特許第6356415号(P6356415)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6356415マイクロ波プラズマ源およびプラズマ処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6356415
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】マイクロ波プラズマ源およびプラズマ処理装置
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20180702BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20180702BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20180702BHJP
【FI】
   H05H1/46 B
   H01L21/302 101D
   H01L21/31 C
【請求項の数】11
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-259474(P2013-259474)
(22)【出願日】2013年12月16日
(65)【公開番号】特開2015-118739(P2015-118739A)
(43)【公開日】2015年6月25日
【審査請求日】2016年11月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099944
【弁理士】
【氏名又は名称】高山 宏志
(72)【発明者】
【氏名】小松 智仁
(72)【発明者】
【氏名】池田 太郎
(72)【発明者】
【氏名】藤野 豊
【審査官】 鳥居 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−087227(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/089007(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/021382(WO,A1)
【文献】 特開2012−216525(JP,A)
【文献】 特開2012−089334(JP,A)
【文献】 特開2006−324551(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/040328(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0222816(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H1/00−1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ処理装置のチャンバ内にマイクロ波を放射して表面波プラズマを形成するマイクロ波プラズマ源であって、
マイクロ波を生成して出力するマイクロ波出力部と、前記マイクロ波出力部から出力されたマイクロ波を伝送するためのマイクロ波供給部と、前記チャンバの天壁を構成し、前記マイクロ波供給部から供給されたマイクロ波を前記チャンバ内に放射するためのマイクロ波放射部材とを具備し、
前記マイクロ波供給部は、前記マイクロ波放射部材の上の前記チャンバ内の周縁部分に対応する位置に円周方向に沿って設けられ、前記マイクロ波放射部材にマイクロ波を導入する複数のマイクロ波導入機構を有し、
前記マイクロ波放射部材は、
前記複数のマイクロ波導入機構が配置されたマイクロ波導入機構配置領域に設けられたマイクロ波放射用の複数のスロットを有し、前記複数のスロットの各々が前記マイクロ波導入機構配置領域の周方向に沿って円弧状に設けられ、前記複数のスロットが全体として作る形状が円状であるスロットアンテナ部と、
前記マイクロ波導入機構配置領域に対応する位置に、前記複数のスロットを覆うように設けられ、前記複数のスロットから放射されたマイクロ波を透過する、誘電体からなる円環状のマイクロ波透過部材とを有することを特徴とするマイクロ波プラズマ源。
【請求項2】
前記マイクロ波放射部材は、前記マイクロ波導入機構に対応する位置に、マイクロ波の波長を短くするための遅波材を有することを特徴とする請求項1に記載のマイクロ波プラズマ源。
【請求項3】
前記マイクロ波放射部材は、前記スロットアンテナ部の内側部分に設けられ、前記チャンバ内にプラズマ処理に用いるガスをシャワー状に導入するシャワー構造部をさらに有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマイクロ波プラズマ源。
【請求項4】
前記マイクロ波放射部材は円板状をなし、その上の前記チャンバ内の中央部分に対応する位置に配置されたマイクロ波導入機構をさらに有し、前記マイクロ波放射部材の中央から前記チャンバ内の中央部にも表面波プラズマが生成されるように構成されたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のマイクロ波プラズマ源。
【請求項5】
被処理基板を収容するチャンバと、
前記チャンバ内にガスを供給するガス供給機構と、
前記チャンバ内にマイクロ波を放射して表面波プラズマを形成するマイクロ波プラズマ源と
を具備し、前記表面波プラズマにより被処理基板にプラズマ処理を施すプラズマ処理装置であって、
前記マイクロ波プラズマ源は、
マイクロ波を生成して出力するマイクロ波出力部と、
前記マイクロ波出力部から出力されたマイクロ波を伝送するためのマイクロ波供給部と、
前記チャンバの天壁を構成し、前記マイクロ波供給部から供給されたマイクロ波を前記チャンバ内に放射するためのマイクロ波放射部材とを備え、
前記マイクロ波供給部は、前記マイクロ波放射部材の上の前記チャンバ内の周縁部分に対応する位置に円周方向に沿って設けられ、前記マイクロ波放射部材にマイクロ波を導入する複数のマイクロ波導入機構とを有し、
前記マイクロ波放射部材は、
前記複数のマイクロ波導入機構が配置されたマイクロ波導入機構配置領域に設けられたマイクロ波放射用の複数のスロットを有し、前記複数のスロットの各々が前記マイクロ波導入機構配置領域の周方向に沿って円弧状に設けられ、前記複数のスロットが全体として作る形状が円状であるスロットアンテナ部と、
前記マイクロ波導入機構配置領域に対応する位置に、前記複数のスロットを覆うように設けられ、前記複数のスロットから放射されたマイクロ波を透過する、誘電体からなる円環状のマイクロ波透過部材とを有することを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項6】
前記マイクロ波放射部材は、前記マイクロ波導入機構に対応する位置に、マイクロ波の波長を短くするための遅波材を有することを特徴とする請求項5に記載のプラズマ処理装置。
【請求項7】
前記マイクロ波放射部材は、前記スロットアンテナ部の内側部分に設けられ、前記チャンバ内にプラズマ処理に用いるガスをシャワー状に導入するシャワー構造部をさらに有することを特徴とする請求項5または請求項6に記載のプラズマ処理装置。
【請求項8】
前記マイクロ波放射部材は円板状をなし、その上の前記チャンバ内の中央部分に対応する位置に配置されたマイクロ波導入機構をさらに有し、前記マイクロ波放射部材の中央から前記チャンバ内の中央部にも表面波プラズマが生成されるように構成されたことを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
【請求項9】
前記マイクロ波放射部材は、前記チャンバ内の周縁部に対応する環状をなし、
前記プラズマ処理装置は、
前記被処理基板を載置する載置台と、
前記マイクロ波放射部材の内側部分に、前記チャンバ内にプラズマ処理に用いるガスをシャワー状に導入するシャワーヘッドと、
前記シャワーヘッドと前記載置台との間に高周波電界を形成する高周波電界形成機構と
をさらに具備し、
前記高周波電界形成機構により、前記チャンバ内に容量結合プラズマが形成されることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のプラズマ処理装置。
【請求項10】
前記複数のスロットの各々は、その一端部が前記マイクロ波導入機構の直下の領域に存在し、その他端部が前記マイクロ波導入機構の直下でない領域に存在することを特徴とする請求項1に記載のマイクロ波プラズマ源。
【請求項11】
前記複数のスロットの各々は、その一端部が前記マイクロ波導入機構の直下の領域に存在し、その他端部が前記マイクロ波導入機構の直下でない領域に存在することを特徴とする請求項5に記載のプラズマ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ波プラズマ源およびプラズマ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマ処理は、半導体デバイスの製造に不可欠な技術であるが、近時、LSIの高集積化、高速化の要請からLSIを構成する半導体素子のデザインルールが益々微細化され、また、半導体ウエハが大型化されており、それにともなって、プラズマ処理装置においてもこのような微細化および大型化に対応するものが求められている。
【0003】
ところが、従来から多用されてきた平行平板型や誘導結合型のプラズマ処理装置では、大型の半導体ウエハを均一かつ高速にプラズマ処理することは困難である。
【0004】
そこで、高密度で低電子温度の表面波プラズマを均一に形成することができるRLSA(登録商標)マイクロ波プラズマ処理装置が注目されている(例えば特許文献1)。
【0005】
RLSA(登録商標)マイクロ波プラズマ処理装置は、表面波プラズマを発生させるためのマイクロ波を放射するマイクロ波放射アンテナとしてチャンバの上部に所定のパターンで複数のスロットが形成された平面スロットアンテナであるラジアルラインスロットアンテナを設け、マイクロ波発生源から導かれたマイクロ波を、アンテナのスロットから放射させるとともに、その下に設けられた誘電体からなるマイクロ波透過板を介して真空に保持されたチャンバ内に放射し、このマイクロ波電界によりチャンバ内で表面波プラズマを生成し、これにより半導体ウエハ等の被処理体を処理するものである。
【0006】
このようなRLSA(登録商標)マイクロ波プラズマ装置において、プラズマ分布を調整する場合、スロット形状およびパターン等が異なる複数のアンテナを用意しておき、アンテナを交換する必要があり、極めて煩雑である。
【0007】
これに対し、特許文献2には、マイクロ波を複数に分配し、上記のような平面アンテナを有するマイクロ波導入機構を複数設け、それらから放射されたマイクロ波をチャンバ内に導きチャンバ内でマイクロ波を空間合成するプラズマ源が開示されている。
【0008】
このように複数のマイクロ波導入機構を用いてマイクロ波を空間合成することにより、各マイクロ波導入機構から導入されるマイクロ波の位相や強度を個別に調整することができ、プラズマ分布の調整を比較的容易に行うことができる。
【0009】
また、特許文献3には、複数のマイクロ波導入機構の配置を工夫することにより、プラズマの分布の均一化を図ることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2000−294550号公報
【特許文献2】国際公開第2008/013112号パンフレット
【特許文献3】特開2012−216745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、特許文献2、3では、チャンバの天壁に各マイクロ波導入機構毎に誘電体からなるマイクロ波透過窓(マイクロ波透過部材)を設け、このマイクロ波透過窓を介してチャンバ内にマイクロ波を放射しているが、このような構成の場合、プラズマが十分に広がらず、均一なプラズマを得るためには、マイクロ波放射部の数が多くなってしまう。
【0012】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、プラズマの広がりを確保して、マイクロ波放射部の数を少なくしても均一な表面波プラズマを形成することができるマイクロ波プラズマ源およびそれを用いたプラズマ処理装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点では、プラズマ処理装置のチャンバ内にマイクロ波を放射して表面波プラズマを形成するマイクロ波プラズマ源であって、マイクロ波を生成して出力するマイクロ波出力部と、前記マイクロ波出力部から出力されたマイクロ波を伝送するためのマイクロ波供給部と、前記チャンバの天壁を構成し、前記マイクロ波供給部から供給されたマイクロ波を前記チャンバ内に放射するためのマイクロ波放射部材とを具備し、前記マイクロ波供給部は、前記マイクロ波放射部材の上の前記チャンバ内の周縁部分に対応する位置に円周方向に沿って設けられ、前記マイクロ波放射部材にマイクロ波を導入する複数のマイクロ波導入機構を有し、前記マイクロ波放射部材は、前記複数のマイクロ波導入機構が配置されたマイクロ波導入機構配置領域に設けられたマイクロ波放射用の複数のスロットを有し、前記複数のスロットの各々が前記マイクロ波導入機構配置領域の周方向に沿って円弧状に設けられ、前記複数のスロットが全体として作る形状が円状であるスロットアンテナ部と、前記マイクロ波導入機構配置領域に対応する位置に、前記複数のスロットを覆うように設けられ、前記複数のスロットから放射されたマイクロ波を透過する、誘電体からなる円環状のマイクロ波透過部材とを有することを特徴とするマイクロ波プラズマ源を提供する。
【0014】
本発明の第2の観点では、被処理基板を収容するチャンバと、前記チャンバ内にガスを供給するガス供給機構と、前記チャンバ内にマイクロ波を放射して表面波プラズマを形成するマイクロ波プラズマ源とを具備し、前記表面波プラズマにより被処理基板にプラズマ処理を施すプラズマ処理装置であって、前記マイクロ波プラズマ源は、マイクロ波を生成して出力するマイクロ波出力部と、前記マイクロ波出力部から出力されたマイクロ波を伝送するためのマイクロ波供給部と、前記チャンバの天壁を構成し、前記マイクロ波供給部から供給されたマイクロ波を前記チャンバ内に放射するためのマイクロ波放射部材とを備え、前記マイクロ波供給部は、前記マイクロ波放射部材の上の前記チャンバ内の周縁部分に対応する位置に円周方向に沿って設けられ、前記マイクロ波放射部材にマイクロ波を導入する複数のマイクロ波導入機構とを有し、前記マイクロ波放射部材は、前記複数のマイクロ波導入機構が配置されたマイクロ波導入機構配置領域に設けられたマイクロ波放射用の複数のスロットを有し、前記複数のスロットの各々が前記マイクロ波導入機構配置領域の周方向に沿って円弧状に設けられ、前記複数のスロットが全体として作る形状が円状であるスロットアンテナ部と、前記マイクロ波導入機構配置領域に対応する位置に、前記複数のスロットを覆うように設けられ、前記複数のスロットから放射されたマイクロ波を透過する、誘電体からなる円環状のマイクロ波透過部材とを有することを特徴とするプラズマ処理装置を提供する。
【0015】
上記第1および第2の観点において、前記マイクロ波放射部材は、前記マイクロ波導入機構に対応する位置に、マイクロ波の波長を短くするための遅波材を有することが好ましい。
【0016】
前記マイクロ波放射部材は、前記スロットアンテナ部の内側部分に設けられ、前記チャンバ内にプラズマ処理に用いるガスをシャワー状に導入するシャワー構造部をさらに有する構成とすることができる。
【0017】
前記マイクロ波放射部材は円板状をなし、その上の前記チャンバ内の中央部分に対応する位置に配置されたマイクロ波導入機構をさらに有し、前記マイクロ波放射部材の中央から前記チャンバ内の中央部にも表面波プラズマが生成されるように構成することができる。前記複数のスロットの各々は、その一端部が前記マイクロ波導入機構の直下の領域に存在し、その他端部が前記マイクロ波導入機構の直下でない領域に存在してよい。
【0018】
上記第2の観点において、前記マイクロ波放射部材は、前記チャンバ内の周縁部に対応する環状をなし、前記プラズマ処理装置は、被処理基板を載置する載置台と、前記マイクロ波放射部材の内側部分に、前記チャンバ内にプラズマ処理に用いるガスをシャワー状に導入するシャワーヘッドと、前記シャワーヘッドと前記載置台との間に高周波電界を形成する高周波電界形成機構とをさらに具備し、前記高周波電界形成機構により、前記チャンバ内に容量結合プラズマが形成される構成とすることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、複数のマイクロ波導入機構を周方向に沿って配置し、マイクロ波導入機構配置領域にマイクロ波放射用の複数のスロットを設け、複数のスロットの各々がマイクロ波導入機構配置領域の周方向に沿って円弧状に設けられ、複数のスロットが全体として作る形状を円状とし、スロットから放射されたマイクロ波を透過する誘電体からなる円環状のマイクロ波透過部材を、マイクロ波導入機構配置領域に対応する位置に、スロットを覆うように設けたので、電界強度を分散させることができるとともに、表面波プラズマを広げることができる。このため、周方向に沿って均一なプラズマを形成することができる。また、このようにプラズマを広げることができるため、マイクロ波導入機構の必要本数を少なくすることができ、装置コストを低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態に係るプラズマ処理装置の概略構成を示す断面図である。
図2図1のプラズマ処理装置に用いられるマイクロ波プラズマ源におけるマイクロ波導入機構を模式的に示す平面図である。
図3図1のプラズマ処理装置に用いられるマイクロ波プラズマ源の構成を示すブロック図である。
図4図1のプラズマ処理装置のマイクロ波プラズマ源におけるマイクロ波透過板を示す断面図である。
図5】マイクロ波透過板の周縁部表面の概略を示す平面図である。
図6】マイクロ波透過板の周縁部における、スロットアンテナ部に設けられたスロットと、マイクロ波透過部材と、遅波材と、周縁部のマイクロ波導入機構との位置関係を模式的に示す図である。
図7】マイクロ波透過板の中央部に設けられたスロットの形状および配置の一例を示す平面図である。
図8】マイクロ波透過板の中央部を示す底面図である。
図9】マイクロ波導入機構を示す断面図である。
図10】マイクロ波導入機構の給電機構を示す図9のAA′線による横断面図である。
図11】マイクロ波導入機構のチューナにおけるスラグと滑り部材を示す図9のBB′線による横断面図である。
図12図6に示す形状のスロットを設けた場合の電磁シミュレーション結果を示す図である。
図13】本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置の概略構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0022】
<プラズマ処理装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るプラズマ処理装置の概略構成を示す断面図であり、図2図1のプラズマ処理装置に用いられるマイクロ波プラズマ源におけるマイクロ波導入機構を模式的に示す平面図、図3はそのマイクロ波プラズマ源の構成を示すブロック図である。
【0023】
プラズマ処理装置100は、ウエハに対してプラズマ処理として例えば成膜処理またはエッチング処理を施す装置として構成されており、気密に構成されたアルミニウムまたはステンレス鋼等の金属材料からなる略円筒状の接地されたチャンバ1と、チャンバ1内にマイクロ波プラズマを形成するためのマイクロ波プラズマ源2とを有している。チャンバ1の上部には開口部1aが形成されており、マイクロ波プラズマ源2はこの開口部1aからチャンバ1の内部に臨むように設けられている。
【0024】
また、プラズマ処理装置100は、マイクロプロセッサを備えた制御部3を有している。制御部3は、プラズマ処理装置100の各部を制御するようになっている。制御部3はプラズマ処理装置100のプロセスシーケンスおよび制御パラメータであるプロセスレシピを記憶した記憶部や、入力手段およびディスプレイ等を備えており、選択されたプロセスレシピに従って所定の制御を行うことが可能である。
【0025】
チャンバ1内には被処理体である半導体ウエハW(以下ウエハWと記述する)を水平に支持するためのサセプタ(載置台)11が、チャンバ1の底部中央に絶縁部材12aを介して立設された筒状の支持部材12により支持された状態で設けられている。サセプタ11および支持部材12を構成する材料としては、表面をアルマイト処理(陽極酸化処理)したアルミニウム等の金属や内部に高周波用の電極を有した絶縁性部材(セラミックス等)が例示される。
【0026】
また、図示はしていないが、サセプタ11には、ウエハWを静電吸着するための静電チャック、温度制御機構、ウエハWの裏面に熱伝達用のガスを供給するガス流路、およびウエハWを搬送するために昇降する昇降ピン等が設けられている。さらに、サセプタ11には、整合器13を介して高周波バイアス電源14が電気的に接続されている。この高周波バイアス電源14からサセプタ11に高周波電力が供給されることにより、ウエハW側にプラズマ中のイオンが引き込まれる。なお、高周波バイアス電源14はプラズマ処理の特性によっては設けなくてもよい。この場合は、サセプタ11としてAlNのようなセラミックス等からなる絶縁性部材を用いることができる。
【0027】
チャンバ1の底部には排気管15が接続されており、この排気管15には真空ポンプを含む排気装置16が接続されている。そしてこの排気装置16を作動させることによりチャンバ1内が排気され、チャンバ1内を所定の真空度まで高速に減圧することが可能となっている。また、チャンバ1の側壁には、ウエハWの搬入出を行うための搬入出口17と、この搬入出口17を開閉するゲートバルブ18とが設けられている。
【0028】
マイクロ波プラズマ源2は、複数経路に分配してマイクロ波を出力するマイクロ波出力部30と、マイクロ波出力部30から出力されたマイクロ波を伝送しチャンバ1内に導くためのマイクロ波供給部40と、チャンバ1の上部に設けられた支持リング29に気密にシールされた状態で設けられ、マイクロ波供給部40から供給されたマイクロ波をチャンバ1内に放射するための円板状をなすマイクロ波放射板50(マイクロ波放射部材)とを有する。マイクロ波放射板50は、マイクロ波放射用のスロットアンテナ部およびガス導入用のシャワーヘッド部を有する。マイクロ波放射板50は、チャンバ1の天壁を構成し、チャンバ1内の周縁部分に対応する円環状をなす周縁部50aと、チャンバ1内の中央部分に対応する円柱状をなす中央部50bとを有しており、これらは分離可能にねじ固定される。
【0029】
マイクロ波供給部40は、複数のアンプ部42と、アンプ部42に対応して設けられた複数のマイクロ波導入機構43とを有する。図2にも示すように、マイクロ波導入機構43は、マイクロ波放射板50の周縁部50aの上に周方向に沿って等間隔に4つ、中央部50bの上に一つ設けられている。なお、マイクロ波供給部40およびマイクロ波放射板50の詳細については後述する。
【0030】
また、マイクロ波プラズマ源2は、プラズマを生成するためのプラズマ生成ガスや、成膜処理やエッチング処理を行うための処理ガスを供給するガス供給源110を有している。プラズマ生成ガスとしては、Arガス等の希ガスを好適に用いることができる。また、処理ガスとしては、成膜処理やエッチング処理等、処理の内容に応じて種々のものを採用することができる。
【0031】
図3に示すように、マイクロ波出力部30は、マイクロ波電源31と、マイクロ波発振器32と、発振されたマイクロ波を増幅するアンプ33と、増幅されたマイクロ波を複数に分配する分配器34とを有している。
【0032】
マイクロ波発振器32は、所定周波数(例えば、915MHz)のマイクロ波を例えばPLL発振させる。分配器34では、マイクロ波の損失ができるだけ起こらないように、入力側と出力側のインピーダンス整合を取りながらアンプ33で増幅されたマイクロ波を分配する。なお、マイクロ波の周波数としては、915MHzの他に、700MHzから3GHzを用いることができる。
【0033】
マイクロ波供給部40のアンプ部42は、分配器34にて分配されたマイクロ波をマイクロ波導入機構43に導く。アンプ部42は、位相器46と、可変ゲインアンプ47と、ソリッドステートアンプを構成するメインアンプ48と、アイソレータ49とを有している。
【0034】
位相器46は、マイクロ波の位相を変化させることができるように構成されており、これを調整することにより放射特性を変調させることができる。例えば、各アンテナモジュール毎に位相を調整することにより指向性を制御してプラズマ分布を変化させることができる。また、隣り合うアンテナモジュールにおいて90°ずつ位相をずらすようにして円偏波を得ることができる。また、位相器46は、アンプ内の部品間の遅延特性を調整し、チューナ内での空間合成を目的として使用することができる。ただし、このような放射特性の変調やアンプ内の部品間の遅延特性の調整が不要な場合には位相器46は設ける必要はない。
【0035】
可変ゲインアンプ47は、メインアンプ48へ入力するマイクロ波の電力レベルを調整し、プラズマ強度調整するためのアンプである。可変ゲインアンプ47を各アンテナモジュール毎に変化させることによって、発生するプラズマに分布を生じさせることもできる。
【0036】
ソリッドステートアンプを構成するメインアンプ48は、例えば、入力整合回路と、半導体増幅素子と、出力整合回路と、高Q共振回路とを有する構成とすることができる。
【0037】
アイソレータ49は、後述するスロットアンテナで反射してメインアンプ48に向かう反射マイクロ波を分離するものであり、サーキュレータとダミーロード(同軸終端器)とを有している。サーキュレータは、反射したマイクロ波をダミーロードへ導き、ダミーロードはサーキュレータによって導かれた反射マイクロ波を熱に変換する。
【0038】
マイクロ波導入機構43は、後述するように、アンプ部42から出力されたマイクロ波を伝送する機能およびインピーダンス整合機能を有しており、マイクロ波をマイクロ波放射板50の後述するスロットアンテナ部に導く。
【0039】
マイクロ波放射板50は、後述するように、上述した複数のマイクロ波導入機構43から導かれるマイクロ波をスロットアンテナ部からチャンバ1内に放射するとともに、ガス供給源110からガス供給配管111を通って供給されたプラズマ生成ガスや処理ガスをシャワーヘッド部からチャンバ1内に導く。これにより、チャンバ1内に表面波プラズマを生成する。
【0040】
次に、マイクロ波放射板50についてより詳細に説明する。
図4は、マイクロ波放射板50を示す断面図である。マイクロ波放射板50は、上述したように、チャンバ1内の周縁部分に対応する周縁部50aと、チャンバ内の中央部分に対応する中央部50bとを有している。そして、周縁部50aはウエハWの周縁領域に対応し、中央部50bはウエハの中央領域に対応する。
【0041】
周縁部50aは全体形状が円環状をなし、金属で構成された本体部120を有し、本体部120の上面には、4つのマイクロ波導入機構43に対応する位置にそれぞれ遅波材121が嵌め込まれている。また、本体部120の下面には、周縁部の4つのマイクロ波導入機構43の配置領域に沿って設けられた円周状をなすマイクロ波透過部材122が嵌め込まれている。さらに、本体部120の遅波材121とマイクロ波透過部材122との間は、周縁部の4つのマイクロ波導入機構43の配置領域に沿って形成された複数のスロット123を有するスロットアンテナ部124となっている。さらにまた、本体部120のスロットアンテナ部124の内側部分は、チャンバ1内にプラズマ生成ガスや処理ガスをシャワー状に導入するシャワーヘッド部(シャワー構造部)125となっている。シャワーヘッド部125は、本体部120のスロット部124より内側部分に円環状に形成されたガス拡散空間126と、ガス拡散空間126から本体部120の下面に至る多数のガス吐出孔127と、本体部120の上面からガス拡散空間126に至るガス導入孔128とを有している。ガス導入孔128には、ガス供給源110からガスを供給するガス供給配管111が接続されている。
【0042】
本体部120を構成する金属としては、アルミニウムや銅のような熱伝導率の高い金属が好ましい。
【0043】
遅波材121は、真空よりも大きい誘電率を有しており、例えば、石英、セラミックス、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂やポリイミド系樹脂により構成されており、真空中ではマイクロ波の波長が長くなることから、マイクロ波の波長を短くしてアンテナを小さくする機能を有している。マイクロ波透過部材122は、マイクロ波を透過する材料である誘電体材料で構成されており、例えば、石英、セラミックス、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂やポリイミド系樹脂により構成されている。
【0044】
スロットアンテナ部124のスロット123は、マイクロ波導入機構43から導入されたマイクロ波をチャンバ1内に放射する。スロット123内には誘電体が充填されていてもよい。スロット123に誘電体を充填することにより、マイクロ波の実効波長が短くなり、スロットの厚さを薄くすることができる。スロット123に充填する誘電体としては、例えば、石英、セラミックス、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂やポリイミド系樹脂を用いることができる。
【0045】
図5は、周縁部50a表面の概略を示す平面図である。この図に示すように、遅波材121は、周縁部50aの表面に、同心をなす円周上に円弧状に4つ分離して設けられており、各遅波材121の中央部にマイクロ波導入機構43が設けられている。
【0046】
また、図6は、周縁部50aにおける、スロットアンテナ部124に設けられたスロット123と、マイクロ波透過部材122と、遅波材121と、周縁部のマイクロ波導入機構43との位置関係を模式的に示す図である。この図に示すように、複数のスロット123は、周縁部のマイクロ波導入機構43が配置された円周領域に全体形状が円周状になるように設けられており、マイクロ波透過部材122は、スロット123の配置領域を覆うように設けられている。また、遅波材121もスロット123の配置領域に沿って設けられている。
【0047】
スロット123は、図4に示すように、本体部120の遅波材121に接する上面位置からマイクロ波透過部材122に接する下面位置まで貫通して設けられており、周縁部50aの4本のマイクロ波導入機構43から供給されたマイクロ波の放射特性を決定する。本体部120とマイクロ波透過部材122との間のスロット123の周囲部分は、シールリング(図示せず)によりシールされており、マイクロ波透過部材122がスロット123を密閉して、真空シールとして機能する。スロット123は、電界が分散されるように、マイクロ波導入機構43の配置領域に周方向に沿って、全体形状が円周状をなすように設けられている。本例では、図6に示すように、スロット123は、それぞれのマイクロ波導入機構43に対して2つずつ合計8個が、全体形状が円周状になるように配置されている。一つのマイクロ波導入機構43に対応する2つのスロット123は、全体としてマイクロ波放射板50の中心から約90°をなす円弧状をなしており、一方のスロットの端部と他方のスロットの端部とがマイクロ波導入機構43の直下領域で内外に重なっており、これらスロットは、マイクロ波導入機構43の直下領域からそれぞれ周方向の反対側に延びている。これにより、電界を周方向に適切に分散させることができる。
【0048】
一つのスロット123の円周方向の長さは、λg/2が好ましい。ただし、λgはマイクロ波の実効波長であり、δは円周方向(角度方向)に電界強度の均一性が高くなるように微調整する微調整成分(0を含む)である。λgは、λg=λ/ε1/2と表すことができる。ここで、εはスロットに充填される誘電体の誘電率であり、λは真空中のマイクロ波の波長である。また、一つのマイクロ波導入機構43に対応する2つのスロット123については、2つのスロット123が重なっている領域の長さL1と、その一方側の重ならない領域の長さL2と、他方側の重ならない領域の長さL3とがほぼ同じ長さとなっていることが好ましい。ただし、スロット123は、円周方向に沿って設けられ、均一なマイクロ波放射が可能であれば、図6の形状に限定されない。
【0049】
中央部50bは、図4に示すように全体形状が円柱状をなし、金属で構成された本体部130を有し、本体部130の上面の中央には、マイクロ波導入機構43に対応するように円形をなす遅波材131が嵌め込まれている。また、本体部130の下面にはマイクロ波透過部材132が嵌め込まれている。さらに、本体部130の遅波材131とマイクロ波透過部材132との間は、スロット133を有するスロットアンテナ部134となっている。さらにまた、本体部130内には、シャワーヘッドを構成するための円板状をなすガス拡散空間135が設けられており、本体部130のガス拡散空間135の下の部分には、ガス拡散空間135から本体部130の下面に臨むように多数のガス吐出孔136が形成されている。本体部130の上面には、ガス拡散空間135に至るガス導入孔137が形成されており、ガス導入孔137には、ガス供給源110からガスを供給するガス供給配管111が接続されている。ガス拡散空間135の内部には、スロット133とガス拡散空間135に供給されたガスが干渉しないように、スロット133の外形に沿ってスロット133を囲繞する囲繞部材138が設けられている。
【0050】
本体部130を構成する金属としては、アルミニウムや銅のような熱伝導率の高い金属が好ましい。
【0051】
遅波材131は、真空よりも大きい誘電率を有しており、例えば、石英、セラミックス、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂やポリイミド系樹脂により構成されており、真空中ではマイクロ波の波長が長くなることから、マイクロ波の波長を短くしてアンテナを小さくする機能を有している。マイクロ波透過部材132は、マイクロ波を透過する材料である誘電体材料で構成されており、例えば、石英、セラミックス、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂やポリイミド系樹脂により構成されている。
【0052】
スロットアンテナ部134は、マイクロ波導入機構43から伝送されたマイクロ波をチャンバ1内に放射する放射アンテナとして機能し、マイクロ波はスロット133を介して放射される。スロット133内には誘電体が充填されていてもよい。スロット133に誘電体を充填することにより、マイクロ波の実効波長が短くなり、スロットの厚さを薄くすることができる。スロット133に充填する誘電体としては、例えば、石英、セラミックス、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂やポリイミド系樹脂を用いることができる。
【0053】
スロット133の形状は、中央部50bに対応するマイクロ波導入機構43からのマイクロ波の放射特性を決定するものであり、例えば、図7に示すようになっている。具体的には、4個のスロット133が、全体形状が円周状になるように均等に形成されている。これらスロット133は全て同じ形状であり、円周に沿って細長い形状に形成されている。これらスロット133は、スロットアンテナ部134のマイクロ波放射面におけるマイクロ波導入機構43の中心軸に対応する点に対して対称に配置されている。
【0054】
一つのスロット133の円周方向の長さは(λg/2)−δであり、スロット133の中心位置にマイクロ波電界強度のピークがくるように設計されている。ただし、λgはマイクロ波の実効波長であり、δは円周方向(角度方向)に電界強度の均一性が高くなるように微調整する微調整成分(0を含む)である。なお、スロット133の長さは約λg/2に限らず、λg/2の整数倍から微調整成分(0を含む)を引いたものであればよい。
【0055】
4個のスロット133のうち隣接するもの同士の継ぎ目部分は、一方のスロット133の端部と他方のスロット133の端部とが径方向に所定間隔をおいて内外で重なるように構成されている。これにより、周方向にスロットが存在しない部分がないようにされ周方向の放射特性が均一になるように設計されている。一つのスロット133は、他のスロット133と重なっていない中央部があり、その両側の端部が他の部分と重なっているが、一方の端部は隣接するスロットの端部の内周側に位置し、他方の端部は隣接するスロットの端部の外周側に位置するようになっている。各端部および中央部は、略同じ長さを有していることが好ましい。また、スロット133は、その内周が、中央部50bの下面の中心点から(λg/4)±δ′(ただし、δ′は径方向の電界強度分布を均一にするために微調整する微調整成分(0を含む)である。)の位置またはλg/4の整数倍に同様の微調整成分を加えたもの、になるように形成されることが好ましい。
【0056】
このようなスロットアンテナ部134は、マイクロ波導入機構43において、電界強度が低いスロットの端部を重ねて配置することにより、その部分の電界強度を高くすることができ、結果的に、周方向(角度方向)の電界強度分布を均一にすることができる。
【0057】
なお、中央部50bのマイクロ波導入機構43に対応するスロットの数は4個に限らず、3個であっても5個以上であっても同様の効果を得ることができる。また、スロット形状は図7のものに限らず、例えば複数の円弧状のスロットが円周上に均等に形成されたもの等、他のものであってもよい。
【0058】
図8に示すように、マイクロ波透過部材132は、本体部130の下面側に、スロット133が形成されたスロット形成領域を包含する(覆う)ように環状に設けられている。本体部130とマイクロ波透過部材132との間のスロット133の周囲部分は、シールリング(図示せず)によりシールされている。マイクロ波透過部材132は、スロット133を密閉するようになっており、真空シールとして機能する。
【0059】
なお、図8ではマイクロ波透過部材132は円環状に設けられているが、三角環状、四角環状等の多角環状であってもよい。
【0060】
次に、図9〜11を参照して、マイクロ波導入機構43について詳細に説明する。図9はマイクロ波導入機構43を示す断面図、図10はマイクロ波導入機構43の給電機構を示す図9のAA′線による横断面図、図11はマイクロ波導入機構43のチューナ60におけるスラグと滑り部材を示す図9のBB′線による横断面図である。
【0061】
図9に示すように、マイクロ波導入機構43は、マイクロ波を伝送する同軸構造のマイクロ波伝送路(導波路)44と、マイクロ波伝送路44に設けられたチューナ60とを有している。そして、マイクロ波導入機構43の導波路44を経て、各マイクロ波導入機構43に対応してスロットアンテナ部124または134に設けられたスロット(後述)からチャンバ1内にマイクロ波が放射され、そのマイクロ波によりチャンバ1内で表面波プラズマを形成するようになっている。
【0062】
マイクロ波伝送路44は、筒状の外側導体52およびその中心に設けられた棒状の内側導体53が同軸状に配置されて構成されており、マイクロ波伝送路44の先端がマイクロ波放射板50に接続されている。
【0063】
マイクロ波伝送路44においては、内側導体53に給電され、外側導体52が接地されている。外側導体52および内側導体53の上端には反射板58が設けられている。
【0064】
マイクロ波伝送路44の基端側にはマイクロ波(電磁波)を給電する給電機構54が設けられている。給電機構54は、マイクロ波伝送路44(外側導体52)の側面に設けられたマイクロ波電力を導入するためのマイクロ波電力導入ポート55を有している。マイクロ波電力導入ポート55には、アンプ部42から増幅されたマイクロ波を供給するための給電線として、内側導体56aおよび外側導体56bからなる同軸線路56が接続されている。そして、同軸線路56の内側導体56aの先端には、外側導体52の内部に向けて水平に伸びる給電アンテナ90が接続されている。
【0065】
給電アンテナ90は、例えば、アルミニウム等の金属板を削り出し加工した後、テフロン(登録商標)等の誘電体部材の型にはめて形成される。反射板58から給電アンテナ90までの間には、反射波の実効波長を短くするためのテフロン(登録商標)等の誘電体からなる遅波材59が設けられている。なお、2.45GHz等の周波数の高いマイクロ波を用いた場合には、遅波材59は設けなくてもよい。このとき、給電アンテナ90から反射板58までの距離を最適化し、給電アンテナ90から放射される電磁波を反射板58で反射させることで、最大の電磁波を同軸構造のマイクロ波伝送路44内に伝送させる。
【0066】
給電アンテナ90は、図10に示すように、マイクロ波電力導入ポート55において同軸線路56の内側導体56aに接続され、電磁波が供給される第1の極92および供給された電磁波を放射する第2の極93を有するアンテナ体91と、アンテナ体91の両側から、内側導体53の外側に沿って延び、リング状をなす反射部94とを有し、アンテナ体91に入射された電磁波と反射部94で反射された電磁波とで定在波を形成するように構成されている。アンテナ体91の第2の極93は内側導体53に接触している。
【0067】
給電アンテナ90がマイクロ波(電磁波)を放射することにより、外側導体52と内側導体53との間の空間にマイクロ波電力が給電される。そして、給電機構54に供給されたマイクロ波電力がマイクロ波放射板50に向かって伝播する。
【0068】
チューナ60は、チャンバ1内の負荷(プラズマ)のインピーダンスをマイクロ波出力部30におけるマイクロ波電源の特性インピーダンスに整合させるものであり、外側導体52と内側導体53との間のマイクロ波伝送路44を上下に移動する2つのスラグ61a,61bと、反射板58の外側(上側)に設けられたスラグ駆動部70とを有している。
【0069】
これらスラグのうち、スラグ61aはスラグ駆動部70側に設けられ、スラグ61bはスロットアンテナ部124または134側に設けられている。また、内側導体53の内部空間には、その長手方向に沿って例えば台形ネジが形成された螺棒からなるスラグ移動用の2本のスラグ移動軸64a,64bが設けられている。
【0070】
図11に示すように、スラグ61aは、誘電体からなる円環状をなし、その内側に滑り性を有する樹脂からなる滑り部材63が嵌め込まれている。滑り部材63にはスラグ移動軸64aが螺合するねじ穴65aとスラグ移動軸64bが挿通される通し穴65bが設けられている。一方、スラグ61bは、スラグ61aと同様、ねじ穴65aと通し穴65bとを有しているが、スラグ61aとは逆に、ねじ穴65aはスラグ移動軸64bに螺合され、通し穴65bにはスラグ移動軸64aが挿通されるようになっている。これによりスラグ移動軸64aを回転させることによりスラグ61aが昇降移動し、スラグ移動軸64bを回転させることによりスラグ61bが昇降移動する。すなわち、スラグ移動軸64a,64bと滑り部材63とからなるねじ機構によりスラグ61a,61bが昇降移動される。
【0071】
内側導体53には長手方向に沿って等間隔に3つのスリット53aが形成されている。一方、滑り部材63は、これらスリット53aに対応するように3つの突出部63aが等間隔に設けられている。そして、これら突出部63aがスラグ61a,61bの内周に当接した状態で滑り部材63がスラグ61a,61bの内部に嵌め込まれる。滑り部材63の外周面は、内側導体53の内周面と遊びなく接触するようになっており、スラグ移動軸64a,64bが回転されることにより、滑り部材63が内側導体53を滑って昇降するようになっている。すなわち内側導体53の内周面がスラグ61a,61bの滑りガイドとして機能する。
【0072】
上記スラグ移動軸64a,64bは、反射板58を貫通してスラグ駆動部70に延びている。スラグ移動軸64a,64bと反射板58との間にはベアリング(図示せず)が設けられている。
【0073】
スラグ駆動部70は筐体71を有し、スラグ移動軸64aおよび64bは筐体71内に延びており、スラグ移動軸64aおよび64bの上端には、それぞれ歯車72aおよび72bが取り付けられている。また、スラグ駆動部70には、スラグ移動軸64aを回転させるモータ73aと、スラグ移動軸64bを回転させるモータ73bが設けられている。モータ73aの軸には歯車74aが取り付けられ、モータ73bの軸には歯車74bが取り付けられており、歯車74aが歯車72aに噛合し、歯車74bが歯車72bに噛合するようになっている。したがって、モータ73aにより歯車74aおよび72aを介してスラグ移動軸64aが回転され、モータ73bにより歯車74bおよび72bを介してスラグ移動軸64bが回転される。なお、モータ73a,73bは例えばステッピングモータである。
【0074】
なお、スラグ移動軸64bはスラグ移動軸64aよりも長く、より上方に達しており、したがって、歯車72aおよび72bの位置が上下にオフセットしており、モータ73aおよび73bも上下にオフセットしているので、モータおよび歯車等の動力伝達機構のスペースが小さく、筐体71が外側導体52と同じ径となっている。
【0075】
モータ73aおよび73bの上には、これらの出力軸に直結するように、それぞれスラグ61aおよび61bの位置を検出するためのインクリメント型のエンコーダ75aおよび75bが設けられている。
【0076】
スラグ61aおよび61bの位置は、スラグコントローラ68により制御される。具体的には、図示しないインピーダンス検出器により検出された入力端のインピーダンス値と、エンコーダ75aおよび75bにより検知されたスラグ61aおよび61bの位置情報に基づいて、スラグコントローラ68がモータ73aおよび73bに制御信号を送り、スラグ61aおよび61bの位置を制御することにより、インピーダンスを調整するようになっている。スラグコントローラ68は、終端が例えば50Ωになるようにインピーダンス整合を実行させる。2つのスラグのうち一方のみを動かすと、スミスチャートの原点を通る軌跡を描き、両方同時に動かすと位相のみが回転する。
【0077】
マイクロ波伝送路44の先端部には、インピーダンス調整部材140が設けられている。インピーダンス調整部材140は、誘電体で構成することができ、その誘電率によりマイクロ波伝送路44のインピーダンスを調整するようになっている。マイクロ波伝送路44の先端には円柱部材82が設けられており、この円柱部材82が、前述した遅波材121または遅波材131を貫通し、周縁部50aの本体部120または中央部50bの本体部130に接続されている。遅波材121または遅波材131は、その厚さによりマイクロ波の位相を調整することができ、本体部120または本体部130の表面(マイクロ波放射面)が定在波の「はら」になるようにその厚さを調整する。これにより、反射が最小で、マイクロ波の放射エネルギーが最大となるようにすることができる。
【0078】
本実施形態において、メインアンプ48と、チューナ60と、マイクロ波放射板50のスロットアンテナ部124または134とは近接配置している。そして、チューナ60とスロットアンテナ部124または134とは1/2波長内に存在する集中定数回路を構成しており、かつスロットアンテナ部124(134)、遅波材121(131)は合成抵抗が50Ωに設定されているので、チューナ60はプラズマ負荷に対して直接チューニングしていることになり、効率良くプラズマへエネルギーを伝達することができる。
【0079】
<プラズマ処理装置の動作>
次に、以上のように構成されるプラズマ処理装置100における動作について説明する。
【0080】
まず、ウエハWをチャンバ1内に搬入し、サセプタ11上に載置する。そして、ガス供給源110からガス供給配管111を介してプラズマ生成ガス、例えばArガスをマイクロ波放射板50からチャンバ1内へ吐出しつつ、マイクロ波プラズマ源2のマイクロ波出力部30から、マイクロ波供給部40の複数のアンプ部42および複数のマイクロ波導入機構43を伝送されてきたマイクロ波をマイクロ波放射板50を介してチャンバ1内に放射させ、マイクロ波放射板50の表面に表面波プラズマを生成する。また、同じくガス供給源110からガス供給配管111を介して処理ガスをマイクロ波放射板50を介してチャンバ1内に供給する。処理ガスは表面波プラズマにより励起されてプラズマ化し、生成された処理ガスのプラズマによりウエハWにプラズマ処理、例えば成膜処理やエッチング処理が施される。
【0081】
具体的には、マイクロ波放射板50の周縁部50aでは、ガス供給源110からガス供給配管111を介してプラズマ生成ガスおよび処理ガスがシャワーヘッド部125に供給され、シャワーヘッド部125ではプラズマガスおよび処理ガスがガス導入孔128を経てガス拡散空間126で拡散され、ガス吐出孔127から吐出される。一方、周縁部50aに設けられた4本のマイクロ波導入機構43へは、マイクロ波出力部30のマイクロ波発振器32から発振され、アンプ33で増幅された後、分配器34により複数に分配され、アンプ部42を経たマイクロ波電力が給電される。これら4つのマイクロ波導入機構43に給電されたマイクロ波電力は、マイクロ波伝送路44を伝送され、マイクロ波放射板50の周縁部50aに導入される。マイクロ波導入機構43から導入されたマイクロ波は、遅波材121を透過し、スロットアンテナ部124のスロット123およびマイクロ波透過部材122を介してチャンバ1内に放射され、マイクロ波透過部材122および本体部120の下表面に表面波が形成され、この表面波によりチャンバ1内の周縁部50aの直下部分に表面波プラズマが生成される。
【0082】
このように、マイクロ波放射板50の周縁部50aでは、周方向に沿って4つのマイクロ波導入機構43が設けられ、これら4つのマイクロ波導入機構43から導入されたマイクロ波が、マイクロ波導入機構43の配置領域に周方向に沿って設けられたスロット123から放射されるので、電界強度を分散させることができる。しかも、マイクロ波透過部材122が、マイクロ波導入機構43の配置領域に周方向に沿ってスロット123を覆うように円周状に設けられているので、マイクロ波透過部材122の下表面で表面波を広げることができる。このため、ウエハWの周縁部に対応する位置において表面波プラズマを広げることができ、周方向に沿って均一なプラズマを形成することができる。また、このようにプラズマを広げることができるため、マイクロ波導入機構43の必要本数を少なくすることができ、装置コストを低減することが可能となる。
【0083】
特に、本実施形態では、スロット123は、各マイクロ波導入機構43に対応して2つずつ設けられており、一つのマイクロ波導入機構43に対応する2つのスロット123が、一方のスロットの端部と他方のスロットの端部とがマイクロ波導入機構43の直下領域で内外に重なっており、これらスロットは、マイクロ波導入機構43の直下領域からそれぞれ周方向の反対側に延びている形態とすることにより、マイクロ波導入機構43付近のみに電界が強い部分が集中することが防止され、電界強度を周方向に適切に分散させることができる。また一つのマイクロ波導入機構43から他のマイクロ波導入機構43へマイクロ波が侵入する不都合も生じない。
【0084】
図12は、図6に示す形状のスロットを設けた場合の電磁シミュレーション結果を示すものであるが、電界強度の強い部分がマイクロ波導入機構の直下だけではなく、分散していることがわかる。
【0085】
さらに、マイクロ波透過部材122が周縁部50aに配置された4つのマイクロ波導入機構43に沿って円周状をなすように設けられているので、シャワーヘッド部125をその内側部分の広い範囲にわたって設けることができる。このため、放射するマイクロ波と位置的に干渉することなく、ウエハWに対して均一にプラズマガスや処理ガスを導入することができる。また、このようにガスをチャンバ1の天井部から導入することにより、ガスの流れ方向をマイクロ波の放射方向と一致させることができ、ガスを効率的にプラズマ化することができる。
【0086】
一方、マイクロ波放射板50の中央部50bでは、ガス供給源110からガス供給配管111およびガス導入孔137を介してガス拡散空間135に至り、そこで拡散され、ガス吐出孔136から吐出される。一方、中央部50bに設けられたマイクロ波導入機構43へは、周縁部50aのマイクロ波導入機構43と同様にマイクロ波電力が給電され、このマイクロ波導入機構43からマイクロ波放射板50の中央部50bにマイクロ波が導入される。マイクロ波導入機構43から導入されたマイクロ波は、遅波材131を透過し、スロットアンテナ部134のスロット133およびマイクロ波透過部材132を介してチャンバ1内に放射され、チャンバ1内の中央部50bの直下部分に表面波プラズマが生成される。
【0087】
中央部50bにおいても、ガスの流れ方向をマイクロ波の放射方向と一致させることができ、ガスを効率的にプラズマ化することができる。また、ガス拡散空間135やガス吐出孔136が、マイクロ波を透過するスロット133と分離されているため、ガスがこれらを通過する際にプラズマ化する不都合は生じない。また、マイクロ波透過部材132がスロット形成領域を包含するように設けられているので中央部50bの直下領域でもプラズマを均一化することができる。
【0088】
<他の実施形態>
上記実施形態では、マイクロ波放射板50の中央部にマイクロ波導入機構43を設けて、チャンバ1内のウエハWの中央領域に対応する部分にも表面波プラズマを生成させたが、本発明の主眼は周縁部に均一なプラズマを生成することにあり、中央部の構成は上記実施形態に限定されない。本発明の他の実施形態では中央部に容量結合プラズマを形成する構成を有する。図13は、本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置の概略構成を示す断面図である。
【0089】
図13に示すように、本実施形態のプラズマ装置100′は、マイクロ波供給部40において、マイクロ波放射機構43を周縁部の4つのみとし、図1のマイクロ波放射板50の代わりに、マイクロ波放射機構43が配置された領域を含む環状のマイクロ波放射板50′を設け、その内側の中央部分に、絶縁部材151を介してウエハWとほぼ同等の大きさを有する導電性をなすシャワーヘッド150を設けている。シャワーヘッド150は、円板状に形成されたガス拡散空間152と、ガス拡散空間152からチャンバ1内に臨むように形成された多数のガス吐出孔153と、ガス供給配管111からのガスをガス拡散空間152に導入するためのガス導入孔154とを有している。シャワーヘッド150には、整合器155を介してプラズマ生成用の高周波電源156が電気的に接続されている。サセプタ11は導電性部分を有しており、シャワーヘッド150の対向電極として機能する。この高周波電源156からシャワーヘッド150に高周波電力が供給されることにより、シャワーヘッド150とサセプタ11の間に高周波電界が形成され、ウエハWの直上の空間に容量結合プラズマが形成される。この中央部分の構成は、ウエハに対してプラズマエッチングを行うプラズマエッチング装置と同様であり、このような構成のプラズマ処理装置100′は、例えばウエハの周縁のプラズマ密度調整をマイクロ波を用いた表面波プラズマで行うプラズマエッチング装置として用いることができる。なお、図13において、図1と同じものには同じ符号を付して説明を省略する。
【0090】
<他の適用>
以上、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記2つの実施形態に限定されることなく、本発明の思想の範囲内において種々変形可能である。例えば、本発明の主眼は周縁部に均一なプラズマを生成することにあり、中央部の構成は上記2つの実施形態に限定されず、要求されるプラズマ分布によって種々の構成をとることができる。中央部にプラズマを生成する機構を設けないことも可能である。
【0091】
また、上記実施形態では、マイクロ波放射板50の周縁部50aの上に周方向に沿って4つのマイクロ波導入機構43を設けた例を示したが、周縁部のマイクロ波導入機構43の数は4つに限らず、2つ以上であればよく、その数は本発明の効果が得られるように適宜設定される。
【0092】
さらに、マイクロ波出力部30やマイクロ波供給部40の構成等は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、スロットアンテナ部から放射されるマイクロ波の指向性制御を行ったり円偏波にしたりする必要がない場合には、位相器は不要である。また、遅波材は必須ではない。
【0093】
さらにまた、上記実施形態においては、プラズマ処理装置として成膜装置およびエッチング装置を例示したが、これに限らず、酸化処理および窒化処理を含む酸窒化膜形成処理、アッシング処理等の他のプラズマ処理にも用いることができる。さらに、被処理体は半導体ウエハWに限定されず、LCD(液晶ディスプレイ)用基板に代表されるFPD(フラットパネルディスプレイ)基板や、セラミックス基板等の他の基板であってもよい。
【符号の説明】
【0094】
1;チャンバ
2;マイクロ波プラズマ源
3;制御部
11;サセプタ
12;支持部材
15;排気管
16;排気装置
17;搬入出口
30;マイクロ波出力部
31;マイクロ波電源
32;マイクロ波発振器
40;マイクロ波供給部
42;アンプ部
43;マイクロ波導入機構
44;導波路
50;マイクロ波放射板
50a;周縁部
50b;中央部
52;外側導体
53;内側導体
54;給電機構
55;マイクロ波電力導入ポート
60;チューナ
100;プラズマ処理装置
110;ガス供給源
111;ガス配管
120,130;本体部
121;遅波材
122;マイクロ波透過部材
123;スロット
124;スロットアンテナ部
125;シャワーヘッド部
W;半導体ウエハ
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