(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記下地層そのものの三次元形状を特定するとともに、前記撮像データについて当該三次元形状による色の陰影成分を除去する画像処理を行う平坦画像取得部をさらに備え、
前記膜厚演算部は、
前記平坦画像取得部が、前記撮像データから陰影成分を除去した後の画像データから推定される前記複数の媒体層ごとの吸収係数に基づいて、当該複数の媒体層の膜厚を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の計測装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態に係る計測装置について、図面を参照して説明する。
図1は、第1の実施形態に係る計測装置の機能構成を示す図である。この図において、符号1は計測装置である。
図1に示すように、計測装置1は、計測処理部10、光照射部11、及び撮像部12を備えている。計測装置1は、下地層90表面に積層された各媒体層911、912、913の膜厚を、光学的手段により計測する計測装置である。
【0019】
図1に示すように、計測装置1が計測の対象とする計測対象物9は、下地層90と、その表面に積層された各媒体層911、912、913からなる。ここで想定する計測対象物9とは、例えば、水彩絵の具で描画された絵画等である。この場合、媒体層911〜913とは、それぞれ異なる色の水彩絵の具の原料(顔料)であり、下地層とは、この顔料で絵画が描かれた紙そのものである。
計測装置1は、この計測対象物9の下地層90が平面である場合に、その平面に対して均一な、白色に対応する波長の光を照射し、撮像部12において取得される各波長の光の反射光に基づいて取得される撮像データに基づいて、各媒体層911、912、913の膜厚を計測する。
【0020】
計測処理部10は、計測装置1全体の動作を制御する。具体的には、計測処理部10は、後述する光照射部11、撮像部12に所定の制御信号を出力しながら、光照射部11による光照射処理、撮像部12による撮像処理等を制御する。また、計測処理部10は、撮像部12が取得した計測対象物9の撮像データに基づいて、媒体層911〜913の膜厚を計測するための各種演算処理を行う。計測処理部10の更に詳細な機能構成については後述する。
【0021】
光照射部11は、平面である下地層90に対して均一な照明の光を計測対象物9へ向けて照射する。具体的には、
図1に示すように、光照射部11は、例えば、複数の光源110、111、112のそれぞれから照射される照射光を組み合わせて、下地層90の平面に対して均一に照射光を照射する。また、各光源110、111、112は、分光分布特性が平坦な白色に対応する波長の光を出射する。各光源110、111、112は、例えば、標準白色版などを用いて、分光分布特性が平坦な光を出射するように校正されている。
なお、
図1に示す光照射部11は、例として、3つの光源110、111、112を組み合わせたものとしているが、光照射部11は、下地層90の平面に対して均一な光を照射できる構成であれば、4つ以上の複数の光源を組み合わせたものであってもよいし、単一の光源で構成されるものであってもよい。
【0022】
撮像部12は、光照射部11が計測対象物9へ向けて照射した照射光の、計測対象物9における反射光を集光して、計測対象物9の色を表す撮像データを取得する。撮像部12は、内部に図示しない分光器を有していて、光照射部11が照射する白色光の反射光を異なる3つ以上の波長λ1、λ2、λ3、・・・λn(nは3以上の整数)の光に分光し、当該波長λ1、λ2、λ3、・・・λnの光ごとに、各々に基づくn個の撮像データを取得する。
取得された撮像データは、直ちに、計測処理部10内に備えられた記憶領域に記憶される。ここで「色」とは3つ以上の波長からなる分光反射率を示す。以下、分光反射率を「色」として記載する。
【0023】
なお、本実施形態においては、カメラ(撮像部12)側に分光器(図示せず)をつけて分光する後分光方式を用いるものとして説明しているが、他の実施形態においては、光源を分光してモノクロカメラで撮影する前分光方式を用いてもよい。この場合、光照射部11が上述した3つ以上の異なる波長λ1、λ2、λ3、・・・λnそれぞれからなる光を照射する。
【0024】
図2は、第1の実施形態に係る計測処理部の機能構成を示す図である。
次に、計測処理部10の各機能部について、
図2を参照しながら詳細に説明する。
図2に示すように、計測処理部10は、CPU(Central Proccess Unit:中央演算装置)100、操作部106、表示部107、外部インターフェイス108、及び、記憶部109を備えている。
【0025】
CPU100は、計測処理部10全体の動作を司る機能部であって、予め用意された所定のプログラムを読み込ませて実行することで種々の機能を発揮する。
操作部106は、例えばキーボード、マウス、タッチパネル等から構成され、各種操作の入力を受け付ける。
表示部107は、例えば液晶ディスプレイ等であって、オペレータの操作を促す画像、計測対象物9の撮像データを示す画像、後述する各演算処理に基づく演算結果や計測データを示す画像などを表示する。
外部インターフェイス108は、光照射部11、撮像部12と情報の送受信を行う接続インターフェイスである。
記憶部109は、撮像データ等の種々の情報が格納される記憶領域である。記憶部109は一般的な記憶手段、例えばHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の大容量記憶デバイスで構築される。
計測処理部10は、以上のような機能構成に基づく汎用のPC(Personal Computer)であってよい。なお、計測処理部10は、上述した内容以外の他の機能構成を備えるものであってもよい。
【0026】
CPU100は、所定の膜厚計測用アプリケーションプログラムを実行することで、撮像制御部101、基本色取得部102、撮像データ解析部103、膜厚演算部104としての機能を発揮する(
図2)。
【0027】
撮像制御部101は、光照射部11および撮像部12の動作を制御する。撮像制御部101は、例えば、光照射部11に対して光源110、111、112から照射光を照射するように指示するとともに、撮像部12が取得したその反射光に基づく撮像データを取得する。これにより、計測処理部10は、計測対象物9の各波長の光ごとの撮像データを取得することができる。
【0028】
基本色取得部102は、取得した計測対象物9の撮像データから、下地層90そのものの色を示す下地色情報、及び、膜厚の計測対象となる各媒体層911〜913そのものの色を示す媒体色情報
のうち、取得可能ないずれか一方を取得する。
ここで「そのものの色」とは、所定の白色光の下、下地層90及び各媒体層911〜913それぞれが、他の色と交じり合うことなく撮像データに取得される色を指す。
以下、下地色と媒体色を総称して「基本色」とも記載し、下地色情報と媒体色情報を総称して「基本色情報」とも記載する。
基本色取得部102の具体的な処理については後述する。
【0029】
撮像データ解析部103は、撮像部12に取得された撮像データを読み出して、各種画像解析を行う。例えば、撮像データ解析部103は、下地層90と媒体層911〜913とを分離するとともに、媒体層911〜913の各地点における不透明度を算出する解析処理を行う。また、撮像データ解析部103は、所定のパラメータフィッティング(回帰分析処理)に基づいて、媒体層911〜913の光の吸収係数を推定する。
【0030】
膜厚演算部104は、撮像データ解析部103による撮像データの解析結果に基づいて、計測対象物9における媒体層911〜913の膜厚を二次元的に取得する。膜厚演算部104の具体的な処理については後述する。
【0031】
図3は、第1の実施形態に係る撮像部が取得する計測対象物の撮像データの例である。
図3に示すように、撮像部12が撮像する計測対象物9は、下地層90に異なる媒体層911〜913が積層されている。上述したように、撮像部12は、光照射部11が有する光の反射光を集光、分光して撮像する。取得した撮像データは、一般的な画像データと同様に、マトリクス状に配される複数の画素の集合により構成される。撮像データは、各画素それぞれが画素色情報(異なる波長の反射光の強度に対応する数値の組み合わせ。分光データともいう)を有して、全体として一の画像を形成する。
なお、撮像部12が撮像データを取得した段階では、各媒体層911〜913それぞれの吸収係数は未知である。
【0032】
以下、図面を参照しながら計測処理部10の処理について詳細に説明する。
【0033】
図4は、第1の実施形態に係る基本色取得部の処理を説明する図である。
基本色取得部102は、表示部107に撮像データ(
図3)を表示するとともに、上述した下地色情報、及び、媒体色情報
のうち、取得可能な何れか一方を取得するためのオペレータの操作を受け付ける。
具体的には、基本色取得部102は、撮像部12が取得した撮像データを表示部107に表示させながら、操作部106を介して、オペレータの撮像データに対する領域指定操作を受け付ける。
ここで、領域指定操作とは、オペレータが撮像データを目視で確認しながらマウス操作等に基づいて、媒体層911〜913そのものの色が撮像されている領域、及び、下地層90そのものの色が撮像されている領域を含むような領域を指定する操作をいう。
例えば、
図4に示すように、オペレータは、撮像データの媒体層911が積層されている領域のうち、下地層90の色と混じらずに媒体層911そのものの色が撮像されている部分である媒体色特定点P1を目視で確認しながら、当該媒体色特定点P1を含むようなサンプル領域R1を指定する操作を行う。
同様に、オペレータは、異なる複数の媒体層912,913についても同様に、媒体色特定点P2、P3を含むようなサンプル領域R2、R3をそれぞれ指定する操作を行う。また、オペレータは、媒体層911〜913が積層されていない部分を目視で確認しながら、下地そのものの色が表されている部分を特定する。
【0034】
図5は、第1の実施形態に係る撮像データ解析部の処理を説明する図である。
撮像データ解析部103は、画素色情報(各波長の分光データ)に基づいて、基本色取得部102が指定したサンプル領域に含まれる画素ごとの色空間内における座標点を特定する。
具体的には、撮像データ解析部103は、例として、
図5に示すような、縦、横、高さ、のそれぞれに波長λ1,波長λ2,波長λ3の各パラメータのそれぞれを当てはめた色空間内において、画素ごとに、当該画素の画素色情報(各波長λ1、λ2、λ3の分光データ)に基づいた座標点を特定する。なお、色空間内の座標軸は、縦、横、高さの3つに限定されることはなく、分光した波長(λ1、λ2、λ3、λ4・・・)の数に応じて4軸以上の軸をもって表されるものであってよい。
【0035】
例えば、サンプル領域R3(
図4)に含まれる画素それぞれの色空間内における座標点の集合は、
図5の破線に示すような座標点の集合を形成する。すなわちサンプル領域R3は、媒体層913そのものの色を示す特定点P3とともに、下地層90の色と媒体層913の色とが交じり合った中間色を示す画素を含んでいる。したがって、サンプル領域R3内の各画素は、色空間内において、媒体層913そのものの色を示す座標点(特定点P3に対応する座標点)から、下地層90そのものの色を示す座標点(特定店P0に対応する座標点)までの間をなだらかに結ぶような座標点の集合を形成する(
図5)。
同様に、サンプル領域R1、R2内の各画素は、同一の色空間内においてそれぞれに対応する座標点の集合を形成する。
【0036】
各画素の上記色空間内における座標点の集合は、下地色情報及び媒体色情報で示される座標点が含まれている(
図5)。したがって、その下地色情報及び媒体色情報で示される座標点の間を連続的に結ぶ座標点の集合に対応する画素の色は、下地そのものの色と媒体層そのものの色が所定の比率で混合された中間色であると推定される。
ここで、下地色情報の各波長成分を(B1,B2,B3)とし、これらを総称してBcと置く。同様に、媒体色情報の各波長成分を(F1,F2,F3)とし、これらを総称してFcと置く。さらに、画素色情報の各波長成分を(I1,I2,I3)とし、これらを総称してIcと置く。
このとき、下地色情報Bcと媒体色情報Fcそれぞれが示す色が所定の比率で混合された中間色を示す画素色情報Icは、Lambert-Beerに基づく層状表面2層の式より、その混合の度合いを示すパラメータφcに基づいて、以下の式(1)で表すことができる。
【0038】
ここでφcは、0≦φc≦1を満たす数値であり、光の波長(λ1,λ2,λ3)ごとに特定される数値である。例えば、波長λ1に対応するφ1は、I1=(1-φ1)B1+φ1・F1を満たす。このφcを媒体層911〜913の不透明度φcと呼ぶ。この不透明度φcは、後述するように、吸収係数μcと媒体層911〜913の膜厚dに依存する。
撮像データ解析部103は、各画素がいずれの集合に属するかを特定することで、画素ごとに下地層90に積層されている媒体層911〜913の別を特定し、その画素ごとの不透明度φcを算出する。
【0039】
さらに、撮像データ解析部103は、下地色情報及び媒体色情報を含む所定のモデル関数を予め保持している。撮像データ解析部103は、このモデル関数に対し、色空間内における座標点の集合に基づくパラメータフィッティング(回帰分析処理)を行うことで、媒体層911〜913それぞれの吸収係数の比を推定する吸収係数推定部としての機能を有する。具体的には、撮像データ解析部103は、基本色取得部102により媒体色情報Fcが既知となった場合において、サンプルデータである画素色情報Icとの関係を示す関数の式(1)を式(2)、(3)のように変換し、この式(2)、(3)から、非線形最小二乗法Levenberg-Marquardt法を用いて吸収係数μcの比を示す所定のパラメータγ
1,γ
2を推定する。
【0041】
ここで、式(2)のG
1,G
2およびγ
1,γ
2は、式(3)のように表される。
【0043】
なお、撮像データ解析部103は、基本色取得部102により下地色情報Bcが既知となった場合においては、関数の式(1)を式(4)、(5)のように変形する。計測の都合によってどちらを使ってγ
1,γ
2を推定しても同じである。
【0046】
式(2)におけるμ1、μ2、μ3は、媒体層911〜913の顔料固有の特性である光の波長ごとの吸収係数である。以下、μ1、μ2、μ3を総称してμcとも記載する。
式(2)、(3)は、下地色情報Bc(B1,B2,B3),媒体色情報Fc(F1,F2,F3),及び、吸収係数μc(μ1,μ2,μ3)をパラメータとした画素色情報Ic(I1,I2,I3)の関連性を示す関数となっている。ここで、画素色情報Icは、撮像部12により、撮像データを構成する画素ごとに取得されている。また、下地色情報Bc及び媒体色情報Fc
のうちのいずれか一方のみが基本色取得部102により既知となっている。
【0047】
撮像データ解析部103は、上述の関数(式(2)、(3))を色空間内にプロットされた各座標点の集合について上記非線形最小二乗法でフィッティングさせて、波長ごとの吸収係数μcの比を推定する処理を行う。ここで、波長ごとの吸収係数μcの比とは、具体的には式(3)におけるγ1,γ2の値である。
具体的には、撮像データ解析部103は、例えば未知のパラメータ(γ1,γ2)を含む式(2)、(3)の関数により色空間内に導出される未知の曲線C(
図5)に対し、サンプル領域R3に含まれる画素の集合(
図5の破線に囲まれた座標点の集合)に基づく上記非線形最小二乗法を用いたパラメータフィッティングを行う。この曲線Cを描く関数のパラメータは
、下地層90そのものの色(下地色情報Bc)及び媒体層913そのものの色(媒体色情報Fc)
(これらのうちいずれか一方が既知)と、未知の値である媒体層913の吸収係数μc(γ1,γ2)からなる。よって、撮像データ解析部103は、上記非線形最小二乗法により曲線Cを一意に特定することで、媒体層913における吸収係数μcの比(γ1,γ2)を推定することができる。
撮像データ解析部103は、さらに、色空間内にプロットされた別の集合についても、上述した非線形最小二乗法に基づく最適化手法を行い、媒体層911〜913それぞれの吸収係数μcの比(γ1,γ2)を推定する。具体的には、推定された媒体層911〜913それぞれの曲線生成し、各曲線のどれ一番近いかによって、どの曲線に属するかを判別する。
【0048】
図6は、第1の実施形態に係る膜厚演算部の処理を説明する図である。
膜厚演算部104は
、撮像データ解析部103が推定した媒体層911〜913ごとの吸収係数μcの比(γ1,γ2)に基づいて、媒体層911〜913の膜厚を算出する。具体的には、膜厚演算部104は
、不透明度φcと、吸収係数μc及び膜厚dと、の間に成り立つ関係式に基づいて膜厚dを算出する。
【0049】
ここで、半透明物体を通る光の透過度は、減衰因子(吸収係数μc)と物質内を通る光路長を掛け合わせたものを指数とする指数関数によって表されることを示すLambert-Beer則によれば、不透明度φcは、式(1)より式(6)のように表される。
【0051】
ここで、
既知となっているのは下地色情報Bc及び媒体色情報Fcのうちのいずれか一方のみなので、式(1)から直接、不透明度φc(φ1,φ2,φ3)を導き出すことはできない(φ1,φ2,φ3は未知)。他方、媒体層911〜913それぞれの吸収係数μ1、μ2、μ3は、同じく撮像データ解析部103により、その比γ1,γ2が推定されている。ここで、膜厚演算部104は、不透明度φ1、φ2、φ3及び吸収係数μ1、μ2、μ3ごとに式(6)の等式を膜厚dについて解く処理を行う。
具体的には、膜厚演算部104は、A=μc×dと置き、μc=A/|A|を算出する。ここでφc、μcは、それぞれ波長ごとに特定される不透明度(φ1,φ2,φ3)、吸収係数(μ1,μ2,μ3)からなるベクトル量とみなすことができる。また、Aも(d×μ1,d×μ2,d×μ3)からなるベクトル量とみなすことができる。
上記の2つの関係式が成り立つということは(μ12+μ22+μ32)1/2=1が成り立つ。
膜厚演算部104は、φcを単位ベクトルとして正規化
((φ12+φ22+φ32)1/2=1)することで、μc=A/|A|を算出する。ここで|A|は、(d×μ1,d×μ2,d×μ3)の各成分の二乗の和の平方根で与えられる。
そして膜厚演算部104は、γ1,γ2からμcを特定し、d=|A|を算出することができる。
以上のように、膜厚演算部104は、波長ごとの吸収係数の比(γ1,γ2)と、下地層そのものの色及び媒体層911〜913そのものの色の混合の度合いを示す不透明度φcと、の関係に基づいて、複数の媒体層911〜913の膜厚dを画素ごとに算出する。
そして膜厚演算部104は、
図6に示すような、下地層90を基準(膜厚=0)として、その上に積層された媒体層911〜913の膜厚を取得する。
【0052】
図7は、第1の実施形態に係る計測処理部の処理フローを示す図である。
次に、上述した計測処理部10が備える各機能部による処理フローを、
図7を参照しながら順を追って説明する。
図7に示す処理フローは、計測装置1の所定の位置に計測対象物9をセットし、オペレータが実際に計測を開始する時点からの処理の流れである。
【0053】
まず、計測処理部10の撮像制御部101は、操作部106を介して、オペレータによる計測開始の操作入力を受け付けると、光照射部11及び撮像部12を制御して、撮像データを取得する(ステップS1)。具体的には、撮像制御部101は、光照射部11の各光源(光源110、光源111、光源112)から対応する波長の照射光を照射させるとともに、撮像部12にその反射光に基づいて分光された撮像データを取得させる処理を行う。撮像部12は、直ちに取得した撮像データを記憶部109に記憶させる。
【0054】
次に、基本色取得部102は、取得された撮像データから基本色情報を取得する処理を行う(ステップS2)。具体的には、まず基本色取得部102は、表示部107に撮像データ(
図3)を表示するとともに、基本色情報(下地色情報
及び媒体色情報
のうち取得可能な何れか一方)及びサンプル領域を取得するためのオペレータの操作を受け付ける。オペレータは、撮像データを目視で確認しながら、基本色情報を特定する画素の指定、及び、その画素が含まれるサンプル領域を指定する。ここでオペレータは、撮像データに写された複数の媒体層911〜913それぞれについての媒体色情報
が取得可能である場合には、当該媒体飾情報を特定する画素(特定点P1〜P3)が含まれるように、各サンプル領域R1〜R3を指定する(
図4参照)。
【0055】
次に、撮像データ解析部103は、指定されたサンプル領域に含まれる画素が有する画素色情報(各波長の分光データ)に基づいて、画素ごとに、色空間内に座標点を特定する処理を行う(ステップS3)。サンプル領域R1〜R3は、異なる媒体層911〜913が積層された領域を指定しているので、その領域内の各画素による座標点の集合は、色空間内において、下地色情報に対応する座標点と、各媒体色情報に対応する座標点と、を結ぶ曲線を形成する(
図5参照)。
【0056】
撮像データ解析部103は、各画素がこれらの集合の何れに属するかを特定することで、画素ごとに、積層された媒体層911〜913の別を特定する
。
【0057】
次に、
媒体色情報Fcが取得可能であった場合において、撮像データ解析部103は、上述した式(2)、(3)を、色空間内にプロットされた各座標点の集合ごとにフィッティングして、吸収係数の比γ1,γ2を推定する処理を行う(ステップS5)。具体的には、撮像データ解析部103は、既知の値
(媒体色情報Fc)を式(2)、(3)に代入するとともに、代入した媒体色情報Fcに対応する集合による非線形最小二乗法を適用することによって、未知の値である媒体層911〜913の、波長ごとの吸収係数の比γ1,γ2を推定する。
【0058】
そして、膜厚演算部104は
、波長ごとの吸収係数の比γ1,γ2に基づいて、画素ごとの膜厚dを算出する処理を行う(ステップS6)。具体的には、膜厚演算部104は、Lambert-Beer則による不透明度φc、吸収係数μc及び膜厚dの関係式(式(6))を用いて、膜厚dを画素ごとに一意に特定する処理を行う。
【0059】
なお、計測処理部10の各処理の内容並びに処理の流れは、上述の内容に限定されない。例えば、上記処理フローの各ステップは、計測処理部10の目的が達成できる範疇で、その処理の順番を変更可能である。
【0060】
また、本実施形態に係る撮像データ解析部103は、基本色取得部102がステップS2で取得した基本色情報に基づいて
吸収係数の比γ1,γ2を推定する方法を用いているが、他の実施形態に係る計測処理部10においては、この方法に限定されることはない。
例えば、当該他の実施形態に係る撮像データ解析部103は、色空間内にプロットされた座標点の集合に基づいて、基本色情報を特定してもよい。具体的には、撮像データ解析部103は、色空間内において、下地層90そのものの色から最も離れた座標点を、各媒体層911〜913そのものの色と見なして、媒体色情報を特定する方法を用いてもよい。ここで、媒体層911〜913そのものの色とは、下地層そのものの色が全く混じらない部分の色であるから、色空間内においては、下地層そのものの色を示す座標点から最も離れた座標点に存在する色が媒体層そのものの色と見なすことができる。
【0061】
また、撮像データ解析部103は、基本色取得部102により取得された一部の画素(サンプル領域に含まれる画素)の色空間内における座標点を特定し、これに基づくパラメータフィッティングを行うものとして説明したが、他の実施形態に係る撮像データ解析部103は、この態様に限定されることはない。例えば、当該他の実施形態に係る撮像データ解析部103は、計測の対象とする計測対象物9によっては、撮像データを構成する全部の画素の色空間内における座標点を特定し、これに基づくパラメータフィッティングを行ってもよい。
【0062】
このように、第1の実施形態に係る計測装置1は、計測対象物9の1回の撮像と、撮像データに対するサンプル領域の指定操作を要求するだけで、下地層90に積層された媒体層911〜913の膜厚dの面内分布を全て計測することができる。
また、計測装置1は、媒体層の吸収係数が未知であっても、色空間内にプロットされた座標点の集合に基づいて、波長ごとの吸収係数の比γ
1,γ
2に基づいて、膜厚dを計測することができる。
さらに、計測装置1は、下地層に吸収係数がそれぞれ異なる顔料からなる複数の媒体層が積層されていた場合であっても、面内に存在する全ての媒体層の膜厚dを計測することができる。
【0063】
以上、第1の実施形態に係る計測装置1によれば、吸収係数が未知の異なる媒体層が、下地層上に複数積層されている場合であっても、それらの膜厚を簡素に計測できる。
【0064】
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る計測装置1Aは、下地層90に凹凸が存在した場合において、その凹凸に基づく陰影による色合いの変化分を除去した平坦画像を取得した上で膜厚の計測を行うことを特徴とする。
【0065】
以下、第2の実施形態に係る計測装置について、図面を参照して説明する。
図8は、第2の実施形態に係る計測処理部の機能構成を示す図である。
第2の実施形態に係る計測装置1Aの全体構成は、第1の実施形態で示した計測装置1(
図1)と同等のため、図示を省略する。また
図8において、第1の実施形態に係る計測処理部10と同一の機能構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0066】
図8に示すように、計測処理部10AのCPU100Aは、第1の実施形態に係る各機能に加え、さらに平坦画像取得部105Aとしての機能を発揮する点で、第1の実施形態に係る計測処理部10と異なる。
ここで、まず平坦画像取得部105Aの機能について説明する。平坦画像取得部105Aは、下地層90の表面に凹凸が存在する場合において、その凹凸に応じて撮像データに反映される陰影成分(陰影による色合いの変化分)を除去する処理を行う。
ここで、本実施形態に係る光照射部11では、3つの光源110〜112がそれぞれ異なる位置に配されている。そして、平坦画像取得部105Aは、各光源110〜112の異なる角度から照射される光によって取得された撮像データに基づいて、照度差ステレオ法を利用して、撮像データから下地層90そのものの凹凸(三次元形状)による陰影成分を除去する画像処理を行う。
【0067】
ここで照度差ステレオ法とは、物体表面の三次元形状を推定するための既知の技術であって、3以上の異なる角度から照射された光によって取得された複数の撮像データから物体表面の凹凸に基づく陰影を解析し、物体表面の傾斜角を特定することで表面全体の三次元形状を推定する方法である。照度差ステレオ法では、3以上の各照射光の投射角度及び反射光を取り込む角度を予め把握しておくことで、3以上の異なる角度からの照射光によって生じた陰影により、物体表面の傾斜角を一意に特定することができる。
また、照度差ステレオ法では物体表面の傾斜角を特定することで、照射光の散乱方向の相違による色合いの変化成分(陰影成分)を除去して、物体表面固有の色のみが抽出された平坦な画像(アルベド画像という)を取得することができる。
【0068】
平坦画像取得部105Aは、光照射部11の各光源110〜112の照射光の投射角度及び、撮像部12の反射光の取り込み角度を予め把握している。そして、平坦画像取得部105Aは、各光源110〜112からの照射光により取得された複数の撮像データに基づいて、上記照度差ステレオ法による平坦画像を取得する画像処理を行う。
そして、基本色取得部102、撮像データ解析部103及び膜厚演算部104は、平坦画像取得部105Aにより取得された平坦画像について、第1の実施形態で説明した各種処理を実行する。
【0069】
図9は、第2の実施形態に係る計測処理部の処理フローを示す図である。
次に、上述した計測処理部10Aが備える各機能部による処理フローを、
図9を参照しながら説明する。ただし、
図9に示す処理内容のうち、第1の実施形態に係る計測処理部10の処理フローと同一の内容については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0070】
図9に示す第2の実施形態に係る計測処理部10Aは、撮像データを取得した後(ステップS1)、平坦画像取得部105Aによる平坦画像の取得処理(ステップS1A)を実行する点で、第1の実施形態と異なる。
具体的には、まず撮像制御部101が光照射部11及び撮像部12を制御して撮像データを取得する(ステップS1)。ここで、光照射部11の各光源110〜112がそれぞれ異なる波長、かつ、異なる角度で、計測対象物9に光を照射する。そして、撮像部12は、各光源110〜112から照射された光のそれぞれに基づいて、撮像データを取得する。
【0071】
次に、平坦画像取得部105Aは、異なる角度から照射された光に基づいて取得された複数の撮像データに基づいて、上述した照度差ステレオ法を用いて、下地層90そのものの凹凸による陰影成分を除去する画像処理を行う(ステップS1A)。この処理により、平坦画像取得部105Aは、撮像データから陰影成分を除去した平坦画像を取得する。
【0072】
以降、ステップS2〜S6については、計測処理部10Aは、ステップS1Aで取得された平坦画像について、第1の実施形態に係る計測処理部10と同様の処理(
図7)を行う。
【0073】
以下、第2の実施形態に係る計測装置1Aの効果について説明する。
例えば、第1の実施形態に係る計測装置1は、下地層90が平坦であることを前提として各処理を行っている。すなわち、下地層90そのものに凹凸があって、下地層90及び媒体層911〜913の色合いが陰影により本来の色からずれて取得された場合、色空間内にプロットされる各座標点の集合は、式(2)、(3)に基づく曲線に沿うものとならない。そうすると、撮像データ解析部103は、パラメータフィッティングを精度よく行うことが困難となる。
すなわち第1の実施形態に係る計測装置1は、例えば、岩盤に描かれた壁画を分析しようとする場合など、下地層90そのものに凹凸があった場合には、精度よく膜厚を計測することができない。
【0074】
一方、第2の実施形態に係る計測装置1Aは、まず光照射部11が有する各光源110〜112の位置がそれぞれ異なる3つの位置に配されている。また平坦画像取得部105Aは、予めそれぞれ異なる位置に配された各光源110〜112、撮像部12、及び計測対象物9の位置関係を予め把握し、照度差ステレオ法を用いて、下地層90そのものの凹凸による陰影成分を除去することができる。
これにより、第2の実施形態に係る計測装置1Aは、下地層90に凹凸が存在した場合であっても、精度よく膜厚を計測することができる。
【0075】
また、第2の実施形態に係る計測装置1Aは、それぞれ異なる照射方向の光を照射する各光源110〜112を異なる位置に配することで、この3つの光源による撮像で、照度差ステレオ法の適用処理と吸収係数μcの推定処理の両方を実現している。これにより、計測装置1A全体の構成及び膜厚を取得するための処理を簡素化するとともに計測精度を一層高めることができる。
【0076】
以上、第2の実施形態に係る計測装置1Aによれば、凹凸のある下地層に複数の媒体層が積層された場合であっても、その媒体層の膜厚を精度よく計測することができる。また、異なる波長の光を照射する光源をそれぞれ異なる位置に配することで、三次元形状を取得する処理と、各媒体層の膜厚を計測する処理と、を一回の撮像のみで実現することができ、装置全体の構成及び処理を簡素化するとともに膜厚の計測精度を一層高めることができる。
【0077】
なお、本実施形態に係る計測装置1Aにおいては、光照射部11が有する各光源110〜112の位置がそれぞれ異なる3つの位置に配されているものとして説明したが、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。すなわち、他の実施形態に係る光照射部11は、3つ以上の光源110、111、112、・・・を備えており、それぞれが異なる3つ以上の位置に配されていてもよい。
【0078】
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係る計測装置1Bは、下地層90及び媒体層911〜913で光の吸収だけでなく、所定の割合で光の散乱が起きていることを考慮して、膜厚の算出の誤差要因となる散乱の割合が最も小さくなる光の波長を選択して、膜厚を計測することを特徴とする。
【0079】
以下、第3の実施形態に係る計測装置について、図面を参照して説明する。
図10は、第3の実施形態に係る計測処理部の機能構成を示す図である。
第3の実施形態に係る計測装置1Bの全体構成は、第1の実施形態で示した計測装置1(
図1)とほぼ同等のため、図示を省略する。また
図10において、第1の実施形態に係る計測処理部10と同一の機能構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0080】
まず、本実施形態に係る撮像部12は、内部に備える分光器(図示せず)により、少なくとも4以上の異なる波長の光を分光できる機能を有している。
また、
図10に示すように、計測処理部10BのCPU100Bは、第1の実施形態に係る各機能に加え、さらに最適波長特定部105Bとしての機能を発揮する点で、第1の実施形態に係る計測処理部10と異なる。
【0081】
以下、最適波長特定部105Bの機能について説明する。
最適波長特定部105Bは、媒体層911〜913に入射する光の散乱成分S(λ)に対する吸収成分K(λ)の割合を算出するとともに、散乱成分S(λ)に対する吸収成分K(λ)の割合が最大となる波長の光を特定する。具体的には、上記4以上の異なる波長全てによって取得された分光の撮像データのうち、媒体層911〜913そのものの色が撮像されている部分から、媒体色情報F(λ)を取得する。ここでλは、撮像部12が取得する複数の光の波長であり、F(λ)は、媒体層911〜913それぞれの固有の色を示す媒体色情報であって、波長λの光ごとに取得された値である。
【0082】
最適波長特定部105Bは、波長λごとに取得された媒体色情報F(λ)に基づいて、式(7)を演算する。
【0084】
ここで、式(7)はKubelka-Munkモデルに基づく式であり、物体表面に照射された光の散乱成分S(λ)と吸収成分K(λ)の比率と、光の波長ごとの反射率(すなわちF(λ))との関係を導く式である。最適波長特定部105Bは、得られたF(λ)ごとに式(7)右辺を演算し、左辺K(λ)/S(λ)が最大となる波長λを特定する。ここで、F(λ)は媒体層911〜913それぞれに取得されるデータであるから、最適波長特定部105Bは、媒体層ごとに、左辺K(λ)/S(λ)の最大となる波長を与える異なる3つ以上の波長λを特定する。
【0085】
図11は、第3の実施形態に係る計測処理部の処理フローを示す図である。
次に、上述した計測処理部10Bが備える各機能部による処理フローを、
図11を参照しながら説明する。ただし、
図11に示す処理内容のうち、第1の実施形態に係る計測処理部10の処理フローと同一の内容については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0086】
図10に示す第2の実施形態に係る計測処理部10Bは、サンプル領域及び基本色情報を取得した後(ステップS2)、最適波長特定部105Bによる最適波長の特定処理(ステップS2B)を実行する点で、第1の実施形態と異なる。
具体的には、まず撮像制御部101が撮像部12を制御して撮像データを取得する(ステップS1)。ここで、光照射部11の光源110、111、112が異なる角度で、計測対象物9に光を照射する。そして、撮像部12は、各光源110、111、112から照射された光のそれぞれに基づいて、n種類(nは3以上の整数)の異なる波長の光を分光して得たn枚の撮像データを取得する。
【0087】
次に、基本色取得部102が、取得された撮像データから基本色情報を取得する処理を行う(ステップS2)。
次に、最適波長特定部105Bは、ステップS2で取得された媒体層911〜912そのものの色を示す媒体色情報F(λ)を用いて、Kubelka-Munkモデルに基づく式(7)を演算する。そして、その演算結果から、撮像データ全体としてK(λ)/S(λ)が最も大きい上位3つを与える3つ以上の異なる最適波長λ1,λ2,λ3、・・・を特定する(ステップS2B)。
【0088】
以降、ステップS3〜S6で、計測処理部10Aは、ステップS2Bで特定された3つの最適波長を照射する光源110〜11nによって取得された撮像データを用いて、第1の実施形態に係る計測処理部10と同様の処理(
図7)を行う。
【0089】
以下、第3の実施形態に係る計測装置1Bの効果について説明する。
第1の実施形態に係る計測処理部10が膜厚計測の過程で用いたLambert-Beer則に基づく式(6)は、半透明媒体における光の吸収成分K(λ)に基づいて導出された式であり、光の散乱成分S(λ)は考慮されていない。したがって、計測対象とする媒体層911〜913の散乱成分S(λ)が大きい場合、散乱成分S(λ)によって膜厚計測に誤差を生じてしまい、精度の高い膜厚計測が困難となる。
【0090】
ここで第3の実施形態に係る計測装置1Bによれば、異なる複数の波長の光を照射可能な照射部を備えるとともに、Kubelka-Munkモデルに基づく式(7)を演算することで、散乱成分S(λ)の影響を最小(K(λ)/S(λ)を最大)にする波長の光を特定することができる。これにより計測装置1Bは、精度の高い膜厚の計測を実現できる。
【0091】
なお、上述の計測処理部10、10A、10Bは、内部にコンピュータシステムを有している。そして、上述した計測処理部10、10A、10Bの各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)または半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0092】
また、上述した実施形態における計測処理部10、10A、10Bの一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現しても良い。計測処理部10、10A、10Bの各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化しても良い。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いても良い。
【0093】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。