【文献】
Journal of Heterocyclic Chemistry,2007年,Vol.44, No.5,pp.1035-1043,DOI:10.1002/jhet.5570440510
【文献】
Dyes and Pigments,2012年,Vol.95, No.2,pp.268-274,DOI:10.1016/j.dyepig.2012.05.018
【文献】
Tetrahedron,2005年,Vol.61, No.37,pp.8924-8931,DOI:10.1016/j.tet.2005.07.028
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
陰極、陽極、及び前記陰極と前記陽極との間に配置された複数の有機薄膜層を含み、該複数の有機薄膜層が発光層を含み、該発光層が一般式(IIb)又は(IIc)で表される化合物を少なくとも1種含む請求項25に記載の電子素子。
前記発光層が燐光発光材料を含み、該燐光発光材料がイリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、及び白金(Pt)から選ばれる金属原子を含むオルトメタル化錯体である請求項25又は26に記載の電子素子。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の化合物、その製造方法、本発明の電子素子、及び該化合物の用途を以下において詳細に説明する。
【0018】
本発明において、以下に記載する特定の態様において特に規定しない限り、ハロゲン、アルキル、アリール、アリールオキシ,及びヘテロアリールの各用語は一般的に以下の意味を有する。
【0019】
ハロゲンはフッ素、塩素、臭素、及びヨウ素である。
【0020】
C
1−C
25アルキル、好ましくはC
1−C
18アルキルは可能な場合は直鎖状又は分岐状である。その例としてはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2,2−ジメチルプロピル、1,1,3,3−テトラメチルペンチル、n−ヘキシル、1−メチルヘキシル、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、1−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、n−オクチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、及びオクタデシルが挙げられる。C
1−C
8アルキルとしては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2,2−ジメチル−プロピル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、及び2−エチルヘキシルが挙げられる。C
1−C
4アルキルとしては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、イソブチル、及びt−ブチルが挙げられる。
【0021】
C
1−C
25アルコキシ基、好ましくはC
1−C
18アルコキシ基は直鎖状又は分岐状アルコキシ基であり、その例としてはメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、アミロキシ、イソアミロキシ、t−アミロキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、イソオクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ、ドデシルオキシ、テトラデシルオキシ、ペンタデシルオキシ、ヘキサデシルオキシ、ヘプタデシルオキシ、及びオクタデシルオキシが挙げられる。C
1−C
8アルコキシの例としてはメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、2−ペンチルオキシ、3−ペンチルオキシ、2,2−ジメチルプロポキシ、n−ヘキシルオキシ、n−ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、1,1,3,3−テトラメチルブトキシ、及び2−エチルヘキシルオキシが挙げられ、好ましくは、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシなどのC
1−C
4アルコキシである。
【0022】
C
6−C
60アリール、好ましくはC
6−C
24アリール、特に好ましくはC
6−C
18アリールは置換されていてもよく、例えば、フェニル、4−メチルフェニル、4−メトキシフェニル、ナフチル、特に1−ナフチル又は2−ナフチル、ビフェニリル、ターフェニリル、ピレニル、2−又は9−フルオレニル、フェナントリル、及びアントリルが挙げられ、これらは無置換であっても置換されていてもよい。C
6−C
10アリール基としては、例えば、フェニル、1−ナフチル、及び2−ナフチルが挙げられる。
【0023】
C
6−C
24アリールオキシは置換されていてもよく、例えば、1又は複数のC
1−C
8アルキル基及び/又はC
1−C
8アルコキシ基で置換されていてもいいC
6−C
10アリールオキシであり、例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ、又は2−ナフトキシである。
【0024】
C
1−C
60ヘテロアリール、好ましくはC
2−C
30ヘテロアリール、特に好ましくはC
2−C
13ヘテロアリールは、窒素、酸素又は硫黄をヘテロ原子として含む環形成原子数5〜7の環又は縮合環構造である。例えば、少なくとも6個の共役π電子を有する原子数5〜40の複素環基であり、その例としてはチエニル、ベンゾチオフェニル、ジベンゾチオフェニル、チアントレニル、フリル、フルフリル、2H−ピラニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、フェノキシチエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ビピリジル、トリアジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、キノリジニル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、カルボリニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサゾリル、フェナントリジニル、アクリジニル、ピリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、イソチアゾリル、フェノチアジニル、イソオキサゾリル、フラザニル、4−イミダゾ[1,2−a]ベンゾイミダゾリル、5−ベンゾイミダゾ[1,2−a]ベンゾイミダゾリル、ベンゾイミダゾロ[2,1−b][1,3]ベンゾチアゾリル、カルバゾリル、及びフェノキサジニルが挙げられ、これらは無置換であっても置換されていてもよい。C
2−C
14ヘテロアリール基の例としてはベンゾイミダゾ[1,2−a]ベンゾイミダゾ−5−イル、ベンゾイミダゾ[1,2−a]ベンゾイミダゾ−2−イル、カルバゾリル、及びジベンゾフラニルが挙げられる。
【0025】
C
7−C
25アラルキルは、例えば、ベンジル、2−ベンジル−2−プロピル、β−フェニル−エチル、α,α−ジメチルベンジル、ω−フェニル−ブチル、ω,ω−ジメチル−ω−フェニル−ブチル、ω−フェニル−ドデシル、ω−フェニル−オクタデシル、ω−フェニル−エイコシル、又はω−フェニル−ドコシル、好ましくは、ベンジル、2−ベンジル−2−プロピル、β−フェニル−エチル、α,α−ジメチルベンジル、ω−フェニル−ブチル、ω,ω−ジメチル−ω−フェニル−ブチル、ω−フェニル−ドデシル、ω−フェニル−オクタデシルなどのC
7−C
18アラルキルであり、特に好ましくは、ベンジル、2−ベンジル−2−プロピル、β−フェニル−エチル、α,α−ジメチルベンジル、ω−フェニル−ブチル、ω,ω−ジメチル−ω−フェニル−ブチルなどのC
7−C
12アラルキルである。これらにおいて、脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基はいずれも無置換であっても置換されていてもよい。好ましい例はベンジル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、ナフチルエチル、ナフチルメチル、及びクミルである。
【0026】
C
5−C
12シクロアルキルは、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、シクロドデシル、好ましくは、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルであり、これらは無置換であっても置換されていてもよい。
【0027】
上記の基が有していてもよい好ましい置換基としてはC
1−C
8アルキル、ヒドロキシ基、メルカプト基、C
1−C
8アルコキシ、C
1−C
8アルキルチオ、ハロゲン、ハロ−C
1−C
8アルキル、及びシアノ基が挙げられる。
【0028】
本発明は一般式(I)で表される化合物に関する。
【0029】
【化4】
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【0030】
(式中、X
1、X
2、X
3、X
4、X
5、X
6、X
7、X
8、X
9、X
10、及びYは上記したとおりである。)
以下に好ましい態様について説明する。
【0031】
通常、X
1はCR
1又はNであり、X
3はCR
3又はNであり、R
1及びR
3は上記したとおりである。本発明において、一般式(I)のX
1とX
3は同時にCR
1とCR
3を表すことはない、すなわち、X
1とX
3の少なくとも1つはNであり、他方がCR
1又はCR
3であるか、又はX
1とX
3の双方がNである。
【0032】
好ましい態様において、本発明はX
1とX
3がNである化合物に関する。この好ましいタイプの化合物は下記式(II)に相当する。
【0033】
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
【0034】
(式中、X
2、X
4、X
5、X
6、X
7、X
8、X
9、X
10、及びYは上記したとおりである。)
【0035】
さらに好ましい態様において、本発明は、X
1がCR
1でありX
3がNであるか、又は、X
1がNでありX
3がCR
3であり、R
1とR
3がそれぞれ独立して上記したとおりである化合物に関する。この好ましいタイプの化合物は下記式(III)及び(IV)に相当する。
【0036】
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
【0037】
(式中、X
2、X
4、X
5、X
6、X
7、X
8、X
9、X
10、Y、R
1、及びR
3は上記したとおりである。)
【0038】
さらに好ましい態様において、本発明は、X
1がN、X
3がCR
3、R
3が上記したとおりである化合物に関する。
【0039】
通常、一般式(I)、特に一般式(II)、(III)及び(IV)において、YはNR
11、O、及びSから選んでもよく、R
11は上記したとおりである。
【0040】
本発明の一つの好ましい態様において、一般式(I)のYはNR
11であり、R
11は上記したとおりであり、その好ましい範囲も同様である。
【0041】
本発明の他の好ましい態様において、一般式(I)のYはOである。
【0042】
本発明の他の好ましい態様において、一般式(I)のYはSである。
【0043】
したがって、本発明は、好ましくは、下記一般式(IIa)、(IIb)及び(IIc)で表される化合物に関する。
【0044】
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
【0045】
(式中、X
2、X
4、X
5、X
6、X
7、X
8、X
9、X
10、及びR
11はそれぞれ独立して上記したとおりである。)
【0046】
さらに好ましくは、本発明は下記一般式(IIIa)、(IIIb)及び(IIIc)で表される化合物に関する。
【0047】
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
【0048】
(式中、X
2、X
4、X
5、X
6、X
7、X
8、X
9、X
10、R
1、及びR
11はそれぞれ独立して上記したとおりである。)
【0049】
さらに好ましくは、本発明は下記一般式(IVa)、(IVb)及び(IVc)で表される化合物に関する。
【0050】
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
【0051】
(式中、X
2、X
4、X
5、X
6、X
7、X
8、X
9、X
10、R
3、及びR
11はそれぞれ独立して上記したとおりである。)
【0052】
通常、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、及びR
11は、存在する場合、それぞれ独立して、H、E、−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
7−C
25アラルキル基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
5−C
12シクロアルキル基から選ばれるか、
又は
R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、及びR
10の少なくとも2つは、隣接する炭素原子上に存在する場合は、結合して少なくとも1つのC
6−C
18アリール又はC
1−C
18ヘテロアリール環又は環構造を形成する。
【0053】
oはそれぞれ独立して0又は1であり、pはそれぞれ独立して0又は1であり、qはそれぞれ独立して0又は1であり、rはそれぞれ独立して0又は1である。
【0054】
L
1、L
2、L
3及びL
4は、それぞれ独立して、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
6−C
40アリール基、及び、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
1−C
24ヘテロアリール基から選ばれる。
【0055】
R
14はそれぞれ独立して、H、E、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
6−C
24アリール基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
1−C
24ヘテロアリール基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
7−C
25アラルキル基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
5−C
12シクロアルキル基から選ばれる。
【0056】
Dはそれぞれ独立して、−CO−、−COO−、−S−、−SO−、−SO
2−、−O−,−CR
15=CR
16−、−NR
17−、−SiR
22R
23−、−POR
25−、又は−C
≡C−であり、好ましくは、−O−、−NR
17−、又は−SiR
22R
23−である。
【0057】
Eはそれぞれ独立して、−OR
21、−SR
21、−NR
17R
18、−COR
20、−COOR
19、−CONR
17R
18、−CN、−SiR
22R
23R
24、−POR
25R
27、ハロゲン、無置換もしくは−F、−CF
3、−CF
2CF
3、−CF
2CF
2CF
3、−CF(CF
3)
2、−(CF
2)
3CF
3、及び−C(CF
3)
3の少なくとも一つで置換されたC
6−C
60アリール基、C
1−C
18アルキル基、少なくとも1つのOが介在するC
1−C
18アルキル基、又は、無置換もしくは−F、−CF
3、−CF
2CF
3、−CF
2CF
2CF
3、−CF(CF
3)
2、−(CF
2)
3CF
3、及び−C(CF
3)
3の少なくとも一つで置換されたC
1−C
60ヘテロアリール基であり、好ましくは、Eはそれぞれ独立して、−NR
17R
18、−CN、−SiR
22R
23R
24、及び−POR
25R
26から選ばれる。
【0058】
R
15及びR
16はそれぞれ独立して、H、無置換もしくは少なくとも1つのC
1−C
18アルキル基又は少なくとも1つのC
1−C
18アルコキシ基で置換されたC
6−C
18アリール基、C
1−C
18アルキル基、又は、少なくとも1つのOが介在するC
1−C
18アルキル基であり、好ましくは、Hである。
【0059】
R
17及びR
18はそれぞれ独立して、H、無置換もしくは少なくとも1つのC
1−C
18アルキル基又は少なくとも1つのC
1−C
18アルコキシ基で置換されたC
6−C
18アリール基、C
1−C
18アルキル基、又は、少なくとも1つのOが介在するC
1−C
18アルキル基であり、好ましくは、H又はC
1−C
18アルキル基であるか、
又は
R
17及びR
18は結合して5又は6員の脂肪族環、芳香族環又は芳香族複素環、好ましくは、5又は6員の脂肪族環を形成する。
【0060】
R
19はH、無置換もしくは少なくとも1つのC
1−C
18アルキル基又は少なくとも1つのC
1−C
18アルコキシ基で置換されたC
6−C
18アリール基、C
1−C
18アルキル基、又は、少なくとも1つのOが介在するC
1−C
18アルキル基、好ましくは、H、無置換のC
6−C
18アリール基、又は、C
1−C
18アルキル基である。
【0061】
R
20はH、無置換もしくは少なくとも1つのC
1−C
18アルキル基又は少なくとも1つのC
1−C
18アルコキシ基で置換されたC
6−C
18アリール基、C
1−C
18アルキル基、又は、少なくとも1つのOが介在するC
1−C
18アルキル基、好ましくは、H、無置換のC
6−C
18アリール基、又は、C
1−C
18アルキル基である。
【0062】
R
21はそれぞれ独立して、H、無置換もしくは少なくとも1つのC
1−C
18アルキル基又は少なくとも1つのC
1−C
18アルコキシ基で置換されたC
6−C
18アリール基、C
1−C
18アルキル基、又は、少なくとも1つのOが介在するC
1−C
18アルキル基、好ましくは、H、無置換のC
6−C
18アリール基、又は、C
1−C
18アルキル基である。
【0063】
R
22、R
23及びR
24はそれぞれ独立して、H、C
1−C
18アルキル基、又は、無置換もしくは少なくとも1つのC
1−C
18アルキル基で置換されたC
6−C
18アリール基、好ましくは、H、無置換のC
6−C
18アリール基、又はC
1−C
18アルキル基である。
【0064】
R
25及びR
27はそれぞれ独立して、H、C
1−C
18アルキル基、無置換もしくは少なくとも1つのC
1−C
18アルキル基で置換されたC
6−C
18アリール基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
7−C
25アラルキル基、又は、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
5−C
12シクロアルキル基、好ましくは、H、無置換のC
6−C
18アリール基、又は、C
1−C
18アルキル基である。
【0065】
本発明において、通常、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、及びR
11は、存在する場合、それぞれ独立して−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基から選ばれ、oはそれぞれ独立して0又は1であり、pはそれぞれ独立して0又は1であり、qはそれぞれ独立して0又は1であり、rはそれぞれ独立して0又は1であり、L
1、L
2、L
3及びL
4はそれぞれ独立して、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
6−C
40アリール基、及び、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
1−C
24ヘテロアリール基から選ばれ、R
14は上記したとおりである。
【0066】
好ましくは、式−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14において、oはそれぞれ独立して1、pはそれぞれ独立して1、qはそれぞれ独立して1、rはそれぞれ独立して1である。この好ましい態様は、L
1が存在し、その次にL
2、その次にL
3、その次にL
4、さらにその次にR
14が引き続き存在することを意味する。
【0067】
本発明のさらに好ましい態様において、oはそれぞれ独立して1、pはそれぞれ独立して1、qはそれぞれ独立して1、rはそれぞれ独立して0である。この好ましい態様は、L
1が存在し、その次にL
2、その次にL
3、さらにその次にR
14が引き続き存在し、L
4は存在しないことを意味する。
【0068】
本発明のさらに好ましい態様において、oはそれぞれ独立して1、pはそれぞれ独立して1、qはそれぞれ独立して0、rはそれぞれ独立して0である。この好ましい態様は、L
1が存在し、その次にL
2、さらにその次にR
14が引き続き存在し、L
3とL
4は存在しないことを意味する。
【0069】
本発明のさらに好ましい態様において、oはそれぞれ独立して1、pはそれぞれ独立して0、qはそれぞれ独立して0、rはそれぞれ独立して0である。この好ましい態様は、L
1が存在し、その次にR
14が引き続き存在し、L
4、L
3及びL
2は存在しないことを意味する。
【0070】
本発明のさらに好ましい態様において、oはそれぞれ独立して0、pはそれぞれ独立して0、qはそれぞれ独立して0、rはそれぞれ独立して0である。この好ましい態様は、化合物がR
14で置換されており、L
4、L
3、L
2、及びL
1は存在しないことを意味する。
【0071】
好ましくは、L
1、L
2、L
3、及びL
4は、存在する場合、それぞれ独立して無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
6−C
40アリール基、及び、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
1−C
24ヘテロアリール基から選ばれる。本発明のさらに好ましい態様において、L
1、L
2、L
3、及びL
4は、存在する場合、それぞれ独立して無置換C
6−C
40アリール、及び、無置換C
1−C
24ヘテロアリール基から選ばれる。
【0072】
oはそれぞれ独立して1、pはそれぞれ独立して0、qはそれぞれ独立して0、rはそれぞれ独立して0である好ましい態様において、L
1は無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、好ましくは無置換のC
6−C
40アリール基、及び、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、好ましくは無置換のC
1−C
24ヘテロアリール基から選ばれる。
【0073】
oはそれぞれ独立して1、pはそれぞれ独立して1、qはそれぞれ独立して0、rはそれぞれ独立して0であるさらに好ましい態様において、L
1は無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
6−C
40アリール基から選ばれ、L
2は無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
1−C
24ヘテロアリール基から選ばれる。
【0074】
oはそれぞれ独立して1、pはそれぞれ独立して1、qはそれぞれ独立して1、rはそれぞれ独立して0であるさらに好ましい態様において、L
1は無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、好ましくは無置換のC
6−C
40アリール基から選ばれ、L
2は無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、好ましくは無置換のC
1−C
24ヘテロアリール基から選ばれ、L
3は無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、好ましくは無置換のC
1−C
24ヘテロアリール基から選ばれる。
【0075】
通常、R
14は上記した基から選択することができ、好ましくはR
14は水素である。
【0076】
特に好ましい態様において、本発明は、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、及びR
10がそれぞれ独立して、H及び−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基から選ばれ、
L
1、L
2、L
3、及びL
4がそれぞれ独立して、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
6−C
40アリール基、及び、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
1−C
24ヘテロアリール基から選ばれ、
R
14がそれぞれ独立して、H、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基から選ばれ、
o、p、q、r、E、及びDが上記の定義及び好ましい定義のとおりである化合物に関する。
【0077】
さらに好ましくは、本発明は、
R
1、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、及びR
10が、存在する場合には、それぞれ独立して、H、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
6−C
40アリール基、及び、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたN−含有C
1−C
24ヘテロアリール基から選ばれ、
R
2が−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基から選ばれ、
L
1、L
2、L
3、及びL
4がそれぞれ独立して、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
6−C
40アリール基、及び、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
1−C
24ヘテロアリール基から選ばれ、
R
14がそれぞれ独立して、H、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基から選ばれ、
L
1、L
2、L
3、L
4、o、p、q、r、E、及びDが上記の定義及び好ましい定義のとおりである化合物に関する。
【0078】
好ましくは、R
1、R
2、R
3、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、及びR
11は上記したとおりであり、R
4は、存在する場合には、H、E、−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
2−C
25アルキル基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
7−C
25アラルキル基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
5−C
12シクロアルキル基から選ばれ、
又は
R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、及びR
10の少なくとも2つは、隣接する炭素原子上に存在する場合は、結合して少なくとも1つのC
6−C
18アリール又はC
1−C
18ヘテロアリール環又は環構造を形成する。
【0079】
好ましくは、R
1、R
2、R
3、R
5、R
7、R
8、R
9、R
10、及びR
11は上記したとおりであり、R
6は、存在する場合には、H、E、−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
2−C
25アルキル基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
7−C
25アラルキル基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
5−C
12シクロアルキル基から選ばれ、
又は
R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、及びR
10の少なくとも2つは、隣接する炭素原子上に存在する場合は、結合して少なくとも1つのC
6−C
18アリール又はC
1−C
18ヘテロアリール環又は環構造を形成する。
【0080】
好ましくは、R
1、R
2、R
3、R
5、R
7、R
8、R
9、及びR
10は上記したとおりであり、R
11は、存在する場合は、E、−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
2−C
25アルキル基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
7−C
25アラルキル基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
5−C
12シクロアルキル基から選ばれ、
又は
R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、及びR
10の少なくとも2つは、隣接する炭素原子上に存在する場合は、結合して少なくとも1つのC
6−C
18アリール又はC
1−C
18ヘテロアリール環又は環構造を形成する。
【0081】
好ましくは、YがOである場合、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、及びR
11は上記したとおりであり、
R
1は、存在する場合には、それぞれ独立して、H、E、−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
7−C
25アラルキル基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
5−C
12シクロアルキル基から選ばれ、前記Eはそれぞれ独立して、−OR
21、−SR
21、−NR
17R
18、−COR
20、−COOR
19(R
19は、無置換もしくは少なくとも1つのC
1−C
18アルキル基又は少なくとも1つのC
1−C
18アルコキシ基で置換されたC
6−C
18アリール基、C
1−C
18アルキル基、又は、少なくとも1つのOが介在するC
1−C
18アルキル基であり、好ましくは、H、無置換のC
6−C
18アリール基、又は、C
1−C
18アルキル基である)、−CONR
17R
18、−CN、−SiR
22R
23R
24、−POR
25R
27、ハロゲン、無置換もしくは−F、−CF
3、−CF
2CF
3、−CF
2CF
2CF
3、−CF(CF
3)
2、−(CF
2)
3CF
3、及び−C(CF
3)
3の少なくとも一つで置換されたC
6−C
60アリール基、C
1−C
18アルキル基、少なくとも1つのOが介在するC
1−C
18アルキル基、又は、無置換もしくは−F、−CF
3、−CF
2CF
3、−CF
2CF
2CF
3、−CF(CF
3)
2、−(CF
2)
3CF
3、及び−C(CF
3)
3の少なくとも一つで置換されたC
1−C
60ヘテロアリール基であり、好ましくは、Eはそれぞれ独立して、−NR
17R
18、−CN、−SiR
22R
23R
24、及び−POR
25R
26から選ばれ、
R
2は、存在する場合には、それぞれ独立して、H及びEから選ばれ、前記Eはそれぞれ独立して、−OR
21(R
21はそれぞれ独立して、無置換もしくは少なくとも1つのC
1−C
18アルキル基又は少なくとも1つのC
1−C
18アルコキシ基で置換されたC
6−C
18アリール基、C
1−C
18アルキル基、又は、少なくとも1つのOが介在するC
1−C
18アルキル基であり、好ましくは、H、無置換のC
6−C
18アリール基、又は、C
1−C
18アルキル基である)、−SR
21、−NR
17R
18、−COR
20、−COOR
19、−CONR
17R
18、−CN、−SiR
22R
23R
24、−POR
25R
27、−Br、−I、無置換もしくは−F、−CF
3、−CF
2CF
3、−CF
2CF
2CF
3、−CF(CF
3)
2、−(CF
2)
3CF
3、及び−C(CF
3)
3の少なくとも一つで置換されたC
6−C
60アリール基、C
1−C
18アルキル基、少なくとも1つのOが介在するC
1−C
18アルキル基、又は、無置換もしくは−F、−CF
3、−CF
2CF
3、−CF
2CF
2CF
3、−CF(CF
3)
2、−(CF
2)
3CF
3、及び−C(CF
3)
3の少なくとも一つで置換されたC
1−C
60ヘテロアリール基であり、好ましくは、Eはそれぞれ独立して、−NR
17R
18、−CN、−SiR
22R
23R
24、及び-POR
25R
26から選ばれる。
ただし、R
1とR
2は同時にHを表すことはなく、
又は
R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、及びR
10の少なくとも2つは、隣接する炭素原子上に存在する場合は、結合して少なくとも1つのC
6−C
18アリール又はC
1−C
18ヘテロアリール環又は環構造を形成する。
【0082】
特に好ましくは、本発明は一般式(I)の化合物に関する。
【0083】
【化10】
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【0084】
(式中、
X
1はCR
1又はNであり、
X
2はCR
2であり、
X
3はCR
3又はNであり、
X
4はCR
4又はNであり、
X
5はCR
5又はNであり、
X
6はCR
6であり、
X
7はCR
7又はNであり、
X
8はCR
8又はNであり、
X
9はCR
9又はNであり、
X
10はCR
10又はNである。
ただし、X
1とX
3は同時にCR
1とCR
3ではない。
YはNR
11、O及びSから選ばれる。
R
3、R
5、R
7、R
8、R
9、及びR
10はそれぞれ独立して、H、E、−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
7−C
25アラルキル基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
5−C
12シクロアルキル基から選ばれる。
R
1は、存在する場合には、それぞれ独立して、H、E、−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
7−C
25アラルキル基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
5−C
12シクロアルキル基から選ばれ、前記Eはそれぞれ独立して、−OR
21、−SR
21、−NR
17R
18、−COR
20、−COOR
19(R
19は、無置換もしくは少なくとも1つのC
1−C
18アルキル基又は少なくとも1つのC
1−C
18アルコキシ基で置換されたC
6−C
18アリール基、C
1−C
18アルキル基、又は、少なくとも1つのOが介在するC
1−C
18アルキル基であり、好ましくは、H、無置換のC
6−C
18アリール基、又は、C
1−C
18アルキル基である)、−CONR
17R
18、−CN、−SiR
22R
23R
24、−POR
25R
27、ハロゲン、無置換もしくは−F、−CF
3、−CF
2CF
3、−CF
2CF
2CF
3、−CF(CF
3)
2、−(CF
2)
3CF
3、及び−C(CF
3)
3の少なくとも一つで置換されたC
6−C
60アリール基、C
1−C
18アルキル基、少なくとも1つのOが介在するC
1−C
18アルキル基、又は、無置換もしくは−F、−CF
3、−CF
2CF
3、−CF
2CF
2CF
3、−CF(CF
3)
2、−(CF
2)
3CF
3、及び−C(CF
3)
3の少なくとも一つで置換されたC
1−C
60ヘテロアリール基であり、好ましくは、Eはそれぞれ独立して、−NR
17R
18、−CN、−SiR
22R
23R
24、及び−POR
25R
26から選ばれる。
R
2は、存在する場合には、それぞれ独立して、H及びEから選ばれ、前記Eはそれぞれ独立して、−OR
21(R
21はそれぞれ独立して、無置換もしくは少なくとも1つのC
1−C
18アルキル基又は少なくとも1つのC
1−C
18アルコキシ基で置換されたC
6−C
18アリール基、C
1−C
18アルキル基、又は、少なくとも1つのOが介在するC
1−C
18アルキル基であり、好ましくは、H、無置換のC
6−C
18アリール基、又は、C
1−C
18アルキル基である)、−SR
21、−NR
17R
18、−COR
20、−COOR
19、−CONR
17R
18、−CN、−SiR
22R
23R
24、−POR
25R
27、−Br、−I、無置換もしくは−F、−CF
3、−CF
2CF
3、−CF
2CF
2CF
3、−CF(CF
3)
2、−(CF
2)
3CF
3、及び−C(CF
3)
3の少なくとも一つで置換されたC
6−C
60アリール基、C
1−C
18アルキル基、少なくとも1つのOが介在するC
1−C
18アルキル基、又は、無置換もしくは−F、−CF
3、−CF
2CF
3、−CF
2CF
2CF
3、−CF(CF
3)
2、−(CF
2)
3CF
3、及び−C(CF
3)
3の少なくとも一つで置換されたC
1−C
60ヘテロアリール基であり、好ましくは、Eはそれぞれ独立して、−NR
17R
18、−CN、−SiR
22R
23R
24、及び−POR
25R
26から選ばれる。
ただし、
R
1がそれぞれ独立して、H、E、−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
7−C
25アラルキル基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
5−C
12シクロアルキル基から選ばれ、前記Eはそれぞれ独立して、−OR
21、−SR
21、−NR
17R
18、−COR
20、−COOR
19(R
19は、無置換もしくは少なくとも1つのC
1−C
18アルキル基又は少なくとも1つのC
1−C
18アルコキシ基で置換されたC
6−C
18アリール基、C
1−C
18アルキル基、又は、少なくとも1つのOが介在するC
1−C
18アルキル基であり、好ましくは、H、無置換のC
6−C
18アリール基、又は、C
1−C
18アルキル基である)、−CONR
17R
18、−CN、−SiR
22R
23R
24、−POR
25R
27、ハロゲン、無置換もしくは−F、−CF
3、−CF
2CF
3、−CF
2CF
2CF
3、−CF(CF
3)
2、−(CF
2)
3CF
3、及び−C(CF
3)
3の少なくとも一つで置換されたC
6−C
60アリール基、C
1−C
18アルキル基、少なくとも1つのOが介在するC
1−C
18アルキル基、又は、無置換もしくは−F、−CF
3、−CF
2CF
3、−CF
2CF
2CF
3、−CF(CF
3)
2、−(CF
2)
3CF
3、及び−C(CF
3)
3の少なくとも一つで置換されたC
1−C
60ヘテロアリール基であり、好ましくは、Eはそれぞれ独立して、−NR
17R
18、−CN、−SiR
22R
23R
24、及び−POR
25R
26から選ばれ、
かつ
R
2がそれぞれ独立して、H及びEから選ばれ、前記Eはそれぞれ独立して、−OR
21(R
21はそれぞれ独立して、無置換もしくは少なくとも1つのC
1−C
18アルキル基又は少なくとも1つのC
1−C
18アルコキシ基で置換されたC
6−C
18アリール基、C
1−C
18アルキル基、又は、少なくとも1つのOが介在するC
1−C
18アルキル基であり、好ましくは、H、無置換のC
6−C
18アリール基、又は、C
1−C
18アルキル基である)、−SR
21、−NR
17R
18、−COR
20、−COOR
19、−CONR
17R
18、−CN、−SiR
22R
23R
24、−POR
25R
27、−Br、−I、無置換もしくは−F、−CF
3、−CF
2CF
3、−CF
2CF
2CF
3、−CF(CF
3)
2、−(CF
2)
3CF
3、及び−C(CF
3)
3の少なくとも一つで置換されたC
6−C
60アリール基、C
1−C
18アルキル基、少なくとも1つのOが介在するC
1−C
18アルキル基、又は、無置換もしくは−F、−CF
3、−CF
2CF
3、−CF
2CF
2CF
3、−CF(CF
3)
2、−(CF
2)
3CF
3、及び−C(CF
3)
3の少なくとも一つで置換されたC
1−C
60ヘテロアリール基であり、好ましくは、Eはそれぞれ独立して、−NR
17R
18、−CN、−SiR
22R
23R
24、及び−POR
25R
26から選ばれる場合、
R
1とR
2は同時にHを表すことはない。
R
4は、存在する場合は、H、E、−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
2−C
25アルキル基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
7−C
25アラルキル基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
5−C
12シクロアルキル基から選ばれる。
R
6は、存在する場合は、H、E、−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
2−C
25アルキル基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
7−C
25アラルキル基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
5−C
12シクロアルキル基から選ばれる。
R
11は、存在する場合は、E、−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
2−C
25アルキル基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
7−C
25アラルキル基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
5−C
12シクロアルキル基から選ばれるか、
又は
R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、及びR
10の少なくとも2つは、隣接する炭素原子上に存在する場合は、結合して少なくとも1つのC
6−C
18アリール又はC
1−C
18ヘテロアリール環又は環構造を形成する。
oはそれぞれ独立して0又は1であり、pはそれぞれ独立して0又は1であり、qはそれぞれ独立して0又は1であり、rはそれぞれ独立して0又は1である。
L
1、L
2、L
3、及びL
4はそれぞれ独立して、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
6−C
40アリール基、及び、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
1−C
24ヘテロアリール基から選ばれる。
R
14はそれぞれ独立して、H、E、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
6−C
24アリール基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
1−C
24ヘテロアリール基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
7−C
25アラルキル基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
5−C
12シクロアルキル基から選ばれる。
Dはそれぞれ独立して、−CO−、−COO−、−S−、−SO−、−SO
2−、−O−、−CR
15=CR
16−、−NR
17−、−SiR
22R
23−、−POR
25−、又は−C
≡C−である。
R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、及びR
11中のEはそれぞれ独立して、−OR
21、−SR
21、−NR
17R
18、−COR
20、−COOR
19、−CONR
17R
18、−CN、−SiR
22R
23R
24、ハロゲン、無置換もしくは−F、−CF
3、−CF
2CF
3、−CF
2CF
2CF
3、−CF(CF
3)
2、−(CF
2)
3CF
3、及び−C(CF
3)
3の少なくとも一つで置換されたC
6−C
60アリール基、C
1−C
18アルキル基、少なくとも1つのOが介在するC
1−C
18アルキル基、又は、無置換もしくは−F、−CF
3、−CF
2CF
3、−CF
2CF
2CF
3、−CF(CF
3)
2、−(CF
2)
3CF
3、及び−C(CF
3)
3の少なくとも一つで置換されたC
1−C
60ヘテロアリール基である。
R
15及びR
16はそれぞれ独立して、H、無置換もしくは少なくとも1つのC
1−C
18アルキル基又は少なくとも1つのC
1−C
18アルコキシ基で置換されたC
6−C
18アリール基、C
1−C
18アルキル基、又は、少なくとも1つのOが介在するC
1−C
18アルキル基である。
R
17及びR
18はそれぞれ独立して、H、無置換もしくは少なくとも1つのC
1−C
18アルキル基又は少なくとも1つのC
1−C
18アルコキシ基で置換されたC
6−C
18アリール基、C
1−C
18アルキル基、又は、少なくとも1つのOが介在するC
1−C
18アルキル基であるか、
又は
R
17及びR
18は結合して5又は6員の脂肪族環、芳香族環又は芳香族複素環を形成する。
R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、及びR
11中のR
19はH、無置換もしくは少なくとも1つのC
1−C
18アルキル基又は少なくとも1つのC
1−C
18アルコキシ基で置換されたC
6−C
18アリール基、C
1−C
18アルキル基、又は、少なくとも1つのOが介在するC
1−C
18アルキル基である。
R
20はH、無置換もしくは少なくとも1つのC
1−C
18アルキル基又は少なくとも1つのC
1−C
18アルコキシ基で置換されたC
6−C
18アリール基、C
1−C
18アルキル基、又は、少なくとも1つのOが介在するC
1−C
18アルキル基である。
R
1、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、及びR
11中のR
21はそれぞれ独立して、H、無置換もしくは少なくとも1つのC
1−C
18アルキル基又は少なくとも1つのC
1−C
18アルコキシ基で置換されたC
6−C
18アリール基、C
1−C
18アルキル基、又は、少なくとも1つのOが介在するC
1−C
18アルキル基である。
R
22、R
23及びR
24はそれぞれ独立して、H、C
1−C
18アルキル基、又は、無置換もしくは少なくとも1つのC
1−C
18アルキル基で置換されたC
6−C
18アリール基である。
R
25はH、C
1−C
18アルキル基、無置換もしくは少なくとも1つのC
1−C
18アルキル基で置換されたC
6−C
18アリール基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
7−C
25アラルキル基、又は、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
5−C
12シクロアルキル基である。)
【0085】
特に好ましくは、本発明は、
R
1、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、及びR
10が、存在する場合は、Hであり、
R
2が−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基から選ばれ、L
1、L
2、L
3、及びL
4がそれぞれ独立して、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
6−C
40アリール基、及び、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
1−C
24ヘテロアリール基から選ばれ、R
14がそれぞれ独立して、H、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基から選ばれ、L
1、L
2、L
3、L
4、o、p、q、r、E、及びDが上記の定義及び好ましい定義のとおりである化合物に関する。
【0086】
一般式(I)で表される本発明の化合物の他の好ましい態様において、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、及びR
10の少なくとも2つは、隣接する炭素原子上に存在する場合は、結合して少なくとも1つのC
6−C
18アリール又はC
1−C
18ヘテロアリール環又は環構造、好ましくは、少なくとも1つのC
6−C
18アリール又はC
2−C
18ヘテロアリール環又は環構造を形成する。
【0087】
この態様において、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、及びR
10の2つが、隣接する炭素原子上に存在する場合は、結合して1つのC
6−C
18アリール又はC
1−C
18ヘテロアリール環又は環構造、好ましくは、少なくとも1つのC
6−C
18アリール又はC
2−C
18ヘテロアリール環又は環構造を形成する。この場合、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、及びR
10の他の2つが、隣接する炭素原子上に存在する場合は、結合して少なくとも1つのC
6−C
18アリール又はC
1−C
18ヘテロアリール環又は環構造、好ましくは、少なくとも1つのC
6−C
18アリール又はC
2−C
18ヘテロアリール環又は環構造をさらに形成してもよい。本発明において、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、及びR
10の2つのそれぞれは、隣接する炭素原子上に存在する場合は、結合して、少なくとも1つの、2つの、3つの又は4つのC
6−C
18アリール又はC
1−C
18ヘテロアリール環又は環構造、好ましくは、少なくとも1つの、2つの、3つの又は4つのC
6−C
18アリール又はC
2−C
18ヘテロアリール環又は環構造を形成することが出来る。
【0088】
好ましいC
6−C
18アリール又はC
1−C
18ヘテロアリール環又は環構造、好ましくは、C
6−C
18アリール又はC
2−C
18ヘテロアリール環又は環構造は、例えば、縮合したフェニレン又はナフチレン環、5又は6員の縮合C
1−C
18ヘテロアリーレン環又は環構造であり、好ましくは、縮合したフェニレン又はナフチレン環、5又は6員の縮合C
2−C
18ヘテロアリーレン環又は環構造である。
【0089】
さらに好ましくは、本発明は、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、及びR
10が、存在する場合は、それぞれ独立して、H及び一般式(XII)で表されるN−ヘテロアリール基から選ばれる化合物に関する。
【0090】
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
【0091】
(式中、
nは0〜8の整数である。
mは0〜4の整数である。
Mは無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
6−C
40アリーレン基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
1−C
24ヘテロアリーレン基、又は、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキレン基である。
R
26はそれぞれ独立して、E、−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基から選ばれ、o、p、q、r、L
1、L
2、L
3、L
4、R
14、E、及びDは上記したとおりであるか、
又は
少なくとも2つのR
26は、隣接する炭素原子上に存在する場合は、少なくとも1つの5もしくは6員の、置換もしくは無置換の、飽和もしくは不飽和の、芳香族もしくは複素芳香族の環又は環構造を形成してもよく、該環又は環構造には少なくとも1つの他の芳香族及び/又は複素芳香族の環又は環構造が縮合していてもよい。)
【0092】
本発明のこの好ましい態様において、一般式(XII)で表される前記N−ヘテロアリール基は、−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基の特別な態様の一つである。
【0093】
特に、一般式(XII)で表される前記N−ヘテロアリール基は以下のように定義される。
【0094】
nは存在する置換基R
26の数を表し、通常、0〜8の整数である。nが0の場合、置換基R
26は存在せず、縮合したフェニル環の8個の位置にはすべて水素が結合する。少なくとも1つの置換基R
26が存在する場合、縮合したフェニル環の少なくとも1つの水素がこの少なくとも1つの置換基R
26で置換される。
【0095】
本発明のさらに他の態様において、少なくとも2つのR
26は、隣接する炭素原子上に存在する場合は、少なくとも1つの5もしくは6員の、置換もしくは無置換の、飽和もしくは不飽和の、芳香族もしくは複素芳香族の環又は環構造を形成してもよく、該環又は環構造には少なくとも1つの他の芳香族及び/又は複素芳香族の環又は環構造が縮合していてもよい。該少なくとも1つの他の芳香族環又は環構造は好ましくは5〜40の炭素を含有する。該少なくとも1つの他の複素芳香族環又は環構造は好ましくは1〜40の炭素とN、O、P、Sなどのヘテロ原子を含有する。
【0096】
この態様においては、少なくとも2つのR
26は、隣接する炭素原子上に存在する場合は、少なくとも1つの5もしくは6員の、置換もしくは無置換の、飽和もしくは不飽和の、芳香族もしくは複素芳香族の環又は環構造を形成すると共に、E、−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基(o、p、q、r、L
1、L
2、L
3、L
4、R
14、E、及びDは上記したとおり)から選ばれる他の置換基R
26が存在していてもよく、
又は
少なくとも2つのR
26は、隣接する炭素原子上に存在する場合は、少なくとも1つの5もしくは6員の、置換もしくは無置換の、飽和もしくは不飽和の、芳香族もしくは複素芳香族の環又は環構造を形成してもよく、他の置換基R
26を有することなく、該環又は環構造に少なくとも1つの他の芳香族及び/又は複素芳香族の環又は環構造が縮合してもよい。
【0097】
この態様において、少なくとも2つの置換基R
26は、隣接する炭素原子上に存在する場合は、少なくとも1つの5もしくは6員の、置換もしくは無置換の、飽和もしくは不飽和の、芳香族もしくは複素芳香族の環又は環構造を形成してもよい。すなわち、隣接する炭素原子上に存在する2つの置換基は5もしくは6員の、置換もしくは無置換の、飽和もしくは不飽和の、芳香族もしくは複素芳香族の環又は環構造を形成してもよく、他の隣接する炭素原子上に存在する他の置換基R
26も5もしくは6員の、置換もしくは無置換の、飽和もしくは不飽和の、芳香族もしくは複素芳香族の環又は環構造を形成してもよい。したがって、一般式(XII)で表される前記N−ヘテロアリール基には、1、2、3又は4個の、好ましくは1又は2個の5もしくは6員の、置換もしくは無置換の、飽和もしくは不飽和の、芳香族もしくは複素芳香族の環又は環構造が存在し得る。
【0098】
本発明のさらに好ましい態様において、少なくとも2つの置換基R
26は、隣接する炭素原子上に存在する場合は、一般式(XVII)で表される構造を形成してもよい。
【0099】
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
【0100】
(式中、
R
53、R
54、R
55、及びR
56はそれぞれ独立して、H、E、−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基から選ばれ、好ましくは、Hであり、o、p、q、r、L
1、L
2、L
3、L
4、R
14、E、及びDは上記したとおりであり、
又は
R
53、R
54、R
55、及びR
56の少なくとも2つは、隣接する炭素原子上に存在する場合は、5もしくは6員の、置換もしくは無置換の、飽和もしくは不飽和の、芳香族もしくは複素芳香族の環又は環構造を形成してもよく、該環又は環構造には芳香族及び/又は複素芳香族の環又は環構造がさらに縮合していてもよい。)
【0101】
特に好ましくは、2つのR
26は、隣接する炭素原子上に存在する場合は、縮合したフェニル環、縮合したナフチル環、縮合したフェナントリル環、縮合したカルバゾール環、縮合したジベンゾフラン環、縮合したジベンゾチオフェン環、縮合したフルオレン環、及び縮合したフルオランテン環を形成する。ただし、フルオランテン環は3つのR
26により形成される。
【0102】
式(XVII)において、破線で示した結合は一般式(XII)の化合物への結合である。
【0103】
少なくとも2つのR
26が少なくとも1つの5もしくは6員の、置換もしくは無置換の、飽和もしくは不飽和の、芳香族もしくは複素芳香族の環又は環構造を形成し、該環又は環構造には少なくとも1つの他の芳香族及び/又は複素芳香族の環又は環構造がさらに縮合していてもよい一般式(XII)で表される置換基R
26の例を以下に示す。
【0104】
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
【0105】
本発明の好ましい態様において、一般式(XII)で表される前記N−ヘテロアリール基は一般式(XX)で表される。
【0106】
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
【0107】
(式中、
m、M、R
26は上記したとおりである。
nは0〜7の整数である。
vは0〜7の整数である。
R
60はそれぞれ独立して、H、E、−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
7−C
25アラルキル基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
5−C
12シクロアルキル基から選ばれ、R
26はそれぞれ独立して、E、−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基から選ばれ、o、p、q、r、L
1、L
2、L
3、L
4、R
14、E、及びDは上記したとおりである。
R
61はそれぞれ独立して、E、−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基から選ばれ、o、p、q、r、L
1、L
2、L
3、L
4、R
14、E、及びDは上記したとおりであり、
又は
少なくとも2つのR
61は、隣接する炭素原子上に存在する場合は、少なくとも1つの5もしくは6員の、置換もしくは無置換の、飽和もしくは不飽和の、芳香族もしくは複素芳香族の環又は環構造を形成してもよく、該環又は環構造には少なくとも1つの芳香族及び/又は複素芳香族環又は環構造がさらに縮合していてもよい。)
【0108】
本発明の一般式(XX)で表される前記N−ヘテロアリール基において、nは存在する置換基R
26の数を示し、通常、0〜7の整数、例えば、0、1、2、3、4、5、6、又は7である。nが0の場合、置換基R
26は存在せず、縮合したフェニル環の7つの位置にはすべて水素が結合し、少なくとも1つの位置が下記の基で置換されている。
【0109】
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
【0110】
少なくとも1つの置換基R
26が存在する場合、縮合したフェニル環の少なくとも1つの水素が該少なくとも1つの置換基R
26で置換されている。
【0111】
本発明の一般式(XX)で表される前記N−ヘテロアリール基において、vは存在する置換基R
61の数を示し、通常、0〜7の整数、例えば、0、1、2、3、4、5、6、又は7である。vが0の場合、置換基R
61は存在せず、下記置換基:
【0112】
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
【0113】
の7つの位置にはすべて水素が結合している。
【0114】
R
60は、存在する場合は、それぞれ独立して、−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基から選ばれ、oはそれぞれ独立して0又は1であり、pはそれぞれ独立して0又は1であり、qはそれぞれ独立して0又は1であり、rはそれぞれ独立して0又は1であり、L
1、L
2、L
3、及びL
4は、それぞれ独立して、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
6−C
40アリール基、及び、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
1−C
24ヘテロアリール基から選ばれ、R
14は上記したとおりである。
【0115】
R
60が−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14である場合、好ましくは、oはそれぞれ独立して1であり、pはそれぞれ独立して1であり、qはそれぞれ独立して1であり、rはそれぞれ独立して1である。この好ましい態様は、L
1が存在し、その次にL
2、その次にL
3、その次にL
4、さらにその次にR
14が引き続き存在することを意味する。
【0116】
さらに好ましい態様において、R
60が−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14である場合、oはそれぞれ独立して1であり、pはそれぞれ独立して1であり、qはそれぞれ独立して1であり、rはそれぞれ独立して0である。この好ましい態様は、L
1が存在し、その次にL
2、その次にL
3、さらにその次にR
14が引き続き存在し、L
4は存在しないこと意味する。
【0117】
さらに好ましい態様において、R
60が−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14である場合、oはそれぞれ独立して1であり、pはそれぞれ独立して1であり、qはそれぞれ独立して0であり、rはそれぞれ独立して0である。この好ましい態様は、L
1が存在し、その次にL
2、その次にR
14が引き続き存在し、L
3とL
4は存在しないこと意味する。
【0118】
さらに好ましい態様において、R
60が−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14である場合、oはそれぞれ独立して1であり、pはそれぞれ独立して0であり、qはそれぞれ独立して0であり、rはそれぞれ独立して0である。この好ましい態様は、L
1が存在し、その次にR
14が引き続き存在し、L
4、L
3及びL
2は存在しないこと意味する。
【0119】
さらに好ましい態様において、R
60が−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14である場合、oはそれぞれ独立して0であり、pはそれぞれ独立して0であり、qはそれぞれ独立して0であり、rはそれぞれ独立して0である。この好ましい態様は、化合物がR
14で置換されており、L
4、L
3、L
2及びL
1は存在しないこと意味する。
【0120】
好ましくは、R
60が−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14である場合、L
1、L
2、L
3、及びL
4は、存在する場合は、それぞれ独立して、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
6−C
40アリール基、及び、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
1−C
24ヘテロアリール基から選ばれる。さらに好ましい態様において、L
1、L
2、L
3、及びL
4は、存在する場合は、それぞれ独立して、無置換C
6−C
40アリール基及び無置換C
1−C
24ヘテロアリール基から選ばれる。
【0121】
好ましい態様において、R
60が−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14であり、oがそれぞれ独立して1であり、pがそれぞれ独立して0であり、qがそれぞれ独立して0であり、rがそれぞれ独立して0である場合、L
1は無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、好ましくは無置換のC
6−C
40アリール基、及び、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、好ましくは無置換のC
1−C
24ヘテロアリール基から選ばれる。
【0122】
さらに好ましい態様において、R
60が−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14であり、oがそれぞれ独立して1であり、pがそれぞれ独立して1であり、qがそれぞれ独立して0であり、rがそれぞれ独立して0である場合、L
1は無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
6−C
40アリール基から選ばれ、L
2は無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
1−C
24ヘテロアリール基から選ばれる。
【0123】
さらに好ましい態様において、R
60が−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14であり、oがそれぞれ独立して1であり、pがそれぞれ独立して1であり、qがそれぞれ独立して1であり、rがそれぞれ独立して0である場合、L
1は無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、好ましくは無置換のC
6−C
40アリール基から選ばれ、L
2は無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、好ましくは無置換のC
1−C
24ヘテロアリール基から選ばれ、L
3は無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、好ましくは無置換のC
1−C
24ヘテロアリール基から選ばれる。
【0124】
R
60が−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14である場合、R
14はそれぞれ独立して、H、E、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
6−C
24アリール基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
1−C
24ヘテロアリール基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
7−C
25アラルキル基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
5−C
12シクロアルキル基から選ばれ、好ましくは、R
14は水素である。
【0125】
特に好ましくは、R
60はそれぞれ独立して、水素、フェニル、ナフタレンで置換されたフェニル、ビフェニル、ナフチル、フェニル環で置換されたナフチル、フェナントリル、トリフェニレニル、フルオレニル、ジベンゾフリル、及び、ジベンゾチエニルから選ばれる。
【0126】
R
61はそれぞれ独立して、E、−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基から選ばれ、o、p、q、r、L
1、L
2、L
3、L
4、R
14、E、及びDは上記したとおりであり、
又は
少なくとも2つのR
61は、隣接する炭素原子上に存在する場合は、少なくとも1つの5もしくは6員の、置換もしくは無置換の、飽和もしくは不飽和の、芳香族もしくは複素芳香族の環又は環構造を形成してもよく、該環又は環構造には少なくとも1つの芳香族及び/又は複素芳香族の環又は環構造がさらに縮合していてもよい。
【0127】
本発明のさらに他の態様において、少なくとも2つのR
61は、隣接する炭素原子上に存在する場合は、少なくとも1つの5もしくは6員の、置換もしくは無置換の、飽和もしくは不飽和の、芳香族もしくは複素芳香族の環又は環構造を形成してもよく、該環又は環構造には少なくとも1つの他の芳香族又は複素芳香族の環又は環構造がさらに縮合していてもよい。該少なくとも1つの他の芳香族環又は環構造は好ましくは5〜40の炭素原子を含有する。該少なくとも1つの他の複素芳香族環又は環構造は好ましくは1〜40の炭素原子とN、O、P、Sなどのヘテロ原子を含有する。
【0128】
この態様においては、少なくとも2つのR
61は、隣接する炭素原子上に存在する場合は、少なくとも1つの5もしくは6員の、置換もしくは無置換の、飽和もしくは不飽和の、芳香族もしくは複素芳香族の環又は環構造を形成すると共に、E、−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基(o、p、q、r、L
1、L
2、L
3、L
4、R
14、E、及びDは上記したとおり)から選ばれる他の置換基R
61が存在していてもよく、
又は
少なくとも2つのR
61は、隣接する炭素原子上に存在する場合は、少なくとも1つの5もしくは6員の、置換もしくは無置換の、飽和もしくは不飽和の、芳香族もしくは複素芳香族の環又は環構造を形成してもよく、他の置換基R
61を有することなく、該環又は環構造に少なくとも1つの他の芳香族及び/又は複素芳香族の環又は環構造が縮合してもよい。
【0129】
この態様において、少なくとも2つの置換基R
61は、隣接する炭素原子上に存在する場合は、少なくとも1つの5もしくは6員の、置換もしくは無置換の、飽和もしくは不飽和の、芳香族もしくは複素芳香族の環又は環構造を形成してもよい。すなわち、隣接する炭素原子上に存在する2つの置換基は5もしくは6員の、置換もしくは無置換の、飽和もしくは不飽和の、芳香族もしくは複素芳香族の環又は環構造を形成してもよく、他の隣接する炭素原子上に存在する他の置換基R
61も、5もしくは6員の、置換もしくは無置換の、飽和もしくは不飽和の、芳香族もしくは複素芳香族の環又は環構造を形成してもよい。したがって、一般式(XX)で表される前記N−ヘテロアリール基には、1、2、3又は4個の、好ましくは1又は2個の5もしくは6員の、置換もしくは無置換の、飽和もしくは不飽和の、芳香族もしくは複素芳香族の環又は環構造が存在し得る。
【0130】
本発明のさらに好ましい態様において、少なくとも2つの置換基R
61は、隣接する炭素原子上に存在する場合は、一般式(XIV)で表される構造を形成してもよい。
【0131】
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
【0132】
(式中、
R
87、R
88、R
89、及びR
90はそれぞれ独立して、H、E、−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基から選ばれ、o、p、q、r、L
1、L
2、L
3、L
4、R
14、E、及びDは上記したとおりであり、
又は
R
87、R
88、R
89、及びR
90の少なくとも2つは、隣接する炭素原子上に存在する場合は、5もしくは6員の、置換もしくは無置換の、飽和もしくは不飽和の、芳香族もしくは複素芳香族の環又は環構造を形成してもよく、該環又は環構造には芳香族及び/又は複素芳香族の環又は環構造がさらに縮合していてもよい。)
【0133】
特に好ましくは、2つのR
61は、隣接する炭素原子上に存在する場合は、縮合したフェニル環、縮合したナフチル環、縮合したフェナントリル環、縮合したカルバゾール環、縮合したジベンゾフラン環、縮合したジベンゾチオフェン環、縮合したフルオレン環、及び縮合したフルオランテン環を形成する。ただし、フルオランテン環は3つのR
61により形成される。
【0134】
式(XIV)において、破線で示した結合は一般式(XX)の化合物への結合である。
【0135】
本発明は、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、及びR
10が、存在する場合は、それぞれ独立して、H及び一般式(XXI)で表される複素環基から選ばれる一般式(I)で表される化合物に関する。
【0136】
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
【0137】
(式中、
A
1はCR
62又はNであり、
A
2はCR
63又はNであり、
A
3はCR
64又はNであり、
A
4はCR
65又はNであり、
B
1はCR
66又はNであり、
B
2はCR
67又はNであり、
B
3はCR
68又はNであり、
B
4はCR
69又はNである。
Y
1はそれぞれ独立して、NR
70、CR
71R
72、O、又はSである。
R
62、R
63、R
64、R
65、R
66、R
67、R
68、及びR
69はそれぞれ独立して、H、直接結合、E、−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
7−C
25アラルキル基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
5−C
12シクロアルキル基から選択され、好ましくはH、フェニル又はカルバゾリルであるか、
及び/又は
存在する場合、R
62、R
63、R
64、及びR
65の少なくとも2つは、一般式(XXII)で表される部分構造の2つの*で表される位置に直接結合し、
【0138】
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
【0139】
(式中、
Y
2はそれぞれ独立して、NR
73、CR
74R
75、O、又はSであり、
Z
1はCR
76であり、
Z
2はCR
77であり、
Z
3はCR
78であり、
Z
4はCR
79である。)
及び/又は
隣接する炭素原子上に存在する場合は、R
62、R
63、R
64又はR
65は少なくとも1つのC
6−C
18アリール又はC
2−C
18ヘテロアリール環又は環構造を形成し、
及び/又は
存在する場合、R
66、R
67、R
68、及びR
69の少なくとも2つは、一般式(XXIII)で表される部分構造の2つの*で表される位置に直接結合し、
【0140】
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
【0141】
(式中、
Y
3はそれぞれ独立して、NR
80、CR
81R
82、O、又はSであり、
Z
5はCR
83であり、
Z
6はCR
84であり、
Z
7はCR
85であり、
Z
8はCR
86である。)
及び/又は
隣接する炭素原子上に存在する場合は、R
66、R
67、R
68、及びR
69の少なくとも2つは結合して少なくとも1つのC
6−C
18アリール又はC
2−C
18ヘテロアリール環又は環構造を形成する。
R
70、R
73、及びR
80はそれぞれ独立して、直接結合、H、E、−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
7−C
25アラルキル基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
5−C
12シクロアルキル基から選ばれる。
R
71、R
72、R
74、R
75、R
81、及びR
82はそれぞれ独立して、H、直接結合、E、−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
7−C
25アラルキル基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
5−C
12シクロアルキル基から選ばれるか、
又は、
R
71及びR
72、R
74及びR
75、及び/又はR
81及びR
82は、少なくとも1つのC
6−C
18アリール環又は環構造が結合していてもよい少なくとも1つのC
3−C
18アルキル環又は環構造を形成する。
R
76、R
77、R
78、R
79、R
83、R
84、R
85、及びR
86はそれぞれ独立して、H、直接結合、E、−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
7−C
25アラルキル基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
5−C
12シクロアルキル基から選ばれるか、
及び/又は
隣接する炭素原子上に存在する場合は、R
76、R
77、R
78、R
79、R
83、R
84、R
85、及びR
86の少なくとも2つは結合して少なくとも1つのC
6−C
18アリール又はC
2−C
18ヘテロアリール環又は環構造を形成する。
存在する場合、一般式(XXI)で表される置換基は一般式(I)で表される化合物に、R
70、R
73、R
80、R
62、R
63、R
64、R
65、R
66、R
67、R
68、R
69、R
76、R
77、R
78、R
79、R
71、R
72、R
74、R
75、R
81、R
82、R
83、R
84、R
85、
又は、R86の1つを介して結合し、好ましくはR
70、R
73又はR
80を介して結合し、結合する場合のR
70、R
73、R
80、R
62、R
63、R
64、R
65、R
66、R
67、R
68、R
69、R
76、R
77、R
78、R
79、R
71、R
72、R
74、R
75、R
81、R
82、R
83、R
84、R
85、又はR
86、好ましくはR
70、R
73又はR
80は、−(M)
m−で表される基が介在していてもよい直接結合を表す。
mは0〜4の整数である。
Mは無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
6−C
40アリーレン基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
1−C
24ヘテロアリーレン基、又は、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキレン基である。
oはそれぞれ独立して0又は1であり、pはそれぞれ独立して0又は1であり、qはそれぞれ独立して0又は1であり、rはそれぞれ独立して0又は1である。
L
1、L
2、L
3及びL
4はそれぞれ独立して、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
6−C
40アリール基、及び、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
1−C
24ヘテロアリール基から選ばれる。
R
14はそれぞれ独立して、H、E、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
6−C
24アリール基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
1−C
24ヘテロアリール基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
7−C
25アラルキル基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
5−C
12シクロアルキル基から選ばれる。
Dはそれぞれ独立して、−CO−、−COO−、−S−、−SO−、−SO
2−、−O−、−CR
15=CR
16−、−NR
17−、−SiR
22R
23−、−POR
25−、又は−C
≡C−である。
Eはそれぞれ独立して、−OR
21、−SR
21、−NR
17R
18、−COR
20、−COOR
19、−CONR
17R
18、−CN、−SiR
22R
23R
24、−POR
25R
27、ハロゲン、無置換もしくは−F、−CF
3、−CF
2CF
3、−CF
2CF
2CF
3、−CF(CF
3)
2、−(CF
2)
3CF
3、及び−C(CF
3)
3の少なくとも一つで置換されたC
6−C
60アリール基、C
1−C
18アルキル基、少なくとも1つのOが介在するC
1−C
18アルキル基、又は、無置換もしくは−F、−CF
3、−CF
2CF
3、−CF
2CF
2CF
3、−CF(CF
3)
2、−(CF
2)
3CF
3、及び−C(CF
3)
3の少なくとも一つで置換されたC
1−C
60ヘテロアリール基である。
R
15及びR
16はそれぞれ独立して、H、無置換もしくは少なくとも1つのC
1−C
18アルキル基又は少なくとも1つのC
1−C
18アルコキシ基で置換されたC
6−C
18アリール基、C
1−C
18アルキル基、又は、少なくとも1つのOが介在するC
1−C
18アルキル基である。
R
17及びR
18はそれぞれ独立して、H、無置換もしくは少なくとも1つのC
1−C
18アルキル基又は少なくとも1つのC
1−C
18アルコキシ基で置換されたC
6−C
18アリール基、C
1−C
18アルキル基、又は、少なくとも1つのOが介在するC
1−C
18アルキル基であるか、
又は
R
17及びR
18は結合して5又は6員の脂肪族環、芳香族環又は芳香族複素環を形成する。
R
19はH、無置換もしくは少なくとも1つのC
1−C
18アルキル基又は少なくとも1つのC
1−C
18アルコキシ基で置換されたC
6−C
18アリール基、C
1−C
18アルキル基、又は、少なくとも1つのOが介在するC
1−C
18アルキル基である。
R
20はH、無置換もしくは少なくとも1つのC
1−C
18アルキル基又は少なくとも1つのC
1−C
18アルコキシ基で置換されたC
6−C
18アリール基、C
1−C
18アルキル基、又は、少なくとも1つのOが介在するC
1−C
18アルキル基である。
R
21はそれぞれ独立して、H、無置換もしくは少なくとも1つのC
1−C
18アルキル基又は少なくとも1つのC
1−C
18アルコキシ基で置換されたC
6−C
18アリール基、C
1−C
18アルキル基、又は、少なくとも1つのOが介在するC
1−C
18アルキル基である。
R
22、R
23及びR
24はそれぞれ独立して、H、C
1−C
18アルキル基、又は、無置換もしくは少なくとも1つのC
1−C
18アルキル基で置換されたC
6−C
18アリール基である。
R
25及びR
27はそれぞれ独立して、H、C
1−C
18アルキル基、無置換もしくは少なくとも1つのC
1−C
18アルキル基で置換されたC
6−C
18アリール基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
7−C
25アラルキル基、又は、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
5−C
12シクロアルキル基である。)
【0142】
本発明において、一般式(XXI)で表される複素環基は、例えば、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、又はベンゾフロジベンゾフラン基であり、その複素環構造中に存在するいずれかの原子を介して一般式(I)の化合物に結合することができる。したがって、存在する場合、R
70、R
73、R
80、R
62、R
63、R
64、R
65、R
66、R
67、R
68、R
69、R
76、R
77、R
78、R
79、R
71、R
72、R
74、R
75、R
81、R
82、R
83、R
84、R
85、
又は、R86のいずれも、式−(M)
m−で表される基が介在していてもよい単結合を表すことができ、それを介して一般式(XXI)で表される複素環基が一般式(I)の化合物に結合することができる。
【0143】
本発明の好ましい態様において、一般式(XXI)で表される複素環基は、一般式(XXIa)、(XXIb)及び(XXIc)のいずれかで表される。
【0144】
【化21】
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【0145】
(式中、A
1、A
2、A
3、A
4、B
1、B
2、B
3、B
4、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、Z
5、Z
6、Z
7、Z
8、Y
1、Y
2、及びY
3は上記したとおりである。)
【0146】
本発明のさらに好ましい態様において、一般式(XXI)、(XXIa)、(XXIb)及び/又は(XXIc)で表される化合物のY
1、Y
2及びY
3の一つは、それぞれ、NR
70、NR
73又はNR
80である。
【0147】
本発明のさらに好ましい態様において、一般式(XXI)、(XXIa)、(XXIb)及び/又は(XXIc)で表される化合物のY
1、Y
2及びY
3の2つは、それぞれ、NR
70、NR
73又はNR
80である。
【0148】
本発明の好ましい態様において、一般式(XII)で表される前記N−ヘテロアリール基は一般式(XXI)で表されるN−ヘテロアリール基である。
【0149】
【化22】
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【0150】
(式中、
A
1はCR
62であり、
A
2はCR
63又はN、好ましくは、CR
63であり、
A
3はCR
64又はN、好ましくは、CR
64であり、
A
4はCR
65又はN、好ましくは、CR
65であり、
B
1はCR
66又はN、好ましくは、CR
66であり、
B
2はCR
67又はN、好ましくは、CR
67であり、
B
3はCR
68又はN、好ましくは、CR
68であり、
B
4はCR
69又はN、好ましくは、CR
69である。
Y
1はそれぞれ独立してNR
70である。
R
66、R
67、R
68、及びR
69はそれぞれ独立して、直接結合、H、E、−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
7−C
25アラルキル基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
5−C
12シクロアルキル基から選ばれ、好ましくは、H、フェニル、又はカルバゾリルである、
及び
R
62、R
63、R
64、及びR
65の少なくとも2つは直接結合であり、隣接する炭素原子上に存在する場合、一般式(XXII)で表される部分構造の2つの*で表される位置に直接結合し、
【0151】
【化23】
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【0152】
(式中、
Y
2はそれぞれ独立して、NR
73、CR
74R
75、O、又はSであり、
Z
1はCR
76であり、
Z
2はCR
77であり、
Z
3はCR
78であり、
Z
4はCR
79である。)
直接結合ではない残りのR
62、R
63、R
64、及びR
65はそれぞれ独立して、直接結合、H、E、−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
7−C
25アラルキル基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
5−C
12シクロアルキル基から選ばれ、好ましくは、H、フェニル又はカルバゾリルである。
R
76、R
77、R
78、及びR
79はそれぞれ独立して、H、E、−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
7−C
25アラルキル基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
5−C
12シクロアルキル基から選ばれ、好ましくは水素である。
R
73、R
74及びR
75は上記したとおりである。
一般式(XXI)で表される置換基は一般式(I)で表される化合物に、R
70を介して結合し、該R
70は−(M)
m−で表される基が介在していてもよい直接結合を表す。
M及びmは上記したとおりであり、mは好ましくは0又は1である。)
【0153】
本発明の好ましい態様において、一般式(XII)で表される前記N−ヘテロアリール基は一般式(XXI)で表されるN−ヘテロアリール基である。
【0154】
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
【0155】
(式中、
A
2はCR
63又はN、好ましくは、CR
63であり、
A
3はCR
64又はN、好ましくは、CR
64であり、
A
4はCR
65又はN、好ましくは、CR
65であり、
B
1はCR
66又はN、好ましくは、CR
66であり、
B
2はCR
67又はN、好ましくは、CR
67であり、
B
3はCR
68又はN、好ましくは、CR
68であり、
B
4はCR
69又はN、好ましくは、CR
69である。
Y
1はそれぞれ独立してNR
70、CR
71R
72、O、又はSである。
R
62、R
63、R
64、及びR
65の少なくとも2つは直接結合であり、隣接する炭素原子上に存在する場合、一般式(XXII)で表される部分構造の2つの*で表される位置に直接結合し、
【0156】
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
【0157】
(式中、
Y
2はそれぞれ独立して、NR
73、CR
74R
75、O、又はSであり、
Z
1はCR
76であり、
Z
2はCR
77であり、
Z
3はCR
78であり、
Z
4はCR
79である。)
直接結合ではない残りのR
62、R
63、R
64、及びR
65はそれぞれ独立して、直接結合、H、E、−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
7−C
25アラルキル基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
5−C
12シクロアルキル基から選ばれ、好ましくはH又はフェニルである。
R
66、R
67、R
68、及びR
69の少なくとも2つは、隣接する炭素原子上に存在する場合は、一般式(XXIII)で表される部分構造の2つの*で表される位置に直接結合し、
【0158】
【化26】
[この文献は図面を表示できません]
【0159】
(式中、
Y
3はそれぞれ独立してNR
80であり、
Z
5はCR
83であり、
Z
6はCR
84であり、
Z
7はCR
85であり、
Z
8はCR
86である。)
直接結合ではない残りのR
66、R
67、R
68、及びR
69はそれぞれ独立して、直接結合、H、E、−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
7−C
25アラルキル基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
5−C
12シクロアルキル基から選ばれ、好ましくはH又はフェニルである。
R
76、R
77、R
78、R
79、R
83、R
84、R
85、及びR
86はそれぞれ独立して、直接結合、H、E、−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
7−C
25アラルキル基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
5−C
12シクロアルキル基から選ばれ、好ましくはH又はフェニルである。
R
70、R
71、R
72、R
73、R
74、及びR
75は上記したとおりである。
一般式(XXI)で表される置換基は一般式(I)で表される化合物に、R
80を介して結合し、該R
80は−(M)
m−で表される基が介在していてもよい直接結合を表す。
M及びmは上記したとおりであり、mは好ましくは0又は1である。)
【0160】
本発明の好ましい態様において、一般式(XII)で表される前記N−ヘテロアリール基は一般式(XXI)で表されるN−ヘテロアリール基である。
【0161】
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
【0162】
(式中、
A
2はCR
63又はN、好ましくは、CR
63であり、
A
3はCR
64又はN、好ましくは、CR
64であり、
A
4はCR
65又はN、好ましくは、CR
65であり、
B
1はCR
66又はN、好ましくは、CR
66であり、
B
2はCR
67又はN、好ましくは、CR
67であり、
B
3はCR
68又はN、好ましくは、CR
68であり、
B
4はCR
69又はN、好ましくは、CR
69である。
Y
1はそれぞれ独立してNR
70である。
R
62、R
63、R
64、及びR
65の少なくとも2つは直接結合であり、隣接する炭素原子上に存在する場合は、一般式(XXII)で表される部分構造の2つの*で表される位置に直接結合し、
【0163】
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
【0164】
(式中、
Y
2はそれぞれ独立して、NR
73、CR
74R
75、O、又はSであり、
Z
1はCR
76であり、
Z
2はCR
77であり、
Z
3はCR
78であり、
Z
4はCR
79である。)
直接結合ではない残りのR
62、R
63、R
64、及びR
65はそれぞれ独立して、直接結合、H、E、−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
7−C
25アラルキル基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
5−C
12シクロアルキル基から選ばれ、好ましくはH又はフェニルであり、
R
66、R
67、R
68、及びR
69の少なくとも2つは、隣接する炭素原子上に存在する場合は、一般式(XXIII)で表される部分構造の2つの*で表される位置に直接結合し、
【0165】
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
【0166】
(式中、
Y
3はそれぞれ独立してNR
80、CR
81R
82、O、又はSであり、
Z
5はCR
83であり、
Z
6はCR
84であり、
Z
7はCR
85であり、
Z
8はCR
86である。)
直接結合ではない残りのR
66、R
67、R
68、及びR
69はそれぞれ独立して、
直接結合、H、E、−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
7−C
25アラルキル基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
5−C
12シクロアルキル基から選ばれ、好ましくはH又はフェニルである。
R
76、R
77、R
78、R
79、R
83、R
84、R
85、及びR
86はそれぞれ独立して、直接結合、H、E、−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
7−C
25アラルキル基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
5−C
12シクロアルキル基から選ばれ、好ましくはH又はフェニルである。
R
73、R
74、R
75、R
80、R
81、及びR
82は上記したとおりである。
一般式(XXI)で表される置換基は一般式(I)で表される化合物に、R
70を介して結合し、該R
70は式−(M)
m−で表される基が介在していてもよい直接結合を表す。
M及びmは上記したとおりであり、mは好ましくは0又は1である。)
【0167】
本発明の好ましい態様において、一般式(XII)で表される前記N−ヘテロアリール基は、次の一般式(XIII)で表されるN−ヘテロアリール基である。
【0168】
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
【0169】
(式中、
M、m及びR
26は上記したとおりである。
nは0〜4である。
R
28、R
29、R
30、R
31、R
37、及びR
38はそれぞれ独立して、H、E、−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
7−C
25アラルキル基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
5−C
12シクロアルキル基から選ばれ、好ましくは、H、フェニル、又はビフェニルであるか、
又は
R
28、R
29、R
30、R
31、R
37、及びR
38の少なくとも2つは、隣接する炭素原子上に存在する場合は、結合して少なくとも1つのC
6−C
18アリール又はC
2−C
18ヘテロアリール環又は環構造を形成する。
Q及びTはそれぞれ独立して直接結合、S、O、SiR
32R
33、CR
34R
35、及びNR
36から選ばれる。
R
32及びR
33はそれぞれ独立して、H、C
1−C
18アルキル基、又は、無置換もしくは少なくとも1つのC
1−C
18アルキル基で置換されたC
6−C
18アリール基であり、好ましくは、H、無置換のC
6−C
18アリール基、又は、C
1−C
18アルキル基であり、より好ましくは、H、メチル、エチル、又はフェニルである。
R
34及びR
35はそれぞれ独立して、H、E、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
6−C
24アリール基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
1−C
24ヘテロアリール基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
7−C
25アラルキル基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
5−C
12シクロアルキル基であり、又は、R
34及びR
35が結合して置換もしくは無置換の5又は6員の脂肪族環を形成したスピロ基を表し、好ましくは、H、メチル、エチル、フェニル、又は、R
34及びR
35が結合して置換もしくは無置換の5又は6員の脂肪族環を形成したスピロ基である。
R
36はH、無置換もしくは少なくとも1つのC
1−C
18アルキル基又は少なくとも1つのC
1−C
18アルコキシ基で置換されたC
6−C
18アリール基、C
1−C
18アルキル基、又は、少なくとも1つのOが介在するC
1−C
18アルキル基であり、好ましくは、H、無置換のC
6−C
18アリール基、又は、C
1−C
18アルキル基である。
D及びEは上記したとおりである。)
【0170】
本発明の特に好ましい態様において、一般式(XIII)の化合物中、Qは直接結合、TはNR
36、R
36はフェニル、R
37及びR
38はH、mは0、nは0、及び、R
28、R
29、R
30及びR
31はHである。
【0171】
さらに好ましい態様において、一般式(XIII)で表される前記ヘテロアリール基は一般式(XIV)で表される。
【0172】
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
【0173】
(式中、R
26、R
28、R
29、R
30、R
31、M、Q、T、n、及び、mは上記したとおりであり、
R
39、R
40、R
41、及びR
42はそれぞれ独立して、H、無置換もしくは少なくとも1つのC
1−C
18アルキル基又は少なくとも1つのC
1−C
18アルコキシ基で置換されたC
6−C
18アリール基、C
1−C
18アルキル基、又は、少なくとも1つのOが介在するC
1−C
18アルキル基から選ばれ、好ましくは、H、無置換のC
6−C
18アリール基、又はC
1−C
18アルキル基であり、より好ましくは、R
39、R
40、R
41及びR
42はHである。)
【0174】
本発明の特に好ましい態様において、一般式(XIV)の化合物中、Qは直接結合、TはS、R
39、R
40、R
41及びR
42はH、mは0又は1、nは0、及び、R
28、R
29、R
30及びR
31はHである。
【0175】
本発明の他の特に好ましい態様において、一般式(XIV)の化合物中、Qは直接結合、TはNR
36、R
36はフェニル、R
39、R
40、R
41及びR
42はH、mは0、nは0、及び、R
28、R
29、R
30及びR
31はHである。
【0176】
本発明の特に好ましい態様において、一般式(XIV)の化合物中、Qは直接結合、TはCR
34R
35、R
34及びR
35はメチル、R
39、R
40、R
41及びR
42はH、mは0、nは0、及び、R
28、R
29、R
30及びR
31はHである。
【0177】
本発明の他の特に好ましい態様において、一般式(XIV)の化合物中、QはS、Tは直接結合、R
39、R
40、R
41及びR
42はH、mは0、nは0、及び、R
28、R
29、R
30及びR
31はHである。
【0178】
本発明の他の特に好ましい態様において、一般式(XIV)の化合物中、QはNR
36、Tは直接結合、R
36はフェニル、R
39、R
40、R
41及びR
42はH、mは0、nは0、及び、R
28、R
29、R
30及びR
31はHである。
【0179】
本発明のさらに好ましい態様において、一般式(XII)で表される前記N−ヘテロアリール基は次の式(XV)で表されるN−ヘテロアリール基である。
【0180】
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
【0181】
(式中、
M、m及びR
26は上記したとおりである。
nは0〜4である。
R
28、R
29、R
30、R
31、R
43、及びR
44はそれぞれ独立して、H、E、−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
7−C
25アラルキル基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
5−C
12シクロアルキル基から選ばれ、好ましくは、Hであるか、
又は
隣接する炭素原子上に存在する場合は、R
28、R
29、R
30及びR
31の少なくとも2つは結合して少なくとも1つのC
6−C
18アリールもしくはC
2−C
18ヘテロアリール環又は環構造を形成する。
Q及びTはそれぞれ独立して、直接結合、S、O、SiR
32R
33、CR
34R
35、及びNR
36から選ばれる。
R
32及びR
33はそれぞれ独立して、H、C
1−C
18アルキル基、又は、無置換もしくは少なくとも1つのC
1−C
18アルキル基で置換されたC
6−C
18アリール基、好ましくは、H、無置換C
6−C
18アリール基、又はC
1−C
18アルキル基、より好ましくは、H、メチル、エチル、又はフェニルである。
R
34及びR
35はそれぞれ独立して、H、E、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
6−C
24アリール基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
1−C
24ヘテロアリール基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
7−C
25アラルキル基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
5−C
12シクロアルキル基、又は、R
34及びR
35が結合して置換もしくは無置換の5又は6員の脂肪族環を形成したスピロ基を表し、好ましくは、H、エチル、エチル、フェニル、又は、R
34及びR
35が結合して置換もしくは無置換の5又は6員の脂肪族環を形成したスピロ基である。
R
36はH、無置換もしくは少なくとも1つのC
1−C
18アルキル基又は少なくとも1つのC
1−C
18アルコキシ基で置換されたC
6−C
18アリール基、C
1−C
18アルキル基、又は、少なくとも1つのOが介在するC
1−C
18アルキル基、好ましくは、H、無置換C
6−C
18アリール基、又はC
1−C
18アルキル基、例えば、フェニルである。
D及びEは上記したとおりである。)
【0182】
本発明の特に好ましい態様において、一般式(XV)の置換基中、mは0、nは0、R
28、R
29、R
30、R
31、R
43及びR
44はH、Qは直接結合、TはCR
34R
35、R
34及びR
35はメチルである。
【0183】
本発明の他の特に好ましい態様において、一般式(XV)の置換基中、mは0、nは2、R
28、R
29、R
30、R
31、R
43及びR
44はH、隣接する炭素原子上に存在する2つのR
26は結合して、好ましくはR
30とR
31の位置に存在する、縮合したフェニル環を形成し、Qは直接結合、TはCR
34R
35、R
34及びR
35はメチルである。
【0184】
本発明のさらに好ましい態様において、一般式(XII)、(XIII)、(XIV)、又は(XV)で表される置換基のR
26は次の式(XVI)であってもよい。
【0185】
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
【0186】
(式中、
R
45、R
46、R
47、R
48、R
49、R
50、R
51、及びR
52はそれぞれ独立して、H、E、−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
7−C
25アラルキル基、又は、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
5−C
12シクロアルキル基であるか、
又は
R
46、R
47、R
49、R
50、R
51及びR
52の少なくとも2つは、隣接する炭素原子上に存在する場合は、結合して少なくとも1つのC
6−C
18アリール又はC
1−C
18ヘテロアリール環又は環構造を形成する。
E、D、L
1、L
2、L
3、L
4、o、p、q、及びrは上記したとおりである。)
【0187】
特に好ましいR
45、R
46、R
47、R
49、R
50、R
51及びR
52はそれぞれ独立して、H、E、無置換C
6−C
18アリール基、少なくとも1つの基Eで置換されたC
6−C
18アリール基、又は、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基であり、好ましくは、H、フェニル、ビフェニル、ナフチル、フェナントリル、又はジメチルフルオレニルである。
【0188】
R
48は特に好ましくはH、無置換C
6−C
18アリール基、又は、少なくとも1つの基Eで置換されたC
6−C
18アリール基であり、好ましくは、フェニル、ビフェニル、又はナフチルである。
【0189】
さらに好ましくは、R
46、R
47、R
49、R
50、R
51及びR
52の少なくとも2つ、最も好ましくはR
51及びR
52は、隣接する炭素原子上に存在する場合は、結合して少なくとも1つのC
6−C
18アリール又はC
1−C
18ヘテロアリール環又は環構造、最も好ましくは縮合したフェニル環を形成する。
【0190】
特に好ましい態様において、一般式(XVI)中、R
45、R
46、R
47、R
49、R
50、R
51及びR
52はH、R
48はフェニルである。
【0191】
他の特に好ましい態様において、一般式(XVI)中、R
45、R
46、R
47、R
49及びR
50はHであり、R
51はR
52縮合したフェニル環を形成し、R
48はフェニルである。
【0192】
mは存在する基Mの数を表し、通常0〜4の整数である。mが0の場合、基Mは存在せず、一般式(XII)で表されるN−ヘテロアリール基は、一般式(I)で表される化合物の骨格中の炭素原子に直接結合する。好ましくは、mは0、1、2又は3であり、より好ましくは、mは0又は1である。
【0193】
好ましくは、Mは無置換C
6−C
40アリーレン基、無置換C
1−C
24ヘテロアリーレン基、又は、無置換C
1−C
25アルキレン基であり、特に好ましくは無置換C
6−C
18アリーレン基、最も好ましくはフェニレン基である。
【0194】
好ましくは、R
26はそれぞれ独立して、−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基(o、p、q、r、L
1、L
2、L
3、L
4及びR
14は上記の定義及び好ましい定義のとおりである)から選ばれる。
【0195】
本発明のより好ましい態様において、mは0であり、少なくとも2つのR
26は、隣接する炭素原子上に存在する場合は、少なくとも1つの5もしくは6員の、置換もしくは無置換の、飽和もしくは不飽和の、芳香族もしくは複素芳香族の環又は環構造を形成し、他の置換基R
26は存在しない。
【0196】
本発明のさらにより好ましい態様において、mは1であり、Mは無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
6−C
40アリーレン基、好ましくはフェニレンであり、少なくとも2つのR
26は、隣接する炭素原子上に存在する場合は、5もしくは6員の、置換もしくは無置換の、飽和もしくは不飽和の、芳香族もしくは複素芳香族の環又は環構造を形成し、他の置換基R
26は存在しない。
【0197】
したがって、本発明は好ましくは、mが1、Mが無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
6−C
40アリーレン基、好ましくはフェニレンであり、少なくとも2つのR
26は、隣接する炭素原子上に存在する場合は、5もしくは6員の、置換もしくは無置換の、飽和もしくは不飽和の、芳香族もしくは複素芳香族の環を形成し、Eは上記したとおりである化合物に関する。
【0198】
本発明はさらに好ましくは、R
2が上記において定義した一般式(XII)で表されるN−ヘテロアリール基である化合物に関する。
【0199】
本発明はさらに好ましくは、R
1、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9及びR
10がHであり、R
2が上記において定義した一般式(XII)で表されるN−ヘテロアリール基である化合物に関する。
【0200】
R
11は、存在する場合、それぞれ独立して、H、E、−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換された、及び/又は、少なくとも1つの基Dが介在するC
1−C
25アルキル基、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
7−C
25アラルキル基、並びに、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
5−C
12シクロアルキル基から選ばれる。好ましくは、R
11は−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基であり、該基の通常及び好ましい態様は上記の通りである。特に好ましくは、R
11は、oが1、p、q及びrが0、L
1がそれぞれ独立して、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
6−C
40アリール基、及び、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
1−C
24ヘテロアリール基から選ばれ、R
14がHである−(L
1)
o−(L
2)
p−(L
3)
q−(L
4)
r−R
14で表される基である。最も好ましくは、R
11はフェニルである。
【0201】
本発明において、一般式(I)で表される化合物、特に、一般式(II)、(III)又は(IV)で表される化合物、より好ましくは、一般式(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、(IVa)、(IVb)、又は(IVc)で表される化合物において、X
4、X
5、X
6、X
7、X
8、X
9、及びX
10はそれぞれ独立して、N、CR
4、CR
5、CR
6、CR
7、CR
8、CR
9又はCR
10(R
4〜R
10は上記したとおり)であってもよい。しかし、本発明の好ましい態様においては、X
4、X
5、X
6、X
7、X
8、X
9及びX
10はいずれもNではない、すなわち、X
1及び/又はX
3、任意のY、及び、X
1、X
3又はY上の置換基中に任意に存在するNを除いて、分子中にN原子が存在しない。
【0202】
本発明は、好ましくは、X
2がCR
2、X
4がCR
4、X
5がCR
5、X
6がCR
6、X
7がCR
7、X
8がCR
8、X
9がCR
9、及びX
10がCR
10であり、R
2、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9及びR
10が上記したとおりである化合物に関する。
【0203】
したがって、本発明は、好ましくは、次の式(IId)、(IIe)及び(IIf)で表される化合物に関する。
【0204】
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
【0205】
(式中、R
2、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、及びR
11はそれぞれ独立して上記したとおりであり、最も好ましくは、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、及びR
11はHであり、R
2は上記したとおりである。)
【0206】
さらに好ましくは、本発明は次の一般式(IIId)、(IIIe)及び(IIIf)で表される化合物に関する。
【0207】
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
【0208】
(式中、R
1、R
2、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、及びR
11はそれぞれ独立して上記したとおりであり、最も好ましくは、R
1、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、及びR
11はHであり、R
2は上記したとおりである。)
【0209】
さらに好ましくは、本発明は、次の一般式(IVd)、(IVe)及び(IVf)で表される化合物に関する。
【0210】
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
【0211】
(式中、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、及びR
11はそれぞれ独立して上記したとおりであ、最も好ましくは、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、及びR
11はHであり、R
2は上記したとおりである。)
【0212】
さらに好ましい態様において、本発明は、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、及びR
10がそれぞれ独立して、H、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
10−C
40縮合アリール基、及び、無置換もしくは少なくとも1つの基Eで置換されたC
1−C
24ヘテロアリール基から選ばれ、ただし、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、及びR
10から選ばれる少なくとも1つの置換基が縮合アリール基又はヘテロアリール基である化合物に関する。
【0213】
本発明の一般式(I)で表される特に好ましい分子を次に示す。
【0215】
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
【0216】
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
【0217】
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
【0218】
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
【0219】
【化41】
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【0220】
【化42】
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【0221】
【化43】
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【0222】
【化44】
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【0223】
【化45】
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【0224】
【化46】
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【0225】
【化47】
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【0226】
【化48】
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【0227】
【化49】
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【0228】
【化50】
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【0229】
【化51】
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【0230】
【化52】
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【0231】
【化53】
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【0232】
【化54】
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【0234】
【化55】
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【0235】
【化56】
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【0236】
【化57】
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【0237】
【化58】
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【0238】
【化59】
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【0240】
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
【0241】
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
【0242】
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
【0243】
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
【0245】
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
【0246】
【化65】
[この文献は図面を表示できません]
【0247】
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
【0248】
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
【0249】
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
【0250】
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
【0251】
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
【0252】
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
【0253】
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
【0254】
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
【0256】
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
【0257】
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
【0258】
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
【0259】
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
【0260】
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
【0261】
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
【0262】
【化80】
[この文献は図面を表示できません]
【0263】
【化81】
[この文献は図面を表示できません]
【0264】
【化82】
[この文献は図面を表示できません]
【0266】
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
【0267】
【化84】
[この文献は図面を表示できません]
【0268】
【化85】
[この文献は図面を表示できません]
【0269】
本発明は、さらに、X
2がCR
2である上記一般式(I)で表される化合物の製造方法に関し、該製造方法は少なくとも工程(A)を含む。
(A)一般式(V)で表される化合物を式R
2−Hの化合物とカップリングし、一般式(I) で表される化合物を得る工程。
【0270】
【化86】
[この文献は図面を表示できません]
【0271】
(式中、Y、X
1、X
3、X
4、X
5、X
6、X
7、X
8、X
9、X
10、及びR
2は上記したとおりであり、AはCl、Br、I、F、OSO
2CH
3、OSO
2CF
3、及びOSO
2C
6H
4CH
3から選ばれる。)
【0272】
本発明の製法の工程(A)は、通常、所望の化合物を得ることができると当業者に知られているいかなる方法、いかなる条件でも行うことができる。例えば、本発明の製法の工程(A)は当業者に知られているカップリング反応、例えば、パラジウム又は銅触媒を用いた反応であってもよい。
【0273】
したがって、本発明は、好ましくは、工程(A)がパラジウム及び/又は銅触媒の存在下で行うカップリング反応である本発明の製法に関する。
【0274】
一つの好ましい態様において、本発明の製法の工程(A)は所謂Buchwald-Hartwig反応を用いて行うことができる。該方法は当業者に知られており、例えば、Adv. Synth. Catal., 2006, 23, J. Organomet. Chem., 1999, 125, Chem. Sci., 2011, 27に記載されている。
【0275】
他の好ましい態様において、本発明の製法の工程(A)は所謂Suzuki反応を用いて行うことができる。該方法は当業者に知られており、例えば、Chem. Soc. Rev., 2014, 3525, Angew. Chem. Int. Ed., 2009, 6954に記載されている。
【0276】
他の好ましい態様において、本発明の製法の工程(A)は所謂Ulmann反応を用いて行うことができる。該方法は当業者に知られており、例えば、Chem. Rev., 1995, 2457, “Boronic Acids” Wiley-VCH, 2005に記載されている。
【0277】
特に、本発明製法の工程(A)のカップリングは、例えば、炭素数1〜6のアルコールのアルカリ金属塩、特に、ナトリウムt−ブトキシド、カリウムt−ブトキシド、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸ルビジウム、及びリン酸カリウムからなる群より選ばれる少なくとも1つの塩基性化合物の存在下で行われる。
【0278】
前記反応は、好ましくは、少なくとも1つの非プロトン性有機溶媒中で行われる。芳香族溶媒が好ましく、例えば、トルエン、ベンゼン、キシレン、メシチレン、及びそれらの混合物からなる群より選ばれる。
【0279】
触媒としては、少なくとも1つのルイス酸と少なくとも1つのパラジウム化合物の組み合わせが特に好ましく用いられる。特に好ましくは、少なくとも1つのホウ素含有錯体と少なくとも1つのパラジウム塩の組み合わせ、例えば、t−Bu
3P−HBF
4とPd
2(dba)
3の組み合わせが用いられる。dbaはジベンジルインデンアセトンである。他の好適なリガンド及び/又はパラジウム含有試薬は上記の科学文献に記載されている。
【0280】
前記反応は、所望の化合物を高収率かつ高選択率で得るために十分高い温度、例えば、40〜160℃、好ましくは60〜140℃、特に好ましくは70〜120℃で行われる。
【0281】
前記反応は、所望の化合物を高収率かつ高選択率で得るために十分長い時間、例えば、1〜6時間、好ましくは2〜4時間、特に好ましくは3時間行われる。
【0282】
反応終了後、反応混合物は当業者に知られた方法、例えば、抽出、濾過、再結晶、クロマトグラフィなどの方法により処理される。
【0283】
反応生成物は、例えば、プロトンNMRもしくはカーボンNMR、マススペクトロメトリーなどにより分析される。
【0284】
本発明の製法の工程(A)で使用する出発化合物、すなわち、一般式(V)の化合物と一般式R
2−H(R
2は上記したとおり)の化合物は当業者に知られた方法により合成することができる。一般式R
2−Hの化合物は市販されている。
【0285】
X
1がN、X
3がNである本発明の製法の好ましい態様において、一般式(V)の化合物は以下に示すように(Va)で表す。式(Va)の化合物を得るための好ましい反応経路を次に示す。
【0286】
工程(A01):一般式(VI)の化合物を一般式(VII)の化合物に変換する工程
【0287】
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
【0288】
(式中、Y、X
4、X
5、X
6、X
7、X
8、X
9、及びX
10は上記したとおりであり、Yは好ましくはOである。)
【0289】
特に、本発明の製法の工程(A01)の反応は、例えば、HCO
2NH
4及びその混合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの還元性化合物の存在下で行われる。
【0290】
前記反応は、好ましくは、少なくとも1つの有機溶媒中で行われる。溶媒としては、アルコール、例えば、エタノール、イソプロパノール及びそれらの混合物からなる群より選ばれるアルコールが好ましい。
【0291】
好ましくは、工程(A01)は触媒の存在下で行われる。好ましい触媒はパラジウムであり、カーボンに担持されたパラジウムが特に好ましい。
【0292】
前記反応は、所望の化合物を高収率かつ高選択率で得るために十分高い温度、例えば、40〜160℃、好ましくは60〜120℃、特に好ましくは溶媒の還流温度で行われる。
【0293】
前記反応は、所望の化合物を高収率かつ高選択率で得るために十分長い時間、例えば、0.2〜6時間、好ましくは0.5〜3時間行われる。
【0294】
反応終了後、反応混合物は当業者に知られた方法、例えば、抽出、濾過、再結晶、クロマトグラフィなどの方法により処理される。
【0295】
工程(A02):一般式(VII)の化合物を一般式(VIII)の化合物に変換する工程
【0296】
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
【0297】
(式中、Y、X
4、X
5、X
6、X
7、X
8、X
9、及びX
10は上記したとおりであるり、Yは好ましくは、Oである。)
【0298】
特に、本発明の製法の工程(A02)の反応はKOCNの存在下で行われる。
【0299】
前記反応は、好ましくは、少なくとも1つの酸性有機溶媒中、好ましくはカルボン酸、例えば、酢酸中で行われる。
【0300】
前記反応は、所望の化合物を高収率かつ高選択率で得るために十分高い温度、例えば、10〜40℃、好ましくは室温、すなわち、20℃で行われる。
【0301】
前記反応は、所望の化合物を高収率かつ高選択率で得るために十分長い時間、例えば、1〜6時間、好ましくは2〜4時間行われる。
【0302】
反応終了後、反応混合物は当業者に知られた方法、例えば、抽出、濾過、再結晶、クロマトグラフィなどの方法により処理される。
【0303】
工程(A03):一般式(VIII)の化合物を一般式(IX)の化合物に変換する工程
【0304】
【化89】
[この文献は図面を表示できません]
【0305】
(式中、Y、X
4、X
5、X
6、X
7、X
8、X
9、及びX
10は上記したとおりであり、Yは好ましくは、Oである。)
【0306】
特に、本発明の製法の工程(A03)の反応は、KOH、NaOH及びそれらの混合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの塩基性化合物の存在下で行われる。
【0307】
前記反応は、好ましくは、エタノール、イソプロパノール又はそれらの混合物などの少なくとも1つの有機溶媒中で行われる。
【0308】
前記反応は、所望の化合物を高収率かつ高選択率で得るために十分高い温度、例えば、50〜150℃、好ましくは溶媒の還流温度で行われる。
【0309】
前記反応は、所望の化合物を高収率かつ高選択率で得るために十分長い時間、例えば、0.1〜2時間、好ましくは0.3〜1時間行われる。
【0310】
反応終了後、反応混合物は当業者に知られた方法、例えば、抽出、濾過、再結晶、クロマトグラフィなどの方法により処理される。
【0311】
工程(A04):一般式(IX)の化合物を一般式(X)の化合物に変換する工程
【0312】
【化90】
[この文献は図面を表示できません]
【0313】
(式中、Y、X
4、X
5、X
6、X
7、X
8、X
9、及びX
10は上記したとおりであり、R
13は直鎖又は分岐C
1−C
6アルキル基、好ましくはメチルであり、Yは好ましくは、Oである。)
【0314】
特に、本発明の製法の工程(A04)の反応は、少なくとも1つの強塩基性化合物、例えば、NaH、の存在下で行われる。
【0315】
また、本発明の製法の工程(A04)の反応は、R
13−Bで表される少なくとも1つの化合物の存在下で行われる。R
13は上記したとおりであり、BはI、BrおよびClから選ばれる。
【0316】
前記反応は、好ましくは、少なくとも1つの有機溶媒、例えば、ジメチルホルムアミド又はその混合物で行われる。
【0317】
前記反応は、所望の化合物を高収率かつ高選択率で得るために十分高い温度、例えば、−20〜20℃、好ましくは−10〜10℃、最も好ましくは0℃で行われる。
【0318】
前記反応は、所望の化合物を高収率かつ高選択率で得るために十分長い時間、例えば、0.5〜4時間、好ましくは1〜3時間行われる。
【0319】
反応終了後、反応混合物は当業者に知られた方法、例えば、抽出、濾過、再結晶、クロマトグラフィなどの方法により処理される。
【0320】
工程(A05):一般式(X)の化合物を一般式(Va)の化合物に変換する工程
【0321】
【化91】
[この文献は図面を表示できません]
【0322】
(式中、Y、X
4、X
5、X
6、X
7、X
8、X
9、X
10、及びR
12は上記したとおりであり、Yは好ましくはOである。)
【0323】
特に、本発明の製法の工程(A05)の反応は、分子にAを導入することができる化合物の少なくとも1種の存在下で行われる。本発明の製法の工程(A05)では、好ましくはAはClであり、塩素化試薬、例えば、POCl
3又はPCl
5などのリン含有塩素化試薬が用いられる。
【0324】
工程(A05)の反応は、好ましくは溶媒を使用せずに、すなわち、無溶媒反応で行う。
【0325】
前記反応は、所望の化合物を高収率かつ高選択率で得るために十分高い温度、例えば、40〜160℃、好ましくは60〜120℃、特に好ましく70〜90℃で行われる。
【0326】
前記反応は、所望の化合物を高収率かつ高選択率で得るために十分長い時間、例えば、1〜6時間、好ましくは2〜4時間行われる。
【0327】
反応終了後、反応混合物は当業者に知られた方法、例えば、抽出、濾過、再結晶、クロマトグラフィなどの方法により処理される。
【0328】
式(V)、特に式(Va)の化合物を得るための反応スキームのより詳細な反応条件はCarlos M. Martinez et al., J. Heterocyclic Chem., 44, 1035 (2007) に記載されている。
【0329】
一般式(I)の化合物を合成するための本発明の製法は、特に好ましくは、工程(A01)、次いで工程(A02)、次いで工程(A03)、次いで工程(A04)、次いで工程(A05)、次いで工程(A)を含む。
【0330】
本発明の製法の他の好ましい態様において、一般式(Va)で表される化合物は、工程(A05)に関して述べた反応条件を用いることにより、一般式(IX)の化合物から直接得ることが出来る。したがって、本発明は、好ましくは、一般式(Va)で表される化合物を以下に示すように(工程(A05a))、一般式(IX)の化合物から直接得る製法に関する。
【0331】
【化92】
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【0332】
したがって、本発明の一般式(I)で表される化合物を製造するための製法は、特に好ましくは、工程(A01)、次いで工程(A02)、次いで工程(A03)、次いで工程(A05a)、次いで工程(A)を含む。
【0333】
YがSである好ましい態様において、本発明の一般式(I)で表される化合物を製造するための製法は、工程(A01)、次いで工程(A02)、次いで工程(A03)、次いで工程(A05a)、次いで工程(A)を含む。
【0334】
上記化合物(VI)は当業者に周知の化学反応により製造することができる。一般式(VI)で表される化合物を製造するための好ましい方法は、Yamagami, Isao et al., Jpn. Kokai Tokkyo Koh, 2008273906, 2008、Kralj, Ana et al., ChemMedChem, 9(1), 151-168, 2014、及び、Okabayashi, Ichizo and Iwata, Noriko, Chemical and Pharmaceutical Bulletin, 28(9), 2831-5, 1980に記載されている。
【0335】
一般式(Va)で表される上記化合物は以下に記載する方法によっても製造することができる。例えば、一般式(Va)で表される化合物は一般式(XI)で表される化合物から製造することができる。
【0336】
【化93】
[この文献は図面を表示できません]
【0337】
(式中、Y、X
4、X
5、X
6、X
7、X
8、X
9、X
10、及びAは上記したとおりであり、YがOの場合、X
11及びX
12はそれぞれ独立してF又はOHであり、YがSの場合、X
11及びX
12はそれぞれ独立してH又はS(O)CH
3である。)
【0338】
YがOである好ましい態様において、反応は次のように行われる(工程(A06))。
【0339】
【化94】
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【0340】
この好ましい態様(工程(A06))において、一般式(XIa)で表される化合物は一般式(Vaa)で表される化合物に変換される。X
4、X
5、X
6、X
7、X
8、X
9、X
10及びAは上記したとおりである。
【0341】
前記反応は、好ましくは、例えば、K
2CO
3、NaH及びそれらの混合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの塩基性化合物の存在下で行われる。温度、溶媒、反応時間などの反応条件は当業者に周知である。
【0342】
一般式(XIa)で表される化合物は当業者に周知のいかなる方法によっても得ることができる。好ましくは、一般式(XIa)で表される化合物はKang Hyun-Ju et al., WO 2014088290、又は、Welsh Dean M et al., Jpn. Kokai Tokkyo Koh, 2014183315, 2014に記載の方法により得ることができる。
【0343】
YがSである好ましい態様において、反応は次のように行われる(工程(A07))。
【0344】
【化95】
[この文献は図面を表示できません]
【0345】
この好ましい態様(工程(A07))において、一般式(XIb)で表される化合物は一般式(Vab)で表される化合物に変換される。X
4、X
5、X
6、X
7、X
8、X
9、X
10及びAは上記したとおりである.
【0346】
前記反応は、好ましくは、例えば、(CF
3SO
2)
2、CF
3SO
2OH、及びそれらの混合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの酸性化合物の存在下で行われる。
【0347】
温度、溶媒、反応時間などの反応条件は当業者に周知である。
【0348】
本発明の化合物の有機エレクトロニクス分野での用途
以下、本発明の化合物の有機電子分野での用途について説明する。該用途は本発明の一般式(I)で表される化合物について説明するが、当業者であれば、以下の説明は本願で説明した一般式(II)、(III)又は(IV)で表される好ましい化合物、一般式(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、(IVa)、(IVb)又は(IVc)、特に(IId)、(IIe)、(IIf)、(IIId)、(IIIe)、(IIIf)、(IVd)、(IVe)又は(IVf)で表されるより好ましい化合物、それらの好ましい態様、特定の分子にも関連すると理解するであろう。
【0349】
一般式(I)で表される化合物は電荷キャリアの伝達性が要求される分野での用途に特に適していること、特に、例えば、有機トランジスターなどのスイッチ素子(例えば、有機FET、有機TFT)、有機太陽電池、及び有機発光ダイオード(OLED)から選ばれる有機エレクトロニクス分野での用途に特に適していることが分かった。
【0350】
したがって、本発明はさらに、少なくとも1つの本発明の化合物を含む電子素子に関する。
【0351】
一般に、有機トランジスターは電荷輸送有機層で形成された半導体層、導体層で形成されたゲート電極、及び半導体層と導体層の間に配置された絶縁層を含む。ソース電極とドレイン電極をこの構成に順番に戴置してトランジスター素子が得られる。さらに、有機トランジスターは当業者に周知の他の層を含んでいてもよい。電荷輸送層は一般式(I)で表される本発明の化合物を含んでいてもよい。
【0352】
有機太陽電池(光電変換素子)は通常、平行に配置された2つの板状電極の間に有機層を有する。有機層は櫛型電極上に構成してもよい。有機層の位置は特に限定されず、電極材料も特に限定されない。しかし、平行に配置された板状電極を使用する場合、少なくとも1つの電極は、例えば、ITO電極又はフッ素をドープした酸化スズ電極などの透明電極であることが好ましい。有機層は、p型半導体性又は正孔輸送性の層とn型半導体性又は電荷輸送性の層の2層からなる。有機太陽電池は当業者に周知の他の層を含んでいてもよい。電荷輸送性の層は一般式(I)で表される本発明の化合物を含んでいてもよい。
【0353】
一般式(I)で表される化合物はOLEDの、好ましくは発光層のホスト(マトリクス)材料として、及び/又は、電荷輸送材料(例えば、正孔輸送材料及び/又は電子輸送材料)として、電荷及び/又はエキシトン阻止材料として、特に好ましくは、ホスト材料又は電子輸送材料として特に適している。
【0354】
本発明はさらに少なくとも1つの一般式(I)で表される化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子用材料に関する。
【0355】
したがって、好ましくは、本発明は陰極、陽極、及び該陰極と該陽極の間に配置された複数の有機薄膜層を含み、該有機薄膜層が発光層を含み、該発光層が少なくとも1つの一般式(I)で表される化合物を、好ましくはホスト材料、電荷輸送材料、又は電荷及び/又はエキシトン阻止材料として、特に好ましくはホスト材料又は電子輸送材料として含む電子素子、好ましくは有機エレクトロルミネッセンス素子、より好ましくは有機発光ダイオード(OLED)に関する。
【0356】
一般式(I)で表される化合物は、好ましくはOLEDのホスト材料として、好ましくは赤色燐光発光材料と組み合わせて使用することに適している。また、一般式(I)で表される化合物は、OLEDの電子輸送材料として、好ましくは発光層の電子輸送材料として、特に青色蛍光発光材料と組み合わせて使用することに適している。
【0357】
本発明は、好ましくは、発光層が燐光発光材料を含み、該燐光発光材料がイリジウム(Ir)、オスミウム(Os)及び白金(Pt)から選ばれる金属原子を含むオルトメタル化錯体である電子素子、好ましくは有機エレクトロルミネッセンス素子、より好ましくは有機発光ダイオード(OLED)に関する。
【0358】
本発明はさらに、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子を含む電子機器に関する。
【0359】
本発明はまた、少なくとも1つの一般式(I)で表される本発明の化合物を含む発光層であって、好ましくは電子素子、より好ましくはエレクトロルミネッセンス素子、特に好ましくは有機発光ダイオード(OLED)に含まれる発光層に関する。
【0360】
したがって、本発明は好ましくは、一般式(I)で表される上記化合物を電子素子、好ましくはエレクトロルミネッセンス素子、特に好ましくは有機発光ダイオード(OLED)に、好ましくは発光層に、ホスト材料、電荷輸送材料(例えば、正孔輸送材料又は電子輸送材料、好ましくは電子輸送材料)、又は電荷及び/又はエキシトン阻止材料として、好ましくはホスト材料又は電子輸送材料として使用に関する。
【0361】
一般式(I)で表される本発明の化合物をOLEDに使用すると、良好な効率、長寿命を有し、特に低電圧で駆動可能なOLEDが得られる。一般式(I)で表される本発明の化合物は、特に、緑色、赤色及び黄色、好ましくは緑色及び赤色、より好ましくは赤色発光材料のマトリクス及び/又は電荷輸送及び/又は電荷阻止材料として使用することに適している。一般式(I)で表される本発明の化合物は、さらに、青色発光材料の電子輸送材料として使用することに特に適している。
【0362】
さらに、一般式(I)で表される本発明の化合物はスイッチ素子及び有機太陽電池から選ばれる有機エレクトロニクス分野の導電体/相補材料として使用することができる。本発明において、マトリクス及びホストの用語は相互に読み替えることができる。
【0363】
OLEDの発光層、又は、複数の発光層の1つにおいて、発光材料と一般式(I)で表される化合物からなる少なくとも1つのマトリクス材料、さらに、1種以上、好ましくは1種の他のマトリクス材料(コホスト)を組み合わせて使用してもよい。これにより、高量子効率、低駆動電圧及び/又は長寿命の素子が得られることがある。
【0364】
本発明の一つの好ましい態様において、一般式(I)で表される化合物は好ましくは赤色発光化合物を含む発光層のホスト材料として使用される。この態様においては、発光層に他のホスト材料が存在しないことが好ましい。
【0365】
本発明の他の好ましい態様において、一般式(I)で表される化合物は好ましくは緑色発光化合物を含む発光層のホスト材料として使用される。この態様においては、本発明の化合物は好ましくは少なくとも1つの他のホスト材料と共に、すなわち、コホストとして使用される。他のホスト材料は後述する。
【0366】
同様に、一般式(I)で表される化合物は、発光層(好ましくはホスト材料として)及び/又は輸送層(電子輸送材料として)の2又は3つの層に用いてもよい。
【0367】
一般式(I)で表される化合物を発光層のマトリクス(ホスト)材料、さらに、電子輸送材料として用いると、これらの材料が化学的に同一であるか類似しているので、発光層と隣接材料との間のインターフェースが改善され、同一輝度での電圧が低下し、OLED寿命が延びる。さらに、電子輸送材料及び/又は発光層のマトリクスとして同じ材料を用いると、一般式(I)で表される化合物の蒸着工程で同一の蒸着源が使用できるのでOLEDの製造工程が単純になる。
【0368】
有機電子素子、特に有機発光ダイオード(OLED)の好適な構造は当業者に周知であり、以下で具体的に述べる。
【0369】
例えば、本発明の電子素子、好ましくは、有機エレクトロルミネッセンス素子、より好ましくは、有機発光ダイオード(OLED)は、陰極、陽極、及び該陰極と該陽極の間に配置された複数の有機薄膜層を含み、該有機薄膜層は少なくとも1つの一般式(I)の化合物を好ましくは、ホスト材料、電荷輸送材料(例えば、正孔輸送材料又は電子輸送材料、好ましくは、電子輸送材料)、及び/又はエキシトン阻止材料として、特に好ましくは、ホスト材料又は電子輸送材料として含む発光層を有する。
【0370】
したがって、本発明は、好ましくは、陰極、陽極、及び該陰極と該陽極の間に配置された複数の有機薄膜層を含み、該有機薄膜層が少なくとも1つの一般式(I)の化合物を好ましくは、ホスト材料、電荷輸送材料(例えば、正孔輸送材料又は電子輸送材料、好ましくは、電子輸送材料)、及び/又はエキシトン阻止材料として、特に好ましくは、ホスト材料又は電子輸送材料として含む発光層を有する電子素子、好ましくは有機エレクトロルミネッセンス素子、より好ましくは有機発光ダイオード(OLED)に関する。
【0371】
より好ましくは、本発明は、陰極、陽極、該陰極と該陽極の間に配置された発光層、さらに、好適な場合には、少なくとも1つの正孔/エキシトン阻止層、少なくとも1つの電子/エキシトン阻止層、少なくとも1つの正孔注入層、少なくとも1つの正孔輸送層、少なくとも1つの電子注入層、及び、少なくとも1つの電子輸送層からなる群より選ばれる少なくとも1つの層を有し、少なくとも1つの一般式(I)で表される化合物が、発光層及び/又は少なくとも1つの他の層に含まれる有機発光ダイオード(OLED)を提供する。少なくとも1つの一般式(I)で表される化合物は、好ましくは、発光層及び/又は正孔/エキシトン阻止層及び/又は電荷阻止層(電子又は正孔輸送層)に存在する。
【0372】
本発明の好ましい態様において、少なくとも1つの一般式(I)で表される化合物は電子輸送材料として用いられる。一般式(I)で表される化合物の好ましい例は上記した。
【0373】
本発明の他の好ましい態様において、少なくとも1つの一般式(I)で表される化合物は電荷/エキシトン阻止材料として用いられる。一般式(I)で表される化合物の好ましい例は上記した。
【0374】
本発明はさらに、少なくとも1つの一般式(I)の化合物を好ましくはホスト材料又はコホスト材料として含む発光層、好ましくは電子素子、より好ましくはエレクトロルミネッセンス素子、特に好ましくは有機発光ダイオード(OLED)中に存在する発光層に関する。一般式(I)で表される化合物の好ましい例は上記した。
【0375】
最も好ましくは、本発明の電子素子は有機発光ダイオード(OLED)である。
【0376】
本発明のOLEDの構造
本発明の有機発光ダイオード(OLED)は一般的に陽極(a)、陰極(i)及び該陰極と該陽極の間に配置された発光層(e)の構造を有する。
【0377】
本発明のOLEDは、好ましい態様において、例えば、次の各層から形成される。
1.陽極(a)
2.正孔輸送層(c)
3.発光層(e)
4.正孔/エキシトン阻止層(f)
5.電子輸送層(g)
6.陰極(i)
【0378】
層構成は上記の構造と異なっていてもいいし、当業者に周知の構造であってもいい。例えば、OLEDは上記した層をすべて含んでいなくてもよく、例えば、層(a)(陽極)、(e)(発光層)及び(i)(陰極)からなるOLEDであってもよい。この場合、層(c)(正孔輸送層)、層(f)(正孔/エキシトン阻止層)及び層(g)(電子輸送層)の機能は隣接する層が受け持つ。層(a)、(c)、(e)及び(i)、又は、層(a)、(e)、(f)、(g)及び(i)からなるOLEDであってもよい。また、OLEDは正孔輸送層(c)と発光層(e)の間に電子/エキシトン阻止層(d)を有していてもよい。
【0379】
また、1つの層が上記の機能(電子/エキシトン阻止、正孔/エキシトン阻止、正孔注入、正孔伝達、電子注入、電子伝達)の複数を兼ねてもいいし、該1つの層に存在する単一の材料が複数の機能を発揮してもよい。例えば、1つの態様において、正孔輸送層に用いられる材料がエキシトン及び/又は電子を同時に阻止してもよい。
【0380】
さらに、上記したOLEDの各層は2以上の層であってもよい。例えば、正孔輸送層は電極から正孔が注入される層と正孔を正孔注入層から発光層へ輸送する層から形成されていてもよい。
【0381】
同様に、電子輸送層は複数の層、例えば、電極から電子が注入される層及び電子注入層から電子を受け取り、これを発光層に輸送する層からなっていてもよい。これらの層は、それぞれ、エネルギーレベル、耐熱性、電荷キャリア移動度、さらには、有機層又は金属電極であるかによって決まる層間のエネルギー差などの因子を考慮して選ばれる。当業者であれば、本発明で使用する有機化合物に最適になるようにOLEDの構造を選択することができる。
【0382】
好ましい態様において、本発明のOLEDは
(a)陽極、
(b)任意の正孔注入層、
(c)任意の正孔輸送層、
(d)任意のエキシトン阻止層
(e)発光層、
(f)任意の正孔/エキシトン阻止層
(g)任意の電子輸送層、
(h)任意の電子注入層、及び
(i)陰極
をこの順で含む。
【0383】
特に好ましい態様において、本発明のOLEDは
(a)陽極、
(b)任意の正孔注入層、
(c)正孔輸送層、
(d)エキシトン阻止層
(e)発光層、
(f)正孔/エキシトン阻止層
(g)電子輸送層、
(h)任意の電子注入層、及び
(i)陰極
をこの順で含む。
【0384】
これらの層の特性と機能、及び、具体的な材料は公知技術から明らかであり、以下に好ましい態様に基づいてより詳細に説明する。
【0385】
陽極(a)
陽極は正電荷キャリアを提供する電極である。陽極は、例えば、金属、異なる金属の混合物、金属合金、金属酸化物、又は異なる金属酸化物の混合物を含む材料からなる。また、陽極は導電性ポリマーであってもよい。周期律表の11、4、5及び6族の金属、及び、8〜10族の遷移金属が適している。陽極を透明にする場合は、周期律表12、13及び14族の混合金属酸化物、例えば、インジウム−スズ酸化物(ITO)が一般的に用いられる。又、陽極(a)の材料は、例えば、Nature, Vol. 357, pages 477-479 (June 11, 1992)に記載されているポリアニリンなどの有機材料であってもよい。好ましい陽極材料としては、インジウム−スズ酸化物(ITO)、インジウム−亜鉛酸化物(IZO)、アルミニウム亜鉛酸化物(AlZnO)などの導電性金属酸化物、金属が挙げられる。陽極(及び基板)が十分に透明であるとボトムエミッション素子が得られる。好ましい透明基板及び陽極の組み合わせは市販されているITO(陽極)を蒸着したガラス又はプラスチック(基板)である。トップエミッション素子には、素子の上部から放出される光の量を増加させるために、反射性陽極が好ましい。発生した光を放出するためには、陽極又は陰極の少なくともいずれかが少なくとも部分的に透明であることが必要である。他の陽極材料、構造を用いてもよい。
【0386】
正孔注入層(b)
一般的に、注入層は電極、電荷発生層などの層から隣接する有機層への電荷キャリアの注入を改善する材料で構成される。注入層は電荷輸送能を有していてもよい。正孔注入層は陽極から隣接する有機層への正孔注入を改善するいかなる層であってもよい。正孔注入層はスピンコートしたポリマーなど、溶液を塗布して得られる層であってもよいし、CuPc、MTDATAなどの低分子材料を蒸着した層であってもよい。ポリ(N−ビニルカルバゾール)(PVK)、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、スルフォン化ポリ(チオフェン−3−[2[(2−メトキシエトキシ)エトキシ]−2,5−ジイル)(例えば、Plextronics社から市販されているPlexcore(登録商標) OC Conducting Inks)などの自己ドーピング型ポリマー、PEDOT/PSSとも称されるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホネート)などの高分子正孔輸送材料も使用できる。
【0387】
正孔輸送層(c)
好ましい態様において、本発明のOLEDは少なくとも1つの一般式(I)で表される化合物を含み、好ましい態様では電荷輸送材料として、好ましくは正孔輸送材料として含む。一般式(I)で表される化合物に加えて、又は、それを使用することなく、正孔輸送分子又はポリマーのいずれかを正孔輸送材料として用いてもよい。本発明のOLEDの層(c)に好適な正孔輸送材料は、例えば、Kirk-Othmer Encylopedia of Chemical Technology, 4th Edition, Vol. 18, pages 837 to 860, 1996、US20070278938、US2008/0106190、US2011/0163302(トリアリールアミンと(ジ)ベンゾチオフェン/(ジ)ベンゾフランの組み合わせ)、Nan-Xing Hu et al. Synth. Met. 111 (2000) 421(インドロカルバゾール)、WO2010/002850(置換フェニルアミン化合物)、及びWO2012/16601(特に、16〜17ページに記載の正孔輸送材料)に開示されている。異なる正孔輸送材料の組み合わせを用いてもよい。例えば、WO2013/022419では、下記化合物が正孔輸送層を構成している。
【0388】
【化96】
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【0389】
通常使用される正孔輸送分子は下記化合物からなる群より選ばれる。
【0390】
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
【0391】
【化98】
[この文献は図面を表示できません]
【0392】
(4−フェニル−N−(4−フェニルフェニル)−N−[4−[4−(N−[4−(4−フェニルフェニル)フェニル]アニリノ)フェニル]フェニル]アニリン)、
【0393】
【化99】
[この文献は図面を表示できません]
【0394】
(4−フェニル−N−(4−フェニルフェニル)−N−[4−[4−(4−フェニル−N−(4−フェニルフェニル)アニリノ)フェニル]フェニル]アニリン))、
【0395】
【化100】
[この文献は図面を表示できません]
【0396】
(4−フェニル−N−[4−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)フェニル]−N−(4−フェニルフェニル)アニリン)、
【0397】
【化101】
[この文献は図面を表示できません]
【0398】
(1,1’,3,3’−テトラフェニルスピロ[1,3,2−ベンゾジアザシロール−2,2’−3a,7a−ジヒドロ−1,3,2−ベンゾジアザシロール])、
【0399】
【化102】
[この文献は図面を表示できません]
【0400】
(N2,N2,N2’,N2’,N7,N7,N7’,N7’−オクタキス(p−トリル)−9,9’−スピロビ[フルオレン]−2,2’,7,7’−テトラミン)、
【0401】
4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)、1,1−ビス[(ジ−4−トリルアミノ)フェニル]シクロヘキサン(TAPC)、N,N’−ビス(4−メチルフェニル)−N,N’−ビス(4−エチルフェニル)−[1,1’−(3,3’−ジメチル)ビフェニル]−4,4’−ジアミン(ETPD)、テトラキス(3−メチルフェニル)−N,N,N’,N’−2,5−フェニレンジアミン(PDA)、a−フェニル−4−N,N−ジフェニルアミノスチレン(TPS)、p−(ジエチルアミノ)ベンゾアルデヒドジフェニルヒドラゾン(DEH)、トリフェニルアミン(TPA)、ビス[4−(N,N−ジエチルアミノ)−2−メチルフェニル](4−メチルフェニル)メタン(MPMP)、1−フェニル−3−[p−(ジエチルアミノ)スチリル]−5−[p−(ジエチルアミノ)フェニル]ピラゾリン(PPR又はDEASP)、1,2−トランス−ビス(9H−カルバゾール−9−イル)−シクロブタン(DCZB)、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TTB)、2,2’,7,7’−テトラ(N,N−ジトリル)アミノ−9,9−スピロビフルオレン(スピロ−TTB)、N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−9,9−スピロビフルオレン(スピロ−NPB)、9,9−ビス(4−(N,N−ビス−ビフェニル−4−イル−アミノ)フェニル−9H−フルオレンなどのフルオレン化合物、N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジリデンなどのベンジリデン化合物、及び、銅フタロシアニンなどのポルフィリン化合物。さらに、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(PVK)、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、例えば、スルフォン化ポリ(チオフェン−3−[2[(2−メトキシエトキシ)エトキシ]−2,5−ジイル)(Plextronics社から市販されているPlexcore(登録商標) OC Conducting Inks)などの自己ドーピング型ポリマー、PEDOT/PSSとも称されるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホネート)などのコポリマーなどの高分子正孔注入材料も使用できる。正孔注入層材料は好ましくはポルフィリン化合物、芳香族三級アミン化合物、スチリルアミン化合物であり、特に好ましくはヘキサシアノヘキサアザトリフェニレン(HAT)などの芳香族三級アミン化合物である。
【0402】
正孔輸送層は使用する材料の輸送性を改善するために電子的にドープされていてもよい。これにより、第1に、層の厚さの許容範囲が広がりピンホール/漏電が避けられ、第2に、素子の駆動電圧を減少させることができる。電子的ドーピングは当業者に周知であり、例えば、W. Gao, A. Kahn, J. Appl. Phys., Vol. 94, 2003, 359 (p-doped organic layers)、A. G. Werner, F. Li, K. Harada, M. Pfeiffer, T. Fritz, K. Leo, Appl. Phys. Lett., Vol. 82, No. 25, 2003, 4495、Pfeiffer et al., Organic Electronics 2003, 4, 89 - 103、及び、K. Walzer, B. Maennig, M. Pfeiffer, K. Leo, Chem. Soc. Rev. 2007, 107, 1233に開示されている。例えば、混合物、特に正孔輸送層を電気的にp−ドーピングする混合物を使用してもよい。p−ドーピングは酸化性材料を加えることにより得られる。これらの混合物としては、例えば、以下の混合物が挙げられる:上記正孔輸送材料と少なくとも1つの金属酸化物、例えば、MoO
2、MoO
3、WO
x、ReO
3及び/又はV
2O
5、好ましくは、MoO
3及び/又はReO
3、より好ましくは、MoO
3の混合物、又は、上記正孔輸送材料と7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(F
4−TCNQ)、2,5−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン、ビス(テトラ−n−ブチルアンモニウム)テトラシアノジフェノキノジメタン、2,5−ジメチル−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン、11,11,12,12−テトラシアノナフト−2,6−キノジメタン、2−フルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン、2,5−ジフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン、ジシアノメチレン−1,3,4,5,7,8−ヘキサフルオロ−6H−ナフタレン−2−イリデン)マロノニトリル(F
6−TNAP)、Mo(tfd)
3(Kahn et al., J. Am. Chem. Soc. 2009, 131 (35), 12530-12531)、EP1988587、US2008/265216、EP2180029、US2010/0102709、WO2010/132236、EP2180029に記載の化合物、及び、EP2401254に記載のキノン化合物から選ばれる1種またはそれ以上の化合物との混合物。
【0403】
エキシトン阻止層(d)
発光層から漏れる電荷キャリア(電子又は正孔)及び/又はエキシトンの数を減らすために阻止層を用いてもよい。電子/エキシトン阻止層(d)は、電子が発光層(e)から正孔輸送層(c)に漏れるのを阻止するために第1発光層(e)と正孔輸送層(c)の間に配置してもよい。阻止層はエキシトンが発光層から拡散するのを阻止するために使用してもよい。電子/エキシトン阻止材料として適している金属錯体としては、例えば、WO2005/019373A2、WO2006/056418A2、WO2005/113704、WO2007/115970、WO2007/115981、WO2008/000727及びPCT/EP2014/055520に記載されているカルベン錯体が挙げられる。本明細書において、国際公開公報の開示に対する直接の言及及びその開示内容は、本出願の内容を構成すると見なされるべきである。
【0404】
本発明の好ましい態様において、少なくとも1つの一般式(I)の化合物はOLEDのエキシトン阻止層に存在する。
【0405】
発光層(e)
発光層は発光機能を有する有機層であり、1以上の層から形成され、その1つは後述するホスト材料(第1ホスト材料)、任意の第2ホスト材料、及び発光材料を含む。
【0406】
発光層が2以上の層を含む場合、1又はそれ以上の発光層は、ドーピングシステムが採用される場合、ホスト材料及びドーパント材料を含む。ホスト材料の主機能は電子と正孔の再結合を促進し、エキシトンを発光層に閉じ込めることである。ドーパント材料は再結合により発生したエキシトンを効率よく発光させる。
【0407】
燐光素子の場合、ホスト材料の主機能はドーパント上に発生したエキシトンを発光層に閉じ込めることである。
【0408】
発光層は量子収率の高いドーパント材料を2種以上含み、それぞれのドーパント材料がそれぞれの色に発光するダブルドーパント層であってもよい。ホスト、赤色ドーパント及び緑色ドーパントを共蒸着した発光層により黄色発光が得られる。
【0409】
発光層を2以上の積層構造にすると、発光層界面に電子と正孔が蓄積し、再結合領域が発光層界面に位置するので、量子効率を向上させることができる。
【0410】
発光層への正孔の注入し易さと電子の注入し易さは異なっていてもよく、また、発光層中での正孔移動度と電子移動度で表される正孔輸送能と電子輸送能が異なっていてもよい。
【0411】
発光層は、例えば、蒸着法、スピンコート法、LB法等の公知の方法により形成することができる。また、樹脂等の結着剤と発光層の材料の溶液をスピンコート法等により薄膜化することによっても発光層を形成することができる。
【0412】
発光層は分子堆積膜であることが好ましい。分子堆積膜とは、気相状態の材料を沈着して形成した薄膜、溶液状態又は液相状態の材料を固化して形成した膜のことである。この分子堆積膜は、LB法により形成した薄膜(分子累積膜)とは凝集構造、高次構造の相違や、それに起因する機能的な相違により区分することができる。
【0413】
発光層(e)は少なくとも1つの発光材料を含む。発光材料は蛍光発光材料であっても燐光発光材料であってもよく、好適な発光材料は当業者に周知である。前記少なくとも1つの発光材料は好ましくは燐光発光材料である。
【0414】
発光層に含まれる燐光ドーパントの発光波長は特に限定されない。好ましい態様において、発光層に含まれる燐光ドーパントのうち少なくとも1つは、発光波長のピークが通常430nm以上780nm以下であり、好ましくは490nm以上700nm以下であり、より好ましくは、490nm以上650nm以下である。特に好ましくは緑色発光材料(490〜570nm)である。他の好ましい態様においては、赤色発光材料(570〜680nm)が好ましい。
【0415】
燐光ドーパント(燐光発光材料)は三重項励状態のエネルギーを放出することにより発光する化合物であり、三重項励状態のエネルギーを放出することにより発光する限り特に限定されないが、Ir、Pt、Pd、Os、Au、Cu、Re、Rh及びRuから選択される少なくとも一つの金属と配位子とを含む有機金属錯体であることが好ましい。前記配位子は、オルトメタル結合を有することが好ましい。燐光量子収率が高く、エレクトロルミネッセンス素子の外部量子効率をより向上させることができるという点で、Ir,Os及びPtから選ばれる金属原子を含有する金属錯体が好ましく、イリジウム錯体、オスミウム錯体、白金錯体、特にこれらのオルトメタル化錯体がより好ましく、イリジウム錯体及び白金錯体がさらに好ましく、オルトメタル化イリジウム錯体が特に好ましい。
【0416】
本発明の特に好ましい態様において、一般式(I)で表される化合物は発光層のマトリクス(ホスト材料)として用いることができる。
【0417】
本発明のOLEDに使用する好適な金属錯体、好ましくは発光材料として使用する金属錯体は、例えば、WO02/60910A1、US2001/0015432A1、US2001/0019782A1、US2002/0055014A1、US2002/0024293A1、US2002/0048689A1、EP1191612A2、EP1191613A2、EP1211257A2、US2002/0094453A1、WO02/02714A2、WO00/70655A2、WO01/41512A1、WO02/15645A1、WO2005/019373A2、WO2005/113704A2、WO2006/115301A1、WO2006/067074A1、WO2006/056418、WO2006121811A1、WO2007095118A2、WO2007/115970、WO2007/115981、WO2008/000727、WO2010129323、WO2010056669、WO10086089、US2011/0057559、WO2011/106344、US2011/0233528、WO2012/048266、及びWO2012/172482に記載されている。
【0418】
他の好適な金属錯体は、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)、イリジウム(III)トリス(2−(4−トリル)ピリジナト−N,C
2’)、ビス(2−フェニルピリジン)(アセチルアセトナト)イリジウム(III)、イリジウム(III)トリス(1−フェニルイソキノリン)、イリジウム(III)ビス(2,2’−ベンゾチエニル)ピリジナト−N,C
3’)(アセチルアセトン)、トリス(2−フェニルキノリン)イリジウム(III)、イリジウム(III)ビス(2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C
2)ピコリネート、イリジウム(III)ビス(1−フェニルイソキノリン)(アセチルアセトン)、ビス(2−フェニルキノリン)(アセチルアセトナト)イリジウム(III)、イリジウム(III)ビス(ジベンゾ[f,h]キノキサリン)(アセチルアセトン)、イリジウム(III)ビス(2−メチルジベンゾ[f,h]キノキサリン)(アセチルアセトン)、トリス(3−メチル−1−フェニル−4−トリメチルアセチル−5−ピラゾリノ)テルビウム(III)、ビス[1−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)イソキノリン](アセチルアセトナト)イリジウム(III)、ビス(2−フェニルベンゾチアゾラト)(アセチルアセトナト)イリジウム(III)、ビス(2−(9,9−ジヘキシルフルオレニル)−1−ピリジン)(アセチルアセトナト)イリジウム(III)、ビス(2−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル−ピリジン)(アセチルアセトナト)イリジウム(III)などの市販されている金属錯体である。
【0419】
さらに、以下の市販されている金属錯体も好適である:トリス(ジベンゾイルアセトナト)モノ(フェナントロリン)ユーロピウム(III)、トリス(ジベンゾイルメタン)−モノ(フェナントロリン)ユーロピウム(III)、トリス(ジベンゾイルメタン)モノ(5−アミノフェナントロリン)ユーロピウム(III)、トリス(ジ−2−ナフチルメタン)モノ(フェナントロリン)ユーロピウム(III)、トリス(4−ブロモベンゾイルメタン)モノ(フェナントロリン)ユーロピウム(III)、トリス(ジ(ビフェニル)メタン)モノ(フェナントロリン)ユーロピウム(III)、トリス(ジベンゾイルメタン)モノ(4,7−ジフェニルフェナントロリン)ユーロピウム(III)、トリス(ジベンゾイルメタン)モノ(4,7−ジメチルフェナントロリン)ユーロピウム(III)、トリス(ジベンゾイルメタン)モノ(4,7−ジメチルフェナントロリンジスルホン酸)ユーロピウム(III)ジナトリウム塩、トリス[ジ(4−(2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ)ベンゾイルメタン)]モノ(フェナントロリン)ユーロピウム(III)、トリス[ジ(4−(2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ)ベンゾイルメタン)]モノ(5−アミノフェナントロリン)ユーロピウム(III)、オスミウム(II)ビス(3−(トリフルオロメチル)−5−(4−t−ブチルピリジル)−1,2,4−トリアゾラト)ジフェニルメチルホスフィン、オスミウム(II)ビス(3−(トリフルオロメチル)−5−(2−ピリジル)−1,2,4−トリアゾ−ル)ジメチルフェニルホスフィン、オスミウム(II)ビス(3−(トリフルオロメチル)−5−(4−t−ブチルピリジル)−1,2,4−トリアゾラト)ジメチルフェニルホスフィン、オスミウム(II)ビス(3−(トリフルオロメチル)−5−(2−ピリジル)ピラゾラト)ジメチルフェニルホスフィン、トリス[4,4’−ジ−t−ブチル(2,2’)−ビピリジン]ルテニウム(III)、オスミウム(II)ビス(2−(9,9−ジブチルフルオレニル)−1−イソキノリン(アセチルアセトン)。
【0420】
特に好適な金属錯体はUS2014/048784、US2012/223295、US2014/367667、US2013/234119、US2014/001446、US2014/231794、US2014/008633、WO2012/108388、及びWO2012/108389に記載されている。例えば、US2013/234119の段落[0222]に記載されている発光材料が挙げられる。US2013/234119の段落[0222]に記載されている発光材料の一部、特に赤色発光材料は以下のとおりである。
【0421】
【化103】
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【0422】
Mrs Bulletin、2007、32、694に記載されている発光材料も好適である。
【0423】
【化104】
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【0424】
WO2009/100991に記載されている発光材料も好適である。
【0425】
【化105】
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【0426】
WO2008/101842に記載されている発光材料も好適である。
【0427】
【化106】
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【0428】
US2014/0048784、特に段落[0159]に記載されている発光材料も好適である。
【0429】
【化107】
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【0430】
【化108】
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【0431】
【化109】
[この文献は図面を表示できません]
【0432】
【化110】
[この文献は図面を表示できません]
【0433】
他の好適な赤色発光材料はWO2008/109824に記載されている。これに記載されている好ましい赤色発光材料は以下のとおりである。
【0434】
【化111】
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【0435】
【化112】
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【0436】
【化113】
[この文献は図面を表示できません]
【0437】
【化114】
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【0438】
発光材料(ドーパント)、好ましくは燐光発光材料は単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
【0439】
US2013/0299795に開示されている下記の赤色発光材料も本発明のOLEDに用いることができる。
【0440】
【化115】
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【0441】
【化116】
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【0442】
【化117】
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【0443】
【化118】
[この文献は図面を表示できません]
【0444】
【化119】
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【0445】
【化120】
[この文献は図面を表示できません]
【0446】
US2013/0146848に開示されている下記の赤色発光材料も本発明のOLEDに用いることができる。
【0447】
【化121】
[この文献は図面を表示できません]
【0448】
【化122】
[この文献は図面を表示できません]
【0449】
【化123】
[この文献は図面を表示できません]
【0450】
【化124】
[この文献は図面を表示できません]
【0451】
他の好適な赤色発光材料はUS2015/0001472に記載されている。これに記載されている好ましい赤色発光材料は以下のとおりである。
【0452】
【化125】
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【0453】
【化126】
[この文献は図面を表示できません]
【0454】
本発明のOLEDのさらに他の態様において、発光層は少なくとも1つの蛍光発光材料、好ましくは、青色発光材料を含んでいてもよい。本発明OLEDの発光層に含まれていてもよい青色ドーパントの好ましい例としてはEP2924029に記載の多環アミン誘導体が挙げられる。特に好ましい芳香族アミン誘導体は下記式(20)で表される化合物から選ばれる。
【0455】
【化127】
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【0456】
式(20)において、Yは置換もしくは無置換の環形成炭素数10〜50の縮合芳香族炭化水素基である。
Ar
101及びAr
102は独立して置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基である。
Yの具体例としては上記の縮合アリール基が挙げられる。Yは好ましくは、置換もしくは無置換のアントリル基、置換もしくは無置換のピレニル基、又は置換もしくは無置換のクリセニル基である。
nは1〜4の整数、好ましくは1〜2の整数である。
【0457】
上記式(20)は、下記式(21)〜(24)の1つで表される。
【0458】
【化128】
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【0459】
式(21)〜(24)において、R
e、R
f及びR
gは、それぞれ独立して置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルキニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアラルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜20のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキルゲルマニウム基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールゲルマニウム基である。R
e、R
f及びR
gは、それぞれ独立して縮合多環骨格を形成するベンゼン環のいずれの結合位置に結合してもよい。
【0460】
R
e、R
f及びR
gは、好ましくは置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、より好ましくは置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のナフチル基などである。
【0461】
tは0〜10の整数、uは0〜8の整数、mは0〜10の整数、Ar
201〜Ar
218は、それぞれ独立して、環形成炭素数6〜50のアリール基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基である。
【0462】
Ar
201〜Ar
218の好ましい例は、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基などである。Ar
201〜Ar
218の好ましい置換基としては、アルキル基、シアノ基、及び置換もしくは無置換のシリル基が挙げられる。
【0463】
式(21)〜(24)において、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、及び複素環基の例としては上記で例示したものが挙げられる。
【0464】
炭素数2〜50、好ましくは2〜30、より好ましくは2〜20、特に好ましくは2〜10のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、1−メチルビニル基、スチリル基、2,2−ジフェニルビニル基、1,2−ジフェニルビニル基、1−メチルアリル基、1,1−ジメチルアリル基、2−メチルアリル基、1−フェニルアリル基、2−フェニルアリル基、3−フェニルアリル基、3,3−ジフェニルアリル基、1,2−ジメチルアリル基、1−フェニル−1−ブテニル基、3−フェニル−1−ブテニル基などが挙げられ、スチリル基、2,2−ジフェニルビニル基、1,2−ジフェニルビニル基などが好ましい。
【0465】
炭素数2〜50(好ましくは2〜30、より好ましくは2〜20、特に好ましくは2〜10)のアルキニル基としては、プロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる。
【0466】
アルキルゲルマニウム基としては、メチルヒドロゲルミル基、トリメチルゲルミル基、トリエチルゲルミル基、トリプロピルゲルミル基、ジメチル−t−ブチルゲルミル基などが挙げられる。
【0467】
アリールゲルマニウム基としては、フェニルジヒドロゲルミル基、ジフェニルジヒドロゲルミル基、トリフェニルゲルミル基、トリトリルゲルミル基、トリナフチルゲルミル基などが挙げられる。
【0468】
スチリルアミン化合物及びスチリルジアミン化合物としては、下記式(17)及び(18)で表される化合物が好ましい。
【0469】
【化129】
[この文献は図面を表示できません]
【0470】
式(17)において、Ar
301はフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、スチルベン基、スチリルアリール基、又はジスチリルアリール基のk価の基であり、Ar
302及びAr
303は、それぞれ独立して、環形成炭素数6〜20のアリール基であり、Ar
301、Ar
302及びAr
303は置換されていてもよい。
kは1〜4の整数、好ましくは1又は2である。Ar
301〜Ar
303はいずれもスチリル基を含む基である。さらに好ましくは、Ar
302及びAr
303の少なくとも1つはスチリル基で置換されている。
【0471】
環形成炭素数6〜20のアリール基としては、上記アリール基が特に挙げられ、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナントリル基、ターフェニル基などが好ましい。
【0472】
式(18)において、Ar
304〜Ar
306は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40のアリール基のv価の基であり、vは1〜4の整数、好ましくは1又は2である。
【0473】
式(18)の環形成炭素数6〜40のアリール基としては、上記アリール基が特に挙げられ、ナフチル基、アントラニル基、クリセニル基、ピレニル基、又は式(20)で表されるアリール基が好ましい。
【0474】
アリール基の置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、環形成炭素数6〜40のアリール基、環形成炭素数6〜40のアリール基で置換されたアミノ基、環形成炭素数5〜40のアリール基を含むエステル基、炭素数1〜6のアルキル基を含むエステル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子などが好ましい。
【0475】
発光材料(ドーパント)、好ましくは、燐光発光材料の発光層中の含量は特に限定されず、素子の用途に応じて選択され、好ましくは0.1〜70質量%、より好ましくは1〜30質量%である。0.1質量%以上であると、発光量が十分である。70質量%以下であると、濃度消光が避けられる。発光層の他の成分は通常1種以上のホスト材料であり、該ホスト材料は、発光材料とホスト材料の合計量を100質量%として、好ましくは30〜99.9質量%、より好ましくは70〜99質量%含まれる。
【0476】
本発明のOLEDの発光層に使用できる他の蛍光青色発光材料はUS2012/112169に記載されている。
【0477】
ホスト(マトリクス)材料
発光層は発光材料に加えて他の成分を含んでいてもよい。例えば、発光材料の発光色を変えるために蛍光色素を発光層に使用してもよい。好ましい態様においては、マトリクス材料を用いることもできる。該マトリクス材料は、例えば、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリシランなどのポリマーであってもよいし、例えば、4,4’−N,N’−ジカルバゾールビフェニル(CDP=CBP)、TCTAなどの三級芳香族アミンなどの低分子であってもよい。
【0478】
1種以上の燐光発光材料を発光層に使用する場合、1種以上の燐光ホストがホスト材料として使用される。燐光ホストは燐光ドーパントの三重項エネルギーを発光層中に効率よく閉じ込め、燐光ドーパントを効率よく発光させる化合物である。
【0479】
好ましい態様において、発光層は少なくとも1つの発光材料及び少なくとも1つの本願で述べるマトリクス材料により形成される。好ましい態様において、本発明の電子素子、好ましくは本発明のOLEDは、少なくとも1つの一般式(I)で表される化合物をマトリクス(ホスト)材料として含む。
【0480】
一つの態様において、発光層は少なくとも1つの発光材料と少なくとも2つのマトリクス材料を含み、1つのマトリクス材料は一般式(I)で表される化合物であり、他のマトリクス材料はコホストとして用いられる。一般式(I)で表される化合物以外のホスト材料(コホスト)としては以下に述べるものが好適である。この態様では、赤色発光材料を用いるのが好ましい。
【0481】
他の態様においては、発光層は少なくとも1つの発光材料と一般式(I)で表される化合物を単一のマトリクス材料として含む。単一のマトリクス材料として好ましい一般式(I)で表される化合物の例は上記した。この態様では、赤色発光材料を用いるのが好ましい。
【0482】
一般式(I)で表される化合物は、単一のホスト材料としても、1以上の他のホスト材料(コホスト)と共に用いるホスト材料としても適している。好適な他のホスト材料は以下に記載する。本願において「他のホスト材料」とは、一般式(I)で表される化合物とは異なるホスト材料を意味する。しかし、本願のOLEDの発光層に異なる一般式(I)で表される化合物を2種以上ホスト材料として用いることもできる。
【0483】
より好ましい態様において、発光層は0.1〜70重量%、好ましくは1〜30重量%の少なくとも1つの前記発光材料及び30〜99.9重量%、好ましくは70〜99重量%の少なくとも1つの本明細書に記載のマトリクス材料(一つの態様においては、少なくとも1つの一般式(I)で表される化合物)により形成される。ただし、発光材料とマトリクス材料の合計量は100重量%である。
【0484】
さらに好ましい態様において、発光層は一般式(I)で表される化合物をマトリクス材料として、少なくとも1つの他のマトリクス材料(コホスト)、及び少なくとも1つの発光材料を含む。この態様において、発光層は0.1〜70重量%、好ましくは1〜30重量%の少なくとも1つの発光材料及び30〜99.9重量%、好ましくは70〜99重量%の一般式(I)で表される化合物と他のマトリクス材料から形成される。ただし、少なくとも1つの発光材料、他のマトリクス材料、及び一般式(I)の化合物の合計量は100重量%である。
【0485】
発光層中の一般式(I)で表される化合物(第1ホスト材料)と第2マトリクス材料(コホスト)の含有割合は特に限定されず、必要に応じて選択され、第1ホスト材料:第2ホスト材料は質量比で好ましくは1:99〜99:1、より好ましくは10:90〜90:10である。
【0486】
以下に、本発明の化合物を電荷輸送材料、すなわち、電子輸送材料又は正孔輸送材料として用いる場合に、本発明の電子素子に単一のホスト材料として用いることができるホスト材料について述べる。一般式(I)で表される化合物を第1ホスト材料として用いる場合、以下に述べるホスト材料は第2ホスト材料として用いることができる。その逆の場合も同じである。
【0487】
低分子又はその低分子の(コ)ポリマーである他の好適なホスト材料は以下の刊行物に記載されている:WO2007/108459(H−1〜H−37、好ましくはH−20〜H−22及びH−32〜H−37、最も好ましくはH−20、H−32、H−36、H−37)、WO2008/035571A1(ホスト1〜ホスト6)、JP2010135467(化合物1〜46及びホスト−1〜ホスト−39及びホスト−43)、WO2009/008100(化合物No.1〜No.67、好ましくはNo.3、No.4、No.7〜No.12、No.55、No.59、No.63〜No.67、より好ましくはNo.4、No.8〜No.12、No.55、No.59、No.64、No.65、及びNo.67)、WO2009/008099(化合物No.1〜No.110)、WO2008/140114(化合物1−1〜1−50)、WO2008/090912(化合物OC−7〜OC−36及びMo−42〜Mo−51のポリマー)、JP2008084913(H−1〜H−70)、WO2007/077810(化合物1〜44、好ましくは1、2、4−6、8、19−22、26、28−30、32、36、39−44)、WO2010/01830(モノマー1−1〜1−9のポリマー、好ましくはモノマー1−3、1−7、及び1−9のポリマー)、WO2008/029729(化合物1−1〜1−36とそれらのポリマー)、WO2010/0443342(HS−1〜HS−101及びBH−1〜BH−17、好ましくはBH−1〜BH−17)、JP2009182298(モノマー1〜75の(コ)ポリマー)、JP2009170764、JP2009135183(モノマー1−14の(コ)ポリマー)、WO2009/063757(好ましくは、モノマー1−1〜1−26の(コ)ポリマー)、WO2008/146838(化合物a−1〜a−43及び1−1〜1−46)、JP2008207520(モノマー1−1〜1−26の(コ)ポリマー)、JP2008066569(モノマー1−1〜1−16の(コ)ポリマー)、WO2008/029652(モノマー1−1〜1−52の(コ)ポリマー)、WO2007/114244(モノマー1−1〜1−18の(コ)ポリマー)、JP2010040830(化合物HA−1〜HA−20、HB−1〜HB−16、HC−1〜HC−23及びモノマーHD−1〜HD−12の(コ)ポリマー)、JP2009021336、WO2010/090077(化合物1〜55)、WO2010/079678(化合物H1〜H42)、WO2010/067746、WO2010/044342(化合物HS−1〜HS−101及びポリ−1〜ポリ−4)、JP2010114180(化合物PH−1〜PH−36)、US2009284138(化合物1〜111及びH1〜H71)、WO2008/072596(化合物1〜45)、JP2010021336(化合物H−1〜H−38、好ましくはH−1)、WO2010/004877(化合物H−1〜H−60)、JP2009267255(化合物1−1〜1−105)、WO2009/104488(化合物1−1〜1−38)、WO2009/086028、US2009153034、US2009134784、WO2009/084413(化合物2−1〜2−56)、JP2009114369(化合物2−1〜2−40)、JP2009114370(化合物1〜67)、WO2009/060742(化合物2−1〜2−56)、WO2009/060757(化合物1−1〜1−76)、WO2009/060780(化合物1−1〜1−70)、WO2009/060779(化合物1−1〜1−42)、WO2008/156105(化合物1〜54)、JP2009059767(化合物1〜20)、JP2008074939(化合物1〜256)、JP2008021687(化合物1〜50)、WO2007/119816(化合物1〜37)、WO2010/087222(化合物H−1〜H−31)、WO2010/095564(化合物Host−1〜Host−61)、WO2007/108362、WO2009/003898、WO2009/003919、WO2010/040777、US2007224446、WO06/128800、WO2012/014621、WO2012/105310、WO2012/130709、及び欧州特許出願EP12175635.7、EP12185230.5及びEP12191408.9(特に、EP12191408.9の25〜29ページ)。
【0488】
上記低分子の(コ)ポリマーよりは上記低分子の方がより好ましい。
【0489】
WO2011/137072に記載の下記化合物もホスト材料として好適である。例えば、
【0490】
【化130】
[この文献は図面を表示できません]
;これらの化合物は、下記化合物と併用した場合に最良の結果が得られる。
【0491】
【化131】
[この文献は図面を表示できません]
WO2012/048266に記載の下記化合物もホスト材料として好適である。例えば、
【0492】
【化132】
[この文献は図面を表示できません]
。
【0493】
上記ホスト材料は本発明のOLEDに単独で又は一般式(I)の化合物と共にホスト材料として使用することができる。この場合、一般式(I)の化合物がホストであり、上記ホスト材料がコホストである。
【0494】
単独で又はホスト材料として用いる一般式(I)の化合物と共に用いる燐光ホストとして好適な化合物としては、例えば、カルバゾール誘導体、トリアゾ−ル誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族メチリデン化合物、ポルフィリン化合物、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレンなどの縮合環のテトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体、金属フタロシアニン、ベンゾキサゾール、ベンゾチアゾールなどのリガンドを有する金属錯体、ポリシラン化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)誘導体、アニリンコポリマー、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェンなどの導電性オリゴマー、及びポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などのポリマーが挙げられる。これらの燐光ホストは単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。具体例を以下に示す。
【0495】
【化133】
[この文献は図面を表示できません]
【0496】
他の好適なホスト、特に、少なくとも1つの式(I)、(II)又は(III)の化合物と共に用いるコホストとして特に有用なホストは、US2014048784、US2012223295、US2014367667、US2013234119、US2014001446、US2014231794、US2014008633、WO2012/108388、WO2014/009317、及び、WO2012/108389に記載のホスト、及び、2015年10月1日出願のEP出願EP15187954に記載の式(1)の化合物である。
【0497】
US2013234119に記載の第1及び第2ホスト材料、US2014048784に記載のホスト材料、及び2015年10月1日出願のEP出願EP15187954に記載の式(1)の化合物が特に好ましい。
【0498】
本発明のOLEDの発光層に、少なくとも1つの一般式(I)の化合物と共に、好ましくはコホストととして使用されるUS2013234119に記載の第1ホスト材料は式(A)で表される。発光層に第1ホスト材料として少なくとも1つの一般式(I)の化合物、及び、コホストとして式(A)で表されるホスト材料を用いることによってOLEDの寿命が増大する。
【0499】
【化134】
[この文献は図面を表示できません]
【0500】
(式中、
A
1A及びA
2Aは、それぞれ独立して、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基であり;
A
3Aは置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の2価のアリール基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の2価の複素環基であり;
mAは0〜3の整数であり;
X
1A〜X
8A及びY
1A〜Y
8Aはそれぞれ独立してN又はCR
aであり;
R
aは、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、無置換の若しくは例えばEで置換された炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは無置換のシリル基、ハロゲン原子、又はシアノ基であり;
ただし、2以上のR
aが存在する場合、2以上のR
aは同一でも異なっていてもよく、X
5A〜X
8Aの1つとY
1A〜Y
4Aの1つはA
3Aを介して互いに結合し;
式(A)は下記条件(i)〜(v)の少なくとも1つを満足する。
(i)A
1A及びA
2Aの少なくとも1つはシアノ置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基又はシアノ置換の環形成原子数5〜30の複素環基である。
(ii)X
1A〜X
4A及びY
5A〜Y
8Aの少なくとも1つはCR
aであり、X
1A〜X
4A及びY
5A〜Y
8A中の少なくとも1つのR
aはシアノ置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基又はシアノ置換の環形成原子数5〜30の複素環基である。
(iii)mAは1〜3の整数であり、少なくとも1つのA
3はシアノ置換の環形成炭素数6〜30の2価の芳香族炭化水素基又はシアノ置換の環形成原子数5〜30の2価の複素環基である。
(iv)X
5A〜X
8A及びY
1A〜Y
4Aの少なくとも1つはCR
aであり、X
5A〜X
8A及びY
1A〜Y
4A中の少なくとも1つのR
aはシアノ置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基又はシアノ置換の環形成原子数5〜30の複素環基である。
(v)X
1A〜X
8A及びY
1A〜Y
8Aの少なくとも1つはC−CNである。)
【0501】
前記シアノ置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基及び前記シアノ置換の環形成原子数5〜30の複素環基はシアノ基以外の基でさらに置換されていてもよい。
【0502】
mAは好ましくは0〜2、より好ましくは0又は1である。mAが0のとき、X
5A〜X
8Aの1つとY
1A〜Y
4Aの1つは単結合を介して互いに結合する。
【0504】
A
1A、A
2A及びR
aが表す前記環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基は非縮合芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基である。その具体例は、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ビフェニル基、ターフェニル基、クォーターフェニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、スピロフルオレニル基、9,9−ジフェニルフルオレニル基、9,9’−スピロビ[9H−フルオレン]−2−イル基、9,9−ジメチルフルオレニル基、ベンゾ[c]フェナントレニル基、ベンゾ[a]トリフェニレニル基、ナフト[1,2−c]フェナントレニル基、ナフト[1,2−a]トリフェニレニル基、ジベンゾ[a,c]トリフェニレニル基、及びベンゾ[b]フルオランテニル基である。好ましくは、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、及びフルオランテニル基であり、より好ましくは、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、ビフェニル−2−イル基、ビフェニル−3−イル基、ビフェニル−4−イル基、フェナントレン−9−イル基、フェナントレン−3−イル基、フェナントレン−2−イル基、トリフェニレン−2−イル基、9,9−ジメチルフルオレン−2−イル基、及びフルオランテン−3−イル基である。
【0505】
A
3Aが表す前記環形成炭素数6〜30の2価の芳香族炭化水素基の具体例は前記環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基の2価の残基である。
【0506】
A
1A、A
2A及びR
aが表す前記環形成原子数5〜30の複素環基は非縮合複素環基又は縮合複素環基である。その具体例は、ピロール環、イソインドール環、ベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、イソキノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、フェナントロリン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、インドール環、キノリン環、アクリジン環、ピロリジン環、ジオキサン環、ピペリジン環、モルフォリン環、ピペラジン環、カルバゾール環、フラン環、チオフェン環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、ベンゾキサゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、トリアゾ−ル環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピラン環、ジベンゾフラン環、及びベンゾ[c]ジベンゾフラン環の残基、又は前記環の誘導体の残基である。好ましくは、ジベンゾフラン環、カルバゾール環、ジベンゾチオフェン環、及びこれらの環の残基であり、より好ましくは、ジベンゾフラン−2−イル基、ジベンゾフラン−4−イル基、9−フェニルカルバゾール−3−イル基、9−フェニルカルバゾール−2−イル基、ジベンゾチオフェン−2−イル基、及びジベンゾチオフェン−4−イル基である。
【0507】
A
3Aが表す前記環形成原子数5〜30の2価の複素環基の具体例としては上記した環形成原子数5〜30の複素環基の2価の残基が挙げられる。
【0508】
R
aが表す炭素数1〜30のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、ネオペンチル基、1−メチルペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、及びアダマンチル基が挙げられ、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、及びシクロヘキシル基が好ましい。
【0509】
R
aが表す置換もしくは無置換のシリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリブチルシリル基、ジメチルエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、ビニルジメチルシリル基、プロピルジメチルシリル基、ジメチルイソプロピルシリル基、ジメチルプロピルシリル基、ジメチルブチルシリル基、ジメチル−t−ブチルシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基、フェニルジメチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、ジフェニル−t−ブチルシリル基、及びトリフェニルシリル基が挙げられ、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、ビニルジメチルシリル基、及びプロピルジメチルシリル基が好ましい。
【0510】
R
aが表すハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素が挙げられ、フッ素が好ましい。
【0511】
水素原子又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基もR
aとして好ましい。
【0512】
上記又は以下において、“置換もしくは無置換”及び“置換されていてもよい”で表される任意の置換基としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、シアノ基、炭素数1〜20、好ましくは1〜6のアルキル基、炭素数3〜20、好ましくは5〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜20、好ましくは1〜5のアルコキシル基、炭素数1〜20、好ましくは1〜5のハロアルキル基、炭素数1〜20、好ましくは1〜5のハロアルコキシル基、炭素数1〜10、好ましくは1〜5のアルキルシリル基、環形成炭素数6〜30、好ましくは6〜18の芳香族炭化水素基、環形成炭素数6〜30、好ましくは6〜18のアリールオキシ基、炭素数6〜30、好ましくは6〜18のアリールシリル基、炭素数7〜30、好ましくは7〜20のアラルキル基、及び環形成原子数5〜30、好ましくは5〜18のヘテロアリール基が挙げられる。
【0513】
前記任意の置換基は上記した任意の基で置換されていてもよい。
【0514】
前記任意の炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、ネオペンチル基、及び1−メチルペンチル基が挙げられる。
【0515】
前記任意の炭素数3〜20のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、及びアダマンチル基が挙げられる。
【0516】
前記任意の炭素数1〜20のアルコキシル基としては、例えば、前記アルキル基から選ばれるアルキル部位を有する基が挙げられる。
【0517】
前記任意の炭素数1〜20のハロアルキル基としては、例えば、水素原子の一部又は全てがハロゲン原子で置換された前記アルキル基が挙げられる。
【0518】
前記任意の炭素数1〜20のハロアルコキシル基としては、例えば、水素原子の一部又は全てがハロゲン原子で置換された前記アルコキシル基が挙げられる。
【0519】
前記任意の炭素数1〜10のアルキルシリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリブチルシリル基、ジメチルエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、ビニルジメチルシリル基、プロピルジメチルシリル基、ジメチルイソプロピルシリル基、ジメチルプロピルシリル基、ジメチルブチルシリル基、ジメチル−t−ブチルシリル基、及びジエチルイソプロピルシリル基が挙げられる。
【0520】
前記任意の環形成炭素数6〜30のアリール基としては、例えば、A
1A、A
2A及びR
aに関して前記したアリール基が挙げられる。
【0521】
前記任意の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基としては、例えば、前記芳香族炭化水素基から選ばれるアリール部位を有する基が挙げられる。
【0522】
前記任意の炭素数6〜30のアリールシリル基としては、例えば、フェニルジメチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、ジフェニル−t−ブチルシリル基、及びトリフェニルシリル基が挙げられる。
【0523】
前記任意の炭素数7〜30のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、2−フェニルプロパン−2−イル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルイソプロピル基、2−フェニルイソプロピル基、フェニル−t−ブチル基、α−ナフチルメチル基、1−α−ナフチルエチル基、2−α−ナフチルエチル基、1−α−ナフチルイソプロピル基、2−α−ナフチルイソプロピル基、β−ナフチルメチル基、1−β−ナフチルエチル基、2−β−ナフチルエチル基、1−β−ナフチルイソプロピル基、2−β−ナフチルイソプロピル基、1−ピロリルメチル基、2−(1−ピロリル)エチル基、p−メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、o−メチルベンジル基、p−クロロベンジル基、m−クロロベンジル基、o−クロロベンジル基、p−ブロモベンジル基、m−ブロモベンジル基、o−ブロモベンジル基、p−ヨードベンジル基、m−ヨードベンジル基、o−ヨードベンジル基、p−ヒドロキシベンジル基、m−ヒドロキシベンジル基、o−ヒドロキシベンジル基、p−アミノベンジル基、m−アミノベンジル基、o−アミノベンジル基、p−ニトロベンジル基、m−ニトロベンジル基、o−ニトロベンジル基、p−シアノベンジル基、m−シアノベンジル基、o−シアノベンジル基、1−ヒドロキシ−2−フェニルイソプロピル基、及び1−クロロ−2−フェニルイソプロピル基が挙げられる。
【0524】
前記任意の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基としては、例えば、A
1A、A
2A及びR
aに関して前記した前記複素環基が挙げられる。
【0525】
“置換もしくは無置換の炭素数a〜bのX基”という表現における“炭素数a〜b”は、無置換X基の炭素数を表し、任意の置換基の炭素数は含まない。
【0526】
本明細書で言及する水素原子は、中性子数が異なる同位体、すなわち、軽水素(protium)、重水素(deuterium)、及び三重水素(tritium)を包含する。
【0527】
式(A)で表されるホスト材料において、式(a)で表される基のX
5A〜X
8Aの1つ及び式(b)で表される基のY
1A〜Y
4Aの1つは−(A
3)
mA−を介して互いに結合する。式(a)と式(b)の結合様式としては、例えば、X
6A−(A
3A)
mA−Y
3A、X
6A−(A
3A)
mA−Y
2A、X
6A−(A
3A)
mA−Y
4A、X
6A−(A
3A)
mA−Y
1A、X
7A−(A
3A)
mA−Y
3A、X
5A−(A
3A)
mA−Y
3A、X
8A−(A
3A)
mA−Y
3A、X
7A−(A
3A)
mA−Y
2A、X
7A−(A
3A)
mA−Y
4A、X
7A−(A
3A)
mA−Y
1A、X
5A−(A
3A)
mA−Y
2A、X
8A−(A
3A)
mA−Y
2A、X
8A−(A
3A)
mA−Y
4A、X
8A−(A
3A)
mA−Y
1A、X
5A−(A
3A)
mA−Y
1A、及びX
5A−(A
3A)
mA−Y
4Aが挙げられる。
【0528】
【化135】
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【0529】
式(A)で表されるホスト材料の好ましい態様において、式(a)と式(b)の結合様式はX
6A−(A
3A)
mA−Y
3A、X
6A−(A
3A)
mA−Y
2A、又はX
7A−(A
3A)
mA−Y
3Aで表される。すなわち、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料は、好ましくは式(XXII)、(XXIII)、又は(XXIV)で表される。
【0530】
【化136】
[この文献は図面を表示できません]
【0531】
(式中、X
1A〜X
8A、Y
1A〜Y
8A、A
1A〜A
3A、及びmAは、式(A)のX
1A〜X
8A、Y
1A〜Y
8A、A
1A〜A
3A、mAと同じであり、式(XXII)、(XXIII)、及び(XXIV)のそれぞれは、式(A)の定義において規定した条件(i)〜(v)の少なくとも1つを満足する。)
【0532】
式(A)で表されるホスト材料は条件(i)〜(v)の少なくとも1つを満足する。すなわち、ホスト材料は、互いに結合した式(a)で表される基と式(b)で表される基を有するシアノ基置換ビスカルバゾール誘導体である。
【0533】
式(A)のA
3Aは、好ましくは、単結合、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以下の2価の単環炭化水素基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数6以下の2価の単環複素環基である。
【0534】
A
3Aが表す環形成炭素数6以下の単環炭化水素基としては、例えば、フェニレン基、シクロペンテニレン基、シクロペンタジエニレン基、シクロヘキシレン基、及びシクロペンチレン基が挙げられ、フェニレン基が好ましい。
【0535】
A
3Aが表す環形成原子数6以下の単環複素環基としては、例えば、ピローリレン基、ピラジニレン基、ピリジニレン基、フリレン基、及びチオフェニレン基が挙げられる。
【0536】
式(A)、(XXII)、(XXIII)、及び(XXIV)の好ましい態様において、mAは0であり、X
5A〜X
8Aの1つとY
1A〜Y
4Aの1つは単結合を介して結合するか、又は、A
3Aは置換もしくは無置換の環形成炭素数6以下の単環炭化水素基又は置換もしくは無置換の単環環形成原子数6以下の複素環基である。
【0537】
より好ましい態様において、mAは0であり、X
5A〜X
8Aの1つとY
1A〜Y
4Aの1つは単結合を介して結合するか、又は、A
3Aは置換もしくは無置換のフェニレン基である。
【0538】
式(A)で表されるホスト材料は、好ましくは条件(i)と(ii)の少なくとも1つを満足する。
(i)A
1AとA
2Aの少なくとも1つがシアノ置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基又はシアノ置換の環形成原子数5〜30の複素環基である。
(ii)X
1A〜X
4AとY
5A〜Y
8Aの少なくとも1つのがCR
aであり、X
1A〜X
4AとY
5A〜Y
8A中の少なくとも1つのR
aがシアノ置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基又はシアノ置換の環形成原子数5〜30の複素環基である。
【0539】
すなわち、式(A)で表されるホスト材料は、好ましくは以下のいずれかの化合物である。
(1)条件(i)を満足するが、条件(ii)〜(v)を満足しない化合物;
(2)条件(ii)を満足するが、条件(i)と(iii)〜(v)を満足しない化合物;及び
(3)条件(i)と(ii)を満足するが、条件(iii)〜(v)を満足しない化合物。
【0540】
条件(i)及び/又は(ii)を満足する式(A)で表されるホスト材料は、式(a)及び(b)で表される基を有する中心骨格の末端にシアノ基含有芳香族炭化水素基又はシアノ基含有複素環基が導入された構造を有する。
【0541】
式(A)で表されるホスト材料が条件(i)を満足する場合、A
1A及びA
2Aの少なくとも1つは、好ましくは、シアノ置換フェニル基、シアノ置換ナフチル基、シアノ置換フェナントリル基、シアノ置換ジベンゾフラニル基、シアノ置換ジベンゾチオフェニル基、シアノ置換ビフェニル基、シアノ置換ターフェニル基、シアノ置換9,9−ジフェニルフルオレニル基、シアノ置換9,9’−スピロビ[9H−フルオレン]−2−イル基、シアノ置換9,9’−ジメチルフルオレニル基、又はシアノ置換トリフェニレニル基であり、より好ましくは、3’−シアノビフェニル−2−イル基、3’−シアノビフェニル−3−イル基、3’−シアノビフェニル−4−イル基、4’−シアノビフェニル−3−イル基、4’−シアノビフェニル−4−イル基、4’−シアノビフェニル−2−イル基、6−シアノナフタレンe−2−イル基、4−シアノナフタレンe−1−イル基、7−シアノナフタレンe−2−イル基、8−シアノジベンゾフラン−2−イル基、6−シアノジベンゾフラン−4−イル基、8−シアノジベンゾチオフェン−2−イル基、6−シアノジベンゾチオフェン−4−イル基、7−シアノ−9−フェニルカルバゾール−2−イル基、6−シアノ−9−フェニルカルバゾール−3−イル基、7−シアノ−9,9−ジメチルフルオレン−2−イル基、又は7−シアノトリフェニレン−2−イル基である。
【0542】
A
1Aがシアノ基で置換され、A
2Aはシアノ基で置換されていない式(A)で表されるホスト材料が好ましい。この場合、条件(ii)を満足しない第1ホスト材料がより好ましい。
【0543】
式(A)で表されるホスト材料が条件(ii)を満足する場合、X
1A〜X
4A及びY
5A〜Y
8Aの少なくとも1つは好ましくはCR
aであり、X
1A〜X
4A及びY
5A〜Y
8A中の1つのR
aは好ましくは、シアノ置換フェニル基、シアノ置換ナフチル基、シアノ置換フェナントリル基、シアノ置換ジベンゾフラニル基、シアノ置換ジベンゾチオフェニル基、シアノ置換ビフェニル基、シアノ置換ターフェニル基、シアノ置換9,9−ジフェニルフルオレニル基、シアノ置換9,9’−スピロビ[9H−フルオレン]−2−イル基、シアノ置換9,9’−ジメチルフルオレニル基、又はシアノ置換トリフェニレニル基であり、より好ましくは、3’−シアノビフェニル−2−イル基、3’−シアノビフェニル−3−イル基、3’−シアノビフェニル−4−イル基、4’−シアノビフェニル−3−イル基、4’−シアノビフェニル−4−イル基、4’−シアノビフェニル−2−イル基、6−シアノナフタレンe−2−イル基、4−シアノナフタレンe−1−イル基、7−シアノナフタレンe−2−イル基、8−シアノジベンゾフラン−2−イル基、6−シアノジベンゾフラン−4−イル基、8−シアノジベンゾチオフェン−2−イル基、6−シアノジベンゾチオフェン−4−イル基、7−シアノ−9−フェニルカルバゾール−2−イル基、6−シアノ−9−フェニルカルバゾール−3−イル基、7−シアノ−9,9−ジメチルフルオレン−2−イル基、又は7−シアノトリフェニレン−2−イル基である。
【0544】
式(A)で表されるホスト材料は条件(ii)を満たすが、条件(i)は満たさないことが好ましい。
【0545】
式(A)及び(XXII)〜(XXIV)において、A
1A及びA
2Aは互いに異なっていることが好ましく、A
1Aがシアノ基で置換されているが、A
2Aはシアノ基で置換されていないことがより好ましい。すなわち、式(A)で表されるホスト材料は構造的に非対称であることが好ましい。
【0546】
第1ホスト材料の製造方法は特に限定されず、公知の方法により、例えば、Tetrahedron, 40 (1984) 1435〜1456に記載の銅触媒又はJournal of American Chemical Society 123 (2001) 7727〜7729に記載のパラジウム触媒の存在下でカルバゾール誘導体と芳香族ハロゲン化化合物をカップリングさせることにより製造することができる。
【0547】
式(A)で表されるホスト材料の例はUS2013234119の[0145]に記載されている。
【0548】
本発明の電子素子において、コホストとして好ましく用いられるホスト材料としては、例えば、US2013234119、WO2012/108388及びWO2014/009317に記載の化合物が挙げられる。
【0549】
【化137】
[この文献は図面を表示できません]
【0550】
【化138】
[この文献は図面を表示できません]
【0551】
本発明の一般式(I)で表される化合物は、US20130234119のパラグラフ0146〜0195に記載の“第2ホスト材料”と呼ばれるホスト材料と組み合わせて用いてもよい。さらに、US20130234119のパラグラフ0146〜0195に記載の化合物は、本発明の電子素子において、赤色発光材料又は緑色発光材料、好ましくは赤色発光材料の単一ホスト材料として用いることもできる。一般式(I)で表される本発明の化合物と共に、US20130234119のパラグラフ0146〜0195に記載の化合物を緑色発光材料のホスト材料として用いることが好ましい。
【0552】
特に、式(1a)で表される化合物は、本発明の電子素子においてホスト材料として用いることができる。
【0553】
【化139】
[この文献は図面を表示できません]
【0554】
(式中、
Z
1は辺aに縮合する環構造であり、式(1−1)又は(1−2)で表され、
Z
2は辺bに縮合する環構造であり、式(1−1)又は(1−2)で表され、
Z
1及びZ
2の少なくとも1つのは式(1−1)で表され;
M
1は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の窒素含有芳香族複素環であり;
L
1は単結合、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の2価の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の2価の複素環基、環形成原子数5〜30のシクロアルキレン基、又は、前記の基が互いに直接結合した基であり;
kは1又は2である。)
【0555】
【化140】
[この文献は図面を表示できません]
【0556】
式(1−1)において、辺cは式(1)の辺a又はbに縮合する。式(1−2)において、辺d、e及びfのいずれか1つは式(1)の辺a又はbに縮合する。式(1−1)及び(1−2)において、X
11は硫黄原子、酸素原子、N-R
19、又はC(R
20)(R
21)を表し、R
11〜R
21のそれぞれは独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルキニル基、置換もしくは無置換の炭素数3〜30のアルキルシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールシリル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアラルキル基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基であり、R
11〜R
21の隣接する基は互いに結合して環を形成してもよい。
【0557】
式(1)のM
1が表す窒素含有芳香族複素環としてはアジン環が挙げられる。
【0558】
前記窒素含有芳香族複素環としては、例えば、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、アジリジン、アザインドリジン、インドリジン、イミダゾール、インドール、イソインドール、インダゾール、プリン、プテリジン、β−カルボリン、ナフチリジン、キノキサリン、ターピリジン、ビピリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、及びイミダゾピリジンが挙げられ、ピリジン、ピリミジン、及びトリアジンが特に好ましい。式(1)は好ましくは式(2)で表される。
【0559】
【化141】
[この文献は図面を表示できません]
【0560】
(式中、
Z
1は辺aに縮合する環構造であり、式(1−1)又は(1−2)で表され、
Z
2は辺bに縮合する環構造であり、式(1−1)又は(1−2)、
Z
1及びZ
2の少なくとも1つは式(1−1)で表され;
L
1は式(1)で定義したとおりであり;
X
12〜X
14はそれぞれ独立して、窒素原子、CH、又はR
31又はL
1に結合する炭素原子であり、X
12〜X
14の少なくとも1つは窒素原子であり;
Y
11〜Y
13はそれぞれ独立して、CH又はR
31又はL
1に結合する炭素原子であり;
R
31はそれぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルキニル基、置換もしくは無置換の炭素数3〜30のアルキルシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールシリル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアラルキル基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基であり;
2以上のR
31が存在する場合、R
31は同一でも異なっていてもよく、隣接するR
31は互いに結合して環を形成してもよく;
kは1又は2、nは0〜4の整数であり;
式(1−1)の辺cは式(2)の辺a又はbに縮合し、式(1−2)の辺d、e及びfのいずれか1つが式(2)の辺a又はbに縮合する。)
【0561】
式(1−1)又は(1−2)で表される環が式(2)の辺a又はbに縮合した化合物の例を以下に示す。
【0562】
【化142】
[この文献は図面を表示できません]
【0563】
【化143】
[この文献は図面を表示できません]
【0564】
【化144】
[この文献は図面を表示できません]
【0565】
式(1)又は(2)で表される化合物は、より好ましくは式(3)、特に好ましくは式(4)で表される。
【0566】
【化145】
[この文献は図面を表示できません]
【0567】
(式(3)において、
L
1は式(1)で定義したとおりであり;
X
12〜X
14はそれぞれ独立して、窒素原子、CH、又は、R
31又はL
1に結合する炭素原子であり、X
12〜X
14の少なくとも1つは窒素原子であり;
Y
11〜Y
13それぞれ独立して、CH、又は、R
31又はL
1に結合する炭素原子であり;
R
31はそれぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルキニル基、置換もしくは無置換の炭素数3〜30のアルキルシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールシリル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアラルキル基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基であり;
2以上のR
31が存在する場合、R
31は同一でも異なっていてもよく、隣接するR
31は互いに結合して環を形成してもよく;
nは0〜4の整数であり;
R
41〜R
48はそれぞれ独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルキニル基、置換もしくは無置換の炭素数3〜30のアルキルシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールシリル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアラルキル基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基であり;
R
41〜R
48の隣接する基は互いに結合して環を形成してもよい。)
【0568】
【化146】
[この文献は図面を表示できません]
【0569】
(式(4)において、
L
1は式(1)で定義したとおりであり;
X
12〜X
14はそれぞれ独立して、窒素原子、CH、又は、R
31又はL
1に結合する炭素原子であり、X
12〜X
14の少なくとも1つは窒素原子であり;
Y
11〜Y
13はそれぞれ独立して、CH、又は、R
31又はL
1に結合する炭素原子であり;
R
31はそれぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルキニル基、置換もしくは無置換の炭素数3〜30のアルキルシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールシリル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアラルキル基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基であり;
隣接するR
31は互いに結合して環を形成してもよく;
nは0〜4の整数であり;
L
2及びL
3はそれぞれ独立して、単結合、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の2価の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の2価の複素環基、環形成原子数5〜30のシクロアルキレン基、又は前記基が互いに直接結合した基であり;
R
51〜R
54はそれぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルキニル基、置換もしくは無置換の炭素数3〜30のアルキルシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールシリル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアラルキル基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基であり;
2以上のR
51が存在する場合、R
51は同一でも異なっていてもよく、隣接するR
51は互いに結合して環を形成してもよく;
2以上のR
52が存在する場合、R
52は同一でも異なっていてもよく、隣接するR
52は互いに結合して環を形成してもよく;
2以上のR
53が存在する場合、R
53は同一でも異なっていてもよく、隣接するR
53は互いに結合して環を形成してもよく;
2以上のR
54が存在する場合、R
54は同一でも異なっていてもよく、隣接するR
54は互いに結合して環を形成してもよく;
M
2は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基であり;
pとsはそれぞれ独立して0〜4の整数、qとrはそれぞれ独立して0〜3の整数である。)
【0570】
式(1)〜(4)、(1−1)、及び(1−2)において、R
11〜R
21、R
31、R
41〜R
48、及びR
51〜R
54が表す基は式(A)に関して定義したとおりである。
【0571】
式(1)〜(4)のL
1〜L
3が表す環形成炭素数6〜30の2価の芳香族炭化水素基及び環形成原子数5〜30の2価の複素環基としては、例えば、式(A)に関して上記した対応する基の2価の残基が挙げられる。
【0572】
本発明のさらに好ましい態様において、US20140048784のホスト材料、特にパラグラフ0098〜0154に記載のホスト材料は、本発明の電子素子、特に、赤色発光材料を使用している場合に使用することができる。US20140048784に記載のホスト材料は単一のホスト材料として好ましく用いることができ、又、本発明の式(I)、(II)又は(III)の化合物と組み合わせてホスト材料及びコホストとして用いることもできる。
【0573】
US2014048784に記載のホスト材料は、分子内に2つのカルバゾール構造を有するビスカルバゾール誘導体である。
【0574】
前記ビスカルバゾール誘導体は特定の位置に置換もしくは無置換のフルオランテニル基、置換もしくは無置換のトリフェニレニル基、置換もしくは無置換のベンゾフェナントレニル基、置換もしくは無置換のベンゾトリフェニレニル基、置換もしくは無置換のジベンゾトリフェニレニル基、置換もしくは無置換のクリセニル基、置換もしくは無置換のベンゾクリセニル基、置換もしくは無置換のピセニル基、置換もしくは無置換のベンゾ[b]フルオランテニル基、置換もしくは無置換のベンゾフラニル基、置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基、置換もしくは無置換のベンゾチオフェニル基、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基、置換もしくは無置換のフェナントレニル基、置換もしくは無置換のフルオレニル基、置換もしくは無置換のビナフチル基、置換もしくは無置換のベンゾナフトフラニル基、置換もしくは無置換のベンゾナフトチオフェニル基、置換もしくは無置換のジベンゾフェナントレニル基、置換もしくは無置換のナフトトリフェニレニル基、置換もしくは無置換のベンゾフルオランテニル基、置換もしくは無置換のベンゾフルオレニル基、又は置換もしくは無置換のフェニル基を有する。その具体例としては、式(1)〜(4)、(1’)、(1a)、及び(10)のいずれかで表される化合物が挙げられる。
【0575】
【化147】
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【0576】
(式中、
A1及びA2は、それぞれ独立して、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基であり;
Y1〜Y16はそれぞれ独立して、C(R)又は窒素原子であり、Rはそれぞれ独立して、水素原子、置換基、又はカルバゾール骨格に結合する結合であり;
L1及びL2はそれぞれ独立して、単結合、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の2価の芳香族炭化水素基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜30の2価の芳香族複素環基であり、
A1、A2及びRの少なくとも1つは、置換もしくは無置換のフルオランテニル基、置換もしくは無置換のトリフェニレニル基、置換もしくは無置換のベンゾフェナントレニル基、置換もしくは無置換のベンゾトリフェニレニル基、置換もしくは無置換のジベンゾトリフェニレニル基、置換もしくは無置換のクリセニル基、置換もしくは無置換のベンゾクリセニル基、置換もしくは無置換のピセニル基、置換もしくは無置換のベンゾ[b]フルオランテニル基、置換もしくは無置換のフェナントレニル基、置換もしくは無置換のビナフチル基、置換もしくは無置換のジベンゾフェナントレニル基、置換もしくは無置換のナフトトリフェニレニル基、置換もしくは無置換のベンゾフルオレニル基、又はナフチル基であり;
Y1〜Y16のすべてがRが水素原子であるC(R)の場合、Y6とY11は単結合を介して互いに結合し、L1とL2のそれぞれは単結合であり、A1はフェナントレニル基であり、A2はフェニル基、ビフェニリル基、又はナフチル基であり;
Y1〜Y16のすべてが、Rが水素原子であるC(R)の場合、Y6とY11は単結合を介して互いに結合し、L1とL2のそれぞれは単結合であり、A1はナフチル基であり、A1とA2は互いに異なる。)
【0577】
式(1)及び(1’)において、Y1〜Y4の少なくとも1つはC(R)であり、Y5〜Y8の少なくとも1つはC(R)であり、Y9〜Y12の少なくとも1つはC(R)であり、Y13〜Y16の少なくとも1つはC(R)である。
【0578】
また、Y5〜Y8の少なくとも1つはC(R)であり、Y9〜Y12の少なくとも1つはC(R)であり、2つのRは互いに結合する結合手である。
【0579】
式(1)及び(1’)のRは同一でも異なっていてもよい。
【0580】
式(1a)において、Y1a〜Y4aの少なくとも1つはC(R)であり、Y5a〜Y8aの少なくとも1つはC(R)であり、Y9a〜Y12aの少なくとも1つはC(R)であり、Y13a〜Y16aの少なくとも1つはC(R)である。
【0581】
また、Y5a〜Y8aの少なくとも1つはC(R)であり、Y9a〜Y12aの少なくとも1つはC(R)であり、2つのRは互いに結合する結合手である。
【0582】
式(1a)のRは同一でも異なっていてもよい。
【0583】
式(10)において、Y1’〜Y4’の少なくとも1つはC(R’)であり、Y5’〜Y8’の少なくとも1つはC(R’)であり、Y9’〜Y12’の少なくとも1つはC(R’)であり、Y13’〜Y16’の少なくとも1つはC(R’)である。
【0584】
また、Y5’〜Y8’の少なくとも1つはC(R’)であり、Y9’〜Y12’の少なくとも1つはC(R’)であり、2つのR’は互いに結合する結合手である。
【0585】
式(10)のR’は同一でも異なっていてもよい。
【0586】
【化148】
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【0587】
(式(2)〜(4)のA1、A2、Y1〜Y16、L1、及びL2は式(1)で定義したとおりである。)
【0588】
【化149】
[この文献は図面を表示できません]
【0589】
(式中、
A1及びA2は、それぞれ独立して、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基又は置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜30の芳香族複素環基であり;
Y1〜Y16は、それぞれ独立して、C(R)又は窒素原子であり、Rはそれぞれ独立して、水素原子、置換基、又はカルバゾール骨格に結合する結合手であり;
L1及びL2は、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の2価の芳香族炭化水素基又は置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜30の2価の芳香族複素環基であり;
A1、A2及びRの少なくとも1つは、置換もしくは無置換のフルオランテニル基、置換もしくは無置換のトリフェニレニル基、置換もしくは無置換のベンゾフェナントレニル基、置換もしくは無置換のベンゾトリフェニレニル基、置換もしくは無置換のジベンゾトリフェニレニル基、置換もしくは無置換のクリセニル基、置換もしくは無置換のベンゾクリセニル基、置換もしくは無置換のピセニル基、置換もしくは無置換のベンゾ[b]フルオランテニル基、置換もしくは無置換のベンゾフラニル基、置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基、置換もしくは無置換のベンゾチオフェニル基、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基、置換もしくは無置換のフェナントレニル基、置換もしくは無置換のフルオレニル基、置換もしくは無置換のビナフチル基、置換もしくは無置換のベンゾナフトフラニル基、置換もしくは無置換のベンゾナフトチオフェニル基、置換もしくは無置換のジベンゾフェナントレニル基、置換もしくは無置換のナフトトリフェニレニル基、置換もしくは無置換のベンゾフルオレニル基、又は置換もしくは無置換のフェニル基であり;
Y1〜Y16のすべてが、Rが水素原子であるC(R)の場合、Y6とY11は単結合を介して互いに結合し、L1とL2のそれぞれは単結合であり、A1はフェナントレニル基であり、A2はフェナントレニル基ではなく;
Y1〜Y16のすべてがC(R)の場合、Y6とY11は単結合を介して互いに結合し、L1とL2のそれぞれは単結合であり、各Rはフルオレニル基ではなく;
A1がフルオレニル基である場合、A2はフェニル基、ナフチル基、又はフルオレニル基ではない。)
【0590】
【化150】
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【0591】
(式中、
A1a及びA2aの1つは式(a)で表される基であり、他は置換もしくは無置換のフルオランテニル基、置換もしくは無置換のベンゾフェナントレニル基、置換もしくは無置換のピセニル基、置換もしくは無置換のベンゾ[b]フルオランテニル基、置換もしくは無置換のフェナントレニル基、置換もしくは無置換のビナフチル基、置換もしくは無置換のジベンゾフェナントレニル基、置換もしくは無置換のナフトトリフェニレニル基、又は置換もしくは無置換のベンゾフルオレニル基であり;
Y1a〜Y16aはそれぞれ独立して、C(R)又は窒素原子であり、Rはそれぞれ独立して、水素原子、置換基、又はカルバゾール骨格に結合する結合手であり;
L1a及びL2aはそれぞれ独立して、単結合、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の2価の芳香族炭化水素基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜30の2価の芳香族複素環基であり;
【0592】
【化151】
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【0593】
(式中、Y21〜Y25はそれぞれ独立して、C(Ra)又は窒素原子であり、Raはそれぞれ独立して、水素原子又は置換基である。))
【0594】
式(1a)及び(a)のA1a、A2a、Y1a〜Y16a、L1a、L2a、及びRaの詳細は式(1)のA1、A2、Y1〜Y16、L1、L2、及びRのそれらと同じである。
【0595】
A1a及びA2aの1つが式(a)で表される基であり、他がトリフェニレニル基、クリセニル基などの高分子量縮合環を含む基である場合、式(1a)で表される化合物は過度に大きな分子量を有し、蒸着温度が高くなり、熱分解成分の量が増加する。したがって、A1a及びA2aの1つが式(a)で表される基である場合、他は置換もしくは無置換のフルオランテニル基又は置換もしくは無置換のフェナントレニル基であることが好ましい。
【0596】
【化152】
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【0597】
(式中、
A1’及びA2’の1つは置換もしくは無置換のナフチル基又は置換もしくは無置換のフルオレニル基であり、他は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基であり;
Y1’〜Y16’はそれぞれ独立して、C(R’)または窒素原子であり、R’はそれぞれ独立して、水素原子、置換基、又はカルバゾール骨格に結合する結合手であり;
L1’及びL2’はそれぞれ独立して、単結合、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の2価の芳香族炭化水素基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜30の2価の芳香族複素環基である。)
【0598】
式(10)のA1’、A2’、L1’、L2’、Y1’〜Y16’、及びR’の詳細は式(1)のA1、A2、L1、L2、Y1〜Y16、及びRのそれらと同じである。
【0599】
式(1)〜(4)及び(1’)において、A1、A2及びRの少なくとも1つは、置換もしくは無置換のフルオランテニル基、置換もしくは無置換のトリフェニレニル基、置換もしくは無置換のベンゾフェナントレニル基、置換もしくは無置換のベンゾトリフェニレニル基、置換もしくは無置換のジベンゾトリフェニレニル基、置換もしくは無置換のクリセニル基、置換もしくは無置換のベンゾクリセニル基、置換もしくは無置換のピセニル基、置換もしくは無置換のベンゾ[b]フルオランテニル基、置換もしくは無置換のベンゾフラニル基、置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基、置換もしくは無置換のベンゾチオフェニル基、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基、置換もしくは無置換のフェナントレニル基、置換もしくは無置換のフルオレニル基、又は置換もしくは無置換のビナフチル基であることが、これらの基が適度に嵩高いので好ましい。より好ましくは、A1及びA2の少なくとも1つは、置換もしくは無置換のフルオランテニル基、置換もしくは無置換のトリフェニレニル基、置換もしくは無置換のベンゾフェナントレニル基、置換もしくは無置換のベンゾトリフェニレニル基、置換もしくは無置換のジベンゾトリフェニレニル基、置換もしくは無置換のクリセニル基、置換もしくは無置換のベンゾクリセニル基、置換もしくは無置換のピセニル基、置換もしくは無置換のベンゾ[b]フルオランテニル基、置換もしくは無置換のベンゾフラニル基、置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基、置換もしくは無置換のベンゾチオフェニル基、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基、又は置換もしくは無置換のビナフチル基である。
【0600】
また、式(1)〜(4)及び(1’)のA1及びA2は好ましくはそれぞれ独立して、置換もしくは無置換のフルオランテニル基、置換もしくは無置換のトリフェニレニル基、置換もしくは無置換のベンゾトリフェニレニル基、置換もしくは無置換のベンゾフェナントレニル基、置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基、又は置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基である。
【0601】
また、式(1)〜(4)及び(1’)の−L1−A1と−L2−A2は互いに異なっていることが好ましい。
【0602】
A1、A2及びRの置換もしくは無置換のフェニル基としては、環形成炭素数10〜30の芳香族炭化水素基で置換されたフェニル基が好ましく、ナフチルフェニル基が特に好ましい。
【0603】
式(1)〜(4)及び(1’)のA1及びA2の少なくとも1つが式(a)で表される基である場合、前記ビスカルバゾール誘導体は緑色発光ドーパントと共に使用するホスト材料として特に好ましい。
【0604】
式(a)において、Y21及び/又はY25は好ましくは窒素原子であり、Y22及びY24はそれぞれ好ましくはC(Ra)である。
【0605】
式(1)〜(4)及び(1’)のA1及びA2の置換基、及び、R及びRaが表す置換基としては、例えば、フッ素原子;シアノ基;置換もしくは無置換の、線状、分岐状、又は環状の炭素数1〜20のアルキル基;線状、分岐状、又は環状の炭素数1〜20のアルキレン基;線状、分岐状、又は環状の炭素数1〜20の2価の不飽和炭化水素基;置換もしくは無置換の、線状、分岐状、又は環状の炭素数1〜20のアルコキシ基;置換もしくは無置換の、線状、分岐状、又は環状の炭素数1〜20のハロアルキル基;置換もしくは無置換の、線状、分岐状、又は環状の炭素数1〜20のハロアルコキシ基;置換もしくは無置換の、線状、分岐状、又は環状の炭素数1〜10のアルキルシリル基;置換もしくは無置換の炭素数6〜30のアリールシリル基;置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基;及び置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜30の芳香族複素環基が挙げられる。前記置換基が複数存在する場合、該置換基は同一でも異なっていてもよい。
【0606】
隣接する環形成炭素原子上のRは互いに結合して環形成炭素原子と共に環構造を形成してもよい。
【0607】
線状、分岐状、又は環状の炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、ネオペンチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−ペンチルヘキシル基、1−ブチルペンチル基、1−ヘプチルオクチル基、3−メチルペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、3,5−テトラメチルシクロヘキシル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル基が挙げられる。
【0608】
線状、分岐状、又は環状の炭素数1〜20のアルキレン基として、例えば、エチレン基、プロピレン基、及びブチレン基が挙げられる。
【0609】
線状、分岐状、又は環状の炭素数1〜20の2価の不飽和炭化水素基として、例えば、1,3−ブタジエン−1,4−ジイル基が挙げられる。
【0610】
線状、分岐状、又は環状の炭素数1〜10のアルキルシリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリブチルシリル基、ジメチルエチルシリル基、ジメチルイソプロピルシリル基、ジメチルプロピルシリル基、ジメチルブチルシリル基、ジメチル−t−ブチルシリル基、及びジエチルイソプロピルシリル基が挙げられる。
【0611】
炭素数6〜30のアリールシリル基としては、例えば、フェニルジメチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、ジフェニル−t−ブチルシリル基、及びトリフェニルシリル基が挙げられる。
【0612】
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子が挙げられる。
【0613】
環形成炭素数2〜30の芳香族複素環基は、非縮合芳香族複素環基と縮合芳香族複素環基を含み、例えば、ピロリル基、ピラジニル基、ピリジニル基、インドリル基、イソインドリル基、フリル基、ベンゾフラニル基、イソベンゾフラニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリニル基、カルバゾリル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、チエニル基、及び、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、インドール環、キノリン環、アクリジン環、ピロリジン環、ジオキサン環、ピペリジン環、モルフォリン環、ピペラジン環、カルバゾール環、フラン環、チオフェン環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、ベンゾキサゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、トリアゾ−ル環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピラン環、ジベンゾフラン環、及びベンゾ[c]ジベンゾフラン環の残基が挙げられる。
【0614】
環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基は非縮合芳香族炭化水素基と縮合芳香族炭化水素基を含み、例えば、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ビフェニル基、ターフェニル基、クォーターフェニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、フェナントレニル基、9,9−ジメチルフルオレニル基、ベンゾ[c]フェナントレニル基、ベンゾ[α]トリフェニレニル基、ナフト[1,2−c]フェナントレニル基、ナフト[1,2−a]トリフェニレニル基、ジベンゾ[a,c]トリフェニレニル基、及びベンゾ[b]フルオランテニル基が挙げられる。
【0615】
式(1)〜(4)及び(1’)のL1及びL2が表す2価の連結基としては、例えば、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の2価の芳香族炭化水素基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜30の2価の芳香族複素環基が挙げられる。
【0616】
環形成炭素数6〜30の2価の芳香族炭化水素基としては、例えば、前記環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基を2価にした基が挙げられる。
【0617】
環形成炭素数2〜30の2価の芳香族複素環基としては、例えば、前記環形成炭素数2〜30の芳香族複素環基を2価にした基が挙げられる。
【0618】
式(1)〜(4)及び(1’)のそれぞれにおいて、Y1〜Y16はすべてC(R)であることが好ましい。
【0619】
式(1)〜(4)及び(1’)のそれぞれにおいて、Y1〜Y8又はY9〜Y16のRが表す置換基の数は好ましくは0〜2、より好ましくは0又は1である。
【0620】
式(1)〜(4)、(1’)及び(10)で表されるビスカルバゾール誘導体としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。以下の構造式において、Dは重水素(deuterium)である。
【0621】
本発明の一般式(I)で表される化合物は、好ましくは、本発明の電子素子、好ましくはOLEDの発光層のホスト材料として用いられる。一般式(I)で表される化合物は(a)単一のホスト材料として、又は(b)前記したホスト材料として適しているいかなる化合物とも組み合わせて使用することができる。発光層に赤色発光材料が含まれる場合は、態様(a)が好ましい。発光層に緑色発光材料が含まれる場合は、態様(b)が好ましい。
【0622】
発光層に青色ドーパントが含まれる場合に使用できる好ましいホスト材料はUS2012/112169に記載されている。式(5)で表されるアントラセン誘導体を青色ドーパントのホスト材料として用いることが好ましい。
【0623】
【化153】
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【0624】
式(5)において、Ar
11及びAr
12は、それぞれ独立して、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の単環基、置換もしくは無置換の環形成原子数8〜50の縮合環基、または該単環基と該縮合環基の組み合わせから形成される基であり、R
101〜R
108はそれぞれ独立して、水素原子、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の単環基、置換もしくは無置換の環形成原子数8〜50の縮合環基、該単環基と該縮合環基の組み合わせから形成される基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数7〜50のアラルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のシリル基、ハロゲン原子、及びシアノ基から選ばれる基である。
【0625】
式(5)の単環基とは、縮合構造を持たない環のみからなる基のことである。
【0626】
環形成原子数5〜50(好ましくは、5〜30、より好ましくは、5〜20)の単環基としては、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、クォーターフェニル基などの芳香族基及びピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、トリアジニル基、フリル基、チエニル基などの複素環基が好ましい。
【0627】
これらのうち、フェニル基、ビフェニル基、又はターフェニル基が好ましい。
【0628】
式(5)の縮合環基とは、2以上の環構造が縮合して形成される基のことである。
【0629】
環形成原子数8〜50(好ましくは、8〜30、より好ましくは、8〜20)の縮合環基としては、例えば、ナフチル基、フェナントリル基、アントリル基、クリセニル基、ベンゾアントリル基、ベンゾフェナントリル基、トリフェニレニル基、ベンゾクリセニル基、インデニル基、フルオレニル基、9,9−ジメチルフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フルオランテニル基、ベンゾフルオランテニル基などの縮合芳香族環基及びベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、インドリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、カルバゾリル基、キノリル基、フェナントロリニル基などの縮合複素環基が好ましい。
【0630】
これらのうち、ナフチル基、フェナントリル基、アントリル基、9,9−ジメチルフルオレニル基、フルオランテニル基、ベンゾアントリル基、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、又はカルバゾリル基が好ましい。
【0631】
Ar
11、Ar
12、及びR
101〜R
108の“置換もしくは無置換の...”というときの好ましい置換基としては、単環基、縮合環基、アルキル基、シクロアルキル基、シリル基、アルコキシ基、シアノ基、及びハロゲン原子(特に、フッ素)が挙げられ、単環基及び縮合環基が特に好ましい。
【0632】
式(5)で表されるアントラセン誘導体は下記アントラセン誘導体(A)、(B)及び(C)のいずれかであることが好ましく、該誘導体を用いる有機EL素子の構成及び要求される特性に応じて選択される。
【0633】
アントラセン誘導体(A)
このアントラセン誘導体は、Ar
11とAr
12がそれぞれ独立して、置換もしくは無置換の環形成原子数8〜50の縮合環基である式(5)の誘導体である。このアントラセン誘導体は、Ar
11とAr
12が同一の置換もしくは無置換の縮合環基である場合と、Ar
11とAr
12が異なる置換もしくは無置換の縮合環基である場合に分けられる。
【0634】
特に好ましいアントラセン誘導体は、Ar
11とAr
12が異なる置換もしくは無置換の縮合環基(置換位置が異なる場合も含む)である式(5)の誘導体である。縮合環基の好ましい例は上記したとおりであり、ナフチル基、フェナントリル基、ベンゾアントリル基、9,9−ジメチルフルオレニル基、及びジベンゾフラニル基が好ましい。
【0635】
アントラセン誘導体(B)
このアントラセン誘導体は、Ar
11とAr
12の一方が置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の単環基であり、他方が置換もしくは無置換の環形成原子数8〜50の縮合環基である式(5)の誘導体である。
【0636】
好ましい態様においては、Ar
12はナフチル基、フェナントリル基、ベンゾアントリル基、9,9−ジメチルフルオレニル基、又はジベンゾフラニル基であり、Ar
11は単環基又は縮合環基基で置換されたフェニル基である。
【0637】
他の好ましい態様においては、Ar
12は縮合環基、A
11は無置換フェニル基である。この場合、縮合環基はフェナントリル基、9,9−ジメチルフルオレニル基、ジベンゾフラニル基、又はベンゾアントリル基であることが特に好ましい。
【0638】
アントラセン誘導体(C)
このアントラセン誘導体は、Ar
11とAr
12がそれぞれ独立して置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の単環基である式(5)の誘導体である。
【0639】
好ましい態様においては、Ar
11及びAr
12の双方が置換もしくは無置換のフェニル基である。
【0640】
さらに態様においては、Ar
11は無置換フェニル基、Ar
12は単環基又は縮合環基で置換されたフェニル基、又は、Ar
11及びAr
12は、それぞれ独立して単環基又は縮合環基で置換されたフェニル基である。
【0641】
前記置換基としての単環基及び縮合環基の好ましい例は、上記したものと同様である。置換基としての単環基としてはフェニル基及びビフェニル基がさらに好ましい。置換基としての縮合環基はナフチル基、フェナントリル基、9,9−ジメチルフルオレニル基、ジベンゾフラニル基、及びベンゾアントリル基がさらに好ましい。
【0642】
正孔/エキシトン阻止層(f)
発光層から漏れる電荷キャリア(電子又は正孔)及び/又はエキシトンの数を減らすために阻止層を用いてもよい。正孔阻止層は発光層(e)から電子輸送層(g)に漏れる正孔を阻止するために発光層(e)と電子輸送層(g)の間に設けてもよい。エキシトンが発光層から拡散するのを防ぐために阻止層を用いてもよい。
【0643】
本発明の一つの態様において、少なくとも1つの一般式(I)で表される化合物が正孔/エキシトン阻止層に存在する。
【0644】
OLEDによく用いられる正孔阻止材料は、2,6−ビス(N−カルバゾリル)ピリジン(mCPy)、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(バソクプロイン、(BCP))、ビス(2−メチル−8−キノリナト)−4−フェニルフェニラト)アルミニウム(III)(BAIq)、フェノチアジンS,S−ジオキシド誘導体、及び1,3,5−トリス(N−フェニル−2−ベンジルイミダゾリル)ベンゼン)(TPBI)である。TPBIは電子輸送材料としても適している。他の好適な正孔阻止及び/又は電子伝達材料は、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1−H−ベンゾイミダゾール)、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキザジアゾール、8−ヒドロキシキノリノラトリチウム、4−(ナフタレン−1−イル)−3,5−ジフェニル−4H−1,2,4−トリアゾ−ル、1,3−ビス[2−(2,2’−ビピリジン−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]ベンゼン、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−t−ブチルフェニル−1,2,4−トリアゾ−ル、6,6’−ビス[5−(ビフェニル−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−2−イル]−2,2’−ビピリジル、2−フェニル−9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン、2,7−ビス[2−(2,2’−ビピリジン−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]−9,9−ジメチルフルオレン、1,3−ビス[2−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]ベンゼン、2−(ナフタレン−2−イル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、トリス-(2,4,6−トリメチル−3−(ピリジン−3−イル)フェニル)ボラン、2,9−ビス(ナフタレン−2−イル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、及び1−メチル−2−(4−(ナフタレン−2−イル)フェニル)−1H−イミダゾ[4,5−f][1,10]フェナントロリンである。他の態様においては、WO2006/100298に記載のカルボニル基を含む基を介して結合した芳香族環又は芳香族複素環を含む化合物、例えば、WO2009/003919及びWO2009/003898に記載のジシリルカルバゾール、ジシリルベンゾフラン、ジシリルベンゾチオフェン、ジシリルベンゾホスホル、ジシリルベンゾチオフェンS−オキシド、及びジシリルベンゾチオフェンS,S−ジオキシドからなる群より選ばれるジシリル化合物、及びWO2008/034758に記載のジシリル化合物を正孔/エキシトン阻止層(f)に用いることができる。
【0645】
他の好ましい態様においては、化合物(SH−1)、(SH−2)、(SH−3)、SH−4、SH−5、SH−6、(SH−7)、(SH−8)、(SH−9)、(SH−10)、及び(SH−11)を正孔/エキシトン阻止材料として用いることができる。
【0646】
電子輸送層(g)
電子輸送層は電子を輸送することができる材料を含む。電子輸送層はドープされていなくてもドープされていてもよい。ドープすると伝達性が向上する。
【0647】
一般式(I)で表される本発明の化合物は、単独で又は1以上の下記電子輸送材料と組み合わせて用いる場合に、電子輸送材料として好適である。一般式(I)で表される本発明の化合物は、好ましくは、発光層が青色蛍光発光材料を含む場合に、電子輸送材料として好適である。
【0648】
電子輸送材料として用いられる一般式(I)の本発明の化合物と組み合わせて、あるいは、組み合わせることなく用いることができる、本発明のOLEDの層(g)に好適な他の電子輸送材料としては、トリス(8−ヒドロキシキノラト)アルミニウム(Alq
3)などのオキシノイド化合物によりキレート化された金属を有する化合物、EP1786050、EP1970371、又はEP1097981に開示されている2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(DDPA=BCP)、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(Bphen)、2,4,7,9−テトラフェニル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(DPA)、フェナントロリン誘導体などのフェナントロリン系化合物、及び2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾ−ル(TAZ)などのアゾ−ル化合物が挙げられる。
【0649】
電子輸送材料として用いられる一般式(I)の本発明の化合物と組み合わせて、あるいは、組み合わせることなく用いることができる他の好適な電子輸送材料は、Abhishek P. Kulkarni, Christopher J. Tonzola, Amit Babel, and Samson A. Jenekhe, Chem. Mater. 2004, 16, 4556-4573、G. Hughes, M. R. Bryce, J. Mater. Chem. 2005, 15、94-107、及び、Yasuhiko Shirota and Hiroshi Kageyama, Chem. Rev. 2007, 107, 953-1010 (ETM, HTM) に記載されている。
【0650】
又、電子輸送層に少なくとも2つの材料を含む混合物を用いることもでき、その場合、少なくとも1つの材料は電子伝達性である。そのような混合電子輸送には、少なくとも1つのフェナントロリン化合物、好ましくはBCP、又は、下記式(XVI)、好ましくは下記式(XVIa)で表される少なくとも1つのピリジン化合物を用いるのが好ましい。少なくとも1つのフェナントロリン化合物に加えて、アルカリ土類金属又はアルカリ金属のヒドロキシキノレート錯体、例えば、Liqを混合電子輸送層に用いることがより好ましい。好適なアルカリ土類金属又はアルカリ金属ヒドロキシキノレート錯体は以下で詳述する(式(XVII))。WO2011/157779を参照のこと。
【0651】
電子輸送層は使用する材料の輸送性を改善するために電子的にドープされていてもよい。これにより、第1に、層の厚さの許容範囲が広がりピンホール/漏電が避けられ、第2に、素子の駆動電圧を減少させることができる。電子的ドーピングは当業者に周知であり、例えば、W. Gao, A. Kahn, J. Appl. Phys., Vol. 94, No. 1, 1 July 2003 (p-doped organic layers)、A. G. Werner, F. Li, K. Harada, M. Pfeiffer, T. Fritz, K. Leo, Appl. Phys. Lett., Vol. 82, No. 25, 23 June 2003、Pfeiffer et al., Electronics 2003, 4, 89-103、及び、K. Walzer, B. Maennig, M. Pfeiffer, K. Leo, Chem. Soc. Rev. 2007, 107, 1233 に記載されている。例えば、電子輸送層を電気的にn−ドーピングする混合物を使用してもよい。n−ドーピングは還元性材料を加えることにより得られる。これらの混合物としては、例えば、上記電子輸送材料と、アルカリ/アルカリ土類金属又はアルカリ/アルカリ土類金属塩、例えば、Li、Cs、Ca、Sr、Cs
2CO
3、アルカリ金属錯体、例えば、8−ヒドロキシキノラトリチウム(Liq)、Y、Ce、Sm、Gd、Tb、Er、Tm、Yb、Li
3N、Rb
2CO
3、フタル酸ジカリウム、EP1786050に記載のW(hpp)
4、又は、EP1837926B1、EP1837927、EP2246862及びWO2010132236に記載の化合物との混合物が挙げられる。
【0652】
好ましい態様において、電子輸送層は一般式(XVII)の化合物を少なくとも1種含む。
【0653】
【化154】
[この文献は図面を表示できません]
【0654】
(式中、
R
32’及びR
33’はそれぞれ独立してF、C
1−C
8−アルキル、又は、1以上のC
1−C
8−アルキル基で置換されていてもよいC
6−C
14−アリールであるか、又は
2つのR
32’及び/又はR
33’は、互いに結合して1以上のC
1−C
8−アルキル基で置換されていてもよい縮合ベンゼン環を表し;
a及びbはそれぞれ独立して0、1、2又は3であり;
M
1はアルカリ金属原子又はアルカリ土類金属原子であり;
M
1がアルカリ金属原子である場合、pは1であり、M
1がアルカリ土類金属原子である場合、pは2である。)
【0655】
特に好ましい式(XVII)の化合物は下記の化合物である。
【0656】
【化155】
[この文献は図面を表示できません]
【0657】
この化合物は単独、又は、Li
gQ
g、例えば、Li
6Q
6などの他の形態で存在してもよい。Qは8−ヒドロキシキノレート配位子又は8−ヒドロキシキノレート誘導体である。
【0658】
さらに好ましい態様において、電子輸送層は式(XVI)の化合物を少なくとも1種含む。
【0659】
【化156】
[この文献は図面を表示できません]
【0660】
(式中、
R
34’’、R
35’’、R
36’’、R
37’’、R
34’、R
35’、R
36’及びR
37’はそれぞれ独立して、H、C
1−C
18−アルキル、E’で置換された、及び/又は、D’が介在するC
1−C
18−アルキル、C
6−C
24−アリール、G’で置換されたC
6−C
24−アリール、C
2−C
20−ヘテロアリール、又は、G’で置換されたC
2−C
20−ヘテロアリールであり;
QはそれぞれG’で置換されていてもよいアリーレン又はヘテロアリーレン基であり;
D’は−CO−、−COO−、−S−、−SO−、−SO
2−、−O−、−NR
40’−、−SiR
45’R
46’−、−POR
47’−、−CR
38’=CR
39’−、又は−C
≡C−であり;
E’は−OR
44’、−SR
44’、−NR
40’R
41’、−COR
43’、−COOR
42’、−CONR
40’R
41’、−CN、又はFであり;
G’はE’、C
1−C
18−アルキル、D’が介在するC
1−C
18−アルキル、C
1−C
18−ペルフルオロアルキル、C
1−C
18−アルコキシ、又は、E’で置換された、及び/又は、D’が介在するC
1−C
18−アルコキシであり;
R
38’及びR
39’はそれぞれ独立して、H、C
6−C
18−アリール、C
1−C
18−アルキル若しくはC
1−C
18−アルコキシで置換されたC
6−C
18−アリール、C
1−C
18−アルキル、又は−O−が介在するC
1−C
18−アルキルであり;
R
40’及びR
41’はそれぞれ独立して、C
6−C
18−アリール、C
1−C
18−アルキル若しくはC
1−C
18−アルコキシで置換されたC
6−C
18−アリール、C
1−C
18−アルキル、又は−O−が介在するC
1−C
18−アルキルであるか;又は
R
40’とR
41’は互いに結合して6員環を形成し;
R
42’及びR
43’はそれぞれ独立して、C
6−C
18−アリール、C
1−C
18−アルキル若しくはC
1−C
18−アルコキシで置換されたC
6−C
18−アリール、C
1−C
18−アルキル、又は−O−が介在するC
1−C
18−アルキルであり;
R
44’はC
6−C
18−アリール、C
1−C
18−アルキル若しくはC
1−C
18−アルコキシで置換されたC
6−C
18−アリール、C
1−C
18−アルキル、又は−O−が介在するC
1−C
18−アルキルであり;
R
45’及びR
46’はそれぞれ独立して、C
1−C
18−アルキル、C
6−C
18−アリール、又はC
1−C
18−アルキルで置換されたC
6−C
18−アリールであり;
R
47’はC
1−C
18−アルキル、C
6−C
18−アリール、又はC
1−C
18−アルキルで置換されたC
6−C
18−アリールである。)
【0661】
式(XVI)の化合物は好ましくは式(XVIa)の化合物である。
【0662】
【化157】
[この文献は図面を表示できません]
【0664】
【化158】
[この文献は図面を表示できません]
【0665】
R
48’はH又はC
1−C
18−アルキルである。
R
48’’はH、C
1−C
18−アルキル、又は下記の基である。
【0666】
【化159】
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【0667】
特に好ましい化合物は下記式の化合物である。
【0668】
【化160】
[この文献は図面を表示できません]
【0669】
さらに好ましい態様において、電子輸送層は化合物Liqと化合物ETM−2を含む。
【0670】
好ましい態様において、電子輸送層は少なくとも1つの式(XVII)の化合物を99〜1重量%、好ましくは75〜25重量%、より好ましくは約50重量%、及び、少なくとも1つの式(XVI)の化合物を1〜99重量%、好ましくは25〜75重量%、より好ましくは約50重量%含む。ただし、式(XVII)の化合物の量と式(XVI)の化合物の量の合計は100重量%である。
【0671】
式(XVI)の化合物の製法はJ. Kido et al., Chem. Commun. (2008) 5821-5823、J. Kido et al., Chem. Mater. 20 (2008) 5951-5953、及び、JP2008/127326に記載されている。該化合物は上記文献に記載された方法に類似する方法でも製造することができる。
【0672】
又、アルカリ金属のヒドロキシキノレート錯体、好ましくはLiqとジベンゾフラン化合物の混合物を電子輸送層に用いることができる。WO2011/157790を参照のこと。WO2011/157790に記載のジベンゾフラン化合物A−1〜A−36及びB−1〜B−22が好ましく、下記のジベンゾフラン化合物が最も好ましい。
【0673】
【化161】
[この文献は図面を表示できません]
【0674】
好ましい態様において、電子輸送層は、Liqを99〜1重量%、好ましくは75〜25重量%、より好ましくは約50重量%、及び、少なくとも1つのジベンゾフラン化合物を1〜99重量%、好ましくは25〜75重量%、より好ましくは約50重量%含む。ただし、Liqの量とジベンゾフラン化合物、特にETM−1、の量の合計は100重量%である。
【0675】
好ましい態様において、電子輸送層は少なくとも1つのフェナントロリン誘導体及び/又はピリジン誘導体を含む。
【0676】
さらに好ましい態様において、電子輸送層は少なくとも1つのフェナントロリン誘導体及び/又はピリジン誘導体、及び、少なくとも1つのアルカリ金属のヒドロキシキノレート錯体を含む。
【0677】
さらに好ましい態様において、電子輸送層はWO2011/157790に記載のジベンゾフラン化合物A−1〜A−36及びB−1〜B−22の少なくとも1種、特にETM−1を含む。
【0678】
さらに好ましい態様において、電子輸送層はWO2012/111462に記載の化合物、WO2012/147397に記載の化合物、WO2012014621に記載の化合物、例えば、下記化合物ETM−3、US2012/0261654に記載の化合物、例えば、化合物ETM−4、及びWO2012/115034に記載の化合物、例えば、化合物ETM−5を含む。
【0679】
【化162】
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【0680】
本発明のOLEDの電子注入層のさらに好ましい態様はUS2013306955に記載されている。
【0681】
例えば、本発明のOLEDの電子輸送層に用いることができる電子輸送材料は式(1)で表される電子輸送材料である。
【0682】
A1(−L1−L2−L3−L4−Ar1)m
(1)
(式中、
L1、L2、L3、及びL4はそれぞれ独立して、単結合、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキレン基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルケニレン基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキニレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリーレン基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリーレン基であり;
Ar1は置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基であり;
A1は式(2)で表される環含有化合物のm価の残基であり;
mは1以上の整数である。
【0683】
【化163】
[この文献は図面を表示できません]
【0684】
(式中、
環Xは置換もしくは無置換の、飽和もしくは不飽和の、環形成窒素原子及び環形成炭素原子を有する5〜8員環であり;
環Xは1以上の環Yに縮合していてもよく;
環Yは置換もしくは無置換の炭化水素環又は置換もしくは無置換の複素環であり;
環Yは好ましくは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の非縮合芳香族炭化水素環、置換もしくは無置換の環形成炭素数10〜30の縮合芳香族炭化水素環、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の非縮合複素環、又は置換もしくは無置換の環形成原子数10〜30の縮合複素環である。))。
【0685】
本発明の電子輸送材料は好ましくは式(1−1)又は(1−2)で表される。
【0686】
A11(−L11−L21−L31−L41−Ar11)p
(1−1)
(式中、
L11、L21、L31、及びL41は、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキレン基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルケニレン基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキニレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリーレン基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリーレン基であり;
Ar11は置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基であり;
A11は式(2−1)で表される環含有化合物のp価の残基であり;
pは1以上の整数である。
【0687】
【化164】
[この文献は図面を表示できません]
【0688】
(式中、
R1〜R4は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアラルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキルシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールシリル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールアミノ基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリールアミノ基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアシルアミノ基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアシル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキルカルボニル基、メルカプト基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールチオ基、スルホニル基、ボリル基、ホスフィノ基、アミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、又は、L11に結合する結合手であるか;又は
R1とR2、R2とR3、又はR3とR4の対は互いに結合して置換もしくは無置換の炭化水素環又は置換もしくは無置換の複素環で表される環Yを生成する。))
【0689】
式(1−1)のA11は好ましくは式(2−1−1)、(2−1−2)、又は(2−1−3)で表される化合物のp価の残基である。
【0690】
【化165】
[この文献は図面を表示できません]
【0691】
(式中、
R1〜R4は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアラルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキルシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールシリル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基で置換されたアミノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールアミノ基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリールアミノ基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアシルアミノ基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアシル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキルカルボニル基、メルカプト基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールチオ基、スルホニル基、ボリル基、ホスフィノ基、アミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、又はL11に結合する結合手であり;
Yは環Yである。)
【0692】
さらに、A11は好ましくは式(2−1−2−1)で表される化合物のp価の残基である。
【0693】
【化166】
[この文献は図面を表示できません]
【0694】
(式中、
X1〜X4は、それぞれ独立してCR5又はNであり;
R1、R4、及びR5は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアラルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキルシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールシリル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールアミノ基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリールアミノ基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアシルアミノ基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアシル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキルカルボニル基、メルカプト基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールチオ基、スルホニル基、ボリル基、ホスフィノ基、アミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、又はL11に結合する結合手であるか;又は
R1、R4、及びR5は互いに結合して環Yの一部を形成する環を形成する。
【0695】
特に、本発明のOLEDの発光層と陰極の間にある電子輸送層は一般式(I)の化合物を少なくとも1種含むことが好ましい。
【0696】
好ましい態様において、一般式(I)の化合物を少なくとも1種含む電子輸送層は、還元性ドーパントをさらに含む。
【0697】
還元性ドーパントとしては、例えば、供与性金属、供与性金属化合物、及び供与性金属錯体が挙げられる。還元性ドーパントは単独で又は2以上を組み合わせて用いてもよい。
【0698】
本発明において、還元性ドーパントとは電子供与性材料のことである。電子供与性材料は、電子輸送層中に共存する有機材料、若しくは電子輸送層に隣接する層中の有機材料との相互作用によりラジカルアニオンを生成する材料、又は電子供与性ラジカルを有する材料である。
【0699】
供与性金属は仕事関数が3.8eV以下の金属であり、好ましくはルカリ金属、アルカリ土類金属、又は希土類金属、より好ましくはCs、Li、Na、Sr、K、Mg、Ca、Ba、Yb、Eu、又はCeである。
【0700】
供与性金属化合物は上記供与性金属を含む化合物であり、好ましくはアルカリ金属、アルカリ土類金属、又は希土類金属を含む化合物、より好ましくはこれらの金属のハロゲン化物、酸化物、炭酸塩、又はホウ酸塩、例えば、MO
x(M:供与性金属、x:0.5〜1.5)、MF
x(x:1〜3)、又はM(CO
3)
x(x:0.5〜1.5)で表される化合物である。
【0701】
供与性金属錯体は上記供与性金属を含む錯体であり、好ましくはアルカリ金属、アルカリ土類金属又は希土類金属の有機金属錯体、より好ましくは式(I)で表される有機金属錯体である。
【0702】
MQ
n (I)
(式中、Mは供与性金属、Qは配位子、好ましくは、カルボン酸誘導体、ジケトン誘導体、又はキノリン誘導体であり、nは1〜4の整数である。)
【0703】
供与性金属錯体としては、例えば、JP2005−72012Aに記載の水車形状タングステン化合物及びJP11−345687Aに記載の中心金属としてアルカリ金属又はアルカリ土類金属を有するフタロシアニン化合物が挙げられる。
【0704】
還元性ドーパントはアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、希土類金属酸化物、希土類金属ハロゲン化物、アルカリ金属を含む有機錯体、アルカリ土類金属を含む有機錯体、及び希土類金属を含む有機錯体からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、アルカリ金属の8−キノリノール錯体であることがより好ましい。
【0705】
アルカリ金属としては、例えば、
Li(リチウム、仕事関数:2.93eV)、
Na(ナトリウム、仕事関数:2.36eV)、
K(カリウム、仕事関数:2.3eV)、
Rb(ルビジウム、仕事関数:2.16eV)、及び
Cs(セシウム、仕事関数:1.95eV)
が挙げられる。
【0706】
仕事関数の値はHandbook of Chemistry (Pure Chemistry II, 1984, p. 493, edited by The Chemical Society of Japan)に基づく。以下、同様である。
【0707】
アルカリ土類金属としては、例えば、
Ca(カルシウム、仕事関数:2.9eV)、
Mg(マグネシウム、仕事関数:3.66eV)、
Ba(バリウム、仕事関数:2.52eV)、及び
Sr(ストロンチウム、仕事関数:2.0〜2.5eV)
が好ましい。
【0708】
ストロンチウムの仕事関数はPhysics of Semiconductor Device (N.Y., Wiley, 1969, p. 366)に基づく。
【0709】
希土類金属としては、例えば、
Yb(イッテルビウム、仕事関数:2.6eV)、
Eu(ユーロピウム、仕事関数:2.5eV)、
Gd(ガドリニウム、仕事関数:3.1eV)、及び
Er(エルビウム、仕事関数:2.5eV)
が好ましい。
【0710】
アルカリ金属酸化物としては、例えば、Li
2O、LiO、及びNaOが挙げられる。アルカリ土類金属酸化物としてはCaO、BaO、SrO、BeO、又はMgOが好ましい。
【0711】
アルカリ金属ハロゲン化物としては、例えば、LiF、NaF、CsF、KFなどのフッ化物、及び、LiCl、KCl、NaClなどの塩化物が挙げられる。
【0712】
アルカリ土類金属ハロゲン化物としては、CaF
2、BaF
2、SrF
2、MgF
2、BeF
2などのフッ化物及びフッ化物以外のハロゲン化物が好ましい。
【0713】
駆動電圧が低下し、かつ、効率が高くなるので、一般式(I)で表される化合物を電子輸送層に含むOLEDが特に好ましい。
【0714】
一般式(I)で表される化合物の電子輸送層中の含有量は好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上である。
【0715】
電子輸送層は発光層への電子注入を容易にし、電子を発光領域に輸送し、高い電子移動度と通常2.5eV以上の高い電子親和力を有する。電子輸送層は好ましくは低い電場強度で電子を発光層に輸送することができ、10
4〜10
6V/cmの電場において少なくとも10
−6cm
2/V・sの電子移動度を有する材料により形成される。
【0716】
少なくとも1つの一般式(I)で表される化合物を電子輸送層に用いる場合、少なくとも1つの一般式(I)で表される化合物を単独で用いてもよく、他の材料と組み合わせてもよい。
【0717】
少なくとも1つの一般式(I)で表される化合物と組み合わせて電子注入/輸送層を形成する材料は、上記した好ましい特性を有する限り特に限定されないが、光導電性材料分野において電子輸送材料として通常用いられている材料及び有機EL素子の電子注入/輸送層の材料として知られているものから選ぶことができる。
【0718】
本発明において、絶縁材料又は半導体を含む電子注入層を陰極と有機層の間に配置してもよい。このような電子注入層により、電流のリークが効果的に阻止され、電子注入性が改善される。絶縁材料の好ましい例としては、アルカリ金属カルコゲニド、アルカリ土類金属カルコゲニド、アルカリ金属ハロゲン化物、及びアルカリ土類金属ハロゲン化物からなる群より選ばれる少なくとも1つの金属化合物が挙げられる。電子注入性がさらに改善されるので、アルカリ金属カルコゲニドを含む電子注入層が好ましい。好ましいアルカリ金属カルコゲニドとしてはLi
2O、K
2O、Na
2S、Na
2Se、Na
2Oが挙げられ;好ましいアルカリ土類金属カルコゲニドとしてはCaO、BaO、SrO、BeO、BaS、CaSeが挙げられ;好ましいアルカリ金属ハロゲン化物としてはLiF、NaF、KF、LiCl、KCl、NaClが挙げられ;好ましいアルカリ土類金属ハロゲン化物としてはCaF
2、BaF
2、SrF
2、MgF
2、BeF
2などのフッ化物及びフッ化物以外のハロゲン化物が挙げられる。
【0719】
電子輸送層に用いる半導体の例としては、Ba、Ca、Sr、Yb、Al、Ga、In、Li、Na、Cd、Mg、Si、Ta、Sb、及びZnから選ばれる少なくとも1つの元素の酸化物、窒化物及び酸窒化物が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし2以上を組み合わせて用いてもよい。電子輸送層を構成する無機化合物は、微結晶又はアモルファス絶縁フィルムを形成することが好ましい。このような絶縁フィルムで構成されていると、電子注入層がより均一になり、ダークスポットなどのピクセル欠陥が減少する。そのような無機化合物の例としては、上記したアルカリ金属カルコゲニド、アルカリ土類金属カルコゲニド、アルカリ金属ハロゲン化物、及びアルカリ土類金属ハロゲン化物が挙げられる。
【0720】
電子注入層(h)
電子注入層は隣接する有機層への電子注入を改善するいかなる層であってもよい。
【0721】
駆動電圧を低下させるために、8−ヒドロキシキノラトリチウム(Liq)などのリチウム含有有機金属化合物、CsF、NaF、KF、Cs
2CO
3、又はLiFを電子輸送層(g)と陰極(i)の間に電子注入層(h)として用いてもよい。
【0722】
陰極(i)
陰極(i)は電子又は負電荷キャリアを放出する電極である。陰極は陽極より低い仕事関数を有する金属又は非金属である。陰極として好適な材料は、周期律表第1族のLi、Csなどのアルカリ金属、第2族のアルカリ土類金属、及びランタニド及びアクチニドを含む第12族の金属からなる群より選ばれる。又、アルミニウム、インジウム、カルシウム、バリウム、サマリウム、マグネシウムなどの金属、及びそれらの組合せも用いることができる。
【0723】
通常、各層の厚さは、存在する場合、以下の通りである。
陽極(a):500〜5000Å(オングストローム)、好ましくは1000〜2000Å、
正孔注入層(b):50〜1000Å、好ましくは200〜800Å、
正孔−輸送層(c):50〜1000Å、好ましくは100〜800Å、
エキシトン阻止層(d):10〜500Å、好ましくは50〜100Å、
発光層(e):10〜1000Å、好ましくは50〜600Å、
正孔/エキシトン阻止層(f):10〜500Å、好ましくは50〜100Å、
電子輸送層(g):50〜1000Å、好ましくは200〜800Å、
電子注入層(h):10〜500Å、好ましくは20〜100Å、
陰極(i):200〜10000Å、好ましくは300〜5000Å。
【0724】
好適な材料をどのように選択すべきかは当業者に周知である(例えば、電気化学の知識に基づいて)。個々の層の好適な材料は当業者に周知であり、例えば、WO00/70655に記載されている。
【0725】
また、本発明のOLEDのいずれかの層は電荷キャリアの輸送効率を向上させるために表面処理されていてもよい。上記各層の材料の選択は、好ましくは、高効率、高寿命のOLEDが得られるように決められる。
本発明のOLEDは当業者に周知の方法により製造することができる。通常、本発明のOLEDは適切な基板上に各層を続けて蒸着することにより製造される。好適な基板としては、例えば、ガラス、無機半導体、又はポリマーフィルムが挙げられる。蒸着は、熱蒸着、化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)、その他の通常の方法により行うことができる。あるいは、OLEDの有機層は、当業者に周知の塗布法を用いて、適切な溶媒の溶液又は分散液を塗布することにより形成することができる。
【0726】
一般式(I)で表される化合物をOLEDの少なくとも1つの層、好ましくは発光層に、ホスト材料、電荷輸送材料として、特に好ましくはホスト材料及び正孔又は電子輸送材料として使用することにより、高効率で駆動電圧が低いOLEDを得ることが可能になる。一般式(I)で表される化合物を用いることにより得られるOLEDは、さらに高い寿命も有することが多い。OLEDの効率は、他の層を最適化することによってさらに改善することができる。例えば、LiF中間層と組合せることが適切な場合は、Ca、Baなどの高効率陰極を用いることができる。異なる層のエネルギーレベルを調整し、電子発光を容易にするために、OLEDに他の層を追加してもよい。
【0727】
OLEDは少なくとも1つの第2発光層をさらに含んでいてもよい。OLEDの全発光は少なくとも2つの発光層からの発光からなっていてもよいし、白色光であってもよい。
【0728】
OLEDは電子発光が有用であるすべての装置に使用することができる。好適な装置は、好ましくは固定式又は移動式の表示ユニット及び照明ユニットから選ばれる。固定式の表示ユニットは、例えば、コンピューターの表示ユニット、テレビジョン、プリンター、厨房機器、及び広告パネルの表示ユニット、照明パネル、情報表示パネルなどである。移動式の表示ユニットは、例えば、携帯電話、タブレットPC、ラップトップ、デジタルカメラ、MP3プレーヤー、車、及びバス、列車の行先表示の表示ユニットなどである。本発明のOLEDを使用することができる他の装置は、例えば、キーボード、衣服、家具、壁紙である。又、本発明は、少なくとも1つの本発明の有機発光ダイオード又は少なくとも1つの本発明の発光層を含む、コンピューターの表示ユニット、テレビジョン、プリンター、厨房機器、及び広告パネルの表示ユニット、照明パネル、情報表示パネルなどの固定式の表示ユニット;携帯電話、タブレットPC、ラップトップ、デジタルカメラ、MP3プレーヤー、車、及びバス、列車の行先表示の表示ユニットなどの移動式の表示ユニット;照明ユニット;キーボード;衣服;家具;壁紙に関する。
【0729】
以下の実施例は説明のためのものであり、請求項の範囲を制限するものではない。特に言及しない限り、部及びパーセントはすべて重量基準である。
【実施例】
【0730】
化合物の合成
【0731】
化合物1
中間体1−1
【0732】
【化167】
[この文献は図面を表示できません]
【0733】
2−アミノ−6−フルオロ安息香酸(35g、225.6mmol)を885mlの水及び26mLの酢酸に溶解する。この混合物を35℃で15分間撹拌する。その後、442mLの水に溶解したシアン酸ナトリウム(36.67g、564mmol)を得られた懸濁液に滴下し、得られた混合物を35℃で30分間撹拌する。次いで、水酸化ナトリウム(180.49g/4.51mol)を反応混合物に徐々に加え、該混合物を室温で冷却する。374mLの塩化水素を加えた後、沈殿物を濾取し、水洗する。得られた固体を真空オーブン中で乾燥して37.19(91.5%)の1−1を白色固体として得る。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 11.25 (s, 1H), 7.65-7.57 (m, 1H), 6.99-6.88 (m, 2H).
LC-MS (m/z): 179
【0734】
中間体1−2
【0735】
【化168】
[この文献は図面を表示できません]
【0736】
1−1(2.6g、14.43mmol)を29mLのトルエンに懸濁し、50℃に加熱する。塩化ホスホリル(9.88mL、108.25mmol)を滴下し、次いで、DBU(4.31mL、28.87mmol)を滴下する。得られた混合物を120℃で一晩激しく撹拌する。反応混合物を室温に冷却した後、氷水に滴下する。水層を酢酸エチルで抽出する。食塩水で洗い、Na
2SO
4で乾燥した後、濃縮して固体を得る。得られた粗生成物をトルエンを溶出液として用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製し、3.41g(80.8%)の1−2を白色粉末として得る。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 7.99-7.92 (m, 1H), 7.87 (dd, J = 8.3, 1.3 Hz, 1H), 7.41 (ddd, J = 8.1, 6.5, 1.3 Hz, 1H).
LC-MS (m/z): 217
【0737】
中間体1−3
【0738】
【化169】
[この文献は図面を表示できません]
【0739】
1−2(2.17g、10.0mmol)及び2−ヒドロキシベンゼンボロン酸(1.38g、10.0mmol)を10mLのTHFに溶解する。この溶液に5mLに溶解したフッ化カリウム(1.74g、30.0mmol)を加え、得られた混合物を脱気し、アルゴンガスでパージする。次いで、t−Bu
3P−HBF
4(290mg、1.00mmol)及びPd(OAc)
2(225mg、1.00mmol)を混合物に加え、混合物を室温で1.5時間撹拌する。反応混合物をMgSO
4で乾燥し、セライト濾過し、酢酸エチルで洗浄する。得られた粗生成物をヘプタン及び酢酸エチル(3:1)の混合溶媒を溶出液として用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製し、2.27g(96%)の1−3を僅かに黄色の固体として得る。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 9.98 (s, 1H), 8.00 - 7.89 (m, 2H), 7.51-7.43 (m, 2H), 7.36 (ddd, J = 8.5, 6.8, 1.4 Hz, 1H), 7.15 (dd, J = 8.1, 1.1 Hz, 1H), 7.06-7.01 (m 1H).
LC-MS (m/z): 275
【0740】
中間体1−4
【0741】
【化170】
[この文献は図面を表示できません]
【0742】
1−3(3.02g、11mmol)を55mLのDMFに溶解し、炭酸カリウム(1.67g、12.1mmol)を加える。得られた混合物を室温で5分間撹拌する。反応混合物を100mLの水で希釈し、固体を濾取し、水洗する。該固体を真空オーブン中で乾燥して、2.60gの1−4を黄色粉末として得る。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 8.55 (ddd, J = 8.5, 6.8, 1.4 Hz, 1H), 7.94 (t, J = 8.2 H, 1H), 7.74-7.68 (m, 1H ), 7.60 (dd, J = 8.4, 0.8 Hz, 1H), 7.44 - 7.40 (m, 2 H), 7.32 (dd, J = 8.1, 1.0 Hz, 1H)
LC-MS (m/z): 255
【0743】
化合物1
【0744】
【化171】
[この文献は図面を表示できません]
【0745】
1−4(1.10g、4.32mmol)、3−(9H−カルバゾール−3−イル)−9−フェニル−カルバゾール(1.76g、4.32mmol)、及びナトリウムt−ブトキシド(581mg、6.05mmol)を43mlのトルエンに加える。得られた混合物を脱気し、アルゴンガスで3回パージする。次いで、t−Bu
3P−HBF
4(100mg、0.35mmol)及びPd
2(dba)
3(79mg、0.02mmol)を混合物に加え、該混合物を80℃で3時間撹拌する。得られた反応混合物を水で希釈し、固体を濾取する。該固体をヘプタン/トルエン=1:1を溶出液として用いてフラッシュクロマトグラフィにより精製する。単離した生成物をトルエンに懸濁し、得られた懸濁液を110℃で一晩撹拌する。次いで、固体を濾取し、1.88g(69%)の化合物1を黄色粉末として得る。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 9.12-9.05 (m, 2H), 8.78 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 8.66 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 8.56 (dd, J = 1.8, 8.2 Hz, 1H), 8.43-8.37 (m, 2H), 8.06-8.00 (m, 2H), 7.95 (dd, J= 2.0, 8.2 Hz, 1H), 7.87-7.81 (m, 1H), 7.77-7.64 (m, 5H), 7.63-7.42 (m, 8H), 7.38-7.33 (m, 2H)
LC-MS (m/z): 627
【0746】
応用例
応用例1
厚さ120nmのインジウム−スズ−酸化物(ITO)透明電極(ジオマテック社製)を陽極として有するガラス基板を、まず、超音波浴中で10分間、イソプロパノールを用いて洗浄する。残留有機物を除くために、基板をさらに紫外線とオゾンに30分間曝す。この処理により、ITOの正孔注入性が改善する。洗浄した基板を基板ホルダーに取り付け、真空装置内に設置する。その後、以下に記載の各有機材料を約10−6〜10−8mbarで、約0.2〜1Å/secの速度でITO基板に蒸着する。最初の層として、電子受容性化合物Aを厚さ5nmに蒸着する。次いで、芳香族アミン化合物Bを正孔輸送層として厚さ220nmに成膜する。次いで、2重量%の発光化合物(化合物D)と98重量%のホスト(化合物1)からなる混合物を成膜し厚さ40nmの燐光発光層を形成する。発光層上に、50重量%の電子輸送性化合物Cと50重量%のLiq(8−ヒドロキシキノレートリチウム)からなる混合物を成膜して厚さ25nmの電子輸送層を形成する。最後に、Liqを厚さ1nmに蒸着して電子注入層、次いで、Alを厚さ80nmに蒸着して陰極を形成し、素子を完成させる。素子を、水と酸素の量が1ppm未満の窒素雰囲気中で、ガラスリッド及びゲッターを用いて封止する。
【0747】
【化172】
[この文献は図面を表示できません]
【0748】
応用例2
ホスト(化合物1)を比較化合物(比較1)に代えた以外は応用例1を繰り返す。結果を表1に示す。
【0749】
【化173】
[この文献は図面を表示できません]
【0750】
OLED性能評価
OLEDを評価するために、電子発光スペクトルを電流と電圧を変えて測定する。さらに、電流−電圧特性を輝度と共に測定し、発光効率と外部量子効率(EQE)を求める。駆動電圧U、EQE及びCommission Internationale de l'Eclairage(CIE)座標は、特に言及しない限り、10mA/cm
2で測定する。
【0751】
【表1】
[この文献は図面を表示できません]
【0752】
結果を表1に示す。CIE値は電子発光が赤色発光化合物(化合物D)に由来することを示している。化合物1は比較化合物(比較1)より低い駆動電圧と高いEQEを示す。
【0753】
応用例3
厚さ120nmのインジウム−スズ−酸化物(ITO)透明電極(ジオマテック社製)を陽極として有するガラス基板を、まず、超音波浴中で10分間、イソプロパノールを用いて洗浄する。残留有機物を除くために、基板をさらに紫外線とオゾンに30分間曝す。この処理により、ITOの正孔注入性が改善する。洗浄した基板を基板ホルダーに取り付け、真空装置内に設置する。その後、以下に記載の各有機材料を約10−6〜10−8mbarで、約0.2〜1Å/secの速度でITO基板に蒸着する。正孔注入層として、化合物Eを厚さ50nmに成膜する。次いで、芳香族アミン化合物Fを正孔輸送層として厚さ45nmに成膜する。次いで、3重量%の発光化合物Gと97重量%のホスト化合物Hからなる混合物を成膜し厚さ20nmの蛍光発光層を形成する。発光層上に、第1電子輸送層として化合物1を厚さ5nmに成膜する。次いで、第2電子輸送層として化合物Iを厚さ25nmに成膜する。最後に、LiFを厚さ1nmに蒸着して電子注入層、次いで、Alを厚さ80nmに蒸着して陰極を形成し、素子を完成させる。素子を、水と酸素の量が1ppm未満の窒素雰囲気中で、ガラスリッド及びゲッターを用いて封止する。
【0754】
【化174】
[この文献は図面を表示できません]
【0755】
【表2】
[この文献は図面を表示できません]
【0756】
結果を表2に示す。CIE値は電子発光が青色発光化合物Gに由来することを示している。また、応用例3はEQEが理論限界値5%を超えて6%より大きいことを示す。結果は、化合物1が三重項エキシトンを発光層に閉じ込めて三重項−三重項消滅を高めることにより、理論限界値5%を超えることができることを証明している。
【0757】
他の合成例
化合物の合成
【0758】
化合物2
【0759】
【化175】
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【0760】
1−4(1.21g、4.73mmol)、10−(9H−カルバゾール−3−イル)−7−フェニル−7H−ベンゾ[c]カルバゾール(1.67g、3.64mmol)、及びナトリウムt−ブトキシド(490mg、5.10mmol)を36mLのトルエンに加える。得られた混合物を脱気し、アルゴンガスで3回パージする。次いで、t−Bu
3P−HBF
4(85mg、0.29mmol)とPd
2(dba)
3(67mg、0.07mmol)を加えた後、混合物を80℃で5時間撹拌する。得られた反応混合物を室温に冷却する。次いで、固体を濾取し、トルエン及びエタノールで洗浄する。得られた生成物をジクロロベンゼンを用いて再結晶して1.49g(41%)の化合物2を黄色粉末として得る。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 9.15-9.01 (m, 4H), 8.69 (d, J= 1.9 Hz, 1H), 8.52 (dd, J= 8.3, 1.6 Hz, 1H), 8.42 (dd, J= 7.8, 1.4 Hz, 1H), 8.16-8.03 (m, 2H), 7.89 (m, 3H), 7.88-7.70 (m, 6H), 7.69-7.49 (m, 8H), 7.49-7.40 (m, 1H), 7.28 (dd, J= 8.1, 0.7 Hz, 1H)
LC-MS (m/z): 677 [M+1]
【0761】
化合物3
【0762】
【化176】
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【0763】
1−4(1.55g、6.09mmol)、US20160028020に記載の方法で合成した14H−ベンゾ[c]ベンゾ[4,5]チエノ[2,3−a]カルバゾール(1.79g、5.54mmol)、及びナトリウムt−ブトキシド(745mg、7.75mmol)を55mLのトルエンに加える。得られた混合物を脱気し、アルゴンガスで3回パージする。次いで、t−Bu
3P−HBF
4(128mg、0.44mmol)とPd
2(dba)
3(101mg、0.11mmol)を加えた後、混合物を80℃で3.5時間撹拌する。得られた反応混合物を室温に冷却する。次いで、固体を濾取し、トルエン及びエタノールで洗浄する。得られた生成物をジクロロベンゼンを用いて再結晶して1.97g(66%)の化合物3を黄色粉末として得る。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 9.39-9.29 (m, 1H), 9.22 (dd, J = 8.3, 1.5 Hz, 1H), 9.06 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.93-8.83 (m, 1H), 8.46-8.35 (m, 2H), 8.19 (t, J = 8.2 Hz, 1H), 8.01 (dd, J = 8.0, 1.1 Hz, 1H), 8.00-7.79 (m, 3H), 7.77 (dd, J = 8.4, 0.8 Hz, 1H), 7.72-7.52 (m, 5H), 7.53-7.43 (m, 2H)
LC-MS (m/z): 542 [M+1]
【0764】
化合物4
中間体4−1
【0765】
【化177】
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【0766】
1−4(6.60g、25.92mmol)、4−クロロベンゼンボロン酸(6.08g、38.87mmol)、及びフッ化カリウム(4.52g、77.7mmol)を260mLのTHF及び5mLの水に懸濁する。得られた混合物を脱気し、アルゴンガスで3回パージする。次いで、t−Bu
3P−HBF
4(752mg、2.59mmol)と酢酸パラジウム(582mg、2.59mmol)を加えた後、混合物を60℃で15時間撹拌する。得られた反応混合物を室温に冷却し、固体を濾取し、エタノールで洗浄する。THF、クロロホルム、エタノール混合溶媒を用いて、生成物をソクスレー抽出器で抽出する。溶媒中に生成した固体を濾取して5.07g(59%)の4−1を黄色粉末として得る。
LC-MS: 331, 333
【0767】
化合物4
【0768】
【化178】
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【0769】
4−1(1.59g、4.80mmol)、14H−ベンゾ[c]ベンゾ[4,5]チエノ[2,3−a]カルバゾール(1.55g、4.80mmol)、及びナトリウムt−ブトキシド(646mg、6.72mmol)を48mLのトルエンに加える。得られた混合物を脱気し、アルゴンガスで3回パージする。次いで、ジ−t−ブチル(2,2−ジフェニル−1−メチル−1−シクロプロピル)ホスフィン(135mg、0.38mmol)とPd
2(dba)
3(88mg、0.10mmol)を加えた後、混合物を110℃で1時間撹拌する。得られた反応混合物を室温に冷却し、固体を濾取し、トルエン及びエタノールで洗浄する。得られた生成物をジクロロベンゼンを用いて再結晶して2.15g(72%)の化合物4を黄色粉末として得る。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.24-9.09 (m, 2H), 9.05-8.92 (m, 3H), 8.87-8.77 (m, 1H), 8.63 (dd, J = 7.9, 1.7 Hz, 1H), 8.05-7.95 (m, 4H), 7.91 (ddd, J = 8.2, 7.0, 1.1 Hz, 1H), 7.81-7.73 (m, 2H), 7.67-7.58 (m, 2H), 7.57-7.44 (m, 4H), 7.44-7.33 (m, 3H)
LC-MS (m/z): 618 [M+1]
【0770】
化合物5
【0771】
【化179】
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【0772】
4−1(1.67g、5.04mmol)、WO2014196580に記載の方法で合成した9H−ベンゾ[a]ナフト[1,2−c]カルバゾール(1.60g、5.04mmol)、及びナトリウムt−ブトキシド(678mg、7.06mmol)を50mLのトルエンに加える。得られた混合物を脱気し、アルゴンガスで3回パージする。次いで、ジ−t−ブチル(2,2−ジフェニル−1−メチル−1−シクロプロピル)ホスフィン(142mg、0.40mmol)とPd
2(dba)
3(92mg、0.10mmol)を加えた後、混合物を110℃で3.5時間撹拌する。得られた反応混合物を室温に冷却し、固体を濾取し、トルエン及びエタノールで洗浄する。得られた生成物をジクロロベンゼンを用いて再結晶して2.83g(92%)の化合物5を黄色粉末として得る。
LC-MS (m/z): 612 [M+1]
【0773】
化合物6
中間体6−1
【0774】
【化180】
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【0775】
ベンゾ[a]カルバゾール(13.04g、60.00mmol)、ヨードベンゼン(18.36g、90.00mmol)、及びナトリウムt−ブトキシド(8.07g、84.00mmol)を300mLのトルエンに加える。この混合物にcBRIDP(846mg、2.4mmol)とPd
2(dba)
3を加え、120℃で一晩撹拌する。反応混合物を室温に冷却した後、トルエンで希釈する。固体を濾過して除く。ヘプタンを溶出液として用いて、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製し16.6g(94%)の6−1を褐色樹脂状物として得る。
LC-MS (m/z): 294
【0776】
中間体6−2
【0777】
【化181】
[この文献は図面を表示できません]
【0778】
6−1(16.39g、55.87mmol)を100mLのTHFに溶解する。N−ブロモコハク酸イミド(9.94g、55.87mmol)を40mLのTHFに懸濁した液を加え、得られた混合物を室温で1時間撹拌する。得られた反応混合物をエタノールで希釈し、固体を濾取し、エタノールで洗浄して18.26g(88%)の6−2を灰色がかった白色固体として得る。この化合物は精製することなく次の反応に使用する。
【0779】
中間体6−3
【0780】
【化182】
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【0781】
6−2(0.93g、2.50mmol)、2−クロロアニリン(319mg、2.5mmol)、及びナトリウムt−ブトキシド(480mg、5.00mmol)を25mLのトルエンに懸濁する。次いで、t−Bu
3P−HBF
4(73mg、0.25mmol)とPd
2(dba)
3(114mg、0.125mmol)を加えた後、得られた混合物を100℃で2.5時間撹拌する。反応混合物を室温に冷却した後、クロロホルムで希釈し、濾過して固体を除く。ヘプタンとトルエンの混合物を溶出液として用いて、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して497mg(52%)の6−3をベージュ色固体として得る。
LC-MS (m/z): 381
【0782】
化合物6
【0783】
【化183】
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【0784】
1−4(1.32g、5.17mmol)、6−3(1.80g、4.706mmol)、及びナトリウムt−ブトキシド(633mg、6.59mmol)を47mLのトルエンに加える。得られた混合物を脱気し、アルゴンガスで3回パージする。次いで、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(120mg、0.21mmol)とPd
2(dba)
3(86mg、0.09mmol)を加えた後、得られた混合物を80℃で1.5時間撹拌する。反応混合物を室温に冷却し、固体を濾取し、トルエン及びエタノールで洗浄する。得られた生成物をジクロロベンゼンを用いて再結晶して2.39g(75%)の化合物6を黄色粉末として得る。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 9.05-8.96 (m, 2H), 8.34-8.26 (m, 1H), 8.20 (dd, J = 8.0, 1.6 Hz, 1H), 8.11 (t, J = 8.3, 1H), 7.86-7.75 (m, 4H), 7.74-7.66 (m, 3H), 7.66-7.49 (m, 8H), 7.40 (ddd, J = 8.1, 7.2, 1.1 Hz, 1H), 7.28-7.17 (m, 3H)
LC-MS (m/z): 601 [M+1]
【0785】
化合物7
中間体7−1
【0786】
【化184】
[この文献は図面を表示できません]
【0787】
6−2(5.00g、13.43mmol)、ニトロベンゼン(16.54g、134.31mmol)、ピバリン酸(412mg、4.03mmol)、及び炭酸カリウム(2.41g、17.46mmol)を90mLのキシレンに懸濁する。次いで、Pd
2(dba)
3とジ−t−ブチル(メチル)ホスホニウムテトラフルオロホウ酸塩(0.50g、2.02mmol)を加えた後、得られた混合物を140℃で48時間撹拌する。濾過して固体を除き、濾液を濃縮する。ヘプタンとトルエンの混合溶媒を溶出液として用いて、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製し2.63g(47%)の7−1をオレンジ色固体として得る。
LC-MS (m/z): 415
【0788】
中間体7−2
【0789】
【化185】
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【0790】
7−1(2.60g、6.27mmol)及びトリフェニルホスフィン(4.11g、15.68mmol)を13mLの1,2−ジクロロベンゼンに懸濁し、180℃で一晩撹拌する。反応混合物を室温に冷却し、濃縮する。ヘプタンとトルエンの混合溶媒を溶出液として用いて、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して1.92g(80%)の7−2を褐色固体として得る。
【0791】
化合物7
【0792】
【化186】
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【0793】
7−2(1.35g、3.53mmol)、1−4(0.98g、3.88mmol)、及びナトリウムt−ブトキシド(475mg、4.94mmol)を35mLのトルエンに加える。得られた混合物を脱気し、アルゴンガスで3回パージする。次いで、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(90mg、0.16mmol)とPd
2(dba)
3(65mg、0.07mmol)を加えた後、得られた混合物を80℃で3時間撹拌する。反応混合物を室温に冷却し、固体を濾取し、トルエンで洗浄する。ヘプタンとトルエン(1:2)の混合溶媒を溶出液として用いて、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製し2.12g(75%)の化合物7を黄色粉末として得る。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 9.11 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.82-8.71 (m, 1H), 8.60-8.50 (m, 1H), 8.16 (dd, J = 7.9, 1.6 Hz, 1H), 8.04 (t, J = 8.2 Hz, 1H), 7.84-7.73 (m, 5H), 7.70-7.67 (m, 2H), 7.64-7.43 (m, 6H), 7.40-7.31 (m, 2H), 7.13 (ddd, J = 8.2, 6.9, 1.2 Hz, 1H), 7.03 (dt, J = 8.3, 1.0 Hz, 1H), 6.69 (ddd, J = 8.1, 6.9, 1.1 Hz, 1H), 6.58 (dt, J = 8.1, 1.0 Hz, 1H)
LC-MS (m/z): 601 [M+1]
【0794】
化合物8
【0795】
【化187】
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【0796】
1−4(1.50g、5.87mmol)、9’−フェニル−9H,9’H−2,3’−ビカルバゾール(2.00g、4.90mmol)、及びナトリウムt−ブトキシド(659mg、6.85mmol)を33mLのトルエンに加える。得られた混合物を脱気し、アルゴンガスで3回パージする。次いで、t−Bu
3P−HBF
4(114mg、0.39mmol)とPd
2(dba)
3(90mg、0.10mmol)を加えた後、混合物を80℃で17時間撹拌する。反応混合物を室温に冷却し、固体を濾取し、トルエン及びエタノールで洗浄する。粗生成物を2回昇華して3.02g(98%)の化合物8を黄色粉末として得る。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 9.46 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 9.09-9.01 (m, 1H), 8.73 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 8.61 (dd, J = 7.9, 1.6 Hz, 1H), 8.42-8.23 (m, 3H), 8.03 (t, J = 8.2 Hz, 1H), 7.93 (dd, J = 8.6, 1.8 Hz, 1H), 7.89-7.65 (m, 7H), 7.64-7.40 (m, 8H), 7.37-7.32 (m, 2H)
LC-MS (m/z): 627 [M+1]
【0797】
化合物9
【0798】
【化188】
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【0799】
1−4(1.96g、7.70mmol)、WO2009116377に記載の方法で合成した11−フェニル−11,12−ジヒドロインドロ[2,3−a]カルバゾール(1.79g、7.00mmol)、及びナトリウムt−ブトキシド(942mg、9.80mmol)を50mLのトルエンに加える。得られた混合物を脱気し、アルゴンガスで3回パージする。次いで、t−Bu
3P−HBF
4(162mg、0.56mmol)とPd
2(dba)
3(128mg、0.14mmol)を加えた後、得られた混合物を80℃で17時間撹拌する。反応混合物を室温に冷却し、固体を濾取し、トルエン及びエタノールで洗浄する。ジクロロメタンを溶出液として用いて、粗生成物をカラムクロマトグラフィにより精製し1.05g(27%)の化合物9を黄色粉末として得る。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.42-8.31 (m, 4H), 8.27 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.16 (dd, J = 7.9, 1.6 Hz, 1H), 7.98 (t, J = 8.2 Hz, 1H), 7.81 (ddd, J = 8.8, 7.2, 1.7 Hz, 1H), 7.59 (dd, J = 8.4 Hz, 1.0 Hz, 1H), 7.53-7.31 (m, 8H), 7.07-6.57 (m, 5H)
LC-MS (m/z): 550 [M]
【0800】
化合物10
中間体10−1
【0801】
【化189】
[この文献は図面を表示できません]
【0802】
1,4−ジブロモナフタレン(5.71g、19.97mmol)及び2−ニトロベンゼンボロン酸(7.00g、41.93mmol)を100mLのTHFに溶解する。この溶液に、フッ化カリウム(6.99g、119.81mmol)を10mLの水に溶解した溶液を加える。次いで、t−Bu
3P−HBF
4(1.16g、3.99mmol)とPd
2(dba)
3(1.82g、2.00mmol)を加え、得られた混合物を室温で一晩撹拌する。濾過して固体を除き、濾液を酢酸エチルで抽出する。溶液を一部濃縮し、生成したベージュ色の粉末を濾取する。さらに、濾液から粉末を濾取する。合わせて6.77g(91%)の10−1をベージュ色粉末として得る。この粉末はさらに精製することなく次の反応に用いる。
【0803】
中間体10−2
【0804】
【化190】
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【0805】
10−1(6.72g、18.16mmol)及びトリフェニルホスフィン(28.57g、108.95mmol)を91mLの1,2−ジクロロベンゼンに溶解し、得られた溶液を180℃で一晩撹拌する。溶媒を溜去し、ヘプタンとジクロロメタンの混合溶媒を溶出液として用いて、粗生成物をクロマトグラフィ処理して4.74g(85%)の10−2をベージュ色粉末として得る。この粉末はさらに精製することなく次の反応に用いる。
【0806】
中間体10−3
【0807】
【化191】
[この文献は図面を表示できません]
【0808】
10−2(3.89g、12.71mmol)及びヨードベンゼン(2.59g、12.71mmol)を65mLのトルエンに懸濁する。この懸濁液に、t−Bu
3P−HBF
4(295mg、1.02mmol)とPd
2(dba)
3(233mg、0.25mmol)を加え、得られた混合物をアルゴン雰囲気下で一晩還流する。反応混合物を室温に冷却し、濾過して固体を除く。濾液を濃縮し、ヘプタンとジクロロメタンの混合溶媒を溶出液として用いて、粗生成物をクロマトグラフィ処理して3.40g(85%)の10−3をベージュ色粉末として得る。この粉末はさらに精製することなく次の反応に用いる。
【0809】
化合物10
【0810】
【化192】
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【0811】
10−3(1.45g、3.79mmol)、1−4(1.07g、4.20mmol)、及びナトリウムt−ブトキシド(510mg、5.31mmol)を55mLのトルエンに加える。得られた混合物を脱気し、アルゴンガスで3回パージする。次いで、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(175mg、0.30mmol)とPd
2(dba)
3(174mg、0.19mmol)を加えた後、得られた混合物を80℃で7時間撹拌する。反応混合物を室温に冷却し、固体を濾取し、トルエンで洗浄する。ヘプタンとジクロロメタンの混合溶媒を溶出液として用いて、粗生成物をクロマトグラフィ処理して1.58g(70%)の化合物10を黄色粉末として得る。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 9.21-9.17 (m, 2H), 8.95-8.76 (m, 2H), 8.43-8.23 (m,1H), 8.13-7.72 (m, 5H), 7.67-7.20 (m, 9H), 7.05-6.72 (m, 5H)
LC-MS (m/z): 601 [M+1]
【0812】
化合物11
中間体11−1
【0813】
【化193】
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【0814】
1,3−ジクロロ−2−ニトロベンゼン(5.07g、26.54mmol)、ジベンゾフラン−4−ボロン酸(5.628g、26.54mmol)、Pd(PPh
3)
4(610mg、0.53mmol)、及びNa
2CO
3(8.51g、80.29mmol)を25mLのトルエン、5mLの1,2−ジメトキシエタン、及び5mLの水に加える。得られた混合物を12時間還流する。反応混合物を室温に冷却した後、水層をトルエンで抽出する。有機層をMgSO
4で乾燥した後、溶媒を溜去する。粗生成物をクロマトグラフィ処理して6.1g(71%)の11−1を白色固体として得る。
【0815】
中間体11−2
【0816】
【化194】
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【0817】
11−1(1.98g、6.15mmol)及びトリフェニルホスフィン(4.06g、15.49mmol)を50mLの1,2−ジクロロベンゼンに加え、得られた混合物を180℃で12時間撹拌する。反応混合物を室温に冷却する。粗生成物をクロマトグラフィ処理して1.2g(67%)の11−2を白色固体として得る。
【0818】
中間体11−3
【0819】
【化195】
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【0820】
11−2(2.6g、8.93mmol)、ビスピナコラートジボロン(6.8g、26.78mmol)、Pd
2(dba)
3(246mg、0.26mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(248mg、0.52mmol)、及び酢酸カリウム(256mg、2.6mmol)を45mLの1,4−ジオキサンに加える。得られた混合物を12時間還流する。反応混合物を室温に冷却した後、溶媒を溜去する。粗生成物をクロマトグラフィ処理して2.5g(74%)の11−3を白色固体として得る。
【0821】
中間体11−4
【0822】
【化196】
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【0823】
アルゴン雰囲気下で、11−3(2.52g、6.53mmol)、2−ブロモニトロベンゼン(1.31g、6.53mmol)、Pd(PPh
3)
4(130mg、0.53mmol)、及びNa
2CO
3(1.93g、19.75mmol)を15mLのトルエン、3mLの1,2−ジメトキシエタン、及び3mLの水に加える。得られた混合物を12時間還流する。反応混合物を室温に冷却した後、水層をトルエンで抽出する。有機層をMgSO
4で乾燥した後、溶媒を溜去する。粗生成物をクロマトグラフィ処理して2.0g(81%)の11−4を淡黄色固体として得る。
【0824】
中間体11−5
【0825】
【化197】
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【0826】
11−4(2.00g、5.30mmol)、ブロモベンゼン(827mg、5.30mmol)、及びナトリウムt−ブトキシド(713mg、7.42mmol)を30mLのトルエンに加える。得られた混合物を脱気し、アルゴンガスで3回パージする。次いで、t−Bu
3P−HBF
4(123mg、0.42mmol)とPd
2(dba)
3(98mg、0.11mmol)を加えた後、混合物を80℃で一晩撹拌する。反応混合物を室温に冷却し、固体を濾取し、トルエン及びエタノールで洗浄する。粗生成物を昇華により精製して1.30g(54%)の11−5を淡黄色粉末として得る。
【0827】
中間体11−6
【0828】
【化198】
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【0829】
11−5(1.98g、6.15mmol)及びトリフェニルホスフィン(4.06g、15.49mmol)を50mLの1,2−ジクロロベンゼンに加え、得られた混合物を180℃で12時間撹拌する。反応混合物を室温に冷却する。粗生成物をクロマトグラフィ処理して262mg(62%)の11−6を白色固体として得る。
【0830】
化合物11
【0831】
【化199】
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【0832】
1−4(1.40g、5.50mmol)、11−6(2.10g、5.00mmol)、及びナトリウムt−ブトキシド(673mg、7.00mmol)を60mLのトルエンに加える。得られた混合物を脱気し、アルゴンガスで3回パージする。次いで、t−Bu
3P−HBF
4(116mg、0.40mmol)とPd
2(dba)
3(92mg、0.10mmol)を加えた後、得られた混合物を80℃で一晩撹拌する。反応混合物を室温に冷却し、固体を濾取し、トルエン及びエタノールで洗浄する。粗生成物を昇華により精製して2.30g(72%)の化合物11を黄色粉末として得る。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ8.92-8.85 (m, 2H), 8.69-8.60 (m, 1H), 8.50-8.40 (m,1H), 8.18-8.05 (m, 2H), 7.99 (t, J = 8.2 Hz, 1H), 7.81 (ddd, J = 8.8, 7.3, 1.7 Hz, 1H), 7.74-7.29 (m, 11H), 6.75 (br, 5H)
LC-MS (m/z): 640 [M]
【0833】
化合物12
中間体12−1
【0834】
【化200】
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【0835】
3−ブロモ−2−ニトロアニリン(21.70g、100.0mmol)、ジベンゾフラン−4−ボロン酸(21.20g、100.0mmol)及びリン酸カリウム(42.45g、200.0mmol)を200mLのテトラヒドロフラン及び50mLの水に溶解する。得られた混合物を脱気し、アルゴンガスで3回パージする。トリ−t−ブチルホスホニウムテトラフルオロホウ酸塩(290mg、1.0mmol)とPd
2(dba)
3(458mg、0.5mmol)を加えた後、得られた混合物を1.5時間還流する。室温に冷却した後、200mLの水と200mLのトルエンを加え、濾過する。濾液を分液漏斗に移し、相分離し、水層をトルエンで抽出する。有機層を食塩水で洗い、Na
2SO
4で乾燥し、溶媒を溜去する。ヘプタン/トルエンを溶出液として用いて、粗生成物をクロマトグラフィ処理して29.57g(97%)の12−1を固体として得る。
【0836】
中間体12−2
【0837】
【化201】
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【0838】
12−1(13.99g、46.0mmol)及び炭酸セシウム(29.97g、92.0mmol)を150mLのトルエンに懸濁し、脱気し、アルゴンガスでパージする。1−ブロモ−2−クロロベンゼン(8.81g、46.0mmol)を加えた後、アルゴンで15分間バブリングする。Rac−BINAP(859mg、1.38mmol)とPd
2(dba)
3(842mg、0.92mmol)を加え、得られた混合物を15時間還流する。室温に冷却した後、懸濁液を濾過し、濾液を溜去する。ヘプタン/トルエンを溶出液として用いて、粗生成物をクロマトグラフィ処理して17.40g(91%)の12−2を固体として得る。
【0839】
中間体12−3
【0840】
【化202】
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【0841】
12−2(415mg、1.00mmol)及び炭酸カリウム(276mg、2.00mmol)を8mLのo−キシレンに懸濁し、脱気し、アルゴンガスでパージする。次いで、アルゴンを15分間バブリングする。トリシクロヘキシルホスフィン(34mg、0.12mmol)と酢酸パラジウム(II)(13mg、0.06mmol)を加えた後、得られた混合物を21時間還流する。室温に冷却した後、懸濁液を濾過し、濾液を溜去する。ヘプタン/トルエンを溶出液として用いて、粗生成物をクロマトグラフィ処理して216mg(57%)の12−3を固体として得る。
【0842】
中間体12−4
【0843】
【化203】
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【0844】
12−3(5.11g、13.50mmol)、ヨードベンゼン(12.39g、60.75mmol)、銅(642mg、10.10mmol)及び炭酸カリウム(5.59g、40.50mmol)を55mLのニトロベンゼンに懸濁する。得られた混合物を200℃で43時間撹拌し、室温に冷却し、溶媒を真空で溜去する。残渣を100mLの水及び130mLのトルエンと共に撹拌し濾過する。濾液を分液漏斗に移し、相分離する。水層をトルエンで抽出する。有機層を食塩水で洗い、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、溶媒を溜去する。ヘプタン/トルエンを溶出液として用いて、粗生成物をクロマトグラフィ処理して4.97g(81%)の12−4を固体として得る。
【0845】
中間体12−5
【0846】
【化204】
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【0847】
12−4(4.99g、11.00mmol)及びトリフェニルホスフィン(43.28g、165.0mmol)を混合し、200℃に加熱する。得られた溶液を200℃で64時間撹拌し、室温に冷却する。ヘプタン/トルエンを溶出液として用いて、褐色の固体をクロマトグラフィで処理して3.96g(85%)の12−5を固体として得る。
【0848】
化合物12
【0849】
【化205】
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【0850】
1−4(1.17g、4.60mmol)、12−5(1.69g、4.00mmol)、及びナトリウムt−ブトキシド(589mg、6.00mmol)を30mLのトルエンに懸濁する。得られた混合物を脱気し、アルゴンガスでパージし、アルゴンを15分間バブリングする。4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(139mg、0.24mmol)とPd
2(dba)
3(110mg、0.12mmol)を加えた後、得られた混合物を1時間還流する。室温に冷却した後、100mLの水と30mLのトルエンを加え、反応混合物を濾過する。濾液を分液漏斗に移し、相分離する。水相をトルエンで抽出し、有機相を食塩水で洗い、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、溶媒を溜去する。ヘプタン/トルエンを溶出液として用いて、粗生成物をクロマトグラフィ処理して2.33g(91%)の化合物12を黄色固体として得る。
LC-MS (m/z): 640 [M]
【0851】
化合物13
【0852】
【化206】
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【0853】
1−4(1.40g、5.50mmol)、6−フェニル−5,6−ジヒドロベンゾフロ[2,3−c]インドロ[2,3−a]カルバゾール(2.10g、5.00mmol)、及びナトリウムt−ブトキシド(673mg、7.00mmol)を50mLのトルエンに加える。得られた混合物を脱気し、アルゴンガスで3回パージする。次いで、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(231mg、0.40mmol)とPd
2(dba)
3(230mg、0.25mmol)を加えた後、得られた混合物を80℃で一晩撹拌する。反応混合物を室温に冷却し、固体を濾取し、トルエン及びエタノールで洗浄する。ヘプタンとジクロロメタンの混合溶媒を溶出液として用いて、粗生成物をカラムクロマトグラフィにより精製し1.94g(60%)の化合物13を黄色粉末として得る。
LC-MS (m/z): 641 [M+1]
【0854】
化合物14
【0855】
【化207】
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【0856】
1−4(1.50g、5.87mmol)、9−フェニル−9H,9’H−2,3’−ビカルバゾール(2.00g、4.90mmol)、及びナトリウムt−ブトキシド(659mg、6.85mmol)を33mLのトルエンに加える。得られた混合物を脱気し、アルゴンガスで3回パージする。次いで、t−Bu
3P−HBF
4(114mg、0.39mmol)とPd
2(dba)
3(90mg、0.10mmol)を加えた後、得られた混合物を80℃で17時間撹拌する。反応混合物を室温に冷却し、固体を濾取し、トルエン及びエタノールで洗浄する。粗生成物をクロロホルム及びエタノールを用いて再結晶して3.02g(98%)の化合物14を黄色粉末として得る。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 9.14-9.04 (m, 2H), 8.67 (dd, J = 8.0, 1.7 Hz, 1H), 8.36 (dd, J = 1.9, 0.6 Hz, 1H), 8.28 (dd, J = 8.1, 0.7 Hz, 1H), 8.24-8.14 (m, 2H), 7.96-7.84 (m, 2H), 7.80-7.67 (m, 7H), 7.66-7.31 (m, 9H), 7.21 (dd, J = 8.0, 0.8 Hz, 1H)
LC-MS (m/z): 627 [M+1]
【0857】
化合物15
【0858】
【化208】
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【0859】
1−4(1.01g、3.97mmol)、9−フェニル−9H,9’H−2,2’−ビカルバゾール(1.35g、3.31mmol)、及びナトリウムt−ブトキシド(445mg、4.63mmol)を22mLのトルエンに加える。得られた混合物を脱気し、アルゴンガスで3回パージする。次いで、t−Bu
3P−HBF
4(77mg、0.26mmol)をPd
2(dba)
3(61mg、0.07mmol)を加えた後、得られた混合物を80℃で一晩撹拌する。反応混合物を室温に冷却し、固体を濾取し、トルエン及びエタノールで洗浄する。粗生成物をクロロホルム及びエタノールを用いて再結晶して1.69g(67%)の化合物15を黄色粉末として得る。
LC-MS (m/z): 627 [M+1]
【0860】
化合物16
中間体16−1
【0861】
【化209】
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【0862】
WO2011086941に記載の方法で合成した16−0(3.00g、8.40mmol)、2−クロロアニリン(1.07g、8.40mmol)、及びナトリウムt−ブトキシド(1.61g、16.80mmol)を20mLのトルエンに加える。得られた混合物を脱気し、アルゴンガスで3回パージする。次いで、t−Bu
3P−HBF
4(244mg、0.84mmol)とPd
2(dba)
3(384mg、0.42mmol)を加えた後、得られた混合物を一晩還流する。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈する。濾過して固体を除き、ヘプタンとジクロロメタンの混合溶媒を溶出液として用いて、粗生成物をクロマトグラフィ処理して2.47g(80%)の16−1をベージュ色粉末として得る。
LC-MS (m/z): 369 [M+1]
【0863】
化合物16
【0864】
【化210】
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【0865】
16−1(1.47g、4.00mmol)、1−4(1.22g、4.80mmol)、及びナトリウムt−ブトキシド(538mg、5.60mmol)を27mLのトルエンに加える。得られた混合物を脱気し、アルゴンガスで3回パージする。次いで、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(93mg、0.16mmol)とPd
2(dba)
3(73mg、0.07mmol)を加えた後、得られた混合物を80℃で一晩撹拌する。反応混合物を室温に冷却し、固体を濾取し、トルエン及びエタノールで洗浄する。粗生成物をクロロホルム及びエタノールを用いて再結晶して2.33g(99%)の化合物16を黄色粉末として得る。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 9.14-9.06 (m, 1H), 8.94-8.86 (m, 1H), 8.81-8.74 (m, 2H), 8.52 (td, J = 8.1, 1.0 Hz, 1H), 8.25 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 8.21-8.10 (m, 2H), 8.05-7.94 (m, 3H), 7.89-7.59 (m, 7H), 7.51(ddd, J = 8.4, 6.9, 1.3 Hz, 1H), 7.44-7.36 (m, 2H), 7.35-7.18 (m, 2H)
LC-MS (m/z): 586 [M+1]
【0866】
化合物17
【0867】
【化211】
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【0868】
1−4(1.77g、6.95mmol)、7,7−ジメチル−5,7−ジヒドロインデノ[2,1−b]カルバゾール(1.79g、6.32mmol)、及びナトリウムt−ブトキシド(850mg、8.84mmol)を50mLのトルエンに加える。得られた混合物を脱気し、アルゴンガスで3回パージする。次いで、t−Bu
3P−HBF
4(147mg、0.51mmol)とPd
2(dba)
3(116mg、0.13mmol)を加えた後、混合物を80℃で4時間撹拌する。反応混合物を室温に冷却し、固体を濾取し、トルエン及びエタノールで洗浄する。粗生成物をクロロホルム及びヘプタンを用いて再結晶して1.8g(57%)の化合物17を黄色粉末として得る。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 9.09 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 8.97 (dd, J = 8.3, 2.8 Hz, 1H), 8.63 (d, J = 3.4 Hz, 1H), 8.26 (dd, J = 8.0, 2.6 Hz, 1H), 8.03-7.88 (m, 2H), 7.83-7.67 (m, 1H), 7.67-7.31 (m, 8H), 7.25-7.23 (br, 1H), 1.61 (s, 6H)
LC-MS (m/z): 501 [M]
【0869】
化合物18
中間体18−1
【0870】
【化212】
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【0871】
9−ブロモ−7,7−ジメチル−7H−ベンゾ[c]フルオレン(10.70g、33.10mmol)、2−クロロアニリン(4.23g、33.10mmol)、及びナトリウムt−ブトキシド(9.34g、66.20mmol)を110mLのトルエンに加える。得られた混合物を脱気し、アルゴンガスでパージする。次いで、t−Bu
3P−HBF
4(418mg、1.44mmol)とPd
2(dba)
3(659mg、0.72mmol)を加えた後、得られた混合物を110℃で1時間撹拌する。反応混合物を室温に冷却し、トルエンで希釈する。濾過して固体を除き、濾液を濃縮する。ヘプタンとトルエンの混合溶媒を溶出液として用いて、粗生成物をクロマトグラフィ処理して4.44g(36%)の18−1をベージュ色粉末として、及び6.21g(56%)の18−2をベージュ色粉末として得る。
【0872】
中間体18−2
【0873】
【化213】
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【0874】
18−1(6.2g、13.95mmol)及び炭酸カリウム(4.65g、33.65mmol)を90mLのジメチルアセトアミドに懸濁する。この懸濁液に、PCy
3−HBF
4(248mg、0.67mmol)とPd(OAc)
2(62mg、0.27mmol)を加え、得られた混合物を135℃で4.5時間撹拌する。反応混合物を室温に冷却し、濾過して固体を除く。濾液を濃縮し、粗生成物をヘプタンと酢酸エチルの混合溶媒を用いて再結晶して3.54g(63%)の18−2をベージュ色粉末として得る。
【0875】
化合物18
【0876】
【化214】
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【0877】
1−4(2.80g、11.00mmol)、18−2(3.33g、10.00mmol)、及びナトリウムt−ブトキシド(1.06g、11.00mmol)を50mLのトルエンに加える。得られた混合物を脱気し、アルゴンガスで3回パージする。次いで、t−Bu
3P−HBF
4(232mg、0.80mmol)とPd
2(dba)
3(183mg、0.20mmol)を加えた後、得られた混合物を80℃で17時間撹拌する。反応混合物を室温に冷却し、固体を濾取し、メタノールで洗浄する。粗生成物を窒素雰囲気下でジメチルスルホキシドを用いて再結晶して4.27g(78%)の化合物18を黄色粉末として得る。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 9.21 (s, 1H), 9.13-9.06 (m, 1H), 9.04-9.02 (m, 2H), 8.77-8.69 (m, 1H), 8.36-8.29 (m, 1H), 8.02 (dd, J = 8.3, 1.3 Hz, 1H), 7.98-7.85 (m, 2H), 7.83-7.67 (m, 4H), 7.63-7.57 (m, 2H), 7.54-7.41 (m, 3H), 7.24 (dd, J = 8.1, 0.8 Hz, 1H)), 1.75 (s, 6H)
LC-MS (m/z): 551 [M]
【0878】
化合物19
【0879】
【化215】
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【0880】
1−4(0.64g、2.52mmol)、2−(9H−カルバゾール−3−イル)−5−フェニル−5H−ベンゾ[b]カルバゾール(1.05g、2.29mmol)、及びナトリウムt−ブトキシド(308mg、3.2mmol)を23mLのトルエンに加える。得られた混合物を脱気し、アルゴンガスで3回パージする。次いで、t−Bu
3P−HBF
4(53mg、0.18mmol)とPd
2(dba)
3(42mg、0.05mmol)を加えた後、得られた混合物を80℃で一晩撹拌する。反応混合物を室温に冷却し、固体を濾取し、メタノールで洗浄する。粗生成物クロロホルムとエタノールを用いて再結晶して1.45g(94%)の化合物19を黄色粉末として得る。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 9.17-9.06 (m, 2H), 8.73 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 8.70-8.61 (m, 2H), 8.42 (dd, J = 2.0, 0.6 Hz, 1H), 8.21 (ddd, J = 7.7, 1.3, 0.6 Hz, 1H), 8.16-8.08 (m, 1H), 8.00-7.83 (m, 4H), 7.82-7.36 (m, 15H), 7.17 (dd, J = 8.0, 0.8 Hz, 1H)
LC-MS (m/z): 677 [M+1]
【0881】
化合物20
中間体20−1
【0882】
【化216】
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【0883】
3−ブロモカルバゾール(7.87g、32.00mmol)、[9−(2−ナフチル)カルバゾール−3−イル]ボロン酸(11.33g、33.60mmol)及びリン酸カリウム(16.98g、80.00mmol)を120mLのテトラヒドロフラン及び30mLの水に溶解する。得られた混合物を脱気し、アルゴンガスでパージし、次いで、アルゴンガスを15分間バブリングする。トリ−t−ブチルホスホニウムテトラフルオロホウ酸塩(371mg、1.28mmol)とPd
2(dba)
3(586mg、0.64mmol)を加えた後、得られた混合物を2時間還流する。室温に冷却した後、100mLの水を加え、反応混合物を濾過する。濾液を分液漏斗に移し、トルエンで2回抽出する。有機層を食塩水で洗い、Na
2SO
4で乾燥し、溶媒を溜去する。粗生成物をTHFに懸濁し、15分間加熱還流する。その後、室温に冷却し、濾過し、残留物を真空乾燥して9.84g(67%)の20−1を白色粉末として得る。
LC-MS: 458 [M]
【0884】
化合物20
【0885】
【化217】
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【0886】
1−4(1.54g、6.05mmol)、20−1(2.52g、5.50mmol)及びナトリウムt−ブトキシド(809mg、8.25mmol)を50mLのトルエンに懸濁する。得られた混合物を脱気し、アルゴンガスでパージし、次いで、アルゴンガスをバブリングする。4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(127mg、0.22mmol)とPd
2(dba)
3(101mg、0.11mmol)を加え、得られた混合物を80℃で2時間加熱する。室温に冷却した後、固体を濾取し、トルエン及びエタノールで洗浄する。粗生成物をクロロベンゼンを用いて再結晶して2.57g(69%)の化合物20を黄色固体として得る。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 9.10-9.07 (m, 2H), 8.58 (dd, J = 7.9, 1.7 Hz, 1H), 8.54 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 8.37 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 8.30 (dd, J = 7.7, 1.0 Hz, 1H), 8.17 (dd, J = 7.8, 1.3 Hz, 1H), 8.13-8.11 (m, 2H), 8.02 (dt, J = 7.0, 3.6 Hz, 1H), 7.96 (dt, J = 7.0, 3.4 Hz, 1H), 7.90 (dd, J = 8.7, 2.0 Hz, 1H), 7.84-7.82 (m, 2H), 7.75 (dd, J = 8.7, 2.0 Hz, 1H), 7.68-7.32 (m, 12H), 7.11 (d, J = 8.0 Hz, 1H)
LC-MS (m/z): 676 [M]
【0887】
化合物21
中間体21−1
【0888】
【化218】
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【0889】
フェニルヒドラジン塩酸塩(8.03g、55.5mmol)を280mlのEtOH及び32mLの酢酸に溶解する。得られた混合物を80℃で15分間撹拌する。その後、6−ブロモ−2−テトラロン(12.5g、55.5mmol)をこの溶液に滴下し、得られた混合物を85℃で20時間撹拌する。反応混合物からEtOHを溜去する。得られた溶液に100mlのH
2Oを加え、濾過して粗生成物を得る。ヘプタンとジクロロメタンの混合溶媒を溶出液として用い、粗生成物をカラムクロマトグラフィにより精製し、さらにヘキサンで洗浄して11.7g(71%)の21−1を白色粉末として得る。
LC-MS (m/z): 298 [M+1]
【0890】
中間体21−2
【0891】
【化219】
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【0892】
21−1(11.7g、39.2mmol)及びクロラニル(13.5g、54.9mmol)を80mLのキシレンに加える。得られた混合物を130℃で20時間撹拌する。反応混合物を室温に冷却し、セライトパッドを通して濾過し、CH
2Cl
2で十分に洗浄する。得られた溶液を蒸発させて粗生成物を得る。ヘプタンとジクロロメタンの混合溶媒を溶出液として用いて、粗生成物をCombiFlashにより精製し、さらにヘキサンで洗浄して9.87g(85%)の21−2を白色固体として得る。
LC-MS (m/z): 296 [M+1]
【0893】
中間体21−3
【0894】
【化220】
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【0895】
21−2(8.00g、27.0mmol)、ヨードベンゼン(11.0g、54.0mmol)、CuI(5.14g、54.0mmol)、K
3PO
4(11.5g、54.0mmol)及びシクロヘキサンジアミン(6.17g、54.0mmol)を135mLの1,4−ジオキサンに加え、N
2雰囲気下で5分間脱気する。得られた混合物を115℃で24時間加熱する。反応混合物を室温に冷却し、セライトパッドを通して濾過し、酢酸エチルで十分に洗浄する。濾液を蒸発させて粗生成物を黒色オイルとして得る。ヘプタンとジクロロメタンの混合溶媒を溶出液として用いて、粗生成物をCombiFlashにより精製し、さらにヘキサンで洗浄して5.56g(55%)の21−3を白色固体として得る。
LC-MS (m/z): 372 [M+1]
【0896】
中間体21−4
【0897】
【化221】
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【0898】
21−3(5.50g、14.8mmol)を3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)カルバゾール(3.91g、13.3mmol)、Pd(dppf)Cl
2(0.604g、0.740mmol)、及び2MのNa
2CO
3水溶液(14ml)とトルエン/EtOH(30ml、2:1混合溶液)中で混合し、N
2雰囲気下で5分間脱気する。得られた混合物を90℃で12時間加熱する。反応混合物を室温に冷却し、セライトパッドを通して濾過し、ジクロロメタンで十分に洗浄する。得られた溶液を蒸発させて粗生成物を黒色オイルとして得る。ヘプタンとジクロロメタンの混合溶媒を溶出液として用いて、粗生成物をCombiFlashにより精製し、さらにメタノールで洗浄して4.25g(70%)の21−4を白色固体として得る。
LC-MS (m/z): 459 [M+1]
【0899】
化合物21
【0900】
【化222】
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【0901】
21−4(2.35g、5.12mmol)、1−4(1.10g、4.32mmol)、及びナトリウムt−ブトキシド(984mg、10.2mmol)を25mLのキシレンに加える。得られた混合物を脱気し、アルゴンガスで3回パージする。次いで、t−Bu
3P−HBF
4(297mg、1.02mmol)とPd
2(dba)
3(234mg、0.256mmol)を加えた後、得られた混合物を130℃で24時間撹拌する。反応混合物を室温に冷却し、セライトパッドを通して濾過し、THFで十分に洗浄する。濾液を蒸発させて粗生成物を黒色オイルとして得る。ヘプタンとTHFの混合溶媒を溶出液として用いて、粗生成物をCombiFlashにより精製し、さらにMeOHで洗浄して2.50g(72%)の化合物21を黄色固体として得る。
LC-MS (m/z): 677 [M+1]
【0902】
化合物22
中間体22−1
【0903】
【化223】
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【0904】
2−アミノ−6−ニトロ安息香酸(8.38g、46.00mmol)を35mLの硫酸に溶解し、得られた溶液を5℃に冷却する。この溶液に、4.4gの亜硝酸ナトリウムを26mLの水に溶解した溶液を滴下する。得られた混合物を撹拌下のベンゼンチオール溶液([4.97g、45.08mmol]/85mLの35%NaOH溶液)に投入し、混合物を95℃で一晩撹拌する。反応混合物をトルエンで抽出し、水層を濃HClで酸性にする。次いで、これを酢酸エチルで抽出し、MgSO
4で乾燥した後、有機層を蒸発させる。トルエン、エタノール、及び酢酸の混合溶媒を溶出液として用いて、粗生成物をカラムクロマトグラフィにより精製し5.66g(41%)の中間体22−1を得る。この中間体は、さらに精製することなく次の反応で使用する。
【0905】
中間体22−2
【0906】
【化224】
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【0907】
22−1(5.77g、20.96mmol)をポリリン酸(42g)と14mLの酢酸に懸濁し、得られた混合物を140℃で1時間撹拌する。反応混合物を氷水に投入し、50%NaOH溶液でアルカリ性にする。生成した固体を濾取し、クロロホルムで十分に洗浄する。濾液を濃縮した後、クロロホルムを溶出液として用い、粗生成物をカラムクロマトグラフィにより精製して1.17g(22%)の中間体22−2を得る。
LC-MS (m/z) 258
【0908】
中間体22−3
【0909】
【化225】
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【0910】
22−2(1.6g、6.13mmol)を25mLの酢酸に懸濁し、得られた混合物を50℃に加熱する。この混合物に鉄(1.74g、31.10mmol)及び6mLの水を加え、混合物を100℃で35分間撹拌する。反応混合物を室温に冷却した後、2M Na
2CO
3でアルカリ性にし、クロロホルムで抽出する。Na
2SO
4で乾燥した後、有機層を濃縮する。クロロホルムを溶出液として用い、粗生成物をカラムクロマトグラフィにより精製して1.74g(92%)の中間体22−3を得る。
LC-MS (m/z) 228
【0911】
中間体22−4
【0912】
【化226】
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【0913】
22−3(1.61g、7.08mmol)を71mLの酢酸及び6mLの水に懸濁する。シアン酸ナトリウム(0.69g、10.63mmol)を加えた後、得られた混合物を室温で45分間撹拌する。反応混合物を142mLの水で希釈して固体を生成させる。固体を濾取して1.74g(85%)の中間体23−4を得る。この中間体はさらに精製することなく次の反応に用いる。
【0914】
中間体22−5
【0915】
【化227】
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【0916】
22−4(1.74g、6.44mmol)を805mLのエタノール及び水酸化カリウム(0.80g、14.16mmol)に懸濁する。得られた混合物を85℃で35分間撹拌する。反応混合物を室温に冷却し、14mLの1N HClを加える。次いで、溶媒を溜去して中間体22−5を得る。この粗生成物はさらに精製することなく次の反応に用いる。
【0917】
中間体22−6
【0918】
【化228】
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【0919】
22−5(1.63g、6.47mmol)を24mLのトルエンに懸濁し、50℃に加熱する。これに、塩化ホスホリル(7.44g、48.52mmol)を滴下し、次いで、DBU(1.97g、12.94mmol)を滴下する。得られた混合物を一晩還流する。反応混合物を室温に冷却し、氷水に投入し、混合物を30分間撹拌する。水層をCHCl
3で抽出する。有機層を食塩水で洗い、Na
2SO
4で乾燥し、次いで、溶媒を溜去する。クロロホルムを溶出液として用い、粗生成物をカラムクロマトグラフィにより精製して901mg(51%)の中間体22−6を得る。
LC-MS (m/z) 271/273
【0920】
化合物22
【0921】
【化229】
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【0922】
23−6(898mg、3.32mmol)、3−(9H−カルバゾール−3−イル)−9−フェニル−カルバゾール(1.36g、3.32mmol)、及びナトリウムt−ブトキシド(446mg、4.64mmol)を27mLのトルエンに加える。得られた混合物を脱気し、アルゴンガスで3回パージする。次いで、t−Bu
3P−HBF
4(77mg、0.27mmol)とPd
2(dba)
3(61mg、0.06mmol)を加えた後、得られた混合物を週末を通じて80℃で撹拌する。反応混合物を室温に冷却し、固体を濾取し、固体をトルエン及びエタノールで十分に洗浄する。ヘプタンとクロロホルムの混合溶媒を溶出液として用い、これをフラッシュクロマトグラフィにより精製して1.09g(51%)の化合物22を黄色粉末として得る。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 9.01-8.86 (m, 3H), 8.81-8.67 (m, 2H), 8.42-8.40 (m, 2H), 8.04 (dd, J= 8.8, 2.0 Hz, 1H), 8.00-7.88 (m, 2H), 7.82-7.55 (m, 11H), 7.55-7.41 (m, 4H), 7.37-7.35 (m, 1H)
LC-MS (m/z): 677 [M+1]
【0923】
他の応用例
応用例4
ホスト(化合物1)を化合物3に代える以外は応用例1の操作を繰り返す。結果を表3に示す。
【0924】
比較応用例1
ホスト(化合物1)を比較2に代える以外は応用例1の操作を繰り返す。結果を表3に示す。
【0925】
【化230】
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【0926】
OLED性能評価
OLEDを評価するために、電子発光スペクトルを電流と電圧を変えて測定する。さらに、電流−電圧特性を輝度と共に測定し、発光効率と外部量子効率(EQE)を求める。駆動電圧U、EQE及びCommission Internationale de l'Eclairage(CIE)座標は、特に言及しない限り、10mA/cm
2で測定する。
【0927】
【表3】
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【0928】
結果を表3に示す。CIE値は電子発光が赤色発光化合物(化合物D)に由来することを示している。化合物3は比較2より低い駆動電圧と高いEQEを示す。
【0929】
応用例5
正孔輸送層を厚さ210nmの化合物B層(第1層)と厚さ10nmの化合物B’層(第2層)に代える以外は応用例1の操作を繰り返す。
【0930】
【化231】
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【0931】
応用例6〜21
ホスト(化合物1)を化合物6〜13及び15〜22に代える以外は応用例5の操作を繰り返す。結果を表4に示す。
【0932】
比較応用例2
ホスト(化合物1)を比較1に代える以外は応用例5の操作を繰り返す。結果を表4に示す。
【0933】
【表4】
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【0934】
結果を表4に示す。CIE値は電子発光が赤色発光化合物(化合物D)に由来することを示している。表4の結果は、表に記載の新規化合物が、比較1よりも低い駆動電圧を示すことを証明している。