特許第6361256号(P6361256)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6361256混雑度推定サーバ、および混雑度推定システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6361256
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】混雑度推定サーバ、および混雑度推定システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20180712BHJP
【FI】
   G06Q50/10
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-85362(P2014-85362)
(22)【出願日】2014年4月17日
(65)【公開番号】特開2015-207041(P2015-207041A)
(43)【公開日】2015年11月19日
【審査請求日】2017年4月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】100084412
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 冬紀
(74)【代理人】
【識別番号】100078189
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 隆男
(72)【発明者】
【氏名】中村 正永
【審査官】 大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−288385(JP,A)
【文献】 特開2007−201556(JP,A)
【文献】 特開2004−178358(JP,A)
【文献】 特開2003−122908(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影位置に関する情報が付加された撮影画像、ならびに開催場所、時刻、および参加者の数の情報を含む将来のイベントの情報を受信する通信部と、
前記通信部が受信した前記撮影画像を解析し、人数と歩道の面積から算出される現在の混雑度を出力する画像解析部と、
歩道の面積を算出できる情報を含む地図情報を保存する地図データベースと、
前記画像解析部が出力する前記現在の混雑度、前記撮影画像の前記撮影位置、前記地図データベースが保存する前記地図情報、および前記将来のイベントの情報に基づいて前記撮影位置を含む所定のエリアの将来の混雑度の時間分布を推定する混雑度推定部と、
前記混雑度推定部が推定した前記将来の混雑度の時間分布を前記通信部より送信する制御部とを備える混雑度推定サーバ。
【請求項2】
請求項1に記載の混雑度推定サーバにおいて、
前記混雑度推定部は、前記将来のイベントの開始時刻前および終了時刻後における前記撮影位置を含む所定のエリアの将来の混雑度の時間分布を推定する混雑度推定サーバ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の混雑度推定サーバにおいて、
前記混雑度推定部は、前記地図データベースの情報から算出する前記所定のエリアにおける歩道の面積、および前記所定のエリアを通行する前記将来のイベントの参加者の時間分布から前記将来のイベントの参加者による将来の混雑度の増加を推定する混雑度推定サーバ。
【請求項4】
請求項3に記載の混雑度推定サーバにおいて、
前記画像解析部が出力する前記現在の混雑度を保存する混雑度データベースをさらに備え、
前記混雑度推定部は、前記現在の混雑度および前記混雑度データベースを参照し、前記イベントの参加者による混雑度の増加を除いた前記将来の混雑度の時間分布を推定する混雑度推定サーバ。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の混雑度推定サーバにおいて、
前記混雑度推定サーバは、交通機関の乗降場所の平均利用者数に関する情報を保存する交通統計データベースをさらに備え、
前記混雑度推定部は、前記イベントの開催場所から所定の距離内にある前記交通機関の乗降場所を利用する当該イベントの参加者の数を、前記イベントの開催場所から所定の距離内にある前記交通機関の乗降場所の平均利用者数の比に基づき算出し、
前記所定のエリアにおける前記イベントの参加者により増加する将来の混雑度の時間分布を、前記地図データベースの情報から算出する当該エリアの歩道の面積と前記交通機関の乗降場所から前記イベントの開催場所へ移動する前記イベントの参加者の時間分布とから推定する混雑度推定サーバ。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の混雑度推定サーバと、演算装置とを備える混雑度推定システムであって、
前記演算装置は、
前記混雑度推定サーバに要求を送信し、前記混雑度推定サーバから前記将来の混雑度の時間分布を受信する演算装置通信部と、
前記演算装置通信部が受信した前記将来の混雑度の時間分布を出力する情報出力部とを備える混雑度推定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混雑度推定サーバ、および混雑度推定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークに接続された複数の監視カメラにより撮影して得られた映像を解析し、混雑状況を把握するシステムが、たとえば特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−008454
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されている発明では、将来の混雑状況を推定することができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)請求項1に記載の混雑度推定サーバは、撮影位置に関する情報が付加された撮影画像、ならびに開催場所、時刻、および参加者の数の情報を含む将来のイベントの情報を受信する通信部と、通信部が受信した撮影画像を解析し、人数と歩道の面積から算出される現在の混雑度を出力する画像解析部と、歩道の面積を算出できる情報を含む地図情報を保存する地図データベースと、画像解析部が出力する現在の混雑度、撮影画像の撮影位置、地図データベースが保存する地図情報、および将来のイベントの情報に基づいて撮影位置を含む所定のエリアの将来の混雑度の時間分布を推定する混雑度推定部と、混雑度推定部が推定した将来の混雑度の時間分布を通信部より送信する制御部とを備える。
(2)請求項6に記載の混雑度推定システムは、上記混雑度推定サーバと、演算装置とを備える混雑度推定システムであって、演算装置は、混雑度推定サーバに要求を送信し、混雑度推定サーバから将来の混雑度の時間分布を受信する演算装置通信部と、演算装置通信部が受信した将来の混雑度の時間分布を出力する情報出力部とを備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、将来の混雑状況を推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施の形態における混雑度推定システムの構成を示すブロック図
図2】推定混雑度の一例を示す図
図3】増加混雑度データベースの一例を示す図
図4】携帯端末の表示部における混雑度の表示の一例を示す図
図5】現在の混雑度を算出するプログラムのフローチャート
図6】イベントによる混雑度への影響を算出するプログラムのフローチャート
図7図6のサブルーチンのフローチャート
図8図7のフローチャートの説明のための地図
図9】第1の実施の形態における推定混雑度を算出するプログラムのフローチャート
図10】第2の実施の形態における混雑度推定システムの構成を示すブロック図
図11】混雑度統計データベースの一例を示す図
図12】第2の実施の形態における推定混雑度を算出するプログラムのフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
以下、図1〜9を参照して、本発明による混雑度推定システム1の第1の実施の形態を説明する。本実施の形態では、イベントとは少なくとも、開催日時、終了時刻、開催場所、参加予想人数が明らかな催しをいい、たとえばスポーツの試合やコンサートなどである。本実施の形態において、混雑度とは1mあたりに存在する人の数をいい、混雑度が高いほど混雑している状態を示す。
図1は、混雑度推定システム1の構成を示すブロック図である。
混雑度推定システム1は、混雑度推定サーバ10と、携帯端末20と、複数の監視カメラ30と、イベント情報サーバ40とから構成され、これらは全てネットワーク網Xに接続されている。
【0009】
混雑度推定サーバ10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、地図データベース14と、増加混雑度データベース15と、交通統計データベース16とを備える。
制御部11は、不図示のCPU、ROM、およびRAMを備え、ROMには以下の動作を行うプログラムが格納され、プログラムはRAMに展開されて実行される。
記憶部12は、不図示の磁気ディスクにより構成され、記憶部12には、推定混雑度12a、複数の撮影画像12b、およびそれらの撮影位置12cが保存される。
【0010】
推定混雑度12aは、携帯端末20からの要求に応じて制御部11により作成され、通信部13から携帯端末20に送信される。ただし制御部11は、一定時間ごとに推定混雑度12aを作成し、携帯端末20に送信してもよい。推定混雑度12aは、現在時刻以降の、地図データベース14の分割されたエリアごとの推定した混雑度を表す。推定混雑度12aは、携帯端末20から要求があるたびに、後述する方法により増加混雑度データベース15をもとにして作成される、たとえば図2に示すものである。
図2は、エリアA1〜A3における現在の混雑度、現在時刻におけるエリア固有の混雑度であるBASEの値、および将来の混雑度の推定値を示している。撮影画像12bから算出した現在の混雑度は、イベントに影響を受けないエリア固有の混雑度とイベントによる混雑度の増加分との和であると考え、予め算出したイベントによる混雑度の増加予想分を現在の混雑度から減算して、現在時刻におけるエリア固有の混雑度であるBASEを求めている。図2の例では0時5分に推定混雑度12aを作成しているので、将来の混雑度として0時10分以後のエリアごとの混雑度の推定値が表示されている。なお、前述のとおり、本実施の形態では混雑度の単位は(人/m)である。
【0011】
撮影画像12bは、監視カメラ30が撮影した画像であり、その撮影位置の情報は撮影位置12cとして記録される。撮影画像12b、および撮影位置12cは、通信部13が複数の監視カメラ30から受信する。ただし、それぞれの監視カメラ30が撮影した最新の撮影画像のみを使用するため、新たに撮影画像12bを受信すると同一の位置情報を有する記憶部12に保存されていた撮影画像12bは制御部11により削除される。
通信部13は、ネットワーク網Xにより携帯端末20、複数の監視カメラ30、イベント情報サーバ40と通信を行う。
地図データベース14は、不図示の磁気ディスクにより構成され、地図データベース14には、交通機関の乗降場所、および歩道の道幅の情報を含む地図が記録されている。交通機関の乗降場所とは、鉄道の駅、バスの停留所などをいう。地図データベース14に保存されている地図は、所定の大きさごとに名前付きのエリアに分割されている。たとえば、地図が3m四方ごとのメッシュ状のエリアに分割され、1から始まる行番号とAから始まる列記号の組み合わせにより、A1、A2、A3,・・、B1、B2、・・のように名前が付けられる。地図データベース14はさらに、一般的な外側線の幅やガードレースの支柱の間隔の情報が保存されている。
【0012】
増加混雑度データベース15は、不図示の磁気ディスクにより構成される。増加混雑度データベース15には、地図データベース14の分割されたエリアごとの監視カメラ30が撮影した撮影画像12bから算出される現在の混雑度と、エリアごと時刻ごとの、イベントにより増加する混雑度である増加混雑度とが保存される。
図3は、増加混雑度データベース15の一例を示すものであり、エリアA1〜A3の現在の混雑度、および0時から23時55分までの5分ごとの時刻における、イベントにより増加する混雑度が示されている。増加混雑度データベース15には、全てのイベントの影響の和として保存されている。図3には、エリアA1の0:00において混雑度が1.5(人/m)増加すると記載されているが、たとえばこれは、あるイベントによる混雑度の1.0(人/m)の増加と、別のイベントによる混雑度の0.5(人/m)の増加の和などである。後述するように、現在の混雑度は一定時間ごとに算出されるが、増加混雑度は1日に1回のみ算出される。なお、図3ではある1日分の増加混雑度しか表示していないが、数日分をまとめて算出し、増加混雑度データベース15に保存してもよい。
【0013】
交通統計データベース16は、不図示の磁気ディスクにより構成され、交通統計データベース16には、交通機関の乗降場所、たとえば鉄道の駅やバス停の、1日あたりの平均利用者数が格納されている。交通統計データベース16を参照することにより、イベント参加者が、どのような割合で周辺の交通機関の乗降場所を利用するかを推定することができる。
【0014】
携帯端末20は、制御部21と、入力部22と、表示部23と、通信部24と、記憶部25とを備える、たとえば携帯電話やウエアラブル機器である。制御部21は、不図示のCPU、ROM、およびRAMを備え後述する動作を行うプログラムをRAMに展開して実行する。入力部22は、不図示のタッチパネル、またはボタンを備え、携帯端末20のユーザによる推定混雑度12aの要求を制御部21に伝達する。表示部23は、不図示のディスプレイを備え、制御部21から受信したデータを表示する。通信部24は、ネットワーク網Xを介して混雑度推定サーバ10と通信し、推定混雑度12aを受信する。記憶部25は、混雑度推定サーバ10から受信する推定混雑度12aを保存する。
【0015】
ユーザが入力部22から推定混雑度12aを要求する所定の操作を行うと、制御部21は通信部24から混雑度推定サーバ10に所定の信号を送信し、推定混雑度12aを得ることができる。制御部21は、受信した推定混雑度12aを、数字のまま、または図4のように可視化して表示部23に表示し、ユーザによる入力部22からの指令、または自動的に表示部23に表示する混雑度の時刻を変化させる。
図4は、エリアごとの推定混雑度12aを棒グラフの高さにより表現したものである。エリアは、南北方向の位置を示すA〜Fと東西方向の位置を示す1〜7との組み合わせにより特定される。図4に表示されているエリアでは、エリアB2の推定混雑度が最も高く、次にエリアA2、B1、B3、C2の4つのエリアの推定混雑度が高いことがわかる。
【0016】
監視カメラ30は、制御部31と、撮影部32と、通信部33と、を備える、路上に設置されている監視カメラである。制御部31は、不図示のCPU、ROM、およびRAMを備え、ROMには以下の動作を行うプログラム、および当該監視カメラ30の撮影位置が記録される。撮影部32は、被写体を撮影する。通信部33は、混雑度推定サーバ10と通信する。制御部31は、一定時間ごと、たとえば5分ごとに撮影部32により撮影し、ROMに保存された当該監視カメラ30の撮影位置とともに、撮影して得られた画像を通信部33から混雑度推定サーバ10に送信する。混雑度推定サーバ10は、受信した画像を撮影画像12bとして、受信した撮影位置を撮影位置12cとして、記憶部12に保存する。
【0017】
イベント情報サーバ40は、制御部41と、記憶部42と、通信部43とを備える。制御部41は、不図示のCPU、ROM、およびRAMを備え、ROMには以下の動作を行うプログラムが保存される。記憶部42は、磁気ディスクから構成され、記憶部42には、イベントに関する情報が保存される。イベントに関する情報とは、イベントの開催日時、終了時刻、開催場所、参加予想人数、などである。通信部43は、混雑度推定サーバ10と通信する。制御部41は、通信部43が混雑度推定サーバ10からイベント情報の要求を受信すると、イベントの情報を通信部43により混雑度推定サーバ10に送信する。
【0018】
第1の実施の形態の動作を説明する。
混雑度推定サーバ10は、現在の混雑度を算出して増加混雑度データベース15を更新するために、一定時間ごとに以下のプログラムを実行する。
図5は、混雑度推定サーバ10の制御部11が現在の混雑度を算出するために実行するプログラムの動作を示すフローチャートである。
【0019】
ステップS201では、制御部11は、複数の監視カメラ30から受信して記憶部12に保存されている複数の撮影画像12bを対象として画像処理を行い、それぞれの撮影画像12bに撮影されている人物を認識して人数を算出し、ステップS202に進む。
ステップS202では、制御部11は、ステップS201と同じ複数の撮影画像12bを対象として、認識した人物の足の付近が歩道であること、歩道の色はおおよそ均一であること、壁と歩道の色は明確なコントラストを有すること、などから歩道を判別する。次に、撮影画像12bに撮影されている既知の大きさ、または既知の長さを有する物体を利用して歩道の面積を算出する。たとえば、地図データベース14に保存されている、道路の外側線の幅やガードレールの支柱の間隔の情報を利用する。そして、ステップS201において認識した人数を、ステップS202において算出した歩道の面積で除し、それぞれの撮影画像12bにおける単位面積当たりの歩行者の数、すなわち混雑度を算出してステップS203に進む。すなわち、ステップS202の処理により、記憶部12に保存されている撮影画像12bのそれぞれに対応した混雑度が算出される。
【0020】
ステップS203では、制御部11は、前述のメッシュ状のエリアごとにそのエリア内が設置箇所である監視カメラ30を全て特定し、それらの監視カメラ30で撮影された撮影画像12bから算出された混雑度の平均値を、増加混雑度データベース15に現在の混雑度として保存し、ステップS204に進む。たとえば、あるエリアに2つの監視カメラ30が設置されており、それらの監視カメラ30で撮影された撮影画像12bから算出された混雑度が、0.1(人/m)と0.3(人/m)であったとする。この場合は、平均値である0.2(人/m)を地図データベース14の当該エリアの現在の混雑度として保存する。
【0021】
ステップS204では、制御部11は、ステップS203において算出したエリアごとの混雑度の補間処理を行う。すなわち、あるエリアには1台も監視カメラが設置されておらず、現在の混雑度の算出ができなかった場合には、隣接する周囲のエリアの混雑度の平均値を算出し、そのエリアの混雑度として増加混雑度データベース15に保存する。その後、図5のフローチャートを終了する。
混雑度推定サーバ10は、翌日開催されるイベントによる混雑度への影響を推定するために、1日に1回、以下のプログラムを実行する。
【0022】
図6は、混雑度推定サーバ10の制御部11がイベントによる混雑度への影響を算出し、増加混雑度データベース15の増加混雑度を更新するために実行するプログラムの動作を示すフローチャートである。
ステップS301では、制御部11は、イベント情報サーバ40に問合せを行い、翌日に行われるすべてのイベントの情報を受信し、翌日にイベントが行われるか否かを判断する。イベントが行われると判断する場合は1つのイベントを処理対象に選択してステップS302に進み、イベントが行われないと判断する場合はステップS308に進む。
【0023】
ステップS302では、制御部11は、図7に示すサブルーチンを実行し、イベント参加者が利用する交通機関の乗降場所、および各乗降場所を利用するイベント参加者数を推定してステップS303に進む。図7に示すサブルーチンの処理は後に説明する。サブルーチンでは、たとえば、野球場Jで開催されるイベントへ参加する1万5千人の参加者のうち、1千人がA駅を、1万人がB駅を、4千人がC駅を使用することが推定される。
【0024】
ステップS303では、制御部11は、ステップS302において利用することを推定した各乗降場所からイベント会場への複数の経路、および各経路の移動に必要な時間(以後、所要時間とよぶ)を算出する。そして、所要時間を変数として含む所定の関数により、各経路を利用するイベント参加者数を推定してステップS304に進む。たとえば、A駅から野球場Jまでの移動経路がPとQの2つ算出され、それらの移動経路の所要時間が等しい場合には、A駅を利用する1千人のうち500人が移動経路Pを、別の500人が移動経路Qを使用すると推定する。
【0025】
ステップS304では、制御部11は、イベント開始前のイベント参加者の移動を推定する。ステップS303において算出した移動経路ごとに、イベント開始時刻、移動経路の所要時間、および所定の余裕時間を変数として含む所定の関数により、移動経路上のイベント参加者の時間分布を推定してステップS305に進む。
余裕時間とは、イベント参加者がイベントの開始時刻よりもどの程度早くイベント会場に到着することを目標にすることが多いかを示す時間である。たとえば、イベント開始が午後7時で余裕時間が30分の場合には、午後6時30分の到着を目指して移動するイベント参加者が最も多い。たとえば、ある移動経路を利用してイベント会場に到着するのイベント参加者の時間分布は、イベント開始時刻を余裕時間だけ早めた時刻に到着する参加者が最大である正規分布で、2σがその移動経路の所要時間である。そして、その移動経路の出発地である乗降場所を出発するイベント参加者の時間分布は、イベント開始時刻から余裕時間およびその移動経路の所要時間を早めた時刻に最大値をとる正規分布であり、2σがその移動経路の所要時間である。
なお、本フローチャートの実行により更新される増加混雑度データベース15は、地図を所定のエリアに区切っており、所定の時間間隔でしか記述していないので時間が離散的であるが、ステップS304において推定される移動経路上のイベント参加者の時間分布は、エリアは考慮せず時間も連続的なものとして扱っている。
【0026】
ステップS305では、制御部11は、ステップS304とは反対にイベント終了後のイベント参加者の移動を推定する。イベント終了時もイベント参加者はステップS303と同じ移動経路を利用することとし、イベント会場の出入り口が混雑している状況を、イベント終了時刻から一定の時間間隔ごとに一定の割合の参加者のみが移動を開始することにより近似する。たとえば、5分ごとにイベント参加者の6分の1ずつが、イベント会場から交通機関の乗降場所に移動を開始するとして、ステップS304と同様に移動経路上のイベント参加者の時間分布を算出する。その後、ステップS306に進む。
【0027】
ステップS306では、制御部11は、ステップS304〜S305において推定した移動経路上のイベント参加者の時間分布を、地図データベース14に保存されている歩道面積の情報を参照して、エリアごとの混雑度の時間変化に換算する。そして、エリアごとの混雑度の時間変化から、所定の時間間隔で混雑度を抽出して、エリアごとの増加混雑度として増加混雑度データベース15に保存しステップS307に進む。ただし、すでに同一エリアの同一時刻に増加混雑度が保存されている場合には、増加混雑度を足し合わせる。保存されている増加混雑度は、他のイベントにより同一時刻、同一エリアで増加する混雑度なので、複数のイベントが並行して開催されれば、混雑度はその分だけ高まるからである。
【0028】
ステップS307では、制御部11は、ステップS301においてイベント情報サーバ40に問い合わせた結果から、他に未処理のイベントが存在するか否かを判断する。未処理のイベントが存在すると判断する場合は、処理対象を他の未処理のイベントに設定してステップS302に進み、未処理のイベントがないと判断する場合は図6のフローチャートを終了する。
ステップS308では、制御部11は、増加混雑度データベース15の増加混雑度に全てゼロを書込み、図6のフローチャートを終了する。イベントがないため、イベントによる混雑度の増加もないからである。
【0029】
図7は、図6のステップS302から呼び出されるサブルーチンの動作を示すフローチャートである。図7の説明のために、あるイベント会場Dとその周辺にある駅を示す図8を用いる。図8において、E駅とF駅、G駅とH駅は同一路線の駅である。
ステップS401では、制御部11は、地図データベース14を利用して、イベント会場から所定距離内に存在する交通機関の乗降場所を列挙して、ステップS402に進む。図8に示す例では、イベント会場Dから所定の距離、1km以内に駅E〜Iがあり、これらの全てが列挙される。
【0030】
ステップS402では、制御部11は、ステップS401において列挙した駅から、同一路線内でイベント会場に最も近い駅を選択してステップS403に進む。イベントの参加者は、乗り換えの必要のない同一路線の駅ならば、目的地であるイベント会場に最も近い駅で降りるからである。図8に示す例では、同一路線の駅であるE駅とF駅のうち、F駅の方がイベント会場Dに近いのでF駅が選択され、同一路線の駅であるG駅とH駅のうちイベント会場Dに近いH駅が選択される。また、I駅は他に選択されている同一路線の駅がないので、そのまま選択が維持される。すなわち、ステップS402において図8の例では、F駅、H駅、I駅が選択される。
【0031】
ステップS403では、制御部11は、交通統計データベース16から、ステップS402において選択された各駅の1日あたりの平均利用者数を抽出し、各駅の1日あたりの平均利用者数の比を算出する。図8に示す例では、ステップS302において選択されたF駅、H駅、I駅の1日の平均利用者数が、順に2万人、5万人、3万人であったとすると、それらの比として、2:5:3が算出される。
ステップS404では、制御部11は、ステップS403において算出された比で、全てのイベントの参加予定者数がそれらの駅を利用するとして、各駅の利用者数を算出して図7のフローチャートを終了し、図6のステップS303に進む。図8に示す例では、イベントの参加予定者が1万人であったとすると、ステップS402において算出した比率から、F駅、H駅、I駅の利用者数は、それぞれ2千人、5千人、3千人と算出される。
【0032】
図9は、携帯端末20からの要求により制御部11により実行される、推定混雑度12aを作成するプログラムの処理を示すフローチャートである。図9に示すフローチャートを実行する際には、これまでに説明した増加混雑度データベース15がすでに作成されている。
ステップS501では、制御部11は、増加混雑度データベース15から、全エリアの現在の混雑度を取得して、推定混雑度12aの現在の混雑度に書込み、ステップS502に進む。図2の例では、A1から順に、4(人/m),1(人/m),2(人/m)の値を取得する。
【0033】
ステップS502では、制御部11は、エリアごとに以下のように変数baseの値を算出して、推定混雑度12aのメモリエリアに書き込む。変数baseは、現在の混雑度から現在時刻における増加混雑度を減算して算出される。次にステップS503に進む。図2の例では、エリアA1では現在の混雑度が4(人/m)、現在時刻である0時5分における増加混雑度が1(人/m)なので、baseは3(人/m)である。同様に、エリアA2、A3におけるbaseは0(人/m)、1(人/m)となる。変数baseは、現在時刻におけるエリア固有の混雑度であり、現在時刻以降もイベントとは関係なく変数baseで表される混雑度は維持される。変数baseが負の値の場合は、イベントの開催により予想された混雑度よりも、撮影画像12bから算出された現在の混雑度が低いことを示している。
【0034】
ステップS503では、制御部11は、増加混雑度データベース15から現在の時刻以降の増加混雑度を参照し、エリアごと、時刻ごとに変数valを算出する。変数valは、変数baseと時間ごとの増加混雑度の和として算出する。その後、ステップS504に進む。図2の例では、エリアA1における現在から5分後の0時10分の推定混雑度は、現在時刻における増加混雑度が2(人/m)であり、エリアA1のbaseが3(人/m)なので、合計の5(人/m)となる。同様に、エリアA2,A3における推定混雑度は1(人/m),3(人/m)となる。
ステップS504では、制御部11は、ステップS503において算出した変数valを推定値として推定混雑度12aのメモリエリアに書込み、ステップS505に進む。
ステップS505では、記憶部12に保存されている推定混雑度12aを、要求を送信した携帯端末20に通信部13から送信し、図9のフローチャートを終了する。
【0035】
第1の実施の形態において、混雑度推定システム1は、以下の動作を行う。
混雑度推定サーバ10は、イベント情報サーバ40からイベントの情報を受信し、イベントの影響による混雑度の増加をエリアごと、時刻ごとに推定して、増加混雑度データベース15に保存する。
混雑度推定サーバ10は、複数の監視カメラ30から撮影位置12cが付された撮影画像12bを次々に受信し、一定時間ごとに受信した最新の撮影画像12bを画像解析することにより、現在の混雑度分布を算出して増加混雑度データベース15に保存する。
混雑度推定サーバ10は、携帯端末20から指定を受信すると、増加混雑度データベース15を用いて推定混雑度12aを作成し、携帯端末20に送信する。
携帯端末20は、受信した推定混雑度12aを表示部23に表示する。
【0036】
上述した第1の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)混雑度推定サーバ10は、監視カメラ30の撮影位置12c、撮影画像12b、ならびにイベント開催場所、開催日時、終了時刻、参加予定人数の情報を含む将来のイベントの情報を受信する通信部13と、通信部24が受信した撮影画像12bを解析し、人数と歩道の面積から算出される現在の混雑度を出力する画像解析処理(図5のステップS201、S202)と、道路幅の情報を含む地図を保存する地図データベース14と、画像解析処理により出力される現在の混雑度、撮影画像12bの撮影位置12c、地図データベース14、および将来のイベントの情報に基づいて撮影位置12cを含む所定のエリアの将来の混雑度の時間分布を推定する混雑度推定処理(図9のステップS501〜S505)と、混雑度推定処理が推定した将来の混雑度の時間分布である推定混雑度12aを通信部13より送信する制御部11とを備える。
そのため、混雑度推定サーバ10は、イベント情報と現在の混雑度から各エリアの将来の混雑度の時間分布である推定混雑度12aを推定することができる。また、携帯端末20のユーザは混雑度推定サーバ10から推定混雑度12aを得られる。
(2)制御部11による混雑度推定処理は、地図データベース14の情報から算出する所定のエリアにおける歩道の面積、所定のエリアを通行するイベント参加者の時間分布に基づいて、イベント参加者による混雑度の増加を推定する。
そのため、算出された混雑度は歩道の歩きやすさを示しており、推定混雑度12aを受信した携帯端末20のユーザは、歩きやすい歩道を選択して通行することができる。
(3)混雑度推定サーバ10は、交通機関の乗降場所の平均利用者数に関する情報を保存する交通統計データベース16をさらに備え、制御部11の混雑度推定処理は、イベントの開催場所から所定の距離内にある交通機関の乗降場所を利用する当該イベントの参加者の数を、イベントの開催場所から所定の距離内にある交通機関の乗降場所の平均利用者数の比に基づき算出し、所定のエリアにおけるイベントの参加者により増加する将来の混雑度の時間分布を、地図データベース14の情報から算出する当該エリアの歩道の面積と交通機関の乗降場所からイベントの開催場所へ移動するイベントの参加者の時間分布とから推定する。
そのため、イベント参加者が集中して通行するエリアを特定し、そのエリアを避けて移動することができる。
【0037】
(変形例1)
第1の実施の形態においては、交通統計データベース16を利用して、交通機関の乗降場所ごとにイベント参加者の利用者数を推定し、その乗降場所とイベント会場とを結ぶ経路の混雑度が上昇するとしたが、イベントの開催による混雑度への影響の算出方法はこれに限定されない。交通統計データベース16を使用せずに、図7のステップS403およびS404の処理を、イベント参加者はイベント会場から所定距離内にある乗降場所を均一な確率で使用すると変更してもよい。たとえば、図8の例では、イベント会場Dへ行く5千人の参加者は、イベント会場Dから1km以内の距離にある、E駅〜I駅の5つの駅を均等に使用し、全ての駅を1千人ずつが使用するとしてもよい。
この変形例1によれば、交通統計データベース16が不要であり、交通機関の乗降場所の利用者数を簡易に算出することができる。
【0038】
(変形例2)
第1の実施の形態においては、監視カメラ30は、撮影画像とともに監視カメラ30の設置場所を混雑度推定サーバ10に送信したが、監視カメラ30の位置情報の混雑度推定サーバ10への伝達方法はこれに限定されない。監視カメラ30の制御部31のROMに、当該監視カメラ30の撮影位置に代えて監視カメラ30の識別番号を保存し、撮影画像とともに識別番号を送信してもよい。そして、混雑度推定サーバ10は監視カメラ30の識別番号と監視カメラ30の撮影位置の対応を示すカメラ位置データベースをさらに備え、制御部11は、監視カメラ30から受信した識別番号から、その監視カメラの撮影位置を検索してもよい。
この変形例2によれば、監視カメラ30の撮影位置が変更になった場合に、監視カメラ30のROMを書き換える必要がなく、カメラ位置データベースを更新するだけでよいので、処理が簡便である。
【0039】
(変形例3)
第1の実施の形態においては、イベント参加者はすべて歩道を通行するとして、歩道の面積を用いて混雑度を算出したが、歩道の面積に代えて、車道のみの面積または車道および歩道の面積を用いてもよい。
【0040】
(第2の実施の形態)
図10〜12を参照して、本発明による第2の実施の形態を説明する。以下の説明では、第1の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付して相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第1の実施の形態と同じである。本実施の形態では、主に、混雑度推定サーバ10が将来の混雑度を推定するために、統計的な混雑度の変化を示すデータベースを利用する点で、第1の実施の形態と異なる。
混雑度推定システム1の構成は、第1の実施の形態と同様であり、主に混雑度推定サーバ10が混雑度統計データベース17をさらに備える点が異なる。
【0041】
混雑度統計データベース17には、図11に示すように、エリアごと、時刻ごとのある一定期間、たとえば過去100日間の混雑度の平均値が記録されている。図11には、エリアA1〜A3における、0時0分から23時55分までの5分ごとの混雑度の平均値が表示されているが、混雑度統計データベース17に保存される全てのエリアについての情報が保存されている。
混雑度統計データベース17に保存されている値は、撮影画像12bを解析して得られた、それぞれの時刻における増加混雑度データベース15の現在の混雑度の、100日分の平均値である。制御部11は、前述のとおり一定時間ごとに図5により動作が示されるプログラムを実行して、増加混雑度データベース15の現在の混雑度を算出する度に、混雑度統計データベース17の現在時刻の値も更新する。たとえば、制御部11が0時10分に図5に示すプログラムを実行し、エリアA1の混雑度が4(人/m)と算出され、混雑度統計データベース17のエリアA1の0時10分には1(人/m)と記録されていたとする。この場合には、過去100日間の平均なので、1と4を99対1の割合で合成し、1.03の値に更新される。ただし、図5には記載していないが、時刻だけでなく曜日の種別を加えてもよい。
【0042】
第2の実施の形態の動作を説明する。
第2の実施の形態の動作の第1の実施の形態との主な差異は、推定混雑度12aの作成方法である。
図12のフローチャートにより動作が表されるプログラムは、第1の実施の形態における図9のフローチャートに示すプログラムに代わって、第2の実施の形態において制御部11が携帯端末20から要求を受けると実行される。
【0043】
ステップS501では、制御部11は、増加混雑度データベース15から、全エリアの現在の混雑度を取得して、推定混雑度12aの現在の混雑度の欄に書込み、ステップS502に進む。
ステップS502では、制御部11は、エリアごとにエリア固有の混雑度である変数baseを算出するために、現在の混雑度から現在時刻における増加混雑度を減算する。そしてその値を推定混雑度12aの当該エリアの変数baseの欄に書込み、ステップS601に進む。
【0044】
ステップS601では、制御部11は、エリアごとに、以下のように変数rateの値を算出する。変数rateは、混雑度統計データベース17の現在時刻における統計値を、ステップS502において算出した変数baseで除することにより得られる。次にステップS602に進む。変数rateは、イベントの影響を排除した現在の混雑度と、平均的な混雑度の比を表しており、たとえば現在が平均的な混雑度よりも低いのであれば、これから数時間後も平均的な混雑度よりも低いと推測できる。
【0045】
ステップS602では、制御部11は、エリアごとに、増加混雑度データベース15のある時刻における増加混雑度、および混雑度統計データベース17のある時刻における平均的な混雑度を参照し、全ての時間について以下のように変数valを算出する。変数valは、ステップS601において算出した変数rateとある時刻における平均的な混雑度との積に、ある時刻における増加混雑度を加えた値である。次にステップS504に進む。
ステップS504では、制御部11は、ステップS503において算出した変数valを推定混雑度として推定混雑度12aのメモリエリアに書き込む。続くステップS505では、推定混雑度12aを携帯端末20に送信して、図11のフローチャートを終了する。
【0046】
第2の実施の形態において、混雑度推定サーバ10は、以下の動作を行う。
エリアごと、時刻ごとの平均的な混雑度を格納する混雑度統計データベース17を一定時間ごとに更新する。携帯端末20から指令を受信すると、エリアごとに、同一時刻の平均的な混雑度と現在の混雑度の比を算出する。そして、現在時刻において平均よりも混雑度が高いのであれば、数時間後の将来においても同じ比率でその時刻における平均的な混雑度より混雑度が高いであろうとの予想に基づき、推定混雑度12aを算出して携帯端末20に送信する。
【0047】
上述した第2の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)混雑度推定サーバ10は、制御部11の画像解析処理により解析した、エリアごと、時刻ごとの現在の混雑度を保存する混雑度統計データベース17をさらに備える。制御部11による混雑度推定処理では、変数valと変数rateとを算出し、変数rateおよび混雑度統計データベース17により、イベント参加者による混雑度の増加を除いた混雑度の時間分布を推定する。さらに、その値に増加混雑度データベース15における各時刻の増加混雑度を加えて推定混雑度12aを算出する。
エリアごとに過去の統計による平均的な混雑度と、現在の混雑度との比率から将来の混雑度の推移を予測し、さらにイベントによる混雑度の変化を考慮しているので、高い精度で混雑度を推定することができる。
【0048】
上述した各実施の形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0049】
10…混雑度推定サーバ
11…制御部
12…記憶部
12a…推定混雑度
12b…撮影画像
12c…撮影位置
13…通信部
14…地図データベース
15…増加混雑度データベース
16…交通統計データベース
17…混雑度統計データベース
20…携帯端末
30…監視カメラ
40…イベント情報サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12