(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような表示灯を装置の上面に設ける場合には、装置の搬入作業時等に搬入口の一部に表示灯が接触することが想定され、搬入作業が煩雑になるという問題がある。表示灯を着脱可能な構成とする場合には、上記のような問題は解消できるが、装置を設置した後に表示灯を取り付ける作業が必要となるという問題がある。一方、表示灯を装置の側面に設ける場合には、表示灯の数が多くなり、その表示制御が煩雑になると共に、装置の製造に必要となるコストが上昇するという問題がある。
【0005】
また、装置における不具合状況は、装置の稼働率等に影響を与えるものであり、早急に発見してメンテナンス等の対応を採ることが望ましい。このため、表示灯においては、このような装置の不具合状況を含む状況を作業者等が迅速に把握できるように、確認者の位置に関わらず確認し易い表示を行うことが要請される。上述のように、装置の上面又は側面に表示灯を設ける場合、装置の設置状況によっては作業者等において確認し難い事態が想定される。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、表示灯が設けられた装置の設置作業を簡素化しつつ、作業者等の位置に関わらず装置の状況を確認し易い表示灯を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る表示灯は、装置の状況を示す表示灯であって、装置の外壁から光を放射する発光部を備え、
装置の上部に、装置が設置されるクリーンルームとクリーン度が異なる部屋を仕切る透明部材からなる仕切部材を配設させ、仕切部材は、発光部から放射された光を表示させる表示エリアを備え、表示エリアは、発光部から放射された光を反射し、表示エリアに、発光部から放射した光を透過させるとともに、表示エリアで発光部から放射された光が反射することにより、表示エリアで装置の状況を間接的に表示させることを特徴とする。
【0008】
上記表示灯によれば、発光部により装置の外壁から
表示エリアに向けて放射された光の反射光によって装置の状況が間接的に表示される。これにより、装置
の上部に配置される表示エリアにおける反射光によって作業者等に装置の状況を報知できるので、作業者等の位置に関わらず装置の状況を確認し易くすることができる。また、表示灯が装置の外壁から光を放射する構成を採るので、表示灯が装置上部から突き出る構成や、装置前側部及び後側部の双方に表示灯が配置される構成を回避できる。これにより、搬入時等に表示灯が搬入口に接触する事態や、表示灯の数に起因するコスト上昇等の事態を防止できる。この結果、表示灯が設けられた装置の設置作業を簡素化しつつ、作業者等の位置に関わらず装置の状況を確認し易い表示灯を提供することが可能となる。
また、仕切部材の表示エリアに発光部から放射した光を透過させることで、表示エリアで装置の状況を表示できるので、クリーンルーム及びクリーン度の異なる部屋の双方の作業者等において装置の状況を確認し易くすることができる。
【0009】
例えば、上記表示灯において、発光部から放射される光は、レーザー光線であって、
表示エリアに放射させるレーザー光線で文字および画像を表示させて装置の状況を表示する。この場合には、レーザー光線で描いた文字や画像を用いて装置の状況を作業者等に報知できるので、作業者等において装置の状況を直感的に把握することができる。
【0010】
上記表示灯においては、発光部が放射する光の色を変更させる色変更手段を備え、色の変更によって装置の状況を知らせることができる。この場合には、発光色の変更によって装置の状況を作業者等に報知することができるので、作業者等において発光色を通じて装置の状況を把握することができる。
【0011】
また、上記表示灯においては、発光部から放射する光の角度を装置の前方に傾けて
表示エリアに放射させる角度変更手段を備え、装置から離間した
表示エリアで反射した反射光によって装置の状況を知らせることができる。この場合には、装置の前方側に配置された
表示エリアにおける反射光によって装置の状況を表示できるので、表示灯の上方に位置する
表示エリアが作業者等から死角に位置する場合であっても、作業者等において装置の状況を確認し易くすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、表示灯が設けられた装置の設置作業を簡素化しつつ、作業者等の位置に関わらず装置の状況を確認し易い表示灯を提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の複数の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下においては、本発明に係る表示灯が設けられる装置として、半導体ウェーハなどの被加工物を加工する加工装置を用いて説明する。しかしながら、本発明に係る表示灯が設けられる装置については、加工装置に限定されるものではなく、稼働状況や不具合状況等を報知する必要がある任意の装置に適用することができる。
【0017】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る表示灯が設けられる装置の外観を示す斜視図である。なお、
図1においては、説明の便宜上、後述する操作パネル3側を装置の前面側(又は単に前面側)と呼び、その反対側を装置の後面側(又は単に後面側)と呼ぶものとする。
図2以降の図面においても同様であるものとする。
【0018】
図1に示すように、本実施の形態に係る表示灯が設けられる装置としての加工装置1は、概して直方体形状の筐体2を有している。筐体2の内部には、例えば、被加工物を加工する加工部及びこの加工部を制御するための制御部が収容されている。筐体2の前面には、加工装置1への指示を受け付ける操作パネル3と、筐体2内の加工部を視認するための窓部4と、加工装置1の稼働を停止するための緊急停止ボタン5とが設けられている。
【0019】
操作パネル3は、例えば、タッチパネルで構成され、加工装置1の操作用に設計された操作入力画面を表示可能に構成される。窓部4は、例えば、ガラスやアクリルなどの透明材料で形成され、開閉可能に構成される。緊急停止ボタン5は、操作パネル3の下方側近傍に設けられ、プッシュタイプのボタンで構成されている。例えば、加工装置1の操作者は、窓部4を介して加工部を視認しながら、操作パネル3から加工装置1に指示を入力することができる。また、不具合発生時等において、操作者は、操作パネル3に表示されたエラーメッセージを確認しながら即時に緊急停止ボタン5によって加工装置を停止することができる。
【0020】
加工装置1の両側面には、筐体2内の加工部や制御部のメンテナンスを行うための扉部6が設けられている(加工装置1の右側面に設けられる扉部6については
図1に不図示)。扉部6は、窓部4と同様に、例えば、ガラスやアクリルなどの透明材料で形成され、開閉可能に構成される。加工装置1のメンテナンスを行う作業者は、この扉部6を開放することで、筐体2内の加工部における部品の位置調整や交換等の作業を行うことができる。
【0021】
加工装置1の上面であって、左側面且つ前面寄りの位置には、円形状の開口部101が設けられている。この開口部101は、後述する表示灯7の発光部71に対応する位置に配置されており、例えば、アクリル等の透明材料からなる板で閉塞されている。開口部101は、後述する角度変更部75により発光部71からの光の角度を変更する際の放射経路を確保するために設けられている。
【0022】
なお、開口部101の位置は、加工装置1の左側面且つ前面寄りの位置に限定されず、後述する発光部71の位置に応じて任意の位置に変更することができる。また、開口部101の形状は、円形状に限定されるものではなく、後述する角度変更部75で調整可能な発光部71からの光の角度に合わせた形状とすることができる。例えば、発光部71からの光が加工装置1の前後左右に角度調整可能な場合には、開口部101の形状を十字形状とすることができる。
【0023】
開口部101の内部には、加工装置1の状況を間接的に表示可能な表示灯7が設けられている。表示灯7には、上方側に向かって光を放射する発光部71が設けられている。表示灯7は、この発光部71が開口部101に対峙して配置されるように、加工装置1の上面近傍に設けられている。このように配置されることで、発光部71は、開口部101を介して加工装置1の外壁から光を放射するように構成されている。例えば、発光部71から放射された光は、加工装置1が設置される部屋10の天井10aに照射される(
図2参照)。
【0024】
発光部71は、単一又は複数の任意の光源を有する。例えば、発光部71は、レーザー光源を備え、レーザー光線を放射可能に構成することができる。以下においては、発光部71が赤色、青色及び緑色のレーザー光線を放射可能なレーザー光源を備えるものとする。発光部71は、後述する表示灯制御部72の制御の下、赤色、青色及び緑色のレーザー光線を切り替えて放射可能に構成される。
【0025】
特に、発光部71は、レーザー光源から放射されるレーザー光線で天井等の被放射対象物に文字および画像を描くことができる。なお、ここでは、発光部71によりレーザー光線で天井等に文字および画像を描く構成とするが、文字および画像のいずれか一方を描く構成とすることも可能である。また、被放射対象物に文字や画像を描くために発光部71を駆動する構成については、特に限定されるものではなく任意の構成を採用できる。例えば、発光部71自体を水平に加工装置1の前後左右に移動する構成や、発光部71自体の角度やレーザー光線の角度を変更する構成を採用することができる。
【0026】
また、表示灯7には、表示灯7における発光の有無、発光色及び発光角度を制御する表示灯制御部72が設けられている。表示灯制御部72は、発光部71から放射される光の有無、すなわち、発光部71の点灯の有無を制御する点灯制御部73と、発光部71から放射される光の色を変更する色変更部74と、発光部71から放射される光の角度を変更する角度変更部75とを含んで構成される。表示灯制御部72は、図示しない加工装置1の主制御部(以下、単に「主制御部」という)からの指示に応じて表示灯7における発光の有無、発光色及び発光角度を制御する。
【0027】
点灯制御部73は、主制御部の指示に応じて発光部71の点灯の有無を制御する。例えば、点灯制御部73は、加工装置1の稼働状況や不具合状況を作業者等に報知する必要がある場合に発光部71を点灯させる。また、点灯制御部73は、報知する内容に応じて発光部71を点滅させることができる。発光部71を点滅させることにより、同一の発光色であっても2種類以上の異なる内容を作業者等に報知することができる。
【0028】
色変更部74は、色変更手段を構成するものであり、主制御部の指示に応じて発光部71から放射される光の色を変更する。例えば、色変更部74は、発光部71が備えるレーザー光源を切り替えることで、発光部71から放射される光の色を変更する。具体的には、色変更部74は、加工装置1が問題なく稼働している稼働状況時においては青色のレーザー光源を選択する一方、緊急性がある不具合状況時においては赤色のレーザー光源を選択することができる。
【0029】
角度変更部75は、角度変更手段を構成するものであり、主制御部の指示に応じて発光部71から放射される光の角度を変更する。より具体的には、角度変更部75は、発光部71から放射される光の角度が加工装置1の前方に傾くように調整する。例えば、角度変更部75は、表示灯7全体を傾斜させる駆動モータや、発光部71からの光の反射角度を変更する反射鏡を備えた構成とすることができる。角度変更部75は、例えば、作業者等から確認し易い位置に発光部71から放射される光を移動する際に利用される。なお、角度変更部75は、発光部71から放射されるレーザー光線で文字や画像を描く際に利用することもできる。
【0030】
ここで、本実施の形態に係る表示灯7から放射される光の様子について
図2〜
図4を参照しながら説明する。
図2は、第1の実施の形態に係る表示灯7から放射される光の様子の説明図である。
図3は、第1の実施の形態に係る表示灯7から装置前方に放射される光の様子の説明図である。
図4は、第1の実施の形態に係る表示灯7が設けられる装置の設置状況の説明図である。
【0031】
なお、
図2〜
図4においては、角度変更部75として、表示灯7全体を傾斜させる駆動モータを備えた構成を加工装置1に採用した場合の一例を示している。また、
図2においては、角度変更部75により発光部71の角度を変更していない初期状態を示している。ここで、初期状態の発光部71は、放射される光が加工装置1の真上に向かう方向に向けて配置されている。一方、
図3及び
図4においては、角度変更部75により発光部71の角度を装置前方に変更した状態を示している。
【0032】
図2においては、加工装置1がクリーンルーム等の仕切られた部屋10に設置された場合について示している。発光部71から放射された光は、発光部71の真上に配置された天井10aに反射する。点灯制御部73は、このように天井10aに反射する光の点灯を制御する。このような点灯制御部73による点灯制御により、表示灯7においては、天井10aに反射した反射光によって間接的に加工装置1の状況を表示することができる。このように、加工装置1が設置される部屋10の天井10aにおける反射光によって作業者等に加工装置1の状況を報知できるので、作業者等の位置に関わらず加工装置1の状況を確認し易くすることができる。
【0033】
表示灯7は、加工装置1の上面(より具体的には開口部101)の内側に配置されており、加工装置1の外壁から光を放射する構成を採る。このため、表示灯7が装置上部から突き出る構成や、装置前面部及び後面部の双方に表示灯7が配置される構成を回避できる。これにより、搬入時等に表示灯7が搬入口に接触する事態や、表示灯7の数に起因するコスト上昇等の事態を防止できる。この結果、表示灯7が設けられた加工装置1の設置作業を簡素化することができる。
【0034】
また、本実施の形態に係る表示灯7において、発光部71は、上述のように、レーザー光源から放射されるレーザー光線で天井10aに文字や画像を描くことができる。したがって、レーザー光線で描いた文字や画像を用いて加工装置1の状況を作業者等に報知できるので、作業者等において加工装置1の状況を直感的に把握することができる。
【0035】
さらに、本実施の形態に係る表示灯7において、色変更部74は、発光部71から放射される光の色を変更することができる。これにより、発光部71から放射される光の色の変更によって加工装置1の状況を作業者等に報知することができるので、作業者等において表示灯7からの発光色を通じて加工装置1の状況を把握することができる。
【0036】
例えば、本実施の形態に係る表示灯7においては、上述した赤色、青色及び緑色のレーザー光線の点灯及び点滅を組み合わせて、加工装置1における複数種類の状況を報知することができる。例えば、表示灯7においては、赤色のレーザー光線の点灯によって不具合等に起因した加工装置1の停止状況を報知でき、青色のレーザー光線の点灯によって加工装置1の正常稼働状況を報知でき、緑色のレーザー光線の点灯によって加工装置1の待機状況を報知できる。また、表示灯7においては、不具合等は発生しているものの、被加工物の連続加工が可能である状況等を赤色のレーザー光線の点滅によって報知することができる。
【0037】
図3及び
図4においては、例えば、通路11に面して複数(ここでは、2つ)の加工装置1(1a、1b)が一列に並んで設置された状況を示している。
図3及び
図4においては、発光部71からの光が加工装置1a、1bの前方側、すなわち、通路11側に放射されるように、表示灯7の角度が角度変更部75により調整されている。この場合、発光部71から放射された光は、加工装置1a、1bよりも前方側に配置された天井10bに反射する。したがって、加工装置1a、1bから前方側に離間した天井10bにおける反射光によって加工装置1a、1bの状況を表示できるので、表示灯7の上方に位置する天井が作業者等から死角に位置する場合であっても、作業者等において加工装置1a、1bの状況を確認し易くすることができる。
【0038】
例えば、
図4に示す加工装置1a、1bとの間に床面から天井10bまで到達する仕切り壁が設置されていると、加工装置1a側に位置する作業者にとっては、加工装置1bの真上に位置する天井は、仕切り壁により死角になり得る。このような場合であっても、
図3及び
図4に示すように、角度変更部83により発光部71から放射される光の角度を変更して、加工装置1bの前方側に位置する天井10bに反射光の位置を調整することにより、加工装置1bの状況を作業者等に適切に報知することができる。
【0039】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態に係る表示灯7においては、単一の発光部71を備え、加工装置1の上方の天井等における反射光により加工装置1の状況を間接的に表示している。第2の実施の形態に係る表示灯は、複数の発光部を備え、これらの発光部から放射される光の交点によって加工装置の状況を間接的に表示する点で、第1の実施の形態に係る表示灯7と相違する。
【0040】
以下、第2の実施の形態に係る表示灯が設けられる加工装置の構成について、
図5及び
図6を参照しながら説明する。
図5は、第2の実施の形態に係る表示灯が設けられる加工装置の外観を示す斜視図である。
図6は、第2の実施の形態に係る表示灯から放射される光の様子の説明図である。なお、
図5及び
図6において、
図1に示す加工装置1と共通の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。なお、
図5においては、筐体2の上面に形成される開口部101を省略している。
【0041】
図5及び
図6に示すように、本実施の形態に係る表示灯7aは、上方側に向かって光を放射する複数(本実施の形態では2つ)の発光部71a、71bを備える。これらの発光部71a、71bは、角度変更部75に角度調整されていない初期状態において、放射される光が交差するように加工装置1cの筐体2の上面近傍に設けられている。より具体的には、発光部71a、71bが放射する光が、加工装置1cの上面と天井10bとの間の空間で交差するように、それぞれ内側に傾いて配置されている。なお、これらの発光部71a、71bは、第1の実施の形態と同様に、例えば、レーザー光源を備える構成とすることができる。
【0042】
この構成によれば、発光部71a、71bから放射される光の交点12によって加工装置1cの状況を表示することができる。これにより、加工装置1cの上面が天井10bまで離れている場合であっても、作業者等において加工装置1cの状況を確認し易くすることができる。なお、この交点12における表示態様については、例えば、第1の実施の形態と同様に、上述した赤色、青色及び緑色のレーザー光線の点灯及び点滅を組み合わせることができる。また、発光部71a、71bから放射されるレーザー光線の角度を変更することにより、交点12の軌跡で文字や画像を描くこともできる。
【0043】
また、本実施の形態に係る表示灯7aにおいては、2つの発光部71a、71bから異なる色の光を放射することにより、交点12における表示態様を更に増やすことができる。例えば、発光部71aから赤色のレーザー光線を放射する一方、発光部71bから緑色のレーザー光線を放射することにより、交点12における発光色を黄色に設定することができる。このように異なる色の組み合わせで形成される色に異なる加工装置1cの状況を関連付けておくことにより、作業者等に報知する加工装置1cの状況のバリエーションを増やすことが可能となる。
【0044】
さらに、本実施の形態に係る表示灯7aにおいて、角度変更部75により発光部71a、71bから放射される光の交点12の位置を、作業者等にて確認し易い位置に調整することは実施の形態として好ましい。例えば、加工装置1cと天井10bとの間の空間で上下動させることや、加工装置1cの前方側に移動させることが考えられる。この場合には、作業者等の作業位置や天井10bの高さに依存することなく、加工装置1cの状況をより確認し易い表示灯7aを提供することができる。
【0045】
(第3の実施の形態)
第1の実施の形態に係る表示灯7においては、加工装置1の上方の天井等における反射光により加工装置1の状況を間接的に表示している。第3の実施の形態に係る表示灯は、加工装置の上方の天井までの間に配置される仕切部材の一部における反射光により加工装置の状況を間接的に表示する点で、第1の実施の形態に係る表示灯7と相違する。
【0046】
以下、第3の実施の形態に係る表示灯が設けられる加工装置の構成について、
図7を参照しながら説明する。
図7は、第3の実施の形態に係る表示灯が設けられる装置の設置状況の説明図である。なお、
図7において、
図1に示す加工装置1と共通の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。なお、
図7においては、筐体2の上面に形成される開口部101を省略している。
【0047】
図7に示すように、第3の実施の形態に係る表示灯7bが設けられる加工装置1dは、操作パネル3が設けられた前面がクリーンルームに配置されると共に、メンテナンス用の扉部6が設けられた側面部より後方側部分がグレールームに配置される。第3の実施の形態においては、このように設置される加工装置1dの上部に、クリーンルームと、このクリーンルームとクリーン度が異なるグレールームとを仕切る透明部材からなる仕切部材13が配設されている。この仕切部材13の所定位置には、発光部71から放射された光を表示させる表示エリア131が設けられている。
【0048】
表示エリア131は、例えば、発光部71から放射された光を乱反射させる変質層で構成される。変質層においては、例えば、仕切部材13の表面に微小な凹凸部が設けられている。この凹凸部で発光部71から放射された光が乱反射することにより、加工装置1dの状況を表示することが可能となる。この変質層を構成する凹凸部は、例えば、仕切部材13の表示エリア131に対してサンドブラスト加工を施すことにより形成される。
【0049】
本実施の形態に係る表示灯7bにおいて、発光部71は、角度変更部75に角度調整されていない初期状態において、放射される光が仕切部材13を透過するように上面近傍に設けられている。より具体的には、発光部71は、放射する光が仕切部材13の表示エリア131に照射されるような角度を有するように配置されている。
【0050】
この構成によれば、仕切部材13に発光部71から放射した光を透過させることで、仕切部材13の表示エリア131で加工装置1dの状況を表示できる。これにより、クリーンルーム及びグレールームの双方の作業者等において加工装置1dの状況を確認し易くすることができる。なお、この表示エリア131における表示態様については、例えば、第1の実施の形態と同様に、上述した赤色、青色及び緑色のレーザー光線の点灯及び点滅を組み合わせることができる。また、発光部71から放射されるレーザー光線の角度を変更することにより、表示エリア131上の光点の軌跡で文字や画像を描くこともできる。
【0051】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
【0052】
例えば、上記実施の形態においては、表示灯7を構成する発光部71を、加工装置1の上面近傍の内部に設ける場合について説明している。しかしながら、発光部71が設けられる加工装置1の位置については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、加工装置1が設置される部屋の天井や、加工装置1の上面と天井との間の空間の所望位置に向けて放射できることを条件として、加工装置1の側面や前面近傍の内部に発光部71を設けるようにしてもよい。この場合には、発光部71から放射される光は、加工装置1の外壁を構成する側面や前面から放射される。
【0053】
また、上記実施の形態においては、表示灯7を構成する発光部71がレーザー光源を備える場合について説明している。しかしながら、発光部71が備える光源については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、半導体発光素子であるLED素子や、エレクトロルミネッセンス(EL)発光素子などの光源を備えるようにしてもよい。
【0054】
さらに、上記実施の形態においては、色変更部74が、発光部71が備えるレーザー光源を切り替えることで発光部71から放射される光の色を変更する場合について説明している。しかしながら、色変更部74の構成についてはこれに限定されるものではなく、発光部71から放射される光の色を所望の色に変更可能であることを条件として任意の機構又は制御を採用することが可能である。例えば、発光部71から放射される光を白色とする一方、光路上に所望色のフィルタを切替え可能に配置しておき、各色のフィルタを切り替えることで、発光部71から放射される光の色を変更するようにしてもよい。
【0055】
さらに、上記実施の形態においては、角度変更部75が、発光部71から放射される光の角度が加工装置1の前方に傾くように調整する場合について説明している。しかしながら、角度変更部75が変更する光の角度は、加工装置1の前方側に傾く角度に限定されるものではなく任意の角度に変更することが可能である。例えば、表示灯7による表示内容を確認する作業者(例えば、メンテナンスを行う作業者や操作を行う作業者)に合わせて確認し易い角度に発光部71からの光を調整可能とすることは実施の形態として好ましい。例えば、角度変更部75は、メンテナンスを行う作業者に合わせて、発光部71からの光が加工装置1の側方に傾くように調整してもよい。
【0056】
さらに、上記実施の形態においては、角度変更部75が、表示灯7全体を傾斜させる駆動モータや、発光部71からの光の反射角度を変更する反射鏡を備えた構成を有する場合について例示している。しかしながら、角度変更部75の構成については、これに限定されるものではなく、発光部71から放射される光の角度を所望の方向に変更可能であることを条件として任意の機構又は制御を採用することが可能である。
【0057】
さらに、上記第2の実施の形態においては、2つの発光部71a、71bを備える場合について例示している。しかしながら、発光部71の数量については、3つ以上備えるようにしてもよい。このように3つ以上の発光部71を備える場合においては、少なくとも2つ以上の発光部71を発光させることで交点12を形成でき、この交点12により加工装置1cの状況を表示することができる。