(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示された技術では、電極端子が露出した状態で電池間を接続しているため、汗等の液体が露出した電極端子に触れた場合、短絡が発生する可能性があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、電極端子における短絡を防止することが可能な、新規かつ改良された電池内蔵ベルトを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、正極端子および負極端子を有する二次電池を複数有するベルト部を備え、前記ベルト部は、前記複数の二次電池の正極端子および負極端子を電気的に接続する連結部と、前記正極端子、前記負極端子、および前記連結部を封止し、かつ耐水性および絶縁性を有する外装部と、を備える電池内蔵ベルトが提供される。
【0008】
この構成によれば、電池内蔵ベルトにおいて、電池の電極端子における短絡を防止することができる。
【0009】
前記二次電池は、正極、負極、およびセパレータ(separator)を捲回または積層した電極群を含んでもよい。
【0010】
この構成によれば、電池内蔵ベルトが内蔵する二次電池の容量を向上させることができる。
【0011】
前記二次電池は、電解質がゲル(gel)状のポリマー(polymer)電池であってもよい。
【0012】
この構成によれば、電池内蔵ベルトの外装部が損傷した場合に電解質の漏出を抑制することができる。
【0013】
前記複数の二次電池は、前記連結部によって電気的に並列接続されていてもよい。
【0014】
この構成によれば、電池内蔵ベルトの電池容量を向上させることができる。
【0015】
前記二次電池は、前記ベルト部において、前記ベルト部の長手方向に少なくとも一列以上で整列されていてもよい。
【0016】
この構成によれば、電池内蔵ベルトが内蔵する二次電池の数を増加させることができるため、電池内蔵ベルトの電池容量を向上させることができる。
【0017】
前記二次電池の正極端子および負極端子は、前記ベルト部の長手方向に隣接する二次電池の正極端子および負極端子と互いに対向して配置されてもよい。
【0018】
この構成によれば、電池内蔵ベルトにおいて、外装部による封止が容易になるため、電極端子における短絡をより確実に防止することができる。
【0019】
前記連結部は、ヒンジ(hinge)構造を有してもよい。
【0020】
この構成によれば、電池内蔵ベルトの柔軟性を向上させることができ、かつ正極端子、負極端子、および連結部の断線を防止することができる。
【0021】
前記二次電池の正極端子および負極端子は、前記ベルト部の短手方向に突出してもよい。
【0022】
この構成によれば、電池内蔵ベルトが内蔵する二次電池の数を増加させることができるため、電池内蔵ベルトの電池容量を向上させることができる。
【0023】
前記外装部は、前記正極端子、前記負極端子、前記連結部、および前記二次電池を一体に封止してもよい。
【0024】
この構成によれば、電池内蔵ベルトにおいて、外装部による封止が容易になるため、電極端子における短絡をより確実に防止することができる。
【0025】
前記外装部は、ラミネートフィルム(laminated film)であってもよい。
【0026】
この構成によれば、電池内蔵ベルトにおいて、外装部による封止が容易になるため、電極端子における短絡をより確実に防止することができる。
【0027】
前記連結部は、前記ベルト部の厚さ方向の中央に配置されてもよい。
【0028】
この構成によれば、連結部が使用者の身体に接触しないようにすることができるため、連結部が発熱した際の使用者の安全性が向上する。
【0029】
前記連結部は、前記ベルト部の一面に配置され、前記ベルト部は、前記一面が延伸されるように湾曲して身体に装着されてもよい。
【0030】
この構成によれば、連結部が使用者の身体に接触しないようにすることができるため、連結部が発熱した際の使用者の安全性が向上する。
【0031】
前記ベルト部は、前記ベルト部の長手方向における一側の端部に電子機器と接続され、前記二次電池と前記電子機器とを通電させる接続部をさらに備えてもよい。
【0032】
この構成によれば、電池内蔵ベルトに接続された電子機器の使用可能時間を向上させることができる。
【0033】
前記ベルト部は、前記ベルト部の長手方向における前記一側と反対側の端部に、前記ベルト部の長さを調節するバックル(buckle)部をさらに備えてもよい。
【0034】
この構成によれば、使用者は、電池内蔵ベルトを装着しようとする身体の部位の大きさに依らずに電池内蔵ベルトを装着することができる。
【発明の効果】
【0035】
以上説明したように本発明によれば、電池の電極端子における短絡を防止することが可能な電池内蔵ベルトが提供される。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0038】
<1.電池内蔵ベルトの概要>
まず、
図1を参照して、本発明の一実施形態に係る電池内蔵ベルトの概要について説明を行う。
図1は、本発明の一実施形態に係る電池内蔵ベルトの概要を説明する説明図である。
【0039】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る電池内蔵ベルト1は、電子機器21の両端に接続されたベルトである。また、電池内蔵ベルト1は、複数の二次電池11と、外装部13と、バックル部15Aおよび15Bと、を備える。
【0040】
電子機器21は、例えば、携帯電話、情報処理端末等の携帯用電子機器であり、電池内蔵ベルト1の一端と接続する。また、電子機器21は、電池内蔵ベルト1との接続部にて二次電池11と通電し、二次電池11から電力の供給を受ける。
【0041】
なお、電子機器21は、電池内蔵ベルト1によって使用者の身体に装着される。電子機器21が装着される身体の部位は、例えば、頭部、手首、腕、足首、腰などであってもよい。ただし、本発明は、上記例示に限定されるものではなく、例えば、電池内蔵ベルト1を巻き付けることによって装着可能な身体の部位であれば、いずれであってもよい。
【0042】
また、電子機器21と、電池内蔵ベルト1とは、分離可能であってもよい。かかる構成によれば、電池内蔵ベルト1に内蔵された電池の電池容量が無くなり、電子機器21が使用できなくなった場合に、電池内蔵ベルト1を交換することで電子機器21を使用可能にすることができる。もちろん、電池内蔵ベルト1が内蔵する二次電池を充電することによって電子機器21を使用可能にしてもよいことは言うまでもない。
【0043】
二次電池11は、電池内蔵ベルト1に内蔵され、電池内蔵ベルト1の長手方向に一列に配列されており、互いに電気的に接続されて電子機器21に電力を供給する。具体的には、二次電池11は、電池容量をより大きくするために互いに並列接続されていることが好ましい。また、二次電池11は、電池内蔵ベルト1の内部に複数列に配列されていてもよい。
【0044】
例えば、二次電池11は、正極板、負極板、およびセパレータからなる電極群と、電解質とを備えるリチウムイオン(lithium ion)二次電池であってもよい。
【0045】
本発明の一実施形態において、二次電池11は、あらかじめ所定の形態の容器に電極群と、電解液と、が封入されて製造されたリチウムイオン二次電池であってもよい。かかるリチウムイオン二次電池が電気的に接続された上で外装部13に封止されてもよい。
【0046】
また、本発明の他の実施形態において、二次電池11は、電極群と、電解液とが外装部13に封止されることで形成されるリチウムイオン二次電池であってもよい。すなわち、該実施形態において、電極群は、あらかじめ所定の容器に電解液と共に封入されておらず、他の電極群と電気的に接続された後に、外装部13によって封止される直前に電解液が注入される。かかる場合、二次電池11における容器は、外装部13に該当する。
【0047】
該実施形態では、二次電池11は、電解質としてゲル状の高分子を用いるリチウムイオンポリマー二次電池(lithium ion polymer secondary battery)であることがより好ましい。該実施形態では、二次電池11容器が外装部13に該当するため、外装部13が損傷した場合に電解質が外部に漏出する可能性が高い。そのため、電解質がより流動性の低いゲル状であるリチウムイオンポリマー二次電池であるほうが、電荷質の漏出を抑制できるため、より電池内蔵ベルト1の安全性を向上させることができる。
【0048】
外装部13は、耐水性および絶縁性を有し、少なくとも二次電池11の正極端子および負極端子と、各端子を接続する配線とを被覆して一体に封止する。また、外装部13は、さらに二次電池11を被覆して一体に封止してもよい。
【0049】
具体的には、外装部13は、ラミネートフィルム、天然ゴム(gum)または合成ゴムなどの耐水性および絶縁性が高い被覆材であることが好ましい。かかる外装部13で封止することにより、二次電池11の正極端子、負極端子、および各端子を接続する配線は互いに絶縁され、また、外界からの液体等から保護される。かかる構成により、本発明の一実施形態に係る電池内蔵ベルト1は、汗等の液体に電池内蔵ベルト1が曝された場合でも、電極端子およびその配線にて短絡が発生することを防止することができる。
【0050】
なお、外装部13は、使用者の身体に巻き付けて装着することが可能なように、柔軟性が高いことが好ましい。また、外装部13は、別途、皮革または金属等の公知のベルト素材と接合された上で、使用者の身体に巻き付けられてもよいし、外装部13のみで使用者の身体に巻き付けられてもよい。
【0051】
バックル部15Aおよび15Bは、電池内蔵ベルト1の電子機器21が接続された一端と反対側の他端に形成され、電子機器21を挟んで備えられた電池内蔵ベルト1同士を連結する。バックル部15Aおよび15Bは、電池内蔵ベルト1同士の連結位置を変更することによって電池内蔵ベルト1の長さを調整可能な機構を備えていてもよく、バックル部15Aおよび15Bの長さを調整することによって電池内蔵ベルト1の長さを調整可能な機構を備えていてもよい。例えば、バックル部15Aおよび15Bは、穴留め式、スライド(slide)式等のベルトの長さを調節可能な留め金であってもよく、公知のベルトの留め金を制限なく使用することが可能である。
【0052】
<2.電池内蔵ベルトの詳細構成>
続いて、
図2A〜2C、
図3〜4を参照して、本発明の一実施形態に係る電池内蔵ベルトの構成の詳細について製造方法と併せて説明を行う。なお、以下では、二次電池11は、電極群があらかじめ所定の容器に電解液と共に封入されておらず、外装部13によって封止される直前に電解液が注入されて形成されるリチウムイオン二次電池であるとして説明を行う。
【0053】
まず、
図2A〜
図2Cを参照して、本発明の一実施形態に係る電池内蔵ベルト1が内蔵する二次電池11について説明を行う。
図2A〜
図2Cは、本発明の一実施形態に係る電池内蔵ベルト1が内蔵する二次電池11の電極群の一例を説明する説明図である。
【0054】
本発明の一実施形態に係る電池内蔵ベルト1が内蔵する二次電池11は、例えば、正極板、負極板およびセパレータからなる電極群を含み、電解液が注入された後、外装部13によって封止されることで形成されるリチウムイオン二次電池である。
【0055】
電解液は、公知のリチウムイオン二次電池で使用されるものが制限されることなく使用可能である。電解液は、後述するように外装部13によって、電極群が封止される直前に注入され、電極群に含浸される。
【0056】
電極群は、公知のリチウムイオン二次電池で使用される正極、負極およびセパレータによって形成することができる。また、電極群の構造としては、
図2A〜
図2Cに示す構造を使用することができる。
【0057】
例えば、電極群111A、111Bは、
図2Aおよび
図2Bに示すように、正極および負極でセパレータを挟み、巻き取って形成された捲回型電極群であってもよい。また、
図2Aに示すように、正極端子113Aおよび負極端子115Aは、電極群111Aの巻き取り軸と同じ方向にそれぞれ突出して形成されていてもよい。また、
図2Bに示すように、正極端子113Bおよび負極端子115Bは、電極群111Bを巻き取り軸と直交する方向にそれぞれ突出して形成されていてもよい。
【0058】
さらに、電極群111Cは、
図2Cに示すように、正極および負極でセパレータを挟み、積層して形成された積層型電極群であってもよい。また、正極端子113Cおよび負極端子115Cは、電極群111Cの対向する側面からそれぞれ突出して形成されてもよい。
【0059】
なお、上記の電極群111A、111B、111Cのいずれにおいても、正極端子113A、113B、113Cと、負極端子115A、115B、115Cとは、互いに離隔して形成される。
【0060】
次に、
図3を参照して、本発明の一実施形態に係る電極群111同士の接続について、説明を行う。
図3は、電池内蔵ベルトが内蔵する二次電池において、電極群111同士の接続を説明する説明図である。
【0061】
図3に示すように、本発明の一実施形態に係る電極群111、111’は、対向する2つの側面から正極端子113、113’および負極端子115、115’がそれぞれ離隔して突出している。ここで、電極群111および電極群111’は、正極端子113と正極端子113’とが対向し、負極端子115と負極端子115’とが対向するように配列され、電気的に接続される。
【0062】
なお、正極端子および負極端子同士の接続は、例えば、正極端子同士、負極端子同士を抵抗溶接することにより行ってもよいし、また、正極端子同士、負極端子同士を超音波接合することによって行ってもよい。また、正極端子および負極端子は、他の集電板等を介して、電気的に接続されてもよい。
【0063】
本発明の一実施形態に係る電極群111は、以上説明したような接続方法で順次、他の電極群111’と電気的に接続される。これによって、各電極群111は、正極端子113が互いに接続されて形成された正極連結部143、および負極端子115が互いに接続されて形成された負極連結部145によって、互いに正極および負極が電気的に接続される。また、各電極群111は、一方向に一列に配列された形態で互いに正極および負極が接続される。
【0064】
なお、上記において各電極群111が一列に配列された方向は、外装部13によって封止された後に電池内蔵ベルト1における長手方向となる。そのため、電極群111は、一列に配列される方向における長さが短いことが好ましい。具体的には、電極群111は、同じ長さの電池内蔵ベルト1に対してより多くの電池を一列に配列するために、一列に配列される方向における長さが短いことが好ましい。
【0065】
さらに、
図4を参照して、上述した方法により電気的に接続した電極群111を外装部13によって封止する方法について説明を行う。
図4は、電極群111を外装部13によって封止する方法を説明する説明図である。
【0066】
図4の平面図および断面図に示すように、上述した方法によって正極連結部143および負極連結部145にて電気的に接続された電極群111に対して、電解液が注入され、さらに外装部13によって封止が行われる。
【0067】
ここで、外装部13は、例えば、防水性および絶縁性を有するラミネートフィルムであってもよく、より好ましくはアルミラミネートフィルム(aluminum laminated film)、ステンレスラミネートフィルム(stainless laminated film)、樹脂等で内装をコート(coat)し絶縁性を持たせた金属外装などであってもよい。かかる構成によれば、外装部13は、より高い防水性および絶縁性を有することができる。
【0068】
図4の封止後図に示すように、外装部13がヒートシール(heat seal)されることによって、本発明の一実施形態に係る電池内蔵ベルト1は、電極群111間の正極連結部143および負極連結部145、外装部13の縁部が圧着され、封止される。なお、外装部13は、正極連結部143、負極連結部145および電極群111を一体に封止できる大きさのものが選択されることは言うまでもない。
【0069】
かかる構成によれば、本発明の一実施形態に係る電極群111は、高い防水性および絶縁性を有する外装部13によって封止される。また、ラミネートフィルムを用いることで、電極群111の形状に合致した金型治具によって簡便にヒートシールによる封止を行うこともできる。
【0070】
なお、上記では、外装部13は、ラミネートフィルムであるとして説明したが、本発明は、上記例示に限定されない。例えば、外装部13は、合成ゴムまたは天然ゴムであってもよい。かかる構成によれば、防水性、絶縁性が高い合成ゴムまたは天然ゴムによって電極群111を封止することができる。また、柔軟性が高い合成ゴムまたは天然ゴムで封止した電池内蔵ベルト1は、ベルトとして好適に用いることができる。
【0071】
以上の封止方法によれば、本発明の一実施形態に係る電池内蔵ベルト1は、電極群111の正極端子113、負極端子115、正極連結部143、および負極連結部145を外界に露出させずに外装部13で封止し、被覆することができる。したがって、本発明の一実施形態に係る電池内蔵ベルト1は、防水性および絶縁性を有する外装部13により二次電池11の電極端子における短絡を防止することができる。
【0072】
また、本発明の一実施形態に係る電池内蔵ベルト1は、複数の二次電池11を備えるため、それぞれを電気的に並列接続させることで高容量を実現することができる。したがって、各二次電池11の容量を大きくする必要がないため、電池内蔵ベルト1に内蔵される二次電池11の安全性を向上させることができる。
【0073】
さらに、本発明の一実施形態に係る電池内蔵ベルト1は、身体に装着するものであるため、使用環境は常温である。したがって、電池内蔵ベルト1に内蔵される二次電池11は、極端な低温または高温における特性を考慮する必要がなく、常温における特性のみを考慮すればよいため、より電池特性を向上させることができる。
【0074】
<3.変形例>
以下では、以上で説明した本発明の一実施形態に係る電池内蔵ベルト1の変形例について説明を行う。
【0075】
[3.1.電池内蔵ベルトの変形例]
まず、
図1で説明した本発明の一実施形態に係る電池内蔵ベルト1の構造の変形例1〜3について、
図5〜
図7を参照して説明する。
図5は、電池内蔵ベルト1の第1の変形例を説明する説明図であり、
図6は、電池内蔵ベルト1の第2の変形例を説明する説明図であり、
図7は、電池内蔵ベルト1の第3の変形例を説明する説明図である。
【0076】
まず、
図5を参照して、本発明の一実施形態に係る電池内蔵ベルトの第1の変形例について説明する。
図5に示すように、第1の変形例に係る電池内蔵ベルト1Aでは、二次電池11が内蔵されている位置が、上記の
図1で説明した電池内蔵ベルト1と異なる。すなわち、上記の
図1で説明した電池内蔵ベルト1では、二次電池11は、電子機器21の両端に接続された電池内蔵ベルト1のうちの一方にのみ内蔵されていたが、第1の変形例に係る電池内蔵ベルト1Aでは、電子機器21の両端に接続された電池内蔵ベルト1Aのそれぞれに内蔵される。なお、本発明の第1の変形例において、電子機器21の両端に接続された電池内蔵ベルト1Aのどちらに、どのような割合で二次電池11を内蔵するかは、任意に選択可能である。
【0077】
次に、
図6を参照して、本発明の一実施形態に係る電池内蔵ベルトの第2の変形例について説明する。
図6に示すように、第2の変形例に係る電池内蔵ベルト1Bでは、二次電池11は、電池内蔵ベルト1Bを装着した際に身体側に突出するように外装部13によって封止されている。また、第2の変形例に係る電池内蔵ベルト1Bにおいて、二次電池11の正極および負極を接続する正極連結部143および負極連結部145は、電池内蔵ベルト1Bを装着した際に身体と反対側に配置されるように形成される。
【0078】
かかる構成によれば、二次電池11に異常が発生した場合に最も発熱が生じやすい端子および配線(すなわち、正極端子、負極端子、正極連結部143、および負極連結部145)を、電池内蔵ベルト1Bを装着した際に身体と直接接触しないように配置することができる。したがって、電池内蔵ベルト1Bは、二次電池11に異常が発生した場合の使用者に対する安全性を向上させることが可能である。
【0079】
続いて、
図7を参照して、本発明の一実施形態に係る電池内蔵ベルトの第3の変形例について説明する。
図7に示すように、第3の変形例に係る電池内蔵ベルト1Cでは、二次電池11を電気的に接続する正極連結部143および負極連結部145が電池内蔵ベルト1Cの厚み方向の中央部に位置するように外装部13によって封止されている。
【0080】
かかる構成によれば、第2の変形例と同様に、二次電池11に異常が発生した場合に最も発熱が生じやすい端子および配線(すなわち、正極端子、負極端子、正極連結部143、および負極連結部145)を使用者の身体に接触しないように配置することができる。
【0081】
[3.2.電極群同士の接続の変形例]
次に、本発明の一実施形態に係る電池内蔵ベルトにおいて、電極群の接続の変形例1〜3について、
図8〜
図10Bを参照して説明する。
図8は、電極群の接続の第1の変形例を説明する説明図であり、
図9は、電極群の接続の第2の変形例を説明する説明図である。また、
図10Aは、電極群の接続の第3の変形例を説明する平面図であり、
図10Bは、
図10Aで示した電極群を
図10AのX−Y線で切断した際の断面図である。なお、
図10Bに対して左側がX側であり、右側がY側である。
【0082】
なお、以下で説明する電極群の接続に係る変形例は、電極群を二次電池に置き換えても同様に適用可能であることは言うまでもない。
【0083】
まず、
図8を参照して、本発明の一実施形態に係る電極群の接続の第1の変形例について説明を行う。
図8に示すように、第1の変形例に係る電極群211、311の接続には、ヒンジ構造が用いられる。具体的には、電極群211の負極端子215とおよび電極群311の負極端子315には、それぞれ貫通孔が形成され、該貫通孔にピン(pin)241が通ることによって、負極端子215および315は、互いに自由に回転ができるように接合されている。また、正極端子213および313についても負極端子と同様に、互いに自由に回転ができるようにピンを用いたヒンジ構造で接合されている。
【0084】
かかる構成によれば、ヒンジ構造により接合された電極群211および電極群311は、互いに自由に回転することができる。したがって、このような接続がなされた電極群を用いた電池内蔵ベルトでは、長手方向の柔軟性をより向上させることができる。
【0085】
また、
図3で示すように電極端子同士を溶接することで正極連結部および負極連結部を形成した場合、電池内蔵ベルトを繰り返し湾曲させた際に、正極連結部および負極連結部が繰り返し屈曲し、疲労破壊により断線する可能性がある。一方、電極群の接続に係る第1の変形例では、正極連結部および負極連結部は自由に回転可能なヒンジ構造であるため上述の断線の可能性がなく、より好ましい。
【0086】
次に、
図9を参照して、本発明の一実施形態に係る電極群の接続の第2の変形例について説明を行う。
図9に示すように、第2の変形例に係る電極群411では、正極端子413および負極端子415は、それぞれ電極群411が配列される方向と直交する方向からそれぞれ突出して形成される。また、正極端子413は、各電極群の正極端子を接続する集電体である正極連結部443と接続され、負極端子415は、各電極群の負極端子を接続する集電体である負極連結部445と接続される。
【0087】
かかる構成によれば、各電極群の間に正極連結部および負極連結部が形成されないため、各電極群の間隔を狭めて配置することができる。したがって、このような接続がなされた電極群を用いた電池内蔵ベルトでは、同じベルト長さに対して、より多数の電池を内蔵することができるため、電池内蔵ベルトの電池容量を向上させることが可能である。
【0088】
さらに、
図10Aおよび
図10Bを参照して、本発明の一実施形態に係る電極群の接続の第3の変形例について説明を行う。
図10Aに示すように、第3の変形例に係る電極群511では、正極端子513および負極端子515は、それぞれ電極群511が配列される方向からそれぞれ突出して形成される。また、
図10Bに示すように、正極端子513および負極端子515は、電極群の厚さ方向に対して互いに反対側の面上に形成される。さらに、正極端子513は、各電極群の正極端子を接続する集電体である正極連結部543と接続され、負極端子515は、各電極群の負極端子を接続する集電体である負極連結部545と接続される。なお、正極連結部543および負極連結部545についても、電極群511の厚さ方向に対して互いに反対側の面上に形成されることは言うまでもない。すなわち、正極端子513および正極連結部543と、負極端子515および負極連結部545とは、電極群511を挟んで対角線上に形成される。
【0089】
上記の電極群の接続に係る第3の変形例にて理解できるように、本発明の一実施形態において、電極群から正極端子および負極端子を突出させる方向および位置は、多様な変形が可能である。また、本発明の一実施形態において、正極端子を連結する集電体である正極連結部を別途設けてもよいし、負極端子を連結する集電体である負極連結部を別途設けてもよい。
【0090】
<4.まとめ>
以上で説明したように、本発明の一実施形態に係る電池内蔵ベルトによれば、正極端子、負極端子、および配線部を耐水性および絶縁性を有する外装部で被覆し、封止することにより、電極端子における短絡を防止することが可能である。また、本発明の一実施形態に係る電池内蔵ベルトによれば、複数の二次電池をより多く内蔵することによって電池容量を向上させることが可能である。したがって、本発明の一実施形態に係る電池内蔵ベルトによれば、電池内蔵ベルトに接続された電子機器の使用可能時間を向上させることが可能である。
【0091】
なお、上記実施形態では、二次電池11が一列に配列されて電池内蔵ベルト1に内蔵される場合を主として説明したが、本発明はかかる例示に限定されない。例えば、二次電池11は、二列以上の複数列に配列されて電池内蔵ベルト1に内蔵されてもよい。また、二次電池11は、マトリクス状に配列されて電池内蔵ベルト1に内蔵されてもよい。
【0092】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。