(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
具材とその表面を覆う衣とを有する調理済み天ぷらに、粘度が品温30〜45℃で40〜130Pa・s、品温70〜90℃で20Pa・s以下である調味料を付着させた後、冷凍する工程を有する、調味料付き冷凍天ぷらの製造方法。
【背景技術】
【0002】
天ぷらは、野菜、魚介類等の具材に衣原料を付着させたものを油ちょうした食品であり、油ちょう直後に食するのが、本来の美味しい食べ方である。しかし、近年のライフスタイルの変化等により、家庭では油ちょう調理が敬遠される傾向にあり、また、業務上においても、作業の手軽さや効率の面から、油ちょうまでの調理が施されている油ちょう済みの食品が多用される傾向にある。こうした需要を背景に、近年種々の冷凍食品が普及し、天ぷらも冷凍食品化が要望されるようになった。
【0003】
天ぷらのような、つゆやたれ等の常温下で液状の調味料(調味液)を付着させて食するフライ食品を冷凍食品化する場合は、油ちょう済みのフライ食品に調味液を付着させずに冷凍して得られた冷凍フライ食品本体と、袋などの容器に封入された調味液とに分けられることが多い。しかし、斯かる形態の冷凍フライ食品を喫食する際には、冷凍フライ食品本体を解凍し、その解凍済みのフライ食品本体に別添の調味液を付着させる作業が必要であり、しかも、調味液が封入されていた容器がゴミとして残るため、喫食のための準備に手間を要するという課題があった。
【0004】
そこで、油ちょう済みのフライ食品に調味液を付着後に冷凍して得られる、調味液付き冷凍フライ食品が提案されている。特許文献1には、パン粉不使用の衣を有し、調味液として、乳化剤を含む低粘度の調味液を用いた調味液付き冷凍フライ食品が記載されている。特許文献1記載技術は、調味液付き冷凍フライ食品の製造に際し、天ぷらのような、パン粉不使用の衣を有する油ちょう済みのフライ食品に、通常のつゆ・たれの如き低粘度の調味液を付着させた場合に、その調味液が流れ落ち易くて調味液の歩留まりが少ないことに鑑みてなされたものである。特許文献1には、調味液中に油中水型の乳化剤を3〜10重量%含有させることは記載されているが、低粘度とされる調味液の具体的な粘度範囲については記載されていない。特許文献1記載技術によれば、天ぷらのような、調味液を保持させにくい構成のフライ食品であっても、フライ食品に対する調味液の付着量を多くすることができ、十分に味付けされた冷凍フライ食品が得られるとされている。
【0005】
また、調味液の一種であるつゆに関し、特許文献2には、ゼラチンとローカストビーンガム等の増粘多糖類とを特定の割合で含有させた麺つゆが記載されている。この麺つゆは、常温では液体であるが、家庭用冷蔵庫の冷却温度である約10℃の温度で3時間以内という実用的な冷却条件でゲル化し、麺とからみやすく、口溶けの良い麺つゆとなるとされている。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の調味料付き冷凍天ぷらは、種物、中種などとも呼ばれる具材と、該具材の表面を覆う衣とを有する調理(油ちょう)済み天ぷらに、高温下(70〜90℃)で流動性を有し、低温下(30〜45℃)で著しく流動性が低下する調味料を付着させた後、冷凍して得られるものであり、具材及び衣の何れも冷凍状態の固体となっているので、これを喫食する際には解凍が必要である。解凍方法は特に限定されず、常温帯若しくはチルド温度帯での自然解凍でも良く、又は、オーブンや電子レンジ等を用いた加熱解凍でも良い。
【0012】
本発明の調味料付き冷凍天ぷらの主たる特徴の1つとして、冷凍前の調味料の粘度が、品温30〜45℃で40〜130Pa・s、品温70〜90℃で20Pa・s以下である点が挙げられる。つまり、本発明に係る調味料は、該調味料の温度(品温)30〜45℃の範囲の全てにおいて、粘度が40〜130Pa・sの範囲にあることを要し、品温30〜45℃の範囲の一部においてのみ粘度が40〜130Pa・sの範囲にあるような調味料は、本発明に含まれない。品温70〜90℃における調味料の粘度についても同様である。
【0013】
このように、冷凍前の調味料の粘度が2種類の特定温度帯において特定範囲にあることにより、調理済み天ぷらに該調味料を付着させた後に冷凍して得られる、本発明の調味料付き冷凍天ぷらは、解凍後の衣の食感が、調理直後と同様に、サクミがあって軽い食感であり、且つ調味料の食感が、滑らかで口溶けの良い良好なものである。冷凍前の調味料の粘度が、品温30〜45℃で40Pa・s未満若しくは130Pa・s超であるか、又は品温70〜90℃で20Pa・s超である場合、調味料付き冷凍天ぷらを解凍して喫食した際には、天ぷらの食感がサクミに乏しく重いものとなる、調味料の食感がボソついたものとなって口溶けが悪くなる等の不都合が生じるおそれがあり、また、調味料付き冷凍天ぷらを製造する際には、調理済み天ぷらに上からかける等して調味料を付着させたときに、調味料が天ぷら内部に速やかに染み込んでしまい、ふやけてしまうことでサクミが著しく無くなってしまうおそれがある。斯かる作用効果をより確実に奏させるようにする観点から、冷凍前の調味料の粘度は、品温30〜45℃で80〜130Pa・s、品温70〜90℃で20Pa・s以下であることが好ましい。
【0014】
本発明でいう「冷凍前の調味料の粘度」は次のようにして測定される。先ず、測定対象の冷凍前の調味料をパウチなどの水不透過性の袋に封入し、この袋を沸騰水中で10分間茹でる。このように調味料を湯煎する理由は、調味料中に含まれる増粘剤を加熱溶解させるためである。次いで、袋から調味料を取り出して、該調味料の温度が所定温度(30〜45℃及び70〜90℃)となったところで粘度を測定する。その粘度測定には、B型粘度測定器(例えば、東機産業社製「TVB−20L」)を用いる。
【0015】
前記の調味料の粘度の特定範囲は、調味料中の水の含有量を調整するか、又は調味料に各種増粘剤を適量含有させることで達成することができる。調味料に含有可能な増粘剤は、水溶性であればその種類は特に制限されず、例えば、ゼラチン、ジェランガム、アラビアガム、キサンタンガム、水溶性ヘミセルロース、グアガム、ペクチン、ローカストビーンガム、カラギーナン、マンナン、プルラン、アルギン酸、アルギン酸エステル、寒天、タマリンドガム、デキストリン、澱粉等の水溶性多糖類が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。増粘剤として使用可能な澱粉の種類も特に制限されず、例えば、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、小麦澱粉等の澱粉、及びこれらにα化、アセチル化、エーテル化、エステル化、酸化処理、架橋処理等の処理を施した加工澱粉が挙げられる。
【0016】
前記の調味料の粘度の特定範囲を達成し得る増粘剤の具体例として、ジェランガム、ゼラチン及び加工澱粉の組み合わせ(以下、混合ゲル化剤Aともいう)が挙げられる。混合ゲル化剤Aにおいて、加工澱粉としては、アセチル化タピオカ澱粉、エーテル化タピオカ澱粉が好ましく、どちらか一方又は両方を用いることができる。調味料中における混合ゲル化剤Aの含有量は、好ましくは2.4〜8.4質量%、さらに好ましくは5.0〜7.2質量%である。また、混合ゲル化剤Aにおけるこれら3種の増粘剤の含有量は、それぞれ次のように調整することが好ましい。
・ジェランガム:混合ゲル化剤Aの全質量に対して、好ましくは8.5〜25.5質量%、さらに好ましくは12.75〜21.25質量%。
・ゼラチン:混合ゲル化剤Aの全質量に対して、好ましくは16.5〜49.5質量%、さらに好ましくは24.75〜41.25質量%。
・加工澱粉:混合ゲル化剤Aの全質量に対して、好ましくは25〜75質量%、さらに好ましくは37.5〜62.5質量%。
【0017】
また、前記の調味料の粘度の特定範囲を達成し得る増粘剤の他の具体例として、カラギーナン、ローカストビーンガム及びマンナンの組み合わせ(以下、混合ゲル化剤Bともいう)が挙げられる。調味料中における混合ゲル化剤Bの含有量は、好ましくは0.55〜1.93質量%、さらに好ましくは1.15〜1.66質量%である。また、混合ゲル化剤Bにおけるこれら3種の増粘剤の含有量は、それぞれ次のように調整することが好ましい。
・カラギーナン:混合ゲル化剤Bの全質量に対して、好ましくは30〜90質量%、さらに好ましくは45〜75質量%。
・ローカストビーンガム:混合ゲル化剤Bの全質量に対して、好ましくは16.5〜49.5質量%、さらに好ましくは24.75〜41.25質量%。
・マンナン:混合ゲル化剤Bの全質量に対して、好ましくは3.5〜10.5質量%、さらに好ましくは5.25〜8.75質量%。
【0018】
また、本発明に係る調味料中における混合ゲル化剤A及びBを構成する各増粘剤の含有量は、それぞれ次のように調整することが好ましい。
・ジェランガム:調味料全質量に対して、好ましくは0.4〜1.4質量%、さらに好ましくは0.83〜1.2質量%。
・ゼラチン:調味料全質量に対して、好ましくは0.8〜2.8質量%、さらに好ましくは1.67〜2.4質量%。
・加工澱粉:調味料全質量に対して、好ましくは1.2〜4.2質量%、さらに好ましくは2.5〜3.6質量%。
・カラギーナン:調味料全質量に対して、好ましくは0.33〜1.16質量%、さらに好ましくは0.69〜0.99質量%。
・ローカストビーンガム:調味料全質量に対して、好ましくは0.18〜0.64質量%、さらに好ましくは0.38〜0.55質量%。
・マンナン:調味料全質量に対して、好ましくは0.04〜0.14質量%、さらに好ましくは0.08〜0.12質量%。
【0019】
本発明に係る調味料の種類は特に制限されず、例えば、醤油、つゆ、だし、たれ、みりん、塩、みそ、砂糖などの甘味料、香辛料、香料、果汁、食酢、サラダ油やごま油などの食用油脂が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、単なる呈味成分のみを含む食塩水やグルタミン酸ナトリウム水溶液といった塩味物質水溶液や旨味物質水溶液を用いることもできる。
【0020】
本発明の調味料付き冷凍天ぷらは、調理済み天ぷらに調味料を付着させた後、その調理済み天ぷらを冷凍することで得られる。調理済み天ぷらに調味料を付着させる方法は特に限定されず、例えば、調理済み天ぷらに液状の調味料をかける・塗布する・噴霧する方法が挙げられる。また、調理済み天ぷらの冷凍は、常法に従って実施することができ、急速冷凍でも緩慢冷凍でも良い。また、調理済み天ぷらに調味料を付着させてから冷凍するまでの時間は特に制限されない。
【0021】
本発明で用いる調理済み天ぷら(調味料の付着対象物)は、常法に従って製造することができ、通常、具材に衣原料を付着させる衣原料付着工程と、該衣原料付着工程を経た具材に加熱処理を施す加熱工程とを経て製造される。本発明で用いる調理済み天ぷらの代表的なものは、具材をバッター液で被覆して油ちょうしたものであり、このバッター液部分が衣となる。本発明で用いる調理済み天ぷらには、細断した具材とバッター液とを混合した混合物を油ちょうしてなる、かき揚げも含まれる。本発明で用いる調理済み天ぷらは、通常の天ぷらと同様に、衣原料としてパン粉を使用せずに調理したものであり、衣にはパン粉は含まれていない。
【0022】
本発明では具材として、この種の冷凍天ぷらにおいて具材として使用可能なものを特に制限なく用いることができ、例えば、サツマイモ、カボチャ、ニンジン、ゴボウ、レンコン、タマネギ、ネギ、ナス、アスパラガス、ホウレンソウ、三つ葉、春菊、マイタケ・シイタケ・マツタケ・エノキタケ・ブナシメジ・エリンギ等のキノコ類等の野菜類;エビ、イカ、キス、アジ等の魚介類;牛肉、豚肉、鶏肉等の畜肉類;これらの加工品等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0023】
前記衣原料付着工程において、具材に衣原料を付着させる方法は特に制限されず、一回の付着処理で衣原料を具材に付着させても良く、複数回に分けて付着させても良い。具材に衣原料を付着させる方法の一例として、具材に衣原料としての打ち粉を付着させた後、さらに、衣原料としてのバッター液を付着させる方法が挙げられる。バッター液は、穀粉を主成分とする粉体のバッターミックス(衣原料)に水を適宜添加、混合して調製することができる。
【0024】
衣原料として用いる打ち粉とバッターミックスとには、成分上の区別は無く、どちらであっても主成分として穀粉を用いることができる。穀粉としては、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム小麦粉等の小麦粉;トウロモコシ澱粉、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、米澱粉等の澱粉;澱粉にα化、アセチル化、エーテル化、エステル化、酸化処理、架橋処理等の処理を施した加工澱粉;米粉等が挙げられ、これら穀粉の1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。必要に応じ、穀粉以外の他の成分、例えば、卵白粉、卵黄粉、全卵粉、蛋白質、ベーキングパウダー、油脂、各種糖類、増粘剤、食塩、調味料、色素、香辛料、乳化剤、デキストリン、食物繊維等を含有させることができる。これらの他の成分も衣原料である。
【0025】
前記衣原料付着工程においては、具材の質量に対する衣原料の固形分の質量の割合〔=(衣原料の固形分の質量/種物の質量)×100〕(以下、衣原料固形分付着率ともいう)を30〜50質量%に設定することが好ましい。衣原料固形分付着率が低すぎると、衣が薄くなって天ぷらの保形性が低下するおそれがあり、逆に高すぎると、水分抜けが悪くなって、食感(サクミ)が低下するおそれがある。衣原料固形分付着率は、衣原料(打ち粉、バッター液)の使用量、付着方法、バッター液であればさらにその粘度等を適宜調整することによって調整可能である。
【0026】
前記加熱工程においては、前記衣原料付着工程を経た、衣原料が付着した具材に対し、加熱処理として少なくとも油ちょうを施す。油ちょうは、具材を油中で加熱して揚げる処理(フライ処理)であり、常法に従って実施することができる。油ちょうに使用する油は特に制限されず、各種食用油を用いることができる。油ちょうにおける油温及び油ちょう時間は、具材の種類や大きさ等に応じて適宜調整すれば良く、特に限定されないが、通常、油温は130〜170℃、油ちょう時間は2〜6分間が好ましい。通常、油ちょうは1回だけ行う。また、前記加熱工程は、油ちょう以外の他の加熱処理を含んでいても良く、例えば、油ちょうに加えて熱風乾燥処理を含んでいても良い。熱風乾燥処理は、処理対象となる食品(調理済み天ぷらげ)に加熱圧力空気を衝突させて直接加熱する処理であるため、食材の新鮮さや風味を損なわず、油切れの良い仕上がりとすることが可能である。熱風乾燥処理は、ジェットオーブンなどとも呼ばれるジェット噴射式加熱装置を用いて実施することができる。
【実施例】
【0027】
以下、実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は実施例により制限されるものではない。
【0028】
〔実施例1〜2及び比較例1〜5〕
調味料付き冷凍天ぷらの製造に用いる調理済み天ぷらとして、下記方法により野菜のみを具材とするかき揚げを製造した。室温(25℃)において、製造直後のかき揚げの上から、下記表1に示す組成の液状の調味料1〜7のいずれかを、かき揚げ1個当たり4gかけた後、その調味料付きかき揚げを、速やかに(調味料をかけてから5分間以内に)冷凍機(ホシザキ電気株式会社製、「FR−603D−S形」)で急速凍結(設定温度:−30℃)して、目的とする調味料付き冷凍かき揚げを得た。
尚、調味料の原料として用いた「めんつゆ」はヤマキ株式会社製の「めんつゆ」であり、「混合ゲル化剤A」は、加工澱粉(アセチル化タピオカ澱粉)50質量%、ゼラチン33質量%及びジェランガム17質量%からなる3種の増粘剤の混合物であり、「混合ゲル化剤B」は、カラギーナン60質量%、ローカストビーンガム33質量%及びマンナン7質量%からなる3種の増粘剤の混合物である。
【0029】
(かき揚げの製造方法)
かき揚げの具材となるニンジン、タマネギ、ホウレンソウを用意し、ニンジン、タマネギは、それぞれ、植物繊維を細断しないように3mm角(厚み方向及び幅方向の長さがそれぞれ3mm)で且つ長手方向長さ30mmの千切りにし、ホウレンソウは5mm長に寸切りして、野菜の具材を調製した。全具材に占めるニンジンの割合は30質量%、タマネギの割合は65質量%、ホウレンソウの割合は5質量%であった。調製した具材に、打ち粉(衣原料)として下記組成の天ぷら粉を、具材質量に対して7.5質量%まぶした後、該具材と、下記方法により調製したバッター液とを混合し(衣原料付着工程)、しかる後、なたね油を張った手揚げ式フライヤーを用い、衣原料が付着した種物を、油温140℃で5.5分間油ちょうした(加熱工程)。油ちょうには、市販のかき揚げリング(リング直径5cm)を用い、このリング内に、衣原料が付着した具材を25g入れて油ちょうし、直径5cm、高さ(厚さ)2.5cmのかき揚げ(調理済み天ぷら)を製造した。製造したかき揚げの衣原料固形分付着率は35質量%であった。
【0030】
天ぷら粉の組成:薄力小麦粉(85.2質量%)、ベーキングパウダー(1.2質量%)、加工でん粉(10質量%)、全卵粉(0.2質量%)、乳化剤(0.3質量%)、トレハロース(2質量%)、食塩(1質量%)、クチナシ色素(0.1質量%)。
バッター液の調製方法:打ち粉として使用した天ぷら粉をバッターミックスとして用いたもので、天ぷら粉100質量部に対して冷水140質量部を加え(加水率140質量%)、その混合物をミキサーで攪拌することにより調製した。
【0031】
〔評価試験〕
各実施例及び比較例の調味料付き冷凍かき揚げの製造時において、かき揚げ(調理済み天ぷら)に調味料をかけた直後の様子を目視観察することで、調味料の物性を下記評価基準により評価した。ここで評価する冷凍前の調味料の物性は、主として粘度であり、その主たる目的は、天ぷら本体に対する浸透性、延いては天ぷらの食感への影響を評価するためである。冷凍前の調味料の粘度が低いと、天ぷら本体に対する浸透性が高いため、衣がふやけてサクミが失われてしまうおそれがある。従って、冷凍前の調味料は、天ぷら本体に染み込まないような粘度を有していることが好ましい。
また、調味料付き冷凍かき揚げを室温(25℃)で3時間かけて自然解凍した後、10名のパネラーに、調味料の食感及びかき揚げ本体の食感をそれぞれ下記評価基準により評価してもらった。
以上の評価結果(10名のパネラーの平均点)を下記表1及び表2に示す。
【0032】
(調味料の物性の評価基準)
5点:調味料は天ぷら本体に全く染み込まず、その全量が天ぷら本体の上に載ったままであり、非常に良好。
4点:調味料は天ぷら本体にほとんど染み込まず、そのほとんどが天ぷら本体の上に載ったままであり、良好。
3点:調味料の多くが天ぷら本体に染み込んでしまい、若干量が天ぷら本体の上に載る程度。
2点:調味料のほとんどが天ぷら本体に染み込んでしまい、天ぷら本体の上に調味料がほとんど載っておらず、やや不良。
1点:調味料の全量が天ぷら本体に染み込んでしまい、天ぷら本体の上に調味料が全く載っておらず、不良。
(調味料の食感の評価基準)
5点:非常に滑らかな食感で、口溶けが良く非常に良好。
4点:滑らかな食感で、口溶けが良く良好。
3点:やや滑らかな食感。
2点:ボソついていて、口溶けが悪くやや不良。
1点:非常にボソついていて、かなり口溶けが悪く不良。
(かき揚げ本体の食感の評価基準)
5点:非常にサクミがあり、とても軽い食感で非常に良好。
4点:サクミがあり、軽い食感で良好。
3点:ややサクミがある。
2点:サクミが無く、やや重い食感でやや不良。
1点:サクミが全く無く、かなり重い食感で不良。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】