(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1金属層上に設けられる接着部材及び前記第2金属層上に設けられる接着部材は、AuSn系半田、AuGe系半田、AuSi系半田及びAgSn系半田からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1から3のいずれか1つに記載の半導体レーザ装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に実施形態を説明する。ただし、以下に示す形態は、本発明の技術思想を具体化するための半導体レーザ装置を例示するものであって、本発明を以下に限定するものではない。また、実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる例示にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするために誇張していることがある。
本願において、「略」とは、±10%程度の変動が許容されることを意図する。
【0010】
図1Aに、本実施形態に係る発光装置10の斜視図を示す。
図1Bはキャップ8の内側における反射部材5の周辺図である。また、
図1Cは
図1Bの一部拡大平面図であり、
図1Dは
図1BのA−A’線概略断面図である。
本実施形態に係る半導体レーザ装置10は、基板1と、基板1上に互いに離間して設けられた第1金属層1A及び第2金属層1Bと、第1金属層1A上に金属材料からなる接着部材2Aを介して配置されたサブマウント3と、サブマウント3上に設けられた半導体レーザ素子4と、第2金属層1B上に金属材料からなる接着部材2Bを介して配置され、半導体レーザ素子4から出射されたレーザ光を反射する反射部材5と、を備える。特に、サブマウント3は、その一部が第1金属層1Aの端部1cよりも反射部材側に配置されている。
【0011】
半導体レーザ素子と反射部材とを近づけるには、例えば、第1金属層と第2金属層とを近づける構成が考えられる。しかし、第1金属層及び第2金属層は、近づけすぎると各金属層上に配置する接着部材が他の金属層側に広がるおそれがある。従って、第1金属層及び第2金属層を近づけるのには限界がある。
また、半導体レーザ素子を第1金属層上に載置する際に、半導体レーザ素子の一部を第1金属層から反射部材側に突出させて配置する構成が考えられる。しかし、半導体レーザ素子の出射面側を突出させて配置すると、放熱性が損なわれる。その結果、半導体レーザ素子の出力低下を招く。従って、半導体レーザ素子を突出させるのには限界がある。
【0012】
そこで、半導体レーザ装置の一実施形態では、半導体レーザ素子がサブマウント上に配置され、第1金属層の端部からサブマウントが反射部材側に突出するように配置されている。つまり、第1金属層上に半導体レーザ素子を直接設ける際に、第1金属層の端部から半導体レーザ素子を突出させるのではなく、サブマウントを介して、第1金属層の端部からサブマウントを突出させている。これにより、半導体レーザ素子の放熱性の低下を抑制しつつ、半導体レーザ素子を反射部材に近づけることができる。その結果、半導体レーザ素子の出力を維持し、かつ発光面の小さい半導体レーザ装置を得ることができる。
【0013】
図1Aから
図1Dを用いて、半導体レーザ装置10の主な構成部材について説明する。
【0014】
〔基板1〕
基板1は、半導体レーザ装置を構成するサブマウント3及び反射部材5等を載置するためのものである。基板1は、半導体レーザ素子4で発生する熱を効率的に外部に放出するためにも利用される。
基板1は、例えば、放熱性を考慮して下面に配置される第1部材1−1と、第1部材1−1上に設けられ、第1金属層と第2金属層を設けるために絶縁性を有する第2部材1−2と、を有する。ここでは、第2部材1−2におけるキャップを取り付ける領域に、キャップを接続するための金属が形成されている。第1部材1−1には、Cu、Al等を用いることができる。第2部材1−2には、AlN、SiC、SiN、アルミナ等を用いることができる。
【0015】
基板1の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.2〜5mm程度が挙げられる。
基板1の形状、大きさは特に限定されるものではなく、意図する半導体レーザ装置の形状及び大きさ等によって適宜調整することができる。平面形状としては、矩形等の多角形、円形、楕円形又はこれらに近似する形状が挙げられる。基板1は、その表面に凹凸等を有するものであってもよいが、表面が平坦な平板状のものが好ましい。例えば、基板1として、一辺が2〜30mm程度の平板状の矩形形状の基板1が挙げられる。
【0016】
基板1は、その表面に、配線パターン6を有していてもよい。また、外部電源と接続するための端子が設けられていてもよい。基板1内部に配線パターン等が埋設されていてもよい。基板1の表面に外部電源と接続するための部材を設けることにより、基板1の裏面全面を放熱面とすることができる。
【0017】
(第1金属層1A及び第2金属層1B)
第1金属層1Aは、基板1上であって、半導体レーザ素子4の下方に対応する領域に配置されている。第2金属層1Bは、基板1上であって、反射部材5の下方に対応する領域に配置されている。
【0018】
第1金属層1A及び第2金属層1Bは、全部が互いに離間していることが好ましい。半導体レーザ素子4からのレーザ光の進行方向において、互いに離間している第1金属層1A及び第2金属層1B間の距離(
図1C中、Q)は、20〜400μm程度であることが好ましく、40〜150μm程度がより好ましい。両者の距離を一定以下とすることにより、第1金属層上に設けられる半導体レーザ素子4と、第2金属層1B上に設けられる反射部材5との距離を近づけることができる。なお、第1金属層1Aと第2金属層1Bとの距離が大きい場合は、反射部材5の底面よりも第2金属層1Bを小さく形成し、第2金属層1Bの端部からサブマウント側に突出させて反射部材5を載置することで、半導体レーザ素子4と反射部材5との距離を近づけることができる。また、両者の距離を一定以上とすることにより、例えば、第2金属層1B上に反射部材5を載置したときに、第2金属層1B上に設けた接着部材2Bが第2金属層1Bからはみ出して第1金属層1A上に達することを抑制することができる。第2金属層1B上に設けた接着部材2Bが第1金属層1A上に達すると、第1金属層1A上にサブマウント3を載置するときに、サブマウント3が第2金属層1B上からはみ出した接着部材2Bを介して第1金属層1A上に配置されることになるため、サブマウント3が傾斜する。
【0019】
第1金属層1A及び第2金属層1Bは、それぞれ、Au、Ag、Al等による金属の単層又はそれらを含む積層体のいずれによっても形成することができる。具体的には、Ti/Pt/Au、Ni/Au、Ni/Pd/Au、Ti/Pt/Au/Pt等の積層体が挙げられる。なお、第1金属層1A及び第2金属層1Bの最表面をAuとすると、Auの一部又は全部がAu系の半田に拡散することがある。この場合は、拡散したAuは接着部材2A又は接着部材2Bとして機能する。
第1金属層1A及び第2金属層1Bは、蒸着法、スパッタ法、めっき等、当該分野で公知の方法によって形成することができる。なかでも、スパッタによって形成されていることが好ましい。
【0020】
〔半導体レーザ素子4〕
半導体レーザ素子4は、電圧が印加され、しきい値以上の電流が流れると、活性層及びその付近でレーザ発振が起こり、生成されたレーザ光が導波路領域を通って外部に放射される機能を有する。このような半導体レーザ素子4としては、半導体が複数層積層されて構成される公知のレーザ素子のいずれをも使用することができる。例えば、導電性の基板の上にn型半導体層、活性層及びp型半導体層が順に積層され、半導体層の表面に絶縁膜及び電極等が形成された構造の素子が挙げられる。半導体層の材料は、III−V族の化合物が挙げられ、なかでも窒化物半導体が好ましい。
【0021】
半導体レーザ素子4は、サブマウント3上に設けられている。これにより、半導体レーザ素子4から発生する熱を、サブマウント3等を介して基板1に効率的に逃がすことができる。半導体レーザ素子4は、基板側が実装面となるジャンクションアップ(フェイスアップ)実装されていてもよいが、ジャンクションダウン(フェイスダウン)実装されていることが好ましい。ジャンクションダウン実装とすることにより、半導体レーザ素子4におけるレーザ光の発振部位を下方の基板に近づけることができる。これにより、レーザ光が上方に反射されるように、反射部材が基板の表面に対して傾斜した反射面を有する場合、基板の表面に平行な方向における半導体レーザ素子と反射部材との距離を短くすることができる。つまり、半導体レーザ素子4を後述する反射部材5により近接させることができる。これにより、レーザ光を効率よく反射することができる。また、半導体レーザ装置10における発光面の面積をより小さくすることができるため、半導体レーザ装置10をレンズ又はリフレクタ等の光学部品と組み合わせて用いる際に、光学部品に効率的にレーザ光を取り込むことができる。また、一般的に、半導体レーザ素子4は、半導体層側(基板1から離れた部位)が発熱するため、発熱箇所を基板1に近づけることができるジャンクションダウン実装により放熱性をより向上させることができる。
半導体レーザ素子4は、1つのサブマウント3の上に1つのみ配置されていてもよいし、1つのサブマウント3の上に複数配置されていてもよい。複数の半導体レーザ素子4は、同じ波長帯、異なる波長帯のいずれでもよい。また、
図1Bにおいては、反射部材5を挟んで両側に複数の半導体レーザ素子4を載置しているが、片側のみに配置してもよいし、反射部材5の全周を取り囲むように半導体レーザ素子4を載置してもよい。好ましくは、製造の容易性及び半導体レーザ装置10全体の出力を考慮して、反射部材5を挟んで両側に複数の半導体レーザ素子4を載置する。なお、
図1Bにおいては構成をわかりやすくするため、キャップ8は図示していない。
【0022】
(サブマウント3)
サブマウント3は、半導体レーザ素子4の放熱のために熱伝導性の高い材料によって形成されている。具体的には、AlN、CuW、ダイヤモンド、SiC、セラミックス等が挙げられる。サブマウント3の裏面(基板側の面)には、Ti/Pt/Au、Ni/Au、Ni/Pd/Au、Ti/Pt/Au/Pt等の金属層が形成されていてもよい。また、表面(半導体レーザ素子4が載置される側の面)にも同様の層を形成することができる。
サブマウント3の厚みは、特に限定されないが、例えば、100〜500μm程度が挙げられ、120〜400μm程度が好ましく、150〜300μm程度がより好ましい。サブマウント3を一定以上の厚みとすることにより、半導体レーザ素子からの光を効率的に反射部材で反射させて取り出すことができる。また、平面視において、サブマウント3が第1金属層1A上から突き出るように構成した場合であっても、半導体レーザ素子4からの熱を一旦サブマウント3に逃がすことができる。従って、サブマウント3を介さずに半導体レーザ素子4を第1金属層1Aから突出させた場合に比較して、半導体レーザ素子4の放熱性の低下を抑制することができる。一方、サブマウント3を一定以下の厚みとすることにより、放熱経路を短くすることができるため、より効率的な放熱が可能となる。さらなる放熱性を得るためには、サブマウント3は基板1よりも熱伝導率が高い材料を用いることが好ましい。
【0023】
サブマウント3の平面形状は特に限定されず、例えば、矩形等の多角形、円形、楕円形又はこれらに近似する形状等が挙げられる。サブマウント3の大きさは、放熱性や最終的に得ようとする半導体レーザ装置の特性に合わせて適宜調整することができる。例えば、サブマウント3は、平面視において、半導体レーザ素子4の平面積よりも大きな平面積を有している。つまり、サブマウント3は、平面視において、半導体レーザ素子4の長さ及び幅よりも大きな長さ及び幅を有する。これにより、半導体レーザ素子4の全体又は略全体をサブマウント3上に配置することができ、放熱経路を確保することができる。
【0024】
半導体レーザ素子4のレーザ光の出射面(後述する反射部材側の端面4a)が、サブマウント3の端面3aと一致する(
図1C中、距離X=0)ように、半導体レーザ素子4をサブマウント3上に配置してもよいし、サブマウント3の端面3aよりも反射部材側に半導体レーザ素子4を配置してもよい。特に、半導体レーザ素子4が反射部材5に近づくように、半導体レーザ素子4をサブマウント3から突出させて配置することが好ましい。例えば、距離Xは、0μmより大きく30μm以下、好ましくは5〜15μm程度が挙げられる。ここでの一致とは、半導体レーザ素子4のレーザ光の出射面とサブマウント3の端面3aが面一であることを意味する。
【0025】
半導体レーザ素子4がサブマウント3の端部3aよりも反射部材側に配置されることにより、反射部材5と半導体レーザ素子4とをより近づけることができる。その結果、半導体レーザ装置10からレーザ光が取り出される際のレーザ光の径を小さく維持することができ、高輝度の光を得ることができる。加えて、半導体レーザ素子4の大部分をサブマウント3上に配置することにより、放熱性を確保することができる。
【0026】
サブマウント3上への半導体レーザ素子4の配置は、後述する接着部材と同様の材料を用いて、後述する方法と同様の方法を利用して実行することができる。
【0027】
サブマウント3は、その一部が、第1金属層1Aの端部1cよりも反射部材側に配置されている。サブマウント3の反射部材側の端部3aと第1金属層1Aの端部1cとの距離(
図1C中、Y)は、例えば、5〜50μmが好ましく、10〜30μmがより好ましく、15〜25μmがさらに好ましい。距離Yは、半導体レーザ素子4の端部4aからサブマウント3の端部3aまでの距離Xよりも長い、つまりY>Xの関係を満たすことが好ましい。これにより、放熱性悪化による半導体レーザ素子4の劣化を抑制することができる。また、半導体レーザ素子4の光の出射面を反射部材5へと近づけることができる。さらに、発光装置としての発光面を小さくすることができ、半導体レーザ装置10と組み合わせて設けるレンズ等を小型化することができる。ここでいうサブマウント3の反射部材側の端部3aと第1金属層1Aの端部1cとの距離とは、発光装置を上面視したときに、サブマウント3の反射部材側の端面3aと、サブマウント3の反射部材側の端面3aに最も近い第1金属層1Aの1点とを結ぶ直線の距離を意味する。
【0028】
(接着部材2)
サブマウント3の基板1への実装は、通常、半導体レーザ素子4が搭載されたサブマウント3と基板1(正確には、サブマウント3と第1金属層1A)との接着面を、接着部材2Aを介して合わせた後、所定の温度及び圧力下で保持することによって行うことができる。例えば、熱圧着法が利用される。
接着部材2Aとしては、Au系半田材(AuSn系半田、AuGe系半田、AuSi系半田、AuNi系半田、AuPdNi系半田等)、Ag系半田材(AgSn系半田)等の金属材料からなるものが挙げられる。
実装後の接着部材2Aは、サブマウント3を実装後も圧力を加えることにより基板1と平行な方向へと広がって薄くなることがある。
【0029】
放熱性の観点から、接着部材2Aは、サブマウント3の裏面全面に配置されていることが好ましい。
【0030】
第1金属層1Aと、サブマウントの裏面側に設けられた金属層と、接着部材2Aと、の合計の厚みは、好ましくは2μm以上10μm以下、より好ましくは3μm以上8μm以下とすることができる。一定以上の厚みとすることにより安定して生産することができ、一定以下の厚みとすることにより、良好な放熱性を得ることができる。
【0031】
(ワイヤ9)
半導体レーザ素子4は、基板1に含まれる配線パターン6とワイヤ9とを介して電気的に接続される。半導体レーザ素子4を複数配置する場合、直列で接続されていてもよいし、並列で接続されていてもよい。
図1Bにおいては、半導体レーザ素子4と、サブマウント3の表面に形成された金属層とがワイヤ9により接続されている。
図1Aの内部では、図示していないが、キャップの内側に延伸して配置された配線パターン6と
図1Bの配線部6aとがワイヤ9を介して電気的に接続されている。
【0032】
〔反射部材5〕
反射部材5は、半導体レーザ素子4から出射されたレーザ光を、意図する出射方向に反射する部材である。
反射部材5は、半導体レーザ素子4に対向して配置される。この場合の対向配置とは、反射部材5の反射面が、半導体レーザ素子4から出射したレーザ光を反射させることができる位置に対面して、配置することを意味する。
【0033】
例えば、反射部材5の反射面を、半導体レーザ素子4の反射部材側の端部4aに対して傾斜(
図1D中、α参照)するように配置することが好ましい。このような反射面によって、レーザ光が反射され、半導体レーザ素子4から出射されたレーザ光の光軸を方向転換することができる。例えば、半導体レーザ素子4からレーザ光が基板1の主面に対して平行に出射される場合は、基板1の主面と傾斜面5bとのなす角度を45度±5度、好ましくは45度±1度とすれば、半導体レーザ素子4からの光を基板1に対して垂直な方向に出射させることができる。
【0034】
反射部材5は、レーザ光を反射することのできる材料によって形成されていればよい。例えば、ガラス(石英ガラス、合成石英ガラス等)、サファイア、セラミック又は金属からなる部材、これら部材に誘電体材料等に反射膜を形成したものにより構成することができる。また、基板1に接着するために、反射部材5の底面5cにTi/Pt/Au、Ti/Ni/Au、Ni/Au、Ti/Ni/Ag、Cr/Au、Cr/Pt/Au等の金属層が形成されていてもよい。
【0035】
反射部材5の形状は、上述した反射面を備える限り、特に限定されるものではなく、種々の形状が挙げられる。例えば、多角形柱、多角形錐台及びこれらが組み合わせられた形状等が挙げられる。具体的には、(i)傾斜面(反射面)5bを挟んで上面5a及び底面5cを有し、上面5a、底面5c及び反射面5bは、各々が一定の角度で交差するもの、(ii)上面5a及び底面5cを有し、これら上面5a及び底面5cの間に、傾斜角度の異なる2つの反射面を有するもの、(iii)上面5a及び底面5cを有し、これら上面5a及び底面5cの間に、上面5aに隣接する傾斜面5b及び底面5cに隣接する非傾斜面5dを有するもの等が挙げられる。ここでの傾斜を有する面は、任意の範囲内で調整することができる。また、非傾斜面5dは、反射部材5の底面5cに対して、直交(90度で交差)するように配置された面を意味する。
【0036】
反射部材5は、その底面5cが基板1に固定される。この場合、上述したように、反射部材5は、基板1上に形成された第2金属層1Bとの間に接着部材2Bを介して固定される。接着部材2Bとしては、接着部材2Aと同様の材料を用いることができる。
【0037】
反射部材5は、第2金属層1Bの上面における端部1d近傍に形成されていてもよいが、好ましくはその一部が第2金属層1Bの端部1dよりもサブマウント3及び半導体レーザ素子4側に配置されている。これにより、反射部材5と半導体レーザ素子4とをより近づけることができる。
反射部材5は、サブマウント3を実装する前に基板1に実装することが好ましい。これにより、反射部材5を基準として複数のサブマウント3を実装することができるため、サブマウント3の位置合わせが容易になる。
反射部材5の端部5dと、第2金属層1Bの端部との距離(
図1C中、S)は、例えば、100μm以内であることが好ましく、50μm以内がより好ましい。
別の観点から、反射部材5の端部5dと、サブマウント3の反射部材側の端部3aまでの距離(
図1C中、Z)は、例えば、10〜150μm程度であることが好ましく、20〜100μm程度がより好ましい。
【0038】
このように、反射部材5を半導体レーザ素子4に近接して配置することができるために、より発光面を小型化した半導体レーザ装置10を実現できる。半導体レーザ素子4を反射部材5に近接させることにより、出射される光を漏らすことなく、略全てを反射部材5に当てることができ、光の取り出し効率を向上させることができる。
【0039】
反射部材5の奥行幅は半導体レーザ素子の個数に合わせて適宜変更することができる。例えば、半導体レーザ素子4を1つ配置する場合は、反射部材の奥行幅は、0.5〜1.5mm程度とすることができる。
【0040】
(キャップ8)
半導体レーザ装置10は、半導体レーザ素子4及び反射部材5を被覆するようにキャップ8が基板1に取り付けられて、封止されていることが好ましい。特に、発振波長が320〜530nm程度の短波長の半導体材料(例えば、窒化物半導体)を用いた半導体レーザ素子4を用いる場合には、有機物及び水分等を集塵しやすいため、キャップ8を設けることによって、レーザ装置内の気密性を高め、防水性、防塵性を高めることができる。
【0041】
キャップ8の形状は、有底の筒型(円柱又は多角形柱等)、錐台型(円錐台又は多角形錐台等)、ドーム型及びこれらの変形形状等が挙げられる。キャップ8は、例えば、Ni、Co、Fe、Ni−Fe合金、コバール、真鍮等の材料を用いて形成することができる。
基板1に設けられたキャップ8は、その一面に開口部8aが設けられていることが好ましい。開口部8aには透光性部材7が設けられていることが好ましい。透光性部材7からレーザ光を取り出すことができる。
キャップ8は、抵抗溶接又は半田付け等の公知の方法により、基板1に固定することができる。
【0042】
(透光性部材7)
透光性部材7は、レーザ光を透過することができる材料が用いられる限り特に限定されず、例えば、ガラス(ホウケイ酸ガラス、石英ガラス、合成石英ガラス等)、サファイア、透明セラミック等によって形成することができる。その表面に、レーザ光を透過させる光透過膜が設けられていてもよい。透光性部材7は、波長変換部材、光拡散材等を含有していてもよい。
【0043】
透光性部材7を所定の形状とすることにより、レンズとして機能させることもできる。レンズは、レーザ光を屈折させて、レーザ光を平行にするか、集光又は拡散させる。
レンズは、反射部材5によって反射されたレーザ光の出射方向に配置される。レンズの形状は特に限定されず、円形又は楕円形であることが好ましい。レンズの大きさは、最終的に半導体レーザ装置10から取り出したいレーザ光に応じて任意に決定することができる。
【0044】
半導体レーザ素子4を複数用いる場合は、個々の素子にそれぞれ透光性部材7を配置してもよいし、一部又は全ての素子に1つの透光性部材7を配置してもよい。全ての素子に対して1つの透光性部材7を配置することが好ましい。
【0045】
半導体レーザ素子4の出力をモニタするために、基板1上にフォトダイオードを配置してもよい。過大な電圧印加による素子破壊及び性能劣化から半導体レーザ素子4を保護するために、保護素子を配置してもよい。
【0046】
以下、半導体レーザ装置10を図面に基づいて具体的に説明する。
半導体レーザ装置10は、
図1A〜1Dに示すように、主として、基板1と、複数の半導体レーザ素子4と、反射部材5と、キャップ8とを備える。
【0047】
基板1は、Cuからなる第1部材1−1と、その上面に形成された長方形のAlNからなる第2部材1−2と、によって構成されている。
基板1の上面には金属層が配置されている。金属層は、後述する半導体レーザ素子4が載置される部位において、第1金属層1Aとして配置され、後述する反射部材5が載置される部位において、第2金属層1Bとして配置されている。第1金属層1A及び第2金属層1Bは、互いに離間して配置されている。上面の第1金属層1Aは、基板1側からTi(0.06μm)/Pt(0.2μm)が積層されており、その厚みは0.26μmである。また、第2金属層1Bは、基板1側からTi(0.06μm)/Pt(0.2μm)/Au(1μm)/Pt(0.3μm)が積層されており、その厚みは1.56μmである。
【0048】
基板1の第1金属層1Aの上には、接着部材2AとしてAu−Sn系共晶半田(3μm)を介して、サブマウント3が実装されている。
サブマウント3は、SiCから構成されており、裏面に、Ti(0.06μm)/Pt(0.2μm)と、接着部材2Aと、が積層されている。
サブマウント3は、450μm×1900μm×200μm(厚み)の直方体形状を有する。
サブマウント3の端部3aは、第1金属層1Aの反射部材側の端部1cよりも、反射部材側に配置されており、端部間の距離Yは15μmである。
【0049】
なお、サブマウント3の基板1上への実装時には、基板1側からTi(0.06μm)/Pt(0.2μm)/Au(1μm)と、接着部材2Aと、裏面にAlN側からTi(0.06μm)/Pt(0.2μm)/Au(1μm)が積層されたAlNとを積層し、加熱して実装する。これによって、基板1側のAuとAlN側のAuが接着部材2AであるAu−Sn系共晶半田に拡散され、同時に、Auが拡散したAu−Sn系共晶半田(接着部材2A)が基板1と平行な方向に広がる。このとき、基板1側に設けられたTi/Ptが第1金属層1Aに相当し、拡散されたAuを含むAu−Sn系共晶半田が接着部材2Aに相当し、サブマウントの裏面に設けられたTi/Ptがサブマウントの裏面に設けられた金属層に相当することとなる。
【0050】
半導体レーザ素子4は、サブマウント3上に接着層(図示せず)を介して配置されている。本実施形態では、6×2個配置されている。一列に並ぶ6個の半導体レーザ素子4の間隔は、例えば、600μmである。半導体レーザ素子4は、窒化物半導体から形成された発振波長445nmの略矩形の素子(150×1200μm)である。
接着層は、上述した接着部材2Aと同様の材料から選択することができ、ここでは、Au−Sn共晶半田からなる。
半導体レーザ素子4の反射部材側の端面4aは、サブマウント3の反射部材側の端面3aよりも、反射部材側に配置されている。その端面間の距離Xは、10μmである。
【0051】
反射部材5は、第2金属層1Bの層構造が異なる以外は、サブマウントを実装するときと同様の構成を用いて半導体レーザ素子4に対向するように、第2金属層1B上の接着部材2Bを介して、基板1上に実装されている。
第1金属層1Aの反射部材5側の端部1cと、第2金属層1Bの半導体レーザ素子4側の端部1dとは離間されており、その距離Qは50μmである。
【0052】
反射部材5は、直方体上に四角形錐台が載置された形状であり、互いに異なる大きさの略四角形状の上面5a及び底面5cを有し、上面5a及び底面5cの間に、上面5aに隣接する傾斜面5b及び底面5cに隣接する非傾斜面5dを一対有する。上面5a及び底面5cは、基板1の表面に平行である。非傾斜面5dは上面5a及び底面5cに直交する垂直面である。反射部材5の上面から底面までの高さは700μmであり、奥行き幅は3.6mmである。また、傾斜面は、上面5a及び底面5cに対して、45度(
図1D中、α)で傾斜している。
【0053】
サブマウント3の端面3aと反射部材5の非傾斜面5dとの距離Zは、25μmである。
反射部材5の半導体レーザ素子4側の端面、非傾斜面5dは、第2金属層1Bの端面1dよりも、半導体レーザ素子4側に配置されており、その距離Sは10μmである。
【0054】
キャップ8は、半導体レーザ素子4及び反射部材5を封止するように基板1上に固定されている。キャップ8は上面に開口部8aを有しており、開口部8にはガラスからなる透光性部材7が設けられている。
【0055】
このような半導体レーザ装置10では、半導体レーザ素子4の大部分をサブマウント3上に配置させることができるために、サブマウント3による放熱性を確保することができる。また、半導体レーザ素子4と反射部材とを近接させることができるため、レーザ光のビーム径を小さく維持することができ、高輝度の光を得ることができる。