(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明のマスク検査装置の実施形態であるマスク検査装置100を示す概略図である。
【0023】
図1に示すマスク1に光を照射してマスク1に形成されたパターンの欠陥を検査するマスク検査装置100では、本実施形態で必要な構成部を記載しているが、検査に必要な他の公知の構成部が含まれていてもよい。また、本明細書において、「〜部」及び「〜回路」などと記載したものは、コンピュータで動作可能なプログラムにより構成することができるが、ソフトウェアとなるプログラムだけではなく、ハードウェアとソフトウェアとの組合せやファームウェアとの組合せによって実施されるものであってもよい。プログラムにより構成される場合、プログラムは、磁気ディスク装置などの記録装置に記録される。
【0024】
図1に示す光学画像を取得する光学画像取得部の一例である光学画像取得部101は、ステージ2、オートローダ制御回路3、オートローダ3A、ステージ制御回路4、モータ4A,4B,4C、レーザ測長装置5、位置回路5A、光源6、ビームスプリッタ7、光学系8,9、TDIセンサ11,11A及びセンサアンプ12で構成されている。以下、マスク検査装置100の各構成について説明する。
【0025】
マスク検査装置100は、検査対象であるマスク1を保持するステージ2を有している。マスク1は、オートローダ3Aからステージ2上に搬送される。オートローダ3Aは、オートローダ制御回路3により制御される。
【0026】
ステージ2は、駆動手段の一例として、X方向モータ4Aと、Y方向モータ4Bと、θ方向(水平回転方向)モータ4Cとによって、X方向、Y方向及びθ方向に駆動される。これらのモータ4A,4B,4Cの駆動制御は、ステージ制御回路4によって実行される。
【0027】
ステージ2のX方向及びY方向の位置は、例えば、レーザ干渉計等のレーザ測長装置5と、このレーザ測長装置5に接続された位置回路5Aによって検出される。マスク1は、例えば、X方向に一定速度で連続移動しながらセンサの撮像が行われ、終端でY方向に移動した後、X方向に逆向きに一定速度で連続移動しながらセンサの撮像を行うといったことを、繰り返して被検査マスクの検査領域全面を撮像する。
【0028】
また、マスク検査装置100は、光照射手段の一例としてレーザ光を発する光源6を備えている。マスク検査装置100は、光源6から発せられたレーザ光を、ビームスプリッタ7を介してマスク1に照射し透過させる光学系8と、光源6から発せられたレーザ光を、ビームスプリッタ7を介してマスク1に照射し反射させる光学系9を有している。
【0029】
光学系8は、ミラー8a、対物レンズ8b及び画像センサの一例であるTDIセンサ11に透過光を結像させる対物レンズ8cを有している。また、光学系9は、ミラー9a、ビームスプリッタ9b及び画像センサの一例であるTDIセンサ11Aに反射光を結像させる対物レンズ9cを有している。以下、光学系8と光学系9を区別する必要がない場合は、光学系8の構成を用いて説明する。
【0030】
TDIセンサ11は、例えば、2048画素×512画素(1画素が70nm×70nmの場合、144μm×36μm)の撮像領域を有する2次元のCCDセンサで構成されている。すなわち、TDIセンサ11は、TDI方向に複数段(例えば、512段)のラインによって構成され、各ラインLは複数の画素(例えば、2048画素)によって構成されている。
【0031】
また、TDIセンサ11は、TDI方向(512段方向)とステージ2のX方向が一致するように設置され、ステージ2が移動することにより、TDIセンサ11がマスク1に対して相対的に移動することになり、TDIセンサ11にマスク1の画像(パターン)が撮像されることになる。
【0032】
ステージ2の移動方向が反転されると、TDIセンサ11の移動方向も反転され、TDIセンサ11がマスク1に対して相対的に移動することになる。なお、本実施形態で使用されるマスク検査装置100では、画像センサとしてTDIセンサ11を用いているが、TDIセンサ11に代えてラインセンサやエリアセンサのような他の画像センサを用いてもよい。
【0033】
TDIセンサ11は、センサアンプ12と接続されている。センサアンプ12は、TDIセンサ11から入力された各画素の光量信号をノーマライズされた光学画像とする。センサアンプ12から出力された光学画像は、位置回路5Aから出力されたステージ2でのマスク1の位置を示すデータとともに、欠陥検出部の一例である欠陥検出回路15と位置ずれデータ処理部の一例である位置ずれデータ処理回路16に入力される。
【0034】
図2は、マスク1に形成されたパターンの光学画像の取得手順を示す模式図である。マスク検査装置100が、マスク1に形成されたパターンの光学画像を取得する手順について説明する。
【0035】
図2に示すマスク1は、ステージ2の上に載置されているものとする。また、マスク1上の検査領域は、
図2に示すように、短冊状の複数の検査領域、すなわち、ストライプ20
1,20
2,20
3,20
4,・・・に仮想的に分割されている。各ストライプは、例えば、幅が数百μmであって、長さがマスク1のX方向またはY方向の全長に対応する100mm程度の領域とすることができる。
【0036】
光学画像は、ストライプ毎に取得される。すなわち、
図2で示す光学画像を取得する際には、各ストライプ20
1,20
2,20
3,20
4,・・・が連続的に走査されるようにステージ2の動作が制御される。具体的には、ステージ2が
図2に示す−X方向に移動しながら、マスク1の光学画像が取得される。そして、TDIセンサ11に
図2に示すような走査幅Wの画像が連続的に入力される。
【0037】
すなわち、第1のストライプ20
1における画像を取得した後、第2のストライプ20
2における画像が取得される。この場合、ステージ2が−Y方向にステップ移動した後、第1のストライプ20
1における画像の取得時の方向(−X方向)とは逆方向(X方向)に移動しながら光学画像が取得され、走査幅Wの画像が、TDIセンサ11に連続的に入力される。
【0038】
また、第3のストライプ20
3における画像を取得する場合には、ステージ2が−Y方向にステップ移動した後、第2のストライプ20
2における画像を取得する方向(X方向)とは逆方向、すなわち、第1のストライプ20
1における画像を取得した方向(−X方向)にステージ2が移動する。なお、
図2の矢印は、光学画像が取得される方向と順序を示しており、ハッチングされた部分は、光学画像の取得が済んだ領域を示している。
【0039】
TDIセンサ11に結像した画像(パターン)は、光電変換され、さらにセンサアンプ12によってA/D(アナログデジタル)変換される。その後、A/D変換されたセンサデータ(透過画像、反射画像)は、センサアンプ12から欠陥検出回路15と位置ずれデータ処理回路16に送られる。
【0040】
次に、参照画像生成部の一例としての参照回路14について説明する。
図1に示すようにマスク検査装置100は、展開回路13及び光学画像に対する比較基準となる参照画像を生成する参照回路14を備えている。
【0041】
展開回路13は、記憶装置21に記憶されたCADデータ(作図データ)等を展開し、展開データを参照回路14に出力する。すなわち、展開回路13は、例えば、記憶装置21から制御計算機20を通して設計データを読み出し、この読み出された設計データを二値又は多値のイメージデータ(設計画像データ)に変換する。
【0042】
このように二値又は多値のイメージデータ(設計画像データ)に変換された設計データは、展開回路13から参照回路14に送られる。参照回路14では、送られた図形のイメージデータである設計画像データに対して適切なフィルタ処理が施される。
【0043】
ここで、本実施形態のデータの流れについて説明する。
図3は、本実施形態のデータの流れを示す模式図である。
【0044】
図3に示すように、設計者(ユーザ)が作成したCADデータ301は、OASISなどの階層化されたフォーマットの設計中間データ302に変換される。設計中間データ302には、レイヤ〈層〉毎に作成されて各マスクに形成される設計データが格納される。しかし、マスク検査装置100では、OASISなどの設計中間データ302を直接読み込めるようには構成されていない。
【0045】
すなわち、マスク検査装置100の各製造メーカは、独自のフォーマットデータを用いている。このため、設計中間データ302は、レイヤ毎にマスク検査装置100に固有のパターンデータであるフォーマットデータ303に変換される。そして、この変換後のフォーマットデータ303は、マスク検査装置100に入力される。なお、このフォーマットデータ303は、マスク検査装置100に固有のデータとすることができるが、描画装置と互換性のあるデータとしてもよい。
【0046】
フォーマットデータ303は、例えば、マスク検査装置100の記憶装置21に格納される。フォーマットデータ303の数十μm程度の範囲に存在する図形の集合を一般にクラスタ又はセルと称するが、これを用いてデータを階層化することが行われている。クラスタ又はセルには、各種図形を単独で配置したり、ある間隔で繰り返し配置したりする場合の配置座標や繰り返し記述も定義される。
【0047】
クラスタ又はセルは、フレーム又はストライプに配置される。ストライプは、例えば、幅が数百μmで、長さがフォトマスクのX方向又はY方向の全長に対応する100mm程度の短冊状領域である。
【0048】
記憶装置21に入力されたフォーマットデータ303(設計データ)は、マスク検査の進行に伴って、観測中のパターンに必要な箇所のデータが、展開回路13に読み出される。展開回路13は、フォーマットデータ303の図形形状(図形コード)、図形寸法、配置位置などを解釈する。そして、展開回路13では、所定の量子化寸法のグリッドを単位とするマス目内に配置されるパターンデータとして二値又は多値の設計画像データを展開するデータ展開処理が行われる。
【0049】
展開された設計画像データは、センサ画素に相当する領域(マス目)毎に設計パターンにおける図形が占める占有率を演算する。そして、各画素内の図形占有率が画素値となる。上記のように二値又は多値のイメージデータ(ビットパターンデータ)に変換されたパターンデータは、参照データ(参照画像)を発生する参照回路14に送られる。参照回路14では、マスク観察像と比較するための適切な画像フィルタ処理が施され、参照パターンを発生する。
【0050】
図4は、フィルタ処理を示す図である。フィルタ処理は、マスク1に形成されたパターンが、マスクの製造仕上がり寸法を設計寸法通りにするために、製造工程で線幅を加減することがある。また、マスク製造プロセスの過程でパターンのコーナーが丸まってしまうことがある。このため、検査装置で観測する光学画像(マスク観測像)は、設計パターンと厳密には一致しないことから、参照画像と光学画像が近似するように処理する。
【0051】
また、センサアンプ12から得られた光学画像は、拡大光学系の解像特性やフォトダイオードアレイのアパーチャ効果などによって、ぼやけを生じた状態、言い換えれば空間的なローパスフィルタが作用した状態になる。
【0052】
したがって、設計側の二値又は多値のイメージデータである設計データにフィルタ処理を施し、つまり光学画像と合わせる処理を行うことで、光学画像と高い精度で比較することができる参照画像が生成されることになる。すなわち、検査に先だって検査対象となるマスク1を観察し、その製造プロセスや検査装置の光学系による変化を模擬したフィルタ係数を学習して、設計データに2次元のデジタルフィルタ処理を施し、参照画像が光学画像に近似するような処理を行っている。
【0053】
上記のとおり参照画像と光学画像は、欠陥検出回路15に入力され欠陥が検出され、また、位置ずれデータ処理回路16に入力されパターンの位置ずれ寸法が検出され、パターンの座標と共に位置ずれデータ(位置ずれの方向とその大きさを示すベクトル)が生成される。
【0054】
位置ずれデータ処理回路16は、位置ずれデータを、例えば、マスク内の数十ミクロン程度の矩形領域であるフレーム単位で処理する。そして、この処理された位置ずれデータは、位置ずれマップ処理部の一例である位置ずれマップ処理回路17に入力されマスク1の面内分布である位置ずれマップが生成される。
【0055】
次に、
図5を用いて、欠陥検出回路15について説明する。欠陥検出回路15には、参照回路14で生成された参照画像と光学画像取得部101で取得された光学画像が入力され、また、位置ずれマップ処理回路17で生成された位置ずれマップが入力される。
【0056】
図5に示すように欠陥検出回路15は、入力された参照画像と光学画像を比較し、欠陥を検出する第1の比較部の一例としての第1の比較回路15aと、第1の比較回路15aで検出された欠陥の箇所と対応する位置ずれマップの箇所を特定し、特定された箇所の位置ずれ寸法と欠陥の誤差傾向に応じて閾値を再設定する閾値再設定部の一例としての閾値再設定回路15bと、閾値再設定回路15bで再設定された閾値を用いて特定された箇所の参照画像と光学画像を比較する第2の比較部の一例としての第2の比較回路15cを有している。
【0057】
第1の比較回路15aは、参照回路14から入力された参照画像と、光学画像取得部101から入力された光学画像を比較する。第1の比較回路15aでは、この比較によりパターンの形状の差異に基づいてパターン形状欠陥を検出し、この比較により欠陥と判断した箇所の座標を特定する。
【0058】
第1の比較回路15aで欠陥と判断された欠陥箇所の情報は、閾値再設定回路15bに入力される。また、位置ずれマップ処理回路17で生成されたマスク1の位置ずれの面内分布である位置ずれマップが閾値再設定回路15bに入力される。
【0059】
閾値再設定回路15bでは、欠陥箇所に対応する位置ずれマップの箇所を特定し、この特定された箇所の位置ずれ寸法と欠陥箇所の情報に基づいて閾値を再設定する。すなわち、位置ずれマップから特定されたパターンの位置ずれの方向が判断される。
【0060】
そして、欠陥箇所のパターンの位置ずれ方向が判断されると、次に欠陥箇所がパターンの上下左右どちらにずれているか判断され、そしてこの欠陥が凸か凹か判断される。このような判断に応じて
図6の一覧表に示すように閾値が再設定される。
【0061】
閾値再設定回路15bでは、
図6(a)に示すように、参照画像に対して前記光学画像が左にずれている場合、欠陥が光学画像の左に凸のとき閾値を厳しくし、欠陥が光学画像の右に凸のとき閾値を緩和し、欠陥が光学画像の左に凹のとき閾値を緩和し、欠陥が光学画像の右に凹のとき閾値を厳しくする。
【0062】
また、閾値再設定回路15bでは、参照画像に対して前記光学画像が右にずれている場合、欠陥が光学画像の左に凸のとき閾値を緩和し、欠陥が光学画像の右に凸のとき閾値を厳しくし、欠陥が光学画像の左に凹のとき閾値を厳しくし、欠陥が光学画像の右に凹のとき閾値を緩和する。
【0063】
また、閾値再設定回路15bでは、
図6(b)に示すように、参照画像に対して前記光学画像が上にずれている場合、欠陥が光学画像の上に凸のとき閾値を厳しくし、欠陥が光学画像の下に凸のとき閾値を緩和し、欠陥が光学画像の上に凹のとき閾値を緩和し、欠陥が光学画像の下に凹のとき閾値を厳しくする。
【0064】
また、閾値再設定回路15bでは、参照画像に対して前記光学画像が下にずれている場合、欠陥が光学画像の上に凸のとき閾値を緩和し、欠陥が光学画像の下に凸のとき閾値を厳しくし、欠陥が光学画像の上に凹のとき閾値を厳しくし、欠陥が光学画像の下に凹のとき閾値を緩和する。
【0065】
なお、欠陥が凸(以下、凸欠陥という)とは、パターンに生じた欠陥が、このパターンの外部に向かって大きく(太く)なるように形成された形状欠陥であり、局所的に線幅が太くなっている場合も含んでもよい。また、欠陥が凹(以下、凹欠陥という)とは、パターンに生じた欠陥が、このパターンの内部に向かって小さく(細く)なるように形成された形状欠陥であり、局所的に線幅が細くなっている場合も含んでもよい。
【0066】
次に、
図7から
図9を用いてパターンに位置ずれが発生した場合のフレームでの光量分布の一例について説明する。上記のとおりマスク検査においては、マスク内の数十ミクロン程度の矩形領域であるフレームにおいて、参照画像と光学画像の比較を行い欠陥の検出をしている。そして、このフレーム内の参照画像と光学画像のパターンの位置ずれ寸法を測定し、マスクの面内におけるフレームを単位としたパターンの位置ずれの寸法マップ、つまり位置ずれマップを生成している。
【0067】
図7(a)は、参照画像のフレームの一例であるフレームF1を示し、ハッチングされている部分は、膜のないガラス露出部からなる透過領域であり、ハッチングされていない部分は、遮光膜または遮光性のある半透明膜で形成されている領域、つまりパターンを示しており、
図7(b)においても同様である。
【0068】
図7(b)は、
図7(a)に示すフレームF1と対応する光学画像のフレームF2を示している。このフレームF2は、第1の比較回路15aで検出された欠陥箇所と、位置ずれマップ処理回路17で生成された位置ずれマップの欠陥箇所に対応するフレームを合成したものである。この例では、
図7(a),(b)に示すように参照画像のパターンP1に対して光学画像のパターンP2が、左にずれている。
【0069】
図8は、
図7(a),(b)に示す横断補助線A−A線の断面の光量を示す光量分布図であり、縦軸は光量及び横軸は位置を示し、また、実線は光学画像の光量分布及び破線は参照画像の光量分布を示している。
【0070】
図8は、参照画像に対して光学画像が左にずれているときに、欠陥が光学画像の左であり、凸欠陥であるときの例を示している。そして、このような場合には、閾値再設定回路15bにおいて閾値の再設定を厳しくする。すなわち、
図7(b)のパターンP2のA−A線においては、凸欠陥が左に存在していることがわかるので、
図8に示すとおり影響は大きい。したがって、この場合には、閾値の再設定を厳しくするとよいことが分かる。
【0071】
図9は、
図7(a),(b)に示す横断補助線B−B線の断面の光量を示す光量分布図であり、縦軸は光量及び横軸は位置を示し、また、実線は光学画像の光量分布及び破線は参照画像の光量分布を示している。
【0072】
図9は、参照画像に対して光学画像が左にずれているときに、欠陥が光学画像の右であり、凸欠陥であるのときの例を示している。そして、このような場合には、閾値再設定回路15bにおいて閾値の再設定を緩和する。すなわち、パターンP2のB−B線においては、凸欠陥が右に存在しており、
図9に示すとおり影響は軽微である。したがって、この場合には、閾値の再設定を緩和するとよいことが分かる。
【0073】
閾値再設定回路15bで上記の説明のとおり閾値が再設定されると、この再設定された閾値を用いて第2の比較回路15cで欠陥の検出が行われる。すなわち、第2の比較回路15cにおいて、再設定された閾値を用いて欠陥が検出された光学画像(フレーム)と対応する参照画像を比較し、再度欠陥を検出する。このように第2の比較回路15cで閾値を再設定し欠陥の検出を行うことで疑似欠陥の検出を抑制することができる。
【0074】
第2の比較回路15cでの検査結果は、例えば、記憶装置21に格納され、その後、オペレータが格納された検査結果を記憶装置21から読み出してディスプレイなどの表示装置22に表示させ確認することができる。なお、記憶装置21は、例えば、磁気ディスク装置、磁気テープ装置、FD、半導体メモリなどである。また、第1の比較回路15aの検査結果を記憶装置21に格納するようにしてもよい。
【0075】
なお、第1の比較回路15a及び第2の比較回路15cでは、透過と反射を組み合わせた比較判定アルゴリズムが用いられ、比較の結果、両者の差異が所定の閾値を超えた場合には、その箇所が欠陥と判定されるが、透過画像同士での比較、反射画像同士での比較であってもよい。
【0076】
図7から
図9では縦ライン/スペース・パターン箇所を例示し、パターンの左右に欠陥が生じている場合を示しているが、横ライン/スペース・パターン箇所で、パターンの上下に欠陥が生じた場合も閾値再設定回路15bにおいて閾値の再設定が行われ、この再設定された閾値を用いて第2の比較回路15cで欠陥の検出が行われることは同様である。
【0077】
また、保存された検査結果は、例えば、
図3に示すレビュー装置310に送られ、オペレータによってレビューされる。このレビュー装置310は、マスク検査装置100の構成要素の1つであってもよく、また、マスク検査装置100の外部装置であってもよい。
【0078】
レビュー装置310でのレビューは、オペレータによって検出された欠陥が実用上問題となるものであるかどうかを判断する動作であり、このオペレータは、例えば、欠陥判定の根拠となった基準画像と、欠陥が含まれる光学画像とを見比べて修正の必要な欠陥であるか否かを判断する。
【0079】
レビュー装置310で判別された欠陥情報は、例えば、記憶装置21に保存される。レビュー装置310で1つでも修正すべき欠陥が確認されると、マスク1は、
図3に示す欠陥情報リスト320とともに、マスク検査装置100の外部装置である修正装置330に送られる。修正方法は、欠陥のタイプが凸系の欠陥か凹系の欠陥かによって異なるので、欠陥情報リスト320には、凸凹の区別を含む欠陥の種別と欠陥の座標が添付される。
【0080】
次に、
図10及び
図11を用いて実施形態のマスク検査装置100の処理について説明する。
図10及び
図11は実施形態のマスク検査装置100の処理を示すフローチャートである。
【0081】
まず、ステージ2に載置されたマスク1に対して、欠陥検査が開始される。そして、マスク1に対する欠陥検査が開始されると、光学画像取得部101でマスク1の光学画像が取得され、このとき、参照回路14で参照画像も生成される(ステップS210)。
【0082】
ステップS210で取得された光学画像及び生成された参照画像は、欠陥検出回路15と位置ずれデータ処理回路16のそれぞれに入力され、欠陥検出回路15では、第1の比較回路15aで第1の比較が行なわれる(ステップS211)。
【0083】
ステップS211の第1の比較において、所定の閾値を用いて光学画像と参照画像が、フレーム単位で比較され、欠陥が検出される(ステップS212)。そしてこの第1の比較の結果は記憶装置21などに登録される(ステップS213)。
【0084】
一方、光学画像と参照画像が入力された位置ずれデータ処理回路16では、フレーム単位で光学画像と参照画像の位置ずれ寸法が計測される(ステップS214)。そして、位置ずれデータが生成される(ステップS215)。
【0085】
そして、ステップS215で生成された位置ずれデータは、位置ずれマップ処理回路17に入力され、マスク1の面内分布である位置ずれマップが生成される(ステップS216)。
【0086】
次に、第1の比較で検出された欠陥の情報と位置ずれマップの情報が閾値再設定回路15bに入力され、欠陥が検出された欠陥領域に対応する位置ずれ寸法を検出する(ステップS217)。すなわち、ステップS217では、欠陥が検出されたパターンに対応する位置ずれマップ内のパターンの位置ずれ寸法を検出する。
【0087】
また、ステップS217において、閾値再設定回路15bでは、参照画像に対して光学画像が上にずれているか、下にずれているか、左にずれているか、右にずれているかを判断する。すなわち、閾値再設定回路15bでは、位置ずれの方向が、左右か上下かを判断する。
【0088】
次に、位置ずれの方向が左右と判断された場合(ステップS217:左右)、閾値再設定回路15bでは、参照画像に対して光学画像が左にずれているか、右にずれているかを判断する(ステップS218)。そして、左にずれている場合、欠陥が凸欠陥か、凹欠陥かを判断する(ステップS219)。
【0089】
そして、ステップS219において、欠陥が凸欠陥であると判断されると、欠陥の位置が、この欠陥を有するパターンの左であるか右であるかを判断する(ステップS220)。左にずれている場合、閾値を厳しくするように再設定する(ステップS221)。
【0090】
第2の比較回路15cでは、この再設定された閾値を用いて欠陥箇所の光学画像と参照画像に対して第2の比較を行う(ステップS233)。そして、この第2の比較の結果は記憶装置21などに登録される(ステップS234)。
【0091】
次に、第1の比較で検出された欠陥が残っていれば、ステップS217に進み(ステップS235:Yes)、また、欠陥が残っていなければマスク1に対する欠陥検査は終了し(ステップS235:No)、このとき、ステップS213で登録された第1の比較結果は抹消してもよい。
【0092】
一方、ステップS220において、欠陥の位置が、この欠陥を有するパターンの左であるか右であるかを判断し(ステップS220)、そして、右にずれている場合、閾値を緩和するように再設定し(ステップS222)、次に、ステップS233からS235にすすむ。
【0093】
一方、ステップS219において、欠陥が凹欠陥であると判断されると(ステップS219)、欠陥の位置が、この欠陥を有するパターンの左であるか、右であるかを判断し(ステップS223)、そして、左にずれている場合、閾値を緩和するように再設定し(ステップS224)、次に、ステップS233からS235にすすむ。
【0094】
一方、ステップS223において、欠陥の位置が、この欠陥を有するパターンの左であるか右であるかを判断し(ステップS223)、そして、右にずれている場合、閾値を厳しくするように再設定し(ステップS225)、次に、ステップS233からS235にすすむ。
【0095】
一方、ステップS218において、参照画像に対して光学画像が左にずれているか、右にずれているかを判断し(ステップS218)、そして、右にずれている場合、欠陥が凸欠陥か、凹欠陥かを判断する(ステップS226)。
【0096】
そして、ステップS226において、欠陥が凸欠陥であると判断されると、欠陥の位置が、この欠陥を有するパターンの左であるか右であるかを判断する(ステップS227)。そして、左にずれている場合、閾値を緩和するように再設定し(ステップS228)、次に、ステップS233からS235にすすむ。
【0097】
一方、ステップS227において、欠陥の位置が、この欠陥を有するパターンの左であるか右であるかを判断し(ステップS227)、そして、右にずれている場合、閾値を厳しくするように再設定し(ステップS229)、次に、ステップS233からS235にすすむ。
【0098】
一方、ステップS226において、欠陥が凹欠陥であると判断されると(ステップS226)、欠陥の位置が、この欠陥を有するパターンの左であるか、右であるかを判断し(ステップS230)、そして、左にずれている場合、閾値を厳しくするように再設定し(ステップS231)、次に、ステップS233からS235にすすむ。
【0099】
一方、ステップS230において、欠陥の位置が、この欠陥を有するパターンの左であるか右であるかを判断し(ステップS230)、そして、右にずれている場合、閾値を緩和するように再設定し(ステップS232)、次に、ステップS233からS235にすすむ。
【0100】
一方、位置ずれの方向が上下と判断された場合(ステップS217:上下)、閾値再設定回路15bでは、参照画像に対して光学画像が上にずれているか、下にずれているかを判断する(ステップS218a)。そして、上にずれている場合、欠陥が凸欠陥か、凹欠陥かを判断する(ステップS219a)。
【0101】
そして、ステップS219aにおいて、欠陥が凸欠陥であると判断されると、欠陥の位置が、この欠陥を有するパターンの上であるか下であるかを判断する(ステップS220a)。上にずれている場合、閾値を厳しくするように再設定する(ステップS221a)。
【0102】
第2の比較回路15cでは、この再設定された閾値を用いて欠陥箇所の光学画像と参照画像に対して第2の比較を行う(ステップS233)。そして、この第2の比較の結果は
記憶装置21などに登録される(ステップS234)。
【0103】
次に、第1の比較で検出された欠陥が残っていれば、ステップS217に進み(ステップS235:Yes)、また、欠陥が残っていなければマスク1に対する欠陥検査は終了し(ステップS235:No)、このとき、ステップS213で登録された第1の比較結果は抹消してもよい。
【0104】
一方、ステップS220aにおいて、欠陥の位置が、この欠陥を有するパターンの上であるか下であるかを判断し(ステップS220a)、そして、下にずれている場合、閾値を緩和するように再設定し(ステップS222a)、次に、ステップS233からS235にすすむ。
【0105】
一方、ステップS219aにおいて、欠陥が凹欠陥であると判断されると(ステップS219a)、欠陥の位置が、この欠陥を有するパターンの上であるか、下であるかを判断し(ステップS223a)、そして、上にずれている場合、閾値を緩和するように再設定し(ステップS224a)、次に、ステップS233からS235にすすむ。
【0106】
一方、ステップS223aにおいて、欠陥の位置が、この欠陥を有するパターンの上であるか下であるかを判断し(ステップS223a)、そして、下にずれている場合、閾値を厳しくするように再設定し(ステップS225a)、次に、ステップS233からS235にすすむ。
【0107】
一方、ステップS218aにおいて、参照画像に対して光学画像が上にずれているか、下にずれているかを判断し(ステップS218a)、そして、下にずれている場合、欠陥が凸欠陥か、凹欠陥かを判断する(ステップS226a)。
【0108】
そして、ステップS226aにおいて、欠陥が凸欠陥であると判断されると、欠陥の位置が、この欠陥を有するパターンの上であるか下であるかを判断する(ステップS227a)。そして、上にずれている場合、閾値を緩和するように再設定し(ステップS228a)、次に、ステップS233からS235にすすむ。
【0109】
一方、ステップS227aにおいて、欠陥の位置が、この欠陥を有するパターンの上であるか下であるかを判断し(ステップS227a)、そして、下にずれている場合、閾値を厳しくするように再設定し(ステップS229a)、次に、ステップS233からS235にすすむ。
【0110】
一方、ステップS226aにおいて、欠陥が凹欠陥であると判断されると(ステップS226a)、欠陥の位置が、この欠陥を有するパターンの上であるか、下であるかを判断し(ステップS230a)、そして、上にずれている場合、閾値を厳しくするように再設定し(ステップS231a)、次に、ステップS233からS235にすすむ。
【0111】
一方、ステップS230aにおいて、欠陥の位置が、この欠陥を有するパターンの上であるか下であるかを判断し(ステップS230a)、そして、下にずれている場合、閾値を緩和するように再設定し(ステップS232a)、次に、ステップS233からS235にすすむ。
【0112】
以上述べた実施形態のマスク検査装置及びマスク検査方法によれば、マスク1をデータベース比較方式で検査するマスク検査装置100において、マスク面内を所定の格子密度(フレーム)で参照画像と光学画像を取得して、実パターンとの位置ずれ寸法を算出及び測定する位置ずれマップ機能を備えており、マスク1の検査の進行中に位置ずれマップも取得することができる。
【0113】
このように位置ずれマップを取得することで、パターンの形状欠陥などによる凸状の欠陥箇所と位置ずれマップの左側への位置ずれが合成されるパターンエッジの箇所では、通常より厳しい欠陥判定閾値を適用することにより高感度での欠陥検出が可能となり、真に欠陥として影響してしまう箇所のみを、合理的に指摘することができる。
【0114】
また、凸状の欠陥箇所と位置ずれマップの右側への位置ずれが合成されるパターンエッジの箇所では、通常より緩い欠陥判定閾値を適用することにより高感度での欠陥検出が可能となり、真に欠陥として影響してしまう箇所のみを、合理的に指摘することができる。
【0115】
また、パターンの形状欠陥などによる凸状の欠陥箇所と位置ずれマップの上側への位置ずれが合成されるパターンエッジの箇所では、通常より厳しい欠陥判定閾値を適用することにより高感度での欠陥検出が可能となり、真に欠陥として影響してしまう箇所のみを、合理的に指摘することができる。
【0116】
また、凸状の欠陥箇所と位置ずれマップの下側への位置ずれが合成されるパターンエッジの箇所では、通常より緩い欠陥判定閾値を適用することにより高感度での欠陥検出が可能となり、真に欠陥として影響してしまう箇所のみを、合理的に指摘することができる。
【0117】
実施形態においては、このように擬似欠陥の検出を抑制して、パターンの欠陥箇所を検出することができる。また、このようなパターンの欠陥箇所の検出は、形状欠陥のみならず局所的な線幅誤差においても適応可能であり、例えば、マスク1の面内におけるパターン線幅の寸法マップであるCD(Critical Dimension)マップ機能と位置ずれマップ機能とを併用することも可能である。
【0118】
また、上記の実施形態では、参照回路14で生成された参照画像と光学画像取得部101で取得された光学画像が、欠陥検出回路15と位置ずれデータ処理回路16に入力される。すなわち、一度のスキャンで取得された光学画像を用いて欠陥検出及び位置ずれマップの生成を行っている。
【0119】
しかし、一度目のスキャンによる第1の光学画像と参照画像を用いて位置ずれデータ及び位置ずれマップの生成を行い、そして、二度目のスキャンによる第2の光学画像と参照画像を用いて欠陥の検出を行ってもよい。このような構成にすることで、前もって位置ずれマップが生成されていることから欠陥検出を、より効率よく実施することができる。
【0120】
本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することができる。
【0121】
また、上記各実施の形態では、装置構成や制御手法など、本発明の説明に直接必要としない部分についての記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いてもよい。その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更し得る全ての検査方法または検査装置は、本発明の範囲に包含される。
以下に、本願出願時の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
マスクに光を照射して前記マスクに形成されたパターンの欠陥を検査するマスク検査装置であって、
前記マスクに光を照射して光学画像を取得する光学画像取得部と、
前記マスクの設計データから、参照画像を生成する参照画像生成部と、
前記光学画像と前記参照画像を比較し、前記欠陥を検出する欠陥検出部と、
前記光学画像と前記参照画像からパターンの位置ずれ寸法を求め、前記位置ずれ寸法と前記パターンの座標と共に位置ずれデータを生成する位置ずれデータ処理部と、
前記位置ずれデータに基づいた前記マスクの面内分布である位置ずれマップを生成し、前記位置ずれマップを、前記欠陥検出部に出力する位置ずれマップ処理部と、を備え、
前記欠陥検出部は、前記光学画像と前記参照画像を比較する第1の比較部と、前記第1の比較部で検出された欠陥の箇所と対応する前記位置ずれマップの箇所を特定し、前記特定された箇所の位置ずれ寸法と欠陥の誤差傾向に応じて閾値を再設定する閾値再設定部と、前記再設定された閾値を用いて前記特定された箇所の参照画像と光学画像を比較する第2の比較部を有することを特徴とするマスク検査装置。
[C2]
前記閾値の再設定では、
前記参照画像に対して前記光学画像が左にずれている場合、
前記欠陥が光学画像の左に凸のとき前記閾値を厳しくし、前記欠陥が光学画像の右に凸のとき前記閾値を緩和し、前記欠陥が光学画像の左に凹のとき前記閾値を緩和し、前記欠陥が光学画像の右に凹のとき前記閾値を厳しくし、
前記参照画像に対して前記光学画像が右にずれている場合、
前記欠陥が光学画像の左に凸のとき前記閾値を緩和し、前記欠陥が光学画像の右に凸のとき前記閾値を厳しくし、前記欠陥が光学画像の左に凹のとき前記閾値を厳しくし、前記欠陥が光学画像の右に凹のとき前記閾値を緩和し、
前記参照画像に対して前記光学画像が上にずれている場合、
前記欠陥が光学画像の上に凸のとき前記閾値を厳しくし、前記欠陥が光学画像の下に凸のとき前記閾値を緩和し、前記欠陥が光学画像の上に凹のとき前記閾値を緩和し、前記欠陥が光学画像の下に凹のとき前記閾値を厳しくし、
前記参照画像に対して前記光学画像が下にずれている場合、
前記欠陥が光学画像の上に凸のとき前記閾値を緩和し、前記欠陥が光学画像の下に凸のとき前記閾値を厳しくし、前記欠陥が光学画像の上に凹のとき前記閾値を厳しくし、前記欠陥が光学画像の下に凹のとき前記閾値を緩和することを特徴とする[C1]に記載のマスク検査装置。
[C3]
前記位置ずれデータと前記位置ずれマップは、第1の光学画像と前記参照画像を用いて生成され、
前記欠陥は、前記第1の光学画像の後に取得される第2の光学画像と前記参照画像を用いて比較し検出されることを特徴とする[C1]又は[C2]に記載のマスク検査装置。
[C4]
マスクに光を照射して前記マスクに形成されたパターンの欠陥を検査するマスク検査方法であって、
前記マスクに光を照射して光学画像を取得し、前記マスクの設計データから参照画像を生成するステップと、
前記光学画像と前記参照画像を比較し欠陥を検出するステップと、
前記光学画像と前記参照画像から前記パターンの位置ずれ寸法を求め、前記位置ずれ寸法と前記パターンの座標と共に位置ずれデータを生成するステップと、
前記位置ずれデータに基づいた前記マスクの面内分布である位置ずれマップを生成するステップと、を含み、 前記欠陥を検出するステップは、前記光学画像と前記参照画像を比較して検出された欠陥の箇所を特定し、前記特定された箇所の位置ずれ寸法と欠陥の誤差傾向に応じて閾値を再設定し、前記再設定された閾値を用いて前記特定された箇所の参照画像と光学画像を比較するステップを含むことを特徴とするマスク検査方法。
[C5]
前記再設定された閾値を用いて前記特定された箇所の参照画像と光学画像を比較するステップでは、
前記参照画像に対して前記光学画像が左にずれている場合、
前記欠陥が光学画像の左に凸のとき前記閾値を厳しくし、前記欠陥が光学画像の右に凸のとき前記閾値を緩和し、前記欠陥が光学画像の左に凹のとき前記閾値を緩和し、前記欠陥が光学画像の右に凹のとき前記閾値を厳しくし、
前記参照画像に対して前記光学画像が右にずれている場合、
前記欠陥が光学画像の左に凸のとき前記閾値を緩和し、前記欠陥が光学画像の右に凸のとき前記閾値を厳しくし、前記欠陥が光学画像の左に凹のとき前記閾値を厳しくし、前記欠陥が光学画像の右に凹のとき前記閾値を緩和し、
前記参照画像に対して前記光学画像が上にずれている場合、
前記欠陥が光学画像の上に凸のとき前記閾値を厳しくし、前記欠陥が光学画像の下に凸のとき前記閾値を緩和し、前記欠陥が光学画像の上に凹のとき前記閾値を緩和し、前記欠陥が光学画像の下に凹のとき前記閾値を厳しくし、
前記参照画像に対して前記光学画像が下にずれている場合、
前記欠陥が光学画像の上に凸のとき前記閾値を緩和し、前記欠陥が光学画像の下に凸のとき前記閾値を厳しくし、前記欠陥が光学画像の上に凹のとき前記閾値を厳しくし、前記欠陥が光学画像の下に凹のとき前記閾値を緩和するステップを含むことを特徴とする[C4]に記載のマスク検査方法。
[C6]
前記位置ずれデータを生成するステップと前記位置ずれマップを生成するステップでは、第1の光学画像と前記参照画像を用い、
前記欠陥を検出するステップでは、前記第1の光学画像の後に取得される第2の光学画像と前記参照画像を用いることを特徴とする[C4]又は[C5]に記載のマスク検査方法。