【実施例】
【0042】
以下、本発明の実施例について説明する。
図1及び
図2に示した製造装置を用い、脆弱フィルムとなり得る各種の樹脂材料を用いてフィルムを成膜し、シェアカッター(切断装置14)により切断して、製品部F1と側縁部F2のラップ角(抱き角)θ1,θ2及び張力差(ΔT=|T1−T2|)を適宜に変更しつつ、それぞれを巻取ロール17,19に巻き取り、破断の発生の有無、及び製品部の端面(切断面)の状態(糸状欠陥の発生の状態)を調査した。実験の条件及び評価の結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
破断の有無は、製品部3000mを破断すること無く巻き取ることができた場合に「○」、部分的に破断が発生したが、巻き取ることができた場合に「△」、完全に破断して巻き取ることができなかった場合に「×」として評価した。
【0045】
製品部端面の状態(糸状欠陥の発生の状態)については、キーエンス社製2次元高速寸法測定装置 TM−006を用い、シェアカッターにて切断後の製品部分のフィルム端面をフィルムに対して垂直方向からカメラにより撮像し、画像解析して、製品部3000m中にフィルム端部より180μm以上の長さがある糸状欠陥が発生した場合に端面の状態が「×」、180μm以下の糸状欠陥が発生した場合に端面の状態が「△」、糸状欠陥が全く発生しなかった場合に端面の状態が「○」として評価した。なお、製品として巻いた際に端面を目視等により観察することによって、これらの発生状況の確認を行うようにしてもよい。
【0046】
(実施例1)
<フィルムの成形>
脂環式オレフィンポリマーの一種である熱可塑性ノルボルネン樹脂のペレット(日本ゼオン社製、商品名「ZEONOR1420R」、ガラス転移温度137℃)を100℃で5時間乾燥させた後、押出機に供給して溶融させ、T型ダイスからキャスティングドラム上にシート状に押出して厚み23μm、幅1600mmのフィルムを得た。
【0047】
<フィルムの切断条件>
このフィルムをキャスティングドラムから剥離した後、フィルムの両端から125mmの位置をそれぞれシェアカッターにて切断し、製品部と側縁部に分離した。続いて製品部と側縁部を、それぞれラップ角(θ1)45°、ラップ角(θ2)90°で単一のサクションロールにそれぞれ抱いて進行方向を変化させ、それぞれをロール状に巻き取った。この時、製品部の巻取張力T1と、側縁部の巻取張力T2の差、ΔT=|T1−T2|は、0.5N/mであった。
【0048】
<評価>
表1に示す通り、製品部3000mを破断すること無く巻取ることができた。また、製品部3000mの左右切断面には、180μm以上の長さを持つ糸状欠陥は見つからなかった。
【0049】
(実施例2)
<フィルムの成形>
2種3層の多層共押出装置を使用して、両表面層を構成するポリメチルメタクリレート樹脂(住友化学社製、商品名「スミペックスHT55Z」、ガラス転移温度105℃)、中間層を構成するポリメチルメタクリレート樹脂(住友化学社製、商品名「スミペックスMH」)をそれぞれ押出機で溶融させ、T型ダイスからキャスティングドラム上にシート状に押出して3層構成のフィルムを得た。フィルムを構成する各層の厚みは、両表面層の厚みが15μm、中間層が15μmであり、フィルムの総厚は45μmであった。
【0050】
<フィルムの切断条件>
このフィルムをキャスティングドラムから剥離した後、フィルムの両端から125mmの位置をそれぞれシェアカッターにて切断し、製品部と側縁部に分離した。続いて製品部と側縁部を、それぞれラップ角(θ1)45°、ラップ角(θ2)90°で単一のサクションロールにそれぞれ抱いて進行方向を変化させ、それぞれをロール状に巻き取った。この時、製品部の巻取張力T1と、側縁部の巻取張力T2の差、ΔT=|T1−T2|は、0.2N/mであった。
【0051】
<評価>
表1に示す通り、製品部3000mを破断すること無くを巻取ることができた。また、製品部3000mの左右切断面には、180μm以上の長さを持つ糸状欠陥は見つからなかった。
【0052】
(実施例3)
<フィルムの成形>
2種3層の多層共押出装置を使用して、両表面層を構成するポリメチルメタクリレート樹脂(住友化学社製、商品名「スミペックスHT55Z」、ガラス転移温度105℃)、中間層を構成するスチレン−無水マレイン酸共重合体樹脂(ノヴァケミカルジャパン社製、商品名「ダイラークD332」、ガラス転移温度130℃)をそれぞれ押出機で溶融させ、T型ダイスからキャスティングドラム上にシート状に押出して3層構成のフィルムを得た。透明フィルムを構成する各層の厚みは、両表面層の厚みが15μm、中間層が15μmであり、フィルムの総厚は45μmであった。
【0053】
<フィルムの切断条件>
このフィルムをキャスティングドラムから剥離した後、フィルムの両端から125mmの位置をそれぞれシェアカッターにて切断し、製品部と側縁部に分離した。続いて製品部と側縁部を、それぞれラップ角(θ1)45°、ラップ角(θ2)90°で単一のサクションロールにそれぞれ抱いて進行方向を変化させ、それぞれをロール状に巻き取った。この時、製品部の巻取張力T1と、側縁部の巻取張力T2の差、ΔT=|T1−T2|は、0.2N/mであった。
【0054】
<評価>
表1に示す通り、製品部3000mを破断すること無くを巻取ることができた。また、製品部3000mの左右切断面には、180μm以上の長さを持つ糸状欠陥は見つからなかった。
【0055】
(実施例4)
<フィルムの成形>
実施例3と同様にしてフィルムを得た。
【0056】
<フィルムの切断条件>
このフィルムをキャスティングドラムから剥離した後、フィルムの両端から125mmの位置をそれぞれシェアカッターにて切断し、製品部と側縁部に分離した。続いて製品部と側縁部を、それぞれラップ角(θ1)45°、ラップ角(θ2)90°で単一のサクションロールにそれぞれ抱いて進行方向を変化させ、それぞれをロール状に巻き取った。この時、製品部の巻取張力T1と、側縁部の巻取張力T2の差、ΔT=|T1−T2|は、5.0N/mであった。
【0057】
<評価>
表1に示す通り、製品部3000mを破断すること無くを巻取ることができた。また、製品部3000mの左右切断面には、180μm以上の長さを持つ糸状欠陥は見つからなかった。
【0058】
(実施例5)
<フィルムの成形>
実施例3と同様にしてフィルムを得た。
【0059】
<フィルムの切断条件>
このフィルムをキャスティングドラムから剥離した後、フィルムの両端から125mmの位置をそれぞれシェアカッターにて切断し、製品部と側縁部に分離した。続いて製品部と側縁部を、それぞれラップ角(θ1)30°、ラップ角(θ2)90°で単一のサクションロールにそれぞれ抱いて進行方向を変化させ、それぞれをロール状に巻き取った。この時、製品部の巻取張力T1と、側縁部の巻取張力T2の差、ΔT=|T1−T2|は、1.0N/mであった。
【0060】
<評価>
表1に示す通り、製品部3000mを破断すること無くを巻取ることができた。また、製品部3000mの左右切断面には、180μm以上の長さを持つ糸状欠陥は見つからなかった。
【0061】
(実施例6)
<フィルムの成形>
実施例3と同様にしてフィルムを得た。
【0062】
<フィルムの切断条件>
このフィルムをキャスティングドラムから剥離した後、フィルムの両端から125mmの位置をそれぞれシェアカッターにて切断し、製品部と側縁部に分離した。続いて製品部と側縁部を、それぞれラップ角(θ1)45°、ラップ角(θ2)45°で単一のサクションロールにそれぞれ抱いて進行方向を変化させ、それぞれをロール状に巻き取った。この時、製品部の巻取張力T1と、側縁部の巻取張力T2の差、ΔT=|T1−T2|は、1.0N/mであった。
【0063】
<評価>
表1に示す通り、製品部3000mを破断すること無くを巻取ることができた。また、製品部3000mの左右切断面には、180μm以上の長さを持つ糸状欠陥は見つからなかった。
【0064】
(実施例7)
<フィルムの成形>
実施例3と同様にしてフィルムを得た。
【0065】
<フィルムの切断条件>
このフィルムをキャスティングドラムから剥離した後、フィルムの両端から125mmの位置をそれぞれシェアカッターにて切断し、製品部と側縁部に分離した。続いて製品部と側縁部を、それぞれラップ角(θ1)45°、ラップ角(θ2)90°で単一のサクションロールにそれぞれ抱いて進行方向を変化させ、それぞれをロール状に巻き取った。この時、製品部の巻取張力T1と、側縁部の巻取張力T2の差、ΔT=|T1−T2|は、5.5N/mであった。
【0066】
<評価>
表1に示す通り、製品部3000mを、部分的に破断を生じたが巻き取ることはできた。また、製品部3000mの左右切断面には、180μm以下の長さを持つ糸状欠陥が見つかった。
【0067】
(
参考例8)
<フィルムの成形>
実施例3と同様にしてフィルムを得た。
【0068】
<フィルムの切断条件>
このフィルムをキャスティングドラムから剥離した後、フィルムの両端から125mmの位置をそれぞれシェアカッターにて切断し、製品部と側縁部に分離した。続いて製品部と側縁部を、それぞれラップ角(θ1)25°、ラップ角(θ2)90°で単一のサクションロールにそれぞれ抱いて進行方向を変化させ、それぞれをロール状に巻き取った。この時、製品部の巻取張力T1と、側縁部の巻取張力T2の差、ΔT=|T1−T2|は、1.0N/mであった。
【0069】
<評価>
表1に示す通り、製品部3000mを、部分的に破断を生じたが巻き取ることはできた。また、製品部3000mの左右切断面には、180μm以下の長さを持つ糸状欠陥が見つかった。
【0070】
(
参考例9)
<フィルムの成形>
実施例3と同様にしてフィルムを得た。
【0071】
<フィルムの切断条件>
このフィルムをキャスティングドラムから剥離した後、フィルムの両端から125mmの位置をそれぞれシェアカッターにて切断し、製品部と側縁部に分離した。続いて製品部と側縁部を、それぞれラップ角(θ1)45°、ラップ角(θ2)30°で単一のサクションロールにそれぞれ抱いて進行方向を変化させ、それぞれをロール状に巻き取った。この時、製品部の巻取張力T1と、側縁部の巻取張力T2の差、ΔT=|T1−T2|は、1.0N/mであった。
【0072】
<評価>
表1に示す通り、製品部3000mを、部分的に破断を生じたが巻き取ることはできた。また、製品部3000mの左右切断面には、180μm以下の長さを持つ糸状欠陥が見つかった。
【0073】
(比較例1)
<フィルム製造装置>
図1の製造装置におけるサクションロール15をフリーロール21に代えた
図5に示す構成の製造装置を用いた。
【0074】
<フィルムの成形>
実施例1と同様にしてフィルムを得た。
【0075】
<フィルムの切断条件>
このフィルムをキャスティングドラムから剥離した後、フィルムの両端から125mmの位置をそれぞれシェアカッターにて切断し、製品部と側縁部に分離した。続いて製品部と側縁部を、それぞれラップ角(θ1)0°、ラップ角(θ2)45°で単一のフリーロールにそれぞれ抱いて進行方向を変化させ、それぞれをロール状に巻き取った。この時、製品部の巻取張力T1と、側縁部の巻取張力T2の差、ΔT=|T1−T2|は、0.5N/mであった。
【0076】
<評価>
表1に示す通り、切断部(カッターによる切断位置)において破断を生じ巻き取ることができなかった。また、製品部の左右切断面には、180μm以上の長さを持つ糸状欠陥が見つかった。
【0077】
(比較例2)
<フィルム製造装置>
比較例1と同様に、
図1の製造装置におけるサクションロール15をフリーロール21に代えた
図5に示す構成の製造装置を用いた。
【0078】
<フィルムの成形>
実施例1と同様にしてフィルムを得た。
【0079】
<フィルムの切断条件>
このフィルムをキャスティングドラムから剥離した後、フィルムの両端から125mmの位置をそれぞれシェアカッターにて切断し、製品部と側縁部に分離した。続いて製品部と側縁部を、それぞれラップ角(θ1)45°、ラップ角(θ2)90°で単一のフリーロールにそれぞれ抱いて進行方向を変化させ、それぞれをロール状に巻き取った。この時、製品部の巻取張力T1と、側縁部の巻取張力T2の差、ΔT=|T1−T2|は、0.5N/mであった。
【0080】
<評価>
表1に示す通り、切断部(カッターによる切断位置)において破断を生じ巻き取ることができなかった。また、製品部の左右切断面には、180μm以上の長さを持つ糸状欠陥が見つかった。
【0081】
(比較例3)
<フィルム製造装置>
比較例1と同様に、
図1の製造装置におけるサクションロール15をフリーロール21に代えた
図5に示す構成の製造装置を用いた。
【0082】
<フィルムの成形>
実施例2と同様にしてフィルムを得た。
【0083】
<フィルムの切断条件>
このフィルムをキャスティングドラムから剥離した後、フィルムの両端から125mmの位置をそれぞれシェアカッターにて切断し、製品部と側縁部に分離した。続いて製品部と側縁部を、それぞれラップ角(θ1)45°、ラップ角(θ2)90°で単一のフリーロールにそれぞれ抱いて進行方向を変化させ、それぞれをロール状に巻き取った。この時、製品部の巻取張力T1と、側縁部の巻取張力T2の差、ΔT=|T1−T2|は、0.2N/mであった。
【0084】
<評価>
表1に示す通り、切断部(カッターによる切断位置)において破断を生じ巻き取ることができなかった。また、製品部の左右切断面には、180μm以上の長さを持つ糸状欠陥が見つかった。
【0085】
(比較例4)
<フィルム製造装置>
比較例1と同様に、
図1の製造装置におけるサクションロール15をフリーロール21に代えた
図5に示す構成の製造装置を用いた。
【0086】
<フィルムの成形>
実施例3と同様にしてフィルムを得た。
【0087】
<フィルムの切断条件>
このフィルムをキャスティングドラムから剥離した後、フィルムの両端から125mmの位置をそれぞれシェアカッターにて切断し、製品部と側縁部に分離した。続いて製品部と側縁部を、それぞれラップ角(θ1)45°、ラップ角(θ2)90°で単一のフリーロールにそれぞれ抱いて進行方向を変化させ、それぞれをロール状に巻き取った。この時、製品部の巻取張力T1と、側縁部の巻取張力T2の差、ΔT=|T1−T2|は、0.2N/mであった。
【0088】
<評価>
表1に示す通り、切断部(カッターによる切断位置)において破断を生じ巻き取ることができなかった。また、製品部の左右切断面には、180μm以上の長さを持つ糸状欠陥が見つかった。
【0089】
(比較例5)
<フィルム製造装置>
図1の製造装置におけるサクションロール15をニップロール22(駆動ロール22a,従動ロール22b)に代えた
図6に示す構成の製造装置を用いた。
【0090】
<フィルムの成形>
2種3層の多層共押出装置を使用して、両表面層を構成するポリメチルメタクリレート樹脂(住友化学社製、商品名「スミペックスHT55Z」、ガラス転移温度105℃)、中間層を構成するスチレン−無水マレイン酸共重合体樹脂(ノヴァケミカルジャパン社製、商品名「ダイラークD332」、ガラス転移温度130℃)をそれぞれ押出機で溶融させ、T型ダイスからキャスティングドラム上にシート状に押出して3層構成のフィルムを得た。フィルムを構成する各層の厚みは、両表面層の厚みが45μm、中間層が45μmであり、透明フィルムの総厚は135μmであった。
【0091】
予熱区間と、4つのゾーンからなる延伸区間と、熱固定区間とを有する同時2軸延伸機を用意した。フィルムの両端を延伸クリップで把持し、予熱温度130℃、延伸温度130℃、熱固定温度120℃、フィルム搬送速度10m/分、長手方向への延伸倍率(縦延伸倍率)2.0倍、幅方向への延伸倍率(横延伸倍率)1.4倍で同時二軸延伸して、長手方向に分子が配向した厚み50μmの延伸フィルムを得た。
【0092】
<フィルムの切断条件>
このフィルムをキャスティングドラムから剥離した後、フィルムの両端から125mmの位置をそれぞれシェアカッターにて切断し、製品部と側縁部に分離した。続いて製品部と側縁部を、それぞれラップ角(θ1)0°、ラップ角(θ2)45°でニップロールにそれぞれ抱いて進行方向を変化させ、それぞれをロール状に巻き取った。この時、製品部の巻取張力T1と、側縁部の巻取張力T2の差、ΔT=|T1−T2|は、0.2N/mであった。
【0093】
<評価>
表1に示す通り、ニップロール部において側縁部が割れて破断を生じ巻き取ることができなかった。また、製品部の左右切断面には、180μm以上の長さを持つ糸状欠陥が見つかった。
【0094】
(比較例6)
<フィルム製造装置>
比較例5と同様に、
図1の製造装置におけるサクションロール15をニップロール22(駆動ロール22a,従動ロール22b)に代えた
図6に示す構成の製造装置を用いた。
【0095】
<フィルムの成形>
比較例5と同様にして延伸フィルムを得た。
【0096】
<フィルムの切断条件>
このフィルムをキャスティングドラムから剥離した後、フィルムの両端から125mmの位置をそれぞれシェアカッターにて切断し、製品部と側縁部に分離した。続いて製品部と側縁部を、それぞれラップ角(θ1)45°、ラップ角(θ2)90°でニップロールにそれぞれ抱いて進行方向を変化させ、それぞれをロール状に巻き取った。この時、製品部の巻取張力T1と、側縁部の巻取張力T2の差、ΔT=|T1−T2|は、0.2N/mであった。
【0097】
<評価>
表1に示す通り、ニップロール部において側縁部が割れて破断を生じ巻き取ることができなかった。また、製品部の左右切断面には、180μm以上の長さを持つ糸状欠陥が見つかった。
【0098】
(比較例7)
<フィルム製造装置>
実施例1と同様に、切断装置14の下流にサクションロール15を有する
図1又は
図2に示す構成の製造装置を用いた。
【0099】
<フィルムの成形>
実施例3と同様にしてフィルムを得た。
【0100】
<フィルムの切断条件>
このフィルムをキャスティングドラムから剥離した後、フィルムの両端から125mmの位置をそれぞれシェアカッターにて切断し、製品部と側縁部に分離した。続いて製品部と側縁部を、それぞれラップ角(θ1)0°、ラップ角(θ2)0°で単一のサクションロールを経て、それぞれをロール状に巻き取った。この時、製品部の巻取張力T1と、側縁部の巻取張力T2の差、ΔT=|T1−T2|は、0.2N/mであった。
【0101】
<評価>
表1に示す通り、切断部(カッターによる切断位置)において破断を生じ巻き取ることができなかった。また、製品部の左右切断面には、180μm以上の長さを持つ糸状欠陥が見つかった。
【0102】
(比較例8)
<フィルム製造装置>
図7に示すように、切断装置14の下流に側縁部を搬送する側縁部サクションロール23を設けるとともに、製品部を搬送する製品部サクションロール24を設けて、製品部と側縁部とを別々の(2本の)サクションロール23,24でそれぞれ搬送するようにした製造装置を用いた。その他の構成は
図1と同様である。
【0103】
<フィルムの成形>
実施例3と同様にしてフィルムを得た。
【0104】
<フィルムの切断条件>
このフィルムをキャスティングドラムから剥離した後、フィルムの両端から125mmの位置をそれぞれシェアカッターにて切断し、製品部と側縁部に分離した。続いて製品部と側縁部を、それぞれラップ角(θ1)45°で製品部サクションロールに抱くとともに、ラップ角(θ2)45°で側縁部サクションロールに抱いて進行方向を変化させ、それぞれをロール状に巻き取った。
【0105】
<評価>
表1に示す通り、切断部(カッターによる切断位置)において破断を生じ巻き取ることができなかった。また、製品部の左右切断面には、180μm以上の長さを持つ糸状欠陥が見つかった。
【0106】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。従って、上述した実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。