(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記プロセッサは、前記地図情報に基づいて、特定した前記トンネルの出口の位置を検出し、前記出口から出たことによりトンネル内ではないと判断した場合は、前記位置検出装置の前記電源をオンに制御すると共に、検出した前記出口の位置を前記位置検出装置に入力させる、
請求項4に記載の半導体装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、図面を参照して、本実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
(第1の実施の形態)
図1に、本実施の形態の電子機器10によるナビゲーションの一例を説明するための概略図を示す。本実施の形態の電子機器10は、GPS(Global Positioning System)衛星1から送信されたGPS信号を受信する本発明のGPS装置としてのGPS14を備えている。GPS信号には、位置情報が含まれており、GPS14は、受信したGPS信号の位置情報に基づいて電子機器10の位置を検出する。GPS14により検出された電子機器10の位置は、表示部17に表示される。本実施の形態の電子機器10では、GPS14の動作中は、GPS衛星1から送信されるGPS信号を受信する。また、GPS14の非動作中は、GPS信号を受信しない。
【0014】
なお
図1では、電子機器10がスマートフォンである場合を具体的一例として示したがこれに限らず、GPS14を備える電子機器であれば、その他の携帯電子機器であってもよいし、非携帯の電子機器であってもよい。
【0015】
図2には、本実施の形態の電子機器10の一例の概略構成図を示す。本実施の形態の電子機器10は、センサ制御マイコン12、GPS14、気圧センサ16、表示部17、及び電力供給部18を備える。
【0016】
本発明の半導体装置に対応するセンサ制御マイコン12は、GPS14、気圧センサ16、及び表示部17を制御する機能を有している。センサ制御マイコン12は、CPU(Central Processing Unit)20、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)24、及びIF(Interface)26を備えている。ROM22には、詳細を後述するGPS制御処理のプログラムが記憶されている。CPU20が、ROM22に記憶されている当該プログラムを実行することにより、予め定められた機能が実現される。RAM24は、CPU20によるプログラムの実行の際に、ワークメモリ等として用いられる。IF26は、センサ制御マイコン12と、GPS14、気圧センサ16、及び表示部17と、の間で各種情報等の送受信を可能にするための機能を有する。CPU20、ROM22、RAM24、及びIF26は、バス28を介して相互に接続されている。
【0017】
GPS14は、GPS衛星1から位置情報を示すGPS信号を受信し、受信したGPS信号に基づいて電子機器10の現在位置を検出する機能を有している。
【0018】
気圧センサ16は、電子機器10のおかれている環境、または電子機器10内部の少なくとも一方の気圧を測定可能なものであれば、特に限定されるものではない。なお、気圧センサ16は、GPS14よりも消費電流が少なく、消費電力が小さい。
【0019】
表示部17は、GPS14で検出した電子機器10の現在位置等を表示する機能を有しており、具体的例としては、タッチパネルや液晶等が挙げられる。
【0020】
本実施の形態の電力供給部18は、センサ制御マイコン12、GPS14、気圧センサ16、及び表示部17それぞれの電源に電力を供給する機能を有している。センサ制御マイコン12、GPS14、気圧センサ16、及び表示部17は、電力供給部18から供給された電力により、それぞれ駆動する。なお、本実施の形態では、電力供給部18から上記各部に電力を供給するように構成しているが、これに限らない。例えば、電力供給部18からは、GPS14のみに電力を供給し、センサ制御マイコン12、気圧センサ16、及び表示部17は、他から電力を供給するようにしてもよい。このように、センサ制御マイコン12、気圧センサ16、及び表示部17の各電源への電力の供給源は、電力供給部18に限るものではない。
【0021】
次に、本実施の形態のセンサ制御マイコン12のGPS制御処理について説明する。
図3には、本実施の形態のセンサ制御マイコン12におけるGPS制御処理の一例のフローチャートを示す。
【0022】
本実施の形態では、
図3に示したGPS制御処理は、一例として、電子機器10の主電源(図示省略)に電源が投入されると実行される。
【0023】
ステップS100では、センサ制御マイコン12は、気圧センサ16から気圧値を取得する。本実施の形態では、センサ制御マイコン12は、定期的に気圧センサ16から一定期間の気圧値を取得する。すなわち、センサ制御マイコン12は、定期的に気圧センサ16から複数の気圧値を取得する。なお、本実施の形態では、このように定期的に気圧センサ16から気圧値を取得するようにしているが、予め定められたその他のタイミングで気圧値を取得するようにしてもよく、特に限定されるものではない。また、気圧値を取得する上記の一定期間は、下記ステップS102における解析方法や、電子機器10の環境等を考慮して予め定めておけばよい。
【0024】
次のステップS102では、センサ制御マイコン12は、取得した気圧値から気圧の変化を解析する。次のステップS104では、センサ制御マイコン12は、ステップS102の解析結果に基づいて、電子機器10の現在位置がトンネル内であるか否か判断する。
【0025】
図4には、気圧センサ16で検知した気圧値の変化の具体的一例を示す。一般に、トンネル内では、
図4に示すように気圧値が、トンネル外に比べて乱れる。すなわち、トンネル内では、気圧値の波形の振幅が大きくなる。そこで、本実施の形態では、センサ制御マイコン12が、気圧値の変化を解析し、気圧値が乱れている場合にトンネル内であると判断している。
【0026】
上記ステップS102では、取得した一定期間の気圧値の波形を解析することにより、気圧の変化を解析している。気圧値の波形の解析方法は、特に限定されず、例えば、分散、標準偏差、最大値最小値の差分、時間移動平均、微分処理、気圧波形の振幅等を用いた解析方法が挙げられる。本実施の形態では、ステップS102における解析方法に応じて、トンネル内と判断するための波形の乱れを表す閾値(基準値)が予めROM22等の記憶部に記憶されている。
【0027】
本実施の形態のステップS104では、記憶されている当該閾値と、ステップS102の解析結果とを比較して、当該閾値と一致、または一致したとみなせる予め定められた許容範囲内である場合に、トンネル内であると判断している。
【0028】
例えば、分散を用いる場合は、分散用の閾値を予め記憶しておき、分散が閾値以上であれば、トンネル内であると判断すればよい。また同様に、標準偏差を用いる場合は、標準偏差用の閾値を予め記憶しておき、標準偏差が閾値以上であれば、トンネル内であると判断すればよい。また、取得した気圧値の最大値と最小値との差分を用いる場合も、同様に、差分用の閾値を予め記憶しておき、差分が閾値以上であれば、トンネル内であると判断すればよい。
また、気圧値の最大値と気圧値の平均値との差分が閾値以上であって、且つ気圧値の最小値と気圧値の平均値との差分が閾値以上の場合に、トンネル内であると判断してもよい。また、気圧値の最大値と気圧値の平均値との差分が閾値以上か、或いは気圧値の最小値と気圧値の平均値との差分が閾値以上の場合に、トンネル内であると判断してもよい。
【0029】
なお、センサ制御マイコン12は、これら複数の解析方法を組み合わせ、これらの解析方法のうち、所定数以上の解析方法によりトンネル内であると判断した場合に、トンネル内であると最終的に判断し、所定数未満の場合は、トンネル内ではないと判断するようにしてもよい。なお、当該所定数は、「1」を除外するものではない。
【0030】
ステップS104で現在位置がトンネル内でないと判断した場合は、ステップS106へ進む。ステップS106では、GPS14の電源をオンにした後、ステップS100に戻り本処理を繰り返す。なお、本処理では、GPS14の電源がオフであった場合は、オンにするが、既に電源がオンにされていた場合は、そのままの状態を維持する。
【0031】
一方、ステップS104で現在位置がトンネル内であると判断した場合は、ステップS108へ進む。ステップS108では、GPS14の電源をオフにした後、ステップS100に戻り本処理を繰り返す。なお、本処理では、GPS14の電源がオンであった場合は、オフにするが、既に電源がオフにされていた場合は、そのままの状態を維持する。
【0032】
一般的に、GPS衛星1から送信されたGPS信号(電波)は、トンネル内のGPS14に届かない。従って、トンネル内では、GPS14による現在位置の検出が行えない。そのため本実施の形態では、トンネル内では、センサ制御マイコン12が、GPS14の電源をオフに制御する。なお、GPS14の電源をオフにする前に、直前にGPS14が検出した現在位置等をROM22等の記憶部に記憶させておくようにするとよい。例えば、トンネル内において、現在位置を表示する必要が生じた場合(電子機器10のユーザから現在位置の表示指示を受け付けた場合等)は、記憶させてある現在位置を表示部17に表示させるようにすればよい。
【0033】
ステップS108でGPS14の電源をオフにした後、再びステップS100に戻り本処理を繰り返し、ステップS104でトンネル内ではないと判断した場合は、上述したように、ステップS106によりGPS14の電源を再びオンにする。すなわち、本実施の形態では、トンネルから出たことを検出した場合は、電源をオフからオンに切り替えている。これにより、トンネルから出ると、再びGPS14は、GPS衛星1から送信されたGPS信号を受信し、位置情報に基づいて現在位置の検出を行うようになる。
【0034】
本実施の形態のGPS制御処理は、電子機器10(センサ制御マイコン12)の電源がオフになるまで、定期的に実行される。
【0035】
このように本実施の形態のセンサ制御マイコン12では、気圧センサ16から取得した気圧値の一定期間の波形を解析し、予め定められた閾値(基準値)に基づいてトンネル内であるか否か判断する。センサ制御マイコン12は、トンネル内であると判断した場合は、GPS14の電源をオフにし、その後トンネルから出たと判断した場合は、GPS14の電源をオンにする制御を行う。
【0036】
このように制御を行うことにより、GPS信号が届かないトンネル内では、GPS14の電源をオフにするため、GPS14の消費電流を削減して、消費電力を抑制することができる。従って、電子機器10の消費電力を抑制することができる。また、本実施の形態では、GPS14よりも消費電流が低く、消費電力が小さい気圧センサ16を用いているため、消費電力の増大を抑制することができる。さらに、本実施の形態では、地図情報を持たずとも、トンネル内であるか否かを判断することができるため、地図情報を持たない環境の電子機器10であっても、GPS14の電力消費を抑制することができる。また、本実施の形態では、トンネル内で逐次、移動量等を演算しなくても、トンネルから出たことを検知することができるため、演算量を少なくすることができ、GPS14の電力消費を抑制することができる。
【0037】
(第2の実施の形態)
本実施の形態では、電子機器10(電子機器10を携帯するユーザ)の移動状態を判定して、移動状態に応じて、現在位置がトンネル内であるか否かの判定を行う。
【0038】
図5には、本実施の形態の電子機器10の一例の概略構成図を示す。本実施の形態の電子機器10は、第1の実施の形態の電子機器10と同様の構成及び動作を含むため、同一部分には、同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0039】
本実施の形態の電子機器10は、センサ制御マイコン12、GPS14、気圧センサ16、表示部17、電力供給部18、加速度センサ30、及び地磁気センサ32を備える。本実施の形態の電子機器10は、第1の実施の形態と異なり、加速度センサ30及び地磁気センサ32を備える。
【0040】
本実施の形態の加速度センサ30は、加速度値を検出して検出結果をセンサ制御マイコン12に出力する。加速度センサ30は、特に限定されず、例えば、特定の1軸の加速度値を検出するセンサであってもよいし、複数軸(2軸または3軸)の加速度値の各々を検出するセンサであってもよい。加速度センサ30は、1軸の加速度を検出するセンサである場合には、検出結果として、当該軸の加速度値を出力する。また、複数軸の加速度値を検出するセンサである場合には、検出結果として、軸毎の加速度値を出力する。
【0041】
本実施の形態の地磁気センサ32は、特に限定されず、例えば、特定の1軸の地磁気値を検出するセンサであってもよいし、複数軸(2軸または3軸)の地磁気値の各々を検出するセンサであってもよい。地磁気センサ32は、1軸の地磁気値を検出する場合には、検出結果として、当該軸の地磁気値を出力する。また、複数軸の地磁気値を検出する場合には、検出結果として、軸毎の地磁気値を出力する。また、地磁気センサ32が、軸毎の地磁気値を合成した合成値を算出して該合成値を示す地磁気値として出力するようにしてもよい。
【0042】
本実施の形態の、加速度センサ30及び地磁気センサ32は、電力供給部18から供給された電力によって駆動するが、これに限らず、その他から電力を供給するようにしてもよい。
【0043】
また、本実施の形態の加速度センサ30及び地磁気センサ32は、センサ制御マイコン12により制御される。本実施の形態では、加速度センサ30から取得した加速度値に基づいて、センサ制御マイコン12が、移動状態が歩行による移動であるか否か判定する(詳細後述)。また、地磁気センサ32から取得した地磁気値に基づいて、センサ制御マイコン12が、移動状態が車による移動であるか、電車による移動であるかを判定する(詳細後述)。
【0044】
次に、本実施の形態のセンサ制御マイコン12のGPS制御処理について説明する。
図6には、本実施の形態のセンサ制御マイコン12におけるGPS制御処理の一例のフローチャートを示す。
図6に示した本実施の形態のGPS制御処理は、第1の実施の形態のGPS制御処理(
図3参照)と同様の処理を含むため、同様の処理については、その旨を記し、詳細な説明を省略する。
【0045】
ステップS200では、移動状態が、歩行による移動、車による移動、及び電車による移動のいずれであるのかを判定する移動状態判定処理を行う。
図7には、当該移動状態判定処理の一例のフローチャートを示す。
【0046】
ステップS250では、センサ制御マイコン12は、加速度センサ30から加速度値を取得する。ここでは、センサ制御マイコン10は、所定期間の加速度値を取得する。すなわち複数の加速度値を取得する。なお、当該所定期間は、第1の実施の形態で説明した気圧センサ16から気圧値をセンサ制御マイコン12が取得する所定期間と同じであっていてもよいし、異なっていてもよい。
【0047】
次のステップS252では、センサ制御マイコン12は、取得した加速度値を分析し、加速度値が予め定められた条件(ここでは歩行条件)に該当するか否かを判定する。歩行条件は、電子機器10を携帯するユーザが歩行で移動している状態であると判定される条件であって、例えば、加速度値の所定時間における変化量が予め設定された閾値未満である、という条件としてもよいし、加速度値を波形で表わしたときの振幅や周期等が予め定められた範囲内(或いは範囲外)である、という条件であってもよい。
【0048】
ステップS252において、センサ制御マイコン12は、取得した加速度値が歩行条件を満たしたと判定した場合は、ステップS254に進み、ステップS254において、ユーザが歩行で移動していると判定した後、本処理を終了する。なお、加速度値による判定方法は、上記以外であってもよく、例えば、特開2011−139301号公報等に記載の周知の技術を用いることができる。
【0049】
また、ここでは、加速度値により、歩行によって移動している状態と、電車や車等乗り物に乗って移動している状態と、を判定する例について説明したが、これに限定されない。例えば、歩行または走行によって移動している状態と、乗り物に乗って移動している状態と、を判定するようにしてもよい。また、例えば、閾値を複数設け、歩行によって移動している状態と、走行によって移動している状態と、乗り物に乗って移動している状態と、を判定するようにしてもよい。
【0050】
なお、加速度センサ30が1軸検出用のセンサである場合には、該1軸の加速度値を用いて判定し、加速度センサ30が複数軸検出用のセンサである場合には、各軸の加速度値を合成した合成値に基づいて、判定してもよいし、各軸の加速度値のうち最も値の大きな加速度値を用いて判定してもよい。
【0051】
一方、ステップS252において、センサ制御マイコン10は、取得した加速度値が歩行条件を満たさないと判定した場合は、ステップS256へ進む。
【0052】
ステップS256では、センサ制御マイコン12は、地磁気センサ32の電源をオンにする。これにより、地磁気センサ32は、地磁気の検出動作を開始する。次のステップS258では、センサ制御マイコン12は、地磁気センサ32から地磁気値を取得する。ここでは、センサ制御マイコン12は、所定期間の地磁気値を取得する。なお、当該所定期間は、第1の実施の形態で説明した気圧センサ16から気圧値をセンサ制御マイコン12が取得する所定期間や、上記ステップS250で加速度センサ30から加速度値をセンサ制御マイコン12が取得する所定期間と同じであっていてもよいし、異なっていてもよい。
【0053】
次のステップS260では、センサ制御マイコン12は、取得した地磁気値に基づいて、地磁気値の分散を算出する。地磁気値の分散は、例えば、以下の式(1)により算出される。
【0054】
分散=Σ(地磁気値−地磁気値の平均値)
2÷取得した地磁気値の数 ・・・(1)
【0055】
なお、地磁気センサ32が1軸の地磁気値を検出する場合には、該1軸の地磁気値を用いて上記(1)式により分散を計算すればよい。また、地磁気センサ32が複数軸の地磁気値を検出する場合には、各軸の地磁気値を合成した合成値に基づいて、上記(1)式により分散を計算してもよいし、各軸の地磁気値の分散の各々を計算し、各軸の分散のうち最も値の大きな分散をステップS260の計算結果として用いるようにしてもよい。また、地磁気値の合成値に基づいて分散を計算する場合において、地磁気センサ32から軸毎の地磁気値を取得した場合は、センサ制御マイコン12が、該地磁気値を合成した合成値を計算して分散を求めることができる。また、地磁気センサ32から、該合成値を示す地磁気値を取得した場合は、センサ制御マイコン12が該地磁気値を取得し、該地磁気値が示す合成値を用いて分散を計算することができる。
【0056】
ステップS262では、センサ制御マイコン12は、上記ステップS260により算出した分散の値と、予め設定された閾値とを比較する。センサ制御マイコン12は、分散が閾値以上であると判定した場合は、ステップS264へ進む。ステップS264では、センサ制御マイコン12は、電子機器10を携帯するユーザが電車で移動している状態であると判定する。一方、センサ制御マイコン12は、分散が閾値未満であると判定した場合は、電子機器10を携帯するユーザが車で移動している状態であると判定する。
【0057】
本実施の形態のセンサ制御マイコン12では、電車走行時(特に加速減速時)には、モータ・電線等に起因して地磁気値の乱れが生じるため、この地磁気値の乱れを利用して、車か電車かを判定している。なお、本実施の形態では、上述したように、地磁気値の変化の大きさを示す値として分散を用いているが、これに限定されない。例えば、分散の代わりに標準偏差を用いてもよい。標準偏差を用いる場合には、標準偏差用の閾値を予め記憶しておき、標準偏差が閾値以上であれば、電車での移動と判定し、標準偏差が閾値未満であれば車での移動と判定すればよい。また、取得した地磁気値の最大値と最小値との差分を用いてもよい。差分を用いる場合も、差分用の閾値を予め記憶しておき、差分が閾値以上であれば、電車での移動と判定し、差分が閾値未満であれば車での移動と判定すればよい。また、地磁気値の最大値又は最小値を用いてもよい。例えば、自然磁界ではあり得ないほど大きな(或いは小さな)地磁気値が取得された場合には、電車での移動と判定することができる。より具体的には、地磁気値の最大値を用いる場合は、最大値用の閾値を予め記憶しておき、最大値が閾値以上となった場合には、電車での移動と判定し、最大値が閾値未満となった場合は、車での移動と判定すればよい。また、地磁気値の最小値を用いる場合は、最小値用の閾値を予め記憶しておき、最小値が閾値以下となった場合は、電車での移動と判定し、最小値が閾値を越えた場合は、車での移動と判定すればよい。また、地磁気値の最大値と地磁気値の平均値との差分が閾値以上であって、且つ地磁気値の最小値と地磁気値の平均値との差分が閾値以上の場合に、電車での移動と判定し、それ以外は、車での移動と判定してもよい。また、地磁気値の最大値と地磁気値の平均値との差分が閾値以上か、或いは地磁気値の最小値と地磁気値の平均値との差分が閾値以上の場合に、電車での移動と判定し、それ以外は、車での移動と判定してもよい。
【0058】
なお、トンネル内であるか否かの判定と同様に、複数の指標(分散、標準偏差、最大値と最小値との差分、最大値、及び最小値等)を組み合わせて用いてもよい。
【0059】
上記ステップS264及びステップS266により、移動状態を判定した後のステップS268では、地磁気センサ32の電源をオフにした後、本処理を終了する。
【0060】
このようにしてステップS200で移動状態が判定されると、ステップS202へ進む。ステップS202は、上記第1の実施の形態のGPS制御処理のステップS100に対応しており、センサ制御マイコン12は、気圧センサ16から気圧値を取得する。次のステップS204も、上記第1の実施の形態のGPS制御処理のステップS102に対応しており、センサ制御マイコン12は、取得した気圧値の波形の解析を行う。
【0061】
次のステップS206では、上記ステップS200の移動状態判定処理により判定した移動状態に応じた閾値を取得する。移動状態に応じて、トンネル内での気圧の乱れ(変化)が異なる場合がある。例えば、移動状態により移動速度が異なるため、分散の平均や標準偏差等が、移動状態(移動速度)によって異なる場合がある。本実施の形態では、予め移動状態毎に閾値を実験等により得ておき、得られた閾値と移動状態との対応関係をセンサ制御マイコン12のROM22等の記憶部に、記憶させておく。
【0062】
次のステップS208、ステップS210、及びステップS212は、それぞれ、上記第1の実施の形態のGPS制御処理のステップS104、ステップS106、及びステップS108に対応している。センサ制御マイコン12は、ステップS204の解析結果に基づいて、ステップS206で取得した閾値を用いて、トンネル内であるか否かを判断する。トンネル内である、またはトンネル内に入ったと判断した場合は、ステップS212により、GPS14の電源をオフにした後、本処理を繰り返す。一方、トンネル内ではない、またはトンネルから出たと判断した場合は、ステップS210により、GPS14の電源をオンにした後、本処理を繰り返す。
【0063】
このように本実施の形態のセンサ制御マイコン12では、移動状態を判定すると共に、気圧センサ16から取得した気圧値の一定期間の波形を解析し、移動状態に応じて予め定められた閾値(基準値)に基づいてトンネル内であるか否か判断する。センサ制御マイコン12は、トンネル内であると判断した場合は、GPS14の電源をオフにし、その後トンネルから出たと判断した場合は、GPS14の電源をオンにする制御を行う。
【0064】
これにより、本実施の形態のセンサ制御マイコン12では、移動状態に応じて、適切に、GPS14の消費電流を削減して、消費電力を抑制することができる。
【0065】
なお、本実施の形態では、移動状態に応じた閾値を取得し、当該閾値に基づいてセンサ制御マイコン12がトンネル内であるか否かを判断するようにしているがこれに限らない。例えば、移動状態に応じてトンネル内の通過時間が異なるため、上記ステップS202で気圧値を取得する所定期間と移動状態との対応関係を予め定めておくようにするとよい。
【0066】
また、本実施の形態では、移動状態の判定には、加速度センサ30及び地磁気センサ32を用いているがこれに限らない。例えば、集音マイクを備え、センサ制御マイコン12が集音マイクから取得した音を解析することにより移動状態の判定を行ってもよい。また、本実施の形態では、センサ制御マイコン12は、移動状態として、歩行または走行により移動する状態、車により移動する状態、及び電車により移動する状態のいずれであるかを判定しているがこれに限らない。その他、例えば移動状態として電子機器10の周囲の環境の状態を判定するようにしてもよい。センサ制御マイコン12は、集音マイク等により、周囲の音が大きい環境であることを判定した場合は、車等の移動体が多い環境であるため、例えば、気圧値を所定期間取得し、トンネル内であるか否かの判断を行うようにする。また、センサ制御マイコン12は、周囲の音が小さい環境であると判定した場合は、移動体が少なく、気圧の変動が小さい可能性があるため、当該所定期間よりも長い期間、気圧値を取得するようにしてもよい。
【0067】
(第3の実施の形態)
本実施の形態では、トンネルの出口の位置を特定しておき、トンネルから出て、GPS14の電源をオンにする際に、特定した出口の位置を用いてGPS14におけるGPS衛星1の捕捉を早めることにより、消費電流を削減し、消費電力を抑制する。
【0068】
図8には、本実施の形態の電子機器10の一例の概略構成図を示す。本実施の形態の電子機器10は、第1の実施の形態の電子機器10と同様の構成及び動作を含むため、同一部分には、同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0069】
本実施の形態の電子機器10は、センサ制御マイコン12、GPS14、気圧センサ16、表示部17、電力供給部18、及び地図情報19を備える。本実施の形態の電子機器10は、第1の実施の形態と異なり、地図情報19を備える。
【0070】
本実施の形態の地図情報19は、いわゆる地図の電子データである。より具体的には、地図情報19は、地図の電子データが記憶されたメモリ等の記憶部である。地図情報19は、所定の範囲の地図に対応する電子データを予め記憶させたものであってもよい。また、地図情報19は、所定のタイミングで、GPS14で検出した位置に応じた地図を例えば、図示を省略したネット網等を利用して、外部から取得して、記憶させるようにしてもよい。いずれとするかは、地図情報19の記憶容量や消費電力等の観点から予め定めておけばよい。
【0071】
次に、本実施の形態のセンサ制御マイコン12のGPS制御処理について説明する。
図9には、本実施の形態のセンサ制御マイコン12におけるGPS制御処理の一例のフローチャートを示す。
図9に示した本実施の形態のGPS制御処理は、第1の実施の形態のGPS制御処理(
図3参照)と同様の処理を含むため、同様の処理については、その旨を記し、詳細な説明を省略する。
【0072】
ステップS300では、センサ制御マイコン12は、トンネルに入ったことを検知する。
図10には、本ステップの検知方法の一例のフローチャートを示す。
図10に示した処理のステップS330、ステップS332、及びステップS334は、上記第1の実施の形態のGPS制御処理のステップS100、ステップS102、及びステップS104にそれぞれ対応している。
【0073】
ステップS330では、センサ制御マイコン12は、気圧センサ16から気圧値を取得する。次のステップS332では、センサ制御マイコン12は、取得した気圧値の波形の解析を行う。
【0074】
次のステップS334では、センサ制御マイコン12は、トンネル内で有るか否かを判断する。トンネル内ではないと判断した場合は、本処理を繰り返す。一方、トンネル内であると判断した場合は、トンネルに入ったことを検知したため、本処理を終了する。
【0075】
なお、本実施の形態においては、トンネルに入ったか否かの検知は、
図10に示した処理に限らない。例えば、トンネルに入ったか否かの検知は、地図情報19を利用して行ってもよい。
図11には、地図情報19を利用した場合の、検知方法の一例のフローチャートを示す。
【0076】
ステップS350では、センサ制御マイコン12は、地図情報19から地図情報を取得する。次のステップS352では、センサ制御マイコン12は、GPS14が検出した現在位置を取得する。
【0077】
次のステップS354では、センサ制御マイコン12は、取得した地図情報と現在位置とに基づいて、トンネル内であるか否かを判定する。現在位置がトンネル内ではないと判断した場合は、本処理を繰り返す。一方、現在位置がトンネル内であると判断した場合は、トンネルに入ったことを検知したため、本処理を終了する。
【0078】
なお、気圧センサ16から取得した気圧値に基づいて検知を行う方法は、地図情報19を利用して検知を行う方法に比べてセンサ制御マイコン12の演算量を少なくすることができる。そのため、気圧値に基づいて検知を行う方法の方が、検知精度が高く、また、消費電流が少なく、消費電力が抑制される。
【0079】
このようにしてトンネルに入ったことを検知すると、次のステップS302では、センサ制御マイコン12は、現在位置となるトンネルを特定する。本実施の形態では、センサ制御マイコン12は、地図情報19から取得した地図情報とGPS14から取得した現在位置とに基づいて、現在位置のトンネルを特定する。なお、この際、トンネル内にいるため、GPS14は、GPS衛星1からのGPS信号を受信することができない。そのため、本実施の形態では、トンネルに入る直前(直近)に、受信したGPS信号によりGPS14が検出した現在位置をROM22等の記憶部に記憶させておき、記憶させておいた現在位置を用いて特定を行う。なお、現在位置の特定は、上記ステップS300のトンネルに入ったことを検知するよりも速さを要さず、上記
図11に示した検知方法における処理よりも精度が低くてもよい。
【0080】
次のステップS304では、センサ制御マイコン12は、GPS14の電源をオフにする。なお、ステップS302とステップS304とは、順番を入れ替えてもよい。
【0081】
次のステップS306では、センサ制御マイコン12は、トンネルの出口の位置を特定する。ステップS302でトンネルを特定しているため、地図情報19を用いることにより、当該トンネルの出口の位置を特定すればよい。このようにして、現在位置がトンネル内である間に、当該トンネルの出口の位置を特定しておく。
【0082】
次のステップS308では、センサ制御マイコン12は、トンネルから出たことを検知する。
図12には、本ステップの検知方法の一例のフローチャートを示す。
図12に示した処理のステップS370、ステップS372、及びステップS374は、上記第1の実施の形態のGPS制御処理のステップS100、ステップS102、及びステップS104にそれぞれ対応している。
【0083】
ステップS370では、センサ制御マイコン12は、気圧センサ16から気圧値を取得する。次のステップS372では、センサ制御マイコン12は、取得した気圧値の波形の解析を行う。
【0084】
次のステップS374では、トンネル内で有るか否かを判断する。ここでは、トンネルから出たことを検知するための処理であるため、トンネル内であると判断した場合は、本処理を繰り返す。一方、トンネル内でないと判断した場合は、トンネルから出たことを検知したため、本処理を終了する。
【0085】
このようにしてトンネルから出たことを検知すると、次のステップS310では、センサ制御マイコン12は、GPS14の電源をオンにする。次のステップS312では、センサ制御マイコン12は、GPS14に、上記ステップS306で特定したトンネルの出口の位置を示す情報を入力し、次のステップS314では、GPS衛星1を捕捉させた後、本処理を繰り返す。
【0086】
このように本実施の形態のセンサ制御マイコン12では、トンネルに入ったことを検知した場合、GPS14の電源をオフにすると共に、地図情報19から取得した地図情報と、GPS14から取得した現在位置とに基づいて、現在位置のトンネル及び当該トンネルの出口の位置を特定する。センサ制御マイコン12は、トンネルから出たことを検知した際に、GPS14の電源をオンにすると共に、GPS14に特定したトンネルの出口の位置を入力する。
【0087】
GPS14は、電源をオフにすると、次に電源をオンにした際に、GPS衛星1を捕捉するのに時間を要する。また、GPS衛星1の捕捉処理時は、GPS14の消費電流が増大する。しかしながら、GPS14は、現在位置の位置情報が分かっている場合は、GPS衛星1の捕捉を容易にすることができ、この場合は、消費電流を抑制することができる。本実施の形態では、センサ制御マイコン12は、GPS14の電源がオフ状態の間にトンネルの出口の位置を特定しておき、GPS14の電源をオンにした際に、特定した出口の位置を入力している。そのため、GPS14は、GPS衛星1の捕捉を容易に行うことができ、捕捉時間を早めることができるため、消費電流を削減して、消費電力を抑制することができる。
【0088】
なお、本実施の形態では、トンネルの出口の位置を特定しているが、特定したトンネル内に分岐点が有り、当該トンネルの出口が複数有る場合は、例えば、予めトンネル毎に分岐点前後の各ルートの気圧勾配や気圧変化パターンをROM22等の記憶部に記憶させておく。センサ制御マイコン12は、記憶されている気圧勾配や気圧変化と、気圧センサ16から取得した気圧値の波形の解析結果とを比較して、いずれのルートを移動しているか判断して、トンネルの出口を特定するようにすればよい。
【0089】
(第4の実施の形態)
本実施の形態の電子機器10は、センサ制御マイコン12とは別に、電子機器10全体を制御するメインCPU40を備えていてもよい。
【0090】
一例として、
図13には、メインCPU40を備えた電子機器10の一例の概略構成図を示す。本実施の形態の電子機器10は、第2の実施の形態の電子機器10(
図5参照)と同様の構成及び動作を含むため、同一部分には、同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0091】
図13に示すように、本実施の形態の電子機器10は、メインCPU40、ROM42、及びRAM44を備えている。
【0092】
メインCPU40は、センサ制御マイコン12に備えられたCPU20よりも高性能でかつ、消費電流(消費電力)の大きなCPUである。メインCPU40は、センサ制御マイコン12、ROM42、及びRAM44に接続されている。また、本実施の形態では、表示部17の制御をメインCPU40が行うため、表示部17も、メインCPU40に接続されている。センサ制御マイコン12は、IF26を介してメインCPU40に接続されている。なお、メインCPU40及び表示部17への電力供給は、電力供給部18以外からでもよいし、電力供給部18からであってもよい。
【0093】
メインCPU40が、ROM42に記憶されているプログラムを実行することにより、種々の機能が実現される。RAM44は、メインCPU40がプログラムを実行する際のワークメモリ等として利用される。
【0094】
なお、本実施の形態においても、GPS14のGPS制御処理は、メインCPU40ではなく、センサ制御マイコン12が行う。従って、本実施の形態の電子機器10では、メインCPU40をスリープ状態等の省電力化を図れる状態に移行させておき、消費電流を削減して消費電力を抑制した状態においても、上述したGPS制御処理を行うことができる。なお、本実施の形態のセンサ制御マイコン12によるGPS制御処理は、上記第2の実施の形態のGPS制御処理(
図6及び
図7)と同様の処理である。
【0095】
また、本実施の形態の電子機器10では、センサ制御マイコン12がGPS制御処理により判断した、判断結果を表示部17等に表示させる際には、メインCPU40は、センサ制御マイコン12から判断結果を取得し、取得した判断結果を表示部17に表示させる間だけ、起動させていればよいため、消費電流を削減して、消費電力を抑制することができる。
【0096】
また、
図14には、メインCPU40を備えた電子機器10のその他の例の概略構成図を示す。本実施の形態の電子機器10は、上述した
図13に示した電子機器10と同様の構成及び動作を含むため、同一部分には、同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0097】
図14に示した電子機器10では、GPS14が、センサ制御マイコン12ではなく、メインCPU40に接続されている点で、上述した
図14に示した電子機器10と異なっている。
図13に示した電子機器10においても、GPS制御処理は、センサ制御マイコン12が行う。なお、この場合は、GPS14の制御は、メインCPU40が行うため、センサ制御マイコン12のGPS制御処理により、GPS14の電源のオン及びオフを制御する際は、メインCPU40を介して行うことになる。
【0098】
またさらに、
図15には、メインCPU40を備えた電子機器10のその他の例の概略構成図を示す。本実施の形態の電子機器10は、上述した
図13に示した電子機器10と同様の構成及び動作を含むため、同一部分には、同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0099】
図15に示した電子機器10では、地図情報19が、メインCPU40に接続されている点で、上述した
図13に示した電子機器10と異なっている。
図15に示した電子機器10においても、GPS制御処理は、センサ制御マイコン12が行う。なお、この場合は、センサ制御マイコン12は、メインCPU40を介して地図情報19から地図情報を取得する。なお、このような場合は、メインCPU40がスリープモード等の省電力化を図れる状態に移行する前に、所定の範囲の地図情報を、地図情報19から取得し、センサ制御マイコン12内のROM22等の記憶部、または、センサ制御マイコン12が直接制御する記憶部(図示省略)に記憶させておくことが好ましい。このようにすることにより、メインCPU40がスリープモード等であっても、メインCPU40を起動させることなく、センサ制御マイコン12によりGPS制御処理を行うことができる。さらに、電子機器10では、このように地図情報を記憶させておく場合に、移動状態に応じた範囲の地図情報を記憶させておくことにより、地図情報を記憶させるのに要する時間を短くして、メインCPU40のスリープ時間を長くすることができ、また、地図情報の記憶容量を削減することができる。従って、消費電流を削減して消費電力を抑制することができる。
【0100】
なお、上記各実施の形態において、センサ制御マイコン12は、GPS14の電源のオン及びオフを制御しているが、電源をオン及びオフにする方法は特に限定されない。GPS14自身が電源を備える場合は、センサ制御マイコン12が当該電源のオン及びオフを制御するようにしてもよい。また、センサ制御マイコン12が電力供給部18からGPS14へ電力が入力されないように制御することにより、GPS14の電源のオン及びオフを制御するようにしてもよい。
【0101】
また、上記各実施の形態では、GPS衛星1から送信されたGPS信号が届かない場所として、トンネル内であるか否かをセンサ制御マイコン12が判断しているが、その他の場所であってもよい。GPS信号が届かない場所としては、例えば、地下や所定の建物の中等が挙げられる。これら特定の場所における気圧値の変化を予め実験等により得ておき、得られた気圧値の変化に応じた閾値(基準値)を用いることにより、上記各実施の形態のように、センサ制御マイコン12がGPS14の電源の制御を行うことができる。
【0102】
また、その他の上記各実施の形態で説明した電子機器10及びセンサ制御マイコン12等の構成、動作、及び処理等は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更可能であることはいうまでもない。