(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る支持体及び発光装置の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については、原則として同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。
【0014】
<第1実施形態>
図1に、本発明の第1実施形態に係る支持体100を平面図で示す。
本形態の支持体100は、発光素子が搭載されるものである。
図1では、発光素子102が搭載されていない状態の支持体100を示している。発光素子102の載置面となる支持体100の平面(上面)には、第1の金属パターン106が形成されている。
図2(a)は、
図1に示す支持体100を側面側から見た図であり、発光素子102が実装される様子を図示している。
図2(b)は、支持体100に発光素子102が搭載された状態で、発光素子102を透過して見た平面図であり、発光素子102の外形及び電極103(103a及び103b)のパターンが点線で示されている。薄墨で示された部分が、支持体の第1の金属パターン106(106a及び106b)と、発光素子102の電極103とが接している部分である。また、
図3は発光素子102が実装された状態における、模式的断面図であり、
図1のA−Aに該当する箇所を示す図である。
図3に図示する矢印は、発光素子から下方向に出射される光を示している。
【0015】
本実施形態では、
図1乃至
図3に示すように、支持体100は略直方体の形状を成しており、発光素子102の搭載面は略正方形とされている。発光素子102の平面視形状は、支持体の発光素子搭載面の形状と略合致する正方形である。支持体100の発光素子載置面には、発光素子102の電極103と接続するための第1の金属パターン106が形成されている。支持体100の各辺の中央部には、内側に向かって凹状となる切欠104が形成されている。この切欠104は、支持体100の上面から底面に貫通するスルーホールを半分に分割した形状(以下、ハーフスルーホールともいう)とされている。
【0016】
第1の金属パターン106は、正極(106a)と負極(106b)に分離されており、発光素子載置面の略中央部に形成された第1の金属パターン106aは、対向する一対の側面のハーフスルーホールに形成される第2の金属パターン108と支持体の角部において接するように突出部を有している。また、第1の金属パターン106aを挟むように、一対の第1の金属パターン106bが形成されている。第1の金属パターン106bは、半円状の形状とされている。また、第1の金属パターン106a、106bの形状は、発光素子102の電極103の形状に対応して形成されており、発光素子102を搭載した場合に、発光素子の電極103a(正極)と103b(負極)が接続される位置に形成されている。この際、
図2(b)に示すように、第1の金属パターン106aは、電極103aよりも平面視したときに小さくなるように形成される箇所を有している。また、第1の金属パターン106bは、電極103bよりも大きく形成されている。
【0017】
図2及び
図3に示すように、支持体100の側面には、第2の金属パターン108が形成されている。第2の金属パターン108は、支持体の発光素子載置面に形成された第1の金属パターンと連続するように形成されている。本実施形態では、
図2(a)に示すように、上面から下面にかけて、ハーフスルーホールの中央部を被覆するようにして第2の金属パターン108が形成されている。
【0018】
発光素子102は、
図3に示すように、第1の金属パターン106に接合部材110を介して接合されている。このとき、接合部材110が第2の金属パターン108の少なくとも一部を被覆するように接合される。
つまり、第1の金属パターン106と、第2の金属パターン108とが、接するように形成されていることから、第1の金属パターン106からはみ出した接合部材110は、支持体の側面に形成された第2の金属パターン108にまで塗れ広がることになり、接合部材110を発光素子載置面ではない面に逃がすことができる。これにより、発光素子102から出射された光が、発光素子載置面にはみ出した接合部材に吸収されることを抑制することができる。なお、吸収されずに下方へ出射された光は、支持体100を搭載する部材に反射部材を設けることで反射させて上方に取り出す構成としても良いし、そのまま下方から光を取り出すような構成としてもよい。
【0019】
支持体100は、絶縁性部材101と、金属パターンとを有しており、接合部材自体の材料の持つ濡れ性の差異から、金属パターンに接合部材110が濡れ広がるように形成されている。発光素子102の直下からはみ出さないような金属パターンを形成すると、接合部材110が発光素子の外側にはみ出すことはなくなるが、余分な接合部材を逃がす場所がないために、接合部材の量のバラツキが接合部材の厚みに影響したり、載置される発光素子102の傾きが発生したり、載置位置がずれたりする原因となる。よって、このような理由からも発光素子の直下から外側へ、接合部材を濡れ広がるようにすることが必要である。
【0020】
なお、発光素子の直下でのみ発光素子と支持体とが接合されている場合には、接合状態を外観で確認することができない。発光素子の直下から接合部材110がはみ出ている場合には、このはみ出しを確認することにより、接合状態を確認することができるため、工程の面からも接合部材110のはみ出しは重要である。
【0021】
本実施形態では、このような塗れ広がりを確保しつつ、発光素子102の出射光が直接当たりやすい箇所には接合部材の濡れ広がり部(はみ出し部)が形成されないようにすることにより、光取出しが高く、しかも、発光素子の傾きや位置ずれ等の問題を抑制可能な支持体とすることができる。
【0022】
(支持体100)
支持体100は、発光素子102を載置する部材であり、いわゆるパッケージ基板やサブマウント等である。直方体、立方体、円柱、角柱等の種々の形状とすることができる。支持体100の上面には、発光素子102を接合するための第1の金属パターン106が形成されており、側面には第2の金属パターン108が形成されている。
支持体100の絶縁部分を形成する絶縁性部材101の材料としては、ガラスエポキシ、樹脂、セラミックスなどが挙げられる。特に、その表面に発光素子102を接合するための金属パターンを比較的容易に形成することができるものが好ましく、そのような材料として、耐熱性および耐候性の高いセラミックスからなることが好ましい。セラミックス材料としては、アルミナ、窒化アルミニウム、ムライトなどが好ましい。なお、セラミックスからなる支持体であっても、セラミックス以外の絶縁性材料からなる絶縁層をその一部に有していてもよい。このような材料としては、例えば、BTレジン、ガラスエポキシ、エポキシ系樹脂等が挙げられる。発光素子102からの熱を適切に放熱するために、熱伝導率が150W/m・K以上であることが好ましい。また、金属部材に絶縁部分を形成しているものであってもよい。
【0023】
第2の金属パターン108が形成された支持体100の側面は、平面視において発光素子102の側面と一致しているか、又は、発光素子102の側面よりも内側に位置していることが好ましい。このようにすることで、接合部材のはみ出し部は、実質的に支持体の上面に形成されないこととなり、発光素子の光が吸収されやすい部分に接合部材110のはみ出し部が存在しないようにすることができる。
なお、「側面と一致している」とは、完全に一致している場合のみならず、平面視したときに、支持体100の側面と発光素子102の側面とが±500μm程度離れているものも含むものとする。また、後述のように支持体の側面に切欠104が形成される場合の支持体の側面の位置は、切欠104が形成される側面(つまり、1つの側面のうち、切り欠かれていない部分)の位置のことをいうものとする。
【0024】
支持体100の側面には、切欠104が形成されており、第2の金属パターンはその切欠104に形成されていることが好ましい。本実施形態では、
図1、
図3に示すように、切欠104の表面に第2の金属パターン108が形成されており、第2の金属パターン108の表面が、搭載される発光素子102の側面よりも内側に位置するように形成されている。このとき、第2の金属パターンは、切欠104のすべてを被覆する必要はない。
【0025】
(切欠104)
支持体100の側面に形成される切欠104は、発光素子102の載置面が切り欠かれるように、少なくとも支持体の発光素子載置面と側面との角部を切り欠いて形成される。このように形成された切欠104の表面に第2の金属パターンを設けることで、接合部材110がこの切欠104に配置される。
切欠104は、
図2に示すように、支持体100の下面にまで貫通していてもよい。そして、下面と接する程度にまで第2の金属パターンを形成することにより、支持体の下面側から電気的接続を取ることが容易にできる。ただし、必ずしもこのように貫通している必要はなく、接合部材のはみ出しを、支持体の側面方向へと導くことができる形状・程度であればどのような切欠であっても良い。
【0026】
なお、切欠104は、
図1に示すように、支持体100の全ての側面に形成されていることが好ましい。発光素子102の近傍の載置面には、接合部材がなるべく配置されないことが好ましいからである。また、同様の理由から、対向する位置に一対以上形成されていることが好ましい。
【0027】
(発光素子102)
支持体100に搭載される発光素子102は、特に限定されず、公知のものを利用できるが、本発明においては、発光素子102として発光ダイオードを用いるのが好ましい。
発光素子は、任意の波長のものを選択することができる。例えば、青色、緑色の発光素子としては、ZnSeや窒化物系半導体(In
XAl
YGa
1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)、GaPを用いたものを用いることができる。また、赤色の発光素子としては、GaAlAs、AlInGaPなどを用いることができる。さらに、これ以外の材料からなる半導体発光素子を用いることもできる。用いる発光素子の組成や発光色、大きさや、個数などは目的に応じて適宜選択することができる。
蛍光体を有する発光装置とする場合には、その蛍光体を効率良く励起できる短波長が発光可能な窒化物半導体(In
XAl
YGa
1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)が好適に挙げられる。半導体層の材料やその混晶度によって発光波長を種々選択することができる。同一面側に正負の電極を有するものであってもよいし、異なる面に正負の電極を有するものであってもよい。
【0028】
本実施形態の発光素子102は、同一面側に正負一対の電極を有するものであり、一対の電極は、導電部材110を介して支持体100の金属パターン106にフリップチップ実装されており、電極の形成された面と対向する面を光取り出し面としている。発光素子102は、透光性のサファイア基板上に窒化物半導体を積層させて形成された発光素子であり、サファイア基板が発光素子102の上面側となり、光取り出し面となる。サファイア基板は窒化物半導体層との接合面に凹凸を有しており、これにより窒化物半導体層から出射された光が、サファイア基板に当たるときの臨界角を意図的に変えて、サファイア基板の外部に光が取り出されやすくすることができる。なお、成長用基板は除去してもよく、例えば、研磨、LLO(Laser Lift Off)等で除去することができる。なお、このような成長用基板はサファイア基板に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
【0029】
本実施形態では、
図2(b)、
図3の模式的断面図に示すように、正の電極103aを挟んで一対の負の電極103bが形成されており、それぞれ接合部材110で第1の金属パターン106a、106bと接続されている。
発光素子102の正の電極103aが接続される第1の金属パターン106a及び負の電極103bが接続される第1の金属パターン106bには、それぞれ支持体の側面に形成される第2の金属パターン108が連続して配置されており、接合部材110が第2の金属パターンに塗れ広がるように形成されている。なお、本実施形態では、発光素子102の電極を、導電性の接合部材110で直接接合するため、第1の金属パターン106及び第2の金属パターン108は、発光素子102に電気を流すための導体配線としての役割も果たしている。
【0030】
(第1の金属パターン106、第2の金属パターン108)
第1の金属パターン106は、発光素子の載置面となる、支持体の上面に形成される。支持体の側面に形成される第2の金属パターンと連続させるため、側面と接する部分に形成される。その形状は、搭載する発光素子の電極等の形状に合わせて適宜変更可能である。
第1の金属パターン106及び第2の金属パターン108の材料は、支持体100の絶縁部材として用いられる材料や製造方法等によって適宜選択することができる。例えば、支持体の絶縁部材の材料としてセラミックを用いる場合は、第1の金属パターン106及び第2の金属パターン108の材料は、セラミックスシートの焼成温度にも耐え得る高融点を有する材料が好ましく、例えば、タングステン、モリブデンのような高融点の金属を用いるのが好ましい。さらに、その上に鍍金等により、別の金属材料を被覆してもよい。
【0031】
また、支持体100の絶縁部材の材料としてガラスエポキシ樹脂等を用いる場合は、第1の金属パターン106及び第2の金属パターン108の材料は、加工し易い材料が好ましく、また、射出成型されたエポキシ樹脂を用いる場合には、第1の金属パターン及び第2の金属パターンの材料は、打ち抜き加工、エッチング加工、屈曲加工等の加工がし易く、かつ、比較的大きい機械的強度を有する部材が好ましい。具体例としては、銅、アルミニウム、金、銀、タングステン、鉄、ニッケル等の金属、または、鉄−ニッケル合金、りん青銅、鉄入り銅、モリブデン等が挙げられる。また、その表面を、さらに金属材料で被覆してもよく、この材料は特に限定されないが、例えば、銀のみ、あるいは、銀と、銅、金、アルミニウム、ロジウム等との高反射率の金属との合金、または、これら、銀や各合金を用いた多層膜等を用いることができる。また、金属材料の形成方法は、鍍金法の他にスパッタ法や蒸着法等を用いることができる。
【0032】
(接合部材110)
接合部材110は、発光素子102の電極103と第1の金属パターン106とを接合するための部材である。具体的な材料としては、Au含有合金、Ag含有合金、Pd含有合金、In含有合金、Pb−Pd含有合金、Au−Ga含有合金、Au−Sn含有合金、Sn含有合金、Au−Ge含有合金、Au−Si含有合金、Al含有合金、Cu−In含有合金、金属とフラックスの混合物等、また、必ずしも導電性の部材を用いる必要はなく、絶縁性のエポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂(樹脂組成物)等を用いることができる。
【0033】
発光素子102をフリップチップ実装する場合には、発光素子102の電極103と第1の金属パターン106とを電気的に接続するために、接合部材110には、導電性の部材が用いられる。また、電気的接続を取る必要がない場合、例えば発光素子の絶縁性基板側を接合する場合には、絶縁性の樹脂等を用いても良い。
また、これらの接合部材110は、単一部材で形成してもよく、あるいは、数種のものを組み合わせて用いてもよい。さらに、特に透光性の接合部材を用いる場合は、その中に発光素子からの光を吸収して異なる波長の光を発光する蛍光部材を含有させることもできる。
【0034】
(発光素子の接合)
発光素子102と、第1の金属パターン106との接合方法の一例を示す。本実施形態においては、
図2に示すように、発光素子102の電極と、第1の金属パターンとを対向配置して、接合部材(図示しない)を介して接合される。このとき、発光素子の底面からはみ出す程度の量の接合部材を用い、第2の金属パターンにまで接合部材を被覆させる。
【0035】
例えば、接合部材としてAu−Snペーストを用いる場合、支持体100の第1の金属パターン106上にAu−Snペーストからなる接合部材を塗布し、その上に発光素子102を載置する。このとき、発光素子102の電極に予め接合部材を塗布しておき、第1の金属パターン上に載置してもよい。その後、加熱することで金属接合部材を溶融させる。なお、支持体の絶縁部材と第1の金属パターンとが、濡れ性の差を有する場合、例えば、絶縁材料がセラミックであるような場合は、セラミック部分では金属接合部材が弾かれ、第1の金属パターンに沿って塗れ広がる。また、接合部材を塗布する場合に、第1の金属パターンと絶縁部材とを覆うように1箇所に接合部材を塗布して過熱溶融させても、濡れ性の差により、接合部材は複数の第1の金属パターンのそれぞれに分離する。
【0036】
さらに、溶融した金属接合材料は、第1の金属パターンと連続して形成された、第2の金属パターンにまで塗れ広がる。このように、第1の金属パターンと第2の金属パターンとが被覆されていることにより、発光素子と支持体との接合強度も高くすることができ、接合部材の厚みのバラツキも抑制することができる。また、このように支持体の側面に位置する第2の金属パターンに接合部材のはみ出し部(接合部材の延在部)を逃がすことで、接合部材のはみ出し部に発光素子からの光が当たらないように形成されており、はみ出し部に当たって光が吸収されることを抑制することができる。
【0037】
接合部材110は、第2の金属パターン108の少なくとも一部を被覆していれば良く、第2の金属パターン108の全てを覆っている必要はない。
【0038】
(第3の金属パターン)
さらに、本実施形態に係る支持体100には、任意で、
図3に示すように、支持体の下面には第2の金属パターンと連続して形成される第3の金属パターン114が形成されていてもよい。このように支持体100の下面に金属パターンが形成されていると、支持体100をさらに別の基材等に実装し、その基材との電気的接続を容易に取ることができる。
【0039】
<第2実施形態>
本実施形態に係る支持体200を、
図4乃至
図6に示す。
図4は、発光素子102が搭載されていない状態の支持体200であり、
図5は、
図1に示す支持体200を側面から見た図であり、発光素子102が実装される様子を図示している。また、
図6は発光素子102が実装された状態における、模式的断面図であり、
図4のB−Bに該当する箇所を示す図である。
【0040】
本実施形態では、支持体200の各辺の中央部に、内側に向かって凹状となる切欠204が形成されており、支持体200の上面から底面に貫通する半円形状とされている。この凹状とされる部分に金属部材115が埋め込まれて、支持体200の側面が平坦とされている。
図4において、第1の導電パターン206は薄墨で示されており、その上からハッチングで示されている箇所が、金属部材115が埋め込まれている箇所、すなわち切欠204の形成されている箇所である。金属部材115は、支持体200の発光素子載置面及び側面と表面が略面一になるように形成されている。第2実施形態では、発光素子載置面に露出された金属部材115が第1の金属パターン206の一部となり、支持体200の側面に露出した金属部材115が第2の金属パターン208となる。このように、切欠204を金属部材で埋めることにより、金属パターンの厚みを厚くすることができ、支持体200の電気抵抗を下げることができる。
その他以下で説明する点を除いては、第1実施形態と同様である。
【0041】
(第1の金属パターン206、第2の金属パターン208)
本実施形態において、切欠204に埋め込まれる金属部材115の材料としては、第1実施形態に示した金属パターンと同様の材料を使用することができる。
【0042】
このような切欠204及び金属部材115は、例えば、複数の支持体が縦横に連結された集合基板に、貫通若しくは非貫通の孔を設け、その孔に金属部材を埋め込み、金属部材の表面(第1の金属パターン206となる部分)を分割するようにして、支持体を個片に分割することで形成することができる。これにより、支持体200の側面と金属部材115の端面(第2の金属パターン208)とが略面一となり、支持体の発光素子載置面には第1の金属部材206が露出し、第1及び第2の金属部材が連続して形成された支持体を得ることができる。つまり、このように作製すると、金属部材115の切断面が第2の金属パターン208となる。さらに、露出された金属部材に別の金属材料を被覆してもよい。なお、金属部材115の形状は、半円柱に限らず、例えば、角柱や三角柱であってもよい。つまり、それに対応する切欠も半円形状に限らず、V字状や凹状であってもよい。
【0043】
このようにして形成された支持体200の第1の金属パターン206に、
図5及び
図6に示すように、接合部材110を介して発光素子102の電極103を接合する。
本実施形態の支持体200によれば、金属部材が埋め込まれているため、電気抵抗を下げることができ、放熱特性も良好とすることができる。
また、実施形態1と同様に、接合部材110による光吸収を低減することができ、光取り出し効率を向上させることができる等、第1実施形態と同様の効果を有する。
【0044】
<第3実施形態>
第3実施形態として、
図7に本発明の支持体を用いた発光装置300を示す。
図7(a)は発光装置を上から見た平面図、
図7(b)はC−C模式的断面図である。
第1実施形態で説明した、発光素子が搭載された支持体100を、基材112に搭載し、支持体100及び発光素子102を覆うように被覆部材120が形成されている。
【0045】
(基材)
基材112は、支持体100を搭載して電気的に接続を取ることができるものであれば、どのようなものであっても良い。
具体的な材料としては、支持体100の絶縁部分を形成する材料と同様であり、ガラスエポキシ、樹脂、セラミックスなどの絶縁性部材が挙げられる。また、絶縁部材を形成した金属であってもよい。支持体と同じ材料からなるものであると、熱膨張係数が同等であることから、接合部にクラック等が生じにくく好ましい。また、支持体と同一部材により、基材が支持体をその一部として備えて、一体的に形成されていてもよい。
【0046】
基材112の形状は平板状であっても良いし、キャビティを有していても良い。
図7に示す例では、基材112は、平面視が発光素子102と相似形状の略正方形の外形を有しており、円状のキャビティを有している。基材のキャビティを形成する壁部の上端よりも支持体の上面のほうが高く突出するような形で、支持体100が搭載されている。支持体の下面には、第3の金属パターン114が形成されており、基材112のキャビティの底面に形成された導電パターン117と接合され、電気的に接続されている。さらに、導電パターン117は、基材112の裏面の外部電極118a、118bとビア119により電気的に接続されている。なお、
図7(b)の模式的断面図においては、支持体の下部に形成される金属パターンは双方とも負極とされており、負の外部電極118bと接続されている。一方、発光素子の正の電極は、支持体の表面及び基材の表面に形成されるパターンにより、正の外部電極118aと接続されている(図示しない)。
【0047】
さらに、本実施形態では、キャビティ底面の導電パターン117を被覆するように、光反射性部材116が配置されている。これにより、第2の金属パターンに接合部材を被覆させることで、接合部材に吸収されずにキャビティ底面方向へと向かう光を反射し、光取り出しをより向上させることができる。
【0048】
(光反射性部材)
光反射性部材116は、発光素子102から照射された光を効率よく反射する部材であり、光吸収が少なく、光や熱に強い絶縁材料が好ましい。具体的な材料としては、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂等を挙げることができる。このような材料に加え、所望に応じて着色剤、光拡散剤、フィラー、蛍光部材等を含有させることもできる。このように、樹脂材料で形成する場合、導電パターン117を覆うように、キャビティに樹脂材料を充填することで容易に形成することができる。また、導電パターン117のみならず、第2の金属パターン108や、接合部材110をも覆うように形成することで、光取り出し効率をさらに向上させることができる。
【0049】
また、光反射性部材116は、無機材料であってもよい。具体的には、光反射性のフィラーを電着塗装等することで導電パターン117、第2の金属パターン108、接合部材110等を被覆しても良い。
【0050】
以上のように、本実施形態の発光装置によれば、支持体100に搭載された発光素子102からの光を接合部材110で殆ど吸収することがなく、さらに基板112に搭載して基板のキャビティの底面を光反射性部材116で覆うことにより、より光取り出し効率の良い発光装置とすることができる。また、支持体及び基材の少なくとも一部を覆う被覆部材120の形状を
図7に示すような半球状のレンズ形状とする等、適宜調整することにより、所望の配光とすることができる。なお、被覆部材120は、発光素子の光を外部に取り出すことが可能な部材であれば特に限定されない。キャビティを封止する透光性の封止材料や、中空のレンズ、カバー等も被覆部材120として好適に用いることができる。また、レンズの種類も所望の配光に応じて適宜選択することができる。
【0051】
<第4実施形態>
第4実施形態として、
図8に本発明の支持体を用いた発光装置400を示す。
図8(a)は発光装置を上から見た平面図、
図8(b)はD−D模式的断面図である。
発光装置400は、発光素子102が上下に一対の電極を有する発光素子であり、上面に形成された電極と、基材に形成された導電パターン117とを導電性ワイヤ122により接続している点、また、キャビティ内に光反射性部材を有さずに、導電パターン117の表面を光反射率の高い材料(例えば、銀、金、ロジウム等)で被覆している以外は第3実施形態と実質的に同じであり、同様の効果を得ることができる。
【0052】
<第5実施形態>
第5実施形態として、
図9に本発明の支持体を用いた発光装置500を示す。
図9(a)は発光装置を上から見た平面図、
図9(b)はE−E模式的断面図である。
発光装置500は、発光素子102が同一面側に一対の電極を有する発光素子であり、絶縁性基板を載置面として支持体の第1の金属パターンに搭載されている点、発光素子102上面の電極と基材の導電パターン117とを導電性ワイヤ122により接続している点以外は第3実施形態と実質的に同じである。なお、第1の金属パターンは、正、負どちらの電位も持たない構成とされている。本実施形態の発光装置500も、第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0053】
<第6実施形態>
第6実施形態として、
図10に本発明の支持体を用いた発光装置600を示す。
図10(a)は発光装置を上から見た平面図、
図10(b)はF−F模式的断面図である。本実施形態では、導電パターン117、第2の金属パターン108及び接合部材110が光反射性部材116により被覆されている。本実施形態では、光反射性部材116として樹脂材料を用いている。さらに
図10(b)に示すように発光素子の下面まで光反射性部材116で被覆することにより、第1の金属パターン106及び第1の金属パターン106と接合された発光素子の電極を、光反射性部材116に埋設することができる。平坦な面に発光素子が実装されている場合、樹脂材料の這い上がりにより、発光素子の下面と略同一の高さで光反射部材を止めることは難しいが、本実施形態のようにキャビティを有する基板112のキャビティ内に支持体100を設けることで、第1金属パターン106、第2金属パターン108及びこれらの金属パターン上に形成される接合部材110の全てを光反射性部材116で覆うことが容易となり、光取り出し効率をより向上させることができる。
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また、この光反射性部材116はアンダーフィルを兼ねることもできるため、熱衝撃による被覆部材120の膨張ストレスからダイス剥がれを抑制することができる。さらに、被覆部材120成形時のダイス下からのボイド混入を抑制することができる。なお、光反射性部材116の配置箇所以外は第3実施形態と実質的に同じであり、同様の効果を得ることができる。