(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しながら、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。ここで、図中、同一の記号で示される部分は、同様の機能を有する同様の要素である。
【0019】
<構成>
本発明の好適な実施形態について
図1を参照して説明する。
図1は、本発明の好適な実施形態である距離測定装置の斜視図である。本発明の距離測定装置は、平行な2面を有する被測定物18を載置して回転する回転テーブル10と、被測定物18に接触させるための測定子12と、測定子12の変位を検出する検出器14と、測定子12を直線方向に移動させ、その測定子12の移動量を測定可能なリニアスケール(不図示)を有するアーム16と、を主に備えて構成される。
【0020】
回転テーブル10は、土台であるベース20上に設置されることができる。回転テーブル10は、モータ(不図示)を用いて回転されるように構成されても良いし、手動で回転されるように構成されても良い。測定子12は、棒状の部材で形成されており、その先端には球状の球状部12aが形成されていることが好ましい。
【0021】
検出器14は、測定子12が脱着自在に装着され、測定子12の変位(測定子12の長手方向に垂直な方向の変位)を検出して電気信号として出力する。アーム16は、ベース20に垂直に立設されている柱22に設置されることができる。アーム16は、その一方の端部で検出器14を把持し、柱22との接続部でスライドすることにより、検出器14を水平面に平行な直線方向に移動可能としている。また、アーム16には、アーム16の直線方向のスライド距離を計測するリニアスケール(不図示)が設置されている。
【0022】
このリニアスケールにより、アーム16のスライド量の測定ができるので、検出器14の移動距離(アーム16のスライド量と同じ)も測定することができる。リニアスケールとしては、光学式、または磁気式のリニアエンコーダを好適に使用することができるがそれらに限定されるものでは無く、検出器14の移動距離(アーム16の移動距離でも良い)を測定できるものならば使用することができる。即ち、本発明においてリニアスケールとは、検出器14の直線移動距離を測定可能な測定手段すべてを範囲に含む。
【0023】
本発明において測定するのは、主に平行な2面間の距離である。よって、平行な2面を有するものが測定対象物になる。
図1においては、被測定物18として、直方体であるブロックゲージを図示している。
ベース20は、回転テーブル10と、柱22と、アーム16とを上面に設置して保持するための土台であり、箱形形状を成し、剛性のある部材で形成され、ある程度重量を有することが望ましい。
【0024】
柱22は、ベース20上に立設された棒状の部材であり、アーム16を保持するものである。柱22は、アーム16を上下方向にスライド可能とし、上下方向の任意の位置でアーム16を保持固定することができる。
【0025】
<測定方法>
次に、本発明の測定装置を用いた平行2面間距離の測定方法について説明する。最初に、
図1、
図2を参照して説明する。
図1、
図2ともに本発明の距離測定装置の斜視図であるが、
図1は、被測定物18の平行2面のうちの右側端面に測定子12を接触させている図であり、
図2は、被測定物18の平行2面のうちの左側端面に測定子12を接触させている図である。
【0026】
図1に示すように、被測定物18の2つの平行な面の内の一方の面(
図1においては右端面)に測定子12を接触させる。次に、測定子12を面に接触させた状態のまま回転テーブル10を時計方向に少し回転させ、そのときの測定子12の変位を検出器14によって連続的に測定する。
【0027】
同様に、測定子12を面に接触させた状態のまま回転テーブル10を今度は反時計方向に少し回転させ、そのときの測定子12の直線方向の変位(アーム16のスライド方向と平行な直線方向)を検出器14によって連続的に測定する。
次に、アーム16をスライドさせることにより、被測定物の右端面に接触していた測定子12を被測定物18の左端面に接触させる。この状態を示したのが
図2である。
【0028】
右端面で行ったのと同様に、測定子12を左端面に接触させた状態のまま回転テーブル10を時計方向に少し回転させ、そのときの測定子12の直線方向の変位(アーム16のスライド方向と平行な直線方向)を検出器14によって連続的に測定する。更に、測定子12を左端面に接触させた状態のまま回転テーブル10を今度は反時計方向に少し回転させ、そのときの測定子12の変位を検出器14によって連続的に測定する。
【0029】
[2つの球状部12aの中心を結ぶ直線上に回転中心Cがある場合]
以下において「2つの球状部12aの中心を結ぶ直線」という旨の表現が出てきた場合は、球状部12aを被測定物18の左端面に移動させたときのその球状部12aの中心と、被測定物18の右端面に移動させたときの球状部12aの中心とを結ぶ直線という意味である。
【0030】
図3を参照して更に詳細に説明する。
図3は、被測定物18を回転させながらの測定子12の変位測定を説明する説明図である。
図3に示されている(a)〜(e)の図は、
図1の測定装置において、測定の様子を上から見たときの概略図を示している。
【0031】
図3において、測定子12の先端の球状部12aが、被測定物18の左右両面に1つずつ接触しているように表されているが、これは、左端面、右端面それぞれの測定を1つの図に表したもので、2つの測定子を用いて左端面、右端面を同時に測定することに限定しているものでは無い。
【0032】
もちろん、図に示すように、2つの測定子を用いて平行な2つの端面を同時に測定しても良い。その場合は、リニアスケールは、2つの測定子の移動量から2つの測定子間の距離が測定できるように構成されることになる。
【0033】
図3で示される図は、2つの球状部12aの中心と回転テーブル10の回転中心Cとが同一直線上にある場合を示しており、以下の説明は、2つの球状部12aの中心と回転テーブル10の回転中心Cとが同一直線上にある場合についての説明である。以下において、被測定物18の回転は、常に回転中心Cを中心として回転する。
【0034】
図3(c)に示すように、測定子12を移動させることにより、測定子12の先端の球状部12aを被測定物18の平行2面のうちの左端面に接触させる。このとき、リニアスケール(不図示)により、
図3に示す基準位置Pからの距離RBを測定する。以下、被測定物18の左端面の測定について説明する。次に、
図3(b)、(a)に示すように、回転テーブル10を反時計回りに回転させることにより、被測定物18を回転させながら、球状部12aの変位(2つの球状部12aの中心間を結んだ直線上の移動距離)を連続的に測定する。
【0035】
今度は、
図3(c)の状態から回転テーブル10を時計回りに回転させることにより、被測定物18を回転させながら、球状部12aの変位(2つの球状部12aの中心間を結んだ直線上の移動距離)を連続的に測定する。その測定結果を示したのが、
図4である。
図4は、被測定物18の左端面を測定したときの測定子12の変位を示した図である。
【0036】
図4において、測定子12の変位は、RB+Biで表されている。RBとは、
図3において示されるように、基準位置Pから
図3(c)の状態のときの球状部12aの中心までの距離を表す。Biとは、
図3(c)の状態からの球状部12aの変位を示している。
【0037】
図4は、横軸が被測定物18の回転角度を示し、縦軸が基準位置P(
図3参照)から球状部12aの中心までの距離を示すグラフである。
図4と
図3とを参照して、
図3に示す基準位置Pから球状部12aの中心までの距離は、
図3(c)で示される状態、即ち、球状部12aが被測定物18の左端面側に位置するときの球状部12aの中心と右端面側に位置するときの球状部12aの中心とを結ぶ直線と、被測定物18の左端面(または右端面)とが垂直になる状態のときに最大となる(
図4の曲線の最大値)。
【0038】
この
図3(c)の状態から回転テーブル10の回転中心Cを中心として被測定物18を回転させることにより、
図3(b)、(a)または
図3(d)、(e)の状態になる。このとき、球状部12aは、被測定物18の左端面によって左側に押されて変位する。即ち、基準位置Pから球状部12aの中心までの距離が小さくなってゆく。このため、
図4に示すように上に凸のグラフが得られる。
【0039】
次に、被測定物18の右端面の測定について説明する。
図3(c)に示すように、測定子12を移動させることにより、測定子12の先端の球状部12aを被測定物18の平行2面のうちの右端面に接触させる。このとき、リニアスケール(不図示)により、
図3に示す基準位置Pからの距離RAを測定する。次に、
図3(b)、(a)に示すように、回転テーブル10を反時計回りに回転させることにより、Cを中心として被測定物18を回転させながら、球状部12aの変位を連続的に測定する。
【0040】
今度は、
図3(c)の状態から回転テーブル10を、Cを中心として時計回りに回転させることにより、被測定物18を回転させながら、球状部12aの変位を連続的に測定する。その測定結果を示したのが、
図5である。
図5は、被測定物18の右端面を測定したときの測定子12の変位を示した図である。
【0041】
図5において、測定子12の変位は、RA+Aiで表されている。RAとは、
図3において示されるように、基準位置Pから
図3(c)の状態のときの球状部12aの中心までの距離を表す。Aiとは、
図3(c)の状態からの球状部12aの変位を示している。
【0042】
図5は、横軸が被測定物18の回転角度を示し、縦軸が基準位置P(
図3参照)から球状部12aの中心までの距離を示すグラフである。
図5と
図3とを参照して、
図3に示す基準位置Pから球状部12aの中心までの距離は、
図3(c)で示される状態、即ち、球状部12aが被測定物18の左端面に位置するときの球状部12aの中心と、右端面に位置するときの球状部12aの中心とを結ぶ直線と、被測定物18の左端面(または右端面)とが垂直になる状態のときに最小となる(
図5の曲線の最小値)。
【0043】
この
図3(c)の状態から回転テーブル10の回転中心Cを中心として被測定物18を回転させることにより、
図3(b)、(a)または
図3(d)、(e)の状態になる。このとき球状部12aは、被測定物18の右端面によって右側に押されて変位する。即ち、基準位置Pから球状部12aの中心までの距離が大きくなってゆく。このため、
図5に示すように下に凸のグラフが得られる。
【0044】
次に、
図5のグラフと
図4のグラフの差を求める。このようにして求めたグラフが
図6である。
図6は、
図5のグラフと
図4のグラフの差を示すグラフである。
図6は、横軸が被測定物18の回転角度を示し、縦軸が[(RA+Ai)−(RB+Bi)]を示す。
図6のグラフは、被測定物18の各回転角度における右端面側の球状部12aの中心と、左端面側の球状部12aの中心との距離を示している。即ち、
図6のグラフは、
図3(a)〜(e)における、2つの球状部12a間の距離を示している。
【0045】
図6の[(RA+Ai)−(RB+Bi)]のグラフの最小値が、
図3(C)の状態での2つの球状部12aの中心間の距離となるので、この最小値が被測定物18の平行な2面(右端面と左端面)間の距離と球状部12aの直径との和となる。よって、被測定物18の平行な2面間の距離Lは、[(RA+Ai)−(RB+Bi)]の最小値をMin[(RA+Ai)−(RB+Bi)]とし、球状部12aの直径をdとすると、
L=Min[(RA+Ai)−(RB+Bi)]−d
で求めることができる。
【0046】
上記においては、球状部12aを被測定物18の端面に接触させるときに、最初に
図3(c)の状態で接触させ、それから被測定物18を回転させる順番に説明したが、これに限定されるものでは無く、最初に
図3(a)から(e)の状態はもちろんのこと、どの状態から始めても
図4、
図5、
図6のグラフを得ることができ、同じ結果を得ることができる。
【0047】
次に、2つの球状部12aの中心と回転テーブル10の回転中心Cとが同一直線上に無い場合について説明する。
図7を参照して説明する。
図7は、2つの球状部12aの中心と回転テーブル10の回転中心Cとが同一直線上に無い場合において、被測定物18を回転させながらの測定子12の変位測定を説明する説明図である。
図7に示されている(a)〜(e)の図は、
図1の測定装置において、測定の様子を上から見たときの概略図を示している。
【0048】
図7において、
図3と同様に、測定子12の先端の球状部12aが、被測定物18の左右両面に1つずつ接触しているように表されているが、これは、左端面、右端面それぞれの測定を1つの図に表したもので、2つの測定子を用いて左端面、右端面を同時に測定することに限定しているものでは無い。
【0049】
もちろん、図に示すように、2つの測定子を用いて平行な2つの端面を同時に測定しても良い。その場合は、リニアスケールは、2つの測定子の移動量から2つの測定子間の距離が測定できるように構成されることになる。
【0050】
図7で示される図は、2つの球状部12aの中心と回転テーブル10の回転中心Cとが同一直線上に無い場合を示しており、以下の説明は、2つの球状部12aの中心と回転テーブル10の回転中心Cとが同一直線上にない場合についての説明である。以下において、被測定物18の回転は、常に回転中心Cを中心として回転する。
【0051】
図7(c)に示すように、測定子12を移動させることにより、測定子12の先端の球状部12aを被測定物18の平行2面のうちの左端面に接触させる。このとき、リニアスケール(不図示)により、
図7に示す基準位置Pからの距離RBを測定する。ここで
図7(c)の全体の位置関係は、球状部12aが被測定物18の左端面側に位置するときの球状部12aの中心と右端面側に位置するときの球状部12aの中心とを結ぶ直線と、被測定物18の左端面(または右端面)とが垂直になる位置関係である。以下、被測定物18の左端面の測定について説明する。次に、
図7(b)、(a)に示すように、回転テーブル10を反時計回りに回転させることにより、被測定物18を回転させながら、球状部12aの変位を連続的に測定する。
【0052】
今度は、
図7(c)の状態から回転テーブル10を時計回りに回転させることにより、被測定物18を回転させながら、球状部12aの変位(2つの球状部12aの中心間を結んだ直線上の移動距離)を連続的に測定する。このとき
図3の場合(2つの球状部12aの中心と回転テーブル10の回転中心Cとが同一直線上にある場合)と異なるのは、
図7(d)に示すように球状部12aが、
図7(c)の位置よりも右側に移動する場合があることである。
【0053】
これらの測定結果を示したのが、
図8である。
図8は、被測定物18の左端面を測定したときの測定子12の変位を示した図である。
図8において、測定子12の変位は、RB+Biで表されている。RBとは、
図3と同様に、
図7において示されるように、基準位置Pから
図7(c)の状態のときの球状部12aの中心までの距離を表す。Biとは、
図7(c)の状態からの球状部12aの変位を示している。
【0054】
図8は、横軸が被測定物18の回転角度を示し、縦軸が基準位置P(
図7参照)から球状部12aの中心までの距離を示すグラフである。
図8と
図7とを参照して、
図7に示す基準位置Pから球状部12aの中心までの距離は、
図7(d)で示される状態、即ち、球状部12aが
図7(c)の位置よりも右側に移動した位置で最大となる。
【0055】
この
図7(c)の状態から回転テーブル10の回転中心Cを中心として被測定物18を回転させることにより、
図7(b)、(a)または
図7(d)、(e)の状態になる。
図7(b)、(a)の場合は、球状部12aは、被測定物18の左端面によって左側に押されて変位する。即ち、基準位置Pから球状部12aの中心までの距離が小さくなってゆく。
【0056】
図7(d)、(e)の場合は、被測定物18の左端面(端面のうち球状部12aと接触している部分)が、回転と共に右側に移動するので、常に端面の方向に付勢されている球状部12aも右側に移動する。
図7(d)のときに、基準位置Pから球状部12aの中心までの距離は最大になり、被測定物18が更に回転することにより、被測定物18の左端面に押されて球状部12aは、
図7(e)に示すように左側に移動を始め、最終的には、
図7(c)の位置よりも左側に移動する(不図示)。
【0057】
このような球状部12aの移動に伴う基準位置Pから球状部12aの中心位置の距離の変動を示したのが
図8である。
図8において、記号αで示したところが
図7(c)の状態のときの基準位置Pからの球状部12aの中心までの距離である。
図4の極大値は、
図3(c)の状態のときの球状部12aの中心の基準位置Pからの距離を示していたが、
図7のように2つの球状部12aの中心間を結ぶ直線上に回転中心Cが無い場合は、
図7(c)の状態のときに
図8のグラフにおいて極大値となるわけでは無い。
【0058】
次に、被測定物18の右端面の測定について説明する。
図7(c)に示すように、測定子12を移動させることにより、測定子12の先端の球状部12aを被測定物18の平行2面のうちの右端面に接触させる。このとき、リニアスケール(不図示)により、
図7に示す基準位置Pからの距離RAを測定する。次に、
図7(b)、(a)に示すように、回転テーブル10を反時計回りに回転させることにより、Cを中心として被測定物18を回転させながら、球状部12aの変位(2つの球状部12aの中心間を結んだ直線上の移動距離)を連続的に測定する。
【0059】
今度は、
図7(c)の状態から回転テーブル10を、Cを中心として時計回りに回転させることにより、被測定物18を回転させながら、球状部12aの変位(2つの球状部12aの中心間を結んだ直線上の移動距離)を連続的に測定する。その測定結果を示したのが、
図9である。
図9は、被測定物18の右端面を測定したときの測定子12の変位を示した図である。
【0060】
図9において、測定子12の変位は、RA+Aiで表されている。RAとは、
図7において示されるように、基準位置Pから
図7(c)の状態のときの球状部12aの中心までの距離を表す。Aiとは、
図7(c)の状態からの球状部12aの変位を示している。
【0061】
図9は、横軸が被測定物18の回転角度を示し、縦軸が基準位置P(
図7参照)から球状部12aの中心までの距離を示すグラフである。
図9と
図7とを参照して、
図7に示す基準位置Pから球状部12aの中心までの距離は、
図7(b)で示される状態、即ち、球状部12aが
図7(c)の位置よりも左側に移動した位置で最小となる。
【0062】
この
図7(c)の状態から回転テーブル10の回転中心Cを中心として被測定物18を回転させることにより、
図7(b)、(a)または
図7(d)、(e)の状態になる。
図7(d)、(e)の場合は、球状部12aは、被測定物18の右端面によって右側に押されて変位する。即ち、基準位置Pから球状部12aの中心までの距離が大きくなってゆく。
【0063】
図7(b)の場合は、被測定物18の右端面(端面のうち球状部12aと接触している部分)が、回転と共に左側に移動するので、常に端面の方向に付勢されている球状部12aも左側に移動する。
図7(b)のときに、基準位置Pから球状部12aの中心までの距離は最小になり、被測定物18が更に回転することにより、被測定物18の右端面に押されて球状部12aは、右側に移動を始め、最終的には、
図7(a)に示すように、
図7(c)の位置よりも右側に移動する。
【0064】
このような球状部12aの移動に伴う基準位置Pから球状部12aの中心位置の距離の変動を示したのが
図9である。
図9において、記号βで示したところが
図7(c)の状態のときの基準位置Pから球状部12aの中心までの距離である。
図5の極小値は、
図3(c)の状態のときの球状部12aの中心の基準位置Pからの距離を示していたが、
図7のように2つの球状部12aの中心間を結ぶ直線上に回転中心Cが無い場合は、
図7(c)の状態のときに
図9のグラフにおいて極小値となるわけでは無い。
【0065】
この
図7(c)の状態から回転テーブル10の回転中心Cを中心として被測定物18を回転させることにより、
図7(b)、(a)または
図7(d)、(e)の状態になる。
図7(c)から、
図7(b),(a)に示すように、被測定物18を反時計回りに回転させると、
図9のグラフのβより左側の曲線が示すように、基準位置Pから球状部12aの中心までの距離は、だんだん小さくなっていって、極小値を過ぎると距離は大きくなってゆく。
【0066】
また、
図7(c)から、
図7(d),(e)に示すように、被測定物18を時計回りに回転させると、
図9のグラフのβより右側の曲線が示すように、基準位置Pから球状部12aの中心までの距離は、だんだん大きくなっていって、球状部12aが被測定物18の角を過ぎると、突然距離が短くなる。
【0067】
次に、
図8のグラフと
図9のグラフの差を求める。このようにして求めたグラフが
図10である。
図10は、
図9のグラフと
図8のグラフの差を示すグラフである。
図10は、横軸が被測定物18の回転角度を示し、縦軸が[(RA+Ai)−(RB+Bi)]を示す。
図10のグラフは、被測定物18の各回転角度における右端面側の球状部12aの中心と、左端面側の球状部12aの中心との距離を示している。即ち、
図10のグラフは、
図7(a)〜(e)における、2つの球状部12aの中心間の距離を示している。
【0068】
図10の[(RA+Ai)−(RB+Bi)]のグラフの最小値が、
図7(C)の状態での2つの球状部12aの中心間の距離となるので、この最小値が被測定物18の平行な2面(右端面と左端面)間の距離と球状部12aの直径との和となる。よって、被測定物18の平行な2面間の距離Lは、[(RA+Ai)−(RB+Bi)]の最小値をMin[(RA+Ai)−(RB+Bi)]とし、球状部12aの直径をdとすると、
L=Min[(RA+Ai)−(RB+Bi)]−d
で求めることができる。
【0069】
上記においては、球状部12aを被測定物18の端面に接触させるときに、最初に
図7(c)の状態で接触させ、それから被測定物18を回転させる順番に説明したが、これに限定されるものでは無く、最初に
図7(a)から(e)の状態はもちろんのこと、どの状態から始めても
図8、
図9、
図10のグラフを得ることができ、同じ結果を得ることができる。
【0070】
上述したように、2つの球状部12aの中心位置を結ぶ直線上に回転中心Cがあっても無くても、同じ式である、
L=Min[(RA+Ai)−(RB+Bi)]−d ・・・式1
によって被測定物18の平行な2面間距離Lを求めることができる。
【0071】
<球状部の校正方法>
上記測定方法を用いて、球状部12aの球の直径を求めることができる。そのために、平行2面を有する被測定物18として、平行2面間の距離が既知であるもの、例えば、ブロックゲージを用いる。
【0072】
上述した方法によって、平行2面間の距離が既知であるブロックゲージの平行2面間の距離を測定する。式1を変形して、球状部12aの直径dを求める形にすると以下のようになる。
d=Min[(RA+Ai)−(RB+Bi)]−L ・・・式2
【0073】
式2において、Min[(RA+Ai)−(RB+Bi)]は測定により求めることができ、L(ブロックゲージの平行2面間の距離)は既知であることから、直径dを容易に求めることができる。
このようにして、球状部12aの球の直径を求めることができ、校正することもできる。
【0074】
<リニアスケールの誤差校正方法>
検出器14の直線移動距離を測定するリニアスケールの誤差の校正方法について説明する。以下に説明する誤差の校正方法は、測定位置が距離に比例する誤差についての校正方法であり、このような誤差としては、温度変化によるリニアスケールの伸縮等がある。
【0075】
図11を参照して説明する。
図11は、2つの平行面間距離が異なる2つの被測定物18と球状部12aとを上から見たときの概略図である。
図3,
図7と同様に、
図11において、測定子12の先端の球状部12aが、被測定物18の左右両面に1つずつ接触しているように表されているが、これは、左端面、右端面それぞれの測定の様子を1つの図に表したもので、2つの測定子を用いて左端面、右端面を同時に測定することに限定しているものでは無い。
しかしながら、やはり上述したように2つの測定子を用いて平行な2つの端面を同時に測定しても良いことは言うまでも無い。
【0076】
図11(a)、(b)は、アーム16(
図1)のスライドによる検出器14(
図1)の直線移動方向である、被測定物11の左右両側に記載された2つの球状部12aの中心位置を結んだ直線と、被測定物18の左端面(及び右端面)とが垂直の場合(垂直となるような回転テーブル10の回転角度)を示している。このような位置関係の状態を
図11に示す状態と称する。
【0077】
ここで誤差比率Eは、(例えば温度変化による)リニアスケールの長さの伸縮率であり、その値は1に近い値であるとする。このとき、リニアスケールによって測定される距離である、測定子12を被測定物18の左右端面間で移動させる距離、即ち、(球状部12aを有する測定子12が装着された)検出器14の移動距離は、基準位置Pから被測定物18の右端面、左端面に接触している球状部12aの中心までの距離をRA、RBとすると(RA−RB)×Eとなる。
【0078】
すると、Ai、Biを
図11の状態から被測定物18を回転させたときの球状部12aの変位とすると、被測定物18の平行2面間の距離Lは、以下のようになる。
L=Min[(RA×E+Ai)−(RB×E+Bi)]
=(RA−RB)×E+Min(Ai−Bi)
ここで、検出器14の移動距離である(RA−RB)よりもMin(Ai−Bi)の方が十分に小さいとき(例えば、RA−RB=50mm、Min(Ai−Bi)=0.0001mmのとき等)は、以下のように考えることができる。
(RA―RB)×E+Min(Ai−Bi)
=Min[(RA−RB)+(Ai−Bi)]×E
【0079】
以上の考えに基づいて、
図11(a)、(b)に示すように、平行2面間の距離の異なる2つの被測定物18について平行2面間の距離L1、L2を測定する。
図11に示す状態のときの2つの球状部12aの中心間距離をS1、S2、誤差を考慮していない2つの球状部12aの中心間距離をS1'、S2'(S1=S1'×E、S2=S2'×E)とする。すると以下のようになる。
【0080】
L1=Min[(RA1×E+A
1i)−(RB1×E+B
1i)]−d
=Min[(RA1−RB1)+(A
1i−B
1i)]×E−d
=S1'×E−d
式3
【0081】
L2=Min[(RA2×E+A
2i)−(RB2×E+B
2i)]−d
=Min[(RA2−RB2)+(A
2i−B
2i)]×E−d
=S2'×E−d
式4
【0082】
上記、式3、式4より、測長位置の距離に対する誤差比率Eは、以下のようになる。
E=(L1−L2)/(S1'−S2')
式5
【0083】
このように本発明の測定方法を用いることにより、測長位置の距離に対する誤差比率Eを求めることができる。誤差比率Eを求めることにより、リニアスケールでの測長結果を校正することが可能になる。
【0084】
<母線ズレ量測定>
次に母線ズレ量の測定方法について説明する。
図12は、被測定物18を回転させながらの測定子12の変位測定を説明する説明図である。
図12に示されている(a)〜(d)の図は、
図1の測定装置において、測定の様子を上から見たときの概略図を示している。
【0085】
ここで母線とは、被測定物18の回転中心C(即ち、回転テーブル10の回転中心)を通り、球状部12aの移動方向(球状部12aの変位の方向でもあり、アームのスライドにより移動する方向でもある)に平行な線のことを言う。本発明の距離測定装置は、球状部12aの中心を母線が通るようにセッティングされるが、母線と球状部12aの中心とがわずかにずれる場合がある。本発明においては、このずれ(母線ズレ)量(距離Y)を測定することができる。
【0086】
図12(c)の状態での回転テーブルの(即ち、被測定物18の)回転角度を0°とする。その状態から反時計回りに被測定物18を回転させてゆくと、母線ズレがあるために、基準位置Pから球状部12aの中心までの距離は、
図12(b)に示すように、いったん小さくなり、更に被測定物18を回転させてゆくと今度は、大きくなる。
【0087】
この様子をグラフで示したのが
図14の記号J1で示されるグラフである。
図14は、被測定物18の回転角度と、基準位置Pから球状部12aの中心までの距離の変化を示すグラフである。
図14の記号J1のグラフにおいて、a,b,c,dと付されているポイントは、それぞれ、
図12の(a)、(b)、(c)、(d)の図の時の被測定物18の回転角度に対応する。また、
図12の球状部12aの近辺に記号12a'で示されている点線で描かれている図形は、0°のときの球状部12aの位置を示す。
【0088】
図12と
図14とを参照して、
図12(c)で示す被測定物18の回転角度のとき(球状部12aが接触している被測定物18の面と母線とが垂直になる回転角度のときで、このときの角度を0°とする)の球状部12aの中心と基準位置Pからの距離(以後単に球状部12aの距離と称する場合もある)は、上述したように、
図12(c)の回転位置から反時計回りに被測定物18が回転することにより、母線ズレ(距離Y)があるために球状部12aの距離は、小さくなって
図12(b)の回転角度(
図14のbのポイント)で最小になる。
【0089】
そこから被測定物18が更に反時計回りに回転することにより、今度は、球状部12aの距離は大きくなり、
図12(a)の回転角度(
図14のaのポイント)では、
図12(c)のときよりも球状部12aの距離は大きくなる。
次に、回転角度0°から被測定物18を時計方向に回転させると、
図12(d)に示すように(
図14のdのポイント)球状部12aの距離は、回転角度0°のときよりも大きくなる。
【0090】
図12においては、球状部12aを被測定物18の右側端面に接触させて測定した場合について説明したが、次に
図13を参照して、球状部12aを被測定物18の左側端面に接触させて測定した場合について説明する。
図13は、被測定物18を回転させながらの測定子12の変位測定を説明する説明図である。
図13に示されている(g)〜(j)の図は、
図1の測定装置において、測定の様子を上から見たときの概略図を示している。
【0091】
図13(h)の状態での回転テーブルの(即ち、被測定物18の)回転角度を0°とする。その状態から時計回りに被測定物18を回転させてゆくと、母線ズレがあるために、基準位置Pから球状部12aの中心までの距離は、
図13(i)に示すように、いったん大きくなる方に変化し、更に被測定物18を回転させてゆくと今度は小さくなる方に変化してゆく。
【0092】
この様子をグラフで示したのが
図14の記号J2で示されるグラフである。
図14の記号J2のグラフにおいて、g,h,i,jと付されているポイントは、それぞれ、
図13の(g)、(h)、(i)、(j)の図の時の被測定物18の回転角度に対応する。また、
図13の球状部12aの近辺に記号12a''で示される点線で描かれている図形は、0°のときの球状部12aの位置を示す。
【0093】
図13と
図14とを参照して、
図13(h)で示す被測定物18の回転角度のとき(球状部12aが接触している被測定物18の面と母線とが垂直になる回転角度のときで、このときの角度を0°とする)の球状部12aの中心と基準位置Pからの距離(以後単に球状部12aの距離と称する場合もある)は、
図13(h)の回転位置から時計回りに被測定物18が回転することにより、母線ズレ(距離Y)があるために、球状部12aの距離は、大きくなって
図13(i)の回転角度(
図14のiのポイント)で最大になる。
【0094】
そこから被測定物18が更に時計回りに回転することにより、今度は、
図13(j)(
図14のjのポイント)に示すように、球状部12aの距離はだんだん小さくなり、
図14の記号J2のグラフのjのポイントより右側に示されるように、それ以降も球状部12aの距離は小さくなる。
次に、回転角度0°(
図13(h))から被測定物18を反時計方向に回転させると、
図13(g)に示すように(
図14のgのポイント)、球状部12aの距離は、回転角度0°のときよりも小さくなる。
【0095】
母線ズレ量と、回転中心Cから被測定物18の右端面までの距離とを求める方法について説明する。
図12(b)を参照して、母線と、回転中心Cと球状部12aの中心とを結ぶ直線との角度をθ
1としたとき、回転中心Cから球状部12aの中心までの横方向距離X1は、sinθ
1が以下の式を満たすときに最小となる。
【0096】
sinθ
1=Y/(R+d/2)
式6
ここで、Rは、回転中心Cから被測定物18の右側端面までの距離であり、dは、球状部12aの直径である。
式6及び、
図12(b)より、X1の最小値X1
minは、以下の式によって求めることができる。
【数1】
式7
【0097】
次に、
図13(i)を参照して、母線と、中心Cと球状部12aの中心とを結ぶ直線との角度をθ
2としたとき、回転中心Cから球状部12aの中心までの横方向距離X2は、sinθ
2が以下の式を満たすときに最小となる。
【0098】
sinθ
2=Y/{(L−R)+d/2}
式8
ここで、Lは、被測定物18の平行2面間の距離、即ち、被測定物18の左端面と右端面との距離なので、L−Rは、回転中心Cから被測定物18の左端面までの距離になる。
【0099】
式7及び
図13(i)より、X2の最小値X2
minは、以下の式によって求めることができる。
【数2】
式9
【0100】
以上より、R、Yは、以下の式で求めることができる。
【数3】
式10
【数4】
式11
【0101】
ここで、d、Lは既知であり、θ
1、θ
2は、実測で求める。θ
1、θ
2は、
図14から求めることができる。
図14を参照して、J1のグラフからJ2のグラフを引いた(差分を取った)グラフがJ3のグラフである。母線ズレがあっても、J3グラフの最小値が、回転角度0°の位置になる。
【0102】
よって、回転角度0°の位置であるJ3グラフの最小値からJ1グラフの最小値までの横軸の範囲がθ
1となり、J3グラフの最小値からJ2グラフの最大値までの横軸の範囲がθ
2となる。このようにして、θ
1、θ
2を求めることができる。
このようにして求められたYを用い、Yの値だけ測定子12の位置をずらすことにより、母線ズレを校正することができる。
【0103】
<円周上の一部のみが曲線では無く直線になっている部材の測定方法>
オリフラを有する半導体ウエハのように、平面図において円周上の一部のみが曲線では無く直線になっている部材(以下、一部直線円形部材と称する)の中心からオリフラまでの距離(中心−オリフラ距離と称する)の測定方法について図面を参照して説明する。
図15は、一部直線円形部材30(オリフラ付き円盤状部材)の中心からオリフラまでの距離測定の説明図である。
図15の(a)〜(e)の図は、
図1の測定装置において、測定の様子を上から見たときの概略図を示している。
【0104】
図3,
図7と同様に、
図15において、測定子12の先端の球状部12aが、一部直線円形部材30の左右両側に1つずつ接触しているように表されているが、これは、左側、右側それぞれの測定の様子を1つの図に表したもので、2つの測定子12を用いて左側、右側を同時に測定することに限定しているものでは無い。
しかしながら、やはり上述したように2つの測定子12を用いて平行な2つの端面を同時に測定しても良いことは言うまでも無い。
【0105】
一部直線円形部材30の左側に球状部12aを接触させ、回転中心Cを中心として被測定物18を回転させたときの球状部12aの変位について説明する。
図15(c)は、一部直線円形部材30の回転角度が、母線WとオリフラBとが垂直になるような場合の角度である時の状態を示している。一部直線円形部材30の左側に球状部12aを接触させ、回転中心Cを中心として被測定物18を回転させたときの球状部12aの変位を測定すると、
図16のK1で示すグラフになる。
【0106】
図16は、一部直線円形部材30を回転させたときの基準位置Pから球状部12aの中心までの距離の変位を示した図である。
図15と
図16のグラフK1とを参照して、一部直線円形部材30を回転させても、
図15(a)〜(e)に示すように球状部12aは、変位しない(基準位置Pから球状部12aの中心は、変化しない)。よって、
図16のグラフK1に示すような直線のグラフになる。
【0107】
次に、一部直線円形部材30の右側にあるオリフラBに球状部12aを接触させ、回転中心Cを中心として被測定物18を回転させたときの球状部12aの変位について説明する。一部直線円形部材30の右側のオリフラBに球状部12aを接触させ、回転中心Cを中心として被測定物18を回転させたときの球状部12aの変位を測定すると、
図16のK2で示すグラフになる。
【0108】
図15(c)の状態から一部直線円形部材30を反時計方向に回転させると、
図15(b)に示すように、球状部12aは左方向に移動し、更に回転させると
図15(a)に示すように、球状部12aは、今度は右方向に移動する。このときの球状部12aの変位を示すグラフが
図16のグラフK2である。
【0109】
次に、
図15(c)の状態から一部直線円形部材30を時計方向に回転させると、球状部12aは、
図15(d)に示すように右方向に移動し、更に回転させると球状部12aは更に右方向に移動する。
図15(e)の状態では、球状部12aは、オリフラBを超えて、円周部分に位置している。これらのときの球状部12aの変位は、
図16のグラフK2に示されている。
【0110】
ここで、
図16において記号Cで示している回転角度が
図15(c)の状態のときの角度である。
図15(c)の状態から時計回りに回すことにより
図16において角度が増加し、反時計回りに回すことにより角度が減少する。
【0111】
図15(e)に示すように、左右の球状部12aがどちらもオリフラBではく、曲線上に位置しているときの、左側の球状部12aの中心と右側の球状部12aの中心間の距離をSとする。距離Sは、基準位置Pから右側の球状部12aの中心までの距離RAと、左側の球状部12aの中心までの距離RBとの差を求めることにより得ることができる。
更に説明すると、左右とも球状部12aが、曲線上に位置しているときの測定グラフにおいて、同じ角度のときのRAとRBの差分を求め平均することによりSとすることができる。
【0112】
図15(a)に示すように、一部直線円形部材30の直径をDとし、一部直線円形部材30の中心からオリフラBまでの最短距離をFとする。また、一部直線円形部材30を回転させながら球状部12aの変位を測定したとき、左側の球状部12aの中心と右側の球状部12aの中心との距離が一番小さくなったときの値をS
minとする。すると、球状部12aの中心と一部直線円形部材30の中心とを結ぶ直線がオリフラBと垂直に交わるとき、即ち、
図15(b)のときの左右の球状部12aの中心間距離がS
minになる。また、母線ズレ量をYとする。
【0113】
以上より、各値を求めると以下のようになる。
【数5】
式12
【0114】
ここで、D>0なので、Dを求めると以下のようになる。
【数6】
式13
【0115】
次にS
minを求めると、以下のようになる。
【数7】
式14
【0116】
ここで、F>0なので、
【数8】
式15
d、Yは、既知であり、S,S
minは、今まで説明した方法により求める。
【0117】
このように、本発明によれば、母線ズレ量Yを求めることができ、Yを求めることにより、S、S
min、Fを求めることができる。