(54)【発明の名称】小型フォームファクタデバイスにおいて構造的な剛性を向上させ、サイズを縮小させ、安全性を向上させ、熱性能及び高速充電を向上させるための材料の使用
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の硬化樹脂組成物及び前記第2の硬化樹脂組成物は、前記デバイスの2又はそれより多くのコンポーネントの間に接着力を提供する、請求項1に記載のデバイス。
前記第1又は第2の樹脂組成物を注入する段階は、前記1又は複数の電子部品のうちの少なくとも1つと、前記デバイスの隣接する回路基板との間に前記第1又は第2の樹脂組成物を侵入させる、請求項24または25に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0004】
ここで
図1を参照すると、電子デバイス20が示されており、デバイス20は、ユーザインタフェース(UI、例えば、キーボード、表示パネル)コンポーネント22、及び、例えば、バッテリ26、そこに搭載されるプロセッサ30を有する回路基板28(例えば、マザーボード)等のような1又は複数の追加の電子部品を含む小型フォームファクタハウジング24を含む。電子デバイス20は、例えば、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、モバイルインターネットデバイス(MID)、メディアプレーヤ、ウェアラブルコンピュータ、電源等、又はそれらの任意の組み合わせとして機能し得る。概して、バッテリ26及びプロセッサ30のようなコンポーネントは、動作中に熱を発生し得る。図示された例において、プロセッサ30は、プロセッサ30から熱を伝導してデバイス20の内部にわたって熱を分配するヒートスプレッダ32に熱的に結合される。
【0005】
より詳細に説明されるように、ハウジング24は、デバイス20の電子部品を包含する1又は複数の樹脂組成物を含んでもよい。樹脂組成物は、概して、樹脂の硬化のときに、これら接合/コンポーネント及びハウジング24の内部表面の間に緊密な結合を形成すべく、例えば、バッテリ26、プロセッサ30及び回路基板28のようなはんだ接合部及びコンポーネントの下方及び周りに樹脂を侵入(wick)させることを可能とする比較的に低い粘度及び高い表面張力を有するエポキシ、シリコン、ウレタン又は他の接着剤を含む。結果として、電子デバイス20は、インターロックされ、防水加工され、及び硬い構造であってよい。更に、異なる樹脂組成物は、対象となる特定の機能を提供すべく、デバイス20内の異なる位置で用いられてよい。
【0006】
複数のフィラー樹脂組成物
図1及び
図2を引き続き参照すると、第1の樹脂組成物34は、低粘度の接着剤(例えば、エポキシ、シリコン、ウレタン)に加えて、熱エネルギー貯蔵材料38(例えば、相変化材料/PCM)を含んでよい。 一例において、エイコサン(38℃ 融点)ワックス又はドコサン(42℃ 融点)ワックスがPCMとして使用され、PCMは、(例えば、潜熱フェーズの間)、潜熱の形態におけるエネルギー貯蔵の追加的な形態を提供し得る。例えば、潜熱フェーズの間、熱エネルギーは、PCMに流れ込み、固体から液体のように、PCMを一方のフェーズから他方に変化させる一方、温度(例えば、Tmelt)は、遷移の間、比較的一定のままであり得る。したがって、相変化の結果としての材料の有効質量は、比較的高くなり得る。熱エネルギー貯蔵材料は、また、熱エネルギーを蓄え、プロセッサ30のような電子部品が比較的高い周波数で動作することを可能とする熱容量フィラー材料としても機能し得る。
【0007】
一方、第2の樹脂組成物40は、熱エネルギー貯蔵材料38及び低粘度の接着剤に加えて、熱伝導性フィラー材料42(例えば、金属、酸化物、窒化物、金属、塩)を含んでよい。熱伝導性フィラー材料42は、したがって、大幅な熱拡散及び向上された性能を可能とし得る。例えば、図示された第2の樹脂組成物40は、例えば、バッテリ26のような熱発生コンポーネントと熱的に接続する複数のヒートスプレッダの形状に形成される。したがって、バッテリ26により発生された熱は、第2の樹脂組成物40のエネルギー貯蔵材料38により吸収され、同様に、ハウジング24の内部内の他の樹脂組成物に分配される。例えば、マルチフィン構成等のような他の高表面積設計が、第2の樹脂組成物40で作製され得る。
【0008】
更に、第3の樹脂組成物44は、慣性モーメントの有効領域及びデバイス20の弾性の複合弾性率を向上させる強化フィラー材料46(例えば、ガラスロッド、ガラスファイバー、炭素繊維)を含んでよい。結果として、第3の樹脂組成物44は、デバイス20の剛性を向上させ得る。ねじり、曲げ等に対してより機械的な耐性があるデバイス20を形成することにより、第3の樹脂組成物44は、デバイス20の堅牢性を向上させ得る。そのような取り組みは、例えば、タブレット型コンピュータのような極薄型のフォームファクタデバイスに特に有用であり得る。
【0009】
更に、第4の樹脂組成物48は、衝突が発生したときの機械的エネルギー(例えば、衝撃強度)の吸収及び拡散を向上させる軟化フィラー材料50(例えば、クローズドフォームボール、スチレンボール)を含んでよい。したがって、第4の樹脂組成物48は、デバイス20の堅牢性を更に向上させる可能性があり、落下される等の傾向がある小型フォームファクタデバイスに有用となり得る。樹脂組成物34、40、44、48の配置は、状況に依存して異なってよい。より詳細に説明されるように、図示される取り組みでは、異なる製造処理条件を必要とすることなく、いくつかの異なる機能的な問題(例えば、熱容量、熱伝導性、強化、軟化)に対処することを可能とする。例えば、樹脂組成物34、40、44、48と、デバイス20のはんだ接合部及びコンポーネントとの間で一致する熱膨張係数(CTE)のような他の最適化が、デバイス20内の機械的応力を最小化すべく行われてよい。
【0010】
ここで
図3を参照すると、デバイスを製造するための方法52が示されている。方法52は、例えば、鋳造、低圧射出成型、表面実装技術(SMT)、半導体製造等のような、これまでにも十分に記述されてきた製造技術を用いて実装されてよい。方法52は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、ファームウェア、フラッシュメモリ等のようなマシン又はコンピュータ可読記憶媒体に、例えば、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、複合プログラマブルロジックデバイス(CPLD)のような構成可能なロジックに、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)のような回路技術又はトランジスタ−トランジスタロジック(TTL)技術を用いる固定機能ロジックハードウェアに、又はそれらの任意の組み合わせに格納されるロジック命令のセットとして実装されてもよい。
【0011】
図示される処理ブロック54は、例えば、電子デバイスの筐体、スキン(skin)及び/又はシェルのようなハウジングを提供する。ハウジングは、プラスチック、金属等、又はそれらの任意の組み合わせを含み得るが、それらに限定されない。1又は複数の電子部品は、ブロック56でハウジング内に配置されてよく、図示されるブロック58は、ハウジング内に第1の硬化樹脂組成物を配置する。より詳細に説明されるように、ハウジング内に硬化樹脂組成物を配置することは、ハウジングに樹脂組成物を注入し、又は、流し込み、能動的又は受動的のいずれかで注入され/流し込まれた樹脂組成物を硬化させることを含んでよい。第1の硬化樹脂組成物は、熱エネルギー貯蔵材料及び第1のフィラー材料を含んでよい。既に述べたように、熱エネルギー貯蔵材料は、デバイスの熱性能を高める相変化材料を含んでよく、第1のフィラー材料は、例えば、熱容量材料、熱伝導性材料、強化材料、軟化材料等を含んでよい。
【0012】
同様に、ブロック60は、ハウジング内に第2の硬化樹脂組成物を配置してよく、第2の硬化樹脂組成物は、熱エネルギー貯蔵材料及び第2の材料(例えば、熱容量、熱伝導、強化、軟化)を含んでよい。図示された例において、第1のフィラー材料及び第2のフィラー材料は異なっており、1又は複数の電子部品のうちの少なくとも1つは、第1及び第2の硬化樹脂組成物で包含される。
【0013】
電源
図4は、入力71及び出力70に結合された1又は複数の電源コンポーネント64(64a‐64d)を含み、ハウジング68内に配置された電子デバイス62を示す。電子デバイス62は、出力70を介して電力の発生及び供給によって膨大な量の熱が生じ得るウォールチャージャー、カーチャージャー、ソーラーインバータ、電気自動車電圧変換器等として機能してよい。図示された例において、電源コンポーネント64は、例えば、相変化材料のような低粘度の接着剤及び熱エネルギー貯蔵材料を含む1又は複数の硬化樹脂組成物66により包含されており、1又は複数の硬化樹脂組成物66は、電源コンポーネント64を包含する。1又は複数の硬化樹脂組成物66は、既に説明されたように、様々なフィラー材料を含んでもよい。
【0014】
一例において、電源コンポーネント64は、バースト充電モードで電源コンポーネント64を動作させるように構成されているコントローラ64aを含み、1又は複数の硬化樹脂組成物の熱エネルギー貯蔵機能は、ハウジング68に関連付けられたスキン温度制限又は電源コンポーネント64のジャンクション温度制限を超えることなくバースト充電モードを用いることを可能としてよい。バースト充電モードは、例えば、同様の大きさの従来の電源と関連付けられる充電電流よりも大きい充電電流を出力することを含んでよい。したがって、(例えば、従来の20V、3.25Aの充電器が、本明細書で説明される技術を用いて20V、5Aで定格され得る)特定の状況において、1又は複数の硬化樹脂組成物66により使用可能なバースト充電モードは、例えば、デバイス20(
図1)のようなバッテリで動作されるデバイスをより速く充電することをもたらし得る。1又は複数の硬化樹脂組成物は、また、コンポーネント間隔及びスキン温度に対する懸念を未然に取り除く熱エネルギー貯蔵及び向上された熱性能に起因して、電子デバイス62のサイズの縮小を可能とし得る。
【0015】
ここで
図5を参照すると、電源を製造するための方法72が示されている。方法72は、例えば、鋳造、低圧射出成型、SMT、半導体製造等のような、これまでにも十分に記述されてきた製造技術を用いて実装され得る。方法72は、また、RAM、ROM、PROM、ファームウェア、フラッシュメモリ等のようなマシン又はコンピュータ可読記憶媒体に、例えば、PLA、FPGA、CPLDのような構成可能なロジックに、例えば、ASIC、CMOS又はTTL技術のような回路技術を用いる固定機能ロジックハードウェアに、又は、それらの任意の組み合わせに格納されるロジック命令のセットとして実装されてもよい。
【0016】
図示される処理ブロック74は、例えば、電子デバイスの筐体、スキン及び/又はシェルのようなハウジングを提供する。ハウジングは、プラスチック、金属等又はそれらの任意の組み合わせを含み得るが、それらに限定されない。電源のコントローラは、バースト充電モードで電源を動作させるべく、ブロック76で設定され得る。既に述べたように、バースト充電モードは、例えば、デバイス20(
図1)のようなバッテリで動作されるデバイスの高速充電を可能とする、例えば、比較的高い充電電流を出力することを含んでよい。コントローラを設定して、バースト充電モードで電源を動作させることは、バースト充電モードをアクティブにすべく、コントローラの固定機能ハードウェアを製造すること、コントローラの構成可能なロジックをプログラミングすること、コントローラのメモリに命令を格納すること等を含んでよい。
【0017】
電源を含む1又は複数の電子部品は、ブロック78でハウジング内に配置されてよく、図示されるブロック80では、ハウジング内に硬化樹脂組成物を配置する。硬化樹脂組成物は、低粘度の接着剤及び熱エネルギー貯蔵材料を含んでよく、電源は、硬化樹脂組成物内に包含される。
【0018】
本質的な安全性
図6は、例えば、石油化学、ユーティリティ、海洋輸送、穀倉、医薬、消費者包装、アルコール処理及び/又は塗装製造環境のような危険な環境及び/又は爆発性環境におけるデバイス82を示す。したがって、環境は、例えば、水素、アンモニア、炭化水素化合物又は他の爆発性ガス、蒸気、霧、粉塵等のような可燃性物質84を含み得る。デバイス82は、例えば、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、PDA、MID、メディアプレーヤ、ウェアラブルコンピュータ、電源等又はそれらの任意の組み合わせとして機能し得る。したがって、デバイス82は、動作の前に、動作の間に、又は動作の後に、スパーク及び/又は熱のような発火源88を生み出す1又は複数の電子部品86(例えば、プロセッサ、コントローラ、チップ、回路)を含んでよい。図示された例において、電子部品86は、発火源88がデバイス82を漏れること及び可燃性物質84を発火させることを防ぐ硬化樹脂組成物90により包含されている。硬化樹脂組成物90は、低粘度の接着剤及び熱エネルギー貯蔵材料を含んでよい。したがって、図示された硬化樹脂組成物90は、デバイス82が「本質的に安全である」とみなされることを可能とし得る。
【0019】
一例において、硬化樹脂組成物90は、爆発性雰囲気のためのATEX機器指令(例えば、ATEX95機器指令94/9/EC、潜在的に爆発性雰囲気における使用が意図される機器及び保護システム)にデバイス82を準拠させることを可能とする。したがって、硬化樹脂組成物90は、例えば、異なる発火源、静電気、浮遊電気及びリーク電流、過熱、圧力補正処理及び外部効果に起因する危険から保護し得る。デバイス82は、また、静電荷の消散を容易にすべく、追加的なカバー/ケース(例えば、革)を含んでもよい。特に注目すべきなのは、図示される取り組みが、デバイス82を密封すべく、ガスケットの使用等、加圧、油浴/流体浴、ケイ砂/石英粉等の任意の必要性を除去し得ることである。
【0020】
コンポーネントのアンダーフィル
ここで
図7Aを参照すると、コンポーネントのアンダーフィル製造処理92が、単一の樹脂組成物を有するデバイスについて示される。図示される取り組みは、概して、コンポーネントのアンダーフィルが、コンポーネントのはんだリフローの後に実行される、異なる製造段階及び材料に置き換えられてよい。したがって、そのような取り組みは、回路基板アセンブリ処理の間に別個のアンダーフィル処理を実行する任意の必要性を取り除く、コンポーネントのアンダーフィル処理を樹脂注入段階に移行させてよい。より具体的には、図示される処理ブロック94は、デバイスの第1の機能テストを行う。第1の機能テストは、例えば、デバイスの1又は複数の高レベル又は低レベル(例えば、サブコンポーネント)特徴が正しく動作していることを保証し得る。ブロック96でテストが失敗したと判断された場合、ブロック98は、デバイスを修復し、第1の機能テストを繰り返すことを提供してよい。第1の機能テストが成功した場合、図示されるブロック100は、デバイスのハウジング及び1又は複数の電子部品をモールド内に配置し、樹脂組成物は、ブロック102でモールドを介してハウジングに注入されてよい。
【0021】
比較的に低圧力(例えば、約1.5bar又はそれより低い)で行われ得る樹脂組成物の注入は、1又は複数の電子部品のうちの少なくとも1つと、デバイスの隣接する回路基板との間に樹脂組成物を侵入させてよい。
図8は、樹脂組成物114がデバイス118のオーディオポート116を通じて注入され得ることを明示したものである。これに関して、オーディオポート116は、最初に、注入及び硬化のときに樹脂組成物により遮断されるデバイス118の内部への通路を有してよい。そのような取り組みは、デバイス118のユーザから樹脂組成物の任意の使用を視覚的に隠すことにより外見上の利点を提供し得る。
【0022】
図7Aに戻り、ブロック104は、樹脂組成物を硬化させ/強固にして、硬化樹脂組成物を得てよい。硬化温度は、室温(例えば、50℃)に対してわずかに上昇又はそれに近くてよく、硬化時間は、低内部ポストキュア応力を保証し、デバイスの堅牢性を向上させるべく十分に遅くてよい。図示されるブロック105は、例えば、加入者識別子モジュール/SIMカードトレイ、バッテリーカバー、セキュアデジタル/SDカードスロットカバー、バックカバー等のようなユーザリムーバブルコンポーネントを取り付けることを含み得る最終的なデバイスアセンブリを行う。デバイスの第2の機能テストは、注入、硬化及び最終的なデバイスアセンブリ処理がデバイス性能に悪影響を与えなかったことを裏付けるべく、ブロック106で行われ得る。第2の機能テストが失敗したとブロック108で判断された場合、ブロック110は、更なる解析、ディスアセンブリ、及び/又は廃棄のためにデバイスを隔離することを提供してよい。一方、第2の機能テストが成功したとブロック108で判断された場合、ブロック112は、出荷のためにデバイスを準備(例えば、パッケージング)することを含み得る。図示された処理92は、したがって、薄い、堅牢なデバイスの低コスト製造を可能とする。
【0023】
図7Bは、(例えば、異なるフィラー材料を有する)複数の樹脂組成物を有するデバイスのためのコンポーネントのアンダーフィル製造処理122を示す。図示される処理ブロック124は、デバイスの第1の機能テストを行う。第1の機能テストは、例えば、デバイスの1又は複数の高レベル又は低レベル(例えば、サブコンポーネント)特徴が正しく動作していることを保証し得る。テストが失敗したとブロック126で判断された場合、ブロック128は、デバイスを修復し、第1の機能テストを繰り返すことを提供し得る。第1の機能テストが成功した場合、図示されるブロック130は、デバイスのハウジング及び1又は複数の電子部品を第1のモールドに配置し、樹脂組成物がブロック132で第1のモールドを介してハウジング内に注入され得る。第1のモールドは、既に説明された第1の樹脂組成物34(
図1)の場合のように、第1の樹脂組成物がデバイスの内部の特定の領域にのみ流れることを保証するように構成され得る。ブロック134は、第1の硬化樹脂組成物を得るべく、第1の樹脂組成物を硬化させ/強固にし得る。
【0024】
加えて、ハウジング及び1又は複数の電子部品は、ブロック136で第2のモールドに配置されてよく、図示されるブロック138が第2のモールドを介してハウジングに第2の樹脂組成物を注入する。第2のモールドは、また、既に説明された第2の樹脂組成物40(
図1)の場合のように第2の樹脂組成物がデバイスの内部の特定の領域にのみ流れることを保証するように構成され得る。既に述べたように、樹脂組成物の注入が比較的に低圧力で行われてよく、1又は複数の電子部品のうちの少なくとも1つと、例えば、デバイスの回路基板28(
図1)のような隣接する回路基板との間に樹脂組成物を侵入させてよい。更に、樹脂組成物は、状況(例えば、モールド配置、オーディオポート配置)に応じて、デバイスのオーディオポートを通じて注入され得る。第2の樹脂組成物は、ブロック140で硬化されてよく、ブロック142では、例えば、ユーザリムーバブルコンポーネントを設置するべく、最終的なデバイスアセンブリを行ってよい。図示されるモールドシーケンスは、必要に応じて、追加的な樹脂組成物について繰り返され得る。
【0025】
図示されるブロック144は、デバイスの第2の機能テストを行う。第2の機能テストが失敗したとブロック146で判断された場合、ブロック148は、更なる解析、ディスアセンブリ及び/又は廃棄のためにデバイスを隔離することを提供してよい。一方、第2の機能テストが成功したとブロック146で判断された場合、ブロック150は、出荷のためにデバイスを準備(例えば、パッケージング)することを含んでよい。図示された処理122は、したがって、特定の機能(例えば、熱容量、熱伝導、強さ、衝撃抵抗等)を提供するべく、調整される内部区域を有する薄くて堅牢なデバイスの低コスト製造を可能とする。
【0026】
アセンブリのオーバーモールド
ここで
図9Aを参照すると、回路基板アセンブリ152の斜視図が示されている。図示される回路基板アセンブリ152は、そこに搭載される様々なコンポーネントを有するメイン回路基板154を含む。例えば、カメラ156、スピーカ158、及び環境光センサ160のような特定のコンポーネントは、動作中、デバイスの外部とインタラクションしてよく、一方で、プロセッサ162のような他のコンポーネントは、動作中、デバイスの外部とインタラクションしなくてよい。更に言えば、安全性の問題は、プロセッサ162により発生されるスパーク及び/又は熱に起因するデバイスの周囲環境及び/又は外部筐体、スキン又はハウジングからプロセッサ162が熱的に隔離されることを規定し得る。
【0027】
図9B−
図9Dを引き続き参照すると、オーバーモールドされた回路基板アセンブリ170を得るべく、回路基板アセンブリ152の一部は、本明細書で説明されるように樹脂組成物164でオーバーモールドされた後のものが示されている。図示された例において、動作中、デバイスの外部とインタラクションしないプロセッサ162のようなコンポーネントは、樹脂組成物164により包含される。したがって、樹脂組成物164は、下部のコンポーネントを保護し、かつ、熱性能を向上させ得る。より詳細に説明されるように、オーバーモールド処理は、カメラ156、スピーカ158及び環境光センサ160のような追加的なコンポーネントを通過させるために、1又は複数の開口部166を形成するモールド内に、メイン回路基板を配置することを含んでよい。
図9Cにおいて最良に示されるように、モールドは、また、バッテリ174のような他のコンポーネントを通過させるために、1又は複数の後部開口168を形成してよい。
【0028】
図9Dに最良に示されるように、オーバーモールドされた回路基板アセンブリ170は、タッチスクリーンディスプレイ172、カメラ156、スピーカ158、環境光センサ160、バッテリ174及びバックカバー176と組み合わされて最終的なデバイスを形成する。(例えば、余分なネジ等よりもむしろ)樹脂組成物に形成される1又は複数の取り付けポイント178は、また、バックカバー176(例えば、ハウジング)をオーバーモールドされた回路基板アセンブリ170に結合するのに用いられてもよい。特に注目すべきなのは、オーバーモールドされた回路基板アセンブリ170の硬化樹脂組成物164は、従来の設計において一般的であり得る別個のステンレス鋼又はマグネシウム構造サポートコンポーネントを取り除くのに十分な構造的な剛性を提供してよいことである。加えて、樹脂組成物164のCTEは、回路基板154上のはんだ接合部のCTEと一致され、既に述べたように、接合部上の機械的応力を最小化する。
【0029】
図10は、電子デバイスのオーバーモールド製造処理182を示す。図示される処理ブロック184は、1又は複数の電子部品がモールド内に配置され、モールドは、1又は複数の追加的なコンポーネントを通過させるために、1又は複数の開口部を樹脂組成物に形成してよい。樹脂組成物は、ブロック186でモールドに流し込まれてよい。既に述べたように、樹脂組成物は、低粘度の接着剤、熱エネルギー貯蔵材料、フィラー材料等を含んでよい。更に、樹脂組成物をモールドに流し込むことは、電子部品と、デバイスの隣接する回路基板と間に樹脂組成物を侵入させてよい。樹脂組成物は、ブロック188で、硬化され/強固にされてよく、図示されるブロック190は、最後のモールドが使用されたか否かを判断する。ブロック190は、したがって、例えば、異なる目的の異なるフィラー材料を有する複数の樹脂組成物の使用を可能とする。
【0030】
最後のモールドが使用された場合、図示される取り組みは、次のモールドについて、モールドの準備、鋳造及び硬化段階を繰り返す。さもなければ、1又は複数の電子部品は、ブロック192でハウジングに取り付けられてよく、ハウジングに1又は複数の電子部品を取り付けることは、(例えば、余分なネジ等よりもむしろ)硬化樹脂組成物の1又は複数の取り付けポイントを用いて、電子部品にハウジングを結合することを含んでよい。更に、ブロック194は、デバイスの機能テストを行ってよい。機能テストは、例えば、オーバーモールドされたコンポーネントの1又は複数の高レベル又は低レベル特徴が正しく動作していることを保証し得る。
【0031】
機能テストが成功しなかったとブロック196で判断された場合、オーバーモールドされたコンポーネント(例えば、硬化樹脂組成物により包含される電子部品)は、更なる解析、ディスアセンブリ及び/又は廃棄のためにブロック198で隔離されてよい。特に注目すべきなのは、図示されるブロック198の隔離段階は、(例えば、デバイス全体よりもむしろ)オーバーモールドされたコンポーネントのみに限定され得ることである。
【0032】
機能テストが成功したとブロック196で判断された場合、ブロック200は、例えば、SIMカードトレイ、バッテリーカバー、SDカードスロットカバー、バックカバー等のようなユーザリムーバブルコンポーネントを取り付けることを含む最終的なデバイスアセンブリを行ってよい。図示されるブロック202は、出荷のためにデバイスを準備(例えば、パッケージング)することを含む。図示された処理182は、したがって、薄くて堅牢なデバイスの低コスト製造を可能とする。
【0033】
追加的な記録及び例
例1は、ハウジングと、ハウジング内に配置される1又は複数の電子部品と、ハウジング内に配置され、熱エネルギー貯蔵材料及び第1のフィラー材料を含む第1の硬化樹脂組成物と、ハウジング内に配置され、熱エネルギー貯蔵材料及び第2のフィラー材料を含む第2の硬化樹脂組成物とを備える電子デバイスを含んでよく、第1のフィラー材料及び第2のフィラー材料は異なっており、第1の硬化樹脂組成物及び第2の硬化樹脂組成物は、1又は複数の電子部品のうちの少なくとも1つを包含する。
【0034】
例2は、例1のデバイスを含んでよく、第1の硬化樹脂組成物及び第2の硬化樹脂組成物は、デバイスの2又はそれより多くのコンポーネントの間の接着力を提供する。
【0035】
例3は、例1のデバイスを含んでよく、熱エネルギー貯蔵材料は、熱容量材料として機能する。
【0036】
例4は、例3のデバイスを含んでよく、熱容量材料は、ワックスを含む。
【0037】
例5は、例1のデバイスを含んでよく、第1のフィラー材料及び第2のフィラー材料のうちの一方は、熱伝導性材料を含む。
【0038】
例6は、例5のデバイスを含んでよく、熱伝導性材料は、金属、酸化物、塩又は窒化物のうちの1又は複数を含む。
【0039】
例7は、例1のデバイスを含んでよく、第1のフィラー材料及び第2のフィラー材料のうちの一方は、強化材料を含む。
【0040】
例8は、例7のデバイスを含んでよく、強化材料は、ガラスロッド、ガラスファイバー又は炭素繊維のうちの1又は複数を含む。
【0041】
例9は、例1のデバイスを含んでよく、第1のフィラー材料及び第2のフィラー材料のうちの一方は、軟化材料を含む。
【0042】
例10は、例9のデバイスを含んでよく、軟化材料は、クローズドセルスポンジボール又はスチレンボールのうちの1又は複数を含む。
【0043】
例11は、例1のデバイスを含んでよく、第1の硬化樹脂組成物及び第2の硬化樹脂組成物の1又は複数は、エポキシ、シリコン又はウレタンのうちの1又は複数を含む。
【0044】
例12は、例1のデバイスを含んでよく、熱エネルギー貯蔵材料は、相変化材料を含む。
【0045】
例13は、例1から12のうちのいずれか一つのデバイスを含んでよく、1又は複数の電子部品のうちの少なくとも1つは、電源を含む。
【0046】
例14は、例13のデバイスを含んでよく、電源は、バースト充電モードで電源を動作させるコントローラを含む。
【0047】
例15は、例1から12のうちのいずれか一つのデバイスを含んでよく、1又は複数の電子部品のうちの少なくとも1つは、スパーク又は熱のうちの1又は複数のソースである。
【0048】
例16は、例1のデバイスを含んでよく、デバイスは、爆発性雰囲気のためのATEX機器指令に準拠する。
【0049】
例17は、ハウジングと、ハウジング内に配置され、少なくとも1つが電源を含む1又は複数の電子部品と、ハウジング内に配置され、熱エネルギー貯蔵材料を含む硬化樹脂組成物とを備える電子デバイスを含んでよく、硬化樹脂組成物は、少なくとも電源を包含する。
【0050】
例18は、例17のデバイスを含んでよく、電源はバースト充電モードで電源を動作させるコントローラを含む。
【0051】
例19は、例17又は18のうちのいずれか一方のデバイスを含んでよく、少なくとも電源は、スパーク又は熱のうちの1又は複数のソースである。
【0052】
例20は、例19のデバイスを含んでよく、デバイスは、爆発性雰囲気のためのATEX機器指令に準拠する。
【0053】
例21は、ハウジングと、ハウジング内に配置され、少なくとも1つがスパーク又は熱のうちの1又は複数のソースである1又は複数の電子部品と、ハウジング内に配置され、熱エネルギー貯蔵材料を含む硬化樹脂組成物とを備える電子デバイスを含んでよく、硬化樹脂組成物は、スパーク又は熱のうちの1又は複数のソースである1又は複数の電子部品のうちの少なくとも1つを包含する。
【0054】
例22は、例21のデバイスを含んでよく、デバイスは爆発性雰囲気のためのATEX機器指令に準拠する。
【0055】
例23は、ハウジングを提供する段階と、ハウジング内に1又は複数の電子部品を配置する段階と、ハウジング内に、熱エネルギー貯蔵材料及び第1のフィラー材料を含む第1の硬化樹脂組成物を配置する段階と、ハウジング内に、熱エネルギー貯蔵材料及び第2のフィラー材料を含む第2の硬化樹脂組成物を配置する段階とを備える、デバイスを製造するための方法を含んでよく、第1のフィラー材料及び第2のフィラー材料は異なっており、1又は複数の電子部品のうちの少なくとも1つは、第1の硬化樹脂組成物及び第2の硬化樹脂組成物で包含される。
【0056】
例24は、例23の方法を含んでよく、第1の硬化樹脂組成物及び第2の硬化樹脂組成物は、デバイスの2又はそれより多くのコンポーネントの間の接着力を提供する。
【0057】
例25は、例23の方法を含んでよく、熱エネルギー貯蔵材料は、熱容量材料として機能する。
【0058】
例26は、例25の方法を含んでよく、熱容量材料は、ワックスを含む。
【0059】
例27は、例23の方法を含んでよく、第1のフィラー材料及び第2のフィラー材料のうちの一方は、熱伝導性材料を含む。
【0060】
例28は、例27の方法を含んでよく、熱伝導性材料は、金属、酸化物、塩又は窒化物のうちの1又は複数を含む。
【0061】
例29は、例23の方法を含んでよく、第1のフィラー材料及び第2のフィラー材料のうちの一方は、強化材料を含む。
【0062】
例30は、例29の方法を含んでよく、強化材料は、ガラスロッド、ガラスファイバー又は炭素繊維のうちの1又は複数を含む。
【0063】
例31は、例23の方法を含んでよく、第1のフィラー材料及び第2のフィラー材料のうちの一方は、軟化材料を含む。
【0064】
例32は、例31の方法を含んでよく、軟化材料はクローズドセルスポンジボール又はスチレンボールのうちの1又は複数を含む。
【0065】
例33は、例23の方法を含んでよく、第1の硬化樹脂組成物及び第2の硬化樹脂組成物のうちの1又は複数は、エポキシ、シリコン又はウレタンのうちの1又は複数を含む。
【0066】
例34は、例23の方法を含んでよく、熱エネルギー貯蔵材料は、相変化材料を含む。
【0067】
例35は、例23から34のうちのいずれか一つの方法を含んでよく、1又は複数の電子部品のうちの少なくとも1つは電源を含む。
【0068】
例36は、例35の方法を含んでよく、バースト充電モードで電源を動作させるべく、電源のコントローラを設定する段階を更に含む。
【0069】
例37は、例23から34のうちのいずれか一つの方法を含んでよく、1又は複数の電子部品のうちの少なくとも1つは、スパーク又は熱のうちの1又は複数のソースである。
【0070】
例38は、例37の方法を含んでよく、第1の硬化樹脂組成物及び第2の硬化樹脂組成物は、爆発性雰囲気のためのATEX機器指令にデバイスを準拠させることを可能とする。
【0071】
例39は、例23から34のうちのいずれか一つの方法を含んでよく、第1の硬化樹脂組成物及び第2の硬化樹脂組成物をハウジング内に配置する段階は、ハウジング及び1又は複数の電子部品を第1のモールド内に配置する段階と、第1のモールドを介してハウジングに第1の樹脂組成物を注入する段階と、第1の硬化樹脂組成物を得るべく、第1の樹脂組成物を硬化させる段階と、ハウジングと1又は複数の電子部品のうちの少なくとも1つとを第2のモールド内に配置する段階と、第2のモールドを介してハウジングに第2の樹脂組成物を注入する段階と、第2の硬化樹脂組成物を得るべく、第2の樹脂組成物を硬化させる段階とを含む。
【0072】
例40は、例39の方法を含んでよく、デバイスの第1の機能テストを行う段階であって、第1の機能テストが成功した場合、ハウジング及び1又は複数の電子部品が第1のモールド内に配置される、段階と、第2の樹脂組成物を硬化させる段階の後に最終的なデバイスアセンブリを行う段階と、最終的なデバイスアセンブリの後にデバイスの第2の機能テストを行う段階と、第2の機能テストが成功した場合、出荷のためにデバイスを準備する段階とを更に含む。
【0073】
例41は、例39の方法を含んでよく、第1の樹脂組成物又は第2の樹脂組成物のうちの少なくとも一方を注入する段階は、1又は複数の電子部品のうちの少なくとも1つと、デバイスの隣接する回路基板との間に、第1の樹脂組成物又は第2の樹脂組成物のうちの少なくとも一方を侵入させる。
【0074】
例42は、例41の方法を含んでよく、第1の樹脂組成物又は第2の樹脂組成物のうちの少なくとも一方は、デバイスのオーディオポートを通じて注入される。
【0075】
例43は、例23から34のいずれか一つの方法を含んでよく、第1の硬化樹脂組成物又は第2の硬化樹脂組成物の少なくとも一方をハウジング内に配置する段階は、1又は複数の電子部品のうちの少なくとも1つをモールド内に配置する段階と、モールドに樹脂組成物を流し込む段階と、硬化樹脂組成物を得るべく、樹脂組成物を硬化させる段階と、1又は複数の電子部品のうちの少なくとも1つをハウジングに取り付ける段階とを含む。
【0076】
例44は、例43の方法を含んでよく、モールドに樹脂組成物を流し込む段階は、1又は複数の電子部品のうちの少なくとも1つと、デバイスの隣接する回路基板との間に樹脂組成物を侵入させる。
【0077】
例45は、例43の方法を含んでよく、モールドは、1又は複数の追加の電子部品を通過させるために、1又は複数の開口部を樹脂組成物に形成する。
【0078】
例46は、例43の方法を含んでよく、1又は複数の電子部品のうちの少なくとも1つをハウジングに取り付ける段階の後に、デバイスの機能テストを行う段階と、デバイスの機能テストが成功した場合、最終的なデバイスアセンブリを行う段階と、最終的なデバイスアセンブリを行う段階の後に、出荷のためにデバイスを準備する段階とを更に含む。
【0079】
例47は、例43の方法を含んでよく、硬化樹脂組成物の1又は複数の取り付けポイントを用いて、1又は複数の電子部品のうちの少なくとも1つにハウジングを結合する段階を更に含む。
【0080】
例48は、ハウジングを提供する段階と、ハウジング内に、少なくとも1つが電源を含む1又は複数の電子部品を配置する段階と、ハウジング内に、熱エネルギー貯蔵材料を含む硬化樹脂組成物を配置する段階とを備える、デバイスを製造するための方法を含んでよく、硬化樹脂組成物は、少なくとも電源を包含する。
【0081】
例49は、例48の方法を含んでよく、バースト充電モードで電源を動作させるべく、電源のコントローラを設定する段階を更に含む。
【0082】
例50は、例48又は49のうちのいずれか一方の方法を含み、少なくとも電源は、スパーク又は熱のうちの1又は複数のソースである。
【0083】
例51は、例50の方法を含んでよく、硬化樹脂組成物は、爆発性雰囲気のためのATEX機器指令にデバイスを準拠させることを可能とする。
【0084】
例52は、例48又は49のうちのいずれか一方の方法を含んでよく、ハウジング内に硬化樹脂組成物を配置する段階は、ハウジング及び1又は複数の電子部品をモールド内に配置する段階と、モールドを介してハウジングに樹脂組成物を注入する段階と、硬化樹脂組成物を得るべく、樹脂組成物を硬化させる段階とを含む。
【0085】
例53は、例52の方法を含み、デバイスの第1の機能テストを行う段階であって、第1の機能テストが成功した場合、ハウジング及び1又は複数の電子部品がモールド内に配置される、段階と、樹脂組成物を硬化させる段階の後に、最終的なデバイスアセンブリを行う段階と、最終的なデバイスアセンブリの後に、デバイスの第2の機能テストを行う段階と、第2の機能テストが成功した場合、出荷のためにデバイスを準備する段階とを更に含む。
【0086】
例54は、例52の方法を含んでよく、樹脂組成物で注入する段階は、1又は複数の電子部品のうちの少なくとも1つと、デバイスの隣接する回路基板との間に樹脂組成物を侵入させる。
【0087】
例55は、例54の方法を含んでよく、樹脂組成物は、デバイスのオーディオポートを通じて注入される。
【0088】
例56は、例48又は49のうちのいずれか一方の方法を含んでよく、ハウジング内に硬化樹脂組成物を配置する段階は、1又は複数の電子部品のうちの少なくとも1つをモールド内に配置する段階と、モールドに樹脂組成物を流し込む段階と、硬化樹脂組成物を得るべく、樹脂組成物を硬化させる段階と、1又は複数の電子部品のうちの少なくとも1つをハウジングに取り付ける段階とを含む。
【0089】
例57は、例56の方法を含んでよく、モールドに樹脂組成物を流し込む段階は、1又は複数の電子部品のうちの少なくとも1つと、デバイスの隣接する回路基板との間に樹脂組成物を侵入させる。
【0090】
例58は、例56の方法を含んでよく、モールドは、1又は複数の追加の電子部品を通過させるために、1又は複数の開口部を樹脂組成物に形成する。
【0091】
例59は、例56の方法を含んでよく、1又は複数の電子部品のうちの少なくとも1つをハウジングに取り付ける段階の後に、デバイスの機能テストを行う段階と、デバイスの機能テストが成功した場合、最終的なデバイスアセンブリを行う段階と、最終的なデバイスアセンブリを行う段階の後に、出荷のためにデバイスを準備する段階とを更に含む。
【0092】
例60は、例56の方法を含んでよく、硬化樹脂組成物の1又は複数の取り付けポイントを用いて、1又は複数の電子部品のうちの少なくとも1つにハウジングを結合する段階を更に含む。
【0093】
例61は、ハウジングを提供する段階と、ハウジング内に、少なくとも1つがスパーク又は熱のうちの1又は複数のソースである1又は複数の電子部品を配置する段階と、ハウジング内に、熱エネルギー貯蔵材料を含む硬化樹脂組成物を配置する段階とを備える、デバイスを製造するための方法を含んでよく、硬化樹脂組成物は、スパーク又は熱のうちの1又は複数のソースである1又は複数の電子部品のうちの少なくとも1つを包含する。
【0094】
例62は、例61の方法を含んでよく、硬化樹脂組成物は、爆発性雰囲気のためのATEX機器指令にデバイスを準拠させることを可能とする。
【0095】
例63は、例61又は62のうちのいずれか一方の方法を含んでよく、ハウジング内に硬化樹脂組成物を配置する段階は、ハウジング及び1又は複数の電子部品をモールド内に配置する段階と、モールドを介してハウジングに樹脂組成物を注入する段階と、硬化樹脂組成物を得るべく、樹脂組成物を硬化させる段階とを含む。
【0096】
例64は、例63の方法を含んでよく、デバイスの第1の機能テストを行う段階であって、第1の機能テストが成功した場合、ハウジング及び1又は複数の電子部品がモールド内に配置される、段階と、樹脂組成物を硬化させる段階の後に、最終的なデバイスアセンブリを行う段階と、最終的なデバイスアセンブリの後に、デバイスの第2の機能テストを行う段階と、第2の機能テストが成功した場合、出荷のためにデバイスを準備する段階とを更に含む。
【0097】
例65は、例63の方法を含んでよく、樹脂組成物を注入する段階は、1又は複数の電子部品のうちの少なくとも1つと、デバイスの隣接する回路基板との間に樹脂組成物を侵入させる。
【0098】
例66は、例65の方法を含んでよく、樹脂組成物は、デバイスのオーディオポートを通じて注入される。
【0099】
例67は、例61又は62のうちのいずれか一方の方法を含んでよく、ハウジング内に硬化樹脂組成物を配置する段階は、1又は複数の電子部品のうちの少なくとも1つをモールド内に配置する段階と、モールドに樹脂組成物を流し込む段階と、硬化樹脂組成物を得るべく、樹脂組成物を硬化させる段階と、1又は複数の電子部品のうちの少なくとも1つをハウジングに取り付ける段階とを含む。
【0100】
例68は、例67の方法を含んでよく、モールドに樹脂組成物を流し込む段階は、1又は複数の電子部品のうちの少なくとも1つと、デバイスの隣接する回路基板との間に樹脂組成物を侵入させる。
【0101】
例69は、例67の方法を含んでよく、モールドは、1又は複数の追加の電子部品を通過させるために、1又は複数の開口部を樹脂組成物に形成する。
【0102】
例70は、例67の方法を含んでよく、1又は複数の電子部品のうちの少なくとも1つをハウジングに取り付ける段階の後に、デバイスの機能テストを行う段階と、デバイスの機能テストが成功した場合、最終的なデバイスアセンブリを行う段階と、最終的なデバイスアセンブリを行う段階の後に、出荷のためにデバイスを準備する段階とを更に含む。
【0103】
例71は、例67の方法を含んでよく、硬化樹脂組成物の1又は複数の取り付けポイントを用いて、1又は複数の電子部品のうちの少なくとも1つにハウジングを結合する段階を更に含む。
【0104】
例72は、例23から71のうちのいずれか一つの方法を実行するための手段を備える、デバイスを製造するための装置を含んでよい。
【0105】
このように、本明細書で説明された技術は、構造的な剛性の相乗的な向上、サイズの縮小、安全性の向上、熱性能の向上及び小型フォームファクタデバイスを形成する充電時間の短縮を実現し得る。
【0106】
複数の実施形態は、全てのタイプの半導体集積回路(IC)チップでの使用のために適用可能である。これらICチップの複数の例は、プロセッサ、コントローラ、チップセットコンポーネント、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、メモリチップ、ネットワークチップ、システムオンチップ(SoC)、SSD/NANDコントローラASIC等を含むが、これらに限定されない。加えて、複数の図面のいくつかにおいて、信号導体線が線で表されている。いくつかは、より多くの成分信号パスを示すべく、異なっており、成分信号パスの番号を示すべく、番号ラベルを有しており、及び/又は、主な情報のフロー方向を示すべく、1又は複数の端部に矢印を有し得る。しかしながら、これは、限定的な方法で解釈されるべきでない。むしろ、そのような追加された詳細は、回路の容易な理解を促すべく、1又は複数の例示的な実施形態と関連して用いられ得る。任意に表された信号線は、追加的な情報を有するか否かに関わらず、複数の方向に移動し得、例えば、差動対で実装されるデジタル又はアナログ線、光ファイバー線及び/又はシングルエンド線等の任意の適切なタイプの信号スキームを用いて実装され得る1又は複数の信号を実際には備えてよい。
【0107】
複数の実施形態は同一のものに限定されないが、例示的なサイズ/モデル/値/範囲が与えられ得る。製造技術(例えば、フォトリソグラフィ)が時間の経過と共に成熟するにつれ、より小さいサイズのデバイスが製造され得ることが予期される。加えて、ICチップ及び他のコンポーネントへの周知の電力/接地接続は、実施形態の特定の特徴を曖昧にしないように、例示及び説明の簡略化のために、図面内に示されたり、示されなかったりし得る。更に、複数の実施形態を曖昧にすることを回避すべく、また、そのようなブロック図配置の実装に関連する詳細が実施形態に実装されるプラットフォームに大きく依存する、すなわち、そのような詳細が十分に当業者の理解の範囲内であるべきという事実を考慮して、配置がブロック図の形式で示されてよい。具体的な詳細(例えば、回路)は、例示的な実施形態を説明すべく明記され、実施形態がこれらの具体的な詳細なしで又はその変形例で実施されることができることは、当業者に明らかであるべきである。したがって、説明は、限定的なもの代わりに例示なものとみなされるべきである。
【0108】
「結合され」という用語は、対象のコンポーネント間の直接的又は間接的な、任意のタイプの関係を指すのに本明細書で用いられてよく、電気、機械的、流体、光学、電磁、電気機械又は他の接続に適用され得る。加えて、「第1」、「第2」等の用語は、説明を容易にすべく本明細書で用いられているに過ぎず、異なるように示されていない限り、特定の時間的又は経時的な意味を伝えない。
【0109】
当業者は、複数の実施形態の幅広い技術が様々な形式で実装されることができることを、前述の説明から理解するだろう。したがって、複数の実施形態がそれらの特定の例と関連して説明されてきた一方、図面、明細書及び以下の特許請求の範囲の検討に基づいて他の変更が当業者に明らかになるので、実施形態の真の範囲はそのように限定されるべきでない。