特許第6376695号(P6376695)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6376695
(24)【登録日】2018年8月3日
(45)【発行日】2018年8月22日
(54)【発明の名称】測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 21/00 20060101AFI20180813BHJP
   G01B 13/02 20060101ALI20180813BHJP
   G01B 5/00 20060101ALI20180813BHJP
【FI】
   G01B21/00 L
   G01B13/02
   G01B5/00 L
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-233684(P2014-233684)
(22)【出願日】2014年11月18日
(65)【公開番号】特開2016-99128(P2016-99128A)
(43)【公開日】2016年5月30日
【審査請求日】2017年5月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000151494
【氏名又は名称】株式会社東京精密
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100126893
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100142424
【弁理士】
【氏名又は名称】細川 文広
(72)【発明者】
【氏名】荻原 俊介
【審査官】 三好 貴大
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭54−070555(JP,U)
【文献】 特表2005−515458(JP,A)
【文献】 特開2012−098109(JP,A)
【文献】 実開平06−069716(JP,U)
【文献】 特開2000−304525(JP,A)
【文献】 特開平09−297149(JP,A)
【文献】 米国特許第05808435(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 5/00− 5/30
G01B 7/00− 7/34
G01B 11/00−11/30
G01B 13/00−13/24
G01B 17/00−17/08
G01B 21/00−21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象物の測定部位における寸法変位量を測定する測定装置であって、
前記測定対象物を配置する測定基台と、
測定子を有し寸法変位量を測定する測定手段と、
前記測定子と前記測定対象物とを所定の位置関係に配置するために、前記測定子と前記測定基台の少なくともいずれか一方を前記寸法変位量が変位する方向に移動する駆動手段と、
前記測定子と対応して形成された第1係合部と、
前記測定基台と対応して形成された第2係合部と、
を備え、
前記第1係合部と前記第2係合部とが、前記寸法変位量が変位する方向において当接することにより、前記測定基台と前記測定子との相対位置を所定寸法に設定するように構成されていることを特徴とする測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の測定装置であって、
複数の測定対象物が測定対象とされる場合に、
前記第1係合部と前記第2係合部の少なくともいずれか一方は、前記測定対象物と対応させて変化させることが可能に構成されていることを特徴とする測定装置。
【請求項3】
請求項2に記載の測定装置であって、
前記第2係合部は、
前記複数の測定対象物のそれぞれの寸法と対応して形成されたアタッチメントを有し、前記アタッチメントを交換することにより前記相対位置を所定寸法に設定するように構成されていることを特徴とする測定装置。
【請求項4】
請求項1〜3に記載の測定装置であって、
前記第1係合部と前記第2係合部のいずれか一方は、
前記測定子と前記測定対象物が相対移動して前記第1係合部と前記第2係合部とが接近するにつれて、前記相対移動方向と直交する方向の間隔が漸次小さくなる凹形状部とされていることを特徴とする測定装置。
【請求項5】
請求項4に記載の測定装置であって、
前記測定手段は空気マイクロメータとされ、
前記第1係合部と前記第2係合部が当接した場合に、
前記空気マイクロメータのエア噴出ノズルは、前記測定基台に配置された測定対象物との間に間隙が形成されるとともに、前記エア噴出ノズルが前記測定対象物の基準に対して所定位置に設定されていることを特徴とする測定装置。
【請求項6】
請求項4に記載の測定装置であって、
前記測定手段は接触子を有していて、
前記第1係合部と前記第2係合部が当接した場合に、
前記接触子は、前記測定基台に配置された測定対象物との間に間隙が形成されるとともに、前記接触子が前記測定対象物の基準に対して所定位置に設定され、前記接触子と前記測定対象物とが相対移動して前記接触子が前記測定対象部と接触することにより前記寸法変位量を測定することを特徴とする測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、測定子を有する測定手段を有し、測定手段の測定子によって測定対象物の測定部位における寸法変位量を測定する測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、例えば、空気マイクロメータ(測定手段)を用いた測定装置は、測定対象物を所定の位置に配置することにより測定部位にノズル(測定子)を対向させ、ノズルからエアを噴出して測定部位との間隔(寸法変位量)を検知することによって、測定対象物の寸法を測定するようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、電気マイクロメータ(測定手段)を用いた測定装置は、測定対象物を所定の位置に配置し、この測定対象物の測定部位に、電気マイクロメータの接触子(測定子)を接触させたうえで所定位置まで移動させて、測定部位の出入量(寸法変位量)と対応する接触子の変位を電気的に検知することにより、測定対象物の寸法を測定するようになっている。
【0004】
このように、測定子を有する測定手段を用いた測定装置では、測定対象物の測定部位と測定手段の測定子(例えば、ノズルや接触子)とを所定の位置関係としたうえで、測定子によって測定部位の出入量(寸法変位量)を検知することにより、測定対象物の寸法を測定するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−165641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような測定子を有する測定手段を用いた測定装置は、高い測定精度が要求されることから、測定対象物を配置する測定基台と測定手段の相対的な位置関係を、正確(高精度)に調整することが必要であり、メンテナンス等において多くの調整時間を要していた。
【0007】
また、寸法が異なる測定対象物の種類(製品、機種、測定部位の寸法等)が複数ある場合、測定対象物の種類に応じて、測定対象物ごとに専用の測定装置を準備する必要がある。その結果、測定装置の準備に要する設備投資費用が増大するとともに、寸法が異なる製品ごとに、測定装置を段取替えする必要があり、生産効率が低下する要因となっている。
【0008】
この発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、測定子を有する測定手段を用いた測定装置に関して、測定対象物の測定部位に対して測定子の相対位置を正確かつ容易に調整することができ、ひいては、寸法変位量が異なる複数の測定対象物がある場合でも正確かつ容易に対応させることが可能な測定装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に記載の発明は、測定対象物の測定部位における寸法変位量を測定する測定装置であって、前記測定対象物を配置する測定基台と、測定子を有し寸法変位量を測定する測定手段と、前記測定子と前記測定対象物とを所定の位置関係に配置するために、前記測定子と前記測定基台の少なくともいずれか一方を前記寸法変位量が変位する方向に移動する駆動手段と、前記測定子と対応して形成された第1係合部と、前記測定基台と対応して形成された第2係合部と、を備え、前記第1係合部と前記第2係合部とが、前記寸法変位量が変位する方向において当接することにより、前記測定基台と前記測定子との相対位置を所定寸法に設定するように構成されていることを特徴とする。
【0010】
この発明に係る測定装置によれば、測定対象物を配置する測定基台と、測定子を有した寸法変位量を測定する測定手段と、駆動手段とを備えていて、駆動手段によって、測定基台と測定手段の少なくともいずれか一方を寸法変位量を測定する方向に移動し、測定子と対応する第1係合部と、測定基台と対応する第2係合部とを当接させることによって測定子と測定基台を所定の相対位置に設定するので、測定子が測定対象物に対して所定の相対位置に設定される。
その結果、測定基台に配置された測定対象物に対して、測定子を正確かつ容易に所定の相対位置に調整することができる。
このように、第1係合部と第2係合部とを当接させることにより、測定子と測定対象物とが正確に所定の相対位置に設定されるので、測定子によって測定部位の寸法変位量を正確に検知することができる。
【0011】
この明細書で、寸法変位量とは、測定手段の測定子により検知可能とされるものであり、いずれかの基準からの寸法(長さ)、基準寸法に対する変位量(長さの変化)、間隔等であり、寸法の測定値に変換可能なものを含む。
【0012】
また、測定対象物は、円筒形状、円筒形状の一部が切り取られたもの、直方体等が含まれ、測定対象物の形状及び測定部位は限定されない。
また、測定子とは、エア噴出ノズル、光学式検出子、接触子等、寸法変位量を検知可能なものをいい、種類については限定されない。
【0013】
また、第1係合部、第2係合部は、互いに当接することにより、測定手段の測定子と、測定対象物とのの相対的位置を設定可能な構成とされていればよく、それぞれの形状は任意に設定することができる。
【0014】
また、第1係合部を、測定手段(測定子)又はこれらが配置される部材と一体に形成するかどうか、これらに対して螺合や挿入等によって着脱可能な構成とするかどうかは任意に設定することができる。また、装着された状態で、例えば、回動させることにより姿勢を変化させる構成としてもよい。
また、第2係合部を、測定基台と一体に形成するか又は測定基台に対して着脱可能とするかどう構成についても任意に設定することができる。また、装着させた状態で変化させてもよい。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の測定装置であって、複数の測定対象物が測定対象とされる場合に、前記第1係合部と前記第2係合部の少なくともいずれか一方は、前記測定対象物と対応させて変化させることが可能に構成されていることを特徴とする。
【0016】
この発明に係る測定装置によれば、第1係合部と第2係合部の少なくともいずれか一方は、測定対象物と対応させて変化させることが可能に構成されているので、第1係合部と第2係合部のいずれか一方又は双方を変更することにより、測定基台と測定子の相対的な位置関係を変更することができる。
また、第1係合部と第2係合部のいずれか一方を、測定対象物の寸法と対応させておくことにより、測定側的手段と測定基台の双方を取り替えることなく、複数の測定対象物の寸法変位量を測定することができる。
その結果、複数の測定対象物を測定する場合には、測定側的手段と測定基台を両方とも段取替えする必要がなくなり、測定装置全体を段取替えすることなく、複数の測定対象物と対応させることができる。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の測定装置であって、前記第2係合部は、前記複数の測定対象物のそれぞれの寸法と対応して形成されたアタッチメントを有し、前記アタッチメントを交換することにより前記相対位置を所定寸法に設定するように構成されていることを特徴とする。
【0018】
この発明に係る測定装置によれば、アタッチメントを交換することによって、測定基台にそれぞれの複数の測定対象物の寸法と対応する第2係合部を構成するので、測定子に対する測定基台の相対位置を、効率的にそれぞれの測定対象物に対応させることができる。
その結果、測定基台と測定子の相対位置関係を、それぞれの測定対象物と対応させることができる。
【0019】
この明細書で、アタッチメントとは、測定装置から着脱可能とされる構成のものを指しており、第1係合部、第2係合部を構成するパーツ(例えば、キーやコマ等)の他、これらが形成された部材(例えば、測定対象物を載置する治具やテーブル等)を含む概念である。
【0020】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3に記載の測定装置であって、前記第1係合部と前記第2係合部のいずれか一方は、前記測定子と前記測定対象物が相対移動して前記第1係合部と前記第2係合部とが接近するにつれて、前記相対移動方向と直交する方向の間隔が漸次小さくなる凹形状部とされていることを特徴とする。
【0021】
この発明に係る測定装置によれば、第1係合部と第2係合部のいずれか一方が、測定子と測定対象物が相対移動して第1係合部と第2係合部とが接近するにつれて、相対移動方向と直交する方向の間隔が漸次小さくなる凹形状部とされているので、第1係合部と第2係合部が寸法変位量を測定する方向に相対移動して当接した際に、寸法変位量の測定方向における相対位置に加えて、測定対象物の測定部位に対して測定子を所定の位置に位置させることができる。その結果、測定対象物の寸法変化量を正確に測定することができる。
【0022】
この明細書で、相対移動方向と直交する方向の間隔が漸次小さくなる凹形状部とは、例えば、円弧状凹部、V溝状凹部をはじめとする凹形状部のように、平面視して左右方向のと上下方向のいずれかが漸次近接する形状部の他、これらの双方が漸次近接する形状部や、球面、円錐や多角錘をはじめとする二つ以上の方向において漸次近接するものを含む概念である。
【0023】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の測定装置であって、前記測定手段は空気マイクロメータとされ、前記第1係合部と前記第2係合部が当接した場合に、前記空気マイクロメータのエア噴出ノズルは、前記測定基台に配置された測定対象物との間に間隙が形成されるとともに、前記エア噴出ノズルが前記測定対象物の基準に対して所定位置に設定されていることを特徴とする。
【0024】
この発明に係る測定装置によれば、第1係合部と第2係合部が当接した場合に、空気マイクロメータのエア噴出ノズルと測定基台に配置された測定対象物との間に間隙が形成されるとともに、エア噴出ノズルが測定対象物の予め設定した基準に対して(測定対象物を基準として)所定位置に設定されているので、測定対象物の寸法変位量を正確に測定することができる。
【0025】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の測定装置であって、前記測定手段は接触子を有していて、前記第1係合部と前記第2係合部が当接した場合に、前記接触子は、前記測定基台に配置された測定対象物との間に間隙が形成されるとともに、前記接触子が前記測定対象物の基準に対して所定位置に設定され、前記接触子と前記測定対象物とが相対移動して前記接触子が前記測定対象部と接触することにより前記寸法変位量を測定することを特徴とする。
【0026】
この発明に係る測定装置によれば、第1係合部と第2係合部が当接した場合に、接触子は測定基台に配置された測定対象物との間に間隙が形成されるとともに、接触子が測定対象物の予め設定した基準に対して(測定対象物を基準として)所定位置に設定され、接触子と測定対象物とが相対移動して接触子が測定対象部と接触することにより寸法変位量を測定するので、測定対象物の寸法変位量を正確に測定することができる。
【発明の効果】
【0027】
この発明に係る測定装置によれば、測定手段が有する測定子と測定基台とを正確かつ容易に所定の相対位置に調整することができる。
また、寸法が異なる複数の測定対象物を対象とする場合に、測定手段が有する測定子と測定基台とを、複数の測定対象物に適用させて正確かつ容易に調整することができる。その結果、複数の測定対象物を測定する際に、測定装置の段取替えをするのを不必要とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の第1の実施形態に係る測定装置Assyの概略構成の一例を説明する平面図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る測定装置Assyを構成する測定装置ユニットの概略構成を説明する側面図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る測定装置ユニットの概略構成を説明する図であり、正面から見た部分断面図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る測定装置ユニットの要部詳細を説明する部分図であり、正面から見た部分断面図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係る測定装置ユニットの概略を説明する図であり、(A)は測定子を位置調整する前の正面から見た部分断面図を、(B)は測定子を位置調整した後の正面から見た部分断面図を示している。
図6】本発明の第1の実施形態に係る測定装置ユニットの概略構成を説明する図であり、(A)は測定子を位置調整する前の第1係合部及び第2係合部を示す部分平面図であり、(B)は測定子を位置調整した後の第1係合部及び第2係合部を示す部分平面図である。
図7】本発明の第1の実施形態に係る測定装置ユニットにおける段取替えの概略を説明するフローチャートである。
図8】本発明の第1の実施形態に係る測定装置ユニットにおける段取替えの概略を説明する図ある。
図9】本発明の第1の実施形態に係る測定装置ユニットの第1係合部及び第2係合部に関する第1変形例を説明する部分平面図である。
図10】本発明の第1の実施形態に係る測定装置ユニットの第1係合部及び第2係合部に関する第2〜第4変形例を説明する正面から見た部分図である。
図11】本発明の第2の実施形態に係る測定装置ユニットの概略構成を説明する図であり、(A)は測定子を位置調整する前の正面から見た部分断面図を、(B)は測定子を位置調整した後の正面から見た部分断面図を、(C)は測定子を前進させて寸法変位量を測定する状態を正面から見た部分断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0029】
<第1の実施形態>
以下、図1図8を参照し、この発明の第1の実施形態に係る測定装置について説明する。図1は、第1の実施形態に係る測定装置の一例の概略構成を説明する平面図であり、符号1は測定装置Assy(測定装置)を、符号1Aは測定装置ユニット(測定装置)を、符号W1は測定対象物を示している。
【0030】
測定装置Assy1は、測定対象物W1の測定部位M1における寸法変位量を検知して寸法を測定するものである。この実施形態において、測定装置Assy1は、例えば、図1に示すように、3つの測定装置ユニット1Aを備えている。
【0031】
それぞれの測定装置ユニット1Aは、例えば、測定基台10と、空気マイクロメータ(測定手段)20と、駆動部30とを備えていて、測定基台10は、3つの測定装置ユニット1Aが共有する構成とされている。
【0032】
測定基台10は、例えば、図2図4に示すように、測定基台ベース11と、測定治具取付ベース12と、測定対象物載置治具13とを備えており、測定対象物載置治具13は測定対象物W1と対応する測定対象物載置治具13Aと、測定対象物W2と対応する測定対象物載置治具13Bとを備えている。
【0033】
また、測定基台ベース11、測定治具取付ベース12、測定対象物載置治具13は、下側からこの順に配置されていて、測定対象物載置治具13は、例えば、測定治具取付ベース12に対して着脱可能に装着されている。
【0034】
測定基台ベース11は、例えば、平面視して正方形に形成された平板状の部材であり、上面には、3つの測定治具取付ベース12が配置されている。
また、測定基台ベース11の下側には、4つの緩衝ゴム11Aが配置されていて、外部から受ける衝撃、振動を緩衝することにより、測定値に誤差が生じるのを抑制するようになっている。
【0035】
測定治具取付ベース12は、例えば、平面視して長辺と短辺が交互に配置された外形が略六角柱のブロック状の部材であり、測定治具取付ベース12の上部の内周側には、図6(B)に示すように、測定対象物載置治具13(13A)を装着するための、下方に向かって伸びる円形凹部12Hが形成され、円形凹部12Hの底部には雌ネジ孔が形成されている。
【0036】
また、円形凹部12Hの底部には、図6(C)に示すように、位置決めピン15が立設され、測定治具取付ベース12と測定対象物載置治具13の相対的位置精度が確保されるようになっている。
【0037】
測定対象物載置治具13(13A)は、円形凹部12Hに挿入することが可能な円筒形状とされており、内周側には凹部13Hが形成され、凹部13Hの底部には貫通孔が形成されている。
そして、測定対象物載置治具13は、円形凹部12Hに挿入して測定治具取付ベース12に装着するとともに、凹部13H内に配置した取付ボルト14によって、測定治具取付ベース12に着脱可能に取付けられるようになっている。
【0038】
また、図3図4に示すように、測定対象物載置治具13Aの上部外周側は、第1測定対象物W1が載置される部位より低く形成されていて、空気マイクロメータ本体20Aが前進したときに、空気マイクロメータ本体20Aと測定対象物載置治具13Aが干渉するのを抑制するように構成されている。
【0039】
測定対象物載置治具13Aは、図6に示すように、例えば、円筒形状とされた外周面に、平面視して円弧状とされた厚さ方向に伸びる円弧状凹部13Cが形成されている。
そして、この円弧状凹部13Cは、周方向に120°の間隔を空けて3つ形成されていて、それぞれ第2係合部10Aを構成している。
【0040】
また、測定対象物載置治具13Bには、測定対象物W2と対応する第2係合部10Bが形成されている。
測定対象物載置治具13Aの第2係合部10Aと、測定対象物載置治具13Bの第2係合部10Bとは、第1測定対象物W1と測定対象物W2のそれぞれの基準寸法における差異と対応して形成されている。
その結果、二つの測定対象物(製品など)W1、W2の測定に適用することが可能とされている。
この実施形態において、測定対象物載置治具13Aは、測定対象物載置治具13Bと取り替え可能なアタッチメントを構成している。
【0041】
空気マイクロメータ20は、例えば、周知のものを適用することが可能であり、空気マイクロメータ本体20Aと、測定対象物W1の測定部位M1に空気を噴出して測定部位M1との間隔(寸法変位量)を検知するエア噴出ノズル(測定子)21とを備え、空気マイクロメータ本体20Aの後部に形成されたエア用コネクタ22にエア供給チューブ23を接続して、空気マイクロメータ20に空気が供給されるようになっている。
そして、エア噴出ノズル21に対向して配置された測定部位M1に、エア噴出ノズル21から噴出して、その背圧に基づいてエア噴出ノズル21と測定部位M1との間隔を検知するようになっている。
【0042】
駆動部30は、例えば、駆動シリンダ(駆動手段)31と、ガイドブロック32、スライド部材33、取付部材34と、取付ブラケット31Aとを備え、取付ブラケット31A、駆動シリンダ31、ガイドブロック32、スライド部材33は下側からこの順に配置されて、取付ブラケット31Aを介して測定基台ベース11に取付けられている。
【0043】
駆動シリンダ31は、例えば、エアシリンダにより構成されていて、スライド部材33と図示しない連結部により連結されていて、スライド部材33を駆動するようになっている。
【0044】
ガイドブロック32は、例えば、上部に長手方向と直交する断面にT字溝32Tが形成されていて、このT字溝32Tにスライド部材33の下部に形成されたT字形ガイド凸部が摺動可能に収容されている。
【0045】
スライド部材33は、駆動シリンダ31によってガイドブロック32に案内されて寸法変位方向に沿って進退されるように構成されている。
また、スライド部材33の前進部(測定基台10が配置される側)には、空気マイクロメータ20のエア噴出ノズル(測定子)21と対応して第1係合部30Aが形成されている。
【0046】
第1係合部30Aは、例えば、図6に示すように、平面視して二つの辺が直角に交わりスライド部材33が進退する方向と直交する方向(この実施形態では、上下方向(鉛直方向))に沿って伸びるV字状凹部30Vと、V字状凹部30Vに装着されて上下方向に配置された略円筒形状の平行ピン13Pとを備えている。
そして、平行ピン13Pは、例えば、平面視したときに第2係合部10Aをなす円弧状凹部13Cと、左右2箇所で線接触して、スライド部材33と、測定対象物載置治具13A、13B(13)との相対的位置関係を形成するようになっている。
【0047】
この実施形態において、スライド部材33に形成された第1係合部30Aが、測定基台10に形成された第2係合部10Aと当接されることにより、空気マイクロメータ20のエア噴出ノズル21と測定基台10が、測定対象物W1の寸法変位量が生じる方向において、所定の相対位置で停止して保持されるように構成されている。
【0048】
取付部材34は、例えば、スライド部材33に対してボルトによって取付けられるとともにスライド部材33に立設されている。
そして、取付部材34は、空気マイクロメータ20のエア噴出ノズル21を保持して、スライド部材33の進退により、エア噴出ノズル21を測定部位M1に対して寸法変位量が形成される方向に沿って進退させるようになっている。
【0049】
次に、図7図8を参照して、測定装置Assy1において、測定対象物W1から測定対象物W2に段取替えする際の一例について説明する。
なお、便宜的に、測定装置ユニット1Aを例示して、三つの測定装置ユニット1Aにおいて上記段取替えを行う場合について説明する。
図7は、測定装置ユニット1Aにおける段取替えの概略を説明するフローチャートであり、図8は、測定装置ユニット1Aにおける段取替えの概略を説明する図ある。
【0050】
なお、測定対象物載置治具13Bは、測定対象物載置治具13Aと基本的に同じ構成を有していて、上述のように、第2係合部10Bが、測定対象物W2と測定対象物W2の設定寸法の差異に対応して変更されている。
【0051】
(1)まず、測定装置ユニット1Aは、測定対象物W1に適応する状態とされている(S01)。
具体的には、図8(A)に示すように、測定装置ユニット1Aに測定対象物W1と対応する測定対象物載置治具13Aが配置され、駆動シリンダ31によりスライド部材33が測定対象物載置治具13A側に移動されて、スライド部材33に形成された第1係合部30Aが測定対象物載置治具13Aに形成された第2係合部10Aと当接されるとともに押圧、保持されている。
その結果、測定対象物載置治具13Aに測定対象物W1を載置すると、空気マイクロメータ20のエア噴出ノズル21と測定対象物W1の測定部位M1の間に検知可能な間隙が形成される。
【0052】
(2)次に、駆動シリンダ31を駆動して、スライド部材33を測定対象物載置治具13Aから後退させる(S02)。
具体的には、図8(B)に示すように、駆動シリンダ31を駆動してスライド部材33を矢印T1方向に後退させて、空気マイクロメータ20のエア噴出ノズル21が測定対象物載置治具13Aから後退する。また、スライド部材33に形成された第1係合部30Aと測定対象物載置治具13Aに形成された第2係合部10Aとの当接を解除されるので、測定対象物載置治具13Aが取外し可能となる。
【0053】
(3)次いで、測定対象物W1に適応される測定対象物載置治具13Aを、測定対象物W2に適応される測定対象物載置治具13Bと取り替える(S03)。
具体的には、図8(C)に示すように、測定治具取付ベース12から測定対象物載置治具13Aを取り外すとともに、予め準備していた測定対象物W2に適応される測定対象物載置治具13Bを測定治具取付ベース12に取り付ける。
【0054】
(4)次に、駆動シリンダ31を駆動して、スライド部材33を測定対象物載置治具13Aに向かって前進させる(S04)。
具体的には、図8(D)に示すように、駆動シリンダ31を駆動してスライド部材33を矢印T2方向に前進させて、空気マイクロメータ20のエア噴出ノズル21を測定対象物載置治具13Bに向かって前進させる。そして、スライド部材33に形成された第1係合部30Aと測定対象物載置治具13Bに形成された第2係合部10Bとを当接させ、保持する。
【0055】
(5)その結果、測定装置ユニット1Aは、測定対象物W2に適応する状態となる(S05)。
この状態で測定対象物載置治具13Bに測定対象物W2を載置すると、空気マイクロメータ20のエア噴出ノズル21と測定対象物W2の測定部位M2の間に、エア噴出ノズル21により検知可能な間隙が形成される。
【0056】
第1の実施形態に係る測定装置Assy1、測定装置ユニット1Aによれば、駆動部30を構成するスライド部材33に、空気マイクロメータ20の空気噴出ノズル21と対応する第1係合部30Aが形成されるとともに、測定対象物載置治具13に測定基台10と対応する第2係合部10Aが形成されていて、駆動シリンダ31によってスライド部材33を空気マイクロメータ20の寸法変位量測定方向に移動して、エア噴出ノズル21と対応する第1係合部30Aと、測定基台10と対応する第2係合部10Aとを当接させる。
【0057】
その結果、測定基台10に配置された測定対象物W1、W2に対して、エア噴出ノズル21を正確かつ容易に所定の相対位置に調整することができる。
【0058】
また、エア噴出ノズル21が、測定対象物W1、W2に対する検知可能な所定の間隔を形成するように構成されているので、空気マイクロメータ20によって測定対象物W1、W2の測定部位M1、M2の寸法変位量を検知して、測定対象物W1、W2の寸法を正確に測定することができる。
【0059】
第1の実施形態に係る測定装置1によれば、測定対象物載置治具13A、13Bを交換することにより、測定対象物W1、W2と対応する第2係合部10A、10Bが測定基台10に配置されるので、エア噴出ノズル21に対する測定基台10の相対位置をそれぞれの測定対象物W1、W2と効率的に対応させることができる。
【0060】
その結果、測定対象物Wごとに、専用の測定装置を準備することが不必要となり、設備投資を削減することができる。
【0061】
また、第1の実施形態に係る測定装置1によれば、測定対象物載置治具13に形成された第2係合部10Aが平行ピン13Pからなり、スライド部材33に形成された第1係合部30AがV字形溝33Vとされているので、駆動シリンダ31によりスライド部材33が測定基台10に向かって移動して、第1係合部30Aが平行ピン13Pに接近するにつれて、平面視して平行ピン13PがV字形溝33Vの中央寄りに案内されて平行ピン13PがV字形溝33Vに当接する際にV字形溝33Vの振り分け位置に配置される。
その結果、エア噴出ノズルが、測定対象物W1、W2の測定部位M1、M2の測定するべき中心位置に対向され、測定対象物W1、W2の寸法変位量を正確に検知することができる。
【0062】
<第1変形例(第1の実施形態)>
次に、図9を参照して、本発明の第1の実施形態に係る測定装置ユニット1Aの第1係合部及び第2係合部に関する第1変形例について説明する。
図9は、第1の実施形態に係る測定装置ユニットにおける第1係合部及び第2係合部に関する第1変形例を説明する部分平面図を示している。
【0063】
第1の実施形態に係る第1変形例は、第1の実施形態における第1係合部30Aが平面視してV字形に形成されたV字状凹部30Vにより構成ざれ、第2係合部10Aが平面視して円弧状に形成され円弧状凹部13Cに取付けられた断面円形状の平行ピン13Pにより構成されていたのに対して、第1係合部30Bがスライド部材33の先端部に形成された球面部33Sからなり、第2係合部10Cが測定対象物載置治具13に形成された球面部13Sに取付けられた超硬ボール13Kにより構成されている。
その他は、第1の実施形態と同様であるので、同じ符号を付して説明を省略する。
【0064】
第1の実施形態の第1変形例によれば、エア噴出ノズル21が測定部位M1の中心に対して、平面視における中心と上下方向における中心に容易に調整可能に構成されている。
その結果、空気マイクロメータ20と測定対象物Wの寸法変位方向における相対的位置に加えて、エア噴出ノズル21を測定対象物W1の測定部位M1に対して寸法変位方向に対する左右方向及び上下方向において正確かつ効率的に中心に調整することができる。
【0065】
次に、図10(A)〜図10(C)を参照して、本発明の第1の実施形態に係る測定装置ユニット1Aの第1係合部及び第2係合部に関する第2〜第4変形例について説明する。
【0066】
図10は、第1の実施形態に係る測定装置ユニットの第1係合部及び第2係合部の第2〜第4変形例を説明する正面から見た部分図を示している。図10(A)〜図10(C)において、第1係合部及び第2係合部のうち、ハッチングで示したのは着脱されないものとし、X印を施したものは着脱可能であることを示している。
【0067】
<第2変形例(第1の実施形態)>
図10(A)は、第1の実施形態に係る第2変形例を説明する正面から見た部分図である。
第2変形例は、図10(A)に示すように、第1係合部301Aと、第2係合部101Aとを備えている。
第1係合部301Aは、例えば、スライド部材331の先端部に一体に形成されていて、変更しない構成とされている。
また、第2係合部101Aは、測定対象物載置治具131に形成され、変更可能な構成とされている。
そして、第1変形例では、第2係合部101Aを変更することにより、測定対象とされる測定対象物を変更することができる。
【0068】
<第3変形例(第1の実施形態)>
図10(B)は、第1の実施形態に係る第3変形例を説明する正面から見た部分図である。
第3変形例は、図10(B)に示すように、第1係合部302Aと、第2係合部102Aとを備えている。
第1係合部302Aは、スライド部材332の先端部に形成され、変更可能に構成されている。
また、第2係合部102Aは、例えば、測定対象物載置治具132に一体に形成されていて、変更しない構成とされている。
そして、第3変形例では、第1係合部302Aを変更することにより、測定対象とされる測定対象物を変更することができる。
【0069】
<第4変形例(第1の実施形態)>
図10(C)は、第1の実施形態に係る第4変形例を説明する正面から見た部分図である。
第4変形例は、図10(C)に示すように、第1係合部302Aと、第2係合部101Aとを備えている。
第1係合部302Aは、スライド部材331の先端部に形成され、変更可能な構成とされている。
また、第2係合部101Aは、測定対象物載置治具131に形成され、変更可能な構成とされている。
そして、第4変形例では、第1係合部302Aと第2係合部101Aを変更することにより、測定対象とされる測定対象物を変更することができる。
【0070】
ここで、第2〜第4変形例において、変更可能な構成とは、例えば、第1係合部302Aに関しては、測定手段(測定子)又はこれらが配置される部材(例えば、スライド部材332等)とともに交換し、あるいはこれらに対して第1係合部302Aをなすキーやコマを螺合や挿入等によって着脱可能に取付けたり、スライド部材332等に装着された状態で、例えば、回動させて当接される面を変更することにより変化させる構成をいう。第2係合部101Aについても同様である。
【0071】
<第2の実施形態>
次に、図11を参照して、本発明の第2の実施形態に係る測定装置について説明する。図11は、第2の実施形態に係る測定装置ユニットの概略構成を説明する図であり、符号2Aは測定装置ユニット(測定装置)を示している。
【0072】
第2の実施形態が第1の実施形態と異なるのは、測定手段として、空気マイクロメータ20に代えて電気マイクロメータ40が用いられている点であり、その他は、第1の実施形態と同様である。
以下、測定装置ユニット2Aについて説明するものとし、第1の実施形態と同じ部分については、同じ符号を付して説明を省略する。なお、例えば、第1の実施形態と同様に、3つの測定装置ユニット2Aを備えた測定装置Assy(測定装置)を構成していてもよい。
【0073】
測定装置ユニット2Aは、例えば、測定基台10と、駆動部300と、電気マイクロメータユニット35とを備えている。測定基台10は、複数の測定装置ユニット2Aが共有する構成とされていてもよい。
【0074】
測定基台10は、図11に示すように、測定基台ベース11と、測定治具取付ベース12と、測定対象物載置治具13Aとを備え、測定基台ベース11、測定治具取付ベース12、測定対象物載置治具13Aは、下側からこの順に配置されていて、測定対象物載置治具13Aは着脱可能とされている。
【0075】
駆動部300は、例えば、駆動シリンダ(駆動手段)31と、ガイドブロック32、スライド部材33とを備え、取付ブラケット31A、駆動シリンダ31、ガイドブロック32、スライド部材33は下側からこの順に配置されて、取付ブラケット31Aを介して測定基台ベース11に取付けられている。また、スライド部材33には、電気マイクロメータユニット35が載置されている。
【0076】
電気マイクロメータユニット35は、ボールねじ装置36と、スライド部37と、取付部38と、電気マイクロメータ(測定手段)40とを備え、電気マイクロメータ40は取付部38によってスライド部37に取付けられ、ボールねじ装置36がスライド部37を駆動することにより電気マイクロメータ40を測定対象物載置治具13Aに対して進退するようになっている。
【0077】
電気マイクロメータ40は、プローブ(測定子)41と、検知部42とを備えており、プローブ41が測定対象物W1と接触した際に、プローブ41の位置や姿勢と対応して発生する電気信号の変化を検知部42が検出して寸法変位信号を出力するようになっている。
【0078】
図11(A)は、プローブ41を位置調整する前の状態を示す図である。
測定装置ユニット2Aは、図11(A)に示すように、駆動部300により、スライド部材33を矢印T10の方向に移動させることにより、測定対象物載置治具13Aを取り外し、取付すことが可能である。また、このとき、通常は、電気マイクロメータ40は、ボールねじ装置36により後退されている。
【0079】
次に、図11(B)は、プローブ41を測定対象物載置治具13Aに対して所定位置に位置調整した状態を示す図である。
測定装置ユニット2Aは、この状態で測定対象物載置治具13Aに測定対象物W1を載置して、ボールねじ装置36によってスライド部37を進退させて測定の準備が完了する。
【0080】
そして、図11(C)に示すように、ボールねじ装置36によってスライド部37を矢印T12方向に前進させて電気マイクロメータ40のプローブ41が測定対象物W1と接触すると、検知部42に寸法変位量に応じた信号が発生し、この信号により寸法変位量を測定するようになっている。
【0081】
なお、上記の実施形態において記載した技術的事項については、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。
【0082】
例えば、上記実施の形態においては、測定装置Assy1、2が3つの測定手段(空気マイクロメータ20、電気マイクロメータ40)を備え、測定装置ユニット1A、2Aが1つの測定手段を備える場合について説明したが、測定装置が備える測定手段の数や測定対象物W1の形状については任意に設定することが可能である。
【0083】
また、上記実施の形態においては、測定対象物載置治具13(13A、13B)が、取付ボルト14により測定治具取付ベース12に着脱される場合について説明したが、取付ボルト14以外の着脱部材を適用してもよい。
【0084】
また、上記実施の形態においては、測定装置ユニット1Aが、二つの測定対象物載置治具13(13A、13B)を備え、測定対象物載置治具13Aと測定対象物載置治具13Bとを取り替えることで、二つの測定対象物W1、W2の測定に適用される場合について説明したが、例えば、3つ以上の測定対象物に適用される測定対象物載置治具13を備える構成としてもよいし、一つの測定対象物載置治具13のみを備えていて、測定対象物載置治具13を補修や点検をする際におけるメンテナンス性を向上するために本発明を適用してもよい。
【0085】
また、上記実施の形態においては、第1係合部30Aについては変更せずに、第2係合部10A、10Bを測定対象物載置治具13A、13Bとともに変更する場合について説明したが、例えば、測定手段と測定対象物載置治具13をともに変更することなく、第1係合部30Aと第2係合部10A、10Bのいずれか一方又は双方を着脱可能なパーツとして形成し、このパーツを交換することにより測定手段の測定子と測定基台10の相対位置を調整する構成としてもよい。
【0086】
また、上記実施の形態においては、測定装置Assy1、測定装置ユニット1Aが空気マイクロメータ20を備え、測定装置ユニット2Aが電気マイクロメータ40を備えている場合について説明したが、空気マイクロメータ20、電気マイクロメータ40に代えて、例えば、ダイヤルゲージ、光学式測定装置をはじめとする測定子を有する測定手段に適用してもよい。
【0087】
また、上記実施の形態においては、測定装置ユニット1A、2Aが、駆動手段としてエアシリンダ等の駆動シリンダ31を備える場合について説明したが、例えば、ボールねじ、リニアモータ等、駆動シリンダ以外の駆動手段を備える構成としてもよい。
【0088】
上記実施の形態においては、駆動手段が測定手段(空気マイクロメータ20、電気マイクロメータ40)を測定基台10に対して移動させる場合について説明したが、例えば、測定手段に対して測定基台を移動する構成や、測定手段と測定基台の双方を移動する構成とし手もよいし、複数の測定手段が用いられている場合に、一部の測定手段を移動する構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明に係る測定装置によれば、測定子を有する測定手段を用いた測定装置に関して、測定子と測定対象物との相対位置を正確かつ容易に調整可能であるので、産業上利用可能である。
【符号の説明】
【0090】
W1、W2 測定対象物
M1、M2 測定部位
1 測定装置Assy(測定装置)
1A、2A 測定装置ユニット(測定装置)
10 測定基台
10A、10B、10C、101A、101B 第2係合部
13、13A、13B 測定対象物載置治具(アタッチメント)
13P 平行キー(第2係合部)
13K 超硬ボール(第2係合部)
20 空気マイクロメータ(測定手段)
21 エア噴出ノズル(測定子)
30、300 駆動部
30A、30B、301A、301B 第1係合部
31 駆動シリンダ(駆動手段)
33S 球面部(第1係合部)
33V V字形溝(第1係合部)
35 電気マイクロメータユニット
40 電気マイクロメータ(測定手段)
41 プローブ(測定子)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11