(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記水素引抜型の光重合開始剤が、(メタ)アクリル酸エステル系(共)重合体100質量部に対して、0.1〜10質量部の範囲で含有される、請求項3に記載の紫外線硬化型画像表示装置構成部材用透明両面粘着シート。
前記(メタ)アクリル酸エステル系(共)重合体を構成するモノマーの一つが、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリート、イソオクチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸、グリシジルアクリレート、アクリルアミド、アクリルニトリル、メタクリロニトリル、フッ素アクリレート及びシリコーンアクリレートから選ばれるいずれかである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の紫外線硬化型画像表示装置構成部材用透明両面粘着シート。
前記2つの画像表示構成部材のうち、保護パネルがプラスチック製であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の紫外線硬化型画像表示装置構成部材用透明両面粘着シート。
前記粘着剤組成物は、前記架橋剤を、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体100質量部に対して0より大きく30質量部より小さい範囲で含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の紫外線硬化型画像表示装置構成部材用透明両面粘着シート。
前記(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の質量平均分子量(MW)が10万〜70万であり、かつ、質量平均分子量(MW)/数平均分子量(MN)が5〜10である請求項1〜8のいずれか一項に記載の紫外線硬化型画像表示装置構成部材用透明両面粘着シート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態の一例について説明するが、本発明が下記実施形態に制限されるものではない。
【0015】
<画像表示装置構成用積層体の製造方法>
本実施形態に係る画像表示装置構成用積層体の製造方法(以下「本製造方法」と称する)は、透明両面粘着シート(以下、「本粘着シート」と称する)を介して画像表示装置構成部材が積層されてなる構成を備えた画像表示装置構成用積層体の製造方法であって、少なくとも次の(1)及び(2)の工程を有することを特徴とする画像表示装置構成用積層体(以下、「本積層体」と称する)の製造方法である。
(1) 粘着剤組成物を単層又は多層のシート状に形成し、これを紫外線架橋して1次硬化させることにより2次硬化前透明両面粘着シートを形成する工程。
(2) 2次硬化前透明両面粘着シートを介して2つの画像表示装置構成部材を積層した後、少なくとも一方の画像表示装置構成部材側から紫外線を照射し、この部材を介して、前記2次硬化前透明両面粘着シートを紫外線架橋させて2次硬化させる工程。
【0016】
従前に開示されていた方法では、光硬化性と熱硬化性を併せ持つ粘着材料を使用して、架橋手段の異なる1次硬化と2次硬化とを行っていたが、熱硬化のために添加される有機過酸化物やイソシアネート化合物、エポキシ化合物やアミン化合物等の熱硬化剤が加工時組成物のゲル化の原因となる他、反応分解物による発泡や被着体の酸化腐食等の問題を引き起こすおそれがある。これに対し、本製造方法では、1次硬化と2次硬化をいずれも紫外線架橋によって行うため、このような熱硬化工程に係る懸念事項を無くすことができる。
また、本製造方法によれば、前記工程(1)で得られる2次硬化前透明両面粘着シートは、さらに紫外線架橋される余地を残しており、それだけ柔軟であるから、被着体の表面に凹凸があったり、粘着界面に異物等が存在したりしても、これらの凹凸に十分に追従して馴染んで濡れて好適に密着することができる。そして、前記工程(2)において、2次硬化させることにより、しっかりと架橋させることができ、例えば保護パネル等から発生するアウトガスのガス圧に対して十分に対抗できるだけの粘着力と凝集力を持たせることができる。
【0017】
<粘着剤組成物>
先ず、本製造方法において、単層の透明両面粘着シートを形成するのに好適に用いることができる粘着剤組成物の一例(以下、「本粘着剤組成物」と称する)について説明する。但し、あくまでも一例であって、これに限定されるものではない。
【0018】
本製造方法では、1回目の紫外線照射時には、潜在的な紫外線反応性を有するように、言い換えれば紫外線反応性を残すように、粘着剤組成物を紫外線架橋することが重要である。
また、溶剤を含まない無溶剤系であって、粘着剤組成物をホットメルトによって製膜することが好ましい。
【0019】
このように、ホットメルト成形可能であって、且つ、紫外線反応性を残すように粘着剤組成物を紫外線架橋させる手段としては、例えば、所定範囲の分子量を有するベースポリマーを使用し、かつ、架橋開始剤として分子間水素引抜型光重合性開始剤を使用し、且つ、架橋剤の量を少なくするという手段を挙げることができる。但し、このような手段に限定するものではない。
【0020】
(ベースポリマー)
本粘着剤組成物は、粘着性、透明性及び耐候性などの観点から、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(共重合体を含む意で、以下「アクリル酸エステル系(共)重合体」と称する。)をベース樹脂として用いるのが好ましい。
【0021】
ベース樹脂としての、アクリル酸エステル系(共)重合体は、これを重合するために用いるアクリルモノマーやメタクリルモノマーの種類、組成比率、さらには重合条件等を適宜選択することによって、ガラス転移温度(Tg)や分子量等の物性を適宜調整して調製することが可能である。
【0022】
アクリル酸エステル(共)重合体を重合するために用いるアクリルモノマーやメタクリルモノマーとしては、例えば2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリート、イソオクチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、メチルアクリレート等を挙げることができる。これらに親水基や有機官能基などをもつ酢酸ビニル、ヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸、グリシジルアクリレート、アクリルアミド、アクリルニトリル、メタクリロニトリル、フッ素アクリレート、シリコーンアクリレートなども用いることができる。
これらのモノマーを用いた重合処理としては、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合などの公知の重合方法が採用可能であり、その際に重合方法に応じて熱重合開始剤や光重合開始剤などの重合開始剤を用いることによりアクリル酸エステル共重合体を得ることができる。
【0023】
本粘着剤組成物は、非溶剤系、すなわち溶剤を含まず、ホットメルト成形可能であり、1次硬化させた段階で、適当な粘着力を有し、かつ、被着体表面の凹凸や異物に追随できる柔軟性を有しているのが好ましい。ベースポリマーの分子量が大きすぎても、小さ過ぎても、ホットメルトによって製膜することはできない。また、ベースポリマーの分子量が小さ過ぎると、1次硬化させても、粘着力を発揮しなかったり、柔らか過ぎてハンドリング性に劣っていたりする可能性があり、逆に分子量が大き過ぎると、1次硬化させた段階で硬くなり、被着体表面の凹凸や異物に追随できない可能性がある。
よって、かかる観点から、ベースポリマーの質量平均分子量は10万〜70万、特に20万以上、或いは60万以下、中でも特に25万以上或いは50万以下であるアクリル酸エステル系(共)重合体を用いるのが好ましい。
【0024】
その中でも、質量平均分子量(MW)/数平均分子量(MN)が5〜10、中でも6以上或いは9以下のアクリル酸エステル系(共)重合体を用いるのがさらに好ましい。質量平均分子量/数平均分子量が大きいということは、分子量分布が広いことを意味しており、この値が5〜10程度に大きければ、低分子量成分及び高分子量成分のそれぞれが流動性や濡れ性、凝集力といった分子量見合いの性能に寄与するため、分子量分布が狭い(均一の)ものより、加工性や粘着性能が良くなる傾向がある。
【0025】
また、アクリル酸エステル系(共)重合体の中でも、アクリル酸エステルランダム共重合体、その中でも、ランダム共重合体を構成する各モノマー成分のガラス転移温度(Tg)、すなわちアクリルエステルランダム共重合体を構成する各モノマー成分について、其々単一のモノマーだけで重合させたポリマーのガラス転移温度(Tg)の差が大きい2種類のモノマーを含むアクリル酸エステルランダム共重合体を用いるのが好ましい。
この際、2種類のモノマー成分のガラス転移温度(Tg)の差は25〜300℃であるのが好ましく、特に40℃以上或いは200℃以下、中でも特に60℃以上或いは180℃以下、さらには100℃以上或いは180℃以下であるのがより一層好ましい。
具体的には、一方のモノマー成分のガラス転移温度(Tg)が−100〜0℃、特に−80〜−20℃であり、他方のモノマー成分のガラス転移温度(Tg)が0〜250℃、特に20〜180℃であるのが好ましい。
ガラス転移温度(Tg)が低い方のモノマー成分、例えばTgが−100〜0℃であるモノマー成分としては、側鎖の炭素数が2以上、特に4以上のアクリル酸エステルを用いるのが好ましい。
他方、ガラス転移温度(Tg)が高いモノマー成分、例えばTgが0〜250℃であるモノマー成分としては、側鎖に炭素数が2以下の炭化水素の他、脂環構造、ヘテロ環、芳香族等の環構造や、カルボシル基、水酸基、アミノ基、アミド基、グリシジル基、アセチル基、イソシアネート基などの官能基を有するビニルモノマーもしくは(メタ)アクリルモノマーなどを用いるのが好ましい。
【0026】
ベースポリマーとしてのアクリル酸エステル系共重合体において、Tgが高いモノマー成分(すなわち、そのモノマーを単独でポリマー化した時のガラス転移温度が高いモノマー)と、Tgが低いモノマー成分(すなわち、そのモノマーを単独でポリマー化した時のガラス転移温度が低いモノマー)との比率を調製することで、透明両面粘着シートの押込硬度を調整することができる。例えば押込硬度を高くするには、Tgが高いモノマー成分の含有量を増やせばよい。逆に柔軟にする場合には、Tgが低いモノマー成分の含有量を増やせばよい。
また、可塑剤によって柔軟にして硬度を下げたり、オリゴマー等の添加剤をもって硬度を適宜調整したりすることもできる。
【0027】
(架橋剤)
アクリル酸エステル系(共)重合体を架橋する際に用いる架橋モノマー(架橋剤)としては、例えば(メタ)アクリロイル基を2個以上有する多官能(メタ)アクリレートが好ましい。
【0028】
架橋剤の量に関しては、架橋剤の量が多いと反応が急速に進み反応制御が困難となる為、架橋剤の量を調整して、架橋を途中でも止められるようにするのが好ましい。
かかる観点から、架橋剤の量は、ベースポリマー100質量部に対して0〜30質量部、特に20質量部以下、中でも10質量部以下、その中でも特に5質量部以下とするのが好ましい。
なお、架橋剤の量をこのように減らすことができるのは、架橋開始剤として分子間水素引抜型光重合性開始剤を使用しているからでもある。
【0029】
(架橋開始剤)
本粘着剤組成物に用いる架橋開始剤としては、分子間水素引抜型光重合性開始剤(「水素引抜型光開始剤」とも称する)を採用することが重要である。
【0030】
光重合開始剤は、光照射によりラジカルを発生させて系中の重合反応の起点となるが、(メタ)アクリロイル基やビニル基の反応性ラジカル発生機構は大きく2つに分類され、自身の単結合を開裂し分解してラジカルを発生させる分子内開裂型と、系中の水酸基などから水素を励起させラジカルを発生させる水素引抜型とがある。
分子内開裂型は、光照射によってラジカルを発生する際、分解して別の化合物となるため、一度反応すると反応開始剤としての機能をもたなくなるが、水素引抜型は、失活後にもとの化合物に戻り、光照射によって繰り返し反応開始剤として用いることができる。したがって、潜在的な光硬化性を付与するためには、水素引抜型の光重合開始剤を用いることが重要である。
【0031】
水素引抜型光開始剤としては、例えばベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ジベンゾスベロン、2−エチルアントラキノン、チオキサンソンやベンジルなどのいずれか、またはその誘導体、或いはこれらの二種類以上の組み合わせからなる混合成分を用いることができる。但し、水素引抜型の光開始剤として前記に挙げた物質に限定するものではない。また、水素引抜型を粘着シート中に含有していれば、分子内開裂型の光重合開始剤を種々の割合で併用してもよい。
【0032】
光重合開始剤の添加量は、特に制限されるものではなく、一般的にはベース樹脂100質量部に対し0.1〜10質量部、特に0.2質量部以上或いは5質量部以下、その中でも0.5質量部以上或いは3質量部以下の割合で調整するのが好ましい。但し、他の要素とのバランスでこの範囲を超えてもよい。
【0033】
(その他)
アクリル酸エステル系(共)重合体を架橋する際には、必要に応じて反応触媒(三級アミン系化合物、四級アンモニウム系化合物、ラウリル酸スズ化合物など)を適宜添加してもよい。
【0034】
(多層構成)
本粘着シートを多層の透明両面粘着シートとする場合には、すなわち、中間層と最外層とを備えた積層構成の透明両面粘着シートを形成する場合には、その最外層を、上述した本粘着剤組成物から形成すればよい。
【0035】
本粘着シートを、中間層と最外層とを備えた積層構成とする場合には、最外層は、上記単層の場合と同様に、凹凸追随性と耐発泡信頼性とを兼ね備えているのが好ましいから、上記の本粘着剤組成物を用いて形成するのが好ましい。他方、中間層は、画像表示装置構成部材との粘着には寄与しないため、透明性を損なわず、かつ最外層の2次硬化反応を阻害しない程度の光透過性を有し、かつ、カット性及びハンドリング性を高める性質を有しているのが好ましい。
【0036】
中間層を形成するベースポリマーの種類は、透明樹脂であれば、特に限定するものではないが、上記同様のアクリル酸エステル系(共)重合体を用いるのが好ましい。この際、透明性の確保や作製し易さなどの観点から、最外層のベースポリマーと同一の樹脂を用いるのが好ましい。
【0037】
中間層は、紫外線架橋によって硬化するように形成してもよいし、熱によって硬化するように形成してもよい。また、特に後硬化しないように形成してもよい。但し、最外層との密着性等を考慮すると、後硬化するように形成するのが好ましく、特に紫外線架橋するように形成するのが好ましい。
その際、架橋開始剤の含有量が多くなると光透過率が低下するため、中間層における架橋開始剤の外層における含有率よりも低い含有率で紫外線架橋剤を含むのが好ましい。
【0038】
(厚さ)
本粘着シートの厚さは、凹凸追随性及び、用途部材に求められる薄肉化の観点から、50μm〜1mmであるのが好ましく、特に100μm以上或いは500μm以下であるのが好ましい。
また、多層構成のシートとする場合には、各最外層の厚さと中間層の厚さの比率は1:1〜1:20であるのが好ましく、中でも1:2〜1:10であるのがさらに好ましい。
中間層の厚みが、上記範囲であれば、積層体における粘着材層の厚みの寄与が大きくなりすぎず、柔軟すぎて裁断や取回しに係る作業性が劣るようになることがなく好ましい。
また、最外層が上記範囲であれば、凹凸や屈曲した面への追随性に劣ることがなく、被着体への接着力や濡れ性を維持する事が出来、好ましい。
【0039】
<工程(1)>
工程(1)では、潜在的な紫外線反応性を有するように、言い換えれば紫外線反応性を残すように、透明両面粘着シートを紫外線架橋して1次硬化させることが重要である。
【0040】
工程(1)では、例えば本粘着剤組成物を加熱溶融(ホットメルト)し、これを透明離型樹脂シート上に塗布して単層又は多層のシート状に成形した後、前記透明離型樹脂シートを介して紫外線を照射して本粘着剤組成物を紫外線架橋させて2次硬化前透明両面粘着シートを得るようにすればよい。
【0041】
この際、紫外線の照射量を制御することで、紫外線架橋の程度を調整することも可能であるが、上述のように、透明離型シートを介して紫外線を照射することで、紫外線を一部遮断するようにして紫外線架橋の程度を調整することも可能である。
【0042】
ここで、透明離型シートの例としては、例えばポリエステル系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系のキャストフィルムや延伸フィルムに、シリコーン樹脂を塗布して離型処理したものや、離型紙などを適宜選択して用いることができ、特に剥離力の異なる離型フィルムや厚さの異なる離型フィルムを挙げることができる。
【0043】
工程(1)で得られる2次硬化前透明両面粘着シートの押し込み硬度(C2アスカー硬度)(a)は、10≦(a)<50の範囲にあることが好ましい。
なお、このC2アスカー硬度(a)は、透明両面粘着シートを、全厚みが5mm〜7mmの範囲内となるように順次積層してしたものについて、アスカー硬度計(AskerC2L)で測定し得る値である。
部材への貼着前の透明両面粘着シートは、ロール状にして巻き上げたり、裁断したりするために適度なコシが必要であり、かつ部材に貼着するための粘着力や濡れ性が必要である。そのため、C2アスカー硬度(a)が10以上であれば、柔軟すぎて取り回しに係る作業性に欠けるおそれがなく、C2アスカー硬度(a)が50未満であれば、被着体の表面に凹凸があったり、粘着界面に異物等が存在したりしても、これらの凹凸に十分に追従して馴染んで濡れて好適に密着することができる。よって、C2アスカー硬度(a)を上記範囲とすることで、作業性と粘着物性を両立させるができ、また印刷部などによる段差への追随性も確保することが可能となる。
このような点から、C2アスカー硬度(a)は、15以上或いは45以下であるのがより一層好ましく、中でも20以上或いは33未満であるのがさらに好ましい。
【0044】
なお、透明両面粘着シートの厚さ、紫外線の照射量、照射波長、照射装置などは適宜調整すればよい。
【0045】
<工程(2)>
工程(2)では、工程(1)で得られた2次硬化前透明両面粘着シートを介して2つの画像表示装置構成部材を積層した後、少なくとも一方の画像表示装置構成部材側から紫外線を照射し、この部材を介して、前記2次硬化前透明両面粘着シートを紫外線架橋させて2次硬化させることが重要である。
【0046】
ここで、上記画像表示装置構成部材としては、例えばタッチパネル、画像表示パネル、表面保護パネル及び偏光フィルムなどを挙げることができ、これらのうちの何れか、或いは2種類以上の組み合わせからなる積層体であってもよい。
【0047】
画像表示装置構成部材を介して透明両面粘着シートに紫外線架橋反応を起こさせるためには、透明両面粘着シート内の光開始剤が励起され、ラジカルを発生させるために有効な波長の光が十分量届く必要があるため、一方の画像表示装置構成部材の紫外線透過率が一定以上であるのが好ましい。
具体的に言えば、例えば2次硬化前透明両面粘着シートの紫外線を照射する側に、ガラス板を積層する場合には当該ガラス板の紫外線透過率が、また、例えばガラス板と粘着剤と保護シートを積層する場合にはこれらガラス板、粘着剤及び保護シートの積層体の紫外線透過率が一定以上であることが好ましい。
よって、2次硬化前透明両面粘着シートの紫外線照射側に積層する画像表示装置構成部材の紫外線透過率、すなわちUV−A波の波長範囲315nm〜400nmにおける光線透過率が20%以上であることが好ましく、特に30%以上、中でも特に40%以上であるのがより一層好ましい。
【0048】
このような光線透過率を備え得る部材としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース等のセルロース樹脂、スチレン樹脂などから構成されるものを挙げることができる。これらの中でも、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂およびトリアセチルセルロース樹脂などは、吸湿性が高く、保管中に樹脂に吸収された水分が、高温下で使用された場合に樹脂からアウトガスとして放出されやすい性質を有する。本発明の画像表示装置構成用積層体の製造方法によれば、このようなアウトガスの放出に起因する発泡を抑えることができるため、積層体を構成する樹脂部材として、前記ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂およびトリアセチルセルロース樹脂などから構成される樹脂部材を使用することが可能である。
【0049】
前記工程(2)で得られる2次硬化後透明両面粘着シートの押し込み硬度(C2アスカー硬度)(b)は、33≦(b)≦80の範囲にあることが好ましい。
なお、このC2アスカー硬度(b)は、透明両面粘着シートを全厚みが5mm〜7mmの範囲内となるように順次積層したものについて、アスカー硬度計(AskerC2L)で測定し得る値である。
2次硬化後透明両面粘着シートのC2アスカー硬度(b)を33以上とすることで、十分な粘着力と凝集力を有することになり、例えば保護パネル等から発生するアウトガスのガス圧に対して十分に対抗することができる。他方、C2アスカー硬度(b)を80以下とすることで、硬すぎて感圧接着としての機能が損なわれて密着力に劣り、剥離や浮きが発生するなどの懸念を無くすことができる。
このように、2次硬化後透明両面粘着シートのC2アスカー硬度(b)を上記範囲に調整することで、貼着後に、長期保管や高温高湿環境下にて徐々に貼着界面に凝集するガス圧に耐えられる粘着層の凝集力と、剥離しない程度の適度な密着力を付与させることができる。
このような観点から、2次硬化後透明両面粘着シートのC2アスカー硬度(b)は、35以上或いは60以下であるのがさらに好ましく、中でも38以上或いは50以下であるのがより一層好ましい。
【0050】
2次硬化前透明両面粘着シートのC2アスカー硬度(a)と、2次硬化後の透明両面粘着シートのC2アスカー硬度(b)との関係でいえば、2ポイント以上の差をもつように、すなわち(b)−(a)≧2の関係に制御するのが好ましく、中でも(b)−(a)≧3、その中でも(b)−(a)≧4であるのがより一層好ましい。
【0051】
<画像表示装置構成用積層体>
本製造方法で製造し得る画像表示装置構成用積層体としては、例えばパソコン、モバイル端末(PDA)、ゲーム機、テレビ(TV)、カーナビ、タッチパネル、ペンタブレットなど、LCD、PDP又はELなどの画像表示装置の構成部材を挙げることができる。
【0052】
具体的な一例を挙げれば、携帯電話の画像表示装置においては、液晶パネルディスプレイ(LCD)上に偏光フィルム等を積層し、その上に粘着剤乃至シートを介してプラスチック製の保護パネルが積層される場合がある。この際、該偏光フィルムの構成材料として、PVA(ポリビニルアルコール)やトリアセチルセルロース樹脂が用いられる場合があり、これらはアウトガスを放出しやすいことが判明している。
そこで、保護パネル/粘着シート/偏光フィルムの構成から成る積層体として、本積層体を用いれば、高温下で使用された場合に、保護パネルや偏光フィルムから放出されるアウトガスによる発泡を効果的に抑制することができる。
そのほか、例えば液晶パネル/粘着シート/タッチパネル、液晶パネル/粘着シート/保護パネル、液晶パネル/粘着シート/タッチパネル/粘着シート/保護パネル、偏光フィルム/粘着シート/タッチパネル、偏光フィルム/粘着シート/タッチパネル/粘着シート/保護パネルなどの構成を本積層体の構成例として挙げることができる。
【0053】
(語句の説明など)
なお、一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、その厚さが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいい、一般的に「フィルム」とは、長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものをいう(日本工業規格JISK6900)。しかし、シートとフィルムの境界は定かでなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
また、画像表示パネル、保護パネル等のように「パネル」と表現する場合、板体、シートおよびフィルムを包含するものである。
【0054】
本明細書において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。
また、「X以上」(Xは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。
【実施例】
【0055】
以下、実施例及び比較例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0056】
(中間樹脂層形成用積層シート1)
2−エチルヘキシルアクリレート(ホモポリマーTg−70℃)75質量部と、酢酸ビニル(ホモポリマーTg+32℃)20質量部と、アクリル酸(ホモポリマーTg+106℃)5質量部とをランダム共重合してなるアクリル酸エステル共重合体A(Mw=440000 Mn=62000 Mw/Mn=8 理論Tg−50℃)を用意した。
このアクリル酸エステル共重合体A1kgに、架橋剤としての紫外線硬化樹脂プロポキシ化ペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学社製「ATM−4PL」)100gと、光重合開始剤としての4−メチルベンゾフェノン15gとを混合して中間樹脂層用組成物(A−1)を調製した。
塗工基材としての剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(パナック社製「NP75Z01」、厚み75μm)に、前記中間樹脂層用組成物(A−1)を加熱溶融して、厚み110μmとなるようアプリケータにて塗工した後、剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績製「E7006」、厚み38μm)を被覆し、PETフィルム/紫外線架橋性中間樹脂層(A−1、厚さ110μm)/PETフィルムからなる中間樹脂層形成用積層シート1を作製した。
【0057】
(中間樹脂層形成用積層シート2)
架橋剤として、トリメチロールプロパントリアクリレート200gを配合し、光重合開始剤として、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン50gを配合した以外は、上記中間樹脂層形成用積層シート1と同様にして中間樹脂層用組成物(A−2)を調製した。
塗工基材としての剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(パナック社製「NP75Z01」、厚み75μm)に、前記中間樹脂層用組成物(A−2)を加熱溶融して、厚み130μmとなるようアプリケータにて塗工した後、剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績製 E7006 厚み38μm)を被覆し、PETフィルム/紫外線架橋性中間樹脂層(A−2、厚さ130μm)/PETフィルムからなる中間樹脂層形成用積層シート2を作製した。
【0058】
(感圧粘着剤層形成用積層シート1)
前記アクリル酸エステル共重合体A1kgに、光重合開始剤としての4−メチルベンゾフェノン20gを添加混合して、感圧粘着剤用組成物(B−1)を調製した。
この感圧粘着剤用組成物(B−1)を加熱溶融して、塗工基材としての剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂株式会社製「MRA75」、厚み75μm)上に、厚みが35μmとなるようにシート状に塗工して成形し、剥離処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績製「E7006」、厚み38μm)を被覆し、PETフィルム/紫外線架橋性感圧粘着剤層(B−1、厚さ35μm)/PETフィルムからなる感圧粘着剤層形成用積層シート1を作製した。
【0059】
(感圧粘着剤層形成用積層シート1’)
塗工基材を、剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂製「MRF50」厚み50μm)に変えた以外は、上記感圧粘着剤層形成用積層シート1と同様にして、PETフィルム/紫外線架橋性感圧粘着剤層(B−1’、厚さ35μm)/PETフィルムからなる感圧粘着剤層形成用積層シート1’を作製した。
【0060】
(感圧粘着剤層形成用積層シート2)
感圧粘着材層形成用積層シート1において、感圧接着層(B−1)の厚みが65μmとなるように塗工成形した以外は、感圧粘着材層形成用積層シート1と同様にして、PETフィルム/紫外線架橋性感圧粘着剤層(B−1、厚さ65μm)/PETフィルムからなる感圧粘着剤層形成用積層シート2を作製した。
【0061】
(感圧粘着剤層形成用積層シート2’)
塗工基材を、剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂製「MRF50」厚み50μm)に変えた以外は、上記感圧粘着剤層形成用積層シート2と同様にして、PETフィルム/熱架橋性感圧粘着剤層(B−1’、厚さ65μm)/PETフィルムからなる感圧粘着剤層形成用積層シート2’を作製した。
【0062】
<実施例1:粘着シート1の作製>
中間樹脂層形成用積層シート1における中間樹脂層(A−1)の両側のPETフィルムを順次剥離除去すると共に、感圧粘着剤層形成用積層シート1及び1’における感圧粘着剤層(B−1)及び(B−1’)の一側のPETフィルムを剥がして、露出した粘着面を(A−1)の両表面にラミネータにて順次貼合し、(B−1)/(A−1)/(B−1’)からなる多層粘着シートを作製した。
(B−1)及び(B−1’)の表面に残るポリエチレンテレフタレートフィルムを介して、365nmの積算光量が1000mJとなるよう高圧水銀ランプにて紫外線を照射し、(B−1)、(A−1)及び(B−1’)を紫外線架橋させて、2次硬化前透明両面粘着シート1(総厚み180μm)を作製した。
【0063】
<実施例2:粘着シート2の作製>
剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂製「MRA75」、厚み75μm)上に、中間樹脂層用組成物(A−2)及び感圧粘着剤用組成物(B−1)を、感圧粘着剤層(B−1)/中間樹脂層(A−2)/感圧粘着剤層(B−1)となるように共押出しして、感圧粘着剤層(B−1)/中間樹脂層(A−2)/感圧粘着剤層(B−1)=40/100/40μmとなるように塗工形成し、剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂製「MRA50」、厚み50μm)を被覆して、PETフィルム/(B−1)/(A−2)/(B−1)/PETフィルムからなる多層シートを形成した。
一方のポリエチレンテレフタレートフィルム側から、高圧水銀ランプにて積算光量1000mJの紫外線を照射し、(B−1)、(A−2)及び(B−1)を紫外線架橋させて、2次硬化前透明両面粘着シート2(総厚み180μm)を作製した。
【0064】
<実施例3:粘着シート3の作製>
前記アクリル酸エステル共重合体A1kgに、架橋剤としてのノナンジオールジアクリレート50g及び光重合開始剤としての4−メチルベンゾフェノン10gを混合添加して感圧粘着剤用組成物(B−2)を調製した。
この粘着剤組成物を加熱溶融し、剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂製「MRF75」、厚さ75μm)上に、厚さ170μmとなるようアプリケータにて塗工して製膜し、剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂製「MRA50」、厚さ50μm)を被覆し、PETフィルム/感圧粘着剤層(B−2)/PETフィルムからなるシートを形成した。
一方のポリエチレンテレフタレートフィルム側から、高圧水銀ランプにて積算光量1000mJの紫外線を照射し、(B−2)を紫外線架橋させて、2次硬化前透明両面粘着シート3(総厚み170μm)を作製した。
【0065】
<実施例4:粘着シート4の作製>
中間樹脂層として中間樹脂層形成用積層シート2(A−2)を用い、感圧接着剤層として感圧粘着剤層形成用積層シート2及び2’を用いる以外は、実施例1と同様にして、層構成(B−1)/(A−2)/(B−1’)からなる2次硬化前透明両面粘着シート1(総厚み260μm)を作製した。
【0066】
<比較例1:粘着シート5の作製>
2−エチルヘキシルアクリレート48質量部、2−メトキシエチルアクリレート(ホモポリマーTg−50℃)50質量部及び4−ヒドロキシブチルアクリレート(ホモポリマーTg−80℃)2質量部をランダム共重合してなるアクリル酸エステル共重合体(Mw=100万 理論Tg−61℃)を調製した。
このアクリル酸エステル共重合体1kgに対し、架橋剤としてのアダクト型ヘキサメチレンジイソシアネート(旭化成製デュラネート P301−75E)を、固形分換算0.2質量部添加して粘着剤組成物を作製した。
該粘着剤組成物を、剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂製「MRA75」厚み75μm)上に塗工形成・乾燥の後、剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂製「MRF50」厚み50μm)を被覆し、温度25℃、湿度50%条件下にて一週間養生して熱架橋し、透明両面粘着シート5(総厚み150μm)を作製した。
【0067】
<比較例2:粘着シート6の作製>
2次硬化前透明両面粘着シート1(総厚み180μm)に、更に高圧水銀ランプにて波長365nmの紫外線が粘着層に1000mJ到達するよう追加照射して、(B−1)、(A−1)及び(B−1’)を2次硬化させた2次硬化後透明両面粘着シート6(総厚み180μm)を作製した。
【0068】
<評価>
上記粘着シート1〜6について、次のような評価を行った。
【0069】
(押込硬度測定)
上記粘着シート1〜6について、剥離フィルムを剥がし、露出した粘着面を順次重ね合せて、複数枚の粘着シートを全厚みが5mm〜7mmの範囲内になるように積層した。これにより測定試料を乗せるステージの硬さの影響を低減することができ、材料特有の押込硬度を比較・測定することができる。
そして、積層した粘着シートの露出した粘着面に対してアスカーC2L硬度計の先端端子を荷重1kgにて垂直下方に3mm/分の速度で押し付け、C2アスカー硬度(a)を測定した。
【0070】
また、粘着シート1〜4については、波長365nmの紫外線が粘着シートに2000mJ/cm
2到達するよう、光量計(UNIMETER UIT150 TYPE UIT−150A ウシオ電機社製)で積算光量を確認しながら片方の剥離フィルム側から紫外線照射し、2次硬化後透明両面粘着シートに相当する粘着シートを作製した。
前述と同様の方法にて、全厚みが5mm〜7mmの範囲内になるように積層し、露出した粘着面に対してアスカーC2L硬度計の先端端子を荷重1kgにて垂直下方に3mm/分の速度で押し付け、C2アスカー硬度(b)を測定した。
【0071】
(加工性)
上記粘着シート1〜6を、剥離フィルムを積層したままトムソン打抜機を用いて50mm×80mmのトムソン刃で100枚カットし、裁断したシート端部の形状を目視で観察した。
そして、シート端部に糊のはみだしが10枚以上あるものを「×」、10枚未満ものを「○」と判定した。
【0072】
(凹凸追随性)
試験用の被着体として偏光板(日東電工製NWF−KDSEGHC−ST22)を予めガラス板上(53×83mm×t0.5mm)の片面に同寸法にて貼り合わせたものを作製し、前記偏光板面に擬似的な発泡起点として中心粒径50μmのガラスビーズを0.03mg(約200粒)ばら撒いて、耐発泡信頼性試験用基板とした。前記基板上に、加工性評価にて裁断した粘着シート1〜6の一方の剥離フィルムを剥がして露出した粘着面をハンドローラにて貼着した。次いで、残る剥離フィルムを剥がし、露出した粘着面にソーダライムガラス(53×83mm×t0.5mm)を、減圧下(絶対圧5kPa)にてプレス貼合した後、オートクレーブ処理(50℃、0.2MPa、20分)を施して仕上貼着し、積層体(サンプル)を作製した。
作製した積層体を目視観察し、基板上にばら撒いたガラスビーズ表面が粘着シートに濡れ、ビーズ周囲が空隙なく粘着層に埋もれているものを「○」、ガラスビーズ周辺に浮きがあるものを「×」と判定した。
【0073】
(耐発泡信頼性)
粘着シート5〜6については、上記凹凸追随性試験で作製した積層体(サンプル)を耐発泡信頼性試験のサンプルとした。
他方、粘着シート1〜4については、上記凹凸追随性試験で作製した積層体(サンプル)に対し、ソーダライムガラス越しに高圧水銀ランプにて紫外線照射し、粘着シート1〜4に、365nmの紫外線が2000mJ/cm
2到達するよう紫外線照射して耐発泡信頼性試験のサンプルを作製した。
これらの各サンプルを、常態(温度23℃、湿度50%)で一日静置した後、温度85℃、湿度25%の恒温恒湿機にて6時間養生し、養生後の外観を目視観察した。
ガラスビーズ周辺より新たな浮きが発生しなかったものを「○」、養生により発泡や浮きが発生したものを「×」と判定した。
【0074】
【表1】
【0075】
実施例1〜4は、いずれも粘着剤組成物を単層又は多層のシート状に形成し、これを紫外線架橋して1次硬化させることにより、紫外線反応性を残した状態の2次硬化前透明両面粘着シートである。
【0076】
上記の2次硬化前透明両面粘着シートを介して2つの画像表示装置構成部材を積層し、当該画像表示装置構成部材側から紫外線を照射し、この部材を介して、前記2次硬化前透明両面粘着シートを紫外線架橋させて2次硬化させると、しっかりと架橋させることができ、押し込み硬度の高い2次硬化後の透明両面粘着シートを得ることができることが分かった。
【0077】
また、2次硬化前透明両面粘着シートの押し込み硬度(C2アスカー硬度)(a)と、2次硬化後の透明両面粘着シートの押し込み硬度(C2アスカー硬度)(b)との関係において、(b)−(a)≧2となるよう制御することで、凹凸追随性および耐発泡信頼性を向上できることが分かった。