【実施例】
【0057】
本発明を以下の実施例を用いて説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。
【0058】
(実施例1)
カーボンナノファイバ20gとテトライソプロポキシチタン245gとをイソプロピルアルコール1300gに添加して、テトライソプロポキシチタンをイソプロピルアルコールに溶解させた。チタンアルコキシドとカーボンナノファイバの重量比は、第二の複合材料においてチタン酸リチウムとカーボンナノファイバの重量比が約8:2となるように選択した。得られた液を、外筒と内筒の同心円筒からなり、内筒の側面に貫通孔が設けられ、外筒の開口部にせき板が配置されている反応器の内筒内に導入し、35000kgms
−2の遠心力が液に印加されるように内筒を300秒間旋回させて、カーボンナノファイバを液に高分散させた。
【0059】
酢酸165gと酢酸リチウム50gとを、イソプロピルアルコール145gと水150gとの混合溶媒に溶解した。得られた液を上記反応器の内筒内に導入し、溶液を調製した。この溶液に35000kgms
−2の遠心力が印加されるように内筒を300秒間旋回させて、外筒の内壁に溶液の薄膜を形成させると共に、溶液にずり応力と遠心力を加えて化学反応を促進させ、チタン酸リチウムの前駆体を高分散状態でカーボンナノファイバ上に担持させた。
【0060】
次いで、上記反応器の内容物を回収し、大気中で溶媒を蒸発させ、さらに100℃で17時間乾燥した。得られたチタン酸リチウムの前駆体を担持させたカーボンナノファイバを、窒素中、400℃で30分の予備熱処理を行い、その後窒素中、900℃で3分間熱処理を行い、一次粒子の平均粒子径が5〜20nmのチタン酸リチウムのナノ粒子がカーボンナノファイバ上に高分散状態で担持された第二の複合材料を得た。
【0061】
得られた第二の複合材料100gを、500℃で6時間の熱処理を施し、カーボンナノファイバを燃失して除去するとともに、チタン酸リチウム粒子を結合させて三次元網目構造のチタン酸リチウム粒子群を得た。
【0062】
(実施例2)
実施例1では、第二の複合材料においてチタン酸リチウムとカーボンナノファイバの重量比を約8:2となるように選択したのに対して、実施例2の金属化合物粒子群では、第二の複合材料においてチタン酸リチウムとカーボンナノファイバの重量比を約7:3となるように選択した以外は、実施例1と同様にしてチタン酸リチウム粒子群を得た。
【0063】
(実施例5)
まず、ケッチェンブラック20gと、Co(CH
3COO)
2・4H
2Oを202gと、H
2Oを3243gとを混合して、上記反応器の内筒内に導入し、混合液に対して50m/sの回転速度で5分間旋回させた。この第1回目のメカノケミカル処理を終えた混合液に対しては、LiHO・H
2O(65g含有)水溶液3300gを加えて、50m/sの回転速度で5分間旋回させて、第2回目のメカノケミカル処理を行った。このメカノケミカル処理では、66000N(kgms
−2)の遠心力が加わっている。この第1,2回目のメカノケミカル処理は、メカノケミカル処理による金属化合物の前駆体をカーボン源に担持させて第一の複合材料を得る工程に対応する。
【0064】
次に、予備加熱処理として、得られた溶液を大気中などの酸化雰囲気中で250℃まで急速加熱し、1時間の間保持することで焼成を行う。焼成後、オートクレーブ内にH
2Oと、焼成によって作製した前駆体と、H
2O
2とを加えて、飽和水蒸気中で250℃で6h保持して水熱合成を行いコバルト酸リチウム(LiCoO
2)とケッチェンブラックの第二の複合材料100gを得た。このときの圧力は39.2気圧である。この水熱合成は、第一の複合材料を非酸化雰囲気下で熱処理することによって、金属化合物粒子を生成し、該金属化合物粒子とカーボンとが複合化された第二の複合材料を得る工程に対応する。
【0065】
そして、得られた第二の複合材料100gを、500℃で6時間の熱処理を施し、ケッチェンブラックを焼失して除去するとともに、コバルト酸リチウム粒子を結合させて三次元網目構造のコバルト酸リチウム粒子群を得た。
【0066】
(従来例1)
水酸化リチウム38g、水800gの水溶液に、ナノサイズ(200nm程度)となるように粉砕した酸化チタン(TiO
2)87gを添加して攪拌して溶液を得る。この溶液をスプレードライ装置に導入し噴霧乾燥して乾燥物を得た。得られた乾燥造粒物を大気中で700℃の温度で3時間熱処理を行いチタン酸リチウム粒子群を得た。すなわち、従来例1は、カーボン未使用で生成したチタン酸リチウム粒子群である。
【0067】
(従来例2)
炭酸リチウム(Li
2CO
3)を45gと四酸化三コバルト(Co
3O
4)を85gの粉末同士を乾式で混合した。得られた混合物を水(H
2O)と共にオートクレーブに投入した。オートクレーブ内において、飽和水蒸気中で250℃で6時間保持した。その結果、コバルト酸リチウム(LiCoO
2)の粉末を得た。すなわち、従来例2は、カーボン未使用で生成したコバルト酸リチウム粒子群である。
【0068】
(キャパシタ評価)
次いで、得られた実施例1,2及び従来例1のチタン酸リチウム粒子群と、得られた実施例5及び従来例2のコバルト酸リチウム粒子群に対して、5重量%のポリフッ化ビニリデンと適量のN−メチルピロリドンを加えて十分に混練してスラリーを形成し、アルミニウム箔上に塗布し、乾燥して、各々電極を得た。さらに、得られた電極を用いて、1MのLiBF
4のプロピレンカーボネート溶液を電解液とし、対極に活性炭電極を用いたラミネート封止のキャパシタを各々作成した。
【0069】
得られた実施例1、2及び従来例1のキャパシタについて、
図3は、レートと容量維持率との関係を示した図である。
図4は、得られた実施例5及び従来例2のキャパシタについて、レートと容量維持率との関係を示した図である。
図3及び4から分かるように、実施例1,2,5のキャパシタは高レートにおいても良好なレート特性が得られることが分かる。特に実施例1,2,5のキャパシタでは、電極に導電助剤となる導電性カーボンを含めていなくてもこのように良好なレート特性が得られるのは本発明の金属化合物粒子群の特徴でもある。
【0070】
次に、得られたチタン酸リチウム粒子群について観察する。
図5(a)は、実施例1のチタン酸リチウム粒子群の断面を写した明視野STEM写真であり、
図5(b)は、従来例1のチタン酸リチウム粒子群の断面を写した明視野STEM写真である。
図6は、実施例5のコバルト酸リチウム粒子群の断面を写した明視野STEM写真である。
図5(a)では、チタン酸リチウム粒子群の断面には、粒子群の中心も含め、多くの空隙が存在していることが分かる(断面内において、チタン酸リチウム粒子がグレーを示し、空隙は黒を示す)。また、
図6では、コバルト酸リチウム粒子群の断面も実施例1と同様に、粒子群の中心も含め、多くの空隙が存在していることが分かる。これに対して従来例1のチタン酸リチウム粒子群では、空隙はほとんどなく、また粒子群の外周近辺に僅かに見られる。
【0071】
また、
図7は、実施例1及び従来例1のチタン酸リチウム粒子群をさらに拡大した断面の明視野STEM写真である。また、
図8は、実施例3のコバルト酸リチウム粒子群をさらに拡大した断面の明視野STEM写真である。
図7(a)の実施例1のチタン酸リチウム粒子群、及び
図8の実施例5のコバルト酸リチウム粒子群には、双方とも、粒子間の粒界がほとんど見えず(グレーが粒子を示す)、粒子同士が結合して三次元網目構造を形成している。また、チタン酸リチウム粒子はその一次粒子の粒子径が主に100nm以下であることが分かる。これに対して
図7(b)の従来例1の金属化合物粒子群では、粒子間の輪郭が見えており、粒界が存在していることが分かる。またその粒子径も主に200nm以上であることが分かる。
【0072】
次に、実施例1、実施例5及び従来例1の得られたチタン酸リチウム粒子群とコバルト酸リチウム粒子群の空隙状態を確認する。
図5に示すチタン酸リチウム粒子群の断面における空隙の面積を画像処理により分析した。
図9に示すように、チタン酸リチウム粒子群における白色をチタン酸リチウム粒子とし、グレーを空隙として画像処理し、チタン酸リチウム粒子群における空隙が占める面積率を計算した。
【0073】
その結果、
図9(a)の実施例1で得られたチタン酸リチウム粒子群の空隙率は、22%であった。また、
図6に示すコバルト酸リチウム粒子群の断面における空隙の面積も実施例1と同様に画像処理により分析した。その結果、
図6の実施例5で得られたコバルト酸リチウム粒子群の空隙率は、9.9%であった。これに対して
図9(b)の従来例1で得られたチタン酸リチウム粒子群の空隙率は、4%であった。このように実施例1及び実施例5のチタン酸リチウム粒子群及びコバルト酸リチウム粒子群は高い空隙率を備えていることが分かる。
【0074】
また、
図10は、この得られたチタン酸リチウム群の表面を写した10万倍のSEM写真である。
図10から、チタン酸リチウム群の表面もナノレベルの微細な粒子群であることが分かる。
【0075】
次に、この得られた実施例1、2及び従来例1のチタン酸リチウム粒子群の細孔分布を測定した。また、得られた実施例5及び従来例2のコバルト酸リチウム粒子群の細孔分布を測定した。測定方法としては、窒素ガス吸着測定法を用いる。具体的には、金属酸化物粒子表面及び、金属酸化物粒子表面と連通した内部に形成された細孔に窒素ガスを導入し、窒素ガスの吸着量を求める。次いで、導入する窒素ガスの圧力を徐々に増加させ、各平衡圧に対する窒素ガスの吸着量をプロットし、吸着等温曲線を得る。この実施例では、高精度ガス/蒸気吸着量測定装置 BELSORP-max-N (日本ベル株式会社製)を用いて測定した。
図11及び
図12は、横軸に細孔径を取り、測定ポイント間の細孔容積の増加分を縦軸に取った差分細孔容積分布であり、
図11は実施例1、2及び従来例1のチタン酸リチウム粒子群を示し、
図12は実施例5及び従来例2のコバルト酸リチウム粒子群を示す。
【0076】
図11から分かるように、実施例1,2のチタン酸リチウム粒子群は、従来例1のチタン酸リチウム粒子群に対して、差分細孔容積が大きいことが分かる。このような細孔径の小さい範囲(100nm)において差分細孔容積が大きいため、チタン酸リチウム粒子群の内部に電解液が侵入し、電解液と接するチタン酸リチウム粒子の面積が大きいことが分かる。特に10〜40nmの範囲の細孔径における差分細孔容積が0.01cm
3/g以上の値を有し、さらには、0.02cm
3/g以上の値が得られている。
【0077】
また、
図12から分かるように、実施例5のコバルト酸リチウム粒子群は、従来例2のコバルト酸リチウム粒子群に対して、差分細孔容積が大きいことが分かる。このような細孔径の小さい範囲(100nm)において差分細孔容積が大きいため、コバルト酸リチウム粒子群の内部に電解液が侵入し、電解液と接するコバルト酸リチウム粒子の面積が大きいことが分かる。特に20〜40nmの範囲の細孔径における差分細孔容積が0.0005cm
3/g以上の値が得られている。
【0078】
尚、実施例1、2のチタン酸リチウム粒子群と実施例5のコバルト酸リチウム粒子群の差分細孔容積の差異は、実施例1、2のチタン酸リチウム粒子群の平均一次粒子径が100nm以下であること、それに対して実施例5のコバルト酸リチウム粒子群の平均一次粒子径が100nmを超えることに起因すると考えられる。いずれにしても、カーボン未使用で生成した場合と比べて、差分細孔容積が大きくなっている。
【0079】
次に本発明の金属化合物粒子群の残存カーボン量を確認する。
【0080】
(実施例1−1)
実施例1では、第二の複合材料100gを500℃で6時間の熱処理を施したのに対して、実施例1−1の金属化合物粒子群では、第二の複合材料100gを、350℃で3時間の熱処理を施した以外は、実施例1と同様にしてチタン酸リチウム粒子群を得た。
【0081】
(実施例1−2)
実施例1では、第二の複合材料100gを500℃で6時間の熱処理を施したのに対して、実施例1−2の金属化合物粒子群では、第二の複合材料100gを、300℃で1時間の熱処理を施した以外は、実施例1と同様にしてチタン酸リチウム粒子群を得た。
【0082】
得られた実施例1、実施例1−1及び実施例1−2のチタン酸リチウム粒子群の残存カーボン量を測定した。なお、TG−DTA測定(示差熱-熱重量同時測定)を用いる。またこれらの実施例の60℃放置試験を行った結果を表1に示す。なお、放置試験条件は、各キャパシタを2.8Vで充電した状態で30分間保持し、その後60℃の雰囲気で1500時間放置した。このキャパシタを再度充放電した際の放電容量を、試験前の放電容量の割合として算出した値である。表1に示すように、カーボンの残存量は5重量%未満が好ましく、特にはカーボンの残存量が1重量%以下であった実施例1が良好な結果が得られている。
【0083】
(表1)
【0084】
次に本発明の金属化合物粒子群の導電性について確認する。本発明の金属化合物粒子群は、金属粒子同士が結合しているため、粒子群の導電性は高いものである。
図13では、実施例1の金属化合物粒子群と、参考例1として、実施例1で得られた金属化合物粒子群をボールミルにて1分間粉砕して得た金属化合物粒子群を用いて、電極シートを作製し、この電極の導電率を測定した結果を示す。
【0085】
電極シートの作製手順としては、実施例1及び参考例1のチタン酸リチウム粒子群とバインダとしてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とを10:1の重量割合で混合した混合物に適量のイソプロピルアルコールを混合し、ロールプレスにより、150〜180μmの厚みの電極シートを作製した。この作製した電極シートをステンレスメッシュで挟み込んで作用電極とし、セパレータを介して対極としてリチウム箔を用い、電解液として、1MのLiBF
4のプロピレンカーボネート溶液を用いた。測定条件としては、約0.05Cの電流で充電を行い、適時電極シートのインピーダンスを測定した。なお、チタン酸リチウム粒子群の利用率(SOC)は、満充電に要する時間からを算出した。
【0086】
図13で示すように、実施例1の電極シートは、利用率に関わらず良好な導電率を示している。これに対して、実施例1のチタン酸リチウム粒子群を粉砕して得た参考例1では、その導電率は低下していることが分かる。これは、粉砕によってチタン酸リチウム粒子群の三次元網目構造が部分的に崩れることで粒子間の電子パスが減少し、抵抗が増加しているものと考えられる。つまり、実施例1のチタン酸リチウム粒子群は、粒子同士が結合した三次元網目構造が形成されていることを示している。
【0087】
(実施例3)
ケッチェンブラック20gをイソプロピルアルコール1200gに添加した溶液を超遠心処理によって分散させた後、テトライソプロポキシチタン247gを添加し溶解させて溶液を得た。チタンアルコキシドとケッチェンブラックの重量比は、第二の複合材料においてチタン酸リチウムとケッチェンブラックの重量比が約8:2となるように選択した。得られた溶液をスプレードライ装置(ADL−311:ヤマト科学株式会社製)に導入し、基板上に噴霧乾燥(圧力:0.1Mpa、温度150℃)して乾燥物を得る。この乾燥物を、酢酸リチウム52gが溶解した水200gに添加して攪拌して乾燥して混合物を得た。この混合物は、金属アルコキシドが酸化処理されて生成された金属化合物粒子の前駆体とカーボン粉体とが複合化された第一の複合材料である。
【0088】
次いで、得られた第一の複合材料100gを、窒素中、400℃で30分の予備熱処理を行い、その後窒素中、900℃で3分間熱処理を行い、一次粒子の平均粒子径が5〜20nmのチタン酸リチウムのナノ粒子がケッチェンブラック上に高分散状態で担持された第二の複合材料を得た。
【0089】
得られた第二の複合材料100gを、大気中500℃で6時間の熱処理を施し、カーボンナノファイバを燃失して除去するとともに、チタン酸リチウムを結合させて三次元網目構造のチタン酸リチウム粒子群を得た。得られた粒子群の金属化合物粒子の一次粒子の平均粒子径は5〜100nmであった。またこの金属化合物粒子群のカーボンの残存量を測定したところ、1重量%以下であった。
【0090】
(実施例4)
ナノサイズ(平均粒子径5−20nm)の酸化チタン(TiO
2)87gと、ポリビニルアルコール87gと酢酸リチウム60gを水800gに添加した。この溶液を乾燥して得られた金属化合物粒子の前駆体の表面にポリビニルアルコールが堆積した第一の複合材料を得た。
【0091】
次いで、得られた第一の複合材料100gを、窒素中、400℃で30分の予備熱処理を行い、その後窒素中、900℃で3分間熱処理を行い、5〜20nmのチタン酸リチウムのナノ粒子がポリビニルアルコール由来のカーボン上に高分散状態で担持された第二の複合材料を得た。この第二の複合材料において、チタン酸リチウム粒子とカーボンの重量比は約9:1であった。
【0092】
得られた第二の複合材料100gを、大気中500℃で6時間の熱処理を施し、カーボンを燃失して除去するとともに、チタン酸リチウムを結合させて三次元網目構造のチタン酸リチウム粒子群を得た。得られた粒子群の金属化合物粒子の一次粒子の平均粒子径は5〜100nmであった。またこの金属化合物粒子群のカーボンの残存量を測定したところ、1重量%以下であった。
【0093】
(ハーフセルでの評価)
次いで、得られた実施例3,4及び従来例1のチタン酸リチウム粒子群とこの粒子群に対して5重量%のポリフッ化ビニリデンと適量のN−メチルピロリドンを加えて十分に混練してスラリーを形成し、アルミニウム箔上に塗布し、乾燥して、電極を得た。さらに、得られた電極を用いて、1MのLiBF
4のプロピレンカーボネート溶液を電解液とし、対極にリチウム板を用いたラミネート封止のハーフセルを作成した。
【0094】
得られた実施例3、4及び従来例1のハーフセルについて、充放電電流と容量維持率との関係を
図14に示す。
図14から分かるように、実施例3、4のハーフセルは高レートにおいても良好なレート特性が得られることが分かる。特に実施例3、4のハーフセルでは、電極に導電性カーボンを含めていなくてもこのように良好なレート特性が得られることは本発明の金属化合物粒子群の特徴でもある。
【0095】
次に、この得られた実施例4のチタン酸リチウム粒子群の細孔分布を測定した。測定方法としては、窒素ガス吸着測定法を用いる。測定条件は
図11及び
図12にて示したものと同様として、差分細孔容積分布を求めたものを
図15に示す。
【0096】
図15から分かるように、実施例4のチタン酸リチウム粒子群は、実施例1、2と同様に、差分細孔容積が大きいことが分かる。このような細孔径の小さい範囲(100nm)において差分細孔容積が大きいため、チタン酸リチウム粒子群の内部に電解液が侵入し、電解液と接するチタン酸リチウム粒子の面積が大きいことが分かる。特に10〜40nmの範囲の細孔径における差分細孔容積が0.01cm
3/g以上の値を有しており、その値も0.03cm
3/gを超えるものである。なお、実施例3のチタン酸リチウム粒子群についても同様に細孔容積分布を求めたところ、実施例1、2と同様に、差分細孔容積が大きいことが分かった(図省略)。特に10〜40nmの範囲の細孔径における差分細孔容積が0.01cm
3/g以上の値を有しており、その値も0.02cm
3/gを超えるものであった。