(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0021】
まず、本発明の実施の形態における概要を説明する。本発明の実施の形態に係る画像処理装置では、複数のカラーチャンネルの各々に対し、基準とする画像(基準画像)を定め、基準画像で使用したもの以外のカラーチャンネル各々に関する複数枚のカラーチャンネル画像から変形対象画像を選択し、基準画像と変形対象画像との対応点が一致するように、変形対象画像を変形させる。変形対象画像を選択する手法としては、以下の3通りの画像選択方法が挙げられる。
【0022】
第1の方法では、画像撮影時に各画像へ付与したタイムスタンプを基準画像とその他の画像(他のカラーチャンネル画像)との間で比較し、各カラーチャンネルの画像ごとに、基準画像のタイムスタンプに対して最近傍のカラーチャンネル画像を当該カラーチャンネルの変形対象画像として選択する。
【0023】
第2の方法では、基準画像と、その他のカラーチャンネル画像毎の画像との間の類似度(輪郭画像の相互相関値や、画像の位相成分の相互相関値)を比較し、各カラーチャンネルの画像ごとに類似度が最も高いカラーチャンネル画像を、当該カラーチャンネルの変形対象画像として選択する。ここでは、画像間の類似度が高いほど、画像撮影のタイミングまたカメラ位置が近いと仮定している。
【0024】
第3の方法では、被写体又はカメラを動かし、撮影毎に、被写体に対するカメラの撮影位置を推定し、各カラーチャンネルの画像ごとに、基準画像を撮影した撮影位置と最も近い撮影位置のカラーチャンネル画像を、当該カラーチャンネルの変形対象画像として選択する。
【0025】
<本発明の第1の実施の形態に係る画像処理装置の構成>
【0026】
次に、本発明の第1の実施の形態に係る画像処理装置の構成について説明する。第1の実施の形態では、タイムスタンプを用いて各カラーチャンネルにおける変形対象画像を選択する。
【0027】
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る画像処理システム100は、画像入力装置10と、画像処理装置18とを備えている。画像処理装置18は、CPUと、RAMと、後述する画像処理ルーチンを実行するためのプログラムや各種データを記憶したROMと、を含むコンピュータで構成することが出来る。この画像処理装置18は、機能的には
図1に示すように撮影画像記録部26と、演算部20と、出力部80とを備えている。
【0028】
画像入力装置10は、
図2(A)に示すような3板式3色カメラで構成されており、3つのカラーチャンネルごとに3枚のカラーチャンネル画像を撮影する。具体的には、画像入力部11
1〜11
3によって、それぞれ異なるカラーチャンネルのカラーチャンネル画像を撮影する。画像入力部11
1はイメージセンサ12
1及びタイムスタンプ付与部13
1、画像入力部11
2はイメージセンサ12
2及びタイムスタンプ付与部13
2、並びに画像入力部11
3はイメージセンサ12
3及びタイムスタンプ付与部13
3から構成される。画像入力装置10では、イメージセンサ12
1〜12
3によって、それぞれのカラーチャンネルが異なるカラーチャンネル画像を撮影する。そして、タイムスタンプ付与部13
1〜13
3によって、それぞれのカラーチャンネル画像に対して撮影した時刻のタイムスタンプを付与する。ここで、イメージセンサ12
1〜12
3は互いに同期が取れていない状態を想定している。ここで、後述する基準画像とするカラーチャンネルのカラーチャンネル画像は1枚撮影しても、複数枚撮影しても良く、複数枚撮影した場合には任意のカラーチャンネル画像を選び、基準画像として設定するようにすれば良い。
【0029】
なお、画像入力装置10は、上記
図2(A)の他、
図2(B)に示すような2分岐光学系方式6バンドカメラ(6板式6色カメラ)、
図2(C)に示すようなステレオカメラ式6バンドカメラとしても良い。また、画像入力装置10は、複数のカラーチャンネルのカラーチャンネル画像を撮影できればよく、3つの画像入力部11
1〜11
3で構成される場合に限定されず、N個の画像入力部11
1〜11
Nによって構成されるものであっても良い。この場合、イメージセンサ12
1〜12
3Nの全てもしくは一部の同期が取れていない状態とする。また、
図2(B)及び
図2(C)において、カメラ1及びカメラ2が3板式センサカメラではなく単板式センサカメラ(1枚のセンサ上に多色のカラーフィルタが取り付けられている)の場合には、画像入力部11
1をカメラ1、画像入力部11
2をカメラ2とすれば良い。
【0030】
撮影画像記録部26には、画像入力部11
1〜11
3で撮影された3つのカラーチャンネル画像が記録される。
【0031】
演算部20は、画像蓄積部28
1〜28
3と、同期画像生成部30
2と、同期画像生成部30
3と、カラー画像統合部60と、色再現部70とを含んで構成されている。
【0032】
画像蓄積部28
1〜28
3には、画像入力部11
1〜11
3で3つのカラーチャンネルごとに撮影された、タイムスタンプが付与されたカラーチャンネル画像の各々が格納される。ここで、3つのカラーチャンネルのうちの一つのカラーチャンネルで撮影されたカラーチャンネル画像を基準画像とする。本実施の形態では画像入力部11
1のカラーチャンネルで撮影されたカラーチャンネル画像を基準画像とし、画像入力部11
2〜11
3のカラーチャンネルで撮影されたものを、基準画像で使用したカラーチャンネル以外のカラーチャンネル画像とする。なお、基準画像を撮影した画像入力部11
1から出力されたタイムスタンプ付きのカラーチャンネル画像は画像蓄積部28
1を経由せず、直接、同期画像生成部30に入力しても良い。また画像入力装置10で撮影されたタイムスタンプ付きの3つのカラーチャンネル画像は、一旦、撮影画像記録部26に保存された後に画像蓄積部28
1〜28
3へ格納するようにしても良い。
【0033】
同期画像生成部30
2は、変形対象画像選択部32
2と、画像変形パラメータ算出処理部40
2と、画像変形処理部50
2とを備えている。
【0034】
変形対象画像選択部32
2は、基準画像のカラーチャンネルを1つ目のカラーチャンネルとして、2つ目のカラーチャンネルについて、当該カラーチャンネルで撮影された複数のカラーチャンネル画像のうち、基準画像とタイムスタンプが最も近いカラーチャンネル画像を当該カラーチャンネルの変形対象画像として選択する。例えば、まず、ある時刻に撮影された基準画像のタイムスタンプと、画像蓄積部28
2に格納されたカラーチャンネル画像の各々のタイムスタンプとの比較を行い、時刻の差が最も小さなカラーチャンネル画像を、当該カラーチャンネルの変形対象画像とする。
【0035】
画像変形パラメータ算出処理部40
2は、対応点探索部42
2と、検出対応点記憶部44
2と、画像変形パラメータ算出部46
2とから構成されている。
【0036】
対応点探索部42
2は、基準画像と、変形対象画像選択部32
2で選択された変形対象画像との間での対応点探索を行い、基準画像と変形対象画像との間で検出された全ての対応点の座標を検出対応点記憶部44
2に記録する。対応点検出手法は、既存の手法を用いればよく、特にサブピクセル精度での検出が可能な手法が好ましい。本実施の形態では、対応点の検出方法として、サブピクセル精度での対応点検出が可能な位相限定相関法(POC法)を用いたが、対応点検出手法は位相限定相関法に限定されるものではなく、NCC(normalized cross correlation)法やSAD(sum of absolute differences)法、SSD(sum of squared difference)法、SIFT(Scale-Invariant Feature Transform)法、ヒストグラム相関法、HOG(Histograms of Oriented Gradients)法等を用いても良い。
【0037】
検出対応点記憶部44
2には、基準画像と変形対象画像との間で検出された全ての対応点の座標が各カラーチャンネルの変形対象画像ごとに格納される。
【0038】
画像変形パラメータ算出部46
2は、検出対応点記憶部44
2に記録された対応点の画像上での位置情報を元に、各カラーチャンネルの変形対象画像の画像変形に必要なパラメータを算出する。算出するパラメータは画像変形で使用するアルゴリズムに依存し、例えば、変形処理に用いる行列やルックアップ・テーブルが用いられる。画像変形アルゴリズムは、射影変換の様な線形手法やスプライン変換の非線形手法など、既存の手法を用いればよい。本実施の形態では、射影変換法を用いる。また、被写体が3次元的な形状を持つ場合には、非線形的な手法の1つであるTPS(Thin-plate spline)法を用いてもよい。
【0039】
画像変形処理部50
2は、変形対象画像選択部32
2によって選択された各カラーチャンネルの変形対象画像を、画像変形パラメータ算出部46
2によって算出されたパラメータに基づいて、基準画像に合わせて変形する。なお、同様の処理を、画像変形処理部50
3において、イメージセンサ12
3で撮影されたカラーチャンネル画像から選択された変形対象画像に関しても行なう。以上の処理により、3つのイメージセンサ間で同期を取って撮影したときと同等の、各カラーチャンネル画像間での対応点間の位置ズレが無い3つのカラーチャンネル画像を生成することができる。また、画像を小領域に分割し、画像ごとに射影変換法の様な線形的手法やTPS法の様な非線形的手法を適用してもよい。
【0040】
同期画像生成部30
3は、同期画像生成部30
2と同様に、変形対象画像選択部32
3と、画像変形パラメータ算出処理部40
3と、画像変形処理部50
3とを備えている。変形対象画像選択部32
3、画像変形パラメータ算出処理部40
3、及び画像変形処理部50
3の各処理は、変形対象画像選択部32
2、画像変形パラメータ算出処理部40
2、及び画像変形処理部50
2と同様であるため、説明を省略する。
【0041】
カラー画像統合部60は、画像変形処理部50
2、50
3によって基準画像で使用したもの以外のカラーチャンネルの各々に関する変形対象画像をそれぞれ変形させて得られた結果画像と、基準画像とに基づいて、マルチカラーチャンネル画像を生成する。なお、所定のフォーマットのファイル形式に変換し出力する場合もある。例えば、ハードディスクなどの記録媒体が含まれていてもよく、入力された変形対象画像(カラーチャンネル画像)の各々を何らかのフォーマットに基づいたファイル形式に変換し、記録しても良い。
【0042】
色再現部70は、反射光スペクトル画像により分光反射率を再現する場合、カラー画像統合部60によって生成されたマルチカラーチャンネル画像と、撮影時の照明光スペクトルと、画像入力装置10の分光感度特性及び分光反射率データベース(図示省略)から得られた主成分スペクトル等(被写体の分光反射率に関する統計情報)を用いて、マルチカラーチャンネル画像上の各画素に対応する被写体表面の分光反射率を推定し、分光反射率画像を生成する。ここで、分光反射率の算出手法は、ウィナー推定法や重回帰分析法などの既存手法を用いる。反射光スペクトル画像を再現する場合には、前述の分光反射率画像と再現したい照明環境における照明光スペクトルを用いて反射光スペクトル画像を生成する。また、出力デバイスに依存しない測色値画像を再現する場合には、分光反射率を再現する場合に用いた情報に加えて、再現したい照明環境における照明光スペクトルを用いて、測色値画像を生成する。また、出力部80の特性に合わせた色再現画像を生成する場合には、測色値画像を再現する場合に用いた情報に加えて、出力部80の特性を用いて、色再現画像を生成する。
【0043】
そして、色再現部70は、生成した分光反射率画像、反射光スペクトル画像、測色値画像、又は色再現画像を出力部80に出力する。なお、色再現部70における色再現処理手法は既存の手法を用いればよく、特定の手法に限定されるものではない。
【0044】
<本発明の第1の実施の形態に係る画像処理装置の作用>
【0045】
次に、本発明の第1の実施の形態に係る画像処理装置18の作用について説明する。画像入力部11
1〜11
3で3つのカラーチャンネルごとに撮影された、タイムスタンプが付与されたカラーチャンネル画像の各々を受け付けると、カラーチャンネル画像の各々を画像蓄積部28
1〜28
3に格納し、画像処理装置18は、
図3に示す画像処理ルーチンを実行する。
【0046】
まず、ステップS100では、画像蓄積部28
1〜28
3に格納された3つのカラーチャンネル各々のカラーチャンネル画像の各々を取得し、画像蓄積部28
1に格納されたカラーチャンネル画像の何れか1つを基準画像として設定する。
【0047】
次に、ステップS102では、基準画像のカラーチャンネル以外から、カラーチャンネルを選択する。
【0048】
ステップS104では、当該カラーチャンネルで撮影された複数枚のカラーチャンネル画像のうち、基準画像とタイムスタンプが最も近いカラーチャンネル画像を当該カラーチャンネルの変形対象画像として選択する。
【0049】
ステップS106では、基準画像と、ステップS104で選択された変形対象画像との間での対応点探索を行い、基準画像と変形対象画像との間で検出された全ての対応点の座標を記録する。
【0050】
ステップS108では、ステップS106で記録された対応点の画像上での位置情報を元に、変形対象画像の画像変形に必要なパラメータを算出する。
【0051】
ステップS110では、ステップS104で選択された変形対象画像を、画像変形パラメータ算出部46によって算出されたパラメータに基づいて、基準画像に合わせて変形する。
【0052】
ステップS112では、基準画像のカラーチャンネル以外の全てのカラーチャンネルについて処理を終了したかを判定し、終了していなければ、ステップS102へ戻ってステップS104〜ステップS110の処理を繰り返し、終了していれば、ステップS114へ移行する。
【0053】
ステップS114では、ステップS110で基準画像で使用したもの以外のカラーチャンネルの各々に関する変形対象画像をそれぞれ変形させて得られた結果画像と、基準画像とに基づいて、マルチカラーチャンネル画像を生成する。
【0054】
ステップS116では、ステップS114で生成されたマルチカラーチャンネル画像と、撮影時の照明光スペクトルと、画像入力装置10の分光感度特性及び分光反射率データベース(図示省略)から得られた主成分スペクトル等と、出力部80の特性とに基づいて、色再現画像を生成する。
【0055】
ステップS118では、ステップS116で生成された色再現画像を出力部80に出力し画像処理ルーチンを終了する。
【0056】
以上説明したように、第1の実施の形態に係る画像処理装置によれば、3つのカラーチャンネルのうちの一つのカラーチャンネルで撮影されたカラーチャンネル画像を基準画像とし、複数のカラーチャンネルのうち基準画像で使用したもの以外のカラーチャンネルの各々について複数枚撮影されたカラーチャンネル画像のうち、基準画像とタイムスタンプが最も近い当該カラーチャンネルのカラーチャンネル画像を、当該カラーチャンネルの変形対象画像として選択し、選択された各カラーチャンネルの変形対象画像の各々を、基準画像に合わせて変形し、変形された変形対象画像の各々と、基準画像とに基づいてマルチカラーチャンネルを生成することにより、複数のカラーチャンネルの画像の撮像が同期していなくても、同期撮影を行った場合と同等のマルチカラーチャンネル画像を生成することができる。
【0057】
<本発明の第2の実施の形態に係る画像処理装置の構成>
【0058】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る画像処理装置の構成について説明する。第2の実施の形態では、基準画像と、その他の各カラーチャンネル画像それぞれとの間の類似度を用いて当該カラーチャンネルの変形対象画像を選択する。なお、第2の実施の形態の画像処理システムについて、第1の実施の形態の画像処理システム100と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0059】
図4に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る画像処理システム200は、画像入力装置210と、画像処理装置218とを備えている。画像処理装置218は、CPUと、RAMと、後述する画像処理ルーチンを実行するためのプログラムや各種データを記憶したROMと、を含むコンピュータで構成することが出来る。この画像処理装置218は、機能的には
図4に示すように、撮影画像記録部26と、演算部220と、出力部80とを備えている。
【0060】
画像入力装置210は、上記
図2(A)に示すような3板式3色カメラで構成されており、3つのカラーチャンネルごとに3枚のカラーチャンネル画像を撮影する。具体的には、画像入力部211
1〜211
3によって、それぞれ異なるカラーチャンネルのカラーチャンネル画像を撮影する。
【0061】
なお、画像入力装置210は、上記
図2(A)の他、
図2(B)に示すような2分岐光学系方式6バンドカメラ(6板式6色カメラ)、
図2(C)に示すようなステレオカメラ式6バンドカメラとしても良い。また、
図5(A)に示すような、1台の白黒カメラの前にフィルターターレットを設置し、異なる分光透過率特性のフィルタを装着、使用するフィルタを時分割で変更させながら撮影するマルチカラーチャンネルカメラ(図の場合は6色)である。カメラの台数を増やし、
図5(A)とは異なる(一部のフィルタは同じでも良い)分光透過率特性を有するフィルタを用いて、ステレオ撮影方式にしても良い。また、
図5(B)に示すような、光源側にフィルターターレットを設置し、照明光源の色を時分割で変えながら、それぞれの画像を白黒カメラで撮影する方式としても良い。また、画像入力装置210は、複数のカラーチャンネルのカラーチャンネル画像を撮影できればよく、3つの画像入力部211
1〜211
3で構成される場合に限定されず、N個の画像入力部211
1〜211
Nによって構成されるものであっても良い。この場合、画像入力部211
1〜211
Nの全てもしくは一部の同期が取れていない状態とする。また、
図2(B)及び
図2(C)において、カメラ1及びカメラ2が3板式センサカメラではなく単板式センサカメラの場合には、画像入力部211
1をカメラ1、画像入力部211
2をカメラ2とすれば良い。
【0062】
演算部220は、画像蓄積部228
1〜228
3と、同期画像生成部230
2と、同期画像生成部230
3と、カラー画像統合部60と、色再現部70とを含んで構成されている。
【0063】
画像蓄積部228
1〜228
3には、画像入力部211
1〜211
3で3つのカラーチャンネルごとに撮影された、カラーチャンネル画像の各々が格納される。ここで、3つのカラーチャンネルのうちの一つのカラーチャンネルで撮影されたカラーチャンネル画像を基準画像とする。本実施の形態では画像入力部211
1のカラーチャンネルで撮影されたカラーチャンネル画像を基準画像とし、画像入力部211
2〜211
3のカラーチャンネルで撮影されたカラーチャンネル画像を、各カラーチャンネルの変形対象画像候補とする。
【0064】
同期画像生成部230
2は、変形対象画像選択部232
2と、画像変形パラメータ算出処理部40
2と、画像変形処理部50
2とを備えている。
【0065】
変形対象画像選択部232
2は、画像記憶部233
2と、画像間類似度計算部234
2と、画像間類似度評価部238
2とから構成されている。
【0066】
画像記憶部233
2には、画像入力部211
2で撮影された2つ目のカラーチャンネルの複数枚のカラーチャンネル画像の各々が変形対象画像候補として格納される。
【0067】
画像間類似度計算部234
2は、複数のカラーチャンネルのうちの2つ目のカラーチャンネルについて、当該カラーチャンネルで撮影された複数枚のカラーチャンネル画像(変形対象画像候補)の各々と基準画像との類似度を計算し、類似度が最も大きなカラーチャンネル画像を、当該カラーチャンネルの変形対象画像とする。本実施の形態の画像間類似度計算部234
2では、カラーチャンネル画像(変形対象画像候補)と基準画像との位相情報の相関値を類似度として用いる。画像の類似度を表現する方法は、様々な方法が開発されており、その評価値は画像の位相情報の相関値に制限するものではない。
【0068】
画像間類似度評価部238
2は画像間類似度計算部234
2によって算出された類似度に基づいて、複数のカラーチャンネルのうちの2つ目のカラーチャンネルについて、画像記憶部233
2内の全てのカラーチャンネル画像のうち、基準画像との類似度が最も高いカラーチャンネル画像を当該カラーチャンネルの変形対象画像として選択する。
【0069】
第2の実施の形態の対応点探索部42
2は、基準画像と、変形対象画像選択部232
2で選択された変形対象画像との間での対応点探索を行い、基準画像と変形対象画像との間で検出された全ての対応点の座標を変形対象画像ごとに検出対応点記憶部44
2へ記録する。
【0070】
同期画像生成部230
3は、同期画像生成部230
2と同様に、変形対象画像選択部232
3と、画像変形パラメータ算出処理部40
3と、画像変形処理部50
3とを備えている。変形対象画像選択部232
3、画像変形パラメータ算出処理部40
3、及び画像変形処理部50
3の各処理は、変形対象画像選択部232
2、画像変形パラメータ算出処理部40
2、及び画像変形処理部50
2と同様であるため、説明を省略する。
【0071】
なお、第2の実施の形態に係る画像処理システム200の他の構成については、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0072】
<本発明の第2の実施の形態に係る画像処理装置の作用>
【0073】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る画像処理装置218の作用について説明する。なお、第1の実施の形態における画像処理ルーチンと同一の処理については、同一符号を付して説明を省略する。
【0074】
画像入力部211
1〜211
3で3つのカラーチャンネルごとに撮影されたカラーチャンネル画像の各々を受け付けると、カラーチャンネル画像の各々を画像蓄積部228
1〜228
3に格納し、画像処理装置200は、
図6に示す画像処理ルーチンを実行する。
【0075】
ステップS200では、当該カラーチャンネルで撮影されたカラーチャンネル画像の各々と基準画像との類似度を計算する。
【0076】
ステップS202では、ステップS200でカラーチャンネル画像の各々について算出された類似度に基づいて、複数のカラーチャンネルのうちの当該カラーチャンネルについて、全てのカラーチャンネル画像のうち、基準画像との類似度が最も高いカラーチャンネル画像を当該カラーチャンネルの変形対象画像として選択する。
【0077】
ステップS106では、基準画像と、ステップS202で選択された変形対象画像との間での対応点探索を行い、基準画像と変形対象画像との間で検出された全ての対応点の座標を変形対象画像ごとに記録する。
【0078】
なお、第2の実施の形態に係る画像処理装置218の他の作用については、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0079】
以上説明したように、第2の実施の形態に係る画像処理装置によれば、3つのカラーチャンネルのうちの一つのカラーチャンネルで撮影されたカラーチャンネル画像を基準画像とし、複数のカラーチャンネルのうち基準画像で使用したもの以外のカラーチャンネルの各々について複数枚撮影されたカラーチャンネル画像のうち、基準画像との類似度が最も高い当該カラーチャンネルのカラーチャンネル画像を、当該カラーチャンネルの変形対象画像として選択し、選択された変形対象画像の各々を、基準画像に合わせて変形し、変形された変形対象画像の各々と、基準画像とに基づいてマルチカラーチャンネルを生成することにより、複数のカラーチャンネルの画像の撮像が同期していなくても、同期撮影を行った場合と同等のマルチカラーチャンネル画像を生成することができる。
【0080】
<本発明の第3の実施の形態に係る画像処理装置の構成>
【0081】
次に、本発明の第3の実施の形態に係る画像処理装置の構成について説明する。第3の実施の形態における具体的なシチュエーションは、回転ステージ上に載せて回転させた被写体を、各カメラの分光感度特性が異なる複数のカメラ(ステレオカメラシステムなど)で同時に、または時間的に分けて撮影した場合を想定している。被写体ではなく、カメラを動かす場合も同様である。このようなシチュエーションを想定し、ある特定のカメラについて、基準画像を撮影した撮影位置と最も近い撮影位置のカラーチャンネル画像を変形対象画像として選択する。なお、第3の実施の形態の画像処理システムについて、第1の実施の形態の画像処理システム100と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0082】
図7に示すように、本発明の第3の実施の形態に係る画像処理システム300は、画像入力装置310と、画像処理装置318とを備えている。画像処理装置318は、CPUと、RAMと、後述する画像処理ルーチンを実行するためのプログラムや各種データを記憶したROMと、を含むコンピュータで構成することが出来る。この画像処理装置318は、機能的には
図7に示すように撮影画像記録部26と、カメラ内部パラメータ記憶部327と、演算部320と、出力部80とを備えている。
【0083】
画像入力装置310は、上記
図5(A)に示すような、光源側に6つのカラーフィルタをもつフィルターターレットを設置し、照明光源の色を時分割で変えながら、それぞれのカラーチャンネルの画像を白黒カメラで撮影するように構成されており、フィルターターレットを動かし、6つのカラーチャンネルごとに6枚のカラーチャンネル画像を撮影する。具体的には、フィルタ312
1〜312
6を通して、イメージセンサ311により、それぞれ異なるカラーチャンネルのカラーチャンネル画像を撮影する。そして、イメージセンサ311によりそれぞれのカラーチャンネル画像を出力する。
【0084】
なお、画像入力装置310は、
図2(A)に示すような3板式3色カメラ、
図2(B)に示すような2分岐光学系方式6バンドカメラ(6板式6色カメラ)、及び
図2(C)に示すようなステレオカメラ式6バンドカメラとしても良い。また、上記
図5(B)に示すような、光源側にフィルターターレットを設置し、照明光源の色を時分割で変えながら、それぞれの画像を白黒カメラで撮影する方式としても良い。
【0085】
カメラ内部パラメータ記憶部327には、基準画像を撮影したカメラ及び各カラーチャンネル画像を撮影したカメラの、光学系を含めた、幾何光学系パラメータ(画角など)が記憶されている。
【0086】
画像蓄積部328
1〜328
6には、イメージセンサ311で6つのカラーチャンネルごとに撮影された、カラーチャンネル画像の各々が格納される。ここで、6つのカラーチャンネルのうちの一つのカラーチャンネルで撮影されたカラーチャンネル画像を基準画像とする。本実施の形態ではフィルタ312
1のカラーチャンネルで撮影されたカラーチャンネル画像を基準画像とし、フィルタ312
2〜312
6のカラーチャンネルで撮影されたものを基準画像で使用したカラーチャンネル以外のカラーチャンネル画像とする。
【0087】
演算部320は、画像蓄積部328
1〜328
6と、同期画像生成部330
2〜230
6と、カラー画像統合部60と、色再現部70とを含んで構成されている。
【0088】
同期画像生成部330
2は、変形対象画像選択部332
2と、画像変形パラメータ算出処理部340
2と、画像変形処理部50
2とを備えている。
【0089】
変形対象画像選択部332
2は、画像記憶部333
2と、対応点探索部334
2と、検出対応点記憶部335
2と、カメラ位置推定部336
2と、カメラ間距離評価部338
2とから構成されている。
【0090】
画像記憶部333
2には、フィルタ312
2を用いてイメージセンサ311で撮影された、2つ目のカラーチャンネルのカラーチャンネル画像の各々が変形対象画像候補として格納される。
【0091】
対応点探索部334
2は、2つ目のカラーチャンネルで撮影されたカラーチャンネル画像(変形対象画像候補)の各々に対し、基準画像及び当該カラーチャンネル画像(変形対象画像候補)の間で対応する特徴点のペアである対応点を検出する。対応点の詳細な検出手法は、第1の実施の形態の画像処理システム100における対応点探索部42と同様である。
【0092】
検出対応点記憶部335
2は、2つ目のカラーチャンネルのカラーチャンネル画像の各々について、基準画像との間で検出された全ての対応点に関して、基準画像上および変形対象画像候補上におけるそれぞれの座標がカラーチャンネル画像毎に格納される。
【0093】
カメラ位置推定部336
2は、2つ目のカラーチャンネルで撮影されたカラーチャンネル画像(変形対象画像候補)の各々に対し、検出対応点記憶部335
2に格納されたカラーチャンネル画像毎の対応点の座標と、カメラ内部パラメータ記憶部327に記憶されている、基準画像を撮影したカメラ及び当該カラーチャンネル画像(変形対象画像候補)を撮影したカメラの幾何光学系パラメータとに基づいて、基準画像を撮影したカメラの位置に対する当該カラーチャンネル画像を撮影したカメラの位置を推定する。
【0094】
カメラ間距離評価部338
2は、2つ目のカラーチャンネルについて、カメラ位置推定部336
2によって推定された各カラーチャンネル画像を撮影したカメラの位置に基づいて、当該カラーチャンネルで撮影されたカラーチャンネル画像のうち、基準画像と撮影位置が最も近いカラーチャンネル画像を当該カラーチャンネルにおける変形対象画像として選択する。
【0095】
画像変形パラメータ算出処理部340
2は、カメラ間距離評価部338
2で選択された変形対象画像について検出対応点記憶部335
2に記録された対応点の画像上での位置情報(座標)を元に、変形対象画像の画像変形に必要なパラメータを算出する。
【0096】
同期画像生成部330
3〜330
6は、同期画像生成部230
2と同様に、変形対象画像選択部232
3〜332
6と、画像変形パラメータ算出処理部340
3〜340
6と、画像変形処理部50
3〜50
6とを備えている。変形対象画像選択部232
3〜332
6、画像変形パラメータ算出処理部340
3〜340
6、及び画像変形処理部50
3〜50
6の各処理は、変形対象画像選択部232
2、画像変形パラメータ算出処理部40
2、及び画像変形処理部50
2と同様であるため、説明を省略する。
【0097】
なお、第3の実施の形態に係る画像処理システム300の他の構成については、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0098】
<本発明の第3の実施の形態に係る画像処理装置の作用>
【0099】
次に、本発明の第3の実施の形態に係る画像処理装置318の作用について説明する。なお、第1の実施の形態における画像処理ルーチンと同一の処理については、同一符号を付して説明を省略する。
【0100】
フィルタ312
1〜312
6を用いてイメージセンサ311により6つのカラーチャンネルごとに撮影されたカラーチャンネル画像の各々を受け付けると、カラーチャンネル画像の各々を画像蓄積部328
1〜328
6に格納し、画像処理装置318は、
図8に示す画像処理ルーチンを実行する。
【0101】
ステップS300では、基準画像と、ステップS102で選択されたカラーチャンネルのカラーチャンネル画像の各々との間での対応点探索を行い、基準画像とカラーチャンネル画像との間で検出された全ての対応点の座標を、カラーチャンネル画像毎に記録する。
【0102】
ステップS302では、カラーチャンネル画像の各々に対し、ステップS300で記録された対応点と、幾何光学系パラメータとに基づいて、カメラ位置を推定する。
【0103】
ステップS304では、ステップS302でカラーチャンネル画像の各々に対し推定されたカメラ位置に基づいて当該カラーチャンネルで撮影されたカラーチャンネル画像のうち、基準画像と撮影位置が最も近いカラーチャンネル画像を変形対象画像として選択する。
【0104】
ステップS108では、ステップS300で選択された変形対象画像について記録された対応点の画像上での位置情報を元に、変形対象画像の画像変形に必要なパラメータを算出する。
【0105】
なお、第3の実施の形態に係る画像処理装置318の作用については、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0106】
以上説明したように、第3の実施の形態に係る画像処理装置によれば、6つのカラーチャンネルのうちの一つのカラーチャンネルで撮影されたカラーチャンネル画像を基準画像とし、複数のカラーチャンネルのうち基準画像で使用したもの以外のカラーチャンネルの各々について複数枚撮影されたカラーチャンネル画像のうち、基準画像と撮影位置が最も近いカラーチャンネル画像を、当該カラーチャンネルの変形対象画像として選択し、選択された変形対象画像の各々を、基準画像に合わせて変形し、変形された変形対象画像の各々と、基準画像とに基づいてマルチカラーチャンネルを生成することにより、複数のカラーチャンネルの画像の撮像が同期していなくても、同期撮影を行った場合と同等のマルチカラーチャンネル画像を生成することができる。
【0107】
また、カメラや被写体の移動により、基準画像の視点における、あるカラーチャンネルの画像(参照画像)が撮影されていない場合でも、基準画像の視点におけるマルチカラーチャンネル画像が生成できる。
【0108】
また、色再現画像の画質が従来手法に比べ向上し、またCIE-XYZやCIE-Labなどの測色値、また分光反射率の推定精度が向上する。さらに、センサもしくはカメラ間で同期を取る必要がなくなり、システム構成の簡略化や小型化、またシステム構築費用の削減が実現できる。
【0109】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。