(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6373231
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】照明装置、照明装置からの光取り出し方法
(51)【国際特許分類】
F21V 33/00 20060101AFI20180806BHJP
G02B 5/02 20060101ALI20180806BHJP
G02B 19/00 20060101ALI20180806BHJP
F21V 7/22 20180101ALI20180806BHJP
F21V 3/00 20150101ALI20180806BHJP
F21V 17/00 20060101ALI20180806BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20180806BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20180806BHJP
【FI】
F21V33/00 440
G02B5/02 B
G02B19/00
F21V7/22
F21V3/00 320
F21V17/00 155
F21V23/00 160
F21Y115:10
【請求項の数】21
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-131580(P2015-131580)
(22)【出願日】2015年6月30日
(65)【公開番号】特開2017-16854(P2017-16854A)
(43)【公開日】2017年1月19日
【審査請求日】2017年2月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096091
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 誠一
(72)【発明者】
【氏名】山本 俊司
(72)【発明者】
【氏名】井上 翔太
(72)【発明者】
【氏名】久保田 哲治
【審査官】
安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−151002(JP,A)
【文献】
特開2009−231128(JP,A)
【文献】
特開2004−327094(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0296398(US,A1)
【文献】
特開2012−114054(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/132787(WO,A1)
【文献】
特開2014−203688(JP,A)
【文献】
特開2007−316649(JP,A)
【文献】
特開2012−099417(JP,A)
【文献】
特開2008−258094(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 33/00
F21V 3/00
F21V 7/22
F21V 17/00
F21V 23/00
G02B 5/02
G02B 19/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天面と側面から構成され、前記天面との対向面に開口部が形成される枠体と、
前記枠体の開口部に、前記枠体の内側面から所定距離離隔して、前記開口部の中心側に前記天面と対向するように配置される反射板と、
前記天面に、前記反射板と対向するようにLED光源の発光面を向けて配置されたLED光源と、
前記枠体の開口部に、前記枠体の内側面に接して、且つ前記反射板の外周を囲うように前記反射板の外周側に前記反射板と一体に設けられる光拡散板と、
を具備し、
前記枠体と前記反射板はともに、波長450〜650nmの可視光帯における光学特性として、硫酸バリウム標準片の光反射率を100%とした時の、前記標準片に対する拡散反射率が90%以上であり、
前記反射板は前記天面の中心と前記反射板の中心が一致するように設けられ、前記光拡散板は、前記反射板と中心が一致するように設けられることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
天面と側面から構成され、前記天面との対向面に開口部が形成される枠体と、
前記枠体の開口部に、前記枠体の内側面から所定距離離隔して、前記開口部の中心側に前記天面と対向するように配置される反射板と、
前記天面に、前記反射板と対向するようにLED光源の発光面を向けて配置されたLED光源と、
前記枠体の開口部に、前記枠体の内側面と前記天面と対向するように配置される反射板の反射面の裏面側に接し、前記内側面を横断して前記開口部全体を覆うように形成された光拡散板と、を具備し、
前記枠体と前記反射板はともに、波長450〜650nmの可視光帯における光学特性として、硫酸バリウム標準片の光反射率を100%とした時の、前記標準片に対する拡散反射率が90%以上であり、
前記反射板は前記天面の中心と前記反射板の中心が一致するように設けられ、前記光拡散板は、前記反射板と中心が一致するように設けられることを特徴とする照明装置。
【請求項3】
前記枠体の内面と前記反射板は、マイクロ発泡樹脂シートで形成されたものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記反射板の裏面側に、鏡が設けられることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の照明装置。
【請求項5】
前記鏡は、前記枠体の開口部と略相似形状であることを特徴とする請求項4記載の照明装置。
【請求項6】
前記枠体の内部には、前記反射板を支持する複数の反射仕切板が形成され、
前記反射仕切板は、前記鏡の裏面または前記光拡散板の裏面に配置され、前記反射仕切板の立設部の上端部は、前記光拡散板または前記反射板を支持し、
前記反射仕切板が、それぞれ相互に前記天面を区切るように放射状に形成されていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の照明装置。
【請求項7】
前記マイクロ発泡樹脂シートは、波長450〜650nmの可視光帯における光学特性として、硫酸バリウム標準片の光反射率を100%とした時の、前記標準片に対する全反射率が90%以上であることを特徴とする請求項3記載の照明装置。
【請求項8】
前記マイクロ発泡樹脂シートは、微細気泡を有するPET樹脂、PC樹脂、難燃PC樹脂、またはアクリル樹脂のいずれかからなるマイクロ発泡樹脂シートであることを特徴とする請求項3記載の照明装置。
【請求項9】
前記鏡又は前記光拡散板の背面に設けられる前記反射板の中心に、前記LED光源側に突出する凸部が設けられることを特徴とする請求項4から請求項6のいずれかに記載の照明装置。
【請求項10】
前記LED光源が複数配置され、前記LED光源の光の出射方向が、前記反射板に対して斜めに対向するように設けられることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の照明装置。
【請求項11】
前記枠体がマイクロ発泡樹脂シートからなる内枠体であり、前記内枠体が前記内枠体と略同一形状の別の枠体の内部に装入されて配置されることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載の照明装置。
【請求項12】
前記内枠体の側面部の上端部で、前記光拡散板の外周を支持することを特徴とする請求項11記載の照明装置。
【請求項13】
前記内枠体と前記枠体の天面の間に挟み込むように、前記内枠体の天面の中心の裏面にLED光源を配置し、前記LED光源の配線を前記内枠体と前記枠体の天面の間に配線することを特徴とする請求項11または請求項12に記載の照明装置。
【請求項14】
天面と側面から構成され、前記天面との対向面に開口部が形成される枠体と、
前記枠体の開口部に、前記枠体の内側面から所定距離離隔して配置される鏡と、
前記鏡の裏面に配置される反射板と、
前記鏡と前記枠体の内側面との間に、前記開口部の前記鏡の中心と一致するように、前記鏡の外周に設けられる光拡散板と、
LED光源と、
を具備し、
前記枠体と前記反射板はともに、波長450〜650nmの可視光帯における光学特性として、硫酸バリウム標準片の光反射率を100%とした時の、前記標準片に対する拡散反射率が90%以上であり、
前記鏡の反射面が光取り出し面の方向に合わせて配置され、
前記LED光源は、前記天面に、前記反射板と対向するようにLED光源の発光面を向けて配置され、
前記枠体の内側面と前記鏡との間に配置された前記光拡散板から光を取り出すことを特徴とする照明装置。
【請求項15】
天面と側面から構成され、前記天面との対向面に開口部が形成される枠体と、
前記枠体の開口部に、前記枠体の内側面から所定距離離隔して配置される鏡と、
前記鏡の裏面に、前記鏡の中心と一致するように、前記鏡と一体に開口部を横断して開口部全体を覆うように設けられる光拡散板と、
LED光源と、
を具備し、
前記枠体は、波長450〜650nmの可視光帯における光学特性として、硫酸バリウム標準片の光反射率を100%とした時の、前記標準片に対する拡散反射率が90%以上であり、
前記鏡の反射面が光取り出し面の方向に合わせて配置され、
前記LED光源は、前記天面に、前記光拡散板と対向するようにLED光源の発光面を向けて配置され、
前記枠体の内側面と前記鏡との間に配置された前記光拡散板から光を取り出すことを特徴とする照明装置。
【請求項16】
前記枠体は、マイクロ発泡樹脂シートで形成されたものであることを特徴とする請求項14または請求項15に記載の照明装置。
【請求項17】
天面と側面から構成され、前記天面との対向面に開口部を形成される枠体と、
前記枠体の開口部に、前記枠体の内側面から所定距離離隔して、前記開口部の中心側に天面と対向するように配置される反射板と、
前記天面に、前記反射板と対向するようにLED光源の発光面を向けて配置されたLED光源と、
前記枠体の開口部に、前記枠体の内側面に接して、少なくとも前記反射板の外周側から光取り出しが可能なように前記反射板と一体に設けられる光拡散板と、
を具し、
前記枠体と前記反射板はともに、波長450〜650nmの可視光帯における光学特性として、硫酸バリウム標準片の光反射率を100%とした時の、前記標準片に対する拡散反射率が90%以上である照明装置において、
前記LED光源の光を、少なくとも前記天面の対向面の前記反射板に反射させ、さらに枠体内で拡散反射を繰り返すことで、前記枠体の開口部に導光して、前記開口部に設けられた光拡散板から光を取り出すことを特徴とする照明装置からの光取り出し方法。
【請求項18】
前記光拡散板は、前記反射板と中心が一致するように設けられることを特徴する請求項17に記載の照明装置からの光取り出し方法。
【請求項19】
前記枠体と前記反射板は、マイクロ発泡樹脂シートで形成されたものであることを特徴とする請求項17または請求項18に記載の光取出し方法。
【請求項20】
天面と側面から構成される枠体と、
前記枠体の開口部に、前記枠体の内側面から所定距離離隔して、前記開口部の中心側に前記天面と対向するように配置される反射板と、
前記天面との対向面の反射板の外周側が開口部を形成し、
前記枠体の開口部に、前記枠体の内側面に接して、少なくとも前記反射板の外周側から光取出しが可能なように前記反射板と一体に設けられる光拡散板と、
を具備し、
前記枠体と前記反射板はともに、波長450〜650nmの可視光帯における光学特性として、硫酸バリウム標準片の光反射率を100%とした時の、前記標準片に対する拡散反射率が90%以上であり、
前記枠体と前記反射板、前記光拡散板により導光空間が形成され、
前記導光空間の中心近傍の枠体側面方向の一方の端部側に、他方の端部側に対向するように発光面を向けてLED光源が設けられることを特徴とする照明装置。
【請求項21】
前記枠体と前記反射板は、マイクロ発泡樹脂シートで形成されたものであることを特徴とする請求項20に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は
、照明装置
等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鏡の利用者は、利用者を照らす照明を用いることで、暗い場所でも確実に鏡に映しだされる像を視認することができる。このため、鏡にLED(Light Emitting Diode)などの照明を組み合わせた照明付きの鏡が提案されている。
【0003】
例えば、鏡体から照明光を出射する鏡付き照明が提案されている(特許文献1)。特許文献1の鏡体は、鏡面として観察者側に配置されたハーフミラーと、ハーフミラーの背面に配置された導光板からなり、導光板の少なくとも一つの側端面に光源が配置され、導光板のハーフミラーと対向していない背面には、光源から出射される光を照明光として取り出す複数の光取り出し構造が設けられる。ハーフミラー表面の上部と下部には、発光エリアが形成される。また、観察者を照明した光の反射光は、ハーフミラーで反射されて鏡像を形成し、観察者に明瞭に視認されることになる。
【0004】
特許文献1の鏡付き照明は、観察者を照明する照明光をハーフミラーの裏側からハーフミラーを透過させ出射するため、観察者が鏡付き照明に近づいても影が生じることない。また、観察者の鏡像を妨げることなく、観察者を照明することができる照明効果を有する。また、ハーフミラーの背面に導光板を配置することで、観察者が鏡付き照明に近づいても影が生じない。
【0005】
また、この他に、外部光源と内部光源を設置することで、光線不足の環境においての使用上の利便性を向上し、化粧鏡及び携帯型懐中電灯機能を兼備した化粧鏡付き携帯型照明灯がある(特許文献2)。特許文献2の照明灯は、殼体、上蓋、回路板及び内蓋体等を含み、そのうち殼体、内蓋体を閉じ合わせて収納ケースを形成し、上蓋を収納ケースの片側に軸支し、上蓋内に鏡を嵌設し、該収納ケース内に電池座体、外部光源、内部光源、回路板を設け、さらに収納ケースの内蓋体の対応する位置に透光片を設置した透光部を形成し、内部光源に透光片を介して光線を発散させ、光線が不足する環境での化粧直しができるものである。
【0006】
また、手鏡用のミラーと、ミラー面の背面に設けられた複数の光透過窓と、ミラー面の背後に各光透過窓と対応して設けられたLEDと、を備え、光透過窓を通してLEDの照射光をミラー前面に導く携帯用手鏡がある(特許文献3)。特許文献3の携帯用手鏡は、二つ折りの手鏡用のミラーと、一方のミラー面の背面に設けられた複数の光透過窓と、ミラー面の背後に各光透過窓と対応して設けられたLEDと、を備え、光透過窓を通してLEDの照射光をミラー前面に導くことができ、2つのミラーは回動軸によって互いに回動自在に結合され、開き角度を自由に調整可能である。
【0007】
また、照明部と広角鏡の2面の折りたたみ式の構造で、光源に高輝度白色LEDを用いた小型の携帯用の照明装置付き携帯用鏡がある(特許文献4)。特許文献4の鏡の照明部は、蝶番により照明角度を可変できる構造で、照明装置は、小型で収納しやすくする為に折りたたみ式とし、1面を照明部に、後の1面を顔全体が映るよう広角鏡としたものである。この照明部は、照明の光源として高輝度白色LEDを数個使用し、照明装置の表面に半透明乳白板と中間に拡散フィルター板を取り付けて、電源にはボタン電池を使用したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2015−39560号公報
【特許文献2】実用新案登録第3113566号公報
【特許文献3】実用新案登録第3119595号公報
【特許文献4】実用新案登録第3127484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1〜4は、いずれも十分な照度を得るためには、多数の光源を要し、少ない光源では、広範囲にわたってグレア感を生じることなく効率よく均一に使用者を照らすことは困難である。また、広範囲を均一に照らそうとすると、本体の厚みを厚くする必要があり、薄型の照明付き鏡を得ることは困難である。
【0010】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、薄型であり、少ない光源で効率よく均一に利用者を照らすことが可能な照明装置
等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述した目的を達するために第1の発明は、天面と側面から構成され、前記天面との対向面に開口部が形成される枠体と、前記枠体の開口部に、前記枠体の内側面から所定距離離隔して、前記開口部の中心側に前記天面と対向するように配置される反射板と、
前記天面に、前記反射板と対向するようにLED光源の発光面を向けて配置されたLED光源と、前記枠体の開口部に、
前記枠体の内側面に接して、且つ前記反射板の外周を囲うように前記反射板の外周側に前記反射板と一体に設けられる光拡散板と、を具備
し、前記枠体と前記反射板はともに、波長450〜650nmの可視光帯における光学特性として、硫酸バリウム標準片の光反射率を100%とした時の、前記標準片に対する拡散反射率が90%以上であり、前記反射板は前記天面の中心と前記反射板の中心が一致するように設けられ、前記光拡散板は、前記反射板と中心が一致するように設けられることを特徴とする照明装置である。
また、第1の発明では、 天面と側面から構成され、前記天面との対向面に開口部が形成される枠体と、前記枠体の開口部に、前記枠体の内側面から所定距離離隔して、前記開口部の中心側に前記天面と対向するように配置される反射板と、
前記天面に、前記反射板と対向するようにLED光源の発光面を向けて配置されたLED光源と、前記枠体の開口部に、前記枠体の内側面と前記天面と対向するように配置される反射板の反射面の裏面側に接し、前記内側面を横断して前記開口部全体を覆うように形成された光拡散板と、を具備
し、前記枠体と前記反射板はともに、波長450〜650nmの可視光帯における光学特性として、硫酸バリウム標準片の光反射率を100%とした時の、前記標準片に対する拡散反射率が90%以上であり、前記反射板は前記天面の中心と前記反射板の中心が一致するように設けられ、前記光拡散板は、前記反射板と中心が一致するように設けられることを特徴とする照明装置であっても良い。
【0012】
ここで、枠体の天面と側面は、別体に形成されても、一体に形成されても良い。枠体の天面と側面が別体に形成された場合には、両者を接着により相互に固定することができる
。
【0013】
前記枠体の内面と前記反射板は、マイクロ発泡樹脂シートで形成されたものであってもよい。
【0014】
前記反射板の裏面側に、鏡が設けられてもよい。
【0015】
前記鏡は、前記枠体の開口部と略相似形状であることが望ましい。
【0016】
前記枠体
の内部には、前記反射板を支持する複数の反射仕切板が形成され、前記反射仕切板は、
前記鏡の裏面または前記光拡散板の裏面に配置され、前記反射仕切板の立設部の上端部は、前記光拡散板または前記反射板を支持し、前記反射仕切板が、それぞれ相互に前記天面を区切るように放射状に形成されてもよい。
【0018】
前記マイクロ発泡樹脂シートは、
波長450〜650nmの可視光帯における光学特性として、硫酸バリウム標準片の光反射率を100%とした時の
、前記標準片に対する全反射率が90%以上であることが望ましい。
【0019】
前記マイクロ発泡樹脂シートは、微細気泡を有するPET樹脂、PC樹脂、難燃PC樹脂、またはアクリル樹脂のいずれかからなるマイクロ発泡樹脂シートであってもよい。
【0020】
前記鏡又は前記光拡散板の背面に設けられる前記マイクロ発泡樹脂シートの中心に、前記LED光源側に突出する凸部が設けられてもよい。前記凸部は、一体に設けられても、別体に設けられても良い。一体成形で凸部を形成する場合には、真空成形やマッチモールド成形を用いることができる。また、別体で凸部を形成する場合には、凸部を形成した後、接着剤で前記マイクロ発泡樹脂シートの中心に接着して固定する。
【0021】
前記LED光源が複数配置され、前記LED光源の光の出射方向が、前記
反射板に対して斜めに
対向するように設けられてもよい。
【0022】
前記枠体が
マイクロ発泡樹脂シートからなる内枠体であり、前記内枠体が前記内枠体と略同一形状の別の枠体の内部に装入されて配置されてもよい。
【0023】
前記内枠体の側面部の上端部は、前記光拡散板の外周を支持することができる。
【0024】
前記内枠体と前記枠体の天面の間に挟み込むように、前記内枠体の天面の中心の裏面にLED光源を配置し、前記LED光源の配線を前記内枠体と前記枠体の天面の間に配線することができる。
第2の発明は、天面と側面から構成され、前記天面との対向面に開口部が形成される枠体と、前記枠体の開口部に、前記枠体の内側面から所定距離離隔して配置される鏡と、
前記鏡の裏面に配置される反射板と、前記鏡と前記枠体の内側面との間に、前記開口部の前記鏡の中心と
一致するように、前記鏡の外周に設けられる光拡散板と、
LED光源と、を具備し、
前記枠体と前記反射板はともに、波長450〜650nmの可視光帯における光学特性として、硫酸バリウム標準片の光反射率を100%とした時の、前記標準片に対する拡散反射率が90%以上であり、前記鏡の反射面が光取り出し面の方向に合わせて配置され、
前記LED光源は、前記天面に、前記反射板と対向するようにLED光源の発光面を向けて配置され、前記枠体の内側面と前記鏡との間
に配置された前記光拡散板から光を取り出すことを特徴とする照明装置である。 また、天面と側面から構成され、前記天面との対向面に開口部が形成される枠体と、前記枠体の開口部に、前記枠体の内側面から所定距離離隔して配置される鏡と、前記鏡の裏面に、前記鏡の中心と
一致するように、前記鏡と一体に開口部を横断して開口部全体を覆うように設けられる光拡散板と、
LED光源と、を具備し、
前記枠体は、波長450〜650nmの可視光帯における光学特性として、硫酸バリウム標準片の光反射率を100%とした時の、前記標準片に対する拡散反射率が90%以上であり、前記鏡の反射面が光取り出し面の方向に合わせて配置され、
前記LED光源は、前記天面に、前記光拡散板と対向するようにLED光源の発光面を向けて配置され、前記枠体の内側面と前記鏡との間
に配置された前記光拡散板から光を取り出すことを特徴とする照明装置である。
前記枠体は、マイクロ発泡樹脂シートで形成されたものであってもよい。
第3の発明は、天面と側面から構成され、前記天面との対向面に開口部を形成される枠体と、前記枠体の開口部に、前記枠体の内側面から所定距離離隔して、前記開口部の中心側に天面と対向するように配置される反射板と、
前記天面に、前記反射板と対向するようにLED光源の発光面を向けて配置されたLED光源と、前記枠体の開口部に、前記枠体の内側面に接して、
少なくとも前記反射板の外周
側から光取り出しが可能なように前記反射板と一体に設けられる光拡散板と、を具
し、前記枠体と前記反射板はともに、波長450〜650nmの可視光帯における光学特性として、硫酸バリウム標準片の光反射率を100%とした時の、前記標準片に対する拡散反射率が90%以上である照明装置において、前記LED光源の光を、少なくとも前記天面の対向面の前記反射板に反射させ、さらに枠体内で拡散反射を繰り返すことで、
前記枠体
の開口部に導光して、前記開口部
に設けられた光拡散板から光を取り出すことを特徴とする照明装置からの光取り出し方法である。
前記光拡散板は、前記反射板と中心が一致するように設けられてもよい。
前記枠体と前記反射板は、マイクロ発泡樹脂シートで形成されたものであってもよい。
第4の発明は、天面と側面から構成される枠体と、前記枠体の開口部
に、前記枠体の内側面から所定距離離隔して、前記開口部の中心側に前記天面と対向するように配置される反射板と、前記天面との対向面の反射板の外周側が開口部を形成し、前記枠体の開口部に、前記枠体の内側面に接して、
少なくとも前記反射板の外周
側から光取出しが可能なように前記反射板と一体に
設けられる光拡散板
と、を具備し、前記枠体と前記反射板はともに、波長450〜650nmの可視光帯における光学特性として、硫酸バリウム標準片の光反射率を100%とした時の、前記標準片に対する拡散反射率が90%以上であり、前記枠体と前記反射板、前記光拡散板により導光空間が形成
され、前記導光空間の中心近傍の枠体側面方向
の一方の端部側に
、他方の端部側に対向するように発光面を向けてLED光源が設けられることを特徴とする照明装置である。
前記枠体と前記反射板は、マイクロ発泡樹脂シートで形成されたものであってもよい。
【0025】
第1〜第4の発明によれば、枠体の内面側にマイクロ発泡樹脂シートが設けられ、
例えば鏡の外周と枠体の間の光拡散板から光を取り出すため、LED光源が少なくて済み、また、全体から均一な光を取り出すことができる。また、鏡の背面側にであって、LED光源の対向面にもマイクロ発泡樹脂シートが配置されるため、効率よく光を取り出すことができる。また、枠体自体が反射板として機能し、部品点数が少ないため、軽量である。
【0026】
また、マイクロ発泡樹脂シートからなる反射仕切板を形成することで、枠体側面により反射された光を効率よく光拡散板が配置された枠体外周方向に反射させることができる。このため、光拡散板からの光の取り出し効率を向上させることができる。ここで、例えば、反射仕切板は、内枠体に対して接着剤で固定する。
【0027】
また、反射仕切板の立設部により、
反射板や光拡散板を容易に支持することができる。これにより、光拡散板を枠体外周部により支持する場合に比べて、
反射板や光拡散板の中央部を支持するので安定して支持できる。
【0028】
また、枠体が、円筒形状または略楕円筒形状の場合において、反射仕切板がそれぞれ相互に等角度に天面を区切るように形成されれば、光を等間隔に均一に反射させることができる。
【0029】
また、天面が三角形以上の多角形であり、前記反射仕切板は、それぞれ相互に前記多角形の中心と各頂点を結ぶ線上に形成されれば、各方向に均一に光を反射させることができる。
【0030】
また、鏡が枠体の開口部と略相似形状であれば、鏡が枠体の開口部の中心と一致させることにより、光の取り出し口の隙間を略一定にすることができ、鏡の周囲を略均一に光らせることができる。
【0031】
また、マイクロ発泡樹脂シートからなる反射板の全反射率や拡散反射率が95%以上であれば、LED光源から反射板を配置した光取り出し口に至るまで、多数回の反射の全反射や拡散反射を繰り返したとしても、効率よく光を反射させることができる。
【0032】
また、マイクロ発泡樹脂シートが、PET樹脂、PC樹脂、難燃PC樹脂、アクリル樹脂のいずれかであれば、加工性や反射特性等が良好である。
【0033】
また、鏡または光拡散板の裏面に設けたマイクロ発泡樹脂シートからなる反射板のLED光源の対向部に、凸部を形成することで、LED光源から照射された光が、再びLED光源の発光面に反射することを抑制することができる。
【0034】
また、LED光源を複数配置し、LED光源の光の出射方向を、天面に対して斜めに向けることで、LED光源から照射された光が、再びLED光源の発光面に反射することを抑制することができる。
【0035】
内枠体を枠体の内部に装入して配置することで、枠体と内枠体を含めた枠体全体としての剛性を高めることができる。また、内枠体を枠体の内部に装入して使用する場合には、内枠体が反射板として機能するため、外側の枠体は必ずしもマイクロ発泡樹脂シートではなく、例えば、金属枠体やポリプロピレンなどの樹脂成形品で使用することができる。
【0036】
枠体の内部に内枠体を設ける場合には、マイクロ発泡樹脂シートで形成された内枠体の上端部で、前記光拡散板の外周を支持することができる。
【0037】
天面の中心であって、内枠体と枠体の天面の間にLED光源を配置し、LED光源の配線を前記内枠体と前記枠体の天面の間に配線することで、LED光源の端子部や配線が外部に露出しないので、LED光源の配線を保護することができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、薄型であり、少ない光源で効率よく均一に利用者を照らすことが可能な照明装置
等を提供することができる。本発明では、枠体の天面と側面を光反射率の高いマイクロ発泡樹脂シートにより形成し、さらに鏡の裏面または光拡散板の裏面にマイクロ発泡樹脂シートからなる反射板を設けることで、枠体内面の光取り出し面以外の面をすべて前記反射板で覆うことにより、LED光源の光を鏡の裏面または光拡散板の裏面の前記反射板に反射させ、さらに枠体内で拡散反射を繰り返すことで、均一で十分な明るさを有する鏡付き照明装置を実現できる。また、鏡を配置した光拡散板を、枠体の側面の上端部や反射仕切板の立設部の上端で支持できる。反射仕切板を設ける場合には、光を枠体の外周方向に反射できるので、さらに光拡散板の光取り出し面に光を集めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図3】照明装置1の断面図であって、
図2のA−A線断面図。
【
図8】(a)は照明装置1bの断面図、(b)は照明装置1cの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
図1は照明装置1を示す分解斜視図であり、
図2は正面図である。また、
図3は照明装置1の断面図であり、
図2のA−A線断面図である。照明装置1は、枠体3、内枠体5、反射板7、光拡散板9、鏡11、LED光源17等から構成される。なお、以下の説明において、LED光源17の配線などは図示を省略する。
【0041】
枠体3は、天面13と側面15から構成される。天面13は略円形であり、天面13の略中央部には孔19が設けられ、LED光源17が配置される。LED光源17は、天面13の背面側に固定される。LED光源17の発光面は、孔19を介して、天面13の略中央に露出する。
【0042】
天面13の周縁部には、天面13に略垂直に側面15が形成される。すなわち、側面15は、略円筒状の形状であり、枠体3は、天面13に対向する一方の側が開口する。なお、照明装置1の設置方向によっては、天面13が必ずしも照明装置1の上側に配置されるものではない。
【0043】
図3に示すように、枠体3の内面には、内枠体5が装入される。内枠体5は、天面13aと側面15aから構成される。すなわち、内枠体5は枠体3と略同一の形状であり、内枠体5は、枠体3の内部に装入可能なように、枠体3よりもわずかに小さく設定される。なお、本発明において、枠体3に内枠体5が装入されたものを、単に枠体と称する場合がある。ここで、枠体3の内面に内枠体が装入される場合には、内枠体5がマイクロ発泡樹脂シートで形成されているので、枠体3は、マイクロ発泡樹脂シートである必要はなく、金属製や熱可塑性樹脂からなるポリプロピレン等の樹脂製の枠体を用いることができる。
【0044】
内枠体5の高さは枠体3の内側の高さよりも低い。したがって、枠体3に内枠体5を装入すると、枠体3の内面側に、内枠体5の厚み分の段差が形成される。
【0045】
内枠体5の天面13aの略中央部には孔19aが設けられる。孔19aは、孔19とほぼ同一の位置に設けられる。したがって、内枠体5を枠体3に装入した状態では、LED光源17の発光面は、孔19、19aを介して、天面13aの略中央に露出する。
【0046】
枠体3の開口部には、光拡散板9が設けられる。光拡散板9の外径は、枠体3の内径とほぼ一致する。したがって、光拡散板9の外周は、内枠体5の側面部の上端部で支持される。なお、光拡散板9の厚みは、枠体3の内面高さと内枠体5の全高の差と略等しい。
【0047】
光拡散板9は、枠体3の開口部を塞ぐように配置される。光拡散板9は、例えば光透過性を有するガラスまたは樹脂製である。光拡散板9は、光が透過する際に、光を拡散させる。このため、光拡散板9を用いることで、LED光源17から照射され、枠体3内で拡散反射した光を、さらに拡散させることができる。
【0048】
光拡散板9の前面(図中上方)には鏡11が接合される。鏡11は、鏡11の反射面が、照明装置1の前面に向けて配置される。鏡11は、略円形であり、枠体3の開口部よりも小さい。すなわち、鏡11は、枠体3の開口部の形状に対して略相似形となる。なお、図示は省略するが、枠体3(内枠体5)、鏡11、光拡散板9をすべて楕円形にしてもよい。すなわち枠体3(内枠体5)を楕円筒形状としてもよい。この場合でも、鏡11は、枠体3の開口部の形状に対して略相似形とすることが望ましい。
【0049】
図2に示すように、鏡11は、光拡散板9の略中心に配置される。このため、鏡11は、枠体3の開口部に、枠体3の内側面から所定距離離隔して配置される。また、照明装置1の正面視において、鏡11の周囲に光拡散板9が環状に視認される。すなわち、光拡散板9は、鏡11と枠体3の内側面との間に設けられ、枠体3と光拡散板9と鏡11の中心位置が一致するように(合うように)配置される。
【0050】
光拡散板9の裏面であって、鏡11に対応する部位には反射板7が固定される。すなわち、反射板7、光拡散板9および鏡11が一体化する。反射板7は、略円形の部材であり、LED光源17と対向する位置に配置される。鏡11および反射板7の外径は、ほぼ同一であり、光拡散板9を挟んで、鏡11と反射板7とが略同一の位置に配置される。
【0051】
ここで、枠体3、内枠体5および反射板7は、いずれもマイクロ発泡樹脂シート(多数の微細気孔を有する多孔質部材)から形成される。すなわち、枠体3および内枠体5も、マイクロ発泡樹脂シート製の反射板を加工して成形される。本発明で用いるマイクロ発泡樹脂シートは、中央に発泡層を有し、両面に非発泡層を有する絶縁性の樹脂シートである。ここで、発泡層とは、発泡により、気泡を生成させた層をいう。
【0052】
本発明では、マイクロ発泡樹脂シートの厚さは0.4mm〜2.0mmで、非発泡層の厚さは10〜30μmである。発泡層の厚さは、マイクロ発泡樹脂シートの厚さから、非発泡層の厚さを引いた値になる。つまり、非発泡層の厚さは、マイクロ発泡樹脂シートの全体厚さが増しても、ほぼ一定値になる。この理由は、非発泡層がマイクロ発泡樹脂シートの製造工程においてガスが抜けることにより形成され、これにより形成される層の厚さは、マイクロ発泡樹脂シートの表面からの距離によって決まるためである。ここで、内枠体で光拡散板の外周を支持する場合には、光拡散板を安定して支持することができるように、マイクロ発泡樹脂シートの厚さは1.0mm以上とすることが望ましい。
【0053】
本発明のマイクロ発泡樹脂シートは、平均気泡径が0.2μmから40μmの範囲であることが好ましい。ここで、平均気泡径が0.2μmより小さすぎると、光の透過度が高くなり反射率が低下する。平均気泡径が大きすぎると拡散反射率が低下するため、平均気泡径は0.2μmから40μm以下とする必要がある。さらに平均気泡径は0.5μmから20μmであることが好ましい。
【0054】
マイクロ発泡樹脂シートは熱可塑樹脂からなり、波長450〜650nmの可視光に対する光学特性として、硫酸バリウム標準片を用いた時の光反射率が、全反射率が90%以上、拡散反射率が90%以上を満足する。反射率の波長依存性が1%以下の範囲内にある。全反射率、拡散反射率は、ともに95%以上を満足することができる。マイクロ発泡樹脂シートは、全反射率、拡散反射率ともに優れるので、反射板として有効である。特に、薄型の照明装置を得るためには、枠体の中心に配置したLED光源の光を鏡の裏面側に配置した光拡散板まで多数回反射させて誘導する必要があるため、全反射率、拡散反射率ともに高い95%以上であることが望ましい。
【0055】
本発明において、マイクロ発泡樹脂シートは、微細気泡を有するPET樹脂(ポリエチレンテレフタレート樹脂)、PC樹脂(ポリカーボネート樹脂)、難燃PC樹脂、アクリル系樹脂のいずれかから構成することが好ましい。上記の他、マイクロ発泡樹脂シートには、シクロオレフィンポリマー、ポリアクリロニトリルなどのアクリル樹脂に難燃性を持たせた透明樹脂を使用することもできる。
【0056】
照明装置1のLED光源17を発光させると、LED光源17からの光は、直接に照射されるのではなく、枠体(内枠体5)の内面において拡散反射を繰り返して、鏡11の周囲の光拡散板9(光取り出し部)から照射される。このため、レンズ等を用いることなく、グレア感を抑え、光を均一に拡散させて照射することができる。
【0057】
この際、鏡11の反射面が、光取り出し面の方向に合わせて配置され、枠体の内側面と鏡11の間から光が取り出される。このため、利用者は、まぶしさを感じることなく、適度な明かりで鏡を利用することができる。
【0058】
なお、内枠体5の天面13aと反射板7の距離が近すぎると、LED光源17からまっすぐに照射された光の内、そのままLED光源17の発光面に反射する光量が増える。このため、光拡散板9から取り出さされる光に、LED光源17の発光面の色が混ざるおそれがある。このため、本発明の照明装置においては、10mm以下の薄型の照明装置を得ることが可能であるが、可能であれば、内枠体5の天面13aと反射板7の距離は、6mm以上離すことが望ましい。
【0059】
以上、本実施の形態によれば、照明装置1の枠体(枠体3、内枠体5)が、光反射特性に優れるマイクロ発泡樹脂シート製の反射板から構成されるため、枠体の内面全体を反射板として機能させることができる。また、マイクロ発泡樹脂シート製の反射板を用いれば、白色塗装などのように、赤色成分の光が吸収されることで反射光が青みがかることがなく、十分な照度を確保することができる。また、鏡11の背面部にも反射板7を配置することで、枠体の内面をLED光源17の発光面と光取り出し面である光拡散板9を除く枠体内の全ての面を光反射板で覆うことができることから、枠体内での反射効率を高め、枠体天面に配置した一つのLED光源17であっても、十分な照度を確保することができる。
【0060】
尚、本実施形態と同様の構造の照明装置1を、光反射機能を有するマイクロ発泡樹脂シートで形成した部分を全て汎用熱可塑樹脂であるポリプロピレンにより試作し、その表面に光反射性の白色レジスト、光反射率約80%を塗布して反射板を形成したところ、光反射率が低いので、照明装置として十分な輝度が得られなかった。
【0061】
また、鏡11が枠体3の開口部の略中心に配置されるため、鏡11の周囲に光が均等に拡散反射されるため、明るさのムラも生じない。
【0062】
また、枠体の内部は、光が反射可能な程度の空間を有すればよいため、薄型でコンパクトであり、また、部品点数も少ないため軽量な照明装置を得ることができる。
【0063】
次に、第2の実施形態について説明する。
図4は、照明装置1aの分解斜視図であり、
図5は照明装置1aの断面図である。なお、以下の説明において、照明装置1等と同一の機能を奏する構成については、
図1〜
図3と同一の符号を付し、重複する説明を省力する。
【0064】
照明装置1aは照明装置1とほぼ同様の構造であるが、光拡散板9の構造が異なる。照明装置1aの光拡散板9は、円環状である。光拡散板9の内径は、鏡11および反射板7の外径とほぼ一致する。
【0065】
図5に示すように、マイクロ発泡樹脂シート製の反射板7は鏡11の裏面に接合される。また、鏡11および反射板7は光拡散板9の内側に嵌めこまれて接合される。すなわち、反射板7、光拡散板9および鏡11が一体化する。鏡11および反射板7の中心は、光拡散板9の中心と合うようにほぼ一致する。
【0066】
第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。このように、反射板7が、鏡11の背面側の対応する部位に設けられれば、反射板7を鏡11の裏面に直接接合してもよく、光拡散板9を介して接合してもよい。
【0067】
次に、第3の実施形態について説明する。
図6は、照明装置1bの分解斜視図であり、
図7は、照明装置1bの断面図である。また、
図8(a)は照明装置1bの断面図であり、
図7のB−B線断面図である。照明装置1bは、照明装置1aとほぼ同様であるが、枠体3の内部(天面13)に、反射仕切板20が設けられる点で異なる。
【0068】
複数の反射仕切板20は、枠体3の天面13の中心側(LED光源17から所定の距離離した位置)から天面13の外周側に向って、放射状に伸びるように形成される。また、反射仕切板20は、それぞれ相互に等角度に天面13を区切るように形成される。なお、図示した例では、反射仕切板20を90°間隔で配置する例を示すが、本発明はこれに限られない。また、枠体等が楕円形の場合であっても、反射仕切板20を枠体3の天面13の中心側から天面13の外周側に向って、放射状に伸びるように、それぞれ相互に等角度に天面13を区切るように形成することが望ましい。
【0069】
反射仕切板20は、枠体や反射板7と同様の材質で構成されることが望ましい。すなわち、反射仕切板20は、反射特性に優れるマイクロ発泡樹脂シート製の反射板から構成されることが望ましい。
【0070】
図8(a)に示すように、反射仕切板20の立設部の上端部は、鏡11の裏面に当接する。したがって、反射仕切板20は、反射板
7と接合される光拡散板9を支持する。このため、照明装置1bでは、枠体3の内面に、光拡散板9等を支持する段差が不要であるため、内枠体5を用いる必要がない。このように、マイクロ発泡樹脂シートは、マイクロ気泡を有する樹脂フィルムと異なり、一定の剛性を有することから、反射仕切板20は、光拡散板9を支持することができる。
【0071】
なお、
図8(b)に示す照明装置1cのように、光拡散板9が円板状である場合には、反射仕切板20の立設部の上端部を、光拡散板9の裏面に配置された反射板7に当接させればよい。
【0072】
照明装置1b、1cのいずれの場合でも、反射仕切板20は、反射板7(鏡11)から外周側にはみ出さないことが望ましい。反射仕切板20の影が光拡散板9に映り込むためである。
【0073】
第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、反射仕切板20を設けることで、LED光源17からから照射され、枠体または内枠体の内側面で反射した反射光を効率よく外周側に反射させることができる。また、反射仕切板20によって、
反射板7および光拡散板9を支持することができる。
【0074】
次に、第4の実施形態について説明する。
図9は、照明装置1dの正面図である。照明装置1dは、照明装置1b等とほぼ同様であるが、形状が円形または楕円形ではなく、矩形(多角形)である点で異なる。
【0075】
照明装置1dでは、枠体3、鏡11、光拡散板9、反射板7(図示せず)は、いずれも矩形であり、鏡11は、枠体3の開口部の略相似形となる。また、反射仕切板20は、それぞれ相互に矩形(多角形)の中心と各頂点を結ぶ線上に形成される。また、多角形が正多角形であれば、天面13の中心側から天面13の外周側に向って、それぞれ相互に等角度に天面13を区切るように形成することができる。例えば、枠体3が正方形の図示した例では、反射仕切板20は90°間隔で配置される。
【0076】
第4の実施形態によれば、第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。このように、本発明では、枠体等の形状は、特に特定されず、三角形以上の多角形とすることもできる。なお、照明装置1dは、鏡11及び光拡散板9の支持には、反射仕切板20を設けた例を示すが、前述した様に、反射仕切板20を形成せずに、内枠体5を用いてもよい。
【0077】
次に、第5の実施形態について説明する。
図10は、照明装置1e正面図である。照明装置1eは、照明装置1等とほぼ同様であるが、反射板7の背面に凸部21が設けられる点で異なる。
【0078】
凸部21は、反射板7の略中央に設けられる。すなわち、凸部21は、LED光源17の光の出射方向の対向面側に設けられる。凸部21は、LED光源17側に突出した部位であり、外周側に向けて徐々に傾きが低下するテーパ部を有する。
【0079】
照明装置1eのLED光源17を点灯すると、LED光源17からまっすぐに反射板7方向へ照射された光は、凸部21によってLED光源17方向ではなく、外周側に向けて反射される。したがって、LED光源17の発光面に向けた反射光が低減する。
【0080】
前述した様に、LED光源17の発光面は、素子の色によって完全な白色ではない場合がある。このような場合でも、LED光源17の発光面に対する反射光が減ることで、光拡散板9から取り出される光の色に、LED光源17の発光面の色の影響が出ることを抑制することができる。
【0081】
第5の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、反射板7の背面に凸部21を設けることで、LED光源17の発光面に向けた反射光を減らし、LED光源17の発光面の色の影響を削減することができる。このため、LED光源17と反射板7との距離をさらに縮めることができる。また、LED光源17からの光を、照明装置1aの外周側に効率よく拡散させるため、光拡散板9から効率よく光を取り出すことができる。
【0082】
次に、第6の実施形態について説明する。
図11は、照明装置1f正面図である。照明装置1fは、照明装置1等とほぼ同様であるが、LED光源17が複数個配置される点で異なる。
【0083】
照明装置1fは、枠体3の中心近傍に、複数個のLED光源17が配置される。それぞれのLED光源17の光の出射方向は、
反射板に対して斜めに向けられる。なお、複数のLED光源17の光の出射方向は、互いに等間隔(角度)であることが望ましい。
【0084】
それぞれのLED光源17から出射される光は、反射板7に対して垂直ではなく、斜めに照射される。したがって、反射板7は、LED光源17から出射される光をまっすぐにLED光源17方向に反射するのではなく、照明装置1fの外周方向にむけて反射する。したがって、LED光源17の発光面に向けた反射光が低減する。
【0085】
ここで、図示しないが、第5の実施形態と同様に反射板7の下面に凸部21を設けることも可能である。このように、凸部21を設ければ、LED光源を複数個天面に対して平行に設けても、凸部により、LED光源からの光を外周方向に向けて反射することができることから、この場合にも第5の実施形態と同様の効果が得られる。
【0086】
第6の実施形態によれば、第5の実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、LED光源17を複数個配置する場合において、反射仕切板20と組み合わせる場合には、反射仕切板20が、それぞれのLED光源17を区分するように等間隔で配置することが望ましい。
【0087】
次に、第7の実施形態について説明する。
図12は、照明装置1gの断面図である。照明装置1gは、照明装置1等とほぼ同様であるが、LED光源17の配置が異なる。
【0088】
照明装置1gでは、枠体3の天面13と内枠体5の天面13a(の裏面)との間に隙間が形成され、当該隙間の内枠体5の天面13aの中心の裏面にLED光源17が配置される。すなわち、枠体3と内枠体5のそれぞれの天面の間に挟み込むように、LED光源17が配置される。
【0089】
LED光源17に通電する配線18は、内枠体5と枠体3の天面の間に配線される。枠体3の側面15には、配線18が貫通する孔19bが形成される。これにより、配線18が外部の図示を省略した電源等と接続される。
【0090】
第7の実施形態によれば、第1の実施形態等と同様の効果を得ることができる。また、配線18を枠体3と内枠体5との間に配置することができる。このため、配線18が目立ちにくく、配線18を内枠体5と枠体3の間で保持することができ、配線18が外傷を受けないように保護することができる。
【0091】
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0092】
例えば、前述した各実施形態はそれぞれ互いに組み合わせることができることは言うまでもない。以上より、本発明によれば、枠体内面の光取り出し面以外の面をすべて前記反射板で覆うことにより、LED光源の光を鏡の裏面または光拡散板の裏面の前記反射板に反射させ、さらに枠体内で拡散反射を繰り返すことで、均一で十分な明るさを有する鏡付き照明装置を実現できる。
【符号の説明】
【0093】
1、1a、1b、1c、1d、1e、1f、1g………照明装置
3………枠体
5………内枠体
7………反射板
9………光拡散板
11………鏡
13、13a………天面
15、15a………側面
17………LED光源
18………配線
19、19a、19b………孔
20………反射仕切板
21………凸部