基板を研磨する研磨システムに関する。より詳細には、実施形態は、基板を研磨する研磨システムの保持リングに関する。
【背景技術】
【0002】
化学機械研磨(CMP)は、基板上に堆積させた材料層を平坦化または研磨するために高密度集積回路の製造で一般に使用される1つのプロセスである。キャリアヘッドは、その中に保持された基板を研磨システムの研磨ステーションへ提供し、この基板を可動の研磨パッドに制御可能に押し付けることができる。CMPは、研磨流体の存在下で、基板の特徴側との接触を提供し、研磨パッドに対して基板を動かすことによって有効に用いられる。化学的作用と機械的作用の組合せによって、研磨面に接触している基板の特徴側から材料が除去される。研磨中に基板から除去された粒子は、研磨流体中に浮遊する。浮遊粒子は、基板の研磨中に研磨流体によって除去される。
デバイスパターンの特徴寸法が小さくなればなるほど、特徴の限界寸法(CD)要件は、安定した繰り返し可能なデバイス性能にとってより重要な基準になる。特徴のCDが20nm未満の寸法まで縮小するとき、1ミクロン未満の引っ掻きが、デバイス収率の改善にとってますます重大になる。CMPは、典型的には保持リングを含むキャリアヘッドを有し、保持リングは、基板に外接し、キャリアヘッド内で基板を保持するのを容易にする。研磨中、基板は、保持リングに接触し、保持リングならびに粘着材料の一部分を砕いて、研磨プロセスにばら材料を導入することがある。これらのばら材料は、研磨中に基板および研磨面に接触し、基板上の微小な引っ掻き(100nm未満)ならびに線歪みおよびチェックマーク欠陥などの他のタイプの欠陥に寄与することがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、改善された保持リングが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
保持リングおよび基板を研磨する化学機械研磨(CMP)システムが開示される。一実施形態では、CMPシステムに対する保持リングは、研磨された内径を有するリング状の本体を含む。本体は、溝が中に形成された底面と、外径壁と、内径壁とを有し、内径壁は、約30マイクロインチ(μin)未満の粗さ平均(Ra)まで研磨される。
別の実施形態では、研磨パッドを支持するように構成された回転可能なプラテンと、研磨中に研磨パッドに基板を押し付けるように構成された研磨ヘッドと、研磨ヘッドに結合された保持リングとを含むCMPシステムが提供される。保持リングは、研磨された内径を有するリング状の本体を含む。本体は、溝が中に形成された底面と、外径壁と、内径壁とを有し、内径壁は、約30マイクロインチ(μin)未満の粗さ平均(Ra)まで研磨される。
本発明の上記の特徴を詳細に理解することができるように、実施形態を参照することによって、本発明のより具体的な説明を得ることができる。実施形態の一部を添付の図面に示す。しかし、本発明は他の有効な実施形態を許容することができるため、添付の図面は、本発明の典型的な実施形態のみを示し、したがって本発明の範囲を限定すると見なされるべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】一実施形態による保持リングを含むキャリアヘッドを有する研磨装置の部分横断面図である。
図2】一実施形態による保持リングの底面図である。
図3図2の断面線3−3に沿って切り取った保持リングの一部分に対する横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
理解を容易にするために、可能な場合、図に共通の同一の要素を指すために、同一の参照番号を使用した。一実施形態に開示する要素は、別段の記述がなくても、他の実施形態で有益に利用することができることが企図される。
保持リング、化学機械平坦化システム(CMP)、および基板を研磨する方法が、本明細書に記載される。保持リングは、著しい製造コストを導入したり、または基板の研磨中の保持リングの消費中にプロセス変動をもたらしたりすることなく、従来の保持リングと比較すると改善されたスラリ解放特性を有する研磨された内径を含む。研磨された内径は、後に砕けて基板の研磨中に欠陥源になりうるスラリおよび研磨副生成物の粘着および後の凝集を実質上防止する。したがって、材料の蓄積を低減することで、研磨された表面への欠陥の導入が最小になり、生産率が改善される。加えて、材料の蓄積を低減することで、生産稼働時間が増大し、キャリアヘッドの予防的保守および洗浄に必要とされる間隔が延びる。
【0007】
図1は、一実施形態による研磨装置100の部分横断面図である。キャリアヘッド150は、さらに後述するように、欠陥の低減に寄与する研磨された内径を有する保持リング130を有する。キャリアヘッド150は、研磨パッド175の研磨面180に接触して基板135(破線で示す)を保持する。研磨パッド175は、プラテン176上に配置される。プラテン176は、プラテンシャフト182によってモータ184に結合される。モータ184は、研磨装置100が基板135を研磨しているとき、プラテンシャフト182の軸186の周りでプラテン176を回転させ、したがって研磨パッド175の研磨面180を回転させる。
研磨装置100は、化学供給システム190を含むことができる。化学供給システム190は、スラリまたはイオンが除去された水などの研磨流体191を保持する化学タンク196を含む。研磨流体191は、噴霧ノズル198によって研磨面180上へ噴霧することができ、研磨面180は、キャリアヘッド150によって研磨面180に押し付けられる基板135に接触して研磨流体191を回転させて、基板135を平坦化し、粘着した欠陥(たとえば、粒子)および他の研磨残留物を除去する。
【0008】
キャリアヘッド150はシャフト108に結合され、シャフト108はモータ102に結合され、モータ102はアーム170に結合される。モータ102は、キャリアヘッド150をアーム170に対して線形運動(Xおよび/またはY方向)で横方向に動かす。キャリアヘッド150はまた、キャリアヘッド150をアーム170および/または研磨パッド175に対してZ方向に動かすアクチュエータまたはモータ104を含む。キャリアヘッド150はまた、キャリアヘッド150を回転軸111の周りでアーム170に対して回転させる回転アクチュエータまたはモータ106に結合される。モータ104、102、および106は、キャリアヘッド150を研磨パッド175の研磨面180に対して位置決めしかつ/または動かす。一実施形態では、モータ104、102、および106は、キャリアヘッド150を研磨面180に対して回転させ、下向きの力を提供し、処理中に基板135を研磨パッド175の研磨面180に押し付ける。
【0009】
キャリアヘッド150は、保持リング130によって外接される本体125を含む。保持リング130は、内側リング径134を有する。内側リング径134は、200mm、300mm、450mmの直径または他の生産半導体基板の直径を有する半導体基板を受け取るように構成することができる。内側リング径134は、中に配置された基板135より約5mm大きい直径を有することができる。たとえば、内側リング径134は、450mmの基板135を受け入れるために、約455mmの直径を有することができる。別法として、内側リング径134は、300mmの基板135を受け入れるために、約305mmの直径を有することができる。保持リング130はまた、複数のスラリ溝268(図2に示す)を有することができる。キャリアヘッド150はまた、可撓性の膜140に隣接している1つまたは複数の内袋110/112を収容することができる。可撓性の膜140は、基板135がキャリアヘッド150内に保持されるとき、基板135の裏側に接触する。
【0010】
一実施形態では、保持リング130は、アクチュエータ132によって本体125に結合される。一態様では、研磨プロセス中に保持リング130を研磨パッド175の研磨面180の方へ押すように、保持リング130に圧力が印加される。モータ106は、回転軸111の周りでキャリアヘッド150を回転させ、したがって研磨中にその中に支持される基板135も、回転軸111の周りを実質上回転させられる。保持リング130の内側リング径134は、基板135をその中に支持するように寸法設定される。キャリアヘッド150内で基板135を回転させている間、基板135は、保持リング130の内側リング径134にぶつかったり当たったりすることがある。化学供給システム190は、研磨中、研磨流体191を研磨面180および基板135へ供給する。保持リング130のスラリ溝は、保持リング130を通って基板135から離れる方へ研磨流体191および同伴される研磨片を輸送することを容易にする。保持リング130の内側リング径134は、同伴された余分な研磨流体が内側リング径134に粘着することを防止し、したがって、その中に保持される基板135からの保持リング130の損傷を軽減するとともに、研磨中にリング130と基板135との間の接触に応答して解放される粒子の量を低減させるように構築される。
【0011】
図2は、保持リング130の底面図である。保持リング130は、一塊の材料から形成された本体202からなることができる。別法として、本体202は、本体202をキャリアヘッド150に取り付けるように構成された上部部分320(図3に示す)ならびに研磨パッド175および基板135を接触させるように構成された下部部分210など、1つまたは複数の部分から形成することができる。本体202の部分は、本体202の形状を形成するようにともに嵌合する複数の部品を含むことができる。一実施形態では、保持リング130の本体202は、単体構造である。別の実施形態では、保持リング130の本体202は、2つの部分、上部部分320および下部部分210を有する。
【0012】
本体202は、ステンレス鋼、アルミニウム、モリブデン、または別の耐プロセス性金属もしくは合金、またはセラミックもしくはセラミック充填ポリマー、または他の適した材料から形成することができる。一実施形態では、少なくとも本体202の上部部分320は、ステンレス鋼、アルミニウム、およびモリブデンなどの耐プロセス性金属または合金、セラミックまたはセラミック充填ポリマーの1つまたは複数から製造される。加えて、本体202は、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリブチレンテレフタレート、Ertalyte TX、PEEK、Torlon、Delrin、PET、Vespel、Duratrol、または他の適した材料などのプラスチック材料から製造することができる。一実施形態では、少なくとも溝268が形成される本体202の下部部分210は、プラスチック材料から製造される。別の実施形態では、下部部分210は、金属材料から製造することができる。
【0013】
本体202は、リング形状とすることができ、中心220を有する。本体202はまた、底面270、内径壁208、および外径壁264を含むことができる。内径壁208は、保持リング130の内側リング径134を画定し、基板135を受け入れるように寸法設定された内径を有する。
保持リング130の本体202はまた、プロセス条件に露出されかつ/または金属および/もしくは蓄積されたプロセス材料の解放を受けやすい保持リング130の1つまたは複数の表面を覆うことができる耐プロセス性コーティングを含むことができる。耐プロセス性コーティングは、研磨装置100内で基板135を処理するために使用される研磨流体の化学的性質に基づいて選択された高分子材料などのプロセス流体との化学相互作用に耐える疎水性の材料とすることができる。高分子材料は、パリレン(ポリパラキシリレン)、たとえばParylene C(塩素化線形ポリパラキシリレン)、Parylene N(線形ポリパラキシリレン)、およびParylene X(架橋ポリパラキシリレン)などの炭素含有材料とすることができる。使用することができる他の炭素含有材料は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエチレンテレフタレート(ERTALYTE(登録商標)TX(ETX))、化学機械研磨ロングライフ×5(CMP LL5)ポリエステル、非晶質透明ポリエーテルイミド(ULTEM(商標) 1000)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、およびダイヤモンド様炭素(DLC)を含む。
【0014】
保持リング130の下部部分210内に、複数の溝268を形成することができる。溝268は、内側リング径134から下部部分210の外径壁264へ延びる。溝268は、スラリ材料および浮遊固体などの流体が溝268を通って内側リング径134から外径壁264へ動くことを可能にするのに十分な深さを有することができる。溝268の数および構成は、設定可能とすることができ、および/またはプロセス条件に依存することができる。たとえば、保持リング130は、キャリアヘッド150および保持リング130が回転させられるとき、流体が基板135の下から基板135から離れる方へ動くことを可能にするように、18個の等しく隔置された溝268を有することができる。流体輸送スラリおよび他のばら材料は、基板が研磨動作を受けている間に、基板135の表面の引っ掻きまたは損傷を軽減するために、溝268を通って基板135から離れる方へ進む。
【0015】
図3は、図2の断面線3−3に沿って切り取った保持リング130の一部分に対する横断面図である。保持リング130の上部部分320は、保持リング130の下部部分210に同心円状に結合することができる。本体202の上部部分320および下部部分210は、インターフェース330で、エポキシ材料、ウレタン材料、またはアクリル材料などの接着材料によって、ともに嵌合して接合することができる。上部部分320は、その底面328に沿ってスペーサ321を有することができる。スペーサ321は、保持リング130に対するアセンブリの上部部分320の底面328と下部部分210の頂面316との間に設けられる。スペーサ321は、接着材料が上部部分320の底面328と下部部分210の頂面316との間に絞り出されたり不均一に充填されたりするのを最小にしながらリング130間の寸法再現性を高める均一の間隙を提供する。
【0016】
上部部分320は、内径壁322を有する。下部部分210は、内径壁312を有する。上部部分320および下部部分210のそれぞれに対する内径壁322、312は、リングアセンブリの内側リング径134に一致する。上部部分320と下部部分210の両方に対する内径壁322、312が研磨される。内径壁322、312は、ラッピング、CMP、火炎研磨、蒸気研磨、または他の適した方法によって研磨することができる。内径壁322、312は、約2Ra〜約10Raまたは約4Raなど、マイクロインチ(μin)単位で約30Ra未満の粗さ平均(Ra)を有するように研磨することができる。
【0017】
一実施形態では、保持リング130は、一片の材料から形成され、内側リング径134は、10μin未満のRaまで研磨することができる。内側リング径134は、内側リング径134の溝の摩耗を改善しならびに粒子の生成を著しく低減させる研磨/平滑化された表面を有する。内側リング径134を研磨する結果、基板との接触による溝および摩耗が少なくなり、加えて粒子の生成および副生成物の付着が少なくなる。加えて、内側リング径134を研磨することで、容易な洗浄を提供し、スラリおよび他の材料が内側リング径134に粘着するのを防止する。したがって、内側リング径134の表面を研磨することで、粒子が基板135の研磨動作に入って基板135の表面を引っ掻き/損傷するのを最小にする。
【0018】
別の実施形態では、保持リング130の下部部分210は、CMP上で基板135が研磨されている間、基板135との衝突時に保持リング130の摩擦を低減させるために、約8Ra〜約10Raまで研磨された内径壁312を有する。内径壁312の摩擦が低減されることで、衝突からの粒子の生成が低減し、ならびに保持リング130の内径壁312に粘着するスラリ材料が低減する。
【0019】
別の実施形態では、上部部分320の内径壁322は、約10Ra〜約15Raまで研磨される。さらに別の実施形態では、上部部分320の内径壁322は、約2Ra以下まで研磨される。内径壁322を研磨することで、凝集して後に除去され、汚染源および潜在的な引っ掻き源になりうるスラリおよび他の材料が、保持リング130の内径壁322に粘着するのを防止する。したがって、保持リング130の内径壁322上の粒子/副生成物の蓄積を低減させることで、研磨された基板135上の欠陥の低減に寄与する。加えて、スラリおよび他の材料が研磨された表面に実質上粘着しないため、研磨された内径壁322はより容易にきれいになる。
【0020】
上部部分320は、保持リング130の全体的な外径壁204に一致する外径壁324を有する。下部部分210は、保持リング130の全体的な外径壁204と同心円状の外径壁314を有する。下部部分210の外径壁314は、保持リング130に対する全体的な外径壁204より小さい多少の寸法334を有することができる。外径壁324、314は、約2Ra〜約10Raまたは約4Raなど、μin単位で約30Ra未満の粗さ平均(Ra)まで研磨することができる。研磨された表面は、保持リング130の外径壁324、314に対するスラリおよび他の材料の粘着を低減させ、保持リング130の外部からの材料の洗浄を容易にする。したがって、保持リング130の外径壁324、314は、スラリおよび研磨副生成物の蓄積を抑制し、したがってCMPを受けている間に基板135の表面内に微小な引っ掻きが生じる可能性を低減させる。
上記は本発明の実施形態を対象とするが、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく、本発明の他のさらなる実施形態を考案することができる。
【符号の説明】
【0021】
100 研磨装置
102 モータ
104 モータ
106 モータ
108 シャフト
111 回転軸
125 本体
130 保持リング
132 アクチュエータ
134 内側リング径
135 基板
140 可撓性の膜
150 キャリアヘッド
170 アーム
175 研磨パッド
176 プラテン
180 研磨面
182 プラテンシャフト
184 モータ
186 軸
190 化学供給システム
191 研磨流体
196 化学タンク
198 噴霧ノズル
202 本体
204 外径壁
208 内径壁
210 下部部分
220 中心
264 外径壁
268 溝
270 底面
312 内径壁
314 外径壁
316 頂面
320 上部部分
321 スペーサ
322 内径壁
324 外径壁
328 底面
330 インターフェース
334 寸法
図1
図2
図3