特許 6354015 ライナーをベースとする分配容器のためのコネクタ

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】6354015

(24)【登録日】2018年6月22日

(45)【発行日】2018年7月11日

(54)【発明の名称】ライナーをベースとする分配容器のためのコネクタ

(51)【国際特許分類】

   B65D 83/00 20060101AFI20180702BHJP

   B65D 47/04 20060101ALI20180702BHJP

   B65D 47/32 20060101ALI20180702BHJP

【ＦＩ】

   B65D83/00 L

   B65D47/04

   B65D47/32 310

【請求項の数】12

【外国語出願】

【全頁数】16

(21)【出願番号】特願2016-222892(P2016-222892)

(22)【出願日】2016年11月16日

(62)【分割の表示】特願2013-534026(P2013-534026)の分割

【原出願日】2011年10月14日

(65)【公開番号】特開2017-36094(P2017-36094A)

(43)【公開日】2017年2月16日

【審査請求日】2016年11月16日

(31)【優先権主張番号】61/438,338

(32)【優先日】2011年2月1日

(33)【優先権主張国】US

(31)【優先権主張番号】61/427,318

(32)【優先日】2010年12月27日

(33)【優先権主張国】US

(31)【優先権主張番号】61/393,583

(32)【優先日】2010年10月15日

(33)【優先権主張国】US

(73)【特許権者】

【識別番号】505307471

【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド

(74)【代理人】

【識別番号】110002077

【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人

(74)【代理人】

【識別番号】100078282

【弁理士】

【氏名又は名称】山本 秀策

(74)【代理人】

【識別番号】100113413

【弁理士】

【氏名又は名称】森下 夏樹

(72)【発明者】

【氏名】ジョーダン ヘンリー ホッジース

(72)【発明者】

【氏名】トム ジョンソン

(72)【発明者】

【氏名】エイミー コーランド

(72)【発明者】

【氏名】グレッグ ネルソン

(72)【発明者】

【氏名】リック ウィルソン

(72)【発明者】

【氏名】ドン ウェア

【審査官】 小川 悟史

(56)【参考文献】

【文献】 特開平０６−１０００８７（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開昭６３−０３３２９７（ＪＰ，Ａ）

【文献】 米国特許第５１９９６０９（ＵＳ，Ａ）

(58)【調査した分野】（Int.Cl.，ＤＢ名）

Ｂ６５Ｄ ８３／００

Ｂ６５Ｄ ４７／０４

Ｂ６５Ｄ ４７／３２

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

ライナーをベースとするアセンブリと共に使用されるコネクタであって、前記コネクタは、
分配ポートを画定する本体部分と、
前記コネクタに搭載された１つ以上の係止シリンダであって、前記１つ以上の係止シリンダは、閾値圧力が前記ライナーをベースとするアセンブリ内で到達された場合に前記ライナーをベースとするアセンブリに前記コネクタを係止することと、前記ライナーをベースとするアセンブリ内の圧力が前記閾値圧力を下回っている場合に前記ライナーをベースとするアセンブリから前記コネクタを係止解除することとを行うように構成されている、１つ以上の係止シリンダと
を含む、コネクタ。

【請求項2】

前記ライナーをベースとするアセンブリの内容物を分配する間、前記ライナーをベースとするアセンブリ内の約２０ｐｓｉ未満の圧力を支持するようにさらに構成されている、請求項１に記載のコネクタ。

【請求項3】

ヘッドスペース除去ポートをさらに含み、前記分配ポートと前記ヘッドスペース除去ポートとは、前記ライナーをベースとするアセンブリの内容物の再循環のための流路を提供するように動作可能に結合されている、請求項１に記載のコネクタ。

【請求項4】

前記コネクタは、間接的圧力分配のために構成されており、これにより、加圧されたガスまたは加圧された流体が、前記ライナーをベースとするアセンブリのライナーとオーバーパックとの間の環状空間内に導入され、前記加圧されたガスまたは前記加圧された流体の力は、前記ライナーが自分自身で圧潰することを引き起こし、前記ライナーが前記分配ポートを通して前記ライナーの内容物を外に出すことを引き起こす、請求項１に記載のコネクタ。

【請求項5】

ヘッドスペース除去ポートに結合されているキャップをさらに含む、請求項１に記載のコネクタ。

【請求項6】

圧力が所定のレベルに到達した場合に前記ライナーをベースとするアセンブリ内の圧力を解放するように構成された圧力解放弁をさらに含む、請求項１に記載のコネクタ。

【請求項7】

前記ライナーをベースとするアセンブリの内部空間の中に少なくとも部分的に延在する浸漬管をさらに含み、前記浸漬管は、前記分配ポートを通して前記ライナーをベースとするアセンブリの内容物を分配するために前記分配ポートに結合されている、請求項１に記載のコネクタ。

【請求項8】

ライナーをベースとするアセンブリの内容物を分配するためのシステムであって、前記システムは、
オーバーパックと、
前記内容物を保持するための内部空間を含むライナーであって、前記ライナーは、前記オーバーパックの内側に配置されている、ライナーと、
本体部分と、前記コネクタに搭載された係止シリンダとを含むコネクタであって、前記係止シリンダは、前記オーバーパック内の圧力が閾値圧力以上である場合に、前記コネクタを前記ライナーおよび前記オーバーパックのうちの少なくとも１つに係止するように構成されている、コネクタと
を含む、システム。

【請求項9】

前記コネクタは、前記ライナーをベースとするアセンブリの内容物を分配する間、前記ライナーをベースとするアセンブリ内の約２０ｐｓｉ未満の圧力を支持するように構成されている、請求項８に記載のシステム。

【請求項10】

前記コネクタは、前記ライナーの内部空間の中に少なくとも部分的に延在する浸漬管をさらに含み、前記浸漬管は、少なくとも約１インチの直径を有する、請求項８に記載のシステム。

【請求項11】

前記浸漬管は、前記ライナーの内部の中に部分的にのみ延在する、請求項１０に記載のシステム。

【請求項12】

前記ライナーは、前記ライナーと前記オーバーパックとの間の空間に印加される圧力下で圧潰可能であることにより、前記浸漬管を通して前記ライナーの内容物を分配する、請求項１０に記載のシステム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本開示は、新規かつ有利な保管および分配システムに関する。より具体的には、本開示は、ライナーをベースとするアセンブリとの使用のための新規かつ有利なコネクタアセンブリに関し、材料が、ライナーをベースとするアセンブリに保管、輸送され、そこから分配される。

【背景技術】

【0002】

多数の製造プロセスは、酸、溶媒、基剤、フォトレジスト、ド−パント、無機物、有機物、および生物学的溶液、医薬品、ならびに放射性化学物質等の超高純度液体の使用を必要とする。そのような産業は、超高純度液体内の粒子の数およびサイズを制御し純度を保証することを必要とする。特に、超高純度液体は、マイクロ電子製造プロセスの多くの側面において使用されるため、半導体製造業者は、プロセス化学物質および化学処理機器のための厳密な粒子濃度仕様を確立している。製造プロセス中、高レベルの粒子または気泡を含有する液体が使用される場合、粒子または気泡がシリコンの固体表面上に堆積され得るので、そのような仕様が必要とされる。これは、ひいては、製品故障ならびに品質および信頼性低下につながり得る。

【0003】

前述の液体ならびに他の液体ベースの内容物を保管、輸送、および分配するために使用される、保管および分配システムは、典型的には、ある種類の容器および／またはライナー、内容物が分配されていない場合の保管システムの内容物を密閉および保護するために使用され得るキャップ、内容物を容器から分配するために使用され得るコネクタを含む。分配中に使用されるコネクタは、典型的には、特定のタイプの分配を提供するように独自に構成される。故に、分配中に使用されるコネクタは、例えば、分配がポンプ分配または圧力分配であるかどうか、どのような分配の流量であるか、および／または、分配後、ライナーまたは容器内にどれくらい残留し得るか等、分配のいくつかの側面に影響を及ぼすであろう。この点において、分配中の流量を増加させる、および／または分配され得る材料の総量を増加させるコネクタの必要性が存在する。

【発明の概要】

【課題を解決するための手段】

【0004】

本開示は、ライナーをベースとするアセンブリとの使用のための新規かつ有利なコネクタアセンブリに関する。一実施形態では、ライナーをベースとするアセンブリとの使用のためのコネクタアセンブリは、圧力ポートと、分配ポートと、ヘッドスペース除去ポートと、係止機構とを含むことができる。圧力ポートは、圧力源への接続のために適合されることができる。分配ポートは、ライナーをベースとするアセンブリから分配される材料源との流体連通のために適合されることができる。ヘッドスペース除去ポートは、ライナーをベースとするアセンブリからガスを除去するために構成され得る。係止機構は、その中の内容物が、圧力下にある場合、コネクタをライナーをベースとするアセンブリに係止するために使用され得る。いくつかの実施形態では、分配ポートおよびヘッドスペース除去ポートは、動作可能に連結され、ライナーをベースとするアセンブリのライナー内の内容物の再循環のための流路を提供し得る。

【0005】

他の実施形態では、本開示は、ライナーをベースとするアセンブリの内容物をポンプ分配する方法に関する。方法は、コネクタをライナーをベースとするアセンブリに接続することを含み得る。コネクタは、圧力源への接続のために適合されている圧力ポートと、ライナーをベースとするアセンブリ内に分配される材料源と流体連通するために適合される分配ポートと、ライナーをベースとするアセンブリからガスを除去するために構成されるヘッドスペース除去ポートとを含むことができる。方法は、例えば、圧力補助を使用して、ヘッドスペース除去ポートを通して、ライナーをベースとするアセンブリのライナー内に含まれているヘッドスペースのガスを除去することと、ポンプを使用して、分配ポートを通して、材料源を分配することとをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、圧力ポートが塞栓された状態において、分配ポートおよびヘッドスペース除去ポートが、動作可能に連結され、ライナーをベースとするアセンブリのライナー内の内容物の再循環のための流路を提供し得る。

【0006】

なおも他の実施形態では、本開示は、ライナーをベースとするアセンブリの内容物を分配する方法に関する。方法は、コネクタをライナーをベースとするアセンブリに接続することを含むことができる。コネクタは、圧力源への接続のために適合される圧力ポートと、ライナーをベースとするアセンブリ内に分配される材料源との流体連通のために適合される分配ポートと、ライナーをベースとするアセンブリからガスを除去するために構成されるヘッドスペース除去ポートとを含むことができる。方法はまた、ヘッドスペース除去ポートを通して、ライナーをベースとするアセンブリのライナー内に含まれているヘッドスペースのガスを除去することを含むことができる。内容物は、圧力分配または圧力補助ポンプ分配技法を使用して、分配され得る。一特定の実施形態では、本開示は、コネクタをライナーをベースとするアセンブリに接続することであって、コネクタが、分配ポートと、少なくとも部分的に、ライナーをベースとするアセンブリの内部空間内に延在する浸漬管であって、少なくとも約１インチの直径を有し、分配ポートに連結されている、浸漬管とを有する、ことと、分配ポートを通して、ライナーの内部空間の内容物を分配することとを含む、ライナーをベースとするアセンブリの内容物を分配する方法に関する。

【0007】

なおも他の実施形態では、本開示は、ライナーをベースとするアセンブリとの使用のためのコネクタに関する。コネクタは、分配ポートと、少なくとも部分的に、ライナーをベースとするアセンブリの内部空間内に延在する浸漬管であって、少なくとも約１インチの直径を有し、分配ポートを通して、ライナーをベースとするアセンブリの内容物を分配するために、分配ポートに連結されている、浸漬管とを含み得る。その変形例では、コネクタは、ヘッドスペース除去ポートをさらに含み、いくつかの実施形態では、分配ポートおよびヘッドスペース除去ポートが、動作可能に連結され、ライナーをベースとするアセンブリの内容物の再循環のための流路を提供し得る。係止機構が、提供され得、ライナーをベースとするアセンブリ内で閾値圧力が到達された場合、係合し、ライナーをベースとするアセンブリ内の圧力が閾値圧力を下回っている場合、係合されないように構成されている１つ以上の係止シリンダを含み得る。コネクタは、間接的圧力分配のために構成され得、加圧されたガスまたは加圧された流体は、ライナーをベースとするアセンブリのライナーとオーバーパックとの間の環状空間内に導入され、加圧されたガスまたは加圧された流体の力は、ライナーにそれ自体の上に圧潰させ、分配ポートを通して、ライナーの内容物を押し出させる。加えて、浸漬管は、部分的にのみ、ライナーをベースとするアセンブリの内部内に延在するように構成され得、時として、ショートプローブまたはスタビープローブと称される。

【0008】

さらに他の実施形態では、本開示は、ライナーをベースとするアセンブリの内容物を分配するためのシステムに関する。システムは、オーバーパックと、内容物を保持するための内部空間を含むライナーであって、オーバーパックの内側に配置されている、ライナーと、ライナーの内容物が圧力下にある場合、コネクタをライナーおよびオーバーパックのうちの少なくとも１つに係止するための係止機構を備えている、コネクタとを含み得る。コネクタはさらに、少なくとも部分的に、ライナーの内部空間内に延在する浸漬管であって、少なくとも約１インチの直径を有する、浸漬管を含み得る。ある場合には、浸漬管は、部分的にのみ、ライナーの内部内に延在し得る。ライナーは、ライナーとオーバーパックとの間の空間に印加される圧力下、浸漬管を通して、ライナーの内容物を分配するように、圧潰可能であり得る。

【0009】

複数の実施形態が開示されるが、本開示のさらに他の実施形態は、以下の詳細な説明から当業者にとって明らかであろう。以下の発明を実施するための形態は、本発明の例示的な実施形態を示し、説明している。理解されるであろうように、本開示の種々の実施形態はすべて、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、種々の明白な側面において、修正可能である。故に、図面および発明を実施するための形態は、事実上例示としてみなされるものであり、限定するものではない。
本発明はさらに、例えば、以下を提供する。
（項目１）
ライナーをベースとするアセンブリとの使用のためのコネクタであって、
分配ポートと、
少なくとも部分的に、前記ライナーをベースとするアセンブリの内部空間内に延在する浸漬管と
を備え、
前記浸漬管は、少なくとも約１インチの直径を有し、前記分配ポートを通して前記ライナーをベースとするアセンブリの内容物を分配するために、前記分配ポートに連結されている、コネクタ。
（項目２）
ヘッドスペース除去ポートをさらに備え、前記分配ポートと前記ヘッドスペース除去ポートとは、動作可能に連結され、前記ライナーをベースとするアセンブリの内容物の再循環のための流路を提供する、項目１に記載のコネクタ。
（項目３）
係止機構をさらに備え、前記係止機構は、前記ライナーをベースとするアセンブリ内で閾値圧力が到達された場合に係合するように構成されている１つ以上の係止シリンダを備え、前記１つ以上の係止シリンダは、前記ライナーをベースとするアセンブリ内の圧力が前記閾値圧力を下回っている場合、係合しないように構成されている、項目１に記載のコネクタ。
（項目４）
前記コネクタは、間接的圧力分配のために構成され、加圧されたガスまたは加圧された流体が、前記ライナーをベースとするアセンブリのライナーとオーバーパックとの間の環状空間内に導入され、前記加圧されたガスまたは加圧された流体の力は、前記ライナーにそれ自体の上に圧潰させ、前記分配ポートを通して、前記ライナーの内容物を外に押し出させる、項目１に記載のコネクタ。
（項目５）
前記浸漬管は、部分的にのみ、前記ライナーをベースとするアセンブリの内部に延在するように構成されている、項目４に記載のコネクタ。
（項目６）
前記ヘッドスペース除去ポートに連結されているキャップをさらに備えている、項目１に記載のコネクタ。
（項目７）
圧力解放弁をさらに備え、前記圧力解放弁は、圧力が所定のレベルに到達した場合、前記ライナーをベースとするシステム内の圧力を解放するように構成されている、項目１に記載のコネクタ。
（項目８）
ライナーをベースとするアセンブリの内容物を分配する方法であって、
コネクタを前記ライナーをベースとするアセンブリに接続することであって、前記コネクタは、
分配ポートと、
少なくとも部分的に、前記ライナーをベースとするアセンブリの内部空間内に延在する浸漬管と
を備え、前記浸漬管は、少なくとも約１インチの直径を有し、前記分配ポートに連結されている、ことと、
前記分配ポートを通して前記ライナーの内部空間の内容物を分配することと
を含む、方法。
（項目９）
前記コネクタは、
圧力源への接続のために適合されている圧力ポートと、
前記ライナーをベースとするアセンブリからガスを除去するために構成されているヘッドスペース除去ポートと
をさらに備えている、項目８に記載の方法。
（項目１０）
加圧されたガスまたは加圧された液体を前記圧力源から前記ライナーをベースとするアセンブリの環状空間内に導入することによって、前記ヘッドスペース除去ポートを通して、前記ライナーをベースとするアセンブリのライナー内に含まれているヘッドスペースのガスを除去することをさらに含む、項目９に記載の方法。
（項目１１）
圧力分配を使用して、前記分配ポートを通して前記ライナーをベースとするアセンブリの内容物を分配することをさらに含む、項目１０に記載の方法。
（項目１２）
前記浸漬管は、部分的にのみ、前記ライナーをベースとするアセンブリの内部空間内に延在している、項目１１に記載の方法。
（項目１３）
圧力補助ポンプ分配を使用して、前記分配ポートを通して前記ライナーをベースとするアセンブリの内容物を分配することをさらに含む、項目１０に記載の方法。
（項目１４）
前記コネクタは、少なくとも１つの係止機構をさらに備え、前記少なくとも１つの係止機構は、前記ライナーをベースとするアセンブリが圧力下にある場合、前記コネクタを前記ライナーをベースとするアセンブリに係止する、項目１１に記載の方法。
（項目１５）
ライナーをベースとするアセンブリの内容物を分配するためのシステムであって、
オーバーパックと、
内容物を保持するための内部空間を含むライナーであって、前記ライナーは、前記オーバーパックの内側に配置されている、ライナーと、
コネクタと
を備え、
前記コネクタは、係止機構を備え、前記係止機構は、前記ライナーの内容物が圧力下にある場合、前記コネクタを前記ライナーおよび前記オーバーパックのうちの少なくとも１つに係止する、システム。
（項目１６）
前記コネクタは、少なくとも部分的に、前記ライナーの内部空間内に延在する浸漬管をさらに備え、前記浸漬管は、少なくとも約１インチの直径を有している、項目１５に記載のシステム。
（項目１７）
前記浸漬管は、部分的にのみ、前記ライナーの内部内に延在している、項目１６に記載のシステム。
（項目１８）
前記ライナーは、前記ライナーと前記オーバーパックとの間の空間に印加される圧力下で圧潰可能であることにより、前記浸漬管を通して前記ライナーの内容物を分配する、項目１７に記載のシステム。

【図面の簡単な説明】

【0010】

本明細書は、本開示の種々の実施形態を形成するものとしてみなされる主題を具体的に指摘し、明確に主張する特許請求の範囲で完結するものの、本発明は、添付の図面と使用される以下の説明からより良く理解されるであろうと考えられる。

【図1】図１は、一実施形態による、本開示の容器の断面図である。

【図2】図２は、本開示の一実施形態による、容器およびライナーを含む、容器システムの断面図である。

【図3】図３は、本開示の一実施形態による、コネクタの斜視図である。

【図4】図４は、本開示の一実施形態による、コネクタの断面図である。

【図5】図５は、本開示の一実施形態による、ライナーをベースとするアセンブリとの使用におけるコネクタの切断図である。

【図6】図６は、本開示の一実施形態による、コネクタの断面図である。

【発明を実施するための形態】

【0011】

本開示は、新規かつ有利な保管および分配システムに関する。より具体的には、本開示は、保管デバイスとの使用のための新規かつ有利なコネクタアセンブリと、本開示の容器の内容物の保管、輸送、および／または分配のための方法とに関する。さらに、本開示は、分配中、流量を増加させ、および／または分配され得る材料の総量を増加させる新規かつ有利なコネクタアセンブリに関する。

【0012】

特に、本開示の一実施形態は、分配中、高流量を提供し、および／または従来のコネクタを上回る割合のライナーの内容物を分配可能にし得る保管および分配システムのためのコネクタを含む。本明細書で説明される、高流量および低残留コネクタ（以下、「高流量コネクタ」と称される）の実施形態は、約２０００リットルまで、好ましくは、約２００リットルまで保持し得る保管および分配容器と使用され得る。いくつかの実施形態では、分配容器は、約２０リットルまで保持し得る。なおもさらなる実施形態では、分配容器は、約１から５リットル保持し得る。参照される容器サイズは、例証にすぎず、本開示の高流量コネクタのいずれも、種々のサイズおよび形状の分配容器との使用のために容易に適合され得ることを理解されるであろう。

【0013】

本明細書に開示される容器および容器システムの例示的使用として、酸、溶媒、基剤、フォトレジスト、緑色光を発するリン光性ド−パント等のＯＬＥＤのための化学物質および材料、例えば、インクジェットインク、スラリ−、洗剤および洗浄剤、ド−パント、無機物、有機物、金属有機物、ＴＥＯＳ、および生物学的溶液、ＤＮＡおよびＲＮＡ溶媒および試薬、医薬品、有害廃棄物、放射性化学物質、および、例えば、フラ−レン、無機物ナノ粒子、ゾルゲル、および他のセラミックを含む、ナノ材料、ならびに限定されないが、４−メトキシベンジリデン−４'−ブチルアニリン（ＭＢＢＡ）または４−シアノベン
ジリデン−４'−ｎ−オクチルオキシアニリン（ＣＢＯＯＡ）等の液晶の運搬および分配が挙げられ得るが、それらに限定されない。しかしながら、そのような容器および容器システムはさらに、他の産業において、限定されないが、コーティング、塗料、ポリウレタン、食料、清涼飲料水、食用油、農薬、産業用化学物質、化粧薬品（例えば、ファンデーション、ベース、およびクリ−ム）、石油および潤滑剤、接着剤（例えば、限定されないがエポキシ、接着性エポキシ、エポキシおよびポリウレタン着色顔料、ポリウレタン注型樹脂、シアノアクリレートおよび嫌気性接着剤、限定されないが、レゾルシノール、ポリウレタン、エポキシ、および／またはシアノアクリレートを含む、反応合成接着剤）、封止剤、健康および口腔衛生製品、ならびに洗面用製品等、他の製品を運搬および分配するために使用され得る。当業者は、そのような保管および分配システムならびにその使用方法の利点を認識し、したがって、種々の産業に対して、種々の製品の運搬および分配するための保管および分配システムと使用される、本明細書に説明される、高流量コネクタの種々の実施形態の適合性を認識するであろう。

【0014】

例えば、本開示の高流量コネクタは、図１に示される、容器１００と使用され得るが、それに限定されない。容器１００は、容器壁１１２と、内部空洞１１４と、口部１１６とを含み得る。容器１００の口部１１６の外側は、高流量コネクタアセンブリ上の相補的ネジ山と連結し得るネジ山１２０を有し得る。しかしながら、容器の口部１１６は、スナップ嵌め機構あるいは任意の他の好適な機構または連結のための機構の組み合わせ等、高流量コネクタに連結するための任意の代替または追加の手段を有し得ることを理解されるであろう。容器１００は、プラスチック、ガラス、金属、あるいは任意の他の好適な材料または材料の組み合わせであり得る。容器は、限定されないが、瓶、缶、ドラム等の任意の好適な形状または構成であり得る。例えば、一例として、限定ではないが、一実施形態では、容器１００は、ガラス瓶であり得る。別の実施形態では、容器１００は、典型的には、金属缶と称されるものであり得る。容器１００は、射出吹込成形、射出延伸吹込成形、押出成形等、任意のプロセスを使用して製造され得る。容器１００は、単一構成要素として製造され得、または複数の構成要素の組み合わせであり得る。いくつかの実施形態では、容器１００は、略平滑容器壁１１２および内部空洞１１４を伴う、比較的に単純設計を有し得る。他の実施形態では、容器１００は、例えば、くぼみ、突出、および／または可変壁１１２厚を含むが、それらに限定されない、比較的に複雑な設計を有し得る。そのような容器は、２００９年１０月１４日出願の米国特許出願第６１／２５１，４３０号「Ｍａｔｅｒｉａｌ Ｓｔｏｒａｇｅ ａｎｄ Ｄｉｓｐｅｎｓｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍ ａｎｄ Ｍｅｔｈｏｄ Ｗｉｔｈ Ｄｅｇａｓｓｉｎｇ Ａｓｓｅｍｂｌｙ」（現在は、２０１０年１０月７日出願の国際ＰＣＴ特許出願第ＰＣＴ／ＵＳ１０／５１７８６号）に開示され、それぞれ、参照することによって、全体として本明細書に組み込まれる、容器に実質的に類似し得る。同様に、以下の特許および特許出願は、本開示に従って使用され得る容器を開示し、それぞれ、参照することによって、全体として本明細書に組み込まれる：国際ＰＣＴ出願Ｎｏ．ＰＣＴ／ＵＳ１０／４１６２９（名称”Ｓｕｂｓｔａｎｔｉａｌｌｙ Ｒｉｇｉｄ Ｃｏｌｌａｐｓｉｂｌｅ Ｌｉｎｅｒ ａｎｄ Ｆｌｅｘｉｂｌｅ Ｇｕｓｓｅｔｅｄ ｏｒ Ｎｏｎ−Ｇｕｓｓｅｔｅｄ Ｌｉｎｅｒｓ ａｎｄ Ｍｅｔｈｏｄｓ ｏｆ Ｍａｎｕｆａｃｔｕｒｉｎｇ ｔｈｅ Ｓａｍｅ ａｎｄ Ｍｅｔｈｏｄｓ ｆｏｒ Ｌｉｍｉｔｉｎｇ Ｃｈｏｋｅ−Ｏｆｆ ｉｎ Ｌｉｎｅｒｓ，”２０１０年７月９日出願）；国際ＰＣＴ出願Ｎｏ．ＰＣＴ／ＵＳ１１／０５５５５８（名称”Ｓｕｂｓｔａｎｔｉａｌｌｙ Ｒｉｇｉｄ Ｃｏｌｌａｐｓｉｂｌｅ Ｌｉｎｅｒ， Ｃｏｎｔａｉｎｅｒ ａｎｄ／ｏｒ Ｌｉｎｅｒ ｆｏｒ Ｒｅｐｌａｃｉｎｇ Ｇｌａｓｓ Ｂｏｔｔｌｅｓ， ａｎｄ Ｅｎｈａｎｃｅｄ Ｆｌｅｘｉｂｌｅ Ｌｉｎｅｒｓ，”２０１１年１０月１０日出願）；米国特許出願Ｎｏ．１１／９１５，９９６（名称”Ｆｌｕｉｄ Ｓｔｏｒａｇｅ ａｎｄ Ｄｉｓｐｅｎｓｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍｓ ａｎｄ Ｐｒｏｃｅｓｓｅｓ，”；および、国際ＰＣＴ出願Ｎｏ．ＰＣＴ／ＵＳ／０５５５６０，名称”Ｎｅｓｔｅｄ Ｂｌｏｗ Ｍｏｌｄｅｄ Ｌｉｎｅｒ ａｎｄ Ｏｖｅｒｐａｃｋ ａｎｄ Ｍｅｔｈｏｄｓ ｏｆ Ｍａｋｉｎｇ Ｓａｍｅ，”２０１１年１０月１０日出願）。

【0015】

他の実施形態では、図２に示されるように、本開示の高流量コネクタは、いくつかの実施形態では、容器またはオーバーパック２０２と、ライナー２２０とを含み得る容器システム２００と使用され得るが、それに限定されない。オーバーパック２０２は、前述かつ図１に図示される容器と同様に、オーバーパック壁２１２と、口部２１６とを有し得る。また、前述の容器と同様に、オーバーパック２０２は、プラスチック、ガラス、金属、あるいは任意の他の好適な材料または材料の組み合わせであり得る。オーバーパックは、限定されないが、瓶、缶、ドラム等、任意の好適な形状または構成であり得る。ライナー２２０は、ライナー壁２２４と、内部空洞２２６と、口部２２８とを含み得る。ライナー２２０は、一実施形態では、容器またはオーバーパック２０２の内部に実質的に適合するための寸法および形状を有し得る。したがって、ライナー２２０は、略平滑外側表面を伴う、比較的に単純設計を有し得、またはライナー２２０は、例えば、限定されないが、くぼみおよび突出を含む、比較的に複雑な設計を有し得る。ライナー２２０は、オーバーパック壁２１２の厚さと比較して、比較的に薄いライナー壁２２４を有し得る。ライナー２２０は、ライナー壁２２４が、口部２２８を通る真空によって、またはライナー壁２２４とオーバーパック壁２１２との間の圧力によって等、容易に圧潰され得るように、圧潰可能であり得る。

【0016】

ライナー２２０は、さらなる実施形態では、膨張または充填されると、その中に配置され得るように、オーバーパック２０２の形状と異なるが、それと相補的である、形状を有し得る。一実施形態では、ライナー２２０はまた、取り外し可能である、またはオーバーパック壁２１２の内部に取り外し可能に取り付けられ得る。ライナー２２０は、ライナー壁２２４とオーバーパック壁２１２との間の空間からの駆動ガス移動に対して、ガス障壁等の障壁を提供し得る。いくつかの実施形態では、ライナー２２０は、プラスチック、ナイロン、ＥＶＯＨ、ポリオレフィン、あるいは他の天然または合成ポリマ−を含む、１つ以上のポリマ−を使用して製造され得る。さらなる実施形態では、ライナー２２０は、限定されないが、ポリクロロトリフルオロエチレン（ＰＣＴＦＥ）、ポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）、フッ素化エチレンプロピレン（ＦＥＰ）、パーフルオロアルコキシ（ＰＦＡ）、テレフタル酸ポリエチレン（ＰＥＴ）、ポリエチレンナフタレート（ＰＥＮ）、ポリ（ブチレン２，６−ナフタレート）（ＰＢＮ）、ポリエチレン（ＰＥ）、鎖状低密度ポリエチレン（ＬＬＤＰＥ）、低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）、中密度ポリエチレン（ＭＤＰＥ）、高密度ポリエチレン（ＨＤＰＥ）、および／またはポリプロピレン（ＰＰ）等、フッ素ポリマ−を使用して製造され得る。いくつかの実施形態では、ライナー２２０は、複数の層を備え得る。複数の層は、１つ以上の異なるポリマ−または他の好適な材料を備え得る。ライナー２２０の口部２２８はまた、取り付け部２３０を有し得る。取り付け部２３０は、ライナー２２０の残りと同一または異なる材料から作製され得、ライナー２２０の残りより硬い、より弾力的、および／または低可撓であり得る。以下はすべて、新しくまたは前述で参照することによって、全体として本明細書に組み込まれ、本開示に従って使用され得るライナーを開示する：国際ＰＣＴ出願Ｎｏ．ＰＣＴ／ＵＳ２００８／０８５２６４（名称”Ｂｌｏｗ Ｍｏｌｄｅｄ Ｌｉｎｅｒ ｆｏｒ Ｏｖｅｒｐａｃｋ Ｃｏｎｔａｉｎｅｒ ａｎｄ Ｍｅｔｈｏｄ ｏｆ Ｍａｎｕｆａｃｔｕｒｉｎｇ ｔｈｅ Ｓａｍｅ，”２００８年１２月２日出願，これに対する米国出願Ｎｏ．１２／７４５，６０５は、２０１０年６月１日に出願）；国際ＰＣＴ出願Ｎｏ．ＰＣＴ／ＵＳ１０／４１６２９（名称”Ｓｕｂｓｔａｎｔｉａｌｌｙ Ｒｉｇｉｄ Ｃｏｌｌａｐｓｉｂｌｅ Ｌｉｎｅｒ ａｎｄ Ｆｌｅｘｉｂｌｅ Ｇｕｓｓｅｔｅｄ ｏｒ Ｎｏｎ−Ｇｕｓｓｅｔｅｄ Ｌｉｎｅｒｓ ａｎｄ Ｍｅｔｈｏｄｓ ｏｆ Ｍａｎｕｆａｃｔｕｒｉｎｇ ｔｈｅ Ｓａｍｅ ａｎｄ Ｍｅｔｈｏｄｓ ｆｏｒ Ｌｉｍｉｔｉｎｇ Ｃｈｏｋｅ−Ｏｆｆ ｉｎ Ｌｉｎｅｒｓ，”２０１０年７月９日出願）；国際ＰＣＴ出願Ｎｏ．ＰＣＴ／ＵＳ１１／０５５５５８（名称”Ｓｕｂｓｔａｎｔｉａｌｌｙ Ｒｉｇｉｄ Ｃｏｌｌａｐｓｉｂｌｅ Ｌｉｎｅｒ， Ｃｏｎｔａｉｎｅｒ ａｎｄ／ｏｒ Ｌｉｎｅｒ ｆｏｒ Ｒｅｐｌａｃｉｎｇ Ｇｌａｓｓ Ｂｏｔｔｌｅｓ， ａｎｄ Ｅｎｈａｎｃｅｄ Ｆｌｅｘｉｂｌｅ Ｌｉｎｅｒｓ，”２０１１年１０月１０日出願）；および、米国特許出願Ｎｏ．１１／９１５，９９６（名称”Ｆｌｕｉｄ Ｓｔｏｒａｇｅ ａｎｄ Ｄｉｓｐｅｎｓｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍｓ ａｎｄ Ｐｒｏｃｅｓｓｅｓ，”２００６年６月５日出願）。

【0017】

種々の容器および容器システムは、前述のように、本開示の高流量コネクタの種々の実施形態と使用され得るが、本明細書で説明されるそのような高流量コネクタは、特に、例えば、約２００リットルまでのサイズを有する、缶の中にバッグが設けられたアセンブリおよび／またはドラムの中にバッグが設けられたアセンブリに有用であり得る。後述されるように、高流量コネクタは、ポンプ分配、圧力補助ポンプ分配、直接圧力分配、および／または間接的圧力分配用途と使用され得る。一般に、ポンプ分配中、浸漬管は、実質的に、ライナーの全長まで、ライナー内に延在し得、ライナーの内容物は、浸漬管を介して、ライナーから圧送され得る。ポンプ分配を使用する、ライナーをベースとするシステムの実施形態は、容器またはオーバーパックおよびライナーの両方を含んでも含まなくてもよい。圧力補助ポンプ分配では、ライナーの内容物は、例えば、浸漬管を介して、ライナーから圧送され得るが、加えて、ガスまたは液体は、ライナーとオーバーパックとの間の空間内に導入され、ライナーの圧潰を補助し、それによって、ヘッドスペースのガスを除去し、および／または分配を促進し得る。圧力分配用途は、直接的または間接的であり得る。直接圧力分配は、概して、例えば、圧力源からガスをガス−液体界面上方のライナー内に導入することを伴い、直接、ライナーの内容物に接触し、それを分配ポートの外へ押出し得る。直接圧力分配を使用する実施形態は、容器またはオーバーパックおよびライナーの両方を含んでも含まなくてもよい。一般に、間接的圧力分配中、圧力の外部源を使用して、圧力ポートを介して、ライナーとオーバーパックとの間の空間（また、本明細書では、環状空間とも称される）を加圧することができる。ライナーに対する結果として生じる圧力は、ライナーにそれ自体の上に圧潰させ、分配ポートを通して、ライナーの内容物を排出させることができる。

【0018】

図３に示されるように、一実施形態では、高流量コネクタ３００は、圧力ポート３０２と、分配ポート３０６と、１つ以上の係止機構またはシリンダ３１０と、圧力解放弁３０８と、ヘッドスペース除去ポート３０４とを含み得る。圧力ポート３０２は、例えば、ガスまたは液体のいずれかであり得る圧力源に取り付けるように構成され得る。概して、圧力ポート３０２は、例えば、間接的圧力分配または圧力補助ポンプ分配を使用する実施形態では、コネクタを通して、オーバーパックとオーバーパック内のライナーとの間の環状空間内に、圧力の外部源を流動させるよう方向付け得る。そのようなアセンブリ内のライナーは、本明細書に論じられるまたは参照することによって組み込まれる、ライナーのいずれか、例えば、限定されないが、可撓ライナーまたは剛体圧潰可能ライナーであり得る。オーバーパックは、実質的に、剛体、または少なくともライナーより剛体であるため、ライナーとオーバーパックとの間の環状空間内に導入される圧力は、概して、ライナーにそれ自体の上に圧潰させるよう押しやり、それによって、ライナーから、分配のためのコネクタ分配ポート３０６を通して、ライナーの内容物を押し出すであろう。図４に見られ得るように、圧力ポートは、圧力源をライナーとオーバーパックとの間の空間内へ方向付ける出口４１０を有し得る。

【0019】

図３に戻って参照すると、コネクタ３００はまた、１つ以上の係止シリンダ３１０を含み得る。いくつかの実施形態では、内容物は、概して、前述のように、圧力を使用して、ライナーをさらに圧潰させ、それによって、分配ポート３０６を通して、ライナーの内容物を排出することによって、ライナーから除去され得る。本開示のいくつかの実施形態は、比較的に大直径浸漬管と組み合わせて使用される、高流量コネクタを含むため、大量の圧力が、所望の速度でライナーの内容物を分配するために要求され得る。故に、係止シリンダ３１０は、アセンブリが、例えば、ユーザに害を及ぼす安全上のリスク、オーバーパックに損傷を及ぼすリスク、および／またはライナー内に保管される材料を損失するリスク等、それと関連付けられたリスクを排除あるいは有意に低減させるように、圧力下にある間、コネクタがライナーおよび／またはオーバーパックから除去することができない、または別様に、コネクタが除去されることを困難にし得ることを確実にするのに役立ち得る。一実施形態では、係止シリンダ３１０は、圧力分配用途中、オーバーパック内のある閾値圧力に到達する、またはそれを超えると、係合し得る。係止シリンダ３１０は、オーバーパック内の圧力が、閾値圧力をもはや超えていない場合、係合解除され得る。例えば、一実施形態では、ライナーとオーバーパックとの間の空間が、約４ｐｓｉを上回ると、例えば、係止シリンダ３１０は、圧力下にある間、概して、オーバーパックから除去され得ないように、係合され、コネクタを係止し得る。圧力が、例えば、約４ｐｓｉを下回って降下されると、係止シリンダ３１０は、係合解除され得る。任意の他の係止機構を使用して、加圧された分配中、コネクタをオーバーパックおよびライナーにしっかりと取り付けられたまま維持し得ることを理解されるであろう。

【0020】

圧力解放弁３０８を使用して、ライナーとオーバーパックとの間の圧力が、所望されるより上回る場合、圧力を解放し得る。例えば、僅か約２０ｐｓｉ以下のみ、ライナーとオーバーパックとの間で所望される場合、圧力は、ライナーとオーバーパックとの間の圧力が、約２０ｐｓｉを超える場合、圧力解放弁３０８を通して放出され得る。具体的圧力が説明されたが、任意の好適な圧力が、例えば、使用されるライナーおよび／またはオーバーパックのタイプ、および／または使用される分配のタイプ、および／またはライナー内に保管される内容物の種類に応じて、選択され得ることを理解されるであろう。

【0021】

ライナーの内容物は、いくつかの実施形態では、ライナーから、浸漬管を通して、外に排出され得る。図５に見られ得るように、浸漬管５０８は、ライナー５０４内に延在し、ライナー５０４の内容物が、ライナー５０４から、分配ポートを通して、外に方向付けられ得るように、コネクタ５０６に取り付くか、または恒久的に添着され得る。浸漬管５０８は、容器内に１／２の距離等、任意の好適な長さをライナー内に延在し得、または浸漬管５０８は、１／２より小さい、またはそれより大きい距離を容器内に延在し得る。例えば、特に、ポンプ分配用途に有用であり得るいくつかの実施形態では、浸漬管５０８は、実質的に、ライナー５０４の全長にわたって、延在し得る。他の実施形態では、例えば、圧力分配用途との使用のためのものに限定されないが、浸漬管５０８は、比較的に短い距離をライナー内に延在し得、ある場合には、「スタビープローブ」と称され得る。本開示と使用され得る「スタビープローブ」の実施例は、ＡＴＭＩ（Ｄａｎｂｕｒｙ、Ｃｏｎｎｅｃｔｉｃｕｔ）のもの、または２００７年６月１１日国際出願のＰＣＴ出願第ＰＣＴ／ＵＳ０７／７０９１１号「Ｌｉｑｕｉｄ Ｄｉｓｐｅｎｓｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍｓ Ｅｎｃｏｍｐａｓｓｉｎｇ Ｇａｓ」（参照することによって、全体として本明細書に組み込まれる）に開示されるものであり得る。いくつかの実施形態では、浸漬管５０８は、約１インチの直径を有し得、これは、分配の流量を有意に増加させ得る。他の実施形態では、浸漬管５０８の直径は、例えば、所望の分配流量または他のシステム仕様に応じて、１インチより小さい、またはそれより大きいものであり得る。浸漬管は、プラスチック、ゴム、ガラス、あるいは任意の他の好適な材料、または材料の組み合わせから作製され得る。

【0022】

前述のように、本開示のコネクタはまた、いくつかの実施形態では、ヘッドスペース除去ポート３０４を含み得る。概して、「ヘッドスペース」という表現は、本明細書で使用される場合、ライナー内に保管される内容物上方において、ライナーの上部まで上昇し得るライナー内のガス空間を指し得る。ヘッドスペースのガスの全部または実質的に全部が、除去される場合、概して、唯一残っているガス気泡源は、該当する場合、ライナー内のいずれかの襞であろう。例えば、圧力分配および圧力補助ポンプ分配に先立って、ヘッドスペースのガスを除去することが有利であり得る。ヘッドスペース除去ポート３０４は、ライナーまたは容器内のヘッドスペースのガスの除去を促進し得る。

【0023】

例えば、図６に示されるように、ヘッドスペース除去ポート６０４は、ライナー内に通じる管または導管を含み得る。故に、ライナー内のヘッドスペースは、最初に、ライナーが、圧潰を開始し、それによって、ライナーから、ヘッドスペース除去ポート６０４を通して、いかなる過剰ガスも外に押し出すように、圧力ポートを介して、ライナーとオーバーパックとの間の環状空間を加圧することによって、除去または低減され得る。いくつかの実施形態では、ヘッドスペースを除去するために、約３ｐｓｉ以下を用い得る。ヘッドスペースのガスが、実質的に、除去されると、ライナーの内容物は、次いで、圧力分配またはポンプ分配のいずれかによって、分配ポートを通して、分配され得る。

【0024】

前述のように、ライナーをベースとするアセンブリ内に保管され得る多くの材料は、分配中、ある高純度レベルを維持しなければならない、高純度液体であり得る。故に、いくつかの従来のシステムでは、ライナーの内容物の分配を停止すべき場合を決定する方法の１つは、多くの場合、「初気泡検出」技術と称される。そのような方法では、内容物が、ライナーから分配されるのに伴って、ライナーの内容物が、スクリ−ニングまたは別様に評価され、気泡の存在を検出し得る。内容物中のある一定レベルの汚染ガスを示す特定の量の気泡が検出されると、分配は、中断され、ライナーは、概して、使い尽くされたとみなされる。そのようなシステムを使用する分配プロセスでは、典型的には、分配がこのように中断されると無駄となる残留材料の量は、約３−１０％であり得る。すなわち、２００Ｌライナーの場合、例えば、６−２０Ｌもの多くの残留材料が、ライナー内に残され、無駄となる。これは、高価な高純度内容物を取り扱う場合、有意にコストがかかり得る。

【0025】

この点において、分配に先立って、ライナー内に捕捉され得るヘッドスペースのガス等の過剰ガスを排除することは、過剰ガスからの気泡の汚染の可能性が低くなるであろうため、より多くの、ある場合には、実質的により多くの量の非汚染材料の分配を可能にし得る。したがって、本開示の一実施形態では、ライナー内に残される残留、すなわち、未使用材料の量は、ライナーの内容物の分配に先立って、ライナー内のヘッドスペースのガスを除去することによって、低減され、ある場合には、有意に低減され得る。本開示のいくつかの実施形態では、残される残留材料の量は、約１％程度またはそれ未満まで低減することができる。例えば、２００Ｌライナーでは、残留量は、１．５Ｌ以下まで低減され得る。ヘッドスペースのガスを除去する実施形態では、気泡は、システム内に実質的に残留しないため、空検出の代替形態が使用され得る。例えば、限定されないが、ライナーが空に近づくと、生じる、液体出口圧力の降下の監視等、空検出の任意の好適な方法または方法の組み合わせが、使用され得る。そのような空検出の方法を使用する実施形態では、分配は、液体出口圧力が、所望のレベルに到達すると、終了し得る。

【0026】

前述のような追加の実施形態では、ポンプ分配は、ライナーを均一に圧潰し、および／または分配能力を改善するのに役立つように、圧力補助され得る。特に、ライナーとオーバーパックとの間の環状空間は、ポンプ分配中、ライナーの均一圧潰を補助するように、分配中、加圧されたままであり得、これは、ポンプ分配システムの分配能力を改善するのに役立ち得る。ポンプ分配システムのためのそのような補助は、本明細書では、圧力補助ポンプ分配の一実施形態として、参照され得る。いくつかの実施形態では、僅か約３ｐｓｉ以下が、ポンプ分配を補助するために必要とされ得る。しかしながら、任意の好適な加圧量が、システムおよび用途に応じて、使用され得ることを認識されたい。

【0027】

いくつかの実施形態では、かつ図３を参照すると、圧力ポート３０２および／またはヘッドスペース除去ポート３０４は、異なる分配方法との使用のために適合可能なコネクタを作製するために、除去され、例えば、プラグまたは異なるサイズのネジ切りと置換される。取り外し可能ポートの各々は、端面シ−ルを有し得、例えば、任意の公知の手段によって、例えば、１つ以上の位置合せ用ピン、ネジ切り、スナップ嵌め、あるいは任意の他の好適な機構または機構の組み合わせを使用して、固定され得る。なおも他の実施形態では、ヘッドスペース除去ポート３０４は、例えば、いくつかの直接圧力分配またはポンプ分配用途では、ライナーが圧潰しない場合等、キャップされ得るか、または放出口として開放されたままであり得る。

【0028】

さらに別の実施形態では、コネクタは、ライナーの内容物の再循環を可能にし得、これは、特に、感圧性または粘性の材料の再循環のために有用であり得る。前述のように、本開示の保管および分配システムは、酸、溶媒、基剤、フォトレジスト、ド−パント、無機物、有機物、および生物学的溶液、医薬品、ならびに放射性化学物質の運搬および分配のために使用され得る。これらのタイプの材料のうちのいくつかは、分配されていない間、再循環を必要とし得、そうでなければ腐敗および使用不可能になり得る。これらの材料のうちのいくつかは、非常に高価であり得るため、内容物が腐敗しないように維持することが望ましくあり得る。故に、一実施形態では、コネクタを使用して、ライナーの内容物を再循環させ得る。全タイプの内容物に必要ではないが、一実施形態では、ヘッドスペースは、前述のように除去され得る。ヘッドスペースが除去された後、ヘッドスペース除去ポートは、再循環ポートとして使用され得る。故に、再循環流路が、ライナーの内部から、分配ポートを通して、限定されないが、再循環ポンプ等、再循環プロセスにおいて使用され得る任意の他の装置を通して、次いで、ヘッドスペース除去ポートを通して、ライナーの内部に戻るように生成され得る。さらなる実施形態では、ライナーは、前述のように、加圧ガスを導入するための圧力ポートを使用して、加圧された状態で維持され得る。いくつかの実施形態では、コネクタはまた、コネクタが、ライナーおよび／またはオーバーパックから除去される場合、保管された材料が、漏出および／または滴下を生じないように防止し得る機械的逆止弁を有し得る。

【0029】

前述の容器システムのいくつかの実施形態はまた、閉塞を防止または制限するのに役立つための特徴を含み得る。概して、閉塞は、ライナーが、最終的に、その上に、すなわち、ライナー内部の構造に圧潰し、実質的量の液体の上方に配置される、閉塞点を形成するときに生じるものとして説明され得る。閉塞が生じると、ライナー内に配置される液体の完全利用を妨害し得、これは、マイクロ電子デバイス製品の製造等の産業プロセスにおいて利用される、特殊化学試薬、ならびに、例えば、バイオテクノロジーおよび／または医薬産業において使用される多くの材料が、非常に高価であり得るため、有意な問題となる可能性がある。閉塞を防止またはそれに対処する種々の方法は、２００８年１月３０日出願のＰＣＴ出願第ＰＣＴ／ＵＳ０８／５２５０６号「Ｐｒｅｖｅｎｔｉｏｎ Ｏｆ Ｌｉｎｅｒ Ｃｈｏｋｅ−ｏｆｆ Ｉｎ Ｌｉｎｅｒ−ｂａｓｅｄ Ｐｒｅｓｓｕｒ Ｄｉｓｐｅｎｓａｔｉｏｎ Ｓｙｓｔｅｍ」に説明されており、参照することによって、全体として本明細書に組み込まれる。閉塞を防止またはそれに対処するさらなる方法は、２０１１年１０月１０日出願の国際ＰＣＴ出願第ＰＣＴ／ＵＳ１１／０５５５５８号「Ｓｕｂｓｔａｎｔｉａｌｌｙ Ｒｉｇｉｄ Ｃｏｌｌａｐｓｉｂｌｅ Ｌｉｎｅｒ，Ｃｏｎｔａｉｎｅｒ ａｎｄ／ｏｒ Ｌｉｎｅｒ ｆｏｒ Ｒｅｐｌａｃｉｎｇ Ｇｌａｓｓ Ｂｏｔｔｌｅｓ， ａｎｄ Ｅｎｈａｎｃｅｄ Ｆｌｅｘｉｂｌｅ Ｌｉｎｅｒｓ」に説明されており、参照することによって、全体として本明細書にすでに組み込まれている。

【0030】

いくつかの実施形態では、容器システムは、レベル感知特徴またはセンサを含み得る。そのようなレベル感知特徴またはセンサは、視覚的、電子的、超音波、あるいは容器システム内に保管される内容物のレベルを識別、指示、または決定するための他の好適な機構を使用し得る。例えば、一実施形態では、容器システムまたはその一部は、その中に保管される内容物のレベルを視認するために使用され得る、実質的に、半透明または透明材料から作製され得る。

【0031】

さらなる実施形態では、流量測定技術が、パッケージングシステムから下流プロセスに送達される材料の直接測定のために、コネクタ内に統合される、または動作可能にそれと連結され得る。送達される材料の直接測定は、エンドユーザに、プロセス反復性または再現性を保証するのに役立ち得るデ−タを提供し得る。一実施形態では、流量メータは、材料流量のアナログまたはデジタル読み出しを提供し得る。流量メータまたはシステムの他の構成要素は、材料の特性（粘度および濃度を含むが、それらに限定されない）および他の流量パラメータを考慮し、正確な流量測定を提供することができる。加えて、または代替として、流量メータは、保管され、容器システムから分配される具体的材料と連動し、正確に測定するように構成することができる。一実施形態では、入口圧力は、循環または調節され、実質的に、一定出口圧力または流量を維持することができる。

【0032】

前述の説明では、本発明の種々の実施形態が、例証および説明の目的のために提示された。それらは、包括的または本発明を開示される精密な形態に限定することを意図するものではない。明白な修正または変形例が、前述の教示に照らして可能である。実施形態は、説明される本発明の原理およびその実践的用途の最良の例証を提供し、当業者が、種々の実施形態において、想定される特定の使用に適合されるように、種々の修正を伴って、本発明を利用可能にするように選択された。そのような修正および変形例はすべて、法的にかつ衡平的に認められる範囲に従い解釈した場合、添付の請求項によって決定される発明の範囲内にある。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】