【実施例】
【0080】
以下に、本発明の実施例を、比較例と対比して説明する。しかしながら、これら実施例は、本発明の実施の態様の一例であり、本発明がこれらの実施例に限定して解釈されるものではない。
【0081】
[実施例1]
炭酸リチウム粉末、オキシ水酸化コバルト粉末、塩基性炭酸ニッケル粉末、水酸化アルミニウム粉末、水酸化マグネシウム粉末、及び酸化ジルコニウム粉末を、Li:Co:Ni:Al:Mg:Zrがモル比で0.98:0.949:0.03:0.01:0.01:0.001となるように混合し、混合粉末を大気雰囲気中1010℃で14時間焼成し、リチウム含有複合酸化物を得た。得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi
0.99(Co
0.949Ni
0.03Al
0.01Mg
0.01Zr
0.001)
1.01O
2であった。以下、本明細書中では、表面修飾前のリチウム含有複合酸化物を、母材ということもある。
得られたリチウム含有複合酸化物100gに対し、炭酸アンモニウムジルコニウム(NH
4)
2[Zr(CO
3)
2(OH)
2]を水で希釈したZr含量2.4重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。Zr表面修飾量は母材に対して0.1mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中400℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面にZrを検出した。また、加熱時の発生ガスをTPD-MSで測定し母材と比較したところ、CO
2の発生が確認され、NH
3及びNO
xは発生しなかった。このことから、表面修飾化合物は、Zr(CO
3)
2、ZrOCO
3、又はZr(CO
3)
2とZrOCO
3の混合物のいずれかであると推測される。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の平均粒径D50は13.9μm、比表面積は0.23m
2/g、(110)半値幅は0.09°、遊離アルカリ量は0.23mol%であった。
【0082】
正極活物質である上記表面修飾リチウム含有複合酸化物の粉末と、アセチレンブラックとポリフッ化ビニリデン粉末とを80/12/8の質量比で混合し、N−メチルピロリドンを添加してスラリーを作製し、これを厚さ20μmのアルミニウム箔にドクターブレードを用いて片面塗工した。得られたアルミニウムシートを乾燥し、ロールプレス圧延を行うことによりリチウム電池用の正極体シートを作製した。
次に、前記の正極体シートを正極に用い、厚さ500μmの金属リチウム箔を負極に用い、負極集電体にはSUS板を使用し、セパレータには厚さ25μmの多孔質ポリプロピレンを用い、さらに電解液には、濃度1MのLiPF
6/EC+DEC(1:1)溶液(LiPF
6を溶質とするECとDECとの体積比(1:1)の混合溶液を意味する。)を用いてステンレス製簡易密閉セル型リチウム電池をアルゴングローブボックス内で組み立てた。
【0083】
上記簡易密閉セル型リチウム電池を、25℃にて正極活物質1gにつき100mAの電流値で上限電圧4.6Vとし、CCCVモード6時間(100mAの一定電流で充電を行い、電池電圧が上限電圧に達した後は上限電圧の一定電圧で充電を行った。合計の充電時間を6時間とする。)で充電した後、正極活物質1gにつき40mAの電流値で2.75Vまで放電して、初回充放電容量を求めた。その結果、25℃、2.75〜4.6Vにおける正極活物質の初回放電容量は203mAh/g、初回の充電容量と放電容量の比率である、初回充放電効率は91.2%、初回の放電平均電圧は4.04V、初回放電エネルギーは820mWh/gであった。
この電池について、充電を正極活物質1gにつき200mAの電流値でCCCVモード3時間、放電を正極活物質1gにつき100mAの電流値とした以外は初回と同じ条件で充放電サイクルを50回行った。50回充放電後の容量維持率は78.8%であった。
【0084】
[実施例2]
混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Mg:Zrのモル比を0.98:0.899:0.08:0.01:0.01:0.001とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi
0.99(Co
0.899Ni
0.08Al
0.01Mg
0.01Zr
0.001)
1.01O
2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0085】
[実施例3]
混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Mg:Zrのモル比を1.02:0.899:0.08:0.01:0.01:0.001とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi
1.01(Co
0.899Ni
0.08Al
0.01Mg
0.01Zr
0.001)
0.99O
2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0086】
[実施例4]
混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Mg:Zrのモル比を0.98:0.849:0.13:0.01:0.01:0.001とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi
0.99(Co
0.849Ni
0.13Al
0.01Mg
0.01Zr
0.001)
1.01O
2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0087】
[実施例5]
混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Mg:Zrのモル比を0.98:0.799:0.18:0.01:0.01:0.001とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi
0.99(Co
0.799Ni
0.18Al
0.01Mg
0.01Zr
0.001)
1.01O
2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0088】
[実施例6]
混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Mg:Zrのモル比を0.98:0.749:0.23:0.01:0.01:0.001とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi
0.99(Co
0.749Ni
0.23Al
0.01Mg
0.01Zr
0.001)
1.01O
2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0089】
[実施例7]
混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Mg:Zrのモル比を1.03:0.90:0.07:0.01:0.01:0.01とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物混合粉末中を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi
1.015(Co
0.90Ni
0.07Al
0.01Mg
0.01Zr
0.01)
0.985O
2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0090】
[実施例8]
酸化ジルコニウム粉末を混合せず、混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Mgのモル比を0.97:0.90:0.08:0.01:0.01とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi
0.985(Co
0.90Ni
0.08Al
0.01Mg
0.01)
1.015O
2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0091】
[実施例9]
混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Mgのモル比を0.97:0.88:0.08:0.03:0.01とした以外は、実施例8と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi
0.985(Co
0.88Ni
0.08Al
0.03Mg
0.01)
1.015O
2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0092】
[実施例10]
水酸化マグネシウム粉末を混合せず、混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Zrのモル比を1.03:0.90:0.08:0.01:0.01とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi
1.015(Co
0.90Ni
0.08Al
0.01Zr
0.01)
0.985O
2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0093】
[実施例11]
酸化ジルコニウム粉末の代わりに酸化チタンの粉末を用い、混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Tiのモル比を1.03:0.90:0.08:0.01:0.01とした以外は、実施例10と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi
1.015(Co
0.90Ni
0.08Al
0.01Ti
0.01)
0.985O
2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0094】
[実施例12]
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに対し、炭酸アンモニウムジルコニウムを水で希釈したZr含量2.4重量%の表面修飾溶液4gと、リン酸二水素アンモニウムを水に溶解したP含量3.2重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。Zr表面修飾量は母材に対して0.1mol%、P表面修飾量は母材に対して0.4mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中600℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面にZrとPを検出した。また、モデル的にZrとPの表面修飾量を10倍にした表面修飾リチウム含有複合酸化物の粉末X線回折スペクトルを測定したところ、ZrO
2とLi
3PO
4のピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はZrO
2とLi
3PO
4の混合物であると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0095】
[実施例13]
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに対し、六フッ化ジルコニウム酸アンモニウムを水で希釈したZr含量2.4重量%、F含量3.0重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。Zr表面修飾量は母材に対して0.1mol%、F表面修飾量は母材に対して0.6mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中600℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
【0096】
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面にZrとFを検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、ZrO
2とLiFのピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はZrO
2とLiFの混合物であると推測される。
得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50は15.2μm、比表面積は0.19m
2/g、(110)半値幅は0.10°、遊離アルカリ量は0.23mol%であった。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0097】
[実施例14]
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに対し、炭酸アンモニウムジルコニウムと硫酸アンモニウムを水に溶解したZr含量2.4重量%、S含量3.3重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。Zr表面修飾量は母材に対して0.1mol%、S表面修飾量は母材に対して0.4mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中600℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面にZrとSを検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、ZrO
2とLi
2SO
4のピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はZrO
2とLi
2SO
4の混合物であると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0098】
[実施例15]
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに対し、塩基性乳酸アルミニウムを水で希釈したAl含量0.7重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。Al表面修飾量は母材に対して0.1mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中500℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子内部より粒子表面にAlを多く検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、Al
2O
3のピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾物質はAl
2O
3であると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0099】
[実施例16]
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに対し、塩基性乳酸アルミニウムとリン酸二水素アンモニウムを水に溶解したAl含量0.7重量%、P0.8重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。Al表面修飾量は母材に対して0.1mol%、P表面修飾量は0.1mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中600℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面に粒子内部より多くのAlとPを検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、AlPO
4のピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はAlPO
4であると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0100】
[実施例17]
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに対し、乳酸チタンを水で希釈したTi含量1.2重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。Ti表面修飾量は母材に対して0.1mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中500℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面にTiを検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、TiO
2とLiTiO
2のピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はTiO
2とLiTiO
2の混合物であると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0101】
[実施例18]
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに対し、水酸化マグネシウムを水に溶解したMg含量0.6重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。Mg表面修飾量は母材に対して0.1mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中500℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子内部より粒子表面にMgを多く検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、MgOのピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はMgOであると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0102】
[実施例19]
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに対し、フッ化アンモニウムを水に溶解したF含量3.0重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。F表面修飾量は母材に対して0.6mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中600℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面にFを検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、LiFのピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はLiFであると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0103】
[実施例20]
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに対し、リン酸二水素アンモニウムを水に溶解したP含量3.2重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。P表面修飾量は母材に対して0.4mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中600℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面にPを検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、Li
3PO
4のピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はLi
3PO
4であると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0104】
[実施例21]
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに対し、酢酸亜鉛を水に溶解したZn含量1.7重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。Zn表面修飾量は母材に対して0.1mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中500℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
【0105】
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面にZnを検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、ZnOのピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はZnOであると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0106】
[実施例22]
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gを、酸化ニオブとクエン酸を水に溶解したNb含量0.2重量%の表面修飾溶液40gに浸漬させ、混合したのち乾燥して表面修飾前駆体原料を得た。Nb表面修飾量は母材に対して0.1mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中500℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面にNbを検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、Nb
2O
5のピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はNb
2O
5であると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0107】
[実施例23]
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに、メタタングステン酸アンモニウムを水に溶解したW含量4.7重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。W表面修飾量は母材に対して0.1mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中500℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
【0108】
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面にWを検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、WO
3のピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はWO
3であると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0109】
[実施例24]
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに、酢酸イットリウムを水に溶解したY含量2.3重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。Y表面修飾量は母材に対して0.1mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中500℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面にYを検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、Y
2O
3のピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はY
2O
3であると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0110】
[実施例25]
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに、酢酸ランタンを水に溶解したLa含量3.6重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。La表面修飾量は母材に対して0.1mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中500℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面にLaを検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、La
2O
3のピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はLa
2O
3であると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0111】
[実施例26]
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに、酢酸ガドリニウムを水に溶解したGd含量4.0重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。Gd表面修飾量は母材に対して0.1mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中500℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面にGdを検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、Gd
2O
3のピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はGd
2O
3であると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0112】
[実施例27]
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに対し、炭酸アンモニウムジルコニウムを水で希釈したZr含量2.4重量%の表面修飾溶液4gと、酢酸ガドリニウムを水に溶解したGd含量4.0重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。Zr表面修飾量は母材に対して0.1mol%、Gd表面修飾量は母材に対して0.1mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中500℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面にGdとZrを検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、Gd
2Zr
2O
7のピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はGd
2Zr
2O
7であると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0113】
[実施例28]
酸化ジルコニウム粉末の代わりに酸化スズの粉末を用い、混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Snのモル比を1.00:0.90:0.08:0.01:0.01とした以外は、実施例10と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi
1.00Co
0.90Ni
0.08Al
0.01Sn
0.01O
2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0114】
[実施例29]
酸化ジルコニウム粉末の代わりに酸化ゲルマニウムの粉末を用い、混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Geのモル比を1.00:0.90:0.08:0.01:0.01とした以外は、実施例10と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi
1.00Co
0.90Ni
0.08Al
0.01Ge
0.01O
2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0115】
[実施例30]
酸化ジルコニウム粉末の代わりに酸化ホウ素の粉末を用い、混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Bのモル比を1.00:0.90:0.08:0.01:0.01とした以外は、実施例10と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi
1.00Co
0.90Ni
0.08Al
0.01B
0.01O
2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0116】
[実施例31]
酸化ジルコニウム粉末の代わりにリン酸二水素アンモニウムの粉末を用い、混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Pのモル比を1.00:0.90:0.08:0.01:0.01とした以外は、実施例10と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi
1.00Co
0.90Ni
0.08Al
0.01P
0.01O
2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0117】
[実施例32]
酸化ジルコニウム粉末の代わりに酸化亜鉛の粉末を用い、混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Znのモル比を1.00:0.90:0.08:0.01:0.01とした以外は、実施例10と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi
1.00Co
0.90Ni
0.08Al
0.01Zn
0.01O
2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0118】
[実施例33]
酸化ジルコニウム粉末の代わりに酸化イットリウムの粉末を用い、混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Yのモル比を1.00:0.90:0.08:0.01:0.01とした以外は、実施例10と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi
1.00Co
0.90Ni
0.08Al
0.01Y
0.01O
2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0119】
[実施例34]
酸化ジルコニウム粉末の代わりに酸化ランタンの粉末を用い、混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Laのモル比を1.00:0.90:0.08:0.01:0.01とした以外は、実施例10と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi
1.00Co
0.90Ni
0.08Al
0.01La
0.01O
2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0120】
[実施例35]
酸化ジルコニウム粉末の代わりに酸化ニオブの粉末を用い、混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Nbのモル比を1.00:0.90:0.08:0.01:0.01とした以外は、実施例10と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi
1.00Co
0.90Ni
0.08Al
0.01Nb
0.01O
2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0121】
[実施例36]
炭酸リチウム粉末、オキシ水酸化コバルト粉末、塩基性炭酸ニッケル粉末、水酸化アルミニウム粉末、水酸化マグネシウム粉末、及びフッ化リチウムの粉末を用い、混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Mg:Fのモル比を1.00:0.90:0.08:0.01:0.01:0.01とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。Liは、炭酸リチウムとフッ化リチウムの合計とした。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi
1.00Co
0.90Ni
0.08Al
0.01Mg
0.01O
1.995F
0.01であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0122】
[実施例37]
オキシ水酸化コバルト粉末と塩基性炭酸ニッケル粉末の代わりに、Co:Niのモル比が92:8の共沈オキシ水酸化物を用い、混合粉末中のLi:(Co+Ni):Al:Mg:Zrのモル比を1.02:0.979:0.01:0.01:0.001とした以外は、実施例2と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成は、Li
1.01(Co
0.901Ni
0.078Al
0.01Mg
0.01Zr
0.001)
0.99O
2であった
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0123】
[実施例38]
酸化ジルコニウム粉末を混合せず、混合粉末中のLi:(Co+Ni):Al:Mgのモル比を1.02:0.98:0.01:0.01とした以外は、実施例37と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成は、Li
1.01(Co
0.902Ni
0.078Al
0.01Mg
0.01)
0.99O
2であった
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0124】
[実施例39]
酸化マグネシウム粉末を混合せず、混合粉末中のLi:(Co+Ni):Al:Zrのモル比を1.03:0.98:0.01:0.01とした以外は、実施例37と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成は、Li
1.015(Co
0.902Ni
0.078Al
0.01Zr
0.01)
0.985O
2であった
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0125】
[実施例40]
オキシ水酸化コバルト粉末、塩基性炭酸ニッケル粉末、水酸化アルミニウム粉末および水酸化マグネシウム粉末の代わりに、Co:Ni:Al:Mgのモル比が90:8:1:1の共沈オキシ水酸化物を用い、混合粉末中のLi:(Co+Ni+Al+Mg)のモル比を1.02:1.00とした以外は、実施例8と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成は、Li
1.01(Co
0.90Ni
0.08Al
0.01Mg
0.01)
0.99O
2であった
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0126】
[比較例1]
塩基性炭酸ニッケル粉末を混合せず、混合粉末中のLi:Co:Al:Mg:Zrのモル比を1.02:0.979:0.01:0.01:0.001とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi
1.01(Co
0.979Al
0.01Mg
0.01Zr
0.001)
0.99O
2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0127】
[比較例2]
混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Mg:Zrのモル比を0.98:0.699:0.28:0.01:0.01:0.001とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi
0.99(Co
0.699Ni
0.28Al
0.01Mg
0.01Zr
0.001)
1.01O
2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0128】
[比較例3]
水酸化アルミニウム粉末を混合せず、混合粉末中のLi:Co:Ni:Mg:Zrのモル比を1.03:0.90:0.07:0.015:0.015とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi
1.015(Co
0.90Ni
0.07Mg
0.015Zr
0.015)
0.985O
2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0129】
[比較例4]
混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Mgのモル比を0.97:0.86:0.08:0.01:0.05とした以外は、実施例8と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi
0.985(Co
0.86Ni
0.08Al
0.01Mg
0.05)
1.015O
2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0130】
[比較例5]
混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Zrのモル比を1.03:0.86:0.08:0.01:0.05とした以外は、実施例10と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi
1.015(Co
0.86Ni
0.08Al
0.01Zr
0.05)
0.985O
2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
【0131】
[比較例6]
水酸化アルミニウム粉末および酸化ジルコニウム粉末を混合せず、混合粉末中のLi:Co:Ni:Mgのモル比を1.00:0.90:0.05:0.05とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi
1.00Co
0.90Ni
0.05Mg
0.05O
2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積の測定と電池性能評価を行った。
【0132】
[比較例7]
塩基性炭酸ニッケル粉末および酸化ジルコニウム粉末を混合せず、混合粉末中のLi:Co:Al:Mgのモル比を1.00:0.85:0.10:0.05とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi
1.00Co
0.85Al
0.10Mg
0.05O
2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積の測定と電池性能評価を行った。
【0133】
[比較例8]
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物において、表面修飾を行わず、母材をそのまま正極活物質として実施例1と同様の方法で、電池性能評価を行った。
【0134】
実施例1〜40および比較例1〜8の表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅、遊離アルカリ量および電池性能評価の結果を表1-1〜表1−3に示す。
【0135】
【表1-1】
【0136】
【表1-2】
【0137】
【表1-3】