(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【0006】
(項目1)
復調装置は、変調信号を復調した復調信号を出力する復調部を備えてよい。
復調装置は、復調信号を積分する積分部を備えてよい。
復調装置は、積分部が出力する積分信号に基づいて、復調信号における置換対象区間を検出する区間検出部を備えてよい。
復調装置は、復調信号における置換対象区間の信号を置換対象信号に置換する置換部を備えてよい。
(項目2)
積分部は、ハイパスフィルタを有し、ハイパスフィルタを通過した復調信号を積分してよい。
(項目3)
積分部は、復調信号を積分した信号の絶対値を算出する絶対値算出部を有してよい。
(項目4)
復調装置は、置換部を通過した復調信号のデータレートを低減するデシメーションフィルタを更に備えてよい。
(項目5)
区間検出部は、積分信号を基準値と比較した結果に基づいて、復調信号のノイズ区間を検出する比較部を有してよい。
区間検出部は、ノイズ区間を拡大して置換対象区間を決定する決定部を有してよい。
(項目6)
置換部は、復調信号を入力して置換対象信号を出力するローパスフィルタを有してよい。
(項目7)
復調部は、FM変調された変調信号から互いに直交するI信号およびQ信号を復調する直交復調器を有してよい。
復調部は、I信号およびQ信号のアークタンジェントを微分した復調信号を出力するFM復調器を有してよい。
(項目8)
FM復調器は、I信号およびQ信号のアークタンジェントの微分値を予め定められた数値範囲内に補正した復調信号を出力してよい。
(項目9)
置換対象区間は、アークタンジェント値の微分値の規格化に伴うパルス性ノイズが少なくとも存在する区間であってよい。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0010】
図1は、本実施形態に係る復調装置100の構成を示す。復調装置100は、無線波に変調された信号を受信して、その受信信号をアークタンジェント型検波によって復調する装置である。アークタンジェント型検波においては、復調装置100は、アークタンジェント値の微分値を例えば−πから+πまでの範囲内に規格化する。ここで、弱電界で雑音が大きい場合には、アークタンジェント値の誤差に起因して、アークタンジェント値の微分値が上記範囲を超える場合がある。そこで、復調装置100は、アークタンジェント値の微分値を上記範囲内に規格化する。例えば、アークタンジェント値の微分値が+1.1πとなった場合、復調装置100は、当該微分値を−0.9πに規格化する。本実施形態に係る復調装置100は、このようなアークタンジェント値の微分値の規格化に伴って復調の誤動作が生じないように適切な復調処理を行って、受信信号からノイズを適切に除去することを目的とする。
【0011】
なお、本実施形態では、無線波は、信号波V
sの振幅に応じて搬送波V
c=Csin(ω
ct)の周波数を変化させて、V
FM=Csin(ω
ct+m∫V
sdt)とFM変調されているものとする。ただし、搬送波の周波数f
cを用いてω
c=2πf
c、mは定数である。
【0012】
復調装置100は、復調部10、ノイズ除去部60、及びフィルタ部70を備える。
【0013】
復調部10は、受信信号RFにおける変調された信号(変調信号)を復調して、復調信号を出力する。復調部10は、直交復調器20、AD変換部30、フィルタ部40、及びFM復調部50を含む。
【0014】
直交復調器20は、無線波V
FMをアンテナにより受信して、受信された受信信号RFを互いに直交するI信号及びQ信号に復調する。直交復調器20は、局部発信器26並びに混合器22及び24を有する。局部発信器26は、周波数f
cを有する互いに直交する2つの直交ローカル信号cos(ω
ct)及びsin(ω
ct)を生成し、それぞれ混合器22及び24に出力する。混合器22は、受信信号RFに直交信号sin(ω
ct)を混合(すなわち、乗算)して、I信号(I=V
FMsin(ω
ct))を生成する。混合器24は、受信信号RFに直交信号cos(ω
ct)を乗算して、Q信号(Q=V
FMcos(ω
ct))を生成する。生成されたI信号及びQ信号は、AD変換部30に出力される。
【0015】
AD変換部30は、アナログ形式のI信号及びQ信号をデジタル形式に変換する。AD変換部30は、AD変換器(ADC)32及び34を有する。
【0016】
AD変換器(ADC)32及び34は、それぞれ、混合器22及び24に接続され、これらから入力されるI信号及びQ信号をデジタル変換する。AD変換器32及び34のサンプリングレートは復調装置100の出力の周波数に対して十分高く、例えば2倍以上から100倍程度である。すなわち、AD変換器32及び34は、入力信号をオーバーサンプリングする。変換されたI信号及びQ信号は、フィルタ部40に出力される。
【0017】
フィルタ部40は、これに入力される信号のデータレートを低減(すなわち、ダウンサンプリングする)する。フィルタ部40は、各2つのデシメーションフィルタ42及び46並びにサンプリング周波数変換器44及び48を含む。
【0018】
デシメーションフィルタ42及び46は、それぞれ、AD変換器32及び34からI信号及びQ信号を受け、高周波帯域をカットしてサンプリング周波数変換器44及び48に出力する。デシメーションフィルタ42及び46として、ローパスフィルタを用いることができる。カットオフ周波数は、サンプリング周波数変換器44及び48のダウンサンプリングレートに応じて適宜定めることができる。
【0019】
サンプリング周波数変換器44及び48は、それぞれ、デシメーションフィルタ42及び46に接続され、これらから入力される高周波帯域がカットされたI信号及びQ信号をダウンサンプルする。サンプリング周波数変換器44及び48のダウンサンプリングレートは、例えば2分の1倍以下である。
【0020】
フィルタ部40は、I信号及びQ信号をダウンサンプリングすることで、それらから搬送波成分を除去し、信号波成分のみをFM復調部50に出力する。ここで、フィルタ部40によるダウンサンプリングにおいて、I信号及びQ信号を、それぞれデシメーションフィルタ42及び46を介してサンプリング周波数変換器44及び48に通すことにより、ダウンサンプリングにより発生するエイリアシングを防ぐことができる。
【0021】
FM復調部50は、フィルタ部40に接続され、これから入力されるI信号及びQ信号を用いて受信信号RFを復調する。復調された信号(復調信号)は、ノイズ除去部60に出力される。FM復調部50の詳細構成については後述する。
【0022】
ノイズ除去部60は、FM復調部50に接続され、これから入力される復調信号を処理して、これに含まれるノイズを除去する。ノイズが除去された復調信号は、フィルタ部70に出力される。ノイズ除去部60の詳細構成については後述する。
【0023】
フィルタ部70は、ノイズ除去部60に接続され、これから入力されるノイズが除去された復調信号をダウンサンプリングする。フィルタ部70は、各1つのデシメーションフィルタ72及びサンプリング周波数変換器74を含む。
【0024】
デシメーションフィルタ72は、ノイズ除去部60から復調信号を受け、高周波帯域をカットしてサンプリング周波数変換器74に出力する。デシメーションフィルタ72として、ローパスフィルタを用いることができる。カットオフ周波数は、サンプリング周波数変換器74のダウンサンプリングレートに応じて適宜定めることができる。
【0025】
サンプリング周波数変換器74は、デシメーションフィルタ72に接続され、これから入力される高周波帯域がカットされた復調信号をダウンサンプリングする。サンプリング周波数変換器74のダウンサンプリングレートは、例えば2分の1倍以下である。
【0026】
ここで、フィルタ部70によるダウンサンプリングにおいて、復調信号を、デシメーションフィルタ72を介してサンプリング周波数変換器74に通すことにより、ダウンサンプリングにより発生するエイリアシングを防ぐことができる。
【0027】
なお、フィルタ部40及び70を併用することにより、AD変換器32及び34によりオーバーサンプリングされた信号を定められたサンプリングレートに下げる。従って、フィルタ部40及び70のそれぞれのダウンサンプリングレートは、それらの積の逆数がAD変換器32及び34のサンプリングレートに等しくなるように定められる。例えば、AD変換器32及び34のサンプリングレート20倍程度に対して、フィルタ部40及び70のそれぞれのダウンサンプリングレートの積は20分の1程度である。従って、例えば、フィルタ部40のみによりオーバーサンプリングされた信号を定められたサンプリングレートに下げる場合、フィルタ部70は必ずしも備えられる必要はない。
【0028】
図2に、FM復調部50の構成を示す。FM復調部50は、検波器52及び微分器54を含む。
【0029】
検波器52は、アークタンジェント型検波方式の検波器であり、フィルタ部40から入力されるI信号及びQ信号を用いてアークタンジェント値θ=tan
−1(Q/I)を算出する。ここで、アークタンジェント値θは、予め定められた数値範囲内、例えば−πから+πの2πの範囲内で算出される。算出結果は、微分器54に出力される。
【0030】
微分器54は、検波器52に接続され、これから入力されるアークタンジェント値に対する微分値を、時間微分Δθ(=dθ/dt)又は差分より算出する。ここで、微分器54は、検波器52においてアークタンジェント値θが予め定められた数値範囲内で算出されることに応じて、アークタンジェント値の微分値を予め定められた数値範囲内、ここではアークタンジェント値θの数値範囲と同じ範囲内に補正(規格化とも呼ぶ)する。その算出結果は、復調信号としてノイズ除去部60に出力される。
【0031】
図3は、ノイズ除去部60の構成を示す。本実施形態では、ノイズ除去部60としてノイズブランカを用いる。ノイズ除去部60は、積分部60a、区間検出部60b、及び置換部60cを含む。
【0032】
積分部60aは、復調信号を、FM復調部50におけるアークタンジェント値の微分値の規格化に伴う復調の誤動作を摘出するのに好適な形式に変換する。積分部60aは、フィルタ61、積分器62、及び絶対値算出部63を含んで構成される。
【0033】
フィルタ61は、FM復調部50から復調信号を受け、低周波帯域、特に搬送波成分を含むオフセットをカットしてその結果を積分器62に出力する。フィルタ61として、ハイパスフィルタ(HPF)を用いることができる。カットオフ周波数は、搬送波周波数に応じて適宜定めることができる。
【0034】
積分器62は、フィルタ61に接続され、これから入力される信号を積分してその結果(すなわち復調信号の積分結果)を絶対値算出部63に出力する。本実施形態において、積分器62は、入力信号を予め定められた区間にわたって積分(部分積分又は区間積分とも呼ぶ)する。部分積分の区間は、復調の誤動作或いはパルス性ノイズを検出するのに好適な区間に定めることができる。
【0035】
絶対値算出部63は、積分器62に接続され、これから入力される復調信号の積分結果の絶対値を算出し、その結果を積分信号として区間検出部60bに出力する。これにより、復調信号の値の正負に関係なく、復調の誤動作を検出することができる。
【0036】
区間検出部60bは、積分信号を用いて、復調信号における置換対象とすべき置換対象区間(所謂、ブランキング区間)を検出する。区間検出部60bは、比較部64及び決定部65を含む。
【0037】
比較部64は、積分部60aに接続され、これから入力される積分信号を基準値と比較し、その結果に基づいて復調信号に含まれるノイズの区間(ノイズ区間と呼ぶ)を検出する。ここでは、積分信号が基準値より高い場合に、論理ハイとなるパルスが生成され、比較結果信号として決定部65に出力される。なお、基準値は、復調の誤動作を摘出し、ノイズを除去するレベルに適宜定めることとする。例えば、基準値を弱電界ノイズの振幅より大きく定めて復調の誤動作のみを摘出して、復調信号を置き換えることとしてもよい。
【0038】
決定部65は、比較部64に接続され、これから入力される比較結果信号に含まれるパルスの時間幅を拡げるパルスストレッチャである。これにより、決定部65は、ノイズ区間を拡大して置換対象区間を決定し、置換対象区間を示す置換対象区間信号として置換部60cに含まれる置換器68に出力する。
【0039】
置換部60cは、復調信号における置換対象区間の信号を置換対象信号に置換する。置換部60cは、遅延回路66a及び66b、フィルタ67、並びに置換器68を含む。
【0040】
遅延回路66aは、FM復調部50から復調信号を受け、これを遅延して遅延回路66b(及びフィルタ67)に出力する。遅延回路66bは、遅延回路66aにより遅延された復調信号をさらに遅延して置換器68に出力する。遅延回路66a及び66bにより、復調信号は、置換対象区間信号が置換器68に入力されるタイミングに合わせて、置換器68に入力される。
【0041】
フィルタ67は、遅延回路66aに接続され、これを介した復調信号の高周波帯域をカットして置換対象信号を生成し、置換器68に出力する。フィルタ67として、ローパスフィルタ(LPF)を用いることができる。これにより、フィルタ67は、復調信号に発生したスパイク状のノイズがカットされた置換対象信号を生成することができる。ここで、遅延回路66bの遅延時間はフィルタ67の遅延時間に等しく設定される。それにより、フィルタ67は、復調信号が遅延回路66a及び66bを介して置換器68に入力されるタイミングに合わせて、置換対象信号を置換器68に入力することができる。
【0042】
置換器68は、区間検出部60bから入力される置換対象区間信号が論理ハイの場合、すなわち置換対象区間信号が置換対象区間であることを示す場合において、遅延回路66bから入力される復調信号を、フィルタ67により生成された置換対象信号に置き換える。
【0043】
なお、上述のノイズ除去部60では、復調信号をフィルタ67に通して生成した置換対象信号を用いて復調信号を置き換えることでノイズを除去することとしたが、これに代えて、ノイズ除去部60は、復調信号をブランク信号、或いは置換対象区間の直前の入力信号の値に置き換えることとしてもよい。係る場合、置換器68(及びフィルタ67)は、例えば置換対象区間信号にトリガされて、遅延回路66aを介して入力される復調信号をホールドするD型フリップフロップ(不図示)であってよい。
【0044】
アークタンジェント値の微分値の規格化に伴う復調の誤動作について、より詳細に説明する。
【0045】
図4Aは、FM復調部50の検波器52により検出されるアークタンジェント値の一例を示す。この例では、アークタンジェント値θは、時刻0から7の8回のサンプリング時にて、それぞれ、0.
1π、0.
2π、0.
3π、0.
4π、
−0.
5π、
0.6π、
0.7π、及び
0.8πと算出されている。
【0046】
図4Bは、
図4Aのアークタンジェント値に対して微分器54により算出される微分値(実線)及びこれを規格化して出力される復調信号(破線)を示す。微分値は、時刻1から7の7回のサンプリング時にて、それぞれ、0.1π、0.1π、0.1π、−0.9π、1.1π、0.1π、及び0.1πと算出される。すなわち、微分値は、時刻4及び5にて、それぞれ、負及び正の振幅を有するスパイク状のノイズを含んでいる。これに対して、復調信号は、微分値を−πから+πの2πの範囲内に規格化することで、7回のサンプリング時にて、それぞれ、0.1π、0.1π、0.1π、−0.9π、−0.9π、0.1π、及び0.1πと出力される。このように、アークタンジェント値の微分値の規格化により、時刻5における微分値1.1πが−0.9πと復調され、復調の誤動作が生じる。復調信号は、時刻4及び5にてそれぞれ負の振幅を有するスパイク状のノイズ及び復調の誤動作を含み、それぞれの値が等しいことで、時刻4から5にかけて負の振幅を有する幅広のノイズを含むこととなる。
【0047】
図4Cは、
図4Bの復調信号をフィルタ処理して得られる信号の一例を示す。FM復調部50においてアークタンジェント値の微分値が規格化されることなく復調信号として出力されるならば、
図4Bにおける時刻4及び5に発生したスパイク状のノイズは、平均するとプラスマイナスの偏りのない値を有していることで
、復調信号をフィルタ部70に含まれるデシメーションフィルタ72に通すことで高調波成分としてカットされる。その結果、ノイズを含まない信号(実線)が出力される。これに対して、アークタンジェント値の微分値が規格化された場合の復調信号は、
図4Bにおける時刻5の信号値が本来の信号値1.1πに対して−0.9πと平均しても大きくマイナス側に偏りのある値に復調されるので
、復調信号をフィルタ部70に含まれるデシメーションフィルタ72に通しても、時刻4及び5にて平均しても大きくマイナス側に偏りのある値の信号は低周波帯域に位置することでカットされず、ノイズを含んだ信号(破線)が出力されることとなる。
【0048】
ノイズ除去部60によるノイズ処理の原理を説明する。ここで、
図4Bに示す復調信号(及びアークタンジェント値の微分値)が入力信号としてノイズ除去部60に入力された場合を例に説明する。
【0049】
図5は、積分器62の出力の一例(破線)を示す。参考のため、アークタンジェント値の微分値が規格化されることなくノイズ除去部60に入力した場合における積分器62の出力(実線)も示されている。復調信号は、積分器62を通るに先立ってフィルタ61が有するハイパスフィルタを通ることにより、復調信号に含まれる低周波帯域に位置する信号成分が抑制され、高周波帯域に位置するノイズ成分が抽出される。そのノイズ成分が抽出された信号が積分器62により積分される。
【0050】
時刻4にて発生するノイズ及び時刻5にて発生する復調の誤動作により、積分器62の出力は時刻4及び5にて負の大きな値を有する。従って、基準値より絶対値の大きな積分値を検出することで、復調の誤動作を検出することができる。
【0051】
図6A及び
図6Bに、積分器62(積分部60a)の動作の一例を示す。ここで、一例として、
図6Aに示す弱電界ノイズを含む復調信号がノイズ除去部60に入力されるものとする。復調信号は、大別して3つの成分、すなわち、時間に対して単調に減少する搬送波成分、この搬送波成分に対して微小な振幅で揺らぐ信号波及び弱電界ノイズの成分、及び時刻7.5及び8.1ミリ秒にてそれぞれ大きく跳ねる復調の誤動作の成分を含む。なお、
図6Aにおいて、復調の誤動作の成分が明確に現れるよう、搬送波成分の値は定められた数値範囲(−πから+πの2πの範囲)内に規格化しないで表されている。
【0052】
積分器62により
図6Aの復調信号が区間積分されることで、
図6Bに示す積分信号が出力される。積分信号は、大別して3つの成分、すなわち、時間に対して一定の搬送波成分、この搬送波成分に対して微小な振幅で揺らぐ信号波及び弱電界ノイズの成分、及び時刻7.5及び8.1ミリ秒に現れる復調の誤動作の成分を含む。ここで、2つの復調の誤動作の成分が大きな振幅を有するスパイクとして現れている。従って、比較部64により積分部60aからの積分信号を基準値と比較することで、復調の誤動作を、信号波及び弱電界ノイズから明確に区別して検出することができる。
【0053】
なお、本実施形態に係る復調装置100は、FM変調された無線波を復調するものとして説明したが、これに限らず、アークタンジェント値の微分値の規格化に伴う復調の誤動作が発生し得る変調方式、例えばFSK変調された無線波を復調する復調装置としてもよい。
【0054】
なお、本実施形態に係る復調装置100は、直交復調器20により受信信号RFからI信号及びQ信号を生成し、それらをFM復調部50に含まれるアークタンジェント型検波方式の検波器52により復調することとしたが、これに代えてヒルベルト変換器を採用し、受信信号RFをヒルベルト変換器に通し、そして検波器52により復調することとしてもよい。
【0055】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、請求の範囲の記載から明らかである。
【0056】
請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。