(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記発光層は、ホスト材料と、ドーパント材料としての前記蛍光発光性材料とを含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記ホスト材料は、アミン誘導体、アジン誘導体、または縮合多環芳香族誘導体であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
請求項2または請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記ホスト材料は、アントラセン誘導体であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記蛍光発光性材料は、ピレン誘導体、アミノアントラセン誘導体、アミノクリセン誘導体、アミノピレン誘導体、フルオランテン誘導体およびホウ素錯体からなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記蛍光発光性材料は、ピレン誘導体であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[有機EL素子]
(有機EL素子の素子構成)
本発明の一実施形態における有機EL素子の代表的な素子構成としては、例えば、次の(a)〜(e)などの構成を挙げることができる。
(a)陽極/発光層/陰極
(b)陽極/正孔注入・輸送層/発光層/陰極
(c)陽極/発光層/電子注入・輸送層/陰極
(d)陽極/正孔注入・輸送層/発光層/電子注入・輸送層/陰極
(e)陽極/正孔注入・輸送層/第一発光層/中間層/第二発光層/電子注入・輸送層/陰極
上記の中で(d),(e)の構成が好ましく用いられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
なお、上記「発光層」とは、発光機能を有する有機層であって、ドーピングシステムを採用する場合、ホスト材料とドーパント材料を含んでいる。このとき、ホスト材料は、主に電子と正孔の再結合を促し、励起子を発光層内に閉じ込める機能を有し、ドーパント材料は、再結合で得られた励起子を効率的に発光させる機能を有する。燐光素子の場合、ホスト材料は主にドーパントで生成された励起子を発光層内に閉じ込める機能を有する。
上記「正孔注入・輸送層」は「正孔注入層および正孔輸送層のうちの少なくともいずれか1つ」を意味し、「電子注入・輸送層」は「電子輸送層」または「電子注入層および電子輸送層」を意味する。ここで、正孔注入層および正孔輸送層を有する場合には、陽極側に正孔注入層が設けられていることが好ましい。また、電子注入層および電子輸送層を有する場合には、陰極側に電子注入層が設けられていることが好ましい。
【0017】
また、上記「中間層」(中間導電層、電荷発生層、CGLとも呼ぶ)は、中間導電層及び電荷発生層の少なくともいずれかを含む層、又は中間導電層及び電荷発生層の少なくともいずれかであり、発光ユニットに注入する電子又は正孔の供給源となる。一対の電極から注入される電荷に加えて、中間層から供給される電荷が発光ユニット内に注入されることになるので、中間層を設けることによって、注入した電流に対する発光効率(電流効率)が向上する。
【0018】
本発明の一実施形態に係る有機EL素子は、陰極と、陽極と、陰極と陽極との間に配置された有機層とを有する。有機層は、少なくとも発光層、第一電子輸送層、および第二電子輸送層を有し、さらに、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、正孔障壁層、電子障壁層等の有機EL素子で採用される層を有していてもよい。有機層は、無機化合物を含んでいてもよい。
【0019】
<第一実施形態>
本実施形態に係る有機EL素子1は、
図1に示すように透光性の基板2と、陽極3と、陰極4と、陽極3および陰極4の間に配置された有機層10と、を有する。
有機層10は、陽極3側から順に、正孔注入層6、正孔輸送層7、発光層5、第一電子輸送層81、第二電子輸送層82、電子注入層9を備える。
【0020】
(第一電子輸送層)
本実施形態に係る有機EL素子1の第一電子輸送層は、下記一般式(1)で表される化合物を含む。
【0021】
【化4】
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【0022】
[前記一般式(1)において、X
1からX
6までは、それぞれ独立に窒素原子、CR、CA、CR
11、またはCR
12である。ただし、X
1からX
6までのうち少なくとも1つは窒素原子である。Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホニル基、メルカプト基、置換もしくは無置換のボリル基、置換もしくは無置換のホスフィノ基、置換もしくは無置換のアシル基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルキニル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜30のアラルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜40のヘテロアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40のアリールチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜40のヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜40のヘテロアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40の芳香族炭化水素基、および置換もしくは無置換の環形成原子数5〜40の複素環基からなる群から選ばれる。
R
11およびR
12は、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜40の複素環基、または下記一般式(11)で表される基である。
Aは、下記一般式(11)で表される。
【0023】
【化5】
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【0024】
(前記一般式(11)において、aは、1以上5以下の整数である。
L
1は、単結合または連結基であり、L
1における連結基は、置換もしくは無置換の炭素数1〜30の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状の多価の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の多価のアミノ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40の多価の芳香族炭化水素環基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜40の多価の複素環基、前記芳香族炭化水素環基から選ばれる2個から3個の基が結合してなる二価の多重連結基、前記複素環基から選ばれる2個から3個の基が結合してなる二価の多重連結基、又は前記芳香族炭化水素環基及び前記複素環基から選ばれる2個から3個の基が結合してなる二価の多重連結基である。
なお、前記多重連結基において、前記多重連結基を構成する前記芳香族炭化水素環基および前記複素環基は、互いに同一または異なり、隣り合う基同士で結合してさらに環を形成していてもよい。
Ar
1は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換の環形成原子数5〜40の複素環基である。aが2以上5以下のとき、Ar
1は、互いに同一または異なる。
また、Ar
1とL
1は、環構造を形成する場合と、形成しない場合とがある。)]
【0025】
前記一般式(11)において、L
1が多重連結基を構成し、隣り合う芳香族炭化水素環基おける複素環基が環を形成するとは、例えば、L
1が3つのフェニレン基からなる場合に、下記式(11a)や(11b)などで表される基となる場合が挙げられる。
【0026】
【化6】
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【0027】
前記一般式(11)において、Ar
1は、下記一般式(12)で表されることが好ましい。
【0028】
【化7】
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【0029】
(前記一般式(12)において、X
11からX
18までは、それぞれ独立に、窒素原子、CR
13である。Z
1は、酸素原子、硫黄原子、NR
14、CR
15R
16、SiR
17R
18である。R
13からR
18までは、前記一般式(1)のRと同義である。
ただし、R
13からR
18までのうちいずれか1つは、前記一般式(11)のL
1に結合する単結合である。
前記一般式(12)が複数のR
13を有する場合、R
13は、互いに同一または異なる。
また、隣接するCR
13のR
13が互いに結合して、飽和または不飽和の環を形成していてもよい。Z
1がNR
14、CR
15R
16、SiR
17R
18のいずれかであり、かつX
11とX
18の少なくとも一方がCR
13のとき、R
14からR
18までのいずれかが、一方のR
13と互いに結合して環を形成していてもよい。または、Z
1が一方のR
13と直接結合して環を形成していてもよい。
また、R
13からR
18までのうちL
1に結合する単結合であるもの以外が、さらに前記一般式(11)のL
1と結合して、飽和または不飽和の環を形成していてもよい。)
【0030】
前記一般式(12)において、隣接するCR
13のR
13が互いに結合して、飽和または不飽和の環を形成する場合、例えば、下記一般式(12A)または(12B)で表される環を形成する。
【0031】
【化8】
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【0032】
(前記一般式(12A)において、y
11およびy
12は、前記一般式(12)において隣接する2つのCR
13への結合位置を示す。
一般式(12B)において、y
13およびy
14は、前記一般式(12)において隣接する2つのCR
13への結合位置を示す。
X
111〜X
118は、それぞれ前記一般式(12)におけるX
11〜X
18と同義である。
Z
11は、前記一般式(12)におけるZ
1と同義である。)
【0033】
前記一般式(12)において、隣接するCR
13のR
13が互いに結合して、上記一般式(12A)または(12B)で表される環を形成する例としては、下記一般式(12A−1)〜(12A−3)および下記一般式(12B−1)〜(12B−6)で表される構造が挙げられる。
【0034】
【化9】
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【0035】
(一般式(12A−1)〜(12A−3)において、Z
1,X
11〜X
18は、前記一般式(12)のものと同義であり、X
111〜X
114は、前記一般式(12)におけるX
11〜X
18と同義である。)
【0036】
【化10】
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【0037】
(一般式(12B−1)〜(12B−6)において、Z
1,X
11〜X
18は、前記一般式(12)のものと同義であり、Z
11は、前記一般式(12)におけるZ
1と同義でありX
115〜X
118は、前記一般式(12)におけるX
11〜X
18と同義である。)
【0038】
さらに、前記一般式(12)において、X
13またはX
16がCR
13であって、R
13がL
1に結合する単結合であることが好ましい。
前記一般式(12)において、Z
1は、酸素原子、またはNR
14であることが好ましく、NR
14であることがより好ましい。
前記一般式(12)において、Z
1がNR
14であり、X
11からX
18がCR
13であることが好ましい。すなわち、前記一般式(11)において、Ar
1が置換または無置換のカルバゾリル基であることが好ましい。
また、前記一般式(12)において、Z
1がNR
14であり、X
11からX
18がCR
13であり、R
14が、前記一般式(11)のL
1に結合する単結合であっても好ましい。
【0039】
前記一般式(11)において、Ar
1は、置換もしくは無置換の環形成炭素数8〜20の縮合芳香族炭化水素基であることが好ましい。
環形成炭素数8〜20の縮合芳香族炭化水素基としては、ナフタレン、アントラセン、アセフェナントリレン、アセアントリレン、ベンゾアントラセン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ナフタセンから誘導される基が好ましい。
【0040】
また、前記一般式(11)において、Ar
1は、下記一般式(13)で表される基であっても好ましい。
【0041】
【化11】
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【0042】
(前記一般式(13)において、結合手は、いずれかの炭素原子から前記一般式(11)のL
1に結合する単結合を表す。)
【0043】
また、前記一般式(11)において、Ar
1は、下記一般式(14)で表される基であっても好ましい。
【0044】
【化12】
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【0045】
(前記一般式(14)において、tは、1以上3以下の整数を表す。nは、1以上4以下の整数を表す。R
111は、前記一般式(1)のRと同義であり、複数のR
111は互いに同一または異なる。L
11およびL
12は、前記一般式(11)のL
1と同義である。
Ar
12は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換の環形成原子数5〜40の複素環基である。
なお、L
11は、前記一般式(11)のL
1に単結合する。複数のR
111は、それぞれカルバゾリル基のいずれかの炭素原子に結合し、2つのカルバゾリル基は、互いに1位から4位までのいずれかの位置において結合する。)
【0046】
前記一般式(11)において、aが1以上3以下の整数であることが好ましく、aが1または2であることがより好ましい。
前記一般式(11)において、aが1であり、L
1が連結基であって、L
1における連結基は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40の二価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換の環形成原子数5〜40の二価の複素環基であることが好ましい。
また、前記一般式(11)において、aが2であり、L
1が連結基であって、L
1における連結基は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40の三価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換の環形成原子数5〜40の三価の複素環基であっても好ましい。
【0047】
さらに、前記一般式(11)において、L
1が、ベンゼン、ビフェニル、ターフェニル、ナフタレン、およびフェナントレンのいずれかから誘導される二価または三価の残基であることが好ましい。
【0048】
前記一般式(1)は、下記一般式(100)で表されることが好ましい。
【0049】
【化13】
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【0050】
(前記一般式(100)において、X
1,X
3およびX
5は、それぞれ独立に窒素原子、またはCRである。ただし、X
1,X
3およびX
5のうち少なくとも1つは窒素原子である。
A,R,R
11,R
12は、それぞれ前記一般式(1)のA,R,R
11,R
12と同義である。)
【0051】
前記一般式(1)において、X
1からX
6までのうち、いずれか2つもしくは3つが窒素原子であることが好ましい。中でも、前記一般式(1)において、X
1,X
3およびX
5のうち、いずれか2つもしくは3つが窒素原子であることが好ましく、ずなわち、前記一般式(100)において、X
1,X
3,X
5のいずれか2つもしくは3つが窒素原子であることが好ましい。
【0052】
そして、特に、前記一般式(1)が下記一般式(1A)〜(1D)で表されることが好ましい。すなわち、X
1とX
3とが窒素原子であるピリミジンの場合、X
3とX
5とが窒素原子であるピリミジンの場合、X
1とX
5とが窒素原子であるピリミジンの場合、およびX
1,X
3,X
5がいずれも窒素原子であるトリアジンの場合が好ましい。
【0053】
【化14】
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【0054】
前記一般式(1)において、R
11またはR
12が、下記式(1a)〜(1p)からなる群から選ばれる基であることが好ましい。
【0055】
【化15】
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【0056】
前記一般式(1)において、X
1およびX
3が窒素原子であり、X
4がCR
12であって、R
12が、上記式(1a)〜(1p)からなる群から選ばれる基であることが好ましい。すなわち、前記一般式(1)が前記一般式(1A)で表され、R
12が上記式(1a)〜(1p)からなる群から選ばれる基であることが好ましい。
【0057】
このような前記一般式(1)で表される化合物としては、下記一般式(1−1)で表される化合物が好ましく、下記一般式(1−2)で表される化合物がより好ましい。前記一般式(1)で表される化合物としては、さらに下記一般式(1−3)で表される化合物が好ましく、下記一般式(1−4)で表される化合物が特に好ましい。
【0058】
【化16】
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【0059】
(一般式(1−1)において、R
11は、前記一般式(1)におけるR
11と同義である。L
1およびL
121は、前記一般式(11)におけるL
1と同義である。aは、前記一般式(11)におけるaと同義である。Ar
121は、前記一般式(11)におけるAr
1と同義である。Z
1、X
11〜X
18は、それぞれ前記一般式(12)におけるものと同義である。なお、L
1は、Z
1およびX
11〜X
18のいずれかに結合する。)
【0060】
【化17】
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【0061】
(前記一般式(1−2)において、R
11は、前記一般式(1)におけるR
11と同義である。L
1およびL
121は、前記一般式(11)におけるL
1と同義であり、aは、前記一般式(11)におけるaと同義である。Ar
121は、前記一般式(11)におけるAr
1と同義である。Czは、下記一般式(1−21)で表される基である。)
【0062】
【化18】
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【0063】
(一般式(1−21)において、R
101は、それぞれ独立に、前記一般式(12)におけるR
13と同義であり、R
102は、前記一般式(12)におけるR
14と同義である。cは、1以上8以下の整数である。cが2以上の場合、複数のR
101は、互いに同一または異なる。
ただし、R
101およびR
102のうち少なくとも1つは、前記一般式(1−2)におけるL
1と結合する単結合である。なお、R
101は、カルバゾリル基のいずれかの炭素原子に結合する。)
【0064】
【化19】
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【0065】
(前記一般式(1−3)において、R
11、L
121、Ar
121、Czは、それぞれ前記一般式(1−2)のものと同義である。なお、Czおよびピリミジン環は、ベンゼン環のいずれかの炭素原子に結合する。)
【0066】
【化20】
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【0067】
(前記一般式(1−4)において、R
11は、
前記一般式(1)におけるR11と同義である。L
121は前記一般式(11)におけるL1と同義である。Ar
121は前記一般式(11)におけるAr1と同義である。R
101は、前記一般式(1)におけるRと同義である。cは
8である。なお、カルバゾリル基およびピリミジン環は、ベンゼン環のいずれかの炭素原子に結合する。また、R
101は、カルバゾリル基のいずれかの炭素原子に結合する。)
【0068】
前記一般式(1−4)において、より好ましくはR
101が水素原子であり、R
11が置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40の芳香族炭化水素基である。さらに好ましくは、R
11が置換もしくは無置換のフェニル基であり、特に好ましくは、無置換のフェニル基である。
【0069】
さらに、前記一般式(1−4)において、−L
121−Ar
121は、前記式(1a)〜(1p)のいずれかであることが好ましい。
【0070】
次に前記一般式(1),(1A)〜(1D),(1−1)〜(1−4),(1−21)(11),(12),(12A),(12B),(12A−1)〜(12A−3),(12B−1)〜(12B−6),(14),(100)に記載の各置換基について説明する。前記一般式(1),(1A)〜(1D),(1−1)〜(1−4),(1−21)(11),(12),(12A),(12B),(12A−1)〜(12A−3),(12B−1)〜(12B−6),(14),(100)に記載の置換基の具体例としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホニル基、メルカプト基、置換もしくは無置換のボリル基、置換もしくは無置換のホスフィノ基、置換もしくは無置換のアシル基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルキニル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜30のアラルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜40のヘテロアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40のアリールチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜40のヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜40のヘテロアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40の芳香族炭化水素基、および置換もしくは無置換の環形成原子数5〜40の複素環基が挙げられる。
【0071】
前記一般式(1),(1−1)〜(1−4),(1−21)(11),(12),(12A),(12B),(12A−1)〜(12A−3),(12B−1)〜(12B−6),(14),(100)におけるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられ、フッ素であることが好ましい。
【0072】
前記一般式(1),(1−1)〜(1−4),(1−21)(11),(12),(12A),(12B),(12A−1)〜(12A−3),(12B−1)〜(12B−6),(14),(100)における置換もしくは無置換のボリル基としては、ボリル基(−BH
2)の他、ボリル基(−BH
2)のHがR
E,R
Eで置換された−BR
ER
Eと表される基も含む。
ここで、R
Eが、アルキル基の場合、アルキルボリル基となり、置換もしくは無置換のアルキルボリル基が好ましい。R
Eとしてのアルキル基は、下記炭素数1〜30のアルキル基が好ましい。
また、R
Eが、アリール基の場合、アリールボリル基となり、置換もしくは無置換のアリールボリル基が好ましい。R
Eとしてのアリール基は、下記環形成炭素数6〜40の芳香族炭化水素基が好ましい。
また、R
Eが、ヘテロアリール基の場合、ヘテロアリールボリル基となり、置換もしくは無置換のヘテロアリールボリル基が好ましい。R
Eとしてのヘテロアリール基は、下記環形成原子数5〜40の複素環基が好ましい。
その他、ジヒドロキシボリル基(−B(OH)
2)が挙げられる。
【0073】
前記一般式(1),(1−1)〜(1−4),(1−21)(11),(12),(12A),(12B),(12A−1)〜(12A−3),(12B−1)〜(12B−6),(14),(100)における置換もしくは無置換のホスフィノ基としては、ホスフィノ基(−PH
2)と表される基の他、ホスフィノ基(−PH
2)のHがR
F,R
Fで置換された−PR
FR
Fと表される基や、−P(O)R
FR
Fと表される基も含む。
ここで、R
Fが、アルキル基の場合、アルキルフォスフィノ基となり、置換もしくは無置換のアルキルフォスフィノ基が好ましい。R
Fとしてのアルキル基は、下記炭素数1〜30のアルキル基が好ましい。
また、R
Fが、アリール基の場合、アリールフォスフィノ基となり、置換もしくは無置換のアリールフォスフィノ基が好ましい。R
Fとしてのアリール基は、下記環形成炭素数6〜40の芳香族炭化水素基が好ましい。
また、R
Fが、ヘテロアリール基の場合、ヘテロアリールフォスフィノ基となり、置換もしくは無置換のヘテロアリールフォスフィノ基が好ましい。R
Fとしてのヘテロアリール基は、下記環形成原子数5〜40の複素環基が好ましい。
【0074】
前記一般式(1),(1−1)〜(1−4),(1−21)(11),(12),(12A),(12B),(12A−1)〜(12A−3),(12B−1)〜(12B−6),(14),(100)における置換もしくは無置換のアシル基は、−CO−R
Dで表される。
ここで、R
Dが、アルキル基の場合、アルキルカルボニル基となり、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルキルカルボニル基が好ましい。R
Dとしてのアルキル基は、下記炭素数1〜30のアルキル基が好ましい。アルキルカルボニル基の具体例として、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、ピバロイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オレオイル基などが挙げられる。
また、R
Dが、アリール基の場合、アリールカルボニル基となり(アロイル基という場合もある。)、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40のアリールカルボニル基がこのましい。R
Dとしてのアリール基は、下記環形成炭素数6〜40の芳香族炭化水素基が好ましい。アリールカルボニル基の具体例として、例えば、ベンゾイル基、トルオイル基、サリチロイル基、シンナモイル基、ナフトイル基、フタロイル基などが挙げられる。
また、R
Dが、ヘテロアリール基の場合、ヘテロアリールカルボニル基となり、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜40のヘテロアリールカルボニル基がこのましい。R
Dとしてのヘテロアリール基は、下記環形成原子数5〜40の複素環基が好ましい。ヘテロアリールカルボニル基の具体例として、例えば、フロイル基、ピロリルカルボニル基、ピリジルカルボニル基、チエニルカルボニル基などが挙げられる。
なお、R
Dが、水素原子である場合であるホルミル基(−CO−H)も、ここでいうアシル基に含まれる。
【0075】
前記一般式(1),(1−1)〜(1−4),(1−21)(11),(12),(12A),(12B),(12A−1)〜(12A−3),(12B−1)〜(12B−6),(14),(100)における置換もしくは無置換のアミノ基としては、アミノ基(−NH
2)の他、アミノ基(−NH
2)のHが各置換基で置換されたアミノ基が挙げられる。例えば、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基で置換されたアルキルアミノ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40のアリール基で置換されたアリールアミノ基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜40のヘテロアリール基で置換されたヘテロアリールアミノ基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアシル基で置換されたアシルアミノ基などが挙げられる。
アルキルアミノ基における炭素数1〜30のアルキルとしては、下記炭素数1〜30のアルキル基が好ましい。2つのアルキル基で置換される場合、2つのアルキル基は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
アリールアミノ基における環形成炭素数6〜40のアリール基としては、下記環形成炭素数6〜40の芳香族炭化水素基が好ましい。アリールアミノ基としては、フェニル基で置換されたアミノ基が好ましい。2つのアリール基で置換される場合、2つのアリール基は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
ヘテロアリールアミノ基における環形成原子数5〜40のヘテロアリール基としては、下記環形成原子数5〜40の複素環基が好ましい。2つのヘテロアリール基で置換される場合、2つのヘテロアリール基は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
アシルアミノ基における炭素数2〜30のアシル基としては、前記アシル基の中から選ばれることが好ましい。
また、置換アミノ基としては、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基およびアシル基の中から2種類が選ばれて置換されたものであってもよい。
例えば、アルキル基とアリール基とが置換されたアミノ基であってもよく、アルキルアリールアミノ基、アルキルヘテロアリールアミノ基、アリールヘテロアリールアミノ基、アルキルアシルアミノ基、アリールアシルアミノ基が挙げられる。
【0076】
前記一般式(1),(1−1)〜(1−4),(1−21)(11),(12),(12A),(12B),(12A−1)〜(12A−3),(12B−1)〜(12B−6),(14),(100)における置換もしくは無置換のシリル基としては、無置換のシリル基の他、例えば、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基で置換されたアルキルシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40のアリール基で置換されたアリールシリル基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜40のヘテロアリール基で置換されたヘテロアリールシリル基などが挙げられる。
アルキルシリル基としては、上記炭素数1〜30のアルキル基を有するトリアルキルシリル基が挙げられ、具体的にはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−n−ブチルシリル基、トリ−n−オクチルシリル基、トリイソブチルシリル基、ジメチルエチルシリル基、ジメチルイソプロピルシリル基、ジメチル−n−プロピルシリル基、ジメチル−n−ブチルシリル基、ジメチル−t−ブチルシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基、ビニルジメチルシリル基、プロピルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基等が挙げられる。3つのアルキル基は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
アリールシリル基としては、下記環形成炭素数6〜40の芳香族炭化水素基を3つ有するトリアリールシリル基が挙げられ、トリアリールシリル基の炭素数は、18〜30であることが好ましい。3つのアリール基は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
ヘテロアリールシリル基としては、下記環形成原子数5〜40の複素環基を3つ有するトリヘテロアリールシリル基が挙げられる。3つのヘテロアリール基は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
また、置換シリル基としては、アルキル基、アリール基およびヘテロアリール基の中から少なくとも2種類が選ばれて置換されたものであってもよい。
例えば、アルキル基とアリール基とが置換されたシリル基であってもよく、アルキルアリールシリル基、ジアルキルアリールシリル基、ジアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基、トリアリールシリル基が挙げられる。複数のアリール基同士、またはアルキル基同士は、同一でも異なっていてもよい。
ジアルキルアリールシリル基は、例えば、上記炭素数1〜30のアルキル基で例示したアルキル基を2つ有し、下記環形成炭素数6〜40の芳香族炭化水素基を1つ有するジアルキルアリールシリル基が挙げられる。ジアルキルアリールシリル基の炭素数は、8〜30であることが好ましい。2つのアルキル基は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
アルキルジアリールシリル基は、例えば、上記炭素数1〜30のアルキル基で例示したアルキル基を1つ有し、上記環形成炭素数6〜40のアリール基を2つ有するアルキルジアリールシリル基が挙げられる。アルキルジアリールシリル基の炭素数は、13〜30であることが好ましい。2つのアリール基は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
このようなアリールシリル基としては、例えば、フェニルジメチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、ジフェニル−t−ブチルシリル基、トリフェニルシリル基が挙げられる。
また、アルキル基とヘテロアリール基とが置換されたシリル基、アリール基とヘテロアリール基とが置換されたシリル基、アルキル基とアリール基とヘテロアリール基とが置換されたシリル基であってもよい。
【0077】
前記一般式(1),(1−1)〜(1−4),(1−21)(11),(12),(12A),(12B),(12A−1)〜(12A−3),(12B−1)〜(12B−6),(14),(100)における置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基としては、直鎖、分岐鎖又は環状のいずれであってもよい。また、置換された炭素数1〜30のアルキル基には、ハロアルキル基が含まれる。ハロアルキル基としては、例えば、前記炭素数1〜30のアルキル基が1以上のハロゲン原子で置換されたものが挙げられる。置換もしくは無置換の直鎖または分岐鎖のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、ネオペンチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−ペンチルヘキシル基、1−ブチルペンチル基、1−ヘプチルオクチル基、3−メチルペンチル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシイソブチル基、1,2−ジヒドロキシエチル基、1,3−ジヒドロキシイソプロピル基、2,3−ジヒドロキシ−t−ブチル基、1,2,3−トリヒドロキシプロピル基、クロロメチル基、1−クロロエチル基、2−クロロエチル基、2−クロロイソブチル基、1,2−ジクロロエチル基、1,3−ジクロロイソプロピル基、2,3−ジクロロ−t−ブチル基、1,2,3−トリクロロプロピル基、ブロモメチル基、1−ブロモエチル基、2−ブロモエチル基、2−ブロモイソブチル基、1,2−ジブロモエチル基、1,3−ジブロモイソプロピル基、2,3−ジブロモ−t−ブチル基、1,2,3−トリブロモプロピル基、ヨードメチル基、1−ヨードエチル基、2−ヨードエチル基、2−ヨードイソブチル基、1,2−ジヨードエチル基、1,3−ジヨードイソプロピル基、2,3−ジヨード−t−ブチル基、1,2,3−トリヨードプロピル基、アミノメチル基、1−アミノエチル基、2−アミノエチル基、2−アミノイソブチル基、1,2−ジアミノエチル基、1,3−ジアミノイソプロピル基、2,3−ジアミノ−t−ブチル基、1,2,3−トリアミノプロピル基、シアノメチル基、1−シアノエチル基、2−シアノエチル基、2−シアノイソブチル基、1,2−ジシアノエチル基、1,3−ジシアノイソプロピル基、2,3−ジシアノ−t−ブチル基、1,2,3−トリシアノプロピル基、ニトロメチル基、1−ニトロエチル基、2−ニトロエチル基、1,2−ジニトロエチル基、2,3−ジニトロ−t−ブチル基、1,2,3−トリニトロプロピル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル基等が挙げられる。
置換もしくは無置換の環状アルキル基(シクロアルキル基)としては、置換もしくは無置換の炭素数3〜30のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、4−メチルシクロヘキシル基、3,5−テトラメチルシクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、1−ノルボルニル基、2−ノルボルニル基等が挙げられる。
上記アルキル基の中でも、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基が特に好ましい。中でも、メチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基が好ましい。
【0078】
前記一般式(1),(1−1)〜(1−4),(1−21)(11),(12),(12A),(12B),(12A−1)〜(12A−3),(12B−1)〜(12B−6),(14),(100)における置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルケニル基としては、直鎖、分岐鎖又は環状のいずれであってもよく、例えば、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、オレイル基、エイコサペンタエニル基、ドコサヘキサエニル基、スチリル基、2,2−ジフェニルビニル基、1,2,2−トリフェニルビニル基、2−フェニル−2−プロペニル基等が挙げられる。上述したアルケニル基の中でもビニル基が好ましい。
【0079】
前記一般式(1),(1−1)〜(1−4),(1−21)(11),(12),(12A),(12B),(12A−1)〜(12A−3),(12B−1)〜(12B−6),(14),(100)における置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルキニル基としては、例えば、エチニル、プロピニル、2−フェニルエチニル等が挙げられる。上述したアルキニル基の中でもエチニル基が好ましい。
【0080】
前記一般式(1),(1−1)〜(1−4),(1−21)(11),(12),(12A),(12B),(12A−1)〜(12A−3),(12B−1)〜(12B−6),(14),(100)における炭素数7〜40のアラルキル基は、−R
E−R
Fと表される。このR
Eの例として、上記炭素数1〜30のアルキル基を2価基としたアルキレン基が挙げられる。このR
Fの例として、下記環形成炭素数6〜40の芳香族炭化水素基の例が挙げられる。このアラルキル基において、アリール基部分は炭素数が6〜40、好ましくは6〜20、より好ましくは6〜12である。また、このアラルキル基において、アルキル基部分は炭素数が1〜30、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜6である。このアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、2−フェニルプロパン−2−イル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルイソプロピル基、2−フェニルイソプロピル基、フェニル−t−ブチル基、α−ナフチルメチル基、1−α−ナフチルエチル基、2−α−ナフチルエチル基、1−α−ナフチルイソプロピル基、2−α−ナフチルイソプロピル基、β−ナフチルメチル基、1−β−ナフチルエチル基、2−β−ナフチルエチル基、1−β−ナフチルイソプロピル基、2−β−ナフチルイソプロピル基、1−ピロリルメチル基、2−(1−ピロリル)エチル基、p−メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、o−メチルベンジル基、p−クロロベンジル基、m−クロロベンジル基、o−クロロベンジル基、p−ブロモベンジル基、m−ブロモベンジル基、o−ブロモベンジル基、p−ヨードベンジル基、m−ヨードベンジル基、o−ヨードベンジル基、p−ヒドロキシベンジル基、m−ヒドロキシベンジル基、o−ヒドロキシベンジル基、p−アミノベンジル基、m−アミノベンジル基、o−アミノベンジル基、p−ニトロベンジル基、m−ニトロベンジル基、o−ニトロベンジル基、p−シアノベンジル基、m−シアノベンジル基、o−シアノベンジル基、1−ヒドロキシ−2−フェニルイソプロピル基、1−クロロ−2−フェニルイソプロピル基が挙げられる。
【0081】
前記一般式(1),(1−1)〜(1−4),(1−21)(11),(12),(12A),(12B),(12A−1)〜(12A−3),(12B−1)〜(12B−6),(14),(100)における置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40のアリールオキシ基および置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜40のヘテロアリールオキシ基は、−OR
Aで表される。
ここで、R
Aが、アルキル基の場合、アルコキシ基となり、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基が好ましい。R
Aとしてのアルキル基は、上記炭素数1〜30のアルキル基が好ましい。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基があげられる。アルコキシ基の中でも、炭素数1〜10のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜8のアルコキシ基がより好ましい。特に好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基である。
また、ここでいう置換もしくは無置換のアルコキシ基には、R
Aとしてのアルキル基が1以上の上記ハロゲン原子で置換されたハロアルコキシ基が含まれる。
また、R
Aが、アリール基の場合、アリールオキシ基となり、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40のアリールオキシ基が好ましい。R
Aとしてのアリール基は、下記環形成炭素数6〜40の芳香族炭化水素基が好ましい。このアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基が挙げられる。
また、ここでいう置換もしくは無置換のアリールオキシ基には、R
Aとしてのアリール基が1以上の上記ハロゲン原子で置換されたハロアリールオキシ基が含まれる。
また、R
Aが、ヘテロアリール基の場合、ヘテロアリールオキシ基となり、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜40のヘテロアリールオキシ基がこのましい。R
Aとしてのヘテロアリール基は、下記環形成原子数5〜40の複素環基が好ましい。
【0082】
前記一般式(1),(1−1)〜(1−4),(1−21)(11),(12),(12A),(12B),(12A−1)〜(12A−3),(12B−1)〜(12B−6),(14),(100)における置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40のアリールチオ基および置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜40のヘテロアリールチオ基は、−SR
Cで表される。
ここで、R
Cが、アルキル基の場合、アルキルチオ基となり、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキルチオ基が好ましい。R
Cとしてのアルキル基は、上記炭素数1〜30のアルキル基が好ましい。
また、R
Cが、アリール基の場合、アリールチオ基となり、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40のアリールチオ基がこのましい。R
Cとしてのアリール基は、下記環形成炭素数6〜40の芳香族炭化水素基が好ましい。
また、R
Cが、ヘテロアリール基の場合、ヘテロアリールチオ基となり、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜40のヘテロアリールチオ基がこのましい。R
Cとしてのヘテロアリール基は、下記環形成原子数5〜40の複素環基が好ましい。
【0083】
前記一般式(1),(1−1)〜(1−4),(1−21)(11),(12),(12A),(12B),(12A−1)〜(12A−3),(12B−1)〜(12B−6),(14),(100)における置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40のヘテロアリールカルボニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40のアリールオキシカルボニル基および置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜40のヘテロアリールオキシカルボニル基は、−COOR
Bと表される。
ここで、R
Bが、アルキル基の場合、アルコキシカルボニル基となり、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルコキシカルボニル基が好ましい。R
Bとしてのアルキル基は、上記炭素数1〜30のアルキル基が好ましい。
また、R
Bが、アリール基の場合、アリールオキシカルボニル基となり、置換もしくは無置換の炭素数7〜40のアリールオキシカルボニル基がこのましい。R
Bとしてのアリール基は、下記環形成炭素数6〜40の芳香族炭化水素基が好ましい。
また、R
Bが、ヘテロアリール基の場合、ヘテロアリールオキシカルボニル基となり、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜40のヘテロアリールオキシカルボニル基がこのましい。R
Bとしてのヘテロアリール基は、下記環形成原子数5〜40の複素環基が好ましい。
【0084】
前記一般式(1),(1A)〜(1D),(1−1)〜(1−4),(1−21)(11),(12),(12A),(12B),(12A−1)〜(12A−3),(12B−1)〜(12B−6),(14),(100)における環形成炭素数6〜40の芳香族炭化水素基としては、非縮合芳香族炭化水素基及び縮合芳香族炭化水素基が挙げられ、より具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニル基、ターフェニル基、クォーターフェニル基、フルオランテニル基、ピレニル基、トリフェニレニル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、9,9−ジメチルフルオレニル基、スピロフルオレニル基、ベンゾ[c]フェナントレニル基、ベンゾ[a]トリフェニレニル基、ナフト[1,2−c]フェナントレニル基、ナフト[1,2−a]トリフェニレニル基、ジベンゾ[a,c]トリフェニレニル基、ベンゾ[b]フルオランテニル基、などが挙げられる。上記芳香族炭化水素基の中でも、環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基がより好ましく、環形成炭素数6〜20の芳香族炭化水素基がさらに好ましく、環形成炭素数6〜12の芳香族炭化水素基が特に好ましい。
【0085】
前記一般式(1),(1A)〜(1D),(1−1)〜(1−4),(1−21)(11),(12),(12A),(12B),(12A−1)〜(12A−3),(12B−1)〜(12B−6),(14),(100)における環形成原子数5〜40の複素環基としては、非縮合複素環基及び縮合複素環基が挙げられ、より具体的には、ピロリル基、ピラジニル基、ピリジニル基、インドリル基、イソインドリル基、フリル基、ベンゾフラニル基、イソベンゾフラニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリニル基、カルバゾリル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、チエニル基、およびピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、インドール環、キノリン環、アクリジン環、ピロリジン環、ジオキサン環、ピペリジン環、モルフォリン環、ピペラジン環、カルバゾール環、フラン環、チオフェン環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピラン環、ジベンゾフラン環、ベンゾ[c]ジベンゾフラン環、シラフルオレン環から形成される基が挙げられる。上記複素環基の中でも、環形成原子数5〜40の複素環基がより好ましく、環形成原子数5〜20の複素環基がさらに好ましく、環形成原子数5〜12の複素環基が特に好ましい。
【0086】
前記一般式(11),(14),(1−1)〜(1−4)におけるL
1,L
11,L
12,L
121が連結基である場合の炭素数1〜30の多価の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状の脂肪族炭化水素基としては、前述の炭素数1〜30の多価の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基や、炭素数1〜30の多価の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルケニル基、炭素数1〜30の多価の直鎖状、もしくは分岐鎖状のアルキニル基を多価の基としたものが挙げられ、2価または3価の基が好ましく、2価の基がより好ましい。これらの2価基は、前述の置換基を有していてもよい。具体的には、メチレン基、エチレン基、アセチレニレン基、ビニリデン基などが挙げられる。
前記一般式(11),(14),(1−1)〜(1−4)におけるL
1,L
11,L
12,L
121が連結基である場合の環形成炭素数6〜40の多価の芳香族炭化水素基としては、前述の環形成炭素数6〜40の芳香族炭化水素基を多価の基としたものが挙げられ、2価または3価の基が好ましく、2価の基がより好ましい。具体的には、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、9,9−ジメチルフルオレニル基を2価基としたものが好ましく、これらの2価基は、前述の置換基を有していてもよい。
前記一般式(11),(14),(1−1)〜(1−4)におけるL
1,L
11,L
12,L
121が連結基である場合の環形成原子数5〜40の多価の複素環基としては、前述の環形成原子数5〜40の複素環基を多価の基としたものが挙げられ、2価または3価の基が好ましく、2価の基がより好ましい。具体的には、ピリジル基、ピリミジル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、シラフルオレニル基、カルバゾリル基を2価基としたものが好ましく、これらの2価基は、前述の置換基を有していてもよい。
【0087】
前記一般式(12)におけるX
11〜X
18のうち、L
1と結合する炭素原子の他は、CR
Yであることが好ましく、このR
Yとしては、水素原子またはアルキル基であることがより好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
【0088】
本発明において、「環形成炭素」とは飽和環、不飽和環、又は芳香環を構成する炭素原子を意味する。「環形成原子」とはヘテロ環(飽和環、不飽和環、および芳香環を含む)を構成する炭素原子およびヘテロ原子を意味する。
また、本発明において、水素原子とは、中性子数の異なる同位体、すなわち、軽水素(Protium)、重水素(Deuterium)、三重水素(Tritium)を包含する。
【0089】
また、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基としては、上述のようなアリール基、ヘテロアリール基、アルキル基(直鎖または分岐鎖のアルキル基、シクロアルキル基、ハロアルキル基)、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、ハロアルコキシ基、アルキルシリル基、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基、トリアリールシリル基、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、およびカルボキシ基が挙げられる。その他、アルケニル基やアルキニル基も挙げられる。
ここで挙げた置換基の中では、アリール基、ヘテロアリール基、アルキル基、ハロゲン原子、アルキルシリル基、アリールシリル基、シアノ基が好ましく、さらには、各置換基の説明において好ましいとした具体的な置換基が好ましい。
「置換もしくは無置換の」という場合における「無置換」とは前記置換基で置換されておらず、水素原子が結合していることを意味する。
【0090】
なお、本明細書において、環形成炭素数とは、原子または分子が環状に結合した構造の化合物(例えば、単環化合物、縮合環化合物、架橋化合物、スピロ環化合物、炭素環化合物、複素環化合物)の当該環自体を構成する原子のうちの炭素原子の数を表す。当該環が置換基によって置換される場合、置換基に含まれる炭素は、環形成炭素数には含まない。本明細書における「環形成炭素数」については、特筆しない限り、同様とする。
また、環形成原子数は、原子または分子が環状に結合した構造の化合物(例えば、単環化合物、縮合環化合物、架橋化合物、スピロ環化合物、炭素環化合物、複素環化合物)の当該環自体を構成する原子の数を表す。例えば、環を構成する原子に結合する水素原子など環を構成しない原子や、当該環が置換基によって置換される場合の置換基に含まれる原子は環形成原子数には含まない。例えば、ベンゼン環の環形成炭素数は6であり、ナフタレン環の環形成炭素数は10である。本明細書における「環形成炭素数」については、特筆しない限り、同様とする。
上記置換基の炭素数には、当該置換基が結合する母核の炭素や、当該置換基が更に置換された場合の置換基中の炭素を含まない。また、隣接する置換基同士で環を形成する場合は、いずれの置換基の炭素数も上記炭素数範囲内となる構造となるよう当該環を切り離し、それぞれの置換基の炭素数とする。本明細書における「置換基の炭素数」については、特筆しない限り、同様とする。
【0091】
以下に一般式(1)で表される化合物の具体例を示すが、本発明は、これらの例示化合物に限定されるものではない。
【0092】
【化21】
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【0093】
【化22】
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【0094】
【化23】
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【0095】
【化24】
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【0096】
【化25】
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【0097】
【化26】
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【0098】
【化27】
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【0099】
【化28】
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【0100】
【化29】
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【0101】
【化30】
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【0102】
【化31】
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【0103】
【化32】
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【0104】
【化33】
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【0105】
【化34】
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【0106】
【化35】
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【0107】
【化36】
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【0108】
【化37】
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【0109】
【化38】
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【0110】
【化39】
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【0111】
【化40】
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【0112】
【化41】
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【0113】
【化42】
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【0114】
【化43】
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【0115】
【化44】
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【0116】
【化45】
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【0117】
【化46】
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【0118】
【化47】
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【0119】
【化48】
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【0120】
【化49】
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【0121】
【化50】
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【0122】
【化51】
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【0123】
【化52】
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【0124】
【化53】
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【0125】
【化54】
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【0126】
【化55】
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【0127】
【化56】
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【0128】
【化57】
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【0129】
【化58】
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【0130】
【化59】
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【0131】
【化60】
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【0132】
【化61】
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【0133】
【化62】
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【0134】
【化63】
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【0135】
【化64】
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【0136】
【化65】
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【0137】
【化66】
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【0138】
【化67】
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【0139】
【化68】
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【0140】
【化69】
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【0141】
【化70】
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【0142】
【化71】
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【0143】
【化72】
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【0144】
【化73】
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【0145】
【化74】
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【0146】
【化75】
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【0147】
【化76】
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【0148】
【化77】
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【0149】
【化78】
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【0150】
【化79】
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【0151】
【化80】
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【0152】
【化81】
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【0153】
【化82】
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【0154】
【化83】
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【0155】
【化84】
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【0156】
【化85】
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【0157】
【化86】
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【0158】
【化87】
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【0159】
【化88】
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【0160】
【化89】
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【0161】
【化90】
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【0162】
【化91】
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【0163】
【化92】
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【0164】
【化93】
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【0165】
【化94】
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【0166】
【化95】
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【0167】
【化96】
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【0168】
【化97】
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【0169】
【化98】
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【0170】
【化99】
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【0171】
【化100】
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【0172】
【化101】
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【0173】
【化102】
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【0174】
【化103】
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【0175】
【化104】
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【0176】
【化105】
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【0177】
【化106】
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【0178】
【化107】
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【0179】
【化108】
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【0180】
【化109】
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【0181】
【化110】
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【0182】
【化111】
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【0183】
【化112】
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【0184】
【化113】
[この文献は図面を表示できません]
【0185】
本実施形態に係る有機EL素子1において、第一電子輸送層は、発光層に近接して設けられることが好ましく、発光層に隣接して設けられることがより好ましい。第一電子輸送層は、発光層で生成する三重項励起子が電子輸送帯域へ拡散することを防止し、三重項励起子を発光層内に閉じ込めることによって三重項励起子の密度を高める。これにより、三重項励起子が衝突融合することにより一重項励起子が生成する現象であるTTF現象(Triplet−Triplet Fusion)を効率よく引き起こす機能を有する。
また、第一電子輸送層は、発光層へ効率よく電子を注入する役割も担っている。発光層への電子注入性が下がる場合、発光層における電子−正孔の再結合が減ることで、三重項励起子の密度が小さくなる。三重項励起子の密度が小さくなると、三重項励起子の衝突頻度が減り、効率よくTTF現象が起きない。
したがって、前記一般式(1)で表される化合物を含む第一電子輸送層を発光層に隣接して設けることにより、有機EL素子を高効率化することが可能になる。
【0186】
(第二電子輸送層)
本実施形態に係る有機EL素子1の第
二電子輸送層は、下記一般式(
21)で表される化合物を含む。
【0187】
【化114】
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(前記一般式(21)において、
bは1以上3以下の整数である。
R
201、R
202、R
206〜R
209のうちいずれか1つは、L
2に結合する単結合である。
R
201、R
202、R
206〜R
209のうちL
2に結合する単結合であるもの以外は、前記一般式(1)におけるRと同義である。隣り合うR
201、R
202、R
206〜R
209が結合して、環を形成する場合と、形成しない場合とがある。
L
2は、R
201、R
202、R
206〜R
209のうち1つとAr
2とを結合する単結合または連結基であり、L
2における連結基は、置換もしくは無置換の炭素数1〜30の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状の二価の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40の二価の芳香族炭化水素環基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜40の二価の複素環基、前記芳香族炭化水素環基から選ばれる2個から3個の基が結合してなる二価の多重連結基、前記複素環基から選ばれる2個から3個の基が結合してなる二価の多重連結基、又は前記芳香族炭化水素環基及び前記複素環基から選ばれる2個から3個の基が結合してなる二価の多重連結基である。
なお、前記多重連結基において、前記多重連結基を構成する前記芳香族炭化水素環基および前記複素環基は、互いに同一または異なり、隣り合う前記芳香族炭化水素環基および前記複素環基は環を形成する場合と、形成しない場合とがある。
Ar
2は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換の環形成原子数5〜40の複素環基である。
Ar
2とL
2は、環構造を形成する場合と、形成しない場合とがある。
ただし、Ar
2は、L
2が9位に、かつ水素原子が1位から8位に結合したアントラセン環であって、L
2が置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40の芳香族炭化水素基であり、R
202がメチル基またはエチル基である場合、前記アントラセン環の10位の炭素原子に結合する原子または基は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホニル基、メルカプト基、置換もしくは無置換のボリル基、置換もしくは無置換のホスフィノ基、置換もしくは無置換のアシル基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルキニル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜30のアラルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜40のヘテロアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40のアリールチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜40のヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜40のヘテロアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のフェニル基F
100、置換もしくは無置換の環形成炭素数10〜40の縮合芳香族炭化水素基F
101、および置換もしくは無置換の環形成原子数5〜40の複素環基からなる群から選ばれる。
ただし、前記置換もしくは無置換のフェニル基F
100に置換基R
200が結合する場合には前記置換基R
200は芳香族炭化水素基および複素環基ではない。前記置換もしくは無置換の環形成炭素数10〜40の縮合芳香族炭化水素基F
101に置換基R
201が結合する場合には前記置換基R
201は芳香族炭化水素基および複素環基ではない。)
【0188】
前記Ar
2は、下記一般式(2a)〜(2f)のいずれかから誘導される基であることが好ましく、下記一般式(2a)から誘導される基であることがより好ましい。
【0189】
【化115】
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【0190】
前記一般式(21)において、前記bは、1または2であることが好ましく、bは1であることがより好ましい。
【0191】
前記一般式(21)は、下記一般式(22)で表されることが好ましい。
【0192】
【化116】
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(一般式(22)において、L
2は、それぞれ前記一般式(21)におけるL
2と同義である。
R
201、R
202、R
206〜R
209は、それぞれ独立に前記一般式(21)における
R201、R202、R206〜R209と同義である。ただし、R
201、R
202、R
206〜R
209のうちいずれか1つは、L
2に結合する単結合である。
L
20は、前記一般式(21)におけるL
2と同義であり、Ar
20は、前記一般式(21)におけるAr
2と同義である。
pは、8である。
R
210は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホニル基、メルカプト基、置換もしくは無置換のボリル基、置換もしくは無置換のホスフィノ基、置換もしくは無置換のアシル基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルキニル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜30のアラルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜40のヘテロアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40のアリールチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜40のヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40のアリールオキシカルボニル基、および置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜40のヘテロアリールオキシカルボニル基、からなる群から選ばれる。
複数のR
210は、互いに同一または異なる。隣り合うR
210は環構造を形成する場合と、形成しない場合とがある。
また、L
2とアントラセン環、L
2とR
210、L
20とアントラセン環、L
20とR
210、Ar
20とL
20が、それぞれ環構造を形成する場合と、形成しない場合とがある。)
【0193】
また、前記一般式(21)は、下記一般式(23)で表されても好ましい。
【0194】
【化117】
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【0195】
(前記一般式(23)において、
A
20、A
22およびA
29のうち、少なくとも1つは、下記
一般式(201)で表される。
下記
一般式(201)で表される以外のA
20、A
22およびA
29は、それぞれ独立に、−L
200−Ar
200である。L
200は、前記一般式(21)におけるL
2と同義であり、Ar
200は、前記一般式(21)におけるAr
2と同義である。なお、L
200の結合手は、アントラセン環の炭素原子に結合する。
pは、
7である。
R
210は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホニル基、メルカプト基、置換もしくは無置換のボリル基、置換もしくは無置換のホスフィノ基、置換もしくは無置換のアシル基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルキニル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜30のアラルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜40のヘテロアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40のアリールチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜40のヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40のアリールオキシカルボニル基、および置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜40のヘテロアリールオキシカルボニル基、からなる群から選ばれる。
複数のR
210は、互いに同一または異なる。隣り合うR
210は環構造を形成する場合と、形成しない場合とがある。
また、A
20とR
210、A
20とアントラセン環、A
22とR
210、A
22とアントラセン環、A
29とR
210、A
29とアントラセン環が、それぞれ環構造を形成する場合と、形成しない場合とがある。)
【0196】
【化118】
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【0197】
(前記一般式(201)において、L
2は、前記一般式(21)におけるL
2と同義である。
R
201、R
202、R
206〜R
209は、それぞれ独立に前記一般式(21)における
R201、R202、R206〜R209と同義である。ただし、R
201、R
202、R
206〜R
209のうちいずれか1つは、L
2に結合する単結合である。)
【0198】
さらに、前記一般式(21)および(23)は、下記一般式(24)で表されることが好ましい。
【0199】
【化119】
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【0200】
(前記一般式(24)において、L
2は、前記一般式(21)におけるL
2と同義である。
R
201、R
202、R
206〜R
209は、それぞれ独立に前記一般式(21)における
R201、R202、R206〜R209と同義である。ただし、R
201、R
202、R
206〜R
209のうちいずれか1つは、L
2に結合する単結合である。
L
20およびL
29は、それぞれ独立に前記一般式(21)におけるL
2と同義であり、Ar
20およびAr
29は、それぞれ独立に前記一般式(21)におけるAr
2と同義である。
Ar
20とL
20は、環構造を形成する場合と、形成しない場合とがある。また、Ar
29とL
29は、環構造を形成する場合と、形成しない場合とがある。
pは、
7である。
R
210は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホニル基、メルカプト基、置換もしくは無置換のボリル基、置換もしくは無置換のホスフィノ基、置換もしくは無置換のアシル基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルキニル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜30のアラルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜40のヘテロアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40のアリールチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜40のヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40のアリールオキシカルボニル基、および置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜40のヘテロアリールオキシカルボニル基、からなる群から選ばれる。
複数のR
210は、互いに同一または異なる。隣り合うR
210は環構造を形成する場合と、形成しない場合とがある。
また、L
2とアントラセン環、L
2とR
210、L
20とアントラセン環、L
20とR
210、L
29とアントラセン環、L
29とR
210が、それぞれ環構造を形成する場合と、形成しない場合とがある。)
【0201】
前記一般式(21)および(22)は、下記一般式(25)〜(27)のいずれかで表されることが好ましい。
【0202】
【化120】
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【0203】
(前記一般式(25)〜(27)において、L
2は、それぞれ前記一般式(21)におけるL
2と同義である。
R
201、R
202は、それぞれ独立に前記一般式(21)における
R201、R202、R206〜R209と同義である。
L
20は、前記一般式(21)におけるL
2と同義であり、Ar
20は、前記一般式(21)におけるAr
2と同義である。)
【0204】
前記一般式(21)〜(25)および(27)において、前記R
202は、置換もしくは無置換の炭素数1〜30の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状の脂肪族炭化水素基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40の芳香族炭化水素基であることが好ましく、置換もしくは無置換の炭素数3〜30の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状の脂肪族炭化水素基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40の芳香族炭化水素基であることがより好ましく、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40の芳香族炭化水素基であることが特に好ましい。
【0205】
R
202における炭素数1〜30の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状の脂肪族炭化水素基として、前述した炭素数1〜30の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基や、炭素数1〜30の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルケニル基、炭素数1〜30の直鎖状、もしくは分岐鎖状のアルキニル基が挙げられる。これらの中でも、炭素数3〜30のものがより好ましく、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、シクロプロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、i−ペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等がより好ましい。
また、R
202における環形成炭素数6〜40の芳香族炭化水素基としては、特にフェニル基が好ましい。
【0206】
また、前記一般式(21)〜(27)において、前記L
2は、単結合または連結基であり、連結基としては、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜40の二価の芳香族炭化水素環基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜40の二価の複素環基、前記芳香族炭化水素環基から選ばれる2個から3個の基が結合してなる二価の多重連結基、前記複素環基から選ばれる2個から3個の基が結合してなる二価の多重連結基、又は前記芳香族炭化水素環基及び前記複素環基から選ばれる2個から3個の基が結合してなる二価の多重連結基であることが好ましい。ただし、前記多重連結基において、前記多重連結基を構成する前記芳香族炭化水素環基および前記複素環基は、互いに同一または異なり、隣り合う前記芳香族炭化水素環基および前記複素環基は環を形成する場合と、形成しない場合とがある。
そして、前記L
2は、フェニレン基またはビフェニルジイル基のいずれかであることがより好ましい。
【0207】
前記一般式(22)
、(24)〜(2
7)において、Ar
20−L
20−は、下
記式(20a)〜(20c)で表されることが好ましい。
【0208】
【化121】
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【0209】
(前記式(20a)〜(20c)における結合手は、前記一般式(22)
、(24)〜(2
7)においてアントラセン環を構成する炭素原子に結合する。)
【0210】
前記一般式(21)〜(27)に記載の置換基の具体例としては、上記一般式(1),(1A)〜(1D),(1−1)〜(1−4),(1−21)(11),(12),(12A),(12B),(12A−1)〜(12A−3),(12B−1)〜(12B−6),(14),(100)で説明した各基が挙げられる。
前記一般式(21)〜(27)において、「環形成炭素」および「置換もしくは無置換の」という場合においても、上記一般式(1),(1A)〜(1D),(1−1)〜(1−4),(1−21)(11),(12),(12A),(12B),(12A−1)〜(12A−3),(12B−1)〜(12B−6),(14),(100)で説明したものと同様である。
【0211】
以下に一般式(21)〜(27)で表される化合物の具体例を示すが、本発明は、これらの例示化合物に限定されるものではない。
【0212】
【化122】
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【0213】
【化123】
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【0214】
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【0215】
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【0217】
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【0218】
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【0268】
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【化179】
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【化180】
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【0272】
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【0273】
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【0274】
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【0275】
【化185】
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【0276】
【化186】
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【0277】
【化187】
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【0278】
【化188】
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【0279】
【化189】
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【0280】
【化190】
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【0281】
【化191】
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【0282】
【化192】
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【0283】
【化193】
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【0284】
【化194】
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【0285】
【化195】
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【0286】
【化196】
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【0287】
【化197】
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【0288】
【化198】
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【0289】
【化199】
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【0290】
【化200】
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【0291】
【化201】
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【0292】
【化202】
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【0293】
【化203】
[この文献は図面を表示できません]
【0294】
本実施形態に係る有機EL素子1において、第二電子輸送層は、第一電子輸送層よりも陰極側に設けられることが好ましく、発光層と第二電子輸送層は隣接しないことが好ましい。
第二電子輸送層は、電子供与性ドーパントおよび有機金属錯体の少なくともいずれかを含有することも好ましい。電子輸送層に含まれる電子供与性ドーパント、もしくは有機金属錯体の含有量は、1質量%以上50質量%以下であることが好ましい。
前記電子供与性ドーパント材料は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属の酸化物、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属の酸化物、アルカリ土類金属のハロゲン化物、希土類金属の酸化物、および希土類金属のハロゲン化物からなる群から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。
前記有機金属錯体は、アルカリ金属を含む有機金属錯体、アルカリ土類金属を含む有機金属錯体、および希土類金属を含む有機金属錯体からなる群から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。
電子供与性ドーパントおよび有機金属錯体の詳細については、後述する。
【0295】
本実施形態の有機EL素子によれば、第二電子輸送層に前記一般式(21)で表される化合物が含有されていることで、駆動電圧を低下させることができる。また、第二電子輸送層に前記一般式(21)で表される化合物と、電子供与性ドーパントおよび有機金属錯体の少なくともいずれかとが含有されていることで、前記一般式(21)のフェナントロリン骨格により、第二電子輸送層に含有された電子供与性ドーパントや有機金属錯体を補足し易くなり、その結果、駆動電圧がさらに低下する。
【0296】
本実施形態の有機EL素子においては、前記一般式(21)で表される化合物を含有する第二電子輸送層を設けることにより、発光層へ効率よく電子を注入することができる。そして、前記一般式(1)で表される化合物を含有する第一電子輸送層を発光層に近接、好ましくは隣接して設けることにより、三重項励起子の密度を高めることができる。本実施形態の有機EL素子には、電子輸送層として二つの層が設けられ、これらの層は、発光層への電子注入性の向上と三重項励起子の閉じ込めという二つの機能を有する。これにより、有機EL素子の低電圧化と高効率化を実現することができる。
【0297】
(基板)
本実施形態の有機EL素子は、透光性の基板上に作製する。ここでいう透光性基板は有機EL素子を支持する基板であり、400nm〜700nmの可視領域の光の透過率が50%以上で平滑な基板が好ましい。具体的には、ガラス板、ポリマー板等が挙げられる。
【0298】
(陽極及び陰極)
有機EL素子の陽極は、正孔を正孔注入層、正孔輸送層又は発光層に注入する役割を担うものであり、4.5eV以上の仕事関数を有することが効果的である。陽極材料の具体例としては、酸化インジウム錫合金(ITO)、酸化錫(NESA)、酸化インジウム亜鉛酸化物、金、銀、白金、銅等が挙げられる。
【0299】
陰極としては、電子注入層、電子輸送層または発光層に電子を注入する目的で、仕事関数の小さい材料が好ましい。陰極材料は特に限定されないが、具体的にはインジウム、アルミニウム、マグネシウム、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、アルミニウム−リチウム合金、アルミニウム−スカンジウム−リチウム合金、マグネシウム−銀合金などが使用できる。
【0300】
(発光層)
有機EL素子の発光層は電子と正孔の再結合の場を提供し、これを発光につなげる機能を有する。発光層は、分子堆積膜であることが好ましい。ここで分子堆積膜とは、気相状態の材料化合物から沈着され形成された薄膜や、溶液状態または液相状態の材料化合物から固体化され形成された膜のことであり、通常この分子堆積膜は、LB法(Langmuir Blodgett法)により形成された薄膜(分子累積膜)とは凝集構造、高次構造の相違や、それに起因する機能的な相違により区分することができる。
【0301】
・ドーパント材料
ドーパント材料としては、有機EL素子に適用し得る蛍光型発光を示す蛍光発光性材料または燐光型発光を示す燐光発光性材料から選ばれる。ドーパント材料が蛍光発光性材料である場合、蛍光発光性材料は、ピレン誘導体、アミノアントラセン誘導体、アミノクリセン誘導体、およびアミノピレン誘導体からなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物であることが好ましい。このうち、アミノピレン誘導体であることがより好ましい。
【0302】
・ホスト材料
ホスト材料としては、有機EL素子に適用し得るホスト材料が挙げられ、例えば、アミン誘導体、アジン誘導体、縮合多環芳香族誘導体、などが挙げられる。
アミン誘導体としては、モノアミン化合物、ジアミン化合物、トリアミン化合物、テトラミン化合物、カルバゾール基で置換されたアミン化合物などが挙げられる。
アジン誘導体としては、モノアジン誘導体、ジアジン誘導体、およびトリアジン誘導体などが挙げられる。
縮合多環芳香族誘導体としては、へテロ環骨格を有しない縮合多環アリールが好ましく、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、クリセン、フルオランテン、トリフェニレンなどの縮合多環アリール、もしくは、これらの誘導体が挙げられる。
ホスト材料とドーパント材料との組み合わせの好ましい例としては、ホスト材料としてのアントラセン誘導体と、ドーパント材料として、ピレン誘導体、アミノアントラセン誘導体、アミノクリセン誘導体、およびアミノピレン誘導体からなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物の組み合わせである。
【0303】
(正孔注入・輸送層)
正孔注入・輸送層は、発光層への正孔注入を助け、発光領域まで輸送する層であって、正孔移動度が大きく、イオン化エネルギーが小さい。
正孔注入層及び正孔輸送層を形成する材料としては、より低い電界強度で正孔を発光層に輸送する材料が好ましく、例えば、芳香族アミン化合物が好適に用いられる。また、正孔注入層の材料としては、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物またはスチリルアミン化合物を用いることが好ましく、特に、ヘキサシアノヘキサアザトリフェニレン(HAT)などの芳香族第三級アミン化合物を用いることが好ましい。
【0304】
(電子注入・輸送層)
電子注入・輸送層は、発光層への電子の注入を助ける層であって、電子移動度が大きい。電子注入層はエネルギーレベルの急な変化を緩和するなど、エネルギーレベルを調整するために設ける。
本実施形態では、電子注入・輸送層としては、第一電子輸送層と第二電子輸送層とを含む。第一電子輸送層は、前記一般式(1)で表される化合物を含み、第二電子輸送層は、前記一般式(21)で表される化合物を含む。この他に、電子注入層を有していてもよいし、または別の電子輸送層を有していてもよい。電子注入層を有する場合には、陽極側から、第一電子輸送層、第二電子輸送層、電子注入層をこの順番で積層させて構成してもよく、電子注入層は、含窒素環誘導体を主成分として含有することが好ましい。ここで、電子注入層は電子輸送層として機能する層であってもよい。なお、「主成分として」とは、電子注入層が50質量%以上の含窒素環誘導体を含有していることを意味する。
本実施形態の有機EL素子において、電子輸送層が三層以上ある場合には、第一電子輸送層を発光層の近くに設け、第二電子輸送層を第一電子輸送層より陰極側に設けることが好ましい。この際、第一電子輸送層と第二電子輸送層は近接していることが好ましく、隣接していることがより好ましい。
また、第二電子輸送層には、上述のようにアルカリ金属が含有されていてもよいし、第二電子輸送層の陰極側に隣接する層にアルカリ金属が含有されていてもよい。また、アルカリ金属の他に、後述する電子輸送性材料が含有されていてもよい。
【0305】
電子注入層または電子輸送層に用いる電子輸送性材料としては、分子内にヘテロ原子を1個以上含有する芳香族ヘテロ環化合物が好ましく用いられ、特に含窒素環誘導体が好ましい。また、含窒素環誘導体としては、含窒素6員環もしくは5員環骨格を有する芳香族環、または含窒素6員環もしくは5員環骨格を有する縮合芳香族環化合物が好ましい。
【0306】
(電子供与性ドーパントおよび有機金属錯体)
本実施形態の有機EL素子は、第二電子輸送層および第二電子輸送層の陰極側に隣接する層に電子供与性ドーパントおよび有機金属錯体の少なくともいずれかを含有することも好ましい。このような構成によれば、有機EL素子の低電圧化が図られる。電子供与性ドーパントとしては、アルカリ金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属化合物、希土類金属、および希土類金属化合物などから選ばれた少なくとも一種類が挙げられる。
有機金属錯体としては、アルカリ金属を含む有機金属錯体、アルカリ土類金属を含む有機金属錯体、および希土類金属を含む有機金属錯体などから選ばれた少なくとも一種類が挙げられる。
【0307】
アルカリ金属としては、リチウム(Li)(仕事関数:2.93eV)、ナトリウム(Na)(仕事関数:2.36eV)、カリウム(K)(仕事関数:2.28eV)、ルビジウム(Rb)(仕事関数:2.16eV)、セシウム(Cs)(仕事関数:1.95eV)などが挙げられ、仕事関数が2.9eV以下のものが特に好ましい。これらのうち好ましくはK、Rb、Cs、さらに好ましくはRbまたはCsであり、最も好ましくはCsである。
アルカリ土類金属としては、カルシウム(Ca)(仕事関数:2.9eV)、ストロンチウム(Sr)(仕事関数:2.0eV以上2.5eV以下)、バリウム(Ba)(仕事関数:2.52eV)などが挙げられ、仕事関数が2.9eV以下のものが特に好ましい。
希土類金属としては、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、セリウム(Ce)、テルビウム(Tb)、イッテルビウム(Yb)などが挙げられ、仕事関数が2.9eV以下のものが特に好ましい。
以上の金属のうち好ましい金属は、特に還元能力が高く、電子注入域への比較的少量の添加により、有機EL素子における発光輝度の向上や長寿命化が可能である。
【0308】
アルカリ金属化合物としては、酸化リチウム(Li
2O)、酸化セシウム(Cs
2O)、酸化カリウム(K
2O)などのアルカリ酸化物、フッ化リチウム(LiF)、フッ化ナ
トリウム(NaF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カリウム(KF)などのアルカリハロゲン化物などが挙げられ、フッ化リチウム(LiF)、酸化リチウム(Li
2O)、フッ化ナトリウム(NaF)が好ましい。
アルカリ土類金属化合物としては、酸化バリウム(BaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化カルシウム(CaO)およびこれらを混合したストロンチウム酸バリウム(Ba
xSr
1−xO)(0<x<1)、カルシウム酸バリウム(Ba
xCa
1−xO)(0<x<1)などが挙げられ、BaO、SrO、CaOが好ましい。
希土類金属化合物としては、フッ化イッテルビウム(YbF
3)、フッ化スカンジウム(ScF
3)、酸化スカンジウム(ScO
3)、酸化イットリウム(Y
2O
3)、酸化セリウム(Ce
2O
3)、フッ化ガドリニウム(GdF
3)、フッ化テルビウム(TbF
3)などが挙げられ、YbF
3、ScF
3、TbF
3が好ましい。
【0309】
有機金属錯体としては、それぞれ金属イオンとしてアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、希土類金属イオンの少なくとも一つ含有するものであれば特に限定はない。また、配位子にはキノリノール、ベンゾキノリノール、アクリジノール、フェナントリジノール、ヒドロキシフェニルオキサゾール、ヒドロキシフェニルチアゾール、ヒドロキシジアリールオキサジアゾール、ヒドロキシジアリールチアジアゾール、ヒドロキシフェニルピリジン、ヒドロキシフェニルベンゾイミダゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール、ヒドロキシフルボラン、ビピリジル、フェナントロリン、フタロシアニン、ポルフィリン、シクロペンタジエン、β−ジケトン類、アゾメチン類、およびそれらの誘導体などが好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0310】
上記電子供与性ドーパントおよび有機金属錯体の中でも、リチウム(Li)またはフッ化リチウム(LiF)が好ましい。電子供与性ドーパントおよび有機金属錯体の少なくともいずれかが、第二電子輸送層に含有される場合には、特に、リチウム(Li)が好ましく、第二電子輸送層の陰極側に隣接する層に含有される場合には、特にフッ化リチウム(LiF)が好ましい。
【0311】
電子供与性ドーパントおよび有機金属錯体の添加形態としては、例えば、抵抗加熱蒸着法により電子供与性ドーパントおよび有機金属錯体の少なくともいずれかと、前記一般式(1)で表される化合物とを共蒸着しながら、電子輸送層中に電子供与性ドーパントおよび有機金属錯体の少なくともいずれかを分散させる方法が好ましい。分散濃度は膜厚比で、前記一般式(1)で表される化合物:電子供与性ドーパント,有機金属錯体=1000:1から1:1000まで、好ましくは100:1から1:1までである。
電子供与性ドーパントおよび有機金属錯体の少なくともいずれかを層状に形成する場合は、前記一般式(21)で表される化合物を層状に成膜した後に、電子供与性ドーパントおよび有機金属錯体の少なくともいずれかを単独で抵抗加熱蒸着法により蒸着し、好ましくは層の厚み0.1nm以上15nm以下で形成する。
電子供与性ドーパントおよび有機金属錯体の少なくともいずれかを島状に形成する場合は、前記一般式(21)で表される化合物を島状に形成した後に、電子供与性ドーパントおよび有機金属錯体の少なくともいずれかを単独で抵抗加熱蒸着法により蒸着し、好ましくは島の厚み0.05nm以上1nm以下で形成する。
また、本実施形態の有機EL素子における、前記一般式(21)で表される化合物と電子供与性ドーパントおよび有機金属錯体の少なくともいずれかとの割合としては、膜厚比で主成分:電子供与性ドーパント,有機金属錯体=100:1から1:1までであると好ましく、50:1から4:1までであるとさらに好ましい。
【0312】
(有機EL素子の各層の形成方法)
本実施形態の有機EL素子の各層の形成方法は特に限定されない。従来公知の真空蒸着法、スピンコーティング法等による形成方法を用いることができる。本実施形態の有機EL素子に用いる、有機層は、真空蒸着法、分子線蒸着法(MBE法、MBE; Molecular Beam Epitaxy)あるいは溶媒に解かした溶液のディッピング法、スピンコーティング法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法等の塗布法による公知の方法で形成することができる。
【0313】
(有機EL素子の各層の膜厚)
発光層の膜厚は、好ましくは5nm以上50nm以下、より好ましくは7nm以上50nm以下、最も好ましくは10nm以上50nm以下である。発光層の膜厚を5nm以上とすることで、発光層を形成し易くなり、色度を調整し易くなる。発光層の膜厚を50nm以下とすることで、駆動電圧の上昇を抑制できる。
その他の各有機層の膜厚は特に制限されないが、通常は数nmから1μmの範囲が好ましい。このような膜厚範囲とすることで、膜厚が薄すぎることに起因するピンホール等の欠陥を防止するとともに、膜厚が厚すぎることに起因する駆動電圧の上昇を抑制できる。
【0314】
[電子機器]
本実施形態の有機EL素子は、有機ELパネルモジュール、テレビ、携帯電話、若しくはパーソナルコンピュータ等の表示装置、又は照明、若しくは車両用灯具の発光装置等の電子機器に搭載して好適に使用できる。
【0315】
<第二実施形態>
次に、第二実施形態について説明する。
第二実施形態の説明において第一実施形態と同一の構成要素は、同一符号や名称を付す等して説明を省略もしくは簡略にする。また、第二実施形態では、第一実施形態で説明したものと同様の材料や化合物を用いることができる。
第二実施形態の有機EL素子は、中間層としての電荷発生層と2つ以上の発光ユニットとを備えるいわゆるタンデム型の素子である。一対の電極から注入される電荷に加えて、電荷発生層から供給される電荷が発光ユニット内に注入されることになるので、電荷発生層を設けることによって、注入した電流に対する発光効率(電流効率)が向上する。
【0316】
図2に示すように、第二実施形態の有機EL素子1Aは、基板2の上に、陽極3、第一の発光ユニット5A、電荷発生層20、第二の発光ユニット5B、及び陰極4をこの順に積層されて構成される。
第一の発光ユニット5Aは、陽極3側から、第一正孔輸送層71、第一発光層51、および第一電子輸送層81、第二電子輸送層82をこの順に積層されて構成される。
第二の発光ユニット5Bは、電荷発生層20側から、第二正孔輸送層72、第二発光層52、および第三電子輸送層83をこの順に積層されて構成される。
【0317】
電荷発生層20は、有機EL素子1Aに電界を印加した際に、電荷が発生する層であり、第二電子輸送層82に電子を注入し、第二正孔輸送層72に正孔を注入する。
電荷発生層20の材料としては、公知の材料や、例えば、US7,358,661に記載の材料を使用することができる。具体的には、In,Sn,Zn,Ti,Zr,Hf,V,Mo,Cu,Ga,Sr,La,Ruなどの金属酸化物、窒化物、ヨウ化物、ホウ化物などが挙げられる。また、第一発光層51が電荷発生層20から電子を容易に受け取れるようにするため、第二電子輸送層82における電荷発生層界面近傍に前述したアルカリ金属で代表されるドナーをドープすることが好ましい。
【0318】
なお、第二正孔輸送層72及び第三電子輸送層83は、第一実施形態の正孔輸送層7及び第一電子輸送層81と同様である。
有機EL素子1Aは、いわゆるタンデム型素子であるため、駆動電流の低減を図ることができ、耐久性の向上も図ることができる。
【0319】
[実施形態の変形]
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変更、改良などは、本発明に含まれるものである。
前記第一実施形態では、発光層を1層設けたが、発光層は、1層に限られず、複数の発光層が積層されていてもよい。有機EL素子が複数の発光層を有する場合、それぞれ独立に、蛍光発光型の発光層であっても、燐光発光型の発光層であってもよい。
【0320】
有機EL素子が、陰極と有機層との界面領域に電子供与性ドーパントおよび有機金属錯体の少なくともいずれかを有することも好ましい。このような構成によれば、有機EL素子における発光輝度の向上や長寿命化が図られる。電子供与性ドーパントおよび有機金属錯体としては、上述のものと同様のものを用いることができる。
電子供与性ドーパントおよび有機金属錯体の添加形態としては、界面領域に層状または島状に形成することが好ましい。形成方法としては、抵抗加熱蒸着法により電子供与性ドーパントおよび有機金属錯体の少なくともいずれかを蒸着しながら、界面領域を形成する発光材料や電子注入材料である有機物を同時に蒸着させ、有機物中に電子供与性ドーパントおよび有機金属錯体還元ドーパントの少なくともいずれかを分散する方法が好ましい。
【0321】
本発明では、前記発光層が電荷注入補助材を含有していることも好ましい。エネルギーギャップが広いホスト材料を用いて発光層を形成した場合、ホスト材料のイオン化ポテンシャル(Ip)と正孔注入・輸送層等のIpとの差が大きくなり、発光層への正孔の注入が困難となり、十分な輝度を得るための駆動電圧が上昇するおそれがある。このような場合、発光層に、正孔注入・輸送性の電荷注入補助材を含有させることで、発光層への正孔注入を容易にし、駆動電圧を低下させることができる。
【0322】
電荷注入補助材としては、例えば、一般的な正孔注入・輸送材料等が利用できる。
具体例としては、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、ポリシラン系、アニリン系共重合体、導電性高分子オリゴマー(特にチオフェンオリゴマー)等を挙げることができる。
【0323】
正孔注入性の材料としては前記のものを挙げることができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第三級アミン化合物が好ましい。
【0324】
また、2個の縮合芳香族環を分子内に有する、例えば、4,4’−ビス(N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル(以下NPDと略記する)、またトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(以下MTDATAと略記する)等を挙げることができる。
また、ヘキサアザトリフェニレン誘導体等も正孔注入性の材料として好適に用いることができる。
また、p型Si、p型SiC等の無機化合物も正孔注入材料として使用することができる。
【実施例】
【0325】
次に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例の記載内容になんら制限されるものではない。
【0326】
[化合物の合成]
・ET−11の合成
ET−11は、国際公開公報2003/080760号公報に記載の化合物A98の合成方法(合成例14)と同様にして合成した。
【0327】
・ET−13の合成
ET−13の合成スキームを次に示す。
【0328】
【化204】
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【0329】
(1−1)化合物13−3の合成
化合物13−1(37g、191mmol)、化合物13−2(50g、191mmol)、ナトリウムメトキシド(8.4g、156mmol)、およびエタノール(200mL)を混合し、室温で12時間攪拌した。析出した固体をろ取し、エタノールで懸濁洗浄後、減圧乾燥することにより化合物13−3(82g、収率98%)を黄色固体として得た。
【0330】
(1−2)化合物13−5の合成
エタノール(450mL)に化合物13−4(82g、186mmol)、ベンズアミジン塩酸塩(化合物4)(26g、166mmol)、および水酸化ナトリウム(12g、299mmol)を添加して、9時間加熱還流した。反応終了後、析出物をろ取し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;トルエン)で精製した。さらに、トルエンを用いて再結晶することにより、化合物13−5(40g、収率40%)を白色固体として得た。
【0331】
(1−3)化合物ET−13の合成
化合物13−5(6.0g、11mmol)および化合物13−6(4.9g、24mmol)をトルエン(200mL)および1,2−ジメトキシエタン(200mL)に溶かし、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.75g、0.65mmol)、および2M炭酸ナトリウム水溶液(26mL)を加え、15時間加熱還流した。反応終了後、反応溶液を室温まで冷却し、トルエンで抽出し、得られた有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣にトルエンを加え、加熱還流して溶かし、放冷して析出した結晶をろ取し、トルエンで洗浄した後、減圧乾燥し、化合物ET−13(4.2g、収率53%)を白色固体として得た。FD−MS(フィールドディソープションマススペクトル)の分析により、化合物ET−13と同定した。
【0332】
・ET−23の合成
ET−23は、国際公開公報2004/080975号公報に記載の化合物7−2の合成方法(合成例7)と同様にして合成した。
・ET−26の合成
ET−26は、国際公開公報2005/097756に記載の化合物1−41の合成方法(合成例4)を用いて合成した。
【0333】
[有機EL素子の製造]
・実施例1
25mm×75mm×0.7mm厚のITO透明電極(陽極)付きガラス基板(ジオマティック社製)をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分間行なった。
洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず透明電極ラインを覆うようにして、下記化合物HATを蒸着して膜厚5nmのHAT膜を成膜した。HAT膜は正孔注入層として機能する。続けて、下記化合物HT−1を蒸着してHAT膜上に膜厚95nmのHT−1膜を成膜した。HT−1膜は正孔輸送層として機能する。
HT−1膜上に下記化合物BH−1(ホスト材料)及び下記化合物BD−1(ドーパント材料)を、化合物BD−1が5質量%となる膜厚比で蒸着し、膜厚25nmの有機層を成膜した。この有機層は発光層として機能する。
発光層の上に下記化合物ET−11を蒸着して、膜厚20nmのET−11膜を成膜した。ET−11膜は第一電子輸送層として機能する。ET−11膜の上に、下記化合物ET−22とリチウム(Li)とを、Liが4質量%となる膜厚比で蒸着して、膜厚5nmのET−21膜を成膜した。ET−22膜は第二電子輸送層として機能する。この電子輸送層上に金属Alを80nm蒸着させ金属陰極を形成し有機EL素子を作製した。
【0334】
・実施例2〜18および比較例1〜4
実施例2〜18および比較例1〜4の有機EL素子は、実施例1における第一電子輸送層および第二電子輸送層の材料の少なくともいずれかを、表1に記載の化合物に変更した以外は実施例1と同様にして作製した。
【0335】
有機EL素子の製造に用いた化合物を以下に示す。
【0336】
【化205】
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【0337】
【化206】
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【0338】
【化207】
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【0339】
【表1】
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【0340】
〔有機EL素子の評価〕
作製した有機EL素子について、電流密度が10mA/cm
2となるように電圧を印加し、そのときの電圧(V)を測定した。また、以下のように外部量子効率EQEを求めた。
電圧(V)および外部量子効率EQEを、比較例4の値に対する実施例1〜18および比較例1〜3の値の比として、表2に示す。
【0341】
・外部量子効率EQE
電流密度が10mA/cm
2となるように素子に電圧を印加した時の分光放射輝度スペクトルを上記分光放射輝度計で計測し、得られた分光放射輝度スペクトルからランバシアン放射を行なったと仮定し外部量子効率EQE(単位:%)を算出した。
【0342】
【表2】
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