(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記沸点100℃未満の低沸点溶媒は、ジメチルカーボネート、メタノール、メチルエチルケトン、アセトン、イソプロピルアルコール、エチルアセテート、エタノール、プロパノールおよびノルマルヘキサンからなる群から選択された1つまたは2つ以上を含む、請求項1に記載のオフセット印刷組成物。
前記沸点180℃以上の高沸点溶媒は、レゾルシノール;m−クレゾール;o−クレゾール;p−クレゾール;ベンジルアルコール;プロピレングリコール;1,3−プロパンジオール;1,3−ブタンジオール;2,3−ブタンジオール;1,4−ブタンジオール;1,5−ペンタンジオール;1,4−ペンタンジオール;1,3−ペンタンジオール;2,4−ペンタンジオール;1,6−ヘキサンジオール;1,5−ヘキサンジオール;1,4−ヘキサンジオール;1,3−ヘキサンジオール;1,2−ヘキサンジオール;2,3−ヘキサンジオール;2,4−ヘキサンジオール;2,5−ヘキサンジオール;3,4−ヘキサンジオール;およびγ−ブチロラクトンからなる群から選択された1つまたは2つ以上を含む、請求項1に記載のオフセット印刷組成物。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本明細書についてより詳細に説明する。
【0022】
本明細書の一実施状態は、1)バインダー樹脂、2)下記化学式1で表される化合物を含む転写および密着力改善剤、3)沸点100℃未満の低沸点溶媒、および4)沸点180℃以上の高沸点溶媒を含み、シリコン系ブランケットを用いるオフセット印刷組成物を提供する。
【0023】
[化学式1]
【化2】
前記化学式1において、
R1〜R3は互いに同一であるかまたは異なり、各々独立して水素または炭素数1〜12の置換もしくは非置換のアルキル基である。
【0024】
本明細書の一実施状態によれば、前記化学式1のR1〜R3は互いに同一であるかまたは異なり、各々独立して水素;置換もしくは非置換のメチル基;または置換もしくは非置換のエチル基であってもよい。
【0025】
本明細書の一実施状態によれば、前記化学式1のR1〜R3は互いに同一であるかまたは異なり、各々独立して水素;メチル基;またはエチル基であってもよい。
【0026】
本明細書の一実施状態によれば、前記化学式1のR1〜R3はいずれも水素であってもよい。
【0027】
本明細書の一実施状態によれば、前記化学式1のR2はメチル基であってもよい。
【0028】
本明細書の一実施状態によれば、前記化学式1のR2はエチル基であってもよい。
【0029】
本明細書の一実施状態によれば、前記化学式1のR3はメチル基であってもよい。
【0030】
本発明者らは、前記オフセット印刷組成物を用いる場合、微細パターンをより容易に実現できるということを明らかにした。さらに、前記印刷組成物は、印刷待機マージンが向上し、連続印刷特性に優れるということを明らかにした。また、前記印刷組成物は耐熱性、耐化学性および絶縁機能に優れるということを明らかにした。
【0031】
具体的に、本発明者らは、前記オフセット印刷組成物を用いてオフセット印刷をする場合、オフ(off)ステップで組成物がブランケットに残存して被印刷体に残渣を形成することを防止できるということを明らかにした。さらに、前記オフセット印刷組成物は被印刷体との接着力に優れて、被印刷体のエッチング時に前記オフセット印刷組成物と被印刷体との界面へのエッチング液の浸透がほぼ発生せず、金属微細パターンを低い不良率で製造することができる。具体的に、金属基材との接着力に優れて、金属基材をエッチング液でエッチングする場合、印刷組成物パターンの線幅に対比してエッチング後の金属微細パターンの線幅が過度に減少したり金属微細パターンの形状が不均一に形成されたりすることを防止することができる。
【0032】
すなわち、本明細書の一実施状態によるオフセット印刷組成物は、残渣発生を抑剤し、線幅減少および不均一エッチングを防止することができるため、微細パターンの不良率を顕著に減少させることができる。
【0033】
本明細書の一実施状態によれば、前記転写および密着力改善剤の含量は全体オフセット印刷組成物重量の0.1重量%以上5重量%以下であってもよい。
【0034】
前記転写および密着力改善剤の含量が前記範囲である場合、残渣発生、線幅減少および不均一エッチングが抑剤されて微細パターンの不良率が減少する。具体的に、前記転写および密着力改善剤の含量が全体オフセット印刷組成物重量の0.1重量%未満である場合、転写および密着力の改善効果が微小であるために残渣が多発し、エッチング時に微細パターンの線幅が過度に減少したり不均一エッチングが増大したりして不良率が大幅に増加する。また、前記転写および密着力改善剤の含量が全体オフセット印刷組成物重量の5重量%を超過する場合、塗膜の耐化学性が減少してエッチング工程中に微細パターンの消失が発生する。
【0035】
本明細書の一実施状態によれば、前記バインダー樹脂はノボラック樹脂であってもよい。
【0036】
ノボラック樹脂は、レジストパターンの形成に有利であるだけでなく、前述した本明細書の印刷組成物による条件を満たす溶媒とも優れた相溶性を有するので長所がある。また、ノボラック樹脂はエッチング液に対する耐化学性に優れて安定したエッチング工程が可能であり、剥離液に対する溶解性に優れて剥離後の異物発生が少なく、剥離時間が短縮するという長所を有している。
【0037】
本明細書の一実施状態によれば、前記ノボラック樹脂の重量平均分子量は1,000以上20,000以下であってもよい。重量平均分子量が1,000未満の場合、エッチング液に対する十分な耐化学性が確保されず、エッチング工程中にレジスト塗膜にクラックおよび剥離が発生し、重量平均分子量が20,000超過の場合、硬化条件に応じて剥離液に対する溶解性が低下する。
【0038】
前記ノボラック樹脂はフェノール系化合物とアルデヒド系化合物の縮合反応によって製造される。前記フェノール系化合物としては当技術分野で周知のものを用いることができ、例えば、m−クレゾール、o−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノールおよび2,3,5−トリメチルフェノールからなる群から選択された少なくとも1つが用いられることができる。前記アルデヒド系化合物としては当技術分野で周知のものを用いることができ、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、フェニルアルデヒドおよびサリチルアルデヒドからなる群から選択された少なくとも1つが用いられることができる。前記ノボラック樹脂は本発明の目的を害しない範囲内で任意の単量体をさらに含むことができる。
【0039】
本明細書の一実施状態によれば、前記バインダー樹脂は全体オフセット印刷組成物重量の5重量%以上20重量%以下であってもよい。
【0040】
前記バインダー樹脂の含量が前記範囲である場合、前記バインダー樹脂を含むオフセット印刷組成物の貯蔵安定性に問題が発生せず、均一な塗布が可能である。具体的に、前記バインダー樹脂の含量が5重量%未満の場合、粘度が過度に低くなって塗布時に吐出量の調節が難しい。また、前記バインダー樹脂の含量が20重量%超過の場合、オフセット印刷組成物内に含まれている溶媒に対する溶解度が低くなって長期間の貯蔵時に沈殿が発生し、溶液の粘度が過度に増加して均一な塗布が困難である。
【0041】
本明細書の一実施状態によれば、前記沸点100℃未満の低沸点溶媒は、ジメチルカーボネート、メタノール、メチルエチルケトン、アセトン、イソプロピルアルコール、エチルアセテート、エタノール、プロパノールおよびノルマルヘキサンからなる群から選択された1つまたは2つ以上を含むことができる。
【0042】
本明細書の一実施状態によれば、前記沸点100℃未満の低沸点溶媒は全体オフセット印刷組成物重量の50重量%以上90重量%以下であってもよい。
【0043】
前記沸点100℃未満の低沸点溶媒の含量が前記範囲である場合、オフセット印刷組成物の微細パターンの実現が可能であり、均一な塗布が可能である。具体的に、前記沸点100℃未満の低沸点溶媒の含量が50重量%未満の場合、粘度が過度に増加して均一な塗布が不可能であり、微細パターンの実現のための塗布後の待機時間が増大するという問題が発生する。また、前記沸点100℃未満の低沸点溶媒の含量が90重量%超過の場合、粘度が過度に低くなり、塗布時の吐出量の調節が難しくなって印刷待機マージンが低下するという問題が発生する。
【0044】
本明細書の一実施状態によれば、前記沸点180℃以上の高沸点溶媒は、レゾルシノール;m−クレゾール;o−クレゾール;p−クレゾール;ベンジルアルコール;プロピレングリコール;1,3−プロパンジオール;1,3−ブタンジオール;2,3−ブタンジオール;1,4−ブタンジオール;1,5−ペンタンジオール;1,4−ペンタンジオール;1,3−ペンタンジオール;2,4−ペンタンジオール;1,6−ヘキサンジオール;1,5−ヘキサンジオール;1,4−ヘキサンジオール;1,3−ヘキサンジオール;1,2−ヘキサンジオール;2,3−ヘキサンジオール;2,4−ヘキサンジオール;2,5−ヘキサンジオール;3,4−ヘキサンジオール;およびγ−ブチロラクトンからなる群から選択された1つまたは2つ以上を含むことができる。
【0045】
本明細書の一実施状態によれば、前記沸点180℃以上の高沸点溶媒は全体オフセット印刷組成物重量の1重量%以上30重量%以下であってもよい。
【0046】
前記沸点180℃以上の高沸点溶媒の含有量が前記範囲である場合、印刷待機マージンおよび連続印刷に優れる。具体的に、前記沸点180℃以上の高沸点溶媒の含量が1重量%未満の場合、塗布後のオフ(off)工程の間、またはオフ工程後のセット(set)工程の間に形成された塗膜の乾燥が急激に発生してパターンが実現されない。また、前記沸点180℃以上の高沸点溶媒の含量が30重量%超過の場合、塗膜内に溶媒が過度に残留してパターンの線幅が増加するという問題が発生する。
【0047】
本明細書の一実施状態によるオフセット印刷組成物は、沸点100℃未満の低沸点溶媒および沸点180℃以上の高沸点溶媒を共に用い、この中、沸点100℃未満の低沸点溶媒は、印刷組成物がブランケット上に塗布される時まで印刷組成物の低い粘度およびブランケットに対する優れた塗布性を維持するようにし、揮発によって除去されて印刷組成物の粘度を高め、ブランケット上でのパターンの形成および維持がよくなされるようにする。一方、沸点180℃以上の高沸点溶媒は比較的に低い揮発性を示す溶媒であり、被印刷体にパターンを転写する時まで印刷組成物に粘着性(tackiness)を与えることができる。本明細書の前記オフセット印刷組成物は、沸点が互いに異なる2種以上の溶媒を用いることによって、上記のように印刷組成物の粘度調節をより精密に行うことができる。
【0048】
本明細書において、前記沸点100℃未満の低沸点溶媒の沸点は100℃未満であってもよく、具体的には95℃以下であってもよく、より具体的には90℃以下であってもよい。前記数値範囲内の沸点を有する沸点100℃未満の低沸点溶媒を含むことによって、印刷組成物をブランケット上に塗布した後、前記ブランケット上に塗布された印刷組成物塗膜にクリシェを接触させて一部の塗膜を除去する前までの工程待機時間を減少させることができ、ブランケットの膨潤現象を減少させることができる。
【0049】
本明細書において、前記沸点100℃未満の低沸点溶媒の沸点は50℃以上であってもよい。前記沸点100℃未満の低沸点溶媒の沸点が過度に低い場合、ブランケットに印刷組成物を塗布する時にノズルにおいて印刷組成物が乾燥されるという問題が発生する。また、印刷組成物の塗布直後のレベリング性が優れるようにするために前記沸点100℃未満の低沸点溶媒の沸点が50℃以上であってもよい。
【0050】
本明細書による沸点180℃以上の高沸点溶媒の沸点は180℃以上であってもよい。前記数値範囲内の沸点を有する沸点180℃以上の高沸点溶媒を含むことによって、被印刷体にパターンを転写する時まで印刷組成物に粘着性(tackiness)を与えることができ、工程待機時間を減少させることができ、ブランケットの膨潤現象を減少させることができる。
【0051】
本明細書による沸点180℃以上の高沸点溶媒の沸点は300℃以下であってもよく、250℃以下であってもよい。沸点180℃以上の高沸点溶媒の沸点が250℃以下であることが、最終印刷物に溶媒が残留して乾燥または硬化時間が長くかかるという問題を防止することができ、印刷パターンの精密度も向上させることができる。
【0052】
本明細書の一実施状態によれば、前記オフセット印刷組成物は界面活性剤をさらに含むことができる。
【0053】
前記界面活性剤は通常のレベリング剤、湿潤剤およびスリップ剤が可能であり、例えば、シリコン系、フッ素系またはポリエーテル系の界面活性剤を用いることができる。
【0054】
前記シリコン系界面活性剤としてはBYK−Chemie社製のBYK−077、BYK−085、BYK−300、BYK−301、BYK−302、BYK−306、BYK−307、BYK−310、BYK−320、BYK−322、BYK−323、BYK−325、BYK−330、BYK−331、BYK−333、BYK−335、BYK−341v344、BYK−345v346、BYK−348、BYK−354、BYK−355、BYK−356、BYK−358、BYK−361、BYK−370、BYK−371、BYK−375、BYK−380、BYK−390などを用いることができ、前記フッ素系界面活性剤としてはDIC(DaiNippon Ink & Chemicals)社製のF−114、F−177、F−410、F−411、F−450、F−493、F−494、F−443、F−444、F−445、F−446、F−470、F−471、F−472SF、F−474、F−475、F−477、F−478、F−479、F−480SF、F−482、F−483、F−484、F−486、F−487、F−172D、MCF−350SF、TF−1025SF、TF−1117SF、TF−1026SF、TF−1128、TF−1127、TF−1129、TF−1126、TF−1130、TF−1116SF、TF−1131、TF1132、TF1027SF、TF−1441、TF−1442などを用いることができるが、これらのみに限定されるものではない。
【0055】
本明細書の一実施状態によれば、前記界面活性剤の含量は全体オフセット印刷組成物重量の0.001重量%以上0.5重量%以下であってもよい。
【0056】
前記界面活性剤の含有量が前記範囲である場合、均一な塗布およびパターン実現性に優れるという長所がある。具体的に、前記界面活性剤の含量が0.01重量%未満の場合、前記オフセット印刷組成物の表面エネルギーが十分に低くならないので塗布時にピンホールおよび線状の染みが多く発生するという問題がある。また、前記界面活性剤の含量が0.5重量%超過の場合、オフセット印刷組成物内に気泡が発生して塗布時にコメット(comet)状の染みが発生するという問題がある。
【0057】
本明細書による印刷組成物は前述した成分を混合することによって製造される。必要な場合、フィルターで濾過して製造することができる。このような濾過によって異物またはホコリを除去することができる。
【0058】
本明細書の一実現例によれば、前記オフセット印刷組成物はレジストパターンまたは絶縁パターン形成用であってもよい。
【0059】
本明細書は、前記オフセット印刷組成物をシリコン系ブランケット上にコーティングするステップ、前記シリコン系ブランケット上に塗布されたオフセット印刷組成物塗膜にクリシェを接触して一部の塗膜を除去するステップ、および前記シリコン系ブランケット上に残っているオフセット印刷組成物塗膜を被印刷体に転写するステップを含むオフセット印刷方法を提供する。
【0060】
本明細書の一実現例によるリバースオフセット印刷方法を
図1に例示する。前記リバースオフセット印刷方法は、i)印刷組成物をブランケットに塗布するステップ、ii)形成しようとするパターンに対応するパターンが陰刻形成されたクリシェを前記ブランケットに接触させ、前記パターンに対応する印刷組成物のパターンを前記ブランケット上に形成するステップ、iii)前記ブランケット上の印刷組成物パターンを被印刷体上に転写するステップを含む。この時、ブランケットの外周部はシリコン系材料で構成される。
【0061】
図1において、図面符号10は前記ブランケット上に金属パターン材料をコーティングするコーターであり、図面符号20はブランケットを支持するためのロール型支持体であり、図面符号21はブランケットであり、図面符号22はブランケット上に塗布された印刷組成物パターン材料である。図面符号30はクリシェ支持体であり、図面符号31はパターンを有するクリシェであり、これは形成しようとするパターンに対応するパターンが陰刻で形成されている。図面符号40は被印刷体であり、図面符号41は被印刷体に転写された印刷組成物パターンである。
【0062】
本明細書の一実現例によれば、前記オフセット印刷方法は、前記被印刷体に転写されたオフセット印刷組成物を乾燥または硬化するステップをさらに含むことができる。前記乾燥または硬化するステップは、工程温度は常温〜350℃から選択され、バインダー樹脂に応じて乾燥または硬化温度は常温〜350℃、具体的には50℃〜300℃のうちから選択される。乾燥または硬化時間は組成物の成分および組成、加工温度に応じて選択される。
【0063】
本明細書は前記印刷組成物を乾燥または硬化して形成されたパターンを提供する。
【0064】
具体的に、本明細書の一実現例によれば、前記パターンはレジストパターンまたは絶縁パターンであってもよい。
【0065】
本明細書の一実現例によれば、前記パターンの線幅は1μm以上100μm以下であってもよい。
【実施例】
【0066】
以下、本明細書を具体的に説明するために実施例を挙げて詳細に説明する。但し、本明細書による実施例は色々な他の形態に変形されてもよく、本明細書の範囲が下記にて詳述する実施例に限定されるものではない。本明細書の実施例は当業界で平均的な知識を有する者に本明細書をより完全に説明するために提供されるものである。
【0067】
<実施例1>
m−クレゾールとp−クレゾールを重量比5:5で混合して製造したポリスチレン換算重量平均分子量4,000のノボラック樹脂10g、転写および密着力改善剤としてピロガロール(pyrogallol)1g、界面活性剤0.4gを、低沸点溶媒としてエタノール83.6g、高沸点溶媒として1,4−ブタンジオール5gに溶解した後に1μmで濾過して印刷組成物を製造した。前記製造した印刷組成物を下記実験例1〜5の方法により全面転写率、残渣発生の評価、エッチング評価、パターン精密度および連続印刷特性の評価を行った。
【0068】
<実施例2>
m−クレゾールとp−クレゾールを重量比5:5で混合して製造したポリスチレン換算重量平均分子量4,000のノボラック樹脂10g、転写および密着力改善剤として5−メチルピロガロール(5−methylpyrogallol)1g、界面活性剤0.4gを、低沸点溶媒としてエタノール83.6g、高沸点溶媒として1,4−ブタンジオール5gに溶解した後に1μmで濾過して印刷組成物を製造した。前記製造した印刷組成物を下記実験例1〜5の方法により全面転写率、残渣発生の評価、エッチング評価、パターン精密度および連続印刷特性の評価を行った。
【0069】
<実施例3>
m−クレゾールとp−クレゾールを重量比5:5で混合して製造したポリスチレン換算重量平均分子量4,000のノボラック樹脂10g、転写および密着力改善剤として5−エチルピロガロール(5−ethlypyrogallol)1g、界面活性剤0.4gを、低沸点溶媒としてエタノール83.6g、高沸点溶媒として1,4−ブタンジオール5gに溶解した後に1μmで濾過して印刷組成物を製造した。前記製造した印刷組成物を下記実験例1〜5の方法により全面転写率、残渣発生の評価、エッチング評価、パターン精密度および連続印刷特性の評価を行った。
【0070】
<実施例4>
m−クレゾールとp−クレゾールを重量比5:5で混合して製造したポリスチレン換算重量平均分子量4,000のノボラック樹脂10g、転写および密着力改善剤として4−メチル−5−エチルピロガロール(4−methyl−5−ethylpyrogallol)1g、界面活性剤0.4gを、低沸点溶媒としてエタノール83.6g、高沸点溶媒として1,4−ブタンジオール5gに溶解した後に1μmで濾過して印刷組成物を製造した。前記製造した印刷組成物を下記実験例1〜5の方法により全面転写率、残渣発生の評価、エッチング評価、パターン精密度および連続印刷特性の評価を行った。
【0071】
<比較例1>
m−クレゾールとp−クレゾールを重量比5:5で混合して製造したポリスチレン換算重量平均分子量4,000のノボラック樹脂10g、転写および密着力改善剤としてメチルガレート(methyl gallate)1g、界面活性剤0.4gを、低沸点溶媒としてエタノール83.6g、高沸点溶媒として1,4−ブタンジオール5gに溶解した後に1μmで濾過して印刷組成物を製造した。前記製造した印刷組成物を下記実験例1〜5の方法により全面転写率、残渣発生の評価、エッチング評価、パターン精密度および連続印刷特性の評価を行った。
【0072】
<比較例2>
m−クレゾールとp−クレゾールを重量比5:5で混合して製造したポリスチレン換算重量平均分子量4,000のノボラック樹脂10g、転写および密着力改善剤としてカテコール(catechol)1g、界面活性剤0.4gを、低沸点溶媒としてエタノール83.6g、高沸点溶媒として1,4−ブタンジオール5gに溶解した後に1μmで濾過して印刷組成物を製造した。前記製造した印刷組成物を下記実験例1〜5の方法により全面転写率、残渣発生の評価、エッチング評価、パターン精密度および連続印刷特性の評価を行った。
【0073】
<比較例3>
m−クレゾールとp−クレゾールを重量比5:5で混合して製造したポリスチレン換算重量平均分子量4,000のノボラック樹脂10g、転写および密着力改善剤として没食子酸(gallic acid)1g、界面活性剤0.4gを、低沸点溶媒としてエタノール83.6g、高沸点溶媒として1,4−ブタンジオール5gに溶解した後に1μmで濾過して印刷組成物を製造した。前記製造した印刷組成物を下記実験例1〜5の方法により全面転写率、残渣発生の評価、エッチング評価、パターン精密度および連続印刷特性の評価を行った。
【0074】
<比較例4>
m−クレゾールとp−クレゾールを重量比5:5で混合して製造したポリスチレン換算重量平均分子量4,000のノボラック樹脂10g、転写および密着力改善剤としてヘキサメトキシメチルメラミン(hexamethoxymethylmelamine)1g、界面活性剤0.4gを、低沸点溶媒としてエタノール83.6g、高沸点溶媒として1,4−ブタンジオール5gに溶解した後に1μmで濾過して印刷組成物を製造した。前記製造した印刷組成物を下記実験例1〜5の方法により全面転写率、残渣発生の評価、エッチング評価、パターン精密度および連続印刷特性の評価を行った。
【0075】
<比較例5>
m−クレゾールとp−クレゾールを重量比5:5で混合して製造したポリスチレン換算重量平均分子量4,000のノボラック樹脂10g、転写および密着力改善剤としてアミノプロピルトリエトキシシラン(aminopropyltriethoxysilane)1g、界面活性剤0.4gを、低沸点溶媒としてエタノール83.6g、高沸点溶媒として1,4−ブタンジオール5gに溶解した後に1μmで濾過して印刷組成物を製造した。前記製造した印刷組成物を下記実験例1〜5の方法により全面転写率、残渣発生の評価、不均一エッチング評価、パターン精密度および連続印刷特性の評価を行った。
【0076】
<比較例6>
m−クレゾールとp−クレゾールを重量比5:5で混合して製造したポリスチレン換算重量平均分子量4,000のノボラック樹脂10g、転写および密着力改善剤としてピロガロール(pyrogallol)0.05g、界面活性剤0.4gを、低沸点溶媒としてエタノール84.55g、高沸点溶媒として1,4−ブタンジオール5gに溶解した後に1μmで濾過して印刷組成物を製造した。前記製造した印刷組成物を下記実験例1〜5の方法により全面転写率、残渣発生の評価、エッチング評価、パターン精密度および連続印刷特性の評価を行った。
【0077】
<比較例7>
m−クレゾールとp−クレゾールを重量比5:5で混合して製造したポリスチレン換算重量平均分子量4,000のノボラック樹脂10g、転写および密着力改善剤としてピロガロール(pyrogallol)6g、界面活性剤0.4gを、低沸点溶媒としてエタノール78.6g、高沸点溶媒として1,4−ブタンジオール5gに溶解した後に1μmで濾過して印刷組成物を製造した。前記製造した印刷組成物を下記実験例1〜5の方法により全面転写率、残渣発生の評価、エッチング評価、パターン精密度および連続印刷特性の評価を行った。
【0078】
<実験例1>全面転写率の測定
前記実施例1〜4と比較例1〜7をShore A硬度47のシリコン系ブランケット上に65mm/sec速度で塗布して乾燥前の厚さが2μmの塗膜を形成した。塗布してから10秒間待機した後、370mm×470mm大きさのガラス基材に印刷工程速度65mm/sec、オフ印圧(contact pressure:印刷圧力を加えた時に一地点で変形された長さ)20μmの条件で全面転写して、被印刷体のガラス基材に転写された印刷組成物の面積を測定した。それに対する測定結果は下記の表1に示す。
【0079】
全面転写率(%)={(被印刷体に転写された印刷組成物の面積mm
2)/(370mm×470mm)}×100
【0080】
A:100%転写される
B:80%転写される
C:50%転写される
D:30%転写される
E:10%転写される
F:転写されず
【0081】
<実験例2>残渣発生の評価
前記実施例1〜4と比較例1〜7をShore A硬度47のシリコン系ブランケット上に65mm/sec速度で塗布して乾燥前の厚さが2μmの塗膜を形成した。塗布してから10秒間待機した後、線幅3μm、線間距離300μmの陰刻メッシュパターンを有する370mm×470mm大きさのクリシェにオフ工程速度65mm/sec、オフ印圧(contact pressure:印刷圧力を加えた時に一地点で変形された長さ)20μmの条件で転写して、クリシェに対応するパターンをブランケット上に形成した。ブランケット上に形成された印刷組成物パターンをセット工程速度65mm/sec、セット印圧100μmの条件で表面暗色化処理されたアルミニウム蒸着フィルムに転写して最終パターンを形成した後、光学顕微鏡でクリシェに対応するパターン以外の残余インク組成物(残渣)の個数を観察した。それに対する測定結果は下記の表1に示す。
【0082】
A:長辺3μm以上の残渣10個以下
B:長辺3μm以上の残渣50個以下
C:長辺3μm以上の残渣100個以下
D:長辺3μm以上の残渣100個超過
【0083】
<実験例3>エッチング評価
前記実験例2のように表面暗色化処理されたアルミニウム蒸着フィルムに印刷組成物を印刷した後、90℃で3分間乾燥した後、光学顕微鏡で印刷組成物パターンの線幅を測定した。乾燥が完了した被印刷基材をリン酸、硝酸および酢酸で構成されたエッチング液を用いて1分間エッチングした後、金属パターン上部の残留印刷組成物を剥離した後、光学顕微鏡で金属パターンの線幅を測定し、マウスバイトの発生有無を観察した。それに対する測定結果は下記の表1に示す。
【0084】
[数学式]
エッチング後の線幅変化=印刷組成物パターン線幅−金属パターン線幅
【0085】
A:エッチング後の線幅変化0.2μm未満、マウスバイト発生せず
B:エッチング後の線幅変化0.2μm未満、マウスバイト発生
C:エッチング後の線幅変化0.2μm以上0.5μm未満、マウスバイト発生せず
D:エッチング後の線幅変化0.2μm以上0.5μm未満、マウスバイト発生
E:エッチング後の線幅変化0.5μm以上
【0086】
<実験例4>パターン精密度の測定
前記実施例1〜4と比較例1〜7をShore A硬度47のシリコン系ブランケット上に65mm/sec速度で塗布して乾燥前の厚さが2μmの塗膜を形成した。塗布してから10秒間待機した後、線幅3μm、線間距離300μmの陰刻メッシュパターンを有する370mm×470mm大きさのクリシェにオフ工程速度65mm/sec、オフ印圧(contact pressure:印刷圧力を加えた時に一地点で変形された長さ)20μmの条件で転写して、クリシェに対応するパターンをブランケット上に形成した。ブランケット上に形成された印刷組成物パターンをセット工程速度65mm/sec、セット印圧100μmの条件で表面暗色化処理されたアルミニウム蒸着フィルムに転写して最終パターンを形成した。確保されたパターンを光学顕微鏡で観察し、以下のような基準で評価した。それに対する測定結果は下記の表1に示す。
【0087】
線幅変化率(%)={(印刷パターン線幅)/(クリシェパターン線幅)}×100
【0088】
A:線幅変化率5%以内、パターン交差部の正常な実現
B:線幅変化率10%以内、パターン交差部の断線発生
C:線幅変化率20%以内、パターン交差部の正常な実現
D:線幅変化率20%以内、パターン交差部の断線発生
E:線幅変化率20%以上、パターン交差部の断線発生
【0089】
<実験例5>連続印刷特性の評価
前記実験例4と同様な方法により連続的な印刷工程を行って、初期印刷パターン線幅に対比して線幅変化率10%以内を維持する連続印刷枚数を測定した。それに対する測定結果は下記の表1に示す。
【0090】
【表1】
【0091】
図2は実施例1によるエッチング評価結果を示すものであり、
図3は比較例1によるエッチング評価結果を示すものである。また、
図4は比較例4によるエッチング評価結果を示すものである。
【0092】
図2および
図3の結果から明らかになるように、本明細書の一実施状態によるオフセット印刷用組成物は優れたパターンの形成が可能である。
図3の場合、マウスバイトのように不均一なパターン領域が発生し、
図4の場合、Al層が現れ、パターン均一に形成されないという問題点が発見される。これに対し、
図2の場合、マウスバイトのような不均一な領域が発見されず、優れた結果を示すことが分かる。
【0093】
前記表1の結果から明らかになるように、本明細書の一実施状態によるオフセット印刷用組成物は、全面転写率、残渣発生の評価、エッチング評価、パターン精密度および連続印刷特性の評価に優れた特性を示す。具体的に、本明細書の一実施例による転写および密着力改善剤を含む場合に優れた特性を発揮することが分かる。また、比較例6および7の結果から明らかになるように、前記転写および密着力改善剤の含量範囲が1重量%未満または5重量%超過の場合に不利な効果が発生する。