特許第6366945号(P6366945)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6366945印刷制御装置及び印刷装置、インクジェット印刷装置並びに印刷方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6366945
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】印刷制御装置及び印刷装置、インクジェット印刷装置並びに印刷方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20180723BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20180723BHJP
   B41J 25/20 20060101ALI20180723BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20180723BHJP
   B41J 2/165 20060101ALI20180723BHJP
   B41J 2/175 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
   B41J29/38 Z
   G06F3/12 308
   G06F3/12 329
   G06F3/12 351
   G06F3/12 364
   G06F3/12 382
   B41J25/20
   B41J2/01 401
   B41J2/01 451
   B41J2/165 207
   B41J2/175
【請求項の数】16
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-12439(P2014-12439)
(22)【出願日】2014年1月27日
(65)【公開番号】特開2015-139891(P2015-139891A)
(43)【公開日】2015年8月3日
【審査請求日】2016年12月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100093056
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100142930
【弁理士】
【氏名又は名称】戸高 弘幸
(74)【代理人】
【識別番号】100175020
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 知彦
(74)【代理人】
【識別番号】100180596
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 要
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100093056
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 勉
(72)【発明者】
【氏名】高橋 晋
【審査官】 大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−015609(JP,A)
【文献】 特開2013−203017(JP,A)
【文献】 特開2008−149703(JP,A)
【文献】 米国特許第07273322(US,B1)
【文献】 特開2010−257456(JP,A)
【文献】 特開2010−215385(JP,A)
【文献】 特開平11−170615(JP,A)
【文献】 特開2011−101994(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02325780(EP,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0016380(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
B41J 2/01 −2/215
B41J 25/20
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続した印刷媒体を搬送して所定の順序で印刷を行う印刷装置を制御する印刷制御装置であって、
前記印刷媒体に対する印刷を行うための印刷データを蓄積する印刷データ蓄積手段と、
前記印刷データ蓄積手段に蓄積された印刷データのデータ量を監視する印刷データ量監視手段と、
前記印刷データ量監視手段による監視で、前記印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値以上の場合には、前記印刷装置に前記印刷データ蓄積手段から印刷データを出力し、前記印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値未満の場合には、前記印刷装置に前記印刷データ蓄積手段から印刷データを出力することを中断するとともに、前記印刷データとは異なる非製品用印刷を前記印刷媒体に行うための非製品用データを前記印刷装置に出力する印刷制御手段と、
を備え
前記非製品用データは、頁の区切りを示す頁マークを印刷するためのものであることを特徴とする印刷制御装置。
【請求項2】
連続した印刷媒体を搬送して所定の順序で印刷を行うインクジェット印刷装置を制御する印刷制御装置であって、
前記印刷媒体に対する印刷を行うための印刷データを蓄積する印刷データ蓄積手段と、
前記印刷データ蓄積手段に蓄積された印刷データのデータ量を監視する印刷データ量監視手段と、
前記印刷データ量監視手段による監視で、前記印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値以上の場合には、前記インクジェット印刷装置に前記印刷データ蓄積手段から印刷データを出力し、前記印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値未満の場合には、前記インクジェット印刷装置に前記印刷データ蓄積手段から印刷データを出力することを中断するとともに、前記印刷データとは異なる非製品用印刷を前記印刷媒体に行うための非製品用データを前記インクジェット印刷装置に出力する印刷制御手段と、
を備え
前記インクジェット印刷装置は、ノズルからインク滴を吐出して前記印刷媒体に画像を印刷するものであって、
前記非製品用データは、インク滴を吐出させてノズル詰まりを解消させるフラッシングのためのものであることを特徴とする印刷制御装置。
【請求項3】
連続した印刷媒体を搬送して所定の順序で印刷を行う印刷装置を制御する印刷制御装置であって、
前記印刷媒体に対する印刷を行うための印刷データを蓄積する印刷データ蓄積手段と、
前記印刷データ蓄積手段に蓄積された印刷データのデータ量を監視する印刷データ量監視手段と、
前記印刷データ量監視手段による監視で、前記印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値以上の場合には、前記印刷装置に前記印刷データ蓄積手段から印刷データを出力し、前記印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値未満の場合には、前記印刷装置に前記印刷データ蓄積手段から印刷データを出力することを中断するとともに、前記印刷データとは異なる非製品用印刷を前記印刷媒体に行うための非製品用データを前記印刷装置に出力する印刷制御手段と、
を備え
前記印刷制御手段は、前記非製品用印刷を行う際には、前記印刷媒体の搬送速度を低下させることを特徴とする印刷制御装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の印刷制御装置において、
前記印刷制御手段は、前記非製品用データを出力した頁情報を記憶することを特徴とする印刷制御装置。
【請求項5】
請求項に記載の印刷制御装置において、
前記印刷制御手段は、印刷された前記印刷媒体を処理する、前記印刷装置の後工程に配置される装置に前記頁情報を出力することを特徴とする印刷制御装置。
【請求項6】
連続した印刷媒体を搬送して所定の順序で印刷を行う印刷装置であって、
前記印刷媒体に対する印刷を行うための印刷データを蓄積する印刷データ蓄積手段と、
前記印刷データ蓄積手段に蓄積された印刷データのデータ量を監視する印刷データ量監視手段と、
前記印刷データ量監視手段による監視で、前記印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値以上の場合には、前記印刷媒体に対する印刷のため前記印刷データ蓄積手段から印刷データを出力し、前記印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値未満の場合には、前記印刷データ蓄積手段から印刷データを出力することを中断するとともに、前記印刷データとは異なる非製品用印刷を前記印刷媒体に行うための非製品用データを出力する印刷制御手段と、
前記印刷データ、あるいは前記非製品用データに基づいて前記印刷媒体に印刷を行う印刷手段と、
を備え
前記非製品用データは、頁の区切りを示す頁マークを印刷するためのものであることを特徴とする印刷装置。
【請求項7】
連続した印刷媒体を搬送して所定の順序で印刷を行うインクジェット印刷装置であって、
前記印刷媒体に対する印刷を行うための印刷データを蓄積する印刷データ蓄積手段と、
前記印刷データ蓄積手段に蓄積された印刷データのデータ量を監視する印刷データ量監視手段と、
前記印刷データ量監視手段による監視で、前記印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値以上の場合には、前記印刷媒体に対する印刷のため前記印刷データ蓄積手段から印刷データを出力し、前記印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値未満の場合には、前記印刷データ蓄積手段から印刷データを出力することを中断するとともに、前記印刷データとは異なる非製品用印刷を前記印刷媒体に行うための非製品用データを出力する印刷制御手段と、
前記印刷データ、あるいは前記非製品用データに基づいて前記印刷媒体に向けてノズルからインク滴を吐出して前記印刷媒体に画像の印刷を行う印刷手段と、
を備え
前記非製品用データは、インク滴を吐出させてノズル詰まりを解消させるフラッシングのためのものであることを特徴とするインクジェット印刷装置。
【請求項8】
連続した印刷媒体を搬送して所定の順序で印刷を行う印刷装置であって、
前記印刷媒体に対する印刷を行うための印刷データを蓄積する印刷データ蓄積手段と、
前記印刷データ蓄積手段に蓄積された印刷データのデータ量を監視する印刷データ量監視手段と、
前記印刷データ量監視手段による監視で、前記印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値以上の場合には、前記印刷媒体に対する印刷のため前記印刷データ蓄積手段から印刷データを出力し、前記印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値未満の場合には、前記印刷データ蓄積手段から印刷データを出力することを中断するとともに、前記印刷データとは異なる非製品用印刷を前記印刷媒体に行うための非製品用データを出力する印刷制御手段と、
前記印刷データ、あるいは前記非製品用データに基づいて前記印刷媒体に印刷を行う印刷手段と、
を備え
前記印刷制御手段は、前記非製品用印刷を行う際には、前記印刷媒体の搬送速度を低下させることを特徴とする印刷装置。
【請求項9】
請求項6または8に記載の印刷装置において、
前記印刷制御手段は、前記非製品用データを出力した頁情報を記憶することを特徴とする印刷装置。
【請求項10】
請求項に記載の印刷装置において、
前記印刷制御手段は、印刷された前記印刷媒体を処理する、後工程に配置される装置に前記頁情報を出力することを特徴とする印刷装置。
【請求項11】
請求項7に記載のインクジェット印刷装置において、
前記印刷制御手段は、前記非製品用データを出力した頁情報を記憶することを特徴とするインクジェット印刷装置。
【請求項12】
請求項11に記載のインクジェット印刷装置において、
前記印刷制御手段は、印刷された前記印刷媒体を処理する、後工程に配置される装置に前記頁情報を出力することを特徴とするインクジェット印刷装置。
【請求項13】
請求項7に記載のインクジェット印刷装置において、
前記印刷媒体には複数の印刷領域が搬送方向に設定され、それらの間隔中に非印刷領域が設定されており、前記印刷手段は前記印刷領域内に前記印刷データによる製品用印刷と前記非製品用データによるフラッシングとを実行することを特徴とするインクジェット印刷装置。
【請求項14】
連続した印刷媒体を搬送して所定の順序で印刷手段により印刷を行う印刷方法であって、
前記印刷媒体に対する印刷を行うための印刷データを蓄積する印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値以上であるか否かを判断する判断過程と、
前記判断過程による判断の結果、前記印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値以上の場合には、前記印刷手段に前記印刷データ蓄積手段から印刷データを出力する通常印刷過程と、
前記判断過程による判断の結果、前記印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値未満の場合には、前記印刷手段に前記印刷データ蓄積手段から印刷データを出力することを中断さするとともに、前記印刷データとは異なる非製品用印刷を前記印刷媒体に行うための非製品用データを前記印刷手段に出力する非製品用印刷過程と、
を実施し、
前記非製品用データは、頁の区切りを示す頁マークを印刷するためのものであることを特徴とする印刷方法。
【請求項15】
連続した印刷媒体を搬送して所定の順序で印刷手段により印刷を行う印刷方法であって、
前記印刷媒体に対する印刷を行うための印刷データを蓄積する印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値以上であるか否かを判断する判断過程と、
前記判断過程による判断の結果、前記印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値以上の場合には、前記印刷手段に前記印刷データ蓄積手段から印刷データを出力する通常印刷過程と、
前記判断過程による判断の結果、前記印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値未満の場合には、前記印刷手段に前記印刷データ蓄積手段から印刷データを出力することを中断さするとともに、前記印刷データとは異なる非製品用印刷を前記印刷媒体に行うための非製品用データを前記印刷手段に出力する非製品用印刷過程と、
を実施し、
前記印刷手段は、ノズルからインク滴を吐出して前記印刷媒体に画像を印刷するものであって、
前記非製品用データは、インク滴を吐出させてノズル詰まりを解消させるフラッシングのためのものであることを特徴とする印刷方法。
【請求項16】
連続した印刷媒体を搬送して所定の順序で印刷手段により印刷を行う印刷方法であって、
前記印刷媒体に対する印刷を行うための印刷データを蓄積する印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値以上であるか否かを判断する判断過程と、
前記判断過程による判断の結果、前記印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値以上の場合には、前記印刷手段に前記印刷データ蓄積手段から印刷データを出力する通常印刷過程と、
前記判断過程による判断の結果、前記印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値未満の場合には、前記印刷手段に前記印刷データ蓄積手段から印刷データを出力することを中断さするとともに、前記印刷データとは異なる非製品用印刷を前記印刷媒体に行うための非製品用データを前記印刷手段に出力する非製品用印刷過程と、
を実施し、
前記非製品印刷過程は、前記非製品用印刷を行う際には、前記印刷媒体の搬送速度を低下させることを特徴とする印刷方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の印刷領域が搬送方向に連なった印刷媒体を搬送させながら、印刷媒体に対して画像の印刷を行う際の制御を行う印刷制御装置及び印刷装置、インクジェット印刷装置並びに印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の装置として、蓄積部と、制御部とを備えたものがある。蓄積部は、ホストコンピュータから送られてきた印刷データを蓄積する。制御部は、連続紙に印刷を行う印刷部に対して蓄積部の印刷データを出力させ、連続紙に対する印刷を制御する。
【0003】
このように構成された印刷制御装置は、例えば、連続紙の1頁分に相当する印刷データが蓄積部に蓄積された場合には、制御部が、印刷部への印刷データの出力を開始させて連続紙への印刷を開始させる。
【0004】
しかしながら、印刷データが蓄積部へ蓄積される速度よりも、印刷される印刷速度が速いと、蓄積部から印刷部への印刷データの出力が滞ることになる。そこで、このような場合には、制御部は、連続紙の搬送速度を低下させるとともに、印刷部による印刷速度を低下させ、その間に蓄積部に印刷データを蓄積させる。ところが、連続紙の搬送速度を低下させると、印刷条件が変わるので、印刷品質が低下するという問題がある。
【0005】
そこで、このような問題を解決するために、連続紙の搬送速度を低下させることに代えて、制御部は、現在印刷中の印刷データとは異なる、予め蓄積部に蓄積されている他の印刷待ちの印刷データに切り換えて印刷を継続させる構成を採用したものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−257456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の装置は、所定の順序で印刷されるべき印刷データの順序が変わってしまうことになるので、印刷後の処理が煩雑になるという問題がある。
【0008】
なお、印刷領域が搬送方向に連なっていない枚葉紙を印刷媒体とする場合には、印刷データが滞っている間は、枚葉紙を印刷ラインから排出する手法を採用しているものがある(例えば、特開2000−127567号公報)。しかしながら、この手法は、印刷領域の一部だけを印刷ラインから排出することができない連続紙の場合には採用することができない。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、連続した印刷媒体への印刷の際に印刷データが不足した場合であっても、印刷後の処理を煩雑にすることなく、印刷品質を維持することができる印刷制御装置及び印刷装置、インクジェット印刷装置並びに印刷方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、連続した印刷媒体を搬送して所定の順序で印刷を行う印刷装置を制御する印刷制御装置であって、前記印刷媒体に対する印刷を行うための印刷データを蓄積する印刷データ蓄積手段と、前記印刷データ蓄積手段に蓄積された印刷データのデータ量を監視する印刷データ量監視手段と、前記印刷データ量監視手段による監視で、前記印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値以上の場合には、前記印刷装置に前記印刷データ蓄積手段から印刷データを出力し、前記印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値未満の場合には、前記印刷装置に前記印刷データ蓄積手段から印刷データを出力することを中断するとともに、前記印刷データとは異なる非製品用印刷を前記印刷媒体に行うための非製品用データを前記印刷装置に出力する印刷制御手段と、を備え、前記非製品用データは、頁の区切りを示す頁マークを印刷するためのものであることを特徴とするものである。
【0011】
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、印刷データ量監視手段による印刷データ蓄積手段のデータ量の監視の結果、印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値以上である場合、印刷制御手段は、印刷装置に印刷データ蓄積手段から印刷データを出力して通常の印刷を行わせる。その一方、印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値未満である場合、印刷制御手段は、印刷装置に印刷データ蓄積手段から印刷データを出力することを中断するとともに、非製品用データを印刷装置に出力する。これにより、非製品用印刷の間は、印刷データ蓄積手段へ印刷データが蓄積される時間を稼ぐことができる。非製品用印刷は、印刷後の処理において廃棄すればよいので、処理が煩雑にはならない。したがって、印刷データが蓄積される時間を稼ぐために、通常印刷中に印刷媒体の搬送速度を低下させる必要がないので、印刷品質を維持することができる。また、非製品印刷として頁マークを印刷することにより、印刷データが蓄積される時間を稼ぐことができる。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、連続した印刷媒体を搬送して所定の順序で印刷を行うインクジェット印刷装置を制御する印刷制御装置であって、前記印刷媒体に対する印刷を行うための印刷データを蓄積する印刷データ蓄積手段と、前記印刷データ蓄積手段に蓄積された印刷データのデータ量を監視する印刷データ量監視手段と、前記印刷データ量監視手段による監視で、前記印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値以上の場合には、前記インクジェット印刷装置に前記印刷データ蓄積手段から印刷データを出力し、前記印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値未満の場合には、前記インクジェット印刷装置に前記印刷データ蓄積手段から印刷データを出力することを中断するとともに、前記印刷データとは異なる非製品用印刷を前記印刷媒体に行うための非製品用データを前記インクジェット印刷装置に出力する印刷制御手段と、を備え、前記インクジェット印刷装置は、ノズルからインク滴を吐出して前記印刷媒体に画像を印刷するものであって、前記非製品用データは、インク滴を吐出させてノズル詰まりを解消させるフラッシングのためのものであることを特徴とするものである。
【0013】
[作用・効果]請求項2に記載の発明によれば、印刷データ量監視手段による印刷データ蓄積手段のデータ量の監視の結果、印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値以上である場合、印刷制御手段は、インクジェット印刷装置に印刷データ蓄積手段から印刷データを出力して通常の印刷を行わせる。その一方、印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値未満である場合、印刷制御手段は、インクジェット印刷装置に印刷データ蓄積手段から印刷データを出力することを中断するとともに、非製品用データを印刷装置に出力する。これにより、非製品用印刷の間は、印刷データ蓄積手段へ印刷データが蓄積される時間を稼ぐことができる。非製品用印刷は、印刷後の処理において廃棄すればよいので、処理が煩雑にはならない。したがって、印刷データが蓄積される時間を稼ぐために、通常印刷中に印刷媒体の搬送速度を低下させる必要がないので、印刷品質を維持することができる。また、非製品印刷としてフラッシングを行うことにより、印刷データが蓄積される時間を稼ぐとともに、ノズル詰まりを予防したり解消したりすることができる。
【0014】
また、請求項3に記載の発明は、連続した印刷媒体を搬送して所定の順序で印刷を行う印刷装置を制御する印刷制御装置であって、前記印刷媒体に対する印刷を行うための印刷データを蓄積する印刷データ蓄積手段と、前記印刷データ蓄積手段に蓄積された印刷データのデータ量を監視する印刷データ量監視手段と、前記印刷データ量監視手段による監視で、前記印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値以上の場合には、前記印刷装置に前記印刷データ蓄積手段から印刷データを出力し、前記印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値未満の場合には、前記印刷装置に前記印刷データ蓄積手段から印刷データを出力することを中断するとともに、前記印刷データとは異なる非製品用印刷を前記印刷媒体に行うための非製品用データを前記印刷装置に出力する印刷制御手段と、を備え、前記印刷制御手段は、前記非製品用印刷を行う際には、前記印刷媒体の搬送速度を低下させることを特徴とするものである。
【0015】
[作用・効果]請求項3に記載の発明によれば、印刷データ量監視手段による印刷データ蓄積手段のデータ量の監視の結果、印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値以上である場合、印刷制御手段は、インクジェット印刷装置に印刷データ蓄積手段から印刷データを出力して通常の印刷を行わせる。その一方、印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値未満である場合、印刷制御手段は、インクジェット印刷装置に印刷データ蓄積手段から印刷データを出力することを中断するとともに、非製品用データを印刷装置に出力する。これにより、非製品用印刷の間は、印刷データ蓄積手段へ印刷データが蓄積される時間を稼ぐことができる。非製品用印刷は、印刷後の処理において廃棄すればよいので、処理が煩雑にはならない。したがって、印刷データが蓄積される時間を稼ぐために、通常印刷中に印刷媒体の搬送速度を低下させる必要がないので、印刷品質を維持することができる。また、非製品用印刷の時だけ搬送速度を低下させるので、非製品用印刷による印刷媒体の損失を抑制することができる。
【0016】
また、本発明において、前記印刷制御手段は、前記非製品用データを出力した頁情報を記憶することを特徴とすることが好ましい(請求項)。
【0017】
印刷制御手段が頁情報を記憶するので、連続した印刷媒体において非製品用印刷による頁を容易に識別できる。
【0018】
また、本発明において、前記印刷制御手段は、印刷された前記印刷媒体を処理する、前記印刷装置の後工程に配置される装置に前記頁情報を出力することが好ましい(請求項)。
【0019】
印刷制御手段が記憶している頁情報を後工程に出力することで、後工程において非製品用印刷による頁だけを正確に廃棄することができる。
【0020】
また、請求項6に記載の発明は、連続した印刷媒体を搬送して所定の順序で印刷を行う印刷装置であって、前記印刷媒体に対する印刷を行うための印刷データを蓄積する印刷データ蓄積手段と、前記印刷データ蓄積手段に蓄積された印刷データのデータ量を監視する印刷データ量監視手段と、前記印刷データ量監視手段による監視で、前記印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値以上の場合には、前記印刷媒体に対する印刷のため前記印刷データ蓄積手段から印刷データを出力し、前記印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値未満の場合には、前記印刷データ蓄積手段から印刷データを出力することを中断するとともに、前記印刷データとは異なる非製品用印刷を前記印刷媒体に行うための非製品用データを出力する印刷制御手段と、前記印刷データ、あるいは前記非製品用データに基づいて前記印刷媒体に印刷を行う印刷手段と、を備え、前記非製品用データは、頁の区切りを示す頁マークを印刷するためのものであることを特徴とするものである。
【0021】
[作用・効果]請求項6に記載の発明によれば、印刷データ量監視手段による印刷データ蓄積手段のデータ量の監視の結果、印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値以上である場合、印刷制御手段は、印刷手段に印刷データ蓄積手段から印刷データを出力して通常の印刷を行わせる。その一方、印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値未満である場合、印刷制御手段は、印刷手段に印刷データ蓄積手段から印刷データを出力することを中断するとともに、非製品用データを印刷手段に出力する。これにより、非製品用印刷の間は、印刷データ蓄積手段へ印刷データが蓄積される時間を稼ぐことができる。非製品用印刷は、印刷後の処理において廃棄すればよいので、処理が煩雑にはならない。したがって、印刷データが蓄積される時間を稼ぐために、通常印刷中に印刷媒体の搬送速度を低下させる必要がないので、印刷品質を維持することができる。また、非製品印刷として頁マークを印刷することにより、印刷データが蓄積される時間を稼ぐことができる。
【0022】
また、請求項7に記載の発明は、連続した印刷媒体を搬送して所定の順序で印刷を行うインクジェット印刷装置であって、前記印刷媒体に対する印刷を行うための印刷データを蓄積する印刷データ蓄積手段と、前記印刷データ蓄積手段に蓄積された印刷データのデータ量を監視する印刷データ量監視手段と、前記印刷データ量監視手段による監視で、前記印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値以上の場合には、前記印刷媒体に対する印刷のため前記印刷データ蓄積手段から印刷データを出力し、前記印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値未満の場合には、前記印刷データ蓄積手段から印刷データを出力することを中断するとともに、前記印刷データとは異なる非製品用印刷を前記印刷媒体に行うための非製品用データを出力する印刷制御手段と、前記印刷データ、あるいは前記非製品用データに基づいて前記印刷媒体に向けてノズルからインク滴を吐出して前記印刷媒体に画像の印刷を行う印刷手段と、を備え、前記非製品用データは、インク滴を吐出させてノズル詰まりを解消させるフラッシングのためのものであることを特徴とするものである。
【0023】
[作用・効果]請求項7に記載の発明によれば、印刷データ量監視手段による印刷データ蓄積手段のデータ量の監視の結果、印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値以上である場合、印刷制御手段は、印刷手段に印刷データ蓄積手段から印刷データを出力して通常の印刷を行わせる。その一方、印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値未満である場合、印刷制御手段は、印刷手段に印刷データ蓄積手段から印刷データを出力することを中断するとともに、非製品用データを印刷手段に出力する。これにより、非製品用印刷の間は、印刷データ蓄積手段へ印刷データが蓄積される時間を稼ぐことができる。非製品用印刷は、印刷後の処理において廃棄すればよいので、処理が煩雑にはならない。したがって、印刷データが蓄積される時間を稼ぐために、通常印刷中に印刷媒体の搬送速度を低下させる必要がないので、印刷品質を維持することができる。また、非製品印刷としてフラッシングを行うことにより、印刷データが蓄積される時間を稼ぐとともに、ノズル詰まりを予防したり解消したりすることができる。
【0024】
また、請求項8に記載の発明は、連続した印刷媒体を搬送して所定の順序で印刷を行う印刷装置であって、前記印刷媒体に対する印刷を行うための印刷データを蓄積する印刷データ蓄積手段と、前記印刷データ蓄積手段に蓄積された印刷データのデータ量を監視する印刷データ量監視手段と、前記印刷データ量監視手段による監視で、前記印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値以上の場合には、前記印刷媒体に対する印刷のため前記印刷データ蓄積手段から印刷データを出力し、前記印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値未満の場合には、前記印刷データ蓄積手段から印刷データを出力することを中断するとともに、前記印刷データとは異なる非製品用印刷を前記印刷媒体に行うための非製品用データを出力する印刷制御手段と、前記印刷データ、あるいは前記非製品用データに基づいて前記印刷媒体に印刷を行う印刷手段と、を備え、前記印刷制御手段は、前記非製品用印刷を行う際には、前記印刷媒体の搬送速度を低下させることを特徴とするものである。
【0025】
[作用・効果]請求項8に記載の発明によれば、印刷データ量監視手段による印刷データ蓄積手段のデータ量の監視の結果、印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値以上である場合、印刷制御手段は、印刷手段に印刷データ蓄積手段から印刷データを出力して通常の印刷を行わせる。その一方、印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値未満である場合、印刷制御手段は、印刷手段に印刷データ蓄積手段から印刷データを出力することを中断するとともに、非製品用データを印刷手段に出力する。これにより、非製品用印刷の間は、印刷データ蓄積手段へ印刷データが蓄積される時間を稼ぐことができる。非製品用印刷は、印刷後の処理において廃棄すればよいので、処理が煩雑にはならない。したがって、印刷データが蓄積される時間を稼ぐために、通常印刷中に印刷媒体の搬送速度を低下させる必要がないので、印刷品質を維持することができる。また、非製品用印刷の時だけ搬送速度を低下させるので、非製品用印刷による印刷媒体の損失を抑制することができる。
【0026】
また、請求項14に記載の発明は、連続した印刷媒体を搬送して所定の順序で印刷手段により印刷を行う印刷方法であって、前記印刷媒体に対する印刷を行うための印刷データを蓄積する印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値以上であるか否かを判断する判断過程と、前記判断過程による判断の結果、前記印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値以上の場合には、前記印刷手段に前記印刷データ蓄積手段から印刷データを出力する通常印刷過程と、前記判断過程による判断の結果、前記印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値未満の場合には、前記印刷手段に前記印刷データ蓄積手段から印刷データを出力することを中断さするとともに、前記印刷データとは異なる非製品用印刷を前記印刷媒体に行うための非製品用データを前記印刷手段に出力する非製品用印刷過程と、を実施し、前記非製品用データは、頁の区切りを示す頁マークを印刷するためのものであることを特徴とするものである。
【0027】
[作用・効果]請求項14に記載の発明によれば、印刷データ量監視手段により、印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値以上であるか否かを監視過程で監視する。そして、印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値以上である場合には、印刷手段に印刷データ蓄積手段から印刷データを出力して通常印刷過程において通常の印刷を行わせる。その一方、印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値未満である場合には、印刷手段に印刷データ蓄積手段から印刷データを出力することを中断するとともに、非製品用データを印刷手段に出力して非製品用印刷過程において非製品用印刷を行わせる。これにより、非製品用印刷の間は、印刷データ蓄積手段へ印刷データが蓄積される時間を稼ぐことができる。非製品用印刷は、印刷後の処理において廃棄すればよいので、処理が煩雑にはならない。したがって、印刷データが蓄積される時間を稼ぐために、通常印刷中に印刷媒体の搬送速度を低下させる必要がないので、印刷品質を維持することができる。また、非製品印刷として頁マークを印刷することにより、印刷データが蓄積される時間を稼ぐことができる。
【0028】
また、請求項15に記載の発明は、連続した印刷媒体を搬送して所定の順序で印刷手段により印刷を行う印刷方法であって、前記印刷媒体に対する印刷を行うための印刷データを蓄積する印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値以上であるか否かを判断する判断過程と、前記判断過程による判断の結果、前記印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値以上の場合には、前記印刷手段に前記印刷データ蓄積手段から印刷データを出力する通常印刷過程と、前記判断過程による判断の結果、前記印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値未満の場合には、前記印刷手段に前記印刷データ蓄積手段から印刷データを出力することを中断さするとともに、前記印刷データとは異なる非製品用印刷を前記印刷媒体に行うための非製品用データを前記印刷手段に出力する非製品用印刷過程と、を実施し、前記印刷手段は、ノズルからインク滴を吐出して前記印刷媒体に画像を印刷するものであって、前記非製品用データは、インク滴を吐出させてノズル詰まりを解消させるフラッシングのためのものであることを特徴とするものである。
【0029】
[作用・効果]請求項15に記載の発明によれば、印刷データ量監視手段により、印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値以上であるか否かを監視過程で監視する。そして、印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値以上である場合には、印刷手段に印刷データ蓄積手段から印刷データを出力して通常印刷過程において通常の印刷を行わせる。その一方、印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値未満である場合には、印刷手段に印刷データ蓄積手段から印刷データを出力することを中断するとともに、非製品用データを印刷手段に出力して非製品用印刷過程において非製品用印刷を行わせる。これにより、非製品用印刷の間は、印刷データ蓄積手段へ印刷データが蓄積される時間を稼ぐことができる。非製品用印刷は、印刷後の処理において廃棄すればよいので、処理が煩雑にはならない。したがって、印刷データが蓄積される時間を稼ぐために、通常印刷中に印刷媒体の搬送速度を低下させる必要がないので、印刷品質を維持することができる。また、非製品印刷としてフラッシングを行うことにより、印刷データが蓄積される時間を稼ぐとともに、ノズル詰まりを予防したり解消したりすることができる。
【0030】
また、請求項16に記載の発明は、連続した印刷媒体を搬送して所定の順序で印刷手段により印刷を行う印刷方法であって、前記印刷媒体に対する印刷を行うための印刷データを蓄積する印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値以上であるか否かを判断する判断過程と、前記判断過程による判断の結果、前記印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値以上の場合には、前記印刷手段に前記印刷データ蓄積手段から印刷データを出力する通常印刷過程と、前記判断過程による判断の結果、前記印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値未満の場合には、前記印刷手段に前記印刷データ蓄積手段から印刷データを出力することを中断さするとともに、前記印刷データとは異なる非製品用印刷を前記印刷媒体に行うための非製品用データを前記印刷手段に出力する非製品用印刷過程と、を実施し、前記非製品印刷過程は、前記非製品用印刷を行う際には、前記印刷媒体の搬送速度を低下させることを特徴とするものである。
【0031】
[作用・効果]請求項16に記載の発明によれば、印刷データ量監視手段により、印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値以上であるか否かを監視過程で監視する。そして、印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値以上である場合には、印刷手段に印刷データ蓄積手段から印刷データを出力して通常印刷過程において通常の印刷を行わせる。その一方、印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値未満である場合には、印刷手段に印刷データ蓄積手段から印刷データを出力することを中断するとともに、非製品用データを印刷手段に出力して非製品用印刷過程において非製品用印刷を行わせる。これにより、非製品用印刷の間は、印刷データ蓄積手段へ印刷データが蓄積される時間を稼ぐことができる。非製品用印刷は、印刷後の処理において廃棄すればよいので、処理が煩雑にはならない。したがって、印刷データが蓄積される時間を稼ぐために、通常印刷中に印刷媒体の搬送速度を低下させる必要がないので、印刷品質を維持することができる。また、非製品用印刷の時だけ搬送速度を低下させるので、非製品用印刷による印刷媒体の損失を抑制することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明に係る印刷制御装置によれば、印刷データ量監視手段による印刷データ蓄積手段のデータ量の監視の結果、印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値以上である場合、印刷制御手段は、印刷装置に印刷データ蓄積手段から印刷データを出力して通常の印刷を行わせる。その一方、印刷データ蓄積手段のデータ量が所定値未満である場合、印刷制御手段は、印刷装置に印刷データ蓄積手段から印刷データを出力することを中断するとともに、非製品用データを印刷装置に出力する。これにより、非製品用印刷の間は、印刷データ蓄積手段へ印刷データが蓄積される時間を稼ぐことができる。非製品用印刷は、印刷後の処理において廃棄すればよいので、処理が煩雑にはならない。したがって、印刷データが蓄積される時間を稼ぐために、通常印刷中に印刷媒体の搬送速度を低下させる必要がないので、印刷品質を維持することができる。また、非製品印刷として頁マークを印刷することにより、印刷データが蓄積される時間を稼ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】実施例に係る印刷制御装置を備えたインクジェット印刷装置の概略構成を示す全体図である。
図2】印刷制御装置の動作を示すフローチャートである。
図3】制御の具体例を示すタイムチャートである。
図4】連続紙の印刷例を示す模式図である。
図5】制御の他の具体例を示すタイムチャートである。
図6】連続紙の他の印刷例を示す模式図である。
図7】制御の他の具体例を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照して本発明の一実施例について説明する。
図1は、実施例に係る印刷制御装置を備えたインクジェット印刷装置の概略構成を示す全体図である。
【0035】
本発明に係る「印刷装置」に相当するインクジェット印刷装置1は、給紙部3と、印刷ユニット5と、排紙部7とを備えている。
【0036】
給紙部3は、ロール状で印刷領域が連なった連続紙WPを水平軸周りに回転可能に保持し、連続紙WPを印刷ユニット5に対して供給する。印刷ユニット5は、連続紙WPに対して種々の画像の印刷を行う。排紙部7は、印刷が行われた連続紙WPを取り込むとともに、頁ごとにカットして、ジョブ毎にまとめて収納する。
【0037】
なお、上述した連続紙WPが本発明における「印刷媒体」に相当し、排紙部7が本発明における「後工程に配置される装置」に相当する。
【0038】
印刷ユニット5は、例えば、インク滴を吐出させて連続紙WPに対して印刷を行うインクジェット式である。印刷ユニット5は、給紙部3からの連続紙WPを取り込むための駆動ローラ9を備えている。駆動ローラ9によって給紙部3から巻き出された連続紙WPは、複数個の搬送ローラ11に沿って、下流側の排紙部7に向かって搬送される。最下流の搬送ローラ11と排紙部7との間には、駆動ローラ13が配置されている。この駆動ローラ13は、搬送ローラ11上を搬送されている連続紙WPを排紙部7に向かって送り出す。
【0039】
印刷ユニット5は、駆動ローラ9と駆動ローラ13との間に、印刷部15と、乾燥部17と、検査部19とをその順に備えている。乾燥部17は、印刷部15によって印刷された部分の乾燥を行う。検査部19は、印刷された部分に汚れや抜け等がないかを検査したり、印刷の調整を行うために使用する調整用チャートを読み取ったりする。
【0040】
印刷部15は、インク滴を吐出する印刷ヘッド21を備えている。印刷部15は、連続紙WPの搬送方向に沿って複数個配置されているのが一般的である。例えば、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)について個別に4個の印刷部15を備えている。しかし、以下の説明においては、発明の理解を容易にするために、1個の印刷部15だけを備えているものとして説明する。また、印刷部15は、連続紙WPの幅方向(図1における紙面の奥手前方向)に移動することなく印刷できるだけの印刷ヘッド21を備えている。つまり、本実施例における印刷ユニット5は、印刷部15が連続紙WPの搬送方向と直交する方向に主走査のために移動することがなく、位置が固定のままで連続紙WPを搬送方向に送りながら連続紙WPに対して印刷を行う。
【0041】
なお、上述した印刷部15が本発明における「印刷手段」に相当する。
【0042】
排紙部7は、取り込み収納ユニット23と、カッターユニット25とを備えている。取り込み収納ユニット23は、駆動ローラ13によって送り込まれた連続紙WPを取り込むとともに、裁断された頁をジョブごとに分けて収納する。カッターユニット25は、連続紙WPを頁ごとに裁断する。
【0043】
印刷ユニット5は、印刷制御装置27を備えている。この印刷制御装置27は、ホストコンピュータ29から受け取った印刷データに基づいて上述した各部を操作し、連続紙WPに対して所定の順序で印刷を行う。印刷制御装置27は、バッファ31と、制御部33と、記憶部35とを備えている。
【0044】
バッファ31は、ホストコンピュータ29からの印刷データを順次に取り込んで記憶するとともに、制御部33の指示に基づいて、取り込んだ順に印刷データを印刷部15へ出力する。制御部33は、バッファ31への印刷データの蓄積を制御したり、バッファ31から印刷データを印刷部15へ出力させて製品となる通常印刷を行わせたり、バッファ31のデータ量を常時監視して、データ量に応じて非製品印刷へ切り換えさせたりする。また、制御部33は、非製品印刷への切り換えを行った際に、頁情報を記憶するとともに、その頁情報をカッターユニット25へ出力する。ここでいう通常印刷は、印刷データに基づく印刷であり、製品となる印刷をいう。非製品印刷は、印刷データに基づかない印刷であり、後述するように、記憶部35に予め記憶されたデータに基づく印刷や、印刷領域には印刷を行わず、印刷領域外に所定の印刷を行うことなどをいう。
【0045】
記憶部35は、印刷部15によるフラッシングのためのデータや、頁マークを表すデータなどの、製品となる印刷データとは異なる非製品用データを予め記憶している。フラッシングは、印刷ヘッド21の吐出孔(不図示)がインクの固化などによって吐出できなくなるのを防止するために、あるいは、吐出できなくなったことを解消するために、印刷時よりも多くの量のインク滴を吐出させてノズル詰まりを解消させる処理である。頁マークを表すデータは、一つの製品を表すジョブ内における頁開始位置を示す頁マークを印刷するためのデータである。
【0046】
なお、上述したバッファ31が本発明における「印刷データ量蓄積手段」に相当し、制御部33が本発明における「印刷データ量監視手段」及び「印刷制御手段」に相当する。
【0047】
次に、図2及び図3を参照する。なお、図2は、印刷制御装置の動作を示すフローチャートであり、図3は、制御の具体例を示すタイムチャートである。
【0048】
ステップS1
バッファ31は、ホストコンピュータ29からの印刷データの蓄積を開始する。
【0049】
ステップS2(判断過程)
制御部33は、バッファ31におけるデータ量を監視し、印刷データのデータ量が所定値以上であるか否かにより、処理を分岐する。データ量が所定値未満であるならば、ステップ2を繰り返して印刷データが蓄積されるのを待ち、データ量が所定値以上であるならば、ステップS3へ移行する。
【0050】
ステップS3(通常印刷過程)
制御部33は、バッファ31の印刷データを出力して製品となる通常印刷を行う。
【0051】
ステップS3a
制御部33は、ホストコンピュータ29から印刷終了の指示がされる等によって処理を終了する。終了でない場合には、次のステップS4へ移行する。
【0052】
ステップS4(判断過程)
制御部33は、バッファ31におけるデータ量を監視し、印刷データのデータ量が所定値以上であればステップS3を繰り返して通常印刷を維持し、所定値未満であればステップS5へ移行する。
【0053】
ステップS5(非製品用印刷)
制御部33は、バッファ31からの印刷データの出力を中断する。さらに、制御部33は、印刷データに代えて記憶部35からフラッシングのためのデータを印刷部15に出力する。これにより非製品用印刷が行われる。
【0054】
ステップS6(判断過程)
制御部33は、バッファ31のデータ量が所定値以上であるか否かに応じて処理を分岐する。所定値以上ある場合には、ステップS7に移行し、所定値未満である場合には、ステップS8に移行する。
【0055】
ステップS7
制御部33は、バッファ31のデータ量が所定値以上である場合には、フラッシングのためのデータ出力を中断するとともに、ステップS3にてバッファ31からの印刷データの出力を再開して通常印刷を再開する。
【0056】
ステップS8
制御部33は、ホストコンピュータ29から印刷処理の終了が指示される等によって処理を終了する。なお、印刷された連続紙WPは、排紙部7に取り込まれるとともに、カッターユニット25により裁断位置CLで裁断される。そして、取り込み収納ユニット23は、通常印刷の頁だけを収納し、非製品用印刷の頁を廃棄する。
【0057】
上述したステップS1は、図3における0時点に相当する。ステップS2,S3は、t2時点〜t6時点までに相当する。なお、ステップS2における所定値は、図3における最大蓄積量Dmである。ステップS4〜S6は、t6時点〜t7時点前に相当する。なお、ステップS4における所定値は、図3における中断データ量Dsであり、ステップS6における所定値は、図3における再開データ量Drである。ステップS7は、t7時点に相当する。通常印刷再開後のステップS3,S4は、t7時点〜t10時点に相当する。これらの印刷処理においては、図3に示すように、非製品印刷中においても連続紙WPの搬送速度を指定搬送速度VDに維持しており、最低搬送速度VLにまで低下させることはない。
【0058】
ここで、図4を参照する。なお、図4は、連続紙の印刷例を示す模式図である。
【0059】
この印刷例における連続紙WPは、所定の順序で製品であるジョブ1が印刷される。ジョブは、同じ印刷物を構成する通常印刷であって同じ製品を表す。この例では、一つのジョブだけであり、ジョブ1と表記している。連続紙WPは、複数の印刷領域PAが搬送方向に設定され、それらの間隔中に裁断位置CLが設定されている。制御部33は、各部を操作して、印刷領域PA内に印刷データによる画像を印刷する。ここでは、各印刷領域PAの下流側に頁マークPMが印刷されている。この頁マークPMは、印刷領域PAの印刷開始側を表し、例えば、カッターユニット25が裁断位置CLを特定するために使用される。非製品印刷が行われた印刷領域PAは、フラッシングパターンFPが印刷される。
【0060】
本実施例によると、制御部33によるバッファ31における印刷データのデータ量の監視の結果、バッファ31のデータ量が所定値以上である場合、制御部33は、印刷ヘッド21にバッファ31から印刷データを出力して通常印刷を行わせる。その一方、バッファ31のデータ量が所定値未満である場合、制御部33は、印刷ヘッド21にバッファ31から印刷データを出力することを中断するとともに、非製品用データを印刷ヘッド21に出力する。これにより、非製品用印刷の間は、バッファ31へ印刷データが蓄積される時間を稼ぐことができる。非製品用印刷は、印刷後の処理において廃棄すればよいので、処理が煩雑にはならない。したがって、印刷データが蓄積される時間を稼ぐために、通常印刷中に連続紙WPの搬送速度を低下させる必要がないので、印刷品質を維持することができる。
【0061】
上記の例は、同一ジョブであるジョブ1の印刷処理時に、非製品用印刷と通常印刷とにおいて同じ指定搬送速度VDで連続紙WPを搬送して印刷を行っている。しかし、非製品用印刷中において印刷速度を低下させるようにしてもよい。ここで、図5及び図6を参照する。なお、図5は、制御の他の具体例を示すタイムチャートであり、図6は、連続紙の他の印刷例を示す模式図である。
【0062】
図5に示すように、制御部33は、t6時点〜t7時点における非製品印刷時に、最低搬送速度VLまで搬送速度を低下させるように各部を操作してもよい。この場合には、非製品用印刷の時だけ搬送速度を低下させるので、図6に示すように、非製品印刷を実施するページ数が少なくなる。したがって、非製品用印刷における連続紙WPの損失を最小限にすることができる。なお、この例における非製品用印刷は、フラッシングパターンFPを描くのではなく、単に頁マークPMだけを印刷している。
【0063】
上記の例は、同一ジョブであるジョブ1の印刷処理を例にとって説明したが、例えば、異なるジョブにまたがる処理において本発明を適用する場合について、図7を参照して説明する。なお、図7は、制御の他の具体例を示すタイムチャートである。
【0064】
この例では、ジョブ1印刷(第1頁)と、ジョブ1印刷(第2頁)に続いて、ジョブ2印刷(第1頁)を実施する場合の処理を示している。この場合において、t6時点〜t7時点において、最低搬送速度VLに搬送速度を遅くさせた状態で非製品印刷を行うのは上述した図5の場合と同様である。この例では、ジョブ1(第2頁)の印刷が終了する前のt9時点から、次のジョブ2(第1頁)の印刷データがバッファ33に蓄積され始め、t11,t12時点において印刷が可能なデータ量となっている。この際に、ジョブ1(第2頁)の印刷が終わったt10時点から、ジョブ2(第1頁)の印刷データが十分にバッファ33に蓄積されるまでのt12時点までは、搬送速度を最低搬送速度VLまで遅くさせた状態で非製品印刷を行うようにすればよい。これにより異なるジョブをまたいだ印刷処理においても、通常印刷中に連続紙WPの搬送速度を低下させる必要がないので、印刷品質を維持することができる。
【0065】
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0066】
(1)上述した実施例では、インクジェット印刷装置1を例にとって説明したが、本発明は、インクジェット式に限定されるものではなく、連続紙WPのように連続した印刷媒体を印刷対象とする印刷装置であれば印刷方式によらず適用することができる。
【0067】
(2)上述した実施例では、連続した印刷媒体として連続紙WPを用いているが、本発明はこのような印刷媒体に限定されるものではない。例えば、他の印刷媒体として、合成樹脂のフィルム、金属箔などが挙げられる。
【0068】
(3)上述した実施例では、非製品用印刷としてフラッシングパターンFPや頁マークPMを行った場合を例にとったが、これら以外、例えば、テストチャートやカラーパターンなどの通常印刷とは異なるものを非製品用印刷とすることができる。
【0069】
(4)上述した実施例では、制御部33が非製品用データを出力した頁情報を記憶しているが、本発明は制御部33が頁情報を記憶することが必須ではない。例えば、非製品用データを出力する際に頁マークPMを通常印刷とは異なるものとし、これを検査部19で識別して非製品用印刷が行われた頁を識別するようにしてもよい。
【0070】
(5)上述した実施例では、排紙部7が取り込み収納ユニット23とカッターユニット25とを備えているが、単に連続紙WPを巻き取るだけのものであってもよい。
【符号の説明】
【0071】
1 … インクジェット印刷装置
WP … 連続紙
3 … 給紙部
5 … 印刷ユニット
7 … 排紙部
11,13 … 駆動ローラ
15 … 印刷部
17 … 乾燥部
19 … 検査部
21 … 印刷ヘッド
23 … 取り込み収納ユニット
25 … カッターユニット
27 … 印刷制御装置
29 … ホストコンピュータ
31 … バッファ
33 … 制御部
35 … 記憶部
Dm … 最大蓄積量
Ds … 中断データ量
Dr … 再開データ量
VD … 指定搬送速度
VL … 最低搬送速度
PA … 印刷領域
CL … 裁断位置
PM … 頁マーク
FP … フラッシングパターン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7