特許第6355666号(P6355666)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 台湾積體電路製造股▲ふん▼有限公司の特許一覧

<>
  • 特許6355666-物理的半導体構造 図000002
  • 特許6355666-物理的半導体構造 図000003
  • 特許6355666-物理的半導体構造 図000004
  • 特許6355666-物理的半導体構造 図000005
  • 特許6355666-物理的半導体構造 図000006
  • 特許6355666-物理的半導体構造 図000007
  • 特許6355666-物理的半導体構造 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6355666
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】物理的半導体構造
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/82 20060101AFI20180702BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20180702BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20180702BHJP
   H01L 21/8238 20060101ALI20180702BHJP
   H01L 27/092 20060101ALI20180702BHJP
【FI】
   H01L21/82 B
   H01L21/82 C
   H01L27/04 A
   H01L27/092 A
   H01L27/092 C
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-46827(P2016-46827)
(22)【出願日】2016年3月10日
(62)【分割の表示】特願2014-93876(P2014-93876)の分割
【原出願日】2014年4月30日
(65)【公開番号】特開2016-106430(P2016-106430A)
(43)【公開日】2016年6月16日
【審査請求日】2016年3月10日
(31)【優先権主張番号】61/818,694
(32)【優先日】2013年5月2日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/015,924
(32)【優先日】2013年8月30日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500262038
【氏名又は名称】台湾積體電路製造股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Taiwan Semiconductor Manufacturing Company,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100123434
【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 英昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101133
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 初音
(74)【代理人】
【識別番号】100199749
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 成
(74)【代理人】
【識別番号】100188880
【弁理士】
【氏名又は名称】坂元 辰哉
(74)【代理人】
【識別番号】100197767
【弁理士】
【氏名又は名称】辻岡 将昭
(74)【代理人】
【識別番号】100201743
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 和真
(72)【発明者】
【氏名】謝 尚志
(72)【発明者】
【氏名】莊 恵中
(72)【発明者】
【氏名】江 庭▲い▼
(72)【発明者】
【氏名】陳 俊甫
(72)【発明者】
【氏名】曾 祥仁
【審査官】 高橋 宣博
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−130951(JP,A)
【文献】 特開2011−192744(JP,A)
【文献】 特開2001−127169(JP,A)
【文献】 特開平09−289251(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/036651(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/82
H01L 21/822
H01L 21/8238
H01L 27/04
H01L 27/092
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一アクティブ領域構造であって、前記第一アクティブ領域構造の第一部分はフィン構造を有する、第一アクティブ領域構造と、
前記第一アクティブ領域構造を囲む分離構造と、
前記第一アクティブ領域構造上の第一ポリシリコン構造と、
前記第一アクティブ領域構造の前記第一部分の真上にある第一金属構造であって、この第一金属構造は、前記第一ポリシリコン構造の第一側の第一部分、および、前記第一ポリシリコン構造の第一側と反対側の前記第一ポリシリコン構造の第二側の第二部分を含む第一金属構造と、
前記第一ポリシリコン構造の部分の真上にあると共に接触し、前記第一金属構造の前記第一部分の側壁と接触し、且つ、前記第一金属構造の前記第二部分の側壁と接触する第二金属構造と、
を含む物理的半導体構造。
【請求項2】
前記第二金属構造はさらに、前記第一アクティブ領域構造の第二部分、および、前記分離構造の部分の真上にあることを特徴とする請求項1に記載の物理的半導体構造。
【請求項3】
前記第二金属構造は、前記第一アクティブ領域構造のチャネル幅方向に沿って前記第一アクティブ領域構造を超えて伸長することを特徴とする請求項2に記載の物理的半導体構造。
【請求項4】
前記第二金属構造は、前記第一アクティブ領域構造のチャネル長方向に沿って前記第一アクティブ領域構造を超えて伸長することを特徴とする請求項2に記載の物理的半導体構造。
【請求項5】
さらに、前記第一アクティブ領域構造上の第二ポリシリコン構造と、
前記第二ポリシリコン構造の真上にあると共に接触する第三金属構造とを含み、前記第二金属構造および前記第三金属構造は一定の距離だけ離れていることを特徴とする請求項2に記載の物理的半導体構造。
【請求項6】
さらに、前記分離構造により囲われた第二アクティブ領域構造を含み、前記第一アクティブ領域構造はP型トランジスタの部分を構成し、前記第二アクティブ領域構造はN型トランジスタの部分を構成し、前記第一ポリシリコン構造は、前記第二アクティブ領域構造上にあることを特徴とする請求項1に記載の物理的半導体構造。
【請求項7】
さらに、前記第一ポリシリコン構造の真上にあると共に接触し、前記第二アクティブ領域構造上にある第三金属構造を含むことを特徴とする請求項6に記載の物理的半導体構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリシリコン構造の真上の標準セル金属構造物に関し、特に、物理的半導体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路の設計において、所定の機能を有する標準セルが用いられる。標準セルの予設計レイアウトは、セルライブラリ中に保存される。集積回路の設計時、標準セルの予設計レイアウトは、セルライブラリから検索され、集積回路レイアウト上の1つ以上の所望の位置に配置される。次に、金属トラックを用いて、ルーティング(配線)が実行され、互いに、標準セルを接続する。その後、集積回路レイアウトが用いられて、所定の半導体製造プロセスを用いて集積回路を製造する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、ポリシリコン構造の真上の標準セル金属構造物を含む物理的半導体構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の態様によれば、物理的半導体構造は、第一アクティブ領域構造であって、前記第一アクティブ領域構造の第一部分はフィン構造を有する、第一アクティブ領域構造と、この第一アクティブ領域構造を囲む分離構造と、第一アクティブ領域構造上の第一ポリシリコン構造と、第一アクティブ領域構造の第一部分の真上にあり、第一ポリシリコン構造の第一側の第一部分、および、第一ポリシリコン構造の第一側と反対側の第一ポリシリコン構造の第二側の第二部分を含む第一金属構造と、第一ポリシリコン構造の部分の真上にあると共に接触し、第一金属構造の第一部分の側壁と接触し、且つ、第一金属構造の第二部分の側壁と接触する第二金属構造とを含む。
本発明の態様によれば、第二金属構造はさらに、第一アクティブ領域構造の第二部分、および、分離構造の部分の真上にあることを特徴とする。
本発明の態様によれば、第二金属構造は、第一アクティブ領域構造のチャネル幅方向に沿って第一アクティブ領域構造を超えて伸長することを特徴とする。
本発明の態様によれば、第二金属構造は、第一アクティブ領域構造のチャネル長方向に沿って第一アクティブ領域構造を超えて伸長することを特徴とする。
本発明の態様によれば、さらに、第一アクティブ領域構造上の第二ポリシリコン構造と、第二ポリシリコン構造の真上にあると共に接触する第三金属構造を含み、第二金属構造および第三金属構造は一定の距離だけ離れていることを特徴とする。
本発明の態様によれば、第一アクティブ領域構造は、フィン構造を含むことを特徴とする。
本発明の態様によれば、さらに、分離構造により囲われた第二アクティブ領域構造を含み、第一アクティブ領域構造はP型トランジスタの部分を構成し、第二アクティブ領域構造はN型トランジスタの部分を構成し、第一ポリシリコン構造は、第二アクティブ領域構造上にあることを特徴とする。
本発明の態様によれば、さらに、第一ポリシリコン構造の真上にあると共に接触し、第二アクティブ領域構造上にある第三金属構造を含む。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、ポリシリコン構造の真上の標準セル金属構造を含む物理的半導体構造を提供することにより、セル面積の最小化が可能となるので、レイアウト設計を容易にし、製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
添付の図面は、本発明の実施の形態を説明しており、同様の番号は同様の構成要素を示している。
【0007】
図1】本発明の実施例による標準セルのレイアウト概略図である。
図2A図1に示された本発明の実施例によるレイアウトに従って製造された半導体構造のA−A線に沿う断面図である。
図2B図1に示された本発明の実施例によるレイアウトに従って製造された半導体構造のB−B線に沿う断面図である。
図3】本発明の他の実施例による標準セルの別のレイアウト概略図である。
図4】本発明の他の実施例による標準セルのさらに別のレイアウト概略図である。
図5】本発明の実施例による集積回路設計システムの機能ブロック図である。
図6】本発明の他の実施例によるレイアウト設計を生成する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施例について説明する。以下に示す実施例は、一般的な説明と、以下に述べる素子と配置に係る詳細な説明であるが、例示だけを目的としており、図面の各種特徴は、必ずしも一定の比率の縮尺で描かれてはいない。
【0009】
さらに、空間的用語、たとえば、“下方”“上方”“水平”“垂直”“上部”“下部”“上”“下”“頂部”“下部”“左”“右”等は、とそれらの派生語(たとえば、“水平に”“下方に”“上方に”等)が用いられて、本発明の一特徴と別の特徴との関係を容易にする。空間的用語は、特徴を含む装置の異なる方向性をカバーすることを目的とする。
【0010】
図1は、本発明の一実施例による標準セル100のレイアウト概略図である。標準セル100の全てのレイアウトパターンが図1に示されているのではない。また、当業者ならわかるように、レイアウトパターンは、集積回路に標準セルを製造するため順番に利用可能な一組のマスクを作成するのに用いられる。
【0011】
標準セル100のレイアウトは、第一アクティブ領域レイアウトパターン102、第二アクティブ領域レイアウトパターン104、ポリシリコンレイアウトパターン112、114、116、および118、第一タイプの金属レイアウトパターン121、122、123、126、127、および128、および、第二タイプの金属レイアウトパターン132と134を備えている。アクティブ領域レイアウトパターン102と104は、標準セル100のアクティブ領域構造の形成に関連する。分離領域142は、少なくともアクティブ領域レイアウトパターン102と104の外側である。幾つかの実施例において、アクティブ領域102と104、および、分離領域142は、幾何学的に相互排他的であるので、アクティブ領域は、時に、酸化物定義(OD)領域と称される。幾つかの実施例において、アクティブ領域レイアウトパターン102は、P型トランジスタ領域を定義し、アクティブレイアウトパターン104は、N型トランジスタ領域を定義する。
【0012】
ポリシリコンレイアウトパターン112、114、116、および118は、標準セル100の対応するポリシリコン構造の形成に関連する。金属レイアウトパターン121、122、123、126、127、および128は、対応する第一タイプの金属構造の形成に関連する。幾つかの応用において、第一タイプの金属構造は、酸化物定義領域上の金属ゼロ層(“M0OD”や“MD”)構造とも称される。金属レイアウトパターン121、122、123、126、127、および128は、アクティブ領域レイアウトパターン102と104と重なる(overlap)。幾つかの応用において、得られたM0OD金属構造(金属レイアウトパターン121、122、123、126、127、および128に基づく)は、標準セル100の1つ以上のトランジスタのソース/ドレイン電極として利用可能である。金属レイアウトパターン132と134は、対応する第二タイプの金属構造の形成に関連する。幾つかの応用において、第二タイプの金属構造は、ポリシリコン上の金属ゼロ層(“M0PO”または“MP”)構造とも称される。
【0013】
図1に示されるように、ポリシリコンレイアウトパターン112、114、116、および118は、アクティブ領域レイアウトパターン102と104と重なるように設置される。幾つかの実施例において、ポリシリコンレイアウトパターン112と114は、標準セル100のゲート電極の形成に関連し、ポリシリコンレイアウトパターン116と118は、アクティブ領域レイアウトパターン102と104に対応するアクティブ領域構造の辺縁に沿った、ポリシリコン構造の形成に関連する。幾つかの応用において、ポリシリコンレイアウトパターン116と118に基づいて得られたポリシリコン構造は、酸化物定義端(“PODE”)構造でのポリシリコンとも称される。幾つかの実施例において、PODE構造は、標準セル100の1つ以上のトランジスタのいかなる機能的特色も構成しない。
【0014】
金属レイアウトパターン132に対応するM0PO構造は、ポリシリコンレイアウトパターン112により生じるポリシリコン構造を、M0PO構造(金属レイアウトパターン132に基づく)上のビアプラグに電気的に接続するのに使用可能である。金属レイアウトパターン134は、ポリシリコンレイアウトパターン114、および、金属レイアウトパターン122と123と重なるように設置される。よって、金属レイアウトパターン134に対応するM0PO構造は、M0OD構造(金属レイアウトパターン122と123に基づく)とポリシリコンレイアウトパターン114により生じるポリシリコン構造を電気的に接続するのに使用可能である。幾つかの実施例において、金属レイアウトパターン134は、金属パターン122と123の1つだけと重なる。幾つかの具体例において、金属レイアウトパターン134は、金属パターン121、122、および123、ポリシリコンレイアウトパターン112、114、116、および118の1つ以上と重なる。
【0015】
図1に示される実施例において、金属レイアウトパターン134は、アクティブ領域レイアウトパターン102と分離領域142と重なる。また、図1に示されるように、金属レイアウトパターン134は、アクティブ領域レイアウトパターン102のチャネル幅方向Wに沿って、アクティブ領域レイアウトパターン102を越えて、水平に延伸する。幾つかの実施例において、金属レイアウトパターン134は、アクティブ領域レイアウトパターン102のチャネル長さ方向Lに沿って、アクティブ領域レイアウトパターン102を越えて、水平に延伸する。
【0016】
幾つかの具体例において、レイアウトパターン132と134は、標準セル100のM0PO構造を製造するのに用いられる。レイアウトパターン132と134間の距離D、および/または、M0PO構造を製作するためのレイアウトパターンの総面積、またはパターン面積密度は、標準セルの製造に用いられる所定の製造プロセスに関連する一組の所定の設計ルールにより左右される。幾つかの実施例において、一組の所定の設計ルールは、アクティブ領域レイアウトパターン102または104と分離領域142間の境界上で交差するM0PO構造のレイアウトパターン134の配置に逆らうルールは有しない。
【0017】
図1に示される配置図を考慮すると、図1のレイアウトパターンに基づいて製造される標準セル100は、アクティブ領域構造(レイアウトパターン102と104に基づく)、アクティブ領域構造を囲む分離構造、アクティブ領域構造上のポリシリコン構造(レイアウトパターン112、114、116、および118に基づく)、アクティブ領域構造(レイアウトパターン102に基づく)の部分の真上のM0OD金属構造(レイアウトパターン122または123に基づく)、および、ポリシリコン構造(レイアウトパターン114に基づく)の部分の真上にあり、且つ、この部分と接触し、および、M0OD金属構造と接触するM0PO金属構造を含む。幾つかの実施例において、M0PO金属構造は、M0OD金属構造ほど高くなく、よって、M0OD金属構造は、対応するM0PO金属構造の側壁とも接触する。たとえば、レイアウトパターン134に基づいたM0PO金属構造は、基準線134aに対応する位置で、レイアウトパターン122に基づいたM0OD金属構造の側壁と接触し、レイアウトパターン134に基づいたM0PO金属構造は、基準線134bに対応する位置で、レイアウトパターン123に基づいたM0OD金属構造の側壁と接触する。
【0018】
得られた標準セルの物理構造は、さらに、図2A図2Bにより説明される。
図2Aは、1つ以上の実施例による図1に示されるレイアウト100に従って製造された半導体構造150の基準線Aに沿った断面図である。半導体構造150は、基板160、基板上のアクティブ領域構造162、アクティブ領域構造を囲む分離構造164、および、アクティブ領域構造と分離構造の真上のM0OD金属構造166を含む。
【0019】
幾つかの実施例において、基板160は、元素半導体、化合物半導体、合金半導体、またはそれらの組み合わせを含む。元素半導体の例は、これに限定されないが、シリコンとゲルマニウムを含む。化合物半導体の例は、これに限定されないが、炭化ケイ素、ガリウム砒素、ガリウムリン、りん化インジウム、砒化インジウム、およびアンチモン化インジウムを含む。合金半導体の例は、これに限定されないが、SiGe、GaAsP、AlInAs、AlGaAs、GaInAs、GaInP、およびGaInAsPを含む。幾つかの実施例において、第III族、第IV族、および第V族元素を含む別の半導体材料が用いられる。1つ以上の具体例において、基板160は、半導体オンインシュレータ(SOI)、ドープエピタキシャル層、勾配半導体層、および/または、異なるタイプの別の半導体層(たとえば、Ge)を覆う一半導体層(たとえば、Si)を有するスタック半導体構造を含む。幾つかの実施例において、基板160は、P型ドープ基板を含む。Pドープ基板中のP型ドーパントの例は、これに限定されないが、ボロン、ガリウム、およびインジウムを含む。
【0020】
図1図2Aに示されるように、レイアウトパターン102に対応するアクティブ領域構造162は複数のフィン構造を有し、たとえば、図2A中では、3個のフィンがある。図2Aに示される実施例において、アクティブ領域構造162は、フィン162a、162b、および162c、および分離領域162dと162eを含む。幾つかの実施例において、フィン162a、162b、および162cは、基板160と実質上同じ材質でなる。幾つかの実施例において、P型トランジスタを形成するため、フィン162a、162b、および162cは順にN型ドープされる。幾つかの具体例において、N型トランジスタを形成するため、フィン162a、162b、および162cは順にP型ドープされる。幾つかの実施例において、各種レイアウトパターンを有する1つ以上の追加マスクは、レイアウトパターン102を有する1つ以上のマスクとも連結して用いられ、アクティブ領域構造162を作り上げる。
【0021】
M0OD金属構造166は、レイアウトパターン122に対応する。幾つかの実施例において、M0OD金属構造166は、二段階アプローチを用いて製造される。まず、下部M0OD金属構造166aを形成し、その後、上部M0OD金属構造166bを形成する。幾つかの実施例において、M0OD金属構造166は、一段階アプローチを用いて製造される。1つ以上の追加金属構造、たとえば、金属1層ビアプラグ172と金属1層導電線174が、M0OD金属構造166上に形成される。幾つかの実施例において、M0OD金属構造166は、タングステン、複合銅、または複合タングステンを含む材料を有する。
【0022】
図2Bは、1つ以上の実施例による図1に示されるレイアウト100に従って製造された半導体構造150の基準線Bに沿った断面図である。図2Aと2Bに示されるように、ポリシリコン構造182は、アクティブ領域構造162の真上にある。ポリシリコン構造182は、レイアウトパターン114に対応する。M0PO金属構造184は、ポリシリコン構造182の真上にあり、且つ、ポリシリコン構造182と接触する。M0PO金属構造184は、アクティブ領域構造162と分離構造164両方の真上にある。幾つかの実施例において、M0PO金属構造184とアクティブ領域構造162は、誘電体層、および/または、ゲート構造(図示しない)の1つ以上の層により隔てられる。M0PO金属構造184は、レイアウトパターン134に対応する。ある実施例において、M0PO金属構造184は、タングステン、複合銅、または複合タングステンを含む材料を含む。
【0023】
このような空間関係は類似し、対応するレイアウトパターンから明確に得られるので、標準セル100の各種特徴間の別の空間関係のさらに詳細な記述は省略される。
【0024】
幾つかの実施例において、M0PO金属構造を用いて、標準セル内で、各種構成要素、たとえば、M0PD構造、またはポリシリコン構造を接続するのは、標準セル自身により占有される金属0層、または別の相互接続層の面積の最小化を助ける。したがって、さらに多くの相互接続ルーティング(配線)リソースが、配置とルーティングツールにより実行されるルーティング処理に使用可能である。
【0025】
図3は、1つ以上の実施例による標準セル300の別の配置図である。標準セル300のレイアウトは、第一アクティブ領域レイアウトパターン302、第二アクティブ領域レイアウトパターン304、ポリシリコンレイアウトパターン312、314、316、318a、および318b、第一タイプの金属レイアウトパターン321、322、326、および327、および第二タイプの金属レイアウトパターン332、334、336、および338を含む。アクティブ領域レイアウトパターン302と304は、標準セル300のアクティブ領域構造の形成に関連する。分離領域342は、少なくともアクティブ領域レイアウトパターン302と304の外側にある。ポリシリコンレイアウトパターン312、314、316、318a、および318bは、標準セル300の対応するポリシリコン構造の形成に関連する。金属レイアウトパターン321、322、326、および327は、対応するM0OD金属構造の形成に関連する。金属レイアウトパターン332、334、336、および338は、対応するM0PO金属構造の形成に関連する。
【0026】
図3に示される実施例において、金属レイアウトパターン336と338を用いて、ポリシリコン構造(レイアウトパターン316に基づく)とM0OD金属構造(レイアウトパターン322と327に基づく)を電気的に接続するM0PO金属構造を形成する。所定の設計ルールに符合させるため、レイアウトパターン334の位置とサイズ決定後、レイアウトパターン336は、第一アクティブ領域レイアウトパターンのチャネル幅方向Wとチャネル長さ方向Lに沿って、第一アクティブ領域レイアウトパターン302を越えて、水平に延伸する。また、レイアウトパターン338は、第二アクティブ領域レイアウトパターンのチャネル幅方向Wとチャネル長さ方向Lに沿って、第二アクティブ領域レイアウトパターン304を越えて、水平に延伸する。
【0027】
図4は、1つ以上の実施例による標準セル400のさらに別の配置図である。標準セル400のレイアウトは、第一アクティブ領域レイアウトパターン402、第二アクティブ領域レイアウトパターン404、ポリシリコンレイアウトパターン412、414、416、418a、および418b、第一タイプの金属レイアウトパターン421、422、426、および427、および第二タイプの金属レイアウトパターン432、434、436、および438を含む。アクティブ領域レイアウトパターン402と404は、標準セル400のアクティブ領域構造の形成に関連する。分離領域442は、少なくともアクティブ領域レイアウトパターン402と404の外側にある。ポリシリコンレイアウトパターン412、414、416、418a、および418bは、標準セル400の対応するポリシリコン構造の形成に関連する。金属レイアウトパターン421、422、426、および427は、対応するM0OD金属構造の形成に関連する。金属レイアウトパターン432、434、436、および438は、対応するM0PO金属構造の形成に関連する。
【0028】
図4に示される実施例において、図3に示される具体例と同様に、金属レイアウトパターン436と438を用いて、ポリシリコン構造(レイアウトパターン416に基づく)とM0OD金属構造(レイアウトパターン422と427に基づく)を電気的に接続するM0PO金属構造を形成する。図4に示される実施例において、アクティブ領域パターン402と404の尺寸は、十分に大きく、レイアウトパターン436と438が、チャネル幅方向Wに沿って、アクティブ領域レイアウトパターンを越えて、水平に延伸しない。しかし、所定の設計ルールに符合させるため、レイアウトパターン434の位置とサイズ決定後、レイアウトパターン436と438は、さらに、チャネル長さ方向Lに沿って、対応するアクティブ領域レイアウトパターンを越えて、水平に延伸する。
【0029】
図5は、1つ以上の実施例による集積回路設計システム500の機能ブロック図である。集積回路設計システム500は、第一コンピュータシステム510、第二コンピュータシステム520、ネットワークストレージデバイス530、および第一コンピュータシステム510、第二コンピュータシステム520、およびネットワークストレージデバイス530に接続されるネットワーク540を含む。幾つかの実施例において、第二コンピュータシステム520、ストレージデバイス530、およびネットワーク540のうちの1つ以上が省略される。
【0030】
第一コンピュータシステム510は、非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体514に通信可能に結合されるハードウェアプロセッサ512を含み、コンピュータ可読ストレージ媒体514は、生成された集積レイアウト514a、回路設計514b、コンピュータプログラムコード514c、すなわち、一組の実行可能命令、および、図1図3図4と併せて記述されるレイアウトパターンを有する標準セルライブラリ514dで符号化し、すなわちこれらを格納する。プロセッサ512は、電気的、且つ、通信可能に、コンピュータ可読ストレージ媒体514に結合される。コンピュータ510を、標準セルライブラリ514dに基づいて、レイアウト設計を生成する配置とルーティングツールとして利用可能にするために、プロセッサ512が設定されて、コンピュータ可読ストレージ媒体514中で符号化される一組の命令514cを実行する。
【0031】
幾つかの実施例において、標準セルライブラリ514dは、ストレージ媒体514以外の非一時的ストレージ媒体に保存される。幾つかの実施例において、標準セルライブラリ514dは、ネットワークストレージデバイス530、または、第二コンピュータシステム520中の非一時的ストレージ媒体に保存される。このような場合、標準セルライブラリ514dは、ネットワークを通してプロセッサ512によってアクセス可能である。
【0032】
幾つかの実施例において、プロセッサ512は、中央処理装置(CPU)、マルチプロセッサ、分散処理システム、特定用途向け集積回路(ASIC)、および/または、適当な処理ユニットである。
【0033】
幾つかの実施例において、コンピュータ可読ストレージ媒体514は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、および/または、半導体システム(または、装置若しくはデバイス)である。たとえば、コンピュータ可読ストレージ媒体514は、半導体、または固体メモリ、磁気テープ、リムーバブルフロッピー(登録商標)ディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、剛体磁気ディスク、および/または、光ディスクを含む。光ディスクを用いた幾つかの具体例において、コンピュータ可読ストレージ媒体514は、コンパクトディスクリードンリメモリ(CD−ROM)、コンパクトディスク読出し/書込み(CD−R/W)、および/または、デジタルビデオディスク(DVD)を含む。
【0034】
少なくとも幾つかの実施例において、コンピュータシステム510は、入力/出力インターフェース516、および、ディスプレイユニット517を含む。入力/出力インターフェース516は、コントローラー512に結合されて、回路設計者が、第一コンピュータシステム510を操作できるようにする。少なくとも幾つかの実施例において、ディスプレイユニット517は、配置とルーティングツール514aを実行する状態を即時に表示し、好ましくは、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を提供する。少なくとも幾つかの実施例において、入力/出力インターフェース516とディスプレイ517は、オペレータが、双方向的な方式で、コンピュータシステム510を操作できるようにする。
【0035】
図6は、1つ以上の実施例によるレイアウト設計を生成する方法600のフローチャートである。理解できることは、追加操作が、図6に示される方法600の前、最中、および/または、後に実行され、幾つかの別のプロセスは、ここで、簡潔に記述されることである。幾つかの実施例において、方法600は、ハードウェアコンピュータ(たとえば、図5中のコンピュータシステム510)を操作することにより実行される。
【0036】
操作610において、標準セルのレイアウトパターン、たとえば、図1に示されるレイアウトパターンが生成される。生成されたレイアウトパターンは、M0PO構造を形成する1つ以上のレイアウトパターンを含む。幾つかの実施例において、M0PO構造を形成する1つ以上のレイアウトパターンは、標準セルの対応するアクティブレイアウトパターンと対応する分離領域のうちの少なくとも1つ(必ずしも両方ではない)と重なる。幾つかの実施例において、M0PO構造の1つ以上のレイアウトパターンは、対応するアクティブレイアウトパターンおよび対応する分離領域と重なるように生成される。
【0037】
たとえば、操作610は、標準セルのアクティブ領域の形成に関連するアクティブ領域レイアウトパターンを生成する工程を含み、分離領域は、少なくともアクティブ領域レイアウトパターンの外側である(操作612)。操作610は、さらに、標準セルのポリシリコン構造の形成に関連するポリシリコンレイアウトパターンを生成する工程を含み、ポリシリコンレイアウトパターンは、アクティブ領域レイアウトパターンと重なるように設置される(操作614)。操作610は、さらに、標準セルの第一金属構造、たとえば、第一M0PO構造の形成に関連する第一金属レイアウトパターンを生成する工程を含む(操作616)。第一金属レイアウトパターンは、アクティブ領域レイアウトパターンと重なるように設置される。操作610は、さらに、標準セルの第二金属構造、たとえば、第二M0PO構造の形成に関連する第二金属レイアウトパターンを生成する工程を含む(操作618)。第二金属レイアウトパターンは、ポリシリコンレイアウトパターンおよび第一金属レイアウトパターンと重なるように設置される。
【0038】
操作620において、設計ルールチェック(DRC)が実行されて、金属構造、たとえば、M0PO構造を形成するレイアウトパターンに関連する設計ルール違反が存在するかどうか判断する。さらに、操作630において、操作620中に、設計ルール違反が存在すると判断する場合、設計ルール違反は、金属構造の1つ以上のレイアウトパターンを移す、または、さらに、対応する分離領域に移すことにより解決される。
【0039】
一実施例によると、標準セルの製造に利用可能なレイアウト設計は、第一アクティブ領域レイアウトパターン、第一ポリシリコンレイアウトパターン、第一金属レイアウトパターン、および、第二金属レイアウトパターンを含む。第一アクティブ領域レイアウトパターンは、標準セルの第一アクティブ領域の形成に関連し、分離領域は、少なくとも第一アクティブ領域レイアウトパターンの外側である。第一ポリシリコンレイアウトパターンは、標準セルの第一ポリシリコン構造の形成に関連し、第一ポリシリコンレイアウトパターンは、第一アクティブ領域レイアウトパターンと重なるように設置される。第一金属レイアウトパターンは、標準セルの第一金属構造の形成に関連し、第一金属レイアウトパターンは、第一アクティブ領域レイアウトパターンと重なるように設置される。第二金属レイアウトパターンは、標準セルの第二金属構造の形成に関連し、第二金属レイアウトパターンは、第一ポリシリコンレイアウトパターンおよび第一金属レイアウトパターンと重なるように設置される。
【0040】
別の実施例によると、半導体構造は、第一アクティブ領域構造、第一アクティブ領域構造を囲む分離構造、第一ポリシリコン構造、第一金属構造、および第二金属構造を含む。第一ポリシリコン構造は、第一アクティブ領域構造上にある。第一金属構造は、第一アクティブ領域構造の第一部分の真上にある。第二金属構造は、第一ポリシリコン構造の部分の真上にあり、且つ、第一ポリシリコン構造の部分と接触し、および第一金属構造と接触する。
【0041】
別の実施例によると、集積回路設計システムは、非一時的ストレージ媒体、および、通信可能に、非一時的ストレージ媒体と結合されるハードウェアプロセッサを含む。非一時的ストレージ媒体は、標準セルのレイアウト設計で符号化される。レイアウト設計は、標準セルの第一アクティブ領域の形成に関連する第一アクティブ領域レイアウトパターン、標準セルの第一ポリシリコン構造の形成に関連する第一ポリシリコンレイアウトパターン、標準セルの第一金属構造の形成に関連する第一金属レイアウトパターン、および標準セルの第二金属構造の形成に関連する第二金属レイアウトパターンを含む。分離領域は、少なくとも第一アクティブ領域レイアウトパターンの外側である。第一ポリシリコンレイアウトパターンは、第一アクティブ領域レイアウトパターンと重なるように設置される。第一金属レイアウトパターンは、第一アクティブ領域レイアウトパターンと重なるように設置される。第二金属レイアウトパターンは、第一ポリシリコンレイアウトパターンおよび第一金属レイアウトパターンと重なるように設置される。ハードウェアプロセッサが設定されて、一組の命令を実行し、標準セルのオリジナルの回路設計とレイアウト設計に基づいて、集積回路レイアウトを生成する。
【0042】
別の実施例によると、標準セルの製造に利用可能なレイアウト設計の生成方法は、標準セルのアクティブ領域の形成と関連するアクティブ領域レイアウトパターンの生成工程を含む。分離領域は、少なくともアクティブ領域レイアウトパターンの外側である。標準セルのポリシリコン構造の形成と関連するポリシリコンレイアウトパターンが生成される。ポリシリコンレイアウトパターンは、アクティブ領域レイアウトパターンと重なるように設置される。標準セルの第一金属構造の形成と関連する第一金属レイアウトパターンが生成される。第一金属レイアウトパターンは、アクティブ領域レイアウトパターンと重なるように設置される。標準セルの第二金属構造の形成と関連する第二金属レイアウトパターンが生成される。第二金属レイアウトパターンは、ポリシリコンレイアウトパターンと第一金属レイアウトパターンと重なるように設置される。
【0043】
本発明では好ましい実施例を前述の通り開示したが、これらは決して本発明に限定するものではなく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の精神と領域を脱しない範囲内で各種の変動や潤色を加えることができ、従って本発明の保護範囲は、特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。
【符号の説明】
【0044】
100 標準セル
102 第一アクティブ領域レイアウトパターン
104 第二アクティブ領域レイアウトパターン
112、114、116、118 ポリシリコンレイアウトパターン
121、122、123、126、127、128 第一タイプの金属レイアウトパターン
132と134 第二タイプの金属レイアウトパターン
134a、134b 基準線
142 分離領域
150 半導体構造
160 基板
162 基板上のアクティブ領域構造
162a、162b、162c フィン
162dと162e 分離領域
164 アクティブ領域構造を囲む分離構造
166 M0OD金属構造
166a 下部M0OD金属構造
166b 上部M0OD金属構造
172 金属1層ビアプラグ
174 金属1層導電線
182 ポリシリコン構造
184 M0PO金属構造
300 標準セル
302 第一アクティブ領域レイアウトパターン
304 第二アクティブ領域レイアウトパターン
312、314、316、318a、318b ポリシリコンレイアウトパターン
321、322、326、327 第一タイプの金属レイアウトパターン
332、334、336、338 第二タイプの金属レイアウトパターン
342 分離領域
400 標準セル
402 第一アクティブ領域レイアウトパターン
404 第二アクティブ領域レイアウトパターン
412、414、416、418a、418b ポリシリコンレイアウトパターン
421、422、426、427 第一タイプの金属レイアウトパターン
432、434、436、438 第二タイプの金属レイアウトパターン
442 分離領域
500 集積回路設計システム
510 第一コンピュータシステム
514 非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体
512 ハードウェアプロセッサ
514a 集積レイアウト
514b 回路設計
514c コンピュータプログラムコード
514d 標準セルライブラリ
516 入力/出力インターフェース
517 ディスプレイユニット
520 第二コンピュータシステム
530 ネットワークストレージデバイス
540 ネットワーク
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6