(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
高血圧症、肺高血圧症、高眼圧症、網膜症、緑内障、末梢循環障害、末梢動脈閉塞性疾患(PAOD)、冠動脈性心疾患、狭心症、心肥大、心不全、虚血性疾患、終末器官損傷、肺線維症、肝線維症、肝不全、腎症、腎不全、腎線維症、腎糸球体硬化症、器官肥大、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、成人呼吸窮迫症候群、血栓性障害、脳卒中、脳血管攣縮、脳虚血、疼痛、神経変性、脊髄損傷、アルツハイマー病、早産、勃起障害、内分泌機能障害、動脈硬化症、前立腺肥大、糖尿病および糖尿病合併症、代謝症候群、血管再狭窄、アテローム性動脈硬化症、炎症、自己免疫疾患、骨障害、細菌による消化管の感染症、敗血症またはがん発生および進行を治療および/または予防するための請求項6に記載の組成物。
さらなる活性成分として1つまたはそれ以上のベータ受容体遮断剤、カルシウムチャネル遮断剤またはレニン(rennin)−アンギオテンシンの阻害剤を含む、請求項10に記載の医薬。
さらなる活性成分としてベラパミル、ガロパミル、フェンジリン、ジルチアゼム、ニトレンジピン、フェロジピン、アムロジピン、ニフェジピン、レルカニジピン、ニモジピン、ニカルジピン、ラシジピン、イスラジピン、ニソルジピン、ニルバジピンまたはマニジピンを含む、請求項12に記載の医薬。
さらなる活性成分としてベナゼプリル、カプトプリル、シラザプリル、エナラプリル、フォシノプリル、イミダプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリンドプリル、キナプリル、ラミプリル、スピラプリル、トランドラプリルまたはゾフェノプリルを含む、請求項15に記載の医薬。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】室温でCuKfα
1放射線により透過モードで測定した6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩二水和物の粉末X線回折パターン(x軸:回折角2シータ(2θ)[°];y軸:相対強度[最大反射の%])。
【
図2】化合物(I)の二水和物のTGAサーモグラム。
【
図3】第1の収着サイクルを開始する前の開始時の乾燥期間のため、相2に変換されている二水和物の相対湿度(25〜40℃)の関数としてのDVS相転移および水分含量。
【
図4】室温でCuKfα
1放射線により透過モードで測定した化合物(I)の多形体2の粉末X線回折パターン(x軸:回折角2シータ(2θ)[°];y軸:相対強度[最強反射の%])。
【
図5】室温でCuKfα
1放射線により透過モードで測定した化合物(I)の多形体1の粉末X線回折パターン(x軸:回折角2シータ(2θ)[°];y軸:相対強度[最強反射の%])。
【
図6】室温でCuKα
1放射線により透過モードで測定した化合物(I)の多形体3の粉末X線回折パターン(x軸:回折角2シータ(2θ)[°];y軸:相対強度[最強反射の%])。
【
図7】相3(DVSおよび湿度分割XRPD(humidity-resolved XRPD)から確定したとおり)で開始する25℃での相対湿度の関数としての相転移および水分含量。
【
図8】室温でCuKα
1放射線による透過モードで測定した化合物(I)の多形体4の粉末X線回折パターン(x軸:回折角2シータ(2θ)[°];y軸:相対強度[最強反射の%])。
【
図9】室温でCuKfα
1放射線により透過モードで測定した化合物(I)の1,4−ジオキサン溶媒和物の粉末X線回折パターン(x軸:回折角2シータ(2θ)[°];y軸:相対強度[最強反射の%])。
【
図10】室温でCuKfα
1放射線により透過モードで測定した化合物(I)のアセトニトリル溶媒和物の粉末X線回折パターン(x軸:回折角2シータ(2θ)[°];y軸:相対強度[最強反射の%])。
【
図11】室温でCuKfα
1放射線により透過モードで測定した化合物(I)の酢酸メチル溶媒和物の粉末X線回折パターン(x軸:回折角2シータ(2θ)[°];y軸:相対強度[最強反射の%])。
【
図12】室温でCuKfα
1放射線により透過モードで測定した化合物(I)の無定形形態の粉末X線回折パターン(x軸:回折角2シータ(2θ)[°];y軸:相対強度[アモルファスハロ(amorphous halo)の最大強度の%])。
【
図13】25℃での二水和物の相対湿度の関数としてのDVS水蒸気収着。
【
図14】二水和物と比較するための25℃での化合物(I)のアモルファス形態の相対湿度の関数としてのDVS水蒸気収着。
【0013】
水和物
本発明の一実施態様は、6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩(I)の結晶性水和物である。本発明の別の実施態様は、水和物が約10.5〜12.5%の水(w/w)を含む化合物(I)の結晶性水和物である。本発明の別の実施態様は、水和物が分子6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩(I)当たり1.85〜2.2分子の水を含む水和物である。本発明の別の実施態様は、水和物が分子6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩(I)当たり2分子の水を含む水和物である。
【0014】
分子当たり1.85〜2.2分子の水を含んでいる結晶性水和物は、本明細書において「二水和物」と称し、そして本発明の一実施態様である。
【0015】
水和物の別の実施態様において、水分含量は水10.5〜11.4%(w/w)である。さらなる実施態様において、水和物は約1.85〜2.0分子の水を含む。水和物のさらなる実施態様において、水分含量は11.4%(w/w)である。さらなる実施態様において、水和物は分子(I)当たり2.0分子の水を含む。水和物相は典型的約10〜12.5%の水を含むが、より低い水分含量で生じることもできる。たとえ二水和物を乾燥しても、水和物の結晶構造が残っており、残っている水分含量は約3%に下がる。環境中の湿度が再び上昇する場合、水の取り込みは可逆的である。単離された生成物中の水分含量は、結晶化後に水和物の処理中に用いた乾燥条件によって決まる。
【0016】
一実施態様において、二水和物は、7.7±0.2度2シータでCuKfα
1放射線を用いる粉末X線回折図中に少なくとも特徴的な反射を有する性質を有する。
【0017】
別の実施態様において、二水和物は、CuKα
1放射線を用いる粉末X線回折図において、
7.7(強い)、15.2(強い)および16.8(中位)度2シータ±0.2度2シータ
で少なくとも特徴的な反射を有する性質を有する。
【0018】
別の実施態様において、二水和物は、CuKα
1放射線を用いる粉末X線回折図において
7.7(強い)、15.2(強い)、16.8(中位)、22.4(強い)、25.0(強い)および26.6(強い)度2シータ±0.2度2シータ
で少なくとも特徴的な反射を有する性質を有する。
【0019】
別の実施態様において、二水和物は、度2シータ±0.2度2シータでCuKα
1放射線を用いる粉末X線回折図において、
7.7(強い)、15.2(強い)、16.8(中位)、18.4(中位)、20.4(中位)、22.4(強い)、25.0(強い)、26.6(強い)および30.3(中位)
で少なくとも特徴的な反射を有する性質を有する。
【0020】
別の実施態様において、二水和物は、透過モードでCuKα1放射線を用いて得られた実質的に
図1に示したものによるその粉末X線回折パターンによって特徴づけてもよく、ここでは、図中に示した反射の強度および上に明記した反射の強度は必要条件でなく、変動してもよい。
【0021】
二水和物は、単結晶構造分析によって決定したその結晶パラメータによって特徴づけてもよい。
【0022】
二水和物は、非対称単位中で(I)1分子および水2分子により空間群P−1、Z=2で結晶することが見出された。
【0023】
単位格子の測定データを表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
結晶の水分子は、結晶軸と平行なチャネル中に位置しており、この水分子は、クロリドアニオンに対するのと同様に分子カチオンに対して水素結合を形成する。
【0026】
二水和物は、
図2に示すそのTGA図によって特徴づけてもよい。乾燥環境中で二水和物を加熱すると、わずかに高められた温度ですでに有意な重量減少が始まり、約110℃で終わる。この例において、図は、水10.8質量%に相当する水0.57mgの重量減少を示し、これは、この試料が、加熱により化合物(I)1mol当たり水1.9molを失ったことを意味する。
【0027】
また、二水和物中の水分含量は、カールフィッシャー滴定のような当分野で知られている他の方法によって決定してもよい。
【0028】
さらに、二水和物は、
図3に示すように25℃で測定したそのDVS(動的蒸気収着)水蒸気収着および脱着等温線によって特徴づけてもよい。収着サイクルを開始する前に、湿度分割XRPDによって示すように、二水和物プローブを乾燥窒素ガスで処理すると相2への変態(transformation)が起こる。
図3に示すように、収着および脱着等温線は、ほとんど同一である。収着サイクルでは、相2を1%から20%の間の相対湿度に暴露したときに、プローブの水分含量が急速に増加し、20%から95%の間ではほとんど一定のままである。脱着サイクルでは、二水和物を95%から20%の間の相対湿度に暴露したときに、水分含量はほとんど一定のままである。重量減少は相対湿度20%より下で始まり、10%より下、特に5%より下で強くなる。低い相対湿度での質量の変化は、完全
に可逆的であり、湿度が再び上昇すると、小さな試料では再水和が急速に進む。しかし、大きな試料では、過剰に乾燥した試料の再水和にかなり長くかかることがあり、再水和に数日必要となることがある。40℃ではほとんど同一の水収着および脱着等温線が観察される。
【0029】
二水和物の環境および貯蔵条件に応じて、特に湿度が約10%より下、特に約5%より下である場合、二水和物は多形体2に部分的にまたは完全に変態する(transform)ことがある。変換の程度は、湿度、試料サイズおよび乾燥環境への暴露期間によって決まる。したがって、さらなる実施態様において、本発明は、1%から99%までの範囲、特に1から10%までの範囲の量の多形体2を含んでいる二水和物に関する。定義するため、二水和物の量と比較した他の多形体の任意の量を算出する。
【0030】
湿度室中のXRPD分析により、かなり低い相対湿度(2%)で、試料がほとんど完全に脱水したときに、相2への変態が起こることがわかった。測定では、この室中の相対湿度(r.h.)を、最初に6時間で50%から2%まで直線的に下げ、2%で6時間保持し、次いで2%と95%の間で6時間2回循環させ(試料を95%および2%で6時間保持する)、最後に7時間の間に50%に高める。相2への水和物の可逆的変態が2%r.h.で観察され、二水和物への逆変態が8から10%r.h.の間で起こった。湿度制御XRPDを25および40℃で実施したときに、広範囲にわたって同一の結果が得られた。
【0031】
一方、温度分割XRPD(temperature-resolved XRPD)は、この水の損失が相3への変態に伴って起こるか、または続いて起こり、この変態が約90℃で起こり始めることを示している。
【0032】
これらの所見に基づくと、二水和物は90℃より下で安定であり、そのため室温でも安定である。したがって、記載された他の無水多形体との比較では、高い安定性が望ましい場合、二水和物が特に適している。この二水和物は、通常の貯蔵条件である、90℃より下の種々の環境において20から95%の間の相対湿度で、記載された他の結晶相への変態のリスクなしに保存することができる唯一のものである。非常に乾燥した環境に暴露しても、起こりうる水分損失は可逆的であり、化合物を通常の湿度条件を有する環境に戻すと、失った水分を取り戻す。したがって、二水和物は、改善された安定性を有する薬剤および医薬組成物の製造に特に適している。
【0033】
さらに、対応するアモルファス物質は吸湿性であり、二水和物と比較して相対湿度により水分含量がかなり強く変動する。この水分の取込みおよび水分含量における変動性により、薬物製品の製造中の正確な調薬が困難になる。対照的に、二水和物は、通常の貯蔵条件下で2年を超えて安定であることが立証されている(25℃/65%の相対湿度で検出可能な分解がない)。したがって、その結果、結晶性二水和物は、薬物製品の製造にとって好ましい固体形態となる。さらにまた、二水和物は、
図13に示すように25℃で測定したそのDVS(動的蒸気収着)水蒸気収着および脱着等温線によっても特徴づけてもよい。それと同様に、
図14に示すように25℃で測定したそのDVS(動的蒸気収着)水蒸気収着および脱着等温線によってアモルファス化合物(I)の特徴づけに対する比較が可能である。驚くべきことに、そして予想外なことに、二水和物はまれな種類の化学量論的水和物に属する。すなわち、相対湿度の広い範囲に暴露したときに、二水和物はかなり一定の水分含量を維持する。この性質は、たとえば薬学的活性成分を結晶化後に乾燥するとき、または剤形の製造中および固体剤形の貯蔵中に計量するときに好都合である。
【0034】
すでに記載したように、アモルファス物質は吸湿性であり、その水分含量を周囲相対湿度に対して調整する(
図13)。この物質の安定な(分子)重量は、試料を暴露する周囲
相対湿度で水分含量が平衡水分含量に偶然に一致したときにしか到達しない。さらに、分子運動性、溶解速度および別の固相に変態する傾向といったようなアモルファス物質の多くの鍵となる性質は、その水分含量によって変化する。したがって、吸湿性のアモルファス物質は、経口固体剤形にとって好ましくないものとみなされなければならない。予想外なことに、密接に関連した二水和物は、その良好な性質および安定性のため薬物製品製造用の固体として適している。
【0035】
多形体2
本発明の別の態様は、CuKα
1放射線を用いる粉末X線回折図において
8.1(中位)、15.8(強い)および16.5(中位)度2シータ±0.2度2シータ
で少なくとも特徴的な反射を有する性質がある化合物(I)の多形体2に関する。
【0036】
別の態様において、多形体は、CuKα
1放射線を用いる粉末X線回折図において
8.1(中位)、15.8(強い)、16.5(中位)、17.7(中位)、19.6(中位)、20.8(中位)、22.2(中位)、25.0(中位)、26.6(中位)および30.5(中位)度2シータ±0.2度2シータ
で少なくとも特徴的な反射を有する性質がある。
【0037】
また、別の実施態様において、多形体2は、
図4に示したものとして実質的にその粉末X線回折パターンによって特徴づけてもよい。これは、透過モードでCuKα
1放射線を用いて得られており、ここで、上に明記した反射の強度だけでなく、図中に示した反射の強度は、必要条件でなく、変動してもよい。
【0038】
また、多形体2は、そのDVS水蒸気収着および脱着等温線によって特徴づけてもよく、水蒸気収着ではそれを二水和物に変態させ、脱着ではそれを形態2に逆に変態させる。さらに詳しくは、二水和物の説明および
図3を参照のこと。
【0039】
多形体2は、溶液からの結晶化において直接得られない。多形体2は、二水和物をやや低い相対湿度(好ましくは5%未満、より好ましくは2%未満)に暴露したときに、周囲温度でまたは40℃で典型的に形成され、そして多形体2を増大する湿度、好ましくは約10%をより上の相対湿度に暴露したときに、二水和物に逆に変態する。したがって、二水和物を得る必要がある場合、多形体2が特に有用である。多形体2の環境および貯蔵条件に応じて、特に湿度が約10%より上に高められた場合、多形体2は部分的にまたは完全に二水和物に変わり、したがって、試料は0.1%から100%までの範囲で二水和物を含みうる。
【0040】
さらなる態様において、本発明は、化合物(I)の多形体1、3および4に関し、これらは、多形体2とは異なり、 化合物(I)から直接得ることができ、次いで二水和物に変換することもできる。
【0041】
一態様において、3つの無水多形体は、CuKα
1放射線を用いる粉末X線回折図において
1)15.4度2シータならびに以下から選択される範囲のそれぞれ範囲内
2)16.6〜16.8および
3)21.5〜21.7度2シータ±0.2度2シータ
で少なくとも特徴的な反射示すことによって特徴づけられる。
【0042】
多形体1
本発明の別の態様は、CuKα
1放射線を用いる粉末X線回折図(XRPD)において
4.5(中位)、
15.4(強い)、
16.8(強い)、
21.7(中位)および
24.7(中位)度2シータ±0.2度2シータ
で少なくとも特徴的な反射を有する6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩の多形体1に関する。
【0043】
別の態様において、多形体1は、CuKα
1放射線を用いる粉末X線回折図において、
4.5(中位)、15.4(強い)、16.8(強い)、19.8(弱い)、21.7(中位)、22.5(強い)、22.8(強い)、24.7(中位)および27.3(中位)度2シータ±0.2度2シータ
で少なくとも特徴的な反射を有する性質がある。
【0044】
また、別の実施態様において、多形体1は、その粉末X線回折パターン、たとえば
図5に示したものによって特徴づけてもよい。これは、透過モードでCuKα
1放射線を用いて得られており、ここで、上に明記した反射の強度と同様に図中に示した反射の強度は、必要条件でなく、変動してもよい。
【0045】
また、多形体1は、DSCを用いてその融解特性、たとえばその融点によって特徴づけてもよい。加熱すると、相1は約300℃で融解し始め、先行して化学分解を伴う。融解前に他の結晶相への変態は観察されない。
【0046】
25℃で実施した湿度制御XRPDにより確定されたとおり、高められた湿度に暴露すると二水和物への変態が生じる。室中の相対湿度を、最初に2%で6時間保持し、次いで線形に19時間の間に95%に直線的に高め、95%で6時間保持し、19時間2%に下げ、そしてさらに2%で10時間保持する。95%で約15分後、相1は二水和物に変換し、これは、次に2%r.h.で約40分後、相2に変化した。また、20℃および75%の相対湿度で相1を貯蔵すると、3週間以内に二水和物へ変換が完了した。変換の速度は相対湿度と関連がある。
【0047】
相混合物から開始する懸濁液を用いた熟成実験(熟成実験を参照のこと)は、0から40℃までの温度範囲で相1が準安定多形体のみであることを示している。したがって、多形体1は二水和物の製造、さらに多形体2の製造に用いてもよい。
【0048】
多形体3
本発明の別の態様は、CuKα
1放射線を用いる粉末X線回折図において
4.5(中位)、
15.4(強い)、
16.7(強い)、
21.7(強い)および
25.5(中位)度2シータ±0.2度2シータ
で少なくとも特徴的な反射を有する性質がある6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩の多形体3に関する。
【0049】
別の態様において、多形体3は、CuKα
1放射線を用いる粉末X線回折図において
4.5(中位)、15.4(強い)、16.7(強い)、21.7(強い)、22.0(中位)、22.3(中位)および25.5(中位)度2シータ±0.2度2シータ
で特徴的な反射を有する性質がある。
【0050】
多形体3は、実質的に
図6中に示したものであるその粉末X線回折パターンによって特徴づけてもよい。これは、透過モードでCuKα
1放射線を用いて得られており、ここで、上に明記した反射の強度と同様に図中に示した反射の強度は、必要条件でなく、変動してもよく、そして本発明の別の実施態様を表す。
【0051】
多形体3は、その融解特性、たとえばDSCによるその融点によって特徴づけてもよい。加熱すると、相3は約300℃で融解し始め、先行して化学分解を伴う。低湿度では融解前に別の結晶相への変態が観察されることはない。
【0052】
25℃で湿度制御XRPDによって確定したとおり、高い湿度に暴露すると二水和物への変態が起こる。室中の相対湿度(r.h.)は、最初に6時間で50%から2%まで直線的に下げ、6時間2%で保持し、次いで12時間の間に95%に高め、6時間95%で保持し、12時間で2%まで直線的に下げ、そしてさらに6時間2%で保持する。結果として、相3は水和物に変態し、95%で約30分後、これは、次に2%r.h.で約30分後に相2に変化した。
【0053】
さらに、相3は、25℃で測定したそのDVS(動的蒸気収着)水蒸気収着および脱着等温線によって特徴づけてもよい(
図7)。
この図は、前に記述した湿度制御XRPDと一致して、湿度を上げても相3がそのままであり、約80%の相対湿度より上で二水和物に変化することを示している(サイクル1、収着)。湿度を下げると、二水和物は、低い湿度(約10%より下のr.h.)で相2に(サイクル1、脱着)に逆に変換される。次いで相2は、湿度を上げると二水和物に変換され、そして湿度を下げると同じ等温線に沿って多形体2に逆に変換される(サイクル2、また
図3参照)
相1および相4から二水和物へ、次いで相2に戻る変態についての対応するDVS図は、類似しているようである。
【0054】
また、20℃および相対湿度75%で相3を貯蔵すると、3週間以内の二水和物への完全な変換が起こる。変換の速度は、相対湿度と関連がある。水中に懸濁したときは、二水和物へ完全な変態がほとんど直ちに観察された(<10分)。
【0055】
さらに、乾燥有機溶媒中の相混合物から開始する懸濁液による熟成実験(実施例を参照のこと)は、0から40℃までの温度範囲で相3が最も安定な無水相であることを示している。これらのデータは、低い相対湿度(約10%未満の相対湿度)で、室温およびそのあたりで多形体3が最も安定な相であることを示している。多形体3は、高められた温度で水を含まないさまざまな溶媒から結晶化によって容易に得ることができ、そのため粗化合物(I)の単離および精製に適している。
【0056】
多形体4
さらに、本発明は、CuKα
1放射線を用いる粉末X線回折図において
15.4(中位)、
16.7(中位)、
21.5(強い)および
30.7(弱い)度2シータ±0.2度2シータ
で少なくとも特徴的な反射を有する性質がある6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩の多形体4に関する。
【0057】
別の態様において、多形体4は、CuKα
1放射線を用いる粉末X線回折図において
15.4(中位)、16.7(中位)、16.9(中位)、21.5(強い)、21.9(弱い)、22.4(中位)、23.2(弱い)、27.6(弱い)および30.7(弱
い)度2シータ±0.2度2シータ
で少なくとも特徴的な反射を有する性質がある。
【0058】
別の実施態様において、多形体4は、その粉末X線回折パターン、たとえば
図8に示したものによって特徴づけてもよい。これは、透過モードでCuKα
1放射線を用いて得られており、ここで、上に明記した反射の強度と同様に図中に示した反射の強度は、必要条件でなく、変動してもよい。
【0059】
多形体4は、その融解特性、たとえばDSC(示差走査熱量測定法)によって確定したその融点によって特徴づけてもよい。
【0060】
加熱すると、相4は約300℃で融解し始め、先行して化学分解を伴う。融解前に、他の結晶性相1、2または3への変態が観察されることはない。高められた湿度に暴露すると、湿度制御XRPDによって確定されたとおり二水和物への変態が起こる。最初の湿度を6時間で50%から2%まで直線的に下げ、6時間2%で保持し、12時間の間に95%まで直線的に高め、6時間95%で保持し、12時間で直線的に2%まで下げ、さらに6時間2%で保持した。結果として、95%で約15分後に相4は二水和物に変態し、これは、次に2%r.h.で約20分後に相2に変化した。
【0061】
多形体4は、そのDVS(動的蒸気収着)水蒸気収着および脱着等温線によって特徴づけてもよい。多形体4の収着/脱着挙動は、多形体3について
図7に示したものと類似している。
【0062】
また、20℃および相対湿度75%で相4を貯蔵すると、3週間以内に二水和物への完全な変換が起こった。変換の速度は、相対湿度と明らかに関連している。
【0063】
乾燥有機溶媒中の相混合物から開始した懸濁液による熟成実験は、0から40℃までの温度範囲で相4が準安定なもののみであることを示している。
【0064】
溶媒和物
さらに、本発明は、6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩の1,4−ジオキサン溶媒和物、酢酸メチル溶媒和物、およびアセトニトリル溶媒和物に関する。本発明による1,4−ジオキサン溶媒和物は、CuKα
1放射線を用いる粉末X線回折図において15.1(強い)および22.5(強い)度2シータ±0.2度2シータで特徴的な反射を示す。
【0065】
別の態様において、1,4−ジオキサン溶媒和物は、CuKα
1放射線を用いる粉末X線回折図において15.1(強い)、19.7(中位)、20.3(中位)、21.6(中位)、22.5(強い)、23.8(中位、24.9(中位)および30.2(中位)度2シータ±0.2度2シータで少なくとも特徴的な反射を有する性質がある。
【0066】
別の実施態様において、1,4−ジオキサン溶媒和物は、その粉末X線回折パターン、たとえば
図9に示したものによって特徴づけてもよい。これは、透過モードでCuKα
1放射線を用いて得られており、ここで、上に明記した反射の強度と同様に図中に示した反射の強度は、必要条件でなく、変動してもよく、温度分割粉末X線回折、DSCおよびTGAによれば、主に80から120℃までの温度範囲の熱重量分析において、半溶媒和物について予想した16.6%およびジオキサン1モル当量の23.9%と比較して1,4−ジオキサン溶媒和物は16.6%の重量減少を示した。この温度範囲では、XRPDによって確定したとおり相3への変態が観察された。したがって、溶媒和物は比較的安定である。
【0067】
したがって、本発明のさらなる態様は、高い温度で、たとえば80から120℃までの温度範囲で1,4−ジオキサン溶媒和物の乾燥によって多形体3を製造するための1,4−ジオキサン溶媒和物の使用に関する。
【0068】
別の態様において、二水和物は、1,4−ジオキサン溶媒和物を乾燥し、溶媒を含まない生成物を約0〜40℃の湿った環境に暴露して二水和物を得ることによって製造してもよい。
【0069】
1,4−ジオキサン溶媒和物中の1,4−ジオキサンおよび化合物(I)のモル比は、変動することができる。本発明の一実施態様において、1,4−ジオキサン含量は、約1.1から約0.1まで、別の実施態様において約1.1から約0.3まで、別の実施態様において約1から約0.3まで、別の実施態様において約0.7から約0.3まで、別の実施態様において1,4−ジオキサン約0.5モル当量の範囲であり、この後者の1,4−ジオキサン含量は、TGAにより確定したジオキサン溶媒和物の試料の重量減少に相当する。したがって、具体的な一目的は、6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩×0.5 1,4−ジオキサン溶媒和物である。
【0070】
アセトニトリル溶媒和物は、本発明の別の目的である。この溶媒和物は、CuKα
1放射線を用いる粉末X線回折図において6.8(中位)、11.3(中位)および27.7(強い)度2シータ±0.2度2シータで少なくとも特徴的な反射で示す。
【0071】
別の態様において、アセトニトリル溶媒和物は、CuKα
1放射線を用いる粉末X線回折図において
6.8(中位)、11.3(中位)、15.3(強い)、20.9(中位)、23.9(強い)、24.0(中位)、27.4(中位)および27.7(強い)度2シータ±0.2度2シータ
で少なくとも特徴的な反射を有する性質がある。
【0072】
別の実施態様において、アセトニトリル溶媒和物は、
図10に示すように実質的にその粉末X線回折パターンによって特徴づけてもよく、これは透過モードでCuKα
1放射線を用いて懸濁液中で得られており、ここで、上に明記した反射の強度と同様に図中に示した反射の強度は、必要条件でなく、変動してもよい。
【0073】
アセトニトリル溶媒和物は、化合物(I)から出発してこの溶媒和物の形態でそれを再結晶させることによって化合物(I)の精製に用いることができる。したがって、本発明のさらなる態様は、化合物(I)を精製するための化合物(I)のアセトニトリル溶媒和物の使用に関する。本発明による酢酸メチル溶媒和物は、透過モードでCuKα
1放射線を用いて懸濁液(キャピラリー)中で測定した粉末X線回折図において15.0(強い)および23.7(強い)度2シータ±0.2度2シータで少なくとも特徴的な反射を示す。別の態様において、酢酸メチル溶媒和物は、CuKα
1放射線を用いる粉末X線回折図において6.9(中位)、15.0(強い)、20.8(中位)、22.8(中位)、23.7(強い)、24.0(中位)、25.1(中位)および28.0(中位)度2シータ±0.2度2シータで少なくとも特徴的な反射を有する性質がある。
【0074】
別の実施態様において、酢酸メチル溶媒和物は、
図11に示すように実質的にその粉末X線回折パターンによって特徴づけてもよく、これは透過モードでCuKα
1放射線を用いて得られており、ここで、上に明記した反射の強度と同様に図中に示した反射の強度は、必要条件でなく、変動してもよい。母液の外側で、酢酸メチル溶媒和物は、中程度にしか安定でなく、湿気の存在下で水和物への変態が始まる。したがって、本発明のさらなる
態様は、たとえば、酢酸メチルおよび誘引水(attracting water)の減量を促進する高められた温度および/または湿度のような条件にかけることによって水和物を製造するための化合物(I)の酢酸メチル溶媒和物の使用に関する。
【0075】
本発明の別の態様は、本発明による6(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩の多形性形態または多形性形態の混合物および水和物の医薬または薬剤としての使用に関する。
【0076】
一実施態様において、本発明は、多形性形態1、2、3、4から選択される多形性形態および水和物または少なくとも1つの多形性形態1、2、3、4を含むこれらの形態および水和物の混合物の医薬または薬剤としての使用に関する。
【0077】
本発明のさらなる態様は、本発明による6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩の少なくとも1つの多形性形態または溶媒和物、特に多形性形態1、2、3、4および水和物から選択される形態ならびに1つまたはそれ以上の薬学的許容しうる賦形剤、すなわち希釈剤および他の補助剤のような不活性物質を含む固体医薬組成物に関する。本発明の一実施態様において、医薬組成物は、多形性形態1、2、3または4の1つ、特に多形体2)および第二に任意の比率の水和物を含む。別の実施態様において、医薬組成物は水和物を含む。
【0078】
ヒト医学および獣医学において薬剤として化合物(I)を用いるときに使用することができる固体医薬組成物は、通常、化合物(I)の1つもしくは複数の多形体または水和物を、約0.01%から約90質量%まで、特に約0.1%から約20質量%まで、たとえば約0.1%から約10質量%までのパーセンテージ、そして単位用量当たり約0.2mgから約100mgまで、特に約1mgから約20mgまでの量で含む。記載されたすべての値は、分子量244.12を有する遊離塩基6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オンに基づいて計算されている。
【0079】
医薬組成物の種類および特定の場合の他の詳細に応じて、パーセンテージおよび量は、示したものから逸脱することもありうる。
【0080】
一般に、適した賦形剤は、当業者に知られている。希釈剤または担体物質は、最終生成物が患者または医師による投与および投薬に適当な形態および体積を有するように、薬学的に許容され、かつ固体医薬組成物の嵩体積を高めるために適した任意の化合物である。希釈剤の例は、植物油脂、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、ソルビトール、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、カオリン、微結晶性セルロース、デンプンなどおよびそれらの組合せである。所望の性質プロファイルを達成するため、かつ/またはその製造を補助するために医薬組成物中に存在してもよい他の補助剤の例は、粘着防止剤(antiadherent)、結合剤(たとえばアカシアゴム、ゼラチン、セルロース、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、デンプン、スクロース、ポリエチレングリコール、など)、緩衝塩、剤皮(たとえばセルロース、合成ポリマー、セラック、多糖類など)、崩壊剤(たとえばデンプン、セルロース、架橋ポリビニルピロリドン、デンプングリコール酸ナトリウム、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ガム、たとえばアガー、グアー、など)、矯味矯臭剤および着色剤、滑剤、滑沢剤(たとえばタルク、シリカ、ステアリン酸マグネシウムなど)、防腐剤(たとえば抗酸化剤、たとえばビタミンA、ビタミンE、ビタミンC、パルミチン酸レチニルおよびセレニウム、メチオニン、システイン、クエン酸、クエン酸ナトリウム、メチルパラベン、プロピルパラベンなど)、収着剤、甘味剤、湿潤剤およびたとえばゼラチン、カゼイン、レシチン、アラビアゴム、コレステロール、トラガカント、ステアリン酸、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセリン、セトステアリルア
ルコール、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、ステアリン酸ポリオキシエチレン、コロイド状二酸化ケイ素、ホスフェート、ドデシル硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、セルロース誘導体、ケイ酸アルミウニムマグネシウム、トリエタノールアミン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどを含む他のものならびにそれらの任意の組合せである。
【0081】
本発明による医薬組成物は、化合物(I)の所望の使用における投薬および投与に適した任意の形態を有してもよく、たとえば、懸濁剤、錠剤、丸剤、硬または軟カプセル剤、トローチ剤などであってもよい。医薬組成物は、たとえば、経口的に、頬側に、直腸内、非経口的に、皮下に、鼻内に、局所的に、吸入によってまたは眼もしくは経皮的経路によって、特に経口的に投与することができる、好ましい投与は、具体的な場合によって決まる。本発明による1つまたはそれ以上の多形体の形態の化合物(I)または水和物により対象、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトを治療するときに使用し、かつ所望の治療または予防結果を得るために有効となる投与量は、変動し、そして具体的な場合の詳細を鑑みて医師によって決定される。当分野で知られているように、投与量は、たとえば、治療する状態の重症度、全身健康、投与経路、体重、性別、食事、時間および投与経路、所望の治療期間、吸収および排泄速度、他の薬物との組合せ、およびその他のようなさまざまな要因によって決まる。本発明による化合物(I)の結晶相または結晶相の混合物(無水物および/または水和物)の総日用量は、一回量または分割量で患者に投与してもよい。
【0082】
本発明の別の態様は、たとえば、代謝性障害またはしばしばそれに関連する障害において良好な効果を有する1つまたはそれ以上のさらなる薬理学的活性成分と組み合わせた、本発明による6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩の多形性形態または多形性形態の混合物および水和物の医薬または薬剤としての使用に関する。このような薬剤の例は、以下のとおりである。
1.血中グルコースを低下させる薬剤、抗糖尿病剤、
2.糖尿病によって生じるかまたは糖尿病に関連する合併症の治療および/または予防するための活性成分、
3.脂質異常症を治療するための活性成分、
4.抗アテローム硬化性薬剤、
5.抗肥満剤、
6.抗炎症活性成分、
7.抗血栓活性成分、
8.高血圧を治療するための活性成分、
9.心不全を治療するための活性成分。
【0083】
それらは、特に効果における相乗的改善のため式(I)の本発明の化合物と組み合わせることができる。活性成分の組合せの投与は、活性成分を別々に患者に投与ことによるか、または複数の活性成分が1つ薬学的製剤中に存在する配合剤の形態のいずれかで行うことができる。配合剤に適したさらなる活性成分は、具体的に以下のとおりである:Rote Liste 2011, 第12章に記載されたすべての抗糖尿病剤;Rote Liste 2011, 第17章に記載されたすべての抗高血圧剤;Rote Liste 2011, 第19章に記載されたすべての減量剤/食欲抑制剤;すべてのベータ受容体遮断剤、カルシウムチャネル遮断剤およびRote Liste 2011, 第27章に記載されたレンニン−アンギオテンシン系の阻害剤、たとえばアムロジピン;Rote Liste 2011, 第1章に記載されたすべての減量剤/食欲抑制剤;Rote Liste 2011,
第58章に記載されたすべての脂質低下剤(lipid reducers)。
【0084】
一実施態様において、本発明の化合物は、ACE(アンギオテンシン変換酵素)阻害剤
、たとえばベナゼプリル、カプトプリル、シラザプリル、エナラプリル、フォシノプリル、イミダプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリンドプリル、キナプリル、ラミプリル、スピラプリル、トランドラプリルまたはゾフェノプリルと組み合わせることができる。
【0085】
一実施態様において、本発明の化合物は、カルシウムチャネル遮断剤、たとえばベラパミル、ガロパミル、フェンジリン、ジルチアゼム、ニトレンジピン、フェロジピン、アムロジピン、ニフェジピン、レルカニジピン、ニモジピン、ニカルジピン、ラシジピン、イスラジピン、ニソルジピン、ニルバジピンまたはマニジピンと組み合わせることができる。
【0086】
それらは、特に作用の相乗的改善のため本発明の式Iの化合物と組み合わせることができる。活性成分の組合せは、患者に活性成分を別々に与えることによって、または複数の活性成分が医薬製剤中に存在する配合剤の形態のいずれかで投与することができる。以下に記載されたほとんどの活性成分は、USP Dictionary of USANおよびInternational Drug
Names, US Pharmacopeia, Rockville 2006に開示されている。
【0087】
本発明の一実施態様において、化合物(I)無水相または無水相の混合物および/または本発明による水和物、またはそれらを含む医薬組成物、Rhoキナーゼおよび/またはRhoキナーゼが介在するミオシン軽鎖ホスファターゼのリン酸化に関連する疾患の治療法を含む治療および/または予防法/予防、特に高血圧症、肺高血圧症、高眼圧症、網膜症、緑内障、末梢循環障害、末梢動脈閉塞性疾患(PAOD)、冠動脈性心疾患、狭心症、心肥大、心不全、虚血性疾患、虚血性臓器不全を含む終末器官損傷、肺線維症、肝線維症、肝不全、腎症(高血圧誘発性(hypertension-induced)、非高血圧誘発性(non-hypertension-induced)、および糖尿病性腎症を含む)、腎不全、腎線維症、腎糸球体硬化症、器官肥大(organ hypertrophy)、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、成人呼吸窮迫症候群、血栓性障害、脳卒中、脳血管攣縮、脳虚血、疼痛、たとえば神経因性疼痛;神経変性、脊髄損傷、アルツハイマー病、早産、勃起障害、内分泌腺機能異常、動脈硬化症、前立腺肥大、糖尿病および糖尿病合併症、代謝症候群、血管再狭窄、アテローム性動脈硬化症、炎症、自己免疫疾患、骨粗鬆症のような骨障害、細菌による消化管の感染症、敗血症、がん発生および進行、たとえば、乳房、結腸、前立腺、卵巣、脳および肺のがんならびにそれらの転移の治療および/または予防に用いられる。
【0088】
したがって、本発明のさらなる態様は、薬剤、特に高血圧症、肺高血圧症、高眼圧症、網膜症、緑内障、末梢循環障害、末梢動脈閉塞性疾患(PAOD)、冠動脈性心疾患、狭心症、心肥大、心臓不全、虚血性疾患、虚血性臓器不全を含む終末器官損傷、肺線維症、肝線維症、肝不全;高血圧誘発性、非高血圧誘発性および糖尿病腎症を含む腎症、腎不全、腎線維症、腎糸球体硬化症、器官肥大、喘息慢性閉塞性肺疾患(COPD)、成人呼吸窮迫症候群、血栓性障害、脳卒中、脳血管攣縮、脳虚血、疼痛、たとえば神経因性疼痛;神経変性、脊髄損傷、アルツハイマー病、早産、勃起障害、内分泌腺機能異常、動脈硬化症、前立腺肥大、糖尿病および糖尿病合併症、代謝症候群、血管再狭窄、アテローム性動脈硬化症、炎症、自己免疫疾患、AIDS、骨粗鬆症のような骨障害、細菌による消化管の感染症、敗血症、がん発生および進行、たとえば、乳房、結腸、前立腺、卵巣、脳および肺のがんならびにそれらの転移の治療および/または予防/予防を含む治療のための薬剤を製造するための本発明による6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩の多形性形態または多形性形態の混合物および/または水和物の使用に関する。
【0089】
本発明の一実施態様によれば、本発明による医薬組成物は化合物(I)の多形体1を含む。別の実施態様によれば、本発明による医薬組成物は、化合物(I)の多形体1を化合
物(I)の多形体2および/または化合物(I)の多形体3および/または化合物(I)の多形体4と組み合わせて、たとえば化合物(I)の多形体1を化合物(I)の多形体3と組み合わせて、または化合物(I)の多形体1を化合物(I)の多形体4と組み合わせて含む。本発明の別の実施態様によれば、本発明による医薬組成物は、化合物(I)の多形体3を含む。別の実施態様によれば、本発明による医薬組成物は、化合物(I)の多形体3を化合物(I)の多形体1および/または化合物(I)の多形体2および/または化合物(I)の多形体4と組み合わせて、たとえば化合物(I)の多形体3を多形体4と組み合わせて含む。
【0090】
本発明の別の実施態様によれば、本発明による医薬組成物は、化合物(I)の多形体4を含む。別の実施態様によれば、本発明による医薬組成物は、化合物(I)の多形体4を、化合物(I)の多形体1および/または化合物(I)の多形体2および/または化合物(I)の多形体3と組み合わせて、たとえば化合物(I)の多形体4を多形体2と組み合わせて含む。本発明の別の実施態様によれば、医薬組成物は、化合物(I)の水和物を含む。別の実施態様によれば、医薬組成物は、化合物(I)の水和物を、化合物(I)の多形体1および/または化合物(I)の多形体2および/または化合物(I)の多形体4と組み合わせて、たとえば化合物(I)の水和物を多形体2と組み合わせて含む。本発明の実施態様において、医薬組成物中、水和物を単独で用い、すなわち、他の多形体を実質的に含まずに用いる。実質的に含まないとは、医薬組成物が1つ又はそれ以上の他の多形体、特に多形体2を10%未満、好ましくは5%未満、より好ましくは1%未満含むことを意味する。
【0091】
本発明の別の態様は、本発明による多形性形態および溶媒和物を製造する方法に関する。さらなる態様において、本発明は、上記の6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩の多形体1、多形体2、多形体3、多形体4または水和物が得られる結晶化ステップを含む、6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩を精製する方法に関する。前記方法は、好ましくは多形体1、多形体2、多形体3、多形体4または二水和物の製造を含む。6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩を精製する方法の別の実施態様では、酢酸メチル溶媒和物、1,4ジオキサン溶媒和物またはそのアセトニトリル溶媒和物を製造し、用いてもよい。
【0092】
一般に、本発明の多形性形態および溶媒和物は、化合物(I)の溶液からまたは化合物(I)の懸濁液からまたは固体化合物(I)から出発して化合物(I)を結晶化するか、または再結晶させることによって得ることができる。化合物(I)の溶液または化合物(I)の懸濁液は、化合物(I)の化学合成の最後に得てもよいし、または予め合成した粗化合物(I)を溶解もしくは懸濁することによって得てもよい。「粗化合物(I)」という用語は、化合物(I)の任意の形態、たとえば化学合成から直接得られる物質、独特な多形性形態もしくは溶媒和物または多形性形態および/もしくは溶媒和物の混合物を含み、それらは、その結晶の性質に関して特徴づけられていなくてもよく、独特な多形性形態もしくは溶媒和物または別の独特な多形性形態もしくは溶媒和物に変態する。
【0093】
より具体的に、本発明の多形性形態1、3および4ならびに溶媒和物は、
(a)たとえば粗化合物(I)を、適した溶媒、たとえばアルコール、たとえばメタノール、エタノール、イソプロパノール;ケトン、たとえばアセトンもしくはメチルエチルケトン;エーテル、たとえばテトラヒドロフランもしくはジオキサン;または他の溶媒、たとえばアセトニトリルもしくは酢酸メチル中に溶解または懸濁することによって化合物(I)の溶液または懸濁液を準備し、ここで、化合物(I)の溶液は一般に透明な溶液であり、場合により濾過しておいてもよい、
(b)溶液または懸濁液を維持、加熱、冷却および/または濃縮し、および/または撹拌
するなどかき混ぜながら、もしくはかき混ぜることなく、1つもしくはそれ以上のさらなる溶媒を加えて所望の独特な多形体もしくは溶媒和物の結晶を形成するか、または所望の独特な多形体もしくは溶媒和物を形成させ、そして
(c)独特な多形体または溶媒和物を単離することによって得ることができる。
【0094】
化合物(I)の多形性形態および溶媒和物を製造する方法は、従来の装置を用い、標準的な方法により実施することができる。たとえば、ステップ(b)における溶液または懸濁液の濃縮は、大気圧または減圧で溶媒を部分的にまたは全体的に留去することによって行ってもよい。ステップ(c)における多形体または溶媒和物の単離は、たとえば濾過または吸引濾過または遠心分離といったような任意の従来の技術によって行ってもよい。また、単離は、たとえば高められた温度および/または減圧にかけることによって、たとえば適度な減圧で、ほぼ室温、すなわち約18℃〜約25℃の温度、たとえば約20℃で、または約40℃で乾燥することを含んでもよい。
【0095】
好ましい実施態様では、ステップ(a)またはステップ(b)において溶液または懸濁液に種入れして結晶化または多形体変態を促進してもよい。種入れは、少量の所望の多形体または溶媒和物、たとえば多形体1、多形体3または多形体4を用いて行うことが好ましい。本発明のさらなる態様は、
6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩二水和物を製造する方法であって、
(a)溶液を得るのに適した温度で水を含有する適した溶媒中または水単独中に6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩を溶解するステップと、
(b)二水和物結晶を形成させるのに十分な溶媒を部分的に蒸発させることによってこの溶液を濃縮するか、またはこの溶液を冷却し、二水和物の結晶を形成させるのに十分な時間それを維持するステップと、
(c)二水和物を単離するステップと
を含む方法に関する。
【0096】
6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オンを溶解および結晶するための適した溶媒または溶媒混合物は、アセトン/水、メチルエチルケトン/水、メタノール/水、エタノール/水、イソプロパノール/水、テトラヒドロフラン/水、アセトニトリル/水または水から選択してもよい。溶液を得るのに適した温度は、約55℃から約70℃まで、好ましくは約65℃である。
【0097】
濃縮によって二水和物結晶の沈殿を形成させるのに十分な期間は、たとえば約1時間から10日まで、たとえば約2日である。溶液の冷却は、たとえば溶液を室温で放置させることによっておよび/または約1分から約30分以内に能動冷却するによって実施してもよく、試料サイズに応じて変化してもよい。冷却によって得られる温度は約0℃である。
【0098】
上記の溶媒混合物中の水分含量は、使用する溶媒に応じて変動してもよく、有機溶媒および水の広い範囲で変動することができる。エタノール/水、2−プロパノール/水またはアセトン/水のような溶媒混合物については、約4:1〜1:4(v/v)の範囲とすることができるが、しかし、水をより多くすることもでき、また、純粋な水を用いてもよい。一実施態様では、4:1の溶媒/水混合物を用いる。別の実施態様では、アセトン/水混合物を用いる。一実施態様では、3:1(v/v)の比率、別の実施態様では、アセトン/水3:2(v/v)の範囲を用いる。
【0099】
好ましい実施態様によれば、好ましくはステップ(b)の間に、二水和物結晶を用いて溶液に種入れしてもよい。
【0100】
得られた二水和物の乾燥は、二水和物の過剰乾燥および結晶からの水の損失を回避するために、たとえば所定の湿度(約30%を超える水)を有する窒素流を用いて行うことができる。
【0101】
本発明のさらなる態様は、6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩の多形体2を製造する方法であって、
(a)6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩二水和物を、約20から約40℃の温度で、かなり低い湿度、好ましくは相対湿度2%未満の窒素または空気のような気体に暴露するステップと、
(b)化合物(I)の多形体2を形成させるのに十分な時間、たとえば約1日から約50日間、たとえば約28日間、6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩二水和物をほぼ室温に維持するステップと、
(c)多形体2を単離するステップと
を含む方法に関する。
【0102】
空気に暴露する時間は、試料のサイズに応じて変動してもよく、小さな試料では1日未満であってもよい。
【0103】
本発明の一態様は、6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩の多形体1を製造する方法であって、
(a)6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩またはその二水和物を、メタノールおよびイソプロパノールの溶媒混合物中に、好ましくは約2対1の比率で溶解して、好ましくは約55℃から約65℃の温度で加熱することによって溶液を得るステップと、
(b)多形体1結晶を形成させるのに十分な時間、たとえば約30分から約4時間、たとえば約0℃の温度に冷却するステップと、
(c)多形体1を単離するステップと
を含む方法に関する。
【0104】
本発明のさらなる態様は、6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩の多形体3を製造する方法であって、
(a)6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩またはその二水和物をメタノールのような適した溶媒中に溶解して、たとえば、ほぼ室温で、または約55℃から約65℃の温度で溶液を得るステップと、
(b)多形体3結晶を形成させるのに十分な時間、たとえば約30分から約4時間、たとえば、約0℃の温度に冷却するステップと、
(c)多形体3を単離するステップと
を含むか、または
(a')ほぼ室温でメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールおよびアセトンからなる群から選択される溶媒中に6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩二水和物を懸濁して懸濁液を得るステップと、
(b')多形体3結晶を形成させるのに十分な時間、たとえば約1日から約50日間、たとえば約35日間、約0℃から約45℃、好ましくは約15℃から約25℃の温度で、より好ましくは約20℃で、この懸濁液を維持するステップと、
(c')多形体3を単離するステップと
を含む方法に関する。
【0105】
この方法では、結晶化条件に応じて、多形体3が、別の多形体、たとえば多形体1または4と共に得られることがある。好ましい実施態様によれば、好ましくはステップ(b)
の間に、溶液に多形体3で種入れしてもよい。
【0106】
本発明のさらなる態様は、6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩の多形体4を製造する方法であって、
(a)ほぼ室温で2−ブタノール中に6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩二水和物を懸濁して懸濁液を得るステップと、
(b)多形体4結晶を形成させるのに十分な時間、たとえば約1日から約50日間、たとえば約35日間、約0℃から約45℃、好ましくは約15℃から約25℃の温度で、より好ましくは約20℃でこの懸濁液を維持するステップと、
(c)多形体4を単離するステップと
を含む方法に関する。
【0107】
好ましい実施態様によれば、好ましくはステップ(b)の間に、溶液に多形体4で種入れしてもよい。
【0108】
本発明のさらなる態様は、6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩の酢酸メチル溶媒和物を製造する方法であって
(a)ほぼ室温で酢酸メチル中に6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩二水和物を懸濁して懸濁液を得るステップと、
(b)酢酸メチル溶媒和物を形成するのに十分な時間、たとえば約1日から約50日間、たとえば約35日間、この懸濁液をほぼ室温に維持するステップと、
(c)酢酸メチル溶媒和物を単離するステップと
を含む方法に関する。
【0109】
溶媒和物は、単離条件に応じて、他の多形体、たとえば二水和物、形態1または3に部分的に変態することがある。本発明のさらなる態様は、6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩の1,4−ジオキサン溶媒和物を製造する方法であって
(a)ほぼ室温で1,4−ジオキサン中に6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩二水和物を懸濁して懸濁液を得るステップと、
(b)1,4−ジオキサン溶媒和物を形成させるのに十分な時間、たとえば約1日から約50日間、たとえば約28日間、懸濁液をほぼ室温に維持するステップと、
(c)1,4−ジオキサン溶媒和物の沈殿を単離するステップと
を含む方法に関する。
【0110】
単離条件に応じて、ジオキサン溶媒和物およびさらに二水和物が得られることもある。
【0111】
本発明のさらなる態様においては、6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩のアセトニトリル溶媒和物を製造する方法であって、
(a)ほぼ室温でアセトニトリル中に6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩二水和物を懸濁して懸濁液を得るステップと、
(b)アセトニトリル溶媒和物を形成させるのに十分な時間、たとえば約1日から約50日間、たとえば約35日間、この懸濁液をほぼ室温に維持するステップと、
(c)アセトニトリル溶媒和物の沈殿を単離するステップと
を含む方法に関する。
【0112】
単離条件に応じて、アセトニトリル溶媒和物だけでなく、また二水和物ならびにさらに形態1および3が得られることもある。
【0113】
実施例
以下の実施例により、本発明の多形体および溶媒和物の形成を、例として説明する。多形体および溶媒和物を製造するための出発物質としての化合物(I)は、WO2007/012421に記載されたとおり得ることができる。二水和物を用いるまたは得る場合、これは明記されている。6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩は、「化合物(I)」として省略する。
【0114】
特に記載がない場合、下記のすべての形成および熟成実験において、乾燥は、40℃、減圧(約<50mbar)で一夜かけて実施した。多形体、水和物および溶媒和物は、それらのXRPDパターンによって同定し、特徴づけた。
【0115】
1)二水和物(C
14H
21ClN
2O
4、MW=316,78)の形成
a)粗6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸10gを、70Cで25mL水中に溶解した。溶液を55℃に冷却し、アセトン75mLを加えた。混合物を3時間のうちに室温に冷却させ、結晶化のため2日間放置した。6時間冷却(4℃)した後、濾過により生成物を単離し、アセトン/水(3:1)で洗浄し、そして真空で乾燥した。6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩二水和物7.9g(純度97,1%)を得た。水分含量(カールフィッシャー):10.52%
b)粗6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸8.5gを、65℃で水21.5mL中に溶解した。温度を1時間で50℃に下げ、アセトン32.3mLを30分で加えた。温度を40℃に下げ、混合物を3時間撹拌した。反応混合物を周囲温度にさました。結晶性物質を集め、水/アセトン(1/3)で洗浄し、乾燥して6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩二水和物4.54g(純度>99.9%)を得た。
水分含量(カールフィッシャー)10.6%
1H NMR (500 MHz, d6-DMSO) δ 1.85-1.95 (m, 2H), 2.13-2.22 (m, 2H), 3.04-3.14 (m,
2H), 3.20-3.29 (m, 2H), 4.79-4.86 (m, 1H), 6.44 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.10 (dd, J = 8.9, 2.5 Hz, 1H), 7.14 (dd, J = 7.2, 6.7 Hz, 1H), 7.22 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 8.09 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 8.97-9.13 (bs, 2H) 11.09 (bd, J = 5 Hz, 1H).
c)化合物(I)(二水和物)0.205gを、約65℃でエタノール20mLおよび水3mL中に溶解した。同じ温度で一夜、撹拌溶液から溶媒を蒸発するにまかせた。
d)化合物(I)(二水和物)0.200gを、65℃で20mLエタノールおよび4mL水中に溶解した。溶液を0℃に急速に冷却した。45分後、吸引濾過によって生成物を単離し、乾燥した。同じ方法で、エタノールを、実施例c)およびd)においてテトラヒドロフランまたはメチルエチルケトンによって交換した場合、二水和物を得た。
e)化合物(I)(二水和物)0.204gを65℃で水3mL中に溶解した。
溶液を0℃に急速に冷却した。30分後、吸引濾過によって生成物を単離し、乾燥した。
【0116】
2)多形体1(C
14H
17N
2O
2Cl、MW=280.76)の形成
6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩1.2gをイソプロパノール中に懸濁し、6時間撹拌した。濾過によって固形物質(1.14g)を単離した。その固形物質60.7mgを、イソプロパノール0.352mLおよびメタノール0.647mLの混合物中に懸濁した。透明な溶液が得られるまで、混合物を加熱した。冷却すると、結晶性生成物が得られ、これを濾過によって単離した。
【0117】
3)多形体2(C
14H
17N
2O
2Cl、MW=280.76)の形成
化合物(I)(二水和物)約3mgを、25℃で少なくとも6時間、乾燥窒素雰囲気(窒素流)に暴露させた。この処置の後、試料のX線回折パターンは、相2に一致する。
【0118】
4)多形体3(C
14H
17N
2O
2Cl、MW=280.76)の形成
a)化合物(I)(二水和物)0.201gを65℃でアセトニトリルおよび水3mL中に溶解した。同じ温度で一夜かけて撹拌溶液から溶媒を蒸発するにまかせた。多形体3および極微量の二水和物が得られた。
b)化合物(I)(二水和物)0.208gを65℃でメタノール10mL中に溶解した。撹拌溶液を0℃に急速に冷却した。30分後、吸引濾過によって生成物を単離し、乾燥した。
c)化合物(I)(二水和物)0.203gを20℃でメタノール1.2mL中に懸濁し、35日間撹拌した。吸引濾過によって生成物を単離し、乾燥した。化合物(I)の二水和物をエタノール、1−プロパノールまたは2−プロパノール中に懸濁した場合、同じ生成物(多形体3)が得られた。
【0119】
5)多形体4(C
14H
17N
2O
2Cl、MW=280.76)の形成
a)化合物(I)(二水和物)0.202gを、20℃で2−ブタノール2.0mL中に懸濁し、35日間撹拌した。吸引濾過によって生成物を単離し、乾燥した。
【0120】
6)酢酸メチル溶媒和物の形成
a)化合物(I)(二水和物)0.208gを酢酸メチル2,5mL中に懸濁した。溶液を密閉容器中、室温で35日間撹拌した。懸濁液中に存在する固形物は、懸濁液中のXRPDによって確定したとおり酢酸メチル溶媒和物であった。吸引濾過および乾燥後、形態1および3を含む二水和物が得られた。
【0121】
7)1,4ジオキサン溶媒和物の形成
a)化合物(I)(二水和物)0.204gを、20℃で1,4−ジオキサン2.5mL中に連続的に撹拌しながら35日間溶解した。懸濁液中に存在する固形物は、懸濁液中のXRPDによって確定したとおり酢酸メチル溶媒和物であった。吸引濾過および乾燥後、二水和物を含む溶媒和物が得られた。
【0122】
8)アセトニトリル溶媒和物の形成
a)化合物(I)(二水和物)0.206gをアセトニトリル2.5mL中に懸濁した。懸濁液を20℃で35日間撹拌した。懸濁液中に存在する固形物は、懸濁液中のXRPDによって確定したとおりアセトニトリル溶媒和物であった。懸濁液中に存在する固形物を吸引濾過により単離し、室温、減圧で一夜乾燥した。吸引濾過および乾燥後、形態1および3を含む二水和物が得られた。
【0123】
9)熟成実施例
所定の温度での熟成実験(スラリー変換)によって、化合物(I)の多形体および水和物の相対安定性を調べた。以下の熟成実験は、二水和物から出発して明記された条件下で懸濁液を撹拌することによって実施した。吸引濾過後だけでなく真空(<50mbar)中、40℃で一夜乾燥した後に、懸濁液中のXRPDによって試料を調べた。また、単離した物質を、DSCおよびTGAによって調べた。
a)20℃で35日間水0.4mL中の化合物(I)の二水和物0.210gの熟成。同様に、水/メタノール(vol/vol 1:1)中および水/エタノール(vol/vol 1:1)中で二水和物の熟成を行った。すべての熟成実験において、固形物は二水和物として残った。以下の熟成実験は、化合物(I)の二水和物から出発して、明記された条件下で懸濁液を撹拌し、吸引濾過によって固形物を単離することによって実施した。吸引濾過後だけでなく乾燥後に、懸濁液中のXRPDによって試料を調べた。また、単離した物質をDSCおよびTGAによっても調べた。
b)20℃で35日間、メタノール1.2mL中の化合物(I)の二水和物0.203gの熟成。
c)また、エタノール、1−プロパノールまたは2−プロパノールを用いて(b)中のと
おり熟成を行った。すべての実験(b)および(c)において、多形体3が得られた。
d)20℃で35日間、2−ブタノール2.0mL中の化合物(I)の二水和物0.202の熟成。乾燥後、多形体4が得られた。化合物(I)の二水和物ならびに多形体1、3および4からなる相の相混合物の懸濁液の以下の熟成実験を0、20および40℃で実施した。吸引濾過によって生成物を単離し、乾燥後に分析した。
e)0℃で2週間、2−プロパノール0.7mL中の相1 0.3mg、相3 23.9mg、相4 29.9mgおよび二水和物27.9mgの混合物の熟成。
f)0℃で2週間、2−ブタノール2.0mL中の相1 0.3mg、相3 27.2mg、相418.1mgおよび二水和物29.6mg混合物の熟成。
g)それぞれ20℃および40℃で2−プロパノールおよび2−ブタノール中の相1、相3、相4および二水和物の対応する混合物を用いてe)およびf)と同様の実験を行った。すべての実験e)、f)およびg)では、濾過および乾燥後に多形体3が得られた。実施した熟成実験により、調べた温度範囲において、見いだされた多形体の中では、相3が熱力学的に最も安定な無水形態であることが立証された。
【0124】
10)アモルファス化合物(I)の形成
6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩80mgを水40mL中に溶解し、溶液を凍結乾燥にかけた。溶液を液体窒素中で凍結し、高真空に約16時間暴露した。得られた凍結乾燥物を、次いで粉末X線回折にかけ、これにより、得られた試料が、X線によって確定されたとおりアモルファスであることが立証された(
図12)。
【0125】
また、本発明は、1つまたはそれ以上の非酸性水素原子が重水素によって置換された6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩の新たな結晶性溶媒和物に関し、その製造方法、および特に薬剤を製造するためのその使用に関する。その製造方法は、それぞれの重水素化化合物を用いる上述の方法と類似したものであることができる。
【0126】
分析方法および操作条件
粉末X線回折(XRPD)
すべての粉末X線回折は、CuKα
1放射線(ラムダは1.54060オングストロームである)を用いてStoe Stadi-P透過回折計で実施した。室温粉末回折では、線形位置敏感検出器(linear position sensitive detectors)を用いたのに対して温度分割XRPDでは、イメージプレート位置敏感検出器(image plate position sensitive detectors)(IPPSD)を用いた。特に明記しない限り、粉末X線回折は、室温で実施した。乾燥試料は平らなプレパラートで調べたのに対して、懸濁液は石英ガラスキャピラリーで調べた。測定データは、ソフトウェアWinXPOW V2.12を用いて評価およびプロットした。
【0127】
化合物(I)の相1、2、3および4、二水和物ならびに酢酸メチル溶媒和物、1,4−ジオキサン溶媒和物およびアセトニトリル溶媒和物の観測された粉末X線回折図を図に示す。図に示した粉末X線回折パターンは、バックグラウンドが減算してある。
【0128】
2θ(2シータ)角を°(度)で明記する。°(度)で明記された2θ(2シータ)角は、±0.6度2シータの変動可能性があると理解された。特徴的な反射の相対強度は、以下のとおり明記する。
【0129】
反射の相対強度は、その相対強度が最も強い反射強度の75%を超える場合、またはその相対強度がそれ自体で最も強い反射である場合、「強い」と表し、その相対強度が最も強い反射強度の20%から75%の間である場合、「中位」と表す。
20%未満では、強度が「弱い」と表す。
【0130】
温度分割粉末X線回折図は、化合物(I)の相1、2、3および4が上記の固体−固体転移なしで融解したことを示した。
【0131】
熱重量分析(TGA)
熱重量分析は、METTLER TGA851e(モジュールTGA/SDTA851e/SF1100/042)を用いて実施した。蓋で密閉した100μlのAlるつぼを用いた。測定の開始直前に、試料交換器により蓋にピンホールをパンチする。オーブンセルを約50mL/分の窒素ガス流でパージする。測定は、通常、25℃で約25分の保持時間をかけてから開始し、続いて10°/分の速度で試料を加熱する。温度および重量減少は、シュウ酸カルシウム水和物参照試料によって確認した。
【0132】
示差走査熱量測定法(DSC)
すべてのDSC測定は、Mettler DSC822e(モジュールDSC822e/700/109/414935/0025)を用いて実施した。特に明記しない限り、密閉された蓋および孔を備えた40μlのAlるつぼを用いた。すべての測定は、50mL/分の窒素ガス流中で実施した。特に明記しない限り、加熱速度は10℃/分であった。温度および熱流量は、インジウム参照の融解ピークにより較正した。測定データは、ソフトウェアSTARe V6.1で評価した。
【0133】
動的蒸気収着(DVS)
水分収着/脱着等温線は、Surface Measurement SystemsからのDVS−1において記録した。2サイクルを25℃で実施し、その際、試料を最初に乾燥窒素ガスで処理し、次いで相対湿度を0から95%まで徐々に高め、続いて逆に0%まで再び下げ、そして試料の重量を測定した。両サイクルの典型的な全測定時間は、約20〜30時間である。データは、ソフトウェアDVSWin V2.15で評価した。
【0134】
結晶構造
化合物(I)の二水和物の結晶構造はX線単結晶構造解析によって決定した。
単結晶のX線回折データは、SMART APEX面積検出器、およびモリブデンKfα回転陽極発生器を備えたBruker/AXS三軸回折計(three circle diffractometer)において50kV/120mAで作動させ、0.5×5mm
2の高精度焦点に調整して室温で集めた。