(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
金属化合物原料を用いて被処理体の被処理面上に金属を含む膜を成膜する成膜装置の、前記金属化合物原料を収容する原料タンクからガス抜きを行う際の原料タンクのガス抜き方法であって、
前記成膜装置は、
前記成膜装置の処理室へ金属原料ガスを供給する金属原料ガス供給源と、
前記金属原料ガス供給源に対して取り付けおよび取り外しが可能な、前記金属化合物原料を収容する前記原料タンクと、
前記原料タンクのガス導入部にキャリアガスを供給するキャリアガス供給源と、
前記原料タンクのガス排出部と前記処理室とを接続し、途中に配管開閉弁を有するガス配管と、
前記原料タンクのガス排出部と前記配管開閉弁との間に接続された排気弁とを有し、
前記原料タンクからガス抜きを行う際、
(1) 前記原料タンクのガス導入部側開閉弁およびガス排出部側開閉弁、前記配管開閉弁および前記排気弁を全て閉じた状態で、前記原料タンクを前記金属原料ガス供給源に取り付ける工程と、
(2) 前記ガス導入部側開閉弁、前記ガス排出部側開閉弁、および前記配管開閉弁をそれぞれ閉じた状態のまま、前記排気弁を開け、前記ガス配管のうち、前記ガス排出部側開閉弁から前記配管開閉弁までの部分を排気する工程と、
(3) 前記ガス導入部側開閉弁、前記ガス排出部側開閉弁、および前記配管開閉弁をそれぞれ閉じた状態のまま、前記排気弁を再度閉じる工程と、
(4) 前記ガス導入部側開閉弁、前記配管開閉弁、および前記排気弁をそれぞれ閉じた状態のまま、前記ガス排出部側開閉弁を開け、前記原料タンク内に存在する封入ガスを、前記ガス配管のうち、前記ガス排出部側開閉弁から前記配管開閉弁および前記排気弁までの部分に排気する工程と、
(5) 前記ガス導入部側開閉弁、前記配管開閉弁、および前記排気弁をそれぞれ閉じた状態のまま、前記ガス排出部側開閉弁を再度閉じる工程と、
を備え、
前記(2)工程から前記(5)工程を繰り返しながら、前記原料タンク内の圧力を、段階的に減じていくことを特徴とする原料タンクのガス抜き方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。なお、全図にわたり、共通の部分には共通の参照符号を付す。
【0015】
<成膜装置>
まず、この発明の一実施形態に係る原料タンクのガス抜き方法を実施することが可能な成膜装置の一例を説明する。
【0016】
図1は、この発明の一実施形態に係る原料タンクのガス抜き方法を実施することが可能な成膜装置の一例を概略的に示す断面図である。なお、
図1には、成膜装置の一例として、被処理体である半導体ウエハの被処理面上に金属酸化物、例えば、ハフニウム酸化物膜を成膜する成膜装置が示されている。
【0017】
図1に示すように、成膜装置100は、下端が開口され、有天井で円筒体状の内管101と、内管101の外側に同心円状に配置された外管102とからなる2重筒構造の処理室103を有している。内管101および外管102は、例えば、石英により形成されている。処理室103を構成する外管102の下端は、例えば、ステンレススチール製の円筒体状のマニホールド104に、Oリング等のシール部材105を介して連結されている。同じく処理室103を構成する内管101は、マニホールド104の内壁に取り付けられている支持リング106上に支持されている。
【0018】
マニホールド104の下端は開口されており、下端開口部を介して縦型ウエハボート107が内管101内に挿入される。縦型ウエハボート107は、複数本の図示せぬ支持溝が形成されたロッド108を複数本有しており、上記支持溝に被処理体として複数枚、例えば、50〜100枚の被処理体、本例では、ウエハ1の周縁部の一部を支持させる。これにより、縦型ウエハボート107には、ウエハ1が高さ方向に多段に載置される。
【0019】
縦型ウエハボート107は、石英製の保温筒109を介してテーブル110上に載置される。テーブル110は、マニホールド104の下端開口部を開閉する、例えば、ステンレススチール製の蓋部111を貫通する回転軸112上に支持される。回転軸112の貫通部には、例えば、磁性流体シール113が設けられ、回転軸112を気密にシールしつつ回転可能に支持している。蓋部111の周辺部とマニホールド104の下端部との間には、例えば、Oリングよりなるシール部材114が介設されている。これにより処理室103内のシール性が保持されている。回転軸112は、例えば、ボートエレベータ等の昇降機構(図示せず)に支持されたアーム115の先端に取り付けられている。これにより、縦型ウエハボート107および蓋部111等は、一体的に昇降されて処理室103の内管101内に対して挿脱される。
【0020】
成膜装置100は、内管101内に、処理に使用するガスを供給する処理ガス供給機構120、および内管101内に、不活性ガスを供給する不活性ガス供給機構121を有している。
【0021】
処理ガス供給機構120は、酸化ガス供給源122a、および金属原料ガス供給源122bを有している。酸化ガス供給源122aは処理室101へ酸化ガスを供給し、金属原料ガス供給源122bは処理室101へ金属原料ガスを供給する。本例の金属原料ガス供給源122bは、原料タンク123、および原料タンク123を加熱するヒータ124を備えている。原料タンク123は、金属原料ガス供給源122bに対して取り付けおよび取り外しが可能、即ち交換可能なタンクである。原料タンク123には、本例では、金属化合物原料として、例えば、塩化ハフニウム(HfCl
4)が収容されている。HfCl
4は、常温で固体、例えば、粉末状である。原料タンク123内には、キャリアガス供給源122cから、流量制御器(MFC)126c、配管開閉弁127c、原料タンク123のガス導入部160を介してキャリアガスが供給される。キャリアガスの一例は窒素(N
2)ガスである。
【0022】
酸化ガス供給源122aは流量制御器(MFC)126aおよび配管開閉弁127aを介して分散ノズル128aに接続されている。
【0023】
また、金属原料ガス供給源122bの原料タンク123は配管開閉弁127bを介して分散ノズル128bに接続されている。原料タンク123のガス排出部161と配管開閉弁127bとの間のガス配管162には、ガス配管162を排気する排気弁163の一端が接続されている。排気弁163の他端は排気管に接続されており、排気管は、例えば、後述する排気装置132に接続される。
【0024】
不活性ガス供給機構121は、不活性ガス供給源122dを含んでいる。不活性ガスの一例は窒素(N
2)ガスである。不活性ガスは、内管101内のパージなどに使用される。不活性ガス供給源122dは流量制御器(MFC)126dおよび開閉弁127dを介してノズル128dに接続されている。
【0025】
分散ノズル128aおよび128bはそれぞれ、例えば、石英管よりなり、マニホールド104の側壁を内側へ貫通し、マニホールド104の内部において内管101に向かって高さ方向へ屈曲されて垂直に延びる。分散ノズル128aおよび128bの垂直部分には、複数のガス吐出孔129が所定の間隔を隔てて形成されている。これにより、各ガスは、ガス吐出孔129から水平方向に内管101の内部に向けて略均一に吐出される。また、ノズル128dは、マニホールド104の側壁を貫通し、その先端から不活性ガスを、水平方向に吐出させる。
【0026】
内管101の、分散ノズル128aおよび128bに対して反対側に位置する側壁部分には、内管101内を排気するための排気口130が設けられている。内管101は、排気口130を介して外管102の内部に通じている。外管102の内部は、マニホールド104の側壁に設けられたガス出口131に通じており、ガス出口131には、真空ポンプ等を含む排気装置132が接続されている。排気装置132は、外管102の内部および排気口130を介して内管101内を排気する。これにより、内管101内から処理に使用した処理ガスを排気したり、内管101内の圧力を処理に応じた処理圧力としたりする。
【0027】
外管102の外周には筒体状の加熱装置133が設けられている。加熱装置133は、内管101内に供給されたガスを活性化するとともに、内管101内に収容されたウエハ1を加熱する。
【0028】
成膜装置100の各部の制御は、例えばマイクロプロセッサ(コンピュータ)からなるプロセスコントローラ150により行われる。プロセスコントローラ150には、オペレータが成膜装置100を管理するためにコマンドの入力操作等を行うタッチパネルや、成膜装置100の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等からなるユーザーインターフェース151が接続されている。
【0029】
プロセスコントローラ150には記憶部152が接続されている。記憶部152は、成膜装置100で実行される各種処理をプロセスコントローラ150の制御にて実現するための制御プログラムや、処理条件に応じて成膜装置100の各構成部に処理を実行させるためのプログラム、すなわちレシピが格納される。レシピは、例えば、記憶部152の中の記憶媒体に記憶される。記憶媒体は、ハードディスクや半導体メモリであってもよいし、CD-ROM、DVD、フラッシュメモリ等の可搬性のものであってもよい。また、他の装置から、例えば専用回線を介してレシピを適宜伝送させるようにしてもよい。レシピは、必要に応じて、ユーザーインターフェース151からの指示等にて記憶部152から読み出され、読み出されたレシピに従った処理をプロセスコントローラ150が実行することで、成膜装置100は、プロセスコントローラ150の制御のもと、ウエハ1の被処理面上に金属酸化物膜、例えば、ハフニウム酸化物膜の成膜処理を実施する。
【0030】
この発明の一実施形態に係る原料タンクのガス抜き方法は、例えば、
図1に示したような成膜装置100に対して実施される。以下、この発明の一実施形態に係る原料タンクのガス抜き方法について説明する。
【0031】
<原料タンクのガス抜き方法>
図2は原料タンクおよびガス配管をより詳細に示す断面図、
図3はこの発明の一実施形態に係る原料タンクのガス抜き方法のシーケンスの一例を示す流れ図、
図4A〜
図4Eは
図3に示すシーケンス中の状態を概略的に示す断面図である。
【0032】
図2に示す破線枠Aは、原料タンク123のうち、金属原料ガス供給源122bに対して取り付けおよび取り外しが可能な部分を示している。原料タンク123のガス導入部160にはガス導入配管201が設けられており、ガス導入配管201の途中にはガス導入配管201を開閉するガス導入部側開閉弁202が設けられている。ガス導入部160は導入配管201およびガス導入部側開閉弁202を介して原料タンク123に接続されている。
【0033】
原料タンク123のガス排出部161も同様の構成を有しており、ガス排出部161は、ガス排出配管204、およびガス排出配管204の途中に設けられたガス排出部側開閉弁205を介して原料タンク123に接続されている。ガス導入部160とガス排出部161とを短絡する弁206はバイパス弁である。
【0034】
また、ガス配管162の周囲には、ガス配管162を加熱するヒーター207が設けられている。その他の点は、
図1に示した構成と同様である。
【0035】
このような原料タンク123からのガス抜きを行う際、本実施形態においては以下のように行う。
【0036】
まず、
図3のステップ1および
図4Aに示すように、ガス導入部側開閉弁202、ガス排出部側開閉弁205、配管開閉弁127b、および排気弁163を全て閉じた状態とする。この状態で、原料タンク123を金属原料ガス供給源122bに取り付ける。
【0037】
なお、原料タンク123を金属原料ガス供給源122bに取り付けた後、原料タンク123と金属原料ガス供給源122bとの取付け部に対するリークチェックを行うようにしてもよい。
【0038】
次に、
図3のステップ2および
図4Bに示すように、ガス導入部側開閉弁202、ガス排出部側開閉弁205、および配管開閉弁127bをそれぞれ閉じた状態のまま、排気弁163を開ける。これにより、ガス配管162のうち、ガス排出部側開閉弁205から配管開閉弁127bまでの部分が排気される。
【0039】
なお、ステップ2を行う前に、ヒーター207を用いてガス配管162を予め加熱するようにしてもよい。ガス配管162を加熱することによって、万が一、原料タンク123内に収容されていた金属化合物原料がガス配管162に混入してきたとしても、混入してきた金属化合物原料をガス配管162の中で気化させることができる。このような利点を得るためには、ヒーター207を用いたガス配管162の加熱温度は、金属化合物原料の昇華点以上の温度とすることが好ましい。また、ステップ2を行った後、サイクルパージを行ってもよい。サイクルパージの一例としては、例えば、バイパス弁206を開け、ガス配管162にキャリアガスを供給する。次いで、バイパス弁206を再度閉じた後、排気弁163を開けてガス配管162を排気する。このような動作を繰り返せばよい。
【0040】
次に、
図3のステップ3および
図4Cに示すように、ガス導入部側開閉弁202、ガス排出部側開閉弁205、および配管開閉弁127bをそれぞれ閉じた状態のまま、排気弁163を再度閉じる。
【0041】
次に、
図3のステップ4および
図4Dに示すように、ガス導入部側開閉弁202、配管開閉弁127b、および排気弁163をそれぞれ閉じた状態のまま、ガス排出部側開閉弁205を開ける。これにより、原料タンク123内に存在する封入ガスが、ガス配管162のうち、ガス排出部側開閉弁205から配管開閉弁127bおよび排気弁163までの部分に排気される。
【0042】
次に、
図3のステップ5および
図4Eに示すように、ガス導入部側開閉弁202、配管開閉弁127b、および排気弁163をそれぞれ閉じた状態のまま、ガス排出部側開閉弁205を再度閉じる。
【0043】
次に、
図3のステップ6に示すように、ステップ2からステップ5までのシーケンスの実行回数が設定回数か否かを判断する。設定回数に達していない(No)と判断された場合には、再度ステップ2に戻り、ステップ2からステップ5までのシーケンスを繰り返す。反対に、設定回数に達した(Yes)と判断された場合には、例えば、排気弁163を開けて、ガス配管162のうち、ガス排出部側開閉弁205から配管開閉弁127bまでの部分を排気したのち、原料タンク123のガス抜きを終了する。
【0044】
なお、本例では、設定値を予め設定しておき、ステップ6において、ステップ2からステップ5までのシーケンスの実行回数が設定値に達したか否かを判断するようにしたが、例えば、原料タンク123の内部の圧力に応じて、ステップ2からステップ5までのシーケンスを繰り返すか否かを判断することも可能である。例えば、原料タンク123の内部の圧力が、原料タンク123内に粉塵の巻き上がりが抑制される圧力まで低下した、と判断されたとき、原料タンク123のガス抜き方法を終了するようにしてもよい。
【0045】
この場合、原料タンク123の内部の圧力は、原料タンク123の内部の圧力を直接にモニタするようにしてもよいし、排気弁163よりも後段の配管内の圧力をモニタし、原料タンク123の内部の圧力を間接的に知るようにしてもよい。
【0046】
ただし、原料タンク123の内部の圧力を直接にモニタする場合には、原料タンク123に圧力計を取り付けなければならないが、排気弁163よりも後段の配管内の圧力をモニタする場合には、原料タンク123に圧力計を取り付ける必要がない。このため、既存設備をそのまま使用することができ、本実施形態に係るガス抜き方法を実施するにあたり、ハード構成に起因したコストアップを抑制できる、という利点を得ることができる。
【0047】
図5Aおよび
図5Bは時間と原料タンク内の圧力との関係を示す図である。なお、
図5Aは参考例を示し、
図5Bは一実施形態の例を示している。
【0048】
図5Aに示すように、原料タンク123内に封入された不活性ガスを抜く際、従来では、原料タンク123を真空引きし、不活性ガスを一気に抜いていた。このため、原料タンク123内の圧力は、短時間で一気に低下する。しかし、原料タンク123が急激に真空引きされてしまうため、原料タンク123から金属化合物である固体粉末の飛散、例えば、粉塵の巻き上がりが発生し、原料タンク123の二次側にあるガス配管162、および処理室101内への固体粉末の流入等が懸念される。
【0049】
この点、一実施形態に係る原料タンクのガス抜き方法においては、
図5Bに示すように、原料タンク123内の圧力が段階的に減じられていく。これは、原料タンク123と処理室101とを接続するガス配管162の容積を利用し、原料タンク123に封入された封入ガスを、ガス配管162の容積分、ガス配管162内に排気していく工程(
図3中のステップ4)を繰り返すためである。つまり、原料タンク123内の圧力は、ガス配管162の容積に見合った分ずつ、段階的に減じていくことができる。本実施形態において、ガス配管162の容積とは、ガス配管162のうち、ガス排出部側開閉弁205から配管開閉弁127bまでの部分の容積をいう(より厳密にはガス配管162から排気弁163までの配管の容積も加算される)。
【0050】
このような一実施形態に係る原料タンクのガス抜き方法によれば、原料タンク123内の圧力を、ガス配管162の容積に見合った分ずつ、段階的に減じていく。これにより、原料タンク123のガス抜きに際し、原料タンク123内の急激な圧力低下を抑制することができる。したがって、急激な圧力低下に起因した原料タンク123から金属化合物である固体粉末の飛散、例えば、粉塵の巻き上がりを抑制することができ、原料タンク123の二次側にあるガス配管162、および処理室101内への固体粉末の流入等を抑制することが可能な原料タンクのガス抜き方法と、その原料タンク123のガス抜き方法を実施することが可能な成膜装置100とを得ることができる。
【0051】
このような一実施形態に係るガス抜き方法は、原料タンク123に収容された金属化合物原料が大気との反応性が高いものであり、原料タンク123内に不活性ガスが封入されている場合に、特に有効である。
【0052】
また、収容された金属化合物原料としては、固体状態、特に粉末の状態で原料タンク123内に収容されている場合に、特に有効である。
【0053】
<変形例>
次に、一実施形態に係る原料タンクのガス抜き方法の変形例について説明する。
【0054】
図6はこの発明の一実施形態の変形例に係る原料タンクのガス抜き方法のシーケンスの一例を示す流れ図、
図7は
図6に示すシーケンス中の状態を概略的に示す断面図、
図8は時間と原料タンク内の圧力との関係を示す図である。
【0055】
図3を参照して説明した一実施形態においては、ステップ2からステップ5の繰り返しを終えた後、原料タンク123のガス抜きを終了した。しかしながら、ステップ2からステップ5の繰り返しを終えた後、原料タンク123内に残留している封入ガスを直接排気するようにしてもよい。
【0056】
具体的には、
図6のステップ7および
図7に示すように、ステップ6において設定回数に達した(Yes)と判断された後、ガス導入部側開閉弁202、配管開閉弁127bをそれぞれ閉じた状態のまま、ガス排出部側開閉弁205、排気弁163をそれぞれ開ける。これにより、原料タンク123は排気管に接続され、原料タンク123内に残留した封入ガスが、排気弁163を介して排気管に排気される。
【0057】
このような変形例では、原料タンク123内の圧力が
図8に示すステップ7の箇所において急激に低下する。しかしながら、原料タンク123内の圧力が急激に低下したとしても、例えば、原料タンク123内の圧力が、原料タンク123内に粉塵の巻き上がりが抑制される圧力まで低下していれば、何等支障はない。
【0058】
このように原料タンク123内の圧力が、原料タンク123内に粉塵の巻き上がりが抑制される圧力まで低下した後、原料タンク123を直接に排気することも可能である。
【0059】
このような変形例によれば、一実施形態に比較して、原料タンク123のガス抜きシーケンスを、さらに短縮することが可能となる。この結果、本変形例によれば、原料タンク123の取り付け、取り外し、ガス抜きまでの一連の工程に要する時間を減ずることができ、成膜装置100の停止時間を短縮でき、成膜装置100のスループットを向上できる、という利点を得ることができる。
【0060】
以上、この発明を一実施形態および変形例によって説明したが、この発明は、上記一実施形態および変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々に変形して実施することが可能である。
【0061】
例えば、上記実施形態においては、原料タンク123内に収容された金属化合物原料としてHfCl
4を例示したが、金属化合物原料としてはHfCl
4の他、以下のものを挙げることができる。
AlCl
3
【0062】
また、上記実施形態では、本発明を実施する成膜装置として、複数のウエハ1を搭載して一括して成膜を行うバッチ式の成膜装置100を例示したが、成膜装置は、バッチ式に限らず、一枚のウエハ1毎に成膜を行う枚葉式の成膜装置とすることも可能である。
【0063】
また、被処理体としてはウエハ1に限定されることもなく、LCDガラス基板等の他の基板にも本発明を適用することができる。その他、この発明はその要旨を逸脱しない範囲で様々に変形することができる。