【文献】
The Journal of Biological Chemistry,1997年,Vol.272, No.8,p.4985-4992
【文献】
The Journal of Biological Chemistry,1996年,Vol.271, No.24,p.14045-14054
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【実施例】
【0035】
以下、本発明の実施の形態について、実施例を用いて詳細に説明するが、本実施例は本発明の一形態を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。
【0036】
実施例1 発現ベクターpETEPObpの構築
(1)pETMalE21ベクターの構築
鋳型DNAとして特許文献4で開示されているプラスミドベクターpETMalEFcR−p7を、PCRプライマーとして配列番号20(5’−TAATACGACTCACTATAGGG−3’)および配列番号21(5’−TTGTCCCATGGCGAGAGCCGAGGCGGAAAACAT−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを、それぞれ用いてPCRを実施した。PCRは、表1に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル繰り返すことで実施した。得られたPCR産物をMalE21p1と命名した。
【0037】
【表1】
PCR産物MalE21p1を、アガロースゲルを用いて電気泳動後、目的のPCR産物を含むゲル部分を切り出し、QIAquick Gel extraction kit(キアゲン社製)を用いて抽出することで精製した(以下、同様方法での精製をDNA断片精製と略記する)。精製したPCR産物MalE21p1を制限酵素XbaIとNcoIで消化後、再度DNA断片精製した。制限酵素XbaIとNcoIで消化したPCR産物MalE21p1を、あらかじめ制限酵素XbaIとNcoIで消化したpET26b(+)ベクター(Novagen社製)へライゲーションすることでpETMalE21ベクターを作製し、これを用いて大腸菌BL21(DE3)株を塩化カルシウム法により形質転換した。得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地で培養し、QIAprep Spin Miniprep Kit(キアゲン社製)を用いて抽出することでpETMalE21ベクターを調製した。
【0038】
(2)配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるエリスロポエチン結合性タンパク質(以下、野生型EPObpとする)の発現ベクターpETEPObpとその形質転換体の構築を行った。
(2−1)鋳型DNAとして特許文献4で開示されているプラスミドベクターpETMalE−p7−EPORを、PCRプライマーとして配列番号22(5’−TCTCGCCATGGCTCCGCCGCCTAACCTCCCGGA−3’)および配列番号23(5’−ACACAGCTTCCAAGGCTCATCCTCGAGCT−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを、それぞれ用いてPCRを実施した。PCRは、表1に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル繰り返すことで実施した。得られたPCR産物をEPObpp1と命名した。
【0039】
(2−2)鋳型DNAとして特許文献4で開示されているプラスミドベクターpETMalE−p7−EPORを、PCRプライマーとして配列番号24(5’−AGCTCGAGGATGAGCCTTGGAAGCTGTGT−3’)および配列番号25(5’−GCCGCAAGCTTTTAATGATGATGATGATGATGGTCCA−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを、それぞれ用いてPCRを実施した。PCRは、表1に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル繰り返すことで実施した。得られたPCR産物をEPObpp2と命名した。
【0040】
(2−3)DNA断片精製したPCR産物EPObpp1およびEPObpp2を混合後、表2に示す組成の反応液を調製し、当該反応液を、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を5サイクル繰り返すことでPCRを実施した。得られたPCR産物をEPObpp3と命名した。
【0041】
【表2】
(2−4)PCR産物EPObpp3を鋳型とし、配列番号22および配列番号25に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとして、PCRを実施した。PCRは、表1に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル繰り返すことで実施した。得られたPCR産物をEPObpp4と命名した。
【0042】
(2−5)DNA断片精製したPCR産物EPObpp4を制限酵素NcoIとHindIIIで消化後、再度DNA断片精製し、あらかじめ制限酵素NcoIとHindIIIで消化したpETMalE21ベクターにライゲーションすることで発現ベクターpETEPObpを作製し、これを用いて大腸菌BL21(DE3)株を塩化カルシウム法により形質転換した。得られた形質転換体(pETEPObp形質転換体)を50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地で培養し、QIAprep Spin Miniprep Kit(キアゲン社製)を用いて抽出することで発現ベクターpETEPObpを調製した。
【0043】
発現ベクターpETEPObpのうち、制限酵素XbaI認識配列からHindIII認識配列までのポリヌクレオチドの配列を配列番号26に示す。
【0044】
実施例2 ランダム変異導入ライブラリーの構築
(1)エラープローンPCR法を用いて、野生型EPObpをコードするポリヌクレオチドにランダムに変異を導入した。鋳型DNAとして発現ベクターpETEPObpを、PCRプライマーとして配列番号22および配列番号25に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをそれぞれ用いた。エラープローンPCRは、表3に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を95℃で2分間熱処理し、95℃で30秒間の第1ステップ、60℃で30秒間の第2ステップ、72℃で90秒間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル繰り返し、最後に72℃で7分間熱処理することで実施した。
【0045】
【表3】
(2)DNA断片精製したPCR産物を、制限酵素NcoIとHindIIIで消化後、再度DNA断片精製し、あらかじめ制限酵素NcoIとHindIIIで消化したpETMalE21ベクターにライゲーションにより連結し、これを用いてエレクトロポレーション法により大腸菌BL21(DE3)株を形質転換した。
(3)得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを含むLB寒天培地でコロニー形成させることで、エリスロポエチン結合性タンパク質のランダム変異導入ライブラリーを作製した。
【0046】
実施例3 エリスロポエチン結合性の高いエリスロポエチン結合性タンパク質のスクリーニング
(1)実施例2で作製したエリスロポエチン結合性タンパク質のランダム変異導入ライブラリーの各コロニーを、50μg/mLのカナマイシンを含むLB液体培地(10g/LのTryptone、5g/LのYeast extract、5g/LのNaCl)400μLに接種し、96穴ディープウェルプレートを用いて、37℃で好気的に一晩振とう培養した。
【0047】
(2)培養後、20μLの培養液を500μLのLB液体培地(0.05mMのIPTG、0.3%のグリシン、および50μg/mLのカナマイシンを含む)に植え継ぎ、96穴ディープウェルプレートを用いて、さらに20℃で好気的に24時間振とう培養した。
(3)培養後、遠心操作により得られる培養上清をエリスロポエチン結合性タンパク質サンプル溶液とした。次いで、TBS−B緩衝液(20mMのTris−HCl,137mMのNaCl,2.68mMのKCl,0.5パーセント(w/v)のBovine serum albumin,pH7.4)を用いて10倍希釈した各エリスロポエチン結合性タンパク質サンプルについて、そのエリスロポエチンとの結合性を下記に示すEnzyme−linked immunosorbent assay(ELISA)法により評価した。
【0048】
(4)ELISA法によるエリスロポエチン結合性タンパク質のエリスロポエチンとの結合性評価
(4−1)抗エリスロポエチン受容体抗体(Monoclonal Anti−human Epo R Antibody)(R&D Systems社製、カタログ番号MAB3071)を50mMのTris−HCl緩衝液(pH8.0)で1μg/mLの濃度に調整後、それを96穴マイクロプレート(MaxiSorp、Nunc社製)の各ウェルに100μL/wellで添加し、抗エリスロポエチン受容体抗体を固定化した(4℃で18時間)。固定化終了後、各ウェルの溶液を捨て、TBS−B緩衝液を各ウェルに添加し、ブロッキングを行った(30℃で2時間)。
(4−2)洗浄緩衝液(0.05%(w/v)のTween20と150mMのNaClを含む20mMのTris−HCl緩衝液(pH7.4))で各ウェルを洗浄後、調製したエリスロポエチン結合性タンパク質サンプル溶液をウェルに添加し、固定化抗体と反応させた(30℃で1時間半)。
【0049】
(4−3)反応終了後、前記洗浄緩衝液で各ウェルを洗浄し、事前にEZ−Link Sulfo−NHS−Biotin(Thermo scientific社製)試薬を用いてビオチン標識を行ったエリスロポエチン(Erythropoietin,Human,Recombinant,CHO Cells、Merck Millipore社製)をTBS−B緩衝液で400ng/mLの濃度に調整して、各ウェルに100μL/wellで添加した。
(4−4)30℃で1時間半反応後、前記洗浄緩衝液で各ウェルを洗浄しHRP−Streptavidin conjugate(Invitrogen社製)をTBS−B緩衝液で2500倍に希釈して、各ウェルに100μL/wellで添加した。
(4−5)30℃で1時間半反応後、前記洗浄緩衝液で各ウェルを洗浄し、TMB Peroxidase Substrate(KPL社製)を添加し450nmにおける吸光度を測定した。
【0050】
(5)実施例3の(4)のELISA法による評価を実施した約1200株の形質転換体の中から、エリスロポエチンとの高い結合性を示したエリスロポエチン結合性タンパク質を発現する形質転換体を選択した。その結果、3株の形質転換体が選択され、それらをA株、B株およびC株と命名した。前記選択した各形質転換体を培養し、QIAprep Spin Miniprep Kit(キアゲン社製)を用いて各発現ベクターを得た。
【0051】
(6)得られた発現ベクターのうち、エリスロポエチン結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドおよびその周辺の領域について、チェーンターミネータ法に基づくBig Dye Terminator Cycle Sequencing FS read Reaction kit(PEアプライドバイオシステム社製)を用いてサイクルシークエンス反応に供し、全自動DNAシークエンサーABI Prism 3700 DNA analyzer(PEアプライドバイオシステム社製)にてヌクレオチド配列を解析した。なお当該解析の際、配列番号20または配列番号27(5’−TATGCTAGTTATTGCTCAG−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドのいずれかをシークエンス用プライマーとして使用した。
【0052】
ポリヌクレオチドの配列解析の結果を基に、各形質転換体により発現されるエリスロポエチン結合性タンパク質のアミノ酸配列を決定した。その結果、形質転換体A株によって発現されるエリスロポエチン結合性タンパク質(以下、EPObp−Aとする)はHis141Tyr(この表記は、配列番号1の141番目のヒスチジンのチロシンへの置換を表す、以下同様)のアミノ酸の置換を、形質転換体B株によって発現されるエリスロポエチン結合性タンパク質(以下、EPObp−Bとする)はHis141Tyr、Asp160ValおよびGly190Cysのアミノ酸の置換を、形質転換体C株によって発現されるエリスロポエチン結合性タンパク質(以下、EPObp−Cとする)はHis97Arg、His141TyrおよびThr220Alaのアミノ酸の置換をそれぞれ有していた。
【0053】
EPObp−Aのアミノ酸配列を配列番号2に、当該アミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号11に、それぞれ示す。配列番号2のアミノ酸配列の詳細を説明すると、配列番号2の1番目のメチオニンから26番目のアラニンまでのアミノ酸配列はMalEシグナル配列であり、27番目のメチオニンはリンカー配列であり、28番目のアラニンから252番目のアスパラギン酸までのアミノ酸配列はヒトのエリスロポエチン受容体の細胞外領域のアミノ酸配列に相当する配列であり、253番目のヒスチジンから258番目のヒスチジンまでのアミノ酸配列はポリヒスチジン配列である。配列番号2に示されるアミノ酸配列は、配列番号1に示されるアミノ酸配列において1つのアミノ酸が置換(His141Tyr)されたアミノ酸配列である。
【0054】
EPObp−Bのアミノ酸配列は、配列番号2のアミノ酸配列においてさらに2つのアミノ酸が置換(Asp160ValおよびGly190Cys)されたアミノ酸配列である。
EPObp−Cのアミノ酸配列は、配列番号2のアミノ酸配列においてさらに2つのアミノ酸が置換(His97ArgおよびThr220Ala)されたアミノ酸配列である。
【0055】
実施例4 スクリーニングで得られた形質転換体の評価
(1)実施例3に記載の形質転換体A株、B株およびC株を50μg/mLのカナマイシンを含むLB液体培地に接種し、37℃で一晩、好気的に振とう培養することで前培養を行なった。
(2)50μg/mLのカナマイシンを含むLB液体培地に前培養液を1%(v/v)接種し、37℃で好気的に振とう培養を行なった。
(3)培養開始1.5時間後、培養温度を20℃に変更して30分間振とう培養後、終濃度0.01mMとなるようIPTGを添加し、引き続き20℃で22時間、好気的に振とう培養した。
(4)培養終了後、遠心分離により集菌し、BugBuster Protein extraction kit(Novagen社製)を用いて可溶性タンパク質抽出液を調製した。調製した可溶性タンパク質抽出液中のエリスロポエチン結合性タンパク質の濃度を、以下に記すELISA法を用いて測定した。
【0056】
(5)ELISA法によるエリスロポエチン結合性タンパク質の定量
(5−1)抗エリスロポエチン受容体抗体(Monoclonal Anti−human Epo R Antibody)(R&D Systems社製、カタログ番号MAB3071)を50mMのTris−HCl緩衝液(pH8.0)で1μg/mLの濃度に調整後、それを96穴マイクロプレート(MaxiSorp、Nunc社製)の各ウェルに100μL/wellで添加し、抗エリスロポエチン受容体抗体を固定化した(4℃で18時間)。固定化終了後、各ウェルの溶液を捨て、TBS−B緩衝液を各ウェルに添加し、ブロッキングを行った(30℃、2時間)。
(5−2)ブロッキング後、洗浄緩衝液(0.05%(w/v)のTween20と150mMのNaClを含む20mMのTris−HCl緩衝液(pH7.4))で各ウェルを洗浄した。その後、調製した可溶性タンパク質抽出液をTBS−B緩衝液で段階希釈し、それらをウェルの固定化抗体と反応させた(30℃、90分)。
(5−3)前記洗浄緩衝液で各ウェルを洗浄後、Horseradish Peroxidase 抗His−Tag抗体試薬(BETHYL社製)を各ウェルに添加し、30℃で1時間半反応させた。
【0057】
(5−4)反応後、前記洗浄緩衝液で各ウェルの洗浄を行ない、TMB Peroxidase Substrate(KPL社製)を各ウェルに添加し、450nmにおける吸光度を測定した。
(5−5)既知濃度の糖鎖付エリスロポエチン結合性タンパク質(Recombinant Human EPO Receptor/EPOR)(Sino Biological社製、カタログ番号10707−H08H)(以下、糖鎖付EPObpとする)のELISAの測定結果を基準として、測定吸光度から可溶性タンパク質抽出液中のエリスロポエチン結合性タンパク質のタンパク質濃度、および培養液あたりのエリスロポエチン結合性タンパク質の生産量を決定した。なお、糖鎖付EPObpのアミノ酸配列は、ヒトのエリスロポエチン受容体のアミノ酸配列(UniProtデータベースにアクセッションナンバーP19235として登録・公開)の1番目のメチオニンから250番目のプロリンまでのアミノ酸配列にポリヒスチジン配列がC末端に付加されたアミノ酸配列からなる。この糖鎖付EPObpのアミノ酸配列の1番目のメチオニンから24番目のトリプトファンまでのアミノ酸配列はシグナルペプチド領域の配列であり、発現後の成熟した糖鎖付EPObpではこのシグナルペプチド領域は失われる。
【0058】
(6)エリスロポエチン結合性タンパク質の濃度が400ng/mLとなるように、実施例4の(4)で調製した可溶性タンパク質抽出液をTBS−B緩衝液で希釈した。これを用いて、実施例3の(4)に記載のELISA法により、各エリスロポエチン結合性タンパク質のエリスロポエチンとの結合性を評価した。
(7)比較対照として、野生型EPObpを発現可能な実施例1に記載のpETEPObp形質転換体についても実施例4の(1)から(6)に記載の実験と同様の実験を行った。さらに比較対照として、糖鎖付EPObpについても実施例4の(5)と(6)に記載の実験と同様の実験を行った。
【0059】
(8)2連で測定を行なった結果、各形質転換体による培養液あたりのエリスロポエチン結合性タンパク質の生産量は、多い順に、形質転換体A株(培養液あたりのEPObp−Aの生産量:3.9±0.7mg/L)、pETEPObp形質転換体(培養液あたりの野生型EPObpの生産量:1.6±0.2mg/L)、形質転換体C株(培養液あたりのEPObp−Cの生産量:0.5±0.0mg/L)、形質転換体B株(培養液あたりのEPObp−Bの生産量:0.4±0.0mg/L)であった。
【0060】
(9)各エリスロポエチン結合性タンパク質のエリスロポエチンとの結合性を評価した結果を
図1に示す。
図1の縦軸はELISAの450nmにおける吸光度の値であり、大きいほどエリスロポエチン結合性が高いことを示す。測定は2連で行った。なお、大腸菌の形質転換体を用いているため、それぞれの形質転換体で生産されたエリスロポエチン結合性タンパク質には糖鎖は付加されない。
【0061】
図1に示すように、野生型EPObpのエリスロポエチン結合性は、糖鎖付EPObpに比べ低かった。野生型EPObpのアミノ酸配列のMalEシグナル配列を除いた残りのアミノ酸配列部分(配列番号1に示すアミノ酸配列の27番目のメチオニンから258番目のヒスチジンまでのアミノ酸配列部分)は、糖鎖付EPObpとほぼ同じアミノ酸配列である。このことから、野生型EPObpでは、糖鎖がないためにエリスロポエチン結合性が低いと推測された。これは、公知の文献で報告されている糖鎖のないエリスロポエチン結合性タンパク質のエリスロポエチン結合親和性(解離定数KD=2.9nM)(非特許文献1)が、糖鎖のあるエリスロポエチン結合性タンパク質のエリスロポエチン結合親和性(解離定数KD=0.13nM)(S.Liu等,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,104,5330−5335,2007)より低いことからも支持された。
【0062】
一方、EPObp−A、EPObp−BおよびEPObp−Cは、いずれも糖鎖がないが、野生型EPObpに比べ、高いエリスロポエチン結合性を示した(
図1)。すなわち、この結果から、EPObp−A、EPObp−BおよびEPObp−Cのそれぞれが有していたアミノ酸の置換が、エリスロポエチン結合性の向上に寄与したことが示唆された。そして、EPObp−A、EPObp−BおよびEPObp−CにはいずれもHis141Tyrのアミノ酸の置換を有していたこと、およびアミノ酸の置換としてHis141Tyrのみ有していたEPObp−Aで高いエリスロポエチン結合性が認められたことから、His141Tyrのアミノ酸の置換がエリスロポエチン結合性の向上に重要であることが示唆された。
【0063】
実施例5 ランダム変異導入ライブラリーの構築
(1)エラープローンPCR法を用いて、EPObp−Aをコードするポリヌクレオチドへランダムに変異を導入した。鋳型DNAとして実施例3の(5)に記載の形質転換体A株から得られた発現ベクターを、PCRプライマーとして配列番号22および配列番号25に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをそれぞれ用いた。エラープローンPCRは、表3に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を95℃で2分間熱処理し、95℃で30秒間の第1ステップ、60℃で30秒間の第2ステップ、72℃で90秒間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル繰り返し、最後に72℃で7分間熱処理することで実施した。
【0064】
(2)DNA断片精製したPCR産物を、制限酵素NcoIとHindIIIで消化後、再度DNA断片精製し、あらかじめ制限酵素NcoIとHindIIIで消化したpETMalE21ベクターにライゲーションにより連結し、これを用いてエレクトロポレーション法により大腸菌BL21(DE3)株を形質転換した。
(3)得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを含むLB寒天培地でコロニー形成させることで、エリスロポエチン結合性タンパク質のランダム変異導入ライブラリーを作製した。
【0065】
実施例6 エリスロポエチン結合性タンパク質のスクリーニング
(1)実施例5で作製したランダム変異導入ライブラリーの各コロニーを、50μg/mLのカナマイシンを含むLB液体培地400μLに接種し、96穴ディープウェルプレートを用いて、37℃で好気的に一晩振とう培養した。
(2)培養後、20μLの培養液を500μLのLB液体培地(0.05mMのIPTG、0.3%のグリシン、および50μg/mLのカナマイシンを含む)に植え継ぎ、96穴ディープウェルプレートを用いて、さらに20℃で好気的に24時間振とう培養した。
【0066】
(3)培養後、遠心操作により得られる培養上清をエリスロポエチン結合性タンパク質サンプル溶液とした。スクリーニングの際の選択性を高めるため、エリスロポエチン結合性タンパク質サンプル溶液に対して、次に記すクエン酸緩衝液処理を行った。20μLの各エリスロポエチン結合性タンパク質サンプル溶液を30μLの0.1Mのクエン酸緩衝液(pH3.0)と混合し、30℃で1時間置いた。その後、この混合液に対して、25μLの1MのTris−HCl緩衝液(pH7.4)をさらに混合し、クエン酸緩衝液処理サンプル溶液とした。
(4)実施例6の(3)のクエン酸緩衝液処理サンプル溶液をTBS−B緩衝液を用いて2倍希釈し、それに含まれるエリスロポエチン結合性タンパク質のエリスロポエチン結合性を実施例3の(4)に記載のELISA法により評価した。
【0067】
(5)実施例6の(4)のELISA法による評価を実施した約1200株の形質転換体の中から、クエン酸緩衝液処理を行ってもエリスロポエチンとの高い結合性を示したエリスロポエチン結合性タンパク質を発現する形質転換体を選択した。その結果、4株の形質転換体が選択され、それらをD株、E株、F株およびG株と命名した。前記選択した各形質転換体を培養し、QIAprep Spin Miniprep Kitを用いて発現ベクターを得た。
【0068】
(6)得られた発現ベクターのうち、エリスロポエチン結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドおよびその周辺の領域のヌクレオチド配列について、実施例3の(6)に記載の方法と同様の方法で解析を行った。
【0069】
ポリヌクレオチドの配列を基にアミノ酸配列を調べた結果、形質転換体D株によって発現されるエリスロポエチン結合性タンパク質(以下、EPObp−Dとする)は、His141Tyrに加えAla189Aspのアミノ酸の置換を有していた(EPObp−Dのアミノ酸配列を配列番号3に、当該アミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号12に、それぞれ示す)。形質転換体E株によって発現されるエリスロポエチン結合性タンパク質(以下、EPObp−Eとする)は、His141Tyrに加えArg103SerとAla189Valのアミノ酸の置換を有していた(EPObp−Eのアミノ酸配列を配列番号4に、当該アミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号13に、それぞれ示す)。
【0070】
形質転換体F株によって発現されるエリスロポエチン結合性タンパク質(以下、EPObp−Fとする)は、His141Tyrに加えAla159Aspのアミノ酸の置換を有していた(EPObp−Fのアミノ酸配列を配列番号5に、当該アミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号14に、それぞれ示す)。形質転換体G株によって発現されるエリスロポエチン結合性タンパク質(以下、EPObp−Gとする)は、His141Tyrに加えCys208Tyrのアミノ酸の置換を有していた(EPObp−Gのアミノ酸配列を配列番号6に、当該アミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号15に、それぞれ示す)。
【0071】
(7)実施例6の(5)に記載の形質転換体D株、E株、F株およびG株について、実施例4の(1)から(6)に記載の実験と同様の実験を行い、各形質転換体によるエリスロポエチン結合性タンパク質の生産量と、生産されたエリスロポエチン結合性タンパク質のエリスロポエチン結合性を評価した。
【0072】
比較対照として、実施例3に記載の形質転換体A株についても実施例4の(1)から(6)に記載の実験と同様の実験を行った。さらに比較対照として、糖鎖付EPObpについても実施例4の(5)と(6)に記載の実験と同様の実験を行った。
【0073】
2連で測定を行なった結果、各形質転換体による培養液あたりのエリスロポエチン結合性タンパク質の生産量は、多い順に、形質転換体E株(培養液あたりのEPObp−Eの生産量:8.7±0.1mg/L)、形質転換体D株(培養液あたりのEPObp−Dの生産量:6.6±0.8mg/L)、形質転換体G株(培養液あたりのEPObp−Gの生産量:5.2±1.7mg/L)、形質転換体F株(培養液あたりのEPObp−Fの生産量:4.8±0.8mg/L)、形質転換体A株(培養液あたりのEPObp−Aの生産量:1.1±0.2mg/L)であった。この結果から、EPObp−D、EPObp−E、EPObp−FおよびEPObp−Gのそれぞれが有していたアミノ酸のHis141Tyr以外の置換が、エリスロポエチン結合性タンパク質の生産量の向上に寄与したことが示唆された。
【0074】
各エリスロポエチン結合性タンパク質のエリスロポエチンとの結合性を評価した結果を
図2に示す。
図2の縦軸はELISAの450nmにおける吸光度の値であり、大きいほどエリスロポエチン結合性が高いことを示す。測定は2連で行った。なお、大腸菌の形質転換体を用いているため、それぞれの形質転換体で生産されたエリスロポエチン結合性タンパク質には糖鎖は付加されない。
図2に示すように、EPObp−D、EPObp−E、EPObp−FおよびEPObp−Gは、いずれも糖鎖がないが、EPObp−A以上の高いエリスロポエチン結合性を示した。この結果から、EPObp−D、EPObp−E、EPObp−FおよびEPObp−Gのそれぞれが有していたアミノ酸のHis141Tyr以外の置換が、エリスロポエチン結合性の向上に寄与したことが示唆された。
【0075】
実施例7 エリスロポエチン結合性タンパク質EPObp−m3aの作製
実施例6で判明したアミノ酸の置換の中からCys208Tyrを選択し、このアミノ酸の置換を実施例6に記載のエリスロポエチン結合性タンパク質EPObp−Dに対してさらに導入することで、3つのアミノ酸の置換(His141Tyr、Ala189AspおよびCys208Tyr)を有するエリスロポエチン結合性タンパク質EPObp−m3aを作製した。
【0076】
(1)以下に示すPCRを実施し、Cys208Tyrのアミノ酸の置換をさらに導入した。
(1−1)鋳型として実施例6において形質転換体D株から調製したEPObp−Dの発現ベクターを、PCRプライマーとして配列番号20および配列番号28(5’−AGGTTGCTCAGCACATACTCGGTGCG−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを、それぞれ用いてPCRを実施した。PCRは、表1に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル繰り返すことで実施した。得られたPCR産物をm3ap1と命名した。
(1−2)鋳型として実施例6において形質転換体D株から調製したEPObp−Dの発現ベクターを、PCRプライマーとして配列番号29(5’−CGCACCGAGTATGTGCTGAGCAACCT−3’)および配列番号27に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを、それぞれ用いてPCRを実施した。PCRは、表1に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル繰り返すことで実施した。得られたPCR産物をm3ap2と命名した。
【0077】
(1−3)DNA断片精製したPCR産物m3ap1およびm3ap2を混合後、表2に示す組成の反応液を調製し、当該反応液を、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を5サイクル繰り返すことでPCRを実施した。得られたPCR産物をm3ap3と命名した。
(1−4)PCR産物m3ap3を鋳型とし、配列番号20および配列番号27に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとして、PCRを実施した。PCRは、表1に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル繰り返すことで実施した。得られたPCR産物をDNA断片精製することで、エリスロポエチン結合性タンパク質EPObp−m3aをコードするポリヌクレオチドを得た。
【0078】
(2)エリスロポエチン結合性タンパク質EPObp−m3aをコードするポリヌクレオチドを制限酵素NcoIとHindIIIで消化後、DNA断片精製し、あらかじめ制限酵素NcoIとHindIIIで消化したpETMalE21ベクターにライゲーションにより連結し、これを用いて大腸菌BL21(DE3)株を塩化カルシウム法により形質転換した。
(3)得られた形質転換体を形質転換体m3a株と命名した。この形質転換体m3a株を50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地で培養し、発現ベクターを抽出することで、エリスロポエチン結合性タンパク質EPObp−m3aをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターpETEPObp−m3aを得た。
【0079】
(4)発現ベクターpETEPObp−m3aのうち、エリスロポエチン結合性タンパク質EPObp−m3aをコードするポリヌクレオチド領域の配列の解析を、実施例3の(6)と同様の方法により行なった。
【0080】
発現ベクターpETEPObp−m3aにより発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号7に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号16に、それぞれ示す。配列番号7のアミノ酸配列の詳細を説明すると、配列番号7の1番目のメチオニンから26番目のアラニンまでのアミノ酸配列はMalEシグナル配列であり、27番目のメチオニンはリンカー配列であり、28番目のアラニンから252番目のアスパラギン酸までのアミノ酸配列はヒトのエリスロポエチン受容体の細胞外領域のアミノ酸配列に相当する配列であり、253番目のヒスチジンから258番目のヒスチジンまでのアミノ酸配列はポリヒスチジン配列である。配列番号7に示されるアミノ酸配列は、配列番号1に示されるアミノ酸配列において3つのアミノ酸が置換(His141Tyr、Ala189AspおよびCys208Tyr)されたアミノ酸配列である。
【0081】
実施例8 エリスロポエチン結合性タンパク質EPObp−m3bの作製
実施例6で判明したアミノ酸の置換の中からAla159Aspを選択し、このアミノ酸の置換を実施例6に記載のエリスロポエチン結合性タンパク質EPObp−Dに対してさらに導入することで、3つのアミノ酸の置換(His141Tyr、Ala159AspおよびAla189Asp)を有するエリスロポエチン結合性タンパク質EPObp−m3bを作製した。
【0082】
(1)以下に示すPCRを実施し、Ala159Aspのアミノ酸の置換をさらに導入した。
(1−1)鋳型として実施例6において形質転換体D株から調製したEPObp−Dの発現ベクターを、PCRプライマーとして配列番号20および配列番号30(5’−TCTCGTCATCCAACCGCGCCACCA−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを、それぞれ用いてPCRを実施した。PCRは、表1に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル繰り返すことで実施した。得られたPCR産物をm3bp1と命名した。
(1−2)鋳型として実施例6において形質転換体D株から調製したEPObp−Dの発現ベクターを、PCRプライマーとして配列番号31(5’−TGGTGGCGCGGTTGGATGACGAGA−3’)および配列番号27に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを、それぞれ用いてPCRを実施した。PCRは、表1に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル繰り返すことで実施した。得られたPCR産物をm3bp2と命名した。
【0083】
(1−3)DNA断片精製したPCR産物m3bp1およびm3bp2を混合後、表2に示す組成の反応液を調製し、当該反応液を、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を5サイクル繰り返すことでPCRを実施した。得られたPCR産物をm3bp3と命名した。
(1−4)PCR産物m3bp3を鋳型とし、配列番号20および配列番号27に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとして、PCRを実施した。PCRは、表1に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル繰り返すことで実施した。得られたPCR産物をDNA断片精製することで、エリスロポエチン結合性タンパク質EPObp−m3bをコードするポリヌクレオチドを得た。
【0084】
(2)エリスロポエチン結合性タンパク質EPObp−m3bをコードするポリヌクレオチドを制限酵素NcoIとHindIIIで消化後、DNA断片精製し、あらかじめ制限酵素NcoIとHindIIIで消化したpETMalE21ベクターにライゲーションにより連結し、これを用いて大腸菌BL21(DE3)株を塩化カルシウム法により形質転換した。
(3)得られた形質転換体を形質転換体m3b株と命名した。この形質転換体m3b株を50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地で培養し、発現ベクターを抽出することで、エリスロポエチン結合性タンパク質EPObp−m3bをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターpETEPObp−m3bを得た。
【0085】
(4)発現ベクターpETEPObp−m3bのうち、エリスロポエチン結合性タンパク質EPObp−m3bをコードするポリヌクレオチド領域の配列の解析を、実施例3の(6)と同様の方法により行なった。
【0086】
発現ベクターpETEPObp−m3bにより発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号8に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号17に、それぞれ示す。配列番号8のアミノ酸配列の詳細を説明すると、配列番号8の1番目のメチオニンから26番目のアラニンまでのアミノ酸配列はMalEシグナル配列であり、27番目のメチオニンはリンカー配列であり、28番目のアラニンから252番目のアスパラギン酸までのアミノ酸配列はヒトのエリスロポエチン受容体の細胞外領域のアミノ酸配列に相当する配列であり、253番目のヒスチジンから258番目のヒスチジンまでのアミノ酸配列はポリヒスチジン配列である。配列番号8に示されるアミノ酸配列は、配列番号1に示されるアミノ酸配列において3つのアミノ酸が置換(His141Tyr、Ala159AspおよびAla189Asp)されたアミノ酸配列である。
【0087】
実施例9 エリスロポエチン結合性タンパク質EPObp−m4の作製
実施例6で判明したアミノ酸の置換の中からAla159AspとCys208Tyrを選択し、これらのアミノ酸の置換を実施例6に記載のエリスロポエチン結合性タンパク質EPObp−Dに対してさらに導入することで、4つのアミノ酸の置換(His141Tyr、Ala159Asp、Ala189AspおよびCys208Tyr)を有するエリスロポエチン結合性タンパク質EPObp−m4を作製した。
【0088】
(1)以下に示すPCRを実施し、Ala159AspとCys208Tyrのアミノ酸の置換をさらに導入した。
(1−1)鋳型として実施例7の発現ベクターpETEPObp−m3aを、PCRプライマーとして配列番号31および配列番号27に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを、それぞれ用いてPCRを実施した。PCRは、表1に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル繰り返すことで実施した。得られたPCR産物をm4p1と命名した。
【0089】
(1−2)DNA断片精製したPCR産物m4p1および実施例8の(1−1)に記載のPCR産物m3bp1を混合後、表2に示す組成の反応液を調製し、当該反応液を、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を5サイクル繰り返すことでPCRを実施した。得られたPCR産物をm4p2と命名した。
(1−3)PCR産物m4p2を鋳型とし、配列番号20および配列番号27に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとして、PCRを実施した。PCRは、表1に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル繰り返すことで実施した。得られたPCR産物をDNA断片精製することで、エリスロポエチン結合性タンパク質EPObp−m4をコードするポリヌクレオチドを得た。
【0090】
(2)エリスロポエチン結合性タンパク質EPObp−m4をコードするポリヌクレオチドを制限酵素NcoIとHindIIIで消化後、DNA断片精製し、あらかじめ制限酵素NcoIとHindIIIで消化したpETMalE21ベクターにライゲーションにより連結し、これを用いて大腸菌BL21(DE3)株を塩化カルシウム法により形質転換した。
(3)得られた形質転換体を形質転換体m4株と命名した。この形質転換体m4株を50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地で培養し、発現ベクターを抽出することで、エリスロポエチン結合性タンパク質EPObp−m4をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターpETEPObp−m4を得た。
【0091】
(4)発現ベクターpETEPObp−m4のうち、エリスロポエチン結合性タンパク質EPObp−m4をコードするポリヌクレオチド領域の配列の解析を、実施例3の(6)と同様の方法により行なった。
【0092】
発現ベクターpETEPObp−m4により発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号9に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号18に、それぞれ示す。配列番号9のアミノ酸配列の詳細を説明すると、配列番号9の1番目のメチオニンから26番目のアラニンまでのアミノ酸配列はMalEシグナル配列であり、27番目のメチオニンはリンカー配列であり、28番目のアラニンから252番目のアスパラギン酸までのアミノ酸配列はヒトのエリスロポエチン受容体の細胞外領域のアミノ酸配列に相当する配列であり、253番目のヒスチジンから258番目のヒスチジンまでのアミノ酸配列はポリヒスチジン配列である。配列番号9に示されるアミノ酸配列は、配列番号1に示されるアミノ酸配列において4つのアミノ酸が置換(His141Tyr、Ala159Asp、Ala189AspおよびCys208Tyr)されたアミノ酸配列である。
【0093】
実施例10 エリスロポエチン結合性タンパク質EPObp−m5の作製
実施例6で判明したアミノ酸の置換の中からArg103Serを選択し、このアミノ酸の置換を実施例9で作製したエリスロポエチン結合性タンパク質EPObp−m4に対してさらに導入することで、5つのアミノ酸の置換(Arg103Ser、His141Tyr、Ala159Asp、Ala189AspおよびCys208Tyr)を有するエリスロポエチン結合性タンパク質EPObp−m5を作製した。
【0094】
(1)以下に示すPCRを実施し、Arg103Serのアミノ酸の置換をさらに導入した。
(1−1)鋳型として実施例9の発現ベクターpETEPObp−m4を、PCRプライマーとして配列番号20および配列番号32(5’−ACCGCACCACTAGCCGTGGGAGCCT−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを、それぞれ用いてPCRを実施した。PCRは、表1に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル繰り返すことで実施した。得られたPCR産物をm5p1と命名した。
【0095】
(1−2)鋳型として実施例9の発現ベクターpETEPObp−m4を、PCRプライマーとして配列番号33(5’−AGGCTCCCACGGCTAGTGGTGCGGT−3’)および配列番号27に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを、それぞれ用いてPCRを実施した。PCRは、表1に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル繰り返すことで実施した。得られたPCR産物をm5p2と命名した。
【0096】
(1−3)DNA断片精製したPCR産物m5p1およびm5p2を混合後、表2に示す組成の反応液を調製し、当該反応液を、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を5サイクル繰り返すことでPCRを実施した。得られたPCR産物をm5p3と命名した。
(1−4)PCR産物5p3を鋳型とし、配列番号20および配列番号27に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとして、PCRを実施した。PCRは、表1に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル繰り返すことで実施した。得られたPCR産物を精製することで、エリスロポエチン結合性タンパク質EPObp−m5をコードするポリヌクレオチドを得た。
【0097】
(2)エリスロポエチン結合性タンパク質EPObp−m5をコードするポリヌクレオチドを制限酵素NcoIとHindIIIで消化後、DNA断片精製し、あらかじめ制限酵素NcoIとHindIIIで消化したpETMalE21ベクターにライゲーションにより連結し、これを用いて大腸菌BL21(DE3)株を塩化カルシウム法により形質転換した。
(3)得られた形質転換体を形質転換体m5株と命名した。この形質転換体m5株を50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地で培養し、発現ベクターを抽出することで、エリスロポエチン結合性タンパク質EPObp−m5をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターpETEPObp−m5を得た。
【0098】
(4)発現ベクターpETEPObp−m5のうち、エリスロポエチン結合性タンパク質EPObp−m5をコードするポリヌクレオチド領域の配列の解析を、実施例3の(6)と同様の方法により行なった。
【0099】
発現ベクターpETEPObp−m5により発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号10に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号19に、それぞれ示す。配列番号10のアミノ酸配列の詳細を説明すると、配列番号10の1番目のメチオニンから26番目のアラニンまでのアミノ酸配列はMalEシグナル配列であり、27番目のメチオニンはリンカー配列であり、28番目のアラニンから252番目のアスパラギン酸までのアミノ酸配列はヒトのエリスロポエチン受容体の細胞外領域のアミノ酸配列に相当する配列であり、253番目のヒスチジンから258番目のヒスチジンまでのアミノ酸配列はポリヒスチジン配列である。配列番号10に示されるアミノ酸配列は、配列番号1に示されるアミノ酸配列において5つのアミノ酸が置換(Arg103Ser、His141Tyr、Ala159Asp、Ala189AspおよびCys208Tyr)されたアミノ酸配列である。
【0100】
実施例11 エリスロポエチン結合性タンパク質の評価
(1)実施例3の形質転換体A株、実施例6の形質転換体D株、実施例7の形質転換体m3a株、実施例8の形質転換体m3b株、実施例9の形質転換体m4株、および実施例10の形質転換体m5株を、それぞれ50μg/mLのカナマイシンを含むLB液体培地に接種し、37℃で一晩、好気的に振とう培養することで前培養を行なった。
(2)それぞれの前培養液を50μg/mLのカナマイシンを含むLB液体培地に1%(v/v)接種し、37℃で好気的に振とう培養を行なった。
(3)培養開始1.5時間後、培養温度を20℃に変更して30分間振とう培養後、終濃度0.01mMとなるようIPTGをそれぞれに添加し、引き続き20℃で22時間、好気的に振とう培養した。
【0101】
(4)培養終了後、遠心分離により集菌し、BugBuster Protein extraction kit(Novagen社製)を用いてそれぞれの可溶性タンパク質抽出液を調製した。
(5)実施例11の(4)で調製した可溶性タンパク質抽出液中のエリスロポエチン結合性タンパク質の濃度を、実施例4の(5)に記すELISA法と同様の方法で測定した。
(6)それぞれのエリスロポエチン結合性タンパク質の濃度が375ng/mLとなるように、実施例11の(4)で調製した可溶性タンパク質抽出液をTBS−B緩衝液で希釈した。これらを用いて、実施例3の(4)に記載のELISA法により、各エリスロポエチン結合性タンパク質のエリスロポエチンとの結合性を評価した。
(7)比較対照として野生型EPObpを発現可能な実施例1に記載のpETEPObp形質転換体についても実施例11の(1)から(6)に記載の実験と同様の実験を行った。比較対照として、糖鎖付EPObpについても実施例11の(5)と(6)に記載の実験と同様の実験を行った。
【0102】
(8)2連で測定を行なった結果、各形質転換体による培養液あたりのエリスロポエチン結合性タンパク質の生産量は、多い順に、形質転換体m5株(EPObp−m5の生産量:210.7±22.7mg/L)、形質転換体m4株(EPObp−m4の生産量:70.9±10.3mg/L)、形質転換体m3a株(EPObp−m3aの生産量:33.3±3.2mg/L)、形質転換体m3b株(EPObp−m3bの生産量:24.2±0.6mg/L)、形質転換体D株(EPObp−Dの生産量:8.2±2.0mg/L)、形質転換体A株(EPObp−Aの生産量:2.6±0.3mg/L)、pETEPObp形質転換体(野生型EPObpの生産量:2.3±0.1mg/L)であった。このように、エリスロポエチン結合性タンパク質が特定のアミノ酸の置換を有することで、その生産量が向上することがわかる。そして、エリスロポエチン結合性タンパク質が特定のアミノ酸の置換を多数有することで、その生産量がより向上することがわかる。
【0103】
(9)各エリスロポエチン結合性タンパク質のエリスロポエチンとの結合性を評価した結果を
図3に示す。
図3の縦軸はELISAの450nmにおける吸光度の値であり、大きいほどエリスロポエチン結合性が高いことを示す。測定は2連で行った。
図3に示すように、野生型EPObpのエリスロポエチン結合性は低く、検出できなかった。一方、EPObp−A、EPObp−D、EPObp−m3a、EPObp−m3b、EPObp−m4およびEPObp−m5は、いずれも野生型EPObpに比べ、高いエリスロポエチン結合性を示し、糖鎖付EPObpと同等以上エリスロポエチン結合性を示した。
【0104】
実施例12 EPObp−m5のエリスロポエチン結合親和性の解析
(1)実施例11の(1)から(4)の方法と同様の方法で、実施例10の形質転換体m5株にEPObp−m5を発現させ、EPObp−m5を含む可溶性タンパク質抽出液を調製した。
(2)HIS−Select Cobalt Affinity Gel(Sigma−Aldrich社製)を用いて、実施例12の(1)で調製したEPObp−m5を含む可溶性タンパク質抽出液からヒスチジンタグを有するEPObp−m5を精製し、精製溶液を得た。精製方法はHIS−Select Cobalt Affinity Gelの推奨方法に準じて行った。
【0105】
(3)精製溶液はSodium dodecyl sulfate polyacrylamide gel electrophoresis(SDS−PAGE)用サンプルバッファー(イージーアプライ、アトー社製)と混合後、98℃で10分間の熱変性処理を行い、15%のポリアクリルアミドゲル(e−PAGEL、アトー社製)を用いてSDS−PAGEを行った。このとき、分子量マーカーとしてPrestained protein marker,broad range(New England Biolabs社製)を使用した。電気泳動後、ポリアクリルアミドゲルのタンパク質をイージーステイン・アクア(アトー社製)を用いて検出した。
このSDS−PAGEの結果を
図4に示す。
図4のSDS−PAGEの結果に示すように、精製溶液のEPObp−m5がアミノ酸配列から推定されるサイズ(約25.8kDa、MalEシグナル部分は含まず)の位置に一本のバンドとして観察され、また他のバンドは観察されなかったことから純度が高いことを確認した。
(4)精製溶液中のEPObp−m5の濃度は280nmにおける吸光度から決定した。
【0106】
(5)Biacore T100(GEヘルスケア社製)を用いて、EPObp−m5とエリスロポエチンの結合に関して表面プラズモン共鳴による解析を行った。実験はBiacore T100の推奨方法に準じて行った。ランニング緩衝液はHBS−EP+(GEヘルスケア社製)を用いた。
(5−1)Sensor Chip CM5(GEヘルスケア社製)にEPObp−m5を283.8RU固定化した。このときの固定化にはアミンカップリングキット(GEヘルスケア社製)を用いた。
【0107】
(5−2)10nMのエリスロポエチン(Erythropoietin,Human,Recombinant,CHO Cells、Merck Millipore社製)の溶液を、HBS−EP+を用いて2倍の希釈で0.3nMまで段階的に希釈した。それぞれの濃度のエリスロポエチン溶液を、実施例12の(5−1)のEPObp−m5を固定したSensor Chip CM5に25℃で30μL/秒の流速で210秒流した。EPObp−m5を固定したSensor Chip CM5の再生は10mMのグリシン緩衝液(pH2.5)を用いて行った。
(5−3)結合速度定数(ka)、解離速度定数(kd)および解離定数(KD)は、BIAevaluation software(version1.1.1)(GEヘルスケア社製)を用いて、1:1の結合モデルを用いたカーブフィッティングの解析結果から決定した。
【0108】
(5−4)一連の解析は2連で行い、Rmaxの値は81.6または78.6RU、カイ二乗の値は0.47または0.32RU
2であった。解析の結果、EPObp−m5とエリスロポエチンの結合の結合速度定数(ka)は(1.4±0.0)×10
6M
−1s
−1、解離速度定数(kd)は(1.3±0.0)×10
−4s
−1、解離定数(KD)は0.09±0.00nMであった。
公知の文献で報告されているエリスロポエチン結合親和性における解離定数(KD)の値は、糖鎖のないエリスロポエチン結合性タンパク質はKD=2.9nMであり(非特許文献1)、糖鎖のあるエリスロポエチン結合性タンパク質はKD=0.13nMである(S.Liu等,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,104,5330−5335,2007)。これらの解離定数の値と比較して、EPObp−m5のエリスロポエチン結合親和性の解離定数の値はKD=0.09±0.00nMと小さいことから、EPObp−m5のエリスロポエチン結合親和性が高いことがわかる。
【0109】
実施例13 EPObp−m5を利用したエリスロポエチンの検出
(1)実施例11の(1)から(4)の方法と同様の方法で、実施例10の形質転換体m5株にEPObp−m5を発現させ、EPObp−m5を含む可溶性タンパク質抽出液を調製した。
(2)HIS−Select Nickel Affinity Gel(Sigma−Aldrich社製)を用いて、実施例13の(1)で調製したEPObp−m5を含む可溶性タンパク質抽出液からヒスチジンタグを有するEPObp−m5を精製し、精製溶液を得た。精製方法はHIS−Select Nickel Affinity Gelの推奨方法に準じて行った。
(3)実施例13の(2)で調製した精製溶液中のEPObp−m5の濃度は、実施例4の(5)に記すELISA法と同様の方法で測定した。
【0110】
(4)EPObp−m5を利用したELISA法によるエリスロポエチンの検出を下記の方法で行った。
(4−1)抗エリスロポエチン受容体抗体(Monoclonal Anti−human Epo R Antibody)(R&D Systems社製、カタログ番号MAB3071)を50mMのTris−HCl緩衝液(pH8.0)で1μg/mLの濃度に調整後、それを96穴マイクロプレート(MaxiSorp、Nunc社製)の各ウェルに100μL/wellで添加し、抗エリスロポエチン受容体抗体を固定化した(4℃で18時間)。固定化終了後、各ウェルの溶液を捨て、TBS−B緩衝液を各ウェルに添加し、ブロッキングを行った(30℃、2時間)。ブロッキング後、洗浄緩衝液(0.05%(w/v)のTween20と150mMのNaClを含む20mMのTris−HCl緩衝液(pH7.4))で各ウェルを洗浄した。
(4−2)実施例13の(2)で精製したEPObp−m5をTBS−B緩衝液で400ng/mLの濃度に調整して、各ウェルに100μL/wellで添加した。30℃で1時間半反応後、前記洗浄緩衝液で各ウェルを洗浄した。
【0111】
(4−3)エリスロポエチン(Erythropoietin,Human,Recombinant,CHO Cells、Merck Millipore社製)をTBS−B緩衝液で各濃度(6ng/mL、12ng/mL、24ng/mL、49ng/mL、98ng/mLと196ng/mL)に調整して、それぞれ3つのウェルに100μL/wellで添加した。30℃で1時間半反応後、前記洗浄緩衝液で各ウェルを洗浄した。
(4−4)事前にEZ−Link Sulfo−NHS−Biotin(Thermo scientific社製)試薬を用いてビオチン標識を行った抗エリスロポエチン抗体(Anti−Erythropoietin, Mouse−Mono(Epo1))(Acris Antibodies社製、カタログ番号AM00744PU−N)をTBS−B緩衝液で3.8μg/mLの濃度に調整して、各ウェルに100μL/wellで添加した。30℃で1時間半反応後、前記洗浄緩衝液で各ウェルを洗浄した。
(4−5)HRP−Streptavidin conjugate(Invitrogen社製)をTBS−B緩衝液で2500倍に希釈して、各ウェルに100μL/wellで添加した。30℃で1時間半反応後、前記洗浄緩衝液で各ウェルを洗浄した。
(4−6)TMB Peroxidase Substrate(KPL社製)を添加し450nmにおける吸光度を測定した。
【0112】
(5)実施例13の(4)のEPObp−m5を利用したELISA法によるエリスロポエチンの検出の結果を
図5に示す。
図5の縦軸はELISA測定値(450nmにおける吸光度)とし、横軸はエリスロポエチンの濃度の対数とした。各濃度のエリスロポエチンに対して3連で測定を行い、吸光度の平均値と標準偏差をもとに
図5を作成した。
図5に示すように、エリスロポエチンの濃度が高くなるとともに吸光度の値が増加した。このことから、EPObp−m5を利用したELISA法によりエリスロポエチンを検出できることがわかる。また、
図5に示すように、エリスロポエチンの濃度に対して吸光度をプロットすることで標準曲線を作成できることから、EPObp−m5を利用したELISA法により未知濃度のエリスロポエチンの濃度測定が可能であることが示唆された。
【0113】
このように、EPObp−m5は、エリスロポエチン結合性を利用した技術にとって有用であることがわかる。