(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
【0016】
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0017】
[実施形態の概要]
実施形態に係る送信装置は、周波数方向に沿って設けられた複数のセグメントを用いて、複数の階層のそれぞれに対応する複数の階層化データが送信されるデジタル放送システムにおいて前記複数の階層化データを送信する。送信装置は、前記複数の階層化データのそれぞれに対応するデータシンボルであって、前記複数の階層のそれぞれに対応するセグメント毎に割り当てられたデータシンボルによって構成される伝送フレームを生成する伝送フレーム生成部と、前記データシンボルのFFTサイズ及びガードインターバル比に基づいて、前記伝送フレームにガードインターバルを付加するGI付加部とを備える。前記伝送フレームは、前記データシンボルのFFTサイズ及びガードインターバル比を示す制御信号を含むプリアンブルを含む。前記プリアンブルは、前記複数の階層のそれぞれに対応するセグメント毎に個別に含まれる。
【0018】
実施形態では、データシンボルのFFTサイズ及びガードインターバル比を示す制御信号を含むプリアンブルが複数の階層のそれぞれに対応するセグメント毎に個別に含まれる。従って、一部の階層に対応する階層化データを受信装置が受信する場合であっても、受信装置は、一部の階層に対応するセグメントに個別に含まれるプリアンブルによって、データシンボルのFFTサイズ及びガードインターバル比を特定することができる。すなわち、FFTサイズ及びガードインターバル比の組合せの全パターンを伝送フレームに対して適用する必要がないため、受信装置の処理負荷及び消費電力を軽減することができ、一部の階層に対応する階層化データを受信することもできる。
【0019】
[第1実施形態]
(デジタル放送システム)
以下において、第1実施形態に係るデジタル放送システムについて説明する。
図1は、第1実施形態に係る送信装置100を示すブロック図であり、
図2は、第1実施形態に係る受信装置200を示すブロック図である。デジタル放送システムは、送信装置100及び受信装置200を備える。
【0020】
実施形態において、デジタル放送システムは、次世代地上放送方式に対応するデジタル放送システムである。例えば、デジタル放送システムでは、MIMO(Multiple Input Multiple Output)技術、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)技術が適用される。デジタル放送システムでは、送信装置100から受信装置200に対して、複数の階層のそれぞれに対応する複数の階層化データ(例えば、1セグメント、13セグメント)が送信される。複数の階層化データは、周波数方向に沿って設けられた複数のセグメント(周波数帯)を用いて送信される。
【0021】
第1実施形態では、階層化データとして、A階層データ、B階層データ、C階層データが送信されるケースについて例示する。A階層データは、A階層に対応するセグメントを用いて送信され、B階層データは、B階層に対応するセグメントを用いて送信され、C階層データは、A階層に対応するセグメントを用いて送信される。
【0022】
図1に示すように、送信装置100は、複数の階層のそれぞれに対応する複数の階層フレーム構成部110と、MIMO−OFDM変調部120とを備える。
【0023】
複数の階層フレーム構成部110のそれぞれは、複数の階層化データのそれぞれに対応するフレームを構成する。階層化データに対応するフレームは、後述するように、誤り訂正符号ブロック及びプリアンブルによって構成される。具体的には、階層フレーム構成部110は、誤り訂正符号化部111と、プリアンブル生成部112と、フレーム化部113とを備える。
【0024】
第1実施形態では、階層フレーム構成部110として、A階層データに対応するフレームを構成する階層フレーム構成部110A、B階層データに対応するフレームを構成する階層フレーム構成部110B、及び、C階層データに対応するフレームを構成する階層フレーム構成部110Cが設けられる。
【0025】
なお、階層フレーム構成部110B及び階層フレーム構成部110Cの構成は、階層フレーム構成部110Aと同様である。従って、以下においては、階層フレーム構成部110B及び階層フレーム構成部110Cの説明を省略して、階層フレーム構成部110Aについて説明する。
【0026】
誤り訂正符号化部111Aは、固定長を有する誤り訂正符号ブロックを生成する。具体的には、誤り訂正符号化部111Aは、A階層について、所定フォーマットを有するTS(Transport Stream)などの入力データに誤り訂正符号を付与する。ここで、誤り訂正符号ブロックは、所定数のビットによって構成される単位ビット列の一例である。誤り訂正符号ブロックは、ヘッダ、ペイロード及びパリティビットによって構成されており、例えば、64800のビット長を有する。
【0027】
プリアンブル生成部112Aは、A階層について、データシンボルのFFTサイズ及びガードインターバル比を示す制御信号を含むプリアンブルを生成する。プリアンブル生成部112Aによって生成されたプリアンブルは、A階層に対応するセグメントに個別に含まれることに留意すべきである。なお、プリアンブルの詳細については後述する(
図3〜
図9を参照)。
【0028】
ここで、プリアンブルは、複数のキャリアに跨がって配置されており、TDMによってOFDMフレームに多重される。プリアンブルは、データシンボルのFFTサイズ及びガードインターバル比を少なくとも示す制御信号を含んでいればよい。また、プリアンブルは、このような制御信号に加えて、複数ストリームの多重方法(FDM、TDM或いはFDM及びTDMの双方)や送信信号の形式(MIMO、MISO、或いはSISO)等を示す情報を含んでもよい。
【0029】
さらに、プリアンブルは、受信装置200において伝搬路応答を算出するための既知のパイロット信号を含んでもよい。パイロット信号は、全てのキャリアに埋め込まれることが好ましいが、一部のキャリアに埋め込まれてもよい。また、パイロット信号は、全てのセグメントにおいて、少なくとも1つのキャリアに埋め込まれることが好ましい。これによって、プリアンブルを参照信号としても用いることができ、受信装置200において伝送路応答を正確に算出することができる。
【0030】
フレーム化部113Aは、A階層について、誤り訂正符号ブロック及びプリアンブルによって構成されるフレームを生成する。
【0031】
MIMO−OFDM変調部120は、各階層フレーム構成部110から出力されるフレームによって構成される伝送フレーム(以下、OFDMフレーム)を生成する。OFDMフレームは、所定数のサブキャリア(周波数軸)及び所定数のシンボル数(時間軸)によって定義される。
【0032】
第1に、MIMO−OFDM変調部120は、各階層フレーム構成部110から出力されるフレームに含まれるデータビット列をIQ平面上にマッピングすることによって、データシンボル系列を生成する。第2に、MIMO−OFDM変調部120は、データシンボル系列に含まれる各シンボルに対して、空間符号化処理を行って2系統の信号を生成する。なお、2系統の信号は、同一の信号であってもよいが、伝送効率の観点では、異なる信号であることが好ましい。第3に、MIMO−OFDM変調部120は、2系統の信号に対してキャリア変調、IFFT処理及びガードインターバルの付加を行って、無線信号Tx1,Tx2を生成する。ここで、各階層に対応するシンボルは、各階層に割り当てられたセグメントを用いて送信されることに留意すべきである。
【0033】
なお、
図1では省略されているが、MIMO−OFDM変調部120は、ガードインターバルを付加した後に、直交変調及びD/A変換を行っていることに留意すべきである。また、MIMO−OFDM変調部120は、無線信号Tx1,Tx2(OFDMフレームに対応する無線信号)を複数のアンテナを用いて受信装置200に送信することに留意すべきである。
【0034】
ガードインターバルは、データシンボルのFFTサイズ及びガードインターバル比に基づいて付加されることに留意すべきである。ガードインターバルは、データシンボル(有効シンボル)の時間軸波形の一部(最も後ろから所定の比率の長さ)であり、データシンボル(有効シンボル)の時間波形の先頭に付加される。なお、データシンボルのFFTサイズとしては、例えば、3パターンのFFTサイズを用いることができる。ガードインターバル比としては、例えば、4パターンのガードインターバル比を用いることができる。
【0035】
すなわち、第1実施形態において、MIMO−OFDM変調部120は、複数の階層化データのそれぞれに対応するデータシンボルであって、複数の階層のそれぞれに対応するセグメント毎に割り当てられたデータシンボルによって構成される伝送フレームを生成する伝送フレーム生成部を構成する。また、MIMO−OFDM変調部120は、データシンボルのFFTサイズ及びガードインターバル比に基づいて、ガードインターバルを伝送フレームに付加するGI付加部を構成する。
【0036】
上述した説明では特に触れていないが、MIMO−OFDM変調部120は、TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)信号を伝送フレームに挿入することに留意すべきである。TMCC信号は、複数の階層のそれぞれの伝送パラメータ(変調方式、セグメント数、符号化率等)を示す信号、OFDMフレーム(伝送フレーム)の同期をとるための同期信号を含む。
【0037】
図2に示すように、受信装置200は、複数の階層のそれぞれに対応する複数の階層復調部210とを備える。
【0038】
複数の階層復調部210のそれぞれは、複数の階層のそれぞれに対応する無線信号Rx1,Rx2を復調する。具体的には、階層復調部210は、プリアンブル検出部211と、GI除去部212と、MIMO−OFDM復調部213と、誤り訂正符号復号部214とを備える。受信装置200は、例えば、家庭内に固定的に設置される受像器、ユーザが持ち運び可能な移動端末に設けられる。
【0039】
なお、
図2では省略されているが、複数の階層復調部210のそれぞれは、複数の階層のそれぞれに対応する無線信号Rx1,Rx2(OFDMフレームに対応する無線信号)を複数のアンテナを用いて送信装置100から受信することに留意すべきである。また、複数の階層復調部210のそれぞれは、無線信号Rx1,Rx2に対してA/D変換及び直交復調を行って、2系統の信号を出力することに留意すべきである。
【0040】
第1実施形態では、階層復調部210として、A階層データに対応する無線信号Rx1,Rx2を復調する階層復調部210A、B階層データに対応する無線信号Rx1,Rx2を復調する階層復調部210B、及び、C階層データに対応する無線信号Rx1,Rx2を復調する階層復調部210Cが設けられる。
【0041】
なお、階層復調部210B及び階層復調部210Cの構成は、階層復調部210Aと同様である。従って、以下においては、階層復調部210B及び階層復調部210Cの説明を省略して、階層復調部210Aについて説明する。
【0042】
プリアンブル検出部211Aは、A階層データに対応する2系統の信号のそれぞれからプリアンブルを検出する。プリアンブルは、上述したように、データシンボルのFFTサイズ及びガードインターバル比を示す制御信号を含み、A階層に対応するセグメントに個別に含まれる。プリアンブル検出部211Aは、検出されたプリアンブルに含まれる制御信号に基づいて、データシンボルのFFTサイズ及びガードインターバル比を特定する。なお、プリアンブルの詳細については後述する(
図3〜
図9を参照)。
【0043】
GI除去部212Aは、A階層について、プリアンブル検出部211Aによって特定されたデータシンボルのFFTサイズ及びガードインターバル比に基づいて、A階層データに対応する2系統の信号のそれぞれからガードインターバルを除去する。
【0044】
MIMO−OFDM復調部213Aは、階層復調部210Aから出力された信号から、階層Aに対応する伝送フレーム(OFDMフレーム)を取得する。OFDMフレームは、所定数のサブキャリア(周波数軸)及び所定数のシンボル数(時間軸)によって定義される。
【0045】
第1に、MIMO−OFDM復調部213Aは、ガードインターバルが除去された2系統の信号に対してFFT処理、MIMO復調処理及び空間符号復号処理を行って、A階層に対応する2系統のシンボル系列を取得する。第2に、MIMO−OFDM復調部213Aは、2系統のシンボル系列に対してキャリア復調を行って、A階層に対応するビット列を出力する。
【0046】
誤り訂正符号復号部214Aは、A階層に対応するビット列からA階層データの誤り訂正符号ブロックを抽出して、抽出された誤り訂正符号ブロックを構成するビット列の誤り訂正を行う。
【0047】
図2においては、受信装置200は、全ての階層に対応する無線信号を復調する階層復調部210を有するケースを例示しているが、実施形態は、これに限定されるものではない。受信装置200は、少なくとも1つの階層に対応する無線信号Rx1,Rx2を復調する階層復調部210を有していればよい。
【0048】
(プリアンブルの第1例)
以下において、第1実施形態に係るプリアンブルの第1例について、
図3を参照しながら説明する。なお、以下において、階層A及び階層Bの2階層の階層化データが送信されるケースを例示する。階層Aに対応するプリアンブルは、階層Aに対応するセグメントを用いて送信され、階層Bに対応するプリアンブルは、階層Bに対応するセグメントを用いて送信される。また、プリアンブルは、OFDMフレームの先頭に含まれる。これらの前提については、プリアンブルの第2例〜第3例でも同様であることに留意すべきである。
【0049】
図3に示すように、プリアンブルの第1例では、プリアンブルのFFTサイズは、固定長である。また、プリアンブルは、制御信号のみによって構成されてもよい。プリアンブルのFFTサイズは、データシンボルのFFTサイズよりも小さいことが好ましく、例えば、1kFFTである。プリアンブルのFFTサイズが固定長であるため、プリアンブル検出部211Aは、プリアンブルを検出することが可能である。
【0050】
なお、
図3に示すように、階層Bに対応するプリアンブルは、階層Bに対応する複数のセグメントのうち、周波数方向の両端のセグメントで送信されないことが好ましい。これによって、スペクトルマスクから外れた妨害電波が抑制される。また、この抑制によってプリアンブルとデータシンボルのエネルギー差が生じないように、プリアンブルのキャリアシンボルの振幅は一定比率で拡大することが好ましい。
【0051】
また、各階層に対応するセグメントとして複数のセグメントが設けられる場合には、複数のセグメント毎に個別にプリアンブルが含まれていてもよい。これによって、プリアンブルのダイバーシチ効果が得られる。
【0052】
(プリアンブルの第2例)
以下において、第1実施形態に係るプリアンブルの第2例について、
図4及び
図5を参照しながら説明する。
【0053】
図4に示すように、プリアンブルの第2例では、プリアンブルに含まれる制御信号のFFTサイズは、固定長である。プリアンブルに含まれる制御信号のFFTサイズは、データシンボルのFFTサイズよりも小さいことが好ましく、例えば、1kFFTである。プリアンブルに含まれる制御信号のFFTサイズが固定長であるため、プリアンブル検出部211Aは、プリアンブルを検出することが可能である。
【0054】
なお、
図4に示すように、階層Bに対応するプリアンブルは、階層Bに対応する複数のセグメントのうち、周波数方向の両端のセグメントで送信されないことが好ましい。これによって、スペクトルマスクから外れた妨害電波が抑制される。また、この抑制によってプリアンブルとデータシンボルのエネルギー差が生じないように、プリアンブルのキャリアシンボルの振幅は一定比率で拡大することが好ましい。
【0055】
また、各階層に対応するセグメントとして複数のセグメントが設けられる場合には、複数のセグメント毎に個別にプリアンブルが含まれていてもよい。これによって、プリアンブルのダイバーシチ効果が得られる。
【0056】
図5に示すように、プリアンブルは、制御信号及びダミー信号によって構成される。また、プリアンブルのシンボル長は、データシンボル及びガードインターバルによって構成されるユニットのシンボル長と同じである。なお、ダミー信号は、どのような信号であってもよい。これによって、プリアンブルを除くデータシンボル及びガードインターバルによって構成されるユニットについて、ガード相関が得られる周期が一定となるため、プリアンブルの第1例と比べて、ガード相関によって得られる同期が安定する。
【0057】
プリアンブルの第2例において、プリアンブルを構成するダミー信号は、受信装置200において伝搬路応答を算出するための既知のパイロット信号を含んでもよい。パイロット信号は、全てのキャリアに埋め込まれることが好ましいが、一部のキャリアに埋め込まれてもよい。また、パイロット信号は、全てのセグメントにおいて、少なくとも1つのキャリアに埋め込まれることが好ましい。これによって、プリアンブルを参照信号としても用いることができ、受信装置200において伝送路応答を正確に算出することができる。
【0058】
(プリアンブルの第3例)
以下において、第1実施形態に係るプリアンブルの第3例について、
図6〜
図9を参照しながら説明する。
【0059】
図6に示すように、プリアンブルの第3例では、プリアンブルに含まれる制御信号のFFTサイズは、固定長である。プリアンブルに含まれる制御信号のFFTサイズは、データシンボルのFFTサイズよりも小さいことが好ましく、例えば、1kFFTである。プリアンブルに含まれる制御信号のFFTサイズが固定長であるため、プリアンブル検出部211Aは、プリアンブルを検出することが可能である。
【0060】
なお、
図6に示すように、階層Bに対応するプリアンブルは、階層Bに対応する複数のセグメントのうち、周波数方向の両端のセグメントで送信されないことが好ましい。これによって、スペクトルマスクから外れた妨害電波が抑制される。また、この抑制によってプリアンブルとデータシンボルのエネルギー差が生じないように、プリアンブルのキャリアシンボルの振幅は一定比率で拡大することが好ましい。
【0061】
また、各階層に対応するセグメントとして複数のセグメントが設けられる場合には、複数のセグメント毎に個別にプリアンブルが含まれていてもよい。これによって、プリアンブルのダイバーシチ効果が得られる。
【0062】
ここで、プリアンブルに含まれる制御信号は、
図7に示すように、1対の検出部分と、シンボル方向において1対の検出部分によって挟まれる本体部分とによって構成される。シンボル方向において前の検出部分は、本体部分の前半のコピーであり、シンボル方向において後の検出部分は、本体部分の後半のコピーである。これによって、プリアンブル検出部211Aは、制御信号のガード相関を検出することができ、制御信号のガード相関の検出によって、制御信号を特定することができる。
【0063】
このような前提下において、プリアンブルの第3例のオプション1では、
図8に示すように、プリアンブルは、制御信号、ダミー信号及び疑似ガードインターバルによって構成される。プリアンブルのシンボル長は、データシンボル及びガードインターバルによって構成されるユニットのシンボル長と同じである。疑似ガードインターバルのシンボル長は、ガードインターバルのシンボル長と同じであり、かつ、制御信号のシンボル長の整数倍である。また、疑似ガードインターバルは、整数倍の精度で制御信号がコピーされたものである。なお、ダミー信号は、どのような信号であってもよい。
【0064】
或いは、プリアンブルの第3例のオプション2では、プリアンブルは、
図9に示すように、制御信号、ダミー信号及び疑似ガードインターバルによって構成される。プリアンブルのシンボル長は、データシンボル及びガードインターバルによって構成されるユニットのシンボル長と同じである。疑似ガードインターバルのシンボル長は、ガードインターバルのシンボル長と同じであり、かつ、制御信号のシンボル長の1/2の整数倍である。また、疑似ガードインターバルは、1/2倍の精度で制御信号がコピーされたものである。なお、ダミー信号は、どのような信号であってもよい。
【0065】
上述したように、プリアンブルの第3例のオプション1,2では、プリアンブルのシンボル長は、データシンボル及びガードインターバルによって構成されるユニットのシンボル長と同じである。これによって、データシンボル及びガードインターバルによって構成されるユニットについて、ガード相関が得られる周期が一定となるため、プリアンブルの第1例と比べて、ガード相関によって得られる同期が安定する。さらに、ガードインターバルのシンボル長と同じシンボル長を有する疑似ガードインターバルが設けられるため、プリアンブルについても、ガード相関が得られる周期が途切れることがなく、ガード相関によって得られる同期がさらに安定する。
【0066】
また、プリアンブルの第3例のオプション2では、疑似ガードインターバルのシンボル長が制御信号のシンボル長の1/2の整数倍であるため、プリアンブルの第3例のオプション1と比べて、データシンボルのガードインターバル比が取り得る値を柔軟に定めることが可能である。
【0067】
以上説明したように、プリアンブルの第3例のオプション1,2が優れており、特に、プリアンブルの第3例のオプション2が優れている。
【0068】
プリアンブルの第3例において、プリアンブルを構成するダミー信号は、受信装置200において伝搬路応答を算出するための既知のパイロット信号を含んでもよい。パイロット信号は、全てのキャリアに埋め込まれることが好ましいが、一部のキャリアに埋め込まれてもよい。また、パイロット信号は、全てのセグメントにおいて、少なくとも1つのキャリアに埋め込まれることが好ましい。これによって、プリアンブルを参照信号としても用いることができ、受信装置200において伝送路応答を正確に算出することができる。
【0069】
(プリアンブルの参考例)
以下において、第1実施形態に係るプリアンブルの参考例について、
図10を参照しながら説明する。
【0070】
図10に示すように、プリアンブルの参考例では、プリアンブルのFFTサイズは、データシンボル及びガードインターバルによって構成されるユニットのFFTサイズと同じである。これによって、プリアンブルの第1例と比べて、プリアンブルに含まれる制御信号のデータ量を増大することができる。制御信号のデータ量を増大する観点から、プリアンブルは、制御信号のみによって構成されることが好ましい。
【0071】
また、プリアンブルのシンボル長は、データシンボル及びガードインターバルによって構成されるユニットのシンボル長と同じである。これによって、データシンボル及びガードインターバルによって構成されるユニットについては、ガード相関が得られる周期が一定となるため、プリアンブルの第1例と比べて、ガード相関によって得られる同期が安定する。
【0072】
なお、プリアンブルの参考例では、プリアンブル検出部211Aは、A/D変換及び直交復調後の信号に対して複数種類のFFTサイズを適用することによって、プリアンブルのFFTサイズを特定する必要があることに留意すべきである。
【0073】
(作用及び効果)
第1実施形態では、データシンボルのFFTサイズ及びガードインターバル比を示す制御信号を含むプリアンブルが複数の階層のそれぞれに対応するセグメント毎に個別に含まれる。従って、一部の階層に対応する階層化データを受信装置200が受信する場合であっても、受信装置200は、一部の階層に対応するセグメントに個別に含まれるプリアンブルによって、データシンボルのFFTサイズ及びガードインターバル比を特定することができる。すなわち、FFTサイズ及びガードインターバル比の組合せの全パターンを伝送フレームに対して適用する必要がないため、受信装置200の処理負荷及び消費電力を軽減することができ、一部の階層に対応する階層化データを受信することもできる。
【0074】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0075】
実施形態では、MIMO(Multiple Input Multiple Output)技術が用いられるシステムについて例示した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。実施形態は、MISO(Multiple Input Single Output)技術又はSISO(Single Input Single Output)技術が用いられるシステムに適用されてもよい。
【0076】
実施形態では、各階層に対応するプリアンブルは、各階層化データを処理する階層フレーム構成部110で生成される。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、MIMO−OFDM変調部120が各階層に対応するプリアンブルを生成してもよい。
【0077】
実施形態では特に触れていないが、送信装置100及び受信装置200が行う各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。また、プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体であってもよい。
【0078】
或いは、送信装置100及び受信装置200が行う各処理を実行するためのプログラムを記憶するメモリ及びメモリに記憶されたプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップが提供されてもよい。