特許第6371191号(P6371191)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6371191
(24)【登録日】2018年7月20日
(45)【発行日】2018年8月8日
(54)【発明の名称】ICチップ
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/28 20060101AFI20180730BHJP
   G01R 19/165 20060101ALI20180730BHJP
   G01R 31/3185 20060101ALI20180730BHJP
   G01R 31/28 20060101ALI20180730BHJP
【FI】
   G06F1/28 D
   G01R19/165 Z
   G01R31/28 W
   G01R31/28 B
【請求項の数】12
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-213021(P2014-213021)
(22)【出願日】2014年10月17日
(65)【公開番号】特開2016-81347(P2016-81347A)
(43)【公開日】2016年5月16日
【審査請求日】2017年7月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】303046277
【氏名又は名称】旭化成エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】井口 和之
【審査官】 征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−119127(JP,A)
【文献】 特開平02−002964(JP,A)
【文献】 特開平06−130092(JP,A)
【文献】 米国特許第05450362(US,A)
【文献】 特開平06−051016(JP,A)
【文献】 特開平01−181225(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F1/28
H03K17/00−17/70
H03K19/00−19/082;19/094−19/096
G01R19/00−19/32;31/28−31/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電圧が予め定められた基準電圧より高いか否かを検出する電圧検出回路
電源端子及び前記電圧検出回路に接続され、前記電源端子から供給される電源電圧により作動し、前記電圧検出回路の検出結果によりモード遷移する電子回路と、
を備え、
前記電圧検出回路は、
前記電源端子とは別の端子であり、前記入力電圧が入力される入力端子と、
前記電源電圧は供給されず、前記入力電圧から第1電圧を出力する第1電圧生成部と、
前記電源電圧は供給されず、前記入力電圧から第2電圧を出力する第2電圧生成部と、
前記第1及び第2電圧に応じて、前記入力電圧が前記基準電圧より高いか否かを判定する判定部と、
有するICチップ
【請求項2】
前記第1電圧生成部は、前記入力電圧を抑圧して前記第1電圧を出力し、
前記第2電圧生成部は、前記入力電圧を降圧して前記第2電圧を出力する、請求項1に記載のICチップ
【請求項3】
前記第1電圧生成部は、前記入力電圧が第1閾電圧より高い場合に、前記入力電圧に対して一定の前記第1電圧を出力する、請求項2に記載のICチップ
【請求項4】
前記第1電圧生成部は、前記第1閾電圧に絶対値の等しい負電圧を閾電圧とするデプレッション型のトランジスタを有し、該トランジスタのドレインに前記入力電圧が入力され、前記トランジスタのソースから前記第1電圧が出力される、請求項3に記載のICチップ
【請求項5】
前記第1電圧生成部は、さらに、前記トランジスタのソースから電流を引き出す電流素子を有し、
前記電流素子は、電流源、抵抗素子、及び前記第2電圧がゲートに入力されるMOSトランジスタのうちの少なくとも1つである、請求項4に記載のICチップ
【請求項6】
前記第2電圧生成部は、前記入力電圧が第2閾電圧より高い場合に、前記入力電圧に応じて増大する前記第2電圧を出力する、請求項3から5のいずれか一項に記載のICチップ
【請求項7】
前記第2電圧生成部は、前記第2閾電圧を閾電圧とする整流素子及び抵抗素子のうちの少なくとも一方の素子を有し、該一方の素子の一端に前記入力電圧が入力され、前記一方の素子の他端から前記第2電圧が出力される、請求項6に記載のICチップ
【請求項8】
前記第2電圧生成部は、さらに、前記一方の素子の他端に接続される容量素子を有する、請求項7に記載のICチップ
【請求項9】
前記第2閾電圧は、前記第1閾電圧に等しい又はより高い、請求項6〜8のいずれか一項に記載のICチップ
【請求項10】
前記第1閾電圧及び前記第2閾電圧は、前記基準電圧より低い、請求項6〜9のいずれか一項に記載のICチップ
【請求項11】
前記判定部は、前記第1電圧及び前記第2電圧の一方により作動し、前記第1電圧及び前記第2電圧の他方を入力とするインバータを有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載のICチップ
【請求項12】
前記基準電圧は、前記電源電圧より高い、請求項1〜11のいずれか一項に記載のICチップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電圧検出回路およびICチップに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路には、例えば集積回路の診断をおこなう機能、性能を試験する機能等、通常動作時に発揮する機能と異なる機能が搭載されることがある。このような集積回路は、モード設定信号を入力することにより、目的の機能を発揮するモードに設定又は移行される。モード設定信号の電圧は集積回路を作動するための電源電圧より高く設定されることがあり、その場合には、その高い電圧のモード設定信号を検出する電圧検出回路が集積回路に設けられる。
【0003】
例えば特許文献1及び2には、電源電圧を供給するための電源端子と異なる入力端子からモード設定信号を入力し、そのモード設定信号の電圧(入力電圧)が電源電圧より高い場合に集積回路を試験モードに移行する電圧検出回路及びこれを搭載した半導体記憶装置が開示されている。
特許文献1 特開2003−109385号公報
特許文献2 特開平11−353899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、これら従来の電圧検出回路では、高い入力電圧の検出基準が電源電圧、或いは電源電圧に依存するその他のリファレンス電圧であるので、電源電圧の不安定性によりモード設定信号を誤検出するおそれがある。例えば、電源電圧の投入直後においては、電源電圧は時間とともに増大し、投入から一定時間遅れて通常時の電圧に安定する。従って、モード設定信号ではない入力電圧が電源電圧の投入に先立って入力された場合等においても、入力電圧が通常時の電源電圧より低いにもかかわらずモード設定信号として誤って検出されることがある。
【0005】
そこで、本発明は、モード設定信号の電圧、すなわち入力電圧が検出基準より高いか否かを誤ることなく検出するICチップを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様においては、入力電圧が予め定められた基準電圧より高いか否かを検出する電圧検出回路であって、電源電圧が供給される電源端子と、電源端子とは別の端子であり、入力電圧が入力される入力端子と、電源電圧は供給されず、入力電圧から第1電圧を出力する第1電圧生成部と、電源電圧は供給されず、入力電圧から第2電圧を出力する第2電圧生成部と、第1及び第2電圧に応じて、入力電圧が基準電圧より高いか否かを判定する判定部と、を備える電圧検出回路を提供する。
【0007】
本発明の第2の態様においては、第1の態様の電圧検出回路と、電源端子及び電圧検出回路に接続され、電源電圧により作動し、電圧検出回路の検出結果によりモード遷移する電子回路と、を備えるICチップ提供する。
【0008】
本発明の第3の態様においては、入力電圧が予め定められた基準電圧より高いか否かを検出する電圧検出回路であって、入力電圧を降圧して被検電圧を出力する電圧生成部と、入力電圧をスケーリングして判定電圧を生成し、この判定電圧及び被検電圧に応じて、入力電圧が基準電圧より高いか否かを判定する判定部と、を備える電圧検出回路を提供する。
【0009】
本発明の第4の態様においては、入力電圧が予め定められた基準電圧より高いか否かを検出する電圧検出回路であって、入力電圧を入力として第1電圧を出力する第1電圧出力部と、入力電圧が入力される入力端子にアノードが接続された整流素子を有し、この整流素子のカソードから第2電圧を出力する第2電圧生成部と、第1及び第2電圧に応じて、入力電圧が基準電圧より高いか否かを判定する判定部と、を備える電圧検出回路を提供する。
【0010】
本発明の第5の態様においては、入力電圧及び電源電圧がそれぞれ入力される入力端子及び電源端子と、入力端子に接続された第3又は第4の態様の電圧検出回路と、電源端子及び電圧検出回路に接続され、電源電圧により作動し、電圧検出回路の検出結果によりモード遷移する電子回路と、を備えるICチップを提供する。
【0011】
本発明の第6の態様においては、電源電圧が供給される電源端子と、接地電位が供給される接地端子と、通常動作時に信号を入力、出力、又は、入出力する信号端子と、を備えるICチップにおいて、信号端子に、電源電圧よりも高い電圧を入力してテストモードに遷移させてICチップをテストするICチップのテスト方法を提供する。
【0012】
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本実施形態に係る電圧検出回路の概略構成を示す。
図2図2は、電圧検出回路の詳細構成を示す。
図3図3は、入力電圧VINに対する参照電圧V、被検電圧V、判定電圧V、出力電圧DETHIGH_Nの変化を示す。
図4図4は、電圧検出回路の変形構成を示す。
図5図5は、入力電圧VINの投入に対する参照電圧V、被検電圧V、判定電圧V、出力電圧DETHIGH_Nの時間変化を示す。
図6図6は、変形例に係る電圧検出回路の概略構成を示す。
図7図7は、変形例に係る電圧検出回路の詳細構成を示す。
図8図8は、変形例に係る電圧検出回路における入力電圧VINに対する参照電圧V、被検電圧V、判定電圧VL2、出力電圧DETHIGH_Nの変化を示す。
図9図9は、電圧検出回路を備えるICチップの構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0015】
図1は、本実施形態に係る電圧検出回路100の概略構成を示す。電圧検出回路100は、入力電圧VINが基準電圧より高いか否かを検出する回路であり、電源電圧の変動等に依存せずに基準電圧より高い入力電圧を検出することを目的とする。電圧検出回路100は、入力端子42、第1電圧生成回路10、第2電圧生成回路20、判定回路30、及び出力端子44,46を備える。
【0016】
入力端子42は、入力電圧VINが入力される端子である。入力端子42は、電圧検出回路100に接続され、これに加えて通常動作の場合に用いられる回路に接続されてもよい。
【0017】
第1電圧生成回路10は、入力端子42に接続され、入力端子42から入力される入力電圧VINが後述する第1閾電圧より高い場合に、入力電圧VINに対して一定の参照電圧Vを出力する。
【0018】
第2電圧生成回路20は、入力端子42に接続され、入力端子42から入力される入力電圧VINが後述する第2閾電圧より高い場合に、入力電圧VINに応じて増大する被検電圧Vを出力する。
【0019】
判定回路30は、第1及び第2電圧生成回路10,20に接続され、それらから出力される参照電圧V及び被検電圧Vに応じて入力電圧VINが基準電圧より高いか否かを判定し、その結果を出力する。
【0020】
出力端子44は、判定回路30に接続され、判定回路30から出力される判定結果DETHIGH_Nを出力する。判定結果は、後述するように、入力電圧VINが基準電圧Vrefより低い場合、DETHIGH_N=V、高い場合、DETHIGH_N=GND(ゼロ)となる。
【0021】
出力端子46は、第1電圧生成回路10に接続され、第1電圧生成回路10から出力される参照電圧Vを出力する。
【0022】
図2は、電圧検出回路100、特に第1電圧生成回路10、第2電圧生成回路20、及び判定回路30の詳細構成を示す。
【0023】
第1電圧生成回路10は、入力電圧VINを抑圧して参照電圧Vを出力する回路であり、MOSトランジスタ12及び電流源14を備え、入力電圧VINをMOSトランジスタ12の閾電圧により制限した参照電圧Vを出力する。なお、抑圧とは、回路素子の閾効果(閾電圧)等を利用して電圧を抑えることを意味する。ただし、基準電圧Vrefの近傍の入力電圧VINに対して、これを一定電圧に抑えればよい。
【0024】
MOSトランジスタ12として、例えば、デプレッション型のnチャネルMOSトランジスタを採用する。MOSトランジスタ12は、負の閾電圧Vth_NDEP(<0)を有する。MOSトランジスタ12のドレインは入力端子42に接続され、ゲート及びバルク(バックゲート)はグランド電位に接続(接地)され、ソースは第1電圧生成回路10の出力端となる。すなわち、出力端(ソース)は出力端子46に接続する。
【0025】
なお、第1電圧生成回路10は、第1電圧生成部の一例であるとともに第1電圧出力部の一例でもある。
【0026】
電流源14は、設計により予め定められた量の電流を流し、これによって接続された素子に電流を流す電流素子である。電流源14は、MOSトランジスタ12のソースとグランド電位との間に接続され、MOSトランジスタ12のソースからグランド電位に向けて一定量の電流を引き出す。それにより、MOSトランジスタ12がソースフォロアとして機能し、入力電圧VINが閾電圧(第1閾電圧とも呼ぶ)−Vth_NDEPより高い場合に、ソースに、入力電圧VINをレギュレートして一定圧に抑圧された参照電圧Vを生成する。参照電圧Vは、後述する判定回路30に出力される。
【0027】
なお、第1閾電圧(−Vth_NDEP)は高い入力電圧の検出基準となる基準電圧Vrefより低く定めることとする。それにより、基準電圧Vrefを含む入力電圧VINの変動範囲において一定の参照電圧Vが生成される。また、MOSトランジスタ12のバルクはソースに接続してもよい。電流源14の電流値は、入力リーク電流を抑えるため、小さいことが望ましい。
【0028】
第2電圧生成回路20は、入力電圧VINを降圧して被検電圧Vを出力する回路であり、MOSトランジスタ22,24及び抵抗素子26を備える。なお、降圧とは、回路素子の閾効果、分圧効果等を利用して電圧を下げることを意味する。ただし、基準電圧Vrefの近傍の入力電圧VINに対して、これを一定電圧分或いは一定比率下げればよい。
【0029】
MOSトランジスタ22,24として、例えば、それぞれpチャネルのMOSトランジスタ(pMOSトランジスタ)及びnチャネルのMOSトランジスタ(nMOSトランジスタ)を採用する。MOSトランジスタ22は、ゲートとドレインが接続されることによりダイオード接続され、ソース及びバルクは入力端子42に接続されている。
【0030】
MOSトランジスタ24は、ゲートとドレインが接続されることによりダイオード接続され、ドレイン(及びゲート)はMOSトランジスタ22のドレイン(及びゲート)に接続され、バルクはグランド電位に接続されている。なお、MOSトランジスタ24のバルクはソースに接続してもよい。MOSトランジスタ24のソースは、第2電圧生成回路20の出力となる。
【0031】
抵抗素子26は、MOSトランジスタ24のソースとグランド電位との間に接続されている。
【0032】
上述の構成の第2電圧生成回路20において、それぞれダイオード接続されて直列するMOSトランジスタ22,24は、入力端子42にアノードが接続され、抵抗素子26にカソードが接続された整流素子として機能する。ここで、整流素子は、カソードからアノードに対して正の閾電圧Vth_Diode(>0)を有し、入力端子42から抵抗素子26に向けて整流する。それにより、入力電圧VINが閾電圧(第2閾電圧とも呼ぶ)Vth_Diodeより高い場合に、ダイオードの閾電圧分の電圧降下を生じることにより、MOSトランジスタ24のソースに、入力電圧VINをレギュレートして、すなわち第2閾電圧に等しい電圧分降圧して、入力電圧VINに応じて増大する被検電圧Vが生成される。被検電圧Vは、後述する判定回路30に出力される。
【0033】
なお、第2閾電圧(Vth_Diode)は基準電圧Vrefより低く定めることとする。それにより、基準電圧Vrefを含む入力電圧VINの変動範囲において入力電圧VINを模擬する被検電圧Vが生成される。また、MOSトランジスタ22,24の閾電圧(Vth_Diode)は、MOSトランジスタ12の閾電圧の絶対値(−Vth_NDEP)に等しい又はより高いことが望ましい。それにより、被検電圧Vが増大する第2閾電圧(Vth_Diode)以上の入力電圧VINに対して参照電圧Vが一定であることから、基準電圧Vrefを容易に定めることができる。また、MOSトランジスタ22,24の閾電圧(Vth_Diode)は、入力リーク電流を抑えるのに適当な大きさに定めることとする。また、抵抗素子26の抵抗値は、入力リーク電流を抑えるため、大きいことが望ましい。
【0034】
判定回路30は、参照電圧V及び被検電圧Vに応じて入力電圧VINが基準電圧Vrefより高いか否かを判定する回路であり、一例として、MOSトランジスタ32,34を備える。MOSトランジスタ32,34として、例えば、それぞれpNMOSトランジスタ及びnNMOSトランジスタを採用する。MOSトランジスタ32のソース及びバルクは第1電圧生成回路10の出力(MOSトランジスタ12のソース)に接続され、ゲートは第2電圧生成回路20の出力(MOSトランジスタ24のソース)に接続されている。なお、バルクは、入力端子42に接続してもよい。MOSトランジスタ34のドレインはMOSトランジスタ32のドレインに接続され、ゲートは第2電圧生成回路20の出力に接続され、ソース及びバルクはグランド電位に接続されている。なお、MOSトランジスタ32,34のドレインは判定回路30の出力端になり、出力端子44に接続する。
【0035】
上述の構成の判定回路30において、直列するMOSトランジスタ32,34は、第1電圧生成回路10から出力される参照電圧Vにより作動し、互いに接続されたMOSトランジスタ32,34のゲートを入力ゲートとし、第2電圧生成回路20から出力される被検電圧Vを入力とするインバータとして機能する。ここで、インバータは、参照電圧Vより定まる判定電圧Vを有する。それにより、判定回路30は、被検電圧Vが判定電圧Vより低い場合に互いに接続されたMOSトランジスタ32,34のドレインに参照電圧Vを生成し、高い場合にゼロ電圧GNDを生成する。判定回路30は、これら生成された電圧を判定結果DETHIGH_Nとして出力する。
【0036】
なお、判定電圧Vは、参照電圧VとMOSトランジスタ32,34のトランジスタサイズによって一意にスケーリングされる。スケーリング倍率は、1以下である。すなわち、判定電圧Vは、参照電圧Vに1以下の定数を乗じた電圧値をとってよい。判定電圧V(スケーリング倍率)は、入力端子42からモード設定信号(に対応する入力電圧VIN)が入力された際に条件V>Vを満たすように、定めることとする。つまり、条件V=Vを満たす被検電圧Vを生成する入力電圧VINが基準電圧Vrefとなる。それにより、入力電圧VINが基準電圧より高いか否かを判定することが可能となる。
【0037】
図3は、電圧検出回路100における入力電圧VINに対する参照電圧V(第1電圧生成回路10の出力)、被検電圧V(第2電圧生成回路20の出力)、判定電圧V、及び判定結果(判定回路30の出力電圧)DETHIGH_Nの電圧値の変化を示す。図中、第1閾電圧−Vth_NDEP、第2閾電圧Vth_Diode、及び基準電圧Vrefが横軸に示されている。
【0038】
参照電圧Vは、入力電圧VINが第1閾電圧(−Vth_NDEP)より低い場合(VIN≦−Vth_NDEP)、入力電圧VINとともに増大し(V=VIN)、高い場合(VIN>−Vth_NDEP)、MOSトランジスタ12がソースフォロワとして機能することで抑圧されて、一定となる(V=−Vth_NDEP)。
【0039】
被検電圧Vは、入力電圧VINが第2閾電圧(Vth_Diode)より低い場合(VIN≦Vth_Diode)、MOSトランジスタ22,24が閉じているためゼロ電圧(V=0)となり、高い場合(VIN>Vth_Diode)、MOSトランジスタ22,24が開くことでその閾電圧によりレギュレート(降圧)され、入力電圧VINに応じて増大する(V=VIN−Vth_Diode)。
【0040】
判定電圧Vは、参照電圧Vのスケーリング(スケーリング倍率1以下)であり、参照電圧Vと同様に振舞う。なお、基準電圧Vrefに等しい入力電圧VINに対して、被検電圧Vが判定電圧Vに等しくなる。
【0041】
判定結果DETHIGH_Nは、入力電圧VINが基準電圧Vrefより低い場合(VIN<Vref)、被検電圧Vが判定電圧Vより小さいため、参照電圧Vに等しくなり(DETHIGH_N=V)、高い場合(VIN≧Vref)、被検電圧Vが判定電圧Vより大きいため、ゼロ電圧(GND)になる(DETHIGH_N=GND)。
【0042】
以上に示したように、本実施形態の電圧検出回路100は、入力電圧VINが第1閾電圧(−Vth_NDEP)より高い場合に入力電圧VINを抑圧して一定の参照電圧Vを出力する第1電圧生成回路10、入力電圧VINが第2閾電圧(Vth_Diode)より高い場合に入力電圧VINを降圧して、入力電圧VINに応じて増大する被検電圧Vを出力する第2電圧生成回路20、及び参照電圧V及び被検電圧Vに応じて入力電圧VINが基準電圧Vrefより高いか否かを判定する判定回路30を備える。第1閾電圧を基準電圧Vrefより低く定めることで、第1閾電圧より高い入力電圧VINに対して、一定の参照電圧V又はこれをスケーリングして得られる判定電圧Vを基準電圧Vrefに対応する参照電圧として用いることができる。また、第2閾電圧を基準電圧Vrefより低く定めることで、第2閾電圧より高い入力電圧VINに対して、これに応じて増大する被検電圧Vを入力電圧VINに対応する被検電圧として用いることができる。それにより、入力電圧VINのみから生成される参照電圧V及び被検電圧Vに応じて、入力電圧VINが基準電圧Vrefより高いか否かを検出することが可能となる。
【0043】
また、本実施形態の電圧検出回路100は、入力電圧VINのみから参照電圧V及び被検電圧Vを生成するので、集積回路を作動するための電源電圧等、入力電圧VIN以外の電圧を必要としない。それにより、電源電圧等の不安定性、或いは電源電圧等との投入順序による入力電圧VINの誤検出を防止することができる。
【0044】
なお、第1閾電圧(−Vth_NDEP)、第2閾電圧(Vth_Diode)、判定電圧V(スケーリング倍率)は、基準電圧Vrefに応じて適当に定めることとする。
【0045】
また、本実施形態では、第1電圧生成回路10が備えるMOSトランジスタ12をソースフォロアとして機能するために、ソースから一定量の電流を引き出す電流源14を接続したが、電流源14に代えて抵抗素子を接続してもよい。抵抗素子によりMOSトランジスタ12のソースから電流が引き出されることで、MOSトランジスタ12がソースフォロアとして機能する。ただし、抵抗素子の抵抗値は、リーク電流を抑えるために高いことが望ましい。
【0046】
また、本実施形態では、第2電圧生成回路20において、それぞれダイオード接続されたMOSトランジスタ22,24を直列して整流素子を構成したが、ダイオード接続されたMOSトランジスタ22,24の一方のみを使用してもよいし、ダイオード接続されたMOSトランジスタ22,24又はそれらの一方を複数直列してもよい。また、MOSトランジスタ22,24に代えてダイオードを使用してもよい。それにより、入力電圧VINが整流素子の閾電圧より高い場合に、入力電圧VINに応じて増大する被検電圧Vが生成される。また、MOSトランジスタ22,24に代えて抵抗素子を使用してもよい。入力電圧VINが分圧され、それに応じて増大する被検電圧Vが生成される。
【0047】
また、本実施形態では、判定回路30は、MOSトランジスタ32のソースを第1電圧生成回路10の出力に接続し、MOSトランジスタ32,34のゲートを第2電圧生成回路20の出力に接続して、第1電圧生成回路10から出力される参照電圧Vにより作動し、第2電圧生成回路20から出力される被検電圧Vを入力とするインバータとして機能するよう構成したが、これに限らず、逆に、MOSトランジスタ32のソースを第2電圧生成回路20の出力に接続し、MOSトランジスタ32,34のゲートを第1電圧生成回路10の出力に接続して、第2電圧生成回路20から出力される被検電圧Vにより作動し、第1電圧生成回路10から出力される参照電圧Vを入力とするインバータとして機能するよう構成してもよい。
【0048】
また、図4に示すように、第2電圧生成回路20において、抵抗素子26に並列に、MOSトランジスタ24のソースとグランド電位との間に容量素子(コンデンサ)28を接続してもよい。それにより、入力電圧VINの急峻な変化に伴う被検電圧Vのオーバーシュート等の過渡応答を抑えることで、誤検出を防止することができる。容量素子28は、コンデンサに限らず、トランジスタを用いて構成してもよい。
【0049】
また、図4に示すように、電流源14に代えてMOSトランジスタ16を用いて第1電圧生成回路10を構成してもよい。MOSトランジスタ16として、例えば、nMOSトランジスタを採用する。MOSトランジスタ16のドレインはMOSトランジスタ12のソースに接続され、ゲートは第2電圧生成回路20の出力(MOSトランジスタ24のソース)に接続され、ソース及びバルクはグランド電位に接続される。MOSトランジスタ16のゲートに被検電圧Vが入力されることで、MOSトランジスタ12のソースからグランド電位に向けて一定量の電流が引き出され、MOSトランジスタ12がソースフォロアとして機能する。その結果、MOSトランジスタ12のソースに、入力電圧VINをレギュレートして一定圧に抑圧された参照電圧Vが生成される。MOSトランジスタ16のトランジスタサイズは、入力リーク電流を抑制するために適当なサイズに選択することとする。
【0050】
図5は、図4の電圧検出回路における、入力電圧VINの投入に対する参照電圧V、被検電圧V、判定電圧V、出力電圧DETHIGH_Nの時間変化を示す。ただし、入力電圧VINは、時間ゼロにて投入後、基準電圧Vref以上の高い電圧値まで時間とともに増大するものとする。
【0051】
参照電圧Vは、第1閾電圧(−Vth_NDEP)より低い入力電圧VINに対して入力電圧VINに等しい(V=VIN)ため、入力電圧VINが第1閾電圧に達する時間Tth1まで、入力電圧VINの増大に伴って時間とともに増大する。参照電圧Vは、第1閾電圧より高い入力電圧VINに対してMOSトランジスタ12のソースフォロアによってレギュレートされるため、入力電圧VINが第1閾電圧に達した時間Tth1以後、一定圧(−Vth_NDEP)に抑圧される。
【0052】
被検電圧Vは、第2閾電圧(Vth_Diode)より低い入力電圧VINに対してMOSトランジスタ22,24が閉じるため、入力電圧VINが第2閾電圧に達する時間Tth2まで、ゼロ電圧(V=0)となる。被検電圧Vは、第2閾電圧より高い入力電圧VINに対してMOSトランジスタ22,24が開くため、入力電圧VINが第2閾電圧に達した時間Tth2以後、入力電圧VINの増大に伴って時間とともに増大する。ただし、容量素子28により過渡応答が抑えられるため、被検電圧Vは入力電圧VINの増大に対して緩やかに増大する。
【0053】
判定電圧Vは、参照電圧Vのスケーリング(スケーリング倍率1以下)であり、参照電圧Vと同様に振舞う。
【0054】
判定結果DETHIGH_Nは、時間Tまで、被検電圧Vが判定電圧Vに達しないため参照電圧Vに等しくなり(DETHIGH_N=V)、時間T以後、被検電圧Vが判定電圧Vを超えるためゼロ電圧(GND)になる(DETHIGH_N=GND)。
【0055】
以上に示したように、図4の電圧検出回路によれば、容量素子28により被検電圧Vの応答特性を抑えることで、入力電圧VINの急峻な変化に伴う被検電圧Vの過渡応答が抑えられ、誤検出を防止することができる。
【0056】
図6は、変形例に係る電圧検出回路110の概略構成を示す。電圧検出回路110は、先述の電圧検出回路100と同様に、入力電圧VINが基準電圧より高いか否かを検出する回路であり、電源電圧の変動等に依存せずに基準電圧より高い入力電圧を検出することを目的とする。電圧検出回路110は、入力端子42、電圧生成回路20、判定回路30、及び出力端子44,46を備える。
【0057】
入力端子42は、入力電圧VINが入力される端子である。
【0058】
電圧生成回路20は、入力端子42に接続され、入力端子42から入力される入力電圧VINが閾電圧より高い場合に、入力電圧VINに応じて増大する被検電圧Vを出力する。
【0059】
判定回路30は、入力端子42及び電圧生成回路20に接続され、入力端子42から入力される入力電圧VINをスケーリングして判定電圧VL2を生成し、判定電圧VL2と電圧生成回路20から出力される被検電圧Vとに応じて入力電圧VINが基準電圧より高いか否かを判定し、その結果を出力する。
【0060】
出力端子44は、判定回路30に接続され、判定回路30から出力される判定結果DETHIGH_Nを出力する。
【0061】
出力端子46は、入力端子42に接続され、入力電圧VINを出力する。
【0062】
図7は、電圧検出回路110、特に第2電圧生成回路20及び判定回路30の詳細構成を示す。
【0063】
電圧生成回路20は、先述の電圧検出回路100における電圧生成回路20と同様に構成されている。
【0064】
判定回路30も、先述の電圧検出回路100における判定回路30と同様に構成されている。ただし、MOSトランジスタ32のソース及びバルクは入力端子42に接続されている。それにより、判定回路30を構成するMOSトランジスタ32,34は、入力電圧VINにより作動し、電圧生成回路20から出力される被検電圧Vを入力とするインバータとして機能する。ここで、インバータは、入力電圧VINをスケーリングして定まる判定電圧VL2を有する。それにより、判定回路30は、被検電圧Vが判定電圧VL2より低い場合に判定結果DETHIGH_N=VIN、高い場合にDETHIGH_N=GNDを出力する。なお、条件V=VL2を満たす被検電圧Vを生成する入力電圧VINが基準電圧Vrefとなる。
【0065】
なお、電圧検出回路110において、入力端子42を判定回路30のMOSトランジスタ32のソース及びバルクに短絡する部分は第1電圧出力部の一例でもある。
【0066】
図8は、電圧検出回路110における入力電圧VINの強度に対する被検電圧V(電圧生成回路20の出力)、判定電圧VL2、及び判定結果(判定回路30の出力電圧)DETHIGH_Nの強度の変化を示す。図中、閾電圧Vth_Diode、及び基準電圧Vrefが横軸に示されている。
【0067】
被検電圧Vは、入力電圧VINが閾電圧(Vth_Diode)より低い場合(VIN≦Vth_Diode)、MOSトランジスタ22,24が閉じているためゼロ電位(V=0)となり、高い場合(VIN>Vth_Diode)、MOSトランジスタ22,24が開くことでその閾電圧によりレギュレート(降圧)され、入力電圧VINに応じて増大する(V=VIN−Vth_Diode)。
【0068】
判定電圧VL2は、入力電圧VINのスケーリングであり(スケーリング倍率1以下)、入力電圧VINに比例して増大する(VL2∝VIN)。なお、基準電圧Vrefに等しい入力電圧VINに対して、被検電圧Vが判定電圧VL2に等しくなる。
【0069】
判定結果DETHIGH_Nは、入力電圧VINが基準電圧Vrefより低い場合(VIN<Vref)、被検電圧Vが判定電圧VL2より小さいため、入力電圧VINに等しくなり(DETHIGH_N=VIN)、高い場合(VIN≧Vref)、被検電圧Vが判定電圧VL2より大きいため、ゼロ電圧(GND)になる(DETHIGH_N=GND)。
【0070】
図9は、先述の電圧検出回路100又は変形例に係る電圧検出回路110を備えるICチップ200の構成を示す。ICチップ200は、モード設定信号を入力することで試験モード等の目的のモードに移行する集積回路(デジタル回路)が組み込まれたチップであり、電源端子122、信号端子124、信号処理回路130、電圧検出回路100(110)、反転論理素子140、抵抗素子150、及びデジタル回路160を備える。
【0071】
電源端子122は、信号処理回路130及びデジタル回路160を作動させるための電源電圧VDDが供給される端子である。
【0072】
信号端子124は、電源端子122と独立の端子であり、モード設定信号及び後述する信号処理回路130に入力される信号が入力される。なお、信号端子124は、モード設定信号のみが入力される専用端子としてよい。また、信号を入力するだけでなく、信号処理回路130からの信号を出力する、或いは入出力する端子としてもよい。
【0073】
なお、接地電位が供給される接地端子をさらに備えることとしてもよい。
【0074】
信号処理回路130は、信号端子124及び電源端子122が接続され、電源端子122から供給される電源電圧VDDにより作動し、信号端子124から入力される信号を処理する。ここで、信号処理回路130は、通常モード、すなわち入力電圧VINが基準電圧Vref以下の場合に作動する通常動作用の回路であってよい。
【0075】
電圧検出回路100(110)は、入力電圧VINが基準電圧Vrefより高いか否かを検出してその結果DIGITAL_N(=DETHIGH_N)を出力する。電圧検出回路100(110)の入力端子42に信号端子124が接続され、電源電圧VDDが入力される電源端子から独立している。
【0076】
反転論理素子140は、先述の判定回路30と同様に2つのMOSトランジスタ142,144を用いて構成されたインバータである。反転論理素子140は、電圧検出回路100(110)の出力端子44,46(44,48)に接続されている。反転論理素子140は、電圧検出回路100(110)の出力端子46(48)から出力される参照電圧V(入力電圧VIN)により作動し、出力端子44から出力される判定結果DIGITAL_N(=DETHIGH_N)を入力とするインバータとして機能する。すなわち、反転論理素子140は、電圧検出回路100(110)の出力DIGITAL_Nを論理反転して、出力信号DIGITALを生成する。
【0077】
なお、反転論理素子140の構成は、インバータに限定されるものではない。また、反転論理素子140は、電圧検出回路100(110)からの出力V(VIN)に限らず、電源電圧VDD或いは別の電源電圧により作動するよう構成してもよい。また、反転論理素子140は、電圧検出回路110(110)に含めて構成してもよい。
【0078】
抵抗素子150は、反転論理素子140の出力端とグランド電位との間に接続されている。抵抗素子150の抵抗値は、反転論理素子140の出力端からのリーク電流を抑制するために高いことが望ましい。
【0079】
デジタル回路160は、電源端子122及び反転論理素子140の出力端に接続され、電源端子122から供給される電源電圧VDDにより作動し、反転論理素子140から出力される出力信号DIGITAL、すなわち電圧検出回路100(110)から出力される判定結果DIGITAL_Nの論理反転が入力され、出力信号DIGITALがV(VIN)に等しい場合に診断モード、試験モード等の目的のモードに設定又は移行される。そして、デジタル回路160は、当該診断モード/試験モードが設定されたことに応じて、ICチップ200内の回路を診断又は試験する。ICチップ200は、モード設定に応じて、通常機能と異なる別の機能を提供してもよい。
【0080】
なお、デジタル回路160は、信号処理回路130に含めて構成してもよい。また、ICチップ200は信号処理回路130を備えなくてもよい。また、反転論理素子140の出力信号DIGITALの論理値はV(VIN)であるため、反転論理素子140とデジタル回路160との間に論理値をデジタル回路160の電圧レベルにシフトするレベルシフタを設けてもよい。
【0081】
上述の構成のICチップ200によると、入力電圧VIN及び基準電圧Vrefがデジタル回路160を作動する電源電圧VDDから独立しており、電圧検出回路100(110)により電源電圧VDDに依存することなく入力電圧VINが基準電圧Vrefより高いか否かを検出し、その結果を入力することでデジタル回路160を誤ることなくモード遷移することができる。また、電源電圧VDDを広い範囲で変動するデジタル回路160のテストが可能になる。
【0082】
なお、基準電圧Vrefは、電源電圧VDDよりも高く定めることとする。それにより、電源電圧VDDに依存するノイズが基準電圧Vrefに含まれても、誤ることなくデジタル回路をモード遷移することができる。また、基準電圧Vrefは、モード設定信号に対応する入力電圧VINに対して低く定めることとする。
【0083】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0084】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。本明細書によれば、以下の各項目に記載の事項もまた開示される。
[項目1]
入力電圧が予め定められた基準電圧より高いか否かを検出する電圧検出回路であって、
電源電圧が供給される電源端子と、
前記電源端子とは別の端子であり、前記入力電圧が入力される入力端子と、
前記電源電圧は供給されず、前記入力電圧から第1電圧を出力する第1電圧生成部と、
前記電源電圧は供給されず、前記入力電圧から第2電圧を出力する第2電圧生成部と、
前記第1及び第2電圧に応じて、前記入力電圧が前記基準電圧より高いか否かを判定する判定部と、
を備える電圧検出回路。
[項目2]
前記第1電圧生成部は、前記入力電圧を抑圧して前記第1電圧を出力し、
前記第2電圧生成部は、前記入力電圧を降圧して前記第2電圧を出力する、項目1に記載の電圧検出回路。
[項目3]
前記第1電圧生成部は、前記入力電圧が第1閾電圧より高い場合に、前記入力電圧に対して一定の前記第1電圧を出力する、項目2に記載の電圧検出回路。
[項目4]
前記第1電圧生成部は、前記第1閾電圧に絶対値の等しい負電圧を閾電圧とするデプレッション型のトランジスタを有し、該トランジスタのドレインに前記入力電圧が入力され、前記トランジスタのソースから前記第1電圧が出力される、項目3に記載の電圧検出回路。
[項目5]
前記第1電圧生成部は、さらに、前記トランジスタのソースから電流を引き出す電流素子を有し、
前記電流素子は、電流源、抵抗素子、及び前記第2電圧がゲートに入力されるMOSトランジスタのうちの少なくとも1つである、項目4に記載の電圧検出回路。
[項目6]
前記第2電圧生成部は、前記入力電圧が第2閾電圧より高い場合に、前記入力電圧に応じて増大する前記第2電圧を出力する、項目3から5のいずれか一項に記載の電圧検出回路。
[項目7]
前記第2電圧生成部は、前記第2閾電圧を閾電圧とする整流素子及び抵抗素子のうちの少なくとも一方の素子を有し、該一方の素子の一端に前記入力電圧が入力され、前記一方の素子の他端から前記第2電圧が出力される、項目6に記載の電圧検出回路。
[項目8]
前記第2電圧生成部は、さらに、前記一方の素子の他端に接続される容量素子を有する、項目7に記載の電圧検出回路。
[項目9]
前記第2閾電圧は、前記第1閾電圧に等しい又はより高い、項目6〜8のいずれか一項に記載の電圧検出回路。
[項目10]
前記第1閾電圧及び前記第2閾電圧は、前記基準電圧より低い、項目6〜9のいずれか一項に記載の電圧検出回路。
[項目11]
前記判定部は、前記第1電圧及び前記第2電圧の一方により作動し、前記第1電圧及び前記第2電圧の他方を入力とするインバータを有する、項目1〜10のいずれか一項に記載の電圧検出回路。
[項目12]
項目1〜11のいずれか一項に記載の電圧検出回路と、
前記電源端子及び前記電圧検出回路に接続され、前記電源電圧により作動し、前記電圧検出回路の検出結果によりモード遷移する電子回路と、
を備えるICチップ。
[項目13]
前記基準電圧は、前記電源電圧より高い、項目12に記載のICチップ。
[項目14]
入力電圧が予め定められた基準電圧より高いか否かを検出する電圧検出回路であって、
前記入力電圧を降圧して被検電圧を出力する電圧生成部と、
前記入力電圧をスケーリングして判定電圧を生成し、該判定電圧及び前記被検電圧に応じて、前記入力電圧が前記基準電圧より高いか否かを判定する判定部と、
を備える電圧検出回路。
[項目15]
入力電圧が予め定められた基準電圧より高いか否かを検出する電圧検出回路であって、
前記入力電圧を入力として第1電圧を出力する第1電圧出力部と、
前記入力電圧が入力される入力端子にアノードが接続された整流素子を有し、該整流素子のカソードから第2電圧を出力する第2電圧生成部と、
前記第1及び第2電圧に応じて、前記入力電圧が前記基準電圧より高いか否かを判定する判定部と、
を備える電圧検出回路。
[項目16]
前記第1電圧出力部は、前記入力端子にドレインが接続された負の閾電圧を有するデプレッション型のトランジスタを有し、該トランジスタのソースから第1電圧を出力する、項目15に記載の電圧検出回路。
[項目17]
入力電圧及び電源電圧がそれぞれ入力される入力端子及び電源端子と、
前記入力端子に接続された項目14〜16のいずれか一項に記載の電圧検出回路と、
前記電源端子及び前記電圧検出回路に接続され、前記電源電圧により作動し、前記電圧検出回路の検出結果によりモード遷移する電子回路と、
を備えるICチップ。
[項目18]
前記基準電圧は、前記電源電圧より高い、項目17に記載のICチップ。
[項目19]
電源電圧が供給される電源端子と、接地電位が供給される接地端子と、通常動作時に信号を入力、出力、又は、入出力する信号端子と、を備えるICチップにおいて、
前記信号端子に、前記電源電圧よりも高い電圧を入力してテストモードに遷移させて前記ICチップをテストするICチップのテスト方法。
【符号の説明】
【0085】
10…第1電圧生成回路、12…MOSトランジスタ、14…電流源、16…MOSトランジスタ、20…第2電圧生成回路(電圧生成回路)、22…MOSトランジスタ、24…MOSトランジスタ、26…抵抗素子、28…容量素子、30…判定回路、32…MOSトランジスタ、34…MOSトランジスタ、42…入力端子、44…出力端子、46…出力端子、100…電圧検出回路、110…電圧検出回路、122…電源端子、124…信号端子、130…信号処理回路、140…反転論理素子、142…MOSトランジスタ、144…MOSトランジスタ、150…抵抗素子、160…デジタル回路、200…ICチップ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9